特表2018-510375(P2018-510375A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-510375(P2018-510375A)
(43)【公表日】2018年4月12日
(54)【発明の名称】光ファイバカプラ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/28 20060101AFI20180316BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20180316BHJP
【FI】
   G02B6/28 W
   G02B6/02 461
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2017-545649(P2017-545649)
(86)(22)【出願日】2015年12月31日
(85)【翻訳文提出日】2017年10月24日
(86)【国際出願番号】PL2015050082
(87)【国際公開番号】WO2016137344
(87)【国際公開日】20160901
(31)【優先権主張番号】P.411430
(32)【優先日】2015年2月28日
(33)【優先権主張国】PL
(31)【優先権主張番号】P.415466
(32)【優先日】2015年12月21日
(33)【優先権主張国】PL
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】318000558
【氏名又は名称】インフォテック エスピー.ゼット オー.オー.
【氏名又は名称原語表記】INPHOTECH SP. Z O. O.
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】ナピエララ,マルク
(72)【発明者】
【氏名】ムラウスキ,ミハウ
(72)【発明者】
【氏名】ピテル,アンナ
(72)【発明者】
【氏名】ソストキエヴィチ,ウカシュ
(72)【発明者】
【氏名】ジオロヴィチ,アンナ
(72)【発明者】
【氏名】シマンスキー,ミハウ
(72)【発明者】
【氏名】オストロウィスキー,ウカシュ
(72)【発明者】
【氏名】フィリポヴィチ,マルタ
(72)【発明者】
【氏名】パウリック,カタジィナ
(72)【発明者】
【氏名】ナシロウスキー,トマシュ
【テーマコード(参考)】
2H150
【Fターム(参考)】
2H150AC57
2H150AF03
(57)【要約】
絶縁されたコアを有するマルチコア光ファイバを含み、コア絶縁部がコアの近傍の屈折率の低減ゾーンであると見なされる本発明によるファイバ光カプラであって、N個の出力光ファイバに接合された絶縁されたコアを有する少なくともN−コアのマルチコア光ファイバに接合された少なくとも1つの入力光ファイバを含み、コアの絶縁は、コアの近傍の屈折率縮減ゾーンの寸法を縮減することによりマルチコア光ファイバの少なくとも1つの部分で縮減されるファイバ光カプラ。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁されたコアを有するマルチコアの光ファイバを含み、コアの絶縁がコアの近傍の低減された屈折率で特徴付けられるゾーンの発現で構成されるファイバ光カプラであって、少なくとも1つで最大N個の出力光ファイバ(1)又は(9)に接合され、絶縁されたコア(4)を有するNコアで少なくともデュアルコでさらにはマルチコアの光ファイバ(2)に接合された少なくとも1つで多くてもN個の光ファイバ(1)又は(9)を有し、コア(4)の近傍の低減屈折率ゾーンの寸法を減少させることにより、コアの絶縁がマルチコアの光ファイバ(2)の少なくとも1つの部分で低減されることを特徴とするファイバ光カプラ。
【請求項2】
コンポーネント・マルチコア光ファイバ(2)は、空気孔(6)の形態の絶縁を有するコア(4)を有することを特徴とする請求項1に記載のファイバ光カプラ。
【請求項3】
マルチコア光ファイバ(2)の少なくとも1つの断片がある部分でテーパリングされ、その孔(6)が潰されることを特徴とする請求項1又は2に記載のファイバ光カプラ。
【請求項4】
付加的にテーパリングされずにマルチコア光ファイバ(2)の少なくとも1つの断片とその孔(6)が潰されることを特徴とする請求項1又は2に記載のファイバ光カプラ。
【請求項5】
コアの絶縁が低減された部分の前後のコア(4)の絶縁部が−10dB未満のレベルのクロストークの発生を保証する光ファイバが利用されることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4に記載のファイバ光カプラ。
【請求項6】
コアの絶縁が低減されるファイバ部分の長さは300μmよりも大きく、設計された信号分割レベルはこの長さとテーパ比及び/又は孔(6)の破壊レベルに依存することを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5に記載のファイバ光カプラ。
【請求項7】
テーパ比は0〜95%であり、該テーパ比はファイバ断面(6)の縮減率で構成されることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6に記載のファイバ光カプラ。
【請求項8】
マルチコアの光ファイバ(2)に接続されるシングル光ファイバ(1)は標準的なシングルモード光ファイバであることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7に記載のファイバ光カプラ。
【請求項9】
Nコアで少なくともデュアルコでさらにはマルチコアの光ファイバ(2)のコアのうち、少なくとも1つのコアは、その1つ以上のモードが励起されるアドレッシングされるコアであり、使用される波長で複屈折性及び/又はマルチモード又はフューモードであり、少なくとも1つのコアは、その1つ以上のモードがアドレッシングされる1つ以上のコアの1つ以上の特定のモードを励起するために使用されるアドレッシングするコアであり、使用される波長で複屈折性及び/又はシングルモード又はマルチモード又はフューモードであり、Nコアのファイバ(2)は少なくとも1つで最大N個の少なくともシングルコアの入力ファイバ(1)又は(9)又は(13)に接合され、Nコアのファイバ(2)の反対側には、少なくとも1つで最大N個の少なくともシングルコアの出力ファイバ(1)又は(9)又は(11)が取り付けられ、Nコアのファイバ(2)の少なくとも1つの部分ではコアの絶縁が縮減され、マルチコアのファイバ(2)の出力でアドレッシングされるコア内に存在するパワーはマルチコアのファイバ(2)の入力におけるよりも大きいことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のファイバ光カプラ。
【請求項10】
絶縁の構造は、空気又は気体又は固体又は液体が充填された孔(6)から選択される低減された屈折率を有するゾーンの形態を有することを特徴とする請求項9に記載のファイバ光カプラ。
【請求項11】
アドレッシングする複数のコアのモードの実効屈折率が相違することを特徴とする請求項9又は10に記載のファイバ光カプラ。
【請求項12】
アドレッシングされるコア(10)とアドレッシングするコアが特定のモードの同一の屈折率を有することを特徴とする請求項9又は10又は11に記載のファイバ光カプラ。
【請求項13】
マルチコアのファイバ(2)の出力でアドレッシングされるモードの形態でアドレッシングされるコア内に存在するパワーと、マルチコアのファイバの入力でアドレッシングモードの形態でアドレッシングするコア内に存在するパワーとの比率は−5dBよりも大きいことを特徴とする請求項9又は10又は11又は12に記載のファイバ光カプラ。
【請求項14】
1つのアドレッシングするコアのみを励起する場合は、特定のアドレッシングする1つ又は複数のコア及びアドレッシングされる1つ又は複数のコア内の初期励起されたアドレッシングモードによるアドレッシングがされないモードの形態でマルチコアの出力に存在するパワーと、初期励起されたアドレッシングするコア内のアドレッシングモードの形態のマルチコアの入力でのパワーとの比率は−10dB未満であることを特徴とする請求項9又は10又は11又は12又は13に記載のファイバ光カプラ。
【請求項15】
ファイバのテーパリング及び/又はその孔(6)の破壊としてのファイバ修正部の長さは、マルチコアのファイバ(2)の使用される長さに等しいことを特徴とする請求項9又は10又は11又は12又は13又14に記載のファイバ光カプラ。
【請求項16】
低減された屈折率を有するゾーンはファイバクラッド(5)材料で充填され、ファイバクラッド全体が低減された屈折率を有するゾーンの役割を果たすことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のファイバ光カプラ。
【請求項17】
マルチコアのファイバ(2)に接続された1つ又は複数のファイバ(1)又は(9)又は(13)は、シングルモード(1)及び/又は複屈折性(13)及び/又はマルチモード(9)又はフューモード(9)のファイバから選択されることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載のファイバ光カプラ。
【請求項18】
マルチコアのファイバ(2)に接続された1つ又は複数のファイバ(1)又は(9)又は(13)は、マルチコアのファイバのコアの屈折率分布に対応するコアの屈折率分布を有することを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載のファイバ光カプラ。
【請求項19】
1つ又は複数のコアをアドレッシングする役割がアドレッシングされる1つ又は複数のコアによって果たされ、アドレッシングされる1つ又は複数のコアの役割がアドレッシングする1つ又は複数のコアによって果たされる、モードが逆多重化される逆構成で使用可能であることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載のファイバ光カプラ。
【請求項20】
コア間の結合、ひいては信号の分割は、特にファイバを圧電構造に巻回し、又はファイバを変形する機械的装置を使用して、伸長及び/又は圧縮及び/又は曲げ及び/又は捩じりによる張力及び/又は温度によってテーパ長を変更することによって変更可能であることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載のファイバ光カプラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、微細構造のマルチコア光ファイバを利用したファイバ光カプラである。
【背景技術】
【0002】
パワーカプラは、光ファイバの利用に基づく通信回線に使用される基本構成要素の1つである。より高いデータ伝送密度の開発に向けて、電気通信市場はデータ伝送密度の向上、機能の改善及び新システム導入のコスト削減に重点を置く観点から、データレシピエントの要件を考慮に入れなければならない。ファイバ光カプラの目的は、1つ又は複数の入力光ファイバから1つ又は複数の出力光ファイバへパワーを伝送することである。カプラは任意の入出力構成で実施することができる。最も一般的なタイプのカプラには、xタイプのカプラ(2入力、2出力)とyタイプのカプラ(1入力と2出力/2入力と1出力)とが含まれる。このようなカプラには対称バージョンと非対称バージョンの両方がある。しかし、市場の需要は、チャネル数がより多いカプラを製造する必要があると判断した。必要に応じて、カプラは任意の数の入力と出力とを有し得るのに対し、主な制約はカプラ製造能力である。極端な例では、カプラの入力が出力よりも少ない場合(特にカプラが1つの入力とN個の出力を有する場合)は、カプラはパワースプリッタになる。N個の入力と1つの出力がある場合は、カプラは光信号コンバイナになる。
【0003】
最先端のアクセスネットワーク、特にFFTxネットワーク(xに引き込むファイバ、例えばFTTH−家庭に引き込むファイバ)として定義されるアクセスネットワークの全面的な展開を確実にするため、適切に統合されたパワースプリッタとコンバイナが必要である。
【0004】
FTTxネットワークは通常はPON(受動光ネットワーク)技術で構築される。論理スタートポロジで実行されるポイント−マルチポイントネットワークが存在する。物理的トポロジは主として加入者の分布に依存する:一世帯住宅の場合は、最も一般的なトポロジはバスネットワークであるのに対して、多世帯住宅の場合は、最も一般的な解決策はツリートポロジである。いずれの場合も、その中央点は信号を分配装置、すなわちOLT(光回線終端装置)からレシピエントとのネットワーク端末、いわゆるONT(光ネットワーク端末装置)に分割する光カプラから構成されている。
【0005】
電気通信に利用される最新の市販の信号結合要素は、一般に2つの技術:光ファイバ融着(FBT−融着双円錐(Bionical)テーパ)及びプレーナ技術(PLC−プレーナ光波回路を使用して製造される。バスネットワーク技術の場合は、利用される光カプラは通常はFBT技術で実施される。多数の出力ポートを必要とするツリーネットワークトポロジの場合は、利用される主要な解決策はPLCカプラである。
【0006】
FBTカプラは、2つの光ファイバを互いに隣接して配置し、次いでこれらを互いに融着し、テーパリングして単一の導波路を生成することによって形成される。この構造では、適切に近接したコアはもはや別個の通信チャネルとして扱うことはできない。カプラのアームの1つに入る信号はテーパエリアへと通過し、そこで光ファイバの寸法がかなり減少することによって、コアは光を伝送する能力を失い、したがって光はガラス面全体により伝導され、空気がクラッドの役割を果たす。テーパリングされた光ファイバが拡開すると、その直径も増大するコアはその導光能力を回復する。このような配置では、構造全体についてマクスウェル方程式が解かれ、一部又は全部のコアを同時に伝搬するいわゆるスーパーモードが生じる。構成に応じて、このような構造での光伝搬を利用してパワーコンバイナ又はスプリッタを構築することができる。
【0007】
FBT技術による融着を介したカプラ製造工程が、前述のカプラ及びその製造方法を記載している特許文献、米国特許第4550974号明細書に記載されている。これに提示されているカプラは対称型の2x2カプラであるが、非対称型カプラ、すなわち不均一なパワー分割を伴うカプラも製造可能である。このようなカプラは、複数の入力のうち1つだけを使用すれば、1x2パワースプリッタ構成で動作可能である。その特徴は、外部ネットワークの条件変化に対する耐性が高く、挿入損が少なく、逆反射が僅かであることである。このようなカプラの欠点の1つは最大のポート数が4個であることであり、それ以上のポートがある場合には均一なパワー分割の達成が困難であることである。
【0008】
FBTとは対照的に、PLCプレーナ技術は、より多数の入力ポート(4〜128個)を有し、製品自体の小さい寸法、並びに1260〜1650nmのスペクトル範囲全体にわたる高い動作安定性を保証するカプラの製造が可能である。このような構造は特に、集積光学素子に利用される。このような構造を備えるデバイスの特徴は、モード変換を行う必要があるため損失が比較的多く、かつ内部損失が多いため、損失全体が数デシベルに達することである。加えて、集積光学系と光ファイバとを組立て、連結する技術には高度で高コストの方法が必要である。PLCカプラの構造とその製造方法は、特に特許文献、米国特許第5745619号明細書、及び米国特許出願第2003001289A1号明細書に記載されている。
【0009】
現在利用されている光カプラの基本パラメータは、アクセスネットワーク、特に全ての伝送段階で使用される光ファイバの使用を前提とするFTTネットワークと定義されるアクセスネットワークの普及の大きな障害となっている。したがって特にパワーコンバイナ及びスプリッタとして利用される微細構造のマルチコア光ファイバを利用するファイバ光カプラから成る発明の目的は、任意数のチャネルに最適なパワーを保証する素子としての役割を果たすデバイスを開発することであった。
【0010】
一方、この特許の本質を構成する製造技術は、光ファイバに基づく電気通信システムに統合することが困難なプレーナ技術と比較してより有利な光ファイバからのカプラの製造を前提としている。利用される製造技術によって、この発明によるデバイスは損失を少なく保つと共に、必要なパワー分割を保証する。2つの判断基準−特定のパワー分割、及びこのような分割中の少ない損失は、共通の有用性に関する要点である。開発される全ファイバ光カプラによって、分割時の光パワー損失を0.5dB未満に低減することが可能になり、理論上は損失をゼロに近づけることができる。加えて、上記のデバイスは広範囲の温度で利用できる。本発明の本質的な利点は、どのような構成でも、すなわちパワースプリッタ及びコンバイナの両方、並びにMxMカプラとして動作可能であることにある。加えて、スプリッタ/コンバイナ/カプラとして動作可能であることで、このデバイスを光スイッチとして使用できるようになる。
【0011】
微細構造ファイバとも言われるフォトニック結晶ファイバの発明に伴い、光ファイバにおけるモード成形の可能性が大幅に広がった。微細構造ファイバの場合に構造的空孔の配置や特性の操作を伴う微分幾何学(幾何学的差違)によって、発明者らは従来の光ファイバを使用しても達成できなかったファイバ特性を生成することができる。これらの特性には、例えば極めて広いスペクトル範囲でのシングルモード動作、高い複屈折性、高い圧力感度、伸長及び他の多くの特性が含まれる。モードの特性に対する空孔の影響は、外部要因の影響がない光伝搬に関しては僅かであるが、付加的な外部要因が生じるとファイバの性能を大幅に高めることがある。このような適用例には、例えばその光ファイバが空孔によって囲まれたコアを含む低曲げ損失ファイバがあり得る。このような光ファイバは、SEI Technical Review 75号(2012年)に発表されているToshiki Taro等の「低曲げ損失のシングルモード空孔アシストファイバ」というタイトルの論文に提示されている。このタイプのファイバの利点は曲げると明らかになる−コアが空孔によって囲まれていない光ファイバの場合は、曲げるとかなりの損失が生じる。空孔アシスト絶縁の場合、「モードアウトフロー」の可能性があり、大構造の屈折率ピッチ(孔には様々な物質が充填され得るが、孔領域の屈折率は空気の屈折率であるとみなされる)が生じるため、クラッドへのモードパワー放射は実際には不可能である。したがって、孔の存在は、これらの位置がコアから比較的離隔しているため、分散や減衰などの特性にはさしたる影響を及ぼさないが、外部要因による伝搬の特性に影響を及ぼす可能性がある。
【0012】
微細構造の光ファイバの空孔は、伝搬にはさほど関与せずに(大きな関与はLMA−8光ファイバの場合に見られる)マルチコア光ファイバを構築するためにも使用できる。コアの周囲に空孔があることにより、特定のコア間のパワー伝搬は実質的になくなる−いわゆるクロストーク現象は発生しない。更に、孔はコアを絶縁することができ、これは各コア内のパワーの伝搬が実質的に独立していることを意味する。コアは、モードを特定のコアに割り当てることができないように孔で囲むこともできる−このようなコアは「結合」コアと呼ばれ、スーパーモードが構造を伝搬する。絶縁されたコアであるのか結合されたコアであるかは、構造の材料及び幾何的なパラメータに依存する。ほとんどの場合、孔を減らし、孔をより近くに橋絡すると、スーパーモードの伝搬が、ひいてはコア間のパワーの伝達が容易になる。
【0013】
微細構造の光ファイバを広範に利用できるのは、それらのパラメータ、例えば孔の圧壊、ファイバのテーパリング、孔の充填などを修正することによりそれらの特性を用いることができるからである。したがって、光ファイバの製造後に伝搬状態を変えることも可能である。
【0014】
空孔破壊(空孔潰し)技術は周知であるが、特定のマルチコア光ファイバのコア間の光ファイバの結合を達成するためにこの現象の制御された利用は未だ開発されていない。
【0015】
例えば特許文献、米国特許第6631234号明細書は、フォトニック結晶ファイバに基づくカプラを得るために加熱及びテーパリングによって光ファイバを加工する可能性を記載している。シングルコアのフォトニック結晶ファイバだけが考慮されている。コア圧壊現象は「クラッドとコアとの間の示差屈折率の弱化及び破壊」として記載されている。更に、空孔のサイズの制御された差別化、及び光ファイバの直径の変更を用いて光ファイバの複屈折を修正することもできる。
【0016】
フォトニック結晶ファイバの空孔破壊は微細構造の光ファイバを接続するためにも利用することができる。空孔破壊現象は、接続損失を生じるため問題であると見なされてきた。この現象は(例えば段階的な空孔破壊によって)利用し、又はなくすることができる。しかし、ほどんどの場合、接続技術はシングルコアのフォトニック結晶ファイバ向けであると見なされている。
【0017】
例えば、特許文献、米国特許出願第20080037939号明細書で、発明者は接合部の損失(接続損失)を低減するために段階的な空孔破壊を利用するシングルコアのフォトニック結晶ファイバのテーパリングを提示している。
【0018】
一方、特許出願第20060067632号明細書は、損失をできるだけ最小にするために、接続実行方法が可能な限り少ない空孔破壊に重点を置き、コアが小さいことを特徴とするシングルコアのフォトニック結晶ファイバ接続方法を提示している。
【0019】
シングルコアのフォトニック結晶ファイバの接続方法は、孔破壊が損失の原因であることが明示されている特許文献、米国特許第7609928 B2号明細書にも記載されている。
【0020】
微細構造のマルチコア光ファイバの加工(接続、テーパリングなど)での孔潰しの利用は、様々なタイプのセンサを構築する場合に望ましい現象として利用することができる。
【0021】
例えば、特許出願第20090052852号明細書は、シングルコアの微細構造光ファイバのテーパ部での孔崩壊方法を提示している。この発明は、(コア及びクラッドに実施される)そのモードによって互いに干渉可能な孔の完全な崩壊を目的としている。このようにして、特定のマッハツェンダ干渉計が形成される。
【0022】
接続領域が融着され、クラッドモードとコアモードとが2つの干渉計で実施される類似の解決策が、特許文献、欧州特許第1939659 B1号明細書に記載されている。
【0023】
更に、標準のシングルモード・シングルコア光ファイバに基づく現代の電気通信ネットワークは、容量が限定されているため間もなく不十分になる。この問題を解決する戦略の1つが、伝送用にフューモード光ファイバを使用し、各モードが独立した伝送チャネルとして使用されるモード分割多重化である。フューモード光ファイバに基づく伝送ネットワークを構築できるには、多重化(合波/multiplexing)及び逆多重化(分波/demultiplexing)モードのための特別の構成部品が必要である。多重化モードは、N個の標準型シングルモードファイバからの信号を結合し、これらをN個の独立したチャネルとしてマルチモードファイバ(フューモード)に導入する。そのために、先ず標準型シングルモードファイバから特定モードへの信号変換が行われ、次いで全チャネルがフューモードファイバに置かれる。逆多重化の間は、幾つか(N)の独立したチャネルであるフューモードファイバのNのモードがN個の出力に分割される逆のプロセスが実施される。したがって、フューモード光ファイバ内でチャネルを多重化、逆多重化することが可能なデバイスが必要である。加えて、このタイプの素子が低損失、及び高いモード選択可能性を特徴とすることが必要である。
【0024】
選択的モード励起方法の1つは位相プレート、又はSLMを使用する。いずれの場合も、光ビーム(通常は基本モード)は、位相構造−結果としてプレートの後方から一定距離を置いた特定の高次モードをもたらす所定の屈折率分布を有する透明素子に当たる。同様に、加えられた適切な位相遅延を導入するSLMを使用することができる。SLMを使用する場合は位相遅延をプログラムすることができ、その結果、任意の形状の高次モードが得られるため、使用時にSLMは極めて多用途である。これらの方法はいずれも、フューモードファイバの光ビーム入力及び出力でバルク光学系を使用する。その結果、残念ながら、幾つかの素子から構成されることが多いこのタイプの装置のサイズは大きくなってしまう。同時に、精密度が高いデバイスを使用すると価格は高くなる。この方法は最も簡素であると思われるが損失を伴う。R.Ryf等の論文「コヒーレント 6x6 MIMO処理を使用する96Kmよりも大きいモード分割多重化」(2012年、Lightwave Technol.ジャーナル30号)は、6つの独立したチャネルによる伝送のフューモード多重化を用いた多重伝送を提示している。達成された伝送速度は96Kmの距離にわたって640Gb/sであり、損失は1.2dB未満であった。ビームを所望のモードに成形する素子がSLMであったフューモード光ファイバでの信号伝送システムも示されている。ファイバ光学系ネットワークでは、バルク光学系の使用は、バルク光学系から光ファイバへの伝送に必然的に伴う導入損失に結び付く。
【0025】
「フォトニックランタン」と呼ばれる別の方法は、必要なパラメータを有する幾つかのシングルコアのファイバのテーパリングに基づくものである。これらのパラメータ(コアのサイズ、コアの屈折率)は一般に、コアが独立した導光を停止するまで異なっており、その結果、屈折率が低減され、ファイバクラッドの役割を果たすガラス製の外部細管を有するフューモードファイバが形成される。入力でのシングルコアファイバのパラメータを適宜に選択することによって、出力で特定のモードが得られる。同時に、どの入力にシングルコアファイバの信号が導入されるかに応じて、出力で別のモードを刺激することが可能である。この方法の利点は、損失が極めて少なく、光ファイバ技術(全ファイバ型)を使用することである。しかし、課題はモード間のクロストークを低く抑えることである。現在は、このタイプのマルチプレクサを使用する伝送は、多重化中のモード間の結合度が高いため、逆多重化の間に電子信号処理を適用することが必要である。
【0026】
選択的なモード励起のために、集積光学系を使用することも可能である。例えば、長周期ファイバグレーティングに基づくコンバータがある。I.Giles等の論文「マルチモードSDM技術のためのファイバLPGモードコンバータ及びモード選択」(2012年、IEEEフォトニック技術論文集)は、長周期ファイバグレーティングに基づくこのようなデバイス、及びその試験方法の構想を提示している。集積光学系を使用する別の方法は、対称又は非対称型カプラを使用することである。選択的モード刺激(励起)のための別の方法は、非対称型プレーナ構造、プレーナ型のY形状(Y接合部)である。J.D.Love、N.Riesen共著の論文「シングル−数−及びマルチモードY接合部」(2012年、Lightwave Technol.ジャーナル30号、304〜309ページ)には、高次モードを刺激するために使用されるこのタイプの非対称構造のシミュレーション結果が提示されている。
【0027】
特に、Sung Hyok Chang等の論文「モード選択カプラに基づく全ファイバ型マルチプレクサモードを使用するモデル及び波長分割多重化伝送」(2015年、Opt.Express、23号)の例があり、これは3つのモードを多重化、逆多重化するためのファイバカプラを使用しており、解決策は従来のカプラのカスケードに依存している。この解決策はマルチコア光ファイバ又は微細構造のファイバを含んでおらず、この多重化方法より多く使用することはより多くのモードに拡張するのは容易ではない。
【0028】
次に、欧州特許第2336813号明細書は、選択的な、特に精密なアドレッシングモードがないモード多重化を用いた伝送用のマルチコアファイバに関するものである。ファイバ内のモードはグループに結合され、コア構造は絶縁を有さない。この発明の説明では、多重化と逆多重化の可能性だけが述べられているが、この動作の実行方法は開示されていない。説明と図面の内容で間接的に、この動作がプレーナ位相プレートによって、又はその類似物によって実行されるとの結論が得られる。したがって、ファイバ光学系だけを使用することによっては、多重化と逆多重化は例示されている実施形態には含まれず、発明の目的に適う追加の構成部品を使用する必要がある。
【0029】
同様に、解決策、欧州特許第2706387号明細書は、空間多重化のための光ファイバに適用される。この実施形態では、前述のように、多重化又は逆多重化現象は外部素子(外側の光ファイバ)だけで起こり、変換された信号のみが伝送専用のファイバ内に導入される。
【0030】
信号多重化を可能にする素子は、通常はバルク光学系に基づくデバイスであり、例えばバルクマルチプレクサの設計に関する米国特許第6332050号明細書に開示されているデバイスである。これらのタイプの解決策は高価で効率が悪く、それが本発明の研究の出発点であった。
【0031】
他方では、米国特許第米国特許第2013039627号明細書は、モード多重化に基づく伝送用の結合されたコアを有するファイバの使用に関するものであるが、アドレッシングモードがどのように実行されるか、追加の実験的研究の説明に基づいて何が必要であると思われるかが開示されていない。
【0032】
次に、米国特許第出願第2015188659号明細書は、リング共振器を使用する多重化及び逆多重化方法を開示している。この解決策は、複雑さが膨大であることを特徴とし、その設計が純然たるファイバ光学系ではないことを考慮すれば、単純にファイバインフラストラクチャに含めることはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
周知の解決策は、とりわけ甚大な複雑さを特徴とする。したがって、本発明の目的は、どのモードをどの程度まで刺激(励起、アドレッシングと同義)するかの制御に問題の多い先行技術の欠点を取り除く素子を提供し、それを使用することによってモード信号を効率的かつ独立して実行できるようにすることである。本発明を用いることによって、1つの光ファイバで幾つかのモードを用いて(モード多重化)、伝送を実現可能である。本発明を用いることによって、アド−ドロップマルチプレクサを実現することも可能である。加えて、本発明の目的は、プレーナ/バルク光学系と光ファイバとの接合を避けることが可能な光ファイバ技術で構造全体を開発することであった。本発明により、モード、すなわち基本モード、高次モード及び偏光モード(polarization modes)にアドレッシングすることができる。偏光モードのアドレッシングは、とりわけ偏光を維持する光ファイバポラライザ、光ファイバ偏光分割器(スプリッタ)、及びファイバ光カプラの構築に有効に利用することができる。このような素子の構成も市場の需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明のパワーカプラによって、マルチコア光ファイバ構造の制御された孔潰しを利用することにより効果的な光パワー結合が可能になる。有用にコアが絶縁されたマルチコア光ファイバは、基本媒体として利用されるのに対して、絶縁されたコアは−10dB又は好適にはそれ以下の相互間のクロストークのコアとして構成され、これはコーティングの屈折率と比較して屈折率が低いことが特徴であるコアの近傍領域が生じることによって確保される。有利な実施形態では、屈折率が低減したゾーンは、好適には空気を充填した孔の形態を取る。このような孔はクロストークを最小化し、信号伝搬パラメータ(損失、分散)に対するその影響は有利なことに僅かである。更に、孔によって理論上は損失を生じることなく、光はカプラに入射することができる。
【0035】
本発明の基本構成では、本発明によるファイバ光カプラは、片側で単一の光ファイバ、好適には標準的なシングルモードの光ファイバと、好適には標準的なシングルモードの光ファイバである少なくとも2つの単一光ファイバとに接続されたマルチコア光ファイとを含み、上記光ファイバは細管内に配置することができるが、これらのコアとマルチコア光ファイバのコアとを整列させるためにエッチング及び/又はテーパリングすることもでき、マルチコア光ファイバの少なくとも1つの断片は300μm以上の断面になるようにテーパリングされ、及び/又はこの断面の孔は潰される。一方、単一の光ファイバからの信号が微細構造のマルチコア光ファイバのコアの1つ、好適には中央のコアを通過するようにパワー分布がなされ、コアの絶縁により信号は、微細構造のマルチコア光ファイバの孔が破壊され、及び/又はテーパ領域までこのコアを通過する。微細構造のマルチコア光ファイバの孔が破壊され、及び/又はテーパ領域では、例えば好適には融着スプライサで実施できるように、孔のテーパリング及び/又は潰しのプロセスのパラメータを適切に選択することで実施できるように、コア間のクロストークを増加することによって、コアの絶縁は制御された状態で低減される。テーパ部のウエスト領域と遷移領域及び/又は孔の破壊領域の外側のマルチコア光ファイバ部分の長さは、カプラの性能及び効果的なパワー分割にはそれほど影響しない。
【0036】
微細構造のマルチコア光ファイバの孔が破壊及び/又はテーパリングされる領域ではコアは絶縁されず、スーパーモードが生じる。したがって、孔の破壊の結果であるコア絶縁の低減により、及び/又はテーパ部の場合にコアを互いに近接させることにより、かつ融合されたコアが結合される(特定のコアのクロストークが増大する)ため、光ファイバは絶縁されたコアの動作から結合されたコアの動作に移行する。
【0037】
その結果、1つのコアを導通するパワーは、好適には全コアに分割される。有利な実施形態では、テーパ長は300μm以上であり、及び/又はテーパ部分の孔が潰されて、テーパ長及びテーパ比及び/又は孔潰しのレベルがパワー分割の度合を決定する。一方、全コアへのパワー分割が有利に均等になるテーパ長及びテーパ比及び/又は孔潰しのレベルを見つけることができる。
【0038】
テーパ比はテーパのウエスト部のファイバ断面積の減少率であると見なされるが、有利な実施形態では、この断面積は均一に減少する。テーパ長は好適には所望のパワー分割を目指す実験によって選択される。
【0039】
微細構造のマルチコア光ファイバの設計に応じて、任意のMxN分割を達成できる。様々なタイプの効果を達成するために、コアを完全に潰す必要はない。加えて、特定のコアへの様々な分割は、温度、応力(伸長、圧縮、捩じり、曲げなど)、圧力他による外部からの相互作用を導入することによって実行することができる。マルチコアファイバの設計は、テーパリング及び/又は孔潰しの結果としてパワー分割に直接影響する。
【0040】
別の実施形態では、本発明によるファイバ光カプラは、好適にはシングルモードの少なくとも1つの入力光ファイバ、及びN個の出力光ファイバ、及びコアが絶縁された少なくともN個のコアを有するN個の出力光ファイバを含む。
【0041】
標準的なシングルモード光ファイバ(1つ又は複数)を伝搬する信号は、マルチコアの微細構造光ファイバへ送られる。
【0042】
入力光ファイバ(1つ又は複数)はマルチコアファイバに接続される。マルチコア光ファイバを通過した後、信号はテーパ部を、及び/又は孔潰しなしで、信号がテーパ領域(テーパ遷移領域、次いでテーパのウエスト領域)及び/又は孔潰し領域に入るまで、更にこのコア(1つ又は複数)を伝搬する。
【0043】
テーパ遷移領域では、光ファイバの断面積:コーティング、コアと孔の直径は、設計通りのターパウエスト部の直径が得られるまでテーパリング動作が行われるように減少する。孔直径の減少と特定のコアの近似及びコア直径の減少は、伝搬特性の変化、いわゆるコア絶縁低減を引き起こし、その結果、スーパーモードが生じることでパワーが任意のコア(1つ又は複数)から残りのコアに伝送される可能性が生じる。テーパのウエスト領域では、孔は完全に潰され、又はそれらの直径が一定を保つ。
【0044】
所望のパワー分割に応じて、縮径された孔の直径を選択し、テーパ部(テーパ遷移領域とテーパウエスト領域の両方)の長さ及びテーパウエスト比を選択することにより、分割を調整できる可能性がある。この光ファイバー設計では、パワーの均等な分割を可能にするパラメータの組み合わせがある。テーパ部で得られるパワー分割の固定は、遷移部からコアが絶縁された部分への通路でのモード構造の「フリーズ」に起因する。本発明で達成される低損失は、マルチコアファイバの特徴的なテーパリング及び/又は孔潰しによって行われるスーパーモードの常態的刺激の結果である。接続部の孔潰しはスプリッタとして機能するデバイスを作成するが、通常は損失がより大きくなる。
【0045】
本発明によるデバイスは、以下のようにも使用することができる。例えば、2つの波長が入力光ファイバを伝搬する場合、それらの各々に異なる経路が存在し、その各々を辿って所与の波長が完全にマルチコア光ファイバ、特にデュアルファイバの2つのコアのうちの1つに位置する。したがって、入力ファイバを伝搬する2つの波長をマルチコアファイバの別個のコアに、そして出力光ファイバに首尾よく分離できるようにテーパリング及び/又は孔潰しパラメータを選択することができる。波長を特定のコアに分離する原理と同じ原理をこの例に示す2つのコア以上の多数のコアに、またより多数の波長に適用できる。
【0046】
本発明の有利な実施形態では、特定の用途で信号は1つの出力のみから収集される。このような状況は、例えばある波長が単に分離されるのではなく、特定の波長がフィルタリングされなければならない場合に生じる。この場合は、デバイスの動作原理は変わらないが、素子の目的が変わる。波長をフィルタリングする場合、1つ又は幾つかの出力光ファイバが使用され、残りのファイバは未使用のまま残され、又は1つのファイバが出力に接続され得る。1つのファイバを出力に接続することは技術的な観点から有利である。直列に接続されたテーパアダプタに可変テーパパラメータを適用することによっても、有効波長をスペクトルからフィルタリングすることができる。
【0047】
入力パワーに対する制御されたパワー比率%を達成するためにテーパパラメータを適応されることもできる−この場合、デバイスは減衰器の機能で動作する。光共振器のQファクタを調整するために、このような素子を光キャビティのQファクタを調整するための光キャビティに利用することができる(Qスイッチとしての動作)。
【0048】
上記のカプラ動作原理は、以下のように有用に反転させることができる。絶縁されたコアを有するマルチコアファイバに接続された光ファイバに光信号のビームを入射させることができる。非テーパ部では、伝搬は入力光ファイバで行われる伝搬に関する特性を変化させない。テーパ及び/又は孔潰し領域では、伝搬は絶縁されたコアの動作から結合されたコアの動作へと移行する。スーパーモードが生成され、その結果、独立して進行してきた信号がこの時点で合流する。少なくとも1つのシングルコア光ファイバがマルチコア光ファイバに接続される。このように、入力コアからの合流信号はこの時点で、適切なパワー損失を伴って出力光(1つ又は複数)ファイバを伝搬する。したがって、これはシステムの構造的及び/又は技術的修正を必要とせず、入力−出力配置の修正を導入する、スプリッタ構成の「ミラー」構成であり、これを以下にコンバイナと呼ぶ。このタイプの構成の用途は以下の通りである。異なる波長が入力光ファイバを含む各ファイバを伝搬すると、混合信号が出力光ファイバ(1つ又は複数)の出力で得られ。幾つかの波長を有する信号が1つの光ファイバを伝搬する。
【0049】
別の実施形態では、本発明によるカプラにより、制御されたアドレッシングモード用の素子の構築が可能になり、これは屈折率が低減したゾーン(空間)により絶縁されがコアを有するマルチコア光ファイバを含む。好適には、マルチコア光ファイバの少なくとも1つのコアはフューモード、又は(分離された偏光モードを有する)複屈折型であり、そのモードを独立してアドレッシング(刺激、励起、多重化と同義)できることを意味する。これは、アドレッシングするコアとアドレッシングされるコアの各コアが、1つのコアを他のコアから絶縁する絶縁構造によって囲まれている場合、特に、絶縁構造が、好適には空気又は他の気体、固体又は液体で充填された孔から成る屈折率低減ゾーンの形態を有している場合に好適である。特に、孔にはファイバのクラッド材料を充填することができ、それによりクラッド全体が、コアを絶縁する屈折率低減ゾーンの機能を果たす。絶縁はコア上のスーパーモード生成(形成)の効率を低く保つ−絶縁を低減しないゾーンでは、任意のコア対の間に観察される最高クロストークは−10dB未満である。
【0050】
アドレッシングされるコア、あるいは(モードの1つがアドレッシング/多重化される)多重化されたコアは、フューモード及び/又は複屈折(birefringent)コアであり、特定モードの別個の実効屈折率を有する。コアの複屈折は、任意の周知の方法、例えばコアの楕円率又はコア周囲の応力状態によって達成される。「マルチモード」及び「フューモード」という用語はコアファイバが、使用される波長での別個の偏光モードを含む少なくとも2つのモードを有する任意のモードであると理解される。本特許の広範でこれらの用語は同義として用いられるため、文献にはマルチモードファイバとフューモードファイバには明確に定義された差異はない。
【0051】
アドレッシングされるコアの近傍には、少なくとも1つの、好ましくは、シングルモードのアドレッシングするコア、あるいは、アドレッシングされるコア内のモードの1つの実効屈折率と整合するような実効屈折率を有する多重化コア(アドレッシングされる/多重化されるコア内の特定のモードを励起/アドレッシングするためにそのモードが用いられるコア)がある。「特定モードの刺激/励起」はそのアドレッシング、ひいてはコアを別個に考慮すると、モードの実効屈折率を調整することによって条件付けられるコア上に効果的にスーパーモードを形成(実際にはクロストークを観測)可能であることを意味する。絶縁を低減した後、コアは結合され、そこで既に個々のモードではなく、両方のコアで生成されるスーパーモードが問題になる。
【0052】
個々のコアが別個の屈折率を有し、他のコアが調整された実効屈折率を有するように、モードの実効屈折率を選択することには2つの役割がある。それは第1に、アドレッシングするコア間のクロストークを低減し(各モード対の実効屈折率の分離によるスーパーモードの非効率な形成)、第2に、位相整合によってアドレッシングするコアとアドレッシングされるコアとの間の選択的なクロストークを可能にする(スーパーモードの効率的な形成)。絶縁が低下(低減)したエリア内でのスーパーモードの様々な成形能力は、絶縁されたコアを有する構造内のモードの屈折率を選択することにより可能になる−特定のモードでは屈折率が近いほど、それらにより効率的なスーパーモードが形成され、したがって、アドレッシングモードの形態でアドレッシングするコア内に存在するパワーに対するアドレッシングされるモード(基本モード、高次モード、偏光モード)の形態でアドレッシングされるコア内に存在するパワーは大きくなる。
【0053】
絶縁されたコアを有する少なくともデュアルコアファイバのマルチコアファイバは、少なくとも1つの、少なくともシングルコア入力ファイバに接続され、マルチコアファイバに反対側には少なくとも1つの、少なくともシングルコア出力ファイバが取り付けられ、マルチコア光ファイバに取り付けられた入力ファイバ及び出力ファイバは細管内に配置することができ、それらのコアが好適にはマルチコアファイバのコアに整列されるようにエッチング及び/又はテーパリングされ得る(ファンイン−ファンアウト素子タイプ)。マルチコアファイバの少なくとも1つの断片内では、コアの近傍の屈折率が低減したゾーンのサイズを縮減(低減)することにより、及び/又はそれらの構造を潰すことにより、コアの絶縁は縮減(低減)される。コア絶縁が低減され得た領域では、特定のアドレッシングするコア(単数又は複数)及び/又はアドレッシングされるコア(単数又は複数)にスーパーモードが形成される。マルチコアファイバの出力でアドレッシングされるモードの形態でアドレッシングされるコア内に存在するパワーと、マルチコアファイバの入力にアドレッシングモードの形態でアドレッシングするコア内に存在するパワーとの比率は−5dBよりも大きく、好適には−3dBよりも大きい。1つのアドレッシングするコアのみを励起する場合は、特定のアドレッシングするコア(1つ又は複数)及びアドレッシングされるコア(1つ又は複数)内の(初期励起されたアドレッシングモードによる)アドレッシングされないモードの形態のマルチコアの出力に存在するパワーと、初期励起されたアドレッシングするコア内のアドレッシングモードの形態のマルチコアの入力にあるパワーとの比率は−10dB未満、好適には−14dB未満である。(最終クロストークと定義される)高効率のスーパーモード形成は、絶縁低減前(スーパーモードについて既に述べた絶縁低減後)に、各モード対の実効屈折率を調整することにより達成される。
【0054】
マルチコアファイバの構造は、好適にはテーパリングされ、及び/又は構造内の孔は好適には少なくとも一か所で、少なくともアドレッシングされるコア内のアドレッシングされるモードの形態のパワーの出現を観察できる部分で潰される。好適には、テーパ及び/又は孔の破壊の最小長さは300μmである。テーパ及び/又は孔の破壊の長さは、好適には、マルチコアファイバの使用部分に等しい最大長さである。好適には−テーパ比は0〜95%である。テーパ比は、テーパのウエスト領域の断面積の縮小率と見なされるが、有利な実施形態では、この断面積は均一に縮小される。好適には、光ファイバはコーティングが施される。
【0055】
好適な実施形態では、使用される波長でシングルモードの入力シングルコア光ファイバ、好適にはそのうちの7つは、好適には7−コアファイバであるマルチコアファイバの特定のコアに接続される。マルチコアファイバのアドレッシングするコアの屈折率分布及び直径は、マルチコアファイバの全アドレッシングモードが異なる実効屈折率を有するように選択される。アドレッシングされるコアはフューモードであり、そのモードの屈折率は、アドレッシングするコア内のモードの各々の実効屈折率に適するように選ばれる。絶縁が低減されない領域では、スーパーモードは任意のコア対の間に観察される最高クロストークが−10dB未満であるように形成される。
【0056】
好適には300μmである特定の部分では、屈折率が低減され、コアを分離しているゾーンは潰されるか、寸法が(例えばテーパリングにより)縮径され、その結果、コアの絶縁が縮減され、スーパーモードが形成されて、クロストークが増大する。マルチコアファイバの出力でアドレッシングされるモードの形態でアドレッシングされるコア内に存在するパワーと、マルチコアファイバの入力でアドレッシングモードの形態でアドレッシングするコア内に存在するパワーとの比率は−5dBよりも大きく、好適には−3dBよりも大きい。1つのアドレッシングするコアのみを励起する場合は、特定のアドレッシングするコア(1つ又は複数)及びアドレッシングされるコア(1つ又は複数)内の(初期励起されたアドレッシングモードによる)アドレッシングされないモードの形態のマルチコアの出力に存在するパワーと、初期励起されたアドレッシングするコア内のアドレッシングモードの形態のマルチコアの入力でのパワーとの比率は−10dB未満、好適には−14dB未満である。修正部分の端部に現れるアドレッシングされる各モードのパワーレベル分布は「フリーズ」され、この状態はマルチコアファイバの非修正部分によって更に移送される。
【0057】
特にシングルコアのフューモードファイバは好適には、マルチコアファイバのアドレッシングされるコアと同一又は類似の特性でマルチコアファイバの出力端に接続される。したがって、フューモードファイバでは、伝送はモード多重化によって実現される。したがって、コアの絶縁が制御されて縮減された上記のマルチコアファイバは、フューモードファイバ内でのアドレッシングモードを可能にする素子(カプラ)である。この構成、特に7−コアファイバで、アドレッシングするコアの6つの基本モードはアドレッシングされるコアの6つの高次モードをアドレッシングする。アドレッシングされるコアの基本モードは、ファイバを最初にこのコアに接続することにより励起される。
【0058】
同様に、フューモードファイバ内の信号は、本発明によるカプラを使用して逆多重化されることが可能である−フューモードファイバ内で伝送され、個々のモードで符号化される情報は、個々のコアに、更には別個の光ファイバに分離されることができる。
【0059】
別の好適な実施形態では、使用される波長でシングルモードの入力シングルコア光ファイバ、好適にはそのうちの3つは、好適には4−コアファイバであるマルチコアファイバの特定のコアに接続される。
【0060】
マルチコアファイバのアドレッシングするコアの屈折率分布及び直径は、マルチコアファイバの全アドレッシングモードが異なる実効屈折率を有するように選択される。アドレッシングされるコアはフューモードであり、そのモードの屈折率は、アドレッシングするコア内のモードの各々の実効屈折率に適するように選ばれる。絶縁が低減されない領域では、スーパーモードは任意のコア対の間に観察される最高クロストークが−10dB未満であるように形成される。
【0061】
好適には300μmである特定の部分では、屈折率が低減され、コアを分離しているゾーンは潰されるか、寸法が(例えばテーパリングにより)縮径され、その結果、コアの絶縁が縮減され、スーパーモードが形成されて、クロストークが増大する。マルチコアファイバの出力にアドレッシングされるモードの形態でアドレッシングされるコア内に存在するパワーと、マルチコアファイバの入力にアドレッシングモードの形態でアドレッシングするコア内に存在するパワーとの比率は−5dBよりも大きく、好適には−3dBよりも大きい。1つのアドレッシングするコアのみを励起する場合は、特定のアドレッシングするコア(1つ又は複数)及びアドレッシングされるコア(1つ又は複数)内の(初期励起されたアドレッシングモードによる)アドレッシングされないモードの形態のマルチコアの出力に存在するパワーと、初期励起されたアドレッシングするコア内のアドレッシングモードの形態のマルチコアの入力でのパワーとの比率は−10dB未満、好適には−14dB未満である。修正部分の端部に現れるアドレッシングされる各モードのパワーレベル分布は「フリーズ」され、この状態はマルチコアファイバの非修正部分によって更に移送される。
【0062】
特にシングルコアのフューモードファイバは好適には、マルチコアファイバのアドレッシングされるコアと同一又は類似の特性を有するマルチコアファイバの出力端に接続される。したがって、フューモードファイバでは、伝送はモード多重化によって実現される。したがって、コアの絶縁が制御されて縮減された上記のマルチコアファイバは、フューモードファイバ内でのアドレッシングモードを可能にする素子(カプラ)である。この構成で、アドレッシングするコアの3つの基本モードがアドレッシングされるコア内の1つの基本モードと2つの高次モードをアドレッシングする。
【0063】
同様に、フューモードファイバ内の信号は、本発明によるカプラを使用して逆多重化されることが可能である−フューモードファイバ内で伝送され、個々のモードで符号化される情報は、個々のコアに、更には別個の光ファイバに分離されることができる。
【0064】
別の好適な実施形態では、シングルコア光ファイバは、信号がアドレッシングするコアを伝搬するマルチコア光ファイバ、好適にはデュアルコアのアドレッシングするコアに接続される。マルチコアファイバのアドレッシングされるコアは高い複屈折性を有する−この偏光モードは別個の実効屈折率を有する。マルチコアファイバのアドレッシングするコアは低い複屈折性を有する−この偏光モードは等しいモード実効屈折率を有し、したがってこれを通称シングルモードコアと呼ぶことができる。アドレッシングされるコア内の偏光モード(偏光モードx)の1つは、マルチコアファイバのアドレッシングするコア内のモードの実効屈折率と等しい実効屈折率を有する。
【0065】
好適には少なくとも300μmのある部分では、屈折率が低減され、コアを分離しているゾーンは潰されるか、その直径が(例えばテーパリングにより)縮径され、その結果、コアの絶縁が縮減され、スーパーモードが形成されて、クロストークが増大する。マルチコアファイバの出力にアドレッシングされるモードの形態でアドレッシングされるコア内に存在するパワーと、マルチコアファイバの入力にアドレッシングモードの形態でアドレッシングするコア内に存在するパワーとの比率は−5dBよりも大きく、好適には−3dBよりも大きい。1つのアドレッシングするコアのみを励起する場合は、特定のアドレッシングするコア(1つ又は複数)及びアドレッシングされるコア(1つ又は複数)内の(初期励起されたアドレッシングモードによる)アドレッシングされないモードの形態のマルチコアの出力に存在するパワーと、初期励起されたアドレッシングするコア内のアドレッシングモードの形態のマルチコアの入力にあるパワーとの比率は−10dB未満、好適には−14dB未満である。修正部分の端部に現れるアドレッシングされる各モードのパワーレベル分布は「フリーズ」され、この状態はマルチコアファイバの非修正部分によって更に移送される。
【0066】
1つの偏光モードは、複屈折性が高いアドレッシングされるコアを伝搬する。孔が破壊された部分の後で、信号は複屈折性が高いコアを伝搬し、そこでは1つの伝搬モードのみが効果的に励起される。複屈折性が高いコアには、好ましくは複屈折性の偏光維持ファイバが接続される。偏光モードをアドレッシングするこの方法は1つの偏光モードの効率のよいアドレッシングを可能にするので、光ファイバポラライザの機能を有するカプラを構築する。
【0067】
別の好適な実施形態では、シングルコア光ファイバは、好適には3−コアのマルチコア光ファイバのアドレッシングするコアに接続される。マルチコアファイバのアドレッシングするコアは低い複屈折性を有する−この偏光モードは等しいモード実効屈折率を有し、したがってこれを通称シングルモードコアと呼ぶことができる。アドレッシングするコアの近傍のアドレッシングされるコア内の複屈折性は高い−この偏光モードは別個の実効屈折率を有する。第1のアドレッシングされるコア内の偏光モードの1つ(偏光モードx)は、マルチコアファイバのアドレッシングするコア内のモード実効屈折率に等しい実効屈折率を有し、第2のアドレッシングされるコア内の偏光モードの1つ(偏光モードy)は、マルチコアファイバのアドレッシングするコア内のモード実効屈折率に等しい実効屈折率を有する。
【0068】
好適には少なくとも300μmのある部分では、屈折率が低減され、コアを分離しているゾーンは潰されるか、直径が(例えばテーパリングにより)縮径され、その結果、コアの絶縁が縮減され、スーパーモードが形成されて、クロストークが増大する。マルチコアファイバの出力にアドレッシングされるモードの形態でアドレッシングされるコア内に存在するパワーと、マルチコアファイバの入力にアドレッシングモードの形態でアドレッシングするコア内に存在するパワーとの比率は−5dBよりも大きく、好適には−3dBよりも大きい。1つのアドレッシングするコアのみを励起する場合は、特定のアドレッシングするコア(1つ又は複数)及びアドレッシングされるコア(1つ又は複数)内の(初期励起されたアドレッシングモードによる)アドレッシングされないモードの形態のマルチコアの出力に存在するパワーと、初期励起されたアドレッシングするコア内のアドレッシングモードの形態のマルチコアの入力にあるパワーとの比率は−10dB未満、好適には−14dB未満である。修正部分の端部に現れるアドレッシングされる各モードのパワーレベル分布は「フリーズ」され、この状態はマルチコアファイバの非修正部分によって更に移送される。
【0069】
孔が破壊された部分の後で、信号は複屈折性が高いコアを伝搬し、そこでは1つの偏光モード−アドレッシングするコアの1つ内での偏光モード(x)及び第2のアドレッシングするコア内での偏光モード(y)のみが効果的に励起される。偏光維持ファイバは、好適には複屈折性が高い複屈折のコアに接続される。偏光モードをアドレッシングするこの方法は1つの偏光モードの効率のよいアドレッシングを可能にするので、光ファイバ偏光分割器の機能を有するカプラを構築する。
【0070】
別の好適な実施形態では、複屈折性のシングルコア光ファイバは、マルチコア光ファイバ、好適にはデュアルコアのアドレッシングするコアに接続される。マルチコアファイバのアドレッシングするコアは高い複屈折性を有する−この偏光モードは別個の実効屈折率を有する。アドレッシングするコアの近傍のマルチコアファイバのアドレッシングされるコアも高い複屈折性を有する−この偏光モードは別個の実効屈折率を有する。好適には、アドレッシングするコアとアドレッシングされるコアとは同種である。
【0071】
アドレッシングされるコアは偏光モード(x)及び(y)を有し、これらのモードはアドレッシングするコア内の偏光モード(x)及び(y)の屈折率に一致する実効屈折率を有する。
【0072】
好適には少なくとも300μmのある部分では、屈折率が低減され、コアを分離しているゾーンは潰されるか、直径が(例えばテーパリングにより)縮径され、その結果、コアの絶縁が縮減され、スーパーモードが形成されて、クロストークが増大する。マルチコアファイバの出力にアドレッシングされるモードの形態でアドレッシングされるコア内に存在するパワーと、マルチコアファイバの入力にアドレッシングモードの形態でアドレッシングするコア内に存在するパワーとの比率は好適には−5dBよりも大きく、及び好適には−3dB未満である。修正部分の端部に現れるアドレッシングされる各モードのパワーレベル分布は「フリーズ」され、この状態はマルチコアファイバの非修正部分によって更に移送される。
【0073】
孔が破壊された部分の後で、信号は複屈折性が高いコアを伝搬し、そこで偏光モード−偏光モード(x)及び(y)が励起される。偏光維持ファイバは、好適には複屈折性が高い複屈折のコアに接続される。偏光モードをアドレッシングするこの方法は1つの偏光モードの効率のよいアドレッシングを可能にするので、偏光を維持するカプラ(スプリッタ)を構築する。
【0074】
1つのコアを伝搬する信号に/信号からチャネルの1つを追加/除去することからなるアド−ドロップ多重化の実現を可能にする別の好適な実施形態では、マルチコア光ファイバ、好適にはコアが屈折率縮減ゾーンにより絶縁されるデュアルコアファイバが使用される。マルチコアファイバは、好適には少なくとも1つのシングルモードコア、及び好ましくは少なくとも1つのフューモードコアを有する。シングルモードコア内のモードの実効屈折率は、フューモードコア内の1つのモードの実効屈折率と整合される。マルチコアファイバ、好適にはデュアルコアファイバの両側には、好適にはコアをデュアルコアファイバのコアに整合させて2つのシングルコア光ファイバが取り付けられる。絶縁が低減されないエリアでは、任意コア対間に観察される最大のクロストークが−10dB未満であるようにスーパーモードが形成される(非効率的に形成)。
【0075】
好適には300μmである特定の部分では、屈折率が低減され、コアを分離しているゾーンは潰されるか、直径が(例えばテーパリングにより)縮径され、その結果、コアの絶縁が縮減され、スーパーモードが形成されて、クロストークが増大する。マルチコアファイバの出力にアドレッシングされるモードの形態でアドレッシングされるコア内に存在するパワーと、マルチコアファイバの入力にアドレッシングモードの形態でアドレッシングするコア内に存在するパワーとの比率は−5dBよりも大きく、好適には−3dBよりも大きい。1つのアドレッシングするコアのみを励起する場合は、特定のアドレッシングするコア(1つ又は複数)内の(初期励起されたアドレッシングモードによる)アドレッシングされないモードの形態のマルチコアの出力に存在するパワーと、初期励起されたアドレッシングするコア内のアドレッシングモードの形態のマルチコアの入力にあるパワーとの比率は−10dB未満、好適には−14dB未満である。修正部分の端部に現れるアドレッシングされる各モードのパワーレベル分布は「フリーズ」され、この状態はマルチコアファイバの非修正部分によって更に移送される。
【0076】
シングルモードコア内のモードとフューモードコア内のモードの1つとは、絶縁を縮減する前の整合された屈折率を有しているので、絶縁が縮減されたエリアにスーパーモードが形成される。したがって、シングルモードコアからのモードはフューモードコア内のモードをアドレッシングし、フューモードコア内のモードからのモードはシングルモードコア内のモードをアドレッシングする。したがって、アド−ドロップマルチプレクサ/デマルチプレクサと呼ばれるタイプのマルチプレクサ/デマルチプレクサを実現することができる。次いで、両方のシングルモードコアとフューモードコアは両方ともアドレッシングするコアとアドレッシングされるコアである。
【0077】
本発明の有利な実施形態では、光ファイバは、光ファイバを変形し、又はその温度を変化させる素子、特に光ファイバを変形してテーパ長、テーパリングのテンションを変えることができ、そのデバイスが同じ光スイッチ機能で動作中に特定のコア間の信号を切り換える圧電又は機械的デバイスに巻回され、又は取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
本発明の主題を実施例と図面で詳細に提示したが、これらは本明細書に記載の動作原理による本発明の構成の可能性を排除しない。
図1】本発明の有利な実施形態、すなわち断面(1A−1A)が示される標準的なシングルモード光ファイバ(1)と、テーパ領域が示される微細構造のマルチコア光ファイバ(2)とが接合され、次いで光ファイバ(2)が、断面(3A−3B)が示される細管(3)内に配置された出力光ファイバの束に接続されている、縦横比が保持されていない図である。
図2】断面A−Aがテーパリングされない微細構造の光ファイバの断面であり、断面B−Bが一部潰された(collapsed/破壊された)孔を有する微細構造のマルチコア光ファイバのテーパ遷移領域であり、断面C−Cが完全に潰された孔を有する微細構造のマルチコア光ファイバのウエスト領域を示す、これも縦横比が保持されていない微細構造のマルチコア光ファイバのテーパ部の拡大図である。
図3】部分(a)が総直径(d1)でテーパリングされていないファイバエリアであり、部分(b)がテーパ直径が縮小/拡大するテーパ遷移領域であり、部分(c)が直径(d2)を特徴とするテーパのウエスト部である、マルチコア光ファイバのテーパのテーパ部を示す図である。
図4】直径(d3)のコア(4)と、直径(d4)のクラッド(5)を有する標準的なシングルモード光ファイバ(1)の断面図である。
図5】直径(d5)のコア(4)と、直径(d6)のクラッド(5)と、直径(d7)の空孔(6)とを有し、テーパリングされていない、本発明を構築するために使用可能な微細構造のマルチコア光ファイバのモデルを示す図である。
図6】部分的に潰された直径(d8)の孔(6)と、直径(d9)の縮径コア(4)と、直径(d10)の縮径クラッド(5)とを有する微細構造のマルチコア光ファイバを示す図である。
図7】直径(d11)の縮径コア(4)と、直径(d12)の縮径クラッド(5)を特徴とする、孔が完全に潰された微細構造のマルチコア光ファイバを示す図である。
図8】直径が(d13)のシングルモード光ファイバのコア(4)と、直径(d14)シングルモード光ファイバのクラッド(5)と、細管(キャピラリ)の内径(d14)及び細管の外径(d15)とが示されている、細管(7)内に配置された標準的なシングルモード光ファイバの束を示す図である。
図9】NxN個の光ファイバカプラとして動作する本発明の有利な実施形態を示す図である。
図10】断面4A−4Aに細管(7)の幾何的充填物の役割を果たすガラス棒(8)が表示されている、2つの入力(出力)と7つの入力(出力)とを有する本発明の有利な実施形態を示す図である。
図11】直径(d5)のコア(4)と、直径(d6)のクラッド(5)と、直径(d7)の空孔(6)とを有し、テーパリングされていない、本発明を構築するために使用可能な微細構造のデュアルコア光ファイバのモデルを示す図である。
図12】(1)がシングルモード光ファイバであり、(2)がマルチコア光ファイバである、2つの入力(出力)と1つの出力(入力)とを有する本発明の有利な実施形態を示す図である。
図13】本発明の実施例6の有利な実施形態、すなわち断面(3A−3A)が示される細管(3)内に配置された標準的なシングルモード光ファイバ(1)の束と、テーパ部が示される微細構造のマルチコアファイバ(2)とが接合され、次いでファイバ(2)が、断面(9A−9A)が示されているフューモードファイバ(9)に接合されている、縦横比が保持されていない図である。
図14】直径(d17)のコア(4)と、直径(d16)のクラッド(5)とを有する、実施例6のフューモード光ファイバ(9)の断面図である。
図15】直径(d5.1−d5.6)のシングルモードコア(4.1−4.6)と、直径(d17)で格子定数(Λ)のフューモードコア(10)と、直径(d6)のクラッド(5)、及び直径(d7)の空孔(6)とを有し、テーパリング及び孔潰しがされていない、本発明を構築するために使用可能な実施例6の例示的マルチコアファイバを示す図である。
図16】断面A−Aがテーパリングされない微細構造の光ファイバの断面であり、断面B−Bが一部潰された孔を有する微細構造のマルチコア光ファイバのテーパ遷移領域であり、断面C−Cが完全に潰された孔を有する微細構造のマルチコア光ファイバのウエスト領域を示す、これも縦横比が保持されていない実施例6の微細構造のマルチコア光ファイバのテーパ部の拡大図である。
図17】フューモードファイバ(9)の始端と終端で対応してマルチプレクサとデマルチプレクサとを構築するための本発明による実施例6のカプラから成る空間多重化に基づく伝送システムを示す図である。
図18】本発明の実施例7の有利な実施形態、すなわち細管(3)内に配置された標準的なシングルモード光ファイバ(1)の束と、テーパ部が示される微細構造の4−コア光(2)とが接合され、次いでファイバ(2)が、断面(9A−9A)が示されているフューモードファイバ(9)に接合されている、縦横比が保持されていない図である。
図19】直径(d5.1−d5.3)のシングルモードコア(4.1−4.3)と、直径(d17)で格子定数(Λ)のフューモードコア(10)と、直径(d6)のクラッド(5)、及び直径(d7)の空孔(6)とを有し、テーパリングされず、孔潰しがされていない、本発明を構築するために使用可能な実施例7の例示的マルチコアファイバを示す図である。
図20】本発明の有利な実施形態の実施例8、すなわちシングルモード光ファイバ(1)とテーパ部が示されている微細構造のマルチコアファイバとが接合され、次いでファイバ(2)が偏光(polarization)を維持する複屈折(birefringent)ファイバ(11)に接合されている、縦横比が保持されていない図である。
図21】直径(d5)のシングルモードコア(4)、格子定数(Λ)で短軸(d18)と長軸(d19)の複屈折コア(12)と、直径(d6)のクラッド(5)、及び直径(d7)の空孔(6)とを有し、テーパリング及び孔潰しがされていない、本発明を構築するために使用可能な実施例8の例示的デュアルコアファイバを示す図である。
図22】本発明の有利な実施形態の実施例9、すなわちシングルコア光ファイバ(1)とテーパ部が示されている微細構造のマルチコアファイバ(2)とが接合され、次いでファイバ(2)が偏光を維持する複屈折ファイバ(11)に接合されている、縦横比が保持されていない図である。
図23】直径(d5)のシングルモードコア(4)、格子定数(Λ)で短軸(d18.1及びd18.2)と長軸(d19.1及びd19.2)の複屈折コア(12.1及び12.2)と、直径(d6)のクラッド(5)、及び直径(d7)の空孔(6)とを有し、テーパリング及び孔潰しがされていない、本発明を構築するために使用可能な実施例9の例示的デュアルコアファイバを示す図である。
図24】本発明の有利な実施形態の実施例10、すなわちシングルコア光ファイバ(13)とテーパ部が示されている微細構造のマルチコアファイバ(2)とが接合され、次いでファイバ(2)が偏光を維持する複屈折ファイバ(11)に接合されている、縦横比が保持されていない図である。
図25】直径(d5)のシングルモードコア(4)、格子定数(Λ)で短軸(d18.1及びd18.2)と長軸(d19.1及びd19.2)の複屈折コア(12.1及び12.2)と、直径(d6)のクラッド(5)、及び直径(d7)の空孔(6)とを有し、テーパリング及び孔潰しがされていない、本発明を構築するために使用可能な実施例10の例示的デュアルコアファイバを示す図である。
図26】本発明の有利な実施形態の実施例11、すなわちシングルコアファイバ(1)及び(9)と、テーパ部が示されている微細構造のマルチコアファイバ(2)とが接合され、次いでファイバ(2)が出力シングルコアファイバ(1)及び(9)に接合されている、縦横比が保持されていない図である。
図27】直径(d5)のシングルモードコア(4)、直径(d17)で格子定数(Λ)のフューモードコア(10)、直径(d6)のクラッド(5)、及び直径(d7)の空孔(6)とを有し、テーパリング及び孔潰しがされていない、本発明を構築するために使用可能な実施例11の例示的デュアルコアファイバを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0079】
本発明によるカプラは、入力光ファイバ(1)を含み、これは次いで、7−コア出力光ファイバ(3)の束に接続される微細構造の7−コア光ファイバ(2)の形態の光ファイバ(2)に接続される。
【0080】
信号はCorning社の標準的なシングルモード光ファイバ(1)、SMF−28eを伝搬し、次いで微細構造のマルチコア光ファイバ(2)の中心コアに送られる。
【0081】
シングルコア光ファイバ(1)が、好適には融着接続装置(Vytren GPX−3400又はFujikura FSM 70)を使用して、マルチコア光ファイバ(2)に好適には融着接続(fusion splicing)によって接続(splicing)される。
【0082】
マルチコア光ファイバ(1)に送られた後、信号は、部分(a)では中央コアを、テーパ部(b、c)に達するまで伝搬する。好適には5mm以上であるテーパ部(b)では、光ファイバの断面:クラッド(5)、コア(4)及び孔(6)の直径は縮径(減縮)される。
【0083】
断面(6)の減縮により、伝搬特性、いわゆるコア絶縁縮減が変化し、その結果、スーパーモードが生成されることによって任意のコア(1つ又は複数)から残りのコアにパワーが伝送される。したがって、伝搬は絶縁されたコアの動作から結合されたコアの動作に移行する。全コアへのパワーの均等な分割は主として、孔が完全に潰される部分(b)、並びに孔の直径が縮小/増大する部分(c)で行われる。部分(c)の長さは5mmである。部分(c)の後、テーパ遷移ゾーン(b)が来る。各コア内のパワーは孔(6)の出現(遭遇)により独立して伝搬を継続する。部分(a)で、テーパ部を通過後、7つのコア(4)があり、比例する量のパワーがこれらのコアを伝搬する。空孔(6)の出現によって、1つのコアからの信号は他のコアからの信号伝搬に影響を及ぼさず、したがってなお再度絶縁されたコアの伝搬として取り扱うことができる。その7つのコアが信号を伝搬するマルチコア光ファイバは、単一のシングルモード光ファイバ(3)の束に接続される。接続は融着接続プロセスで行われ、このようなデバイスの製造、及びこれとマルチコア光ファイバとの接続は適宜の文献に詳細に記載されている。シングルモード光ファイバ(3)の束を通過した後、独立したシングルモード光ファイバの7つの信号が得られ、これらの信号は1つのシングルモード光ファイバ(1)から発すると共に、特定のレシピエントにリダイレクトされることができる。
【0084】
テーパ部(b、c)の値はb=5mm、c=5mmであり、マルチコアファイバのテーパ比は、マルチコアファイバの以下のパラメータ:コア径d5=6.5μm、クラッド径d6=125μm、孔径d7=5.8μm、格子定数(Λ)=8.2μmで20%(部分(c)のウエスト径は最大100μm)である。
【実施例2】
【0085】
有利な実施形態では、本発明によるカプラはパワーを2つの入力光ファイバ(1)から7つの光ファイバ(3)の束に分割するために使用され、実施例は微細構造のマルチコア光ファイバ(2)を利用している。シングルモード光ファイバ(1)はCorning社のSMF−28e+ファイバである。
【0086】
2つのシングルコア光ファイバ(1)が、融着接続装置(Vytren GPX−3400又はFujikura FSM 70)を使用して、マルチコア光ファイバ(2)に好適には融着接続によって接続される。一方、束内の各々のシングルモード光ファイバは、マルチコア光ファイバの異なるコアに接続される。マルチコア光ファイバ(2)に送られた後、信号はテーパ部(b、c)に達するまで2つのコア内にある部分(a)をさらに伝搬する。好適には5mm以上のテーパ部(b)で、光ファイバの断面:クラッド(5)、コア(4)、及び孔(6)の直径は縮径される。
【0087】
断面(6)の縮径により、伝搬特性、いわゆるコア絶縁縮減が変化し、その結果、スーパーモードが生成されることによってパワーは任意のコア(1つ又は複数)から残りのコアにパワーが伝送される。したがって、伝搬は絶縁されたコアの動作から結合されたコアの動作に移行する。全コアへのパワーの均等な分割は主として、孔が完全に潰される部分(c)、並びに孔の直径が縮小/増大する部分(b)で行われる。
【0088】
部分(c)の長さは7mmである。部分(c)の後、テーパ遷移ゾーン(b)が来る。各コア内のパワーは孔(6)の出現により独立して伝搬を継続する。部分(a)で、テーパ部を通過後、7つのコア(4)があり、比例する量のパワーがこれらのコアを伝搬する。空孔(6)の出現によって、1つのコアからの信号は他のコアからの信号伝搬に影響を及ぼさず、したがってなお再度絶縁されたコアの伝搬として取り扱うことができる。その7つのコアが信号を伝搬するマルチコア光ファイバは、単一のシングルモード光ファイバ(3)の束に接続される。接続は融着接続プロセスで行われ、このようなデバイスの製造、及びこれとマルチコア光ファイバとの接続は適宜の文献に詳細に記載されている。シングルモード光ファイバ(3)の束を通過した後、独立したシングルモード光ファイバの7つの信号が得られ、これらの信号は2つのシングルモード光ファイバ(1)から発すると共に、特定のレシピエントにリダイレクトされることができる。
【0089】
テーパ部(b、c)の値はb=5mm、c=5mmであり、マルチコアファイバのテーパ比は、マルチコアファイバの以下のパラメータ:コア径d5=6.5μm、クラッド径d6=125μm、孔径d7=5.8μm、格子定数(Λ)=8.2μmで20%(部分(c)のウエスト径は最大100μm)である。
【実施例3】
【0090】
本発明が7つの入力光ファイバ(1)の各々から束の7つの出力光ファイバ(3)に結合するために使用される、図9に示される本発明の有利な実施形態では、微細構造のマルチコア光ファイバ(2)が利用される。信号は標準的なシングルモード光ファイバ(1)、Corning社のSMF−28e+ファイバを伝搬し、次いで微細構造のマルチコア光ファイバ(2)に送られる。
【0091】
シングルモード光ファイバ(1)が、融着接続装置(Vytren GPX−3400又はFujikura FSM 70)を使用して、マルチコア光ファイバ(2)に好適には融着接続によって接続される。マルチコア光ファイバ(2)に送られた後、信号はテーパ部(b、c)に達するまでマルチコアファイバのまだ7つのコア内にある部分(a)を伝搬する。好適には5mm以上のテーパ部(b)で、光ファイバの断面:クラッド(5)、コア(4)、及び孔(6)の直径は縮径される。断面(6)の縮径により、伝搬特性、いわゆるコア絶縁縮減が変化し、その結果、スーパーモードが生成されることによって信号はコア間に信号を伝送することが可能になる。したがって、伝搬は絶縁されたコアの動作から結合されたコアの動作に移行する。コア間の信号の混合は、主として孔が完全に潰される部分(c)、並びに孔の直径が縮小/増大する部分(b)で行われる。部分(c)の長さは7mmである。部分(c)の後、テーパ遷移ゾーン(b)が来る。各コア内のパワーは孔(6)の出現により独立して伝搬を継続する。部分(a)で、テーパ部を通過後、7つのコア(4)があり、比例する量のパワーがこれらのコアを伝搬する。空孔(6)の出現によって、1つのコアからの信号は他のコアからの信号伝搬に影響を及ぼさず、したがってなお再度絶縁されたコアの伝搬として取り扱うことができる。その7つのコアが信号を伝搬するマルチコア光ファイバは、単一のシングルモード光ファイバ(3)の束に接続される。接続は融着接続プロセスで行われ、このようなデバイスの製造、及びこれとマルチコア光ファイバとの接続は適宜の文献に詳細に記載されている。シングルモード光ファイバ(3)の束を通過した後、独立したシングルモード光ファイバの7つの信号が得られ、これらの信号は7つの入力光ファイバの全部からの情報を含むと共に、特定のレシピエントにリダイレクトされることができる。
【0092】
テーパ部(b、c)の値はb=5mm、c=7mmであり、マルチコアファイバのテーパ比は、マルチコアファイバの以下のパラメータ:コア径d5=6.5μm、クラッド径d6=125μm、孔径d7=5.8μm、格子定数(Λ)=8.2μmで20%(部分(c)のウエスト径は最大100μm)である。
【実施例4】
【0093】
本発明が2つの入力波長を特定の出力光ファイバの間で切り替えるために使用される図12に示される本発明の別の実施形態では、微細構造のマルチコア光ファイバ(2)が利用される。この実施形態では、これは図11に示されるデュアルコア光ファイバであってよい。Corning社の標準的なシングルモード光ファイバ(1)、SMF−28eを伝搬する信号は、次いで微細構造のマルチコア光ファイバ(2)のコアの1つに送られる。
【0094】
シングルモード光ファイバ(1)が、融着接続装置(Vytren GPX−3400又はFujikura FSM 70)を使用して、マルチコア光ファイバ(2)に融着接続によって接続される。マルチコア光ファイバ(2)に送られた後、信号はテーパ部(b、c)に達するまでマルチコアファイバが接続される部分(a)内でさらにコア内を伝搬する。好適には6mm以上のテーパ部(b)で、光ファイバの断面:クラッド(5)、コア(4)、及び孔(6)の直径は縮径される。断面(6)の縮径により、伝搬特性、いわゆるコア絶縁縮減が変化し、その結果、スーパーモードが生成されることによって信号を担持する初期コアから第2のコアにパワーを伝送することが可能になる。したがって、伝搬は絶縁されたコアの動作から結合されたコアの動作に移行する。テーパ部の長さに応じて、信号はコア間で任意の比率で分離可能である。テーパ部(テーパウエスト領域)が10mmの場合は、信号はシングルコアファイバが接続されたコアのみを伝搬する。8mεだけ伸長されたテーパ部(テーパウエスト領域)の場合は、信号は完全に近傍のコアに送られる。中間値はパワーが様々な関係で両方のコアを伝搬する状況に対応する。マルチコア光ファイバ(2)が巻回、又は取り付けられる圧電によって、テーパ長を変えることができ、装置が同じ光スイッチ機能で動作しつつ、特定のコア間の信号の切り換えが生じる。
【0095】
テーパ部(b、c)の値はb=5mm、c=10mmであり、マルチコアファイバのテーパ比は、マルチコアファイバの以下のパラメータ:コア径d5=125μm、クラッド径d6=6.6μm、孔径d7=6.6μm、格子定数(Λ)=7.6μmで30%である。
【実施例5】
【0096】
本発明が2つの入力波長を特定の出力光ファイバに分離するために使用される図12に示される本発明の有利な実施形態では、微細構造のマルチコア光ファイバ(2)が利用される。この実施形態では、これは図11に示されるデュアルコア光ファイバであってよい。Corning社の標準的なシングルモード光ファイバ(1)、SMF−28eを伝搬する信号は、微細構造のマルチコア光ファイバ(2)のコアの1つに送られる。この実施形態では、1550nmと1310nmの2つの波長が入力光ファイバを伝搬する。シングルモード光ファイバ(1)が、融着接続装置(Vytren GPX−3400又はFujikura FSM 70)を使用して、マルチコア光ファイバ(2)に融着接続によって接続される。マルチコア光ファイバ(2)に送られた後、信号はテーパ部(b、c)に達するまでマルチコアファイバが接続される部分(a)内でさらにコア内を伝搬する。好適には3mm以上のテーパ部(b)で、光ファイバの断面:クラッド(5)、コア(4)、及び孔(6)の直径は縮径される。断面(6)の縮径により、伝搬特性、いわゆるコア絶縁縮減が変化し、その結果、スーパーモードが生成されることによって、最初の信号搬送コアから第2のコアに信号を伝送することが可能になる。したがって、伝搬は絶縁されたコアの動作から結合されたコアの動作に移行する。テーパ長に応じて、信号は任意の比率でコア間で分離可能である。テーパ部(テーパウエスト領域)が6mmの場合は、1550nmの波長が、シングルコアファイバが接続されたコアのみを伝搬する。また、1310nmの波長は近傍のコアのみを伝搬する。テーパ部(テーパウエスト領域)が8mεだけ伸長されている場合は、この実施形態では1550nmと980nmである他の波長がコア間で効率的に分離される。ファイバを伸長させることができるためテーパ長を変ることができ、ひいては様々な波長分離構成が可能である。また、本明細書に記載の波長では、2つの波長を特定の通信チャネルに分離できるようなテーパ長がある。本発明のこのような利用分野は、WDM(波長分割多重化)カプラの概念の実施である。
【0097】
テーパ部(b、c)の値はb=3mm、c=6mmであり、マルチコアファイバのテーパ比は、マルチコアファイバの以下のパラメータ:コア径d5=6.6μm、クラッド径d6=125μm、孔径d7=6.6μm、格子定数(Λ)=7.6μmで30%である。
【実施例6】
【0098】
本発明によるカプラによって、空気が充填された孔の形態の屈折率6の低減エリアで絶縁されたコアと、波長1550nmのシングルモードコア(4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6)を有するマルチコア(7−コア)光ファイバ(2)を含む制御されたモードのアドレッシングのための素子の構築が可能になり、上記コアは、段階的な屈折率分布と実効屈折率が異なる基本モードとを有する。絶縁コアを有する7−コアファイバ(2)には、ファンイン/ファンアウト型の素子を使用して、7−入力シングルコアファイバ(2)が細管(3)内に配置され、マルチコアファイバの反対側にはシングルコアのフューモード出力ファイバ(9)が取り付けられ、マルチコア光ファイバ(2)の部分では、絶縁孔6の構造を潰すことによって絶縁が縮減される。六角形の格子上には微細構造素子(孔及びコア)の幾何的な中点が配置され、格子定数(Λ)は20μmであり、絶縁孔の直径は10μmであり、コア(10)−アドレッシングされるコアマルチコアは段階的な屈折率分布を有し、それはフューモードであり、特定のモードの別個の実効屈折率を有している。アドレッシングされるコア(10)の近傍には段階的な屈折率分布を有するアドレッシングするコア(4.1〜4.6)があり、モードの実効屈折率は、アドレッシングされるコア(10)のそれぞれのモードの実効屈折率に整合するように選択される。
【0099】
絶縁が縮減されないエリアには、任意のコア対間で観察される最大クロストークが−10dB未満であるようにスーパーモードが形成される(非効率な形成)。マルチコアファイバ(2)の構造は、ある部分では孔(6)の構造が潰されるように修正され、この部分はアドレッシングするコア及びアドレッシングされるコア上に効率的にスーパーモードが形成されるのに十分な長さがある。孔(6)の潰れ部の長さは5mmであり、テーパ比は0.5%である。
【0100】
(c)=5mmの部分では、コアを分離する孔が潰される結果として縮減(低減)されたコア絶縁が形成され、スーパーモードが形成されてクロストークが増大する−マルチコアファイバの出力でのアドレッシングされるモードの形態のアドレッシングされるコアに存在するパワーと、マルチコアファイバの入力でのアドレッシングモードの形態のアドレッシングするコアに存在するパワーとの比率は−3dBよりも大きい。1つのアドレッシングするコアのみを励起する場合は、特定のアドレッシングするコア(1つ又は複数)及びアドレッシングされるコア(1つ又は複数)内の(初期励起されるアドレッシングモードにより)アドレッシングされないモードの形態でマルチコアの出力に存在するパワーと、マルチコアの入力での初期励起されるアドレッシングするコアのアドレッシングモードの形態のパワーとの比率は−14dB未満である。修正部分の端部に現れるアドレッシングされる各モードのパワーレベル分布は「フリーズ」され、この状態はマルチコアファイバの非修正部分によって更に移送される。
【0101】
シングルコアのフューモードファイバ(9)は、マルチコアファイバ(2)のアドレッシングされるコア(10)と同一又は類似の特性を有するマルチコアファイバ(2)の出力端に接続される。したがって、シングルコアのフューモードファイバ(9)では、7つのモードを使用してモード多重化が行われる。したがって、コアの絶縁が制御されて低減(縮減)された上記のマルチコアファイバでのカプラ構成は、フューモードファイバ内でのアドレッシングモードを可能にする素子(カプラ)である。
【0102】
同様に、フューモードファイバ内の信号は、本発明によるカプラを使用して逆多重化されることが可能である−フューモードファイバ内で伝送され、特定のモードで符号化される情報は、個々のコアに、更には別個の光ファイバに分離されることができる。フューモード光ファイバへの接続を有するマルチプレクサ及びデマルチプレクサの構成のカプラを使用することによって、モード多重化を使用した伝送システムを構築することができる(図17)。
【0103】
フューモードファイバ(9)の寸法:クラッド径d16=125μm;フューモードコア(10)−直径d17=20μm、5.8モル%のGeOでドープされたSiO
マルチコアファイバ(2)の寸法:
−フューモードコア(10)−直径d17=20μm、5.8モル%のGeOでドープされたSiO
−コア(4.1)−直径d5.1=12.6μm、5.8モル%のGeOでドープされたSiO
−コア(4.2)−直径d5.2=8μm、5.8モル%のGeOでドープされたSiO
−コア(4.3)−直径d5.3=6.4μm、5.8モル%のGeOでドープされたSiO
−コア(4.4)−直径d5.4=5.4μm、5.8モル%のGeOでドープされたSiO
−コア(4.5)−直径d5.5=4.4μm、5.8モル%のGeOでドープされたSiO
−コア(4.6)−直径d5.6=2μm、5.8モル%のGeOでドープされたSiO
−クラッド(5)−直径d6=250μm、0モル%のGeOでドープされたSiO
−格子定数(Λ)=20μm
孔(6)の寸法:直径d7=10μm
テーパのパラメータ:
−部分(b)=0mm
−部分(c)=5mm
−直径d1=d2=250μm
−テーパ比=0・5%(孔の破壊によるテーパなし)
【0104】
実施例6の発明は図3図13図14図15図16及び図17に示されている。この構成では、アドレッシングするコアの6つの基本モードがアドレッシングされるコアの6つの高次モードをアドレッシングする。アドレッシングされるコアの基本モードは、最初にファイバをこのコアに接続することによって励起される。
【実施例7】
【0105】
本発明によるカプラによって、空気が充填された孔の形態の屈折率(6)の低減エリアで絶縁されたコアと、波長1550nmのシングルモードコア(4.1、4.2、4.3)とを有するマルチコア光ファイバ(2)を有する制御されたアドレッシングするモードのための素子の構築が可能になり、それらのコアは、段階的な屈折率分布と実効屈折率が異なる基本モードとを有する。ファンイン/ファンアウト型の素子を使用するマルチコア−4−コアファイバ(2)には3−入力シングルコアファイバ(2)が細管(3)内に配置され、マルチコアファイバの反対側にはシングルコアのフューモード出力ファイバ(9)が取り付けられ、マルチコア光ファイバ(2)の部分では、絶縁孔(6)の構造を潰すことによって絶縁が縮減される。六角形の格子上には微細構造素子(孔及びコア)の幾何的な中点が配置され、格子定数(Λ)は20μmであり、絶縁孔の直径は10μmであり、コア(10)−アドレッシングされるコアのマルチコアは段階的な屈折率分布を有し、それはフューモードであり、特定のモードの別個の実効屈折率を有している。アドレッシングされるコア(10)の近傍には段階的な屈折率分布を有するアドレッシングするコア(4.1〜4.3)があり、モードの実効屈折率は、アドレッシングされるコア(10)のそれぞれのモードの実効屈折率に整合するように選択される。絶縁が縮減されないエリアには、任意のコア対間で観察される最大のクロストークが−10dB未満であるようにスーパーモードが形成される(非効率な形成)。
【0106】
マルチコアファイバ(2)の構造は、ある部分では孔(6)の構造が潰されるように修正され、この部分はアドレッシングするコア及びアドレッシングされるコア上に効率的にスーパーモードが形成されるのに十分な長さがある。孔(6)の潰れ部の長さは5mmであり、テーパ遷移領域(b)=2mm、テーパ比は10%である。
【0107】
(c)=5mmの部分では、コアを分離する孔が潰される結果として縮減(低減)されたコア絶縁が形成され、スーパーモードが形成されてクロストークが増大する−マルチコアファイバの出力でのアドレッシングされるモードの形態のアドレッシングされるコアに存在するパワーと、マルチコアファイバの入力でのアドレッシングするモードの形態のアドレッシングするコアに存在するパワーとの比率は−3dBよりも大きい。1つのアドレッシングするコアのみを励起する場合は、特定のアドレッシングするコア(1つ又は複数)及びアドレッシングされるコア(1つ又は複数)内の(初期励起されるアドレッシングモードによる)アドレッシングされないモードの形態のマルチコアの出力に存在するパワーと、マルチコアの入力での初期励起されるアドレッシングするコア(1つ又は複数)内のアドレッシングモードの形態のパワーにとの比率は−14dB未満である。修正部分の端部に現れるアドレッシングされる各モードのパワーレベル分布は「フリーズ」され、この状態はマルチコアファイバの非修正部分によって更に移送される。
【0108】
マルチコアファイバ(2)の出力端シングルコアのフューモードファイバ(9)は、マルチコアファイバ(2)のアドレッシングされるコア(10)と同一又は類似の特性で接続される。したがって、シングルコアのフューモードファイバ(9)では、3つのモードを使用してモード多重化が行われる。したがって、コアの絶縁が制御されて低減(縮減)されたマルチコアファイバの上記のカプラ構成は、フューモードファイバ内でのアドレッシングモードを可能にする素子(カプラ)である。
【0109】
同様に、フューモードファイバ内の信号は、本発明によるカプラを使用して逆多重化されることが可能である−フューモードファイバ内で伝送され、特定のモードで符号化される情報は、個々のコアに、更には別個の光ファイバに分離されることができる。フューモード光ファイバへの接続を有するマルチプレクサ及びデマルチプレクサの構成のカプラを使用することによって、モード多重化を使用した伝送システムを構築することができる。
【0110】
フューモードファイバ9の寸法:クラッド径d16=125μm;フューモードコア(10)−直径d17=10μm、5.8モル%のGeOでドープされたSiO
マルチコアファイバ(2)の寸法:
−フューモードコア(10)−直径d17=10μm、9モル%のGeOでドープされたSiO
−コア(4.1)−直径d5.1=10μm、2モル%のGeOでドープされたSiO
−コア(4.2)−直径d5.2=8μm、11.3モル%のGeOでドープされたSiO
−コア(4.3)−直径d5.3=10μm、6.1モル%のGeOでドープされたSiO
−クラッド(5)−直径d6=250μm、0モル%のGeOでドープされたSiO
−格子定数(Λ)=16μm
孔(6)の寸法:直径d7=8μm
テーパのパラメータ:
−部分(b)=2mm
−部分(c)=5mm
−直径d1=250μm
−テーパ比=10%(d2=225μm)
【0111】
実施例7の発明は図3図18、及び図19に示されている。この構成では、アドレッシングするコアの3つの基本モードがアドレッシングされるコアの2つの高次モードをアドレッシングする。
【実施例8】
【0112】
本発明によるカプラによって、コアがモードの異なる実効屈折率を有し、マルチコアファイバ(2)のコアの1つ−コア(12)が複屈折性であるマルチコア光ファイバ(2)を備える制御された変更モードのアドレッシングのための素子の構築が可能になる。アドレッシングするコアの近傍には、アドレッシングするコア(12)内の偏光モード(偏光モードx)の1つの実効屈折率に整合するように選択された段階的な屈折率を有する波長1550nmのシングルモードコア(4)がある。絶縁されたコアを有するマルチコアファイバ(2)には入力シングルコアファイバ(1)が取り付けられ、マルチコアファイバの反対側にはシングルコアの複屈折偏光維持ファイバ(11)が取り付けられ、マルチコア光ファイバ(2)の部分では、絶縁孔(6)の構造の破壊、及びファイバのテーパリングによって絶縁が縮減される。マルチコアファイバ(2)のアドレッシングするコア(12)は段階的な屈折率を有し、複屈折性であり、特定の偏光モードの別個の実効屈折率を有している。絶縁が縮減されないエリアには、任意のコア対間で観察される最大クロストークが−10dB未満であるようにスーパーモードが形成される(非効率な形成)。
【0113】
マルチコアファイバ(2)の構造は、ある部分で孔(6)の構造が潰されるように修正される。孔(6)の潰れ部の長さは(c)=3mmであり、テーパ遷移領域(b)=2mm、テーパ比は20%である。
【0114】
(c)=5mmの部分では、コアを分離する孔が潰される結果として縮減(低減)されたコア絶縁が形成され、クロストークが増大する。絶縁が縮減される結果、スーパーモードが形成され、その結果、クロストークが増大する−マルチコアファイバの出力でのアドレッシングされるモードの形態のアドレッシングされるコアに存在するパワーと、マルチコアファイバの入力でのアドレッシングするモードの形態のアドレッシングするコアに存在するパワーとの比率は−4dBよりも大きい。更に、アドレッシングされるコア内のアドレッシングされないモードの形態のマルチコアの出力に存在するパワーと、マルチコアの入力での初期されるアドレッシングするモードの形態のパワーとの比率は−12dB未満である。修正部分の端部に現れるアドレッシングされる各モードのパワーレベル分布は「フリーズ」され、この状態はマルチコアファイバの非修正部分によって更に移送される。
【0115】
孔が潰された部分の後で、信号は複屈折性が高いコアを伝搬し、そこでは1つの伝搬モードのみが実質的に励起される。複屈折性で偏光維持する出力ファイバは複屈折性が高いコアに接続される。
【0116】
したがって、コア絶縁の低減(縮減)が制御されるマルチコアファイバ内の上記のカプラ構造は、偏光モードをアドレッシング可能にする素子(カプラ)であり、したがって光ファイバポラライザを構築する際。逆の構成のカプラを使用することもできる。
【0117】
マルチコアファイバ(2)の寸法:
−コア(4)−直径d5=8.2μm、3.5モル%のGeOでドープされたSiO
−コア(12)−短軸d18=6μm、長軸d19=12.4μm、3.5モル%のGeOでドープされたSiO
−クラッド(5)−直径d6=125μm、0モル%のGeOでドープされたSiO(石英ガラス)
−格子定数(Λ)=16μm
孔(6)の寸法:直径d7=10m
テーパのパラメータ:
−部分(b)=2mm
−部分(c)=3mm
−直径d1=125μm
−テーパ比=20%(d2=100μm)
【0118】
実施例8の発明は図3図20図21に示されている。この構成では、アドレッシングするコア(4)の基本モードがアドレッシングされるコア(12)の偏光モードをアドレッシングする。
【実施例9】
【0119】
本発明によるカプラによって、マルチコア−コアがモードの異なる実効屈折率を有し、マルチコアファイバ(2)のコアのうちの2つ−コア(12.1)とコア(12.2)とが複屈折性である3−コアファイバ2を備える制御されたアドレッシングのための素子の構築が可能になる。アドレッシングされるコアの近傍には、実効屈折率がアドレッシングされるコア(12.1)及び(12.2)内の偏光モードの実効屈折率に整合するように選択された段階的な屈折率を有する波長1550nmのシングルモードコア(4)がある。絶縁されたコアを有するマルチコアファイバ(2)には入力シングルコアファイバ(1)が取り付けられ、マルチコアファイバの反対側にはシングルコアの複屈折偏光維持ファイバ(11)が取り付けられ、マルチコア光ファイバ(2)の部分では、絶縁孔(6)の構造の破壊、及びファイバのテーパリングによって絶縁が縮減される。マルチコアファイバ(2)のアドレッシングするコア(12.1)と(12.2)とは段階的な屈折率を有し、複屈折性であり、特定の偏光モードの別個の実効屈折率を有している。絶縁が縮減されないエリアには、任意のコア対間で観察される最大クロストークが−10dB未満であるようにスーパーモードが形成される(非効率な形成)。
【0120】
マルチコアファイバ(2)の構造は、ある部分で孔(6)の構造が潰されるように修正される。孔(6)の潰れ部の長さは(c)=5mmであり、テーパ遷移領域(b)=2mm、テーパ比は10%である。
【0121】
(c)=5mmの部分では、コアを分離する孔が潰される結果として縮減(低減)されたコア絶縁が形成され、クロストークが増大する。絶縁が縮減される結果、スーパーモードが形成され、その結果、クロストークが増大する−マルチコアファイバの出力でのアドレッシングされるモードの形態のアドレッシングされるコアに存在するパワーと、マルチコアファイバの入力でのアドレッシングモードの形態のアドレッシングするコアに存在するパワーとの比率は−4dBよりも大きい。更に、アドレッシングされる特定のコア内のアドレッシングされないモードの形態のマルチコアの出力に存在するパワーと、マルチコアの入力での初期のアドレッシングするモードの形態のパワーとの比率は−12dB未満である。修正部分の端部に現れるアドレッシングされる各モードのパワーレベル分布は「フリーズ」され、この状態はマルチコアファイバの非修正部分によって更に移送される。
【0122】
孔が潰された部分の後で、信号は複屈折性が高いコアを伝搬し、そこでは1つの伝搬モードのみが実質的に励起される。複屈折性で偏光維持する出力ファイバは複屈折性が高いコアに接続される。
【0123】
したがって、コア絶縁の低減(縮減)が制御されるマルチコアファイバ内の上記のカプラ構造は、偏光モードをアドレッシング可能にする素子(カプラ)であり、したがって構築すると偏光状態を分割する光ファイバポラライザである。逆の構成ではカプラを偏光コンバイナとして使用することができる。
【0124】
マルチコアファイバ(2)の寸法:
−コア(4)−直径d5=8.2μm、3.5モル%のGeOでドープされたSiO
−コア(12.1)−短軸d18.1=6μm、長軸d19.1=12.2μm、3.5モル%のGeOでドープされたSiO
−コア(12.2)−短軸d18.2=6μm、長軸d19.2=12.2μm、3.5モル%のGeOでドープされたSiO
−クラッド(5)−直径d6=125μm、0モル%のGeOでドープされたSiO(石英ガラス)
−格子定数(Λ)=16μm
孔(6)の寸法:直径d7=10m
テーパのパラメータ:
−部分(b)=5mm
−部分(c)=5mm
−直径d1=125μm
−テーパ比=10%(d2=112.5μm)
【0125】
実施例9の発明は図3図22図23に示されている。この構成では、アドレッシングするコア(4)の3つの基本モードがアドレッシングされるコア12.1及び12.2の偏光モードをアドレッシングする。
【実施例10】
【0126】
本発明によるカプラによって、マルチコア−複屈折性のコア(12.1)とコア(12.2)を有するデュアルコア光ファイバ(2)を有する制御された偏光モードをアドレッシングのための素子の構築が可能になる。コアはホモジニアス(同種)である。絶縁されたコアを有するマルチコアファイバ(2)にはシングルコアの複屈折偏光維持ファイバ(13)が取り付けられ、マルチコアファイバの反対側にはシングルコアの複屈折偏光維持ファイバ(11)が取り付けられ、マルチコア光ファイバ(2)の部分では、絶縁孔(6)の構造の破壊、及びファイバのテーパリングによって絶縁が縮減される。
【0127】
マルチコアファイバ(2)のコアの2つ−コア(12.1)と(12.2)は異なる段階的な屈折率を有し、複屈折性である。アドレッシングされるコアの近傍には、実効屈折率がアドレッシングされるコア(12.1)及び(12.2)内の偏光モードの実効屈折率に整合するように選択された段階的な屈折率を有する波長1550nmのシングルモードコア(4)がある。絶縁されたコアを有するマルチコアファイバ(2)には入力シングルコア複屈折偏光維持ファイバ(13)が取り付けられ、マルチコアファイバの反対側には出力シングルコア複屈折偏光維持ファイバ(11)が取り付けられ、マルチコア光ファイバ(2)の部分では、絶縁孔(6)の構造の破壊、及びファイバのテーパリングによって絶縁が縮減される。マルチコアファイバ(2)のコアは段階的な屈折率を有し、特定の偏光モードの別個の実効屈折率を有している。絶縁が縮減されないエリアには、任意のコア対間で観察される最大クロストークが−10dB未満であるようにスーパーモードが形成される(非効率な形成)。
【0128】
マルチコアファイバ(2)の構造は、ある部分で孔(6)の構造が潰されるように修正される。孔(6)の潰れ部の長さは(c)=5mmであり、テーパ遷移領域(b)=2mm、テーパ比は10%である。
【0129】
(c)=5mmの部分では、コアを分離する孔が潰される結果として縮減(低減)されたコア絶縁が形成され、クロストークが増大する。絶縁が縮減される結果、スーパーモードが形成され、その結果、クロストークが増大する−出力マルチコアファイバでのアドレッシングされるモードの形態のアドレッシングされるコアに存在するパワーと、マルチコアファイバの入力でのアドレッシングモードの形態のアドレッシングするコアに存在するパワーとの比率は−3dBよりも大きい。
【0130】
孔が潰された部分の後で、信号は複屈折性が高いコアを伝搬し、そこでは1つの伝搬モードのみが実質的に励起される−(x)及び(y)。複屈折性で偏光維持する出力ファイバ(11)は複屈折性が高いコアに接続される。
【0131】
したがって、コア絶縁の低減(縮減)が制御されるマルチコアファイバ内の上記のカプラ構造は、偏光モードをアドレッシング可能にする素子(カプラ)であり、したがってファイバ光カプラ(スプリッタ)偏光維持を構築する際に、コア(12.1)の始端に存在する信号はコア(12.1)及び(12.2)に分割され、偏光状態が維持される。逆の構成では、カプラは偏光コンバイナとして使用することができる。
【0132】
マルチコアファイバ(2)の寸法:
−コア(12.1)−短軸d18.1=6μm、長軸d19.1=12.4μm、3.5モル%のGeOでドープされたSiO
−コア(12.2)−短軸d18.2=6μm、長軸d19.2=12.4μm、3.5モル%のGeOでドープされたSiO
−クラッド(5)−直径d6=125μm、0モル%のGeOでドープされたSiO(石英ガラス)
−格子定数(Λ)=16μm
孔(6)の寸法:直径d7=10m
テーパのパラメータ:
−部分(b)=5mm
−部分(c)=5mm
−直径d1=125μm
−テーパ比=10%(d2=112.5μm)
【0133】
実施例10の発明は図3図24図25に示されている。この構成では、アドレッシングするコア12.1がアドレッシングされるコア12.2の偏光モードをアドレッシングする。
【実施例11】
【0134】
本発明によるカプラによって、空気が充填された孔の形態の屈折率(6)の低減エリアで絶縁されたコアを有するマルチコア光ファイバ(2)を含む制御されたアドレッシングのための素子の構築が可能になる。コアの1つ(4.3)は1550nmの波長でシングルモードコアであり、段階的な屈折率分布を有し、第2のコア(10)はフューモードコアであり、これも段階的な屈折率分布を有する。マルチコア−絶縁されたコアを有するデュアルコアファイバ(2)には、2つの入力シングルコアファイバ(1)及び(9)が取り付けられ、マルチコア光ファイバの反対側には2つの出力シングルコアファイバ(1)及び(9)が取り付けられ、マルチコア光ファイバ(2)の部分では、絶縁孔(6)の構造を潰すことによって絶縁が縮減される。微細構造素子(孔及びコア)の距離は格子定数(Λ)に等しく、絶縁孔の直径は10μmであり、コア(10)−コアがアドレッシングされるマルチコアは段階的な屈折率分布を有し、フューモードであり、特定モードの別個の実効屈折率を有する。アドレッシングされるコア(10)の近傍には、段階的な屈折率を有するアドレッシングするコア(4.3)があり、そのモードの実効屈折率は、アドレッシングされるコア(10)内のモード(第3高次モード)の1つの実効屈折率に整合するように選択される。コア(4.3)のモードと及びコア(10)のモードの1つは実効屈折率が整合されているため、絶縁の縮減前に、したがって、絶縁が低減される部分にスーパーモードが形成される。したがって、コア(4.3)のモードはコア(10)のモードをアドレッシングし、コア(10)のモードはコア(4.3)のモードをアドレッシングする。よって、アド−ドロップマルチプレクサ/デマルチプレクサを実現する可能性がある。両方のコア(4.3)及び(10)はアドレッシングするコアであると同時にアドレッシングされるコアでもある。
【0135】
絶縁が縮減されないエリアには、任意のコア対間で観察される最大クロストークが−10dB未満であるようにスーパーモードが形成される(非効率な形成)。
【0136】
マルチコアファイバ(2)の構造は、ある部分ではアドレッシングするコア及びアドレッシングされるコア(10)及び(4.3)上にスーパーモードが形成されるのに十分な長さで孔(6)の構造が潰されるように修正される。孔(6)の潰れ部の長さは(c)=5mmであり、テーパ遷移領域(b)=2mm、テーパ比は10%である。
【0137】
(c)=5mmの部分では、コアを分離する孔が潰される結果として縮減(低減)されたコア絶縁が形成され、クロストークが増大する−低減する絶縁の結果スーパーモードが形成され、クロストークが増大する−出力マルチコアファイバでのアドレッシングされるモードの形態のアドレッシングされるコアに存在するパワーと、マルチコアファイバの入力でのアドレッシングするモードの形態のアドレッシングするコアに存在するパワーとの比率は−3dBよりも大きい。1つのアドレッシングするコアのみを励起する場合は、特定のアドレッシングするコア(1つ又は複数)及びアドレッシングされるコア(1つ又は複数)内の(初期励起されたアドレッシングモードによる)アドレッシングされないモードの形態のマルチコアの出力に存在するパワーと、マルチコアの入力での初期励起されたアドレッシングするコア内のアドレッシングするモードの形態のパワーとの比率は−14dB未満である。修正部分の端部に現れるアドレッシングされる各モードのパワーレベル分布は「フリーズ」され、この状態はマルチコアファイバの非修正部分によって更に移送される。
【0138】
フューモードファイバ(9)の寸法:クラッド径d16=125μm、コアの直径d17=20μm、5.8モル%のGeOでドープされたSiO
マルチコアファイバ2の寸法:
−フューモードコア(10)−直径d17=20μm、5.8モル%のGeOでドープされたSiO
−コア(4.3)−直径d5.3=6.4μm、5.8モル%のGeOでドープされたSiO
−クラッド(5)−直径d6=250μm、0モル%のGeOでドープされたSiO(石英ガラス)
−格子定数(Λ)=20μm
孔(6)の寸法:直径d7=10μm
テーパのパラメータ:
−部分(b)=2mm
−部分(c)=5mm
−直径d1=250μm
−テーパ比=10%(d2=225μm)
【0139】
この実施例の発明は図3図26及び図27に示されている。この構成(マルチプレクサ)では、コア4.3のモードはコアの第3高次モードをアドレッシングし、コア10からの第3高次モードはコア4.3のモードをアドレッシングする。更に、フューモードコアには初期励起により他のモードが伝搬する。この構成では、他のモードが伝搬するコア10に追加の信号を追加することが課のうであり、1つの信号をこのコアを伝搬する他の信号からドロップさせることができる。実施例は、1つのコアを伝搬する信号に/信号からチャネルの1つを追加/除去することによるアド−ドロップ多重化の実現に関するものである。
【0140】
下記は、出願当初に記載の発明である。
<請求項1>
絶縁されたコアを有するマルチコアの光ファイバを含み、コアの絶縁がコアの近傍の低減した屈折率で特徴付けられるゾーンの発現として構成されるファイバ光カプラであって、N個の出力光ファイバに接合された、絶縁されたコアを有する少なくともN−コアのマルチコアの光ファイバに接合された少なくとも1つの入力光ファイバを含み、コアの近傍の低減屈折率のゾーンの寸法を減少させることにより、コアの絶縁がマルチコア光ファイバの少なくとも1つの部分で低減されることを特徴とするファイバ光カプラ。
<請求項2>
コンポーネント・マルチコア光ファイバは、エアアシストの絶縁を有するコアを有することを特徴とする請求項1に記載のファイバ光カプラ。
<請求項3>
マルチコア光ファイバの少なくとも1つの断片がある部分でテーパリングされ、その孔が潰されることを特徴とする請求項1又は2に記載のファイバ光カプラ。
<請求項4>
テーパリングされずにマルチコア光ファイバの少なくとも1つの断片とその孔が潰されることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載のファイバ光カプラ。
<請求項5>
コア絶縁が10dB以下のレベルのクロストークの発生を保証する光ファイバが利用されることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4に記載のファイバ光カプラ。
<請求項6>
少なくとも2つのシングル光ファイバが絶縁されたコアを有するマルチコア光ファイバの両側に接続されることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5に記載のファイバ光カプラ。
<請求項7>
テーパ部の長さは300μmよりも大きく、設計された信号分割レベルはテーパリングの長さと度合い及び/又は孔の破壊度に依存することを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6に記載のファイバ光カプラ。
<請求項8>
パワー分割は均等であることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7に記載のファイバ光カプラ。
<請求項9>
テーパ比は0〜95%であり、該テーパ比はファイバ断面の縮減率であると見なされることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8に記載のファイバ光カプラ。
<請求項10>
マルチコア光ファイバに接続されるシングル光ファイバは標準的なシングルモード光ファイバであることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9に記載のファイバ光カプラ。
<請求項11>
マルチコア光ファイバに接続されるシングル光ファイバは、それらのコアがマルチコア光ファイバのコアと整列されるようにエッチング及び/又はテーパリングされる標準的なシングルモード光ファイバであることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10に記載のファイバ光カプラ。
<請求項12>
マルチコア光ファイバに接続されるシングル光ファイバは細管内に配置されることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10又は11に記載のファイバ光カプラ。
<請求項13>
マルチコア光ファイバに接続されるシングル光ファイバは融着接続によって接続されることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10又は11又は12に記載のファイバ光カプラ。
<請求項14>
マルチコアファイバの少なくとも1つのコアはアドレッシングされるコアであり、その結果、マルチモード(フューモード)であり、かつ/又は使用される波長で複屈折性であり、少なくとも1つのコアはアドレッシングするコアであり、マルチコアファイバに少なくとも1つの少なくともシングルコア入力ファイバが接続され、マルチコアファイバの反対側では、少なくとも1つの少なくともシングルコア出力ファイバが取り付けられ、マルチコアファイバの少なくとも1つの部分でコアの絶縁が縮減され、マルチコアファイバの出力でアドレッシングされるコア内に存在するパワーはマルチコアファイバの入力でのパワーよりも大きいことを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のファイバ光カプラ。
<請求項15>
絶縁構造は、空気又は気体、又は固体又は液体が充填された孔から選択される屈折率が縮減されたゾーンの形態を有することを特徴とする請求項14に記載のファイバ光カプラ。
<請求項16>
アドレッシングする1つ又は複数のコアは使用される波長でシングルモードにあることを特徴とする請求項14又は15に記載のファイバ光カプラ。
<請求項17>
アドレッシングする1つ又は複数のコアは使用される波長で複屈折性であり、かつ/又はマルチモード(フューモード)であることを特徴とする請求項14又は16に記載のファイバ光カプラ。
<請求項18>
アドレッシングするコアは異なるモードの屈折率を有することを特徴とする請求項14又は15又は16又は17に記載のファイバ光カプラ。
<請求項19>
アドレッシングされるコア及びアドレッシングコードは特定のモードの同じ屈折率を有することを特徴とする請求項14又は15又は16又は17又は18に記載のファイバ光カプラ。
<請求項20>
マルチコアファイバの出力でのアドレッシングされるモードの形態のアドレッシングされるコア内に存在するパワーと、マルチコアファイバの入力でのアドレッシングするモードの形態のアドレッシングするコア内に存在するパワーとの比率は−5dBよりも大きいことを特徴とする請求項14又は15又は16又は17又は18又は19に記載のファイバ光カプラ。
<請求項21>
1つのアドレッシングするコアのみを励起する場合は、特定のアドレッシングする1つ又は複数のコア及びアドレッシングされるコアの(初期励起されたアドレッシングモードによる)アドレッシングされないモードの形態のマルチコアの出力に存在するパワーと、初期励起されたアドレッシングするコア内のアドレッシングするモードの形態のマルチコアの入力にあるパワーとの比率は−10dB未満であることを特徴とする請求項14又は15又は16又は17又は18又は19又は20に記載のファイバ光カプラ。
<請求項22>
ファイバのテーパリング及び/又はその孔の破壊としてのファイバ修正部の長さはマルチコアファイバの使用される長さに等しいことを特徴とする請求項14又は15又は16又は17又は18又は19又は20又は21に記載のファイバ光カプラ。
<請求項23>
屈折率が縮減されたゾーンはファイバクラッドで充填され、ファイバクラッド全体が屈折率縮減ゾーンの役割を果たすことを特徴とする請求項1から22のいずれかに記載のファイバ光カプラ。
<請求項24>
マルチコアファイバに接続された1つ又は複数のファイバは、シングルモード及び/又は複屈折性及び/又はマルチモード(フューモード)のファイバであることを特徴とする請求項1から23のいずれかに記載のファイバ光カプラ。
<請求項25>
マルチコアファイバに接続された1つ又は複数のファイバは、マルチコアファイバのコアのパラメータと対応するパラメータを有することを特徴とする請求項1から24のいずれかに記載のファイバ光カプラ。
<請求項26>
1つ又は複数のコアをアドレッシングする役割がアドレッシングされる1つ又は複数のコアによって果たされ、アドレッシングされる1つ又は複数のコアの役割がアドレッシングするコアによって果たされる逆構成(逆多重化モード)で使用可能であることを特徴とする請求項1から25のいずれかに記載のファイバ光カプラ。
<請求項27>
コア間の結合、ひいては信号(そのパワー及び/又は波長)の分割は、特にファイバを圧電構造に巻回し、又はファイバを変形する機械的装置を使用して、テーパ長(伸長)及び/又は張力(圧縮、曲げ、捩じり)及び/又は温度を変更することによって変更可能であることを特徴とする請求項1から26のいずれかに記載のファイバ光カプラ。
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【国際調査報告】