特表2018-520068(P2018-520068A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-520068(P2018-520068A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(54)【発明の名称】射出成形蓋
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/08 20060101AFI20180629BHJP
   B65D 51/24 20060101ALI20180629BHJP
   B65D 47/36 20060101ALI20180629BHJP
【FI】
   B65D43/08 200
   B65D51/24 200
   B65D51/24 600
   B65D47/36 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-567456(P2017-567456)
(86)(22)【出願日】2015年7月23日
(85)【翻訳文提出日】2018年2月21日
(86)【国際出願番号】CN2015084918
(87)【国際公開番号】WO2017012115
(87)【国際公開日】20170126
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517448098
【氏名又は名称】クオ、ツェファン
【氏名又は名称原語表記】KUO, Tse Huang
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】クオ、ツェファン
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA24
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CB01
3E084CB02
3E084CC04
3E084CC05
3E084DA01
3E084DB13
3E084DC04
3E084DC05
3E084FA09
3E084FC09
3E084GA08
3E084GB12
3E084HD01
3E084HD03
3E084JA06
3E084JA19
3E084LA02
3E084LB02
3E084LD01
(57)【要約】
蓋体(110)及び固定部材(150)を含む、容器と共に使用される射出成形蓋(100)。蓋体(110)は、カバー部(120)及びフランジ部(130)を含む。フランジ部の1つの側壁(134)は、1つ以上のノッチ(138)を有する。固定部材(150)は、フレーム(152)及び少なくとも1つのタブ(154)を含む。タブ(154)は、ノッチを覆う。固定部材(150)は、容器内の内容物のこぼれ又は漏れを防止するさらなる締結強度を提供する。
【選択図】 図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リムによって画定された上部開口部を有する容器と共に使用される射出成形蓋であって、
前記射出成形蓋は、蓋体及び固定部材を含み、
前記蓋体は、第1材料で作られ、カバー部、及び前記カバー部の外周の周りに設けられ、前記容器のリムに嵌合するためのフランジ部を含み、前記フランジ部は、第1側壁及び第2側壁を含み、前記第1側壁は、前記カバー部の外周に接続され、前記第2側壁は、その上に設けられた少なくとも1つのノッチ、及びその内面に設けられた少なくとも1つの突起を含み、前記突起は、前記射出成形蓋を前記容器のリムに係合させるためのものであり、
前記固定部材は、第2材料で作られ、フレーム及び少なくとも1つのタブを含み、前記フレームは、前記第1側壁と第2側壁の上辺を接続し、前記タブは、前記フレームから第2側壁の外面に沿って下方に延在して前記ノッチを覆う射出成形蓋。
【請求項2】
前記第2側壁は、複数の前記ノッチを含む請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項3】
前記固定部材は、複数の前記タブを含む請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項4】
前記ノッチ の数は、前記タブの数に等しい請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項5】
前記タブは、2つ以上の前記ノッチを覆うように構成される請求項2に記載の射出成形蓋。
【請求項6】
前記第1材料と第2材料は、同じ色又は異なる色を有する異なる材料である請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項7】
前記第1材料と第2材料は、同じ材料であるが、異なる色である請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項8】
前記第1材料及び第2材料のそれぞれは、ポリスチレン(PS)、カルボン酸モノマーとエチレンとのコポリマー、ポリスチレン-アクリロニトリル(PSAN)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、スチレン-無水マレイン酸(SMA)、セルロースエーテル、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリプロピレン(PP)、ポリビニルシクロヘキサン、ポリ塩化ビニル(PVC)、フェノキシ系熱可塑性ポリマー、ポリオレフィン、フェノキシ-ポリオレフィン熱可塑性ブレンド、熱可塑性エラストマー(TPE)、シリコーン、超低密度ポリエチレン(ULDPE)樹脂、及びそれらのコポリマー又はブレンドからなる群より独立して選択される請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項9】
前記第2材料は、TPE、シリコーン及びULDPE樹脂からなる群より選択される請求項8に記載の射出成形蓋。
【請求項10】
前記第1材料は、ポリプロピレンであり、前記第2材料は、ポリウレタンである請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項11】
前記蓋体は、前記カバー部の外面に設けられたパターン層をさらに含む請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項12】
前記パターン層は、前記第1材料、前記第2材料、第3材料、又はそれらの組み合わせで作られる請求項11に記載の射出成形蓋。
【請求項13】
前記第3材料は、サーモクロミック材料を含む熱可塑性材料である請求項12に記載の射出成形蓋。
【請求項14】
前記蓋体は、前記カバー部に設けられたアクセス孔をさらに含む請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項15】
前記蓋体は、キャップをさらに含み、前記キャップは、前記カバー部に接続され、前記アクセス孔を覆うように構成され、前記キャップの少なくとも一部は、前記アクセス孔を露出させるように前記カバー部から分離可能である請求項14に記載の射出成形蓋。
【請求項16】
キャップリムをさらに含み、前記キャップリムは、前記キャップの外周の一部を前記アクセス孔の周縁の少なくとも一部と分離可能に接続するために、前記キャップの外周の少なくとも一部に沿って設けられる請求項15に記載の射出成形蓋。
【請求項17】
前記キャップリムの厚さは、前記キャップの厚さより小さい請求項16に記載の射出成形蓋。
【請求項18】
前記キャップは前記第1材料で作られ、前記キャップリムは第2材料で作られる請求項16に記載の射出成形蓋。
【請求項19】
前記キャップは、リッジを含む請求項15に記載の射出成形蓋。
【請求項20】
前記カバー部は、前記リッジを収容するように構成されるレセプタクルをさらに含む請求項19に記載の射出成形蓋。
【請求項21】
前記蓋体に設けられた空気孔をさらに含む請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項22】
容器、及び請求項1〜21のいずれか一項に記載の射出成形蓋を含む、容器-蓋アセンブリであって、
前記容器は、容器本体、前記容器本体の頂部の外周に沿って設けられたリム、及び前記リムに画定された上部開口部を含む、容器-蓋アセンブリ。
【請求項23】
リムによって画定された上部開口部を有する容器と共に使用される射出成形蓋であって、
前記射出成形蓋は、蓋体及び固定部材を含み、
前記蓋体は、第1材料で作られ、カバー部、及び前記カバー部の外周の周りに設けられ、前記リムに嵌合するためのフランジ部を含み、前記フランジ部は、第1側壁、第2側壁、及び上壁を含み、前記上壁は、その上に設けられた少なくとも1つのスリットを含み、前記第1側壁は、前記カバー部の外周に接続され、前記第2側壁は、その上に設けられた少なくとも1つのノッチ、及びその内面に設けられた少なくとも1つの突起を含み、前記突起は、前記射出成形蓋を前記容器のリムに係合させるためのものであり、前記上壁、前記第1側壁、及び第2側壁は、内部空間を画定し、
前記固定部材は、第2材料で作られ、フレーム、少なくとも1つのタブ、及び少なくとも1つの延長部を含み、前記フレームは、前記内部空間内に設けられ、少なくとも前記上壁に隣接し、前記延長部は、前記フレームから延在して前記スリットを通過して上記上壁に当接し、前記タブは、前記延長部から前記第2側壁の外面に沿って下方に延在して前記ノッチを覆う射出成形蓋。
【請求項24】
前記蓋体は、複数の前記ノッチを含む請求項23に記載の射出成形蓋。
【請求項25】
前記固定部材は、複数の前記タブを含む請求項23に記載の射出成形蓋。
【請求項26】
前記ノッチの数は、前記タブの数に等しい請求項23に記載の射出成形蓋。
【請求項27】
前記タブは、2つ以上の前記ノッチを覆うように構成される請求項24に記載の射出成形蓋。
【請求項28】
前記第1材料と第2材料は、同じ色又は異なる色を有する異なる材料である請求項23に記載の射出成形蓋。
【請求項29】
前記第1材料と第2材料は、同じ材料であるが、異なる色である請求項23に記載の射出成形蓋。
【請求項30】
前記第1材料及び第2材料のそれぞれは、ポリスチレン(PS)、カルボン酸モノマーとエチレンとのコポリマー、ポリスチレン-アクリロニトリル(PSAN)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、スチレン-無水マレイン酸(SMA)、セルロースエーテル、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルシクロヘキサン、ポリ塩化ビニル(PVC)、フェノキシ系熱可塑性ポリマー、ポリオレフィン、フェノキシ-ポリオレフィン熱可塑性ブレンド、熱可塑性エラストマー(TPE)、シリコーン、超低密度ポリエチレン(ULDPE)樹脂、及びそれらのコポリマー又はブレンドからなる群より独立して選択される請求項23に記載の射出成形蓋。
【請求項31】
前記第2材料は、TPE、シリコーン、及びULDPE樹脂からなる群より選択される請求項30に記載の射出成形蓋。
【請求項32】
前記第1材料は、ポリプロピレンであり、前記第2材料は、ポリウレタンである請求項23に記載の射出成形蓋。
【請求項33】
前記蓋体は、前記カバー部の外面に設けられたパターン層をさらに含む請求項23に記載の射出成形蓋。
【請求項34】
前記パターン層は、前記第1材料、前記第2材料、第3材料、又はそれらの組み合わせで作られる請求項33に記載の射出成形蓋。
【請求項35】
前記第3材料は、サーモクロミック材料を含む熱可塑性材料である請求項34に記載の射出成形蓋。
【請求項36】
前記延長部は、前記上壁の外周の一部に沿ってさらに延在している請求項23に記載の射出成形蓋。
【請求項37】
前記蓋体は、前記カバー部に設けられたアクセス孔をさらに含む請求項23に記載の射出成形蓋。
【請求項38】
前記蓋体は、キャップをさらに含み、前記キャップは、前記カバー部に接続され、前記アクセス孔を覆うように構成され、前記キャップの少なくとも一部は、前記アクセス孔を露出させるように前記カバー部から分離可能である請求項37に記載の射出成形蓋。
【請求項39】
キャップリムをさらに含み、前記キャップリムは、前記キャップの外周の一部を前記アクセス孔の周縁の少なくとも一部と分離可能に接続するために、前記キャップの外周の少なくとも一部に沿って設けられる請求項38に記載の射出成形蓋。
【請求項40】
前記キャップリムの厚さは、前記キャップの厚さより小さい請求項39に記載の射出成形蓋。
【請求項41】
前記キャップは前記第1材料で作られ、前記キャップリムは前記第2材料で作られる請求項39に記載の射出成形蓋。
【請求項42】
前記キャップは、リッジを含む請求項38に記載の射出成形蓋。
【請求項43】
前記カバー部は、前記リッジを収容するように構成されるレセプタクルをさらに含む請求項42に記載の射出成形蓋。
【請求項44】
前記蓋体に設けられた空気孔をさらに含む請求項23に記載の射出成形蓋。
【請求項45】
容器、及び請求項23〜44のいずれか一項に記載の射出成形蓋を含む、容器-蓋アセンブリであって、
前記容器は、容器本体、前記容器本体の頂部の外周に沿って設けられたリム、及び前記リムに画定された上部開口部を含む、容器-蓋アセンブリ。
【請求項46】
リムによって画定された上部開口部を有する容器と共に使用される射出成形蓋であって、
前記射出成形蓋は、蓋体及び固定部材を含み、
前記蓋体は、第1材料で作られ、カバー部、及び前記カバー部の外周の周りに設けられ、前記容器のリムに嵌合するためのフランジ部を含み、前記フランジ部は、第1側壁、第2側壁及び上壁を含み、前記第1側壁は、前記カバー部の外周に接続され、前記第2側壁は、その上に設けられた少なくとも1つのノッチを含み、前記第1側壁、第2側壁、及び上壁の内面は、内部空間を画定し、
前記固定部材は、第2材料で作られ、フレーム及び少なくとも1つのタブを含み、前記フレームは、前記内部空間内に設けられ、少なくとも前記上壁に隣接し、前記タブは、フレームから前記第2側壁の内面に沿って下方に延在し、前記タブの下縁が前記ノッチの底部開口部を横切って設けられ、前記タブは、前記射出成形蓋を前記容器のリムに係合させるための少なくとも1つの突起を含む射出成形蓋。
【請求項47】
前記蓋体は、複数の前記ノッチを含む請求項46に記載の射出成形蓋。
【請求項48】
前記固定部材は、複数の前記タブを含む請求項46に記載の射出成形蓋。
【請求項49】
前記ノッチの数は、前記タブの数に等しい請求項46に記載の射出成形蓋。
【請求項50】
前記タブは、2つ以上の前記ノッチを覆うように構成される請求項47に記載の射出成形蓋。
【請求項51】
前記第1材料と第2材料は、同じ色又は異なる色を有する異なる材料である請求項46に記載の射出成形蓋。
【請求項52】
前記第1材料と第2材料は、同じ材料であるが、異なる色である請求項46に記載の射出成形蓋。
【請求項53】
前記第1材料及び第2材料のそれぞれは、ポリスチレン(PS)、カルボン酸モノマーとエチレンとのコポリマー、ポリスチレン-アクリロニトリル(PSAN)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、スチレン-無水マレイン酸(SMA)、セルロースエーテル、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルシクロヘキサン、ポリ塩化ビニル(PVC)、フェノキシ系熱可塑性ポリマー、ポリオレフィン、フェノキシ-ポリオレフィン熱可塑性ブレンド、熱可塑性エラストマー(TPE)、シリコーン、超低密度ポリエチレン(ULDPE)樹脂、及びそれらのコポリマー又はブレンドからなる群より独立して選択される請求項46に記載の射出成形蓋。
【請求項54】
前記第2材料は、TPE、シリコーン、及びULDPE樹脂からなる群より選択される請求項53に記載の射出成形蓋。
【請求項55】
前記第1材料は、ポリプロピレンであり、前記第2材料はポリウレタンである請求項46に記載の射出成形蓋。
【請求項56】
前記蓋体は、前記カバー部の外面に設けられたパターン層をさらに含む請求項46に記載の射出成形蓋。
【請求項57】
前記パターン層は、前記第1材料、前記第2材料、第3材料、又はそれらの組み合わせで製作される請求項56に記載の射出成形蓋。
【請求項58】
前記第3材料は、サーモクロミック材料を含む熱可塑性材料である請求項57に記載の射出成形蓋。
【請求項59】
前記第2側壁の内面は、少なくとも1つの凹み領域を含み、前記タブは、少なくとも1つの凹み領域に設けられた請求項46に記載の射出成形蓋。
【請求項60】
前記フランジ部は、少なくとも1対のリブをさらに含み、前記リブは、前記ノッチの一側に、前記第2側壁長手方向に沿って設けられ、前記タブの両辺は、それぞれ前記リブに設けられた請求項46に記載の射出成形蓋。
【請求項61】
前記蓋体は、前記カバー部に設けられたアクセス孔をさらに含む請求項46に記載の射出成形蓋。
【請求項62】
前記蓋体は、キャップをさらに含み、前記キャップは、前記カバー部に設けられ、前記アクセス孔を覆うように構成され、前記キャップの少なくとも一部は、前記アクセス孔を露出させるように前記カバー部から分離可能である請求項61に記載の射出成形蓋。
【請求項63】
キャップリムをさらに含み、前記キャップリムは、前記キャップの外周の一部を前記アクセス孔の周縁の少なくとも一部と分離可能に接続するために、前記キャップの外周の少なくとも一部に沿って設けられる請求項62に記載の射出成形蓋。
【請求項64】
前記キャップリムの厚さは、前記キャップの厚さより小さい請求項63に記載の射出成形蓋。
【請求項65】
前記キャップは前記第1材料で作られ、前記キャップリムは前記第2材料で作られる請求項63に記載の射出成形蓋。
【請求項66】
前記キャップは、リッジを含む請求項62に記載の射出成形蓋。
【請求項67】
前記カバー部は、前記リッジを収容するように構成されるレセプタクルをさらに含む請求項66に記載の射出成形蓋。
【請求項68】
前記蓋体に設けられた空気孔をさらに含む請求項66に記載の射出成形蓋。
【請求項69】
前記第2側壁は、その内面に設けられた少なくとも1つの突起を含み、前記突起は、前記射出成形蓋を前記容器のリムに係合させるためのものである請求項46に記載の射出成形蓋。
【請求項70】
容器、及び請求項46〜69のいずれか一項に記載の射出成形蓋を含む、容器-蓋アセンブリであって、
前記容器は、容器本体、前記容器本体の頂部の外周に沿って設けられたリム、及び前記リムに画定された上部開口部を含む、容器-蓋アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器と共に使用するための蓋に関し、より具体的には、容器の内容物のこぼれ、漏れ、又は落下の可能性を低減又は排除するための固定部材を含む蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、飲料などの多くの食品が移動中に消費されているため、使い捨て又は単回使用の容器及び蓋が必要となる。使い捨て容器は、通常、紙、厚紙、プラスチック、又は積層材料で作られ、蓋は、主にプラスチックで作られている。保存期間では、容器及び蓋は、環境温度及び相対湿度レベル又は変動により変形する場合が多い。しかし、容器と蓋は異なる材料で作られる場合が多い(又は、容器及び蓋が同一のプラスチックで作られる場合に、異なる形状及びサイズを有する)ので、同じ保存条件下での両者の変形レベルは互いに一致しないことがある。このような変形レベルの差は、容器と蓋との間の接続箇所に不具合又は欠陥を発生させる場合がある。容器内の液体(例えば、飲料)がこれらの不具合又は欠陥を通って浸透しやすくなるため、漏れ又は落下を引き起こす。この問題は、容器及び蓋が一定の期間保存された後、特に、湿度の高い環境又は厳しい気候で保存される際に、より一般的である。
【0003】
様々な保存条件で長い保存期間保存された後においても、容器及び蓋が緊密な閉鎖を形成することを確保するために、ほとんどの使い捨て容器及び蓋の製造業者は、原料、仕入先、原材料の仕様、プロセス手順、及び最終製品の仕様を含む非常に厳格な製造条件を採用する。多くの場合には、購入者は、容器と蓋との差を低減するために、容器と蓋の両方が同じ製造業者で製造されることを要求することさえある。
【0004】
さらに、大部分の使い捨て容器の本体はあまり堅くないため、このような容器本体は、消費者に握られたり、強く押したりするときに、又は容器がひっくり返されたときに変形する傾向がある。これらの場合に、蓋が容器から分離することで液体がこぼれることがある。無論、蓋を付けた容器が容器の内容物のこぼれ、漏れ、又は落下を防止できない場合が多くある。
【0005】
以上のことから分かるように、消費者が容器を持っていたり、容器内の食品(特に、飲料)を消費したりしているときに、こぼれ又は漏れを経験することがある。従って、当分野では、容器内の内容物のこぼれ、漏れ又は落下を最小限にするか、又は減少させることができる蓋を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
以下は、読者に基本的な理解を提供するために本開示の簡略な概要を提示する。この概要は、本開示の広範な概要ではなく、本発明の鍵となる/決定的な要素を特定するものでも、本発明の範囲を示すものでもない。その唯一の目的は、後述するより詳細な説明の前置きとして、ここに開示されるいくつかの概念を簡略化した形で提示することである。
【0007】
いくつかの態様において、本開示は、リムに画定された上部開口部を有する容器に緊密な閉鎖を提供するための蓋に関する。特に、本発明の蓋は、射出成形により製造され、かつ固定部材がもうけられることにより、蓋が容器のリムに嵌合したときに、固定部材は、容器内の内容物のこぼれ、漏れ、及び/又は落下を防止又は軽減する余分の締結強度を提供する。
【0008】
本開示の第1の態様によれば、射出成形蓋は、それぞれ第1材料及び第2材料で作られる蓋体及び固定部材を含む。蓋体は、カバー部、及びカバー部の外周の周りに設けられ、容器のリムに嵌合するためのフランジ部を含む。フランジ部は、第1側壁及び第2側壁を含む。第1側壁は、カバー部の外周に接続される。第2側壁は、その上に設けられた少なくとも1つのノッチ、及びその内面に設けられた少なくとも1つの突起を含み、該突起は、射出成形蓋を容器のリムに係合させるためのものである。固定部材は、フレーム及び少なくとも1つのタブを含む。フレームは、第1側壁と第2側壁の上辺を接続する。タブは、フレームから第2側壁の外面に沿って下方に延在してノッチを覆う。
【0009】
或いは、第2の態様において、射出成形蓋は、それぞれ第1材料及び第2材料で作られる蓋体及び固定部材を含む。蓋体は、カバー部、及びカバー部の外周の周りに設けられ、リムに嵌合するためのフランジ部を含む。フランジ部は、第1側壁、第2側壁、及び上壁を含み、該上壁は、その上に設けられた少なくとも1つのスリットを含む。第1側壁は、カバー部の外周に接続される。第2側壁は、その上に設けられた少なくとも1つのノッチ、及びその内面に設けられた少なくとも1つの突起を含み、該突起は、射出成形蓋を容器のリムに係合させるためのものである。上壁、第1側壁、及び第2側壁は、共同で内部空間を画定する。固定部材は、フレーム、少なくとも1つのタブ、及び少なくとも1つの延長部を含む。フレームは、内部空間内に設けられ、少なくとも上壁に隣接する。延長部は、フレームから延在してスリットを通過して上壁に当接する。タブは、延長部から第2側壁の外面に沿って下方に延在してノッチを覆う。
【0010】
第3の態様において、本発明の射出成形蓋は、蓋体及び固定部材を含む。蓋体は、カバー部、及びカバー部の外周の周りに設けられ、リムに嵌合するためのフランジ部を含む。フランジ部は、第1側壁、第2側壁、及び上壁を含む。第1側壁、第2側壁及び上壁の内面は内部空間を画定する。第1側壁は、カバー部の外周に接続される。第2側壁は、その上に設けられた少なくとも1つのノッチを含む。固定部材は、フレーム及び少なくとも1つのタブを含む。フレームは、内部空間内に設けられ、少なくとも蓋体のフランジ部の上壁に隣接する。タブは、フレームから第2側壁の内面に沿って下方に延在し、タブの下縁は、ノッチの底部開口部を横切って設けられる。タブは、射出成形蓋を容器のリムに係合させるための少なくとも1つの突起をさらに含む。
【0011】
任意の実施形態において、蓋体の第2側壁は、複数のノッチを含む。任意の実施形態において、固定部材は、複数のタブを含む。さらに、必要に応じて、ノッチの数は、タブの数に等しい。或いは、少なくとも1つのタブは、2つ以上のノッチを覆うように構成される。
【0012】
本開示の様々な実施形態によれば、第1材料と第2材料は、同じ色又は異なる色を有する異なる材料である。或いは、第1材料と第2材料は、同じ材料であるが、異なる色である。例えば、第1材料及び第2材料のそれぞれは、ポリスチレン(PS)、カルボン酸モノマーとエチレンとのコポリマー、ポリスチレン-アクリロニトリル(PSAN)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、スチレン-無水マレイン酸(SMA)、セルロースエーテル、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルシクロヘキサン、フェノキシ系熱可塑性ポリマー、ポリオレフィン、フェノキシ-ポリオレフィン熱可塑性ブレンド、熱可塑性エラストマー(TPE)、シリコーン、超低密度ポリエチレン(ULPDE)樹脂、又はそれらのコポリマー又はブレンドである。一般的な熱可塑性エラストマーは、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、熱可塑性ゴム(TPR)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性加硫ゴム(TPV)、及び熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、第2材料は、TPE、シリコーン、又はULPDE樹脂であることが好ましい。本開示の特定の実施形態において、第1材料は、ポリプロピレンであり、第2材料は、熱可塑性ポリウレタンである。
【0013】
いくつかの任意の実施形態において、蓋体は、カバー部の外面に設けられたパターン層をさらに含む。パターン層は、第1材料、第2材料、第3材料又はそれらの組み合わせで作られる。例示的な第3材料は、サーモクロミック材料を含む熱可塑性材料(例えば、PP、PE、PVC、及びシリコーン)を含む。
【0014】
本開示の任意の実施形態において、蓋体は、カバー部に設けられた1つ以上のアクセス孔をさらに含む。さらに、必要に応じて、蓋体は、キャップをさらに含み、該キャップは、カバー部に設けられ、アクセス孔を覆うように構成される。キャップの少なくとも一部は、アクセス孔を露出させるようにカバー部から分離可能である。さらに、本発明の射出成形蓋は、キャップリムをさらに含む。該キャップリムは、キャップの外周の一部をアクセス孔の周縁の少なくとも一部と分離可能に接続するために、キャップの外周の少なくとも一部に沿って設けられる。特定の実施形態において、キャップリムの厚さは、キャップの厚さより小さい。代替的又は追加的には、キャップは第1材料で作られ、キャップリムは第2材料で作られる。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態によれば、キャップは、リッジをさらに含む。さらに、必要に応じて、カバー部は、リッジを収容するように構成されるレセプタクルをさらに含み得る。
【0016】
いくつかの任意の実施形態において、射出成形蓋は、蓋体に設けられた空気孔をさらに含み得る。
【0017】
本開示の第2の態様に係る射出成形蓋について、固定部材の延長部は、必要に応じて、上壁の外周の一部に沿って延在させることができる。
【0018】
タブが第2側壁の内面に沿って伸びる場合に、第2側壁の内面は、少なくとも1つの凹み領域を必要に応じて含むことができ、タブの少なくとも一部が凹み領域に設けられる。代替的又は追加的に、フランジ部は、少なくとも1対のリブをさらに含み得る。各リブは、ノッチの一側に、第2側壁の長手方向に沿って設けられ、タブの両辺が1対のリブに設けられる。
【0019】
本開示の第3の態様に係る射出成形蓋について、第2側壁は、必要に応じて、その内面に設けられた少なくとも1つの突起を含み得る。該突起は、射出成形蓋を容器のリムに係合させるためのものである。
【0020】
別の態様において、本開示は、容器、及び本開示の上記態様及び/又は実施形態のいずれかに係る射出成形蓋を含む、容器-蓋アセンブリに関する。
【0021】
本開示の様々な実施形態によれば、容器は、容器本体、容器本体の頂部の外周に沿って設けられたリム、及びリムに画定された上部開口部を含む。本発明の射出成形蓋は、容器と共に使用される際に、容器への蓋の配置を容易にし、容器と蓋に対してより緊密な閉鎖を提供する。
【0022】
本開示の付随する特徴及び利点の多くは、添付の図面に関連して考慮される以下の詳細な説明を参照することにより、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本説明は、添付の図面に照らして読まれた以下の詳細な説明からよりよく理解されるであろう。
【0024】
図1A図1Aは、本開示の一実施形態に係る容器-蓋アセンブリを示す模式図である。
図1B図1Bは、図1Aの射出成形蓋の蓋体及び固定部材を示す分解図である。
図1C図1Cは、図1Aの射出成形蓋を示す上面図である。
図1D図1Dは、図1Aの射出成形蓋を示す底面図である。
図1E図1Eは、図1Aの1E−1E線に沿う射出成形蓋の断面図である。
図2A-2B】図2A及び図2Bは、それぞれ本開示の2つの任意の実施形態に係るキャップリムを示す模式図である。
図3A図3Aは、本開示の別の実施形態に係る射出成形蓋を示す模式図である。
図3B図3Bは、図3Aの射出成形蓋の蓋体及び固定部材を示す分解図である。
図3C図3Cは、図3Aの射出成形蓋を示す上面図である。
図3D図3Dは、図3Aの射出成形蓋を示す底面図である。
図4A図4Aは、本開示のさらなる実施形態に係る射出成形蓋を示す模式図である。
図4B図4Bは、図4Aの射出成形蓋の蓋体及び固定部材を示す分解図である。
図4C図4Cは、図4Aの4C−4C線に沿う射出成形蓋の断面図である。
【0025】
一般的な慣行に従って、記載された様々な特徴/部材は、縮尺通りに描かれておらず、代わりに、本発明に関連する特定の特徴/構成要素を最もよく例示するために描かれている。 また、様々な図面における同様の参照番号及び名称は、同様の部材/部品を示すために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0026】
添付の図面に関連して以下に提供される詳細な説明は、本実施形態の説明として意図されており、本実施形態が構築又は利用され得る唯一の形態を表すものではない。この説明は、この実施形態の構造及び/又は機能、並びに/或いは、この実施形態を構成及び/又は動作させるための一連のステップを示す。しかし、同じ又は同等の機能及び順序は、他の実施形態によって達成されてもよい。
【0027】
便宜上、本明細書、実施例及び添付の特許請求の範囲で使用される特定の用語がここに集められる。本明細書において他に定義されない限り、本開示において使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解され使用される意味を有するものとする。文脈によって他に必要とされない限り、単数形の用語は複数の形を含むものとし、複数形の用語は単数形を含むものとする。具体的には、本明細書及び特許請求の範囲で使用されるように、文脈が明らかに他に示されない限り、単数形「a」及び「an」は複数の言及を含む。また、本明細書及び特許請求の範囲で使用する「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」という用語は、同じ意味を有し、1,2,3又はそれ以上を含む。
【0028】
本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメーターが近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に示された数値は可能な限り正確に報告される。しかし、いずれの数値も本質的に、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を含む。また、本明細書で使用する「約」という用語は、一般に、所与の値又は範囲の10%、5%、1%又は0.5%以内を意味する。或いは、用語「約」は、当業者によって考慮される場合、平均の許容可能な標準誤差内にあることを意味する。操作例/実施例以外で、又は特に明記しない限り、本明細書中に開示される材料の量、時間、温度、操作条件、量の比などについての、数値範囲、量、値及びパーセンテージの全てが、すべての場合において、用語「約」により修飾されているものと理解されるべきである。したがって、反対に示されない限り、本開示及び添付の請求項に記載される数値パラメーターは、所望に応じて変化することのできる近似値である。少なくとも、各数値パラメーターは、報告された有効数字の数に照らして、及び通常の丸め技法を適用することによって、少なくとも解釈されるべきである。範囲は、本明細書では、1つのエンドポイントから別のエンドポイント、又は2つのエンドポイント間として表現することができる。特に明記しない限り、本明細書に開示される全ての範囲は、エンドポイントを包含する。
【0029】
本開示全体を通して、用語「容器」は、物の保管、分配、包装、又は分割に利用される物品、レセプタクル、又は器を含むことが意図される。このような容器の例は、箱、カップ、瓶、ボトル、ボウル、プレート、カートン、ケース、木枠、皿、又は他のタイプのホルダーを含むが、これらに限定されない。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される用語「使い捨て容器」は、典型的には使い捨て材料に関連する特性を有する容器を指す。しかしながら、用語「使い捨て」の使用は、容器が必ずしも単回使用の容器でなければならず、1回の使用の後に廃棄されることを意味しない。本開示の特定の実施形態によれば、容器は、飲料を含む食品を保持するために使用される。
【0030】
本明細書で使用する用語「射出成形」は、本明細書に記載の射出成形技術によって製造された物品(例えば、蓋)を改造するために使用される。「射出成形」という用語は、所望の形状又は構成を有する物品を製造するために、1つ以上の材料(注入材料)を金型に注入する任意の技術を広く指す。注入材料として使用するのに適した材料の非限定的な例には、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、エラストマー、金属、ガラス、及びセラミックが含まれる。
【0031】
本開示は、固定部材を有する新規な射出成形蓋を提供することによって、蓋と容器との結合を改善することを目的とする。従って、一態様において、本開示は、蓋が容器に嵌合したときに、容器内の内容物のこぼれ、漏れ、落下を最小限に抑える又は減少させるための固定部材を有する射出成形蓋に関する。さらに、上記射出成形蓋及び容器を含む、容器-蓋アセンブリも本開示の範囲に含まれる。
【0032】
理解できるように、本発明の容器-蓋アセンブリは、容器及び射出成形蓋を含む。容器は、容器本体及びリムを有し、リムは、容器本体の頂部の外周に沿って設けられ、且つ容器の上部開口部を画定する。
【0033】
本開示の様々な実施形態によれば、容器は、円形、楕円形、多角形、又は不規則な形状のような任意の所望の断面形状を有することができる。本発明の射出成形蓋は、容器の開口部を覆うように容器に嵌合し、容器本体内に保持された内容物が容器から容易に出るのを防止することを目的とするため、射出成形蓋の断面形状は、容器の断面形状と実質的に一致すべきである。
【0034】
本発明の射出成形蓋の構造について、第1材料で作られる蓋体及びで第2材料作られる固定部材を含む。一般に、蓋体は、カバー部、及びカバー部の外周の周りに設けられ、リムに嵌合するためのフランジ部を含む。また、固定部材は、フレーム及び少なくとも1つのタブを含む。
【0035】
第1の態様において、蓋体のフランジ部は、第1側壁及び第2側壁を含み、第1側壁と第2側壁の上辺は、固定部材のフレームにより接続され、第1側壁は、カバー部の外周に接続され、第2側壁は、その上に設けられた少なくとも1つのノッチを有し、且つその内面に設けられた少なくとも1つの突起を含み、該突起は、射出成形蓋を容器のリムに係合させるためのものである。固定部材のタブは、フレームから第2側壁の外面に沿って下方に延在してノッチを覆う。
【0036】
第2の態様において、蓋体のフランジ部は、第1側壁、第2側壁、及び上壁を含む。第1側壁は、カバー部の外周に接続される。上壁は、第1側壁と第2側壁とを接続することにより、内部空間を画定する。また、上壁は、その上に設けられた少なくとも1つのスリットを含む。第2側壁は、その上に設けられた少なくとも1つのノッチを有し、且つその内面に設けられた少なくとも1つの突起を含み、該突起は、射出成形蓋を容器のリムに係合させるためのものである。固定部材のフレームは、内部空間内に設けられ、上壁に隣接する。固定部材は、少なくとも1つの延長部も含む。該延長部は、フレームから延在してスリットを通過して上壁に当接する。タブは、延長部から第2側壁の外面に沿って下方に延在してノッチを覆う。
【0037】
第3の態様において、フランジ部は、第1側壁、第2側壁、及び上壁を含む。第1側壁は、カバー部の外周に接続される。上壁は、第1側壁と第2側壁とを接続することにより、内部空間を画定する。第2側壁は、その上に設けられた少なくとも1つのノッチを有する。固定部材のフレームは、内部空間内に設けられ、少なくとも蓋体のフランジ部の上壁に隣接する。タブは、フレームから第2側壁の内面に沿って下方に延在している。タブの下縁は、ノッチの底部開口部を横切って設けられる。さらに、タブは、射出成形蓋を容器のリムに係合させるための少なくとも1つの突起を含む。
【0038】
当業者には理解されるように、機能的、美的、及び/又は経済的な目的のために、本発明の射出成形蓋、容器-蓋アセンブリの上記の基本構造に多くの変形又は変更を加えることができる。
【0039】
例えば、容器のリムの1つの目的は、射出成形蓋と係合することである。一例では、リムは、容器本体の頂部の外周の周りに設けられた、一定の厚さを有するフレーム状構造である。しかしながら、リムの構造が本発明の射出成形蓋との係合を可能にする限り、リムの形状及び寸法は、製造業者、購入者及び/又は消費者の必要に応じて変わることができる。様々な任意の実施形態において、リムの上面は、湾曲してもよいか、又は平坦であってもよい。また、リムの側周の表面は、湾曲してもよく、平坦であってもよく、又はパターン化されてもよい。さらに、必要に応じて、リムの下縁は、容器本体に向かって若しくは容器本体から離れるように傾斜してもよいか、又は容器本体に平行であってもよい。
【0040】
蓋体のカバー部について、カバー部の最上点(又は、表面)は、フランジ部の上壁の上方、下方、又は同じ高さに設けられる。カバー部は、一般に円錐台形、円筒形、半球形、又は任意の他の適切な形状を有することができる。また、カバー部は、1つ以上の突出領域、凹み領域、傾斜領域、又はそれらの組合せのいずれかを有するように構成され得る。
【0041】
本開示の様々な実施形態によれば、射出成形蓋の蓋体は、第2側壁に設けられた1つ以上のノッチを含み得る。例えば、射出成形蓋は、フランジ部の第2側壁に設けられた1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のノッチを含み得る。好ましくは、これらのノッチは、フランジ部の外周の周りに等間隔で設けられる。フランジ部の第2側壁にあるノッチは、円弧、三角形、四辺形(例えば、長方形、台形、若しくは平行四辺形)、S形状、又は任意の所望の形状に成形することができる。ノッチの設計により、使用者が片手で容器を閉じることができるように、本発明の射出成形蓋を容器上に配置するための柔軟性を提供する。
【0042】
タブの1つの目的は、ノッチからスリットを形成するのを防止することで、蓋体の構造的完全性を高めることである。従って、いくつかの実施形態において、タブは、ノッチの開口部を覆うが、いくつかの他の実施形態において、タブの下縁の幅がノッチの底部開口部の幅以上であることにより、タブの下縁は、ノッチの底部開口部を横切って設ける構成される。タブは、平坦片又はフレームとして形成することができ、タブの形状は、ノッチの形状と一致してもしなくてもよい。
【0043】
タブの別の目的は、本発明の蓋と容器との係合を改善する固定手段を提供することである。これは、以下の手段の1つ以上によって達成することができる。例えば、容器のリムと接触するタブの表面は、そのような係合のための1つ以上の突起を有するように設計され得る。代替的又は追加的に、タブは、弾性材料で射出成形することができる。このようにして、本発明の射出成形蓋を容器に置くと、弾性タブがわずかに引き伸ばされてノッチ開口部が拡張されることで、本発明の蓋の容器への配置を容易にし、蓋を配置した後、弾性タブが元の寸法に戻ることで、容器との係合を締め付けることができる。いずれにしても、本発明の射出成型蓋と容器との全体的な締め付けが改善され得る。それによって、容器が直立していないときに漏れが防止され、特定の場合(液体等を入れた容器/蓋の墜下、転倒、落下又は絞り)に発生可能な力を受けたときに蓋が外れることがない。
【0044】
上述したように、1つ以上のノッチは、蓋体のフランジ部に設けられ得る。同様に、固定部材は、1つ以上のタブを有し得る。特定の実施形態において、ノッチの数は、タブの数に等しい。或いは、 少なくとも1つのタブは、2つ以上のノッチを覆うように構成され得る。
【0045】
各タブには、必要に応じて、本発明の射出成形蓋と容器のリムとの係合を容易にする1つ以上の突起が設けられ得る。同様に、フランジ部の第2側壁の内面に、容器のリムと係合するための1つ以上の突起が設けられ得る。いくつかの場合には、タブと第2側壁の両方にも突起を有することができる。
【0046】
本開示の特定の実施形態によれば、タブがフランジ部の第2側壁の内面に設けられる場合に、タブと接触しているフランジの内面は、タブと接触していない第2の側壁の内面に対して凹むことにより、タブの少なくとも一部を収容するための凹み領域を形成する。このようにして、タブの接触面(即ち、容器のリムと接触するように構成された表面)は、タブと接触していない第2側壁の内面と揃っている。
【0047】
様々な任意の実施形態によれば、蓋体は、少なくとも1対のリブをさらに含む。各リブは、ノッチの各側に、第2側壁の長手方向に沿って設けられる。リブの内面は、第2の側壁の残りの内面に対して凹むことにより、タブの両辺を収容する凹み領域を形成する。
【0048】
上述したように、本開示の様々な実施形態に係る蓋は、射出成形によって製造される。射出成形は、注入材料を成形しやすくなるまで加熱し、その後金型キャビティ内に注入し、冷却してキャビティの形状に硬化する製造プロセスである。一般的な注入材料には、金属、ガラス、エラストマー、及び熱可塑性及び熱硬化性ポリマーが含まれる。本開示の様々な実施形態によれば、本発明の射出成形蓋を製造するための注入材料は、エラストマー、熱可塑性ポリマー、又は熱硬化性ポリマーであり得る。
【0049】
特に、本発明の蓋は、それぞれ第1材料及び第2材料で射出成形された2つの部分(即ち、蓋体及び固定部材)を含む。本開示の様々な実施形態によれば、第1材料と第2材料は、同じ色若しくは異なる色を有する異なる材料、又は異なる色を有する同じ材料であり得る。例えば、蓋体は、ポリプロピレンのような硬質の熱可塑性材料で製造され、固定部材は、エラストマーで製造され得る。本開示の特定の実施形態によれば、第1材料及び第2材料の少なくとも一方は、食品等級材料であることが好ましい。さらに、必要に応じて、第1材料及び第2材料少なくとも一方は、生分解性材料であってもよい。
【0050】
いくつかの実施形態において、第1材料及び第2材料のそれぞれは、ポリスチレン(PS)、カルボン酸モノマーとエチレンとのコポリマー、ポリスチレン-アクリロニトリル(PSAN)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、スチレン-無水マレイン酸(SMA)、セルロースエーテル、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルシクロヘキサン、フェノキシ系熱可塑性ポリマー、ポリオレフィン又はフェノキシ-ポリオレフィン熱可塑性ブレンド、熱可塑性エラストマー(TPE)、シリコーン、超低密度ポリエチレン(ULPDE)樹脂、及びそれらのコポリマー又はブレンドのいずれかであり得る。
【0051】
本開示の特定の実施形態によれば、第2材料は、熱可塑性エラストマー(TPE)、シリコーン、又はULDPE樹脂であることが好ましい。一般的な熱可塑性エラストマーは、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、熱可塑性ゴム(TPR)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性加硫ゴム(TPV)、及び熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)を含むが、これらに限定されない。一実施形態において、第1材料はポリプロピレンであり、第2材料は、熱可塑性ポリウレタンである。
【0052】
射出成形プロセスについて、第1材料及び第2材料は、同時に注入してもよいか、或いは、まず第1材料又は第2材料を注入するように順次注入してもよい。第1材料及び第2材料の金型への同時注入は、「デュアル注入」又は「二重注入」として一般に知られている。2つ以上の注入材料の逐次注入には、通常、第1注入材料をコア及び第1キャビティを有する型に注入してプリフォームを得、プリフォームとコアを第1キャビティから取り外して第2キャビティに挿入し、続いて既存のプリフォーム上に第2注入材料を注入して一体成形品を形成する。上述の射出成形技術は、2つ以上の注入材料が結合された一体成形品の製造を可能にする。このようにして、2つ以上の部品を組み立てるか、又は結合して全体の物品を形成する必要はない。これらの技術は、(時間、労力、金銭の点で)コストの削減、部品の信頼性の向上、設計の柔軟性の向上など、多くの利点を有する。
【0053】
任意の実施形態において、蓋体は、カバー部の外面に設けられたパターン層をさらに含む。パターン層は、1つ以上のパターンを有する。該パターンは、蓋の材料又はその略称、樹脂識別コード、警告、耐温度性、製造者若しくは購入者の名称若しくは商標等のいずれかを示すために、又は装飾的な目的のために使用することができる。一実施形態において、上記パターン層におけるパターンは、第1材料で作られてもよい。例えば、カバー部を形成する第1材料をエンボス加工して1つ以上の上記パターンを形成することができる。或いは、上記パターン層におけるパターンは、第2材料で形成されることにより、第1材料の材料及び/又は色とは異なるパターンを形成することができる。或いは、第3材料を用いて1つ以上の上記パターンを形成することができる。例えば、第3材料は、1つ以上のサーモクロミック材料を含む熱可塑性材料であり得る。いくつかの他の実施形態において、パターン層における各パターンは、1つ以上の上記材料で形成され得る。サーモクロミック材料とブレンドするのに適した熱可塑性材料は、PP、PE、PVC、及びシリコーンを含むが、これらに限定されない。サーモクロミック材料は、その活性化温度よりも高い温度に接触すると、第1色から第2色に変わり、温度が活性化温度以下に冷却されると、第2色から第1色に戻る。いくつかのサーモクロミック顔料が市販されている。適用において、第3材料を使用して、警告徴候に関連するパターン(例えば、ホット、注意)を作成し、警告効果を高めることができる。或いは、第3材料を使用してソース(例えば、ベンダーの名称又は商標)の識別に関連するパターン又は他の装飾パターンを作成することができる。第3材料を用いてパターン層の全部又は一部を作成する場合に、第3材料は、第1材料及び第2材料の少なくとも一方と同時に、又は順次注入することができる。
【0054】
本開示の任意の実施形態によれば、蓋体は、カバー部に設けられた1つ以上のアクセス孔をさらに含む。アクセス孔は、本発明の蓋が容器に配置されて固定された場合に、使用者が容器内の内容物にアクセスすることを可能にするように構成される。例えば、アクセス孔は、カバー部の外周付近に設けられた飲用孔であることで、使用者が該飲用孔を介して容器の内容物を飲んだり、吸ったりすることができる。或いは、アクセス孔は、ストロー、スプーン、スティックスティック、フォークなどの1つ以上の用具の挿入を可能にするように構成され得る。いくつかの場合に、本発明の蓋には、それぞれ上記の目的の1つに対応する2つのアクセス孔が設けられることができる。
【0055】
さらに、必要に応じて、蓋体は、キャップをさらに含む。該キャップは、カバー部に接続され、且つアクセス孔を覆うように構成される。キャップの少なくとも一部は、アクセス孔を露出させるようにカバー部から分離可能である。
【0056】
任意の実施形態において、本発明の射出成形蓋は、キャップリムをさらに含み得る。該キャップリムは、キャップの外周の一部をアクセス孔の周縁の少なくとも一部と分離可能に接続するために、キャップの外周の少なくとも一部に沿って設けられる。キャップをアクセス孔の周縁から分離するのを容易にするために、キャップリムの厚さがキャップの厚さよりも小さくてもよいか、又は、キャップ及びキャップリムは、それぞれ第1材料及び第2材料で作られてもよい。
【0057】
さらに、必要に応じて、キャップは、アクセス孔の周縁からのキャップの分離を容易にすることができるリッジを含む。例えば、使用者は、リッジを上又は下に押してリッジに力を加えることにより、キャップの少なくとも一部をアクセス孔の周縁の少なくとも一部から分離させることができる。任意の実施形態において、カバー部は、レセプタクルをさらに含み得る。該レセプタクルは、キャップが元の位置から持ち上げられると、リッジを収容するように構成される。.
【0058】
いくつかの任意の実施形態において、本発明の射出成形蓋は、蓋体に設けられた空気孔をさらに含み得る。例えば、空気孔は、アクセス孔を覆うキャップに設けられ得る。或いは、空気孔は、蓋体のカバー部に設けられ得る。
【0059】
以下の実施例は、添付の図面と併せて、本発明の特定の態様を解明し、本発明の実施において当業者を助けるために提供される。これらの実施例は決して本発明の範囲を限定するものではない。それ以上の詳述なしに、当業者は本明細書の記載に基づいて本発明を完全に利用することができると考えられる。また、図面の観点から、いくつかの図面には特定の要素が示されていないことに留意されたい。例えば、本発明の射出成形蓋のフランジ部の第2側壁に設けられたいくつかのノッチを、見えないように隠すことができる。
【0060】
図1Aは、本開示の一実施形態に係る組み立てられていない状態にある容器-蓋アセンブリ10を示す模式図である。図1Aに示すように、容器-蓋アセンブリ10は、射出成形蓋100及び容器を含み、この特定の例では、カップ180として示されているが、本発明はこれに限定されない。図1B、1C、1D及び1Eは、それぞれ図1Aに示される射出成形蓋100の分解図、上面図、底面図、及び断面図である。
【0061】
カップ180は、カップ本体182及びリム184を有する。リム184は、カップ本体182の頂部の外周に沿って設けられ、カップ180の上部開口部186を画定する。
【0062】
射出成形蓋100は、蓋体110及び固定部材150を含む。蓋体110と固定部材150が一体成形品として射出成形されるが、図示の目的のために、図1Bにおいて、蓋体110及び固定部材150が別々に図示されている。
【0063】
蓋体110は、カバー部120及びフランジ部130を含む。フランジ部130は、カバー部120の外周の周りに設けられ、カップ180のリム184に嵌合するためのものである(図1Aを参照)。この実施形態において、カバー部120は、カバー部120の最上点(又は表面)がフランジ部130の頂部の上にある隆起構造を有する。また、カバー部は、平坦な上面を有する円筒状に形成されている。しかし、本発明の射出成形蓋は、この特定の構成に限定されない。
【0064】
フランジ部130は、第1側壁132及び第2側壁134を含む。第1側壁132は、カバー部120の外周に接続される(図1C、1D、1Eを参照)。この実施形態において、第1側壁132及び第2側壁134は、互いに物理的に直接接触しておらず、固定部材150を介して接続される。従って、図1Bを参照すると、固定部材150が蓋体110から分離された場合に、第1側壁132と第2側壁134との間にスリット135が観察される。図示のように、第2側壁134はその上に設けられた4つのノッチ138を有する(図1B)が、本開示はこれに限定されない。第2側壁は、適切な数のノッチを有することができる。第2側壁134は、少なくとも1つの突起137も含む(図1Dを参照)。突起137は、第2側壁134の内面に設けられ、射出成形蓋100を容器180のリム184に係合させるためのものである。図1Dに示すように、4つの突起137が存在しており、各突起137が隣接する2つのノッチの間に設けられる。
【0065】
固定部材150は、フレーム152及び4つのタブ154を含む。フレーム152は、第1側壁132と第2側壁134の上辺を接続する。第1側壁132、第2側壁134及びフレーム152の内面は、共同で内部空間Sを画定する(図1Dを参照)。内部空間Sは、容器180のリム184を収容してそれと係合するように構成される。
【0066】
各タブ154は、フレーム152の側面から第2側壁154の外面に沿って下方に延在して1つのノッチ 138を覆う(図1B、1Dを参照)。この場合に、ノッチ138とタブ154の両方とも長方形であるが、本開示はこれに限定されない。ノッチは、タブの形状と異なる形状を有してもよい。
【0067】
パターン層(図示せず)は、必要に応じて、カバー部120の外面に設けられ得る。例えば、パターン層は、1つ以上の上記パターンを含み得る。
【0068】
射出成形蓋100は、必要に応じてカバー部120に設けられたアクセス孔(図示せず)も含む。この実施例では、アクセス孔は、本発明の射出成形蓋100が容器180に固定されている場合に、使用者がアクセス孔からカップ180内の内容物(例えば、飲料)を飲んだり又は飲用したりすることができるように構成される。従って、アクセス孔は、カバー部の外周に隣接して設けられる。さらに、必要に応じて、本発明の射出成形蓋100は、アクセス孔を覆うように構成されるキャップ142をさらに含む。キャップリム143は、キャップ142をアクセス孔の周縁の少なくとも一部と分離可能に接続するために、キャップ142の外周の少なくとも一部に沿って設けられることにより、キャップ142の少なくとも一部は、アクセス孔を露出させるようにカバー部120から分離可能である。
【0069】
必要に応じて、キャップは、その上に設けられたリッジ146をさらに含み得る。隆起したリッジ146は、キャップ142をアクセス孔の周縁から容易に分離させる。さらに、必要に応じて、カバー部120は、レセプタクル147を含む。レセプタクル147は、キャップ142の少なくとも一部がカバー部120から分離された場合にリッジ146を収容するように構成される。
【0070】
図1Aに示すカップ180は、円筒形の断面形状を有するものとして示されているが、本開示はこれに限定されない、カップ180、及び他の容器は、楕円形、多角形、又は不規則な形状のような任意の所望の断面形状を有することができる。理解できるように、射出成形蓋100は、カップ180の上に置かれてカップ180の開口部186を覆い、カップ本体182に保持される内容物がカップ180から容易にこぼれることを防止することを意図している。従って、理解できるように、射出成形蓋100の断面形状は、カップ180の断面形状と実質的に一致していなければならない。
【0071】
さらに、容器のリムの1つの目的は、射出成形蓋と係合することである。図1Aに示すように、リム184は、カップ本体182の頂部の外周の周りに設けられた、一定の厚さを有するフレーム状構造である。しかしながら、リムの構造が本発明の射出成形蓋との係合を可能にする限り、リムの形状及び寸法は、製造業者、購入者及び/又は消費者の必要に応じて変わることができる。様々な任意の実施形態において、リムの上面は、湾曲してもよいか(図2Aにおける容器280Aのリム284Aを参照)、又は平坦であってもよい(例えば、図2Bにおける容器280Bのリム184及びリム284B)。また、リムの側周の表面は、湾曲してもよく(リム284A)、平坦であってもよく、又はパターン化されてもよい(図示しない)。リムの下縁は、カップ本体に向かって(リム284A)若しくはカップ本体から離れる(リム284B)ように傾斜してもよいか、又はカップ本体に平行であってもよい(図示しない)。
【0072】
図3A〜3Dは、本開示の別の実施形態に係る射出成形蓋300を示す。図3Bに示すように、射出成形蓋300は、蓋体310及び固定部材350を含む。
【0073】
蓋体310は、カバー部320及びフランジ部330を含む。フランジ部330は、カバー部320の外周の周りに設けられ、対応する容器(例えば、図1Aに示す容器180)のリムに嵌合するためのものである。フランジ部330は、第1側壁332、第2側壁334、及び上壁336を含む。第1側壁332は、カバー部330の外周に接続される(特に、図3Dを参照)。第2側壁334は、2つの突起337を含む。突起337は、第2側壁334の内面に設けられ、射出成形蓋300を上記容器のリムに係合させるためのものである。第2側壁334は、その上に設けられた2つのノッチ338も含む(図3B)。上壁336は、その上に設けられた2つのスリット335を有する。各スリット335の位置は、各ノッチ338の位置に対応する(図3B)。上壁336、第1側壁332、及び第2側壁324は、内部空間Sを画定する(図3D)。内部空間Sは、対応する容器のリムを収容してそれと係合するように構成される。
【0074】
固定部材350は、フレーム352、2つのタブ354、及び2つの延長部353を含む。フレーム352は、内部空間S内に設けられ、上壁336に隣接する。各延長部353は、フレーム352から延在してスリット335を通過して上壁356に当接する。タブ354は、延長部353から第2側壁354の外面に沿って下方に延在してノッチ338を覆う。
【0075】
この実施例では、延長部353の幅は、スリット335の幅と実質的に同じである(図3B、3Cを参照)。しかし、特定の実施形態において、延長部は、上壁に沿ってさらに延在して延長部の幅がスリットの幅よりも広くなってもよい。スリットの位置とノッチの位置とが互いに対応していない場合に、延長部は、ノッチと対応する位置に達するまでフランジ部の上壁に沿って延在することができ、タブが該対応する位置から下方に延在してノッチを覆い;又は、タブは、スリットで延長部から下方に延在し、次いでノッチを覆うまで第2側壁の外周に沿って延在することができる。さらに、いくつかの実施例では、フランジ部には、1つのスリットのみが設けられてもよく、スリットを介して延在する延長部は、フランジ部の上壁に沿ってさらに延在することにより、上壁に外リングを形成し、1つ以上のタブは適切な位置で下方に延在してノッチを覆う。
【0076】
パターン層(図示せず)は、必要に応じて射出成形蓋300のカバー部320の外面に設けられ得る。例えば、パターン層は、1つ以上の上記パターンを含み得る。
【0077】
図3B〜3Dに示すように、射出成形蓋300のカバー部320は、必要に応じてキャップ342で覆われるアクセス孔340を含み得る。キャップリム343は、キャップ342の外周の少なくとも一部に沿って設けられ、それによって、キャップ342がアクセス孔340の周縁345の少なくとも一部から分離することを可能にする。
【0078】
射出成形蓋300のカバー部320は、必要に応じて空気孔344を含み得る。この実施形態において、空気孔344は、キャップ342に設けられる(図3B〜3D)。
【0079】
本開示の射出成形蓋400の別の実施形態を図4Aに示す。図4Bは、図4Aに示す射出成形蓋400を示す断面図である。図4Bに示すように、射出成形蓋400は、蓋体410及び固定部材450を含む。図4Cは、図4Aにおける4C−4C線に沿う断面図であり、蓋体410と固定部材450との間の構造的関係を描写する図である。
【0080】
蓋体410は、カバー部420及びフランジ部430を含む。フランジ部430は、カバー部420の外周の周りに設けられ、対応する容器(例えば、図1Aのカップ180)のリムと嵌合するためのものである。具体的には、フランジ部430は、第1側壁432、第2側壁434、及び上壁436を含む。第1側壁432は、カバー部420の外周に接続される。第1側壁432、第2側壁434及び上壁436の内面は、共同で内部空間Sを画定する(図4Cを参照)。第2側壁434は、その上に設けられた6つの三角形のノッチ438を含む。これらのノッチ438は、フランジ部430の外周の周りに等間隔で設けられる。
【0081】
固定部材450は、フレーム452及び6つのタブ454を含む(図4Bを参照)。フレーム452は、内部空間S内に設けられ、少なくとも蓋体410のフランジ部430の上壁436の内面に隣接する(図4Cを参照)。各タブ454は、フレーム452から第2側壁434の内面に沿って下方に延在している(図4B、4Cを参照)。図4Bに示すように、各タブ454は、2つの側辺454L及び1つの下縁454Eを含むフレーム状構造を有する。タブ454の下縁454Eは、ノッチ 438の底部開口部438Oを横切って設けられる。また、各タブ454は、それぞれ2つの側辺454Lに設けられた2つの突起456を含む。突起456は、射出成形蓋400を容器のリムと係合させるためのものである。この場合に、タブ454は、フレーム状の形状であり、突起456は、それぞれタブの両辺455に設けられる。また、図示のように、ノッチ438は三角形であり、タブ454は四角形であるが、本発明はこれに限定されない。ノッチ及びタブは、特定の実施形態で同じ形状であってもよい。
【0082】
フランジ部430は、6対のリブ439をさらに含む。各リブ439は、ノッチ438の一側に設けられ、且つ第2側壁434の長手方向に沿って設けられる。各タブ454の2つの側辺454Lは、それぞれリブ439に設けられる。また、第2側壁434の内面は、各タブ454の2つの側辺454Lを収容するように凹む。それによって、2つの側辺454Lの接触面(即ち、容器のリムと接触するように構成される表面)は、タブ454と接触していない第2側壁434の内面と揃っている。
【0083】
この実施例では、射出成形蓋400を容器と係合させるために、各タブ454に1つ以上(この例で2つ)の突起456が設けられているため、第2側壁434に突起を設ける必要がない。また、この任意の実施形態において、蓋400と容器との係合をさらに強化するために、第2側壁434の内面にいくつかの突起437が設けられている。
【0084】
パターン層(図示せず)は、必要に応じて、射出成形蓋400のカバー部420の外面に設けられ得る。例えば、パターン層は、1つ以上の上記パターンを含み得る。
【0085】
図4Aに示すカバー部420は、凹み領域426を有する。理解できるように、この凹み領域(及び他の適切な構成)は、機能的及び/又は美的な要求を満たすように設計されてもよい。例えば、凹み領域426は、容器から取り出したティーバッグを収容するために使用することができる。必要に応じて、カバー部420に空気孔444が設けられてもよい。カバー部420は、カバー部420の周縁に隣接するアクセス孔440をさらに含む。このアクセス孔440は、使用者が容器内の内容物(例えば、飲料)を飲む/飲用することを可能にする。
【0086】
理解できるように、本発明の射出成形蓋の蓋体及び固定部材の構造については種々の例が挙げられているが、本発明はこれらに限定されない。上記の例に開示された特徴は、製造業者、購入者、及び/又は消費者の必要に応じて、互いに又は他の適切な特徴と組み合わせることができる。
【0087】
以上のことから分かるように、本開示の種々の態様/実施形態に係る射出成形蓋は、少なくとも以下の態様において有利である。まず、本発明の蓋は、フレーム及び少なくとも1つのタブを有する新規な固定部材を使用する。フレームは、内容物(特に、飲料などの液体)が消費されるのを可能にするとともに、最小限ではないにせよ、内容物のこぼれを減少させる。タブは、本発明の蓋が容器から脱落することを防止するためのさらなる固定手段を提供する。また、本発明の蓋の蓋体は、容器の頂部に本発明の蓋を配置するのを容易にする1つ以上のノッチを含む。一方、固定部材のタブは、ノッチが割れるのをさらに防止するため、本発明の蓋の完全性を保証する。さらに、使用中に、使用者は様々な理由で蓋を取り外し、後で蓋を容器上に置き返す場合がある。固定部材の弾性により、このような係合/離脱の繰り返し動作が可能となる。最後であるが重要なこととして、本発明の蓋は射出成形によって製造され、それによって、1時間当り数百、数千又は数万個の速度、且つ低コストで蓋の大量生産を達成できる。結論として、本開示は、製造するのに安価な様々な射出成形蓋を提供するとともに、漏れ又はこぼれを防止する上の向上した性能を提供することができる。
【0088】
実施形態の上記の説明が単なる例として与えられており、当業者によって様々な変更がなされ得ることが理解されるだろう。上記の明細書、実施例及びデータは、本発明の例示的な実施形態の構造及び使用の完全な説明を提供する。本発明の様々な実施形態が、ある程度具体的に、又は1若しくは複数の個々の実施形態を参照して、上述されているが、当業者は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多数の変更を行うことができる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
【手続補正書】
【提出日】2018年2月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リムによって画定された上部開口部を有する容器と共に使用される射出成形蓋であって、
前記射出成形蓋は、蓋体及び固定部材を含み、
前記蓋体は、第1材料で作られ、カバー部及び前記容器のリムに嵌合するフランジ部を含み、前記フランジ部は、前記カバー部の外周の周りに設けられ、前記フランジ部は、第1側壁、第2側壁及び上壁を含み、前記第1側壁は、前記カバー部の外周に接続され、前記第2側壁は、少なくとも1つのノッチを含み、前記第1側壁、第2側壁、及び上壁の内面は、内部空間を画定し、
前記固定部材は、第2材料で作られ、フレーム及び少なくとも1つのタブを含み、前記フレームは、前記内部空間内に設けられ、少なくとも前記上壁に隣接し、前記タブは、フレームから前記第2側壁の内面に沿って下方に延在し、前記タブの下縁が前記ノッチの底部開口部を横切って設けられ、前記タブは、前記射出成形蓋を前記容器のリムに係合させるための少なくとも1つの突起を含む射出成形蓋。
【請求項2】
前記蓋体は、複数の前記ノッチを含み、前記固定部材は、複数のタブを含む請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項3】
前記ノッチの数は、前記タブの数に等しい請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項4】
前記タブは、2つ以上の前記ノッチを覆うように構成される請求項2に記載の射出成形蓋。
【請求項5】
前記第1材料と第2材料は、同じ色又は異なる色を有する異なる材料であり、或いは、
前記第1材料と第2材料は、同じ材料であるが、異なる色である請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項6】
前記第1材料及び第2材料のそれぞれは、ポリスチレン(PS)、カルボン酸モノマーとエチレンとのコポリマー、ポリスチレン-アクリロニトリル(PSAN)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、スチレン-無水マレイン酸(SMA)、セルロースエーテル、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルシクロヘキサン、ポリ塩化ビニル(PVC)、フェノキシ系熱可塑性ポリマー、ポリオレフィン、フェノキシ-ポリオレフィン熱可塑性ブレンド、熱可塑性エラストマー(TPE)、シリコーン、超低密度ポリエチレン(ULDPE)樹脂、及びそれらのコポリマー又はブレンドからなる群より独立して選択される請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項7】
前記蓋体は、前記カバー部の外面に設けられたパターン層をさらに含む請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項8】
前記パターン層は、前記第1材料、前記第2材料、第3材料、又はそれらの組み合わせで製作される請求項7に記載の射出成形蓋。
【請求項9】
前記第3材料は、サーモクロミック材料を含む熱可塑性材料である請求項8に記載の射出成形蓋。
【請求項10】
前記第2側壁の内面は、少なくとも1つの凹み領域を含み、前記タブは、少なくとも1つの凹み領域に設けられた請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項11】
前記フランジ部は、少なくとも1対のリブをさらに含み、前記リブは、前記ノッチの一側に、前記第2側壁長手方向に沿って設けられ、前記タブの両辺は、それぞれ前記リブに設けられた請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項12】
前記蓋体は、前記カバー部に設けられたアクセス孔をさらに含み、前記蓋体は、キャップをさらに含み、前記キャップは、前記カバー部に設けられ、前記アクセス孔を覆うように構成され、前記キャップの少なくとも一部は、前記アクセス孔を露出させるように前記カバー部から分離可能である請求項1に記載の射出成形蓋。
【請求項13】
キャップリムをさらに含み、前記キャップリムは、前記キャップの外周の一部を前記アクセス孔の周縁の少なくとも一部と分離可能に接続するために、前記キャップの外周の少なくとも一部に沿って設けられる請求項12に記載の射出成形蓋。
【請求項14】
前記キャップは、リッジを含み、前記カバー部は、前記リッジを収容するように構成されるレセプタクルをさらに含む請求項12に記載の射出成形蓋。
【請求項15】
容器、及び請求項1〜14のいずれか一項に記載の射出成形蓋を含む、容器-蓋アセンブリであって、
前記容器は、容器本体、前記容器本体の頂部の外周に沿って設けられたリム、及び前記リムに画定された上部開口部を含む、容器-蓋アセンブリ。
【国際調査報告】