(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-506475(P2018-506475A)
(43)【公表日】2018年3月8日
(54)【発明の名称】ドローンの着陸および充電システム
(51)【国際特許分類】
B64F 1/00 20060101AFI20180209BHJP
B64F 1/36 20170101ALI20180209BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20180209BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20180209BHJP
【FI】
B64F1/00 Z
B64F1/36
B64C39/02
H02J7/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-559938(P2017-559938)
(86)(22)【出願日】2016年1月28日
(85)【翻訳文提出日】2017年10月3日
(86)【国際出願番号】IL2016050094
(87)【国際公開番号】WO2016125142
(87)【国際公開日】20160811
(31)【優先権主張番号】237130
(32)【優先日】2015年2月5日
(33)【優先権主張国】IL
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517275265
【氏名又は名称】アイロボティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ラン
(72)【発明者】
【氏名】クライナー マイアー
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
(57)【要約】
無人の乗物の帰還および充電のためのシステムは、複数の帰還層を備え、複数の帰還層は、中心に帰還ターゲットを有する仮想円の半径に沿って機能し、各帰還層は、仮想円の中心から遠く離れた半径に沿って機能するサブシステムの配置手段よりも精度の高い配置手段をそれぞれ備えたサブシステムで構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人の乗物の帰還および充電のためのシステムであって、前記システムは、複数の帰還層を備え、前記複数の帰還層は、中心に帰還ターゲットを有する仮想円の半径に沿って動作し、前記各帰還層は、前記仮想円の中心から遠く離れた前記半径に沿って機能するサブシステムの配置手段よりも精度の高い配置手段をそれぞれ備えたサブシステムで構成される、システム。
【請求項2】
前記無人の乗物は飛行体であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記飛行体は無人飛行体(UAV)であることを特徴とする、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記配置手段は、GPS、DGPS、コンピュータ化された視覚解析システム、光学センサ、近距離センサ、電磁センサ、および高周波システムから選択されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記内側の帰還層は、物理的な位置決め手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記物理的な位置決め手段は、集約手段および捕捉手段を備えることを特徴とする、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記集約手段および前記捕捉手段、またはその一部は、前記着陸プラットフォームに配置されていることを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記集約手段および捕捉手段、またはその一部は、前記UAVに配置されていることを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記物理的な位置決め手段は、グリップワイヤおよび電磁アセンブリを含む、グリッパから選択されることを特徴とする、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
バッテリ充電装置をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
バッテリ交換装置をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記サブシステムは遠隔制御が可能であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
データ管理コンポーネントおよび/またはデータ処理コンポーネントの少なくとも1つをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記データ管理コンポーネントはプロセッサであることを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記データ管理コンポーネントはレシーバであることを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記データ管理コンポーネントは、前記乗物からデータを受信するのに適していることを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
請求項1に記載のシステムと共に用いるのに適したフラットコイル装置であって、前記コイルは電流が前記コイルを介して流れるのに適しており、前記電流は、当該コイルの中心に向かって様々な材料を牽引する磁界を発生させることを特徴とするフラットコイル装置。
【請求項18】
UAVを着陸させる方法であって、該方法は、前記UAVから接続ワイヤを下ろし、前記UAVと着陸プラットフォームの中心とを接続する前記ワイヤに印加される張力を発生させ、その後、前記ワイヤの前記UAVと前記プラットフォームとの間の長さを、前記UAVが前記着陸プラットフォームに接触するまで短くすることを備える、方法。
【請求項19】
前記ワイヤの長さを短くすることは、ウィンチを用いて前記ワイヤを前記UAV上で巻き取ることによって達成されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ワイヤの長さを短くすることは、着陸プラットフォームの端部に配置された装置によって達成されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は人間による介入を必要とすることなく、ドローンなどの無人飛行体を案内、着陸および充電するためのシステムに関する。
【0002】
[発明の背景]
ドローンは、探知、撮影、さらに小規模な軍事攻撃等の、多くの目的のために使用される。ドローンは操作者によって遠隔制御が可能であるが、所定の経路で飛行するようプログラムすることも可能である。ドローンを案内するための別の一般的な方法は、所定の経路をプログラムすることと、必要に応じて操作者が介入してドローンの操作を行うことの両方を用いることである。本明細書全体を通して、「無人飛行体(UAV)」および「ドローン」の語は、互換的に使用される。
【0003】
ドローンが特定の位置で確実に安全に着陸するには、ドローンが着陸位置に近付いた際に、熟練した操作者がドローンを案内する必要がある。公知の自動システムは、通常、特定の地点にドローンを着陸させるのに必要な精度を欠いているため、操作者によって着陸が行われない場合には、大抵ドローンが破損してしまう。
また、毎回飛行の前に、ドローンのバッテリを交換したり、充電したりする必要もある。これは、ドローンが充電可能な場所に到達しなければならないことを意味する。充電プロセスは、通常、人がバッテリを交換するか、またはドローンを電源に接続する必要があり、このことは、充電を行う場所に高い技術を有する操作者がいなければならないことを意味する。このことにより応答時間やコストは明らかに増加し、この方法では、システムを自律的に操作することができない。
【0004】
したがって本発明の目的は、自律的にドローンの案内、着陸、充電を行うのに適したシステムを提供することである。
本発明の別の目的は、人間の介入を必要としないドローンの使用を可能にするシステムを提供することである。
本発明の他の目的および利点は、説明が進むにつれて明らかとなる。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、無人の乗物の帰還および充電のためのシステムに関する。前記システムは、複数、通常3層までの帰還層を備え、前記複数の帰還層は、中心に帰還ターゲットを有する仮想円の半径に沿って機能し、前記各帰還層は、前記仮想円の中心から遠く離れた前記半径に沿って機能するサブシステムの配置手段よりも精度の高い配置手段をそれぞれ備えたサブシステムで構成される。
【0006】
当該無人の乗物は、ドローンのような飛行体であってもよい。当該配置手段は、GPS、DGPS、コンピュータ化された視覚分析システム、光学センサ、近距離センサ、または乗物および/もしくは充電プレート、またはドッキングステーションの位置を示すことができる他の任意の手段の中から選択される。当業者には明らかとなるように、このような手段は、無線通信チップのような高度な解決策と同様に、三角測量法のような公知の位置決定方法を含んでいてもよい。公知の位置システムの例示的な例は、送信機と受信機との間のパルス信号の伝播時間を測定することによって距離を決定する飛行時間システム、レーザー測距追跡装置等の光学追跡装置、超音波追跡装置、(光学)ビーコンおよびセンサを使用する空間走査システム、慣性センサ、基準エミッタからの入力信号の位相と比較した、移動するターゲット上のエミッタからの入力信号の位相のシフトを測定する位相差システム、公知のフィールドを使用して向きまたは位置を取得する直接磁界感知システム、およびハイブリッド位置決めシステムを含む。しかし、本発明は、特定のシステム、サブシステム、または方法の組み合わせに限定されない。UAVの位置を決定するのに使用可能な、現在のまたは未来の全ての方法は、本発明に包含される。
【0007】
内側の帰還層は、物理的な位置決め手段を備え、該物理的な位置決め手段は、集約手段と捕捉手段とに分けられていてもよい。該物理的な位置決め手段は、グリップワイヤおよび電磁アセンブリを含むグリッパを備えていてもよい。これらのグリッパは、固定・機械的降下装置のような、ドローンに配置されたアセンブリと協働する。本明細書で使用される「グリップワイヤ」という語は、着陸段階において前記無人飛行体と前記着陸プラットフォームとを物理的に接続し、前記UAVが前記着陸プラットフォームに向かうように張力がかけられ得るワイヤを意味している。同様に、捕捉という語は、グリップワイヤが捕捉されると通常その遊端(近位端)においてグリップワイヤをロックする、ロック手段を備えたシステムを指していてもよい。例えば、ロック用のフォークを設けて、グリップワイヤの遊端に設けられた球体を、該球体の位置が所望の位置で検出され、強電磁石によって捕捉された後にロックするようにしてもよい。条件によっては、このようなロックでUAVをより強く着陸面へ係留するようにしてもよい。
【0008】
前記システムは、バッテリ充電装置および/またはバッテリ交換装置をさらに備えていてもよい。
前記サブシステムは、遠隔制御が可能であり、前記システムは、プロセッサおよび/またはレシーバ等の、少なくとも1つのデータ管理コンポーネントをさらに備えていてもよい。前記データ管理コンポーネントは、前記乗物からデータを受信するのに適していてもよい。
【0009】
さらに、前記システムは、データ管理、データ分析、およびデータ処理の提供が可能な、他のコンポーネントを備えていてもよい。前記システムは、通信手段、コンピュータ、様々なソフトウェアプログラム、および様々な機械的手段をさらに備えていてもよく、これらは全て、前記乗物および/またはコントロールセンタ、および/または前記システムと通信している他の場所にデータを送信する能力を有しており、乗物を充電プラットフォームへと誘導し、データを処理、分析する一方で、前記乗物をプラットフォーム上に安全に着陸させるのに適している。
【0010】
本発明は、添付図面を参照してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例による、異なる精度を有する3つの帰還円を表す、3つのサブシステムの概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による、閉じた充電プラットフォームの斜視図である。
【
図3】
図3は、カバーが開いておりドローンが中に配置されているときの、
図2の充電プラットフォームの斜視図である。
【
図4】
図4は、側壁が取り除かれた
図2の充電プラットフォームの側面図である。
【
図5】
図5は、
図4の充電プラットフォームの斜視図であり、最低位置に配置された着陸面を示している。
【
図6】
図6は、本発明の別の実施の形態による、フラットコイルの上面図である。
【
図7】
図7は、例示的なドローンの着陸の初期段階をさらに説明している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[発明の詳細な説明]
本発明のシステム(「帰還システム」とも呼ぶ)は、複数のサブシステムを備える着陸・充電プラットフォームを備え、各サブシステムは、ドローンを充電プラットフォームに案内および着陸させるのに寄与する。
【0013】
以下の説明ではドローンの動作についてふれているが、本発明のシステムは、他の航空機、乗物、または特定の位置に案内される必要がある他の可搬性の物体に使用することが可能である。
【0014】
本発明は、一局面において、複数の帰還層を備える無人飛行体を帰還させ、充電するためのシステムに関する。該複数の帰還層は通常3層までであるがそれに限定されず、中心に帰還ターゲットを有する仮想円の半径に沿って機能するよう構成されている。各帰還層は、前記仮想円の中心から遠く離れた前記半径に沿って機能するサブシステムの配置手段よりも、精度の高い配置手段が設けられたサブシステムで構成される。
【0015】
図1は、3つの帰還・着陸段階に関連する、3つの円で印がつけられた3つのサブシステムの概略図である。本発明の一実施形態によると、円の中心は、ドローンの所望の着陸位置を示すものである。第1のサブシステム101は、この例では、第1の帰還段階に関し、該第1の帰還段階は、本実施形態においては、グローバルポジショニングシステム(以下、「GPSまたはDGPSシステム」とも呼ぶ)に基づいてドローンを誘導することにより実行される。ドローンがGPSシステムから自機の位置を受信し、充電プラットフォームの位置が分かっているため、ドローンは充電プラットフォームに向かって自機を誘導することができる。また、ドローンはプラットフォームの位置に関する詳細を、例えば無線通信によって受信することができる。
【0016】
GPSシステムは、遠距離からでも対象物を案内するのに適しており、よって第1のサブシステムとして使用することに適している。商業的なGPSシステムの精度は約3mまで達し得る。一方、軍事用のシステムはより高い精度を有する。
【0017】
第2のサブシステム102は、ドローンがプラットフォームに接近し、光学センサ、近距離センサ、またはコンピュータビジョンによって検知可能になったときに適しており、「近距離システム」とも呼ばれる。サブシステム102の代替的な形態には、例えば、ドローンを着陸プラットフォームの中心に案内するのに適した三角測量プロセスを実行するのに使用可能な高周波システム(RFシステム)、および、例えば上記のシステムのような、その他の適切な位置決定システムも含まれる。(光学、聴覚、または電磁気的な)近距離システムはドローンおよび/または充電プラットフォームに配置することが可能である。検知信号はプロセッサによって処理され、充電システムに対するドローンの相対的な位置を計算することが可能である。
【0018】
近距離システムは、精度が約30cmに達し得るため、GPSシステムよりも良好な精度を有することが可能であり、必要に応じて、ドローンを前記システムによってプラットフォーム103に向かって誘導することが可能である。
【0019】
GPSシステムおよび近距離システムの両者は、任意の公知の有線通信手段、例えばWI−FI接続または衛星を含む無線のような無線通信手段によって、ドローンと通信することが可能である。また、ドローンは、遠隔コンピュータと通信することが可能であり、該遠隔コンピュータは、ドローンが位置するあらゆる位置において、どのシステムがより適切であるかを評価することが可能である。選択されたシステムの制御は、必要に応じて、ドローンとサブシステムとの操作が可能な操作者によって行うことも可能である。
【0020】
第3のサブシステム103は、ドローンと充電プラットフォームとの間の物理的な接続を提供するシステムである。このようなサブシステムは、機械的手段によって物理的な接続を行うことが可能である。該機械的手段とは、例えば、グリップワイヤをドローンから、マウントポイントが設けられている着陸プラットフォームに向けて解放することによって、マウントポイントとグリップワイヤとの間が接続されたとき、ドローンがプラットフォーム上の着陸位置に達するまで、ドローンをプラットフォームに向かって牽引することが可能である。グリップワイヤは、重りまたはロック機構の成形された部分を、その端部、またはその長さに沿った別の部分に備えていてもよい。当該重りまたはロック機構の成形された部分は、強磁性体で形成されていてもよく、着陸プラットフォームの中央部に、例えば機械的または磁気的に係止する。
【0021】
着陸工程は、風等の気象条件によって大きく影響を受けることがあり、ランダムな気流現象を予測することは困難である。そのため、ドローンを数センチメートル以内のずれで特定の場所に着陸させることは、通常は非常に困難である。第3のサブシステム103は、ドローンが正確に特定の着陸点に到達するように強制する物理的な接続を提供することによって、その問題を克服している。
【0022】
また、第3のサブシステム103は電磁気装置を備えていてもよく、該装置は所望の着陸位置に配置され、ドローンが空中にある間にドローンのグリップワイヤの遊端部に磁気的な牽引力を加え、例えば、ドローンに配置されたウインチの作動により、または着陸プラットフォームに配置された牽引機構によって、ワイヤに適切な力が加えられたときに、ドローンを着陸位置に向かって引っ張るのに適している。本発明の別の実施形態によれば、第3のサブシステム103は、集約・捕捉機構を備えていてもよく、該集約・捕捉機構は例えば、円錐状の要素で、ドローンがその内部空間に入ると、該機構が作動し、機械的にまたは重力のみによって球体を傾斜に沿って牽引する。第3のサブシステム103の精度は約2cmである。
【0023】
ドローンのグリップワイヤに磁気的な牽引力を加え、充電プラットフォームの中心に向かってドローンを牽引するのに適した電磁石の構造の一例は、フラットコイル601を示している
図6の構造である。電流はコイル601の端部602を流れ、磁界を発生させ、これによって金属などの磁性材料をコイル601の中心方向に牽引することが可能である。コイル601が、サブシステム101,102,103の仮想円と同心である場合、コイル601によって牽引されるドローンのグリップワイヤは前記仮想円の中心、つまり帰還ターゲットに向かって牽引される。
【0024】
圧力センサおよび/またはモーションセンサ、並びに環境条件に応じてドローンの動きを制限する制御部等の、天候条件を克服するための追加の手段が設けられていてもよい。前述のように、操作者はどの時点でも介入してドローンを操作し、自律的な着陸処理に依存する代わりに、遠隔的にドローンを着陸させることが可能である。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態による閉じた充電プラットフォームの斜視図である。充電プラットフォーム201には、(
図3に示されるような)内部の構成部品または内部に収容可能なドローンを保護するためのカバー202が設けられている。ドローンが充電プラットフォーム201に近づくと、カバー202が自動的に開くようになっていてもよい。
【0026】
充電プラットフォーム201には、ドローンからの、および操作者がいる制御センタからのデータを送受信するのに適した通信部品203が設けられている。充電プラットフォーム201には、充電プラットフォーム201の様々な構成要素に電力を供給する、外部電源に接続可能な電源プラグ204も設けられている。また、ドローンの位置や充電プラットフォーム201からの距離、充電が必要となるまでにドローンが運転を継続することができる推定時間などの、様々な種類のデータを表示するためのスクリーン205が設けられていてもよい。ドローンが(
図3に示されるように)充電プラットフォーム201内に配置されているときには、スクリーン205にドローンの充電処理の進行を示すことも可能である。もちろん、任意のデータをコントロールセンタにいる操作者に送ることも可能である。
【0027】
電源プラグ204は、交換可能および/もしくは充電可能なバッテリ、または太陽エネルギー収集装置などの、他の任意の電源要素に置き換えてもよい。
図3は、
図2の充電プラットフォーム201の斜視図であり、該充電プラットフォーム201は、開位置にあるカバー202(図示なし)と、充電プラットフォーム201内に配置されたドローン301とを備えている。着陸面302は、ドローン301を充電するのに適した、磁気誘導要素を備えていてもよい。着陸面302には、電源プラグ204と電源との接続を介して、電力が供給される。ドローン301を充電するほかに、充電プラットフォーム201は、ドローン301が使用中でないときには、ドローン301を収容することが可能である。
【0028】
充電プラットフォーム201は、「ドッキングステーション」とも呼ばれる。それは、充電プラットフォーム201が、単にドローンを充電するだけでなく、様々な乗物の保管および保護にも適しているからである。さらに、充電プラットフォーム201は、データの処理や提供が可能な基地局として使用することが可能である。
【0029】
本明細書は、充電プラットフォームを着陸プラットフォームとして参照しているが、もちろん本発明は、充電面を有する、または充電面を有さない、同様の着陸プラットフォームを含んでいる。また、前記充電工程は磁気誘導であってもよいが、ドローンが充電プラットフォームに配置された後に、他の公知の手段によって充電されてもよい。例えば、ドローンはさらに電流供給装置に直接接続されてもよいし、またはバッテリを充電されたものに交換することによって再供給されてもよい。
【0030】
図4は、側壁が取り除かれた
図2の充電プラットフォーム201の側面図であり、
図3の着陸面302が、昇降手段401によって高く上昇可能であることを示している。着陸面302の上昇は、着陸面302上でのドローンの位置決めに寄与し、
図2のカバー202を閉じたい場合には、
図4の充電プラットフォーム201の斜視図である
図5に示すように、ドローンを下降させることが可能であり、
図5では着陸面302が最低位置に配置されている。
図5に示された構成要素のうち、詳細に説明されていない要素は、従来の電気および機械部品であり、本明細書に記載された動作を実行するために必要とされるものである。これらの構成要素の正確な説明は、本発明を理解するために必要とされるものではない。したがって、これらの要素は簡略化のため、詳細には説明されない。
【0031】
ドローンが離陸すると、第3のサブシステムの機械的要素は、自動的または遠隔操作で、ドローンを解放することが可能である。第3のサブシステムが電磁気要素に基づいている場合には、当該電磁気要素を停止して、グリップワイヤワイヤを解放することにより、ドローンを解放することが可能である。
【0032】
ここで
図7を参照すると、一般的なドローン700が、当該ドローンから解放され、この特定の実施形態ではその先端に強磁性の重り702を備えたグリップワイヤ701と共に示されている。当該グリップワイヤは、例えばウインチなどの、任意の適切な手段によって解放可能であり、そして一旦垂れ下がると、重り702が、例えば
図1の103のような着陸プラットフォームの電磁石によって捕捉される。重り702に作用する電磁力により、グリップワイヤが着陸プラットフォームの中心に到達すると、必要に応じて、任意の適切なロックアセンブリによって、着陸プラットフォームに堅固に係止されてもよい。その際に、ワイヤ701に張力をかけ、ドローンに設けられたウインチで巻き取るか、または着陸プラットフォームに配置された牽引アセンブリ(図示せず)を用いて引き下ろすことによって、ドローンを中心に寄せ、実質的に着陸プラットフォームの中心に着陸させる。
【0033】
上記の説明は全て例示の目的で提供されたものであり、添付の特許請求の範囲に記載されたものを除いて、いかなる方法においても本発明を限定することを意図するものではない。
【手続補正書】
【提出日】2016年12月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人の乗物の帰還および充電のためのシステムであって、前記システムは、複数の帰還層を備え、前記複数の帰還層は、中心に帰還ターゲットを有する仮想円の半径に沿って動作し、前記各帰還層は、前記仮想円の中心から遠く離れた前記半径に沿って機能するサブシステムの配置手段よりも精度の高い配置手段をそれぞれ備えたサブシステムで構成される、システム。
【請求項2】
前記無人の乗物は飛行体であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記飛行体は無人飛行体(UAV)であることを特徴とする、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記配置手段は、GPS、DGPS、コンピュータ化された視覚解析システム、光学センサ、近距離センサ、電磁センサ、および高周波システムから選択されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記内側の帰還層は、物理的な位置決め手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記物理的な位置決め手段は、集約手段および捕捉手段を備えることを特徴とする、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記集約手段および前記捕捉手段、またはその一部は、前記着陸プラットフォームに配置されていることを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記集約手段および捕捉手段、またはその一部は、前記UAVに配置されていることを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記物理的な位置決め手段は、グリップワイヤおよび電磁アセンブリを含む、グリッパから選択されることを特徴とする、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
バッテリ充電装置をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
バッテリ交換装置をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記サブシステムは遠隔制御が可能であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
データ管理コンポーネントおよび/またはデータ処理コンポーネントの少なくとも1つをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記データ管理コンポーネントはプロセッサであることを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記データ管理コンポーネントはレシーバであることを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記データ管理コンポーネントは、前記乗物からデータを受信するのに適していることを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
請求項1に記載のシステムと共に用いるのに適したフラットコイル装置であって、前記コイルは電流が前記コイルを介して流れるのに適しており、前記電流は、当該コイルの中心に向かって様々な材料を牽引する磁界を発生させることを特徴とするフラットコイル装置。
【請求項18】
UAVを着陸させる方法であって、該方法は、前記UAVから接続ワイヤを着陸プラットフォームへ下ろし、前記UAVと前記着陸プラットフォームの中心とを接続する前記ワイヤに印加される張力を発生させ、その後、前記ワイヤの前記UAVと前記プラットフォームとの間の長さを、前記UAVが前記着陸プラットフォームの着陸面に接触するまで短くすることを備える、方法。
【請求項19】
前記ワイヤの長さを短くすることは、ウィンチを用いて前記ワイヤを前記UAV上で巻き取ることによって達成されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ワイヤの長さを短くすることは、着陸プラットフォームの端部に配置された装置によって達成されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【国際調査報告】