(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-506737(P2018-506737A)
(43)【公表日】2018年3月8日
(54)【発明の名称】改良された色順次式ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20180209BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20180209BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20180209BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20180209BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20180209BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20180209BHJP
【FI】
G09G3/20 680C
G09G3/20 642J
G09G3/20 641P
G09G3/34 J
G09G3/34 D
G09G3/36
G09G3/20 612J
G09G3/20 612U
G09G3/20 641E
G03B21/00 F
G03B21/14 Z
G02F1/133 510
G02F1/133 535
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-536826(P2017-536826)
(86)(22)【出願日】2016年1月11日
(85)【翻訳文提出日】2017年8月28日
(86)【国際出願番号】US2016012902
(87)【国際公開番号】WO2016115049
(87)【国際公開日】20160721
(31)【優先権主張番号】62/102,740
(32)【優先日】2015年1月13日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カシュ, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】リー, ダグラス バートラム
【テーマコード(参考)】
2H193
2K203
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H193ZF15
2H193ZG14
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5C006AA11
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5C080JJ01
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5C080JJ07
(57)【要約】
説明されるのは、従来のディスプレイ技術に関する問題を軽減することができる、色順次式ディスプレイを実装するための改良されたアプローチである。色割れは、元の色チャネルを修正し、オリジナルのものから導出された1つ以上の追加の色チャネルを追加することによって軽減される。一実施形態において、システムは、赤色光源、緑色光源、および青色光源を有する光源と、画像データに対応する少なくとも1つのピクセルを有するディスプレイであって、画像データは、赤色光源のための赤色チャネル、緑色光源のための緑色チャネル、および青色光源のための青色チャネルから発生させられる光から形成される、ディスプレイと、少なくとも1つのピクセルを表示するように光源およびディスプレイの動作を制御するコントローラとを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
赤色光源、緑色光源、および青色光源を有する光源と、
画像データに対応する少なくとも1つのピクセルを有するディスプレイであって、前記画像データは、前記赤色光源のための赤色チャネル、前記緑色光源のための緑色チャネル、および前記青色光源のための青色チャネルから発生させられる光から形成される、ディスプレイと、
前記少なくとも1つのピクセルを表示するように前記光源および前記ディスプレイの動作を制御するコントローラと
を備え、
前記コントローラは、前記赤色チャネルを修正し、減少させられた赤色チャネルを生成し、前記緑色チャネルを修正し、減少させられた緑色チャネルを生成し、前記青色チャネルを修正し、減少させられた青色チャネルを生成し、前記コントローラは、前記赤色チャネル、前記緑色チャネル、および前記青色チャネルから除去された部分から白色チャネルを形成し、前記少なくとも1つのピクセルは、前記白色チャネル、前記減少させられた赤色チャネル、前記減少させられた緑色チャネル、および前記減少させられた青色チャネルの任意の順序において、順次の提示によって形成される、システム。
【請求項2】
前記光源は、(a)異なる色の複数のソリッドステート光源、(b)前記赤色光源、前記緑色光源、および前記青色光源を形成するためのカラーフィルタ、(c)カラーホイール、または、(d)ビームスプリッタのうちの少なくとも1つを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ディスプレイは、(a)LCOS(liquid crystal on silicon)パネル、または、(b)DMD(デジタルミラーデバイス)機構のうちの少なくとも1つを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
ピクセル座標(i,j)における前記赤色チャネルは、r(i,j)として表され、
前記ピクセル座標(i,j)における前記緑色チャネルは、g(i,j)として表され、
前記ピクセル座標(i,j)における前記青色チャネルは、b(i,j)として表され、
前記白色チャネルw(i,j)は、
w(i,j)=min(r(i,j),g(i,j),b(i,j))
によって算出され、
前記減少させられた赤色チャネルr'(i,j)は、
r'(i,j)=r(i,j)−w(i,j)
によって算出され、
前記減少させられた緑色チャネルg'(i,j)は、
g'(i,j)=r(i,j)−w(i,j)
によって算出され、
前記減少させられた青色チャネルb'(i,j)は、
青色:b'(i,j)=b(i,j)−w(i,j)
によって算出される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
ピクセル座標(i,j)における前記赤色チャネルは、r(i,j)として表され、
前記ピクセル座標(i,j)における前記緑色チャネルは、g(i,j)として表され、
前記ピクセル座標(i,j)における前記青色チャネルは、b(i,j)として表され、
前記白色チャネルw(i,j)は、
w(i,j)=α×min(r(i,j),g(i,j),b(i,j))
によって算出され、式中、α<1.0である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
ピクセル座標(i,j)における前記赤色チャネルは、r(i,j)として表され、
前記ピクセル座標(i,j)における前記緑色チャネルは、g(i,j)として表され、
前記ピクセル座標(i,j)における前記青色チャネルは、b(i,j)として表され、
前記白色チャネルw(i,j)は、
時間t×αの間、w(i,j)=min(r(i,j),g(i,j),b(i,j))
によって算出され、ここで、α<1.0である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記白色チャネルは、前記赤色チャネル、緑色チャネル、または青色チャネルの任意のものより短い時間の間、提示される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
1つ以上の追加のチャネルが、形成され、前記1つ以上の追加のチャネルは、(a)赤色−緑色チャネル、(b)緑色−青色チャネル、または、(c)青色−赤色チャネルのうちの少なくとも1つを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
眼追跡カメラをさらに備え、前記白色チャネルは、閾値量の眼移動を前記眼追跡カメラによって検出すると、生成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記白色チャネルは、閾値レベルを上回る輝度を有する画像コンテンツを検出すると、生成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記白色チャネルは、閾値レベルを上回るコントラストを有する画像コンテンツを検出すると、生成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
方法であって、
画像データに対応する少なくとも1つのピクセルをディスプレイデバイス上に表示するための命令を受信することであって、前記画像データは、赤色光源のための赤色チャネル、緑色光源のための緑色チャネル、および青色光源のための青色チャネルから発生させられる光から形成される、ことと、
前記赤色チャネルを修正し、減少させられた赤色チャネルを生成することと、
前記緑色チャネルを修正し、減少させられた緑色チャネルを生成することと、
前記青色チャネルを修正し、減少させられた青色チャネルを生成することと、
前記赤色チャネル、前記緑色チャネル、および前記青色チャネルから除去された部分から白色チャネルを発生させることと、
前記白色チャネル、前記減少させられた赤色チャネル、前記減少させられた緑色チャネル、および前記減少させられた青色チャネルの任意の順序において、順次の提示によって前記少なくとも1つのピクセルを表示することと
を含む、方法。
【請求項13】
請求項2−11に記載のいずれかを実装することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項14】
コンピュータ読み取り可能な媒体上で具現化されるコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、一連の命令を記憶しており、前記命令は、プロセッサによって実行されると、請求項12および13に記載の方法のいずれかを前記プロセッサに実行させる、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの現代のディスプレイ技術の基礎は、ヒトが知覚可能な色の範囲が、通常、赤色、緑色、および青色(「RGB」)である、3つ以上の適切に選定された色の主要素を総和することによって良好に表されることができるという事実を前提とする。これらの原色は、種々の方法で合わせられ、広範な異なる色を再現することができる。
【0002】
あるディスプレイ技術は、色を連続して供給する。例えば、赤色画像に続いて、緑色画像、それに続いて、青色画像を生産する。このタイプのディスプレイ技術は、多くの場合、「色順次式」、「フィールド順次式」、または「フィールド順次式色」(以降、集合的に、「色順次式」と称する)と呼ばれる。色順次式ディスプレイは、残像により機能する。異なる着色画像(フィールド)が、順に、十分に迅速に提示される場合、ヒトの眼は、それらをフルカラー画像に融合させるであろう。色順次式ディスプレイの一般的例として、ある一定のLCOS(liquid crystal on silicon)パネルおよびDMD(デジタルミラーデバイス)が挙げられる。
【0003】
従来の色順次式ディスプレイ技術は、異なる色の主要素が異なる時間に提示されるので、色割れの可能性に悩まされる。観察者の頭部または眼が、所望の画像の提示中に移動する場合、異なるフィールドは、観察者の網膜の異なる場所上に当たり、フィールドが位置ずれしているという知覚があり得る。フィールド順次式ディスプレイを見るときの一般的不満は、暗色背景に対して明色白色領域の境界に虹色が見えるということである。
【0004】
したがって、色順次式ディスプレイのこれらおよび他のアーチファクトを軽減するための改良されたアプローチに対するニーズがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のいくつかの実施形態は、従来のディスプレイ技術に関する前述の問題を軽減することができる、色順次式ディスプレイを実装するための改良されたアプローチを提供する。本発明の実施形態は、元の色チャネルを修正し、元のものから導出される1つ以上の追加の色チャネルを追加することによって、色割れを低減させることができる。
【0006】
いくつかの実施形態は、ディスプレイデバイス上に、赤色光源のための赤色チャネル、緑色光源のための緑色チャネル、および青色光源のための青色チャネルから発生させられる光から形成される画像データに対応する少なくとも1つのピクセルを表示させるための命令を受信し、赤色チャネルを修正し、減少させられた赤色チャネルを生成し、緑色チャネルを修正し、減少させられた緑色チャネルを生成し、青色チャネルを修正し、減少させられた青色チャネルを生成し、赤色チャネル、緑色チャネル、および青色チャネルから除去された部分から白色チャネルを発生させ、白色チャネル、減少させられた赤色チャネル、減少させられた緑色チャネル、および減少させられた青色チャネルの任意の順序において、順次式提示によって少なくとも1つのピクセルを表示するためのシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品に関する。
【0007】
白色色チャネルは、他のチャネルの全てに共有の全体的強度の一部を表す。その結果、白色チャネル内にあるもの以外の各色の残りの部分のみ、その色のための専用色チャネルの中に含まれる必要がある。
【0008】
色順次式ディスプレイは、所与の画像のための順次の色チャネルの組を発生させ、反射性または透過性のいずれかである、ピクセルのパネルを実装するために提供される。ディスプレイの反射率または透過率は、最初に、第1の色チャネル(例えば、赤色)に対応するように調節され得る。そして、パネルは、対応する色の光(赤色)で照射される。次に、ディスプレイの反射率または透過率は、第2の色チャネル(例えば、緑色)に対応するように調節される。そして、パネルは、対応する色の光(緑色)で照射される。次に、ディスプレイの反射率または透過率は、第3の色チャネル(例えば、青色)に対応するように調節される。そして、パネルは、対応する色の光(青色)で照射される。本発明では、例えば、白色色チャネルのための白色の照射に対応する、追加の1つ以上のチャネルが、発生させられ得る。色順次式ディスプレイは、赤色光源、緑色光源、および青色光源を含む異なる原色のための光源を発生させる機構を含む。例えば、赤色光源、緑色光源、および青色光源は、ソリッドステート照明技術を使用して、またはカラーフィルタを使用して、原色を発生させるランプを実装することによって実装され得る。カラーホイールも、光を原色に分離するために使用され得る。代替として、ビームスプリッタも、原色を発生させる使用され得る。ダイクロイックミラーが、発生させられた光を、例えば、光を1つ以上のLCOSチップまたはDMD機構に向かわせる、偏光ビームスプリッタに通すために使用され得る。LOCSチップからの光は、次いで、偏光ビームスプリッタを通して投影レンズに反射される。コントローラが、1つ以上の追加の色チャネルがRGB色チャネル内に含まれるように、色順次式ディスプレイの動作を制御する。コントローラは、ハードウェアベースのコントローラチップ、ソフトウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせとして実装され得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、可能な強度の一部のみが、白色チャネルの中に投入され得る合計としての可能な光の全部を照らす代わりに、白色チャネルの中に提供される。これは、白色チャネルが、比較的に少ない光を受け取り、専用RGBチャネルが、比較的に多い光を受け取るであろうことを意味する。そうすることによって、これは、色割れ問題の軽減の量を低減させ得るが、より優れた黒色再現を可能にするであろう。あるアプローチは、白色チャネル値を低減させることである。別のアプローチは、白色チャネル表示時間を低減させることであって、白色チャネルは、赤色チャネル、緑色チャネル、または青色チャネルの任意のものより短い時間の間、提示される。
【0010】
いくつかの実施形態では、白色チャネルw(i,j)は、
(a) w(i,j)=min(r(i,j),g(i,j),b(i,j));
(b) w(i,j)=α×min(r(i,j),g(i,j),b(i,j))、式中、α<1.0である;または、
(c) 時間t×αの間、w(i,j)=min(r(i,j),g(i,j),b(i,j))、ここで、α<1.0である;
のうちの少なくとも1つによって算出される。
【0011】
少なくとも一実施形態では、1つ以上の追加のチャネルが、形成され、1つ以上の追加のチャネルは、(a)赤色−緑色チャネル、(b)緑色−青色チャネル、または(c)青色−赤色チャネルのうちの少なくとも1つを備えている。
【0012】
白色チャネルは、閾値レベルを上回る輝度を有する画像コンテンツの検出に応じて生成されることができる。白色チャネルはまた、閾値レベルを上回るコントラストを有する画像コンテンツの検出に応じて生成され得る。眼追跡カメラが、採用され得、白色チャネルは、眼追跡カメラによる閾値量の眼移動の検出に応じて生成される。
【0013】
本発明の側面、目的、および利点のさらなる詳細は、以下の発明を実施するための形態、図面、および請求項に説明される。前述の概要および以下の発明を実施するための形態は両方とも、例示的かつ説明的であり、本発明の範囲に関する限定として意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図面は、本発明の実施形態の設計および有用性を図示し、類似要素は、共通の参照番号によって参照される。本発明の実施形態の利点および目的をより深く理解するために、添付の図面を参照されたい。しかしながら、図面は、本発明のある実施形態のみを描写しており、本発明の範囲の限定として捉えられるべきではない。
【
図1A】
図1Aおよび1Bは、色割れに関連付けられた問題を図示する。
【
図1B】
図1Aおよび1Bは、色割れに関連付けられた問題を図示する。
【
図3】
図3は、本発明のいくつかの実施形態を実装するための例示的アプローチを図示する。
【
図4】
図4は、本発明のいくつかの実施形態による、コントローラの動作のフロー図を示す。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態を実装するための代替アプローチのフロー図を示す。
【
図6A】
図6Aおよび6Bは、本発明のいくつかの実施形態を図示する。
【
図6B】
図6Aおよび6Bは、本発明のいくつかの実施形態を図示する。
【
図8】
図8は、少なくとも部分的に、眼の移動または画像コンテンツに基づいて、決定を行うための例証的アプローチのフロー図を示す。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態を実装するために好適なコンピューティングシステムのブロック図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、改良された色順次式ディスプレイを実装するためのアプローチを説明する。前述のように、既存の色順次式ディスプレイ技術は、異なる色の主要素が異なる時間に提示されるので、色割れの可能性に悩まされる。観察者の頭部または眼が、所望の画像の提示中に移動する場合、異なるフィールドは、観察者の網膜の異なる場所に当たり、ディスプレイの視認者に画像アーチファクトが現れることを引き起こすであろう。
【0016】
説明するために、
図1Aおよび1Bに示される色順次式ディスプレイ100を検討する。これらのタイプのディスプレイに関し、画像は、例えば、赤色、緑色、および青色の色チャネルの組によって表される。コントローラ130が、色順次式ディスプレイ100における異なる色チャネルの発生を制御する制御信号を発生させるために採用される。色順次式ディスプレイ100によって発生させられる各ピクセルは、赤色チャネル150a、緑色チャネル150b、および青色チャネル150cに対応し得る。
【0017】
図1Aに示されるように、観察者の頭部もしくは眼が、静止しているか、または殆ど移動しない場合、所与のピクセルのための異なる色チャネル150a、150b、および150cは、正確または適切に、観察者の網膜上の同一場所に当たるであろう。これは、最良の場合のシナリオであり、異なる色チャネルの緊密な重複により、色割れアーチファクトの存在をもたらさないであろう。
【0018】
しかしながら、
図1Bに示されるように、観察者の頭部または眼が、所望の画像の提示中に移動する場合、異なる色チャネル150a、150b、および150cは、観察者の網膜に対して著しく異なる場所に当たるであろう。これは、異なる色の主要素が異なる時間に観察者に提示されるので、色割れにより、観察者に現れる知覚可能な画像アーチファクトをもたらす。所与のピクセルのための異なる色フィールドは、ここでは、観察者に事実上ずれて位置合わせされるので、これは、フィールド順次式ディスプレイが、暗色背景に対して明色白色領域の境界上に見られ得る虹色等の撮像問題を生ずることを引き起こし得る。
【0019】
本発明の実施形態は、元の色チャネルを修正し、元のものから導出される1つ以上の追加の色チャネルを追加することによって、色割れを低減させることができる。説明するために、
図2の例証を検討する。この図の左部分は、赤色チャネル250a−1、緑色チャネル250b−1、および青色チャネル250c−1を含む従来の3つの色チャネルの組を示す。
【0020】
各色チャネルは、ピクセルの集合によって表される。ピクセルは、インデックスによって識別される。最も一般的使用では、ピクセルが、長方形グリッドを形成し、ピクセルは、行および列インデックス(i,j)によって識別されることができる。各色チャネルに対し、各インデックスの各組に対して、インデックスによって規定された場所における色チャネルの強度を提供する数字がある。例えば、赤色チャネルに対して、強度値は、r(i,j)として示され得る。同様に、緑色チャネルに対して、g(i,j)によって強度を示し得、同様に、青色チャネルは、b(i,j)として示され得る。ここでは、赤色チャネル250a−1の強度は、100であり、緑色チャネル250b−1の強度は、120であり、青色チャネル250c−1の強度は、140である。
【0021】
図の左部分では、前述のように、頭部または眼の高速移動は、色割れを生じさせ得る。これは、異なる色の主要素の全強度が、間隔を置かれた様式において、視認者に異なる時間に提示されるからである。したがって、100の赤色強度の全体が、時間tにおいて観察者の網膜上の第1の場所に提示され、120の緑色強度の全体が、時間t+1において観察者の網膜上の第2の場所に提示され、140の青色強度の全体が、時間=t+2において観察者の網膜上の第3の場所に提示される。
【0022】
図の右側に示される本発明のアプローチでは、白色色チャネル252が、提供される。白色色チャネル252は、他のチャネルの全てに共通である、全体的強度の一部を表すであろう。例えば、ここでは、赤色−緑色−青色チャネルの各々は、全て、少なくとも100の強度に対応する(100における赤色、120における緑色、および140における青色)。したがって、白色チャネルは、100の強度を有するように構成されることができる(赤色の100の強度、緑色の100の強度、および青色の100の強度から形成される)。
【0023】
その結果、100を超える各色の残りの部分のみ、その色のための専用色チャネルの中に含まれる必要がある。したがって、赤色チャネル250a−2は、ピクセルのために意図される量の赤色が、白色色チャネル252内ですでに表されるので、もはやどんな強度も有する必要が全くない。緑色チャネル250b−2は、ピクセルのための緑色に対する元々意図される量の120のうちの100が、白色色チャネル252内ですでに表されるので、20の強度のみを有する必要がある。同様に、青色チャネル250c−2は、ピクセルのための青色に対する元々意図される量の140のうちの100が、白色色チャネル252内ですでに表されるので、40の強度のみを有する必要がある。
【0024】
このアプローチが色割れを有意に低減させる理由は、はるかに少ない量の赤色−緑色−青色強度が、その専用色チャネルにおいて異なる時間に観察者に提示されるからである。これは、赤色、緑色、および青色チャネルの意図される強度全体の多くが、ここでは、新しい白色チャネル252によって表されるからである。図の左部分のアプローチは、異なる場所および時点において、色に対して有意に高い強度に対応する(赤色に対して100、緑色に対して120、および青色に対して140)。対照的に、図の右部分のアプローチは、異なる場所および時点において、色に対して有意に低い強度に対応する(赤色に対して0、緑色に対して20、および青色に対して40)。
【0025】
図3は、本発明のいくつかの実施形態を実装するための例示的アプローチを図示する。色順次式ディスプレイ300は、所与の画像のための順次の色チャネルの組を発生させ、反射性または透過性のいずれかであるピクセルのパネルを実装するために提供される。ディスプレイの反射率または透過率は、最初に、第1の色チャネル(例えば、赤色)に対応するように調節され得る。そして、パネルは、対応する色の光(赤色)で照射される。次に、ディスプレイの反射率または透過率は、第2の色チャネル(例えば、緑色)に対応するように調節される。そして、パネルは、対応する色の光(緑色)で照射される。次に、ディスプレイの反射率または透過率は、第3の色チャネル(例えば、青色)に対応するように調節される。そして、パネルは、対応する色の光(青色)で照射される。本発明では、例えば、白色色チャネルのための白色の照射に対応する追加の1つ以上のチャネルが、発生させられ得る。
【0026】
色順次式ディスプレイ300は、赤色光源310a、緑色光源310b、および青色光源310cを含む、異なる原色のための光源を発生させる機構を含む。例えば、赤色光源310a、緑色光源310b、および青色光源310cは、ソリッドステート照明技術(例えば、LED)を使用して、またはカラーフィルタリングを使用して、原色を発生させるランプを実装することによって、実装され得る。カラーホイールも、光を原色に分離するために使用され得る。代替として、ビームスプリッタも、原色を発生させるために使用され得る。
【0027】
ダイクロイックミラー320が、発生させられた光を、光を1つ以上のLCOSチップ324に向かわせる偏光ビームスプリッタ322に通すために使用され得る。そして、LOCSチップ324からの光は、偏光ビームスプリッタ322を通して、投影レンズ326に反射される。
【0028】
コントローラ330は、1つ以上の追加の色チャネルがRGB色チャネル内に含まれるように、色順次式ディスプレイ300の動作を制御する。コントローラは、ハードウェアベースのコントローラチップ、ソフトウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせとして実装され得る。コントローラ330を実装するために使用され得る、例示的アーキテクチャは、
図9に関して以下に説明される。
【0029】
いくつかの実施形態では、コントローラ330の動作は、色順次式ディスプレイ300に、白色チャネル352、赤色チャネル350a、緑色チャネル350b、および青色チャネル350cを含む順次の色チャネルの組を発生させる。
【0030】
図4は、本発明のいくつかの実施形態による、コントローラ330の動作のフロー図を示す。前述のように、本発明の本実施形態は、元の色チャネルを修正し、元のものから導出される1つ以上の追加の色チャネルを追加することによって、色割れを低減させる。
【0031】
402では、表示されるべき画像データが、システムによって受信される。元の画像は、3つの入力色チャネルを含む可能性が高い。色チャネルは、赤色:r(i,j)、緑色:g(i,j)および青色:b(i,j)である。
【0032】
404では、画像データが、白色のための追加の色チャネル、すなわち、白色:w(i,j)が生成されるように、分析される。いくつかの実施形態では、各ピクセルにおいて、w(i,j)の値が、以下の公式によって算出される。
【0033】
白色:w(i,j)=min(r(i,j),g(i,j),b(i,j))
そして、新しい色チャネルの各々は、以下のように修正される。
赤色:r'(i,j)=r(i,j)−w(i,j)
緑色:g'(i,j)=r(i,j)−w(i,j)
青色:b'(i,j)=b(i,j)−w(i,j)
そして、406では、ディスプレイが、4つのフィールドを順に示すであろう。
1. 白色光によって照射される白色:w(i,j)
2. 赤色光によって照射される赤色:r'(i,j)
3. 緑色光によって照射される緑色:g'(i,j)
4. 青色光によって照射される青色:b'(i,j)
4つのフィールドは、本実施形態に従って、任意の順序で表示され得ることに留意されたい。したがって、上で示される順序は、単に、例証である。
【0034】
いくつかのディスプレイにおける前述のアプローチに関する可能な問題は、黒色を可能な限り黒色にすることが大きな課題を提供し得ることである。これは、白色チャネルの追加が、色が黒色であるように意図されるピクセルに対して反射される大量の光を生じ得るからである(白色チャネルのために表示される追加の白色に起因して)。
【0035】
この問題に対処するための代替実施形態が、ここで、説明される。代替実施形態では、白色チャネルの中に投入され得る合計としての可能な光の全てを照らす代わりに、可能な強度の一部のみが、白色チャネルの中に提供される。これは、白色チャネルが、比較的に少ない光を受け取り、専用RGBチャネルが、比較的に多い光を受け取るであろうことを意味する。そうすることによって、これは、色割れ問題のための軽減の量を低減させ得るが、より優れた黒色再現を可能にするであろう。
【0036】
図5は、本発明のこの実施形態を実装するためのアプローチのフロー図を示す。502では、表示されるべき画像データが、システムによって受信される。元の画像は、3つの入力色チャネルを含む可能性が高い。色チャネルは、赤色:r(i,j)、緑色:g(i,j)および青色:b(i,j)である。
【0037】
504では、画像データが、白色のための追加の色チャネル、すなわち、白色:w(i,j)が生成され、白色チャネルがある量だけ減少させられ、黒色の再現性を改良し得るように、分析される。506では、これらのチャネルに対応する制御信号が、色順次式ディスプレイによって実装されるように送信される。
【0038】
白色チャネルを決定するために、潜在的に異なる方法が、存在する。第1のアプローチは、505Aに表され、それは、白色チャネル値の減少に対応する。白色チャネルは、以下の公式によって算出され得る。
w(i,j)=α×min(r(i,j),g(i,j),b(i,j))(式中、αは、<1.0である)
r'、g'、およびb'チャネルは、前述のように算出されるが、白色が減らされた正確な量だけ増やされるであろう。次いで、wチャネルは、α値の倍率で強度が減少させられた白色光によって照射されるであろう。
【0039】
図6Aは、このアプローチを図示する。この図の左部分は、赤色チャネル650a−1、緑色チャネル650b−1、および青色チャネル650c−1を含む従来の3つの色チャネルの組を示す。ここでは、赤色チャネル650a−1の強度は、100であり、緑色チャネル650b−1の強度は、120であり、青色チャネル650c−1の強度は、140である。
【0040】
図2に表される第1の実施形態が、白色色チャネル252をもたらし、白色色チャネル252が、他のチャネルの全てに共通の全体的強度の全てを表すように提供されたことを思い出されたい。したがって、赤色−緑色−青色チャネルの各々は、全て、少なくとも100の強度(100における赤色、120における緑色、および140における青色)に対応するので、白色チャネルは、100の強度を有するように構成されることができる(赤色の100の強度、緑色の100の強度、および青色の100の強度から形成される)。その結果、100を超える各色の残りの部分のみ、その色のための専用色チャネルの中に含まれる必要がある。したがって、赤色チャネル250a−2は、ピクセルのために意図される量の赤色が、白色色チャネル252においてすでに表されるので、もはや任意の強度を有する必要が全くない。緑色チャネル250b−2は、ピクセルのための緑色に対する元々意図される量の120のうちの100が、白色色チャネル252においてすでに表されるので、20の強度のみを有する必要がある。同様に、青色チャネル250c−2は、ピクセルのための青色に対する元々意図される量の140のうちの100が、白色色チャネル252内ですでに表されるので、40の強度のみを有する必要がある。
【0041】
図6Aのアプローチでは、0.5のα値が、公式w(i,j)=α×min(r(i,j),g(i,j),b(i,j))のために使用されると仮定する。この状況では、白色チャネル652の強度は、ここでは、以前の量の100より50低い、50(0.5×100)である。
【0042】
その結果、他のチャネルの各々も、その同一量だけ増やされる。したがって、赤色チャネル650a−2は、ここでは、50の強度を有するように構成される(これは、以前の強度の0より50高い)。緑色チャネル650b−2は、ここでは、70の強度を有するように構成される(これは、以前の強度の20より50高い)。青色チャネル650c−2は、ここでは、90の強度を有するように構成される(以前の強度の40より50高い)。
【0043】
第2の可能なアプローチは、505Bに表され、それは、以前の白色チャネル値のための投影時間の量の短縮に対応する。白色チャネルは、前述の公式によって算出され得る。
時間t×αの間、w(i,j)=min(r(i,j),g(i,j),b(i,j))
ここで、αは、<1.0である。
【0044】
r'、g'、およびb'チャネルは、前述のように算出されるが、投影時間を考慮すると、白色のための合計が減らされた正確な量だけ増やされるであろう。次いで、wチャネルは、強度は減少させられないが、代わりに、投影時間がα値の倍率で減少させられた白色光によって照射されるであろう。
【0045】
図6Bは、このアプローチを図示する。前述のように、この図の左部分は、赤色チャネル650a−1、緑色チャネル650b−1、および青色チャネル650c−1を含む従来の3つの色チャネルの組を示す。ここでは、赤色チャネル650a−1の強度は、100であり、緑色チャネル650b−1の強度は、120であり、青色チャネル650c−1の強度は、140である。
【0046】
図6Bのアプローチでは、白色チャネルは100の強度に設定されるが、その通常時間の半分の投影時間を有するように設定されるように、0.5のα値が使用されると仮定する。この状況では、白色チャネル652の強度は、100であるが、投影時間は、通常の半分であるので、白色チャネルのための総強度は、依然として、50(0.5の時間×100の強度)であり、これは、
図6Aのアプローチと同一の全体的強度である。
【0047】
その結果、他のチャネルの各々も、
図6Aのアプローチのために導出されたその同一量だけ増やされる。したがって、赤色チャネル650a−2は、ここでは、50の強度を有するように構成される。緑色チャネル650b−2は、ここでは、70の強度を有するように構成される。青色チャネル650c−2は、ここでは、90の強度を有するように構成される。
【0048】
前述の実施形態は、単一追加の白色チャネルのみがRGBチャネルに追加されることを示すが、本発明の概念は、任意の数の追加の色チャネルに適用可能であることに留意されたい。例えば、追加のチャネルは、w、rg(赤色−緑色)、gb(緑色−青色)、br(青色−赤色)であり得、修正されるチャネルは、r''、g''、およびb''となるであろう。白色チャネルwは、前述のように算出されるであろう(例えば、w(i,j)=min(r(i,j),g(i,j),b(i,j)))。
【0049】
rg、gb、およびrbチャネルは、以下のように算出されることができる。
rg(i,j)=min(r'(i,j),g'(i,j))
gb(i,j)=min(b'(i,j),g'(i,j)−rg(i,j))
br(i,j)=min(r'(i,j)−rg(i,j),b'(i,j)−gb(i,j))
最後に、調節された赤色、緑色、および青色チャネルは、以下のように算出されることができる。
r''(i,j)=r'(i,j)−rg(i,j)−br(i,j)
g''(i,j)=g'(i,j)−rg(i,j)−gb(i,j)
b''(i,j)=b'(i,j)−gb(i,j)−br(i,j)
白色チャネルは、赤色、緑色、および青色光で照射されるであろう(白色に合わせる)。rgチャネルは、赤色および緑色で照射されるであろう。gbチャネルは、緑色および青色で照射されるであろう。brチャネルは、青色および赤色で照射されるであろう。r''チャネルは、赤色で、g''チャネルは、緑色で、b''チャネルは、青色で照射されるであろう。再び、これらのチャネルは、任意の順序で表示され得る。
【0050】
図7は、前述の実施例へのこの実施形態の適用を図示する。前述のように、この図の左部分は、赤色チャネル750a−1、緑色チャネル750b−1、および青色チャネル750c−1を含む従来の3つの色チャネルの組を示す。ここで、赤色チャネル750a−1の強度は、100であり、緑色チャネル750b−1の強度は、120であり、青色チャネル750c−1の強度は、140である。
【0051】
図の右側は、追加の色チャネルが考慮されるときの強度を示す。ここで、白色チャネルは、前述のように、100(赤色(100)、緑色(120)、および青色(140)の最小値)である。wを100に設定することによって、それは、0を赤色のために残し(100−100)、20を緑色のために残し(120−100)、40を青色のために残す(140−100)。
【0052】
rgチャネル754は、0(残りの赤色(0)および残りの緑色(20)の最小値)である。gbチャネル756は、20(残りの緑色(20)および残りの青色(40)の最小値)である。gbを20に設定することによって、それは、0を緑色のために残し(20−20)、20を青色のために残す(40−20)。brチャネル758は、0(残りの青色(20)および残りの赤色(0)の最小値)である。rチャネル750a−2は、0である(残りの赤色は、0である)。gチャネル750b−2は、0である(残りの緑色は、0である)。bチャネル750c−2は、20である(残りの青色は、20である)。
【0053】
本明細書に説明されるアプローチは、必ずしも、所与の画像のためにピクセル毎に実装される必要がなくてもよいことに留意されたい。代わりに、分析が追加の色チャネルが実装されるべきかどうかを動的に決定するために行われ得る。任意の好適な基準の組が、この決定を行うために使用され得る。
【0054】
図8は、この決定を行うための例証的アプローチのフロー図を示す。追加の色チャネルの使用は、更新レートを低減させるために有用であり得、いくつかの色順次式ディスプレイのためのコントラストを低減させ得る。その結果、追加の色チャネルをある時間のみに使用することが有利であり得る。902では、画像データが、表示されるべきピクセルのために受信される。
【0055】
904では、ユーザの頭部または眼が過剰に移動しているかどうか決定される。例えば、眼追跡カメラが、観察者の眼が迅速に移動しているときを決定するために使用されることができる。観察者の眼が、無移動または最小量の移動を有する場合、ディスプレイは、910aにおいて、従来のRGBチャネルを使用して生成されることができる。対照的に、観察者の眼が高速移動を受けている瞬間、追加の色チャネルが、910bにおいて有効にされることができる。
【0056】
色割れの深刻度は、画像コンテンツに依存することが公知である。特に、高輝度および高コントラスト画像は、最大の問題を生じさせる。したがって、906では、輝度レベルに対して、画像コンテンツが決定される。画像コンテンツが、比較的に低輝度画像データ(例えば、閾値輝度レベルを下回る)を含む場合、ディスプレイは、910aにおいて、従来のRGBチャネルを使用して生成されることができる。対照的に、画像コンテンツが比較的に高輝度画像データを含む場合、追加の色チャネルが、910bにおいて有効にされることができる。
【0057】
同様に、908では、画像コントラストレベルに対して、画像コンテンツが決定される。画像コンテンツが、比較的に低コントラスト(例えば、閾値コントラストレベルを下回る)を含む場合、ディスプレイは、910aにおいて、従来のRGBチャネルを使用して生成されることができる。一方、画像コンテンツが、比較的に高コントラストを含む場合、追加の色チャネルは、910bにおいて有効にされることができる。
【0058】
図8は、if−then決定の連鎖の組において使用される基準の組を示すが、これらの基準(およびその他)のうちの1つ以上のものの任意の組み合わせが、単独で、または組み合わせてのいずれかにおいて、使用され得ることに留意されたい。
【0059】
したがって、説明されるのは、従来のディスプレイ技術に関する問題を軽減することができる、色順次式ディスプレイを実装するための改良されたアプローチである。本発明の実施形態は、元の色チャネルを修正し、元のものから導出される1つ以上の追加の色チャネルを追加することによって、色割れを低減させる。
【0060】
(システムアーキテクチャ)
図9は、色順次式ディスプレイシステムを制御するための前述のコントローラを実装するように、本発明の実施形態を実装するために好適な例証的コンピューティングシステム1400のブロック図である。コンピューティングシステム1400は、プロセッサ1407、システムメモリ1408(例えば、RAM)、静的記憶デバイス1409(例えば、ROM)、ディスクドライブ1410(例えば、磁気または光学)、通信インターフェース1414(例えば、モデムまたはEthernet(登録商標)カード)、ディスプレイ1411(例えば、CRTまたはLCD)、入力デバイス1412(例えば、キーボード)、およびカーソル制御等のサブシステムおよびデバイスを相互接続するバス1406または情報を通信するための他の通信機構を含む。
【0061】
本発明の一実施形態によると、コンピュータシステム1400は、システムメモリ1408内に含まれる1つ以上の一連の1つ以上の命令を実行するプロセッサ1407によって、特定の動作を行う。そのような命令は、静的記憶デバイス1409またはディスクドライブ1410等の別のコンピュータ読み取り可能な/使用可能媒体からシステムメモリ1408の中に読み込まれ得る。代替実施形態では、有線回路が、ソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせて、本発明を実装するために使用され得る。したがって、本発明の実施形態は、ハードウェア回路および/またはソフトウェアの任意の具体的組み合わせに限定されない。一実施形態では、用語「論理」は、本発明の全部または一部を実装するために使用される、ソフトウェアまたはハードウェアの任意の組み合わせを意味するものとする。
【0062】
用語「コンピュータ読み取り可能な媒体」または「コンピュータ使用可能媒体」は、本明細書で使用される場合、プロセッサ1407が実行するための命令を提供することにおいて関与する任意の媒体を指す。そのような媒体は、限定ではないが、不揮発性媒体および揮発性媒体を含む、多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、ディスクドライブ1410等の光学または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、システムメモリ1408等の動的メモリを含む。
【0063】
コンピュータ読み取り可能な媒体の一般的形態は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク(登録商標)、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD−ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを伴う任意の他の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、フラッシュ−EPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、またはコンピュータが読み取ることができる任意の他の媒体を含む。
【0064】
本発明のある実施形態では、本発明を実践するための一連の命令の実行は、単一コンピュータシステム1400によって行われる。本発明の他の実施形態によると、通信リンク1415(例えば、LAN、PTSN、または無線ネットワーク)によって結合される2つ以上のコンピュータシステム1400が、互いに協調して、本発明を実践するために要求される一連の命令を行い得る。
【0065】
コンピュータシステム1400は、通信リンク1415および通信インターフェース1414を通して、プログラム、すなわち、アプリケーションコードを含む、メッセージ、データ、および命令を伝送および受信し得る。受信されたプログラムコードは、受信されると、プロセッサ1407によって実行される、および/または後の実行のために、ディスクドライブ1410もしくは他の不揮発性記憶内に記憶され得る。記憶媒体1431内のデータベース1432は、データインターフェース1433を通してアクセス可能なシステム1400によってアクセス可能なデータを記憶するために使用され得る。
【0066】
前述の明細書では、本発明は、その具体的実施形態を参照して説明されている。しかしながら、種々の修正および変更が、本発明のより広範な精神および範囲から逸脱することなく、そこに成され得ることが明白となるであろう。例えば、前述のプロセスフローは、プロセスアクションの特定の順序を参照して説明される。しかしながら、説明されるプロセスアクションの多くの順序は、本発明の範囲または動作に影響を及ぼすことなく、変更され得る。明細書および図面は、故に、限定的意味ではなく、例証的と見なされるべきである。
【国際調査報告】