(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-509061(P2018-509061A)
(43)【公表日】2018年3月29日
(54)【発明の名称】画像センサ及び画素情報出力方法、位相差オートフォーカス方法、結像装置及び端末
(51)【国際特許分類】
H04N 5/369 20110101AFI20180302BHJP
H04N 5/347 20110101ALI20180302BHJP
H04N 9/07 20060101ALI20180302BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20180302BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20180302BHJP
G02B 7/34 20060101ALI20180302BHJP
G03B 13/36 20060101ALI20180302BHJP
【FI】
H04N5/369
H04N5/347
H04N9/07 A
H04N5/225 300
H04N5/225 400
H04N5/232 120
H04N5/232 450
G02B7/34
G03B13/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2017-541007(P2017-541007)
(86)(22)【出願日】2016年10月10日
(85)【翻訳文提出日】2017年8月3日
(86)【国際出願番号】CN2016101704
(87)【国際公開番号】WO2017101572
(87)【国際公開日】20170622
(31)【優先権主張番号】201510963242.5
(32)【優先日】2015年12月18日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】516376385
【氏名又は名称】クワントン オーピーピーオー モバイル テレコミュニケーションズ コーポレイション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】タン, チェン
【テーマコード(参考)】
2H011
2H151
5C024
5C065
5C122
【Fターム(参考)】
2H011BA23
2H011BB01
2H011BB02
2H011BB03
2H011BB04
2H151BA06
2H151CB09
2H151CB22
2H151CB26
2H151CB29
2H151CE01
2H151CE33
2H151CE36
5C024CX41
5C024CY17
5C024EX43
5C024EX52
5C024GX02
5C024GX14
5C065AA01
5C065BB11
5C065CC01
5C065DD17
5C065EE05
5C065EE06
5C122DA09
5C122EA12
5C122EA54
5C122FB05
5C122FB16
5C122FC10
5C122FD01
5C122FD07
5C122HA87
5C122HB01
5C122HB10
(57)【要約】
本発明には画像センサの画素情報の出力方法が開示され、前記画像センサは、感光ユニットアレイと、感光ユニットアレイに配置されたフィルタユニットアレイと、フィルタユニットアレイの上に位置し、各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素を含むマイクロレンズアレイと、を含み、当該方法は、モード選択コマンドに基づいて出力モードを決定するステップと、感光ユニットアレイの露光を制御し、感光ユニットアレイの出力を読み出し、第1出力モードを選択した場合、同一感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報を合併して出力するステップと、を含み、当該方法は結像の品質を高めることができ、本発明には位相差オートフォーカス方法、画像センサ、結像装置及び端末がさらに開示されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像センサの画素情報の出力方法であって、
前記画像センサは、
感光ユニットアレイと、
前記感光ユニットアレイに配置されたフィルタユニットアレイと、
前記フィルタユニットアレイの上に位置し、各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素を含むマイクロレンズアレイと、を含み、
前記方法は、
モード選択コマンドに基づいて出力モードを決定するステップと、
前記感光ユニットアレイの露光を制御し、前記感光ユニットアレイの出力を読み出し、
第1出力モードを選択する場合、同一の前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報を合併して出力するステップと、を含むことを特徴とする画像センサの画素情報の出力方法。
【請求項2】
第2出力モードを選択する場合、同一の前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2出力モードを選択する場合、
前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別し、結像の位相差情報を取得するステップと、
前記位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節するステップと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
画像センサを提供し、
前記画像センサは、
感光ユニットアレイと、前記感光ユニットアレイに配置されたフィルタユニットアレイと、前記フィルタユニットアレイの上に位置し、各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素を含むマイクロレンズアレイと、を含むステップと、
前記感光ユニットアレイの露光を制御し、前記感光ユニットアレイの出力を読み出し、同一の前記感光ユニットにおける感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力するステップと、
前記感光ユニットにおける感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別して、結像の位相差情報を取得し、前記位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節するステップと、を含むことを特徴とする位相差オートフォーカス方法。
【請求項5】
感光ユニットアレイと、
前記感光ユニットアレイに配置されたフィルタユニットアレイと、
前記フィルタユニットアレイの上に位置し、各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素を含むマイクロレンズアレイと、を含むことを特徴とする画像センサ。
【請求項6】
前記感光ユニットは、2*2個の前記感光画素を含むことを特徴とする請求項5に記載の画像センサ。
【請求項7】
前記フィルタユニットアレイは、べイヤーアレイを含むことを特徴とする請求項5に記載の画像センサ。
【請求項8】
請求項5から7のいずれかに記載の画像センサと、
モード選択コマンドに基づいて出力モードを決定し、前記画像センサの感光ユニットアレイの露光を制御し、前記感光ユニットアレイの出力を読み出し、第1出力モードを選択する場合、同一の感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報を合併して出力するように制御する制御モジュールと、を含むことを特徴とする結像装置。
【請求項9】
第2出力モードを選択する場合、前記制御モジュールは、同一の前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力するように制御することを特徴とする請求項8に記載の結像装置。
【請求項10】
第2出力モードを選択する場合、前記制御モジュールは、前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別して、結像の位相差情報を取得し、前記位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節することを特徴とする請求項8に記載の結像装置。
【請求項11】
請求項8から10のいずれかに記載の結像装置を含むことを特徴とする端末。
【請求項12】
請求項5から7のいずれかに記載の画像センサと、
前記画像センサの感光ユニットアレイの露光を制御し、前記感光ユニットアレイの出力を読み出し、同一の感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力し、前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別して、結像の位相差情報を取得し、前記位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節する制御モジュールと、を含むことを特徴とする結像装置。
【請求項13】
請求項12に記載の結像装置を含むことを特徴とする端末。
【請求項14】
前記端末は携帯電話を含むことを特徴とする請求項13に記載の端末。
【請求項15】
前記結像装置は前記携帯電話のフロントカメラを含むことを特徴とする請求項14に記載の端末。
【請求項16】
画像センサの結像方法であって、
前記画像センサは、
感光ユニットアレイと、
前記感光ユニットアレイに配置されたフィルタユニットアレイと、
前記フィルタユニットアレイの上に位置し、各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素を含むマイクロレンズアレイと、を含み、
前記画像処理方法は、
前記感光ユニットアレイの出力を読み出すステップと、
同一の前記感光ユニットの感光画素の出力を加算して前記感光ユニットの画素値を取得し、合併画像を生成するステップと、を含むことを特徴とする画像センサの結像方法。
【請求項17】
各前記感光ユニットは、2*2個の前記感光画素を含み、
前記画像センサは、レジスタを含み、
前記読み出しステップは、
k行目及びk+1行目の前記感光画素の出力を取得して前記レジスタに記憶し、k=2n-1であり、nが自然数であり、k+1が前記感光画素の総行数以下であるステップと、
前記レジスタから前記k行目及びk+1行目の前記感光ユニットの出力を抽出し、同一の前記感光ユニットの前記感光画素の出力を加算して前記感光ユニットの画素値を取得するステップと、を含むことを特徴とする請求項16に記載の結像方法。
【請求項18】
前記読み出しステップは、
前記感光画素により発生されたアナログ信号の出力をデジタル信号の出力に変換するステップをさらに含むことを特徴とする請求項16又は17に記載の結像方法。
【請求項19】
ハウジングと、プロセッサと、メモリと、回路基板と、電源回路と、を含み、
前記回路基板は、前記ハウジングにより囲まれた空間内部に配置され、
前記プロセッサと前記メモリとは、前記回路基板に設けられ、
前記電源回路は、前記モバイル端末の各回路又は部品への給電に用いられ、
前記メモリは、実行可能なプログラムコードを記憶し、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶された実行可能なプログラムコードを読み出すことにより、前記実行可能なプログラムコードに対応するプログラムを実行する、請求項16から18のいずれかに記載の結像方法を実行することを特徴とするモバイル端末。
【請求項20】
コンピュータ読取可能記録媒体であって、その中に記憶されたコマンドを有し、
モバイル端末のプロセッサが前記コマンドを実行する時に、前記モバイル端末が請求項16から18のいずれかに記載の結像方法を実行することを特徴とするコンピュータ読取可能記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権情報
本出願は、2015年12月18日に中国国家知識産権局に提出された特許出願番号が201510963242.5である特許出願の優先権及び権益を主張するものであり、当該中国特許出願の全内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明は、画像設備技術に関し、特に画像センサの画素情報の出力方法及び位相差オートフォーカス方法、画像センサ、結像装置及び端末に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、携帯電話のカメラに使用されるセンサの画素構造は、いずれも一つのマイクロレンズが一つの画素ユニットに対応するものである。これには、二つの問題が存在している。一つは、携帯電話のカメラにおけるセンサの画素ユニットのサイズがますます小さくなっているため、センサの結像敏感度及びSNR(Signal Noise Ratio、信号雑音比)を高める必要があり、画面の結像の品質には不利なことである。もう一つは、マイクロレンズは、あらゆる方向からの光線を受け入れ、同一画素ユニットの結像に使用するため、画素ユニットが、受け入れられた光線の方向を区別することができず、相対的な検出の条件を満たすことができず、相対的なピント合わせに基礎を築くことができないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、関連技術における少なくとも一つの技術的課題をある程度解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様において、画像センサの画素情報の出力方法を提供する。前記画像センサは、感光ユニットアレイと、前記感光ユニットアレイに配置されたフィルタユニットアレイと、前記フィルタユニットアレイの上に位置し、各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素を含むマイクロレンズアレイと、を含み、前記方法は、モード選択コマンドに基づいて出力モードを決定するステップと、前記感光ユニットアレイの露光を制御し、前記感光ユニットアレイの出力を読み出し、第1出力モードを選択する場合、同一の前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報を合併して出力するステップと、を含む。
【0006】
本発明の画像センサの画素情報の出力方法により、各レンズが一つのフィルタユニット及び複数の感光画素に対応する構造に基づいて、第1出力モードを選択する場合、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報を合併して出力することにより、関連技術における単一の感光ユニットの出力に比べて、結像の敏感度及び信号雑音比を高め、画面の品質を高めことができる。
【0007】
本発明の一部の実施例において、第2出力モードを選択する場合、同一の前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力する。
【0008】
さらに、前記第2出力モードを選択する場合、前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別して、位相差情報を取得し、前記位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節する。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一態様の実施例において、位相差オートフォーカス方法を提供する。当該方法は、感光ユニットアレイと、前記感光ユニットアレイに配置されたフィルタユニットアレイと、前記フィルタユニットアレイの上に位置し、各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素を含むマイクロレンズアレイと、を含む画像センサを提供するステップと、前記感光ユニットアレイの露光を制御し、前記感光ユニットアレイの出力を読み出し、同一の前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力するステップと、前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別し、位相差情報を取得して、前記位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節するステップと、を含む。
【0010】
本発明の位相差オートフォーカス方法により、画像センサの、各レンズが一つのフィルタユニット及び複数の感光画素に対応する構造に基づいて、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力し、デフォーカス状態である場合、感光ユニットが異なる方向の光線信号を取得することができる。位相差オートフォーカスに条件を提供し、さらに位相差情報を取得し、位相差オートフォーカスを実現することができる。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のさらなる一態様の実施例において、画像センサを提供する。当該画像センサは、感光ユニットアレイと、前記感光ユニットアレイに配置されたフィルタユニットアレイと、前記フィルタユニットアレイの上に位置し、各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素を含むマイクロレンズアレイと、を含む。
【0012】
本発明の画像センサは、各レンズが一つのフィルタユニット及び複数の感光画素に対応する構造に基づいて、画面の品質向上及び位相差オートフォーカスの条件満足にハードウェアという基礎を築く。
【0013】
本発明の一部の実施例において、前記感光ユニットは2*2個の前記感光画素を含む。
【0014】
本発明の一部の実施例において、前記フィルタユニットアレイはべイヤーアレイを含む。
【0015】
本発明の他の態様の実施例において、結像装置を提供する。当該結像装置は、上記画像センサと、モード選択コマンドに基づいて出力モードを決定し、前記画像センサの感光ユニットアレイの露光を制御し、前記感光ユニットアレイの出力を読み出し、第1出力モードを選択する場合、同一の前記感光ユニットにおける感光画素の画素情報を合併して出力するように制御する制御モジュールと、を含む。
【0016】
本発明の結像装置は、画像センサの、各レンズが一つのフィルタユニット及び複数の感光画素に対応する構造に基づいて、第1出力モードを選択する場合、制御モジュールは、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報を合併して出力することで、関連技術における単一の感光ユニットの出力に比べて、結像の敏感度及び信号雑音比を高め、画面の品質を高めことができる。
【0017】
第2出力モードを選択する場合、前記制御モジュールは、同一の前記感光ユニットにおける感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力するように制御する。
【0018】
本発明の一部の実施例において、第2出力モードを選択する場合、前記制御モジュールは、前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別して、位相差情報を取得し、前記位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節する。
【0019】
前記結像装置に基づいて、本発明の他の態様において、上記結像装置を含む端末をさらに提供する。
【0020】
当該端末は、撮影することができ、結像の品質を向上させ、位相検出機能を有する。
【0021】
本発明の他の態様において、上記の画像センサ及び制御モジュールを含む結像装置を提供する。前記制御モジュールは、前記感光ユニットアレイの露光を制御し、前記感光ユニットアレイの出力を読み出し、同一の前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力し、前記感光ユニットにおける感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別して、位相差情報を取得し、前記位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節する。
【0022】
本発明の結像装置により、画像センサの、各レンズが一つのフィルタユニット及び複数の感光画素に対応する構造に基づいて、制御モジュールは、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力し、デフォーカス状態である場合、各感光ユニットが異なる方向の光線信号を取得することができ、位相差オートフォーカスに条件を提供し、さらに位相差情報を取得し、位相差オートフォーカスの実現に基礎を築く。
【0023】
本発明のさらなる態様において、上記方面の結像装置を含む端末をさらに提供する。当該端末は、位相差オートフォーカスの機能を有する。
【0024】
本発明の一部の実施例において、前記端末は携帯電話を含む。
【0025】
本発明の一部の実施例において、前記結像装置は前記携帯電話のフロントカメラを含む。
【0026】
本発明のさらなる態様において、画像センサの結像方法をさらに提供する。前記画像センサは、感光ユニットアレイと、前記感光ユニットアレイに配置されたフィルタユニットアレイと、前記フィルタユニットアレイの上に位置し、各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素を含むマイクロレンズアレイと、を含み、前記画像処理方法は、前記感光ユニットアレイの出力を読み出すステップと、同一の前記感光ユニットの感光画素の出力を加算して前記感光ユニットの画素値を取得し、合併画像を生成するステップと、を含む。
【0027】
感光ユニットの雑音は、合成される前の各感光画素の雑音の和より小さいので、この結像方法を用いて、低輝度で信号雑音比、輝度、解像度が比較的高く、雑音が比較的少ない画像を取得することができる。
【0028】
少なくとも一つの実施例において、各前記感光ユニットは、2*2個の前記感光画素を含み、前記画像センサはレジスタを含み、前記読み出しステップは、k行目及びk+1行目の前記感光画素の出力を取得して前記レジスタに記憶する。このとき、k=2n-1であり、nが自然数であり、k+1が前記感光画素の総行数の以下であるステップと、前記レジスタから前記k行目及びk+1行目の前記感光ユニットの出力を抽出し、同一の前記感光ユニットの前記感光画素の出力を加算して前記感光ユニットの画素値を取得するステップと、を含む。
【0029】
少なくとも一つの実施例において、前記読み出しステップは、前記感光画素により発生されたアナログ信号の出力をデジタル信号の出力に変換するステップをさらに含む。
【0030】
本発明の他の態様において、モバイル端末をさらに提供する。当該モバイル端末は、ハウジングと、プロセッサと、メモリと、回路基板と、電源回路と、を含み、前記回路基板は、前記ハウジングにより囲まれた空間内部に配置され、前記プロセッサ及び前記メモリが前記回路基板に設けられ、前記電源回路が前記モバイル端末の各回路又は部品への給電に用いられ、前記メモリが実行可能なプログラムコードを記憶し、前記プロセッサが前記メモリに記憶された実行可能なプログラムコードを読み出すことにより、前記実行可能なプログラムコードに対応するプログラムを実行し、上記結像方法を実行する。
【0031】
本発明の実施例におけるモバイル端末は前記画素ユニットアレイの出力を読み出すことにより、同一感光ユニットにおける感光画素の出力を加算して当該感光ユニットの画素値を取得し、合併画像を生成する。感光ユニットの雑音は、合成される前の各感光画素の雑音の和より小さいので、低輝度で信号雑音比、輝度、解像度が比較的高く、雑音が比較的少ない画像を取得することができる。
【0032】
本発明の他の態様の実施例において、その中に記憶されたコマンドを有するコンピュータ読取可能記憶媒体を提供する。モバイル端末のプロセッサが前記コマンドを実行する時に、前記モバイル端末が上記方面の実施例に記載の結像方法を実行する。
【0033】
本発明の付加的な特徴及び利点は、一部が下記の説明の中にあり、一部が下記の説明により、明らかになり、又は本発明の実践により、理解される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の一つの実施例による画像センサのブロック図である。
【
図2】本発明の一つの実施例による、べイヤーアレイを用いたフィルタユニットアレイの概略図である。
【
図3】本発明の一つの実施例による、べイヤーアレイを用いたフィルタユニットアレイの概略図である。
【
図4】本発明の一つの実施例による、画像センサの画素情報の出力方法のフローチャートである。
【
図5】本発明の一つの具体的な実施例による結像の概略図である。
【
図7】の(1)および(2)関連技術による結像される光線の入力概略図である。
【
図8】本発明の一つの実施例による位相差オートフォーカス方法のフローチャートである。
【
図9】本発明の一つの実施例による結像装置のブロック図である。
【
図10】本発明の一つの実施例による端末のブロック図である。
【
図11】本発明の実施例による結像方法のフローチャートである。
【
図12】本発明の一つの実施例による結像方法のフローチャートである。
【
図13】本発明のもう一つの実施例による結像方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に、本発明の実施例を詳しく説明する。前記実施例の例が図面に示されるが、同一または類似する符号は、常に、相同又は類似の部品、又は相同又は類似の機能を有する部品を表す。以下に、図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するために用いられ、本発明を限定するものと理解されてはならない。
【0036】
携帯電話のカメラの結像敏感度及び信号雑音比を高めるとともに、位相差の検出を実現するために、本発明の実施例においては、複数の画素ユニットが一組形成され、一つのマイクロレンズを併用することにより、一組の画素ユニットの内部にある各画素ユニットの画素情報をそれぞれ読み出し、結像光線を区別する。複数の画素ユニットを合成して結像することにより、比較的高い結像敏感度及び信号雑音比に達するとともに、光線の入射方向の違いにより、相対的な位相差情報の検出機能を実現することができる。
【0037】
図1は本発明の一つの実施例による画像センサのブロック図であり、
図1に示すように、当該画像センサ100は、感光ユニットアレイ10と、フィルタユニットアレイ20と、マイクロレンズアレイ30と、を含む。
【0038】
フィルタユニットアレイ20が感光ユニットアレイ10に設けられ、マイクロレンズアレイ30がフィルタユニットアレイ20に位置し、各マイクロレンズ31が一つのフィルタユニット21及び感光ユニットをカバーする。各感光ユニットが、複数の感光画素110を含み、例えば、本発明の一つの実施例において、感光ユニットが2*2個の感光画素110を含む。
【0039】
いくつかの実施形態において、フィルタユニットアレイ20は、べイヤーアレイ(Bayer pattern)を含む。べイヤー構造を用いることで、伝統的な、べイヤー構造に対するアルゴリズムで画像信号を処理することができるため、ハードウェア構造を大きく調整する必要はない。
【0040】
図2及び
図3に示すように、べイヤー構造において、2*2個のフィルタユニット21によりフィルタ構造22が構成される。2*2個のフィルタユニット21はそれぞれ緑、赤、青、緑のフィルタユニット21である。伝統的な感光ユニットアレイ10の構造において、各フィルタユニット21が一つの感光画素110及び画像画素に対応する。本発明の実施形態において、フィルタユニットアレイ20はべイヤー構造を用いるが、異なるのは、各フィルタユニット21が複数の感光画素110、例えば、四つの感光画素110に対応し、即ち、複数の感光画素110が同じ色のフィルタユニット21に対応することである。
【0041】
かいつまんで言うと、本発明の実施例における画像センサ100においては、複数の感光画素110が一組に形成され、一つのマイクロレンズ31を併用する。言い換えると、現在の画像センサ内における一つのマイクロレンズが一つの感光画素に対応する構造を、一つのマイクロレンズ31が複数の感光画素110に対応する構造に変更し、当該一組(即ち、感光ユニット内)の感光画素110が同じ色のフィルタユニット21に対応する。
【0042】
以下に、
図1の画像センサの構造に基づいて、本発明の実施例における画像センサの画素情報の出力方法を説明する。
図4は本発明の一つの実施例による画像センサの画素情報の出力方法のフローチャートである。
図4に示すように、当該方法は、以下のS1ステップと、S2ステップとを含む。
【0043】
S1ステップにおいては、モード選択コマンドに基づいて出力モードを決定する。
【0044】
本発明の実施例において、出力モジュールは、第1出力モードと、第2出力モードと、を含む。第1モードが結像の敏感度及び信号雑音比を高める面に対して提供された出力モードと理解されても良く、第2モードが位相差オートフォーカス及び被写界深度情報のテスト面に対して提供された出力モードと理解されてもよい。
【0045】
S2ステップにおいては、感光ユニットアレイの露光を制御し、感光ユニットアレイの出力を読み出す。第1出力モードを選択する場合、同一感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報を合併して出力する。
【0046】
具体的に、同一マイクロレンズに対応する感光ユニット内における複数の感光画素の画素情報が合成されて出力される場合、一つのマイクロレンズが一つの感光画素に対応する出力信号に比べて、複数、例えばN個の感光画素を合成した出力信号は、N倍を増大することに相当する。雑音が信号の平方根と正比例となる。即ち、nosie∝(Signal)
1/2であるため、信号が最初のN倍になり、雑音が当初のN
1/2しかなくなるので、画像の結像敏感度及び信号雑音比は共に相応的に向上する。
【0047】
図5は本発明の一つの実施例による結像光線の概略図であり、一つのマイクロレンズが一つのフィルタユニット及び四つの感光画素に対応する。
図6は関連技術における結像光線の概略図であり、一つのマイクロレンズが一つのフィルタユニット及び一つの感光画素に対応する。
図1及び
図5に示すように、四つの感光画素情報が合成されて出力されれば、
図6に示すように、信号が画素構造の出力信号の4倍になるが、雑音が
図6の画素構造の2倍しかないため、画像の敏感度及び信号雑音比は共に相応的に向上する。
【0048】
本発明の実施例における画像センサの画素情報の出力方法では、各レンズが一つのフィルタユニット及び複数の感光画素に対応する構造に基づいて、第1出力モードを選択する場合、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報を合併して出力すると、関連技術における単一の感光画素の出力に比べて、結像の敏感度及び信号雑音比を高め、画面の品質を高めことができるのが分かる。
【0049】
位相検出の条件を満たすために位相差オートフォーカス(Phase Detection Auto Focus:PDAF)を行い、第2出力モードを選択する場合、同一感光ユニットの複数の感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力するように制御し、さらに感光ユニットにおける感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別し、結像の位相差情報を取得し、位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節する。
【0050】
関連知識により、以下のことが分かる。
図6に示す画素構造、即ち、一つのマイクロレンズが一つのフィルタユニット及び一つの感光画素に対応する画素構造について、フォーカスする場合、
図7(1)に示すように、結像光線がマイクロレンズを通過して感光画素に集まって結像する。デフォーカスする場合、
図7(2)に示すように、結像光線が拡散し、各マイクロレンズが複数方向の光線を受け入れ、下方の対応する感光画素の結像に使用される。同一感光画素が受け入れる光線の方向を区別することができないため、相対検出の条件を満たすことができない。関連技術において、一般に、PDAF(Phase Detection Auto Focus、位相差オートフォーカス)を実現するために、画像センサ内の、隣接し、且つペアで設けられた感光画素構造設計(遮蔽画素ともいい、masked pixels、遮蔽画素構造が普通の感光画素構造よりさらに複雑であり、通常、普通の感光画素の自身の構造を変更するか、または感光画素構造に一つの光線遮蔽部を個別に増やす必要があり、遮蔽画素に照射する複数の方向の光線における特定方向の光線が遮蔽画素の感光部分に到達することができないようにし、特定方向以外の光線が遮蔽画素の感光部分に到達することができる。言い換えると、遮蔽画素が通常、ペアで、隣接し、且つ対称的に設けられており、ペアで設けられる遮蔽画素が複数の方向の光線の分離に用いられる)を利用し、ペアで設けられた遮蔽画素に照射する複数の方向の結像ビームを、例えば、左右二つの部分に分離し、左右両部分の光線の結像後の位相差を比べることにより(即ち、ペアで設けられた遮蔽画素の出力を取得することにより)、レンズの移動が必要な距離を計算する。
【0051】
本発明の実施例において、各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーする。各感光ユニットは複数の感光画素を含み、即ち、各マイクロレンズが複数の感光画素に対応することに基づいて、各マイクロレンズが受け入れた複数の光線は複数の感光画素の結像に用いられる。同一感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報がそれぞれ個別に出力されるのを制御し、複数の方向の光線信号を取得することができる。上記構造が結像ビームを分離する役割を果たしたのが分かる。そして各感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報の出力に基づいて結像光線を認識し、異なる方向の光線信号を比べることにより、結像画像の位相差情報を取得することができる。さらに位相差情報に基づいて撮影物体の距離情報を取得し、位相差オートフォーカス及び被写界深度情報のテストにデータ基礎を提供する。明らかに、本発明の実施例において、マイクロレンズユニットと、フィルタユニットと、感光ユニットとの結合設計を利用するだけで、相対フォーカスの検出を実現することができ、普通の感光画素の自身構造を変更するか感光画素構造に一つの光線遮蔽部を個別に増やす必要がなく、相対フォーカスの検出の実現方式もさらに簡単になる。
【0052】
例えば、
図5に示すように、各感光ユニットの四つの感光画素の画素情報がそれぞれ読み出された時に、四つの感光画素の画素情報の出力に基づいて、異なる方向の光線信号、例えば、上、下、左、右の光線信号を取得することができる。異なる方向の光線信号を比べることにより、画像の全体の位相差情報を取得することができ、さらに位相差情報をフォーカスの距離情報に変換し、フォーカスの距離情報に基づいてカメラの位置を調節し、位相オートフォーカスを実現することができる。
【0053】
かいつまんで言うと、本発明の実施例における画像センサの画素情報の出力方法は、各マイクロレンズが複数の感光画素に対応する設置に基づいて、二種類の作動状態を実現することができる。一つの作動状態では、各感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報が合成されて出力されることにより、画面の品質を高めることができる。もう一つの作動状態では、各感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報が個別に出力され、感光画素間の情報を比べることにより、位相差情報を取得し、位相差オートフォーカス及び被写界深度情報のテストにデータ基礎を提供する。
【0054】
以下に、本発明の一態様の実施例で提供された位相差オートフォーカス方法を説明する。
【0055】
図8は本発明の一つの実施例による位相差オートフォーカス方法のフローチャートである。
図8に示すように、当該位相差オートフォーカス方法は、以下のS10〜S30ステップを含む。
【0056】
S10ステップにおいては、画像センサを提供する。
【0057】
画像センサは、感光ユニットアレイと、感光ユニットアレイに配置されたフィルタユニットアレイと、フィルタユニットアレイの上に位置し、各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素を含む。即ち、一つのマイクロレンズが複数の感光画素に対応する。
【0058】
S20ステップにおいては、感光ユニットアレイの露光を制御し、感光ユニットアレイの出力を読み出し、同一感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報がそれぞれ個別に出力されるように制御する。
【0059】
S30ステップにおいては、感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別し、位相差情報を取得し、位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節する。
【0060】
本発明の位相差オートフォーカス方法により、画像センサの各レンズが、一つのフィルタユニット及び複数の感光画素に対応する構造に基づいて、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力する。デフォーカス状態である場合、各感光ユニットが異なる方向の光線信号を取得することができる。位相差オートフォーカスに条件を提供し、さらに位相差情報を取得し、位相差オートフォーカスを実現することができる。
【0061】
以下に、本発明のさらなる態様の実施例における結像装置を説明する。
【0062】
図9は本発明の一つの実施例による結像装置のブロック図である。
図9に示すように、当該結像1000は、上記方面の画像センサ100及び制御モジュール200を含む。
【0063】
制御モジュール200は、モード選択コマンドに基づいて出力モードを決定し、感光ユニットアレイの露光を制御し、感光ユニットアレイの出力を読み出す。第1出力モードを選択する場合、制御モジュール200は、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報を合併して出力するように制御する。
【0064】
本発明における結像装置は、画像センサの各レンズが、一つのフィルタユニット及び複数の感光画素に対応する構造に基づいて、第1出力モードを選択する場合、制御モジュールが、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報を合併して出力する。関連技術における単一の感光ユニットの出力に比べて、結像の敏感度及び信号雑音比を高め、画面の品質を高めことができる。
【0065】
本発明の実施例において、第2出力モードを選択する場合、制御モジュール200は、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力するように制御する。制御モジュール200は、感光ユニットにおける感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別して、結像の位相差情報を取得し、位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節する。
【0066】
本発明の他の態様においては、端末をさらに提供する。
図10に示すように、当該端末2000は、上記方面の実施例における結像装置1000を含む。当該端末2000は撮影することができ、結像の品質を向上させ、位相検出機能を有する。
【0067】
以下に、図面を参照して本発明の他の態様の実施例により提供された結像装置1000を説明する。当該結像装置100は、画像センサ100と制御モジュール200とを含む。
【0068】
制御モジュール200は、画像センサ100の感光ユニットアレイの露光を制御し、感光ユニットアレイの出力を読み出し、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力し、感光ユニットにおける感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別し、結像の位相差情報を取得し、位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節する。
【0069】
本発明の結像装置1000により、画像センサ100の各レンズが、一つのフィルタユニット及び複数の感光画素に対応する構造に基づいて、制御モジュール200は、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力する。デフォーカス状態である場合、各感光ユニットが異なる方向の光線信号を取得することができ、位相差オートフォーカスに条件を提供し、さらに位相差情報を取得し、位相差オートフォーカスの実現に基礎を築く。
【0070】
以下に、図面を参照して本発明の他の態様の実施例により提供された端末2000を説明する。当該端末2000は、上記他の態様の実施例における結像装置1000を含み、当該端末2000は位相差オートフォーカス機能を有する。
【0071】
具体的に、端末2000は携帯電話を含むが、これに限定されるものではない。
【0072】
結像装置1000は、携帯電話のフロントカメラを含むことができ、位相差情報に基づいて焦点調節の距離情報を取得し、焦点調節の距離情報に基づいてフロントカメラの距離を調節し、位相差オートフォーカスを実現することができる。
【0073】
上記態様の実施例における画像センサを説明する。画像センサは、感光ユニットアレイと、感光ユニットアレイに配置されたフィルタユニットアレイと、フィルタユニットアレイの上に位置し、各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素を含むマイクロレンズアレイと、を含む。以下に、図面を参照して本発明の実施例により提供された結像方法を説明する。
【0074】
図11は本発明の実施例による結像方法のフローチャートであり、
図9に示すように、当該結像方法は、S1ステップとS2ステップとを含む。
【0075】
S1ステップにおいては、感光ユニットアレイの出力を読み出す。
【0076】
S2ステップにおいては、同一感光ユニットにおける感光画素の出力を加算して当該感光ユニットの画素値を取得し、合併画像を生成する。
【0077】
本発明の実施形態における結像方法は、仮に最初の各感光ユニットの出力をSとし、雑音をNとし、感光ユニットはM個の感光ユニットを含むとした場合、感光ユニットの画素値がn*m*Sとなり、感光ユニットの雑音が
【数1】
となる、n=2、m=2である場合、感光ユニットの雑音がn*m*N/2程度となる。
従って、感光ユニットの輝度が低輝度の環境で向上させられるうえに、信号雑音比も高
められる。
【0078】
図12を参照して、いくつかの実施形態において、各前記感光ユニットは、2*2個の感光画素を含み、画像センサはレジスタを含み、S2ステップは、S201ステップとS202ステップとをさらに含む。
【0079】
S201ステップにおいて、k行目及びk+1行目の感光画素の出力を取得するとともに、レジスタに記憶する。このとき、k=2n-1であり、nが自然数であり、k+1が感光画素の総行数の以下である。
【0080】
S202ステップにおいては、レジスタからk行目及びk+1行目の感光画素の出力を抽出し、同一感光ユニットにおける感光画素の出力を加算して感光ユニットの画素値を取得する。
【0081】
このようにすることで、レジスタを十分利用することにより、感光画素の出力の読み出し、バッファー及び合成のプロセスを実現することができる。
【0082】
図13を参照して、いくつかの実施形態において、S2ステップは、感光画素により発生されたアナログ信号の出力をデジタル信号の出力に変換するS301ステップと、同一感光ユニットにおける感光画素の出力を加算して感光ユニットの画素値を取得するS302ステップと、をさらに含む。
【0083】
このようにすることで、一つは、一般にデジタル信号処理チップである画像処理モジュールは、画像センサの出力を直接処理することができる。もう一つは、回路を介して画像センサのアナログ信号フォーマットの出力を直接処理するいくつかの案に比べて、画像の情報を比較的よく保留することができる。例えば、16M画素の画像センサにとって、本発明の実施形態における結像方法は、4M画素(2*2の画素を合成する)の合併画像を生成することができるし、16M画素(即ち、合成しない)の元画像を生成することもできる。
【0084】
本発明のさらなる態様においては、モバイル端末をさらに提供する。当該モバイル端末は、ハウジングと、プロセッサと、メモリと、回路基板と、電源回路と、を含む。前記回路基板は、前記ハウジングにより囲まれた空間内部に配置され、前記プロセッサと前記メモリとは、前記回路基板に設けられ、前記電源回路は、前記モバイル端末の各回路又は部品への給電に用いられ、前記メモリは、実行可能なプログラムコードを記憶し、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された実行可能なプログラムコードを読み出すことにより、前記実行可能なプログラムコードに対応するプログラムを実行し、上記方面における結像方法を実行する。
【0085】
本発明の実施例において、その中に記憶されたコマンドを有するコンピュータ読取可能記憶媒体をさらに提供する。モバイル端末のプロセッサが前記コマンドを実行する時に、前記モバイル端末が
図11に示した本発明の実施例を参照した結像方法を実行する。
【0086】
説明する必要があるのは、本文において、例えば第1及び第2などの関係用語が、一つの実体又は操作と、もう一つの実体又は操作と、を区別することだけに使われ、必ずしもこれらの実体又は操作の間にあらゆるこのような実際の関係又は順序が存在するのを要求又は示唆するわけではない。また、「含む」及び「含まれる」という用語又はその他のあらゆる変体は、非排他的な包括をカバーするものであり、一連の要素を含むステップ、方法、物又は設備がそれらの要素だけを含むだけではなく、明確に挙げられなかったその他の要素も含み、このようなステップ、方法、物又は設備が固有する要素も含むことを意味する。多くの限定がない場合、「ひとつの……を含む」というセンテンスに限定された要素について、前記要素を含むステップ、方法、物又は設備において、他の同じな要素が存在するのを排除するわけではない。
【0087】
フローチャートで表された、又はここでその他の形態で説明された論理及び/又はステップは、例えば、論理機能の実現に用いられる実行可能な定配列表だと思われてもよく、あらゆるコンピュータ読取可能媒体において具体的に実現されることができ、コマンド実行システム、装置又は設備(例えば、コンピュータをベースにしたシステム、プロセッサを含むシステム又はコマンド実行システム、装置又は設備からコマンドを取り且つコマンドを実行するその他のシステム)により使用され、又はこれらのコマンド実行システム、装置又は設備に合わせて使用される。本明細書について、「コンピュータ読取可能媒体」は、プログラムを包括、記憶、通信、伝播又は伝送することができる、コマンド実行システム、装置又は設備に使用される、又はこれらのコマンド実行システム、装置又は設備に合わせて使用されるあらゆる装置であってもよい。コンピュータ読取可能媒体は、さらに具体的な例(包括的でないリスト)で示すと、一又は複数の配線を有する電気的接続部(電子装置)と、携帯式コンピュータディスクカートリッジ(磁気装置)と、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)と、読み出し専用メモリ(ROM)と、消去可能編集可能な読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)と、光ファイバ装置と、携帯式ディスク読み出し専用メモリ(CDROM)と、を含む。なお、コンピュータ読取可能媒体は、その上に前記プログラムがプリントされることのできる紙、又はその他の適切な媒体でさえればよい。なぜならば、例えば、紙又はその他の媒体を光学的なスキャンし、そして編集、解釈し、又は必要な時にその他の適切な方式で処理することにより、電子方式で前記プログラムを取得し、それをコンピュータメモリに記憶するからである。
【0088】
理解すべきなのは、本発明の各部分がハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせによって実現されることである。上記の実施形態において、複数のステップ又は方法が、メモリに記憶される、且つ適切なコマンド実行システムにより実行されるソフトウェア又はファームウェアで実現される。例えば、ハードウェアで実現するなら、もう一つの実施例でと同じく、本分野の下記周知技術のいずれか又はこれらの組み合わせで実現することができる。データ信号の論理機能を実現する論理ゲート回路に使われる離散的論理回路を有し、論理ゲート回路を組み合わせる適切な専用集成回路、プログラマブル・ゲート・アレイ(PGA)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などを有する。
【0089】
説明する必要があるのは、本発明の説明において、「一つの実施例」、「一部の実施例」、「例」、「示例」、「具体的な例」、或いは「一部の例」などの用語を参考した説明は、該実施例或いは例に結合して説明された具体的な特徴、構成、材料又は特徴が、本発明の少なくとも一つの実施例或いは例に含まれることである。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例或いは例を示すことではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料又は特徴は、いずれか一つ又は複数の実施例又は例において適切に結合することができる。なお、お互いに矛盾しない場合、当業者は本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を合わせる、及び組み合わせることができる。
【0090】
本発明の説明において、「一つの実施例」、「一部の実施例」、「例」、「示例」、「具体的な例」、或いは「一部の例」などの用語を参考した説明とは、該実施例或いは例に結合して説明された具体的な特徴、構成、材料又は特徴が、本発明の少なくとも一つの実施例或いは例に含まれることである。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例或いは例を示すことではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料又は特徴は、いずれか一又は複数の実施例又は例において適切に結合することができる。なお、お互いに矛盾しない場合、当業者は本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を合わせる、及び組み合わせることができる。
【0091】
以上、本発明の実施例を示して説明したが、理解できるのは、上記実施例は例示的なものであり、本発明を限定するものであると理解してはいけなく、普通の当業者は、本発明の範囲内で、上記実施例に対して変化、修正、置き換え及び変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0092】
2000 端末
1000 結像装置
100 画像センサ
10 感光ユニットアレイ
20 フィルタアレイ
30 マイクロレンズアレイ
110 感光画素
21 フィルタユニット
31 マイクロレンズ
22 フィルタ構造
【手続補正書】
【提出日】2017年8月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像センサの画素情報の出力方法であって、
前記画像センサは、
感光ユニットアレイと、フィルタユニットアレイと、マイクロレンズアレイと、を含み、
前記フィルタユニットアレイは、前記感光ユニットアレイと前記マイクロレンズアレイとの間に設けられ、
前記感光ユニットアレイは、複数の感光画素を含み、
前記フィルタユニットアレイは、複数のフィルタユニットを含み、
前記マイクロレンズアレイは、複数のマイクロレンズを含み、
前記各マイクロレンズは、一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは、複数の感光画素を含み、
前記方法は、
モード選択コマンドに基づいて出力モードを決定するステップと、
前記感光ユニットアレイの露光を制御し、前記感光ユニットアレイの出力を読み出し、
前記出力モードが第1出力モードである場合、同一の前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報を合併して出力するステップと、を含むことを特徴とする画像センサの画素情報の出力方法。
【請求項2】
前記出力モードが第2出力モードである場合、同一の前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記出力モードが第2出力モードである場合、
前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別し、結像の位相差情報を取得するステップと、
前記位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節するステップと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
画像センサを提供し、
前記画像センサは、感光ユニットアレイと、フィルタユニットアレイと、マイクロレンズアレイと、を含み、
前記フィルタユニットアレイは、前記感光ユニットアレイと前記マイクロレンズアレイとの間に設けられ、
前記感光ユニットアレイは、複数の感光画素を含み、
前記フィルタユニットアレイは、複数のフィルタユニットを含み、
前記マイクロレンズアレイは、複数のマイクロレンズを含み、
各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素を含む位相差オートフォーカス方法であって、
該方法は、
前記感光ユニットアレイの露光を制御し、前記感光ユニットアレイの出力を読み出し、同一の前記感光ユニットにおける感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力するステップと、
前記感光ユニットにおける感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別して、結像の位相差情報を取得し、前記位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節するステップと、を含むことを特徴とする位相差オートフォーカス方法。
【請求項5】
感光ユニットアレイと、前記感光ユニットアレイに配置されたフィルタユニットアレイと、マイクロレンズアレイと、を含み、
前記フィルタユニットアレイは、前記感光ユニットアレイと前記マイクロレンズアレイとの間に設けられ、
前記感光ユニットアレイは、複数の感光画素を含み、
前記フィルタユニットアレイは、複数のフィルタユニットを含み、
前記マイクロレンズアレイは、複数のマイクロレンズを含み、
各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、
各感光ユニットは複数の感光画素を含むことを特徴とする画像センサ。
【請求項6】
請求項5に記載の画像センサと、
モード選択コマンドに基づいて出力モードを決定し、前記画像センサの感光ユニットアレイの露光を制御し、前記感光ユニットアレイの出力を読み出し、前記出力モードが第1出力モードである場合、同一の感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報を合併して出力するように制御する制御モジュールと、を含むことを特徴とする結像装置。
【請求項7】
前記出力モードが第2出力モードである場合、前記制御モジュールは、同一の前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力するように制御することを特徴とする請求項6に記載の結像装置。
【請求項8】
第2出力モードを選択する場合、前記制御モジュールは、前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別して、結像の位相差情報を取得し、前記位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節することを特徴とする請求項6に記載の結像装置。
【請求項9】
請求項6から8のいずれかに記載の結像装置を含むことを特徴とする端末。
【請求項10】
請求項5に記載の画像センサと、
前記画像センサの感光ユニットアレイの露光を制御し、前記感光ユニットアレイの出力を読み出し、同一の感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力し、前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別して、結像の位相差情報を取得し、前記位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節する制御モジュールと、を含むことを特徴とする結像装置。
【請求項11】
画像センサの結像方法であって、
前記画像センサは、感光ユニットアレイと、フィルタユニットアレイと、マイクロレンズアレイと、を含み、
前記フィルタユニットアレイは、前記感光ユニットアレイと前記マイクロレンズアレイとの間に設けられ、
前記感光ユニットアレイは、複数の感光画素を含み、
前記フィルタユニットアレイは、複数のフィルタユニットを含み、
前記マイクロレンズアレイは、複数のマイクロレンズを含み、
各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、
各感光ユニットは複数の感光画素を含み、
前記画像処理方法は、
前記感光ユニットアレイの出力を読み出すステップと、
同一の前記感光ユニットの感光画素の出力を加算して前記感光ユニットの画素値を取得し、合併画像を生成するステップと、を含むことを特徴とする画像センサの結像方法。
【請求項12】
各前記感光ユニットは、2*2個の前記感光画素を含み、
前記画像センサは、レジスタを含み、
前記読み出しステップは、
k行目及びk+1行目の前記感光画素の出力を取得して前記レジスタに記憶し、k=2n-1であり、nが自然数であり、k+1が前記感光画素の総行数以下であるステップと、
前記レジスタから前記k行目及びk+1行目の前記感光ユニットの出力を抽出し、同一の前記感光ユニットの前記感光画素の出力を加算して前記感光ユニットの画素値を取得するステップと、を含むことを特徴とする請求項11に記載の結像方法。
【請求項13】
前記読み出しステップは、
前記感光画素により発生されたアナログ信号の出力をデジタル信号の出力に変換するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11又は12に記載の結像方法。
【請求項14】
ハウジングと、プロセッサと、メモリと、回路基板と、電源回路と、を含み、
前記回路基板は、前記ハウジングにより囲まれた空間内部に配置され、
前記プロセッサと前記メモリとは、前記回路基板に設けられ、
前記電源回路は、前記モバイル端末の各回路又は部品への給電に用いられ、
前記メモリは、実行可能なプログラムコードを記憶し、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶された実行可能なプログラムコードを読み出すことにより、前記実行可能なプログラムコードに対応するプログラムを実行する、請求項11から13のいずれかに記載の結像方法を実行することを特徴とするモバイル端末。
【請求項15】
コンピュータ読取可能記録媒体であって、その中に記憶されたコマンドを有し、
モバイル端末のプロセッサが前記コマンドを実行する時に、前記モバイル端末が請求項11から13のいずれかに記載の結像方法を実行することを特徴とするコンピュータ読取可能記録媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権情報
本出願は、2015年12月18日に中国国家知識産権局に提出された特許出願番号が201510963242.5である特許出願の優先権及び権益を主張するものであり、当該中国特許出願の全内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明は、画像設備技術に関し、特に画像センサの画素情報の出力方法及び位相差オートフォーカス方法、画像センサ、結像装置及び端末に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、携帯電話のカメラに使用されるセンサの画素構造は、いずれも一つのマイクロレンズが一つの画素ユニットに対応するものである。これには、二つの問題が存在している。一つは、携帯電話のカメラにおけるセンサの画素ユニットのサイズがますます小さくなっているため、センサの結像敏感度及びSNR(Signal Noise Ratio、信号雑音比)を高める必要があり、画面の結像の品質には不利なことである。もう一つは、マイクロレンズは、あらゆる方向からの光線を受け入れ、同一画素ユニットの結像に使用するため、画素ユニットが、受け入れられた光線の方向を区別することができず、
位相差検出の条件を満たすことができず、
位相差ピント合わせに基礎を築くことができないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、関連技術における少なくとも一つの技術的課題をある程度解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様において、画像センサの画素情報の出力方法を提供する。前記画像センサは、感光ユニットアレイと、前記感光ユニットアレイに配置されたフィルタユニットアレイと、前記フィルタユニットアレイの上に位置し、各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素を含むマイクロレンズアレイと、を含み、前記方法は、モード選択コマンドに基づいて出力モードを決定するステップと、前記感光ユニットアレイの露光を制御し、前記感光ユニットアレイの出力を読み出し、第1出力モードを選択する場合、同一の前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報を合併して出力するステップと、を含む。
【0006】
本発明の画像センサの画素情報の出力方法により、各レンズが一つのフィルタユニット及び複数の感光画素に対応する構造に基づいて、第1出力モードを選択する場合、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報を合併して出力することにより、関連技術における単一の感光ユニットの出力に比べて、結像の敏感度及び信号雑音比を高め、画面の品質を高めことができる。
【0007】
本発明の一部の実施例において、第2出力モードを選択する場合、同一の前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力する。
【0008】
さらに、前記第2出力モードを選択する場合、前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別して、位相差情報を取得し、前記位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節する。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一態様の実施例において、位相差オートフォーカス方法を提供する。当該方法は、感光ユニットアレイと、前記感光ユニットアレイに配置されたフィルタユニットアレイと、前記フィルタユニットアレイの上に位置し、各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素を含むマイクロレンズアレイと、を含む画像センサを提供するステップと、前記感光ユニットアレイの露光を制御し、前記感光ユニットアレイの出力を読み出し、同一の前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力するステップと、前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別し、位相差情報を取得して、前記位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節するステップと、を含む。
【0010】
本発明の位相差オートフォーカス方法により、画像センサの、各レンズが一つのフィルタユニット及び複数の感光画素に対応する構造に基づいて、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力し、デフォーカス状態である場合、感光ユニットが異なる方向の光線信号を取得することができる。位相差オートフォーカスに条件を提供し、さらに位相差情報を取得し、位相差オートフォーカスを実現することができる。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のさらなる一態様の実施例において、画像センサを提供する。当該画像センサは、感光ユニットアレイと、前記感光ユニットアレイに配置されたフィルタユニットアレイと、前記フィルタユニットアレイの上に位置し、各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素を含むマイクロレンズアレイと、を含む。
【0012】
本発明の画像センサは、各レンズが一つのフィルタユニット及び複数の感光画素に対応する構造に基づいて、画面の品質向上及び位相差オートフォーカスの条件満足にハードウェアという基礎を築く。
【0013】
本発明の一部の実施例において、前記感光ユニットは2*2個の前記感光画素を含む。
【0014】
本発明の一部の実施例において、前記フィルタユニットアレイはべイヤーアレイを含む。
【0015】
本発明の他の態様の実施例において、結像装置を提供する。当該結像装置は、上記画像センサと、モード選択コマンドに基づいて出力モードを決定し、前記画像センサの感光ユニットアレイの露光を制御し、前記感光ユニットアレイの出力を読み出し、第1出力モードを選択する場合、同一の前記感光ユニットにおける感光画素の画素情報を合併して出力するように制御する制御モジュールと、を含む。
【0016】
本発明の結像装置は、画像センサの、各レンズが一つのフィルタユニット及び複数の感光画素に対応する構造に基づいて、第1出力モードを選択する場合、制御モジュールは、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報を合併して出力することで、関連技術における単一の感光ユニットの出力に比べて、結像の敏感度及び信号雑音比を高め、画面の品質を高めことができる。
【0017】
第2出力モードを選択する場合、前記制御モジュールは、同一の前記感光ユニットにおける感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力するように制御する。
【0018】
本発明の一部の実施例において、第2出力モードを選択する場合、前記制御モジュールは、前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別して、位相差情報を取得し、前記位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節する。
【0019】
前記結像装置に基づいて、本発明の他の態様において、上記結像装置を含む端末をさらに提供する。
【0020】
当該端末は、撮影することができ、結像の品質を向上させ、位相検出機能を有する。
【0021】
本発明の他の態様において、上記の画像センサ及び制御モジュールを含む結像装置を提供する。前記制御モジュールは、前記感光ユニットアレイの露光を制御し、前記感光ユニットアレイの出力を読み出し、同一の前記感光ユニットにおける複数の感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力し、前記感光ユニットにおける感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別して、位相差情報を取得し、前記位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節する。
【0022】
本発明の結像装置により、画像センサの、各レンズが一つのフィルタユニット及び複数の感光画素に対応する構造に基づいて、制御モジュールは、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力し、デフォーカス状態である場合、各感光ユニットが異なる方向の光線信号を取得することができ、位相差オートフォーカスに条件を提供し、さらに位相差情報を取得し、位相差オートフォーカスの実現に基礎を築く。
【0023】
本発明のさらなる態様において、上記方面の結像装置を含む端末をさらに提供する。当該端末は、位相差オートフォーカスの機能を有する。
【0024】
本発明の一部の実施例において、前記端末は携帯電話を含む。
【0025】
本発明の一部の実施例において、前記結像装置は前記携帯電話のフロントカメラを含む。
【0026】
本発明のさらなる態様において、画像センサの結像方法をさらに提供する。前記画像センサは、感光ユニットアレイと、前記感光ユニットアレイに配置されたフィルタユニットアレイと、前記フィルタユニットアレイの上に位置し、各マイクロレンズは一つのフィルタユニット及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素を含むマイクロレンズアレイと、を含み、前記画像処理方法は、前記感光ユニットアレイの出力を読み出すステップと、同一の前記感光ユニットの感光画素の出力を加算して前記感光ユニットの画素値を取得し、合併画像を生成するステップと、を含む。
【0027】
感光ユニットの雑音は、合成される前の各感光画素の雑音の和より小さいので、この結像方法を用いて、低輝度で信号雑音比、輝度、解像度が比較的高く、雑音が比較的少ない画像を取得することができる。
【0028】
少なくとも一つの実施例において、各前記感光ユニットは、2*2個の前記感光画素を含み、前記画像センサはレジスタを含み、前記読み出しステップは、k行目及びk+1行目の前記感光画素の出力を取得して前記レジスタに記憶する。このとき、k=2n-1であり、nが自然数であり、k+1が前記感光画素の総行数の以下であるステップと、前記レジスタから前記k行目及びk+1行目の前記感光ユニットの出力を抽出し、同一の前記感光ユニットの前記感光画素の出力を加算して前記感光ユニットの画素値を取得するステップと、を含む。
【0029】
少なくとも一つの実施例において、前記読み出しステップは、前記感光画素により発生されたアナログ信号の出力をデジタル信号の出力に変換するステップをさらに含む。
【0030】
本発明の他の態様において、モバイル端末をさらに提供する。当該モバイル端末は、ハウジングと、プロセッサと、メモリと、回路基板と、電源回路と、を含み、前記回路基板は、前記ハウジングにより囲まれた空間内部に配置され、前記プロセッサ及び前記メモリが前記回路基板に設けられ、前記電源回路が前記モバイル端末の各回路又は部品への給電に用いられ、前記メモリが実行可能なプログラムコードを記憶し、前記プロセッサが前記メモリに記憶された実行可能なプログラムコードを読み出すことにより、前記実行可能なプログラムコードに対応するプログラムを実行し、上記結像方法を実行する。
【0031】
本発明の実施例におけるモバイル端末は前記画素ユニットアレイの出力を読み出すことにより、同一感光ユニットにおける感光画素の出力を加算して当該感光ユニットの画素値を取得し、合併画像を生成する。感光ユニットの雑音は、合成される前の各感光画素の雑音の和より小さいので、低輝度で信号雑音比、輝度、解像度が比較的高く、雑音が比較的少ない画像を取得することができる。
【0032】
本発明の他の態様の実施例において、その中に記憶されたコマンドを有するコンピュータ読取可能記憶媒体を提供する。モバイル端末のプロセッサが前記コマンドを実行する時に、前記モバイル端末が上記方面の実施例に記載の結像方法を実行する。
【0033】
本発明の付加的な特徴及び利点は、一部が下記の説明の中にあり、一部が下記の説明により、明らかになり、又は本発明の実践により、理解される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の一つの実施例による画像センサのブロック図である。
【
図2】本発明の一つの実施例による、べイヤーアレイを用いたフィルタユニットアレイの概略図である。
【
図3】本発明の一つの実施例による、べイヤーアレイを用いたフィルタユニットアレイの概略図である。
【
図4】本発明の一つの実施例による、画像センサの画素情報の出力方法のフローチャートである。
【
図5】本発明の一つの具体的な実施例による結像の概略図である。
【
図7】の(1)および(2)関連技術による結像される光線の入力概略図である。
【
図8】本発明の一つの実施例による位相差オートフォーカス方法のフローチャートである。
【
図9】本発明の一つの実施例による結像装置のブロック図である。
【
図10】本発明の一つの実施例による端末のブロック図である。
【
図11】本発明の実施例による結像方法のフローチャートである。
【
図12】本発明の一つの実施例による結像方法のフローチャートである。
【
図13】本発明のもう一つの実施例による結像方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に、本発明の実施例を詳しく説明する。前記実施例の例が図面に示されるが、同一または類似する符号は、常に、相同又は類似の部品、又は相同又は類似の機能を有する部品を表す。以下に、図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するために用いられ、本発明を限定するものと理解されてはならない。
【0036】
携帯電話のカメラの結像敏感度及び信号雑音比を高めるとともに、位相差の検出を実現するために、本発明の実施例においては、複数の
感光画素が一組形成され、一つのマイクロレンズを併用することにより、一組の
感光画素の内部にある各
感光画素の画素情報をそれぞれ読み出し、結像光線を区別する。複数の
感光画素を合成して結像することにより、比較的高い結像敏感度及び信号雑音比に達するとともに、光線の入射方向の違いにより、相対的な位相差情報の検出機能を実現することができる。
【0037】
図1は本発明の一つの実施例による画像センサのブロック図であり、
図1に示すように、当該画像センサ100は、感光ユニットアレイ10と、フィルタユニットアレイ20と、マイクロレンズアレイ30と、を含む。
【0038】
前記フィルタユニットアレイ20は、前記感光ユニットアレイ10と前記マイクロレンズアレイ30との間に設けられる。前記感光ユニットアレイ10は、複数の感光画素を含む。前記フィルタユニットアレイ20は、複数のフィルタユニット21を含む。前記マイクロレンズアレイ30は、複数のマイクロレンズ31を含む。各マイクロレンズ31が一つのフィルタユニット21及び感光ユニットをカバーする。各感光ユニットが、複数の感光画素110を含み、例えば、本発明の一つの実施例において、感光ユニットが2*2個の感光画素110を含む。
【0039】
いくつかの実施形態において、フィルタユニットアレイ20は、べイヤーアレイ(Bayer pattern)を含む。べイヤー構造を用いることで、伝統的な、べイヤー構造に対するアルゴリズムで画像信号を処理することができるため、ハードウェア構造を大きく調整する必要はない。
【0040】
図2及び
図3に示すように、べイヤー構造において、2*2個のフィルタユニット21によりフィルタ構造22が構成される。2*2個のフィルタユニット21はそれぞれ緑、赤、青、緑のフィルタユニット21である。伝統的な
フィルタユニットアレイ20の構造において、各フィルタユニット21が一つの感光画素110及び画像画素に対応する。本発明の実施形態において、フィルタユニットアレイ20はべイヤー構造を用いるが、異なるのは、各フィルタユニット21が複数の感光画素110、例えば、四つの感光画素110に対応し、即ち、複数の感光画素110が同じ色のフィルタユニット21に対応することである。
【0041】
かいつまんで言うと、本発明の実施例における画像センサ100においては、複数の感光画素110が一組に形成され、一つのマイクロレンズ31を併用する。言い換えると、現在の画像センサ内における一つのマイクロレンズが一つの感光画素に対応する構造を、一つのマイクロレンズ31が複数の感光画素110に対応する構造に変更し、当該一組
の感光画素110(即ち、感光ユニット内)の
うちのひとつの感光画素110が同じ色のフィルタユニット21に対応する。
【0042】
以下に、
図1の画像センサの構造に基づいて、本発明の実施例における画像センサの画素情報の出力方法を説明する。
図4は本発明の一つの実施例による画像センサの画素情報の出力方法のフローチャートである。
図4に示すように、当該方法は、以下のS1ステップと、S2ステップとを含む。
【0043】
S1ステップにおいては、モード選択コマンドに基づいて出力モードを決定する。
【0044】
本発明の実施例において、出力モジュールは、第1出力モードと、第2出力モードと、を含む。第1
出力モードが結像の敏感度及び信号雑音比を高める面に対して提供された出力モードと理解されても良く、第2
出力モードが位相差オートフォーカス及び被写界深度情報のテスト面に対して提供された出力モードと理解されてもよい。
【0045】
S2ステップにおいては、感光ユニットアレイ
10の露光を制御し、感光ユニットアレイ
10の出力を読み出す。第1出力モードを選択する場合、同一感光ユニットにおける複数の感光画素
110の画素情報を合併して出力する。
【0046】
具体的に、同一マイクロレンズに対応する感光ユニット内における複数の感光画素の画素情報が合成されて出力される場合、一つのマイクロレンズが一つの感光画素に対応する出力信号に比べて、複数、例えばN個の感光画素を合成した出力信号は、N倍を増大することに相当する。雑音が信号の平方根と正比例となる。即ち、nosie∝(Signal)
1/2であるため、信号が最初のN倍になり、雑音が当初のN
1/2しかなくなるので、画像の結像敏感度及び信号雑音比は共に相応的に向上する。
【0047】
図5は本発明の一つの実施例による結像光線の概略図であり、一つのマイクロレンズ
112が一つのフィルタユニット
113及び四つの感光画素
111に対応する。
図6は関連技術における結像光線の概略図であり、一つのマイクロレンズが一つのフィルタユニット及び一つの感光画素に対応する。
図1及び
図5に示すように、四つの感光画素情報が合成されて出力されれば、
図6に示すように、信号が画素構造の出力信号の4倍になるが、雑音が
図6の画素構造の2倍しかないため、画像の敏感度及び信号雑音比は共に相応的に向上する。
【0048】
本発明の実施例における画像センサ
100の画素情報の出力方法では、各レンズが一つのフィルタユニット及び複数の感光画素に対応する構造に基づいて、第1出力モードを選択する場合、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報を合併して出力すると、関連技術における単一の感光画素の出力に比べて、結像の敏感度及び信号雑音比を高め、画面の品質を高めことができるのが分かる。
【0049】
位相検出の条件を満たすために位相差オートフォーカス(Phase Detection Auto Focus:PDAF)を行い、第2出力モードを選択する場合、同一感光ユニットの複数の感光画素
110の画素情報をそれぞれ個別に出力するように制御し、さらに感光ユニットにおける感光画素の画素情報に基づいて結像される光線を区別し、結像の位相差情報を取得し、位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節する。
【0050】
関連知識により、以下のことが分かる。
図6に示す画素構造、即ち、一つのマイクロレンズ
112が一つのフィルタユニット及び一つの感光画素に対応する画素構造について、フォーカスする場合、
図7(1)に示すように、結像光線がマイクロレンズを通過して感光画素に集まって結像する。デフォーカスする場合、
図7(2)に示すように、結像光線が拡散し、各マイクロレンズが複数方向の光線を受け入れ、下方の対応する感光画素の結像に使用される。同一感光画素が受け入れる光線の方向を区別することができないため、
位相検出の条件を満たすことができない。関連技術において、一般に、PDAF(Phase Detection Auto Focus、位相差オートフォーカス)を実現するために、画像センサ内の、隣接し、且つペアで設けられた感光画素構造設計(遮蔽画素ともいい、masked pixels、遮蔽画素構造が普通の感光画素構造よりさらに複雑であり、通常、普通の感光画素の自身の構造を変更するか、または感光画素構造に一つの光線遮蔽部を個別に増やす必要があり、遮蔽画素に照射する複数の方向の光線における特定方向の光線が遮蔽画素の感光部分に到達することができないようにし、特定方向以外の光線が遮蔽画素の感光部分に到達することができる。言い換えると、遮蔽画素が通常、ペアで、隣接し、且つ対称的に設けられており、ペアで設けられる遮蔽画素が複数の方向の光線の分離に用いられる)を利用し、ペアで設けられた遮蔽画素に照射する複数の方向の結像ビームを、例えば、左右二つの部分に分離し、左右両部分の光線の結像後の位相差を比べることにより(即ち、ペアで設けられた遮蔽画素の出力を取得することにより)、レンズの移動が必要な距離を計算する。
【0051】
本発明の実施例において、各マイクロレンズ
31は一つのフィルタユニット
21及び感光ユニットをカバーする。各感光ユニットは複数の感光画素
110を含み、即ち、各マイクロレンズ
31が複数の感光画素
110に対応することに基づいて、各マイクロレンズ
31が受け入れた複数の光線は複数の感光画素
110の結像に用いられる。同一感光ユニットにおける複数の感光画素
110の画素情報がそれぞれ個別に出力されるのを制御し、複数の方向の光線信号を取得することができる。上記構造が結像ビームを分離する役割を果たしたのが分かる。そして各感光ユニットにおける複数の感光画素
110の画素情報の出力に基づいて結像光線を認識し、異なる方向の光線信号を比べることにより、結像画像の位相差情報を取得することができる。さらに位相差情報に基づいて撮影物体の距離情報を取得し、位相差オートフォーカス及び被写界深度情報のテストにデータ基礎を提供する。明らかに、本発明の実施例において、マイクロレンズ
アレイ30と、フィルタユニット
20と、感光
アレイ10との結合設計を利用するだけで、相対フォーカスの検出を実現することができ、普通の感光画素の自身構造を変更するか感光画素構造に一つの光線遮蔽部を個別に増やす必要がなく、
位相フォーカスの検出の実現方式もさらに簡単になる。
【0052】
例えば、
図5に示すように、各感光ユニットの四つの感光画素
111の画素情報がそれぞれ読み出された時に、四つの感光画素
111の画素情報の出力に基づいて、異なる方向の光線信号、例えば、上、下、左、右の光線信号を取得することができる。異なる方向の光線信号を比べることにより、画像の全体の位相差情報を取得することができ、さらに位相差情報をフォーカスの距離情報に変換し、フォーカスの距離情報に基づいてカメラの位置を調節し、位相オートフォーカスを実現することができる。
【0053】
かいつまんで言うと、本発明の実施例における画像センサ
100の画素情報の出力方法は、各マイクロレンズ
31が複数の感光画素
110に対応する設置に基づいて、二種類の作動状態を実現することができる。一つの作動状態では、各感光ユニットにおける複数の感光画素
110の画素情報が合成されて出力されることにより、画面の品質を高めることができる。もう一つの作動状態では、各感光ユニットにおける複数の感光画素
110の画素情報が個別に出力され、感光画素間の情報を比べることにより、位相差情報を取得し、位相差オートフォーカス及び被写界深度情報のテストにデータ基礎を提供する。
【0054】
以下に、本発明の一態様の実施例で提供された位相差オートフォーカス方法を説明する。
【0055】
図8は本発明の一つの実施例による位相差オートフォーカス方法のフローチャートである。
図8に示すように、当該位相差オートフォーカス方法は、以下のS10〜S30ステップを含む。
【0056】
S10ステップにおいては、画像センサ
100を提供する。
【0057】
画像センサ
100は、感光ユニットアレイ
10と、感光ユニットアレイ
100に配置されたフィルタユニットアレイ
30と、
マイクロレンズアレイ30を含む。感光ユニットアレイ10は、フィルタユニットアレイ
30の上に位置し、
マイクロレンズ31は、フィルタユニットアレイ30に位置し、フィルタユニットアレイ20は、感光ユニットアレイ10と前記マイクロレンズアレイ30との間に設けられる。感光ユニットアレイ10は、複数の感光画素110を含む。フィルタユニットアレイ20は、複数のフィルタユニット21を含む。マイクロレンズアレイ30は、複数のマイクロレンズ31を含む。各マイクロレンズ
31は一つのフィルタユニット
21及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素
110を含む。即ち、一つのマイクロレンズ
31が複数の感光画素
110に対応する。
【0058】
S20ステップにおいては、感光ユニットアレイの露光を制御し、感光ユニットアレイ
10の出力を読み出し、同一感光ユニットにおける複数の感光画素
110の画素情報がそれぞれ個別に出力されるように制御する。
【0059】
S30ステップにおいては、感光ユニットにおける複数の感光画素
110の画素情報に基づいて結像される光線を区別し、位相差情報を取得し、位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節する。
【0060】
本発明の位相差オートフォーカス方法により、画像センサ
100の各レンズ
31が、一つのフィルタユニット
21及び複数の感光画素
110に対応する構造に基づいて、同一感光ユニットにおける感光画素
110の画素情報をそれぞれ個別に出力する。デフォーカス状態である場合、各感光ユニットが異なる方向の光線信号を取得することができる。位相差オートフォーカスに条件を提供し、さらに位相差情報を取得し、位相差オートフォーカスを実現することができる。
【0061】
以下に、本発明のさらなる態様の実施例における結像装置
1000を説明する。
【0062】
図9は本発明の一つの実施例による結像装置
1000のブロック図である。
図9に示すように、当該結像
装置1000は、上記方面の画像センサ100及び制御モジュール200を含む。
【0063】
制御モジュール200は、モード選択コマンドに基づいて出力モードを決定し、感光ユニットアレイ
10の露光を制御し、感光ユニットアレイ
10の出力を読み出す。第1出力モードを選択する場合、制御モジュール200は、同一感光ユニットにおける感光画素
110の画素情報を合併して出力するように制御する。
【0064】
本発明における結像装置
1000は、画像センサ
100の各レンズ
31が、一つのフィルタユニット
21及び複数の感光画素
110に対応する構造に基づいて、第1出力モードを選択する場合、制御モジュールが、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報を合併して出力する。関連技術における単一の感光
画素111の出力に比べて、結像の敏感度及び信号雑音比を高め、画面の品質を高めことができる。
【0065】
本発明の実施例において、第2出力モードを選択する場合、制御モジュール200は、同一感光ユニットにおける感光画素
110の画素情報をそれぞれ個別に出力するように制御する。制御モジュール200は、感光ユニットにおける感光画素
110の画素情報に基づいて結像される光線を区別して、結像の位相差情報を取得し、位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節する。
【0066】
本発明の他の態様においては、端末
2000をさらに提供する。
図10に示すように、当該端末2000は、上記方面の実施例における結像装置1000を含む。当該端末2000は撮影することができ、結像の品質を向上させ、位相検出機能を有する。
【0067】
以下に、図面を参照して本発明の他の態様の実施例により提供された結像装置1000を説明する。当該結像装置100は、画像センサ100と制御モジュール200とを含む。
【0068】
制御モジュール200は、画像センサ100の感光ユニットアレイ
10の露光を制御し、感光ユニットアレイ
10の出力を読み出し、同一感光ユニットにおける感光画素
110の画素情報をそれぞれ個別に出力し、感光ユニットにおける感光画素
110の画素情報に基づいて結像される光線を区別し、結像の位相差情報を取得し、位相差情報に基づいて、位相差オートフォーカスを調節する。
【0069】
本発明の結像装置1000により、画像センサ100の各レンズ
31が、一つのフィルタユニット
21及び複数の感光画素
110に対応する構造に基づいて、制御モジュール200は、同一感光ユニットにおける感光画素の画素情報をそれぞれ個別に出力する。デフォーカス状態である場合、各感光ユニットが異なる方向の光線信号を取得することができ、位相差オートフォーカスに条件を提供し、さらに位相差情報を取得し、位相差オートフォーカスの実現に基礎を築く。
【0070】
以下に、図面を参照して本発明の他の態様の実施例により提供された端末2000を説明する。当該端末2000は、上記他の態様の実施例における結像装置1000を含み、当該端末2000は位相差オートフォーカス機能を有する。
【0071】
具体的に、端末2000は携帯電話を含むが、これに限定されるものではない。
【0072】
結像装置1000は、携帯電話のフロントカメラを含むことができ、位相差情報に基づいて焦点調節の距離情報を取得し、焦点調節の距離情報に基づいてフロントカメラの距離を調節し、位相差オートフォーカスを実現することができる。
【0073】
上記態様の実施例における画像センサ
100を説明する。画像センサ
100は、感光ユニットアレイ
10と、
フィルタユニットアレイ20と、マイクロレンズアレイ30と、を含む。フィルタユニットアレイ20は、感光ユニットアレイ10とマイクロレンズアレイ30との間に設けられる。感光ユニットアレイ10は、複数の感光画素110を含む。フィルタユニットアレイ20は、複数のフィルタユニット21を含む。マイクロレンズアレイ30は、複数のマイクロレンズ31を含む。各マイクロレンズ
31は一つのフィルタユニット
21及び感光ユニットをカバーし、各感光ユニットは複数の感光画素
110を含む
。以下に、図面を参照して本発明の実施例により提供された結像方法を説明する。
【0074】
図11は本発明の実施例による結像方法のフローチャートであり、
図9に示すように、当該結像方法は、S1ステップとS2ステップとを含む。
【0075】
S1ステップにおいては、感光ユニットアレイ
10の出力を読み出す。
【0076】
S2ステップにおいては、同一感光ユニットにおける感光画素
110の出力を加算して当該感光ユニットの画素値を取得し、合併画像を生成する。
【0077】
本発明の実施形態における結像方法は、仮に最初の各感光ユニットの出力をSとし、雑音をNとし、感光ユニットはM個の感光ユニットを含むとした場合、感光ユニットの画素値がn*m*Sとなり、感光ユニットの雑音が
【数1】
となる、n=2、m=2である場合、感光ユニットの雑音がn*m*N/2程度となる。従って、感光ユニットの輝度が低輝度の環境で向上させられるうえに、信号雑音比も高められる。
【0078】
図12を参照して、いくつかの実施形態において、各前記感光ユニットは、2*2個の感光画素
110を含み、画像センサはレジスタを含み、S2ステップは、S201ステップとS202ステップとをさらに含む。
【0079】
S201ステップにおいて、k行目及びk+1行目の感光画素
110の出力を取得するとともに、レジスタに記憶する。このとき、k=2n-1であり、nが自然数であり、k+1が感光画素
110の総行数の以下である。
【0080】
S202ステップにおいては、レジスタからk行目及びk+1行目の感光画素
110の出力を抽出し、同一感光ユニットにおける感光画素
110の出力を加算して感光ユニットの画素値を取得する。
【0081】
このようにすることで、レジスタを十分利用することにより、感光画素
110の出力の読み出し、バッファー及び合成のプロセスを実現することができる。
【0082】
図13を参照して、いくつかの実施形態において、S2ステップは、感光画素
110により発生されたアナログ信号の出力をデジタル信号の出力に変換するS301ステップと、同一感光ユニットにおける感光画素
110の出力を加算して感光ユニットの画素値を取得するS302ステップと、をさらに含む。
【0083】
このようにすることで、一つは、一般にデジタル信号処理チップである画像処理モジュールは、画像センサの出力を直接処理することができる。もう一つは、回路を介して画像センサのアナログ信号フォーマットの出力を直接処理するいくつかの案に比べて、画像の情報を比較的よく保留することができる。例えば、16M画素の画像センサにとって、本発明の実施形態における結像方法は、4M画素(2*2の画素を合成する)の合併画像を生成することができるし、16M画素(即ち、合成しない)の元画像を生成することもできる。
【0084】
本発明のさらなる態様においては、モバイル端末
2000をさらに提供する。当該モバイル端末
2000は、ハウジングと、プロセッサと、メモリと、回路基板と、電源回路と、を含む。前記回路基板は、前記ハウジングにより囲まれた空間内部に配置され、前記プロセッサと前記メモリとは、前記回路基板に設けられ、前記電源回路は、前記モバイル端末の各回路又は部品への給電に用いられ、前記メモリは、実行可能なプログラムコードを記憶し、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された実行可能なプログラムコードを読み出すことにより、前記実行可能なプログラムコードに対応するプログラムを実行し、上記方面における結像方法を実行する。
【0085】
本発明の実施例において、その中に記憶されたコマンドを有するコンピュータ読取可能記憶媒体をさらに提供する。モバイル端末のプロセッサが前記コマンドを実行する時に、前記モバイル端末が
図11に示した本発明の実施例を参照した結像方法を実行する。
【0086】
説明する必要があるのは、本文において、例えば第1及び第2などの関係用語が、一つの実体又は操作と、もう一つの実体又は操作と、を区別することだけに使われ、必ずしもこれらの実体又は操作の間にあらゆるこのような実際の関係又は順序が存在するのを要求又は示唆するわけではない。また、「含む」及び「含まれる」という用語又はその他のあらゆる変体は、非排他的な包括をカバーするものであり、一連の要素を含むステップ、方法、物又は設備がそれらの要素だけを含むだけではなく、明確に挙げられなかったその他の要素も含み、このようなステップ、方法、物又は設備が固有する要素も含むことを意味する。多くの限定がない場合、「ひとつの……を含む」というセンテンスに限定された要素について、前記要素を含むステップ、方法、物又は設備において、他の同じな要素が存在するのを排除するわけではない。
【0087】
フローチャートで表された、又はここでその他の形態で説明された論理及び/又はステップは、例えば、論理機能の実現に用いられる実行可能な定配列表だと思われてもよく、あらゆるコンピュータ読取可能
記録媒体において具体的に実現されることができ、コマンド実行システム、装置又は設備(例えば、コンピュータをベースにしたシステム、プロセッサを含むシステム又はコマンド実行システム、装置又は設備からコマンドを取り且つコマンドを実行するその他のシステム)により使用され、又はこれらのコマンド実行システム、装置又は設備に合わせて使用される。本明細書について、「コンピュータ読取可能
記録媒体」は、プログラムを包括、記憶、通信、伝播又は伝送することができる、コマンド実行システム、装置又は設備に使用される、又はこれらのコマンド実行システム、装置又は設備に合わせて使用されるあらゆる装置であってもよい。コンピュータ読取可能
記録媒体は、さらに具体的な例(包括的でないリスト)で示すと、一又は複数の配線を有する電気的接続部(電子装置)と、携帯式コンピュータディスクカートリッジ(磁気装置)と、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)と、読み出し専用メモリ(ROM)と、消去可能編集可能な読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)と、光ファイバ装置と、携帯式ディスク読み出し専用メモリ(CDROM)と、を含む。なお、コンピュータ読取可能
記録媒体は、その上に前記プログラムがプリントされることのできる紙、又はその他の適切な媒体でさえればよい。なぜならば、例えば、紙又はその他の媒体を光学的なスキャンし、そして編集、解釈し、又は必要な時にその他の適切な方式で処理することにより、電子方式で前記プログラムを取得し、それをコンピュータメモリに記憶するからである。
【0088】
理解すべきなのは、本発明の各部分がハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせによって実現されることである。上記の実施形態において、複数のステップ又は方法が、メモリに記憶される、且つ適切なコマンド実行システムにより実行されるソフトウェア又はファームウェアで実現される。例えば、ハードウェアで実現するなら、もう一つの実施例でと同じく、本分野の下記周知技術のいずれか又はこれらの組み合わせで実現することができる。データ信号の論理機能を実現する論理ゲート回路に使われる離散的論理回路を有し、論理ゲート回路を組み合わせる適切な専用集成回路、プログラマブル・ゲート・アレイ(PGA)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などを有する。
【0089】
説明する必要があるのは、本発明の説明において、「一つの実施例」、「一部の実施例」、「例」、「示例」、「具体的な例」、或いは「一部の例」などの用語を参考した説明は、該実施例或いは例に結合して説明された具体的な特徴、構成、材料又は特徴が、本発明の少なくとも一つの実施例或いは例に含まれることである。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例或いは例を示すことではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料又は特徴は、いずれか一つ又は複数の実施例又は例において適切に結合することができる。なお、お互いに矛盾しない場合、当業者は本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を合わせる、及び組み合わせることができる。
【0090】
本発明の説明において、「一つの実施例」、「一部の実施例」、「例」、「示例」、「具体的な例」、或いは「一部の例」などの用語を参考した説明とは、該実施例或いは例に結合して説明された具体的な特徴、構成、材料又は特徴が、本発明の少なくとも一つの実施例或いは例に含まれることである。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例或いは例を示すことではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料又は特徴は、いずれか一又は複数の実施例又は例において適切に結合することができる。なお、お互いに矛盾しない場合、当業者は本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を合わせる、及び組み合わせることができる。
【0091】
以上、本発明の実施例を示して説明したが、理解できるのは、上記実施例は例示的なものであり、本発明を限定するものであると理解してはいけなく、普通の当業者は、本発明の範囲内で、上記実施例に対して変化、修正、置き換え及び変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0092】
2000 端末
1000 結像装置
100 画像センサ
10 感光ユニットアレイ
20 フィルタアレイ
30 マイクロレンズアレイ
110 感光画素
21 フィルタユニット
31 マイクロレンズ
22 フィルタ構造
【国際調査報告】