(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-513984(P2018-513984A)
(43)【公表日】2018年5月31日
(54)【発明の名称】自動化標本堆積システム及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
G01N 1/28 20060101AFI20180427BHJP
【FI】
G01N1/28 V
G01N1/28 F
G01N1/28 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】55
(21)【出願番号】特願2018-503731(P2018-503731)
(86)(22)【出願日】2016年4月6日
(85)【翻訳文提出日】2017年12月5日
(86)【国際出願番号】US2016026174
(87)【国際公開番号】WO2016164431
(87)【国際公開日】20161013
(31)【優先権主張番号】62/143,698
(32)【優先日】2015年4月6日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517352245
【氏名又は名称】ナノサイトミクス,エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】500041019
【氏名又は名称】ノースウェスタン ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ジャレマ クザルネッキ
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン デルバス
(72)【発明者】
【氏名】セルゲイ ロズホック
(72)【発明者】
【氏名】ハリハラン スブラマニアン
(72)【発明者】
【氏名】パルバティ ヴィスワナータン
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA33
2G052AD29
2G052AD52
2G052CA48
2G052DA07
2G052DA12
2G052DA13
2G052FA05
2G052GA32
2G052JA06
(57)【要約】
顕微鏡スライド上で実施される生体標本の自動化噴霧堆積を可能にするシステム及び方法が、本明細書に説明される。本技術の態様は、例えば、自動化処理システムにおいて高品質で再生可能な標本を支持する顕微鏡スライドを生成する自動化標本堆積システム及び方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体材料を1つ以上の基材上に堆積させるための標本堆積システムであって、
1つ以上の基材を受容及び保持するための基材処理領域と、
生体試料の噴霧を標本コンテナから基材の表面に向かって配向する及び方向付けるように構成された噴霧カートリッジと、
前記噴霧カートリッジを前記基材の前記表面に対して整列させるように構成された1つ以上の整列アセンブリを含む位置付けアセンブリと、を備える、標本堆積システム。
【請求項2】
前記位置付けアセンブリが、標本コンテナを操作し、前記基材処理領域へ送達する、前記標本コンテナを噴霧カートリッジ内に位置付ける、ならびに/または前記標本コンテナを前記噴霧カートリッジ内に位置付ける前に前記標本コンテナを撹拌するようにさらに構成される、請求項1に記載の標本堆積システム。
【請求項3】
前記噴霧カートリッジは、生体材料を輸送溶液中に含有する前記標本コンテナを受容及び保持するように構成された装着機構をさらに含む、請求項1または2のいずれかに記載の標本堆積システム。
【請求項4】
前記標本コンテナが、輸送溶液中に保管された生体材料を含む、請求項4に記載の標本堆積システム。
【請求項5】
前記輸送溶液が、約10%〜約95%のエタノールを含む、請求項5に記載の標本堆積システム。
【請求項6】
前記基材処理領域が、基材を前記基材処理領域内に移動させるための移動プラットフォームを備える、請求項1〜5のいずれかに記載の標本堆積システム。
【請求項7】
前記基材処理領域が、前記プラットフォームによって保持され、かつ前記1つ以上の基材を運搬するように構成された基材装填ステーションを備える、請求項1〜6のいずれかに記載の標本堆積システム。
【請求項8】
個別の基材が、基材カートリッジ内に収容され、前記基材カートリッジが、噴霧堆積プロセス中に生体材料の前記噴霧を含有するための噴霧保定具を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の標本堆積システム。
【請求項9】
前記噴霧保定具が、前記噴霧カートリッジの噴霧ノズルを受容するための上部開口を含む、請求項8に記載の標本堆積システム。
【請求項10】
前記噴霧保定具が、直方体、円筒、または円錐台形形状を有する、請求項8に記載の標本堆積システム。
【請求項11】
前記位置付けアセンブリが、前記標本コンテナを前記基材処理領域に対して移動させて、生体材料を含有する前記標本コンテナのうちの1つを、空の噴霧カートリッジへの送達のために連続してステージングするように構成される、請求項1〜10のいずれかに記載の標本堆積システム。
【請求項12】
前記噴霧カートリッジが、
前記標本コンテナを取着するための取付具と、
前記標本コンテナからの前記生体材料の噴霧を方向付けるための噴霧ノズルと、
前記噴霧カートリッジのヘッド内の流体ポートであって、前記噴霧ノズルを前記標本コンテナ中の液体と連結するように構成された、前記流体ポートと、を含む、請求項1〜11のいずれかに記載の標本堆積システム。
【請求項13】
前記噴霧カートリッジの前記ヘッドが、空気ポートを備え、前記空気ポートが、圧縮空気を前記噴霧ノズルに送達するように構成される、請求項12に記載の標本堆積システム。
【請求項14】
前記位置付けアセンブリに通信可能に連結された制御装置であって、前記1つ以上の整列アセンブリに、前記基材処理領域の外側に位置付けられた第1の標本コンテナを前記基材処理領域へ移動させる、前記第1の標本コンテナを第1の噴霧カートリッジに挿入する、及び前記第1の噴霧カートリッジを前記基材の前記表面に整列させるように命令するようにプログラムされた、前記制御装置をさらに備える、請求項1〜13のいずれかに記載の標本処理システム。
【請求項15】
生体標本を基材上に堆積させる方法であって、
生体標本を保持する複数のコンテナを、自動化標本堆積システム内のキャリアアセンブリに送達することと、
前記キャリアアセンブリを前記堆積システムの位置付けアセンブリに向かって移動させることと、
前記複数のコンテナの個別のコンテナを、前記キャリアアセンブリから前記位置付けアセンブリへ連続して移動させることと、
前記位置付けアセンブリをコンテナ受容構成からコンテナ整列構成へ移動させて、前記位置付けアセンブリにある前記個別のコンテナを基材処理領域の上側の整列された位置に移動させることと、
個別の基材を前記基材処理領域へ輸送することと、
前記生体標本を個別の基材の上部表面上に噴霧して、標本支持基材を生成することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記個別のコンテナを、噴霧ノズルを有する個別の噴霧カートリッジ内に位置付けることをさらに含み、前記生体標本を前記個別の基材の前記上部表面上に噴霧することが、前記生体標本を前記噴霧カートリッジの前記噴霧ノズルから噴霧することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記キャリアを移動させることが、前記キャリアアセンブリを回転させて、前記コンテナを前記位置付けアセンブリへ連続して移動させることを含む、請求項15または16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
個別の基材を前記基材処理領域へ輸送することが、前記基材スライドを、前記基材処理領域内の基材装填区画に沿って、その上へと押すこと、または前記基材を基材ステージングデバイスから前記基材処理領域へ運搬することを含む、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記位置付けアセンブリをコンテナ受容構成からコンテナ整列構成へ移動させることが、コンテナを噴霧カートリッジ内に置くことを含む、請求項15〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記基材が、顕微鏡スライドであり、前記標本支持基材が、部分波分光分析に好適である、請求項15〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記生体標本が、前記複数の個別のコンテナのうちの少なくとも1つの中の輸送溶液中に懸濁される、請求項15〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
生体標本を1つ以上の基材上に堆積させるための自動化標本堆積システムであって、
標本を含有する噴霧カートリッジを基材の表面に対して整列させるように構成された位置付けアセンブリと、
基材を連続して受容及び運搬するための基材装填ステーションと、
前記位置付けアセンブリに通信可能に連結された制御装置であって、
(a)前記位置付けアセンブリに、前記噴霧カートリッジを前記基材装填ステーションの上側に位置付け、整列させるように命令する、及び
(b)圧縮空気供給源に、圧縮空気を、前記標本を前記噴霧カートリッジ上のノズルから前記基材装填ステーションによって運搬される基材に向かって噴霧する様式で前記噴霧カートリッジ内に方向付けるように命令するようにプログラムされた、制御装置と、
前記制御装置に通信可能に連結されたデータベースであって、前記データベースが、標本の取り込み、噴霧堆積、標本の切り替え、基材のインデックス化、及び標本支持基材処理のうちの1つ以上に関して前記制御装置に対する実行可能な指示を記憶する、データベースと、を備える、自動化標本堆積システム。
【請求項23】
前記基材が、顕微鏡スライドであり、前記基材が、前記システムの内部環境内への前記標本の過噴霧を阻止するように構成された噴霧保定具を有する基材カートリッジ内に保持される、請求項22に記載の自動化標本堆積システム。
【請求項24】
前記制御装置が、1つ以上の噴霧堆積プログラムを実行するためのプログラム可能プロセッサを備え、前記1つ以上の噴霧堆積プログラムが、細胞型、細胞濃度、及び輸送溶液特性のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて選択される、請求項21または22に記載の自動化標本堆積システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2015年4月6日に出願された米国仮特許出願第62/143,698号対する優先権を主張し、その全体の内容は参照により本明細書に組み込まれ、依拠される。
【0002】
連邦政府による資金提供に関する記載
この技術は、国立衛生研究所に授与された助成金番号R01EB016983、R44 CA192701、及びR44 CA168185の下で、政府の支援を受けてなされた。政府は、本技術における特定の権利を有する。
【0003】
本技術の実施形態は、生体試料の噴霧堆積を達成するためのシステム、装置、及び関連する方法を提供する。具体的には、組織試料の分析ならびのその臨床、診断、及び研究用途のために、顕微鏡スライド上に生体組織/細胞の堆積を提供することが可能な自動化標本堆積システムが、本明細書に提供される。
【背景技術】
【0004】
生体組織試料は、臨床、診断、及び研究用途のための顕微鏡的及び分子診断的分析のために患者から収集される。これらの試料は、多様な実験室、診療所、及び他の医療または医学研究の場で収集される。例えば、細胞/組織は、生検用のブラシ、綿棒、または切除器具等の収集デバイスを使用して患者から収集され、試料コンテナ中の液体内に配置され得る。スクリーニング及び/または診断用の顕微鏡スライドを調製する準備ができると、試料液体は、バキュームによってフィルタを通して引き抜かれる。顕微鏡スライドは、フィルタに押し付けられて、観察及び分析のために細胞をスライド上に移送する。別法として、試料液体は、分注器または他の吸引式デバイスを介して試料バイアルからガラススライドに移送されてもよい。顕微鏡下で細胞を観察するための他の非液体系アプローチとしては、収集デバイスを用いてスライドの表面上に細胞または組織を直接塗抹することが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示の多くの態様は、以下の図面を参照してより良く理解され得る。図面内の構成要素は、必ずしも縮尺通りではない。その代わり、本開示の原理を明白に例証することに重点が置かれている。さらに、構成要素は、特定の図において例証の明瞭さのためにのみ透明に示され得るが、その例証される構成要素が必ずしも透明であることを示すものではない。参照を容易にするため、本開示全体を通し、同一の参照番号は、同一または少なくとも概して類似である相似の及び/または相補的な構成要素または特徴を特定するために使用され得る。
【0006】
【
図1】本技術の実施形態による標本堆積システムを概略的に例証する等角図である。
【0007】
【
図2】本技術の実施形態による標本コンテナの等角図である。
【0008】
【
図3】本技術の実施形態による、
図1の標本堆積システムと共に使用するための囲いを概略的に例証する等角図である。
【0009】
【
図4】本技術の実施形態による、
図1の標本堆積システムと共に使用するための噴霧カートリッジの等角図である。
【0010】
【
図5】本技術の実施形態による、
図1の標本堆積システムと共に使用するための基材カートリッジの等角図である。
【0011】
【
図6】本技術の実施形態による、
図1の標本堆積システムと共に使用するための基材処理領域及び噴霧位置付けアセンブリの等角図である。
【0012】
【
図7】本技術の実施形態の実施形態による、標本支持スライドを生成するための自動化標本堆積システムを例証する概略的ブロック図である。
【0013】
【
図8】本技術の実施形態による、標本支持スライドを生成するための方法を例証するフロー図である。
【0014】
【
図9A-9B】それぞれ、本技術の実施形態の実施形態によるスライド基材上に調製された口腔細胞の10X及び40X画像である。
【0015】
【
図10A-10B】ぞれぞれ、本技術の実施形態の実施形態による、スライド基材上に堆積された脱イオン水中25%のエタノール中の口腔細胞の4X及び10X画像である。
【0016】
【
図10C-10D】それぞれ、本技術の実施形態の態様による、スライド基材上に堆積されたCytoLyt溶液中の口腔細胞の4X及び10X画像である。
【0017】
【
図10E】本技術の実施形態の態様による、スライド基材上に堆積された、PBS溶液中で1:10に希釈されたCytoLyt溶液中の口腔細胞の10X画像である。
【0018】
【
図11A-23D】本技術の実施形態の実施形態によるスライド基材上に堆積された口腔細胞の画像である。
【0019】
【
図24-25L】先行技術によるスライド基材上に堆積された口腔細胞の画像である。
【0020】
【
図26】一実施形態による、生体試料から標本支持基材を生成するための携帯用自動化標本システムを概略的に例証する等角図である。
【0021】
【
図27A】本発明の一実施形態に係るカートリッジの分解図であり、
図27Bは、本発明の一実施形態に係るカートリッジの等角図である。
【0022】
【
図28A-B】一実施形態に係るノズル構成要素の等角図である。
【0023】
【
図29A-B】一実施形態に係るノズル構成要素の等角図である。
【0024】
【
図30】一実施形態に係る自動化システムの等角図である。
【0025】
【
図31】本発明の一実施形態に係る試料チャンバの等角図である。
【0026】
【
図32A】本発明の一実施形態に係る、下から上へ噴霧する試料チャンバの断面図であり、
図32Bは、その等角図である。
【0027】
【
図33】本発明の一実施形態に係るカートリッジを備える試料コンテナの等角図である。
【0028】
【
図34】本発明の一実施形態に係るノズルの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本技術の実施形態は、生体標本を収集するため、及び標本支持基材を生成するための装置、システム、及び方法に関する。例えば、特定の実施形態は、顕微鏡法及び他の好適な調査の分子及び撮像モダリティのための、基材上での生体標本の噴霧堆積を達成する。具体的には、標本分析のため、ならびにその臨床、診断、及び研究用途のためのスライド基材上での生体標本(例えば、組織、細胞)堆積を提供することを可能にする自動化標本堆積システムが、本明細書に提供される。他の実施形態は、高品質で低変動性の標本支持基材を生成するための標本の細胞構造の完全性の保存を促進する様式における、生体標本の収集、維持、輸送、及び/または堆積を提供する。
【0030】
スライド上に生体試料を調製するための従来のシステム及び技法は、生体試料の品質に関する固有の制限を有する。例えば、上述の標準的な手動の及び/または現在の自動化された技法を使用して調製されたスライドは、非常に変動性であり、スクリーニング及び診断の課題を提示し得、それらは、場合により、患者からの追加の試料の取得を要する。
【0031】
本技術の実施形態のいくつかの実施形態は、臨床及び研究用途のための効果的な測定を行うために利用され得る高品質で低変動性の標本支持基材(例えば、顕微鏡スライド)を提供する。例えば、生体標本は、撮像及び他の分析のための天然細胞の分子及び構造特性を保持及び提示する様式で、基材上に堆積され得る。これらの標本支持基材は、一貫性があり正確な測定及び診断結果を提供するような単離された細胞の高品質で損傷していない単分子層を実証する。本明細書に開示される実施形態は、最小限の技術者の補助を必要とし、それによって品質の変動性を制限し、診断の信頼性を増加させる様式における高品質の標本支持基材の達成の1つ以上の態様の自動化をさらに提供する。特定の実施形態では、高品質の標本支持基材を達成するための自動化標本堆積プロセスは、特定の細胞型、細胞濃度、及び/または液体系保存溶液に最適化され得る。
【0032】
本技術のいくつかの実施形態の具体的な詳細は、
図1〜23Dを参照して下記に説明される。実施形態の多くは高品質の標本支持基材を生成するためのデバイス、システム、及び方法に関して下記に説明されているが、本明細書に説明されるものに加えて、他の用途及び他の実施形態は、本技術の範囲内である。それに加えて、本技術のいくつかの他の実施形態は、本明細書に説明されるものとは異なる構成、構成要素、または手順を有し得る。それ故、当業者はしたがって、本技術が追加の要素を伴う他の実施形態を有し得ること、または本技術が
図1〜23Dに関して下記に示され、説明される特徴のうちのいくつかを伴わない他の実施形態を有し得ることを理解するであろう。
【0033】
本明細書で使用されるとき、「自動化」という用語は、1つ以上のステップが操作者の介入を必要とせずに実施される方法(例えば、「自動化プロセス」)、またはその機能のうちの1つ以上を操作者の介入を伴わずに実施するシステムもしくは装置(例えば、「自動化器具」)を指す。
【0034】
本明細書で使用されるとき、「完全自動化」という用語は、初期設定後のステップに操作者を必要としない能力を含むが、操作者による監視または付き添いのない期間にシステム性能の品質を維持することが可能であるシステム、装置、または方法を指す。特定の実施形態では、操作者は、試料をシステムもしくは装置に提供する、及び/または取得を開始し、試料及び/または分析は、その後操作者の介入を伴わずに生成される。
【0035】
再生可能で高品質の標本支持基材を生成するためのシステム、デバイス、及び方法が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、生体試料に関連付けられる細胞/組織画像及び/または他の臨床もしくは研究データを取得するための、顕微鏡スライド等の基材上での臨床的または研究的に取得された生体試料の標本堆積の自動化のための方法及びシステムが提供される。一実施形態では、生体材料を1つ以上の基材上に堆積させるための標本堆積システムは、1つ以上の基材を受容及び保持するための基材処理領域を含む。本システムはまた、生体材料の噴霧を標本コンテナから基材の表面に向かって配向する及び方向付けるように構成された噴霧カートリッジと、噴霧カートリッジを基材の表面に対して整列させるように構成された1つ以上の整列アセンブリを有する位置付けアセンブリとを含み得る。
【0036】
本技術の実施形態はまた、生体標本を1つ以上の基材上に堆積させるための自動化標本堆積システムにも関する。一実施形態では、自動化標本堆積システムは、標本を含有する噴霧カートリッジを基材の表面に対して整列させるように構成された位置付けアセンブリを含み得る。本システムはまた、基材を連続して受容及び運搬するための基材装填ステーションと、位置付けアセンブリに通信可能に連結された制御装置とも含み得る。特定の実施形態では、制御装置は、(a)位置付けアセンブリに、噴霧カートリッジを基材装填ステーションの上側に位置付け、整列させるように命令する、及び(b)圧縮空気供給源に、圧縮空気を、標本を噴霧カートリッジ上のノズルから基材装填ステーションによって運搬される基材に向かって噴霧する様式で噴霧カートリッジ内に方向付けるように命令するように、プログラムされる。
【0037】
本技術の実施形態の他の態様は、生体標本を基材上に堆積させる方法に関する。一実施形態では、本方法は、生体標本を保持する複数のコンテナを、自動化標本堆積システム内のキャリアアセンブリに送達することを含み得る。本方法はまた、キャリアアセンブリを堆積システムの位置付けアセンブリに向かって移動させることと、コンテナをキャリアアセンブリから位置付けアセンブリへ連続して移動させることとも含み得る。本方法は、位置付けアセンブリをコンテナ受容構成からコンテナ整列構成へ移動させて、位置付けアセンブリにある個別のコンテナを基材処理領域の上側の整列された位置に移動させることをさらに含み得る。本方法は、個別の基材を基材処理領域へ輸送することと、生体標本を個別の基材の上部表面上に噴霧して、標本支持基材を生成することも含み得る。
【0038】
本技術の実施形態のさらなる態様は、標本堆積システムにおいて使用するための標本を収集するための方法に関する。一実施形態では、方法は、生体材料を対象から収集することと、該生体材料をコンテナによって運搬される輸送溶液中に堆積させることとを含み得る。特定の実施形態では、輸送溶液は、約10%〜約95%のエタノールを含む。種々の配置において、対象から収集される生体材料は、部分波分光分析用の標本を支持する顕微鏡スライドを生成するために好適であり得る。
【0039】
図1は、本技術の実施形態による、生体試料から標本支持基材を生成するための自動化標本堆積システム100(「システム100」)を概略的に例証する等角図である。システム100は、(a)生体材料のエアロゾル化された噴霧を基材処理領域130に向かって配向し、方向付ける噴霧カートリッジ120、及び(b)生体材料の噴霧を噴霧カートリッジ120から基材処理領域130に向かって整列させるための噴霧位置付けアセンブリ140を囲う内部環境101を作る、保護筐体110(透明に示されている)を含み得る。
【0040】
システム100は、さらなる処理に好適な標本支持基材(例えば、スライド)を自動的に生成し得る。例えば、本明細書に開示される技術を使用して生成される標本支持基材は、顕微鏡法、質量分光法、目視検査、蛍光可視化、微量分析、撮像(例えば、デジタル撮像)、または他の分析もしくは撮像方法のための標本を調製するために好適である。例えば、標本支持基材は、染色(例えば、H&E染色)、抗原賦活化、または他の種類のプロトコル(例えば、免疫組織化学、原位置ハイブリッド形成法等)を含むさらなる処理を受け得る。いくつかの実施形態では、本技術の実施形態に従って生成される標本支持基材は、部分波分光(PWS)顕微鏡画像の取得、ならびにその臨床、診断、及び研究用途のための使用に好適である。PWS装置、システム、及びその使用方法の例は、例えば、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,667,832号;米国特許第7,800,746号;米国特許第7,652,772号;米国特許第8,131,348号;米国特許出願公開第2012/0214880号;米国特許出願公開第2008/0278713号;米国特許出願公開第2008/0180664号;及び米国特許出願公開第2006/0155178号に説明されている。
【0041】
図2は、基材上への噴霧堆積のためのシステム100への生体標本の収集及び導入における使用に好適な標本コンテナ200の等角図である。標本コンテナ200は、実験室、臨床及び/または研究の場で収集された細胞及び組織試料用の輸送容器として機能する。したがって、標本コンテナ200は、漏出及び/または汚染に対する保護を提供する。
図2に示される通り、標本コンテナ200は、液体(例えば、輸送溶液)及び生物学的物質を保持するための容器210と、閉鎖し、容器210内の内容物を封止するための上部キャップ212とを提供する。
【0042】
種々の実施形態では、液体(例えば、輸送溶液)は、細胞形態を保存する及び/または標本コンテナ200内の細菌増殖を阻害するために、エタノール(すなわちEtOH)または他の液体を含み得る。いくつかの実施形態では、液体は、脱イオン水中約10%のEtOH〜約95%のEtOH、約10%のEtOH〜約90%のEtOH、約10%のEtOH〜約85%のEtOH、約20%のEtOH〜約70%のEtOH、約10%超のEtOH、約20%超のEtOH、約60%未満のEtOH、約20%のEtOH、約25%のEtOH、約30%のEtOH、約35%のEtOH、約40%のEtOH、約45%のEtOH、または約50%のEtOHを含み得る。他の希釈液及び/または液体も、標本コンテナ200と共に使用するために企図される。
【0043】
図2に戻ると、標本コンテナ200は、容器210の下部セプタムを封止するための下部キャップ214をさらに含む。いくつかの実施形態では、上部及び下部キャップ212、214は、容器210上に提供される対応するねじ山211に嵌合するためのねじ山を含み得る。他の実施形態では、上部及び下部キャップ212、214は、スナップ、留め金、摩擦、接着剤等の当該技術分野において既知である他の機械的手段を使用して容器210に固定され得る。いくつかの実施形態では、容器210からの漏出を防止するためのガスケット、シール、または他の手段(図示せず)が、存在し得る。いくつかの実施形態では、容器210は、生体試料の蒸発による損失及び二次汚染を最小化、制限、または実質的に防止し得るセプタムの形式の貫通可能な上部封止要素または膜(図示せず)を含み得る。それに加えて、上部封止要素は、容器210の内部の内容物への単回使用アクセスを、または別の実施形態では、再封止可能なアクセスを提供し得る。同様に、容器210は、容器210の内部の内容物への単回使用または多回使用(例えば、再封止可能)アクセスを提供するためのセプタムの形式の貫通可能な下部封止要素または膜(図示せず)をさらに含み得る。上部及び/または下部キャップ212、214が除去されると、貫通可能なセプタムまたは膜は、容器210の内部の内容物に(例えば、管、ノズル等の貫通によって)アクセスするために露出される。例えば、セプタムは、標本コンテナ200の内容物にアクセスするために破壊され得る(例えば、刺し通される、引き裂かれる等)。下記にさらに説明される通り、上部及び下部セプタムは、破壊され、ポンプまたは流体ラインを介して送達される圧縮空気との流体連通を確立して、標本の少なくとも一部分を噴霧として基材(複数可)上に排出することができる。
【0044】
動作中、技術者または他の使用者は、上部キャップ212、及び必要に応じて貫通可能な上部セプタムを除去し、液体(例えば、輸送溶液)を容器210中に配置し得る。生体標本(例えば、組織生検、細胞/組織拭き取り液、細胞/組織剥離物等)は、生体標本が液体中に浸漬及び分配されるように収集デバイスを液体中に浸すことによって、容器の内側に堆積され得る。貫通可能な上部セプタム及び上部キャップ212は、容器210の上部上に封止及び/または固定され得、標本コンテナ200は、例えば、システム100に輸送され得る。場合により、下部キャップ216は、処理(例えば、基材上への堆積)のために調製において除去され得る。下部キャップ214を除去した後、充填された標本コンテナ200は、内部環境101内に噴霧位置付けアセンブリ140によって受容され得る(
図1及び5)。いくつかの実施形態では、コンテナを噴霧位置付けアセンブリ140へ連続して移動させるために、複数の標本コンテナがシステム100によって受容され、例えば、キャリアアセンブリ(例えば、カルーセル、ラック等、図示せず)内に装填され得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、標本コンテナ200は、使い捨てである。場合により、使い捨てであるとは、単回使用に好適である標本コンテナ200の全てまたは特定の構成要素を指し得る。他の実施形態では、標本コンテナ200は、(例えば、清浄及び/または滅菌後に)再使用されるか、または1回を超えて使用され得る。特定の例では、標本コンテナ200の一部は、使い捨てでなくてもよく(例えば、容器210、キャップ212、216)、一方他の部分は、使い捨てである及び/または交換される必要がある(例えば、貫通可能な上部及び下部セプタム)。標本コンテナ200は、プラスチック、金属、ゴム、ケイ素等の多様な材料から作製され得る。標本コンテナ200は、限定されるものではないが、1つ以上のヒト可読または機械可読ラベル(例えば、システム100によって読み取る及び/または記録することができるバーコード)をさらに含み得る。
【0046】
種々の実施形態では、筐体110は、汚染物質が内部処理環境101に入ることを阻害、制限、または実質的に防止する。
図1及び
図3を合わせて参照すると、保護筐体110は、アクセスドア114(例えば、横開きドア、上開きドア、スライドパネル等)を介して開放されて、限定されるものではないが、ロボット構成要素(例えば、ロボットアーム)、輸送デバイス(例えば、コンベヤー、アクチュエータ等)、流体構成要素、標本堆積ステーション、基材プラットフォーム、混合構成要素(例えば、振動またはボルテックス構成要素)、加圧デバイス(例えば、空気圧縮機及び流体ライン、ポンプ、バキューム等)、乾燥器、制御装置、及び電力システム等を含む内部構成要素にアクセスし得るカバー112を含み得る。いくつかの実施形態では、筐体110は、外部供給源から提供される圧搾空気、熱気、もしくは他の流体のための、及び/または外部と内部環境101との間の空気を除去するか、さもなくば交換するための流体アクセスポート(複数可)116を含む。筐体110はまた、残留噴霧が筐体110の周囲の外部環境を汚染することを阻害、制限、または実質的に防止してもよい。
【0047】
図4は、本技術の実施形態による、
図1のシステム100と共に使用するための、
図2の標本コンテナ200等の標本コンテナを受容するように構成された噴霧カートリッジ120の等角図である。
図4を参照すると、噴霧カートリッジ120は、堆積プロセス中に標本コンテナ200をシステム100内に受容及び収容するための囲い122を含む。囲い122は、標本コンテナ200(
図2)を摺動可能に受容するように、及び空気ラインに連結し、圧縮空気を受容するための流体ポート125を提供するヘッド124に囲い122を固定するように形状付けられ、寸法決定される。噴霧カートリッジ120は、噴霧ノズル126と、係合された後に標本コンテナ200の貫通可能な下部セプタムを穿刺するための穿刺機構128とをさらに含む。囲い122の内部表面は、標本コンテナ200を囲い122内に位置付ける及び/または整列させるためのチャネル、隆起部分、溝(図示せず)等を含んでもよい。囲い122の内部表面は、標本コンテナ200の周辺の、ならびに噴霧ノズル126に隣接する及び/またはそれと同心である空気ノズルを通る圧縮空気の通過のための、チャネルをさらに含んでもよい。高圧の空気流は、噴霧ノズル126から引き抜かれた液体のエアロゾル化をもたらし得る。下記にさらに詳細に説明される通り、噴霧カートリッジ120を噴霧位置付けアセンブリ140に解放可能に固定するために、1つ以上の保定具129が、囲い122の外側表面123に一体化して固定されるか、さもなくば取着され得る。いくつかの実施形態では、保定具129は、標本コンテナ200を、キャリアアセンブリ(例えば、カルーセル、ラック等)から標本処理領域130にあるかまたはその近くにある噴霧位置付けアセンブリ140へ移動させるために使用され得る。
【0048】
図5は、本技術の実施形態による、
図1のシステム100と共に使用するための基材カートリッジ150である。基材カートリッジ150は、1つ以上の基材151を相対的に水平または平らな位置に保定するように構成される。
図5に示される通り、基材カートリッジ150は、基材151の前部または一部を囲い得る。例えば、基材カートリッジ150は、標本堆積のために選択される基材151の少なくとも表面(例えば、ラベル部分152から分離したスライドの部分)を囲い得る。いくつかの実施形態では、基材151は、クリップ155または当該技術分野において既知である他の閉鎖デバイスを介して上部筐体154を基材151の上側に可逆的に受容及び保定する下部筐体153内に静止する。下部筐体153は、例えば、1つ以上のグリッパ、クランプ、または基材151及び/もしくは上部筐体154を解放可能に保持する他の保定デバイスを含み得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、上部筐体154は、噴霧堆積プロセス中に生体材料の噴霧を含有するための保護チャンバを提供する噴霧保定具156を有する。噴霧保定具156は、噴霧ノズル126が標本堆積のために選択された基材151の表面の上に整列されるように、噴霧カートリッジ120の下部をその中に受容するため(例えば、噴霧カートリッジ120の噴霧ノズル126を格納するため)の上部開口157を備える。
図5に例証される通り、噴霧保定具156の上部開口157は、生体材料の噴霧堆積の前及び/または後に汚染物質及び/または破片から基材150を保護するための貫通可能な保護膜158または他のシールを含む。膜158は、噴霧カートリッジ120による噴霧保定具156へのアクセスを促進する切り込み159または他の開口を含み得る。一実施形態では、膜158は、ゴム、ケイ素、または噴霧カートリッジ120の挿入された部分に順応し、噴霧堆積中に噴霧保定具156の外へ生体材料の噴霧が戻ることを防止し得る他の順応性もしくは可鍛性材料で作製され得る。
【0050】
図5に示される通り、噴霧保定具156は、基材151の表面及び/または他の排液貯留器に向かって下向きに傾斜しており、放射状に分かれる流れを促すための形状(例えば、円錐台形形状)を有する。いくつかの実施形態では、基材カートリッジ150は、噴霧堆積プロセス中に生体材料の過流または過噴霧を捕獲及び保定するのに好適な廃棄物ウェルまたは他の排液貯留器(図示せず)を有し得る。いくつかの実施形態では、噴霧保定具156の内壁は、過噴霧液体流が排液貯留器に向かうのを助ける流路、グローブ、または他の特徴を有する。存在する場合、排液貯留器は、噴霧カートリッジ120の噴霧ノズル126からの過流噴霧または滴を蓄積するために、及び標本間の意図せぬ二次汚染の危険性を防止するために提供され得る。特定の実施形態では、基材カートリッジ150は、使用後に使い捨てである。他の実施形態では、基材カートリッジ150は、滅菌及び再使用に好適である。
【0051】
いくつかの実施形態では、システム100は、限定されるものではないが、周囲の空気の加熱、試料基材の加熱、湿潤基材の上の乾燥した空気の層流等を含む、堆積された液体の乾燥時間を低減するための機構を提供し得る。追加的な実施形態では、システム100は、湿潤基材の乾燥を監視するための(例えば、光学)センサを含み得る。他の実施形態はまた、各堆積サイクルの間に乾燥サイクルを有する反復堆積サイクルを通して、試料スライド上の細胞及び/または組織材料の量を増加させるための手段も含み得る。かかる乾燥サイクルは、本明細書に述べられる種々の乾燥機構を用いてまたは用いずに実施され得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、システム100は、基材上での生体材料の噴霧堆積等の高速及び/または完全自動化基材処理のための自動化ハードウェアを備える。具体的には、システム100は、標本支持基材の自動化生成のための電子ステージ、プラットフォーム、及び輸送キャリアを含み得る。
図6は、本技術の実施形態による、
図1のシステム100と共に使用するための基材処理領域130及び噴霧位置付けアセンブリ140の等角図である。
【0053】
図6に示される通り、基材処理領域130は、噴霧位置付けアセンブリ140にアクセス可能なプラットフォーム132を含み得る。特定の実施形態では、基材処理領域130はまた、プラットフォーム132によって保持され、噴霧された生体材料をその上に堆積させるために1つ以上の基材151または基材カートリッジ150(
図5)を受容するように構成された基材装填ステーション134も含み得る。他の実施形態では、プラットフォーム132は、基材装填ステーションとして機能し得る。装填ステーション134は、アクセスドア114(
図3)を介してアクセス可能であり、使用者は、該アクセスドア114を通して未使用の(例えば、清潔な)基材を収容する1つ以上の基材カートリッジ150(
図5)を装填し得る。別法として、基材カートリッジ150(
図5)は、内部環境101内の未使用の(例えば、清潔な、空の等)基材151及び/または基材カートリッジ150を運搬する基材ステージングデバイス(図示せず)から、基材処理領域130へ自動的に及び/または連続して輸送され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、プラットフォーム132は、システム100の内部環境内にしっかりと位置付けられ得る(例えば、固定される)。別の実施形態では、プラットフォーム132は、内部環境101の種々の部分へ/から運搬される基材の直線及び垂直輸送の両方を促進するX−Y−Z輸送システムとして移動され得る、移動プラットフォームであり得る。例えば、基材処理領域130は、システム100の他の構成要素(例えば、噴霧位置付けアセンブリ140)に対する基材151(または基材カートリッジ150)の移動、基材に対するシステムの噴霧位置付けアセンブリの移動、またはそれらの組み合わせを可能にする、運動システムまたはアクチュエータ(図示せず)を含み得る。特定の実施形態では、運動システムは、装填ステーション134が所定の位置のセットの周りに動作可能に移動し得るように、x軸、y軸、及び/またはz軸に沿った移動を提供し得る。いくつかの実施形態では、運動システムは、例えば、プラットフォーム132に対する装填ステーション134の移動が単一の軸(例えば、x、y、z)に沿った並進運動に限定されるように、ガイドまたはリニアベアリングによって装填ステーション134をプラットフォーム132に接合することによって、単一の軸(例えば、x軸、y軸、z軸)に沿った並進移動を提供する装填ステーション134を含む。他の実施形態では、プラットフォーム132に対する装填ステーション134の移動は、複数または全ての軸(例えば、x軸、y軸、z軸)に沿って生じ得る。いくつかの実施形態では、ガイドは、限定されるものではないが、ボールベアリング、再循環ボールベアリング、交差ローラボール、屈曲、筒状スリーブ、ダブテール等を含む任意の好適な機構を介した移動を可能にする。いくつかの実施形態では、ガイドに沿った移動は、リニアアクチュエータ(例えば、モータ式、空気圧式、水圧式、圧電式等)によって供給される。
【0055】
装填ステーション134へ及び/またはからの基材カートリッジ150の送達の自動化及び/またはハイスループットは、内部環境101内の基材151及び標本コンテナ200等の構成要素を輸送するために、システム100内に運動を提供するための線形ガイドキャリッジ、線形運動アクチュエータシステム(図示せず)、モータ(例えば、駆動モータ、ステッピングモータ等)、駆動要素(例えば、鎖、ベルト等)、または他の特徴によって促進され得る。生体材料を1つ以上の基材上に噴霧堆積させた後、使用者は、アクセスドア114を介して基材カートリッジ(複数可)150を内部環境101内の装填ステーション134または他の保持/処理ステーションから除去し得る。
【0056】
再び
図6を参照すると、一実施形態では、噴霧位置付けアセンブリ140は、(a)標本コンテナ200を基材処理領域130に操作して送達する、(b)標本コンテナ200を噴霧カートリッジ120内に位置付ける、及び(c)噴霧カートリッジ120を基材処理領域130に対して整列させるための、1つ以上の整列アセンブリ142を含む。整列アセンブリ142は、基材処理領域130の概して上側に位置付けられ得、生体材料または他の好適な物質(例えば、洗浄流体等)がその中に貯蔵及び/または混合されるコンテナ(例えば、噴霧カートリッジ、標本コンテナ、バイアル、または他の容器)を保持するように構成される。装着機構144は、コンテナを、(例えば、
図4に示される噴霧カートリッジ120の保定具129を介して、
図2に示される標本コンテナ200の上部キャップ212を介して)整列アセンブリ142に連結するために提供される。装着機構144としては、限定されるものではないが、1つ以上の機械グリッパ(例えば、クランプ、ジョー、ペンチ、磁石等)、吸引デバイス(例えば、吸引カップ、ポンプ、真空ポンプ等)、または例えば、落下を防止する、ならびに/または標本コンテナ200及び/もしくは噴霧カートリッジ120を整列されていない状態に位置付ける他の保定特徴が挙げられ得る。センサ(例えば、圧力センサ、空気圧センサ、光センサ等;図示せず)が、それぞれのコンテナの存在及び/または配向を検出するために、装着機構144に関連付けられ得る。
【0057】
種々の配置において、整列アセンブリ142は、標本コンテナ200を視覚的、機械的、電気機械的に、及び/または光学機械的に操作及び送達し、噴霧カートリッジ120を基材処理領域130と整列させるために、1つ以上の駆動機構146にさらに連結され得る。例えば、駆動機構146(例えば、アクチュエータアセンブリ)は、細胞懸濁液を容器210内で混合するために標本コンテナ200を混合、振盪、またはボルテックスするのに好適な1つ以上のモータに動作可能に連結され得る。駆動機構146はまた、(a)標本コンテナ200を噴霧カートリッジ120の囲い122内に、かつ噴霧ノズル126に向かって移動させる、及び(b)穿刺機構128(
図4)による標本コンテナ200の貫通可能な下部セプタムの貫通を促進するような力を提供するために、1つ以上のモータ(例えば、ステッピングモータ、サーボモータ等)に動作可能に連結される、及び/またはそれらによって駆動され得る。特定の実施形態では、駆動機構146は、噴霧カートリッジ120が基材151に対して特定の堆積高さ(例えば、約0.1〜約6インチ上)に整列され、かつ位置付けられ得るように、基材処理領域130に対する噴霧カートリッジ120のX−Y−Z位置付けを促進し得る。他の実施形態では、上記に説明される通り、プラットフォーム132及び/または装填ステーション134は、噴霧カートリッジ120を基材カートリッジ150及び/または基材151に対して整列させる及び位置付けるための移動を提供し得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、駆動機構146は、基材処理領域130に対する整列アセンブリ142の好都合の識別及び配向のための1つ以上のポジショナ(図示せず)または他の視覚的(光学的を含む)に識別可能な特徴をさらに含み得る。例えば、制御装置(図示せず)によって知られる所定の位置は、噴霧カートリッジ120の噴霧ノズル126と受容基材との間の配列のずれを識別するために使用され得、使用者は、整列アセンブリ142が整列されていないということを即座に通知され得る。いくつかの実施形態では、噴霧位置付けアセンブリ140は、標本コンテナ200を、複数の標本コンテナを保持するキャリアアセンブリから連続して受容し得る。いくつかの実施形態では、噴霧位置付けアセンブリ140は、コンテナ受容構成からコンテナ整列構成へ移動され得る。例えば、噴霧位置付けアセンブリ140は、キャリアアセンブリから噴霧位置付けアセンブリの装着機構144への標本コンテナ200の移行の後、標本コンテナを移動及び整列させ、そこには空間が存在する。一実施形態では、噴霧位置付けアセンブリ140は、1つ以上の噴霧カートリッジ120を運搬するように構成される。特定の実施形態では、連なった整列アセンブリ(図示せず)は、生体材料を、標本コンテナから基材処理領域130内に保持される基材上に独立して混合及び噴霧し得る。他の実施形態では、基材処理領域130及び/または噴霧位置付けアセンブリ140は、限定されるものではないが、1つ以上のセンサ、読み取り機、加熱器、乾燥器、または標本の堆積及び/または標本支持基材の処理を促進する他の構成要素を含み得る。いくつかの実施形態では、基材処理領域130は、装填ステーション134上の基材カートリッジ150の存在を検出するための圧力センサ(図示せず)または他のセンサを含み得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、システム100による自動化標本堆積を方向付ける及び/または制御するために、ソフトウェア、コード、または他の実行可能な指示が(例えば、制御装置またはプロセッサと共に)提供される。いくつかの実施形態では、自動化及び/またはハイスループットソフトウェアが、システム100に組み込まれ、標本の取り込み、噴霧堆積、標本の切り替え、基材のインデックス化、他の標本支持基材処理等のうちの1つ以上を提供する。
【0060】
いくつかの実施形態では、標本堆積システム100の構成要素のうちの1つ以上は、1つ以上の電子制御装置またはコンピュータプロセッサの制御下にある。特定の実施形態では、標本堆積を強化し、自動化及び/またはハイスループット能力を可能にする構成要素及びプロセスは、プロセッサによって制御される。いくつかの実施形態では、プロセッサは、標本堆積システム100の多数の構成要素を制御し、それらの動作を連動させて、所望の/方向付けられた機能を達成する。例えば、いくつかの実施形態では、駆動機構及び/またはモータのうちの1つ以上(例えば、全て)の移動は、自動化される。他の実施形態では、移動は、システム100内の、またはシステム100と通信するプロセッサによって制御される及び/または方向付けられる。いくつかの実施形態では、移動は、システム100の他の動作と同期される。いくつかの実施形態では、ステップの連結及び/または同期は、高品質の標本支持基材の取得のプロセスの自動化及び速度を強化する。
【0061】
図26は、一実施形態による、生体試料から標本支持基材を生成するための携帯用自動化標本システム2600を示す。一実施形態では、システム2600は、堆積を基材処理領域に向かって配向し、方向付けるカートリッジ2602に関する内部環境を作る、保護筐体2601を含み得る。システム2600は、制御のためのディスプレイ領域2603またはボタンを有してもよい。システムは、電子機器、気体供給源、空気弁、圧力メータ、フィルタ、保護チャンバ、ならびに電子機器及び囲いの安全性に付随する任意の付属品を備え得る。筐体のドア2604は、自動または手動で開放され得、ドアの開放及び閉鎖がカートリッジ2602を解放するように適合されてもよい。ドアは、任意に、閉鎖中にカートリッジ2602をシステム2600内に押すための突出部を内側に有し得る。ドア2604は、ドア2604を開放するときにカートリッジ2602の側面の突出した特徴を引張り、カートリッジ2602を解放する機構を有し得る。
【0062】
システム2600は、任意に、
図27に例証される通りにカートリッジを使用する。カートリッジ2700は、各使用後に清浄され再使用されるか、または廃棄されてもよい。カートリッジ2700は、いくつかの構成要素からなる。試料コンテナ2701は、専用溶液を保持する。試料コンテナ2701は、試料収集中に使用されて、処理実験室に送り戻す間に、または医師のオフィスで使用するために収集された試料を保持する。試料コンテナ2701は、ノズル構成要素2702にねじ止めされ得る。試料コンテナ2701は、試料が基材上に堆積される前に、濃縮及び濾過ステップを受けてもよい。試料は、試料を調製するために、混合、ボルテックス、振盪、回転されてもよい。一実施形態では、ノズル構成要素2702は、二次ノズル2703に取着する。一実施形態では、二次ノズル取付具2703は、封止するためのOリング2704を有する。試料コンテナ2701、ノズル構成要素2702、及びOリング2704付き二次ノズル2703のアセンブリを備えるノズルアセンブリは、基材カートリッジ2705に嵌まる。ノズル構成要素2702が使用中に正しい場所に静止することを確実にするために、スナップ取付具2706が提供され得る。一実施形態では、カートリッジ2700は、汚染物質が逃げるのを防止しながら気体の交換を可能にするためのフィルタ付き通気口2707を有する。基材2708は、ホルダ2709内に保持され得る。ホルダ2709は、基材2710の容易な除去を可能にする陥凹領域を有し得る。一実施形態では、ホルダ2709は、カートリッジ2700からホルダ2709を除去するためのタブ2711を有する。ホルダ2709は、任意に、カートリッジ2700に挿入されるときにカートリッジ2700に適合して、封止を助ける1つ以上の壁2712を備え得る。ホルダ2709は、任意に、封止を増加させるためのOリング等の障壁を有し得る。ホルダ2709は、基材カートリッジ2700に適合する突出タブ2713を有し得る。ホルダ2709は、代替的に、ヒンジ設計を備えてもよい。ホルダ2709を閉鎖するために、タブ2711の近くのスナップ式特徴も使用されてもよい。試料ホルダ2709内に配置された基材2708を備える試料アセンブリが、基材カートリッジ2705に取着されて、完全に組み立てられたカートリッジ2015をもたらしてもよい。完全に組み立てられたカートリッジ2015は、例えば、2600に具現化されるような携帯用堆積システム等の堆積システムに挿入される前に、組み立てられてもよい。
【0063】
図28に例証されるノズル構成要素2801は、試料及び空気の両方に関する複数のチャネルを備え得る。一実施形態では、細胞濃縮器構成要素または試料フィルタ(図示せず)が、試料コンテナ(図示せず)上に、それがノズル構成要素2801にねじ止めされる前に配置されてもよい。これは、十分な試料及び清潔な試料が基材上に堆積されていることを確実にするであろう。ノズル構成要素2801は、1つのアセンブリとして動作するように機能する複数の下位構成要素からなり得る。ノズル構成要素2801は、試料コンテナ(図示せず)、気体ポート2802、試料出口2803、及び空気出口2804のための場所を備え得る。ノズル構成要素2801はまた、試料コンテナ装填場所2810内に、基材の汚染を防止するための1つ以上のフィルタ2805等の追加的な付属品を有してもよい。ノズルアセンブリ2800はまた、二次ノズル2806を備えてもよい。二次ノズル2806は、ねじ込み特徴によってか、または接着剤、溶接等を使用してかのいずれかによってノズル構成要素2801に接合されてもよい。一実施形態では、二次ノズル2806の機能は、試料出口2803の周りに十分な同心圧力を作り出すこと、及び必要とされる試料の均質性の結果を基材上に生み出す噴霧パターンを作り出すことである。ノズルアセンブリ2800の入口及び出口は、種々の用途に対応するように可変の直径及び形状付けられた開口を有してもよい。ノズルアセンブリ2800の幾何学は、材料を限定するように、ならびに取付及び減少したサイズを可能にするように変動してもよい。二次ノズル2806は、種々の噴霧パターンを生み出すように、可変的な角度出力を有してもよい。
【0064】
二次ノズル2806は、異なる噴霧パターンを可能にするような種々の角度の開口を備えてもよい。ノズル構成要素2801に対する二次ノズル2806の位置は、同心圧力プロフィールを変化させるように変動されてもよい。二次ノズル2806に接合されたノズル構成要素2801は、使用中に蒸気が逃げるのを防止するために、接合点にシール2807(例えば、Oリング)を備えてもよい。ノズル構成要素2801は、アセンブリをスライドカートリッジチャンバ(図示せず)内に係止するスナップ式特徴2808を備えてもよい。ノズル構成要素2801はまた、ノズル構成要素2801を基材カートリッジ(図示せず)内に配向するのを助けるガイド2809を有してもよい。一実施形態では、試料コンテナは、ねじ山2810を有するノズル構成要素に直接ねじ止めされる。試料コンテナ2701に接合された接合は、ノズルアセンブリ2800は、基材カートリッジ2705の指定の領域内に配置され、1つ以上のスナップ取付具2706を使用してその場所に保持され得る。
【0065】
試料コンテナ2701と、ノズルアセンブリ2800と、基材カートリッジ2705と、試料基材2708と、基材ホルダ2709とを備えるカートリッジアセンブリ2700は、ドア2604を噴霧チャンバ内へ開放することによって、携帯用標本システム2600に挿入され得る。システム2600は、カートリッジ2602がその上に配置され得る基部を備えてもよい。次に、カートリッジ2602は、それが気体ポート2802が気体供給源(図示せず)に嵌合するまで押し込まれるか、または気体ポート2802が気体供給源(図示せず)に嵌合するまで、ドアを閉鎖する動作がカートリッジを押し込み、カートリッジ2602は、その場所に係止される。一実施形態では、ノズル構成要素2801の気体ポート2802は、システム2600の内側の気体供給源(図示せず)に嵌合する。システムは、ユーザインターフェースから起動され、該ユーザインターフェースは、タッチスクリーン2603またはボタン付きパネル(図示せず)またはコンピュータワークステーション(図示せず)であってもよい。次に、システムは実行し、堆積された試料を有する調製された基材を送達する(図示せず)。システムは、警報、光、表示、または他の通知によって、即時通知を有する。堆積後、カートリッジ2602は、カートリッジドア2604を開放して、カートリッジ2602を自動的に解放させることによって、試料を解放するために使用者がボタン(図示せず)を押圧することによって、または、使用者がカートリッジドア2604を開放した後にカートリッジ2602を手動で引き出すことによってのいずれかで、除去されてもよい。
【0066】
図29に示される通り、カートリッジはまた、自動化システムを伴わない使用を可能にするように設計されてもよく、それによって、代替的な圧力供給源(図示せず)のために、類似のカートリッジは接続部2901と共に作製される。これらの供給源のうちの1つは、シリンジに似た圧力機構であってもよい(図示せず)。シリンジを押し下げることによって、圧力が生じ、その圧力は、空気流を生み出し、基材上への試料の堆積を可能にする。一実施形態では、携帯用圧力供給源(例えば、気体カートリッジ)(図示せず)が、噴霧缶式の機構と共に使用されてもよい。一実施形態では、例えば(空気、CO
2等)の気体供給源を含有する再使用可能なトリガ機構(図示せず)が、コネクタ2901によってノズル構成要素2801に接続される。トリガを押すことによって、気体は、類似の様式で試料を基材上に移送する。気体は、汚染を含まなくてもよい。デバイスの携帯可能性は、電気が制限されているかもしくは問題を引き起こし得る、または輸送が困難であり得る多くの領域において、それが使用されることを可能にする。
【0067】
図30は、例えば、システム2600等の他のシステムまたは実施形態に関して本明細書に説明される任意の特徴を備え得る、自動化システム3000を例証する。内部構成要素としては、試料チャンバ、全ての弁、ポンプ、圧力制御装置、圧力センサ、流体制御装置、モータ、電子機器等が挙げられる。使用中、試料の蓋3001が開放され、試料コンテナがシステム内に装填される。試料基材は、モータ式であり得るスライドホルダ3002上に装填される。スライドホルダ3002は、(Oリングまたは他のガスケットを有する)封止されたドア3003を備え得る。使用者ディスプレイ3004は、システムを実行するために使用され得る。囲い3005は、システムを保護し、美観を提供する。試料がスライド上に堆積された後、試料チャンバは、清浄される。全てのポンプ、センサ、弁、電子機器、配線、回路基板、洗浄液及び廃棄物コンテナは、システムと共に組み立てられる。
【0068】
図31は、一実施形態に係る試料チャンバ3100を示す。試料チャンバは、汚染物質が逃げるのを制限または防止する閉じ込めチャンバ3101を備える。試料チャンバ3100は、ノズル取付具3102を有し、その上部は、液体試料を保持し、また洗浄溶液及び空気用の入口も有する。ノズル取付具3102は、ノズル取付具3102上に適合されて、特定の噴霧パターンを可能にする二次ノズル構成要素3103を有する。気体及び液体は、ノズル取付具3102を通って移動し、二次ノズル構成要素3103から出る。試料チャンバ3100の構成要素は、金属またはプラスチックであってもよい。構成要素はまた、試料が構成要素に付着するのを防止するために、疎水性コーティングを有してもよい。試料チャンバ3100は、任意に、スライド領域3105を試料チャンバの内外に移動させるモータ制御ステージ3104を備える。モータ制御ステージ3104は、清浄中に稼働され得る真空制御清浄領域3106を備える。試料チャンバ3100は、各堆積の後に吸引3107によって真空清浄され得る。清浄溶液が使用されてもよい。一実施形態では、清浄溶液は、汚染物質を除去するためのアルコール及び/または潜在を含有する。試料チャンバ3100は、通気用のフィルタ3108を備え得る。フィルタは、堆積に十分な空気交換を提供しながら、汚染物質が逃げるのを防止する。試料チャンバ3106は、過剰な材料が基材領域付近に蓄積するのを防止するための真空吸引を伴うへりを備える基部3109を備え得る。
【0069】
図32は、別の実施形態に係る試料チャンバ3200を示す。この実施形態では、試料チャンバ3200は、下から上へ噴霧する。試料チャンバ3200は、底部の代わりに上部に配置されるように構成された試料基材3201を備える。試料チャンバ3200は、基材に接触して安定させることが可能であるように、開口部3202を備える。試料チャンバ3200は、基材の反対側のデバイスの底部にノズル3203を備える。寸法は、例としてインチで示されており、これによって、システムは用途に応じた複数の寸法に設計されてもよい。高さは、用途に応じて変動されてもよい。システムは、
図31の構成要素と類似の構成要素を有する。
【0070】
図33は、一実施形態に係るカートリッジ3300を示す。この実施形態によると、カートリッジは、試料コンテナ3301、カスタムノズル3302、及び基材コンテナ3303を備える。基材コンテナ3303は、気体ノズル及び気体ポート3304を有する。気体ノズルは、カスタムノズル3302を横切って気体を送り、液体試料のエアロゾル化をもたらす。基材コンテナ3303は、基材コンテナを封止するように作用する基材ホルダ3305を備える。基材ホルダ3305は、開放を促進するためのタブ3306を備え得る。基材コンテナ3303は、基材コンテナ3303が、例えばシステム2600等のシステムに適合することを可能にするガイド(図示せず)を有してもよい。
【0071】
図34は、一実施形態に係る試料コンテナアセンブリ3400を示す。試料コンテナアセンブリは概して、試料コンテナ3401及びノズル3402を備える。試料コンテナ3401は、ノズル3402上にねじ止めされるか、ないしは別の方法で取着され得る。ノズル3402は、フィルタまたは代替的な試料濃縮もしくは精製構成要素を収容してもよく、それらは遠心分離機または代替的なデバイス内で使用されてもよい。ノズル3402は、種々の用途に対応するような可変のサイズのものであってもよい。ノズル3402は、種々の圧力条件を可能にするために、大気への通気口を有してもよい。試料コンテナ3401は、止め具として作用するような突出したリング3403を備え得る。試料コンテナは、3404として示されるねじ込み領域を備え得る。ノズル3402は、試料コンテナアセンブリ3400カートリッジ内にぴったりと収まることを可能にするスナップ式係止特徴3405を備え得る。ノズル3402は、Oリング等のシール3406用の領域を備えてもよい。ノズルは、種々の材料に対応するように異なる長さ及び異なる孔径を有するノズルヘッド3407を備えてもよい。試料コンテナアセンブリ3400は、本明細書に説明される基材カートリッジに挿入され得る。一実施形態では、基材カートリッジに挿入されるとき、ノズル3402は、気体噴霧の通路内に並ぶ。一実施形態では、気体は、試料の噴煙の面に垂直に吹く。一実施形態では、ノズル3402は、気体ノズル3304に垂直である。
【0072】
図7は、本技術の実施形態の実施形態による、ネットワークコンピューティング環境700において標本支持基材を生成するための自動化標本堆積システム710を例証する概略的ブロック図である。いくつかの実施形態では、自動化標本堆積システム710は、1つ以上の制御装置712を含む。制御装置712は、システム構成要素に命令し得、また概して、限定されるものではないが、1つ以上のコンピュータ720、中央処理装置730、処理デバイス、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、読み取り機等を含むか、またはそれらと通信し得る。情報を記憶するために、制御装置712は、限定されるものではないが、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の1つ以上の記憶要素740を含むか、またはそれらと通信し得る。記憶される情報しては、標本堆積プログラム、最適化プログラム、較正プログラム、インデックス化プログラム、混合プログラム、または他の実行可能なプログラムが挙げられ得る。一実施形態では、標本堆積プログラムは、細胞型、細胞濃度、流体内容物、基材特性、撮像要件等に基づいて選択及び実行され得る。例えば、可変噴霧堆積プログラムは、可変的な噴霧体積及び/または噴霧速度を説明し得る。最適化プログラムは、生産性を増加させるため及び/または堆積の一貫性を強化するため等、システム700の性能を最適化するために実行され得る。標本堆積は、例えば、ある長さの時間内に生成される標本支持基材の数を増加させ、標本堆積後の基材の乾燥時間を低減させる、使用者による基材の取り扱いを低減する等のように最適化されてもよい。いくつかの実施形態では、制御装置712は、各基材上の生体材料の供給源の追跡及び/または使用者の加入の必要性の低減のために、標本コンテナ及び/または生成される標本支持基材を順序付けまたはインデックス化するための装填シーケンスを決定する。いくつかの実施形態では、これは、複数の標本支持基材が同一の生物学的/標本試料及び/または異なる試料から生成され得るため、時間を節約することができ、またシステム700が標本供給源を正確に追跡し、標本供給源を正確にインデックス化された標本支持基材と結びつけ得るため、使用者の過誤を低減する。
【0073】
本技術の実施形態の種々の実施形態は、試料処理のための自動化制御システムにさらに関する。例えば、システム710及び/またはコンピューティング環境700のいくつかの実施形態は、通信構成要素750及び/または通信ネットワーク760を介して処理プロトコル及び処理状態の情報共有等の、試料処理に関するデータ取得、データ維持、データ検索のためのモジュールを含む。特定の実施形態では、個別の試料及び/または複数のバッチ処理データ、プロトコル、及びパラメータが、リモートサーバ770にアップロードされ得る。同様に、診断特徴に関するデータ、複数のバッチ処理に関する即時または適応的能力、及び関連するプログラム処理パラメータが、取得され、記憶され、後にアクセスされ得る。
【0074】
制御装置712(
図7)は、ドライバ714に、システム100の内部環境101内の構成要素を連続して移動させ、操作するように命令するように構成され得る。いくつかの実施形態では、制御装置712は、メモリ716に指示を記憶し、その指示を実行して、噴霧位置付けアセンブリ140に、圧搾空気を介して標本コンテナ200から生体材料を連続して混合し、位置付け、展開するように命令する。それに加えて、または別法として、メモリ716は、システム100の駆動機構ならびに他のモータ式及び/またはロボット構成要素に、標本支持基材を処理する、移動させる、及び/または保管するように命令するために、制御装置712によって実行可能な他の処理指示(例えば、基材処理プログラム)を記憶し得る。特定の実施形態では、下記にさらに説明される通り、処理指示は、堆積される標本から取得される情報に基づいて選択され得る。制御装置712は、システム100の構成要素のいずれかまたは全部に通信可能に連結され得る。
【0075】
制御装置712は、メモリ716から情報(例えば、参照テーブル、温度設定点、負荷サイクル、電力設定、周囲温度及び/または湿度等の環境情報、処理プロトコル等)を受信し得る。入力デバイス722は、手動入力デバイス(例えば、キーボード、タッチスクリーン、ユーザインターフェース等)、または制御装置712からの要求に応じて自動的に情報を提供し得る自動化入力デバイス(例えば、コンピュータ720、データ記憶デバイス740、サーバ770、ネットワーク760等)であり得る。メモリ716は、異なるプロセスに関する異なる指示を記憶し得る。ある記憶されたプログラム指示シーケンスは、標本コンテナ200を混合するために使用され得、別のプログラム指示シーケンスは、基材151の表面上に生体材料を噴霧するために使用され得る。制御装置712は、プログラム指示シーケンスを実行して、標本支持基材を連続して生成するプログラム可能プロセッサ713を含み得る。任意の数のプログラム指示シーケンスが、プロトコルの異なる段階を実施するために実行され得る。
【0076】
制御装置712の電源718は、電池、燃料電池等のうちの1つ以上であり得る。電源718はまた、電気エネルギーをシステム100の他の構成要素に送達し得る。他の実施形態では、電源718は、AC電力供給装置であり得る。制御装置712はまた、システム100によって提供される複数のセンサ719から情報を収集し得る。例えば、システム100は、圧力センサ、接触/タッチセンサ(例えば、噴霧カートリッジ120と標本コンテナ200との間の接触圧力を測定するため)、温度センサ、位置センサ(例えば、光学センサ、レーザーセンサ等)、光センサ、空気圧センサ、運動センサ、電気機械センサ、化学センサ等を含み得る。
【0077】
図1〜7を合わせて参照すると、動作中、使用者は、空の基材151(例えば、清潔な顕微鏡スライド)を運搬する基材カートリッジ150を
図6の装填ステーション134上に装填し得る。いくつかの実施形態では、基材カートリッジ150及び/または基材151は、図示されていないが、基材上にラベルが存在する場合はそれを読み取る読み取り機(例えば、ラベル読み取り機、バーコード読み取り機等)に移送され得る。自動的な様式であるか、使用者が補助するかに関わらず、基材カートリッジ150は、生体材料の堆積のための位置に装填ステーション134を送達し得る。
【0078】
係合されるとき、噴霧カートリッジ120(
図4)は、標本コンテナ200(
図2)を受容し、圧縮空気供給源に(例えば、空気ポート125を介して)連結されるように構成され得、該圧縮空気供給源は、噴霧カートリッジの噴霧ノズル126を通して、装填されていない基材151を保持する装填ステーション134に向かって、圧縮空気を生体試料内及び/または生体試料の周りに方向付ける。噴霧カートリッジ120の中へ、外へ、及び内部への、ならびに標本コンテナ200を通る圧縮空気の移動は、例えば、弁、圧力センサ、ポンプ、及びフィルタを含む空気圧式モジュールによって制御され得る。空気圧式モジュールは、圧縮空気を供給し、また真空を生成して、種々の噴霧堆積処理動作を実施し得る。空気圧式モジュールはまた、標本支持基材の上に乾燥した空気の層流を提供して、乾燥時間を低減するために使用されてもよい。別の例では、負圧空気流を筐体110(
図3)内に提供して、筐体110の周りの外部環境の汚染を制限または実質的に防止するために、バキューム(図示せず)も使用され得る。
【0079】
特定のハイスループット実施形態では、装填された標本コンテナ200を有する一連の噴霧カートリッジ120が、基材151上に生体材料を堆積させるために連続して(または縦列して)使用され得る。例えば、一実施形態では、カルーセル(図示せず)が、一連の噴霧カートリッジ120を提供し得、それらは、(例えば、駆動機構146を介して)回転されて、各噴霧カートリッジ120を同時に1つ以上基材処理領域130の上側に位置付け得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、基材カートリッジ150及び/または基材151は、加熱(例えば、脱水ユニット、加熱ユニット、焼き付けモジュール、またはスライドから液体を除去することが可能な他の構成要素による)、染色、混成、洗浄、またはカバースリップの受容等、装填ステーション134またはシステム100内の他の処理ステーション(図示せず)において追加的な処理ステップを受け得る。いくつかの実施形態では、空気システムは、空気を部分的に再循環させて、内部環境101内の湿度を制御し得る。他の実施形態では、乾燥、カバースリップの追加、及び/または他の処理ステップ(例えば、染色等)は、手動で、及び/またはシステム100の内部環境101の外側で生じる堆積後処理ステップとして生じ得る。いくつかの実施形態では、基材151は、追加的な処理ステップの全部または一部の間、基材カートリッジ150上に収容されたままであり得る。基材カートリッジ150内での処理が完了した後、噴霧堆積された標本を支持する基材151は、ヒンジ機構の開放によって下部及び上部筐体153、154構成要素を分離すること、または基材カートリッジ150を固定する1つ以上のクリップ155を脱係合することによって、基材カートリッジから除去され得る。
【0081】
図8は、
図1〜7を参照して上記に説明される自動化標本堆積システム100を使用して標本支持基材を生成するための方法800を例証するブロック図である。
図1〜8を合わせて参照すると、方法800は任意に、システム100を較正することを含み得る(ブロック802)。システム100の較正は、標本の種類、流体の種類、及び/または標本の濃度に関する指示を受信することと、その指示に基づいて噴霧堆積パラメータを調節することとを含み得る。方法800はまた、標本コンテナ200内で試料の混合(例えば、ボルテックス、混合、撹拌、振動等)を開始することを含み得る(ブロック804)。例えば、制御装置712は、メモリ716に記憶された指示を実行して、噴霧位置付けアセンブリ140に試料を混合するように命令する。方法800は、標本コンテナ200を噴霧カートリッジ120内へ位置付けることをさらに含み得る(ブロック806)。いくつかの実施形態では、標本コンテナ200は、例えば、噴霧カートリッジ120内のプッシャーアセンブリまたは他のモータ式機構を使用して、下部セプタムが穿刺機構128によって貫通されるように位置付けられる。方法800はまた、噴霧カートリッジ120を、基材処理領域130に対して、特に噴霧された生体試料をその上に受容する基材151に対して、位置付ける及び/または整列させることも含み得る(ブロック808)。
【0082】
例えば、基材151の上側の適切な高さに、整列され、位置付けられた後、方法800は、圧縮空気を流し始め、生体材料を標本コンテナ200から基材151の表面上に噴霧することによって、ブロック810にて継続する。生体材料の噴霧堆積の後、方法800は、任意に、噴霧カートリッジ120を、基材カートリッジ150から分離した装填/取り外し位置に戻すことを含み得る(ブロック812)。方法800は、終了してもよく、または別法として、制御装置712から新たな命令を待つことを含んでもよい(ブロック814)。
【0083】
他のプロセスフロー及びシステム命令は、
図1〜7に関して本明細書に説明される自動化標本堆積システム100を使用するために好適である。表1は、本技術の実施形態の一実施形態によるシステムの使用のためのステッププロトコルを実証するプロセスフローを例証する。
【0085】
臨床、診断、及び研究用途に関して、試料から有用で正確なデータを抽出するために、高い試料品質が望ましい。本明細書に説明されるシステム100及び方法は、高品質で再生可能な標本支持基材の生成を促進する。例えば、本システムは、試料を混合し(または撹拌、ボルテックス、振盪等の類似の技法)、かつ各試料の細胞濃度を計数または決定するように構成される。収集された生体試料の各々は、異なる量の細胞を有する場合があり、それによって試料間に変動を導入する。基材上に堆積される細胞の数を標準化するために、各試料は、定量化され得、システム100は、この情報及び所望の基準に基づいて堆積パラメータを調節し得る。例えば、試料が、試料1mL当たり10,000個の細胞を有すると評価及び決定され、基材上の所望の細胞濃度が、1平方センチメートル領域にわたり1平方センチメートル当たり約1,000個の細胞である場合、システムは、およそ1/10(または100マイクロリットル)を堆積させる。別の例では、第2の生体試料は、試料1mL当たり約5,000個の細胞を有すると決定される。この例では、基材上の同一の所望の細胞濃度が付与され、システム100は、およそ1/5(または200マイクロリットル)を堆積させる。生体試料は標本コンテナ200中に存在する細胞の量に変動を有することが予測されるため、基材上に堆積される細胞の量に影響を与える噴霧体積等のパラメータ(例えば、噴霧前体積、噴霧される総体積)を調節することが望ましい場合がある。噴霧体積の追加的な調節は、生体試料中の細胞型(複数可)に基づいて行われてもよい。例えば、大型細胞を含有する試料に関して、基材上の所望の細胞濃度は低下されてもよい。
【0086】
一実施形態では、試料中の細胞濃度を決定するために、電気インピーダンスが使用され得る。例えば、細胞がチャンバを通して送り込まれると、インピーダンスが変化し、それは試験試料中の細胞量に相関し得る。試料中の細胞濃度を決定するための代替的なアプローチとしては、(例えば、光学センサによって検出されるときの)影の存在に起因する強度の変化を検出するための、レーザー及びセンサの使用が挙げられるであろう。強度が変化すると、電圧は変動し、体積当たりの細胞計数を正確に評価する。これらの細胞計数方法の各々は、例えば、制御装置712によって制御されるチャンバを通して試料を引っ張るモータ式シリンジポンプの使用と共に実施され得る。
【0087】
種々の配置において、噴霧堆積プロセスは、各試料のために最適化され得る。以下のように、噴霧堆積パラメータ(例えば、基材からの噴霧ノズルの距離、空気圧、空気流速、ノズル設計、噴霧当たりの体積、総体積、乾燥温度、空気乾燥時間)は、細胞型、細胞濃度、及び輸送液または懸濁液特性等の種々の試料特性の関数であり得る:
【0088】
距離、空気圧、空気流速、ノズル設計、噴霧当たりの体積、総体積、乾燥温度、空気乾燥]=f(細胞型、濃度、液体の種類)
【0089】
生体試料の調製及び堆積は、形状、サイズ、及び感受性(例えば、脆弱性)等の細胞特性に基づいて変動し得る。細胞型/標本種類に基づいて変動され得るパラメータの例としては、以下のものが挙げられ得る:
【0090】
1a.噴霧ノズルと基材表面との間の距離:噴霧ノズルと基材との間の距離は、噴霧パターンが異なる距離で変化し得るため、異なるサイズ及び形状の細胞に関して変動され得る。特定の実施形態では、空気圧は、距離の変化に対応するように増加/減少される必要があり得る。
【0091】
1b.最大気体/空気圧:細胞が堆積される圧力は、異なる細胞型のサイズ及び形状に対応するように変動され得る。
【0092】
1c.気体流速:気体(圧縮空気)が標本コンテナ/噴霧カートリッジを通って流れる速度は、各細胞型に関して最適化され得る。各細胞型のサイズ、形状、及び感受性は異なっていてもよく、各細胞型に好適な流速が、利用/プログラムされ得る。
【0093】
1d.ノズル設計:生体試料は、重なり合っていない細胞の均一な層を生み出す様式で基材表面上に堆積され得る。いくつかの実施形態では、細胞堆積は、基材の表面上に堆積された他の細胞から単離された(例えば、分離された、接触していない)細胞を生み出すように設計され得る。したがって、本システムは、特定の試料の種類を均一に堆積させるのに好適な個別のノズル設計を提供し得る。
【0094】
1e.噴霧当たりの体積:各生体試料から堆積される噴霧当たりの体積は、多様な細胞型の特有の大きさ及び形状に対応するように制御され得る。いくつかの実施形態では、試料は、所望の堆積収率を生み出すように、基材の表面上に複数回噴霧され得る。
【0095】
1f.総体積:各細胞型の大きさ及び形状のどちらも変動するため、噴霧される生体材料の総体積もまた、決定される細胞型に依存し得る。
【0096】
1g.温度に基づく乾燥(Temperature−based drying):(例えば、基材の表面上の)試料の乾燥は、試料調製時間を減少させるために導入及び制御され得る。蒸発は、多様な乾燥/加熱機構によって強化され得る。複数の噴霧路を組み込むいくつかの実施形態では、本システムは、基材の周りの温度を増加させて、各噴霧堆積プロセスの間に基材の表面上の試料を乾燥させるように構成され得る。
【0097】
1h.空気乾燥:いくつかの実施形態では、生体試料は、試料調製時間を減少させるために空気乾燥され得る。
【0098】
生体試料の調製及び堆積は、細胞濃度に基づいて変動し得る。上述の通り、本システムは、各試料を堆積前に定量的に評価するための機構及びプロセスステップを備え得る。細胞濃度に基づいて変動され得るパラメータの例としては、以下のものが挙げられ得る:
【0099】
2a.噴霧ノズルと基材表面との間の距離:噴霧ノズルと基材との間の距離は、種々の細胞濃度に関して変動され得る。特定の実施形態では、距離は、基材表面上の退けられた細胞の重なりを防止するように調節され得る。
【0100】
2b.最大気体/空気圧:細胞が堆積される圧力は、細胞濃度に対応するように変動され得る。
【0101】
2c.気体流速:空気流速は、多様な濃度に関して調節される必要がある。
【0102】
2d.ノズル設計:生体試料は、重なり合っていない細胞の均一な層を生み出す様式で基材表面上に堆積され得る。いくつかの実施形態では、細胞堆積は、基材の表面上に堆積された他の細胞から単離された(例えば、分離された、接触していない)細胞を生み出すように設計され得る。したがって、本システムは、標本コンテナ内の多様な濃度を有する試料に由来する細胞を、均一に堆積させるのに好適な個別のノズル設計を提供し得る。
【0103】
2e.噴霧当たりの体積:各生体試料から堆積される噴霧当たりの体積は、標本コンテナ内の多様な細胞濃度に対応するように制御され得る。いくつかの実施形態では、試料は、所望の堆積収率を生み出すように、基材の表面上に複数回噴霧され得る。
【0104】
2f.総体積:噴霧される生体材料の総体積は、変動される、または複数の噴霧路に拡散され得る。例えば、標本コンテナ内の試料の濃度が低い場合、噴霧路の総体積は増加され得る。逆に、濃度が高い場合、より小さい体積が堆積され得る。
【0105】
2g.温度に基づく乾燥(Temperature−based drying):(例えば、基材の表面上の)試料の乾燥は、試料調製時間を減少させるために導入及び制御され得る。蒸発は、多様な乾燥/加熱機構によって強化され得る。複数の噴霧路を組み込むいくつかの実施形態では、本システムは、(例えば、基材表面上での細胞の凝集及び/または移動を防止するために)基材の周りの温度を増加させて、各噴霧堆積プロセスの間に基材の表面上の試料を乾燥させるように構成され得る。
【0106】
2h.空気乾燥:いくつかの実施形態では、生体試料は、試料調製時間を減少させるために空気乾燥され得る。いくつかの実施形態では、試料の空気乾燥は、環境の変化に敏感な細胞に好適であり得る。
【0107】
生体試料の調製及び堆積はまた、生体試料がその中に懸濁される保管/輸送液の種類/特性に基づいて変動し得る。例えば、保管/輸送液は、密度及び粘度が変動してもよく、それらは説明される噴霧システムを使用して生体材料の堆積を変化させてもよい。液体の種類に基づいて変動され得るパラメータの例としては、以下のものが挙げられ得る:
【0108】
3a.噴霧ノズルと基材表面との間の距離:噴霧ノズルと基材との間の距離は、液体の種類及び特性に応じて変動され得る。例えば、表面上の液体の流れ及び拡散は、密度及び粘度によって影響を受け得る。
【0109】
3b.最大気体/空気圧:細胞が堆積される圧力は、液体の組成に対応するように変動され得る。均一な堆積サイクルを維持するために、気体/空気圧は、密度及び粘度が変動する液体に関して変更され得る。
【0110】
3c.気体流速:気体(圧縮空気)が標本コンテナ/噴霧カートリッジを通って流れる速度は、液体組成に関して最適化され得る。例えば、液体特性の変化は、流体が噴霧ノズルから出る流速を変更し得る。
【0111】
3d.ノズル設計:生体試料は、重なり合っていない細胞の均一な層を生み出す様式で基材表面上に堆積され得る。液体組成の変動は、噴霧パターンに影響を及ぼす場合があり、これは、基材表面上に試料の均一な堆積を生み出すようにノズル設計を変動させることによって対処され得る。
【0112】
3e.噴霧当たりの体積:各生体試料から堆積される噴霧当たりの体積は、液体組成(密度、粘度)の変動に対応するように制御され得る。
【0113】
3f.総体積:液体組成は、細胞が試料中でどのように分散されるかに影響を及ぼし得る。したがって、総体積は、均一な試料を調製するために変動され得る。
【0114】
3g.温度に基づく乾燥:温度に基づく乾燥は、最適な乾燥時間を維持するために、特定の液体中の試料に関して組み込まれ得る。蒸発は、多様な乾燥/加熱機構によって強化され得る。
【0115】
3h.空気乾燥:いくつかの実施形態では、生体試料は、試料調製時間を減少させるために空気乾燥され得る。
【0116】
上記に説明される噴霧堆積パラメータ、及び他のパラメータ(例えば、液体温度、生体試料温度等)は、システムの使用者が、特定の生体試料中の細胞または液体の種類に好適な噴霧堆積プログラムを選択及び/または最適化し得るように、予めプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、システム100は、試料の噴霧堆積がプログラム基準を満たしているか(例えば、十分な細胞が堆積されている、重なり合っている細胞がない等)を判定するために、標本支持基材をスクリーニングし得る。かかるスクリーニング方法としては、レーザー及び/または分光写真技法による標本支持スライドのスクリーニングが挙げられ得る。
【0117】
本技術の実施形態の器具及びシステムは、高速な、ハイスループットの、及び/または自動化された標本支持基材の生成を可能にする。これらの器具、システム、及び/または構成要素の組み合わせの利益は、任意の特定の用途に限定されない。いくつかの実施形態では、所望の機能またはプロセスを達成するために、標本堆積システムの構成要素の任意の組み合わせが利用されてもよい。特定の実施形態では、標本堆積システムは、高品質の標本支持基材のための手順及びプロセスを提供し、ここでは、生体試料は、例えば、標的または潜在的標的(例えば、細胞、潜在的なナノ構造異常を有する細胞、潜在的に癌性である細胞等)を識別するため等、さらなる処理及びデータ収集のために基材上に堆積される。かかる実施形態は、標的の高解像度データを、研究、臨床、及び/または診断目的に好適な時間枠で取得することができる標本支持基材の生成を可能にする。
【0118】
生体標本は、1つ以上の生体試料を含み得る。生体試料は、対象から除去される組織試料または試料(例えば、任意の細胞収集物)であり得る。組織試料は、生命体として類似の機能を実施する相互に接続された細胞の収集物であり得る。生体試料はまた、任意の生きた生物から取得される、排泄される、またはそれによって分泌される任意の固体または流体試料であってもよく、限定されるものではないが、例えば、細菌、酵母、原生動物、及びアメーバなどの単細胞生物、多細胞生物(例えば、植物または動物等。癌等の診断または調査されるべき状態または疾患による影響を受ける健康なまたは健康と思われるヒト対象またはヒト患者に由来する試料を含む)を含む。いくつかの実施形態では、生体試料は、顕微鏡スライド上に装着可能であり、限定されるものではないが、組織切片、臓器、腫瘍切片、塗抹標本、凍結切片、細胞学的プレップ(cytology prep)、または細胞株を含む。試料を取得するために、切開生検、コア生検、切除生検、針吸引生検、コア針生検、定位生検、直視下生検、または外科的生検が使用され得る。
【実施例】
【0119】
実施例1
口腔細胞収集及び噴霧堆積
本技術の実施形態の態様による顕微鏡スライド上の生体試料の噴霧堆積の品質及び再生可能性を、収集した口腔細胞において実験を実施することによって検証した。口腔細胞を採取し、異なる種類の液体(例えば、輸送液)を含有する標本バイアル中に収集した。細胞を、変動する試験液体中に配置し、次に本明細書に説明される噴霧堆積方法を使用してスライド上に堆積させた。表2は、口腔細胞を収集及び輸送するために使用された輸送液の種類及び濃度を示す。
【表2】
【0120】
図9A〜9Bは、それぞれ、本技術の実施形態の態様に従って噴霧堆積を使用して堆積させた25%のエタノール及び脱イオン水中の口腔細胞の10X及び40X画像である。
図9A〜9Bに示される通り、細胞は、単離されており、損傷しておらず、折り畳まれておらず、丸い。したがって、細胞の状態は、高品質であり、部分波分光(PWS)分析を含む分析に好適である。
【0121】
図10A〜10Bは、それぞれ、25%のエタノール及び脱イオン水中の口腔細胞4X及び10X画像であり、
図10C〜10Dは、それぞれ、ThinPrep(登録商標)CytoLyt(登録商標)溶液(Marlborough,MassachusettsのHologic Inc.から入手可能)中の口腔細胞の4X 及び10X画像である。細胞を、本明細書に説明される噴霧堆積方法を使用して堆積させた。
図10C〜10Dに示される通り、CytoLyt(登録商標)溶液を用いて調製した試料から噴霧堆積された細胞は、多数の損傷した細胞を示し、PWS分析には適さなかった。対照的に、25%のエタノール及び脱イオン水中に懸濁させた試料から噴霧堆積された細胞(
図10A〜10B)は、良好な品質を実証し、PWS分析に好適であった。CytoLyt(登録商標)溶液の濃度が、スライド上に堆積された細胞のより低い品質をもたらした要因であるかを決定するために、CytoLyt(登録商標)をPBSで1:10に希釈し、細胞を収集し、説明される通りに噴霧堆積させた。
図10Eに示される通り、希釈CytoLyt(登録商標)溶液は、PWS分析における使用について劣る損傷した細胞を依然示した。
【0122】
専用溶液ThinPrep(登録商標)Cytolyt(登録商標)は、PWS分析のための好適な細胞試料を生み出さなかった。具体的には、ThinPrep(登録商標)Cytolyt(登録商標)を用いた噴霧堆積を使用して調製した細胞試料は、単離された細胞を示したが、しかしながら、細胞の形状が変形された、及び/または細胞は折り畳みを有した。したがって、脱イオン水中25%のエタノールは、噴霧堆積を使用するときにCytolyt(登録商標)と比較して優れた移送液である。
【0123】
図11A〜23Dは、噴霧堆積を使用してスライド基材上に堆積させた口腔細胞の画像である。11A〜11Dは、それぞれ、脱イオン水単独中に保管した口腔細胞の4x、20x、10x、及び40x画像である。
図11A〜11Dに示される通り、脱イオン水中に保管した細胞は、PWS分析に好適であるが、収集試料中の細菌増殖は、時間の経過と共に分析に関する問題となり得る。脱イオン水中10%のエタノール中に保管した口腔細胞は、PWS及び他の画像分析に好適な細胞を生み出す(
図12A〜12D)が、しかしながら、細胞を収集後に短時間内で処理しない場合に細菌の増殖が生じ得る。
【0124】
脱イオン水中の他の濃度のエタノールを、画像、PWS、及び/または他の種類の分析のために口腔細胞試料を収集及び保存するための好適な輸送溶液/保存溶液として試験した。例えば、脱イオン水中20%のエタノール(
図13A〜13D)、脱イオン水25%のエタノール(
図14A〜14D)、脱イオン水30%のエタノール(
図15A〜15D)は全て、PWS及び他の分析に好適な良好な細胞特性の保存を有する単離された細胞を提示した。脱イオン水中40%のエタノール(
図16A〜16D)及び脱イオン水中50%のエタノール(
図17A〜17D)中に収集及び保管した口腔細胞は、PWS及び他の分析に好適な細胞を生み出したが、いくつかの細胞は、縁上に細胞ストレスの兆候であり得る僅かな折り畳みを示した(黒い矢印)。
【0125】
脱イオン水中60%のエタノール中に収集及び保管した口腔細胞は(
図18A〜18D)は、分析に好適なより少ない細胞を生み出し、僅かに多いストレス兆候及び折り畳みを縁に示した(黒い矢印)。脱イオン水中70%のエタノール(
図19A〜19D)、脱イオン水中80%のエタノール(
図20A〜20D)、脱イオン水中90%のエタノール(
図21A〜21D)、脱イオン水中95%のエタノール(
図22A〜22D)、及び脱イオン水中100%のエタノール(
図23A〜23D)中に収集及び保管した口腔細胞は全て、より少ない細胞、減少された細胞密度、及び折り畳みを有する細胞(黒い矢印)を示した。したがって、60%〜100%のエタノール中に収集及び保管した細胞は、概して分析に適さない品質を実証し、10%〜50%のエタノール中に収集及び保管した細胞は、PWS分析及び他の種類の分析に好適な細胞品質及び堆積品質を実証した。
【0126】
実施例2
先行技術による細胞堆積
顕微鏡スライド上に調製された生体組織を生成するための現在の液体系アプローチには、固有の制限が存在する。例えば、顕微鏡スライドは、過剰な細胞、重なり合った細胞を伴って、または細胞の複数の層を伴って生成され得、これは顕微鏡法を困難または不可能にし得る。さらなる課題としては、スライドへの細胞の移送の結果、細胞構造が変形されている、または劣化しているときに、組織試料から患者を分析及び診断することが挙げられる。細胞塗抹アプローチもまた、上述の固有の課題を含む。それに加えて、サンプリング収集デバイス(例えば、へら、ブラシ、綿棒等)をガラススライド上に配置するこれらの技法は、スライドと接触している細胞のみの捕捉をもたらし、スライド上に、患者から取得された試料中に収集された全ての細胞を比例して表すものではない。場合により、不適切な数の細胞がスライド上に保存され、再スクリーニングの必要性をもたらす。顕微鏡スライド上に調製された生体組織を生成するためのいずれかの技法の使用において、また細胞の数が適切なときでさえ、結果として得られるスライドの外観は非常に変動性であり得、細胞は、凝集している、重なり合っている、及び不良に保存されている場合がある。それに加えて、細胞特徴の可視性は、血液または乾燥用の人工物によって部分的に隠される場合がある。
【0127】
図24〜25Lは、先行技術の態様に従ってスライド基材上に堆積させた口腔細胞の画像である。例えば、
図24は、脱イオン水中25%のタノール中に収集及び保管し、上記に説明される塗抹調製を使用して顕微鏡スライド上に堆積させた口腔細胞の画像である。
図24に示される通り、塗抹調製は、細胞を損傷させ、折り畳み、及び/または一緒に凝集させた(例えば、単離されていない)。細胞形態は、形状が丸くなく、またギザギザとして縁を提示することが多かった。この実験において結果として得られた口腔細胞の形態は、塗抹調製が分析用の細胞の調製について劣っていることを実証した。
【0128】
図25A〜25Lは、20%のエタノール(
図25A)、10%のメタノール(
図25B)、67%のメタノール(
図25C)、0.05%のグルタルアルデヒド(
図25D)、2.0%のグルタルアルデヒド(
図25E)、25%のグルタルアルデヒド(
図25F)、4.0%のパラホルムアルデヒド(
図25G)、1.0%のブアン液(
図25H)、0.4%のブアン液(
図25I)、0.2%のブアン液(
図25J)、0.1%のブアン液(
図25K)、及び100%の脱イオン水(
図25L)中に収集及び保管した後、液滴調製によって堆積させた口腔細胞の画像である。
図25A〜25Lに示される通り、細胞の液滴調製の各々は、PWS及び他の種類の分析に適さない一貫性のない劣った細胞特性(例えば、小さい、折り畳まれている、重なり合っている、凝集した等)を生み出す。
【0129】
先行技術における従来の細胞堆積技法の固有の欠点は、試料品質の高い変動性をもたらし、試料の調製、収集、ならびに臨床医及び技術者による取り扱いに変動性及び困難を与える。対照的に、本技術の実施形態の態様は、臨床、診断、及び研究目的のための正確な及び/または高解像度の撮像及び観察のための細胞構造の再生可能で高品質の保存に好適な、高品質の調製された生体試料を伴う顕微鏡スライドを提供する。
【0130】
本開示の態様は、基材上での組織試料の自動化調製のためのシステム、装置、及び方法に関する。本技術の実施形態の他の態様は、試料処理、ならびに試料処理に関するデータ取得、データ維持、及びデータ検索のためのシステムに関する。さらに、本技術の実施形態の態様は、診断、臨床、及び他の研究用途のための高品質で再生可能な標本支持基材の生成に関する。例えば、早期の悪性形質転換中に生じる(例えば、異形成−上皮性悪性腫瘍の連鎖に沿った)細胞構造の変化等の構造的異常は、典型的には、発癌プロセスの比較的後期に生じ、より早い段階では、病理学的見地からは概して無変化であり、かつ/または従来の顕微鏡法を使用して、及び/もしくは上記に説明される顕微鏡スライド調製物を用いて検出可能である。臨床的見地(例えば、細胞学的診断における)から、より早い疾患の段階(例えば、発癌)を特定することが望ましい。初期段階では、遺伝的/後成的変化は、顕微鏡結果にはまだ移行されていない場合があるが、これらの細胞の基本的なナノスケール構造は、早期の悪性形質転換中に乱されている場合がある。特に、本技術の実施形態の態様に従って生成される標本支持基材は、PWS分析等の細胞学的技法に好適である。
【0131】
上記に詳述される本技術の実施形態の説明は、徹底的であるか、または本技術を上記に開示される精密な形態に限定するように意図されない。本技術の特定の実施形態及びそれに関する実施例が、例証の目的のために上記に説明されているが、関連技術分野の技術者が認識するであろう通り、種々の同等の修正が本技術の範囲内で可能である。例えば、追加的な実施形態は、標本コンテナ(複数可)を表面(例えば、プラットフォーム)上に配置すること、及び標本コンテナから内容物を吸引することを含み得る。吸引された試料は、噴霧カートリッジに(例えば、自動化を介して)移送され得、そこから生体材料が基材(複数可)上に噴霧され得る。本明細書に説明される種々の実施形態はまた、さらなる実施形態を提供するように組み合わせられてもよい。
【0132】
前述の記述から、本技術の特定の実施形態が例証の目的のために本明細書に説明されているが、周知の構造及び機能は、本技術の実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、示されていないか、または詳細に説明されてはいないことが理解されるであろう。文脈により許容される場合、単数形または複数形の用語は、それぞれ、複数形または単数形の用語をも含み得る。
【0133】
さらに、「または(or)」という語が、2つ以上の項目のリストに関する言及において、他の項目を排除して単一の項目のみを意味するように明確に限定されていない限り、かかるリストにおける「または(or)」の使用は、(a)リスト内の任意の単一の項目、(b)リスト内の全ての項目、または(c)リスト内の項目の任意の組み合わせを含むものとして解釈されるべきである。それに加えて、「含む(comprising)」という用語は、全体を通して、少なくとも挙げられた特徴(複数可)を含むことを意味するように使用され、その結果、いずれのより大きい数の同一の特徴及び/または追加的な種類の他の特徴も除外されない。また、特定の実施形態が例証の目的のために本明細書に説明されているが、種々の修正が、本技術から逸脱することなく行われてもよいことも理解されるであろう。さらに、本技術の特定の実施形態に関連付けられる利点が、それらの実施形態の文脈において説明されているが、他の実施形態もまた、かかる利点を示してもよく、必ずしも全ての実施形態が、かかる利点を本技術の範囲に入るように示す必要はない。したがって、本開示及び関連する技術は、本明細書に明確に示されていないまたは説明されていない他の実施形態を包含し得る。
【国際調査報告】