特表2018-515904(P2018-515904A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-515904エピタキシャル成長中に形成された核を除去するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-515904(P2018-515904A)
(43)【公表日】2018年6月14日
(54)【発明の名称】エピタキシャル成長中に形成された核を除去するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20180518BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20180518BHJP
【FI】
   H01L21/205
   H01L21/306 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-557040(P2016-557040)
(86)(22)【出願日】2016年5月23日
(85)【翻訳文提出日】2016年10月25日
(86)【国際出願番号】US2016033783
(87)【国際公開番号】WO2016191371
(87)【国際公開日】20161201
(31)【優先権主張番号】62/165,816
(32)【優先日】2015年5月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/051,362
(32)【優先日】2016年2月23日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515345698
【氏名又は名称】ストレイティオ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】STRATIO, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】ジェヒュン リー
(72)【発明者】
【氏名】ヨル ナ
(72)【発明者】
【氏名】ヨンシク キム
(72)【発明者】
【氏名】ウーシク ジュン
【テーマコード(参考)】
5F043
5F045
【Fターム(参考)】
5F043AA18
5F043BB12
5F043CC20
5F043GG10
5F045AB05
5F045DB02
5F045HA14
(57)【要約】
選択エピタキシャル成長プロセス中に形成された核を除去するための方法は、一つ又は複数のマスク層が付いた基板の上で第1グループの一つ又は複数の半導体構造をエピタキシャル成長させることを含む。一つ又は複数のマスク層の上に第2グループの複数の半導体構造が形成される。本方法は、第1グループの一つ又は複数の半導体構造の上で一つ又は複数の保護層を形成することも含む。第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分が、一つ又は複数の保護層から露出されている。本方法は、第1グループの一つ又は複数の半導体構造の上で一つ又は複数の保護層を形成した後に、第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分をエッチングすることを更に含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択エピタキシャル成長プロセス中に形成された核を除去するための方法であって、
一つ又は複数のマスク層が付いた基板の上で第1グループの一つ又は複数の半導体構造をエピタキシャル成長させ、前記一つ又は複数のマスク層の上に第2グループの複数の半導体構造が形成され、
前記第1グループの一つ又は複数の半導体構造の上で一つ又は複数の保護層を形成し、前記第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分が前記一つ又は複数の保護層から露出され、
前記第1グループの一つ又は複数の半導体構造の上で前記一つ又は複数の保護層を形成した後に、前記第2グループの複数の半導体構造の少なくとも前記一部分をエッチングする、
方法。
【請求項2】
前記第1グループの一つ又は複数の半導体構造の上で前記一つ又は複数の保護層が形成される前に、前記第2グループの複数の半導体構造の少なくとも前記一部分のエッチングを先に行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板の上で前記第1グループの一つ又は複数の半導体構造の前記エピタキシャル成長を開始した後に、前記第1グループの一つ又は複数の半導体構造の上で前記一つ又は複数の保護層が形成されるまで、前記第2グループの複数の半導体構造の少なくとも前記一部分のエッチングを先に行う、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1グループの前記一つ又は複数の半導体構造は、単一のエピタキシャル成長プロセスにおいて形成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記一つ又は複数の保護層は、一つ又は複数のフォトレジスト層を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記一つ又は複数の保護層を形成する前に、少なくとも前記第1グループの一つ又は複数の半導体構造の上で一つ又は複数の接着層を堆積する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記一つ又は複数の接着層は、ヘキサメチルジシラザン及び/又は低温熱酸化物を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2グループの複数の半導体構造の少なくとも前記一部分をエッチングした後に、前記一つ又は複数の接着層を除去する、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記一つ又は複数の保護層及び前記一つ又は複数の接着層が同時に除去される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記一つ又は複数の保護層は、前記一つ又は複数の接着層の少なくとも一部が除去された後に除去される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第2グループの複数の半導体構造の少なくとも前記一部分をエッチングした後に、前記一つ又は複数の保護層を除去する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第2グループの複数の半導体構造の少なくとも前記一部分をエッチングした後に、前記第1グループの一つ又は複数の半導体構造の少なくとも一部分を平坦化する、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記一つ又は複数のマスク層が付いた基板の上に前記第1グループの一つ又は複数の半導体構造をエピタキシャル成長させながら、前記一つ又は複数のマスク層の上に複数の半導体粒子を形成する、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第2グループの複数の半導体構造は、前記一つ又は複数のマスク層の上の一つ又は複数の半導体膜を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1グループの一つ又は複数の半導体構造は、IV族材料を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1グループの一つ又は複数の半導体構造は、ゲルマニウムを含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記基板の、前記一つ又は複数のマスク層から露出されている一つ又は複数の領域の上に、前記第1グループの一つ又は複数の半導体構造が形成される、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1グループの一つ又は複数の半導体構造は結晶構造を有し、前記第2グループの複数の半導体構造はアモルファス及び/又は多結晶構造を有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記一つ又は複数のマスク層は、絶縁体材料を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記一つ又は複数のマスク層は、二酸化ケイ素を含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記第2グループの複数の半導体構造の少なくとも前記一部分をエッチングすることは、前記第2グループの複数の半導体構造の少なくとも前記一部分を第1の速度でエッチングすることと、前記一つ又は複数のマスク層を前記第1の速度より低い第2の速度でエッチングすることと、を含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第2グループの複数の半導体構造の少なくとも前記一部分をエッチングすることは、前記一つ又は複数のマスク層のエッチングを先に行うことを含む、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記基板は、その上に複数の半導体デバイスを含み、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の半導体デバイスは、前記基板の上で前記一つ又は複数のマスク層の下に位置する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記基板はその上に複数のトランジスタを含み、前記第1グループの一つ又は複数の半導体構造のうちの一つの半導体構造が、前記複数のトランジスタのうちの一つのトランジスタのソース又はドレインに電気的に結合される、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記基板は、その上にp型金属酸化物半導体トランジスタ及びn型金属酸化物半導体トランジスタを含む複数の相補型金属酸化物半導体デバイスを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1グループの一つ又は複数の半導体構造のうちの第1の半導体構造を、前記p型金属酸化物半導体トランジスタ及び前記n型金属酸化物半導体トランジスタのうちの一つのソース又はドレインに電気的に結合する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1グループの一つ又は複数の半導体構造及び前記第2グループの複数の半導体構造は、同時に形成される、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記第1グループの一つ又は複数の半導体構造のうちの第1の半導体構造は、前記第2グループの複数の半導体構造のうちの第2の半導体構造よりも大きい、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記第2グループの複数の半導体構造の一部であって前記一つ又は複数の保護層から露出されている部分の全てをエッチングする、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に、半導体デバイスを製造するための方法に関する。より詳細には、開示した実施形態は、エピタキシャル成長プロセス中に半導体デバイスの上に形成された核を除去するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エピタキシャル成長は、半導体基板の上に結晶領域を生成するよくある方法である。しかしながら、半導体基板の望まれない領域内に半導体構造が形成されることは好ましくない。例えば、半導体基板の望まれない領域に成長した何らかの半導体構造は、基板の上に形成されたデバイスの電気的特性及び/又は機械的特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0003】
選択エピタキシャル成長(selective epitaxial growth)(SEG)は、半導体基板の目標範囲の上に結晶領域を生成するために用いられる。選択エピタキシャル成長のために、半導体基板は、該基板のある範囲を露出した状態でマスキング材料により覆われる。そのような半導体基板では、エピタキシャル成長は、半導体基板の露出範囲の上に主に生じ、マスキング材料の上には生じにくい。選択エピタキシャル成長は、プロセス条件に応じて、エピタキシャル成長中におけるマスキング材料の上での構造(例えば、核又は層の形態で)の形成を低減することができるが、エピタキシャル成長中においてマスキング材料の上に多くの半導体構造が依然として形成され得る。
【0004】
マスキング材料の上でのエピタキシャル成長構造の形成をなくすために、様々な試みがなされてきた。例えば、マスキング材料の上でのエピタキシャル成長構造の形成を更に抑制するための成長条件が見出されている。しかしながら、規定の成長条件からの少しの逸脱で、マスキング材料の上でのエピタキシャル成長構造の形成の増加が容易にもたらされ得る。したがって、そのような成長条件の使用は制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、エピタキシャル成長中に形成された核を除去するための方法の改善が必要とされている。いくつかの実施形態では、本方法は、成長条件の変化にそれほど敏感ではない。したがって、そのような改善された方法は、エピタキシャル成長中に基板の望まれない領域の上に半導体構造が形成されることを減少させながら、半導体構造のより速いエピタキシャル成長を可能にもする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の制限及び不利を克服するいくつかの実施形態が、より詳細に以下に示されている。これらの実施形態は、デバイス及びそのようなデバイスを作製するための方法を提供する。
【0007】
より詳細に以下に説明されるように、いくつかの実施形態は、選択エピタキシャル成長プロセス中に形成された核を除去するための方法であって、一つ又は複数のマスク層が付いた基板の上に第1グループの一つ又は複数の半導体構造をエピタキシャル成長させることを含む方法、を含む。一つ又は複数のマスク層の上に、第2グループの複数の半導体構造が形成される。本方法は、第1グループの一つ又は複数の半導体構造の上で一つ又は複数の保護層を形成することも含む。第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分が、一つ又は複数の保護層から露出されている。本方法は、第1グループの一つ又は複数の半導体構造の上で一つ又は複数の保護層を形成した後に、第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分をエッチングすることを更に含む。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、半導体デバイスは、基板と、基板の上に位置している第1のマスク層領域と、基板の上に位置している第2のマスク層領域と、を含む。第1のマスク層領域は上面及び側面を有し、第2のマスク層領域は上面及び側面を有する。半導体デバイスは、第1の半導体材料タイプのエピタキシャル成長した半導体構造も含む。エピタキシャル成長した半導体構造は、第1のマスク層領域の側面と第2のマスク層領域の側面との間に位置していて、エピタキシャル成長した半導体構造は、第1のマスク層領域の側面及び第2のマスク層領域の側面に接触している。第1のマスク層領域の上面及び第2のマスク層領域の上面は、第1のマスク層領域の側面と第2のマスク層領域の側面との間に位置するエピタキシャル成長した半導体構造以外の第1の半導体材料タイプの半導体と接触していない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
前述の態様及び追加の態様並びにそれらの実施形態をより良く理解するために、添付の図面と共に、下記の実施形態の説明を参照されたい。
図1図1A〜1Iは、いくつかの実施形態による、半導体基板の部分断面図である。
図2図2A〜2Cは、いくつかの実施形態による、半導体基板の部分断面図である。
図3図3A〜3Cは、いくつかの実施形態による、半導体基板の部分断面図である。
図4図4A〜4Cは、いくつかの実施形態による、半導体基板の部分断面図である。
図5図5A〜5Eは、いくつかの実施形態による、半導体基板の部分断面図である。
図6図6A〜6Bは、いくつかの実施形態による、半導体基板の部分断面図である。
図7図7A〜7Cは、いくつかの実施形態による、選択エピタキシャル成長プロセス中に形成された核を除去するための方法を示す流れ図である。
図8図8A〜8Bは、いくつかの実施形態による、エッチングプロセス前の半導体基板の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
図9図9A〜9Bは、いくつかの実施形態による、エッチングプロセス後の半導体基板の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
【0010】
図面全体を通じて、同様の参照番号は対応する部分を指している。
【0011】
特筆されていない限り、図は原寸に比例して描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上述したように、望まれない領域内(例えば、マスキング材料の上)に望まれない半導体構造が形成されると、半導体デバイスの電気的特性及び/又は機械的特性が劣化する可能性がある。望まれない領域内への望まれない半導体構造の形成を減少させるために、ある成長条件が見つけられている。
【0013】
例えば、基板が、エピタキシャル成長中にエッチング剤(例えば、HClガス)に曝露され(例えば、HClガスを堆積ガスに混ぜることによって)、それによってエピタキシャル成長中に望まれない半導体構造をエッチングすることが可能となる。エッチング剤によるエッチング速度を、望まれない半導体構造が形成される速度よりも高く且つ(目標である半導体構造の)エピタキシャル成長の速度よりも低く維持することによって、望まれない半導体構造の形成が減少又は抑制される。しかしながら、エッチング剤の存在は、半導体構造がエピタキシャル成長する速度に影響を及ぼす。目標半導体構造の形成速度は、エッチング反応によって低下するので、エッチング剤がない場合の目標半導体構造の形成速度よりも低い。したがって、目標半導体構造の低下した形成速度は、デバイス製造プロセス全体におけるボトルネックであり得る。加えて、エッチング剤の存在は、エピタキシャル成長した半導体構造の形状に影響を及ぼす。特に、主方向の成長速度の非主方向の成長速度に対する比が、とても高くなる。例えば、ゲルマニウムのエピタキシャル成長において、(100)が主成長方向である。主方向の成長速度の非主方向の成長速度に対する比が高くなると、結果として得られるエピタキシャル成長したゲルマニウム構造は、(311)傾斜面を有するピラミッド形状を有する。したがって、エッチング剤の存在は、ピラミッド形状とは異なる形状を有する半導体構造を得ることをより難しいものにする。更に、(311)傾斜面を有するピラミッド形状を有するゲルマニウムがある範囲を覆うように形成された場合、ゲルマニウムのピラミッドの高さが高くなる場合があり、したがって(例えば、化学機械平坦化(CMP)プロセスを用いることによって)平坦化された表面を得ることを難しいものにする。
【0014】
別の例では、エピタキシャル成長中に温度及び圧力を下げると、エピタキシャル成長中の望まれない半導体構造の形成が減少すると考えられる。しかしながら、堆積温度を下げることは、成長した半導体構造の結晶性を低下させ、これにより半導体デバイスにおける漏れ電流の増加をもたらす。圧力を下げると、堆積速度が低くなって半導体構造の粗さが増大する可能性があり、これにより製造されたデバイスの性能が劣化しうる。
【0015】
更に別の例では、ゲルマンガス(GeH)の圧力を高めることは、平坦なゲルマニウムアイランドの成長を促進するが、エピタキシャル成長中に望まれない半導体構造の形成を増加させる。同様に、水素ガス(H)の圧力を高めることは、平坦なゲルマニウムアイランドの成長を促進するが、エピタキシャル成長中に望まれない半導体構造の形成を増加させる。
【0016】
上述の問題に対処するための方法が本明細書に説明されている。エッチング剤を全く(又は少ししか)用いないで半導体構造をエピタキシャル成長させることによって、半導体構造をより速く成長させることができる。加えて、エピタキシャル成長中にエッチング剤が全く(又は少ししか)存在しないので、半導体構造の形状がエッチング剤によってそれほど影響を受けない。更に、圧力及び/又は温度は、エピタキシャル成長中に下げられる必要がない。エッチング剤を全く(又は少ししか)用いない(並びに通常の圧力及び温度における)エピタキシャル成長は、マスキング材料の上などの望まれない領域の上の半導体構造の形成をもたらすが、そのような望まれない領域の上の半導体構造はエッチングプロセスによって後で除去される。したがって、基板の目標範囲内にエピタキシャル成長した半導体構造を、望まれない領域内に半導体構造が全く又は少ししか成長していない状態で得ることができる。
【0017】
ある種の実施形態を参照して、その例を添付の図面に図示する。基礎となる原理を実施形態と共に説明するとはいえ、クレームの範囲をこれらの特定の実施形態だけに限定する意図がないことが理解されるであろう。対照的に、クレームは、クレームの範囲内である代替形態、修正形態、及び等価物を包含するものとする。
【0018】
更に、下記の説明では、数多くの具体的な詳細を、本発明の深い理解を提供するために記述する。しかしながら、これらの特定の詳細を用いずに本発明を実行することができることが、当業者にとっては明白であろう。他の事例では、基礎となる原理の態様を不明瞭にすることを避けるために、当業者には良く知られている方法、手順、構成要素、及びネットワークを詳細には説明しない。
【0019】
第1、第2、等の用語を、様々な要素を説明するために本明細書において用いることがあるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことも、理解されるであろう。これらの用語は、一つの要素をもう一つの要素と区別するために用いられるに過ぎない。例えば、第1グループを第2グループと称することができ、同様に、クレームの範囲から逸脱せずに、第2グループを第1グループと称することができる。第1グループ及び第2グループは、両方とも(例えば、半導体構造の)グループであるが、これらは同じグループではない。
【0020】
本明細書において実施形態の説明で用いる用語は、特定の実施形態だけを説明する目的のためであり、クレームの範囲を限定するものではない。本明細書及び別記の特許請求の範囲において用いるように、単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が明確に特に指示しない限り、同様に複数形を含むものとする。本明細書において用いるように、「及び/又は」という用語は、関連する列挙した項目のうちの一つ又は複数の任意の組合せ及びすべての可能な組合せを称し、且つ包含することも理解されるであろう。本明細書において用いられるときに、「備える(comprise)」及び/又は「備えている(comprising)」という用語が、記述した特徴、完全体、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、一つ又は複数の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はこれらのグループの存在又は追加を排除しないことが、更に理解されるであろう。
【0021】
図1A〜1Iは、いくつかの実施形態による、半導体基板の部分断面図である。
【0022】
図1Aは、基板102と基板102の上のマスク層104とを示す。基板102は、図1A〜1I、2A〜2C、3A〜3C、4A〜4C及び5A〜5Eにおいてウエハとして示されるが、基板102は、図1A〜1I、2A〜2C、3A〜3C、4A〜4C及び5A〜5Eに示されていない追加の特徴を含むことができる。いくつかの実施形態では、基板102は、シリコンデバイス(例えば、ラインのフロントエンドプロセス(the front-end of the line (FEOL) processes)において典型的に形成される、シリコン相補型金属酸化物半導体デバイスやその他の構造)を含む。いくつかの実施形態では、基板102は、シリコンデバイスの上に酸化層を含む(例えば、図6A〜6B)。
【0023】
いくつかの実施形態では、マスク層104は、絶縁体材料(例えば、二酸化ケイ素)を含む。いくつかの実施形態では、マスク層104は、絶縁体材料(例えば、二酸化ケイ素)で作製される。マスク層104は、基板102の一つ又は複数の部分を露出させる。いくつかの実施形態では、絶縁体材料が、基板102の上に堆積され、その後にエッチングされて、基板102の一つ又は複数の部分を露出させる。いくつかの実施形態では、基板102は、更にエッチングされる。いくつかの例では、この更なるエッチングは、エピタキシャル成長により適した表面を与える。
【0024】
図1Bは、半導体構造106(例えば、ゲルマニウムアイランド)がエピタキシャル成長していることを示す。ゲルマニウムのエピタキシャル成長のための条件(例えば、圧力、温度及び化学組成)は、よく知られており、したがって簡潔にするために本明細書では省略される。しかしながら、上述したように、本明細書に記載の方法は、エッチング剤の使用を排除するものではないが、エピタキシャル成長中にマスク層104の上の半導体構造の成長を抑制するためのエッチング剤(例えば、HClガス)の使用を必要としない。エピタキシャル成長のための条件は、所望の成長プロファイルを得るように調整することができる。したがって、エピタキシャル成長する半導体構造の形状をカスタマイズすることが可能である。
【0025】
図1Bは、半導体構造106のエピタキシャル成長中に半導体構造108(例えば、本明細書中で核とも呼ばれる粒子)もマスク層104の上に形成されることも示す。半導体構造108が典型的にはアモルファス及び/又は多結晶構造を有するのに対して、半導体構造106は一つの結晶構造を有する。
【0026】
図1Cは、半導体構造106が成長し続けることを示す。図1Cは、更なる半導体構造108がマスク層104の上に形成されていることも示す。図8A及び8Bは、ゲルマニウムアイランドのエピタキシャル成長後の基板の走査型電子顕微鏡(SEM)画像であり、その詳細は後述する。
【0027】
図1Dは、いくつかの実施形態において、半導体構造108が集団となって膜110を形成することを示す。
【0028】
図1Eは、適宜、基板102の上で接着層112が施される(例えば、堆積される)ことを示す。図1Eでは、接着層112は、半導体構造106とマスク層104の上の膜110とを覆う。いくつかの実施形態では、接着層112は低温熱酸化物である。いくつかの実施形態では、接着層112はヘキサメチルジシラザン(HMDS)である。いくつかの実施形態では、接着層112は、エピタキシャル成長した半導体構造106とフォトレジストとの間の接着を促進する。
【0029】
図1Fは、基板102の上で保護層114(例えば、フォトレジスト層)が施されることを示す。図1Fでは、保護層114は半導体構造106の上で接着層112の一部を覆う。図1Fでは、保護層114は膜110を覆わない(例えば、膜110は接着層112で覆われているが、膜110は保護層114から露出されている)。
【0030】
図1Gは、保護層114によって覆われていない領域が、エッチングされていることを示す。エッチングの結果として、膜110(及び、半導体構造106のエピタキシャル成長中に形成された、他の望まれない半導体構造)が除去される。加えて、膜110の上に位置する接着層112の一部も除去される。いくつかの実施形態では、膜110(及び、半導体構造106のエピタキシャル成長中に形成された、他の望まれない半導体構造)を保護層114よりも速く除去する選択エッチングプロセスが用いられ(そのようなエッチングプロセスは、高い選択性を有すると称される)、半導体構造106が維持されながら膜110及び/又は他の望まれない半導体構造(半導体構造106のエピタキシャル成長中に形成された、他の望まれない半導体構造)が除去される。いくつかの実施形態では、エッチングプロセスは、ドライエッチングプロセス(例えば、プラズマエッチング、深掘り反応性イオンエッチング、等)である。いくつかの実施形態では、エッチングプロセスは、ウェットエッチングプロセス(例えば、液相エッチング剤を用いたエッチング)である。例えば、Surface Technology Systems Plc.製の改良されたシリコンエッチング手段を、選択エッチングに用いることができる。
【0031】
図1Hは、保護層114及び接着層112が除去されることを示す。図9A及び9Bは、保護層114を除去した後の基板の走査型電子顕微鏡(SEM)画像であり、その詳細は後述する。
【0032】
図1Iは、半導体構造106が(例えば、CMPプロセスを用いて)平坦化されることを示す。望まれない半導体構造(例えば、核108又は膜110)が除去済みであるので、CMPプロセスを容易に施すことができる。加えて、平らな上部を有するように半導体構造106の形状を調整できるので、CMPプロセスを実行することがより容易である。
【0033】
図2A〜2Cは、いくつかの実施形態による、半導体基板の部分断面図である。
【0034】
図2A〜2Cに示されたプロセスは、適宜の接着層112(図1E)が用いられないことを除いて、図1F〜1Hに示されたプロセスと同様である。図2Aは、図1Dに示された半導体構造106の上に保護層114が直接施されることを示す。
【0035】
図2Bは、保護層114によって覆われていない領域がエッチングされていることを示していて、これは図1Gに関連して上述したプロセスと同様である。エッチングの結果として、膜110(及び、半導体構造106のエピタキシャル成長中に形成された、他の望まれない半導体構造)が除去される。
【0036】
図2Cは、保護層114が除去されることを示していて、これは図1Hに関連して上述したプロセスと同様である。その後に、半導体構造106を、図1Iに関連して上述したように、平坦化することができる。
【0037】
図3A〜3Cは、いくつかの実施形態による、半導体基板の部分断面図である。
【0038】
図3A〜3Cに示されたプロセスは、半導体構造108(例えば、粒子)が分離したままであることを除いて、図1E〜1Gに示されたプロセスと同様である。
【0039】
図3Aは、半導体構造106とマスク層104の上の半導体構造108(例えば、粒子)との上で接着層112が施されることを示していて、これは図1Eに関連して上述したプロセスと類似している。
【0040】
図3Bは、基板102の上で保護層114が施されることを示していて、これは図1Fに関連して上述したプロセスと類似している。
【0041】
図3Cは、保護層114によって覆われていない領域がエッチングされていることを示していて、これは図1Gに関連して上述したプロセスと同様である。エッチングの結果として、半導体構造108が除去される。加えて、半導体構造108の上に位置する接着層112の一部も除去される。
【0042】
いくつかの実施形態では、図3Cに示した半導体基板が、図1H及び1Iに関連して上述したように更に処理される。例えば、保護層114及び接着層112が除去され、半導体構造106が図1Iに示された半導体基板を得るために平坦化される。
【0043】
図4A〜4Cは、いくつかの実施形態による、半導体基板の部分断面図である。
【0044】
図4A〜4Cに示されたプロセスは、半導体構造108(例えば、粒子)が分離したままであることを除いて、図2A〜2Cに示されたプロセスと同様である。
【0045】
図4Aは、半導体構造108が集団となる前に、半導体構造106の上に保護層114が直接施されることを示す。
【0046】
図4Bは、保護層114によって覆われていない領域がエッチングされていることを示していて、これは図2Bに関連して上述したプロセスと同様である。エッチングの結果として、半導体構造108が除去される。
【0047】
図4Cは、保護層114が除去されることを示していて、これは図2Cに関連して上述したプロセスと同様である。その後に、半導体構造106を、図1Iに関連して上述したように、平坦化することができる。
【0048】
図5A〜5Eは、いくつかの実施形態による、半導体基板の部分断面図である。
【0049】
図5A〜5Eは、単一の半導体基板の上に複数の半導体構造(例えば、ゲルマニウムアイランド)を形成する際に、図1A〜1Iに示されたプロセスが実行可能であることを明らかにする。
【0050】
図5Aは、半導体構造106がエピタキシャル成長し、半導体構造108がマスク層104の上に形成されることを示す。
【0051】
図5Bは、半導体構造108を露出させた状態で、半導体構造106の上に保護層114が施されることを示す。
【0052】
図5Cは、半導体構造108がエッチングによって除去されることを示す。
【0053】
図5Dは、保護層114が除去されることを示す。
【0054】
図5Eは、半導体構造106が(例えば、CMPプロセスを用いて)平坦化されることを示す。
【0055】
図1A〜1I、2A〜2C、3A〜3C及び4A〜4Cに関連して説明されているいくつかの特徴を、図5A〜5Eに示されたプロセスに類似的に適用することができる。例えば、半導体構造106の上で保護層114が施される(又は形成される)前に、半導体構造106の上で接着層112が施されることができる。簡潔にするために、そのような細部は、本明細書において繰り返されない。
【0056】
図6A〜6Bは、いくつかの実施形態による、半導体基板の部分断面図である。
【0057】
図6Aは、ソース/ドレイン602及びゲート604を備える相補型金属酸化物半導体(CMOS)デバイスを基板102が含むことを示す。図6Aにおいて、基板102の上にマスク層606(例えば、二酸化ケイ素)が形成される。いくつかの実施形態では、マスク層606は、その上にゲルマニウム層を成長させるために、少なくとも2μm厚の二酸化ケイ素を含む。二酸化ケイ素の厚さは、エピタキシャル成長したゲルマニウムの結晶性の品質を高めるように見出された。
【0058】
図6Bは、半導体構造608(例えば、ゲルマニウム)が、図1A〜1I、2A〜2C、3A〜3C、4A〜4C及び5A〜5Eに関連して上述されたプロセスを用いて形成されることを示す。
【0059】
図7A〜7Cは、いくつかの実施形態による、選択エピタキシャル成長プロセス中に形成された核を除去するための方法700を示す流れ図である。
【0060】
方法700は、一つ又は複数のマスク層が付いた基板(例えば、シリコン基板)(例えば、図1Bのマスク層104が付いた基板102)の上で、第1グループの一つ又は複数の半導体構造(例えば、図1Bの半導体構造106)をエピタキシャル成長させることを含む(702)。一つ又は複数のマスク層の上に、第2グループの複数の半導体構造(例えば、図1Bの半導体構造108)が形成される。いくつかの実施形態では、第2グループの複数の半導体構造は、第1グループの一つ又は複数の半導体構造をエピタキシャル成長させるのと同時に形成される。いくつかの実施形態では、第1グループの一つ又は複数の半導体構造のうちの第1の半導体構造は、第2グループの複数の半導体構造のうちの第2の半導体構造よりも大きい。いくつかの実施形態では、一つ又は複数の半導体構造は、ホモエピタキシャル成長する。いくつかの実施形態では、一つ又は複数の半導体構造は、ヘテロエピタキシャル成長する。
【0061】
いくつかの実施形態では、第1グループの一つ又は複数の半導体構造は、単一のエピタキシャル成長プロセスにおいて形成される(704)。例えば、図1B〜1Cでは、半導体構造106が単一のエピタキシャル成長プロセスにおいて形成される(例えば、半導体構造106の一部をエピタキシャル成長させて半導体構造106の一部をエッチングして半導体構造106の更なる一部をエピタキシャル成長させるのではない)。
【0062】
いくつかの実施形態では、方法700は、一つ又は複数のマスク層が付いた基板の上に第1グループの一つ又は複数の半導体構造(例えば、図1Cの半導体構造106)をエピタキシャル成長させながら、一つ又は複数のマスク層(例えば、図1Cのマスク層104)の上に複数の半導体粒子(例えば、図1Cの半導体構造108)を形成することを含む(706)。いくつかの実施形態では、第2グループの複数の半導体構造は、複数の半導体粒子を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、第2グループの複数の半導体構造は、一つ又は複数のマスク層の上の半導体膜(例えば、図1Dの半導体膜110)を含む(708)。いくつかの実施形態では、第2グループの複数の半導体構造は、一つ又は複数のマスク層の上の一つ又は複数の半導体膜を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、第1グループの一つ又は複数の半導体構造は、IV族材料(例えば、シリコン、ゲルマニウム、SiGe、等)を含む(710)。いくつかの実施形態では、第1グループの一つ又は複数の半導体構造は、一つ又は複数のIII−V族材料(例えば、GaAs、InGaAs、等)を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、第1グループの一つ又は複数の半導体構造は、ゲルマニウムを含む(712)。
【0066】
いくつかの実施形態では、基板の、一つ又は複数のマスク層から露出されている(例えば、一つ又は複数のマスク層によって覆われていない)一つ又は複数の領域の上に、第1グループの一つ又は複数の半導体構造が形成される(714)。例えば、図5Aでは、半導体構造106は、マスク層104から露出されている基板の領域の上に形成される。
【0067】
いくつかの実施形態では、第1グループの一つ又は複数の半導体構造は結晶構造を有し、第2グループの複数の半導体構造はアモルファス及び/又は多結晶構造を有する(716)。例えば、第1グループの一つ又は複数の半導体構造(例えば、ゲルマニウムアイランド)が一つの結晶構造を有し、第2グループの半導体構造がアモルファス及び/又は多結晶構造を有することを示す図8Aを参照されたい。
【0068】
いくつかの実施形態では、一つ又は複数のマスク層は、絶縁体材料を含む(718)。
【0069】
いくつかの実施形態では、一つ又は複数のマスク層は、二酸化ケイ素を含む(720)。
【0070】
方法700は、第1グループの一つ又は複数の半導体構造の上で一つ又は複数の保護層(例えば、一つ又は複数のフォトレジスト層などの図1Fの保護層114)を形成することも含む(722、図7B)。第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分は、一つ又は複数の保護層から露出されている。例えば、図1Fにおいて、膜110は、保護層114から露出されている。いくつかの実施形態では、一つ又は複数の保護層は、第1グループの一つ又は複数の半導体構造と直接接触している(例えば、図2A)。いくつかの実施形態では、一つ又は複数の中間層(例えば、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)又は低温熱酸化物などの、一つ又は複数の接着層)が、第1グループの一つ又は複数の半導体構造と一つ又は複数の保護層との間に位置する(例えば、図1F)。
【0071】
いくつかの実施形態では、方法700は、第1グループの一つ又は複数の半導体構造の上で一つ又は複数の保護層が形成される前に、第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分のエッチングを先に行うことを含む(724)。例えば、いくつかの実施形態では、一つ又は複数の半導体構造をエッチングプロセスから保護するために一つ又は複数の半導体構造の上で一つ又は複数の保護層が形成された後でないと、第2グループの複数の半導体構造はエッチングされない。
【0072】
いくつかの実施形態では、方法700は、基板の上で第1グループの一つ又は複数の半導体構造のエピタキシャル成長を開始した後に、第1グループの一つ又は複数の半導体構造の上で一つ又は複数の保護層が形成されるまで、第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分のエッチングを先に行うことを含む(726)。例えば、第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分のエッチングが、第1グループの一つ又は複数の半導体構造のエピタキシャル成長中に先に行われる。いくつかの実施形態では、複数の半導体構造の少なくとも一部分のエッチングは、基板の上で第1グループの一つ又は複数の半導体構造のエピタキシャル成長を開始した後に、且つ一つ又は複数の半導体構造の上で一つ又は複数の保護層を形成する前に、先に行われる。
【0073】
いくつかの実施形態では、一つ又は複数の保護層は、一つ又は複数のフォトレジスト層を含む(728)。いくつかの実施形態では、一つ又は複数の保護層は、一つ又は複数のフォトレジスト層である。
【0074】
いくつかの実施形態では、方法700は、一つ又は複数の保護層を形成する前に、少なくとも第1グループの一つ又は複数の半導体構造の上で一つ又は複数の接着層を堆積することを含む(730)。例えば、図1E〜1Fに示されるように、保護層114が施される前に、半導体構造106の上で接着層112が施される。いくつかの実施形態では、少なくとも第1グループの一つ又は複数の半導体構造の上に、一つ又は複数の接着層が堆積される。
【0075】
いくつかの実施形態では、一つ又は複数の接着層は、ヘキサメチルジシラザン及び/又は低温熱酸化物を含む(732)。
【0076】
いくつかの実施形態では、本方法は、第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分のエッチングの後に、一つ又は複数の接着層を除去することを含む。いくつかの実施形態では、一つ又は複数の保護層及び一つ又は複数の接着層が、同時に除去される。いくつかの実施形態では、一つ又は複数の接着層の除去の後に、一つ又は複数の保護層が除去される。
【0077】
いくつかの実施形態では、基板はシリコンを含む。いくつかの実施形態では、基板はシリコン基板である。
【0078】
いくつかの実施形態では、基板は、その上に複数の半導体デバイスを含む(734)(例えば、図6A〜6B)。例えば、基板は、第1グループの一つ又は複数の半導体構造をエピタキシャル成長させる前に、複数のトランジスタを含んでいてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、基板は複数のトランジスタを含み、第1グループの一つ又は複数の半導体構造のうちの一つの半導体構造が、複数のトランジスタのうちの一つのトランジスタのソース又はドレインに電気的に結合される。
【0080】
いくつかの実施形態では、基板は、その上に複数の相補型金属酸化物半導体(CMOS)デバイスを含む(736)(例えば、図6A〜6B)。
【0081】
いくつかの実施形態では、基板は、その上に、p型金属酸化物半導体トランジスタ及びn型金属酸化物半導体トランジスタを含む複数の相補型金属酸化物半導体デバイスを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第1グループの一つ又は複数の半導体構造のうちの第1の半導体構造を、p型金属酸化物半導体トランジスタ及びn型金属酸化物半導体トランジスタのうちの一つのソース又はドレインに電気的に結合することを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、複数の半導体デバイスは、基板の上で一つ又は複数のマスク層の下に位置する(738)。例えば、図6A〜6Bでは、半導体デバイス(例えば、トランジスタ)が、マスク層606の下に位置する。いくつかの実施形態では、複数の半導体デバイスは、基板のラインのフロントエンド(FEOL)領域に位置する。
【0083】
方法700は、第1グループの一つ又は複数の半導体構造の上で一つ又は複数の保護層を形成した後に、第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分をエッチングすることを更に含む(740、図7C)。例えば、図1F〜1Gにおいて、膜110がエッチングプロセスにより除去される。いくつかの実施形態では、複数の半導体構造の少なくとも一部分であって一つ又は複数のフォトレジスト層から露出されている部分が、完全にエッチングされる(例えば、除去される)。いくつかの実施形態では、複数の半導体構造の少なくとも一部分であって一つ又は複数のフォトレジスト層から露出されている部分が、少なくとも部分的にエッチングされる(例えば、除去される)。いくつかの実施形態では、複数の半導体構造の少なくとも一部分であって一つ又は複数のフォトレジスト層から露出されている部分のうちの一つ又は複数の半導体構造が、エッチングされる(例えば、除去される)。いくつかの実施形態では、一つ又は複数のマスク層の上に形成された第2グループの複数の半導体構造の全てが、エッチングされる(例えば、除去される)。
【0084】
いくつかの実施形態では、本方法は、第2グループの複数の半導体構造の一部分であって一つ又は複数の保護層から露出されている部分の全てをエッチングすることを含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、方法700は、第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分をエッチングした後に、一つ又は複数の保護層を除去すること(例えば、図1H)、及び/又は、(例えば、化学機械平坦化を用いて)第1グループの一つ又は複数の半導体構造の少なくとも一部分を平坦化すること、を含む(742)。いくつかの実施形態では、方法700は、第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分をエッチングした後に、一つ又は複数の保護層を除去することを含む。いくつかの実施形態では、方法700は、第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分をエッチングした後に、第1グループの一つ又は複数の半導体構造の少なくとも一部分を平坦化することを含む。例えば、図1Iにおいて、半導体構造106が平坦化される。
【0086】
いくつかの実施形態では、第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分をエッチングすることは、第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分を第1の速度でエッチングすることと、一つ又は複数のマスク層を第1の速度より低い第2の速度でエッチングすることと、を含む(744)。例えば、図1F〜1Gでは、膜110がマスク層104及び保護層114よりも速くエッチングされる。いくつかの実施形態では、第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分をエッチングすることは、一つ又は複数のマスク層をエッチングすることなく第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分をエッチングすることを含む。いくつかの実施形態では、図1Fに示された膜110がエッチングされる一方でマスク層104及び保護層114はエッチングされない。
【0087】
いくつかの実施形態では、第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分をエッチングすることは、一つ又は複数のマスク層のエッチングを先に行うことを含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分をエッチングすることは、第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分を第1の速度でエッチングすることと、第1グループの一つ又は複数の半導体構造の少なくとも一部分を第1の速度より低い第3の速度でエッチングすることと、を含む(744)。例えば、図1F〜1Gでは、膜110が半導体構造106よりも速くエッチングされる。いくつかの実施形態では、第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分をエッチングすることは、第1グループの一つ又は複数の半導体構造をエッチングすることなく第2グループの複数の半導体構造の少なくとも一部分をエッチングすることを含む。いくつかの実施形態では、図1Fに示された膜110がエッチングされる一方で(例えば、半導体構造106は保護層114によって保護されるので)半導体構造106はエッチングされない。
【0089】
図7A〜7Cに関連して説明された方法700のいくつかの特徴は、図1A〜1I、2A〜2C、3A〜3C、4A〜4C、5A〜5E及び6A〜6Bに示されたプロセスに適用され得る。簡潔にするために、これらの詳細は繰り返されない。
【0090】
図8A〜8Bは、いくつかの実施形態による、エッチングプロセス前の半導体基板の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
【0091】
図8A及び8Bに示されているのは、図1Cに対応する半導体基板を上から見下ろした図である。
【0092】
図8Aは、(エッチングプロセス前の)図1Cの半導体構造106に対応するゲルマニウムアイランドを示す。加えて、第2グループの半導体構造が、マスク層の上にゲルマニウムアイランドを囲んで形成される。
【0093】
図8Bは、半導体基板をズームアウトして示す図である。複数のゲルマニウムアイランドとマスク層の上に形成された第2グループの半導体構造とが、図8Bに示されている。
【0094】
図9A〜9Bは、いくつかの実施形態による、エッチングプロセス後の半導体基板の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
【0095】
図9Aは、(エッチングプロセス後の)図1Hの半導体構造106に対応するゲルマニウムアイランドを示す。図9Aは、マスク層の上にゲルマニウムアイランドを囲む第2グループの半導体構造が無いことを示す。
【0096】
図9Bは、半導体基板をズームアウトして示す図である。第2グループの半導体構造が無く、複数のゲルマニウムアイランドが図9Bに示されている。
【0097】
したがって、図9A〜9Bは、説明した方法の、一つ又は複数のマスク層の上に形成された第2グループの半導体構造の除去時における有効性を示す。
【0098】
説明の目的で上記の説明を、具体的な実施形態を参照して説明してきている。しかしながら、上記の例示的な検討は、網羅的でも、開示した厳密な形態に本発明を限定するものでもない。多くの修正形態及び変形形態が、上記の教示の観点において可能である。実施形態は、本発明の原理及びその実際的な応用を最も良く説明するために選択され説明されていて、これによって、当業者が本発明及び想定される特定の使用に適するような様々な修正形態を伴う様々な実施形態を上手く利用することを可能する。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
【国際調査報告】