特表2018-516820(P2018-516820A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-516820(P2018-516820A)
(43)【公表日】2018年6月28日
(54)【発明の名称】再閉鎖可能フラップ装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/24 20060101AFI20180601BHJP
【FI】
   B65D33/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-516644(P2018-516644)
(86)(22)【出願日】2016年6月13日
(85)【翻訳文提出日】2018年2月8日
(86)【国際出願番号】GB2016051752
(87)【国際公開番号】WO2016198905
(87)【国際公開日】20161215
(31)【優先権主張番号】1510378.1
(32)【優先日】2015年6月12日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1522698.8
(32)【優先日】2015年12月22日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517434596
【氏名又は名称】オーピーエム・アドバンス・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】OPM ADVANCE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】イアン・デイビット・マイケル・ベル
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ジョン・エリソン
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA09
3E064EA04
3E064FA01
3E064HA06
3E064HM01
3E064HN04
(57)【要約】
パッケージに適用する又はパッケージに取り入れるためのシート状再シール可能フラップ装置は、可撓性材料のベース層30と、剛性材料の上部層40とを備える。このシートは、フラップ部14の輪郭を描くように両方の層を通じて切断(15)され、この切断により、ヒンジ領域18に縁部が残り、その上層はヒンジ領域18のラインの後ろで除去される。このようにして、可撓性のベース層は、取り扱いが容易で、かつ、跳ね返ることのないヒンジ18を形成すると共に、剛性の上層はフラップの形状を保持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ(100)に適用される又はパッケージに取り入れるためのシート状の再シール可能フラップ装置であって、
・下面に接着剤層(80)を有する、可撓性材料の下層(30)と、
・該下層に結合した、剛性材料の上層と
を備え、
該シートは、フラップ部(14)の輪郭を描くように両方の層を介して切断(15)されており、該切断により、該フラップの後部にあるヒンジ領域(18)には縁部がそのまま残っており、該ヒンジ領域(18)の後側には該フラップ装置の後部領域(25)があり;
該フラップ部の該上層は、該ヒンジ領域(18)のラインを越えて該後部領域(25)には存在してない、再シール可能フラップ装置。
【請求項2】
前記切断部(15)は、前記フラップ部(14)の周りに少なくともその2つの側部でフレーム(12)を形成する、請求項1に記載の再シール可能フラップ装置。
【請求項3】
前記フレーム(12)は、前記ヒンジ領域(18)のラインを越えて後方に所定の距離にわたって延在するが、前記下層(30)の縁部までには延在していない、請求項2に記載の再シール可能フラップ装置。
【請求項4】
前記切断部(15)を中断し、前記フラップ部(14)を前記フレーム(12)に接続する2つのタイ部(16)をさらに備える、請求項2又は3に記載の再シール可能フラップ装置。
【請求項5】
前記切断部(15)は、前記ヒンジ領域(18)のラインを後方に越えて前記ベース層(30)に連続している、請求項1〜4のいずれかに記載の再シール可能フラップ装置。
【請求項6】
前記連続する切断部は、前記フラップが開かれたときに前記下層の不要な裂けを防止するように前記フラップ装置の側方に向かって湾曲(17)している、請求項5に記載の再シール可能フラップ装置。
【請求項7】
前記下層(30)は、前記ヒンジ領域(18)のラインにわたって前後に連続している、請求項1〜6のいずれかに記載の再シール可能フラップ装置。
【請求項8】
前記フラップ部(14)は、前記ヒンジ領域(18)に対向するその前端に、該フラップ部の把持及び開放を容易にするためのタブ(20)を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の再シール可能フラップ装置。
【請求項9】
前記下層(30)がPETからなり、厚さが40〜60μmであり、前記上層(40)がPPEからなり、厚さが150〜200μmであり、及び/又は該上層が該下層の少なくとも2倍の剛性を有する、請求項1〜8のいずれかに記載の再シール可能フラップ装置。
【請求項10】
前記ベース層(30)は後方に続きかつ前記上層(40)の別の部分によって画定される第2フラップ部(14’)を組み入れており、該第2フラップ部(14’)は、前記フラップ装置が製品に固定されたときに該製品を吊り下げることができるスロットを有する、請求項1〜9のいずれかに記載の再シール可能フラップ装置。
【請求項11】
パッケージに適用する又はパッケージに取り入れるためのシート状再シール可能フラップ装置であって、可撓性材料の層を備え、該層は、フラップ部(14)の輪郭を描くように切断されているが、ヒンジ領域(18)には切断されていない縁部が残っており;
該層は、後方に続き、かつ、第2ヒンジ領域(18’)と、フラップ装置が製品に固定されたときに該製品を吊るすことができるスロット(52)とを有する第2フラップ部(14’)を組み入れている、再シール可能フラップ装置。
【請求項12】
前記層の構成が、2つの層、すなわち可撓性下層(30)と剛性上層(40)とを備え、該剛性上層が前記2つのヒンジ領域間の領域(25)には存在しない、請求項11に記載の再シール可能フラップ装置。
【請求項13】
製品を取り出し又は挿入するための穴(102)を有する容器を備えるパッケージであって、該穴は、請求項1〜9のいずれかに記載の再シール可能フラップ装置によって覆われているパッケージ。
【請求項14】
パッケージ(100)に適用する又は組み入れるためのシート状再シール可能フラップ装置の製造方法であって、次の工程:
下側に接着剤層(80)を有する可撓性材料の下層(30)を準備し、
剛性材料の上層(40)を該下層に結合させ、
ヒンジ領域(18)が形成されるべき領域における上層(40)の部分(25’)を除去し、及び
フラップ部(14)の輪郭を描くように両方の層を切断し、該切断により、該フラップの後部のヒンジ領域(18)内に縁部をそのまま残し、該ヒンジ領域の後ろには該フラップ装置の後部領域(25)があること
を含む方法。
【請求項15】
添付図面を参照して実質的に上記記載した装置、パッケージ又は方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、湿った拭き取り用品(「ウエットワイプ」)のパケットに使用されるような再閉鎖可能又は再シール可能フラップに関する。これらのパケットは、使用時でない場合にパッケージを密封することによってワイプの湿気を保持するが、フラップを容易に開閉して1枚以上のワイプを取り出すことができるパッケージ材の穴にアクセスすることが可能になるように設計されている。この目的のために、フラップは、一般に、その下面の外側部分に沿って、上記穴を取り囲むパッケージの壁部又はフィルムに粘着する一方で使用者がフラップをパッケージフィルムから引き離すことができる粘着剤を有する。フラップの一方の縁部は、一般に、ヒンジとして機能するようにパッケージに永続的に貼り付けられている。
【背景技術】
【0002】
このようなフラップの望ましい特徴の一つは、開放されると自重下に置かれ、その結果、開口から離れて折り畳まれ、ワイプを取り出すのを妨害しないことである。信頼性のあるヒンジを提供することを目的とする設計が欧州特許出願公開第2202176号(Prime Label&Screen社)に示されている。この場合、再シール可能なラベルフラップは、矩形状の2つの主要な層、すなわち、厚いベース層28と最上層30とから構成される。実際には、例えば、再シール可能な接着剤の適用を容易にするために、ベース層自体を2以上の層から構成することができる。この矩形体をその円周内側の3つの縁部の周りで切断してフラップ部分を形成し、第4の縁部がヒンジとなる。このヒンジは、上層ではなく下層をスリットすることによって構成されているため、フラップ部分は、スリットを橋渡しする上層の周りをちょうつがい式に動く。切断部の外側の矩形体の領域は、パッケージに固着したままのフレームを形成する。
【0003】
実際には、フラップ部分の輪郭を画定するように両方の層を介して後の切断を行った後にアセンブリを取り扱うことは容易ではない。本発明は、製造が容易で信頼性の高いフラップを提供することを目的とする。
【0004】
複合層を使用し、かつ、使用者がワイプを取りだそうとする間にフラップが開口部を覆うように不必要に戻るという問題を解決しようとする別の構成が、Unicharm CorporationによるWO2011/003068号に示されている。フラップは、2つの主要層、すなわち、厚い層とその上の薄い層とによって形成され、この薄い層は、下層の一方側を越えて延在し、かつ、強力な接着剤によってパッケージに固定される。この構造は、フラップが戻る問題を解決しないように思われる。というのは、上層には、その横方向の大部分にわたって横方向スリットが形成され、それによって復元力が弱められるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2202176号
【特許文献2】国際公開第2011/003068号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一態様では請求項1に規定され、かつ、概して、パッケージに適用される又はパッケージに取り入れるためのシート状の再シール可能フラップ装置であって、
・可撓性材料のベース層又は下層と、
・剛性材料の上層と
を備え、該ベース層及び上層はそれぞれ下面に接着剤の層を有し、該上層の接着剤は該上層を該下層に結合し;
該シートは、フラップ部の輪郭を描くように両方の層を介して切断されているが、ヒンジ領域には切断されていない縁部が残っており;
該フラップ部の該上層は、該ヒンジ領域のラインを越えて該シートの外側部分には存在してない、フラップ装置に関する。
【0007】
ヒンジラインの後ろにあるフラップ部の領域は、単一の下層のみを有するため、そのラインでの下層又はその近傍にある下層は、ヤング率の観点から、2層の複合体よりも剛性が極めて低い(例えば2〜10倍)所望のヒンジを形成する。
【0008】
一般に、フレーム部分(すなわち、フラップ部を取り囲む外側領域)の上層は、ほぼヒンジに沿って終端しているが、安定性を高めるためにそれを越えて多少延在していてもよい。
【0009】
使用者がフラップを持ち上げやすくするために、ヒンジから遠いフラップ部の端部に通常の方法でタブを形成することができる。好ましくは、タブの下側には接着剤が存在せず、又は存在する接着剤が覆われている若しくは中和されているが、フラップ部の残部は、一般に、パッケージに再シール可能に粘着する粘着剤を有する。
【0010】
下層は、厚さ約50μmのポリプロピレン(PP)などの剛性であるが可撓性の重合体から構成でき、上層は、同一の材料又は好ましくはポリスチレン(PS)やPETなどの異なる材料から構成され、好ましくは厚さとして少なくとも2倍又は3倍、好ましくは少なくとも150μmの厚さである。これら2つのものは、アクリル系接着剤などの適切な接着剤を使用して積層され、ベース層の下の再閉鎖接着剤は、この目的のための通常の接着剤となることができる。
【0011】
フラップは、略矩形、丸形、楕円形、卵形又はオジーブ形とすることができるが、ヒンジは一般に直線である。フラップの「南北」方向、すなわちフラップが開閉する平面内の方向を「長手」方向といい、フラップの平面内の垂直方向(閉じたとき)を「横方向」という。フラップの「前部」は、フラップを開くために使用者がつまみあげる縁部又は端部である。
【0012】
さらなる態様では、パッケージに適用する又はパッケージに取り入れるためのシート状再シール可能フラップ装置は、可撓性材料の層を備え、該層は、フラップ部の輪郭を描くように切断されているが、ヒンジ領域には切断されていない縁部が残っており;
該層は、後方に続き、かつ、フラップ装置が製品に固定されたときに該製品を吊るすことができるスロットを有する第2フラップ部を組み入れている。
【0013】
この装置は、上層の一部を選択的に除去してヒンジ領域を形成することによって上部層を形成することができるため、製造が容易である。これは、例えば、上層のみを切断し、その後上層の不要な部分を除去することによって行うことができる。さらに、ベース層と上層との間の所定の領域における付着を防止するためにブロッキング剤を印刷することが有用な場合がある。また、積層体の上面は完全には平滑でないが(ヒンジの基部には最上層が局所的に存在しないため)、これは実用的(又は審美的)な困難性を与えず、また、フラップ装置自体の製造を妨げず、又はパックに適用されるときに組立を妨害しない。
【0014】
なお、上層及び/又は下層は、例えば、装置を着色又は陰影付けする目的や、説明書又は広告材料などのロゴ、グラフィックその他の印刷物を塗布する目的で、その上に印刷がされていてもよい。
【0015】
印刷は、下層の上側と下側の一方若しくは両方、及び/又は上層の上側と下側の一方若しくは両方に適用できる。接着剤を層に塗布する前に印刷を適用することができ、この場合には、印刷の存在は、典型的には、該層と別の表面との後の結合に悪影響を及ぼさない。
あるいは、接着剤の層を表面に塗布した後に、上層又は下層の表面の領域の全て又は選択された部分に印刷を適用することができる。接着剤上の印刷層の存在は、その領域における接着剤がその後印刷領域と接触することになる表面に層を付着する可能性を本質的に低減させ又は実質的に完全に阻害する。
【0016】
この特徴は、いくつかの実施形態において有用な場合がある。例えば、ヒンジから離れたフラップ部の端部にタブが形成された実施形態では、使用者が上記のようにフラップを持ち上げやすくするように、下層をパッケージに接着させるために下層の下面に塗布された接着剤は、タブがパッケージに粘着しないようにするためにタブの領域においてその上に印刷がされてもよい。
【0017】
なお、これに加えて又はその代わりに、接着剤をその層に塗布する前に下層の下面上に印刷をしてもよい。この場合、接着剤は、下層の印刷(及び任意の非印刷)領域を、装置が適用されるパッケージに結合させるのが典型的である。
【0018】
それに加えて又はその代わりに、下層の上面上に印刷をしてもよい。上面に印刷した後に下層の上面に接着剤の層を塗布する場合には、その後、下層に印刷が施された領域であっても上層を下層に結合させることができる。しかし、所定領域において上層と下層とを接着させたくない場合には、接着剤を上層の下面又は下層の上面に塗布した後に接着剤に印刷を施して、印刷領域における付着を防止することができる。
【0019】
上層と下層が両方とも透明である場合には、下層又は上層の下面上にある印刷材料は上層を通して視認することができ、また下層の下面に印刷する場合には下層を通して視認することができる。
【0020】
本願の範囲内において、前段落、特許請求の範囲及び/又は以下の説明及び図面に記載された様々な態様、実施形態、実施例及び変形例、特にそれらの個々の特徴は、独立して又は任意の組み合わせで得られることが明示的に意図される。すなわち、任意の実施形態の全ての実施形態及び/又は特徴は、このような特徴が矛盾しない限りにおいて、任意の方法及び/又は組み合わせで組み合わせることができる。出願人は、出願当初の請求項を、出願当初には特許請求されていなかった形式で任意の他の請求項から従属し及び/又はその特徴を加える補正をする権利を含めて、出願当初の請求項を変更し又はそれに応じて任意の新たな請求項を加える権利を留保する。
【0021】
誤解を避けるために、本発明の一態様に関して記載された特徴は、本発明の任意の他の態様内に単独で又は1以上の他の特徴と適切に組み合わせて包含され得ると解すべきである。
【0022】
ここで、本発明をさらによく理解するために、添付の図面を参照して実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、パッケージに適用される準備ができているフラップ装置のストリップの図である。
図2図2は、パッケージに適用されたときのフラップ装置の一部の断面図である。
図3図3は、フラップ装置の一部の開いた状態の断面図である。
図4図4は、パッケージに適用されたフラップ装置の三次元概略図であり、この装置は、フラップ部が、パッケージの内容物にアクセスすることが可能になる開いた(展開された)状態で示されている。
図5図5は、装置がパッケージを吊るすためのループを取り入れた別の実施形態である。
図6図6は、パッケージに適用されたフラップ装置をその展開構成の状態で示す。
図7図7は、実施形態の構成を示す一連の概略断面図である。
図8図8は、実施形態の層の平面分解図である。
図9図9は、典型的な製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明に係るフラップ装置又は「ラベルフラップ」の3つの異なるバージョンの、予定されるパッケージへの適用前の合成画像を示す。すなわち、ラベルフラップは依然として剥離層又はバッキング層2上に取り付けられている。これらは全て同一の基本特徴を有する。個々のラベルフラップ又はフラップ装置10は、剥離層1上に並べて配置されている。それぞれ略矩形であり、そこから、切断部15によりフラップ部14が切り出され、実際にはそれぞれ「マトンチョップ」形状の2つの部分から構成される周囲のフレーム12が残される。
【0025】
切断部は、フラップの後端部を長手方向、すなわちフラップが開閉する方向に形成するヒンジ18を残して、矩形体の3つの側部にわたってのみ延びている。ヒンジの反対側の側部又は前端部には、装置が使用されているときにタブ20として作用する突出ノーズがある。
【0026】
ラベルフラップは2つの主層の状態であるが、接着剤などの他の層も存在していてよい。図示されるように、ラベルフラップの全ての領域にわたって下層が存在すると共に、本発明に係るフラップ部の上層は、添付図面の上部領域においてヒンジの背後やヒンジを越えて存在することはなく、パッケージに取り付けられたままである単一層後方領域25を形成する。
【0027】
なお、各フラップのヒンジライン18は、積層材料を取り扱うロールの供給方向にある。知られているように、積層材料は、ロールから開放されると、ロールの円周方向にカールする傾向がある。いくつかの既知のタイプのフラップでは、これにより、開いたままではなく再閉鎖する傾向のあるフラップとなる場合がある。図示された設計にはこの欠点がない。さらに、この実施形態では、フラップは長いというよりも幅が広く、長手方向にカールする傾向をさらに低減することに留意されたい。
【0028】
この関係は、フラップ装置が剥離フィルムから除去されかつパッケージに適用された図2の非常に概略的な図から明らかである。図2は、図1のくの字線2−2に沿った断面を示す。ここでは、下部層30及び上部層40が見える。上部層40は一般的に厚く、この実施形態では175μmの厚さであり、PET製である。この材料は、優れた剛性特性を有する:すなわち、繰り返しの使用後にその平坦な形状を保持する。これは、45及び35で両方の層をそれぞれ貫通する切断部15のいずれかの側を含めて、PPから構成される50μmの厚さの下層30に対してその大部分にわたって付着する。ヒンジを越える領域には、下層30によって形成されるラベルフラップしか存在しない。これは、上層及び下層の両方からなる切り欠きフラップ部14が、より弱い単層ヒンジ領域18の周りを自由に枢動することを意味する。さらに、フラップは、いったん開かれると、パッケージに対して後方に横たわり、使用後に再び閉じることが容易であることが分かる。
【0029】
また、図2には、破線のみにより、ラベルフラップが適用されるパッケージの箔100も示されている。この目的のために、下層30は、その下側に接着剤の層を有する(図示せず)。図示されるように、フラップ14は、湿ったワイプその他の内容物が抜き取られるべき穴102を覆う一方で、ヒンジ18は穴の側部に至るまでの短い距離である。実際には、穴は、通常、パッケージの最初の使用時に使用者によって作られ、孔の輪郭は弱い穿孔によって画定され、これは、その後、図示されるように箔のフラップ部分への取り付けによって切断開封される。
【0030】
図3は、フラップ14が開いた状態にあり、フレーム12が所定に残ったフラップ装置10の断面図である。図面は同様に非常に概略的であり、実際の厚さを表すものではない。図4は、湿ったワイプを収容するパッケージの箔100に適用されたフラップを示す対応する三次元図である。パッケージの内容物には、パッケージの壁を形成する箔100に形成された穴又は開口102を通してアクセスされる。
【0031】
再度図1を参照すると、さらに有利な特徴が注目される。まず、フラップを画定する切断部15に沿った2つの箇所で切断部が中断されて小さなタイ16が形成されている。これらは、フラップアセンブリが剥離層から除去された後かつパッケージに適用される前に、フレーム及びフラップ部を共に保持する。しかしながら、これらのものは、フラップの最初の使用時にユーザが容易に壊すことができ、タンパーチェック機構としても機能する。
【0032】
第2に、両方の層を貫通してフラップ部14を形成する切断部15は、上層が終端する箇所を僅かに越える距離にわたって下層にも存在する。フラップの各側又はヒンジ18の各端部の近くでは、しっかりと湾曲した切断部17が連続し、フラップを形成する切断部後端で横方向の直線から始まって数mmの半径で湾曲していることがわかる。切断部は、まず後端(図の上)に向かい、次に側端に向かって外方向に向かい、次にタブ(前)端に向かってわずかに後退する。これは、「剥離破断」として知られており、その機能は、使用者がフラップ14を強く開きすぎた場合に、下層の裂けを止めることである。これらの状況では、裂け目が丸みを帯び、下層の後端にまで連続しない(フラップを完全に持ち上げる)。また、剥離破断構造には、下層のみの領域の短いストリップが持ち上げられ、ヒンジの柔軟性に寄与するという利点もある。
【0033】
使用時に、使用者は、接着剤を有しない又は接着剤の効果が無効になっているタブ20を把持し、それを引き上げる。この引張力は、下部層30とパッケージとの間の粘着力を克服するが、パッケージ内の打ち抜き孔によって画定される領域では克服せず、その代わりにフラップがその領域を持ち上げて穴102を形成する。フラップとフレームとの間のタイ16も破壊される。
【0034】
開放動作は、フラップが図1の太線で示された切断線全体に沿って持ち上げられるまで続く。ヒンジラインから離れて後方に向かう曲線は、フラップのヒンジ領域18を基材から持ち上げ、比較的大きな半径、すなわち層の厚さの数倍(少なくとも2倍)の半径を有する下層の材料のチューブを形成することができる。このチューブは図3の側面から見える。理論的には、切断部は最初の使用時に引き裂く切り込み線とすることができる。この大きな半径により、フラップの重量よりもはるかに小さい、非常に小さな復元力でフラップを後ろに寝かせることが可能になる。
【0035】
連続切断部17は、理論的には後端部に向かってまっすぐに戻ることができるが、フラップ装置全体にわたって裂ける危険性を軽減するために、上記のように湾曲している方がよい。曲線の長手方向の範囲は、フラップ本体の背後にあるフラップ装置の長手方向の範囲の3分の1〜2分の1であってもよい。
【0036】
積層フラップ装置を製造するために、下層は、ヒンジ/後部領域25にわたって適用された接着防止層を有する。このような防止層は、上層のタブ領域20の下側にも適用できる。次いで、接着剤が下層に広げられ、上層が下層に貼り付けられる。ヒンジライン(及びフレーム12の端部)に沿って最上層を介してのみ第1切断が行われ、得られた分離最上層(図1の最上部)の後部が除去される。その後、フラップ/フレームの形状は、剥離破断を伴って両方の層から切断される。準備が整ったら、フラップ装置をバッキングから除去し、パッケージに適用する。
【0037】
以下、図1に示す変形例を説明する。一番上の列は、基部(すなわち、ヒンジ18付近)で湾曲したフラップ部を示し、フレームは、フラップ部を取り囲むように短距離にわたって連続しているが、下層の縁部までは連続していない(実際には、湾曲した切断部17の後方範囲とほぼ同じ距離又はそれよりもわずかに長い距離)。中間の列は、フラップの基部が四角形である変形例を示しており、この基部に沿って剥離破断が始まる;したがって、下層の切断部は、ヒンジラインに沿って中心に向かっていくらか延在する。この実施形態では、第1列とは異なり、フレームは、下側層の後縁に向かってヒンジ18のラインを越えて連続しない。第3列では、湾曲した切断部15は、下層において上層の正方形の端部18を越えて連続しているため、ヒンジは、単層部25の所定の長手方向範囲にわたって分布していると言える。
【0038】
図5は、フラップ装置の後方領域25’が長手方向にさらに後方に延びて後方部分50を形成し、上層40の一部を保持することによって第2フラップ型領域14’が形成される変形例を示す。このフラップは、両方の層を通した同様の切断部15’によって画定され、引き裂き上部曲線17’及びヒンジ領域18’が、いわばパッケージフラップ14のそれらと背中合わせになっており、またこのフラップは、接着剤を有しないタブ20’を有する。このものは、フラップ本体14よりも幾分か寸詰まりの形状であり、さらに、フラップ部14’は横方向のスロット52を有する。「ユーロスロット」として知られているこのスロットは、閉鎖装置がパッケージに取り付けられたときに、そのパッケージを吊り下げるために使用される。吊り下げ部分に使用される上層は、フラップのために使用されるのと同じ層の一部である場合があるが、別々に形成されてもかまわない。もちろん、このスロットは異なる形状を有していてもよいし、単に穴やフックであってもよい。
【0039】
図6は、パッケージに適用されたラベルフラップの斜視図をフラップ14と吊り下げフラップ14’の両方が展開された状態で示す。これは、パッケージが使用時にどのように見えるかを示す。店舗では、フラップ14は閉鎖されているが、パッケージは吊り下げフラップ14’によって吊り下げられるであろう。
【0040】
本発明のさらなる態様によれば、この一体型吊り下げフラップは、ここに示されるのと同じ層構成を有する必要はなく、層が反転していてもよいし、部分的な切れ目や割れ目などによって1本以上のヒンジラインにわたって脆弱部分が形成されていてもよい。
【0041】
図7は、前述のように上層40及び下層30を示すいくつかの概略断面図を示すが、接着剤層80も示す。一方の接着層80がラベルフラップの上層と下層とを貼り合わせ、他方がラベルフラップをパッケージ100に貼り付ける。これらのものは、同一の又は異なる接着剤とすることができる。図7(a)及び(b)は、フラップ14の輪郭を形成する切断工程後にシリコーン剥離層110の存在によって可能になる、上部層30の部分25’を除去する製造工程を示す。これにより、フラップ14及び吊り下げフラップ14’のためのヒンジ領域を含めてラベルフラップの単層領域25が残る(パッケージ100も示されているが、これは製造プロセス中には実際には存在しないであろう)。また、タブ20及び20’の下にある接着剤キル層82も視認できる。図7(c)及び(d)は、使用時のラベルフラップの非展開又は展開状態を示す。
【0042】
図8は、図5の実施形態の、構成要素層に分離された平面図を示す。これは、シリコーン剥離層110が上層の切断され除去された部分25’の形状にどのように対応するかを示している。
【0043】
最後に、図9は、製造プロセスにおける典型的な一連の工程を示す。まず、バッキング層と下層とのロール(接着剤の層を有する)を送り出し、そして2つの層を分離する。下層に接着剤キル層82を適用する(工程S1)。次に、下層を裏材に再結合させ、積層体を裏返す(S2)。次いで、シリコーン剥離被膜110を、任意のロゴなどと共にベース層又は下層30上に印刷する(S3、S4)。次に、工程S5において、剛性最上層40を下層に積層する。ヒンジ/後部領域25を切り取って除去し、最後の印刷を適用する(S6、S7)。最後に、引裂ストップ17及びタブ20を含めてフラップ輪郭を切断する。その後、個々のフラップ装置を、適宜パッケージに適用することができる。
【0044】
説明した実施形態は、湿ったワイプが想定されているが、シーリングフラップを必要とする任意のパッケージングに適用できることが分かるであろう。
【0045】
本明細書の記載及び特許請求の範囲を通して、用語「含む(comprise)」及び「含有する(contain)」、及びこれらの用語の変形、例えば「含む(comprising)」及び「含有する(containing)」は、「…が挙げられるがこれに限定されない」を意味し、他の部分、添加剤、構成要素、整数又は工程を排除するものではない。
【0046】
本明細書の説明及び特許請求の範囲を通して、文脈上別段の要求がない限り、単数形は複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合には、文脈上別段の要求がない限り、本明細書は複数形のみならず単数形を考慮するものと解すべきである。
【0047】
本発明の特定の態様、実施形態又は実施例に関連して説明される特徴、整数、特性、化合物、化学的部分又は基は、それらと矛盾がない限り、本明細書に記載の他の態様、実施形態又は実施例に適用できると解すべきである。
【符号の説明】
【0048】
1 剥離層
10 フラップ装置
12 フレーム
14 フラップ部
15 切断部
16 タイ
18 ヒンジライン
20 タブ
30 下部層
40 上部層
52 スロット
102 穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】