(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
抗JAG1抗体に関連するまたはこれに由来する組成物および方法が開示される。より具体的には、JAG1に結合する完全ヒト抗体、このような抗体のJAG1結合断片および誘導体、ならびにこのような断片を含むJAG1結合ポリペプチドが開示される。さらになお、このような抗体、抗体断片および誘導体ならびにポリペプチドをコードする核酸、このようなポリヌクレオチドを含む細胞、このような抗体、抗体断片および誘導体ならびにポリペプチドの作製方法、ならびにJAG1関連障害または状態を有する対象を治療または診断する方法を含む、このような抗体、抗体断片および誘導体ならびにポリペプチドの使用方法が開示される。肝細胞癌および扁平上皮癌を含むJAG1発現腫瘍、ならびに関節リウマチ、実験的肺損傷、アテローム性動脈硬化、C型肝炎ウイルスによって誘導される慢性肝疾患、虚血性心筋損傷および心不全からなる群から選択される非腫瘍学疾患を治療するための方法も開示される。
抗体が配列番号1/配列番号2(JG1A1)、配列番号3/配列番号4(JG1A10)、配列番号5/配列番号6(JG1A12)、配列番号7/配列番号8(JG1A3)、配列番号9/配列番号10(JG1A4)、配列番号11/配列番号12(JG11A5)、配列番号13/配列番号14(JG1A6)、配列番号15/配列番号16(JG1A7)、配列番号17/配列番号18(JG1B1)、配列番号19/配列番号20(JG1B10)、配列番号21/配列番号22(JG1B11)、配列番号23/配列番号24(JG1B12)、配列番号25/配列番号26(JG1B4)、配列番号27/配列番号28(JG1B5)、配列番号29/配列番号30(JG1B6)、配列番号31/配列番号32(JG1B8)、配列番号33/配列番号34(JG1C3)、配列番号35/配列番号36(JG1C4)、配列番号37/配列番号38(JG1C5)、配列番号39/配列番号40(JG1C8)、配列番号41/配列番号42(JG1D1)、配列番号43/配列番号44(JG1D10)、配列番号45/配列番号46(JG1D11)、配列番号47/配列番号48(JG1D7)、配列番号49/配列番号50(JG1D8)、配列番号51/配列番号52(JG1E1)、配列番号53/配列番号54(JG1E11)、配列番号55/配列番号56(JG1E7)、配列番号57/配列番号58(JG1E8)、配列番号59/配列番号60(JG1F1)、配列番号61/配列番号62(JG1F10)、配列番号63/配列番号64(JG1F7)、配列番号65/配列番号66(JG1F8)、配列番号67/配列番号68(JG1G11)、配列番号69/配列番号70(JG1G5)、配列番号71/配列番号72(JG1H1)、配列番号73/配列番号74(JG1H11)、配列番号75/配列番号76(JG1H5)、配列番号77/配列番号78(JG1H7)、配列番号79/配列番号80(JH1A1)、配列番号81/配列番号82(JH1A11)、配列番号83/配列番号84(JH1A2)、配列番号85/配列番号86(JH1A4)、配列番号87/配列番号88(JH1B1n)、配列番号89/配列番号90(JH1B3)、配列番号91/配列番号92(JH1B7)、配列番号93/配列番号94(JH1C10)、配列番号95/配列番号96(JH1C2)、配列番号97/配列番号98(JH1D7)、配列番号99/配列番号100(JH1E11)、配列番号101/配列番号102(JH1F3)、配列番号103/配列番号104(JH1F4)、配列番号105/配列番号106(JH1F6)、配列番号107/配列番号108(JH1H2)、配列番号109/配列番号110(JH1H7)、配列番号111/配列番号112(G1H73−2)、配列番号111/配列番号113(JG1H7−2B2S)、配列番号111/配列番号114(JG1H7−2AS)、配列番号111/配列番号115(JG1H73−2A7S)、配列番号111/配列番号116(JG1H7−2A10S)、配列番号111/配列番号117(JG1H7−2A2S)、配列番号111/配列番号118(JG1H73−2A9S)、配列番号111/配列番号119(JG1H7−2A1S)、配列番号111/配列番号120(JG1H7−E11S)、配列番号111/配列番号121(JG1H73−C11S)、配列番号111/配列番号122(JG1H7−D10S)、配列番号111/配列番号123(JG1H7−2B7S)、配列番号124/配列番号112(JG1H7−1A8S)、配列番号125/配列番号112(JG1H73−1A6S)、配列番号126/配列番号112(JG1H7−1A2S)、配列番号127/配列番号112(JG1H7−1B1S)、配列番号128/配列番号112(JG1H73−1A8S)、配列番号129/配列番号112(JG1H7−5B5S)、配列番号130/配列番号112(JG1H7−3E5S)、配列番号127/配列番号131(JG1H7−G6C)、配列番号132/配列番号133(JG1H73−A6C)、配列番号132/配列番号123(JG1H7−E11C)、配列番号142/配列番号123(JG1H7−C6C)、配列番号127/配列番号123(JG1H73−C9C)、配列番号132/配列番号134(JG1H7−F4C)、配列番号135/配列番号133(JG1H7−F2C)、配列番号132/配列番号136(JG1H7−F1C)、配列番号132/配列番号137(JG1H7−D4C)、配列番号132/配列番号138(JG1H73−D5C)、配列番号139/配列番号123(JG1H7−A5C)、配列番号139/配列番号140(JG1H7−B2C)、および配列番号127/配列番号141(JG1H73−B6C)からなる群から選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を含む、請求項1に記載の完全ヒト抗体。
配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号132、配列番号135、配列番号139および配列番号142からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン;ならびに
配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号131、配列番号133、配列番号134、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号140および配列番号141からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン
を含む抗JAG1完全ヒト抗体Fab断片。
抗体が、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30、配列番号31/配列番号32、配列番号33/配列番号34、配列番号35/配列番号36、配列番号37/配列番号38、配列番号39/配列番号40、配列番号41/配列番号42、配列番号43/配列番号44、配列番号45/配列番号46、配列番号47/配列番号48、配列番号49/配列番号50、配列番号51/配列番号52、配列番号53/配列番号54、配列番号55/配列番号56、配列番号57/配列番号58、配列番号59/配列番号60、配列番号61/配列番号62、配列番号63/配列番号64、配列番号65/配列番号66、配列番号67/配列番号68、配列番号69/配列番号70、配列番号71/配列番号72、配列番号73/配列番号74、配列番号75/配列番号76、配列番号77/配列番号78、配列番号79/配列番号80、配列番号81/配列番号82、配列番号83/配列番号84、配列番号85/配列番号86、配列番号87/配列番号88、配列番号89/配列番号90、配列番号91/配列番号92、配列番号93/配列番号94、配列番号95/配列番号96、配列番号97/配列番号98、配列番号99/配列番号100、配列番号101/配列番号102、配列番号103/配列番号104、配列番号105/配列番号106、配列番号107/配列番号108、配列番号109/配列番号110、配列番号111/配列番号112、配列番号111/配列番号113、配列番号111/配列番号114、配列番号111/配列番号115、配列番号111/配列番号116、配列番号111/配列番号117、配列番号111/配列番号118、配列番号111/配列番号119、配列番号111/配列番号120、配列番号111/配列番号121、配列番号111/配列番号122、配列番号111/配列番号123、配列番号124/配列番号112、配列番号125/配列番号112、配列番号126/配列番号112、配列番号127/配列番号112、配列番号128/配列番号112、配列番号129/配列番号112、配列番号130/配列番号112、配列番号127/配列番号131、配列番号132/配列番号133、配列番号132/配列番号123、配列番号142/配列番号123、配列番号127/配列番号123、配列番号132/配列番号134、配列番号135/配列番号133、配列番号132/配列番号136、配列番号132/配列番号137、配列番号132/配列番号138、配列番号139/配列番号123、配列番号139/配列番号140、および配列番号127/配列番号141からなる群から選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を含む、請求項4に記載の完全ヒト抗体Fab断片。
ペプチドリンカーによって連結された重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含む抗JAG1一本鎖ヒト抗体であって、重鎖可変ドメインが、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号132、配列番号135、配列番号139および配列番号142からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み;
軽鎖可変ドメインが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号131、配列番号133、配列番号134、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号140および配列番号141からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、抗JAG1一本鎖ヒト抗体。
一本鎖完全ヒト抗体が、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30、配列番号31/配列番号32、配列番号33/配列番号34、配列番号35/配列番号36、配列番号37/配列番号38、配列番号39/配列番号40、配列番号41/配列番号42、配列番号43/配列番号44、配列番号45/配列番号46、配列番号47/配列番号48、配列番号49/配列番号50、配列番号51/配列番号52、配列番号53/配列番号54、配列番号55/配列番号56、配列番号57/配列番号58、配列番号59/配列番号60、配列番号61/配列番号62、配列番号63/配列番号64、配列番号65/配列番号66、配列番号67/配列番号68、配列番号69/配列番号70、配列番号71/配列番号72、配列番号73/配列番号74、配列番号75/配列番号76、配列番号77/配列番号78、配列番号79/配列番号80、配列番号81/配列番号82、配列番号83/配列番号84、配列番号85/配列番号86、配列番号87/配列番号88、配列番号89/配列番号90、配列番号91/配列番号92、配列番号93/配列番号94、配列番号95/配列番号96、配列番号97/配列番号98、配列番号99/配列番号100、配列番号101/配列番号102、配列番号103/配列番号104、配列番号105/配列番号106、配列番号107/配列番号108、配列番号109/配列番号110、配列番号111/配列番号112、配列番号111/配列番号113、配列番号111/配列番号114、配列番号111/配列番号115、配列番号111/配列番号116、配列番号111/配列番号117、配列番号111/配列番号118、配列番号111/配列番号119、配列番号111/配列番号120、配列番号111/配列番号121、配列番号111/配列番号122、配列番号111/配列番号123、配列番号124/配列番号112、配列番号125/配列番号112、配列番号126/配列番号112、配列番号127/配列番号112、配列番号128/配列番号112、配列番号129/配列番号112、配列番号130/配列番号112、配列番号127/配列番号131、配列番号132/配列番号133、配列番号132/配列番号123、配列番号142/配列番号123、配列番号127/配列番号123、配列番号132/配列番号134、配列番号135/配列番号133、配列番号132/配列番号136、配列番号132/配列番号137、配列番号132/配列番号138、配列番号139/配列番号123、配列番号139/配列番号140、および配列番号127/配列番号141からなる群から選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を含む、請求項7に記載の完全ヒト一本鎖抗体。
請求項1から9のいずれか一項に記載の有効量の抗JAG1抗体または抗体断片を、それを必要とする対象に投与することを含む、それを必要とする対象におけるノッチシグナル伝達腫瘍を治療するための方法。
腫瘍が、乳房腫瘍、前立腺、結腸直腸、肺、頭頸部扁平上皮癌、T細胞急性リンパ芽球性白血病および黒色腫ならびに他の固形腫瘍からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号132、配列番号135、配列番号139および配列番号142からなる群から選択される重鎖可変領域アミノ酸配列に記載される相補性決定領域(CDR)を含む重鎖可変ドメイン;ならびに
配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号131、配列番号133、配列番号134、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号140および配列番号141からなる群から選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列に記載されるCDRを含む軽鎖可変領域を含む、単離された抗JAG1抗体またはその抗原結合断片。
請求項12に記載の有効量の抗JAG1抗体またはその抗原結合断片を投与し、それによりがんを治療することを含む、それを必要とするヒト対象におけるがんを治療する方法。
がんが、乳房、前立腺、結腸直腸、肺、頭頸部扁平上皮癌、T細胞急性リンパ芽球性白血病、黒色腫および固形腫瘍からなる群から選択される、請求項13または14に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0035】
定義
用語「ペプチド」、「ポリペプチド」および「タンパク質」はそれぞれ、ペプチド結合により互いに繋がれている2つ以上のアミノ酸残基を含む分子を意味する。これらの用語は、例えば、タンパク質配列の天然および人工のタンパク質、タンパク質断片およびポリペプチド類似体(例えば、突然変異体、改変体および融合タンパク質)、ならびに翻訳後修飾、または他には共有結合もしくは非共有結合的に修飾されたタンパク質を包含する。ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質は、単量体または重合体であってもよい。
【0036】
ポリペプチドの「改変体」(例えば、抗体の改変体)は、1つ以上のアミノ酸残基が、別のポリペプチド配列と比較してアミノ酸配列に挿入され、アミノ酸配列から欠失されおよび/または置換されるアミノ酸配列を含む。開示される改変体には、例えば、融合タンパク質が含まれる。
【0037】
ポリペプチドの「誘導体」は、例えば、別の化学的部分(例えば、ポリエチレングリコールまたはアルブミン、例えば、ヒト血清アルブミンのような)へのコンジュゲーション、リン酸化およびグリコシル化を介して化学的に修飾されているポリペプチド(例えば、抗体)である。他に指示がない限り、用語「抗体」には、2つの全長重鎖および2つの全長軽鎖を含む抗体に加えて、それらの誘導体、改変体、断片および突然変異タンパク質が含まれ、それらの例を以下に記載する。
【0038】
「抗原結合タンパク質」は、抗原に結合する部分を含むタンパク質であり、任意選択的に、抗原結合部分が、抗原結合タンパク質の抗原への結合を促進することを確認することを可能にする、骨格またはフレームワーク部分を含むタンパク質である。抗原結合タンパク質の例としては、抗体、抗体断片(例えば、抗体の抗原結合部分)、抗体誘導体および抗体類似体が含まれる。抗原結合タンパク質は、例えば、CDRまたはCDR誘導体が移植された、代替のタンパク質骨格または人工骨格を含んでいてもよい。このような骨格には、限定されないが、例えば、抗原結合タンパク質の3次元構造を安定化させるために導入される、突然変異を含む抗体由来の骨格、ならびに、例えば、生体適合性ポリマーを含む全合成骨格が含まれる。例えば、Korndorferら、2003年、Proteins:Structure,Function,and Bioinformatics、Volume 53、Issue 1:121−129頁;Roqueら、2004年、Biotechnol.Prog.20巻:639−654頁を参照されたい。さらに、ペプチド抗体模倣体(「PAM」)、ならびにフィブロネクチン成分を骨格として利用する抗体模倣物に基づく骨格を、使用することができる。
【0039】
抗原結合タンパク質は、例えば、免疫グロブリンの構造を有することができる。「免疫グロブリン」は、2つの同一対のポリペプチド鎖で構成される四量体分子であり、各対は1つの「軽」鎖(約25kDa)および1つの「重」鎖(約50−70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、抗原認識に最初に関与する約100から110個以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能に最初に関与する定常領域を画定する。ヒトの軽鎖は、カッパまたはラムダ軽鎖として分類される。重鎖は、ミュー、デルタ、ガンマ、アルファまたはイプシロンとして分類され、抗体のアイソタイプをそれぞれIgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEと定義する。好ましくは、本明細書に開示される抗JAG1抗体は、重V
Hおよび軽V
Lアミノ酸配列におけるこれらの可変ドメイン領域配列によって特徴付けられる。軽鎖および重鎖内において、可変領域および定常領域は、約12個以上のアミノ酸の「J」領域によって結合し、重鎖はまた約10個以上のアミノ酸の「D」領域も含む。一般的には、Fundamental Immunology Ch.7(Paul,W.、編集、2nd ed.Raven Press、N.Y.(1989年))を参照されたい。各々の軽鎖/重鎖の対の可変領域は、インタクトな免疫グロブリンが2つの結合部位を有するように抗体結合部位を形成する。
【0040】
免疫グロブリン鎖の可変領域は、相補性決定領域またはCDRとも呼ばれる3つの超可変領域によって繋がれた、比較的保存されたフレームワーク領域(FR)の同じ一般構造を示す。N末端からC末端へ、軽鎖と重鎖の両方とも、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4ドメインを含む。各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、Kabatら、in Sequences of Proteins of Immunological Interest、5th Ed.、US Dept.of Health and Human Services、PHS、NIH、NIH Publication no.91−3242、1991年の定義に従って行われる。免疫グロブリン鎖中のアミノ酸の他のナンバリングシステムには、IMGT.RTM.(国際ImMunoGeneTics情報システム;Lefrancら、Dev.Comp.Immunol.29巻:185−203頁;2005年)およびAHo(HoneggerおよびPluckthun、J.Mol.Biol.309巻(3号):657−670頁;2001年)が含まれる。
【0041】
「抗体」とは、他に特記しない限り、インタクトな免疫グロブリンまたは特異的結合に関してインタクトな抗体と競合する、インタクトな免疫グロブリンの抗原結合部分を指す。一実施形態において、抗体は、IgGであり、重鎖可変ドメインならびに重鎖定常領域C
H1、C
H2およびC
H3をそれぞれ含む2本の同一重鎖、ならびに軽鎖可変ドメインおよび軽鎖定常領域(C
L)をそれぞれ含む2本の同一軽鎖を含む、4本のポリペプチド鎖を含む。ある特定の実施形態において、抗体は、IgG4である。重鎖および軽鎖可変ドメイン配列は、配列番号1から142に本明細書に記載した配列から選択することができる。
【0042】
抗体の抗原結合部分は、組換えDNA技術によって、またはインタクトな抗体の酵素的もしくは化学的切断によって生成され得る。抗原結合部分としては、とりわけ、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、ドメイン抗体(dAb)、および相補性決定領域(CDR)断片、キメラ抗体、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、およびポリペプチドに特異的抗原結合を与えるのに十分な免疫グロブリンの少なくとも一部分を含有するポリペプチドが挙げられる。
【0043】
一本鎖抗体(scFv)は、V
LおよびV
H領域がリンカー(例えば、アミノ酸残基の合成配列)を介して連結されて、連続タンパク質鎖を形成する抗体である。リンカーは、タンパク質鎖がそれ自体に折り重ねられて一価抗原結合部位を形成することを可能にするのに十分に長い(例えば、Birdら、1988年、Science 242巻:423−26頁、およびHustonら、1988年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85巻:5879−83頁参照)。
【0044】
ある特定の実施形態において、抗体は、様々な抗原特異性を有する免疫グロブリンを含む血清または血漿のような供給源から得ることができる。このような抗体をアフィニティー精製に供する場合、それらは特定の抗原特異性に対して富化することができる。このような抗体の富化調製物は、通常、特定の抗原に対して特異的結合活性を有する約10%未満の抗体で作製される。これらの調製物を数回の親和性精製を行うことにより、抗原に対して特異的結合活性を有する抗体の割合を増加することができる。この方法で製造された抗体は、多くの場合、「単一特異的」抗体と呼ばれる。
【0045】
本明細書で使用される用語「単一特異的」とは、1つの特定のエピトープに対して親和性を示す抗体を意味する。単一特異的抗体調製物は、特定抗原に対する特異的結合活性を有する、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%または99.9%の抗体により作製することができる。
【0046】
「抗体断片」または「抗体の抗原結合断片」は、インタクトな抗体の一部を含み、好ましくは抗体抗原結合ドメインまたは可変ドメインを含む。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv断片および直鎖状抗体が挙げられる。
【0047】
Fab断片は、V
L、V
H、C
LおよびC
H1ドメインを有する一価断片であり;F(ab’)
2断片は、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を有する二価断片であり;Fd断片は、V
HおよびC
H1ドメインを有し;Fv断片は、抗体の単一アームのV
LおよびV
Hドメインを有し;dAb断片は、V
Hドメイン、V
Lドメイン、またはV
HもしくはV
Lドメインの抗原結合断片を有する(米国特許第6,846,634号、同第6,696,245号;米国出願公開第2002/02512号、同第2004/0202995号、同第2004/0038291号、同第2004/0009507号、同第2003/0039958号;Wardら、Nature 341巻:544−546頁、1989年)。
【0048】
ダイアボディは、2つのポリペプチド鎖を含む二価抗体であり、各ポリペプチド鎖は、同じ鎖の2つのドメイン同士を対合させるには短すぎ、故に、各ドメインを別のポリペプチド鎖の相補性ドメインと対合させるのを可能にするリンカーによって繋がれているVHおよびVLドメインを含む(例えば、Holligerら、1993年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90巻:6444−48頁、およびPoljakら、1994年、Structure 2巻:1121−23頁参照)。ダイアボディの2つのポリペプチド鎖が同一のとき、それらの対合からもたらされるダイアボディは2つの同一の抗原結合部位を有することになる。異なる配列を有するポリペプチド鎖を使用して、2つの異なる抗原結合部位を有するダイアボディを作製することができる。同様に、トリアボディおよびテトラボディは、それぞれ3つおよび4つのポリペプチド鎖を含み、それぞれ、同じでありまたは異なっていてよい、3つおよび4つの抗原結合部位を形成する、抗体である。
【0049】
抗原結合タンパク質、例えば、抗体は、1つ以上の結合部位を有し得る。1を超える結合部位があるとき、結合部位は、互いに同一であってもよくまたは異なってもよい。例えば、天然に存在するヒト免疫グロブリンは、典型的には、2つの同一な結合部位を有し、一方で、「二重特異性」または「二機能性」抗体は、2つの異なる結合部位を有する。
【0050】
用語「ヒト抗体」には、ヒト免疫グロブリン配列に由来する1つ以上の可変領域および定常領域を有する抗体が含まれる。一実施形態において、抗体の可変ドメインおよび定常ドメインの全ては、ヒト免疫グロブリン配列(「完全ヒト抗体」と呼ばれる。)に由来する。これらの抗体は、ヒト重鎖および/または軽鎖をコードする遺伝子に由来する抗体を発現するように遺伝子修飾されたマウスの目的の抗原を用いた免疫化を介することを含む、様々な方法において調製することができ、その例は以下に記載される。好ましい実施形態において、完全ヒト抗体は、抗体のグリコシル化パターンが、天然に存在する場合、同じ配列を有する抗体とは異なるものとなるように組換え法を用いて作製される。
【0051】
「ヒト化抗体」は、1つ以上のアミノ酸の置換、欠失および/または付加によって非ヒト種に由来する抗体の配列とは異なる配列を有し、そのため、ヒト化抗体は、ヒト対象に投与されるとき、非ヒト種抗体と比較して、免疫応答を誘発する可能性が低く、および/または重篤度がより低い免疫応答を誘導する。一実施形態において、非ヒト種抗体の重鎖および/または軽鎖のフレームワークドメインおよび定常ドメイン内のある特定のアミノ酸を突然変異させてヒト化抗体を作製する。別の実施形態において、ヒト抗体に由来する定常ドメイン(単数または複数)を非ヒト種の可変ドメイン(単数または複数)に融合する。別の実施形態において、非ヒト抗体の1つ以上のCDR配列における1つ以上のアミノ酸残基を変更して、それがヒト対象に投与される場合の非ヒト抗体の可能性のある免疫原性を低減させ、ここで、変更されたアミノ酸残基は、その抗原への抗体の免疫特異的結合に重要ではない、または行われるアミノ酸配列への変更は保存的変更であり、そのため、ヒト化抗体の抗原への結合が非ヒト抗体の抗原への結合よりも顕著には悪くならない。ヒト化抗体の作製方法の例は、米国特許第6,054,297号、第5,886,152号および第5,877,293号に見出すことができる。
【0052】
用語「キメラ抗体」とは、1つの抗体に由来する1つ以上の領域、および1つ以上の他の抗体に由来する1つ以上の領域とを含有する抗体を意味する。一実施形態において、CDRの1つ以上は、ヒト抗JAG1抗体に由来する。別の実施形態において、CDRの全てはヒト抗JAG1抗体に由来する。別の実施形態において、1を超えるヒト抗JAG1抗体に由来するCDRを混合し、キメラ抗体に合致させる。例えば、キメラ抗体は、第1のヒト抗PAR−2抗体の軽鎖由来のCDR1、第2のヒト抗JAG1抗体の軽鎖由来のCDR2およびCDR3、ならびに第3の抗JAG1抗体の重鎖由来のCDRを含み得る。他の組合せも可能である。
【0053】
さらに、フレームワーク領域は、同じ抗JAG1抗体の1つに由来し、ヒト抗体のような1つ以上の異なる抗体に由来、またはヒト化抗体に由来してもよい。キメラ抗体の1つの例において、重鎖および/または軽鎖の一部分は、特定の種に由来し、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体と、同一であり、相同であり、またはそれに由来するが、一方で、その鎖(単数または複数)の残りの部分は、別の種に由来し、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体(単数または複数)と、同一であり、相同であり、またはそれに由来する。所望の生物学的活性(すなわち、JAG1に特異的に結合する能力)を示す、このような抗体の断片もまた含まれる。
【0054】
「CDR移植抗体」は、特定の種またはアイソタイプの抗体由来の1つ以上のCDR、および同一でありまたは異なる種またはアイソタイプの別の抗体のフレームワークを含む抗体である。
【0055】
「多重特異的抗体」は、1つ以上の抗原上に1を超えるエピトープを認識する抗体である。抗体のこのタイプのサブクラスは、同一でありまたは異なる抗原上の2つの異なるエピトープを認識する「二重特異的抗体」である。
【0056】
抗原結合タンパク質は、1ナノモル以下の解離定数で抗原に結合するとき、抗原(例えば、ヒトJAG1)に「特異的に結合する」。
【0057】
「抗原結合ドメイン」、「抗原結合領域」または「抗原結合部位」とは、抗原と相互作用し、抗原結合タンパク質の抗原に対する特異性および親和性に貢献するアミノ酸残基(または他の部分)を含む、抗原結合タンパク質の一部である。その抗原に特異的に結合する抗体に関して、これは、そのCDRドメインの少なくとも1つの少なくとも一部を含む。
【0058】
用語「Fcポリペプチド」には、抗体のFc領域に由来するポリペプチドの天然および突然変異形態が含まれる。二量体化を促進するヒンジ領域を含有するこのようなポリペプチドの切断形態もまた含まれる。Fc部分を含む融合タンパク質(およびそこから形成されたオリゴマー)は、プロテインAまたはプロテインGカラム上の親和性クロマトグラフィーによる容易な精製という利点を提供する。
【0059】
「エピトープ」は、抗原結合タンパク質によって(例えば、抗体によって。)結合される分子の部分である。エピトープは、分子の接触していない部分(例えば、ポリペプチド中、ポリペプチドの一次配列にて互いに連続しないが、ポリペプチドの三次構造および四次構造に関しては、抗原結合タンパク質によって結合されるのに十分近いアミノ酸残基)を含んでいてもよい。
【0060】
2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチド配列の「同一性パーセント」または「相同性パーセント」は、GAPコンピュータープログラム(GCG Wisconsin Package、version 10.3(Accelrys、San Diego、Calif.)の一部)を使用して、そのデフォルトパラメーターを使用して配列を比較することにより決定される。
【0061】
用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」および「核酸」は、本明細書中、互換的に使用され、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)、RNA分子(例えば、mRNA)、ヌクレオチド類似体(例えば、ペプチド、核酸および天然に存在しないヌクレオチド類似体)を使用して作製されるDNAまたはRNAの類似体、およびそれらのハイブリッドを含む。核酸分子は、一本鎖または二本鎖であり得る。一実施形態において、本発明の核酸分子は、抗体、または断片、その誘導体、突然変異体もしくは変異体をコードする隣接するオープンリーディングフレームを含む。
【0062】
2つの一本鎖ポリヌクレオチドは、それらの配列が、1つのポリヌクレオチド中の各ヌクレオチドが、ギャップの導入がなく、およびそれぞれの配列の5’末端または3’末端に不対ヌクレオチドがなく、他のポリヌクレオチド中のその相補的ヌクレオチドと反対になるように、逆並行方向に整列され得るとき、互いの「相補体」である。ポリヌクレオチドは、2つのポリヌクレオチドが適度にストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズし得るとき、別のポリヌクレオチドに「相補的」である。したがって、ポリヌクレオチドは、その相補体ではない別のポリヌクレオチドに相補的であってよい。
【0063】
「ベクター」は、細胞にそれと結合された別の核酸を導入するために使用され得る核酸である。1つのタイプのベクターは、「プラスミド」であり、付加的核酸部分がそこに結合され得る、直線状または環状の二本鎖DNA分子を意味する。別のタイプのベクターは、ウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ関連ウイルス)であり、付加的DNA部分がウイルスゲノム中に導入され得る。ある特定のベクターは、それらが導入される宿主細胞中で自律的に複製可能である(例えば、細菌の複製起点を含む細菌ベクターおよびエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入時に、宿主細胞のゲノムに組み込まれ、それにより、宿主ゲノムとともに複製される。「発現ベクター」は、目的のポリヌクレオチドを発現させ得るタイプのベクターである。
【0064】
ヌクレオチド配列は、調節配列がヌクレオチド配列の発現(例えば、発現のレベル、時期または場所)に影響を与えるとき、調節配列に「作動可能に連結されている」。「調節配列」は、それが作動可能に連結されている核酸の発現(例えば、発現のレベル、時期または場所)に影響を与える核酸である。調節配列は、例えば、調節核酸に直接、または1つ以上の他の分子(例えば、調節配列および/または核酸に結合するポリペプチド)の作用を介して、その影響を及ぼし得る。調節配列の例としては、プロモーター、エンハンサーおよび他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)が挙げられる。調節配列のさらなる例は、例えば、Goeddel、1990年、Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185,Academic Press,San Diego,Calif,およびBaronら、1995年、Nucleic Acids Res.23巻:3605−06頁に記載されている。
【0065】
「宿主細胞」は、核酸、例えば、本発明の核酸を発現するために使用され得る細胞である。宿主細胞は、原核生物、例えばE.コリ(E.coli)であり、または真核生物、例えば、単細胞真核生物(例えば、酵母または他の菌類)、植物細胞(例えば、タバコまたはトマト植物細胞)、動物細胞(例えば、ヒト細胞、サル細胞、ハムスター細胞、ラット細胞、マウス細胞、または昆虫細胞)またはハイブリドーマであり得る。宿主細胞の例としては、サル腎臓細胞のCOS−7株(ATCC CRL 1651)(Gluzmanら、1981年、Cell 23巻:175頁参照)、L細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC CCL 163)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞もしくはVeggie CHOおよび血清不含有培地中で増殖させた関連する細胞株(Rasmussenら、1998年、Cytotechnology 28巻:31頁参照)のようなそれらの誘導株、またはDHFR中に欠損を有するCHO株DX−B11(Urlaubら、1980年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77巻:4216−20頁参照)、HeLa細胞、BHK(ATCC CRL 10)細胞株、アフリカミドリザル腎臓細胞株CV1由来のCV1/EBNA細胞株(ATCC CCL 70)(McMahanら、1991年、EMBO J.10巻:2821頁参照)、293、293 EBNAまたはMSR 293のようなヒト胎児性腎臓細胞、ヒト上皮A431細胞、ヒトColo205細胞、他の形質転換した霊長動物細胞株、正常2倍体細胞、インビトロでの一次組織培養物に由来する細胞株、初代外植片、HL−60、U937、HaKまたはJurkat細胞が挙げられる。一実施形態において、宿主細胞は、哺乳動物宿主細胞であるが、ヒト宿主細胞ではない。典型的に、宿主細胞は、ポリペプチドをコードする核酸を用いて形質転換またはトランスフェクトされ得て、次に、宿主細胞中で発現され得る培養細胞である。語句「組換え宿主細胞」は、発現されるべき核酸を用いて形質転換またはトランスフェクトされている宿主細胞を示すために用いられ得る。宿主細胞はまた、核酸を含むが、核酸と作動可能に連結されるように、調節配列が宿主細胞中に導入されない限り、所望のレベルでそれを発現しない細胞であり得る。宿主細胞なる用語は、特定の対象細胞のみを意味するのではなく、このような細胞の後代系統または可能性のある後代系統を意味することが理解される。ある特定の修飾がその後代において、例えば突然変異または環境の影響により起こり得るため、このような後代系統は、実際に、親細胞と同一ではない場合があるが、それでも本明細書において用いられる用語の範囲内に包含される。
【0066】
用語「組換え抗体」とは、抗体またはその一部のコード配列(例えば、重鎖または軽鎖をコードするDNA配列)を含む発現ベクター(または場合により1を超える発現ベクター)をトランスフェクトされた細胞または細胞株から発現される抗体を意味する。一実施形態において、該コード配列は、天然において細胞と関連していない。一実施形態において、組換え抗体は、天然に存在する場合、同じ配列を有する抗体のグリコシル化パターンとは異なるグリコシル化パターンを有する。一実施形態において、組換え抗体は、ヒト宿主細胞ではない哺乳動物宿主細胞において発現される。特に、個々の哺乳動物宿主細胞は、固有のグリコシル化パターンを有する。
【0067】
本明細書で使用される用語「有効量」とは、対象に投与される場合、本明細書に記載されるJAG1シグナル伝達に関連する疾患の治療を達成するのに十分な、JAG1に結合する抗体またはその抗原結合部分の量を意味する。本明細書において提供される治療有効量の抗体は、単独でまたは組み合わせて使用される場合、抗体および組合せの相対活性(例えば、細胞増殖の阻害における。)に依存して変化し、処置される対象および疾患状態、対象の体重および年齢、疾患状態の重症度、投与様式などに依存して変化し、これらは当業者によって容易に決定され得る。
【0068】
用語「単離された」とは、他の細胞物質を実質的に含まないタンパク質(例えば、抗体)を意味する。一実施形態において、単離された抗体は、同じ種に由来する他のタンパク質を実質的に含まない。一実施形態において、単離された抗体は、異なる種由来の細胞によって発現され、異なる種由来の他のタンパク質を実質的に含まない。タンパク質は、当該技術分野において周知であるタンパク質精製技術を使用して、単離により、天然に会合した成分(または抗体を産生するために使用される細胞発現系に関連する成分)を実質的に含まない状態であってもよい。一実施形態において、本発明の抗体または抗原結合断片が単離される。
【0069】
「中和抗体」または「阻害抗体」は、JAG1のタンパク質分解活性化を阻害する、抗体であり、過剰量の抗JAG1抗体が、実施例において本明細書に記載されるアッセイのようなアッセイを使用して、活性化の量を少なくとも約20%減少させる場合がある。様々な実施形態において、抗原結合タンパク質は、JAG1のタンパク質分解活性の量を少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%および99.9%減少させる。
【0070】
JAG1抗原結合タンパク質
本発明は、JAG1に結合するJAG1結合タンパク質、特に抗JAG1抗体またはそれらの抗原結合部分、およびその使用に関する。本発明の様々な態様は、抗体および抗体断片、医薬組成物、核酸、組換え発現ベクター、ならびにこのような抗体および断片を作製するための宿主細胞に関する。ヒトJAG1を検出するため、インビトロまたはインビボのいずれかでJAG1活性を阻害するため、およびがんのような障害を予防または治療するための本発明の抗体の使用方法はまた、本発明により包含される。本発明の抗体を使用して、ヒトJAG2を検出し、インビトロまたはインビボのいずれかでJAG2活性を阻害し、がんのような障害を予防または治療する方法も、本発明によって包含される。
【0071】
以下の表5に記載されるように、本発明には、JAG1に特異的な新規抗体の重鎖および軽鎖可変領域が含まれる。一実施形態において、本発明は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号132、配列番号135、配列番号139および配列番号142のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列を含む可変ドメインを有する重鎖を含む抗JAG1抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号131、配列番号133、配列番号134、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号140および配列番号141のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列を含む可変ドメインを有する軽鎖を含む抗JAG1抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号131、配列番号133、配列番号134、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号140および配列番号141のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列を含む可変ドメインを有する軽鎖を含み;配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号132、配列番号135、配列番号139および配列番号142のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列を含む可変ドメインを有する重鎖を含む抗JAG1抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【0072】
相補性決定領域(CDR)は、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインの両方の超可変領域として知られている。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク(FR)と呼ばれる。所定の抗体の相補性決定領域(CDR)およびフレームワーク領域(FR)は、上記のKabatら;上記のLefrancらおよび/または上記のHoneggerおよびPluckthunに記載のシステムを使用して、同定することができる。また、当業者が親しいのは、Kabatら(1991年、NIH Publication 91−3242、National Technical Information Service、Springfield、Va)に記載される番号付けシステムである。これに関して、Kabatらは、任意の抗体に適用可能な可変ドメイン配列のための番号付けシステムを定義した。当業者は、配列自体を超えたいずれの実験データに依存することなく、この「カバット番号付け」システムを任意の可変ドメインのアミノ酸配列に明白に割り当てることができる。
【0073】
ある特定の実施形態において、本発明は、表5に記載の重鎖および軽鎖可変領域のCDRを含む抗JAG1抗体を提供する(配列番号1から142)。例えば、本発明は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号132、配列番号135、配列番号139および配列番号142のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に記載されるCDRを有する重鎖可変領域を含む抗JAG1抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号131、配列番号133、配列番号134、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号140および配列番号141のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に記載されるCDRを有する軽鎖可変領域を含む抗JAG1抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号131、配列番号133、配列番号134、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号140および配列番号141のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に記載されるCDRを有する軽鎖可変領域を含み;配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号132、配列番号135、配列番号139および配列番号142のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に記載されるCDRを有する重鎖可変領域を含む抗JAG1抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【0074】
全体を通して、抗体(および対応する配列)が、名称に先行する「JG1」ありまたはなしで互換的に参照されることに留意されたい。例えば、抗体名「JG1H7」は、本明細書において、「H7」とも称される。
【0075】
1つ以上のCDRは、共有結合または非共有結合のいずれかで分子に組み込まれて、それを抗原結合タンパク質にすることができる。
【0076】
抗原結合タンパク質は、CDR(単数または複数)をより大きなポリペプチド鎖の一部として組み込むことができ、CDR(単数または複数)を別のポリペプチド鎖に共有結合させることができ、またはCDR(単数または複数)を非共有結合的に組み込むことができる。CDRは、抗原結合タンパク質が、目的とされる特定の抗原に特異的に結合することを可能にする。
【0077】
一実施形態において、本開示は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号132、配列番号135、配列番号139、配列番号142、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一である重鎖可変ドメイン配列を有し、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号131、配列番号133、配列番号134、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号140、配列番号141、およびこれらの組合せからなるアミノ酸配列と少なくとも95%同一である軽鎖可変ドメイン配列を有する、10
−6M以下の結合親和性でJAG1エピトープに結合するIgGクラスの完全ヒト抗体を提供する。
【0078】
一実施形態において、完全ヒト抗体は、重鎖と軽鎖の両方を有し、ここで、抗体は、配列番号1/配列番号2(本明細書においてJG1A1と呼ばれる。)、配列番号3/配列番号4(本明細書においてJG1A10と呼ばれる。)、配列番号5/配列番号6(本明細書においてJG1A12と呼ばれる。)、配列番号7/配列番号8(本明細書においてJG1A3と呼ばれる。)、配列番号9/配列番号10(本明細書においてJG1A4と呼ばれる。)、配列番号11/配列番号12(本明細書においてJG11A5と呼ばれる。)、配列番号13/配列番号14(本明細書においてJG1A6と呼ばれる。)、配列番号15/配列番号16(本明細書においてJG1A7と呼ばれる。)、配列番号17/配列番号18(本明細書においてJG1B1と呼ばれる。)、配列番号19/配列番号20(本明細書においてJG1B10と呼ばれる。)、配列番号21/配列番号22(本明細書においてJG1B11と呼ばれる。)、配列番号23/配列番号24(本明細書においてJG1B12と呼ばれる。)、配列番号25/配列番号26(本明細書においてJG1B4と呼ばれる。)、配列番号27/配列番号28(本明細書においてJG1B5と呼ばれる。)、配列番号29/配列番号30(本明細書においてJG1B6と呼ばれる。)、配列番号31/配列番号32(本明細書においてJG1B8と呼ばれる。)、配列番号33/配列番号34(本明細書においてJG1C3と呼ばれる。)、配列番号35/配列番号36(本明細書においてJG1C4と呼ばれる。)、配列番号37/配列番号38(本明細書においてJG1C5と呼ばれる。)、配列番号39/配列番号40(本明細書においてJG1C8と呼ばれる。)、配列番号41/配列番号42(本明細書においてJG1D1と呼ばれる。)、配列番号43/配列番号44(本明細書においてJG1D10と呼ばれる。)、配列番号45/配列番号46(本明細書においてJG1D11と呼ばれる。)、配列番号47/配列番号48(本明細書においてJG1D7と呼ばれる。)、配列番号49/配列番号50(本明細書においてJG1D8と呼ばれる。)、配列番号51/配列番号52(本明細書においてJG1E1と呼ばれる。)、配列番号53/配列番号54(本明細書においてJG1E11と呼ばれる。)、配列番号55/配列番号56(本明細書においてJG1E7と呼ばれる。)、配列番号57/配列番号58(本明細書においてJG1E8と呼ばれる。)、配列番号59/配列番号60(本明細書においてJG1F1と呼ばれる。)、配列番号61/配列番号62(本明細書においてJG1F10と呼ばれる。)、配列番号63/配列番号64(本明細書においてJG1F7と呼ばれる。)、配列番号65/配列番号66(本明細書においてJG1F8と呼ばれる。)、配列番号67/配列番号68(本明細書においてJG1G11と呼ばれる。)、配列番号69/配列番号70(本明細書においてJG1G5と呼ばれる。)、配列番号71/配列番号72(本明細書においてJG1H1と呼ばれる。)、配列番号73/配列番号74(本明細書においてJG1H11と呼ばれる。)、配列番号75/配列番号76(本明細書においてJG1H5と呼ばれる。)、配列番号77/配列番号78(本明細書においてJG1H7と呼ばれる。)、配列番号79/配列番号80(本明細書においてJH1A1と呼ばれる。)、配列番号81/配列番号82(本明細書においてJH1A11と呼ばれる。)、配列番号83/配列番号84(本明細書においてJH1A2と呼ばれる。)、配列番号85/配列番号86(本明細書においてJH1A4と呼ばれる。)、配列番号87/配列番号88(本明細書においてJH1B1と呼ばれる。)、配列番号89/配列番号90(本明細書においてJH1B3と呼ばれる。)、配列番号91/配列番号92(本明細書においてJH1B7と呼ばれる。)、配列番号93/配列番号94(本明細書においてJH1C10と呼ばれる。)、配列番号95/配列番号96(本明細書においてJH1C2と呼ばれる。)、配列番号97/配列番号98(本明細書においてJH1D7と呼ばれる。)、配列番号99/配列番号100(本明細書においてJH1E11と呼ばれる。)、配列番号101/配列番号102(本明細書においてJH1F3と呼ばれる。)、配列番号103/配列番号104(本明細書においてJH1F4と呼ばれる。)、配列番号105/配列番号106(本明細書においてJH1F6と呼ばれる。)、配列番号107/配列番号108(本明細書においてJH1H2と呼ばれる。)、配列番号109/配列番号110(本明細書においてJH1H7と呼ばれる。)、配列番号111/配列番号112(本明細書においてJG1H73−2と呼ばれる。)、配列番号111/配列番号113(本明細書においてJG1H7−2B2Sと呼ばれる。)、配列番号111/配列番号114(本明細書においてJG1H7−2ASと呼ばれる。)、配列番号111/配列番号115(本明細書においてJG1H73−2A7Sと呼ばれる。)、配列番号111/配列番号116(本明細書においてJG1H7−2A10Sと呼ばれる。)、配列番号111/配列番号117(本明細書においてJG1H7−2A2Sと呼ばれる。)、配列番号111/配列番号118(本明細書においてJG1H73−2A9Sと呼ばれる。)、配列番号111/配列番号119(本明細書においてJG1H7−2A1Sと呼ばれる。)、配列番号111/配列番号120(本明細書においてJG1H7−E11Sと呼ばれる。)、配列番号111/配列番号121(本明細書においてJG1H73−C11Sと呼ばれる。)、配列番号111/配列番号122(本明細書においてJG1H7−D10Sと呼ばれる。)、配列番号111/配列番号123(本明細書においてJG1H7−2B7Sと呼ばれる。)、配列番号124/配列番号112(本明細書においてJG1H7−1A8Sと呼ばれる。)、配列番号125/配列番号112(本明細書においてJG1H73−1A6Sと呼ばれる。)、配列番号126/配列番号112(本明細書においてJG1H7−1A2Sと呼ばれる。)、配列番号127/配列番号112(本明細書においてJG1H7−1B1Sと呼ばれる。)、配列番号128/配列番号112(本明細書においてJG1H73−5A8Sと呼ばれる。)、配列番号129/配列番号112(本明細書においてJG1H7−5B5Sと呼ばれる。)、配列番号130/配列番号112(本明細書においてJG1H7−3E5Sと呼ばれる。)、配列番号127/配列番号131(本明細書においてJG1H7−G6Cと呼ばれる。)、配列番号132/配列番号133(本明細書においてJG1H73−A6Cと呼ばれる。)、配列番号132/配列番号123(本明細書においてJG1H7−E11Cと呼ばれる。)、配列番号142/配列番号123(本明細書においてJG1H7−C6Cと呼ばれる。)、配列番号127/配列番号123(本明細書においてJG1H73−C9Cと呼ばれる。)、配列番号132/配列番号134(本明細書においてJG1H7−F4Cと呼ばれる。)、配列番号135/配列番号133(本明細書においてJG1H7−F2Cと呼ばれる。)、配列番号132/配列番号136(本明細書においてJG1H7−F1Cと呼ばれる。)、配列番号132/配列番号137(本明細書においてJG1H7−D4Cと呼ばれる。)、配列番号132/配列番号138(本明細書においてJG1H73−D5Cと呼ばれる。)、配列番号139/配列番号123(本明細書においてJG1H7−A5Cと呼ばれる。)、配列番号139/配列番号140(本明細書においてJG1H7−B2Cと呼ばれる。)、配列番号127/配列番号141(本明細書においてJG1H73−B6Cと呼ばれる。)、およびこれらの組合せからなる群から選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。
【0079】
一実施形態では、本発明は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号132、配列番号135、配列番号139および配列番号142のいずれか1つに記載されるCDR3ドメインを含み、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号132、配列番号135、配列番号139および配列番号142のいずれか1つに記載される配列と少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む可変ドメインを含む重鎖を含む抗JAG1抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態では、本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号131、配列番号133、配列番号134、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号140および配列番号141のいずれか1つに記載されるCDR3ドメインを含み、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号131、配列番号133、配列番号134、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号140および配列番号141のいずれか1つに記載される配列と少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを有する軽鎖を含む抗JAG1抗体またはその抗原結合断片を提供する。したがって、ある特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片が、JAG1に結合する能力を保持し、親の機能的特徴、例えば結合親和性を保持する一方で、重鎖および/または軽鎖の残りのCDRおよび/またはフレームワーク領域に可変性を導入することができるが、CDR3ドメインは一定に保つ。
【0080】
一実施形態において、少なくとも95%同一(または少なくとも96%同一、または少なくとも97%同一、または少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一)である重鎖または軽鎖内でなされる置換は、保存的アミノ酸置換である。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似の化学的特性(例えば、電荷または疎水性)を有する側鎖(R基)を有する別のアミノ酸残基によって置換されているものである。一般的に、保存的アミノ酸置換は、タンパク質の機能的特性を実質的に変化させない。2つ以上のアミノ酸配列が保存的置換によって互いに異なる場合、置換の保存的性質を正すために、配列同一性パーセントまたは類似性の程度を上方に調整することがある。この調節を行うための手段は、当業者に周知である。例えば、参照により本明細書に組み込む、Pearson(1994年)Methods Mol.Biol.24巻:307−331頁を参照されたい。類似の化学的特性を有する側鎖を有するアミノ酸の群の例には、以下が含まれる。(1)脂肪族側鎖:グリシン、アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシン;(2)脂肪族−ヒドロキシル側鎖:セリンおよびスレオニン;(3)アミド含有側鎖:アスパラギンおよびグルタミン;(4)芳香族側鎖:フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファン;(5)塩基性側鎖:リジン、アルギニン、およびヒスチジン;(6)酸性側鎖:アスパラギン酸およびグルタミン酸、ならびに(7)硫黄含有側鎖はシステインおよびメチオニンである。
【0081】
一実施形態において、本発明は、表5に記載されている抗体のうちいずれかの抗原結合領域を有する抗体またはこの抗原結合断片を対象にする。表5に記載されている抗体を含む本発明の抗体は、ヒトJAG1に結合する。
【0082】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7の抗原結合領域を有する、抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号77に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号78に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号77のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号78のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号77に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号78に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0083】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7.3−2の抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号112に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号111のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号112のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号112に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0084】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−2B2Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号113に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号111のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号113のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号113に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0085】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−2A3Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号114に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号111のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号114のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号114に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0086】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−2A7Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号115に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号111のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号115のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号115に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0087】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−2A10Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号116に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号111のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号116のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号116に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0088】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−2A2Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号117に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号111のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号117のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号117に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0089】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−2A9Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号118に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号111のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号118のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号118に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0090】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−2A1Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号119に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号111のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号119のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号119に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0091】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−E11Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号120に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号111のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号120のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号120に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0092】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−C11Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号121記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号111のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号121のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番121に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0093】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−D10Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号122に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号111のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号122のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号122に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0094】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−2B7Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号123に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号111のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号123のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号111に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号123に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0095】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−1A8Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号124に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号112に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号124のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号112のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号124に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号112に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0096】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−1A6Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号125に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号112に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号125のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号112のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号125に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番112に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0097】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−1A2Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号126に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号112に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号126のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号112のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号126に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号112に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0098】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−1B1Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号127に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号112に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号127のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号112のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号127に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号112に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0099】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−5A8Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号128に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号112に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号128のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号112のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号128に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号112に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0100】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−5B5Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号129に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号112に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号129のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号112のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号129に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番112に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0101】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−3E5Sの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。実施形態において、本発明は、配列番号130に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号112に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号130のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号112のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号130に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号112に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0102】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−G6Cの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号127に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号131に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号127のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号131のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号127に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号131に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0103】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−A6Cの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号132に記載される重鎖可変ドメイン配列、および配列番号133に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号132のCDRを含む重鎖可変ドメイン、および配列番号133のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号132に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号133に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。さらに、抗体は、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0104】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−E11Cの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号132に記載される重鎖可変ドメイン配列および配列番号123に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号132のCDRを含む重鎖可変ドメインおよび配列番号123のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号132に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号123に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。抗体はさらに、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0105】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−C6Cの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号142に記載される重鎖可変ドメイン配列および配列番号123に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号142のCDRを含む重鎖可変ドメインおよび配列番号123のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号142に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号123に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。抗体はさらに、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0106】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−C9Cの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号127に記載される重鎖可変ドメイン配列および配列番号123に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号127のCDRを含む重鎖可変ドメインおよび配列番号123のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号127に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号123に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。抗体はさらに、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0107】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−F4Cの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号132に記載される重鎖可変ドメイン配列および配列番号134に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号132のCDRを含む重鎖可変ドメインおよび配列番号134のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号132に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号134に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。抗体はさらに、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0108】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−F2Cの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号135に記載される重鎖可変ドメイン配列および配列番号133に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号135のCDRを含む重鎖可変ドメインおよび配列番号133のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号135に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号133に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。抗体はさらに、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0109】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−F1Cの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号132に記載される重鎖可変ドメイン配列および配列番号136に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号132のCDRを含む重鎖可変ドメインおよび配列番号136のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号132に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号136に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。抗体はさらに、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0110】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−D4Cの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号132に記載される重鎖可変ドメイン配列および配列番号137に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号132のCDRを含む重鎖可変ドメインおよび配列番号137のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号132に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号137に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。抗体はさらに、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0111】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−D5Cの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号132に記載される重鎖可変ドメイン配列および配列番号138に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号132のCDRを含む重鎖可変ドメインおよび配列番号138のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号132に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号138に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。抗体はさらに、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0112】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−A5Cの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号139に記載される重鎖可変ドメイン配列および配列番号123に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号139のCDRを含む重鎖可変ドメインおよび配列番号123のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号139に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号123に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。抗体はさらに、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0113】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−B2Cの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号139に記載される重鎖可変ドメイン配列および配列番号140に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号139のCDRを含む重鎖可変ドメインおよび配列番号140のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号139に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号140に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。抗体はさらに、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0114】
一実施形態において、本発明は、抗体JG1H7−B6Cの抗原結合領域を有する抗体またはその抗原結合断片に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号127に記載される重鎖可変ドメイン配列および配列番号141に記載される軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合断片を提供する。一実施形態において、本発明は、配列番号127のCDRを含む重鎖可変ドメインおよび配列番号141のCDRを含む軽鎖可変ドメインを有する抗体に関する。一実施形態において、本発明は、配列番号127に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号141に記載される配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離されたヒト抗体またはその抗原結合断片を特徴とする。抗体はさらに、IgG1またはIgG4アイソタイプであってもよい。
【0115】
表5に記載されている通り、多数の重鎖可変ドメインが、配列番号135(抗体JG1H7−F2Cについて記載される通り)、配列番号142(抗体JG1H7−C6Cについて記載される通り)、配列番号132(抗体JG1H7−A6C、JG1H7−E11C、JG1H7−F1C、JG1H7−D4CおよびJG1H7−D5Cについて記載される通り)、配列番号130(抗体JG1H7−3E5Sについて記載される通り)、配列番号129(抗体JG1H7−5B5Sについて記載される通り)、配列番号128(抗体JG1H7−5A8Sについて記載される通り)、配列番号127(抗体JG1H7−1B1S、JG1H7−G6C、JG1H7−C9CおよびJG1H7−B6Cについて記載される通り)、配列番号132(抗体JG1H7−F4Cについて記載される通り)、配列番号126(抗体JG1H7−1A2Sについて記載される通り)、配列番号125(抗体JG1H7−1A6Sについて記載される通り)、配列番号124(抗体JG1H7−1A8Sについて記載される通り)および配列番号139(抗体JG1H7−A5CおよびJG1H7−B2Cについて記載される通り)を含む、配列番号111と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有する。
【0116】
また、表5に記載されている通り、多数の軽鎖可変ドメインが、配列番号140(抗体JG1H7−B2Cについて記載される通り)、配列番号138(抗体JG1H7−D5Cについて記載される通り)、配列番号137(抗体JG1H7−D4Cについて記載される通り)、配列番号136(抗体JG1H7−F1Cについて記載される通り)、配列番号134(抗体JG1H7−F4Cについて記載される通り)、配列番号133(抗体JG1H7−A6CおよびJG1H7−F2Cについて記載される通り)、配列番号131(抗体JG1H7−G6Cについて記載される通り)、配列番号123(抗体JG1H7−2B7S、JG1H7−E11C、JG1H7−C6C、JG1H7−A5CおよびJG1H7−C9Cについて記載される通り)、配列番号122(抗体JG1H7−D10Sについて記載される通り。)、配列番号121(抗体JG1H7−C11Sについて記載される通り)、配列番号120(抗体JG1H7−E11Sについて記載される通り)、配列番号119(抗体JG1H7−2A1Sについて記載される通り)、配列番号118(抗体JG1H7−2A9Sについて記載される通り)、配列番号117(抗体JG1H7−2A2Sについて記載される通り)、配列番号116(抗体JG1H7−2A10Sについて記載される通り)、配列番号115(抗体JG1H7−2A7Sについて記載される通り)、配列番号114(抗体JG1H7−2A3Sについて記載される通り)、配列番号141(抗体JG1H7−B6Cについて記載される通り)および配列番号113(抗体JG1H7−2B2Sについて記載される通り)を含む、配列番号112と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有する。
【0117】
本発明の抗原結合タンパク質の抗原結合断片は、従来の技術によって製造することができる。このような断片の例としては、限定されないが、FabおよびF(ab’)2断片が挙げられる。
【0118】
ある特定の実施形態において、本開示は、重鎖由来の可変ドメイン領域および軽鎖由来の可変ドメイン領域を有するFab完全ヒト抗体断片を提供し、ここで、重鎖可変ドメイン配列は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号132、配列番号135、配列番号139および配列番号142ならびにこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であり、軽鎖可変ドメイン配列は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号131、配列番号133、配列番号134、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号140および配列番号141、ならびにこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一である。好ましくは、完全ヒト抗体Fab断片は、重鎖可変ドメイン領域と軽鎖可変ドメイン領域の両方を有し、ここで、抗体は、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30、配列番号31/配列番号32、配列番号33/配列番号34、配列番号35/配列番号36、配列番号37/配列番号38、配列番号39/配列番号40、配列番号41/配列番号42、配列番号43/配列番号44、配列番号45/配列番号46、配列番号47/配列番号48、配列番号49/配列番号50、配列番号51/配列番号52、配列番号53/配列番号54、配列番号55/配列番号56、配列番号57/配列番号58、配列番号59/配列番号60、配列番号61/配列番号62、配列番号63/配列番号64、配列番号65/配列番号66、配列番号67/配列番号68、配列番号69/配列番号70、配列番号71/配列番号72、配列番号73/配列番号74、配列番号75/配列番号76、配列番号77/配列番号78、配列番号79/配列番号80、配列番号81/配列番号82、配列番号83/配列番号84、配列番号85/配列番号86、配列番号87/配列番号88、配列番号89/配列番号90、配列番号91/配列番号92、配列番号93/配列番号94、配列番号95/配列番号96、配列番号97/配列番号98、配列番号99/配列番号100、配列番号101/配列番号102、配列番号103/配列番号104、配列番号105/配列番号106、配列番号107/配列番号108、配列番号109/配列番号110、配列番号111/配列番号112、配列番号111/配列番号113、配列番号111/配列番号114、配列番号111/配列番号115、配列番号111/配列番号116、配列番号111/配列番号117、配列番号111/配列番号118、配列番号111/配列番号119、配列番号111/配列番号120、配列番号111/配列番号121、配列番号111/配列番号122、配列番号111/配列番号123、配列番号124/配列番号112、配列番号125/配列番号112、配列番号126/配列番号112、配列番号127/配列番号112、配列番号128/配列番号112、配列番号129/配列番号112、配列番号130/配列番号112、配列番号127/配列番号131、配列番号132/配列番号133、配列番号132/配列番号123、配列番号142/配列番号123、配列番号127/配列番号123、配列番号132/配列番号134、配列番号135/配列番号133、配列番号132/配列番号136、配列番号132/配列番号137、配列番号132/配列番号138、配列番号139/配列番号123、配列番号139/配列番号140、配列番号127/配列番号141、およびこれらの組合せからなる群から選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。
【0119】
一本鎖抗体は、一本のポリペプチド鎖を得るように、アミノ酸架橋(短いペプチドリンカー)を介して、重鎖および軽鎖可変ドメイン(Fv領域)断片の結合により形成することができる。このような一本鎖Fv(scFv)は、2つの可変ドメインポリペプチド(V
LおよびV
H)をコードするDNA間のペプチドリンカーをコードするDNAを融合することにより生成されている。得られたポリペプチドは、2つの可変ドメインの間の可動性リンカーの長さに応じて、折り畳まれて抗原結合モノマーを形成することができ、または多量体(例えば、二量体、三量体もしくは四量体)を形成することができる(Korttら、1997年、Prot.Eng.10巻:423頁;Korttら、2001年、Biomol.Eng.18巻:95−108頁)。異なるV
LおよびV
H含有ポリペプチドを組み合わせることによって、異なるエピトープに結合する多量体scFvを形成することができる(Kriangkumら、2001年、Biomol.Eng.18巻:31−40頁)。一本鎖抗体の生成のために開発された技術は、米国特許第4,946,778号;Bird、1988年、Science 242巻:423頁;Hustonら、1988年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85巻:5879頁;Wardら、1989年、Nature 334巻:544頁、de Graafら、2002年、Methods Mol.Biol.178巻:379−87頁に記載のものを含む。
【0120】
一実施形態において、本開示は、重鎖由来の可変ドメイン領域および軽鎖由来の可変ドメイン領域、ならびに重鎖可変ドメイン領域と軽鎖可変ドメイン領域を連結するペプチドリンカーを有する一本鎖ヒト抗体であって、重鎖可変ドメイン配列が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号132、配列番号135、配列番号139および配列番号142、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一であり、軽鎖可変ドメイン配列が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号131、配列番号133、配列番号134、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号140および配列番号141、ならびにこれらの組み合わせからなるアミノ酸配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一である、一本鎖ヒト抗体を提供する。一実施形態において、完全ヒト一本鎖抗体は、重鎖可変ドメイン領域と軽鎖可変ドメイン領域の両方を有し、ここで、一本鎖完全ヒト抗体は、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30、配列番号31/配列番号32、配列番号33/配列番号34、配列番号35/配列番号36、配列番号37/配列番号38、配列番号39/配列番号40、配列番号41/配列番号42、配列番号43/配列番号44、配列番号45/配列番号46、配列番号47/配列番号48、配列番号49/配列番号50、配列番号51/配列番号52、配列番号53/配列番号54、配列番号55/配列番号56、配列番号57/配列番号58、配列番号59/配列番号60、配列番号61/配列番号62、配列番号63/配列番号64、配列番号65/配列番号66、配列番号67/配列番号68、配列番号69/配列番号70、配列番号71/配列番号72、配列番号73/配列番号74、配列番号75/配列番号76、配列番号77/配列番号78、配列番号79/配列番号80、配列番号81/配列番号82、配列番号83/配列番号84、配列番号85/配列番号86、配列番号87/配列番号88、配列番号89/配列番号90、配列番号91/配列番号92、配列番号93/配列番号94、配列番号95/配列番号96、配列番号97/配列番号98、配列番号99/配列番号100、配列番号101/配列番号102、配列番号103/配列番号104、配列番号105/配列番号106、配列番号107/配列番号108、配列番号109/配列番号110、配列番号111/配列番号112、配列番号111/配列番号113、配列番号111/配列番号114、配列番号111/配列番号115、配列番号111/配列番号116、配列番号111/配列番号117、配列番号111/配列番号118、配列番号111/配列番号119、配列番号111/配列番号120、配列番号111/配列番号121、配列番号111/配列番号122、配列番号111/配列番号123、配列番号124/配列番号112、配列番号125/配列番号112、配列番号126/配列番号112、配列番号127/配列番号112、配列番号128/配列番号112、配列番号129/配列番号112、配列番号130/配列番号112、配列番号127/配列番号131、配列番号132/配列番号133、配列番号132/配列番号123、配列番号142/配列番号123、配列番号127/配列番号123、配列番号132/配列番号134、配列番号135/配列番号133、配列番号132/配列番号136、配列番号132/配列番号137、配列番号132/配列番号138、配列番号139/配列番号123、配列番号139/配列番号140、配列番号127/配列番号141、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。
【0121】
目的とする抗体から異なるサブクラスまたはアイソタイプの抗体を導く技術、すなわち、サブクラススイッチングが知られている。したがって、例えば、IgG抗体をIgM抗体から誘導することができ、その逆も可能である。このような技術は、所与の抗体(親抗体)の抗原結合特性を有するが、さらに、親抗体のものとは異なる抗体アイソタイプまたはサブクラスに関連する生物学的特性を示す新規な抗体の調製を可能にする。組換えDNA技術を用いることができる。特定の抗体ポリペプチドをコードするクローニングされたDNAは、このような手順、例えば、所望のアイソタイプの抗体の定常ドメインをコードするDNA(Lanttoら、2002年、Methods Mol.Biol.178巻:303−16頁)において用いることができる。さらに、IgG4が所望される場合、ヒンジ領域において点突然変異(CPSCP−>CPPCP)(それぞれ、配列番号143および144)を導入して(Bloomら、1997年、Protein Science 6巻:407頁)、IgG4抗体において異種性をもたらし得るH鎖内ジスルフィド結合を形成する傾向を緩和することを望むこともまた可能である。したがって、一実施形態において、本発明の抗体はヒトIgG1抗体である。したがって、一実施形態において、本発明の抗体はヒトIgG4抗体である。
【0122】
本開示は、可変ドメイン領域のアミノ酸配列によって構造的に特徴付けられる多数の抗体を提供する。しかしながら、アミノ酸配列は、それらの特定の標的へのそれらの高度の結合を保持しながらいくらかの変化を受け得る。より具体的には、可変ドメイン領域における多数のアミノ酸は保存的置換により変更させることができ、得られた抗体の結合特性は野生型抗体配列の結合特性と異ならないことが予測し得る。抗体可変ドメインには、抗原と直接的に相互作用せずまたは抗原結合に影響を及ぼさず、抗体構造を決定するために重要ではない多数のアミノ酸がある。例えば、開示された抗体のいずれかにおける予測された非必須アミノ酸残基は、好ましくは、同じクラス由来の別のアミノ酸残基で置換される。抗原結合を排除しないアミノ酸保存的置換を同定するための方法は、当該技術分野において周知である(例えば、Brummellら、Biochem.32:1180−1187頁(1993年);Kobayashiら、Protein Eng.12(10):879−884頁(1999年);Burksら、Proc.Natl.Acad.Set USA 94:412−417頁(1997年)を参照されたい。)。Nearら、Mol.Immunol.30:369−377頁、1993年は、部位特異的突然変異誘発による結合にどのように影響を及ぼすまたは影響を及ぼさないかを説明している。Nearらは、抗原結合を変化させる可能性が高いと考えた残基だけを突然変異させた。大部分は、結合親和性(Nearら、表3)および種々の形態のジゴキシンへの結合(Nearら、表2)への適度または負の効果を有した。
【0123】
したがって、本発明はまた、ある特定の実施形態において、本明細書に開示される配列と少なくとも95%の同一性を有する可変配列を含む。
【0124】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供される抗体またはその抗原結合断片は、1×10
−6M以下;5×10
−7M以下;1×10
−7M以下;5×10
−8M以下;1×10
−8M以下;5×10
−9M以下;または1×10
−9M以下の解離定数(K
D)を有する。一実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、1×10
−7Mから1×10
−10MのK
Dを有する。一実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、1×10
−8Mから1×10
−10MのK
Dを有する。
【0125】
当業者は、抗体またはその断片のK
Dを決定するための公知の標準的方法を理解している。例えば、一実施形態において、K
Dは、放射性標識抗原結合アッセイ(RIA)によって測定される。一実施形態において、RIAは、目的とする抗体のFabバージョンおよびその抗原を用いてRIAが行われる。例えば、抗原に対するFabの溶液結合親和性は、滴定系列の非標識抗原の存在下でFabを最小濃度の(
125I)標識抗原で平衡化し、次に結合した抗原を抗Fab抗体被覆プレートで捕捉することによって測定される(例えば、Chenら、J.Mol.Biol.293巻:865−881頁(1999年)を参照されたい。)。
【0126】
別の実施形態によれば、K
Dは、BIACORE表面プラズモン共鳴アッセイを使用して測定される。本明細書で使用される用語「表面プラズモン共鳴」とは、例えば、BIACOREシステム(GE HealthcareのBiacore Life Sciences部門、Piscataway、NJ)を使用して、バイオセンサーマトリックス内のタンパク質濃度の変化を検出することにより、リアルタイム相互作用の分析を可能にする光学現象を意味する。
【0127】
特定の実施形態において、本発明の抗原結合タンパク質は、少なくとも10
6M
−1のJAG1に対する結合親和性(K
a)を有する。他の実施形態において、抗原結合タンパク質は、少なくとも10
7M
−1、少なくとも10
8M
−1、少なくとも10
9M
−1、または少なくとも10
10M
−1のK
aを示す。別の実施形態において、抗原結合タンパク質は、実施例において本明細書に記載される抗体のものと実質的に同じK
aを示す。
【0128】
別の実施形態において、本開示は、JAG1からの低い解離速度を有する抗原結合タンパク質を提供する。一実施形態において、抗原結合タンパク質は、K
offが1×10
−4から1×10
−1sec
−1以下である。別の実施形態において、K
offは5×10
−5から
−1sec
−1以下である。別の実施形態において、K
offは、本明細書に記載される抗体と実質的に同じである。別の実施形態において、抗原結合タンパク質は、本明細書に記載される抗体と実質的に同じK
offでJAG1に結合する。
【0129】
別の態様において、本開示は、JAG1の活性を阻害する抗原結合タンパク質を提供する。一実施形態において、抗原結合タンパク質は、1000nM以下のIC
50を有する。別の実施形態において、IC
50は100nM以下であり;別の実施形態において、IC
50は10nM以下である。別の実施形態において、IC
50は、実施例において本明細書に記載される抗体のIC
50と実質的に同じである。別の実施形態において、抗原結合タンパク質は、本明細書に記載される抗体と実質的に同じIC
50でJAG1の活性を阻害する。
【0130】
別の態様において、本開示は、細胞の表面上に発現したヒトJAG1に結合する抗原結合タンパク質を提供し、このように結合した場合、細胞の表面上のJAG1の量を有意に減少させることなく、細胞内のJAG1シグナル伝達活性を阻害する。細胞の表面上および/または細胞の内部のJAG1の量を決定または推定するための任意の方法を使用することができる。他の実施形態において、抗原結合タンパク質のJAG1発現細胞への結合は、約75%、50%、40%、30%、20%、15%、10%、5%、1%または0.1%未満の細胞−表面JAG1を内在化させる。
【0131】
別の態様において、本開示は、インビトロまたはインビボで(例えば、ヒト対象に投与する場合)少なくとも1日の半減期を有する抗原結合タンパク質を提供する。一実施形態において、抗原結合タンパク質は、少なくとも3日の半減期を有する。別の実施形態において、抗原結合タンパク質は、4日以上の半減期を有する。別の実施形態において、抗原結合タンパク質は、8日以上の半減期を有する。別の実施形態において、抗原結合タンパク質は、非誘導体化または非修飾の抗原結合タンパク質と比較して半減期が長くなるように、誘導体化または修飾される。別の実施形態において、抗原結合タンパク質は、本明細書において参照により組み込まれる国際公開第WO2000/09560号に記載されるように、血清半減期を延長させる、1つ以上の点突然変異を含有する。
【0132】
本開示はさらに、多重特異的抗原結合タンパク質を提供し、例えば、二重特異的抗原結合タンパク質、例えば、JAG1の2つの異なるエピトープに結合し、または2つの異なる抗原結合部位もしくは領域を介して、JAG1のエピトープおよび別の分子のエピトープに結合する抗原結合タンパク質を提供する。さらに、本明細書に開示される二重特異的抗原結合タンパク質は、本明細書に記載される抗体の1つに由来するJAG1結合部位、および本明細書に記載される抗体の別のものに由来する第2のJAG1結合領域を含み得、他の刊行物を参照して本明細書に記載されるものが含まれる。代替的に、二重特異的抗原結合タンパク質は、本明細書に記載される抗体の1つに由来する抗原結合部位、および当該技術分野において公知である別のJAG1抗体由来の第2の抗原結合部位、または公知の方法もしくは本明細書に記載される方法によって調製される抗体由来のものを含んでもよい。
【0133】
二重特異的抗体を調製するための多数の方法が当該技術分野において知られている。このような方法は、Milsteinら、1983年、Nature 305巻:537頁に記載されるハイブリッド−ハイブリドーマ、および抗体断片の化学的カップリング(Brennanら、1985年、Science 229巻:81頁;Glennieら、1987年、J.Immunol.139巻:2367頁;米国特許第6,010,902号)の使用を含む。さらに、二重特異的抗体は、組換え手段により、例えば、ロイシンジッパー部分(すなわち、優勢にヘテロ二量体を形成するFosおよびJunタンパク質由来;Kostelnyら、1992年、J.Immunol.148巻:1547頁)または米国特許第5,582,996号に記載される他の鍵孔と鍵の相互作用的ドメイン構造の使用により生成され得る。さらに有用な技術は、米国特許第5,959,083号および同第5,807,706号に記載されるものを含む。
【0134】
別の態様において、抗原結合タンパク質は、抗体の誘導体を含む。誘導体化された抗体は、特定の使用における半減期の増加のような所望の特性を抗体に与える任意の分子または物質を含み得る。誘導体化された抗体は、例えば、検出可能(または標識)部分(例えば、放射性、比色、抗原性または酵素分子、検出可能ビーズ(例えば、磁気または電極(例えば、金)ビーズ)、または別の分子と結合する分子(例えば、ビオチンまたはストレプトアビジン)、治療的もしくは診断的な部分(例えば、放射性、細胞毒性または医薬として活性な部分)、または特定の使用(例えば、対象、例えばヒト対象への投与または他のインビボまたはインビトロ使用)のための抗体の適性を増加させる分子を含み得る。抗体を誘導体化させるために使用することができる分子の例としては、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)およびポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。抗体のアルブミン結合およびペグ化誘導体は、当該技術分野において周知の技術を用いて生成され得る。一実施形態において、抗体は、トランスサイレチン(TTR)またはTTR改変体にコンジュゲートされ、または他には結合させる。TTRまたはTTR改変体は、例えば、デキストラン、ポリ(n−ビニルピロリドン(pyurrolidone))、ポリエチレングリコール、プロプロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化されたポリオールおよびポリビニルアルコールからなる群から選択される化学物質で化学修飾され得る。
【0135】
抗体標的化療法に代わるアプローチは、細胞傷害薬をJAG1抗原発現がん細胞へと特異的に送達するために本発明の抗JAG1抗体を利用することである。一実施形態において、本発明の抗JAG1抗体または断片は、リンカーを介して細胞傷害剤にコンジュゲートされて、抗JAG1抗体薬物コンジュゲート(ADC)を形成する。本明細書に開示されている抗体のうちのいずれかとコンジュゲートされてADCを形成することができる様々な細胞傷害薬が、当該技術分野において公知であり、そのようなものとして、細胞傷害薬マイタンシノイドが挙げられる。有糸分裂阻害薬マイタンシンの誘導体であるマイタンシノイドは、ビンカアルカロイド薬物と同様の様式で微小管に結合する(Issell B Fら(1978年)Cancer Treat. Rev.5巻:199−207頁;Cabanillas Fら(1979年)Cancer Treat Rep、63巻:507−9頁)。後述する実施例2に記載されている通り、抗JAG1抗体に連結されたマイタンシノイドDM1で構成された抗体−薬物コンジュゲート(ADC)は、JAG1過剰発現腫瘍細胞株における強力な抗腫瘍活性を示す。よって、一実施形態において、本発明の抗JAG1抗体またはこの断片は、抗有糸分裂チューブリン阻害剤、例えば、マイタンシノイドN(2’)−デアセチル(deacetyl)−N(2’)−(3−メルカプト−1−オキソプロピル)−マイタンシン(「DM1」とも称される)にコンジュゲートされる。
【0136】
1つ以上の抗原結合タンパク質を含有するオリゴマーはJAG1アンタゴニストとして用いられてもよい。オリゴマーは、共有的に結合したもしくは非共有的に結合した、二量体、三量体またはそれ以上のオリゴマーの形態であってもよい。2つ以上の抗原結合タンパク質を含むオリゴマーは、用途が企図され、一例としては、ホモ二量体である。他のオリゴマーには、ヘテロ二量体、ホモ三量体、ヘテロ三量体、ホモ四量体、ヘテロ四量体などが含まれる。
【0137】
一実施形態は、抗原結合タンパク質に融合されたペプチド部分間の共有的または非共有的相互作用を介して繋がれている複数の抗原結合タンパク質を含むオリゴマーを対象とする。このようなペプチドは、ペプチドリンカー(スペーサー)、またはオリゴマー化を促進する特性を有するペプチドであってもよい。ロイシンジッパー、および抗体に由来するある特定のポリペプチドは、以下により詳細に記載される通り、それに結合された抗原結合タンパク質のオリゴマー化を促進し得るペプチドに含まれる。
【0138】
特定の実施形態において、オリゴマーは、2から4個の抗原結合タンパク質を含む。オリゴマーの抗原結合タンパク質は、上記の形態のうちの任意のもの、例えば、改変体または断片であってもよい。好ましくは、オリゴマーは、JAG1結合活性を有する抗原結合タンパク質を含む。
【0139】
オリゴマー抗原結合タンパク質を調製するための別の方法は、ロイシンジッパーの使用を伴う。ロイシンジッパードメインは、それらが見出されるタンパク質のオリゴマー化を促進するペプチドである。ロイシンジッパーは、元々は、いくつかのDNA結合タンパク質において同定されたものであり(Landschulzら、1988年、Science 240巻:1759頁)、種々の異なるタンパク質においてそれ以来発見されている。公知のロイシンジッパーには、天然に存在するペプチドおよび二量体化または三量体化するこれらの誘導体がある。可溶性オリゴマータンパク質の生成に適したロイシンジッパードメインの例は、国際公開第WO94/10308号に記載され、肺サーファクタントタンパク質D(SPD)に由来するロイシンジッパーは、Hoppeら、1994年、FEBS Letters 344巻:191頁に記載されている。それに融合された異種タンパク質の安定な三量体化を可能にする、修飾されたロイシンジッパーの使用は、Fanslowら、1994年、Semin.Immunol.6巻:267−78頁に記載されている。1つのアプローチにおいて、ロイシンジッパーペプチドに融合された、抗JAG1抗体断片または誘導体を含む組換え融合タンパク質は、適切な宿主細胞において発現され、形成される可溶性オリゴマー抗JAG1抗体断片または誘導体が、培養上清から回収される。
【0140】
JAG1に対して指向される抗原結合タンパク質は、例えば、インビトロまたはインビボのいずれかでJAG1ポリペプチドの存在を検出するアッセイにおいて使用することができる。抗原結合タンパク質はまた、イムノアフィニティークロマトグラフィーによるJAG1タンパク質の精製において用いることができる。抗原結合タンパク質をブロッキングは、本明細書に開示される方法において使用され得る。JAG1アンタゴニストとして機能するこのような抗原結合タンパク質は、限定されないが、様々ながんを含む任意のJAG1誘導状態の治療に用いることができる。
【0141】
抗原結合タンパク質は、JAG1誘導による生物学的活性を阻害するために、インビトロ手法において用いられ、またはインビボにおいて投与されてもよい。よって、その例が本明細書に提示されている、JAG1の活性化から恩恵を被る(直接的または間接的に)障害は、治療され得る。一実施形態において、本発明は、JAG1誘導による生物学的活性の減少に有効な量でJAG1遮断抗原結合タンパク質を、それを必要とする哺乳動物にインビボで投与することを含む治療法を提供する。
【0142】
本発明の特定の実施形態において、抗原結合タンパク質は、JAG1の生物学的活性を阻害する完全ヒトモノクローナル抗体を含む。
【0143】
本明細書に記載されている抗体および抗体断片を含む抗原結合タンパク質は、多数の従来技法のうちのいずれかによって調製され得る。例えば、それらを天然に発現する細胞から精製することができ(例えば、抗体を、それを産生するハイブリドーマから精製することができる。)、または組換え発現系において、当該技術分野において公知の任意の技術を使用して生成することができる。例えば、Monoclonal Antibodies,Hybridomas:A New Dimension in Biological Analyses、Kennetら(編集)、Plenum Press、New York(1980年);およびAntibodies:A Laboratory Manual、HarlowおよびLand(編集)、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.(1988年)を参照されたい。
【0144】
当該技術分野において公知のいずれかの発現系は、本発明の本明細書に記載されている抗体および抗体断片を含む組換えポリペプチドの作製に使用され得る。一般に、宿主細胞は、所望のポリペプチドをコードするDNAを含む組換え発現ベクターで形質転換される。用いることができる宿主細胞の中には、原核生物、酵母または高等真核細胞が含まれる。原核生物は、グラム陰性生物またはグラム陽性生物、例えば、E.コリまたはバチリ(bacilli)を含む。高等真核細胞は、昆虫細胞および哺乳動物起源の確立された細胞株を含む。適切な哺乳動物宿主細胞株の例としては、サル腎臓細胞のCOS−7株(ATCC CRL 1651)(Gluzmanら、1981年、Cell 23巻:175頁)、L細胞、293細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC CCL 163)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、BHK(ATCC CRL 10)細胞株、およびMcMahanら、1991年、EMBO J.10巻:2821頁に記載されているアフリカミドリザル腎臓細胞株CV1由来のCV1/EBNA細胞株(ATCC CCL 70)が挙げられる。細菌、真菌、酵母および哺乳動物細胞宿主とともに使用するのに適したクローニングベクターおよび発現ベクターは、Pouwelsら(Cloning Vectors:A Laboratory Manual、Elsevier、N.Y.、1985年)に記載されている。
【0145】
形質転換細胞は、ポリペプチドの発現を促進する条件下で培養され、ポリペプチドを従来のタンパク質精製手法により回収することができる。このような精製手法の1つは、例えば、それに結合したJAG1の全てまたは一部(例えば、細胞外ドメイン)を含むマトリックス上の親和性クロマトグラフィーの使用を含む。本明細書において使用が企図されるポリペプチドには、混入している内因性物質を実質的に含まない、実質的に均一な組換え哺乳動物の抗JAG1抗体ポリペプチドが含まれる。
【0146】
抗原結合タンパク質は、多数の公知技術のいずれかにより調製され、所望の特性についてスクリーニングすることができる。これらの技術のいくつかは、目的とする抗原結合タンパク質(例えば、抗JAG1抗体)のポリペプチド鎖(またはその一部)をコードする核酸を単離し、組換えDNA技術を介して核酸を操作することを伴う。核酸を、対象とする別の核酸と融合させ、または、例えば1つ以上のアミノ酸残基を付加、欠失または置換するように(例えば、突然変異誘発または他の従来技術により)改変してもよい。
【0147】
本開示のポリペプチドは、当該技術分野において公知の任意の標準的な方法を用いて生成することができる。一例において、ポリペプチドは、ポリペプチドをコードする核酸配列(cDNA)を組換え発現ベクターに挿入し、発現を促進させる条件下でDNA配列を発現させることにより、組換えDNA法によって生成される。
【0148】
本明細書に開示される種々のポリペプチドのいずれかをコードする核酸を化学的に合成することができる。細胞における発現を向上させるようにコドン使用頻度を選択することができる。このようなコドン使用頻度は、選択される細胞型に依存する。特殊なコドン使用頻度パターンは、E.コリおよび他の細菌、ならびに哺乳動物細胞、植物細胞、酵母細胞および昆虫細胞用に開発されている。
【0149】
核酸操作のための一般的技術は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual.Vols.1−3,Cold Spring Harbor Laboratory Press、2ed.、1989年、またはF.Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology (Green Publishing and Wiley−Interscience:New York、1987年)および定期的な更新版に記載されている。ポリペプチドをコードするDNAは、哺乳動物遺伝子、ウイルス遺伝子または昆虫遺伝子に由来する適切な転写または翻訳の調節エレメントに作動可能に連結される。このような調節エレメントには、転写プロモーター、転写を制御する任意のオペレーター配列、適切なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、ならびに転写および翻訳の終結を制御する配列が含まれる。宿主において複製する能力は、通常、複製起源により付与され、形質転換体の認識を容易にする選択遺伝子をさらに組み込む。
【0150】
組換えDNAはまた、タンパク質を精製するために有用であり得る、任意のタイプのタンパク質タグ配列を含むことができる。タンパク質タグの例としては、限定されないが、ヒスチジンタグ、FLAGタグ、mycタグ、HAタグまたはGSTタグが挙げられる。細菌、真菌、酵母および哺乳動物細胞の宿主を用いた使用に適したクローニングベクターおよび発現ベクターは、Cloning Vectors:A Laboratory Manual(Elsevier、N.Y.、1985年)に見出すことができる。
【0151】
発現構築物は、宿主細胞に適した方法を使用して宿主細胞に導入される。核酸を宿主細胞に導入するための種々の方法は、当該技術分野において公知であり、限定されないが、エレクトロポレーション;塩化カルシウム、塩化ルビジウム、リン酸カルシウム、DEAE−デキストランまたは他の物質を用いるトランスフェクション;微粒子銃(microprojectile bombardment);リポフェクション;および感染(ベクターが感染性因子である。)が挙げられる。適切な宿主細胞には、原核生物、酵母、哺乳動物細胞または細菌細胞が含まれる。
【0152】
適切な細菌には、グラム陰性生物またはグラム陽性生物、例えば、E.コリまたはバチラス属種(Bacillus spp.)が含まれる。好ましくはサッカロミセス・セレビシエ(S.cerevisiae)のようなサッカロミセス属種由来の酵母はまた、ポリペプチドの生成に使用され得る。また、種々の哺乳動物細胞または昆虫細胞の培養システムを用いて、組換えタンパク質を発現させることができる。昆虫細胞における異種タンパク質の生成のためのバキュロウイルス系は、LuckowおよびSummers(Bio/Technology、6:47、1988年)に概説される。適切な哺乳動物の宿主細胞株の例としては、内皮細胞、COS−7サル腎臓細胞、CV−1、L細胞、C127、3T3、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、ヒト胎児性腎臓細胞、HeLa、293、293TおよびBHK細胞株が含まれる。精製ポリペプチドは、適切な宿主/ベクター系を培養して、組換えタンパク質を発現させることにより調製される。多くの適用に関して、少量の本明細書に開示されるポリペプチドの多くが、好ましい発現方法としてE.コリ(E.coli)において発現される。次に、タンパク質を培養培地または細胞抽出物から精製する。
【0153】
タンパク質はまた、細胞翻訳システムを使用して生成され得る。このような目的に関して、ポリペプチドをコードする核酸は、インビトロで転写され、mRNAを生成するために、および利用される特定の無細胞系(哺乳動物細胞もしくは酵母のような真核生物の無細胞翻訳系または細菌のような原核生物の無細胞翻訳系)においてmRNAの無細胞翻訳を可能にするために修飾される必要がある。
【0154】
また、JAG1結合ポリペプチドは、化学合成(Solid Phase Peptide Synthesis、第2版、1984年、The Pierce Chemical Co.、Rockford、IIIに記載される方法などによって。)により生成され得る。タンパク質への修飾はまた、化学合成により生成され得る。
【0155】
本開示のポリペプチドは、タンパク質化学の分野において一般的に公知であるタンパク質の単離/精製法により精製され得る。限定されない例としては、抽出、再結晶、塩析(例えば、硫酸アンモニウムまたは硫酸ナトリウムを用いる。)、遠心分離、透析、限外濾過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ゲル濾過、ゲル浸透クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、電気泳動、向流分配またはこれらの任意の組合せが挙げられる。精製後、ポリペプチドは、異なる緩衝液に交換され、および/または、限定されないが、濾過および透析を含むが、当該技術分野において公知である種々の方法のいずれかにより富化され得る。
【0156】
精製されたポリペプチドは、好ましくは、少なくとも85%純度、より好ましくは少なくとも95%純度、最も好ましくは少なくとも98%純度である。純度の正確な数値に関わらず、ポリペプチドは、医薬品として使用するために十分に純粋である。
【0157】
ある特定の実施形態において、本開示は、JAG1に結合するモノクローナル抗体を提供する。モノクローナル抗体は、当該技術分野において公知の任意の技術を使用して、例えば、免疫化スケジュール終了後のトランスジェニック動物から採取した脾臓細胞を不死化することにより生成することができる。脾臓細胞は、当該技術分野において公知の任意の技術を用いて、例えば、それらを骨髄腫細胞と融合させてハイブリドーマを生成することにより不死化することができる。ハイブリドーマ生成融合手法において使用するための骨髄腫細胞は、好ましくは非抗体産生であり、高融合効率であり、所望の融合細胞(ハイブリドーマ)だけの増殖を支持するある特定の選択的培地中での増殖を不可能とさせる酵素欠乏を有する。マウス融合物において使用するための適切な細胞株の例には、Sp−20、P3−X63/Ag8、P3−X63−Ag8.653、NS1/1.Ag41、Sp210−Ag14、FO、NSO/U、MPC−11、MPC11−X45−GTG1.7およびS194/5XX0 Bulが含まれ;ラット融合物において使用するための細胞株の例には、R210.RCY3、Y3−Ag1.2.3、IR983Fおよび48210が含まれる。細胞融合物に有用な他の細胞株は、U−266、GM1500−GRG2、LICR−LON−HMy2およびUC729−6である。
【0158】
本発明の抗原結合タンパク質の抗原結合断片は、当該技術分野において公知の従来技法によって産生され得る。
【0159】
ポリペプチドの翻訳後修飾
ある特定の実施形態において、本発明の結合ポリペプチドは、翻訳後修飾をさらに含み得る。タンパク質の翻訳後修飾の例としては、リン酸化、アセチル化、メチル化、ADP−リボシル化、ユビキチン化、グリコシル化、カルボニル化、SUMO化(sumoylation)、ビオチン化またはポリペプチド側鎖もしくは疎水性基の付加が挙げられる。結果として、修飾された可溶性ポリペプチドは、脂質、多糖または単糖、およびリン酸塩のような非アミノ酸エレメントを含み得る。グリコシル化の好ましい形態は、1つ以上のシアル酸部分をポリペプチドにコンジュゲートさせるシアリル化である。シアル酸部分は、溶解性および血清半減期を改善し、一方、タンパク質の免疫遺伝学的解析の可能性を減少させる。Rajuら、Biochemistry.2001年、31;40(30):8868−76頁を参照されたい。
【0160】
一実施形態において、目的の可溶性ポリペプチドの修飾形態は、目的の可溶性ポリペプチドを非タンパク質性ポリマーに連結したものを含む。一実施形態において、ポリマーは、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリプロピレングリコールまたはポリオキシアルキレンであり、米国特許第4,640,835号;第4,496,689号;第4,301,144号;第4,670,417号;第4,791,192号または第4,179,337号に記載されているようなものである。
【0161】
PEGは、市販されているまたは当該技術分野において周知である方法(SandlerおよびKaro、Polymer Synthesis、Academic Press、New York、Vol.3、138−161頁)によるエチレングリコールの開環重合により調製することができる、水溶性ポリマーである。用語「PEG」は、PEGのサイズまたは末端での修飾にかかわらず、任意のポリエチレングリコール分子を包含するように広く使用され、式:X−O(CH
2CH
2O)
nCH
2CH
2OH(1)(式中、nは、20から2300であり、Xは、Hまたは末端修飾、例えばC
1−4アルキルである。)によって表すことができる。一実施形態において、本発明のPEGは、一方の末端がヒドロキシまたはメトキシで終わる、すなわち、XがHまたはCH
3である(「メトキシPEG」)。PEGは、結合反応に必要なさらなる化学基を含み得る;それは、分子の化学合成の結果生じる;または分子の一部の最適距離のためのスペーサーである。加えて、このようなPEGは、互いに結合した1つ以上のPEG側鎖で構成され得る。1を超えるPEG鎖を含むPEGは、多腕型(multiarmed)または分岐型PEGと呼ばれる。分岐型PEGは、例えば、グリセロール、ペンタエリスリトールおよびソルビトールなどの種々のポリオールに酸化ポリエチレンを付加することによって製造することができる。例えば、4アーム型PEGは、ペンタエリスリトールおよび酸化エチレンから製造され得る。分岐型PEGは、例えば、欧州特許出願公開第0473084A号および米国特許第5,932,462号に記載されている。PEGの一形態は、リシンの一級アミノ基を介して結合された2つのPEG側鎖(PEG2)を含む(Monfardiniら、Bioconjugate Chem.6巻(1995年)62−69頁)。
【0162】
PEG修飾ポリペプチドの血清クリアランス率は、非修飾結合ポリペプチドのクリアランス率と比べて、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%またはさらには90%減少し得る。PEG修飾ポリペプチドは、非修飾タンパク質の半減期と比べて増大された半減期(t
1/2)を有し得る。PEG結合ポリペプチドの半減期は、非修飾結合ポリペプチドの半減期と比べて、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、400%もしくは500%またはさらには1000%増大され得る。いくつかの実施形態において、タンパク質の半減期は、インビトロで、例えば、緩衝化生理食塩水または血清中で決定される。他の実施形態において、タンパク質の半減期は、インビボでの半減期であり、例えば、動物の血清または他の体液中のタンパク質の半減期である。
【0163】
治療法、製剤および投与様式
本開示は、本発明の抗JAG1抗体または抗原結合断片を投与することを含む、乳房、前立腺、結腸直腸、肺および他の固形腫瘍を含むノッチシグナル伝達腫瘍を治療するための方法を特徴とする。本明細書で使用される「ノッチシグナル伝達腫瘍」または「ノッチシグナル伝達に関連する腫瘍」は、ノッチシグナル伝達が有害となる腫瘍または悪性成長を指す。一例において、ノッチシグナル伝達は、腫瘍成長に関連する。他の例において、ノッチシグナル伝達は、腫瘍進行または転移に関与する。本発明の抗JAG1抗体および抗原結合断片を使用してノッチ経路を標的化することによって治療され得る例示的な腫瘍としては、限定されないが、頭頸部扁平上皮癌(Zengら、2005年、Cancer Cell 8巻:13−23頁)、T細胞急性リンパ芽球性白血病(Royら、Curr Opin Genet Dev 17巻:52−59頁、2007年)、乳がん(Reedijkら、Cancer Res 65巻:8530−8537頁、2005年;Dicksonら、Mod Pathol 20巻:685−693頁、2007年)、黒色腫(PinnixおよびHerlyn、Pigment Cell Res 20巻:458−465頁、2007年)、肺腺癌(Chenら、Cancer Res 67巻:7954−7959頁、2007年)、前立腺(Leongら、Differentiation 76巻、6号、2008年7月、699−716頁)および結腸直腸(Guilmeau S.Adv Exp Med Biol.2012年;727巻:272−88頁)が挙げられる。
【0164】
本明細書に開示されている抗体または抗原結合断片のうちいずれかが、このような治療方法において使用され得る。
【0165】
本開示は、ノッチシグナル伝達腫瘍を治療するための方法をさらに提供し、該方法は、配列番号1−142(表5)に記載されている重鎖および軽鎖可変領域(および前記配列内のCDR)を含む、少なくとも10
−6Mの結合親和性でJAG1エピトープに結合するIgGクラスの完全ヒト抗体、重鎖由来の可変ドメイン領域および軽鎖由来の可変ドメイン領域を有するFab完全ヒト抗体断片、重鎖由来の可変ドメイン領域および軽鎖由来の可変ドメイン領域ならびに重鎖および軽鎖可変ドメイン領域を接続するペプチドリンカーを有する単鎖ヒト抗体からなる群から選択される抗JAG1ポリペプチドを投与することを含む。
【0166】
例えば、一実施形態において、本明細書に開示される方法は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号132、配列番号135、配列番号139および配列番号142、ならびにこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一である重鎖可変ドメイン配列を含み、および配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号131、配列番号133、配列番号134、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号140および配列番号141、ならびにこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一である軽鎖可変ドメイン配列を有する、完全ヒト抗体の使用を含む。
【0167】
一実施形態において、本明細書に記載される方法は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号109、配列番号111、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号132、配列番号135、配列番号139および配列番号142ならびにこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一である重鎖可変ドメイン配列を有し、および配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号131、配列番号133、配列番号134、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号140および配列番号141、ならびにこれらの組合せからなるアミノ酸配列と少なくとも95%同一である軽鎖可変ドメイン配列を有する、完全ヒトFab抗体断片の使用を含む。
【0168】
一実施形態において、本明細書に記載される方法は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号132、配列番号135、配列番号139および配列番号142、ならびにこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一である重鎖可変ドメイン配列を含み、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号131、配列番号133、配列番号134、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号140および配列番号141、ならびにこれらの組合せからなるアミノ酸配列と少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一である軽鎖可変ドメイン配列を含む一本鎖ヒト抗体の使用を含む。
【0169】
一実施形態において、完全ヒト抗体は、重鎖と軽鎖の両方を有し、ここで、抗体は、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30、配列番号31/配列番号32、配列番号33/配列番号34、配列番号35/配列番号36、配列番号37/配列番号38、配列番号39/配列番号40、配列番号41/配列番号42、配列番号43/配列番号44、配列番号45/配列番号46、配列番号47/配列番号48、配列番号49/配列番号50、配列番号51/配列番号52、配列番号53/配列番号54、配列番号55/配列番号56、配列番号57/配列番号58、配列番号59/配列番号60、配列番号61/配列番号62、配列番号63/配列番号64、配列番号65/配列番号66、配列番号67/配列番号68、配列番号69/配列番号70、配列番号71/配列番号72、配列番号73/配列番号74、配列番号75/配列番号76、配列番号77/配列番号78、配列番号79/配列番号80、配列番号81/配列番号82、配列番号83/配列番号84、配列番号85/配列番号86、配列番号87/配列番号88、配列番号89/配列番号90、配列番号91/配列番号92、配列番号93/配列番号94、配列番号95/配列番号96、配列番号97/配列番号98、配列番号99/配列番号100、配列番号101/配列番号102、配列番号103/配列番号104、配列番号105/配列番号106、配列番号107/配列番号108、配列番号109/配列番号110、配列番号111/配列番号112、配列番号111/配列番号113、配列番号111/配列番号114、配列番号111/配列番号115、配列番号111/配列番号116、配列番号111/配列番号117、配列番号111/配列番号118、配列番号111/配列番号119、配列番号111/配列番号120、配列番号111/配列番号121、配列番号111/配列番号122、配列番号111/配列番号123、配列番号124/配列番号112、配列番号125/配列番号112、配列番号126/配列番号112、配列番号127/配列番号112、配列番号128/配列番号112、配列番号129/配列番号112、配列番号130/配列番号112、配列番号127/配列番号131、配列番号132/配列番号133、配列番号132/配列番号123、配列番号142/配列番号123、配列番号127/配列番号123、配列番号132/配列番号134、配列番号135/配列番号133、配列番号132/配列番号136、配列番号132/配列番号137、配列番号132/配列番号138、配列番号139/配列番号123、配列番号139/配列番号140、配列番号127/配列番号141およびこれらの組合せからなる群から選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。一実施形態において、完全ヒト抗体Fab断片は、重鎖可変ドメイン領域と軽鎖可変ドメイン領域の両方を有し、ここで、抗体は、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30、配列番号31/配列番号32、配列番号33/配列番号34、配列番号35/配列番号36、配列番号37/配列番号38、配列番号39/配列番号40、配列番号41/配列番号42、配列番号43/配列番号44、配列番号45/配列番号46、配列番号47/配列番号48、配列番号49/配列番号50、配列番号51/配列番号52、配列番号53/配列番号54、配列番号55/配列番号56、配列番号57/配列番号58、配列番号59/配列番号60、配列番号61/配列番号62、配列番号63/配列番号64、配列番号65/配列番号66、配列番号67/配列番号68、配列番号69/配列番号70、配列番号71/配列番号72、配列番号73/配列番号74、配列番号75/配列番号76、配列番号77/配列番号78、配列番号79/配列番号80、配列番号81/配列番号82、配列番号83/配列番号84、配列番号85/配列番号86、配列番号87/配列番号88、配列番号89/配列番号90、配列番号91/配列番号92、配列番号93/配列番号94、配列番号95/配列番号96、配列番号97/配列番号98、配列番号99/配列番号100、配列番号101/配列番号102、配列番号103/配列番号104、配列番号105/配列番号106、配列番号107/配列番号108、配列番号109/配列番号110、配列番号111/配列番号112、配列番号111/配列番号113、配列番号111/配列番号114、配列番号111/配列番号115、配列番号111/配列番号116、配列番号111/配列番号117、配列番号111/配列番号118、配列番号111/配列番号119、配列番号111/配列番号120、配列番号111/配列番号121、配列番号111/配列番号122、配列番号111/配列番号123、配列番号124/配列番号112、配列番号125/配列番号112、配列番号126/配列番号112、配列番号127/配列番号112、配列番号128/配列番号112、配列番号129/配列番号112、配列番号130/配列番号112、配列番号127/配列番号131、配列番号132/配列番号133、配列番号132/配列番号123、配列番号142/配列番号123、配列番号127/配列番号123、配列番号132/配列番号134、配列番号135/配列番号133、配列番号132/配列番号136、配列番号132/配列番号137、配列番号132/配列番号138、配列番号139/配列番号123、配列番号139/配列番号140、配列番号127/配列番号141およびこれらの組合せからなる群から選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。
【0170】
一実施形態において、完全ヒト一本鎖抗体は、重鎖可変ドメイン領域と軽鎖可変ドメイン領域の両方を有し、ここで、一本鎖完全ヒト抗体は、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30、配列番号31/配列番号32、配列番号33/配列番号34、配列番号35/配列番号36、配列番号37/配列番号38、配列番号39/配列番号40、配列番号41/配列番号42、配列番号43/配列番号44、配列番号45/配列番号46、配列番号47/配列番号48、配列番号49/配列番号50、配列番号51/配列番号52、配列番号53/配列番号54、配列番号55/配列番号56、配列番号57/配列番号58、配列番号59/配列番号60、配列番号61/配列番号62、配列番号63/配列番号64、配列番号65/配列番号66、配列番号67/配列番号68、配列番号69/配列番号70、配列番号71/配列番号72、配列番号73/配列番号74、配列番号75/配列番号76、配列番号77/配列番号78、配列番号79/配列番号80、配列番号81/配列番号82、配列番号83/配列番号84、配列番号85/配列番号86、配列番号87/配列番号88、配列番号89/配列番号90、配列番号91/配列番号92、配列番号93/配列番号94、配列番号95/配列番号96、配列番号97/配列番号98、配列番号99/配列番号100、配列番号101/配列番号102、配列番号103/配列番号104、配列番号105/配列番号106、配列番号107/配列番号108、配列番号109/配列番号110、配列番号111/配列番号112、配列番号111/配列番号113、配列番号111/配列番号114、配列番号111/配列番号115、配列番号111/配列番号116、配列番号111/配列番号117、配列番号111/配列番号118、配列番号111/配列番号119、配列番号111/配列番号120、配列番号111/配列番号121、配列番号111/配列番号122、配列番号111/配列番号123、配列番号124/配列番号112、配列番号125/配列番号112、配列番号126/配列番号112、配列番号127/配列番号112、配列番号128/配列番号112、配列番号129/配列番号112、配列番号130/配列番号112、配列番号127/配列番号131、配列番号132/配列番号133、配列番号132/配列番号123、配列番号142/配列番号123、配列番号127/配列番号123、配列番号132/配列番号134、配列番号135/配列番号133、配列番号132/配列番号136、配列番号132/配列番号137、配列番号132/配列番号138、配列番号139/配列番号123、配列番号139/配列番号140、配列番号127/配列番号141およびこれらの組合せからなる群から選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。
【0171】
一実施形態において、本発明の抗JAG1抗体および抗体断片は、ノッチシグナル伝達腫瘍の治療に使用される。上に記す通り、有害なノッチシグナル伝達経路活性を有するいかなる腫瘍または悪性成長も、本発明の抗JAG1抗体および抗体断片によって治療され得る。例えば、一実施形態において、腫瘍は、乳房、前立腺、結腸直腸、肺および他の固形腫瘍からなる群から選択される。
【0172】
一実施形態において、本発明の抗JAG1抗体および抗体断片は、単独で、または化学療法、放射線療法、免疫療法、外科的介入もしくはこれらのいずれかの組合せのような1つ以上の追加的な治療法と組み合わせて投与され得る。長期治療法は、上述の通り、他の治療戦略の文脈における補助療法と同様に、等しく可能である。
【0173】
このような方法のある特定の実施形態において、1つ以上の本発明の抗JAG1抗体および抗体断片は、共に(同時に)または異なる時点において(連続的に)投与され得る。さらに、本発明の抗JAG1抗体および抗体断片は、がんを治療するためまたは血管新生を阻害するための別のタイプの化合物とともに投与することができる。
【0174】
ある特定の実施形態において、本発明の抗JAG1抗体および抗体断片を単独で使用することができる。
【0175】
ある特定の実施形態において、本発明の抗JAG1抗体および抗体断片は、診断目的のために標識されていても標識されていなくてもよい。典型的には、診断アッセイは、結合ポリペプチドがJAG1に結合することによって生ずる複合体の形成を検出することを伴う。本発明の抗JAG1抗体および抗体断片は、抗体と同様に、直接標識され得る。様々な標識が使用でき、限定されないが、放射性核種、蛍光剤、酵素、酵素の基質、酵素補助因子、酵素阻害剤およびリガンド(例えば、ビオチン、ハプテン)が挙げられる。多数の適切な免疫アッセイが当業者に公知である(例えば、米国特許第3,817,827号;第3,850,752号;第3,901,654号;および第4,098,876号を参照されたい。)。標識されない場合、結合ポリペプチドは、凝集アッセイ法などのアッセイにて使用できる。また、標識されていない結合ポリペプチドは、結合ポリペプチドまたは他の適切な試薬(例えば、標識されたプロテインA)と反応性のある標識抗体などの、結合ポリペプチドを検出するために使用できる別の(1つ以上の)適切な試薬と併用することもできる。
【0176】
投与のための技術および投与量は、特定の種類のポリペプチドおよび処置されるべき特定の病状によって変わるが、当業者により容易に決定することができる。一般的に、監督当局は、治療剤として使用されるタンパク質試薬が、許容される低レベルの発熱物質を有するように製剤化されることを要求する。したがって、治療製剤は、一般的に、それらが実質的に発熱物質を含まない、または少なくとも適切な監督当局(例えば、FDA)により決定される、許容されるレベル未満の発熱物質を含む点で、他の製剤と区別される。
【0177】
本開示の治療組成物は、医薬として許容される希釈剤、担体または賦形剤とともに、単一の投与量形態で投与され得る。投与は、非限定的な例として、非経腸(例えば、静脈内、皮下)、経口または局所であり得る。さらに、本発明のポリペプチドをコードする核酸を用いる任意の遺伝子治療技術、例えばネイキッドDNA送達、組換え遺伝子およびベクター、患者の細胞のエクスビボでの操作を含む細胞ベースの送達などを用いることができる。
【0178】
治療的に有効な投薬量とは、投与された場合に治療効果を生じる投薬量を意味する。正確な投薬量は、処置される障害に依存し、当業者により公知の技術を用いて確かめられ得る。一般的に、ポリペプチドは、1日あたり約0.01μg/kgから約50mg/kg、好ましくは1日あたり0.01mg/kgから約30mg/kg、最も好ましくは1日あたり0.1mg/kgから約20mg/kgで投与される。ポリペプチドは、毎日(例えば、1日1回、2回、3回または4回)、または好ましくは低頻度で(例えば、週に1回、2週間に1回、3週間に1回、月に一回または年に4回)投与され得る。さらに、当該技術分野において公知であるように、年齢ならびに体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与時期、薬物相互作用および疾患の重症度による調整が必要である。
【実施例】
【0179】
[実施例1]
スクリーニングを行って、ヒト抗ヒトJAG1抗体を同定した。スクリーニングで同定された抗体由来の重鎖および軽鎖可変配列は、下の表5に提示されている。
【0180】
本実施例は、組換えマウスJAG1に対するJAG1結合剤の交差反応性の解析を提供する。96ウェルプレートを、25μl組換えマウスJAG1/Fc(PBS中に2μg/μL)により4℃で一晩コーティングした。PBS−Tween(PBST)で3回洗浄した。各ウェルにおいて20μlカゼインに希釈した5μlのscFvファージのスープを添加し、振盪しつつ30分間インキュベートした。プレートをPBSTで3回洗浄し、次に西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートしたM13(カゼイン中に1:2000)を添加し、続いて3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)を基質として添加し、30分間発色させた。2M H
2SO
4を使用して反応を停止し、450nmでODを読み取った。結果は、JAG1結合抗体の80%超が、マウス抗原に結合することもできることを示した。
【0181】
ヒトJAG1に対する抗体JG1H7の結合親和性を、BiaCoreアッセイを使用して検査した。具体的には、抗ヒトFc抗体(GE、BR−1008−39)は、標準的なNHS/EDCカップリング法を使用して、約700RUまでCM5センサーチップ上に固定化された。抗体(約10μg/ml)を流速10μl/分で60秒間捕捉させた。組換えヒトJAG1/Hisをランニングバッファー(HBS−EP)中に連続希釈した。全ての測定を30μL/分の流速で行った。表面を3MのMgCl
2で60秒間再生した。1:1(ラングミュア)結合モデルを使用してデータへのフィッティングを行った。結果は、表1に示されており、表中、抗体JG1H7のK
Dは、ヒトJAG1に対して2.08×10
−7Mであると決定された。
【0182】
【表1】
【0183】
[実施例2]
本実施例は、二次抗体−薬物コンジュゲート技法を使用した細胞傷害性アッセイにおける抗JAG−1抗体の評価を示すインビトロデータを例証する(「Secondary Antibody−Drug Conjugates As Tools for ADC Discovery」、Helen Mao、Poster、IBC第24回年会、2013年)。本実施例は、抗体薬物コンジュゲートとして使用される抗JAG−1の潜在力を実証する。
【0184】
JAG−1発現細胞(Calu−6;肺がん細胞)を酵素不含の細胞解離緩衝液(GIBCO)により収集し、白色96ウェルクリアボトムプレートに播種し(90μl中に1,000細胞/ウェル)、一晩37℃で接着させた。抗ヒトJAG1抗体JG1B10、JG1H7、JG1C8およびJG1H11を、細胞培養培地においてプロテインG−DM1(DM1;マイタンシノイドN(2’)−デアセチル−N(2’)−(3−メルカプト−1−オキソプロピル)−マイタンシン(DM1))(Concortis Biosystems)と1:4モル比で予め複合体形成させた。同じ抗ヒトJAG1抗体JG1B10、JG1H7、JG1C8およびJG1H11は、また、対照として、ネイキッド抗体(複合体形成させない)として使用した。室温における10分後に、抗体−プロテインG−DM1複合体(複合体形成していない抗体対照も同様に)の系列希釈を細胞培養培地において調製し、さらに10分間室温でインキュベートし、3回複製して細胞に添加した(10μl/ウェル)。37℃における6日間インキュベーション後に、次の通りに細胞増殖を解析した:100μlのCell Titer Glo緩衝液(Promega)を各ウェルに添加した。プレートを振盪しつつ室温で20分間インキュベートした。次に、ルミネセンスシグナルをFlexstation 3プレートリーダー(Molecular Device)で測定した。データを相対ルミネセント単位として報告した。用量応答曲線をGraphPad prismで作成し、非線形回帰フィッティング(Log(阻害剤)対応答 − 可変傾き方程式(Variable slope equation))を使用してIC
50値を計算した。
【0185】
同じ方法を正常ヒト線維芽細胞(HFF)にも使用して、抗JAG−1抗体/プロテインG−DM1複合体の細胞死滅の非特異性を評価した。
【0186】
結果は、
図1A(Calu−6がん細胞)および
図1B(HFF細胞)および表2に示されている。
図1Aは、抗JAG−1抗体、特に、抗体JG1B10およびJG1H7が、DM−1のような細胞毒と複合体形成した場合に、それぞれ1.35および3.89nMのIC
50値で、細胞死滅を誘導することができることを示す(表2)。これらのデータは、抗体−薬物コンジュゲートとしてのJAG−1抗体の潜在力を例証する。
図1Bにおいて、データは、JAG1を過剰発現しない正常HFF細胞において非特異的細胞死滅がほとんど観察されなかったことを示し、将来のJAG1 ADCの優れた選択性指標を示唆する。
【0187】
【表2】
【0188】
[実施例3]
ELISAアッセイを行って、ヒトJAG1への抗体結合を決定した。96ウェルELISAプレートをヤギ抗ヒトラムダで一晩コーティングした。翌朝、プレートをカゼイン溶液で1時間ブロッキングし、続いて0.3μg/mlのJG1H7およびJG1B10 IgG抗体を添加した。1時間後に、プレートを洗浄し、系列希釈されたビオチン化ヒトジャギド1(JAG1)を添加した。対照として、対照IgGを含有したウェルにビオチン化JAG1を添加した。1時間後に、プレートを洗浄し、標識されたニュートラアビジンを添加し、30分間インキュベートした。プレートを洗浄し、発色させ、各ウェルの吸光度を分光光度計によって測定した。
図2に示す通り、JG1B10(i)およびJG1H7(ii)の両方が、ヒトJAG1への特異的な結合を示す。使用した対照抗体は、JAG−1またはJAG−2に結合しないIgG1であった。
【0189】
同様のプロトコールを使用して、選択されたJG1H7改変体JG1H7−F2C(i)、JG1H7−B6C(ii)、JG1H7−C9C(iii)、JG1H7−D5C(iv)、JG1H7−C6C(v)およびJG1H7(vi)の結合を測定した。これらの結果は、
図3に示されている。
図3に示す通り、検査した改変体の全てが、対照抗体よりも多くのJAG1に結合した。使用した対照抗体は、JAG1またはJAG2に結合しないIgG1であった。
図3に示す結果において、JG1H7−C4Cは、JGH7−C9Cとほとんど完全に重なり合うため、このグラフにおけるJG1H7−C4Cの線は目に見えない。
【0190】
ELISAアッセイを行って、ヒトJAG2に結合する同定された抗体の能力も決定した。96ウェルELISAプレートをヒトJAG2−Fcで一晩コーティングした。翌朝、プレートをカゼイン溶液で1時間ブロッキングし、続いて系列希釈されたJG1H7およびJG1B10 IgG抗体を添加した。対照として、JAG2−Fcでコーティングされていないウェルに抗体を添加した。1時間インキュベートした後に、プレートを洗浄し、標識されたヤギ抗ヒトF
D抗体を30分間添加した。プレートを洗浄し、基質を用いて発色させ、各ウェルの吸光度を分光光度計で測定した。
図4に示す通り、JG1B10(i)およびJG1H7(ii)の両方が、JAG2への特異的結合を示す。
【0191】
ELISAにおいて同様のプロトコールを使用して、JAG−2とJG1H7改変体の結合を示した。これらの結果は、
図5に示されている。使用した対照抗体は、JAG1またはJAG2に結合しないIgG1であった。
図3に示す結果と同様に、検査した改変体の全てが、JAG2への特異的結合を示した。
【0192】
ELISAアッセイを行って、マウスJAG2に結合する同定された抗体の能力も決定した。高結合性96ウェルプレートを、PBSに溶解した1μg/ml組換えマウスジャギド−2 Fcキメラタンパク質(R&D Systems)で一晩コーティングした。次に、プレートをカゼイン:Super Blockの1:1混合物で数時間室温にてブロッキングした。各IgGを10μg/mlとなるようブロッキング溶液に希釈し、3倍系列希釈し、洗浄後に96ウェルプレートに添加した。2時間インキュベーションおよび洗浄後に、抗ヒトF
D−HRPを添加し、1時間インキュベートした。洗浄後に、プレートをTMBで発色させ、2M H
2SO
4で停止し、450nmで吸光度を測定した。
図6に示す通り、JG1H7および検査した改変体は、マウスJAG−2への特異的結合を示した。使用した対照抗体は、JAG1またはJAG2に結合しないIgG1であった。
【0193】
最後に、ELISAアッセイを行って、デルタ様1(DLL1)およびデルタ様2(DLL2)に対する抗体交差反応性を決定した。一方のELISAプレートを抗ヒトラムダでコーティングし、もう一方のELISAプレートを抗ヒトカッパーで一晩4℃にてコーティングした。翌朝、各プレートをカゼイン:Super Blockの1:1混合物で2時間室温にてブロッキングした。B10 IgGを0.3μg/mlとなるようブロッキング液(block)に希釈し、抗ヒトラムダでコーティングしたウェルに添加した一方、JG1H7 IgGを0.3μg/mlとなるようブロッキング液に希釈し、抗ヒトカッパーでコーティングしたウェルに添加し、室温で3時間インキュベートした。対照として、他のウェルをブロッキング液のみで処理した。洗浄後に、系列希釈したビオチン化抗原(JAG1、DLL1、DLL2)を、捕捉された抗体を有するカラムおよび抗体がない対照カラムに添加し、1時間室温でインキュベートした。洗浄後に、ニュートラアビジン−APを添加し、20分間室温でインキュベートし、プレートを洗浄し、1段階PNPPで発色させ、プレートをプレートリーダーにおいて解析した。
図7A(JG1H7)および
図7B(B10)に示す通り、各抗体は、ヒトJAG−1に特異的に結合したが、これらの条件下で、ヒトDLL1またはヒトDLL2に対する結合はほとんど観察されなかった。使用した対照抗体は、JAG1またはJAG2に結合しないIgG1であった。
【0194】
[実施例4]
本実施例は、K562細胞(ATCC CCL−243)に結合するある特定の抗JAG1抗体のEC
50を決定するための細胞結合アッセイについて記載し、EC
50とは、50%結合飽和(EC
50)が達する濃度である。本実施例において、K562細胞をFACS緩衝液(PBS中の2%ウシ胎仔血清)に1×10
6細胞/mlとなるよう再懸濁した。50μl(0.5×10
5細胞)を96ウェルプレートのウェルに分注した。蒔かれた細胞をスピンダウンし、上清を廃棄した。3回複製して作製した30μl FACS緩衝液における系列希釈濃度の各JAG1 IgGに細胞を再懸濁した。抗体および細胞を1時間4℃でインキュベートし、続いてFACS緩衝液で2回洗浄した。FACS緩衝液において1:750希釈した50μlヤギ抗ヒトIgG(γ−鎖特異的)−PE−コンジュゲート二次抗体(Southern Biotech #2040−09)に、細胞を再懸濁した。細胞を暗所で30分間4℃にてさらにインキュベートし、続いてFACS緩衝液で1回洗浄した。細胞を最終容量30μlのFACS緩衝液に再懸濁し、Intellicytフローサイトメーターを使用して解析した。FlowJoソフトウェアを使用してFL−2Hチャネルにおける蛍光中央値を決定し、ForeCyteソフトウェアを使用した可変傾き非線形回帰によってEC
50値を決定した。下の表3は、ヒトJAG1に対する抗JAG1抗体のEC
50を示す。
【0195】
【表3】
【0196】
[実施例5]
ヒトJAG1に対するその高い親和性および中和特徴を考慮して、治療用抗体として抗JAG1抗体JG1H7を同定した後に、JG1H7抗体の改変体を作製した。
【0197】
簡潔に説明すると、親和性特徴をさらに改善する試みにおけるさらなる突然変異のための親抗体としてJG1H7を使用した。簡潔に説明すると、各CDR(ChothiaまたはKabatナンバリングによる定義)内の各位置が、あらゆる可能な20種のアミノ酸へと突然変異されるように、JG1H7のCDR内の単一アミノ酸を突然変異させた。次に、これらの改変体抗体を、親抗体と比べた親和性変化に関してスクリーニングし、ELISAにより結合における改善を示した抗体の配列を決定した。結合を改善した突然変異をコンビナトリアルライブラリーに含め、続いてこれを発現させ、さらに改善された親和性の抗体に関してスクリーニングした。JG1H7改変体の軽鎖および重鎖可変ドメインアミノ酸配列は、下の表4に記載されている。
【0198】
改善されたJG1H7クローンのアミノ酸配列は、下の表4に示されている。
【0199】
【表4】
【0200】
【表5】
参照による援用
本出願の全体を通して引用されているあらゆる参考文献、特許、係属中の特許出願および公開された特許の内容は、これにより明確に参照により本明細書に組み込む。
請求項1から9のいずれか一項に記載の有効量の抗JAG1抗体または抗体断片を、それを必要とする対象に投与することを含む、それを必要とする対象におけるノッチシグナル伝達腫瘍を治療するための方法。
腫瘍が、乳房腫瘍、前立腺、結腸直腸、肺、頭頸部扁平上皮癌、T細胞急性リンパ芽球性白血病および黒色腫ならびに他の固形腫瘍からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
請求項12に記載の有効量の抗JAG1抗体またはその抗原結合断片を投与し、それによりがんを治療することを含む、それを必要とするヒト対象におけるがんを治療する方法。
がんが、乳房、前立腺、結腸直腸、肺、頭頸部扁平上皮癌、T細胞急性リンパ芽球性白血病、黒色腫および固形腫瘍からなる群から選択される、請求項13または14に記載の方法。