特表2018-511061(P2018-511061A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-511061毛細管現象を用いて液体サンプルを収集する装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-511061(P2018-511061A)
(43)【公表日】2018年4月19日
(54)【発明の名称】毛細管現象を用いて液体サンプルを収集する装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/12 20060101AFI20180323BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20180323BHJP
   G01N 1/10 20060101ALN20180323BHJP
【FI】
   G01N1/12 B
   G01N37/00 101
   G01N1/10 V
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2017-564955(P2017-564955)
(86)(22)【出願日】2016年2月26日
(85)【翻訳文提出日】2017年10月23日
(86)【国際出願番号】FR2016050446
(87)【国際公開番号】WO2016139409
(87)【国際公開日】20160909
(31)【優先権主張番号】1551725
(32)【優先日】2015年3月2日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517308242
【氏名又は名称】アヴァルン
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】プトー パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ポエール ヴァンサン
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA06
2G052AA26
2G052AA29
2G052AB16
2G052AB18
2G052AB20
2G052AD06
2G052AD26
2G052AD46
2G052BA03
2G052BA14
2G052CA04
2G052CA39
2G052DA08
2G052DA09
2G052DA22
2G052ED05
2G052FD09
2G052GA11
2G052GA28
2G052GA29
2G052JA01
2G052JA07
2G052JA09
2G052JA16
(57)【要約】
本発明は、毛細管現象によって液体サンプルを集める装置に関し、当該装置は以下を備える:
−雄パーツ(9)を備える第1の要素(A)
・・雄パーツ(9)は、第1の入力端部(4)と第2の端部(8)との間で縦方向に延びるとともに、開放された横断面を備える、少なくとも1つのチャネル(5)を備え、チャネル(5)は、チャネルの底面である縦壁(10)を備えるとともに、チャネル(5)の側面を形成する2つの横壁(11A、11b)によって区切られ;
−第1の要素(A)とは別の要素であって、雌パーツ(12)を備える第2の要素(B)
・・雌パーツ(12)は、雄パーツ(9)を収容するように、窪みの範囲を横方向に限定する周壁(13)を備え;
・・雌パーツ(12)が雄パーツ(9)を収容するとき、周壁(13)の一部(14)は、チャネル(5)の横断面をふさぐキャップを形成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛細管現象によって液体サンプルを集めるサンプル収集装置(1)であって:
・雄パーツ(9)を備える第1の要素(A)、
・・前記雄パーツ(9)は、第1の入力端部(4)と第2の端部(8)との間で縦方向に延びるとともに、開放された横断面(open transverse section)を備える、少なくとも1つのチャネル(5)を備え、前記チャネル(5)は、前記チャネルの底面である縦壁(10)を備えるとともに、前記チャネル(5)の側面を形成する2つの横壁(11A、11b)によって区切られ;
・前記第1の要素(A)とは別の要素であって、雌パーツ(12)を備える第2の要素(B)、
・・前記雌パーツ(12)は、前記雄パーツ(9)を収容するように、窪みの範囲を横方向に限定する周壁(13)を備え;
・・前記雌パーツ(12)が前記雄パーツ(9)を収容するとき、前記周壁(13)の一部(14)は、チャネル(5)の前記横断面(transverse section)をふさぐキャップを形成する、
を備える、サンプル収集装置。
【請求項2】
前記雌パーツ(12)が前記雄パーツ(9)を収容するとき、前記チャネル(5)の前記横壁(11A、11b)の少なくとも1つは、前記チャネル(5)の縦軸を横切る面において、前記チャネル(5)の2つの前記壁(10、11A、11b、14)の間の距離が、チャネル(5)の横方向の端部に向かうにつれて減少するように配置される、請求項1に記載されたサンプル収集装置。
【請求項3】
前記雄パーツ(9)は、実質的に矩形の横断面を有するプレートから形成され、前記チャネル(5)は、前記雄パーツ(9)を形成する前記プレートのいわゆる縦上面(top longitudinal face)(16)の位置に配置される、請求項1又は2に記載されたサンプル収集装置。
【請求項4】
前記チャネル(5)は、前記雄パーツ(9)の前記上面(16)の位置、又は、前記上面の反対側である、前記雄パーツ(9)のいわゆる底面(28)の位置に配置されている、分析チャンバーと称する部分(20)を少なくとも1つ備える、請求項3に記載されたサンプル収集装置。
【請求項5】
前記チャネル(5)は、開放された横断面(open transverse section)を有し、前記雄パーツ(9)の前記底面(28)の位置に配置され、前記チャネル(5)の前記上面(16)に位置する部分と連通する、少なくとも1つの分析チャンバー(20)を備え、前記雌パーツが前記雄パーツを収容するとき、前記雌パーツ(12)の周壁(13)の一部が、前記分析チャンバー(20)の前記横断面をふさぐ第2のキャップ(30)を形成する、請求項4に記載されたサンプル収集装置。
【請求項6】
前記分析チャンバー(20)は、前記分析チャンバー(20)の中央ゾーン(central zone)の位置に出現するダクト(29)によって、前記チャネル(5)の前記上面(16)に位置する前記部分と連通する、請求項5に記載されたサンプル収集装置。
【請求項7】
前記雌パーツが前記雄パーツを収容するとき、前記キャップ(14、30)が、前記チャネル(5)の前記横断面を確実に気密シーリングするように、前記雄パーツ(9)の前記プレートの上面(16)又は前記上面(16)の反対側の前記底面(28)を圧迫するように、前記窪みを定める前記雄パーツ(9)及び前記雌パーツ(12)の寸法は選択される、請求項3乃至6の何れか一項に記載されたサンプル収集装置。
【請求項8】
前記底縦壁(10)の表面の少なくとも一部、前記チャネルの前記横壁(11A、11b)の表面の少なくとも一部及び/又は前記キャップ(14、30)の表面の少なくとも一部は、前記チャネル(5)の他の表面とは異なる濡れ性(wettability)を示す、請求項1乃至7の何れか一項に記載されたサンプル収集装置。
【請求項9】
前記第2の要素(B)は、前記液体サンプルを受けるための接触面(2)を備え、前記第2の要素(B)は、前記接触面(2)の位置に前記窪みの収集口(19)が出現するように前記雌パーツ(12)に組み付けられ、前記雌パーツが前記雄パーツを収容するとき、前記チャネル(5)の前記第1の入力端部(4)が位置する前記雄パーツ(9)の端部横断壁(17)は、前記接触面(2)と同一平面上にある、請求項1乃至8の何れか一項に記載されたサンプル収集装置。
【請求項10】
前記チャネル(5)の前記第2の端部(8)は、前記サンプル収集装置の周囲環境に応じて出現する通気口(21)と連通する、請求項1乃至9の何れか一項に記載されたサンプル収集装置。
【請求項11】
前記第1の要素(A)は、前記雄パーツ(9)が組み付けられる保持ヒール(gripping heel)(23)を備える、請求項1乃至10の何れか一項に記載されたサンプル収集装置。
【請求項12】
前記ヒール(23)は、前記雄パーツ(9)の平面において広がるプレートにより形成され、前記ヒール(23)の前記プレートに対向する突出部(25)を少なくとも1つ備える、請求項11に記載されたサンプル収集装置。
【請求項13】
前記チャネル(5)は、乾燥された又は凍結乾燥された試薬、少なくとも1つの電極、又は、少なくとも1つの吸収膜(absorbent membrane)を備える、分析チャンバー(20)を形成する部分を少なくとも1つ備える、請求項1乃至12の何れか一項に記載されたサンプル収集装置。
【請求項14】
前記キャップ(14)と接触するための区切り横壁(delimiting lateral walls)(32)によってチャネル(5)は横方向に区切られ、前記横壁(32)は、前記チャネル(5)を少なくとも部分的に囲む周辺ゾーン(peripheral zone)(31)から前記チャネル(5)を分離するとともに、前記キャップ(14)に対向するいわゆる底面(10)を備えるチャネル(5)と前記周壁(13)に対向するいわゆる周面(33)を備える周辺ゾーン(peripheral zone)とを分離し、前記底面(10)の直交軸に沿って、前記周面(33)と前記対向する周壁(13)との間の距離が、前記底面(10)と前記対向するキャップ(14)との間の距離より大きい、請求項1乃至13の何れか一項に記載のサンプル収集装置。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか一項に記載のサンプル収集装置(1)を用いる液体サンプルを取り出す方法は、以下のステップを備える:
−雄パーツ(9)を備える第1の要素(A)を生産すること、
前記雄パーツは、第1の入力端部(4)と第2の端部(8)との間で縦方向に延びるとともに、開放された横断面(open transverse section)を備える、少なくとも1つのチャネル(5)を備え、前記チャネル(5)は、前記チャネルの底面である縦壁(10)を備えるとともに、前記チャネル(5)の側面を形成する2つの横壁(11A、11b)によって区切られ;
−前記第1の要素(A)とは別の要素であって、雌パーツ(12)を備える第2の要素(B)を生産すること、
前記雌パーツ(12)は、前記雄パーツ(9)を収容するように、窪みの範囲を横方向に限定する周壁(13)を備え、前記雌パーツ(12)が前記雄パーツ(9)を収容するとき、前記周壁(13)の一部(14)は、チャネル(5)の前記横断面(transverse section)をふさぐキャップを形成する;
−前記チャネル(5)において、機能させる分析チャンバー(20)を形成するゾーンを機能させること;
−前記雄パーツ(9)を前記雌パーツ(12)に導入すること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、例えば、化学及び/又は生物学的サンプル等の液体サンプルを分析するために収集することである。また、本発明は、サンプルが毛細管現象によって流れるチャネルを備える、液体サンプルを収集する装置に関し、当該装置によって収集された液体サンプルを分析する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1及び2は、特許文献1に記載された毛細管現象によって液体サンプルを収集する装置1の一例を示す。当該装置は、チャネル5の入力端部4において出現する通り口3が提供される接触面2を備える。当該チャネルは、底壁7によって互いに連結され互いに平行な2枚の横壁6a、6bによって形成され、入力端部4から第2の端部8に縦方向に延びている。
【0003】
2枚の横壁6aと横壁6bとの間の距離がチャネルの底に向かうにつれて減少するように、底壁7は配置される。このように、液体サンプルが接触面2に置かれると、当該液体サンプルは、入力端部4においてチャネル5に入り、第2の端部8までチャネル5に沿って毛細管現象によって流れる。動力は毛細管現象による力であり、当該力の強さは、底の位置において収束する横壁6a、6bによって増加される。チャネルの第2の端部8において液体の流れを止めるために、例えば疎水性ゾーン又はチャネルの寸法が急激に広がる部分等の流動停止手段が提供される。
【0004】
通常、チャネルは、例えば乾燥された又は凍結乾燥された試薬又は電極が提供される、測定チャンバー又は分析チャンバーと呼ばれる部分を備える。
チャネルの横壁は、通常、可視光線又は赤外線に対して透明であるため、乾燥された又は凍結乾燥された試薬がサンプルによって取り入れられることによって開始される化学反応の分析のため、又は、液体サンプルの化学的又は生物学的分析のために、光学測定を実行することができる。
【0005】
チャネルは、開放された横断面(open transverse section)を有し、すなわち、チャネル5は、底壁7の反対側の縦の部分の全てにわたって周囲環境に対して開放されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2014/135652号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
当該装置の1つの欠点は、特に、チャネルの内面に対して、乾燥された又は凍結乾燥された試薬を配置することによって、又は、電極を設置することによって、又は、局所的に化学的又は生物学的処理を施すによって、当該内面を機能させたい場合に、当該内面にアクセスするのが難しいということである。例えば、乾燥された又は凍結乾燥された試薬によって分析チャンバーを機能させる場合、分析チャンバーにアクセスすることが困難であることによって、試薬を配置させ乾燥させることを難しくし、再生することも難しくする。実際、試薬を含む溶媒を蒸発又は昇華(sublimation)する前に、溶媒が分析チャンバーへ向かって流れるようにチャネルの入力端部に溶媒を導入する必要がある。
【0008】
さらに、外部に存在する成分によるチャネル汚染の危険性を増やす、当該チャネルの開放された縦の部分の全体を介して、チャネルの内部は外部からアクセス可能であり、液体による外部媒体のコンタミネーションを予防するため、チャネルの内部は、液体サンプルを含む液体をチャネル内に定着させるための手段を形成するように構築されることが要求される。
【0009】
本発明の目的は、少なくとも部分的に先行技術の欠点を改善することであり、特に、チャネルの内面への単純化されたアクセスとチャネルの効果的な封入を可能にする、毛細管現象によって液体サンプルを集める装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
当該目的のため、本発明は、毛細管現象によって液体サンプルを集める装置を提案する。当該装置は、以下を備える:
−雄パーツを備える第1の要素、
・・前記雄パーツは、第1の入力端部と第2の端部との間で縦方向に延びるとともに、開放された横断面(open transverse section)を備える、少なくとも1つのチャネルを備え、前記チャネルは、前記チャネルの底面である縦壁を備えるとともに、前記チャネルの側面を形成する2つの横壁によって区切られ;
−前記第1の要素とは別の要素であって、雌パーツを備える第2の要素、
・・前記雌パーツは、前記雄パーツを収容するように、窪みの範囲を横方向に限定する周壁を備え;
・・前記雌パーツが前記雄パーツを収容するとき、前記周壁の一部は、チャネルの前記横断面(transverse section)をふさぐキャップを形成する。
【0011】
好ましくは、雌パーツが前記雄パーツを収容するとき、チャネルの前記横壁の少なくとも1つは、前記チャネルの縦軸を横切る面において、前記チャネルの2つの前記壁の間の距離が、チャネルの横方向の端部に向かうにつれて減少するように配置される。
【0012】
前記雄パーツは、実質的に矩形の横断面を有するプレートから形成されてもよく、前記チャネルは、前記雄パーツを形成する前記プレートのいわゆる縦上面(top longitudinal face)の位置に配置されてもよい。
【0013】
前記チャネル(5)は、前記雄パーツ(9)の前記上面(16)の位置、又は、前記上面の反対側である、前記雄パーツ(9)のいわゆる底面(28)の位置に配置されている、分析チャンバーと称する部分(20)を少なくとも1つ備えていてもよい。
【0014】
1つの実施形態において、前記チャネルは、開放された横断面(open transverse section)を有し、前記雄パーツの前記底面の位置に配置され、チャネルの上面に位置する部分と連通する、少なくとも1つの分析チャンバーを備え、前記雌パーツが前記雄パーツを収容するとき、前記雌パーツの周壁の一部が、前記分析チャンバーの前記横断面をふさぐ第2のキャップを形成する。
【0015】
前記分析チャンバーは、前記分析チャンバーの中央ゾーン(central zone)の位置に出現するダクトによって、前記チャネルの前記上面に位置する前記部分と連通してもよい。
【0016】
好ましくは、前記雌パーツが前記雄パーツを収容するとき、前記キャップが、前記チャネルの前記横断面を確実に気密シーリングするように、前記雄パーツの前記プレートの上面又は前記上面の反対側の前記底面を圧迫するように、前記窪みを定める前記雄パーツ及び前記雌パーツの寸法は選択される。
【0017】
前記底縦壁の表面の少なくとも一部、前記チャネルの前記横壁の表面の少なくとも一部及び/又はキャップの表面の少なくとも一部は、前記チャネルの他の表面とは異なる濡れ性(wettability)を示すことが好ましい。
【0018】
前記第2の要素は、前記液体サンプルを受けるための接触面を備え、前記第2の要素は、前記接触面の位置に前記窪みの収集口が出現するように前記雌パーツに組み付けられ、前記雌パーツが前記雄パーツを収容するとき、前記チャネルの前記第1の入力端部が位置する前記雄パーツの端部横断壁は、前記接触面と同一平面上にあってもよい。
【0019】
前記チャネルの前記第2の端部は、前記サンプル収集装置の周囲環境に応じて出現する通気口と連通することが好ましい。
【0020】
前記第1の要素は、前記雄パーツが組み付けられる保持ヒール(gripping heel)を備えることが好ましい。
【0021】
前記ヒールは、前記雄パーツの平面において広がるプレートにより形成され、前記ヒールの前記プレートに対向する突出部を少なくとも1つ備えていてもよい。
【0022】
前記ヒールは、前記雌パーツが前記雄パーツを収容するとき、前記雌パーツの前記周壁に対して当接するための表面を備えていてもよい。
【0023】
1つの実施形態において、前記チャネルは、乾燥された又は凍結乾燥された試薬、少なくとも1つの電極、又は、少なくとも1つの吸収膜(absorbent membrane)を備える、前記分析チャンバーを形成する部分を少なくとも1つ備える。
【0024】
前記キャップと接触するための区切り横壁(delimiting lateral walls)によってチャネルは横方向に区切られてもよく、前記横壁は、前記チャネルを少なくとも部分的に囲む周辺ゾーン(peripheral zone)から前記チャネルを分離するとともに、前記キャップに対向するいわゆる底面を備えるチャネルと前記周壁に対向するいわゆる周面を備える周辺ゾーン(peripheral zone)とを分離してもよく、前記底面の直交軸に沿って、前記周面と前記対向する周壁との間の距離が、前記底面と前記対向するキャップとの間の距離より大きい。
【0025】
本発明は、上記の特徴の何れか1つに係るサンプル収集装置を用いて液体サンプルを取り出す方法にも関し、当該方法は、以下のステップを備える:
−雄パーツを備える第1の要素を生産すること、
前記雄パーツは、第1の入力端部と第2の端部との間で縦方向に延びるとともに、開放された横断面(open transverse section)を備える、少なくとも1つのチャネルを備え、前記チャネルは、前記チャネルの底面である縦壁を備えるとともに、前記チャネルの側面を形成する2つの横壁によって区切られ;
−前記第1の要素とは別の要素であって、雌パーツを備える第2の要素を生産すること、
前記雌パーツは、前記雄パーツを収容するように、窪みの範囲を横方向に限定する周壁を備え、前記雌パーツが前記雄パーツを収容するとき、前記周壁の一部は、チャネルの前記横断面(transverse section)をふさぐキャップを形成する;
−前記チャネルにおいて、機能させる分析チャンバーを形成するゾーンを機能させること;
−前記雄パーツを前記雌パーツに導入すること。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の他の面、目的、利点及び特徴は、非限定的な例である、その好ましい実施形態の以下の詳細な説明を、添付された図面を参照して読むことにより明らかになり、図1及び図2は、すでに上述されている。
図1図1は、国際公開第2014/135652に記載された毛細管現象によって液体サンプルを収集する装置の一例を示す。
図2図2は、国際公開第2014/135652に記載された毛細管現象によって液体サンプルを収集する装置の一例を示す。
図3図3は、1つの実施形態に係る、雄パーツが雌パーツから取り外された状態の、液体サンプルを集める装置の斜視図である。
図4図4は、図3に示すサンプル収集装置の第1の要素の斜視図である。
図5図5は、1つの実施形態に係るサンプル収集装置のチャネルの横方向の断面の略図である。
図6図6は、1つの実施形態に係るサンプル収集装置のチャネルの横方向の断面の略図である。
図7図7は、接触面の位置において通気口が出現する実施形態に係る、雄パーツが雌パーツに導入されるサンプル収集装置の正面図である。
図8図8は、チャネルの分析チャンバーが吸収膜(absorbent membrane)を備える実施形態にかかる、雄パーツが雌パーツに導入されるサンプル収集装置の正面図である。
図9A図9Aは、チャネルの中の液体サンプルの流れの異なる瞬間を示す、図8に示すサンプル収集装置の一部の縦方向の断面の概略図である。
図9B図9Bは、チャネルの中の液体サンプルの流れの異なる瞬間を示す、図8に示すサンプル収集装置の一部の縦方向の断面の概略図である。
図9C図9Cは、チャネルの中の液体サンプルの流れの異なる瞬間を示す、図8に示すサンプル収集装置の一部の縦方向の断面の概略図である。
図9D図9Dは、チャネルの中の液体サンプルの流れの異なる瞬間を示す、図8に示すサンプル収集装置の一部の縦方向の断面の概略図である。
図10A図10Aは、チャネルが少なくとも部分的により大きな深さの周辺ゾーン(peripheral zone)に囲まれている他の1つの実施形態に係る雄パーツの斜視図である。
図10B図10Bは、チャネルが少なくとも部分的により大きな深さの周辺ゾーン(peripheral zone)に囲まれている他の1つの実施形態に係る雄パーツの平面図である。
図10C図10Cは、チャネルが少なくとも部分的により大きな深さの周辺ゾーン(peripheral zone)に囲まれている他の1つの実施形態に係る雄パーツの平面図である。
図11A図11Aは、雌パーツが雄パーツを収容している当該他の実施形態に係る収集装置の横方向の断面の概略図である。
図11B図11Bは、雌パーツが雄パーツを収容している当該他の実施形態に係る収集装置の横方向の断面の概略図である。
図11C図11Cは、雌パーツが雄パーツを収容している当該他の実施形態に係る収集装置の横方向の断面の概略図である。
図12A図12Aは、チャネルの入力端部の位置の収集装置の縦方向の断面の概略図である。
図12B図12Bは、チャネルの入力端部の位置の収集装置の縦方向の断面の略図である。
図13A図13Aは、チャネルのベントの上面を示す概略図である。
図13B図13Bは、チャネルのベントの縦方向の断面を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面及び以下の説明において、同じ符号は、同一又は類似する構成要素を意味する。
【0028】
図3は、1つの実施形態に係る、毛細管現象によって液体サンプルを集めるサンプル収集装置1を示す。
【0029】
サンプル収集装置は、互いに異なり、当該装置を使用可能となるように互いに協動する、2つの要素A、Bを備える。
【0030】
第1の要素Aは、開放された横断面(open transverse section)を有するチャネル5を備える雄パーツ9を備える。液体サンプルを受け取り可能な入力端部と呼ばれる第1の端部4と第2の端部8との間で、チャネル5は縦方向に延びる。チャネル5は、チャネル5の側面を形成する2枚の横壁11a、11bによって区切られ、以下の説明で底壁と呼ばれる、縦壁10によって形成される。
【0031】
第2の要素Bは、雄パーツ9を収容又は受容するための窪みの範囲を横方向に限定する周壁13によって形成される雌パーツ12を備える。さらに、雌パーツが雄パーツを収容するとき、縦壁13の一部は、チャネル5の横断面をふさぐキャップ14を形成する。
【0032】
このように、使用可能な液体サンプルを集める装置1を製造するため、第1の要素Aの雄パーツ9は、第2の要素Bの雌パーツ12に、周壁13がチャネル5の横断面をふさぐように、好ましくはチャネルの全長にわたって、導入される。次いで、液体サンプルはチャネル5の入力端部4と接触し、これにより、当該液体サンプルがチャネル5に流入し、毛細管現象によって第2の端部8まで流れる。
【0033】
当該実施形態に係るサンプル収集装置1の2つの異なった要素A及び要素Bにおいて、チャネル5は縦方向に開放された横断面を備え:
−雄パーツが雌パーツに収容される前では、チャネルの内部へ直接にアクセスでき;
−雄パーツが雌パーツに収容された後では、チャネルは十分に封入される。
【0034】
チャネルの内部、すなわち、当該内部体積、及び、その内面の少なくとも一部、へ直接にアクセスできることによって、簡便かつ効果的に、チャネルの内部を部分的又は全体的に、機能させ及び/又は処理することができる。このことは、先行技術に係る実施例では達成できなかった。
【0035】
このように、液体サンプルと相互作用させることを目的とした、乾燥された又は凍結乾燥された試薬をチャネルに付着させたい場合には、チャネルの内部へ直接にアクセスできることによって、簡便にかつ迅速に、試薬を特に均一に付着させることができる。実際に、先行技術に係る実施例ではチャネルがその入力端部のみからアクセス可能であるのに対して、本実施形態に係るチャネルの内部はその全長にわたって直接アクセス可能である。また、試薬を乾燥又は凍結乾燥するため又は試薬を付着させるための道具の正確な位置決めが単純化され得る。さらに、チャネルの入力端部、中央、又は、出力部分等の所望するゾーンに直接に、簡便に、試薬を局所的に乾燥又は凍結乾燥させ、又は、試薬を局所的に付着させることができる。先行技術に係る実施例は、試薬又は試薬の局所的な位置決めにおいて、そのような簡便さを提供しない。
【0036】
また、例えば、チャネルの壁の上に1つ以上の化学分子又は生物学的な実体(タンパク質、DNA配列、抗体等)を、例えば、共有化学結合(covalent chemical bond)によって、局所的に直接固定することによって、チャネルに電極又は吸収膜(absorbent membrane)を簡便かつ正確に配置させることもでき、化学的にチャネルの内部を機能させることさえできる。
【0037】
サンプル収集装置は、また、雌パーツが雄パーツを収容するとき(特に、チャネルが効果的に封入されるとき)、チャネル内に存在する液体による外部の周囲環境の汚染及び外部からのチャネルの汚染を制限し、抑制さえする。
【0038】
図3に示す例では、雄パーツ9は、実質的に矩形の横断面を有するプレート15によって形成される。チャネル5の入力端部4がプレート15の端部横断壁17において出現するように、プレートの縦の表面16(上面と呼ばれている)の位置に、チャネル5は配置される。ここでは、プレート15は矩形の横断面を有するが、どんな種類の断面であってもよく、例えば、正方形であってもよく、さらに円形であってもよい。
【0039】
図3に示すように、3次元正規直交参照フレーム(three-dimensional orthonormal reference frame)は定義され、X軸は雄パーツ9の縦の軸、Y軸は雄パーツ9の幅、Z軸は雄パーツ9の厚さ方向に向いている。ここで、チャネル5の幅は、Y軸方向の長さ、チャネル5の2枚の壁の間の距離として定義され、チャネル5の深さは、Z軸方向の長さ、チャネル5の2枚の壁の間の距離として定義される。
【0040】
チャネル5の底縦壁10は、好ましくは、横方向の断面において、局面を側面11a、11bの各々より大きい。換言すれば、チャネル5の横方向の形状因子(transverse form factor)、すなわち、チャネルの深さに対する幅の比率は、当該実施形態においては、厳密に1より大きく、好ましくは5より大きく、さらに10より大きい。
【0041】
図3に示す例では、雌パーツ12の周壁13は、雄パーツ9を受けるとともに、好ましくは完全に、収容することができる窪みを形成するように、X軸に沿って、縦方向に延びる。さらに、周壁13の内部の寸法は、雌パーツ12が雄パーツ9を収容するとき、雄パーツ9の外形の表面が周壁13の内面と接触するように調節される。
【0042】
当該実施形態においては、周壁13は、Y−Z平面において、雄パーツ9の矩形の横断面と一致する、実質的に矩形の横断面の窪みをつくる。しかしながら、雄パーツの横断面と相補的な形であれば、他のどの形であってもよい。
【0043】
特定の実施形態において、周壁13の横断面の内寸は、X軸の方向に沿って、雄パーツ9の横断面と相似的に縮小する。これにより、当該装置の2つの要素の組立てを簡便にする円錐−円錐型フィッティングが可能になる。
【0044】
当該窪みは、雄パーツが導入される挿入開口18と、反対側の開口19(収集口と称する)との間に延びており、チャネルに液体サンプルを挿入するために当該液体サンプルを受け取ることができる。
【0045】
第2の要素Bは、当該実施の形態では液体サンプルを受けるためのカップ形状の接触面2を更に備える。雌パーツ12は、当該窪みの収集口19が接触面2の位置に出現するように、接触面2に組み付けられる。接触面2は、実質的に直角に雌パーツ12まで延びるとともに、湾曲して広がった、より具体的には、凸面を有することにより、収集口19と液体サンプルとの接触を促進することができる。この湾曲面は、また、特に、人間の指先にぶら下がる液滴の配置に適しており、これにより、指先から血液サンプルを毛細管現象により集めることができる。
【0046】
このように、液体サンプルが接触面2に配置され、収集口19と接触すると、液体サンプルは入力端部4を介して毛細管現象によってチャネル5に導入される。当該目的のため、接触面2は、図3に示すように、広がった形状を有し、また、雄パーツ9の端部横断壁17は、同じ曲率半径の湾曲した形状を有することが好ましい。このように、接触面2の表面及び雄パーツ9の端部横断壁17の表面は、共に、突出したり陥没したりすることなく、チャネルの入力端部の開口以外において実質的に連続的な表面を有する。
【0047】
チャネル5への毛細管現象による液体サンプルの導入を促進するため、サンプル収集装置の壁は、理想的には90°未満の接触角(wetting angle)を示し、さらに理想的には50°未満の接触角(wetting angle)を示す。当該接触角(wetting angle)を元々示す材料を選ぶことによって、あるいは、装置の要素Aと要素Bとが製造された後に化学的に処理することによって、これを達成することができる。酸素プラズマ処理又は酸素存在下の高強度のUVランプの照射処理(insolation treatment)を用いてもよい。
【0048】
図4は、図3に示す実施形態に係る第1の要素を詳細に示す斜視図である。
【0049】
雄パーツ9の上面16の位置に配置されるチャネル5は、入力端部4と第2の端部8との間に延びる。本実施形態において、チャネル5は、入力端部4から延びる第1の部分と、チャネルの第2の端部8から延びる第2の部分20と、を備える。第2の部分20は、横方向の広がり、すなわち、Y軸に沿う幅の増大を有する。当該第23の部分20は、分析チャンバー又は測定チャンバーを形成し、チャンバー内に存在する適切な手段による液体サンプルの分析を可能にする。
【0050】
第2の端部8の位置において、チャネル5は、チャネルの外気への接触を可能にする通気口21と連通する。通気口21は、雄パーツ9を形成するプレートの端部まで延びる。当該実施形態においては、通気口21は雄パーツ9の上面16に形成される溝形状を有し、雄パーツの2つの長手方向端部22につながるように、Y軸に沿って延びる。雌パーツ12が雄パーツ9を収容するとき、雌パーツ12の周壁13は、チャネルの外気への接触を可能にするように、当該通気口と連通するエマージェント開口(emergent opening)(図示省略)を少なくとも1つ備える。
【0051】
チャネル5は、第2の端部8の位置において、液体の流れを止めるための手段を備える。当該停止手段は、チャネルの内面の少なくとも一部が液体サンプルに対して疎水性であるゾーンであってもよい。当該疎水性は、表面を局所的に処理することによって、又は、疎水性コーティングを配置することによって得られてもよい。当該停止手段は、チャネルの側面、キャップ、及び、底面の全部又は一部に影響を与えてもよい。当該停止手段は、図4に示すように、A. Gliere and C. Delattre, Modeling and fabrication of capillary stop valves for planar microfluidic systems, Sens. Actuators A, 130−131 (2006), 601−608に記載されているように、チャネルの横方向の寸法、例えば、Y軸に沿う幅、が広がる形状であってもよい。当該広がりは、液体の流れを引き起こす濡れ性(wettability)の毛細管現象による力を低減することができる。当該停止手段は、チャネルの横断面において延びるチャネルの終端の壁であってもよく、チャンネルの縦方向の流れを妨害する。
【0052】
雄パーツ9の寸法と雌パーツ12の窪みの寸法は、雌パーツが雄パーツを収容するとき、雄パーツ9と雌パーツ12との互いの保持が表面の摩擦によって確実となるような寸法である。図4に示す例では、雄パーツ9は、Z軸に沿う幅、及び、場合によってはY軸に沿う幅が、チャネルの入力端部4から離れるにしたがって増加する、長手方向端部22の一部を備える。このように、雌パーツが雄パーツを収容するとき、雌パーツ12の周壁13は、雄パーツ9の当該広がる側部22aに対する押圧力(pressing force)を印加することによって、その位置において摩擦によって保持される。
【0053】
さらに、雄パーツ9の寸法と雌パーツ12の窪みの寸法は、雌パーツが雄パーツを収容するとき、キャップ14が、チャネル5の横断面を確実に気密シーリングするように、雄パーツ9の上面16を圧迫するような寸法、又は、雄パーツ9の上面16を圧迫するように、チャネル5の横断面を確実に気密シーリングするような寸法である。
【0054】
第1の要素Aは、雄パーツ9が固定される、いわゆる保持ヒール(gripping heel)23を更に備える。ヒール23は、主に雄パーツ9のX−Y平面において、雄パーツ9の長手方向軸であるX軸に対して実質的に直角な長手軸であるY軸に沿って広がるプレート形状を有する。これにより、ユーザーは装置を容易に取り扱うことができる。
【0055】
雄パーツが雌パーツに導入されるとき、ヒール23は、雄パーツの両側に、雌パーツ12の周壁13に当接する当接面24を備える。雄パーツ9及び雌パーツ12の縦方向の寸法は実質的に等しく、これにより、雌パーツが雄パーツ全体を収容するとき、挿入開口18の範囲を定める周壁13の端部がヒール23と当接面24と接触し、雄パーツ9の端部横断壁17が窪みの収集口19の位置に(接触面2と重なるチャネル5の入力端部4に)位置する。
【0056】
ヒール23は、また、ヒール23のY−Z平面上において横方向に延出する突出部25を、少なくとも1つ、本実施形態においては2つ、備える。これらの突出部25は、サンプル収集装置の使用又は取扱いにおける如何なるエラーも回避することができる、特に、分析システムの支持に関して装置を正しく設置することができる、キー溝機能(keyway function)を確実にする。
【0057】
さらに、図7及び図8に示すように、ヒール23は、例えば、QRコード(登録商標)又はデータ・マトリックス・コードの形式で情報を記入することができる情報記入ゾーン26を備え、これにより、例えば、チャネル5の分析チャンバー20に配置された試薬のタイプ、及び/又は、有効期限日又は製造日を確認することができる。
【0058】
図5及び図6は、2つの変形例に係る、雌パーツが雄パーツを収容する際の、チャネルの横方向の断面を示す概略図である。
【0059】
ここで、図3において定義される3次元正規直交参照フレーム(three-dimensional orthonormal reference frame)は再度提示される。X軸は雄パーツの長さ方向、Y軸は雄パーツの幅方向、Z軸は雄パーツの厚さ方向に向いている。チャネルの幅は、Y軸方向の長さ、チャネル5の2枚の壁の間の距離として定義され、チャネルの深さは、チャネルの2枚の壁の間のZ軸方向に沿う距離として定義される。チャネルの横方向の端部は、Y−Z平面におけるY軸に沿った端である。
【0060】
雄パーツ9は、チャネルの側面を形成する横壁11a、11bによって区切られる底壁10によって形成される、Y−Z平面において解放された横断面を有する。雌パーツ12は、キャップ14を形成する周壁13の一部を備え、周壁13の内面は、チャネル5の当該横断面をふさぐように、雄パーツ9の上面16と接触する。
【0061】
チャネルにおける液体サンプルを確実に流動させる毛細管現象の力の強さを増やすため、雌パーツが雄パーツを収容する際、チャネルのY−Z平面において、チャネルの2枚の壁の間の距離が、Y軸に沿って、チャネルの横方向の端に向かって減少するように、配置される、すなわち、横壁11a、11bの少なくとも1つにおいて、傾ける又は構築することが好ましい。換言すれば、チャネルの深さは、チャネルの何れかの端部の位置において、好ましくは第2の端部に向かって、チャネルの全長にわたって減少する。このように、チャネルの何れかの端部の位置において局所的に狭められたチャネルは、より強力な毛細管現象による力を発生させることができ、これにより、液体の流速を速くすることができる。
【0062】
図5は、キャップ14と底壁10とが、平坦であり、且つ、おたがいに平行である実施形態を示す。横壁11a、11bは、キャップ14と接触する凹部(recess)を形成するように構築される。したがって、凹部(recess)において、チャネルの深さPd、ここでは、キャップ14とキャップ14と平行な横壁11a、11bの部分との間のZ軸に沿う距離は、キャップ14と底壁10との間の中央深さPより小さい。上述の国際公開第2014/135652に記載されているように、チャネルの端部の位置において局所的に狭い部分は形成され、チャネルにおいて液体サンプルをより速く流動させることができる。
【0063】
好ましくは、自然毛細管の流れを起こすために、凹部(recess)の寸法は、以下の条件を満たす。
【数1】
ここで、Ldは、凹部(recess)のY軸に沿う幅であり、すなわち、凹部(recess)の屈曲部とその底との間の距離であり、Pdは、凹部(recess)におけるチャネルの深さであり、θは、三重点(triple point)において液体がチャネルの内面で作る接触角(wetting angle)である。ここで、接触角(wetting angle)は、チャネルのすべての壁において同じであると仮定する。一例として、凹部(recess)の深さPdは1mm以下、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは、30μm超過500μm未満であり、さらに好ましくは、100μm超過200μm未満である。凹部(recess)の幅Ldは、好ましくは数mm未満、例えば、1mm未満、さらに0.7mm未満、特に、200μm超過500μm未満である。
【0064】
図6は、図5に示す実施形態の変形例である、他の実施形態に係るチャネルの横方向の形状を示し、図6に示す実施形態は、チャネル5の横壁11a、11bの配置のみが図5に示す実施形態と異なる。当該実施形態において、横壁11a、11bは、実質的に平坦で、キャップ14に対して、90°未満の鋭角を形成するように、傾いている。本実施形態では、チャネル5の端部の位置においてV字形状であることにより、チャネル5は局所的に狭くなっている。そして、チャネルの端部の深さは、キャップ14と横壁11a、11bとの間のZ軸に沿う距離によって定義される。
【0065】
好ましくは、コンカス−フィン効果(Concus-Finn effect)に由来する毛細管現象による流動を得るため、横壁11a、11bの傾きは、以下の条件を満たす。
【数2】
ここで、θは、上述で定義された接触角(wetting angle)であり、αは、キャップ14に対する横壁11a、11bの傾き角度である。このように、チャネルの送区部の配置をV字形状とすることにより、液体サンプルの界面の位置において「点効果(point effect)」を生み出すことができる。これにより、チャネルにおいて液体の流速を速くすることができる。
【0066】
当該実施形態においては、例えば、チャネルの深さは150μmであり、キャップ14の位置におけるチャネルの幅Lmaxは1300μmであり、そして、底壁10の位置におけるチャネルの幅Lminは700μmである。これにより、キャップに対する横壁11a、11bの傾きαの角度は、約26°となる。
【0067】
チャネルの端部においてチャネルを狭くする、これらの実施形態は、一例として挙げられたものであり、他の配置(図示省略)であってもよい。したがって、図6に示す変形例において、横壁は、キャップの表面ではなく底壁の表面に対して鋭角を作るように、反対方向に傾けられてもよい。この場合、チャネルの端部の深さは、横壁と底壁との間のZ軸に沿う距離によって定義される。横壁が各々V字形状を形成するように構築される、さらなる他の変形例も可能である。より具体的には、当該横壁は、2つの相互に傾斜した平面部分を有し、底壁と第1の部分との交差における鋭角と、キャップと第2の部分との交差における鋭角とを形成する。当該2つの部分によって形成される交差の半角(half-angle)は、コンカス−フィン条件(Concus-Finn condition)を満たすことが好ましい。
【0068】
図示されない他の変形例において、横方向の断面において、底壁10は平坦ではなく、V字形状となるように構築される。より具体的には、底壁は2つの部分によって形成されてもよく、それぞれの部分はたがいに向かって傾斜しており、当該2つの部分が交差する角度は、180°未満であり、好ましくは90°未満である。
【0069】
図示されない他の変形例において、横方向の断面において、横壁及び/又は底壁は湾曲した形状を有していてもよい。当該湾曲した形状の横壁は、キャップと交差する位置において当該コンカス−フィン条件(Concus-Finn condition)を満たす鋭角を形成するように配置されることが好ましい。
【0070】
チャネルの内面上の液体サンプルの接触角(wetting angle)が、3重線(triple line)の位置において、90°未満であるという事実によって、チャネルの毛細管現象による流動が得られる。したがって、チャネルの表面は、親水性であると言える。そして、濡れ性によって駆動される力(wetting motive force)は、チャネル内において液体を確実に流動させる。チャネルの内面のこの濡れ性(wetting property)は、表面を化学的に処理することによって、特に、例えばOプラズマ等のプラズマ処理によって、付与又は補強することができ、これにより、チャネルにおける液体の接触角(wetting angle)を小さくすることができる。
【0071】
濡れ性(wettability)、すなわち、3重線(triple line)の位置における、面上の液体形状に関する接触角(wetting angle))は、チャネルのすべての内面において同一であってもよい。しかしながら、サンプル収集装置の2つの異なる要素A、Bを製造することによって、チャネルの異なるゾーン又は内面を特異的に表面処理することができる。雄パーツが雌パーツに挿入される前に、当該表面処理が実行されることにより、チャネルの縦方向の解放された横断面を介して、より一層容易に当該表面処理を実行することができる。このように、チャネルの底壁10の表面の少なくとも一部、横壁11a、11bの表面の少なくとも一部、及び/又は、キャップ14の表面の少なくとも一部は、チャネルの他の表面の濡れ性(wettability)と異なる濡れ性(wettability)を示すことができる。換言すれば、キャップ14の表面、横壁11a、11bの表面、及び/又は、底壁10の表面は、完全に、又は、部分的に、他の内面と異なる濡れ性(wettability)を有することができる。したがって、チャネルのキャップ14の表面、横壁11a、11bの表面、及び/又は、底壁10の表面の局所的な表面処理によって、当該処理された表面の接触角(wetting angle)を調整することができるとともに、特に3重線(triple line)の位置における液体と気体との界面の全体的な形状を調整することができる。そして、当該特異的な表面処理は、特に、チャネル内における気泡の形成を抑制するという好適な効果を奏することができる。
【0072】
装置、特に、雄パーツ9及び雌パーツ12は、例えば、ポリカーボネート(polycarbonate)、ポリプロピレン(polypropylene)、ポリエチレン(polyethylene)、サイクロ-オレフィン-共重合体(cyclo-olefine-copolymer)(COC)、サイクロ-オレフィン・ポリマー(cyclo-olefin-polymer)(COP)等のプラスチック材料、又は、適切な他のプラスチック材料を成形又は射出する技術によって、製造されてもよい。
【0073】
第2の要素Bの効果的な成形及び効果的な型離れを保証するために、要素BがX軸1つにおいて型離れするように、雌パーツ12を円錐形状に製造することが好ましい。したがって、第2の要素は、1つの型離れ軸を有する型を用いて製造されてもよい。
【0074】
同時に、第1の要素Aの形状は、特に、その雄パーツ9について、組み付けにおいて、異なる壁の間の気密性を確保するように確実に接触するように、これらの円錐形を考慮しなければならない。したがって、当該部分は、Z軸に沿う1つの型離れ軸を有する型を用いて製造されてもよい。
【0075】
雄パーツ9及び雌パーツ12を形成する材料は、特に、光学的手段を用いて液体サンプルを分析する場合、可視光線又は赤外線に対して透明であることが好ましい。
【0076】
装置は、数センチメートルオーダーの、例えば、2センチメートルの、X軸に沿う全長を有していてもよく、カップは、数平方センチメートルの、例えば、2cm×1cmの表面を有していてもよく、収集口は、数ミリメートルの、例えば、5mmの長さと0.5mm以上1mm以下の幅を有していてもよい。雄パーツは、数ミリメートルの、例えば、10mm×5mmの長さ及び幅、数百μm、数ミリメータの、例えば、1mmの厚さを有していてもよい。チャネルは、数ミリメートル又は数センチメートルの長さ、数百μmから数ミリメートルの幅、数十μmから数ミリメートルオーダーの厚さを有していてもよい。1例として、分析チャンバーは、6.5mmのX軸に沿う長さ、最も広いゾーンにおいて3mmのY軸に沿う幅、及び、150μmのZ軸に沿う深さ有していてもよい。これらの大きさは、1例として与えられるだけである。
【0077】
当該装置は、如何なる種類の液体をサンプリングするのに用いることができ、例えば、血液、尿等の体由来の、生物学的液体をサンプリングするのに用いることができる。当該装置は、特に、液体の化学的及び/又は生物学的な分析を行うために、目的とする液体をサンプリングすることができる。
【0078】
チャネル5は、特に、分析チャンバー20の位置において、液体サンプルと反応するための試薬によって機能することができる。チャネルにおける表面付着を引き起こす乾燥方法又は3次元固形付着を引き起こす凍結乾燥方法によって、試薬を付着することができる。
【0079】
試薬を付着するため、雌パーツ12に雄パーツ9を導入する前に、チャネル5の所望するゾーン、例えば、分析チャンバー20に、試薬は液体で付着される。乾燥方法では、室温で、及び、気圧下又は真空下で、液体溶媒を蒸発させる。凍結乾燥方法では、試薬を含む溶媒は固められ、溶媒は昇華(sublimate)する。そして、冷凍乾燥させた試薬は、液体サンプルと接触することにより溶解され得る多孔質ボリューム(porous volume)の形状を有する。化学種(species)の間の共有結合による化学的カップリング方法によって、当該装置の壁、特に、底壁10を、生物学的(DNA、抗体、タンパク質等)又は化学的に機能化することができる。
【0080】
互いに異なる2つの要素の装置を製造することによって、乾燥された又は冷凍乾燥された試薬の付着のステップを簡便化し、短縮し、より正確にすることができる。実際、上述の先行技術に係る実施例では、試薬を含む溶媒をチャネルの入力端部に導入して分析ゾーンまで移動させる必要があるのに対し、本実施形態ではそれが必要ではなく、試薬を含む溶媒を所望するゾーンに直接に付着させることができる。これにより、サンプルの分析の品質の要因である、均一な試薬の付着を達成できるとともに、チャネルの流路の選択された箇所に試薬を局在化させることができ、又は、複数の試薬と反応させるために複数の異なる試薬をチャネルの流路の異なる箇所に局在化させることができる。溶媒の蒸発又は昇華する(sublimation)ステップは、チャネルの横断面が縦方向の全長にわたって解放されているという事実によって表面の当該蒸発又は昇華(sublimation)が促進されるため、速められる。
【0081】
当該装置は、分析研究所の外部においても適切にサンプルを分析することができるように、使い捨て可能な消耗品として用いることができる。
【0082】
分析手段は、液体サンプルから出射された又は液体サンプルによって修正された光信号のぶんせきに基づくことができ、雄パーツ及び雌パーツの壁は、測定される光信号の伝送、及び、液体サンプルに向かって分析手段によって出射された励起信号(excitation signal)の伝送を可能にする。例えば、分析チャンバーは励起光信号(excitation light signal)を受光することができ、光センサーは、液体サンプルによる励起光信号の吸収に応じた、液体サンプルから出射される光信号を検出可能なように、又は、液体サンプルの透過に応じて修正された光信号を検出可能なように、配置される。当該光信号の波長は、可視光及び/又は赤外線の範囲内にあり、雄パーツ及び雌パーツは、当該波長に対して透明な材料によって形成される。
【0083】
分析手段は、液体サンプルの電気的分析に基づくこともでき、チャネルの分析チャンバーに配置されて、電気的に電源に接続される1つ以上の電極を備えていてもよい。
【0084】
第1の要素Aのヒールに接触可能な、電極及びコンタクトトラック(contact track)の薄膜付着(thin-film deposition)による電極の実施形態が用いられてもよい。
【0085】
図7は、他の実施形態に係るサンプル収集装置の正面図であり、外気と接続する通気口は、接触面の位置に出現する。
【0086】
この図において、雌パーツ12の周壁13の端部がヒール23の表面24に当接して、雄パーツ9の端部横断壁17が接触面2の位置に出現するように、雄パーツ9は雌パーツ12に収容される。
【0087】
チャネル5は、入力端部4から延びる第1の部分と分析チャンバー20とを備え、分析チャンバー20の幅は第1の部分の幅より広く、分析チャンバー20は、第1の部分と連続している。
【0088】
チャネル5の第2の端部8の位置において、外気に接続する通気口21は、分析チャンバー20及び通気口21の幅より小さいダクトを介して、分析チャンバー20に連通している。ベントの幅と当該ダクトの幅とが異なることにより、当該ダクトは、液体の流動停止機能を確実にする。
【0089】
通気口21は、雄パーツ9の上面の位置に形成される溝形状を有し、接触面2の位置に出現するためにダクトから延びている。当該実施形態では、雌パーツ12の周壁13の位置にエマージェント開口(emergent opening)を形成しないで済む。
【0090】
図示しない変形例において、ベントは、雄パーツの底面の位置に形成される溝形状であってもよく、雄パーツの厚み方向に延びる分析チャンバーとの流体連通(fluidic communication)を生じさせる。雌パーツの周壁は、当該ベントの開放された横断面をふさぐキャップを形成する部分を備える。
【0091】
図8は、雄パーツが雌パーツに導入されているサンプル収集装置の正面図であり、図8に示す実施形態において、チャネルの分析チャンバー20は、上面の反対側に、雄パーツ9の底面の位置に配置され、液体サンプルが染み込む吸収膜27を備える。
【0092】
当該実施形態においては、チャネル5は、雄パーツ9の上面の位置において入力端部4から延びる第1の部分と、第1の部分より大きい幅を有し、且つ、第1の部分と流体的に連続し、且つ、雄パーツの底面に位置する分析チャンバー20と、を備える。
【0093】
第1の部分と分析チャンバーとは、雄パーツの厚み方向に沿って延びるダクト(図示省略)によって、連通している。好ましくは、ダクトは、分析チャンバー20の中央ゾーン(central zone)で出現する。
【0094】
チャネルを外気と接続する通気口21は、分析チャンバー20と、当該実施形態においては、接触面2との間に延びているが、雄パーツ9の長手方向端部の位置に出現していてもよく、したがって、雌パーツ12の周壁13は、通気口21の開口部に対向する通り口を備えていてもよい。
【0095】
雌パーツ12の周壁13は、チャネルを確実に封入するように、分析チャンバーの開放された横断面をふさぐキャップを作る部分を備える。
【0096】
ここで、分析チャンバー20は、X−Y平面において、実質的に円形状を有するが、他のどの形状であってもよい。分析チャンバー20は、チャネル5のダクトが出現する位置においてX−Y平面と平行な膜の表面から液体サンプルが染み込むことによって液体サンプルを吸収することができる膜27を備える。このように、液体サンプルは、基本的に垂直に、膜27へ染み込み、これにより、膜27は、膜がチャネルの第1の部分と同じ平面に位置している場合における縦方向の浸透よりも速く且つ均一に液体サンプルを吸収することができる。
【0097】
当該膜は、いくつかの多孔性材料の堆積から成っていてもよく、当該膜による毛細管現象(又は浸透)によって生体サンプルが移動することによる、確実な、フィルタリング機能、ポンプ機能、ミキシング機能、及び/又は、分析機能を可能にする。
【0098】
図9A乃至9Dは、図8に示すサンプル収集装置の一部の縦方向の断面の概略図であって、チャネルの中の液体サンプルの流れの異なる瞬間を示す。
【0099】
当該実施形態においては、分析チャンバー20は、雄パーツの上面16の反対側に、底面28の位置に配置されている。雌パーツは、周壁を備え、当該周壁の一部は第2のキャップ30を形成し、第2のキャップ30の内面は、分析チャンバー20の横断面をふさぐ。
【0100】
液体サンプルは、チャネル5の入力端部4から第1の部分(図9Aにおいてグレーの塗りで示す部分)へ導入され、図9Bに示すように、分析チャンバーと流体連通(fluidic communication)しているダクト29へと流れる。明確には、ダクト29は、図9においてチャネルの底壁を例示している点線の中断によって示され、当該ダクト29は、チャネルの厚み方向、図8に示すZ軸方向、に延びるチャネル一部によって形成されている。液体サンプルは、図9に示すように、分析チャンバー20に向かってダクト29を流れ、膜27の中央部分と接触し、膜27に浸透する。液体サンプルは、膜17の全体で均一に膜27の厚み方向に沿って浸透する。図9Dに示すように、液体サンプルの膜への浸透が終了すると、液体サンプルは、光学的手段によって、例えば、膜又は膜の底面の色の変化を検出することによって、分析されてもよい。
【0101】
上述の実施形態の何れか1つに係るサンプル収集装置を製造する方法は、以下のステップを備える:
−雄パーツ9を備える第1の要素Aを生産すること、
雄パーツ9は、第1の入力端部4と第2の端部8との間で縦方向に延びるとともに、開放された横断面(open transverse section)を備える、少なくとも1つのチャネル5を備え、チャネル5は、当該チャネルの底面である縦壁10を備えるとともに、チャネル5の側面を形成する2つの横壁11A、11bによって区切られ;
−第1の要素Aとは別の要素であって、雌パーツ12を備える第2の要素Bを生産すること、
雌パーツ12は、雄パーツ9を収容するように、窪みの範囲を横方向に限定する周壁13を備え、雌パーツ12が雄パーツ9を収容するとき、周壁13の一部14は、チャネル5の横断面(transverse section)をふさぐキャップを形成する;
−分析チャンバー20を形成するチャネル5のゾーンを機能させること;
−雄パーツ9を雌パーツ12に導入すること。
【0102】
ここで、表面を機能するとは、当該表面上に、例えば、少なくとも1つの乾燥された又は凍結乾燥された試薬、又は、生物学的な種(biological species)又は化学種(chemical species)の共有化学結合(covalent chemical bond)による固定化、少なくとも1本の電極、少なくとも1枚の吸収膜(absorbent membrane)等、液体サンプルと相互作用する要素を少なくとも1つ配置することを意味すると理解されなければならない。
【0103】
上述の実施形態の何れか1つに係るサンプル収集装置を用いて、液体サンプルを分析する方法は、以下のステップを備える:
−雌パーツ12のキャップ14がチャネル5の横断面を閉じるように、雌パーツ12に雄パーツ9を導入すること;
−液体サンプルがチャネルの分析チャンバー20に毛細管現象によって流れるように、チャネル5の第1の入力端部4の位置に液体サンプルを付着させること;
−分析チャンバー20に存在する液体サンプルを分析すること。
【0104】
雌パーツへ雄パーツを導入するステップの前に、チャネルの内面の少なくとも一部に、液体サンプル反応する試薬、吸収膜(absorbent membrane)、電極等を付着させることによって機能させることが好ましい。
【0105】
なお、本発明は、上述に説明した実施形態に限定されるものではないことは明らかである。当業者によって、様々な修正がなされ得る。例えば、チャネルは、縦方向に蛇行する形状で延びる、すなわち、方向を変える曲がり角の連続である部分を備えることができる。
【0106】
チャネルは、入力端部から延びる第1の部分と連通する複数の部分を備えていてもよく、当該複数の部分はそれぞれ第1の部分とリンクし、それぞれの分析チャンバーへと延びている。
【0107】
雄パーツはいくつかのチャネルを備えていてもよく、それぞれのチャネルは、接触面の同じ収集口の位置、又は、互いに異なる収集口の位置で出現する、それぞれのチャネルの入力端部から延びている。
このように、開放された横断面を有する少なくとも1つの第2のチャネルは、プレートの上面の反対側の底面の位置に配置され、上面の位置にあるチャネルと連通でき、雌パーツの周壁の一部は、雌パーツが雄パーツを収容する際、第2のチャネルの横断面をふさぐ第2のキャップを形成する。
【0108】
次に、図10A乃至10C、図11A乃至11C、図12A乃至12b、図13A乃至13bを参照して、上述の雌パーツ12と協働する、他の実施形態に係る雄パーツ9について説明する。
【0109】
図10Aは、雄パーツの斜視図であり、図10bは、図10Aに示す雄パーツの上面を部分的に示す図であり、図10Cは、図10Aに示す雄パーツの下面を部分的に示す図である。
【0110】
雄パーツ9は、主に、チャネル5の中央深さPcより深い、周辺ゾーン(peripheral zone)31、又は、周辺ボイド(peripheral void)によってチャネル5が区切られている点が、上述の実施形態に係る例と異なる。
【0111】
より具体的には、雄パーツ9のプレート15は、上面16の位置に、区切り横壁(delimiting lateral walls)32を備え、当該区切り横壁32は、チャネル5の縦方向であるX軸に沿ってプレート15の端部横断壁17から延びている。これらの区切り横壁32は、プレート15の上面16から突き出ている部分である。これらの区切り横壁32は、プレート15の上面16を以下の2つのゾーンに分離する:
−チャネル5を形成する第1のゾーンであって、当該第1のゾーンは、底面10と区切り横壁32の内面32a(横壁11a、11bに相当する)とによって範囲が定められ、当該第1のゾーンの中央深さPcは、底面10と区切り横壁32の上面32bを通る平面との間の底面10と実質的に直交するZ軸に沿う距離によって定義され;及び、
−少なくとも部分的にチャネル5の周りで延びる周辺ゾーン(peripheral zone)31であって、当該周辺ゾーンは、底面10の外側のプレート15の上面16と、区切り横壁32の外面32c(内面32aの反対側の面)とによって区切られ、当該周辺ゾーン(peripheral zone)は、チャネル5の中央深さPcより深い深さPpの周辺ボイド(peripheral void)を形成する。
【0112】
このように、プレート15の上面16は、上面16から突出する区切り横壁32によってお互いから分離される、チャネル5の底面10及び周辺ゾーン(peripheral zone)31の周面33と、を備え、当該周面33は、周辺ゾーン(peripheral zone)31がチャネル5の中央深さPcより深いボイド(void)を形成するように、底面10に凹部(recess)を形成する。
【0113】
図11Aに示すように、それぞれの区切り横壁32は上面32bを備え、当該上面32bは、雌パーツ12が雄パーツ9を収容するとき、キャップ14と接触する。そして、上面32bは、内面32aと外面32cとを連結する。それぞれの区切り横壁32の内面32aは、キャップ14に対して45°未満、例えば30°の鋭角を形成するように、底面10に対して傾いていることが好ましく、周辺ゾーン(peripheral zone)の位置において急激に深さが変化するように、外面32cは、内面32aの鋭角より大きい角度、好ましくは60°以上、より好ましくは90°以上の角度を形成するように、キャップ14に対して傾いている。
【0114】
図10Bに示すように、2つの区切り横壁32は、チャネル5の入力端部4を形成するようにプレート15の端面17の位置において、お互いから離れており、チャネル5の縦方向であるX軸に沿って延び、チャネル5の終端8の位置においてお互いに向かって収束することによって、チャネル5においておそらく当初に含まれるガスを排出するためのダクト34を形成し(図13a及び図13bを参照して以下で詳述する)、チャネル5と周辺ゾーン(peripheral zone)31との間の流体連通(fluidic communication)を可能にする。
【0115】
単なる例として、チャネル5の中央深さPcは約150μmであってもよく、周辺ゾーン(peripheral zone)31の深さPpは約180μmであってもよい。内面32aは、キャップ対して約30°傾いていてもよい。2つの内面32aは、チャネル5の入力端部4の位置において約0.70mm、チャネルの中央において約1.5mm、チャネル5の終端8の位置において約0.25mm離れていてもよい。
【0116】
当該実施形態においては、周辺ゾーン(peripheral zone)31は、プレート15の上面16の位置だけでなく底面28の位置において、長手方向端部22まで延びている。周辺ゾーン(peripheral zone)深さを実質的に一定に保つため、スペーサーは底面28の長手方向端部22の位置に配置される。
【0117】
このように、スペーサー35は、当該長手方向端部22からそれぞれ突出する間隔ブロック(spacing block)の形で、長手方向端部22の位置に配置される。当該スペーサー35は、雌パーツ12の周壁13と対向する面と長手方向端部22との間を実質的に一定な間隔に維持し、当該間隔は、チャネル5の中央深さ(例えば、深さPpと実質的に等しい値)より大きい値を有する。
【0118】
図10Cに示すように、スペーサー36は、また、プレート15の底面28から突出する間隔レール(spacing rail)又は間隔壁(spacing wall)の形で、当該底面28の位置に配置される。これらのスペーサー36も、雌パーツ12の周壁13と対抗する面と底面28との間を実質的に一定な間隔に維持し、当該間隔は、チャネル5の中央深さ(例えば、深さPpと実質的に等しい値)より大きい値を有する。
【0119】
図11A及び図11Bは、雌パーツ12が雄パーツ9を収容している収集装置の一部の横方向の断面を示す概略図であり、図11Aは、チャネル5の位置において、区切り横壁32がキャップ14と接触している状態を示し、図11Bは、キャップ14とチャネル5の区切り横壁32とが局所的に接触していない状態を示している。
【0120】
図11Aにおいて、雄パーツ9は、雌パーツ12の周壁13に囲まれている。上面16は、チャネル5の底面10と、周辺ゾーン(peripheral zone)31の周面33と、を備えるように、構築されている。そして、これらの表面10、33が区切り横壁32によってお互いから分離される。チャネル5の中央深さPcより大きい深さPpを有する周辺ボイド(peripheral void)31を形成するように、周面33チャネル5の底面10に凹部(recess)を作る。
【0121】
発明者らは、チャネル5が少なくとも部分的により大きな深さの周辺ゾーン(peripheral zone)31に囲まれるように構成することにより、チャネル5から液体が漏れることを制限することができることを強調する。
【0122】
実際に、図11Bに示すように、キャップ14とチャネル5の区切り横壁32とが局所的に接触しないことにより、液体は漏れてしまいそうである。しかしながら、液体はチャネル5から毛細管現象によって流れて周辺ゾーン(peripheral zone)31に侵入するが、チャネル5の中央深さPcより大きい深さPpのため、毛細管現象の駆動力の強さはチャネル5の毛細管現象の駆動力の強さより小さい。そのため、液体は主にチャネル5に沿って流れ、そして、チャネルの外部の周辺ゾーン(peripheral zone)31に流れ出ない。したがって、チャネル5からの漏れは制限され、チャネル5は確実に優先的に充填される。
【0123】
さらに、図11Cは、図11Bの点線で囲む一部の拡大図であり、当該図11Cに示すように、キャップ14と上面32bとが局所的に機械的に接触しないことによって周辺ゾーン(peripheral zone)31にチャネル5から液体が流れてしまうことを制限するように、区切り横壁32は、その外面32cの位置において、その上面32bとその外面32cとの交差点において鋭い端部(sharp edge)を有するとともに局所的にその深さが急激に増えるように、構築される。鋭い端部(sharp edge)は、2つの平面の間の交差線であり、角度が定義され得る。深さの急激な増加は、キャップに対する内面32aの傾き角度より大きい角度を形成する、キャップ14に対する外面32cの傾きによって、生じる。当該実施形態においては、外面32cがキャップ14に対して約90°の角度を形成しているのに対して、内面32aは約30°の角度を形成している。このような構造によって、区切り横壁32と接触する液体の3重線(triple line)は鋭い端部(sharp edge)の位置においてブロックされ、局所的な深さの急激な増大によって、毛細管現象による駆動力は、局所的に、周辺ボイド(peripheral void)の位置において、大幅に低減される。このように、液体は、区切り横壁32とキャップ14との間の局所的な空間の位置にトラップされ、チャネル5から流れ出ない。
【0124】
図12A及び図12Bは、雌パーツ12が雄パーツ9を収容している収集装置の一部の縦方向の断面を示す概略図であり、図12Aは、チャネル5及び収集カップ2の入力端部4の位置において、シーリング横断壁(sealing transverse wall)37が周壁13と接触している状態を示し、図12Bは、シーリング横断壁(sealing transverse wall)37と周壁13とが局所的に接触していない状態を示す。
【0125】
図10A乃至図10Cとともに、図12Aで示すように、プレート15は、入力端面17の位置において、シーリング横断壁(sealing transverse wall)37を備えていてもよく、当該シーリング横断壁(sealing transverse wall)37は、プレート15の端部に円周方向に延びている。当該シーリング横断壁(sealing transverse wall)37は、チャネル5の入力端部4を除き、上面16及び底面28と短手端部(lateral edge)22に関して突出している。雌パーツ12が雄パーツ9を収容するとき、当該シーリング横断壁(sealing transverse wall)37は、周壁13と接触し、接触カップ2の収集表面と同一平面上となる。シーリング横断壁(sealing transverse wall)37は、当該シーリング横断壁(sealing transverse wall)37が、チャネル5の入力端部4の位置を除いて、収集口19の円周状の端部と接触するような寸法を有する。このように、液体サンプルが接触カップ2上に付着するとき、収集口19の位置である入力端部4を介して、液体サンプルはチャネル5に導入される。
【0126】
図12Bに示すように、シーリング横断壁(sealing transverse wall)37と周壁13とが局所的に機械に接触しないことによって、液体は周辺ゾーン(peripheral zone)31に流れ出てしまいそうである。しかしながら、チャネル5の位置における毛細管現象による駆動力は、周辺ゾーン(peripheral zone)31の位置における毛細管現象による駆動力より強い。そのため、液体は、周辺ゾーン(peripheral zone)31よりも、主にチャネル5において、毛細管現象によって流れる。
【0127】
さらに、周壁13とシーリング横断壁(sealing transverse wall)37とが局所的に機械的に接触しないことによって周辺ゾーン(peripheral zone)31に液体が流れてしまうことを制限するように、シーリング横断壁(sealing transverse wall)37は、周辺ゾーン(peripheral zone)31に向かう内面37aの位置において、その上面37bとその内面37aとの交差点において鋭い端部(sharp edge)を有するとともに局所的にその深さが急激に増えるように、構築される。深さの急激な増加は、周壁13に対する内面37aの傾きによって生じ、45°より大きく、好ましくは、60°より大きく、さらに好ましくは、図12Bに示す90°と同じ又は近い角度である。このような構造によって、シーリング横断壁(sealing transverse wall)37と接触する液体の3重線(triple line)は鋭い端部(sharp edge)の位置において再度ブロックされ、局所的な深さの急激な増大によって、毛細管現象による駆動力は、局所的に、周辺ゾーン(peripheral zone)31の位置において、大幅に低減される。このように、液体は、シーリング横断壁(sealing transverse wall)37と周壁13との間の局所的な空間の位置にトラップされ、周辺ゾーン(peripheral zone)31の中へ流入しない。
【0128】
図13A及び図13Bは、チャネル5の終端の位置におけるチャネルの端部の概略図であり、図13Aは上面図であり、図13Bは、縦方向の断面図である。
【0129】
図13Aに示すように、2つの区切り横壁32は、お互いに向かって収束し、チャネル5の終端8の位置において合わさる。しかしながら、2つの区切り横壁32は、ダクト34の形の局所的な構造を備え、チャネル5と、当該チャネル5の下流に位置する周辺ゾーン(peripheral zone)31との間の流体連通(fluidic communication)を確実にする。当該ダクトは、通気機能(vent function)を有し、チャネル5においておそらく当初に含まれるガスを排出することができる。このように、液体サンプルの毛細管現象による導入における、チャネル5における気泡の形成のリスクを低減する。
【0130】
当該実施形態においては、チャネル5から離れるにしたがって、ダクト34の幅が狭くなり、ダクト34の深さが小さくなる。このように、ダクトは、チャネル5の反対側の端部の位置において、単なる例として、約70μmの最小幅と約30μmの最小深さを有していてもよい。
【0131】
図13Bに示すように、凹部(recess)は、鋭い端部(sharp edge)を形成するように、且つ、局所的にその深さが急激に増えるように、底面10と周面33との間に形成される。深さの急激な増加は、ダクト34の位置における、キャップ14に対する区切り横壁32の外面32cの傾きによって生じ、当該傾きは、45°より大きく、好ましくは、60°より大きく、さらに好ましくは、図13Bに示す90°と同じ又は近い角度である。このような構造によって、ダクト34の底面と接触する液体の3重線(triple line)は鋭い端部(sharp edge)の位置において再度ブロックされ、局所的な深さの急激な増大によって、毛細管現象による駆動力は、局所的に、周辺ゾーン(peripheral zone)31の位置において、大幅に低減される。このように、液体は、ダクト34の端部の位置にトラップされ、周辺ゾーン(peripheral zone)31の中へ流入しない。
【0132】
通常、毛細管現象によって液体サンプルを集める装置は、以下を備えていてもよい:
−第1の入力端部4と第2の端部8との間で縦方向に延びるチャネル5、
・・当該チャネル5は、2つの区切り横壁32によって横方向に区切られるとともに、チャネルの底面である底壁10と、区切り横壁32と接触するキャップ14を形成する面と、によって、チャネルの深さ方向の軸に沿って区切られ、
・・当該チャネル5は、区切り横壁32によって範囲が定められる、いわゆる周辺ゾーン(peripheral zone)31によって囲まれているとともに、上記キャップ14を形成する面といわゆる反対側の周面33とによって上記深さ方向の軸に沿って囲まれており、
−キャップ14と周面33との間において、チャネル5の深さより深い深さを有する周辺ゾーン(peripheral zone)31。
【0133】
深さは、キャップ14を作っている上記面と反対側の面との間の、当該2つの面に実質的に直交な軸に沿う寸法を意味すると理解されなければならない。当該反対側の面は、チャネル5の場合、底面10、又は、周辺ゾーン(peripheral zone)31の場合、周面33である。
【0134】
それぞれの区切り横壁32は、チャネル5に向かっている、いわゆる内面32a、周辺ゾーン(peripheral zone)31に向かっている、反対側のいわゆる外面32c、内面32aと外面32cとを連結し、キャップ14と接触する、いわゆる上面32bを備える。外面32cは、上面32bに対して鋭い端部(sharp edge)を有していてもよい。鋭い端部(sharp edge)は、上面と外面とを通る2つの面の交差線であり、それの位置において、その角度が定義される。
【0135】
キャップ14に対して、それぞれの区切り横壁32の外面32cが傾く角度は、45°以上であり、好ましくは60°以上であり、さらに好ましくは、90°と実質的に等しくてもよい。
【0136】
チャネル5は、プレート15のいわゆる上面16に位置していてもよく、周辺ボイド(peripheral void)を形成する上述の周辺ゾーン(peripheral zone)31は、チャネル5の周囲の少なくとも部分的に、上面16上に延びていてもよい。このように、周面33は、底面10に関して後退されてもよい。周辺ゾーン(peripheral zone)31は、プレート15の上面16の反対側の底面28の位置に延びていてもよく、及び/又は、上面16と底面28とを連結するプレート15の長手方向端部22の位置に延びていてもよい。
【0137】
少なくとも1つのスペーサー36は、周壁13と接触するように、底面28に設けられていてもよい。少なくとも1つのスペーサー35は、周壁13と接触するように、それぞれの長手方向端部22の位置に設けられていてもよい。このように、周壁13がスペーサー35、36の1つと接触しているとき、周辺ゾーン(peripheral zone)31は、局所的に、チャネルのいわゆる中央深さPcより深い深さPpを有する。
【0138】
プレート15は、チャネル5の入力端部4がある端部横断面17を備えていてもよく、入力端部4は、周壁13の収集口19に位置する。プレート15は、チャネル5の入力端部4を形成するように、上面16の一部を除いて、端部横断面17の端部に部分的に円周状に延びるシーリング横断壁(sealing transverse wall)37を備えていてもよい。シーリング横断壁(sealing transverse wall)37は、チャネル5のいわゆる中央深さより大きい、上面16又は底面28に対して直角な軸に沿う寸法を有していてもよい。
【0139】
チャネル5は、第2の端部8の位置において、チャネル5と周辺ゾーン(peripheral zone)31との間の流体連通(fluidic communication)のため、ダクト34を備えていてもよい。ダクト34の深さ、及び/又は、ダクト34の幅は縮小されてもよい。区切り横壁32は、第2の端部8の位置において合わさって、上記ダクト34を形成してもよい。ダクト34の位置における底面10は、区切り横壁32の外面32cと、鋭い端部(sharp edge)を形成してもよい。当該外面32cは、ダクト34の位置において、周面33と底面10とを局所的に連結する。当該外面32cは、キャップ14に対して、45°以上の角度、好ましくは60°以上の角度、及び、さらに好ましくは90°程度の角度を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13A
図13B
【国際調査報告】