(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-506073(P2018-506073A)
(43)【公表日】2018年3月1日
(54)【発明の名称】マルチポイント、コンテンションレス波長選択スイッチ(WSS)
(51)【国際特許分類】
G02F 1/31 20060101AFI20180202BHJP
G02F 1/061 20060101ALI20180202BHJP
G02B 6/35 20060101ALI20180202BHJP
【FI】
G02F1/31
G02F1/061 503
G02B6/35
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-541798(P2017-541798)
(86)(22)【出願日】2016年4月5日
(85)【翻訳文提出日】2017年10月6日
(86)【国際出願番号】IB2016000435
(87)【国際公開番号】WO2016128841
(87)【国際公開日】20160818
(31)【優先権主張番号】14/709,770
(32)【優先日】2015年5月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/113,738
(32)【優先日】2015年2月9日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】510021199
【氏名又は名称】ニスティカ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェファーソン・エル・ワグナー
【テーマコード(参考)】
2H141
2K102
【Fターム(参考)】
2H141MA13
2H141MB24
2H141MB61
2H141ME02
2H141ME04
2H141ME06
2H141ME11
2H141ME13
2H141ME27
2H141MG01
2K102AA21
2K102BA05
2K102BA08
2K102BB04
2K102BC04
2K102BD02
2K102DB08
2K102DC07
2K102DC09
2K102DD02
2K102EB08
2K102EB10
2K102EB14
2K102EB16
(57)【要約】
光学デバイスは、複数の光入力ポートと、複数の光出力ポートと、波長分散配置と、少なくとも1つの光ビームステアリング配置とを含む。複数の光入力ポートは、各々が複数の波長成分を有する光ビームを受け取るように構成される。波長分散配置は、光ビームを受け取り、光ビームの各々を複数の波長成分に空間的に分離する。光ビームステアリング配置は、空間的に分離された波長成分が向けられる第1の領域および光ビームの各々の複数の波長成分の任意のサブセットが、サブセットの各々内の波長成分が互いに空間的に再合成された後に選択的に向けられる第2の領域を有する。光ビームステアリング配置は、複数の波長成分のサブセットの各々を光出力ポートのうちの異なる1つに選択的に向ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が複数の波長成分を有する光ビームを受け取るように構成される複数の光入力ポートと、
複数の光出力ポートと、
前記光ビームを受け取り、前記光ビームの各々を複数の波長成分に空間的に分離するための波長分散素子と、
前記光ビームの前記波長成分を受け取り、前記入力ポートのうちの2つによって受け取られる光ビームの波長成分が、前記出力ポートのうちの共通する1つに同時に向けることができないならば、前記光ビームの各々の前記複数の波長成分の任意のサブセットを前記光出力ポートのうちの異なる1つに選択的に向けるためのスイッチング配置と、
を備える、光学デバイス。
【請求項2】
前記スイッチング配置によって選択的に向けられる前記光ビームのうちの第1の光ビームの波長成分の前記サブセット、および前記スイッチング配置によって選択的に向けられる前記光ビームのうちの第2の光ビームの波長成分の前記サブセットは、同じ波長を有する波長成分を含む、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項3】
前記スイッチング配置は、前記空間的に分離された波長成分が向けられる第1の領域および波長成分の前記選択的に向けられるサブセットの各々が、前記サブセットの各々内の前記波長成分が互いに空間的に再合成された後に向けられる第2の領域を有する少なくとも1つの光ビームステアリング配置を含む、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの光ビームステアリング配置は、前記第1および第2の領域が位置する単一光ビームステアリング配置を含む、請求項3に記載の光学デバイス。
【請求項5】
前記光ビームステアリング配置は、第1および第2の光ビームステアリング配置を含み、前記第1の領域は、前記第1の光ビームステアリング配置上に位置し、前記第2の領域は、前記第2の光ビームステアリング配置上に位置する、請求項3に記載の光学デバイス。
【請求項6】
前記波長分散素子は、前記光ビームの各々を第1の平面内で空間的に分離し、前記スイッチング配置は、前記第1の平面に直交する第2の平面内で前記光ビームの各々の前記複数の波長成分の前記空間的に受け取られたサブセットを選択的に向ける、請求項3に記載の光学デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つの光ビームステアリング配置は、プログラム可能な光位相変調器を含む、請求項3に記載の光学デバイス。
【請求項8】
前記第1および第2の光ビームステアリング配置は、第1および第2のプログラム可能な光位相変調器を含む、請求項5に記載の光学デバイス。
【請求項9】
前記第1および第2の光ビームステアリング配置は、プログラム可能な光位相変調器およびMEMSベースのデバイスを含む、請求項5に記載の光学デバイス。
【請求項10】
前記第1の光ビームステアリング配置は、プログラム可能な光位相変調器であり、前記第2の光ビームステアリング配置は、MEMSベースのデバイスである、請求項5に記載の光学デバイス。
【請求項11】
前記スイッチング配置は、前記波長成分が、空間的に分離される波長成分に分散されている間、またそれらが非分散であるときにも、前記波長成分のうちの選択される波長成分を切り替えるように構成される、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項12】
各々が複数の波長成分を有する光ビームを受け取るように構成される複数の光入力ポートと、
複数の光出力ポートと、
前記光ビームを受け取り、前記光ビームの各々を複数の波長成分に空間的に分離するための波長分散配置と、
前記空間的に分離された波長成分が向けられる第1の領域および前記光ビームの各々の前記複数の波長成分の任意のサブセットが、前記サブセットの各々内の前記波長成分が互いに空間的に再合成された後に選択的に向けられる第2の領域を有する少なくとも1つの光ビームステアリング配置であって、前記複数の波長成分の前記サブセットの各々を前記光出力ポートのうちの異なる1つに選択的に向ける、少なくとも1つの光ビームステアリング配置と、
を備える、光学デバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの光ビームステアリング配置は、前記第1および第2の領域が位置する単一のプログラム可能な光位相変調器を含む、請求項12に記載の光学デバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの光ビームステアリング配置は、第1および第2のプログラム可能な光位相変調器を含み、前記第1の領域は、前記第1のプログラム可能な光位相変調器上に位置し、前記第2の領域は、前記第2のプログラム可能な光位相変調器上に位置する、請求項12に記載の光学デバイス。
【請求項15】
前記第2の領域は、波長成分の前記空間的に再合成されたサブセットが、前記少なくとも1つの光ビームステアリング配置によって選択的に向きを変えることができる複数の位置を含み、前記位置の各々は、前記位置の所与の1つに向けられる前記サブセットのいずれかが、前記所与の位置と関連する前記光出力ポートによって受け取られるように、前記光出力ポートのうちの異なる1つと関連付けられる、請求項12に記載の光学デバイス。
【請求項16】
前記波長分散素子は、前記光ビームの各々を第1の平面内で空間的に分離し、前記少なくとも1つの光ビームステアリング配置は、前記第1の平面に直交する第2の平面内で前記光ビームの各々の前記複数の波長成分の前記空間的に再合成されたサブセットを選択的に向ける、請求項15に記載の光学デバイス。
【請求項17】
前記少なくとも1つの光ビームステアリング配置は、プログラム可能な光位相変調器およびMEMSベースのデバイスを含み、前記第1の領域は、前記プログラム可能な光位相変調器上に位置し、前記第2の領域は、前記MEMSベースのデバイス上に位置する、請求項12に記載の光学デバイス。
【請求項18】
前記光ビームの少なくとも2つは、共通の波長に位置する波長成分を有する、請求項12に記載の光学デバイス。
【請求項19】
前記スイッチング配置は、前記波長成分のうちの空間的に分離された波長成分および互いに空間的に再合成されている波長成分を切り替える、請求項1に記載の光学デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、2015年2月9日に出願された「Multipoint, Contentionless Wavelength Selective Switch (WSS)」と題する米国仮出願第62/113,738号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
光通信ネットワークでは、個別波長(すなわち、チャンネル)に複数の光チャンネルを有する光信号は、典型的にはある長さの光ファイバを通って、1つの位置から別の位置に伝送される。1つの光ファイバから別の光ファイバへの光信号の切り替えを可能にする、様々な種類の光スイッチが、利用可能である。波長選択スイッチ(WSS)は、再構成可能な波長依存切り替えを可能にし、すなわち、それは、他の波長チャンネルを第1の光ファイバ内に伝搬させながら、ある波長チャンネルが第1の光ファイバから第2の光ファイバに切り替えられることを可能にする、またはそれは、ある波長チャンネルが第3の光ファイバに切り替えられることを可能にする。波長選択的光切り替えに基づく光ネットワークアーキテクチャは、個別波長チャンネルの光学経路を自動的に生成するまたはルート変更する能力に起因して多くの魅力的な特徴を有する。それは、サービス展開を加速し、光ネットワークの破損点の周りでのルート変更を加速し、サービスプロバイダのための資本経費および営業経費を低減し、ならびにネットワークの将来性のあるトポロジーを生成する。
【0003】
異なるスイッチングアーキテクチャは、個別波長の割り当ておよびルート選択に関して異なる柔軟度を提示する。
図1は、時には望まれる1つのルート選択機能を例示するN×M光スイッチ12の機能ブロック図を示す。N×M光スイッチ12は、N個の入力ポート10
1、10
2、10
3・・・10
N(「10」)およびM個の出力ポート15
1、15
2、15
3・・・15
M(「15」)を有する。入力ポート10は、多重波長またはチャンネルを含む波長分割多重化(WDM)信号を受け取ることができるWDMポートである。以下で説明されるように、望まれるルート選択機能は、時にはコンテンションレスルート選択と呼ばれる。
【0004】
コンテンションレスルート選択では、もし
図1に示されるように、1つの入力ポートで受け取られる波長λ
1の信号1が、所与の出力ポートに送られ、同じ波長λ
1の(しかし異なるデータ内容を有する)信号2が、異なる入力ポートで受け取られるならば、その時信号2は、信号1が送られる出力ポートを除いて任意の出力ポートに送られてもよい。言い換えれば、光スイッチ12は、1つの波長での1つの入力ポートから1つの出力ポートへの接続を、第2の接続が同じ波長で第2の入力ポートと第2の出力ポートとの間で確立されることを阻止することなく、確立することができる。
【0005】
図1に示される機能性を有する波長選択スイッチは、実証されている。そのような波長選択スイッチは、比較的少数の入力および出力ポートを有し、著しくより多いポートを提供するために容易には拡大されない。例えば、Neilson他への米国特許出願公開第2014/0294346号は、スイッチング素子としてLCOSアレイを用いる1つのWSSを示す。このデバイスでは、入力ポートで受け取られる各WDM信号は、結像され、LCOSアレイの分離した行に沿ってスペクトル的に分散される。その設計のために、このWSSは、N×Mスイッチの機能性を提供するために物理的に分離したM個の行がLCOSアレイ上に割り当てられることを必要とし、ただしM>Nである。これは、LCOSアレイの表面上に割り当てられる必要がある大量のスペースのために、比較的多数のポートを有するデバイスについては非現実的になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014/0294346号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によると、複数の光入力ポートと、複数の光出力ポートと、波長分散配置と、少なくとも1つの光ビームステアリング配置とを含む、光学デバイスが、提供される。複数の光入力ポートは、各々が複数の波長成分を有する光ビームを受け取るように構成される。波長分散配置は、光ビームを受け取り、光ビームの各々を複数の波長成分に空間的に分離する。光ビームステアリング配置は、空間的に分離された波長成分が向けられる第1の領域および光ビームの各々の複数の波長成分の任意のサブセットが、サブセットの各々内の波長成分が互いに空間的に再合成された後に選択的に向けられる第2の領域を有する。光ビームステアリング配置は、複数の波長成分のサブセットの各々を光出力ポートのうちの異なる1つに選択的に向ける。
【0008】
本発明の別の態様によると、複数の光入力ポートと、複数の光出力ポートと、波長分散素子と、スイッチング配置とを含む、光学デバイスが、提供される。複数の光入力ポートは、各々が複数の波長成分を有する光ビームを受け取るように構成される。波長分散素子は、光ビームを受け取り、光ビームの各々を複数の波長成分に空間的に分離する。スイッチング配置は、光ビームの波長成分を受け取り、入力ポートのうちの2つによって受け取られる光ビームの波長成分が、出力ポートのうちの共通する1つに同時に向けることができないならば、光ビームの各々の複数の波長成分の任意のサブセットを光出力ポートのうちの異なる1つに選択的に向ける。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】波長選択スイッチの一例の機能ブロック図である。
【
図2A】マルチポイントコンテンションレス波長選択スイッチなどの簡略化された光学デバイスの一例の上面図である。
【
図2B】マルチポイントコンテンションレス波長選択スイッチなどの簡略化された光学デバイスの一例の側面図である。
【
図3】入力ビームがその上に結像される、
図2Aおよび
図2Bの波長選択スイッチに用いられる第1のスイッチング素子の平面図である。
【
図4】非分散光ビームがその上に結像される、
図2Aおよび
図2Bの波長選択スイッチに用いられる第2のスイッチング素子の平面図である。
【
図5】入力ポートで受け取られる波長の様々なサブセットが出力ポートの様々なものに向けられているのを示す
図2Aおよび
図2Bの光学デバイスの側面図である。
【
図6】スイッチング配置が行うことができない2つの波長成分を切り替える仕方を例示する
図2Aおよび
図2Bの光学デバイスの側面図である。
【
図7】単一スイッチング素子だけがそこで用いられる、波長選択スイッチの代替実施形態に用いられるスイッチング素子の平面図である。
【
図8】
図2Aおよび
図2Bの波長選択スイッチの代替実施形態に用いられる第1のスイッチング素子の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図2Aおよび
図2Bは、本発明の実施形態と併せて使用されてもよいマルチポイントコンテンションレス波長選択スイッチ(WSS)100などの簡略化された光学デバイスの一例のそれぞれ上面図および側面図である。
図2Aの上面図はまた、本明細書では分散平面図とも呼ばれ、
図2Bの側面図はまた、本明細書ではスイッチング平面図とも呼ばれる。光は、入力および出力ポートとしての役割を果たす光ファイバなどの光導波路を通ってWSS100に入力され、出力される。
図2Bで最も良く見られるように、入力ポートアレイ101は、コリメータ102
1、102
2、102
3・・・102
mにそれぞれ結合される複数の個別入力ファイバ101
1、101
2、101
3・・・101
mを備えてもよい。入力ファイバ101の1つまたは複数からの光は、コリメータ102によって自由空間ビームに変換される。入力ポートアレイ101から出る光は、z軸に平行である。入力ポートアレイ101は、
図2Bでは4つの光ファイバ/コリメータ対を示すだけだが、より一般的には、任意の適切な数の光ファイバ/コリメータ対が、用いられてもよい。
【0011】
図2Aおよび
図2Bでは、2つの軸の光に影響を及ぼす光学素子は、両方の図では両凸光学系として実線を用いて例示される。他方では、1つの軸の光に影響を及ぼすだけである光学素子は、影響を受けるその軸において実線を用いて例示される。1つの軸の光に影響を及ぼすだけである光学素子はまた、それらが影響を及ぼさない軸において点線によって例示されもする。例えば、
図2Aおよび
図2Bでは、光学素子102、106、109および111は、両方の図において実線を用いて例示される。他方では、光学素子103、104、105、107および110は、
図2Aでは実線を用いて描写され(それらは、分散平面内で焦点合わせする能力を有するので)、
図2Bでは点線を用いて描写される(それらは、ビームがスイッチング平面内で影響を受けないままにするので)。光学素子108は、
図2Bでは実線を用いて描写され(それは、スイッチング平面内でビームに影響を及ぼすので)、
図2Aでは点線を用いて描写される(それは、ビームが分散平面内で影響を受けないままにするので)。
【0012】
入力ポートアレイ101から出るビームは、コリメータ102に向けられ、それらは、ビームをスイッチング平面内で1つの軸に沿ってコリメートし、ビームが分散平面内で発散し続けることを可能にする円柱レンズである。円柱レンズ103は、コリメータ102からビームを受け取り、分散平面内でビームをコリメートする。レンズ103は、スイッチング平面内でビームに有意な影響を有さない。ビームは今では、分散平面およびスイッチング平面の両方においてコリメートされる。
【0013】
円柱レンズ103によって分散平面内でコリメートされた後、ビームは、第1の波長分散素子104(例えば、回折格子またはプリズム)に向けられ、それは、自由空間光ビームを分散平面内でそれらの構成波長成分(もしくは単に「波長」)またはチャンネルに分ける。第1の波長分散素子104の構成(例えば、格子の向き)に起因して、それは、スイッチング平面内でビームに有意な影響を有さない。分散された波長は次いで、円柱レンズ105に向けられ、それは、波長を分散平面内で第1の透過スイッチング素子106に焦点合わせする。円柱レンズ105は、波長をスイッチング平面内でほとんど影響を受けないままにする。
【0014】
この時点において、入力ビームは、互いに空間的に分離されるが、しかし各々は、スイッチング素子106上で分散される。これは、
図3に例示され、それは、入力ビームがその上に結像される第1のスイッチング素子106の、また光学的フットプリント図としても知られる平面図である。入力ビーム202
1、202
2、202
3・・・202
mの各1つは、入力アレイ101内のファイバ101
1、101
2、101
3・・・101
mの1つから受け取られる。図示されるように、任意の特定の入力ビーム202
1、202
2、202
3・・・202
nは、x軸に沿ってその構成波長成分に分散され、y軸に沿って他の入力ビームから空間的に分離される。
【0015】
第1のスイッチング素子106は次いで、入力ビームをスイッチング平面内で波長に依存する仕方で進ませる。第1のスイッチング素子による切り替えは、第2のスイッチング素子109と協調して行われる。この切り替えが行われる仕方は、
図2Aおよび
図2Bに示される光学デバイスの例において残りの光学素子を明示した後、以下で説明されることになる。
【0016】
第1のスイッチング素子106によって進められた後、入力ビームの各々の構成波長成分のいくつかまたはすべては、円柱レンズ107によって分散平面内で再度コリメートされる。第2の波長分散素子108(例えば、回折格子またはプリズム)が次いで、分散平面内でビームのコリメートされた構成成分を合成するまたは非分散にするために使用される。円柱レンズ107および第2の波長分散素子108は、スイッチング平面内で有意な影響を有さない。
【0017】
第2のスイッチング素子109は、分散素子108から再合成されたビームを受け取る。ビームの各々が第2のスイッチング素子109上で受け取られる位置は、第1のスイッチング素子106によって行われる切り替えによって決定される。具体的には、再合成されたビームはそれぞれ、
図2Bに示される位置A、B、C・・・の1つに選択的に向けられる。
図4は、第2のスイッチング素子109上で様々な位置A、B、C・・・に到着するビーム204
1、204
2、204
3・・・204
nを示し、それらは、分散されないけれども、第2のスイッチング素子109上で他の入力ビーム204
1、204
2、204
3・・・204
nから物理的に分離される。
【0018】
円柱レンズ110、円柱小型レンズアレイ111およびファイバアレイ112は、同様の方法で入力光学系101、102および103への出力光学的結合を形成する。特に、円柱レンズ110は、スイッチング平面内でビームをコリメートし、ビームを円柱小型レンズアレイ111内の円柱レンズ111
1、111
2、111
3・・・111
nのそれぞれの1つに向ける。各円柱レンズ111
1、111
2、111
3・・・111
nは、そのそれぞれのビームを出力ファイバポートアレイ112内の出力ポート112
1、112
2、112
3・・・112
nの対応する1つに向ける。
【0019】
図2Bに示されるように、第2のスイッチング素子109上の位置A、B、C・・・と出力ポート112
1、112
2、112
3・・・112
nとの間には1対1の関係がある。すなわち、入力ポートのいずれかから向けられる各ビーム内の再合成された波長の任意のサブセットについて言うと(to say)、第2のスイッチング素子109上の位置Aは常に、第2のスイッチング素子109によって出力ポートの同じ所定の1つに向けられることになる。より一般的には、入力ポートのいずれかによって第2のスイッチング素子109上の任意の特定の位置A、B、C・・・に向けられる各ビーム内の再合成された波長の任意のサブセットは常に、第2のスイッチング素子109によって第2のスイッチング素子109上の特定のA、B、C・・・に対応する出力ポートの同じ所定の1つに向けられることになる。
【0020】
動作中は、第1および第2のスイッチング素子106および109は、任意の所与の出力ポートが、任意の一時に単一入力ポートから波長のサブセットを受け取ることができるだけであるならば、任意の所与の入力ポート101によって受け取られる光ビームの波長の任意のサブセットが任意の所与の出力ポート112に送られてもよいように協働する。すなわち、スイッチング素子106および109は、出力ポートが、同時に多数入力ではなく、任意の所与の時に1つの入力への接続を支援するだけであるという点で制限されるように配置される。この切り替え挙動は、
図5および
図6を参照して例示されることになる。
【0021】
図5は、入力ポート101上で受け取られる波長の様々なサブセットが出力ポートの様々なものに向けられているのを示す。各入力ポートは、波長成分λ
1〜λ
nを含むWDM光ビームを受け取る。例えば、
図5では、入力ポート101
1によって受け取られる光ビームの波長成分λ
1およびλ
5〜λ
7は、出力ポート112
9に向けられ、入力ポート101
2によって受け取られる光ビームの波長成分λ
1は、出力ポート112
1に向けられ、入力ポート101
3によって受け取られる光ビームの波長成分λ
1〜λ
nは、出力ポート112
5に向けられ、入力ポート101
nによって受け取られる光ビームの波長成分λ
3〜λ
4、λ
6およびλ
10〜λ
nは、出力ポート112
7に向けられる。
【0022】
図5と対照的に、
図6は、波長成分が、第1のスイッチング素子106から第2のスイッチング素子109に送られる、仮想的で、容認できない状況を示す。具体的には、
図7に示される切り替え挙動は、第2のスイッチング素子109上の位置Dが入力ポート101
1および入力ポート101
3の両方から波長成分を同時に受け取るのを示すので、容認できない。
【0023】
第1および第2のスイッチング素子106および109は、いろいろな異なる技術基盤のいずれかに基づいてもよい。例えば、第1および第2のスイッチング素子は、例えばプログラム可能な光位相変調器または微小電気機械(MEMS)ベースのデバイスなどのビームステアリング素子であってもよい。適切なプログラム可能な光位相変調器の一例は、反射型液晶(LCoS: liquid crystal on silicon)デバイスである。MEMSベースのデバイスの一例は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)である。いくつかの実施形態では、第1および第2のスイッチング素子106および109の両方は、同じ技術基盤または異なる技術基盤に基づいている。例えば、後者の場合は、第1のスイッチング素子106は、プログラム可能な光位相変調器であってもよく、第2のスイッチング素子109は、MEMSベースのデバイスであってもよい。
【0024】
一代替実施では、単一スイッチング素子が、
図2〜
図6に示される2つのスイッチング素子の代わりに用いられる。すなわち、
図2〜
図6に示される第1および第2のスイッチング素子の両方の機能は、1つの物理的スイッチング素子を用いて成し遂げられる。
図7は、そのような複合スイッチング素子301の光学的フットプリント図を示す。分散ビーム302および非分散ビーム303は、物理的に分離され、多数の方法で配向されまたは配列されることもあり得る。例えば、分散ビーム302および非分散ビーム303の両方は、
図4では水平方向に延びるけれども、他の実施形態では、それらは、互いに異なる方向に延びてもよい(例えば、分散ビーム302は、水平方向に延びてもよく、非分散ビーム303は、垂直方向に延びてもよい)。
【0025】
別の代替実施では、クロストークは、空間的に分離された入力ビームが、入力ビームが互いに関して整列されないようにスイッチング素子106上に結像されるように、入力ポートを配向することによって低減されてもよい。これは、
図8に示され、それは、
図3の平面図に似たスイッチング素子106の平面図である。
図8では、しかしながら、入力ビームは、任意の2つの異なる入力ビーム内の同じ波長が、y軸に沿って整列されないように、x軸に沿ってずらして配置される。
【0026】
本明細書で述べられる光スイッチは、入力ポートが、出力ポートとしての役割を果たし、出力ポートが、入力ポートとしての役割を果たしてもよいような、相反的仕方で動作してもよいことに留意すべきである。それに応じて、用語入力および出力は、本明細書では交換可能に使用される。
【符号の説明】
【0027】
101 入力ポートアレイ、入力ファイバ、入力光学系
101
1、101
2、101
3・・・101
m 入力ファイバ、入力ポート
102 光増幅器、コリメータ、光学素子、入力光学系
102
1、102
2、102
3・・・102
m コリメータ
103 光学素子、円柱レンズ、入力光学系
104 パワースプリッタ(PS)または波長選択スイッチ(WSS)、PS/WSS、光学素子、第1の波長分散素子
105 光学素子、円柱レンズ
106 WSS、光学素子、第1のスイッチング素子
107 光学素子、円柱レンズ
108 光学素子、第2の波長分散素子
109 光学素子、第2のスイッチング素子
110 光学素子、円柱レンズ
110
1、110
2、110
3 出力ポート
111 光学素子、円柱小型レンズアレイ
111
1、111
2、111
3・・・111
n 円柱レンズ
112 ファイバアレイ、出力ファイバポートアレイ、出力ポート
112
1、112
2、112
3・・・112
n 出力ポート
202
1、202
2、202
3・・・202
m 入力ビーム
204
1、204
2、204
3・・・204
n 入力ビーム
301 複合スイッチング素子
302 分散ビーム
303 非分散ビーム
【国際調査報告】