特表2018-518654(P2018-518654A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-518654物質を検出するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-518654(P2018-518654A)
(43)【公表日】2018年7月12日
(54)【発明の名称】物質を検出するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01V 9/00 20060101AFI20180615BHJP
【FI】
   G01V9/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-549514(P2017-549514)
(86)(22)【出願日】2016年3月25日
(85)【翻訳文提出日】2017年11月10日
(86)【国際出願番号】IB2016051704
(87)【国際公開番号】WO2016151538
(87)【国際公開日】20160929
(31)【優先権主張番号】2015/02058
(32)【優先日】2015年3月25日
(33)【優先権主張国】ZA
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517326464
【氏名又は名称】ダニエル ルドルフ クルーゲル
【氏名又は名称原語表記】Daniel Rudolph Krugel
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ルドルフ クルーゲル
【テーマコード(参考)】
2G105
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB02
2G105BB03
2G105BB05
2G105BB11
2G105DD02
2G105EE01
2G105HH04
(57)【要約】
本発明は、所定の距離にある、ターゲット物質を検出するための方法および装置に関する。本装置は、ターゲット物質の方向を指示する手段と、サンプル物質をエネルギに晒すための一次エネルギ源と、装置を増感させるための手段と、また特に、その指示手段と、を有しており、それによって、指示手段は、サンプル物質に類似するターゲット物質を検出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット物質を検出するための装置において、
前記装置は、
ターゲット物質の方向を指示するための手段と、
一次サンプル物質を、前記一次サンプル物質を励起させるためにエネルギに晒し、それによって検出されるべきターゲット物質を識別するための一次エネルギ源と、
前記装置および/または前記装置の指示手段を増感させ、それによって、増感の影響を受けた前記装置および/または前記装置の前記指示手段と、前記ターゲット物質と、の間に作用する力またはエネルギを検出する手段と、
を含んでおり、
前記一次サンプル物質は、
(i)前記ターゲット物質に類似する物質であり、
(ii)前記ターゲット物質に関連付けられた物質であり、かつ/または、
(iii)自身の内部に、または、自身の電磁場または磁場内に、前記ターゲット物質の幾つかのプロパティを少なくとも一時的に保持し、
使用時に、また前記増感された装置および/または前記増感された装置の前記指示手段に作用する前記ターゲット物質の力またはエネルギの影響下で、前記指示手段はそのように検出されたターゲット物質の方向を指し示す、
装置。
【請求項2】
前記指示手段には、少なくとも、前記ターゲット物質に関連する情報を出力するための情報出力コンポーネントと、前記ターゲット物質の力またはエネルギの作用の影響を受ける、少なくとも1つの可動コンポーネントと、が組み込まれている、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記指示手段の前記可動コンポーネントは、自由可動式の指針、質量計量装置、ジャイロスコープまたはそれらの任意の組合せである、
請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記指示手段の前記情報出力コンポーネントは、
前記指示手段の前記可動コンポーネントであり、影響が及ぼされた移動、または前記可動コンポーネントがその都度移動するまたは指し示す方向は、少なくとも、前記ターゲット物質の方向を伝える、または、
少なくとも、前記指示手段の前記可動コンポーネントの移動に相関付けられた前記ターゲット物質の方向を視覚的かつ/または音響的に読み出す、
請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記自由可動式の指針は、1つまたは複数の旋回軸線周りに旋回により変位可能である、
請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記指針は、前記指針の端部のうちの1つの近傍において旋回式に支承されている、
請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記一次エネルギ源は、電磁エネルギ放射器、磁気エネルギ放射器、音響エネルギ放射器、熱エネルギ放射器、化学エネルギ放射器および電流放射器を含む放射器のグループのうちの1つまたは複数のエネルギ放射器である、
請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記一次サンプル物質は、励起領域内で前記一次エネルギ源からのエネルギに晒されており、前記励起領域は、そのような一次エネルギ源から外に向かって広がっている、
請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記一次サンプル物質および前記一次エネルギ源は、同一である、
請求項8記載の装置。
【請求項10】
増感手段には、直接的および/または間接的な増感手段が含まれ、さらに
(i)直接的な増感手段は、前記指示手段の前記可動コンポーネントにおける二次サンプル物質の物理的な取り付けであり、
(ii)間接的な増感手段は、二次サンプル物質を、検出領域内でエネルギに晒すための二次エネルギ源であり、前記検出領域は、
a.前記指示手段の前記可動コンポーネントから外に向かって広がっており、または、
b.前記指示手段から離れて設けられており、かつ、前記二次エネルギ源と収集部材との間に位置しており、前記収集部材は、接続部材によって前記装置または前記装置の前記指示手段の前記可動コンポーネントに接続されており、
ここで、前記二次サンプル物質は、
(i)一次サンプルであり、
(ii)前記ターゲット物質に類似する物質であり、
(iii)前記ターゲット物質に関連付けられた物質であり、かつ/または、
(iv)自身の内部に、または、自身の電磁場または磁場内に、前記ターゲット物質の幾つかのプロパティを少なくとも一時的に保持する、
請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記装置は、一次エネルギ源も二次エネルギ源も含んでいるか、または、一次エネルギ源および/または二次エネルギ源として作用する単一のエネルギ源を含んでいる、
請求項10記載の装置。
【請求項12】
エネルギ源のうちの少なくとも1つは、前記指示手段の前記可動コンポーネントの近傍および/または下方に配置されている、
請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記検出領域内の前記一次サンプル物質および/または前記二次サンプル物質を位置特定するための手段をさらに含んでいる、
請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記指示手段の前記自由可動式の指針は、U字状の支持本体に対して相対的に、軸線周りに、また軸線において旋回により変位可能であり、前記軸線は、前記U字状の支持本体の第1の自由端および第2の自由端の近傍の位置において、前記U字状の支持本体にわたり延びている、
請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記装置は、携帯型であって、前記装置を平準化するための手段を含んでいる、
請求項14記載の装置。
【請求項16】
ターゲット物質を検出するための方法において、
(A)一次サンプル物質を励起させるために、前記一次サンプル物質を、一次エネルギ源からのエネルギに晒し、それによって、検出されるべき前記ターゲット物質を識別し、
ここで、前記一次サンプル物質は、
(i)前記ターゲット物質に類似する物質であり、
(ii)前記ターゲット物質に関連付けられた物質であり、かつ/または、
(iii)自身の内部に、または、自身の電磁場または磁場内に、前記ターゲット物質の幾つかのプロパティを少なくとも一時的に保持し、
(B)装置および/または前記装置の指示手段を増感させ、それによって、増感の影響を受けた前記装置および/または前記装置の前記指示手段と、前記ターゲット物質と、の間に作用する力またはエネルギを検出し、
(C)そのような力またはエネルギの影響下で、前記指示手段は、そのようにして検出されたターゲット物質の方向を指し示すことができる、
方法。
【請求項17】
前記一次エネルギ源は、電磁エネルギ放射器、磁気エネルギ放射器、音響エネルギ放射器、熱エネルギ放射器、化学エネルギ放射器および電流放射器を含む放射器のグループのうちの1つまたは複数のエネルギ放射器である、
請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記一次サンプル物質の励起は、励起領域内で起こり、前記励起領域は、そのような一次エネルギ源から外に向かって広がっている、
請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記一次サンプル物質および前記一次エネルギ源は、同一である、
請求項16記載の方法。
【請求項20】
前記装置または前記指示手段の増感は、直接的かつ/または間接的に達成され、さらに、
(i)直接的な増感は、前記指示手段の可動コンポーネントにおける二次サンプル物質の物理的な取り付けによって達成され、
(ii)間接的な増感は、二次サンプル物質を、検出領域内で二次エネルギ源のエネルギに晒すことによって達成され、ここで、検出領域は、
a.前記指示手段の前記可動コンポーネントから外に向かって広がっており、または
b.前記指示手段の前記可動コンポーネントから離れて設けられており、かつ、前記二次エネルギ源と収集部材との間に位置しており、前記収集部材は、接続部材によって前記装置または前記装置の前記指示手段の前記可動コンポーネントに接続されており、
ここで、前記二次サンプル物質は、
(i)前記一次サンプル物質であり、
(ii)前記ターゲット物質に類似する物質であり、
(iii)前記ターゲット物質に関連付けられた物質であり、かつ/または、
(iv)自身の内部に、または、自身の電磁場または磁場内に、前記ターゲット物質の幾つかのプロパティを少なくとも一時的に保持する、
請求項16記載の方法。
【請求項21】
前記一次エネルギ源および前記二次エネルギ源は、独立したエネルギ源であるか、または、前記一次エネルギ源および/または前記二次エネルギ源として作用する単一のエネルギ源である、
請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記エネルギ源のうちの少なくとも1つは、前記指示手段の前記可動コンポーネントの近傍および/または下方に配置されている、
請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記指示手段の前記可動コンポーネントは、自由可動式の指針、質量計量装置、ジャイロスコープまたはそれらの任意の組合せであり、さらに前記指示手段は、少なくとも、情報出力コンポーネントを含んでおり、前記情報出力コンポーネントは、
前記指示手段の前記可動コンポーネントであり、影響が及ぼされた移動、または、可動コンポーネントがその都度移動するまたは指し示す方向は、少なくとも、前記ターゲット物質の方向を伝え、または
少なくとも、前記指示手段の前記可動コンポーネントの移動に相関付けられた前記ターゲット物質の方向を視覚的かつ/または音響的に読み出す、
請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記自由可動式の指針が、1つまたは複数の旋回軸線周りに旋回により変位可能であるように、前記自由可動式の指針を取り付けるステップを含む、
請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記自由可動式の指針は、U字状の支持本体に対して相対的に、軸線周りに、また軸線において旋回により変位可能であり、前記軸線は、前記U字状の支持本体の第1の自由端および第2の自由端の近傍の位置において、前記U字状の本体にわたり延びている、
請求項24記載の方法。
【請求項26】
サンプル領域において、かつ、電磁石または永久磁石の存在下で、前記ターゲット物質のサンプルを、前記一次エネルギ源からのエネルギに晒し、それによって、前記電磁石または前記永久磁石が少なくとも一時的に、自身の内部に、または、自身の電磁場または磁場内に、前記ターゲット物質の幾つかのプロパティを保持し、その結果、前記電磁石または前記永久磁石を、前記一次サンプル物質として作用させる、
請求項16記載の方法。
【請求項27】
前記ターゲット物質のサンプルを移動させ、前記検出領域内の前記電磁石または前記永久磁石を位置特定する別のステップを有している、
請求項26記載の方法。
【請求項28】
サンプル領域において、かつ、電磁石または永久磁石の存在下で、前記ターゲット物質のサンプルを、前記一次エネルギ源または前記二次エネルギ源からのエネルギに晒し、それによって、前記電磁石または前記永久磁石が少なくとも一時的に、自身の内部に、または、自身の電磁場または磁場内に、ターゲット物質の幾つかのプロパティを保持し、その結果、前記電磁石または前記永久磁石を、前記二次サンプル物質として作用させる、
請求項20記載の方法。
【請求項29】
前記ターゲット物質の前記サンプルを移動させ、前記ターゲット物質の前記サンプルが前記一次エネルギ源または前記二次エネルギ源からのエネルギに晒される前または晒された後に、前記指示手段の前記可動コンポーネントに前記電磁石または前記永久磁石を取り付ける別のステップを有している、
請求項28記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の距離にある、ターゲット物質を検出するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物体検出の分野は、物体を検出および位置特定するための種々の技術から成る。例えば、大小様々な金属製の物を位置特定するために、金属探知機においては、誘導コイルおよび磁力計が使用されている。地球物理探査においては、地盤の密度を求めるために、したがって地盤が何から構成されているかを推論するために超音波が使用されている。医療用途においては、組織内の水の空間分布をマッピングするために、したがって身体の構造をマッピングするために、強磁場、電波および場の勾配が使用されている。
【0003】
現在のところ、特定のタイプの物体(例えば、貴重な物質、危険な兵器類、疾患)を簡単に検出および識別するための技術は存在しておらず、さらに検出方式の中には、距離が離れると上手く機能しないものもある(例えば金属探知機)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本特許は、種々の距離にわたる、物体自体が本来持っているエネルギ(例えば化学エネルギ、熱エネルギ、運動エネルギ、位置エネルギ、量子力学エネルギ)と、場(例えば光の場、電場、電磁場、磁場)と、の関係性を用いて、類似する物体間の基礎となる力および/またはエネルギの活用に努めるものである。
【0005】
本発明者は、本明細書において詳細に説明する種々の実験を通して、同様の物体が他の同様の物体に通じること、かつ/または同様の物体が他の同様の物体を引き付けることを証明できると主張する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、ターゲット物質を検出するための装置が提供され、この装置は、以下の構成要素を含んでいる:
ターゲット物質の方向を指示するための手段;
一次サンプル物質を、一次サンプル物質を励起させるためにエネルギに晒し、それによって検出されるべきターゲット物質を識別するための一次エネルギ源;ここで、一次サンプル物質は、
(i)ターゲット物質に類似する物質である;
(ii)ターゲット物質に関連付けられた物質である;かつ/または
(iii)自身の内部に、または自身の電磁場または磁場内に、ターゲット物質の幾つかのプロパティを少なくとも一時的に保持する;かつ
装置および/または装置の指示手段を増感させ、それによって、増感の影響を受けた装置および/または装置の指示手段と、ターゲット物質と、の間に作用する力またはエネルギを検出する手段;
これによって使用時に、またそのような増感された装置および/または装置の指示手段に作用するターゲット物質の力またはエネルギの影響下で、指示手段はそのように検出されたターゲット物質の方向を指し示す。
【0007】
指示手段には、少なくとも、ターゲット物質に関連する情報を出力するための情報出力コンポーネントと、ターゲット物質の力またはエネルギの作用の影響を受ける、少なくとも1つの可動コンポーネントと、を組み込むことができる。
【0008】
一般的に、指示手段の可動コンポーネントは、自由可動式の指針、質量計量装置、ジャイロスコープまたはそれらの任意の組合せである。
【0009】
典型的には、指示手段の情報出力コンポーネントは、
指示手段の可動コンポーネントであり、影響が及ぼされた移動、または可動コンポーネントがその都度移動するまたは指し示す方向は、少なくとも、ターゲット物質の方向を伝える;または
少なくとも、指示手段の可動コンポーネントの移動に相関付けられたターゲット物質の方向を視覚的かつ/または音響的に読み出す。
【0010】
方向だけを出力することができる装置では、ターゲット物質の位置を識別するために三角測量法が必要になると解される。
【0011】
有利には、情報出力コンポーネントは、最終的には、方向だけでなく、他の情報、例えばターゲット物質までの距離、ターゲット物質の高度、密度、比質量およびサイズも伝えることができるようになる。
【0012】
自由可動式の指針は、1つまたは複数の旋回軸線周りに旋回により変位可能である。典型的には、指針は、その端部のうちの1つの近傍において旋回式に支承されている。
【0013】
一般的に、一次エネルギ源は、電磁エネルギ放射器、磁気エネルギ放射器、音響エネルギ放射器、熱エネルギ放射器、化学エネルギ放射器および電流放射器を含む放射器のグループのうちの1つまたは複数のエネルギ放射器である。
【0014】
さらに一次サンプル物質を、励起領域内で一次エネルギ源からのエネルギに晒すことができ、この励起領域は、そのような一次エネルギ源から外に向かって広がっており、また励起領域は、一次エネルギ源の周囲数千kmの範囲に及ぶものであってよい。
【0015】
1つの実施の形態においては、一次サンプル物質および一次エネルギ源が同一の物、すなわち電磁石、永久磁石、温水であってよい。
【0016】
増感手段には、直接的および/または間接的な増感手段が含まれると解され、またさらに
(i)直接的な増感手段は、指示手段の可動コンポーネントにおける二次サンプル物質の物理的な取り付けである;かつ
(ii)間接的な増感手段は、二次サンプル物質を、検出領域内でエネルギに晒すための二次エネルギ源である;この検出領域は、
a.指示手段の可動コンポーネントから外に向かって広がっている;または
b.指示手段から離れて設けられており、かつ二次エネルギ源と収集部材との間に位置しており、収集部材は、接続部材によって装置または装置の指示手段の可動コンポーネントに接続されている、
ここで、二次サンプル物質は、
(i)一次サンプルである;
(ii)ターゲット物質に類似する物質である;
(iii)ターゲット物質に関連付けられた物質である;かつ/または
(iv)自身の内部に、または自身の電磁場または磁場内に、ターゲット物質の幾つかのプロパティを少なくとも一時的に保持する。
【0017】
典型的には、装置は、一次エネルギ源も二次エネルギ源も含んでいる。代替的に、単一のエネルギ源が、一次エネルギ源および/または二次エネルギ源として作用する。
【0018】
一般的に、エネルギ源は、指示手段の可動コンポーネントの近傍および/または下方に配置される。
【0019】
さらに装置は、検出領域内の一次サンプル物質および/または二次サンプル物質を位置特定するための手段も含んでおり、ここで、検出領域は、指示手段の可動コンポーネント周りの体積であり、この体積は、エネルギ源の出力に依存する距離にわたり広がると考えられるが、しかしながら実際には指示手段の可動コンポーネントから25mまでの距離にわたり広がると考えられる。
【0020】
指示手段の自由可動式の指針を、U字状の支持本体に対して相対的に、軸線周りに、また軸線において旋回により変位させることができ、この軸線は、U字状の支持本体の第1の自由端および第2の自由端の近傍の位置において、そのU字状の支持本体にわたり延びている。
【0021】
有利には、装置は携帯型であって、装置を平準化するための手段を含んでいる。
【0022】
物質の二次サンプルを、指示手段の可動コンポーネントに直接的に取り付けることができる、指示手段の可動コンポーネントに特定の用途に応じて作製された形成部(すなわちスプーン状の形成部)内に支持することができる、かつ/または導体、例えば銅またはアルミニウムから成る金属プレートに接触させるか、または導体の近傍において、取り付けることができ、その金属プレートを介して、エネルギ源からのエネルギ、すなわち電流または電波を誘導することができる。
【0023】
指示手段の可動コンポーネントを、任意の材料から形成することができるが、しかしながら有利には非磁性材料および/または非導電性材料から形成することができる。
【0024】
一次エネルギ源および/または二次エネルギ源を、装置から離して配置することができる独立した装置であってもよいにもかかわらず、有利には、一方または両方のエネルギ源は同一の装置に組み込まれている。
【0025】
一般的に、収集部材は、サンプル、すなわち一次サンプルおよび/または二次サンプルを近傍に、または接触させて配置することができる、金属コーン、金属プレートまたは何らかの導体である。接続部材を、伝導性材料から形成することができる。伝導性材料は、導電性であってよい。
【0026】
本発明の第2の態様によれば、ターゲット物質を検出するための方法が提供され、この方法は、以下のステップを有している:
(A)一次サンプル物質を励起させるために、その一次サンプル物質を、一次エネルギ源からのエネルギに晒し、それによって、検出されるべきターゲット物質を識別する;ここで、一次サンプル物質は、
(i)ターゲット物質に類似する物質である、
(ii)ターゲット物質に関連付けられた物質である、かつ/または
(iii)自身の内部に、または自身の電磁場または磁場内に、ターゲット物質の幾つかのプロパティを少なくとも一時的に保持する;
(B)装置および/または装置の指示手段を増感させ、それによって、増感の影響を受けた装置および/または装置の指示手段と、ターゲット物質と、の間に作用する力またはエネルギを検出する;かつ
(C)そのような力またはエネルギの影響下で、指示手段は、そのようにして検出されたターゲット物質の方向を指し示すことができる。
【0027】
一次エネルギ源は、電磁エネルギ放射器、磁気エネルギ放射器、音響エネルギ放射器、熱エネルギ放射器、化学エネルギ放射器および電流放射器を含む放射器のグループのうちの1つまたは複数のエネルギ放射器であってよい。
【0028】
一般的に、一次サンプル物質の励起は、励起領域内で起こり、この励起領域は、そのような一次エネルギ源から外に向かって広がっており、また励起領域は、一次エネルギ源の周囲数千kmの体積であってよい。
【0029】
典型的には、一次サンプル物質および一次エネルギ源は、物、すなわち電磁石、永久磁石、温水である。
【0030】
有利には、装置または指示手段の増感は、直接的かつ/または間接的に達成され、さらに
(i)直接的な増感は、指示手段の可動コンポーネントにおける二次サンプル物質の物理的な取り付けによって達成される;かつ
(ii)間接的な増感は、二次サンプル物質を、検出領域内で二次エネルギ源のエネルギに晒すことによって達成される;ここで、検出領域は、
c.指示手段の可動コンポーネントから外に向かって広がっている;または
d.指示手段の可動コンポーネントから離れて設けられており、かつ二次エネルギ源と収集部材との間に位置しており、収集部材は、接続部材によって装置または装置の指示手段の可動コンポーネントに接続されており、
ここで、二次サンプル物質は、
(i)一次サンプルである;
(ii)ターゲット物質に類似する物質である;
(iii)ターゲット物質に関連付けられた物質である;かつ/または
(iv)自身の内部に、または自身の電磁場または磁場内に、ターゲット物質の幾つかのプロパティを少なくとも一時的に保持する。
【0031】
一次エネルギ源および二次エネルギ源は、独立したエネルギ源であってよい。代替的に、単一のエネルギ源が、一次エネルギ源および/または二次エネルギ源として作用する。
【0032】
有利には、エネルギ源のうちの少なくとも1つは、指示手段の可動コンポーネントの近傍および/または下方に配置されている。
【0033】
さらに指示手段の可動コンポーネントは、自由可動式の指針、質量計量装置、ジャイロスコープまたはそれらの任意の組合せであってよく、またさらに指示手段は少なくとも、情報出力コンポーネントを含んでおり、この情報出力コンポーネントは、
指示手段の可動コンポーネントであり、影響が及ぼされた移動、または可動コンポーネントがその都度移動するまたは指し示す方向は、少なくとも、ターゲット物質の方向を伝える;または
少なくとも、指示手段の可動コンポーネントの移動に相関付けられたターゲット物質の方向を視覚的かつ/または音響的に読み出す。
【0034】
さらに本方法は、自由可動式の指針が、1つまたは複数の旋回軸線周りに旋回により変位可能であるように、自由可動式の指針を取り付けるステップを含むことができると解される。
【0035】
一般的に、自由可動式の指針を、U字状の支持本体に対して相対的に、軸線周りに、また軸線において旋回により変位させることができ、この軸線は、U字状の本体の第1の自由端および第2の自由端の近傍の位置において、そのU字状の本体にわたり延びている。
【0036】
本方法はさらにサンプル領域において、かつ電磁石または永久磁石の存在下で、ターゲット物質のサンプルを、一次エネルギ源からのエネルギに晒し、それによって、電磁石または永久磁石が少なくとも一時的に、自身の内部に、または自身の電磁場または磁場内に、ターゲット物質の幾つかのプロパティを保持し、その結果、電磁石または永久磁石は、一次サンプル物質として作用する。
【0037】
典型的には、ターゲット物質のサンプルを、電磁石または永久磁石の存在下で、一次エネルギ源からのエネルギに晒すステップに続いて、ターゲット物質のサンプルの移動と、検出領域内の電磁石または永久磁石の位置特定が行われる。
【0038】
本方法を、サンプル領域において、かつ電磁石または永久磁石の存在下で、ターゲット物質のサンプルを、一次エネルギ源または二次エネルギ源からのエネルギに晒し、それによって、電磁石または永久磁石が少なくとも一時的に、自身の内部に、または自身の電磁場または磁場内に、ターゲット物質の幾つかのプロパティを保持し、その結果、電磁石または永久磁石は、二次サンプル物質として作用するように拡張することもできる。
【0039】
一般的に、ターゲット物質のサンプルを、電磁石または永久磁石の存在下で、一次エネルギ源または二次エネルギ源からのエネルギに晒すステップに続いて、ターゲット物質のサンプルの移動と、ターゲット物質のサンプルが一次エネルギ源または二次エネルギ源からのエネルギに晒される前または晒された後に、指示手段の可動コンポーネントへの電磁石または永久磁石の取り付けが行われる。
【0040】
サンプル領域は、検出領域内にあってもよいし、検出領域から離れていてもよい。サンプル領域は、電磁石または永久磁石周りの体積であり、この体積は、エネルギ源の出力に依存する距離にわたり広がると考えられるが、しかしながら実際には電磁石または永久磁石から1cm〜10mの距離にわたり広がると考えられる。
【0041】
ターゲット物質のサンプルを、電磁石または永久磁石の存在下で、エネルギ源からのエネルギに晒すステップは、電磁石または永久磁石がターゲット物質の「クローン」になるように作用する。ここで、「クローン」という用語の参照は、視覚的にターゲット物質に似せることを意味しているのではなく、むしろその内部に、またはその付近の場内に、ターゲット物質の1つまたは複数のプロパティまたは特徴または量的特性を組み込むことを意味している。
【0042】
ターゲット物質および/またはそのサンプルは、無機物質、有機物質および複合物質から選択されたものであってよい。例えば、本発明の方法および装置は、無機炭素、例えばオイル、ダイアモンド等、有機物質、例えば単細胞真核生物(例えば20パウダ(20 powder)の形態のイースト出芽酵母)、多細胞真核動物の細胞または器官、例えば人間の毛髪、有機多細胞物質、例えば血液、および有機多細胞物質、例えば癌性動物組織の生検サンプルを検出できることが分かった。
【0043】
有利には、また本装置および/または本方法を使用して、ターゲット物質のサンプルは、危険な疾患のサンプルであってよく、さらにその場合、本方法は、癌である可能性がある変性疾患に罹患した患者内の器官の位置特定および/または治療のために、そのようなサンプルに晒される電磁石または永久磁石を使用するステップを含んでいる。
【0044】
本発明の別の態様によれば、所定の距離にあるターゲット物質を検出するための方法が提供され、この方法は、以下のステップを有している:
指針を、影響が及ぼされる垂直方向の軸線周りに旋回によって変位させるために、旋回接続部によって取り付け、旋回接続部は、この旋回接続部周りに広がっている旋回接続領域を規定し、また指針は検出領域を規定する;
検出領域において、検出されるべき物質のサンプルをエネルギに晒す;かつ
ポインタまたは指針を自由に旋回させ、その結果、ポインタまたは指針がターゲット物質の方向を指し示し、それによってターゲット物質を検出する。
【0045】
本発明のさらに別の態様によれば、所定の距離にあるターゲット物質を検出するための方法が提供され、この方法は、以下のステップを有している:
指針を、水平面において旋回によって変位させるための、旋回接続部によって取り付け、旋回接続部は、この旋回接続部周りに広がっている旋回接続領域を規定し、また指針は検出領域を規定する;
サンプル領域において、かつ電磁石または永久磁石の存在下で、検出されるべき物質のサンプルを所定の期間にわたりエネルギに晒す;
オプションとして、旋回接続領域をエネルギに、例えば熱、光またはその両方に晒す;
物質のサンプルを移動させ、検出領域内の電磁石または永久磁石を位置特定する;かつ
ポインタまたは指針を自由に旋回させ、その結果、ポインタまたは指針が、検出されるべきターゲット物質の方向を指し示す。
【0046】
本発明のさらなる態様によれば、所定の距離にあるターゲット物質を検出するための方法が提供され、この方法は、以下のステップを有している:
指針を、水平面において旋回によって変位させるための、旋回接続部によって取り付け、旋回接続部は、この旋回接続部周りに広がっている旋回接続領域を規定し、また指針は検出領域を規定する;
サンプル領域において、かつ電磁石または永久磁石の存在下で、検出されるべき物質のサンプルを所定の期間にわたりエネルギに晒す;
検出されるべき物質のサンプルを、指針の端部に、または指針の端部の近傍に配置する;かつ
サンプルおよび電磁石または永久磁石を検出領域内で動かし、それによって、ポインタまたは指針がサンプルおよび磁石の方向を指し示す。
【0047】
この実施の形態の1つのヴァリエーションにおいては、電磁石または永久磁石を、そのまま使用することができる。
【0048】
本発明のさらに別の態様によれば、所定の距離にあるターゲット物質を検出するための方法が提供され、この方法は、以下のステップを有している:
影響が及ぼされる垂直方向の軸線周りに旋回式に変位させるために、指針を旋回式に取り付ける;
検出されるべき物質のサンプルを、指針の近傍に配置し、物質のサンプルをエネルギに晒す;かつ
指針を自由に旋回させ、その結果、指針が検出されるべきターゲット物質の方向を指し示し、それによって物質を検出する。
【0049】
本発明のさらに別の態様によれば、所定の距離にあるターゲット物質を検出するための方法が提供され、この方法は、以下のステップを有している:
指針を、影響が及ぼされる垂直方向の軸線周りに旋回によって変位させるために、旋回接続部によって取り付け、旋回接続部は、この旋回接続部周りに広がっている旋回接続領域を規定し、また指針は検出領域を規定する;
検出されるべき物質のサンプルを、検出領域から離れたサンプル領域および接続領域内に配置し、検出されるべき物質のサンプルをエネルギに晒す;
接続部材の手段によって旋回接続部に接続されている収集部材をサンプルの近傍に配置する;かつ
指針を自由に旋回させ、その結果、指針が検出されるべきターゲット物質の方向を指し示し、それによって物質を検出する。
【0050】
指針という用語の参照は、任意のポインタ型部材を意味していると解される。
【0051】
さらにエネルギとは、磁気エネルギ、熱エネルギ、光エネルギ、電波エネルギ、音波エネルギ、電気エネルギ、サーマルエネルギ、化学エネルギ、電磁エネルギ(ここで前述のエネルギは既にそれらの一部を形成するものではない)またはそれらの任意の組合せを含むエネルギの任意の形態を表すと解される。
【0052】
以下では、添付の図面を参照しながら、本発明を例示的により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】本発明による検出装置の立体図を示す。
図2】手持式支持部に取り付けられている、図1の検出装置を示す。
図3】その下に電流が流れるプレートに取り付けられている、図1の検出装置を示す。
図4】温水のカップの上方に取り付けられている、図1の検出装置を示す。
図5図4の温水のカップ内の金属棒に接続されている、図1の検出装置を示す。
図6】金属プレートが取り付けられている容器の上方に取り付けられている、図2の検出装置を示す。
図6】金属プレートが取り付けられている容器の上方に取り付けられている、図2の検出装置を示す。
図7図1の検出装置を含んでいる、本発明の方法による、別の構成を示す。
図8図1の検出装置を含んでいる、本発明の方法による、別の構成を示す。
図9】磁石の上方に取り付けられている、図2の検出装置を示す。
図10図2の検出装置および検出されるべき物質のサンプルを示す。
図11図1の検出装置の別の実施の形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図面を参照すると、参照番号10は、全体を通して本発明による検出装置を表しており、この検出装置を以下では検出器10と記す。
【0055】
検出器10は、実質的にU字状の支持本体12を含んでおり、この支持本体12は、Uボルトであってもよい、または図示されているように、支持本体12を、トッププレート14と、ベースプレート16と、トッププレート14がボトムプレート16に部分的に重なるように、ベースプレート16からトッププレート14まで延びているバックプレート18と、から形成することができる。本発明の1つの好適な実施の形態においては、本体12が金属製であり、可能な限り銅から形成されている。
【0056】
軸20が、2つのプレート14、16の自由端間に延びており、可能な限り炭素繊維材料から形成されている。軸20は、トッププレート14およびボトムプレート16にそれぞれ取り付けられている取り付け部材24、26内で自由に回動できるように取り付けられている。
【0057】
さらに検出器は、検出されるべきターゲット物質の方向を指示するための手段28を含んでいる。指示手段28には、少なくとも、ターゲット物質に関連する情報を出力するための情報出力コンポーネントと、ターゲット物質の力またはエネルギの作用の影響を受ける、少なくとも1つの可動コンポーネントと、を組み込むことができる。
【0058】
図示の実施の形態において、指示手段28の情報出力コンポーネントおよび可動コンポーネントは、同一の指針28である。
【0059】
指針28は、矢印30、32によって示されているように、実質的に水平な平面で自由に回動することができるように軸20に取り付けられている。拡張型の検出器10では、指針を複数の軸周りに可動させることができると解される。
【0060】
さらに(i)取り付け部材24および26が、トッププレート14およびボトムプレート16に画定された、軸20を回動させることができる孔であってよい、(ii)指針28が軸周りに回動できるように、軸20が本体12に固定されている、また(iii)軸20が糸部材または紐部材である、と解される。
【0061】
参照番号15によって表されている、軸20の周囲の体積は、旋回接続領域と称される。参照番号17によって表されている、指針28の周囲の体積は、検出領域と称される。
【0062】
旋回接続領域15は、軸20の周囲の約1cm〜10cmの間の距離にわたり広がっており、それに対し、検出領域17は、指針28の周囲の約10cm〜25mまでの距離にわたり広がっている。旋回接続領域15内へのエネルギ(熱または光)の照射は、検出器10の効率を上昇させると考えられるが、これは必ずしも必要ではない。
【0063】
図2を次に参照すると、検出器10は、破線で表されたボックス36によって概略的に示されている支持構造内に取り付けられており、また一次サンプル物質をエネルギに晒すための何らかのエネルギ源放射器である一次エネルギ源38を含んでいる。エネルギに晒されることによって、一次サンプル物質が励起され、したがって、また本発明者の知識および観測結果の限りでは、一次エネルギ源38から数千kmにわたり広がると考えられる励起領域内の類似するターゲット物質が励起され、それによって、検出されるべきターゲット物質が識別される。
【0064】
一次エネルギ源38は、電磁エネルギ放射器、磁気エネルギ放射器、音響エネルギ放射器、熱エネルギ放射器、化学エネルギ放射器および電流放射器を含む任意のタイプのエネルギ放射器であってよい。
【0065】
一次サンプル物質は、ターゲット物質に類似する物質であってよく、例えば検出されるべきターゲット物質がダイアモンドである場合には、一次サンプル物質もダイアモンドであってよい。代替的に、一次サンプル物質は、ターゲット物質に関連付けられた物質であってよく、例えばターゲット物質が人間である場合には、一次サンプル物質は、その人間の毛髪であってよい。
【0066】
それどころか、一次サンプル物質は、本明細書において後述するプロセスを介して、自身の内部に、または自身の電磁場または磁場内に、ターゲット物質の幾つかのプロパティまたは特徴または量的特性を少なくとも一時的に保持する電磁石または永久磁石であってもよい。ターゲット物質の事実上の「クローン」を作成する電磁石または永久磁石の使用によって、検出器10は、高価なサンプル、危険なサンプルまたは感染の虞があるサンプルの周囲に運搬する必要なく、場において機能することができる。
【0067】
したがって、また図2に示されているように、一次エネルギ源および一次サンプル物質は、同一の物、すなわちターゲット物質の幾つかのプロパティまたは特徴または量的特性を保持する電磁石または永久磁石である。
【0068】
図3においては、一次エネルギ源が、バッテリ54および導体56から電流が供給される帯電金属プレート52であり、この帯電金属プレート52の上に、一次サンプル物質を配置することができる。代替的には、一次エネルギ源38が、電気プレート52を用いずに、導体56によってバッテリ54に直接的に接続されている白熱電球55(または他の光放射器/熱放射器)であってもよく、その上方または近傍に、一次サンプル物質を配置することができる。この実施の形態において、一次サンプル物質が白熱電球55および指針28の近傍に位置するようにして、より好適には白熱電球55と指針28との間に位置するようにして、白熱電球55の上方に指針28を配置することは好適である。
【0069】
図4においては、一次エネルギ源が、所定の体積の加熱された液体59、すなわち水を保持している容器58に由来する熱であり、その容器58の上方に指針28が配置されている。この実施の形態においては、加熱された水が、一次エネルギ源としても、一次サンプル物質としても作用することができると解される。
【0070】
図5に代替的に示されているように、収集部材62を、加熱された液体59に沈めて、導体部材64を介して検出器10に接続することができる。
【0071】
図6には、2つ以上のエネルギ源が使用される、本発明の1つの実施の形態が示されている。この実施の形態においては、検出器10が、一次エネルギ源38(すなわち磁石)および二次エネルギ源42を用いて機能し、この二次エネルギ源42については、本明細書において後に説明する。
【0072】
二次エネルギ源42は、図3に示したものに類似するものであって、容器40内で脚部44(可能な限り木から形成されている)に支持されている、帯電金属プレート42(可能な限り銅から形成されている)を有している。導体50が、金属プレート42をバッテリ46およびスイッチ48に接続している。代替的に、一次エネルギ源が帯電プレート42であって、かつ参照番号38で表されている二次エネルギ源を、すなわち磁石を備えていてもよいと解される。
【0073】
図6に示した実施の形態を僅かに変更させた実施の形態では、一次エネルギ源38および二次エネルギ源42(または一次エネルギ源42および二次エネルギ源38)が、図9に示されているように電磁石または永久磁石であってよい。
【0074】
図7および図8においては、一次エネルギ源が、金属コーン66または金属プレート76の形態の収集部材に向かう方向において、ターゲット物質70(すなわちダイアモンド)に光エネルギ74(光子)を晒すレーザ光放射器72である。接続部材68が、収集部材66、76を検出器10に接続している。
【0075】
図10には、収集部材または導体部材が使用されない別の実施の形態が示されている。この実施の形態においては、一次エネルギ源が、指針28に向かう方向において、ターゲット物質80(すなわちダイアモンド、またはダイアモンドの幾つかのプロパティまたは特徴または量的特性を保持する磁石)に光エネルギ74(光子)を晒すレーザ光放射器72である。
【0076】
図11には、検出器10の指針28に、特定の用途に応じて作製されたスプーン状の形成部84を含んでいる、検出器10の1つの実施の形態が示されており、この形成部84内にサンプル物質86(典型的には、二次サンプル物質であり、これについては本明細書において後に説明する)が支持されているか、または取り付けられている。特定の用途に応じて作製されたスプーン状の形成部84を有する代わりに、サンプル物質86が単純に、図1図10のいずれかに示したタイプの指針28に直接的に支持されていてもよい、または取り付けられていてもよいと解される。
【0077】
さらに検出器10は、検出器10、および/またはより具体的には検出器10の指示手段28(図示の実施の形態においては指針28)を増感させ、その結果、類似する物体が他の類似する物体に通じる、とりわけ他の類似する物体を引き付ける、かつ/または退ける、という基本原理に基づいて、励起されたターゲット物質によって自身に作用する力またはエネルギを検出するための手段を含んでいる。
【0078】
増感手段には、直接的および/または間接的な増感手段が含まれると解される。
【0079】
直接的な増感手段は、指示手段の可動コンポーネントにおける、すなわち指針28における、二次サンプル物質の物理的な支持または取り付けであり、二次サンプル物質は、図1図10に示したように、指針28に配置されるか、または図11に示したように、特定の用途に応じて作製されたスプーン状の形成部84内に配置される。
【0080】
間接的な増感手段は、検出領域内で二次サンプル物質にエネルギを晒すために二次エネルギ源の包含を表し、ここで、検出領域は、
・指示手段(すなわち指針28)の可動コンポーネントから外に向かって広がっているか、または
図5図7および図8に示されているように、指示手段から離れて設けられており、かつ二次エネルギ源59、72と収集部材との間に位置しており、収集部材62、66、76は、接続部材64、68によって検出器10に接続されている。
【0081】
二次サンプル物質は、一次サンプル物質と同一であってよい、ターゲット物質に類似する物質であってよい、かつ/またはターゲット物質に関連付けられた物質であってよいと解される。
【0082】
それどころか二次サンプル物質は、一次サンプル物質の場合と同様に、本明細書において後に説明するプロセスを介して、自身の内部に、または自身の電磁場または磁場内に、ターゲット物質の幾つかのプロパティまたは特徴または量的特性を少なくとも一時的に保持する電磁石または永久磁石であってもよい。
【0083】
本発明の幾つかの実施の形態においては、検出器10が、例えば図6および図9に示したように、一次エネルギ源も二次エネルギ源も含んでいる。代替的に、単一のエネルギ源が、図2図3図4図5図7図8および図10に示したように、一次エネルギ源としても二次エネルギ源としても作用することができる。
【0084】
必ずしも必要ではないが、検出器10の精度および感度は、エネルギ源が、指示手段の可動コンポーネントの近傍に、かつ/または下方に、すなわち指針28の下方に配置される場合には上昇することが分かった。
【0085】
本発明者は、特定の方法論に従うことによって、検出器10が、指針28を増感させた物体を検出できることを発見した。この方法論の主たるステップは以下の通りである:
・一次サンプル物質(例えばダイアモンド)を、一次エネルギ源から放出されたエネルギに晒し、それによって一次サンプル物質を励起させることによって、ターゲット物質(すなわちダイアモンド)を励起させ、また理論上は、励起領域内の他の類似するターゲット物質を励起させる;
・検出器を増感させ、またはとりわけ指示手段の可動コンポーネントを増感させ、それによって、増感の影響を受けた装置および/またはその指示手段と、励起されたターゲット物質と、の間に作用する力またはエネルギを検出する;
・指示手段、またはとりわけその可動コンポーネントを、ターゲット物質に起因してその指示手段、またはとりわけその可動コンポーネントに作用する力またはエネルギの影響下で自由に移動させ、励起領域内のそのようなターゲット物質の方向を指し示すようにし、それによってターゲット物質を検出する。
【0086】
本発明者は、多数のシミュレーションを通して本明細書に示す検出器10および方法論を開発したことを主張する。それらのシミュレーションを下記において説明し、またそこでは必要に応じて添付の図面を参照しながら説明する。
【0087】
シミュレーション1
シミュレーション1は、図10に関連し、また以下のステップを含んでいる:
1.一次サンプル物質80(すなわち一片のスポンジ)を指針28の下方に配置する;
2.一次サンプル物質80が指針28と一次エネルギ源72との間に位置するように、一次エネルギ源72(すなわちトーチ)を一次サンプル物質80の下方に配置する;
3.検出領域において、一次サンプル物質80を、一次エネルギ源72から放出されたエネルギ74(すなわち光エネルギおよび/または熱エネルギ)に晒し、それによって(i)一次サンプル物質を励起させ、またその結果として励起領域内の類似するターゲット物質を励起させ、かつ(ii)間接的な増感手段を介して、指針28を増感させ、それによって、増感の影響を受けた指針28と、励起されたターゲット物質と、の間に作用する力またはエネルギを検出する;
4.別のスポンジ片を周囲で移動させ(すなわち手で移動させるか、または検出器10が設けられている空間の周囲を歩くことによって移動させ)、それによって検出されるべきターゲット物質をシミュレートする;かつ
5.シミュレートされたターゲット物質を指し示す位置付近で指針28がどのように移動して、最終的に安定するかを観察する。
【0088】
シミュレーション1の観測結果および調査結果:
・直接的な増感手段を介して、検出器10と一次サンプル物質(すなわち一方の端部において本体12に接続されており、かつ/または本体12に巻き付けられており、かつ他方の端部において光エネルギに晒されるスポンジ片に接続されている、つまりワニ口クリップを用いて接続されている、電気的なワイヤまたは光ファイバ)との間に接続部材を接続することによって、指針28の感度を上昇させることができた;
・また、直接的な増感手段を介して、指針28に、有利には指針28の自由端の近傍に二次サンプル物質(すなわち別のスポンジ片)を取り付けることによって指針28の感度を上昇させることができた。ここで、サンプルは、図1図10に示したように指針28に取り付けられているか、または図11に示したように指針28における特定の用途に応じて作製された形成部84内に保持されている;
・指針28の増感性を高めることによって、一次サンプル物質80および一次エネルギ源72を、指針の28の下方から離れた位置に移動させることができる(すなわち検出領域を拡大することができた);
・一次エネルギ源から放出されるエネルギを増大させることによっても、検出領域を拡大することができた;
・二次サンプル物質は、別のスポンジ片であってもよいか、もしくは二次サンプル物質を、自身の内部に、または自身の電磁場または磁場内に、スポンジの幾つかのプロパティまたは特徴または量的特性を少なくとも一時的に保持する電磁石または永久磁石に置換することができる。これは、電磁石または永久磁石の存在下で、かつサンプル領域内で、スポンジをエネルギに晒し、それによってスポンジの「クローン」を作成することによって達成される;
・指針28への取り付けの前または後に、二次サンプル物質として作用する電磁石または永久磁石の「クローン」を作成することができる;
・二次サンプル物質が、「クローン」の磁石(電磁石または永久磁石)である場合には、磁石は、一次エネルギ源の場(すなわちトーチによって形成された電磁場)内で作用する場(すなわち磁場)を有する二次エネルギ源として作用する;
・一次サンプル物質として使用されるスポンジ片を、上記において説明したやり方と同一のやり方で(すなわちスポンジの存在下で「クローン」を作成することによって)電磁石または永久磁石に置換することができ、そのようにして、自身の固有の一次エネルギ源として作用し、それによってトーチが省略される(これは図9に示した本発明の実施の形態に極めて類似する);
・一次サンプル物質が「クローン」の磁石(電磁石または永久磁石)であり、かつ自身の固有の一次エネルギ源である場合には、二次サンプル物質および二次エネルギ源は必要とされない(これは図2に示した本発明の実施の形態に極めて類似する)。
【0089】
シミュレーション2
シミュレーション2は、図3に関連し、また以下のステップを含んでいる:
1.検出器10を、または少なくとも検出器10の指針28を、最終的に一次エネルギ源として作用することになる金属プレート52の上方に配置する;
2.一次サンプル物質(すなわち1本のゴム管)が指針28と一次エネルギ源52との間に位置するように、一次サンプル物質を金属プレート52上に配置する;
3.金属プレート52を帯電させ、それによって、検出領域において、一次サンプル物質をエネルギ(すなわち電気エネルギおよび/または熱エネルギ)に晒し、それによって(i)一次サンプル物質を励起させ、またその結果として励起領域内の類似するターゲット物質を励起させ、かつ(ii)間接的な増感手段を介して、指針28を増感させ、それによって、増感の影響を受けた指針28と、励起されたターゲット物質と、の間に作用する力またはエネルギを検出する;
4.別の1本のゴム管を周囲で移動させ(すなわち手で移動させるか、または検出器10が設けられている空間の周囲を歩くことによって移動させ)、それによって検出されるべきターゲット物質をシミュレートする;かつ
5.シミュレートされたターゲット物質を指し示す位置付近で指針28がどのように移動して、最終的に安定するかを観察する。
【0090】
シミュレーション2の観測結果および調査結果:
・直接的な増感手段を介して、検出器10を帯電プレート52に接続することによって、かつ/または検出器を帯電プレート52に配置することによって、指針28の感度を上昇させることができた;かつ
・全部ではないが、シミュレーション1の調査結果の多くをシミュレーション2に組み込んで、検出器10の精度および効率を向上かつ/または上昇させることができた。
【0091】
シミュレーション3
シミュレーション3は、図4に関連し、また以下のステップを含んでいる:
1.検出器10、または少なくとも検出器10の指針28を、所定の体積の温水59を収容しているカップ58の上方に配置し、この温水59を、一次サンプル物質および自身の固有の一次エネルギ源として作用させ、検出領域において温水59を自身の固有の熱によって励起させ、(i)検出領域における類似するターゲット物質(すなわち水)を励起させ、かつ(ii)間接的な増感手段を介して指針28を増感させ、それによって、増感の影響を受けた指針28と、励起されたターゲット物質と、の間に作用する力またはエネルギを検出する;
2.別のカップまたは水を周囲で移動させ(すなわち手で移動させるか、または検出器10が設けられている空間の周囲を歩くことによって移動させ)、それによって検出されるべきターゲット物質をシミュレートする;かつ
3.シミュレートされたターゲット物質を指し示す位置付近で指針28がどのように移動して、最終的に安定するかを観察する。
【0092】
シミュレーション3の観測結果および調査結果:
・検出器10を温水59の上方に配置する代わりに、直接的な手段を介して指針28を増感させるために、金属製の棒62の形態の収集部材と検出器10との間に接続部材64を接続した状態で、収集部材を少なくとも部分的に温水59に沈めることができる;
・指針28を増感させるために所定の期間が必要になり、典型的には約1分の期間が必要になる;
・カップ内の温水が冷めると、指針28は、水ではなく、棒62を形成している金属を指し示す傾向になる(すなわちターゲット物質が変更される);
・指針28に水滴を垂らすことによって、直接的な増感手段を介して、指針28の感度を上昇させることができた;
・全部ではないが、シミュレーション1および2の調査結果の多くをシミュレーション3に組み込んで、検出器10の精度および効率を向上かつ/または上昇させることができた。
【0093】
シミュレーション4
シミュレーション4は、図7および図8に関連し、また以下のステップを含んでいる:
1.一次サンプル物質70(すなわちダイアモンド)を検出器10から離して配置する;
2.一次エネルギ源72(すなわちレーザ)を一次サンプル物質70の一方の側に配置し、それと共に、一次サンプル物質70が、収集部材66、76と一次エネルギ源72との間に位置するように、収集部材66、76を一次サンプル物質70の他方の側に配置する;
3.接続部材68を用いて、収集部材66、76を検出器10に接続する;
4.検出器10から離れた位置にある検出領域において、一次サンプル物質70を、一次エネルギ源72から放出されたエネルギ74(すなわち光子)に晒し、それによって(i)一次サンプル物質を励起させ、またその結果として励起領域内の類似するターゲット物質を励起させ、かつ(ii)直接的な増感手段を介して、指針28を増感させ、それによって、増感の影響を受けた指針28と、励起されたターゲット物質と、の間に作用する力またはエネルギを検出する;
5.別のダイアモンドを周囲で移動させ(すなわち手で移動させるか、または検出器10が設けられている空間の周囲を歩くことによって移動させ)、それによって検出されるべきターゲット物質をシミュレートする;かつ
6.シミュレートされたターゲット物質を指し示す位置付近で指針28がどのように移動して、最終的に安定するかを観察する。
【0094】
シミュレーション4の観測結果および調査結果:
・一次サンプル物質70を、収集部材66、76から離して設けることができるか、または収集部材66、76と接触させることができる;かつ
・全部ではないが、シミュレーション1〜3の調査結果の多くをシミュレーション4に組み込んで、検出器10の精度および効率を向上かつ/または上昇させることができた。
【0095】
シミュレーション5
シミュレーション5は、以下のステップを含んでいる:
1.一次二次サンプル物質(すなわち被験者の1本の毛髪)を、電波放射器の形態の一次エネルギ源の露出されたアンテナに配置する;
2.二次サンプル物質(すなわち同一の被験者からの唾液サンプル)を指針28の下方に配置する;
3.検出領域において、一次サンプル物質を(任意の周波数の)電波エネルギに晒すために、一次エネルギ源をスイッチングし、それによって、(i)一次サンプル物質を励起させ、またその結果として励起領域内の類似するターゲット物質を励起させ、かつ(ii)指針28の間接的な増感手段を介して、唾液サンプルを用いて指針28を増感させ、増感の影響を受けた指針28と、励起されたターゲット物質と、の間に作用する力またはエネルギを検出する;
4.被験者を周囲で移動させ、それによって検出されるべきターゲット物質をシミュレートする;かつ
5.シミュレートされたターゲット物質を指し示す位置付近で指針28がどのように移動して、最終的に安定するかを観察する。
【0096】
シミュレーション5の観測結果および調査結果:
・択一的に、二次サンプル物質を、指針28に直接的に配置することができるか、もしくは指針28の下方に配置されているか、または指針28に直接的に配置されている磁石(電磁石または永久磁石)の「クローン」を作成することができる;かつ
・全部ではないが、シミュレーション1〜4の調査結果の多くをシミュレーション5に組み込んで、検出器10の精度および効率を向上かつ/または上昇させることができた。
【0097】
検出器10およびそのような検出器10を使用する方法が機能する原理を示すために、多くのヴァリエーションおよび/または他のシミュレーションに着手できると解される。
【0098】
別の例は、電磁石または永久磁石の「クローン」を作成するための代替的なプロセスであり、それによって、新しい電磁石または永久磁石が、既に「クローン」が作成された磁石の電磁場または磁場にもたらされ、それによって新品の磁石(電磁石または永久磁石)の「クローン」が作成される。
【0099】
本発明者は、本明細書に記載の技術を機能させることができる科学原理を完全には理解できていないことは認めるが、もっとも、磁気を帯びた物がどのようにして相互に引き付けあう、かつ/または退けあうかということと同一である必要はないが、しかしながらそれに類似することを前提として、物体が他の類似の物体に(エネルギ、周波数、振動)を伝えると確信している。
【0100】
検出中の最も近くに位置している類似する物体が最も大きい力を及ぼし、またその及ぼされる力の大きさが、検出中の物質の質量、密度またはサイズに相関付けられていると考えられる。
【0101】
上記においては、本発明を有利な実施の形態を参照して説明したが、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明の多くの修正または変更が可能であると解される。
【0102】
例えば、本発明者は、検出器のディジタルバージョンが、最終的には、方向、距離および高度を検出できるようになり、またターゲット物質の比質量、密度およびサイズも検出できるようになると確信している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11