特表2018-515827(P2018-515827A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-515827モバイル近接型決済用データ伝送方法及びユーザ機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-515827(P2018-515827A)
(43)【公表日】2018年6月14日
(54)【発明の名称】モバイル近接型決済用データ伝送方法及びユーザ機器
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20180518BHJP
   H04W 4/00 20180101ALI20180518BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20180518BHJP
   H04W 12/02 20090101ALI20180518BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20180518BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20180518BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20180518BHJP
【FI】
   G06Q30/06
   H04W4/00 111
   H04W84/10 110
   H04W12/02
   H04M1/00 U
   G06Q20/32 330
   H04M11/00 302
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-547950(P2017-547950)
(86)(22)【出願日】2016年3月7日
(85)【翻訳文提出日】2017年9月11日
(86)【国際出願番号】CN2016075757
(87)【国際公開番号】WO2016141865
(87)【国際公開日】20160915
(31)【優先権主張番号】201510105097.7
(32)【優先日】2015年3月11日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】513278998
【氏名又は名称】中国▲銀▼▲聯▼股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】尹 ▲亜▼▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼ ▲亮▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 国宝
(72)【発明者】
【氏名】万 四爽
【テーマコード(参考)】
5K067
5K127
5K201
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067DD30
5K067EE04
5K067EE10
5K067EE35
5K067EE37
5K067GG01
5K067GG11
5K067HH36
5K127AA04
5K127BA03
5K127BB22
5K127BB33
5K127DA12
5K127DA15
5K127GA14
5K127GA26
5K127GD13
5K127GE04
5K127JA04
5K127JA06
5K201AA08
5K201BA17
5K201CC05
5K201CC06
5K201CC07
5K201EB07
5K201ED04
5L049BB72
5L055AA64
(57)【要約】
本出願は、ユーザ機器において実行されるモバイル近接型決済用データ伝送方法を開示している。POS端末と近距離通信に基づく第1通信リンクを確立することと、前記第1通信リンクが確立された後、前記POS端末と安全通路を確立することによって、該安全通路を介して前記POS端末と取引請求に関する1回目の交互を行うことと、前記POS端末と第2通信リンクを確立することを含み、前記第1通信リンクに比べて、前記第2通信リンクの通信距離がより長く、伝送速度がより速く、かつ前記第2通信リンクは、暗号化形式によってデータを伝送するように設置され、前記第2通信リンクを経由し、前記ユーザ機器は前記POS端末と取引応答に関する2回目の交互を行う。本出願は、さらにモバイル近接型決済用ユーザ機器を開示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器において実行されるモバイル近接型決済用データ伝送方法であって、
POS端末と近距離通信に基づく第1通信リンクを確立することと、
前記第1通信リンクが確立された後、前記POS端末と安全通路を確立することによって、該安全通路を介して前記POS端末と取引請求に関する1回目の交互を行うことと、
前記POS端末と第2通信リンクを確立することを含み、
前記第1通信リンクに比べて、前記第2通信リンクの通信距離がより長く、伝送速度がより速く、かつ前記第2通信リンクは、暗号化形式によってデータを伝送するように設置され、
前記第2通信リンクを経由し、前記ユーザ機器は前記POS端末と取引応答に関する2回目の交互を行う、モバイル近接型決済用データ伝送方法。
【請求項2】
前記ユーザ機器と前記POS端末の間で行われる前記1回目の交互は、アプリケーションの選択、アプリケーションの初期化、アプリケーションデータの読み込み、動的なアプリケーション暗号の生成という操作の中の一つ又は複数を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ機器と前記POS端末の間で行われる前記2回目の交互は、ARPC暗号の検証、スクリプト実行通知の送信、スクリプトの実行という操作の中の一つ又は複数を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2通信リンクを確立した後、前記ユーザ機器を、タイマーが発動すると同時に、前記POS端末との近距離通信に基づく第1通信リンクが切断されるように配置することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2通信リンクを介して、付加価値サービスシステムから前記POS端末を経由し、プッシュされた電子手形を受け取ることをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記電子手形を受け取った後、かつ前記POS端末が主動的に前記第2通信リンクを切断したと検出する際に、前記第2通信リンクに関連する資源を放出することをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記タイマーが予定の閾値に達する際に、前記ユーザ機器は主動的に前記POS端末との第2通信リンクを切断する請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザ機器は、非対称暗号化アルゴリズムを採用してデータを暗号化することによって、前記第2通信リンクにおいて伝送を行うように配置される請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2通信リンクは、WiFiリンク又はBluetooth(登録商標)リンクである請求項1に記載の方法。
【請求項10】
モバイル近接型決済用ユーザ機器であって、
機密情報へ安全な保存及び運行環境を提供するように配置される安全アプリケーションと、
POS端末と近距離通信に基づく第1通信リンクを確立するように配置される近距離通信モジュールと、
前記第1通信リンクの通信距離より長く、伝送速度がより速く、かつ暗号化形式によってデータを伝送するように設けられる第2通信リンクを前記POS端末と確立するように配置される第2通信モジュールとを備え、
前記第1通信リンクが確立された後、前記安全アプリケーションは、前記POS端末と安全通路を確立することにより、該安全通路を介して前記POS端末と取引請求に関する1回目の交互を行うように配置され、
かつ、前記第2通信モジュールが確立した第2通信リンクを経由し、前記ユーザ機器は前記POS端末と取引応答に関する2回目の交互を行うモバイル近接型決済用ユーザ機器。
【請求項11】
前記取引請求に関する1回目の交互は、アプリケーションの選択、アプリケーションの初期化、アプリケーションデータの読み込み、動的なアプリケーション暗号の生成という操作の中の一つ又は複数を含む請求項10に記載のユーザ機器。
【請求項12】
前記取引応答に関する2回目の交互は、ARPC暗号の検証、スクリプト実行通知の送信、スクリプトの実行という操作の中の一つ又は複数を含む請求項10に記載のユーザ機器。
【請求項13】
前記第2通信リンクが確立された後に起動されるタイマーをさらに含む請求項10に記載のユーザ機器。
【請求項14】
前記タイマーが起動されると同時に、前記ユーザ機器における近距離通信モジュールは、前記POS端末との近距離通信に基づく第1通信リンクを切断する請求項13に記載のユーザ機器。
【請求項15】
前記第2通信モジュールは、付加価値サービスシステムから前記POS端末を経由し、プッシュされた電子手形を受け取るように配置される請求項10に記載のユーザ機器。
【請求項16】
前記第2通信モジュールは、前記電子手形を受け取った後、前記POS端末が主動的に前記第2通信リンクを切断するか否かを検出するようにさらに配置されるが、Yesであれば、前記第2通信リンクに関連する資源を放出する請求項15に記載のユーザ機器。
【請求項17】
前記タイマーが予定の閾値に達する際に、前記第2通信モジュールは、前記POS端末との第2通信リンクを主動的に切断するように配置される請求項13に記載のユーザ機器。
【請求項18】
セキュリティモジュールが、非対称暗号化アルゴリズムを採用してデータを暗号化し、かつさらに前記第2通信リンクを利用して暗号化されたデータを伝送するように配置される請求項10に記載のユーザ機器。
【請求項19】
前記第2通信リンクは、WiFiリンク又はBluetooth(登録商標)リンクである請求項10に記載のユーザ機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子情報技術分野に関し、具体的には、モバイル近接型決済用データ伝送方法及びユーザ機器に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル近接型決済とは、携帯電話などのモバイルデバイスによって決済し、モバイルデバイスとマーチャントPOS端末はNFC、赤外線及びBluetooth(登録商標)などの通路を採用して情報交互を行うことを指す。NFC(フルネーム:Near Field Communication)は、現在、比較的に熟した短距離無線通信技術である。電子設備同士での非接触型ポイントツーポイントデータ伝送によるデータ交互が許される。
【0003】
現在、オンライン取引フロー基準では、ユーザ端末とPOS端末は2回の交互過程がある。1回目の交互(つまり、取引請求段階)は、アプリケーションの選択、アプリケーションの初期化、アプリケーションデータの読み込み、動的なアプリケーション暗号の生成などの操作を含む。POS端末でバックエンド決済システムとの操作が終わった後、2回目の交互(つまり、取引応答段階)を実行する。当該2回目の交互は、ARPC暗号の検証、スクリプト実行通知の送信、スクリプトの実行などの操作を含む。NFCモバイル近接型決済に基づく状況では、NFCの感応距離が限られているので、オンライン取引では、上述の2回の交互を完成させるために、ユーザ端末はPOS端末と近接であり続ける必要があり、極端な場合では、持続時間が数十秒にも達する。
【0004】
また、便利なデータ伝送通路が欠如しているので、取引が完成した後、ユーザ端末は、プッシュされた電子手形情報をタイムリーに受け取ることができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の問題を解決するためには、本発明の技術案では、通信距離がより長く、伝送速度がより速い他のネットワーク通信方式(例えば、WIFI、Bluetooth(登録商標)など)を採用し、第2通信リンクを確立することによって、POS端末との2回目の交互を完成させる。このように、ユーザ機器はPOS端末に1回だけ近づけば、決済取引を完成できる。
【0006】
同時に、第2通信リンクのネットワーク伝送速度がより速いことは、取引が完成した後、関連する付加価値サービスシステムが電子伝票、電子レシート、領収書、グーポンなどの手形情報をユーザ機器にプッシュし、ユーザの決済体験をさらに完備化させることに資する。該情報プッシュ方式は、オンライン取引プロセスにも、オフライン取引プロセスにも適用できる。
【0007】
本発明の一つの面では、ユーザ機器において実行されるモバイル近接型決済用データ伝送方法を提供する。前記方法は、POS端末と近距離無線通信に基づく第1通信リンクを確立することと、前記第1通信リンクが確立された後、前記POS端末と安全通路を確立することによって、該安全通路を介して前記POS端末と取引請求に関する1回目の交互を行うことと、前記POS端末と第2通信リンクを確立することを含み、前記第1通信リンクに比べて、前記第2通信リンクの通信距離がより長く、伝送速度がより速く、かつ前記第2通信リンクは、暗号化形式によってデータを伝送するように設置され、前記第2通信リンクを経由し、前記ユーザ機器は前記POS端末と取引応答に関する2回目の交互を行う。
【0008】
前記方法では、前記ユーザ機器と前記POS端末の間で行われる前記1回目の交互は、アプリケーションの選択、アプリケーションの初期化、アプリケーションデータの読み込み、動的なアプリケーション暗号の生成という操作の中の一つ又は複数を含む。
【0009】
前記方法では、前記ユーザ機器と前記POS端末の間で行われる前記2回目の交互は、ARPC暗号の検証、スクリプト実行通知の送信、スクリプトの実行という操作の中の一つ又は複数を含む。
【0010】
前記方法は、前記第2通信リンクを確立した後、前記ユーザ機器を、タイマーが発動すると同時に、前記POS端末との近距離通信に基づく第1通信リンクが切断されるように配置することをさらに含まれてもよい。
【0011】
前記方法は、前記第2通信リンクを介して、付加価値サービスシステムから前記POS端末を経由し、プッシュされた電子手形を受け取ることをさらに含まれてもよい。
【0012】
前記方法は、前記電子手形を受け取った後、かつ前記POS端末が主動的に前記第2通信リンクを切断したと検出する際に、前記第2通信リンクに関連する資源を放出することをさらに含まれてもよい。
【0013】
前記方法では、前記タイマーが予定の閾値に達する際に、前記ユーザ機器は主動的に前記POS端末との第2通信リンクを切断する。
【0014】
前記方法では、前記ユーザ機器は、非対称暗号化アルゴリズムを採用してデータを暗号化することによって、前記第2通信リンクにおいて伝送を行うように配置される。
【0015】
前記方法では、前記第2通信リンクは、WiFiリンク又はBluetooth(登録商標)リンクである。
【0016】
本発明のもう一つの面では、モバイル近接型決済用ユーザ機器を提供する。機密情報へ安全な保存及び運行環境を提供するように配置される安全アプリケーションと、POS端末と近距離通信に基づく第1通信リンクを確立するように配置される近距離通信モジュールと、前記第1通信リンクの通信距離より長く、伝送速度がより速く、かつ暗号化形式によってデータを伝送するように設けられる第2通信リンクを前記POS端末と確立するように設置される第2通信モジュールとを備え、前記第1通信リンクが確立された後、前記安全アプリケーションは、前記POS端末と安全通路を確立することにより、該安全通路を介して前記POS端末と取引請求に関する1回目の交互を行うように配置され、かつ、前記第2通信モジュールが確立した第2通信リンクを経由し、前記ユーザ機器は前記POS端末と取引応答に関する2回目の交互を行う。
【0017】
前記ユーザ機器では、前記取引請求に関する1回目の交互は、アプリケーションの選択、アプリケーションの初期化、アプリケーションデータの読み込み、動的なアプリケーション暗号の生成という操作の中の一つ又は複数を含む。
【0018】
前記ユーザ機器では、前記取引応答に関する2回目の交互は、ARPC暗号の検証、スクリプト実行通知の送信、スクリプトの実行という操作の中の一つ又は複数を含む。
【0019】
前記ユーザ機器は、前記第2通信リンクが確立された後に起動されるタイマーをさらに含まれてもよい。
【0020】
前記ユーザ機器では、前記タイマーが起動されると同時に、前記ユーザ機器における近距離通信モジュールは、前記POS端末との近距離通信に基づく第1通信リンクを切断する。
【0021】
前記ユーザ機器では、前記第2通信モジュールは、付加価値サービスシステムから前記POS端末を経由し、プッシュされた電子手形を受け取るように配置される。
【0022】
前記ユーザ機器では、前記第2通信モジュールは、前記電子手形を受け取った後、前記POS端末が主動的に前記第2通信リンクを切断するか否かを検出するようにさらに配置されるが、Yesであれば、前記第2通信リンクに関連する資源を放出する。
【0023】
前記ユーザ機器では、前記タイマーが予定の閾値に達する際に、前記第2通信モジュールは、前記POS端末との第2通信リンクを主動的に切断するように配置される。
【0024】
前記ユーザ機器では、セキュリティモジュールが、非対称暗号化アルゴリズムを採用してデータを暗号化し、かつさらに前記第2通信リンクを利用して暗号化されたデータを伝送するように配置される。
【0025】
前記ユーザ機器では、前記第2通信リンクは、WiFiリンク又はBluetooth(登録商標)リンクである。
【0026】
NFC通路のみを使用する近接型決済方法に比べて、本発明の技術案は、通信距離がより長く、伝送速度がより速い第2通信リンクを利用し、データ伝送がかかる時間は短い。オンライン取引を処理する際に、ユーザ機器は、POS端末に1回だけ近づけば決済を完成できるので、ユーザの操作体験を高めた。同時に、第2通信リンクによって電子伝票、電子レシート、領収書、グーポンなどの手形情報をユーザ機器にプッシュし、電子手形の伝送の問題を解決し、ユーザの決済体験をさらに高めた。
【0027】
図面を参照しながら、本発明の実施の形態を読んだ上、当業者は本発明の各方面をよりよく理解できる。当業者は、これらの図面は、実施の形態と組み合わせて本発明の技術案を説明するためのものであり、本発明の保護範囲を限定するためのものではないと理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一つの実施例によるユーザ機器、POS端末、バックエンド決済システム及び付加価値サービスシステムを含むシステムの全体状況図である。
図2】本発明の一つの実施例によるシステムフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の複数の可能な実施例の一部を紹介するが、それは本発明の基本的な理解に資するためであり、本発明の重要又は決定的な要素又は保護しようとする範囲を限定するためのものではない。本発明の技術案に基づき、本発明の実質的精神を変更しない限り、当業者は代替可能な他の実施の形態を提出してもよいと理解しやすい。したがって、以下の実施の形態及び図面は、本発明の技術案に関する例示的な説明に過ぎず、本発明の全部かまたは本発明の技術案に対する制限又は限定として理解してはならない。
【0030】
本発明の一つの面によれば、モバイル近接型決済用ユーザ機器を提供する。機密情報へ安全な保存及び運行環境を提供するように配置される安全アプリケーションと、POS端末と近距離通信に基づく第1通信リンクを確立するように配置される近距離通信モジュールと、前記第1通信リンクの通信距離より長く、伝送速度がより速く、かつ暗号化形式によってデータを伝送するように設けられる第2通信リンクを前記POS端末と確立するように配置される第2通信モジュールとを備え、前記第1通信リンクが確立された後、前記安全アプリケーションは、前記POS端末と安全通路を確立することにより、該安全通路を介して前記POS端末と取引請求に関する1回目の交互を行うように配置され、かつ、前記第2通信モジュールが確立した第2通信リンクを経由し、前記ユーザ機器は前記POS端末と取引応答に関する2回目の交互を行う。
【0031】
図1は、本発明の一つの実施例によるシステムの具体的な状況図である。図1から、システム全体は、ユーザ機器、POS端末、バックエンド決済システム及び付加価値サービスシステムを含むことが見える。ユーザ機器における安全素子SEは、カードアプリケーション、ICカード個人化情報、暗号鍵などの機密情報に安全な保存及び運行環境を提供する。SEの実現案としては、eSE、NFC−SIM及びNFC−SDなどの技術が挙げられる。あるいはHCE(Host-based Card Emulationの縮写、ホストに基づくカードエミュレーション)技術を採用してカードプログラムを模擬する。ユーザ機器は、NFC及び第2通信モジュール(WIFI、Bluetooth(登録商標)又は他の通信技術)をさらに含まれてもよい。
【0032】
ユーザ機器と通信するために、POS端末は同様にNFC及びWIFI通信機能(又はBluetooth(登録商標)など他の通信技術)を具備する。また、バックエンド決済システムは、決済操作を担当し、付加価値サービスシステムは、電子伝票、電子レシート、領収書、グーポンなどの手形情報のプッシュを担当する。
【0033】
図2を参照すると、図2には本発明の一つの実施例によるフローチャートが示されている。具体的には、ステップaでは、ユーザはユーザ機器を手持ちしてPOS端末に近づき、NFCの感応範囲に入り、POS端末とNFCに基づく第1通信リンクを確立する。次に、ステップbに示すように、第1通信リンクの確立を完成した後、POS端末はSE(又はHCE)と安全通路を確立し、続いて交互を行うが、アプリケーションの選択、アプリケーションの初期化、アプリケーションデータの読み込み、動的なアプリケーション暗号の生成などの操作を含む。ステップcでは、ユーザ機器はPOSと第2通信リンク(例えば、WIFI、Bluetooth(登録商標)など)を確立する。リンクは、暗号化形式によってデータ伝送を行う。通信リンクを確立する方法は数多くあり、例えば、ユーザ機器とPOS端末が公開鍵、秘密鍵を持ち、非対称暗号化アルゴリズムを採用して伝送されるデータを暗号化することが挙げられる。次に、ステップdに示すように、POS端末は、決済情報をバックエンド決済システムに転送して交互を行う。
【0034】
好ましい実施例では、第2通信リンクを完成した後、ユーザ端末はタイマーを起動する。同時に、ユーザ機器とPOS端末は、NFCに基づく第1通信リンクを切断する。ユーザ機器は、「ユーザ機器がPOS端末から離れることができる」と提示する。もう一つ好ましい実施例では、POS端末から離れる過程では、ユーザ機器には、第2通信リンク信号の強度が示される。第2通信の接続範囲から離れないように第2通信リンクとの接続への保持をユーザに提示する。
【0035】
ステップeでは、POS端末がバックエンド決済システムとの交互を完成した後、第2通信リンクを介してユーザ機器と2回目の交互を行う。例えば、ARPC暗号の検証、スクリプトの制定などを行い、残りの決済プロセスを完成する。ここまで、決済プロセスが終了する。オフライン取引であれば、このステップは省略可能である。
【0036】
続きの処理ステップは、バックエンド決済システムが付加価値サービスシステムに(ステップf1に示す)、又はPOS端末が付加価値サービスシステムに(ステップf2に示す)、電子伝票、電子レシート、領収書、グーポンなどの手形情報をユーザ機器にプッシュするように通知することをさらに含まれてもよい。手形情報は、付加価値サービスシステムから、POS端末(ステップg1に示す)を経由し、第2通信リンクを通して、ユーザ機器にプッシュされる(ステップg2に示す)。
【0037】
手形情報の受領が完了した後、POS端末は主動的に第2通信リンク切断する。ユーザ端末が通信リンクの閉鎖を検出する場合、関連する資源を放出する。選択的には、ユーザ端末のタイマーが予定の閾値に達する際に、第2通信リンクが正常であれば、安全を保証するために、ユーザ端末は主動的に第2通信リンクを切断し、関連する資源を放出する。
【0038】
上述のように、本発明の技術案では、ユーザ機器はまずNFCを通してPOS端末と第1通信リンクを確立し、取引請求段階の交互を完成する。同時に、通信距離がより長く、伝送速度がより速い他のネットワーク通信方式(例えば、WIFI及びBluetooth(登録商標)など)を借りて、第2通信リンクを確立する。POS端末がバックエンド決済システムとの交互を完成した後、POS端末は、第2通信リンクを介してユーザ端末と取引応答段階の交互を完成し、最終的に決済取引プロセスを完成する。決済プロセスを完成した後、関連する付加価値サービスシステムは、第2通信リンクを介して電子伝票、電子レシート、領収書、グーポンなどの手形情報をユーザ機器にプッシュする。
【0039】
該方案は少なくとも以下のメリットがある。
1)オンライン取引過程では、ユーザ機器はPOS端末に1回のみ近づけば、決済取引を完成できるので、ユーザの操作体験を高める。
2)第2通信リンクのデータ伝送速度がより速く、かかる時間もより短い。
3)第2通信リンクを介して、電子伝票、電子レシート、領収書、グーポンなどの手形情報をユーザ機器にプッシュすることで、電子手形の伝送の問題を解決し、ユーザの決済体験をさらに高める。
【0040】
上述の文章では、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明した。しかし、当業者なら、本発明の精神及び範囲を逸らしない場合、さらに本発明の実施の形態に対して各種の変更及び代替を行うことができると理解できる。これらの変更又は代替はいずれも本発明の特許請求の範囲内である。
【符号の説明】
【0041】
a〜e, f1, f2, g1, g2 ステップ
図1
図2
【国際調査報告】