(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-518611(P2018-518611A)
(43)【公表日】2018年7月12日
(54)【発明の名称】少なくとも1つの水平軸の周りを揺動する家具のリーフ用のヒンジ
(51)【国際特許分類】
E05D 3/12 20060101AFI20180615BHJP
E05F 3/20 20060101ALI20180615BHJP
E05D 7/12 20060101ALI20180615BHJP
【FI】
E05D3/12 Z
E05F3/20 Z
E05D7/12 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-556692(P2017-556692)
(86)(22)【出願日】2016年4月27日
(85)【翻訳文提出日】2017年10月27日
(86)【国際出願番号】EP2016059385
(87)【国際公開番号】WO2016174076
(87)【国際公開日】20161103
(31)【優先権主張番号】MI2015A000618
(32)【優先日】2015年4月30日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517220911
【氏名又は名称】アルトゥーロ・サリチェ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】ARTURO SALICE S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ルチアーノ・サリチェ
(57)【要約】
少なくとも1つの水平軸の周りを揺動する家具のリーフ用のヒンジ(1)であって、当該ヒンジは、家具の内部に適用されるように構成された支持体(2)と、一端部において支持体(2)に接続され、反対側の端部において、リーフに固定された固着要素(5)に接続されるように構成された少なくとも1つの回動レバー(4)と、を備える。少なくとも1つのレバー(4)は、支持体から離れている中間体(7)に回動するように適用されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの水平軸の周りを揺動する家具のリーフ用のヒンジ(1)であって、
家具の内部に適用されるように構成された支持体(2)と、
一端部において前記支持体(2)に接続され、反対側の端部において、リーフ(6)に固定された固着要素(5)に接続されるように構成された少なくとも1つの回動レバー(4)と、
を備える前記ヒンジ(1)において、
前記少なくとも1つのレバー(4)は、前記支持体(2)から離れている中間体(7)に回動するように適用されていることを特徴とする、ヒンジ。
【請求項2】
前記中間体(2)には、前記リーフの垂直調整用の調整手段(8)が設けられ、前記調整手段(8)は、前記中間体(7)が前記支持体(2)に収容されているとき、前記支持体(2)内に規定された座部(9)に係合するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のヒンジ。
【請求項3】
前記支持体(2)は、複数の誘導手段(10)を備え、
前記誘導手段(10)は、前記支持体(2)内において前記中間体(7)の誘導された摺動を可能にするように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のヒンジ。
【請求項4】
前記支持体(2)には、前記リーフを制動するための制動装置(12)が設けられていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のヒンジ。
【請求項5】
前記支持体(2)には、前記中間体の挿入用の端部の反対側の端部において、前記支持体(2)内において前記中間体(7)用の保持クリップ(13)が設けられていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のヒンジ。
【請求項6】
前記保持クリップ(13)は、前記支持体(2)によって移動可能であり、且つ前方方向において調整可能のように支持されていることを特徴とする、請求項5に記載のヒンジ。
【請求項7】
前記支持体(2)には、横方向の調整用の手段(14’)が設けられていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のヒンジ。
【請求項8】
前記固着要素(5)は、前記リーフの厚さ内に埋め込まれていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のヒンジ。
【請求項9】
前記中間体(7)は、回動中にリーフを支持するためのスプリング負荷作動手段(11)を収容していることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のヒンジ。
【請求項10】
前記支持体(2)は、逆U字型のように成形され、前記中間体(7)を収容するように構成されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載のヒンジ。
【請求項11】
前記支持体(2)は、管状の断面を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載のヒンジ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載のヒンジを取り付ける方法であって、
前記支持体(2)を家具に適用するステップと、
リーフ(6)に固着することによって、前記中間体(7)を対応するレバー(4)に固定するステップと、
対応する中間体(7)が前記リーフ(6)に固定された状態で、前記リーフ(6)を前記家具に適用し、前記中間体(7)を前記支持体(2)内において結合させるステップと、
を特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの水平軸の周りを揺動する(swing)家具のリーフ用のヒンジに関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、少なくとも1つの水平軸に沿って上向き又は下向きに開くことができる家具のリーフ用のヒンジに関する。
【背景技術】
【0003】
知られているように、家具の分野において、少なくとも1つの水平軸の周りで回動運動することによって、上方に引き上げて開くことができるリーフを有する家具が使用されている。
【0004】
このタイプのリーフは、引き上げシステムを規定するヒンジを介して家具の固定部分に接続される。当該ヒンジは、家具の固定部分に接続されている支持体と、支持体によって回動可能に支持され、且つ家具のリーフに固着されるように構成された少なくとも1つの引き上げレバーと、を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スプリング負荷作動装置が設けられ、当該スプリング負荷作動装置によって、開く又は閉じる回動動作中にリーフを支持することを可能にする。更に、調整システムが設けられる。これらの全てがヒンジを複雑にし、扱いづらいことが生じる。したがって、一般に、支持体及び引き上げレバーを、家具の側面に接続させる必要があり、リーフは、組み立ての最終段階でのみ引き上げレバーに接続される。
【0006】
特に、引き上げレバーは、リーフに固着されるべき端部に固定要素を有し、当該固定要素は、締結手段によってリーフの前に固定された固着要素に接続される。
【0007】
通常、このタイプのヒンジの組立(「ヒンジ」という用語は、引き上げる及び/又は家具のリーフを支持するためのシステムを構成する要素の全てを意味する)は、以下のステップによって実現される。
まず、ヒンジの支持体及び対応する引き上げレバーを家具の固定部分に固定する。テンプレートを用いて正しい位置に固定することが多い。
次に、固着要素をリーフに固定する。
最後に、リーフに取り付けられた固着要素を、予め支持体に固定された引き上げレバーの端部に設けられた別個の固定要素に係合させる。
【0008】
しかしながら、前記固定作業は、一定の難しさが伴う。特に大型のリーフには、組立のために二名の作業者が必要な場合が多い。二名の作業者は、リーフを支えることと、リーフの固着要素を家具の固定部分に既に固定された引き上げシステムのレバーにおける別個の固定要素に正確に係合させるために、リーフを必要な移動をさせることとを実行する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目標は、少なくとも1つの水平軸の周りを揺動する家具のリーフ用のヒンジを提供することであって、当該ヒンジは、組立が簡素化され、たとえリーフがかなりの大きさであっても、組立を一人で行うことができる。
【0010】
前記目標内において、本発明の1つの目的は、少なくとも1つの水平軸の周りを揺動する家具のリーフ用のヒンジを提供することであって、当該ヒンジは、上向き又は下向きに開くことができるリーフのために構成され、簡単かつ迅速に取り付けることができる。
【0011】
本発明の他の目的は、少なくとも1つの水平軸の周りを揺動する家具のリーフ用のヒンジを提供することであって、当該ヒンジは、信頼性が高く、容易かつ実用的に実施され、低コストである。
【0012】
この目的及び以下でより明らかになるこれら及び他の目的は、少なくとも1つの水平軸の周りを揺動する家具のリーフ用のヒンジによって達成される。当該ヒンジは、
家具の内部に適用されるように構成された支持体と、
一端部が前記支持体に接続され、反対側の端部において、リーフに固定された固着要素(5)に接続されるように構成された少なくとも1つの回動レバー(4)と、
を備えるヒンジであって、
前記少なくとも1つのレバーは、前記支持体から離れている中間体に回動するように適用されていることを特徴とするヒンジである。
【0013】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図面における限定されない例によって示される。本発明に係るヒンジの好ましいが限定的ではない実施形態の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】部分的に組み立てられた、本発明に係るヒンジの斜視図である。
【
図4】部分的に組み立てられた状態の本発明に係るヒンジの斜視図である。
【
図5】組み立てられた状態の本発明に係るヒンジのさらなる斜視図である。
【
図6】組み立てられた状態の本発明に係るヒンジの別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照すれば、全体的に参照符号1で示されている本発明に係る家具は、家具の固定部分3の内部に固定されるように構成された支持体2と、持ち上げるための少なくとも1つの回動レバー4と、を含む。回動レバー4は、引き上げレバー4に接続された連結要素5’によって、家具のリーフ6に適用された固着要素5に接続するように構成されている。
【0016】
本発明に係るヒンジは、中間体7を有し、当該中間体7は、支持体2と離れており、引き上げレバー4を回動するように支持する。
【0017】
実質に、つまり、本発明に係るヒンジは、中間体7を導入し、引き上げレバー4は、中間体7に適用されて回動する。リーフの位置を上下に調整するため、中間体7には、カムネジ8が設けられている。中間体7が支持体2に組み付けられたとき、カムネジは、支持体2の前端に形成された座部9に係合する。
【0018】
支持体2の内部には、複数の隆起(humps)又は抜き取った部分(drawn portions)10が設けられている。隆起又は抜き取った部分10は、中間体7を支持体2内に挿入するための誘導要素を構成している。
【0019】
支持体2は、好ましくは実質的に逆U字状のように成形される。しかしながら、異なる形状、例えば、管状の横断面を有する可能性も排除されない。
【0020】
中間体7は、回動運動中にリーフ6を支持することを可能にする弾性手段11を収容している。特に、ヒンジが上向きに開くことができるリーフを支持するように構成されている場合、弾性手段は、開く動作中にリーフを支持する必要な引き上げ力を提供するように成形及び配置される。一方、下向きに開くことができるリーフを支持するように構成される場合、弾性手段は、リーフを閉じるための力及び/又はリーフを開く動作を制御するための支持力を提供するように成形及び配置される。
【0021】
支持体2は、制動装置12を収容しており、制動装置12は、引き上げレバー4と相互作用し、リーフ6の水平軸の周りの回動運動を制動する。
【0022】
最後に、支持体2は、中間体7の挿入用の端部の反対側の後端において、クリップ13を収容している。中間体7が支持体2に挿入されたとき、クリップ13は、中間体7の端部15に結合する。
【0023】
クリップ13は、支持体2が本体2の長手延伸方向に沿って移動可能のように、支持体2に接続される。クリップ13の位置は、カムネジ14によって規定及び調整することができる。このように、前方方向においてリーフ6を調整することを可能にする。
【0024】
好適には、支持体2は、家具の壁と、家具の上面と、又は家具の水平中間平面と、又は家具の底面とによって画定された角に収容され、家具の側面又は家具の「頂部」に固定することができる。
【0025】
更に、好ましくは、支持体2は、リーフの位置を横方向において調整することを可能にするように横方向の調整手段を有する。例えば、支持体2は、2つの展開可能なプレートによって画定された側壁を有することができ、2つのプレートの展開は、調整ネジ14’を介して制御されるように規定される。
【0026】
本発明に係るヒンジを取り付ける方法は以下の通りである。
【0027】
まず、作業者は、支持体2を家具3の内部に接続し、次に、レバー4と一体の結合要素5’を固着要素5に接続させることによって中間体7及び対応するレバー4をリーフ6に接続する。固着要素5は、好ましくは、リーフ6の厚さ内に埋め込まれる。
【0028】
レバー4の結合要素5’と固着要素5との間の結合は、好ましくは、スナップフィット係合で行われる。
【0029】
このとき、作業者は、要素10の誘導を利用すれば、単独で、簡単に中間体7を支持体2内に摺動させることによって、中間体7が支持体2内で係合するまで、各ヒンジの中間体7を対応する支持体2に挿入し、リーフ6を家具3に接続させることができる。
【0030】
この作業は、助けを必要とすることなく、作業者が行うことができ、したがって、家具を組み立てるステップが簡素化される。
【0031】
実際に、本発明に係るヒンジは、家具を組み立てる作業を簡素化すること、特に、少なくとも1つの水平軸の周りを揺動するリーフを備える家具を組み立てる作業を簡素化することができる点で、設定された目標及び目的を完全に達成したことが明らかになっている。
【0032】
本発明は、上向きに開くリーフ及び下向きに開くリーフの両方に適用することができる。
【0033】
このようにして考案された本発明は、多数の修正及び変形が可能であり、それらの全ては、添付の特許請求の範囲内に含まれる。
【0034】
更に、全ての詳細は、技術的に同等の要素によって代えてもよい。
【0035】
実際に、使用される材料、及び不特定の寸法と形状とは、要求及び技術水準に応じて任意に採用されてもよい。
【0036】
本出願は、イタリア特許出願番号第MI2015A000618(102015902347516)に基づいて優先権を主張するものであり、その全体の内容が参照によりここに組み込まれる。
【0037】
特許請求の範囲に記載されている技術的特徴の後に参照符号が付されている場合、それらの参照符号は、特許請求の範囲の明瞭性を高めるためのみに含まれている。したがって、そのような参照符号は、例としてそのような参照符号によって識別される各要素の解釈にいかなる限定的な影響も及ぼさないものである。
【国際調査報告】