特表2018-516462(P2018-516462A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-516462冷却が改善されたプリント回路基板を含む電子デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-516462(P2018-516462A)
(43)【公表日】2018年6月21日
(54)【発明の名称】冷却が改善されたプリント回路基板を含む電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20180525BHJP
【FI】
   H01L23/36 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-561883(P2017-561883)
(86)(22)【出願日】2016年5月12日
(85)【翻訳文提出日】2017年11月28日
(86)【国際出願番号】EP2016060693
(87)【国際公開番号】WO2016188762
(87)【国際公開日】20161201
(31)【優先権主張番号】1554836
(32)【優先日】2015年5月28日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】591007826
【氏名又は名称】イエフペ エネルジ ヌヴェル
【氏名又は名称原語表記】IFP ENERGIES NOUVELLES
(71)【出願人】
【識別番号】517357424
【氏名又は名称】マヴェル ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
【氏名又は名称原語表記】MAVEL S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】ディブ、 ヴィサム
(72)【発明者】
【氏名】アブデリ、 アフデニュール
(72)【発明者】
【氏名】ヴィダルナケ、 ファヴィアン
(72)【発明者】
【氏名】フランチェセッティ、 マルコ
(72)【発明者】
【氏名】チオノ、 デニー
(72)【発明者】
【氏名】ベットーニ、 ダヴィデ
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BA30
5F136BB02
5F136BB03
5F136DA27
5F136EA14
5F136FA03
5F136FA51
(57)【要約】
【課題】部品が大量の熱を放つときでさえそれらの部品を確実に冷却できるようにする電子デバイスを提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも1つの電力部品(14)と少なくとも1つの電力導電体(18)の一方または両方を含む少なくとも1つの部品を支持するプリント回路基板(12)を含む電子デバイス(10)であって、プリント回路基板(12)は、交互に位置する一連の絶縁層(22)および導電層(24)と、内部の導電性および熱伝導性の被覆(32)を支持するとともに基板を厚さ方向に貫通する穴(30、30’)と、基板用の冷却デバイス(34)と、を含む電子デバイス(10)に関する。本発明によると、穴の内側は、部品と冷却デバイス(34)との間の熱的なブリッジを作るように、熱伝導材料(44)で充填されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電力部品(14)と少なくとも1つの電力伝導体(18)の一方または両方を含む少なくとも1つの部品を支持するプリント回路基板(12)を含む電子デバイス(10)であって、前記プリント回路基板(12)は、交互に位置する一連の絶縁層(22)および導電層(24)と、内部の導電性および熱伝導性の被覆(32)を支持するとともに前記基板を厚さ方向に貫通する穴(30、30’)と、前記基板用の冷却デバイス(34)と、を含む電子デバイス(10)において、
前記穴の内側は、前記部品と前記冷却デバイス(34)との間の熱的なブリッジを作るように、熱伝導材料(44)で充填されていることを特徴とする、電子デバイス(10)。
【請求項2】
前記熱伝導材料は、前記部品を前記基板と連結する材料(40)であることを特徴とする、請求項1に記載の電子デバイス(10)。
【請求項3】
前記熱伝導材料はスズであることを特徴とする、請求項1または2に記載の電子デバイス(10)。
【請求項4】
前記基板は、前記基板の底層と前記冷却デバイス(34)との間に配置されたサーマルペースト(38)を支持することを特徴とする、請求項1に記載の電子デバイス(10)。
【請求項5】
前記穴は穴開け加工によって得られ、開けられた前記穴は、導電金属(32)の層で内面が被覆されて、熱伝導材料(44)で充填されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の電子デバイス(10)。
【請求項6】
前記穴は穴開け加工によって得られ、開けられた前記穴は、導電金属(32)の層で内面が被覆されて、サーマルペーストと熱伝導材料(44)とで充填されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の電子デバイス(10)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の電子デバイス(10)を含む電気機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持する部品の冷却を強化したプリント回路基板を含む電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスの一例はインバータであり、インバータは、バッテリによって一般的に供給されている直流電流を、モータのような電気機械に一般的に供給されるべき交流に変換することが可能である。
この動作を実行するために、このインバータは、通常、直流/交流変換の交番を実行する電力部品のセットと、測定結果を処理して電力部品のための制御論理を提供する信号部品のセットとを備えた様々な部品を含んでいる。
これらの部品は、通常、電気的な連結を可能にするとともに、これらの部品のための機械的な支持体として働くプリント回路基板に搭載されている。
しかしながら、そのようなプリント回路基板は、熱的な側面から非効率である。すなわち、電力部品の生じる熱を排出するのに不適切である。
【0003】
そのような基板を確実に冷却するために、後者は、欧州特許出願公開第2809135号明細書により良く記載されているように、交互に配置された一連の導電層および絶縁層と、上層に搭載された少なくとも1つの部品と、基板の部品用の冷却デバイスと、から構成されている。
この欧州特許出願に記載されている例では、この冷却デバイスは、基板の底層に配置されているフィンを備えたヒートシンクである。
部品とヒートシンクとの間で熱を確実に伝達するために、この基板には、熱伝導性金属の層で内面を被覆した穴(ウェル)が直角に貫通している。
これらの穴は、電子部品をヒートシンクに好適に連結して、これらの部品の生じる熱をヒートシンクに排出できるようにし、したがって、基板を確実に冷却する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2809135号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このデバイスは、熱の一部を排出できるようにするという理由で有利であるが、大量の熱を放散すべきときに不十分であると判明することがある。
本発明は、これらの部品が大量の熱を放つときでさえそれらの部品を確実に冷却できるようにする電子デバイスによって前述した欠点を軽減することを試みるものである。
さらにまた、本発明のデバイスは、プリント回路基板の作製のためとプリント回路基板に部品を搭載するために現在採用されている技術と実質的に同じ技術を用いている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本発明は、少なくとも1つの電力部品と少なくとも1つの電力伝導体の一方または両方を含む少なくとも1つの部品を支持するプリント回路基板を含む電子デバイスに関し、プリント回路基板は、交互に位置する一連の絶縁層および導電層と、内部の導電性および熱伝導性の被覆を支持するとともに基板を厚さ方向に貫通する穴と、基板用の冷却デバイスと、を含む電子デバイスにおいて、穴の内側は、部品と冷却デバイスとの間の熱的なブリッジを作るように、熱伝導材料で充填されていることを特徴とする。
熱伝導材料は、部品を基板と連結する材料であってよい。
熱伝導材料はスズであってよい。
基板は、基板の底層と冷却デバイスとの間に配置されたサーマルペーストを支持してもよい。
穴は、穴開け加工によって得られてもよく、導電金属の層で内面が被覆されて、熱伝導材料で充填されていてもよい。
穴は穴開け加工によって得られてもよく、導電金属の層で内面が被覆されて、サーマルペーストと熱伝導材料とで充填されていてもよい。
【0007】
本発明の他の特徴および利点は、例示するだけで限定するわけではない、以下の図面が添付される次の説明を読むことで、すぐに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】プリント回路基板の部分的な概略平面図である。
図2図1の2−2線に沿う概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、プリント回路基板12を含む電子デバイス10の一部分、ここでは、スイッチング回路、たとえばインバータを含むデバイスの一部分を示す。
このプリント回路基板12は、電力部品14およびその主要部16と、導電トラック20に好適に連結されることによって電力を受信または送信できる少なくとも1つの導電体18と、を備えた一連の部品を少なくとも支持している。
限定を意図しない例として、電力部品14は、たとえば、ソリッドステートスイッチ、MOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、抵抗などの電子部品である場合がある。
同様に、この部品は、いわゆる電力部品ではなくてプロセッサのような大きな熱を生じる部品である場合がある。
【0010】
図2には、プリント回路基板12は、一方を他方の上に積み重ねることによって互いに交互に位置する一連の絶縁層22および導電層24を含むことが好ましい。
これらの層は、当業者が利用可能な任意の公知の手段によって相互に連結されている。
絶縁層22は、電気的および熱的な絶縁材料、たとえばガラス繊維を含むことが好ましい。導電層24は、たとえば銅などの金属が好ましい電気的および熱的な伝導材料と、電気的および熱的な絶縁材料との混合物を含むことが有利である。
【0011】
基板12は、電力部品の主要部16を受け入れる取付ベース26をさらに含む。
この取付ベース26は、各導電層24のためのものであって各導電層と接触する、導電プレート28を含む。これらのプレートはすべて、同一の形態を有し、好ましくは積み重ねられていることが有利である。
基板は、取付ベース26と同じ高さに複数の穴(ウェル)30を含み、これらの穴は、層22、24の表面に対して実質的に直角で、プリント回路基板の厚さを直角に貫通し、互いに均等な間隔で離れて位置している。
これらの穴は、導電層24の導電プレート28と電気的および熱的な接触を実現できるようにしている。
そのために、これらの穴は、好ましくは銅などの導電層と同じ金属である導電金属32)の内面被覆を含む。
これらの穴は、プリント回路基板を厚さ方向に貫通する穴開け加工によって得ることが好ましい。こうして開けられたこれらの穴は、次に、中空の柱をこの穴の内側に残したままにしつつ、たとえば亜鉛めっき法によって、導電金属の薄層で内面が被覆されている。
【0012】
基板用の冷却デバイス34も、この基板によって支持されている。第一に、このデバイスは、基板の底層に配置されており、基板の部品の生じる熱を外部媒体、ここでは空気によって排出できるようにしている。
このデバイスは、サーマルペーストのような硬化性の材料38を介して穴30の底端36に接触しているフィン34を備えたヒートシンクであることが有利である。このペーストは、展性を有しており、基板の底層とそれに対向するヒートシンクの壁との間に、穴の内面の導電被覆と接触して配置されている。その配置後に、ペーストは固化して、その後に、基板とヒートシンクの間の剛性連結と、穴との熱的な接続とを確実にする。
【0013】
図2からわかるように、電力部品14の本体16は、スズのようなそれ自体が公知の材料の連結層40を介して取付ベース26に接続されることが有利である。
ベースとの接続に加えて、この材料は、熱伝導性も有しており、穴の上端42および穴30の内部の被覆との熱的な接続を実現できるようにしている。
【0014】
図2により良く示されているように、穴の内側の中空の柱は、2つの端部36、42の間において熱伝導材料44で充填されている。第一に、この材料は、ここではスズである連結層の材料からのものである。このように、接続作業の間に、穴の2つの端部の間の中空の柱が完全に充填されるまで、スズは穴の中空の柱の中に流れ込む。
これにより、部品14をベースに接続することと、穴の内側を充填することとをいずれも実現することが可能になる。
したがって、熱的なブリッジが、部品14と冷却ヒートシンク34との間に、穴30の内側の材料(銅およびスズ)とサーマルペースト38とを介して作られる。
そのために、基板の熱伝導性は、従来技術の基板の熱伝導性よりも約50%だけ高くなる。
【0015】
留意すべきことは、サーマルペーストを用いることで、1つまたは複数の穴の底端にスズが到達しないときにスズとヒートシンクの間の熱的な確実な接触を可能にすることである。実際に、穴の充填作業の後であって、当初は展性を有するサーマルペーストの配置の間に、後者は、スズに接触するまで穴の中に浸入する。この接触は、その後に穴とヒートシンクの間の熱の確実な移動を可能にする。
【0016】
図1の導電トラック20が、内部に銅系被覆が設けられた多数の穴30’によってヒートシンクに連結されることは自明であって、本発明の範囲から逸脱することはない。導電体18との接合領域では、これらの穴の内側は熱伝導材料で充填されている。この材料は、導電体とトラックとの間の連結を確実にするために用いられるスズであることが有利である。
【0017】
第一に、トラックでジュール効果により生じた熱の、冷却デバイス34への熱伝導を確実にするように、トラック20に対向している穴30’は熱伝導材料、ここではスズで充填される。
図1
図2
【国際調査報告】