(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-515718(P2018-515718A)
(43)【公表日】2018年6月14日
(54)【発明の名称】燃焼装置における燃焼を最適化するための方法及び該方法を実施するための装置
(51)【国際特許分類】
F02M 27/04 20060101AFI20180518BHJP
F02M 33/00 20060101ALI20180518BHJP
F02M 27/02 20060101ALI20180518BHJP
【FI】
F02M27/04 C
F02M33/00 C
F02M27/04 G
F02M27/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-507778(P2018-507778)
(86)(22)【出願日】2016年5月2日
(85)【翻訳文提出日】2017年11月16日
(86)【国際出願番号】EP2016059802
(87)【国際公開番号】WO2016174274
(87)【国際公開日】20161103
(31)【優先権主張番号】15165979.4
(32)【優先日】2015年4月30日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】62/201,282
(32)【優先日】2015年8月5日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517379817
【氏名又は名称】シナジェテック ジェネシス インターナショナル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108143
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋崎 英一郎
(72)【発明者】
【氏名】ランゲンヴァルター,ミハエル
(57)【要約】
燃焼装置における燃焼を最適化するための方法及び装置。該方法は少なくとも2つの区分を含むチャンバを備える酸素富化装置を提供すること、前記少なくとも2つの区分の第1の区分内に層流の周囲空気を導入すること、前記少なくとも2つの区分の前記第1の区分内部に配設されるらせん状案内面を使用して、並進運動から回転運動へ前記層流空気流を変換すること、パルス直流電界の形でイオン化エネルギーを前記周囲空気に加えることによって前記周囲空気のイオン性成分をイオン化すること、前記電界を使用することによって非イオン化成分からイオン化成分を分離し、分離済み前記イオン化成分を触媒層上に案内し、前記分離済みイオン化成分を燃焼装置の燃焼室内に導入すること、分離済み非イオン化化合物を前記第1の区分から第2の区分内に通過させることによって、分離済み前記非イオン化成分を前記酸素富化装置から排出することを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼装置における燃焼を最適化するための方法であって、
a)少なくとも2つの区分を含むチャンバを備える酸素富化装置を提供するステップと、
b)前記少なくとも2つの区分の第1の区分内に層流の周囲空気を導入するステップと、
c)前記少なくとも2つの区分の前記第1の区分内部に配設されるらせん状案内面を使用して、並進運動から回転運動へ前記層流空気流を変換するステップと、
d)パルス直流電界の形でイオン化エネルギーを前記周囲空気に加えることによって前記周囲空気のイオン性成分をイオン化するステップと、
e)前記電界を使用することによって非イオン化成分からイオン化成分を分離し、分離済み前記イオン化成分を触媒層上に案内し、前記分離済みイオン化成分を燃焼装置の燃焼室内に導入するステップと、
f)分離済み非イオン化化合物を前記第1の区分から第2の区分内に通過させることによって、分離済み前記非イオン化成分を前記酸素富化装置から排出するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
ステップb)における前記周囲空気は、吸い込み送りによって及び/又は空気噴射によって導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップb)における前記周囲空気は導入中湿潤である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ステップd)における前記直流は5kV〜100kVであり、ステップd)における前記パルスは5Hz〜60kHzの周波数を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップd)における前記イオン性成分は前記周囲空気の酸素含有成分から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップd)では、さらに磁界が加えられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ステップe)における前記分離によって、前記空気の酸素成分を前記燃焼装置に送り込むのに対し、ステップf)における前記空気の窒素成分は周囲に放出されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
酸素富化装置(1)を含む、請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の方法を適用する装置であって、
前記酸素富化装置(1)は少なくとも2つの区分を含むチャンバを備え、第1の区分の少なくとも一部はケーシング(2)によって形成され、第2の区分の少なくとも一部は筐体(13)によって形成され、前記第2の区分の少なくとも一部は前記第1の区分の内部に配置され、
前記少なくとも2つの区分の前記第1の区分は、周囲空気を導入し、かつ導入された空気の成分を分離するために設けられ、前記第1の区分は、ケーシング(2)の一端に位置する空気入口(16)、前記空気入口(16)の反対側の、前記ケーシング(2)の他端に位置する空気出口プラグ(8a)、及び前記空気出口プラグ(8a)に近接して位置する富化空気出口(18)を含み、
前記少なくとも2つの区分の前記第2の区分は、導入された周囲空気から分離成分を排出するために設けられ、前記第2の区分は筐体(13)の一端に位置するシーリングプラグ(8)を含み、前記一端は空気入口(16)に近接しており、筐体(13)の他端は排気出口(17)を形成し、
らせん状案内面(5)及び少なくとも1つのスロット(7)が前記筐体(13)の表面上に配置され、
前記酸素富化装置(1)の内部に配置される少なくとも2つの電極(3、4)をさらに含み、少なくとも1つの電極は正(3)に帯電しており、少なくとも1つの電極は負(4)に帯電しており、前記正に帯電した電極(3)は前記負に帯電した電極(4)を囲む、装置。
【請求項9】
前記チャンバの一部である前記ケーシング(2)、及び/又は前記チャンバの一部である前記筐体(13)は、実質的に回転体として形成されることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つの案内用レール(5)はらせん状案内面であり、前記少なくとも1つの案内用レール(5)の縁部(6)上に、導電材料が配置されることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記正に帯電した電極(3)は、ケーシング(2)の内面に近接して配置され、前記負に帯電した電極(4)は、前記筐体(13)の外面に近接して配置される、又は筐体(13)の少なくとも一部を形成することを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記酸素富化装置(1)の内部に磁界又はパルス磁界を加える手段が前記酸素富化装置(1)の外部に配置されることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1つのセンタリングカラー(9、9a)が筐体(13)の外面上に配置されることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのセンタリングカラー(9、9a)は電気接続用のケーブル口(11、11a)を形成する、及び/又は、前記チャンバのケーシング(2)において富化空気用の空気出口(18)を形成することを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
換気装置(15)が排気出口(17)に近接して配置されることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項16】
流動間隙(10)が、前記正に帯電した電極(3)と前記少なくとも1つの案内用レール(5)との間に配置されることを特徴とする、請求項8〜15のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
障壁層(14a)及び/又は触媒層(14b)が、前記負に帯電した電極(4)へ向かう方向に前記正に帯電した電極(3)の内面上に配置されることを特徴とする、請求項8〜16のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
空気加湿装置又は空気保湿装置は、空気入口(16)に近接して配置されることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼装置における燃焼を最適化するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼エンジンのための空気混合気中の酸素量を増加させる装置がドイツ国特許10 201 1 01 1 819 A1に記載されている。該装置は、高い負の電圧の電圧発生器とともに、3つの連続して接続した密閉チャンバ、すなわち、圧力チャンバ、イオン化チャンバ、及び分離チャンバで構成されている。前記燃焼エンジンに導入される空気中の酸素及び窒素は、電界及び磁界によって分離される。
【0003】
また、ドイツ国特許2 246 891 A1には、大気中の酸素を含む燃焼用空気を富化するための方法及び装置が記載されている。該方法は、大気中の酸素のオゾン化、回転加速度手段による酸素と窒素の分離、及び電磁界中への付加的な分離のステップを組み合わせている。大気中の酸素は、電気インパルスの手段によりオゾンに変換され、オゾン化された空気混合物は回転加速度の手段により分離される。酸素の常磁性に基づき、更なる分離が電磁界の手段により達成される。
【0004】
燃焼エンジンの吸気システムをイオン化するための構成がドイツ国特許25 51 075 A1に記載されている。少なくとも1つの燃焼室を備え、燃焼が周期的に発生する燃焼エンジンが記載されている。さらに、大気中の空気は吸気システムを通過して入り、そこでは大気中の空気は燃料と混合される。前記構成は、周期的なイオン化インパルスの発生源で構成され、該発生源を通じてイオン化インパルスは吸気システムと結合される。空気と燃料の混合物は、循環混合物に加わるインパルスによって発生される強力なパルス場の手段により燃焼が起こる前に、イオン化される。該パルス場は、油滴に付着する自由電子を発生する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、燃焼装置における燃焼を最適化するための新たな方法及び装置の提供を目的とする。
【0006】
本発明の他の目的は、燃焼装置における燃焼を最適化するための現状の方法及び装置に関する欠点の少なくともいくつかを解消する前記方法及び装置の提供である。
【0007】
本発明の1つの形態は、燃焼装置における燃焼を最適化するための方法であって、
a)少なくとも2つの区分を含むチャンバを備える酸素富化装置を提供するステップと、
b)前記少なくとも2つの区分の第1の区分内に層流の周囲空気を導入するステップと、
c)前記少なくとも2つの区分の前記第1の区分内部に配設されるらせん状案内面を使用して、並進運動から回転運動へ前記層流空気流を変換するステップと、
d)パルス直流電界の形でイオン化エネルギーを前記周囲空気に加えることによって前記周囲空気のイオン性成分をイオン化するステップと、
e)前記電界を使用することによって非イオン化成分からイオン化成分を分離し、分離済み前記イオン化成分を触媒層上に案内し、前記分離済みイオン化成分を燃焼装置の燃焼室内に導入するステップと、
f)分離済み非イオン化化合物を前記第1の区分から第2の区分内に通過させることによって、分離済み前記非イオン化成分を前記酸素富化装置から排出するステップと、を含む、方法である。
【0008】
好ましい態様においては、ステップb)における前記周囲空気は、吸い込み送り(suction feed)によって及び/又は空気噴射によって導入される。
【0009】
好ましい態様においては、ステップb)における前記周囲空気は導入中湿潤である。
【0010】
好ましい態様においては、ステップd)における前記直流は5kV〜100kVであり、ステップd)における前記パルスは5Hz〜60kHzの周波数を有する。前記パルスの周波数は適用や作業部位に関係する。したがって、周波数の変動が起こりうる。
【0011】
好ましい態様においては、ステップd)における前記イオン性成分は、周囲空気の酸素含有成分から選択される。
【0012】
好ましい態様においては、ステップe)における前記分離によって、前記空気の酸素成分を前記燃焼装置に送り込むのに対し、ステップf)における前記空気の窒素成分は周囲に放出される。
【0013】
本発明の他の形態は、酸素富化装置を含む、前記方法を実施するのに使用することができる装置であって、
前記酸素富化装置は少なくとも2つの区分を含むチャンバを備え、第1の区分の少なくとも一部はケーシング(casing)によって形成され、第2の区分の少なくとも一部は筐体(enclosure)によって形成され、前記第2の区分の少なくとも一部は前記第1の区分の内部に配置され、
前記少なくとも2つの区分の前記第1の区分は、周囲空気を導入し、かつ導入された空気の成分を分離するために設けられ、前記第1の区分は、ケーシングの一端に位置する空気入口、前記空気入口の反対側の、前記ケーシングの他端に位置する空気出口プラグ、及び前記空気出口プラグに近接して位置する富化空気出口を含み、
前記少なくとも2つの区分の前記第2の区分は、導入された周囲空気から分離成分を排出するために設けられ、前記第2の区分は筐体の一端に位置するシーリングプラグ(sealing plug)を含み、前記一端は空気入口に近接しており、筐体の他端は排気出口を形成し、
らせん状案内面及び少なくとも1つのスロット(slot)が前記筐体の表面上に配置され、
前記酸素富化装置の内部に配置される少なくとも2つの電極をさらに含み、少なくとも1つの電極は正に帯電しており、少なくとも1つの電極は負に帯電しており、前記正に帯電した電極は前記負に帯電した電極を囲む、装置である。
【0014】
好ましい態様においては、前記チャンバの一部である前記ケーシング、及び/又は前記チャンバの一部である前記筐体は、実質的に回転体として形成される。
【0015】
好ましい態様においては、少なくとも1つの案内用レールはらせん状案内面であり、前記少なくとも1つの案内用レールの縁部上に、導電材料が配置される。該導電材料は、電子放出に適した炭素繊維であることが好ましい。
【0016】
好ましい態様においては、前記正に帯電した電極は、ケーシングの内面に近接して配置され、前記負に帯電した電極は、前記筐体の外面に近接して配置される、又は筐体の少なくとも一部を形成する。
【0017】
好ましい態様においては、少なくとも1つのセンタリングカラー(centring collar)は筐体の外面上に配置される。
【0018】
好ましい態様においては、前記少なくとも1つのセンタリングカラーは電気接続用のケーブル口(cable port)を形成する、及び/又は、前記チャンバのケーシングにおいて富化空気用の空気出口を形成する。
【0019】
好ましい態様においては、換気装置が排気出口に近接して配置される。流速は換気装置の作動状態によって決まる。それゆえ、該換気装置の速度の増加は、ランク・ヒルシ効果を増加させる周囲空気の流速の増加をもたらす。
【0020】
好ましい態様においては、流動間隙が、前記正に帯電した電極と前記少なくとも1つの案内用レールとの間に配置される。好ましい態様においては、流動間隙は、負に帯電した電極に向かう方向に正に帯電した電極の内面上に配置される。
【0021】
好ましい態様においては、障壁層及び/又は触媒層が、前記負に帯電した電極へ向かう方向に前記正に帯電した電極の内面上に配置される。
【0022】
好ましい態様においては、障壁層及び/又は触媒層が、前記正に帯電した電極の表面と前記チャンバのケーシングの間に配置される。
【0023】
前記触媒層は、前記障壁層の表面に配置される少なくとも1つの非常に薄い層からなるか、又は該層を含むことが好ましい。また、該触媒層は、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化ニッケル、酸化銅等の金属酸化物を含むことが好ましく、特に亜鉛を含む周期群をもつ金属酸化物を含むことが好ましい。該触媒層は、双極子場の配向のために高圧電界で乾燥することが好ましい。該乾燥処理は、前記触媒層を加熱窒素でパージすることにより付加的にサポートしてもよい。負に帯電した電極へ向かう方向への双極子の配向は特に好ましい。
【0024】
前記障壁層は、酸化アルミニウム等の金属酸化物からなるか又は含むことが好ましい。
【0025】
本発明において、“最適化する”は、燃焼プロセスのあらゆる種類の改善を含む。本発明の意味において、この改善は、燃料消費の削減、効率の増加、エンジン効率、システム有効性、及び/又はエネルギー効率に関連しうる。また該改善は、摩滅、腐食、劣化及び/又は燃焼が発生又は使用される装置のアブレシブ摩耗にも関連しうる。
【0026】
本発明において、“燃焼装置”は、一般の燃焼技術を用いるあらゆる装置である。燃焼技術は、例えば、モーターエンジン、航空タービン、ヒーター、ラジエーター、ジェット用又は工業用のヒーター及びセメントキルン、ロータリーキルン等のキルン、延伸炉等に使用される。本発明の意味において、燃焼装置は、エネルギーを変換するために、燃焼されるあらゆる種類の燃料を使用する全ての燃焼技術に関係する。
【0027】
本発明についての追加の目的、形態、特徴、及び利点は、一部は後述される明細書に記載され、一部は明細書から明らかであり、又は本発明の実施によって知ることができる。
【0028】
本明細書においては、添付図面が参照され、本発明の各種実施態様を図によって示す。実施態様は当業者が本発明を実施できるように十分に詳細に述べられる。また他の実施態様が利用され、本発明の範囲から逸脱することなく、構造的変更をなしうると理解される。それゆえ、以下の詳細な記載は、限定的な意味で解釈されず、本発明の範囲は添付されたクレームによって最もよく規定されている。
【0029】
添付図面は本明細書の一部を構成し、本発明の各種態様を図示し、本明細書とともに、本発明の原理を説明する。図面においては、同じ参照番号は同じパーツを表す。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の酸素富化装置及び燃焼装置を含む1つのシステムの態様の斜視図である。
【
図3】
図1の酸素富化装置の拡大部分斜視図である。
【
図4】
図2の正に帯電した電極を含む電極アセンブリの第1の代替態様の概略図である。
【
図5】
図2の正に帯電した電極を含む電極アセンブリの第2の代替態様の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、少なくとも一部は燃焼技術において燃焼を最適化するための方法に関するものである。
【0032】
本発明の方法は、燃焼プロセス中の窒素の部分分離と酸素量の増加の原理に基づいており、それにより燃焼プロセスは簡略化され、著しく高められる。
【0033】
本発明の方法は、周囲空気が吸い込み送りによって又は空気噴射によって導入される燃焼技術の空気入口内でのみ機能し、燃焼技術自体には介入しない。本発明の方法を実施するために使用される装置は互換性があり、現状の燃焼技術に容易に適合させることができる。それゆえ、該装置は有利には既存の燃焼技術又は燃焼装置に組み込むことができる。
【0034】
本発明の方法は、燃焼用空気を案内するための構成を含む装置を使用して行われる。
【0035】
本発明においては、前記装置のチャンバ内部に配列される少なくとも2つの電極によってパルス直流電界が発生される。少なくとも1つの電極は負に帯電し、少なくとも1つの電極は正に帯電する。一方、正に帯電した電極は負に帯電した電極を囲む。
【0036】
前記電極の間には、電子放出を引き起こすパルス電圧が発生する。また、ピーク電圧が、らせん状案内面と負に帯電した電極の間に生じる。該らせん状案内面は負に帯電した電極の筐体(enclosure)に配置される。
【0037】
本発明の方法においては、周囲空気は空気入口を通じて、本発明の装置のチャンバの第1の区分内に導入される。周囲空気の流れは並進運動で導入され、負に帯電した電極の筐体に配設されるらせん状案内面により回転運動に変換される。
【0038】
パルス直流電界の形のイオン化エネルギーは、異なる電極電位により発生され、導入された周囲空気に加えられて、該周囲空気は回転運動に変換される。本発明においては、使用されたパルス電流の特定の周波数が振動を引き起こす。該振動は、分子振動の導入部で最適化されうる。
【0039】
周囲空気のイオン化は、パルス直流電界により、非イオン性成分からイオン性成分の分離を招く。イオン性成分は、周囲空気の酸素含有成分、例えば、水、二酸化炭素、ホルムアルデヒド又は酸から選択される。
【0040】
イオン化した負に帯電した分子は、負に帯電した電極から正に帯電した電極に向かってその軌道が変化し、その後、燃焼に案内される。非イオン化の窒素のような遅い分子は、スロットを通って周囲に排出される。該スロットは、負に帯電した電極の表面に配設される。
【0041】
ここに記載した方法と装置を使用することにより、周囲空気を消費する燃焼技術又は燃焼装置の効率を高め、排気を低減することができる。それゆえ、劇的に向上した燃焼により、すす粒子、微細粒子、窒素酸化物、硫黄及びその酸化物の減少をもたらす。
【0042】
また、本発明の方法のもう1つの利点は、特に燃焼エンジンのような燃焼技術において、燃料の節約を高めることである。これは総コストの削減につながる。
【0043】
燃焼技術の効率が、摩擦の減少をもたらす本発明の方法により上昇することも利点である。有利には、摩擦の減少は、エンジン騒音のような騒音を減少させ、また必要部品の摩耗も減少させ、総コストを削減させることになる。またこれにより燃焼装置の高い効率がもたらされる。
【0044】
以下の実施例は本発明を説明する。該実施例は本発明の好ましい態様として理解される。それは該実施例の範囲に本発明を限定することを意図するものではない。
図1は、燃焼技術において燃焼を最適化するために、本発明の方法を実施するための装置の好ましい態様を示している。
【0045】
図1は、本発明の酸素富化装置1を示している。アダプタ19により燃焼室20に接続されている。矢印Aで示される周囲空気は酸素富化装置1に導入される。酸素富化装置1は基本的にケーシング2及び筺体13から形成される。筺体13には、空気入口16の近くに配置されたシーリングプラグ8が設けられている。チャンバ(chamber)内部で周囲空気を富化した後、富化空気はアダプタ19により燃焼室20内に案内される。排出される空気は、筺体13の表面に配置されるスロット(図示せず)により、筺体13内に案内される。排出される空気は、排気出口17を通って周囲に放出される。換気装置15が、筺体13から矢印Cに示されるように排出される空気を除くために設けられる。周囲空気の酸素富化のプロセスは、電源21により供給されるパルス直流電界を必要とする。電極(
図2に図示)はチャンバ内部に配置されており、電気接続22により電源21に接続される。
【0046】
図2を参照すると、酸素富化装置1の1つの態様を示している。本発明によれば、燃焼空気を案内する手段の形の装置は、酸素富化装置1を備えている。酸素富化装置1は、少なくとも2つの区分を含むチャンバを備えている。第1の区分は、周囲空気を導入する役割を果たし、導入された周囲空気の成分を分離する役割を果たす。第1の区分は、大部分は及び/又は少なくとも一部はケーシング2で形成されている。
【0047】
前記チャンバの第2の区分は、排出される空気を周囲に放出する役割を果たす。第2の区分は、大部分は及び/又は少なくとも一部は筺体13で形成されている。また、筺体13の一部は負に帯電した電極4を形成することができる。本明細書において、“筺体13”及び“負に帯電した電極4”は同義語として使用される。
【0048】
換言すれば、前記チャンバの第1の区分は、空気入口16と富化空気出口18を備え、前記チャンバの第2の区分は、少なくとも排気出口17を備える。この態様では、ケーシング2は導電材料で作られている。ケーシング2の内部は、少なくとも2つの電極3、4が配置される。少なくとも1つの電極3は正に帯電され、少なくとも1つの電極4は負に帯電される。両方の電極3、4は酸素富化装置1に対し同軸的に配列されている。また、正に帯電した電極3は負に帯電した電極4を囲んでおり、両方の電極3、4は互いに直接的に接触しておらず、それらの間には少なくとも流動間隙10がある。
【0049】
他の態様においては、空気入口16に近接して空気加湿装置又は空気保湿装置(図示せず)が配置される。空気加湿装置は、周囲空気が加湿されるように流れ方向A(矢印方向A)に配置され、酸素富化装置1内の周囲空気の更なるイオン化を容易にする。
【0050】
この態様においては、ケーシング2及び筺体13はパイプ形で示されているが、あらゆる種類の回転体は、ケーシング2及び筺体13に使用することができ、それは本発明の装置が使用される適用によって決まる。
【0051】
この態様のケーシング2は、導電性のあらゆる材料、例えば、金属、炭素繊維、又はそれらの複合材料で作られる。1つの態様では、ケーシング2は、アルミニウムで作られ、外側はEMCセーフとなる。ケーシング2の内部は、特に少なくとも正に帯電した電極3の領域においては、絶縁材料12が配置される。
【0052】
この態様では、ケーシング2及び筺体13は同軸的に配置され、筺体13はケーシング2の内部に配置されている。センタリングカラー9、9aが、ケーシング2の内部中央に筺体13を保持するために設けられている。センタリングカラー9は空気入口16に近接して筺体13を保持し、センタリングカラー9aは排気出口17に近接して筺体13を保持している。ケーシング2及び筺体13はパイプ形状であるので、ケーシング2及び筺体13は両方の個々の側面はオープンエンドである。それゆえ、筺体13は、中心から離れた所にあるプラグ8を備えており、これは空気入口16の方に向いている。プラグ8は、流入空気の流れ抵抗を最小限にするために、回転放物面などの形状とするのが有利である。筺体13の反対側面は開かれており、この開かれた側面はケーシング2から延びており、それにより排気出口17を形成している。他方、ケーシング2は、周囲空気がケーシング2内に流れ込むように、空気入口16の方向に開いている。反対の側面では、ケーシング2を閉じるためにプラグ8aが設けられている。プラグ8aは筺体13がプラグ8aを通って延びることができるように形成される。
【0053】
また、矢印Cの方向の空気流速を加速するために、換気装置15を、シーリングプラグ8aに近接して配置し、又はシーリングプラグ8aと接続することができる。
【0054】
本態様においては、
図3に示すように、本発明の装置の製造を簡単にするため、プラグ8aとセンタリングカラー9aを互いに組み合わせることができる。センタリングカラー9aは例えばアダプタ19に通じる富化空気出口18を形成することができる。
【0055】
筺体13の少なくとも一部は負に帯電した電極4(カソード4ともいう)としての役割を果たす。カソード4を帯電させるため、電気接続11が設けられる。
図2に示した態様においては、センタリングカラー9は電気接続11をカソード4に取り付けるために使用される。必要であれば、センタリングカラー9aが電気接続11を取り付けるために使用されることは明らかである。その点で、カソード4としての役割を果たす筺体13の一部が導電性でなければならないことは明らかである。この態様においては、カソード4は、一方の側ではセンタリングカラー9により、他方の側ではセンタリングカラー9aにより制限される領域に延びる。
【0056】
また、筺体13の外面、好ましくは負に帯電した電極4の領域において、らせん状案内面5が配設され、該らせん状案内面は少なくとも以下の2つの重要な機能を有することが好ましい。
【0057】
一方では、らせん状案内面5は、前記チャンバの第1の区分に導入される周囲空気の流れを並進運動から回転運動に変換するのに重要である。該変換はガスの分子の運動を加速するのに有利である。また、空気又はガス分子の層化は、ランク・ヒルシ(Ranque-Hilsch)効果によりもたらされ、窒素の分離を支援する。
【0058】
他方では、らせん状案内面5はまた、印加電圧のコンダクタンスにとって重要である。案内面5の導電性は、本発明の装置の意図する使用に応じて調整する必要がある。
【0059】
電気接続11aにより、正に帯電した電極3に電圧が印加される。また、
図2に示すように、正に帯電した電極3は絶縁材料12によりケーシング2から絶縁される。絶縁材料12は、ケーシング2が導電材料で作られている態様において、短絡を避けるために重要である。
【0060】
筺体13の表面、好ましくは負に帯電した電極4の領域において、らせん状案内面5を形成する少なくとも1つの案内用レール5が配設される。少なくとも1つの案内用レール5の縁部6上に高圧ワイヤが配置される。ワイヤの代わりに、縁部6を導電材料、例えば、炭素繊維、繊維ブラシ等で被覆するか作製してもよい。印加電圧は高圧ワイヤで伝導し、該ワイヤは正に帯電した電極3と負に帯電した電極4の間に配置される。
【0061】
他の態様においては、前記燃焼装置の要求に合うように、縁部6は導電性ではないが、適切な質と速度で電子を放出するのに適当な材料で作られる。
【0062】
パルス直流電界が、2つの電極3、4間の異なる電位により発生され、イオン化エネルギーとして使用される。
【0063】
パルス直流電界の選択された周波数は、振動の形の共振を引き起こし、導入された周囲空気のイオン性成分のイオン化をもたらす。イオン性成分は酸素含有成分、例えば、酸素、水、一酸化炭素、二酸化炭素、ホルムアルデヒド及び/又は酸から選択される。一方、窒素は非イオン性である。パルス直流電界は負に帯電したイオンを加速する。
【0064】
導入された周囲空気の流れのイオン化によって引き起こされた負に帯電した酸素含有成分は、負に帯電した電極4の中心から正に帯電した電極3にその軌道が変化する。反対に、非イオン化成分、例えば、窒素は、負に帯電した電極4の中心にその軌道をまっすぐに維持する。
【0065】
本発明においては、非イオン化窒素を主に含む空気の流れは少なくとも1つのスロット7を通って前記装置の前記チャンバの第2の区分から周囲に排出される(矢印C方向)。該スロットは筺体13の表面に配設される。
【0066】
図3について見ると、燃焼装置に取り付け可能の空気出口プラグを備えた前記チャンバの一部の態様を示している。ケーシング2の一部が、富化空気を富化空気出口18を通じて燃焼室20に向かわせるアダプタ19を形成していることを示している。矢印Aで示される流れの向きをもつ周囲空気は酸素富化装置1に向かう。ケーシング2はシーリングプラグ8aで閉じられており、シーリングプラグ8aは空気入口16(
図2に図示)とは反対側に配置されており、その結果、酸素富化空気の空気の流れは富化空気出口18を通じてアダプタ19内に案内される。この空気の流れは矢印Bで示される。非イオン化成分はスロット7(
図2に図示)を通じて筺体13に入り、排気出口17を通って酸素富化装置1から排出される排気を形成する。排出される空気の流れの方向は矢印Cで示している。
排出される空気の排出は、換気装置15を使用して最適化される。該換気装置は排気出口17に近接して配置される。
【0067】
本発明の1つの態様においては、アダプタ19はケーシング2の周囲を締める締結手段の形式とすることができる。
【0068】
イオン化酸素含有成分を主に含む空気の流れ(富化空気とも呼ぶ)は、出口18を通じて案内される。該出口はケーシング2の表面に形成される。富化空気出口18は、燃焼室20内への吹出開口部を形成する。
【0069】
別の態様においては、電磁石や永久磁石等の磁石(図示せず)が酸素富化装置1の外側に配置される。該磁石は酸素富化装置1内、特に導入された周囲空気のイオン化が起こる前記チャンバの第1の区分内に磁界を発生させる。磁界はまた、酸素富化装置1の外側に配置した磁石の代わりにパルスインダクタにより発生させることができる。負に帯電した酸素含有成分の軌道は、磁界の影響により正に帯電した電極3の方向に曲がる。磁界は窒素又は窒素含有成分には影響を与えない。加えられる磁界は0.1T〜10Tの範囲でありうる。
【0070】
さらに、磁界はまた、酸素含有成分を触媒層14b(
図4に図示)から離すために必要とされる。
【0071】
それゆえ、磁界の使用は触媒層14bのより効率的な再活性化及び酸素含有成分の燃焼への移動につながる。
【0072】
図4は、
図2の正に帯電した電極3を含む電極アセンブリの第1の代替態様の概略図である。
【0073】
図4の態様においては、電極アセンブリは5つの構造を含み、該構造は好ましくは互いの上に直接積層される。該構造の順序は以下のとおりである。ケーシング2、絶縁材料12、電極3、障壁層14a及び触媒層14b。
【0074】
前記アセンブリの第1の構造はケーシング2であり、これは本発明の装置の包囲層である。それゆえ、ケーシング2の外面は周囲と接触している。ケーシング2は回転体であり、正確な形状は本発明の装置の使用によって決まる。また、ケーシング2は、本発明の装置の周囲への絶縁機能を有する。正に帯電した電極3は、それが必要とする電気接続11aとともに、ケーシング2によって支えられている。ケーシング2は、600℃の温度まで適しており、好ましくは0.5〜3mmの厚さをもつ。この態様では、該ケーシングは、導電材料からなる。
【0075】
この態様においては、第2の構造は、ケーシング2と正に帯電した電極3の間に配置される絶縁材料12である。この絶縁材料12は、ケーシング2が導電性の材料からなるときに、絶縁材料12なしでケーシング2と正に帯電した電極3の間で起こる電気伝導による短絡を避けるために必要とされる。また絶縁材料12は、高圧を遮断するために必要とされる。
【0076】
この態様の第3の構造は、正に帯電した電極3である。正に帯電した電極3は、非常に薄くて良好な導電材料、例えば銅からなる。
【0077】
いくつかの態様においては、正に帯電した電極3は、ケーシング2としても使用しうる。そのような態様では、正に帯電した電極3の外面に絶縁層を設けることが必要となる。
【0078】
図4に示された第4の構造は、障壁層14aである。障壁層14aは、好ましくは酸化アルミニウムからなり、好ましくは約100μmの厚さをもつ。障壁層14aは、2つの重要な機能をもつ。第1の機能は、電界ができるようにするため、正極を絶縁することである。破壊電圧は、約5kVから100kV、好ましくは30kVから80kVである。第2に、障壁層14aは、触媒層14bを支持する。
【0079】
図4に示された態様の第5の構造は、触媒層14bであり、これは2つの部分からなる。第1の部分は、触媒層14bの第2の部分のための共振層として働き、第2の部分は触媒層14bの起動部である。
【0080】
触媒層14bの第1の部分は、二酸化ケイ素からなり、全厚さが50μmである4から6の層で作製されうる。触媒層14bの第1の部分のこれら第1の層は、
負に帯電した電極(図示せず)に向かう正に帯電した双極子をもつ非常に強い圧電特性を有する。
【0081】
表面を増加し、高度の反応中心として電子の島を形成するために、微細粒子が触媒層14bの第1の部分の最後の層に添加される。これにより、流れの抵抗を減らし、負に帯電した成分を燃焼室に向かって加速させることになる。本発明で使用される微細粒子は、強誘電性及び/又は圧電性のナノ粒子から選択することができる。
【0082】
触媒層14bの第2の部分は、約25nmの厚さの非常に薄い層である仕上げ層である。該仕上げ層は、手続き的には起伏が設けられた薄膜として設けられる。該仕上げ層は、水分子及び二酸化炭素を周囲温度でそれらの活性原子に分解することを可能にする、触媒層14bの起動層として機能する。触媒層14bはまた、加水分解のため及び酸素とそのラジカルを活性化させるために必要である。
【0083】
図5においては、正に帯電した電極3を含む電極アセンブリの第2の代替態様を示している。
【0084】
この態様では、電極アセンブリは4つの構造からなり、該構造は好ましくは互いの上に直接積層される。該構造の順序は以下のとおりである。ケーシング2、電極3、障壁層14a及び触媒層14b。
【0085】
図4に示した態様と比較すると、
図5の態様は絶縁材料12からなる層はない。それゆえ、この態様では、ケーシング2はプラスチック材料のような電気的絶縁材料で構成する必要がある。そうでないと、ケーシング2と正に帯電した電極3の両方が導電材料で構成されると、ケーシング2と正に帯電した電極3の間に配置される絶縁材料がないため、短絡が起こる。この相違以外は、この態様の関連構造は、
図4の構造で述べたのと同様の構成と機能を有する。
【0086】
本発明においては、電子は過剰に存在し、好ましくは周囲空気の酸素をジアニオンにイオン化する。また、正に帯電した電極3の触媒層14bの表面に電子が分布され、冷たくて非常に高い反応性のプラズマを形成する無音放電が引き起こされる。形成されたプラズマは、前記触媒層及び/又は任意の磁界によって引き起こされる圧電インパルスにより燃焼室の方向に押される。可燃性分子へのプラズマの攻撃性は、劇的な燃焼の向上を招く。
【0087】
過剰な電子は隙間を縮め、エネルギー変換により熱伝導性を上昇させる。また、電子は沈着物を分解し、沈着物を燃焼に供給する清浄機能を有する。
【0088】
前記触媒層の圧電層の双極子は、印加される高電圧インパルスにより連続して変化する。このことは、電子、アニオン、双極子、反応物及び生成物の引き寄せと反発をもたらし、これは負に帯電したプラズマガスを形成する。プラズマガスの速度は電子放出、流れ、圧電インパルス、及びパルス磁界により増加する。
【0089】
以下の実験は本発明の有利性を立証するために行った。2002 Model Year Volkswagen Jetta TDI 4 Cylinder Dieseiエンジンを使用した。テストは、Highway Fuel Economy Test(HWFET)に従って行った。
【0090】
表1は上記テストの結果を示す。テストA、Bをベースラインテストとして行った。テスト1から6は、
図2及び3に記載された態様の装置を使用して行った。
【0091】
以下のパラメータを適用した。
HV:9+3kV
パルス周波数:5+2kHz
パルス間隔比:1:1から1:5
【0092】
【表1】
燃料消費は、約5%減少し、NOxガスは、>5%減少した。
【0093】
上述した本発明の態様は単なる例を意図したものであり、当業者は本発明の趣旨から逸脱することなく、それに対して種々の変更、改変を行うことができる。このような変更、改変の全ては、添付したクレームで規定した本発明の範囲内にあるとされる。
【符号の説明】
【0094】
1 酸素富化装置
2 チャンバの第1の区分の部分であるケーシング
3 正に帯電した電極、アノード
4 負に帯電した電極、カソード
5 案内用レール
6 縁部
7 スロット
8 シーリングプラグ
8a 空気出口プラグ
9 センタリングカラー
9a センタリングカラー
10 流動間隙
11 電気接続
11a 電気接続
12 絶縁材料
13 チャンバの第2の区分の部分である筐体
14a 障壁層
14b 触媒層
15 換気装置
16 空気入口
17 排気出口
18 富化空気出口
19 燃焼装置へのアダプタ
20 燃焼装置
21 電源
22 電気接続
A 周囲空気の流れ方向
B 富化空気の流れ方向
C 排出される空気の流れ方向
【国際調査報告】