【実施例】
【0244】
以下、試験例、実施例および参考例に基づいて本発明をより詳細に説明する。また、化合物(I)の製造に用いる原料化合物の中にも新規化合物が含まれているので、原料化合物の製造例についても参考例として説明する。本発明は、下記実施例に記載の化合物に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させても良い。
【0245】
各参考例、各実施例、各表中で用いている記号のうち、Ref.No.は参考例番号、Ex.No.は実施例番号、P.D.は物理化学データ、Str.は構造式、
1H−NMRは水素核磁気共鳴スペクトルを意味する。CDCl
3はクロロホルム−d、DMSO−d
6はジメチルスルホキシド−d
6を意味する。MS(ESI+)はエレクトロスプレーイオン化法により測定した質量分析スペクトルデータを意味する。旋光度は、光源としてナトリウムD線を用い、記載した測定溶媒中での、記載した濃度と温度における比旋光度を意味する。
【0246】
構造式中の、楔形の実線及び破線は、光学活性体における相対配置を示しているものであり、絶対配置を示すものではない。太線の実線及び破線は、ラセミ体及びラセミ体の分割により得られた光学活性体における相対配置を示している。“*”の付いた炭素原子は、不斉炭素を示す。“*”の付いた炭素原子の波線の結合は、ラセミ体を表す。
【0247】
化合物の名称中の、R
*およびS
*は、いずれも不斉炭素原子上の立体の相対配置を意味する。
【0248】
構造式中ピロリジン環の2つの位置にそれぞれ共に置換基1個と水素原子1個が結合しているときは、置換基の相対立体配置をシス、トランスで表し、そのあとにハイフンを付けて化合物の名称を続けることもある。
【0249】
ピロリジン環を面としたときにシスは、2つの隣接する置換基が同じ側にあることを示し、トランスは、2つの隣接する置換基が反対側にあることを示している。
【0250】
化合物の名称中、二重結合及びイミンの二重結合における異性体を表すために、シス体は“Z”と表記し、トランス体は“E”として表記する。
【0251】
<参考例1−1>
【0252】
【化33】
【0253】
2,2−ジメチル−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−2,5−ジヒドロフラン−3−カルボン酸メチル
アルゴン雰囲気下、ジエチルエーテル(43mL)を氷冷した後に、水素化ナトリウム(746mg)を加え、次に2,2−ジメチル−4−オキソテトラヒドロフラン−3−カルボン酸メチル(2.36g)を加えて30分間攪拌した。続いて、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.83mL)を加えて反応液とした。反応液を氷冷下で4時間攪拌した。反応液を水に注いでジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1〜 1:1)で精製することで、無色油状物として表題化合物を得た(3.43g)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 1.52 (6H, s), 3.84 (3H, s), 4.69 (2H, s).
【0254】
<参考例1−2>
【0255】
【化34】
【0256】
4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−2,5−ジヒドロチオフェン−3−カルボン酸メチル
2,2−ジメチル−4−オキソテトラヒドロフラン−3−カルボン酸メチルの代わりに、4−オキソテトラヒドロチオフェン−3−カルボン酸メチルを用いて参考例1−1と同様の方法に従うことで、表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 3.83 (3H, s), 3.94-3.99 (4H, m).
【0257】
<参考例2−1>
【0258】
【化35】
【0259】
4−(4−メトキシフェニル)−2,2−ジメチル−2,5−ジヒドロフラン−3−カルボン酸メチル
アルゴン雰囲気下、2,2−ジメチル−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−2,5−ジヒドロフラン−3−カルボン酸メチル(3.41g)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(62mL)に、(4−メトキシフェニル)ボロン酸(1.70g)、トリエチルアミン(4.68mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(386mg)を加えて反応液とした。反応液を100℃で3時間撹拌した。反応液に1 mol/L塩酸を加えて酸性(pH1)とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 20:1 〜 1:2)で精製することで、無色油状物として表題化合物を得た(2.55g)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 1.53 (6H, s), 3.69 (3H, s), 3.83 (3H, s), 4.91 (2H, s), 6.89 (2H, d, J = 9.1 Hz), 7.28 (2H, d, J = 9.1 Hz).
【0260】
対応するトリフラート体およびボロン酸を用い、参考例2−1と同様にして、以下の参考例2−2および2−4を得た。
これらの構造およびスペクトルデータを表1に示した。
【0261】
【表1】
【0262】
<参考例3−1>
【0263】
【化36】
【0264】
4−(4−メトキシフェニル)−2,2−ジメチル−2,5−ジヒドロフラン−3−カルボン酸
4−(4−メトキシフェニル)−2,2−ジメチル−2,5−ジヒドロフラン−3−カルボン酸メチル(1.00g)のメタノール溶液(7.6mL)に、2 mol/L水酸化カリウム水溶液(3.81mL)を加えて反応液とした。反応液を50℃で4時間攪拌した。反応液に1 mol/L塩酸を加えて酸性(pH1)とし、析出した固体をろ取し、水で洗浄した。得られた固体を乾燥することで、白色固体として表題化合物を得た(762mg)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 1.40 (6H, s), 3.76 (3H, s), 4.83 (2H, s), 6.92 (2H, d, J = 9.1 Hz), 7.34 (2H, d, J = 9.1 Hz), 12.64 (1H, s).
【0265】
対応するエステル体を用い、参考例3−1と同様にして、以下の参考例3−2および3−3を得た。
これらの構造およびスペクトルデータを表2に示した。
【0266】
【表2】
【0267】
<参考例4−1>
【0268】
【化37】
【0269】
(±)−シス−4−(4−メトキシフェニル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフラン−3−カルボン酸
4−(4−メトキシフェニル)−2,2−ジメチル−2,5−ジヒドロフラン−3−カルボン酸(750mg)のエタノール溶液(10mL)に10%パラジウムカーボン(75mg)を加え、水素雰囲気下で3時間撹拌した。反応混合液をセライトろ過し、溶媒を留去した。粗生成物をジイソプロピルエーテルで洗浄することで、白色固体として表題化合物を得た( 618mg)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 1.26 (3H, s), 1.31 (3H, s), 3.06 (1H, d, J = 7.3 Hz), 3.70 (3H, s), 3.87-3.96 (1H, m), 4.11 (1H, t, J = 7.3 Hz), 4.28 (1H, dd, J = 10.9, 7.3 Hz), 6.83 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.11 (2H, d, J = 8.5 Hz), 12.01 (1H, s).
【0270】
対応するオレフィン体を用い、参考例4−1と同様にして、以下の参考例4−2および4−3を得た。
これらの構造およびスペクトルデータを表3に示した。
【0271】
【表3】
【0272】
<参考例5−1>
【0273】
【化38】
【0274】
(±)−シス−4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロフラン−3−カルボン酸メチル
4−(4−メトキシフェニル)−2,2−ジメチル−2,5−ジヒドロフラン−3−カルボン酸の代わりに、4−(4−メトキシフェニル)−2,5−ジヒドロフラン−3−カルボン酸メチルを用いて参考例4−1と同様の方法に従うことで、表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 3.34 (3H, s), 3.44-3.50 (1H, m), 3.66-3.71 (1H, m), 3.78 (3H, s), 4.07-4.17 (3H, m), 4.29 (1H, dd, J = 9.1, 7.3 Hz), 6.82 (2H, dt, J = 8.5, 1.8 Hz), 7.15 (2H, dt, J = 8.5, 1.8 Hz).
【0275】
<参考例6−1>
【0276】
【化39】
【0277】
(±)−トランス−4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロフラン−3−カルボン酸
アルゴン雰囲気下、(±)−シス−4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロフラン−3−カルボン酸メチル(200mg)のメタノール溶液(4.2mL)に、ナトリウムメトキシド(20.0mg)を加え、反応液とした。反応液を室温で18時間半撹拌した。反応液に、2 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.847mL)を加えて室温で5時間攪拌した。反応液に1 mol/L塩酸を加えて酸性(pH1)とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮することで、無色油状物として表題化合物を得た(182mg)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 3.04-3.13 (1H, m), 3.45-3.58 (2H, m), 3.71 (3H, s), 3.89 (1H, dd, J = 8.2, 7.0 Hz), 4.06-4.14 (2H, m), 6.87 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.21 (2H, d, J = 8.5 Hz), 12.47 (1H, s).
【0278】
<参考例7−1>
【0279】
【化40】
【0280】
(±)−4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロチオフェン−3−カルボン酸−1,1−ジオキシド
4−(4−メトキシフェニル)−2,2−ジメチル−2,5−ジヒドロフラン−3−カルボン酸の代わりに、4−(4−メトキシフェニル)−2,5−ジヒドロチオフェン−3−カルボン酸メチルを用いて参考例4−1と同様の方法に従うことで、粗精製物の(±)−シス−4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロチオフェン−3−カルボン酸メチルと(±)−トランス−4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロチオフェン−3−カルボン酸メチルの混合物(23mg)を得た。このジクロロメタン溶液(0.9mL)に、メタクロロ過安息香酸(mCPBA)(49.4mg)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、水、および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル : ヘキサン =1:20 〜1:1)で精製することで、(±)−シス−4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロチオフェン−3−カルボン酸メチル−1,1−ジオキシドと(±)−トランス−4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロチオフェン−3−カルボン酸−1,1−ジオキシドの混合物を得た。
4−(4−メトキシフェニル)−2,2−ジメチル−2,5−ジヒドロフラン−3−カルボン酸メチルの代わりに、得られた(±)−シス−4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロチオフェン−3−カルボン酸メチル−1,1−ジオキシドと(±)−トランス−4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロチオフェン−3−カルボン酸−1,1−ジオキシドの混合物を用いて参考例3−1と同様の方法に従うことで、単一のラセミ体として表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 3.21-3.29 (2H, m), 3.32-3.40 (1H, m), 3.52-3.70 (3H, m), 3.72 (3H, s), 6.88 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.31 (2H, d, J = 8.5 Hz), 12.77 (1H, s).
【0281】
<参考例8−1>
【0282】
【化41】
【0283】
(±)−2−[2−シアノ−1−(4−メトキシフェニル)エチル]マロン酸ジメチル
アルゴン雰囲気下マロン酸ジメチル(4.57mL)のメタノール溶液(20mL)にナトリウムメトキシド (378mg)を加え室温にて10分間攪拌した後、3−(4−メトキシフェニル)アクリロニトリル(2.9mL)を加えて反応液とした。反応液を室温で2時間攪拌した後、18時間加熱還流した。反応液を放冷後、10%塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することで、白色固体として表題化合物を得た(2.96g)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3)δ: 2.84 (1H, dd, J = 16.3, 4.8 Hz), 2.90 (1H, dd, J = 16.3, 7.9 Hz), 3.54 (3H, s), 3.62-3.78 (1H, m), 3.80 (3H, s), 3.81 (3H, s), 3.86 (1H, d, J = 9.1 Hz), 6.88 (2H, d, J = 9.1 Hz), 7.21 (2H, d, J = 9.1 Hz).
【0284】
<参考例9−1>
【0285】
【化42】
【0286】
(±)−トランス−4−(4−メトキシフェニル)−2−オキソピペリジン−3−カルボン酸メチル
アルゴン雰囲気下、(±)−2−[2−シアノ−1−(4−メトキシフェニル)エチル]マロン酸ジメチル(291mg)のメタノール溶液(10mL)に、ニッケル(II)クロライド6水和物(238mg)を加え、反応液とした。反応液に氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(227mg)を数回に分けて加え、その後室温まで昇温し1時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液、および酢酸エチルを加え、室温で1時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、水、および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製することで、白色固体として表題化合物を得た(191mg)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 1.79 (1H, d, J = 13.3 Hz), 1.90-2.02 (1H, m), 3,12-3.23 (2H, m), 3.24-3.30 (1H, m), 3.43 (3H, s), 3.51 (1H, d, J = 11.5 Hz), 3.71 (3H, s), 6.84 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.16 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.87 (1H, d, J = 2.4 Hz).
【0287】
<参考例10−1>
【0288】
【化43】
【0289】
(±)−トランス−4−(4−メトキシフェニル)−2−オキソピペリジン−3−カルボン酸
(±)−トランス−4−(4−メトキシフェニル)−2−オキソピペリジン−3−カルボン酸メチル(345mg)のメタノール溶液(2.6mL)に、1 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(2.62mL)を加え、反応液とした。反応液を50℃で1時間攪拌した。反応液に1 mol/L塩酸を加えて酸性(pH1)とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮することで、白色固体として表題化合物を得た(200mg)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 1.78 (1H, d, J = 13.3 Hz), 1.90-2.02 (1H, m), 3,08-3.46 (4H, m), 3.71 (3H, s), 6.85 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.18 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.78 (1H, s), 12.17 (1H, s).
【0290】
<参考例11−1>
【0291】
【化44】
【0292】
(±)−トランス−4−(4−クロロフェニル)テトラヒドロフラン−3−オール
アルゴン雰囲気下、1mol/Lの4−クロロフェニルマグネシウムブロミド-ジエチルエーテル(50mL)溶液に、氷冷下にてヨウ化銅(I)(476mg)を加えて反応液とした。反応液を5分間攪拌した後、3,4−エポキシテトラヒドロフラン(4.30g)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液を加えて、氷冷下にて10分間、室温にて一晩攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1〜酢酸エチル)で精製することで、無色油状物として表題化合物を得た(4.19g)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)δ: 1.98 (1H, d, J = 4.9 Hz), 3.26-3.32 (1H, m), 3.80 (1H, dd, J = 9.8, 3.7 Hz), 3.90 (1H, dd, J = 9.2, 5.5 Hz), 4.10 (1H, dd, J = 9.8, 5.5 Hz), 4.33 (1H, dd, J = 9.2, 7.3 Hz), 4.35-4.40 (1H, m), 7.20 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.30 (2H, d, J = 8.6 Hz).
【0293】
対応するGrignard試薬およびエポキシ体を用い、参考例11−1と同様にして、以下の参考例11−2および11−3を得た。
これらの構造およびスペクトルデータを表4に示した。
【0294】
【表4】
【0295】
<参考例12−1>
【0296】
【化45】
【0297】
(±)−シス−2−[4−(4−クロロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル]イソインドリン−1,3−ジオン
アルゴン雰囲気下、(±)−トランス−4−(4−クロロフェニル)テトラヒドロフラン−3−オール(4.00g)のテトラヒドロフラン溶液(66mL)に、氷冷下にてフタルイミド(3.56g)およびトリフェニルホスフィン(6.34g)を加えて反応液とした。反応液を5分間攪拌した後、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(4.67mL)を加えて、氷冷下にて10分間、室温にて一晩攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製することで、白色固体として表題化合物を得た(4.33g)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 3.76 (1H, td, J = 9.8, 7.3 Hz), 4.29-4.37 (2H, m), 4.51-4.61 (2H, m), 5.22 (1H, td, J = 8.6, 5.5 Hz), 7.05-7.12 (4H, m), 7.63-7.67 (2H, m), 7.67-7.70 (2H, m).
【0298】
対応するヒドロキシ体を用い、参考例12−1と同様にして、以下の参考例12−2および12−3を得た。
これらの構造およびスペクトルデータを表5に示した。
【0299】
【表5】
【0300】
<参考例13−1>
【0301】
【化46】
【0302】
(±)−シス−2−[4−(4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル]イソインドリン−1,3−ジオン
アルゴン雰囲気下、(±)−シス−2−(4−{4−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]フェニル}テトラヒドロフラン−3−イル)イソインドリン−1,3−ジオン(3.22g)のメタノール溶液(33mL)に、氷冷下にてp−トルエンスルホン酸(1.56g)を加え、反応液とした。反応液を室温にて1時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することで、白色固体として表題化合物を得た(2.38g)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 3.60-3.70 (1H, m), 4.13 (1H, t, J = 7.6 Hz), 4.20 (1H, dd, J = 9.5, 8.3 Hz), 4.28-4.36 (2H, m), 5.05 (1H, td, J = 8.7, 4.7 Hz), 6.46 (2H, d, J = 8.6 Hz), 6.84 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.68-7.76 (4H, m), 9.10 (1H, s).
【0303】
<参考例14−1>
【0304】
【化47】
【0305】
(±)−シス−2−{[4−(4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ)フェニル]テトラヒドロフラン−3−イル}イソインドリン−1,3−ジオン
アルゴン雰囲気下、(±)−シス−2−[4−(4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル]イソインドリン−1,3−ジオン(1.58g)の塩化メチレン(7.7mL)溶液に、氷冷下にてピリジン(4.12mL)、およびトリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.29mL)の塩化メチレン溶液(2.6mL)を加え、反応液とした。反応液を氷冷下にて2時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することで、白色固体として表題化合物を得た(2.2g)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 3.76-3.87 (1H, m), 4.28-4.36 (2H, m), 4.56-4.63 (2H, m), 5.25 (1H, td, J = 9.2, 5.5 Hz), 7.01 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.23 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.60-7.68 (4H, m).
【0306】
<参考例15−1>
【0307】
【化48】
【0308】
(±)−シス−4−[4−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)テトラヒドロフラン−3−イル]ベンゾニトリル
アルゴン雰囲気下、(±)−シス−2−{[4−(4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ)フェニル]テトラヒドロフラン−3−イル}イソインドリン−1,3−ジオン(1.20g)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(10mL)に、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(316mg)およびシアン化亜鉛(1.27g)を加え、反応液とした。反応液を100℃にて3時間攪拌した。反応液をセライトろ過した後、ろ液を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することで、白色固体として表題化合物を得た(510mg)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 3.83 (1H, dd, J = 16.5, 9.2 Hz), 4.30-4.37 (2H, m), 4.55 (1H, dd, J = 9.2, 5.5 Hz), 4.63 (1H, t, J = 9.2 Hz), 5.28 (1H, td, J = 8.9, 5.7 Hz), 7.26 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.42 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.64-7.70 (4H, m).
【0309】
<参考例16−1>
【0310】
【化49】
【0311】
(±)−シス−4−(4−クロロフェニル)テトラヒドロフラン−3−アミン
アルゴン雰囲気下、(±)−シス−2−[4−(4−クロロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル]イソインドリン−1,3−ジオン(1.00g)のエタノール溶液(15mL)に、ヒドラジン一水和物(1.48mL)を加え、反応液とした。反応液を3時間加熱還流した。反応液に氷冷下で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮することで、無色油状物として表題化合物を得た(608mg)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 3.42 (1H, q, J = 6.7 Hz), 3.62 (1H, dd, J = 9.1, 4.2 Hz), 3.78 (1H, td, J = 6.1, 4.8 Hz), 4.08-4.22 (3H, m), 7.20 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.33 (2H, d, J = 8.5 Hz).
【0312】
対応するフタロイル体を用い、参考例16−1と同様にして、以下の参考例16−2および16−3を得た。
これらの構造およびスペクトルデータを表6に示した。
【0313】
【表6】
【0314】
<参考例17−1>
【0315】
【化50】
【0316】
(±)−3−アミノ−4−(4−メトキシフェニル)オキサゾリジン−2−オン
アルゴン雰囲気下、4−(4−メトキシフェニル)オキサゾリジン−2−オン(300mg)のジオキサン 溶液(8mL)に水素化ナトリウム(65mg)を加え、反応液とした。反応液を60℃にて1時間攪拌した。反応液にO−(4−ニトロベンゾイル)ヒドロキシルアミン(311mg)を加え室温にて2時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:4)で精製することで、白色固体として表題化合物を得た(194mg)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 3.74 (3H, s), 3.95 (1H, dd, J = 8.5, 6.7 Hz), 4.61 (1H, t, J = 8.5 Hz), 4.86 (1H, dd, 8.5, 6.7 Hz), 6.94 (2H, d, J = 9.1), 7.25 (2H, d, J = 9.2), 8.09 (2H, s).
【0317】
<参考例18−1>
【0318】
【化51】
【0319】
(±)−トランス−1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−5−オキソピロリジン−2−カルボン酸エチル
エタノール(7mL)にナトリウム(172mg)を加えて15分間撹拌したのち、2−[(4−メトキシフェニル)アミノ]マロン酸ジエチル(2.0g)の エタノール溶液 (35mL)を室温で加えて反応液とした。反応液を15分間撹拌した後、エチル4−メトキシ桂皮酸(2.20g)を加えて16時間還流した。反応液に氷冷下で酢酸(1.0mL)を加え、減圧濃縮した後、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、得られた残渣にジメチルスルホキシド(7.0mL)、水(0.26mL)、塩化ナトリウム(420mg)を順次加え、2時間還流した。反応液を放冷後、氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することで、白色固体として表題化合物を得た(633mg)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 1.20 (3H, t, J = 7.0 Hz), 2.69 (1H, dd, J = 17.0, 4.2 Hz), 3.15 (1H, dd, J = 17.0, 9.1 Hz),3.54-3.60 (1H, m), 3.79 (3H, s), 3.81 (3H, s), 4.14-4.24 (2H, m), 4.54 (1H, d, J = 3.6 Hz), 6.86-6.92 (4H, m), 7.22 (2H, d, J = 11.5 Hz), 7.32 (2H, d, J = 9.1 Hz).
【0320】
<参考例19−1>
【0321】
【化52】
【0322】
(±)−トランス−1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−5−オキソピロリジン−2−カルボン酸
(±)−トランス−1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−5−オキソピロリジン−2−カルボン酸エチル(570mg)の メタノール溶液 (7.7mL)に、室温で2 mol/L水酸化ナトリウム水溶液 (1.5mL)mL) を加え、反応液とした。反応液を室温で4日間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、水、および2 mol/L塩酸を加えて酸性(pH1)とした。析出した固体をろ取し、水で洗浄したのち乾燥させることで、白色固体として表題化合物を得た(516mg)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ:2.53 (1H, dd, J = 17.0, 6.7 Hz), 2.95 (1H, dd, J = 17.0, 9.1 Hz), 3.54-3.62 (1H, m), 3.73 (3H, s), 3.73 (3H, s), 4.64 (1H, d, J = 4.8 Hz), 6.88-6.94 (4H, m), 7.28 (2H, d, J = 9.1 Hz), 7.36 (2H, d, J = 9.1 Hz), 13.11(1H, br s).
【0323】
<参考例20−1>
【0324】
【化53】
【0325】
(±)−トランス−1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−5−オキソピロリジン−2−カルボキサミド
(±)−トランス−1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−5−オキソピロリジン−2−カルボン酸(155mg)の無水N,N−ジメチルホルムアミド溶液 (7.4mL)に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(245mg)、および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(308mg)を加え、反応液とした。反応液を室温で1時間撹拌した後、アンモニア水溶液(1.1mL)を加え、室温で2日間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=20:1)で精製することで、白色固体として表題化合物を得た(408mg)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 2.71 (1H, dd, J = 17.0, 5.5 Hz), 3.15 (1H, dd, J = 17.0, 9.1 Hz), 3.60-3.70 (1H, m), 3.79 (3H, s), 3.81 (3H, s), 4.45 (1H, d, J = 3.6 Hz), 5.42 (1H, br s), 5.64 (1H, br s), 6.87-6.93 (4H, m), 7.23 (2H, d, J = 9.1 Hz), 7.39 (2H, d, J = 9.1 Hz).
【0326】
<参考例21−1>
【0327】
【化54】
【0328】
(±)−トランス−(1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−5−オキソピロリジン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル
(±)−トランス−1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−5−オキソピロリジン−2−カルボキサミド (155mg)の tert−ブタノール溶液 (1.2mL)に室温でピリジン(1.2mL) を加えた後、室温で [ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン (293mg)を加え、反応液とした。反応液を90℃で 4時間撹拌した。反応液を放冷後、氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1〜1:1)で精製することで、白色固体として表題化合物を得た(94mg)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 1.30 (9H, s), 2.70 (1H, dd, J = 17.1, 7.9 Hz), 3.07 (1H, dd, J = 17.1, 8.6 Hz), 3.30-3.39 (1H, m), 3.79 (3H, s), 3.82 (3H, s), 4.80-4.94 (1H, m), 5.60-5.73 (1H, m), 6.90 (4H, d, J = 7.9 Hz), 7.22-7.33 (4H, m).
【0329】
<参考例22−1>
【0330】
【化55】
【0331】
(±)−トランス−[3−(4−メトキシフェニル)−5−オキソピロリジン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチル
(±)−トランス−(1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−5−オキソピロリジン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(71.0mg) の アセトニトリル溶液(3.5 mL)に氷冷下で硝酸セリウム(IV)アンモニウム (189mg)の水溶液(3.5mL)を加え、反応液とした。反応液を氷冷下で3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1〜3:1)で精製することで、白色固体として表題化合物を得た(29mg)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 1.43 (9H, s), 2.49 (1H, dd, J = 17.1, 7.9 Hz), 2.84 (1H, dd, J = 17.7, 9.2 Hz), 3.20 (1H, td, J = 7.9, 6.4 Hz), 3.80 (3H, s), 4.97-5.11 (1H, m), 5.19-5.29 (1H, m), 6.06-6.21 (1H, m), 6.89 (2H, d, J = 8. 6 Hz), 7.18 (2H, d, J = 8. 6 Hz).
【0332】
<参考例23−1>
【0333】
【化56】
【0334】
(E)−1,3−ジフルオロ−5−メトキシ−2−(2−ニトロビニル)ベンゼン
アルゴン雰囲気下、2,6−ジフルオロ−4−メトキシベンズアルデヒド(14.7g)の酢酸溶液(85mL)に、酢酸アンモニウム(11.2g)および、ニトロメタン(22.9mL)を加え、反応液とした。反応液を100℃で6時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、水を加えて析出した固体をろ取し、水で洗浄した。得られた固体を乾燥することで、黄色固体として表題化合物を得た(17.5g)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 3.87 (3H, s), 6.54-6.59 (2H, m), 7.77 (1H, d, J = 13.4 Hz), 8.11 (1H, d, J = 13.4 Hz).
【0335】
<参考例23−2>
【0336】
【化57】
【0337】
(E)−6−フルオロ−5−(2−ニトロビニル)−2,3−ジヒドロベンゾフラン
2,6−ジフルオロ−4−メトキシベンズアルデヒドの代わりに、6−フルオロ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−カルバルデヒドを用いて参考例23−1と同様の方法に従うことで、表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.23 (2H, t, J = 8.9 Hz), 4.72 (2H, t, J = 8.9 Hz), 6.60 (1H, d, J = 11.6 Hz) 7.30 (1H, d, J = 6.7 Hz), 7.62 (1H, d, J = 13.4 Hz), 8.03 (1H, d, J = 13.4 Hz).
【0338】
<参考例24−1>
【0339】
【化58】
【0340】
(−)−(R
*)−2−[1−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロエチル]マロン酸ジメチル
アルゴン雰囲気下、(E)−1−メトキシ−4−(2−ニトロビニル)ベンゼン(500mg)のトルエン溶液(2.8mL)に、マロン酸ジメチル(0.36mL)および、 ニッケル(II)ビス[(S、S)−N、N’−ジベンジルシクロヘキサン−1、2−ジアミン]ブロミド(68mg)を加え、反応液とした。反応液を室温で6時間攪拌した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル : ヘキサン = 4 : 1)で精製することで、無色液体として表題化合物を得た(865mg)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 3.57 (3H, s), 3.76 (3H, s), 3.78 (3H, s), 3.83 (1H, d, J = 9.1 Hz), 4.16-4.22 (1H, m), 4.83 (1H, dd, J = 12.7, 9.1 Hz), 4.89 (1H, dd, J = 12.7, 5.1 Hz), 6.84 (2H, d, J = 9.1 Hz), 7.14 (2H, d, J = 9.1 Hz).
[α]
D25 -20 (c 0.26, EtOH)
【0341】
対応するニトロスチレン体を用い、参考例24−1と同様にして、以下の参考例24−2および24−3を得た。
これらの構造およびスペクトルデータを表7に示した。
【0342】
【表7】
【0343】
<参考例25−1>
【0344】
【化59】
【0345】
(−)−(3S
*,4R
*)−4−(4−メトキシフェニル)−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸メチル
アルゴン雰囲気下、(R
*)−2−[1−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロエチル]マロン酸ジメチル(1.7g)のメタノール溶液(110mL)に、ニッケル(II)クロライド6水和物(1.3g)を加え、反応液とした。反応液に、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(1.03g)を数回に分けて加え、その後室温まで昇温し2時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液、および酢酸エチルを加え、室温で1時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、水、および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、粗生成物をエタノール−ジイソプロピルエーテルで洗浄することで、白色固体として表題化合物を得た( 840mg)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 3.40 (1H, t, J = 9.1 Hz), 3.53 (1H, d, J = 9.7 Hz), 3.76-3.81 (1H, m), 3.78 (3H, s), 3.80 (3H, s), 4.08 (1H, q, J = 8.9 Hz), 5.85 (1H, brs), 6.88 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.18 (2H, d, J = 8.5 Hz).
[α]
D25 -96 (c 0.19, EtOH)
【0346】
対応するニトロ体を用い、参考例25−1と同様にして、以下の参考例25−2および25−3を得た。
これらの構造およびスペクトルデータを表8に示した。
【0347】
【表8】
【0348】
<参考例26−1>
【0349】
【化60】
【0350】
(−)−(3S
*,4R
*)−4−(4−メトキシフェニル)−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸
(−)−(3S
*,4R
*)−4−(4−メトキシフェニル)−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸メチル(130mg)のメタノール溶液(2.6mL)に、2 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.52mL)を加え、反応液とした。反応液を60℃で1時間攪拌した。反応液に1 mol/L塩酸を加えて酸性(pH1)とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、粗生成物を酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルで洗浄することで、白色固体として表題化合物を得た(112mg)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 3.16 (1H, t, J = 9.4 Hz), 3.42 (1H, d, J = 10.9 Hz), 3.55 (1H, t, J = 8.2 Hz), 3.72 (3H, s), 3.79 (1H, q, J = 9.5 Hz), 6.88 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.24 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.03 (1H, s), 12.54 (1H, brs).
[α]
D27 -68 (c 0.15, EtOH)
【0351】
対応するエステルを用い、参考例26−1と同様にして、以下の参考例26−2および26−3を得た。
これらの構造およびスペクトルデータを表9に示した。
【0352】
【表9】
【0353】
<参考例27−1>
【0354】
【化61】
【0355】
(−)−[(3S
*,4R
*)−4−(4−メトキシフェニル)−2−オキソピロリジン−3−イル]カルバミン酸ベンジル
(−)−(3S
*,4R
*)−4−(4−メトキシフェニル)−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸(6.04g)のトルエン溶液(128mL)に、トリエチルアミン(3.95mL)、およびジフェニルリン酸アジド(6.2mL)を加え、反応液とした。反応液を室温で4.5時間撹拌した。反応液について温度を80℃に昇温して30分間撹拌した後、ベンジルアルコール(13.3mL)を加え、120℃で5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル〜酢酸エチル:メタノール=10:1)で精製することで、白色固体として表題化合物を得た(6.3g)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 3.36 (1H, t, J = 9.1 Hz), 3.49-3.70 (2H, m), 3.80 (3H, s), 4.42 (1H, dd, J = 11.5, 8.5 Hz), 5.07 (2H, s), 5.16 (1H, brs), 5.98 (1H, brs), 6.89 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.22 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.20-7.40 (5H, m).
[α]
D27 -79 (c 0.17, EtOH)
【0356】
対応するカルボン酸を用い、参考例27−1と同様にして、以下の参考例27−2および27−3を得た。
これらの構造およびスペクトルデータを表10に示した。
【0357】
【表10】
【0358】
<参考例28−1>
【0359】
【化62】
【0360】
[(6R
*,7S
*)−6−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3−エトキシ−3−メチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール−7−イル]カルバミン酸ベンジル
(−)−[(3S
*,4R
*)−4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−2−オキソピロリジン−3−イル]カルバミン酸ベンジル(605mg)のジクロロメタン懸濁液(8mL)に、トリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェート(595mg)を加え、反応液とした。反応液を室温で20時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて室温で30分間撹拌した後、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下濃縮することで中間体である[(3S
*,4R
*)−5−エトキシ−3−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロロ−4−イル]カルバミン酸ベンジルを黄色油状物として得た。[(3R
*,4S
*)−5−エトキシ−3−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロロ−4−イル]カルバミン酸ベンジル(40mg)のエタノール溶液(0.7mL)に、塩化アンモニウム(0.5mg)、およびヒドラジン一水和物(23μL)を加え、反応液とした。反応液を室温で18時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣のエタノール溶液(0.8mL)にオルト酢酸エチル(28μL)を加えて3時間加熱還流した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル : ヘキサン =1:1)で精製することで、無色油状物として表題化合物を得た(27mg)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 1.30 (3H, t, J = 7.3 Hz), 2.06 (3H, s), 3.52-3.72 (3H, m), 3.77 (3H, s), 4.12 (2H, q, J = 7.3 Hz), 5.02 (2H, s), 5.09 (1H, dd, J = 10.4, 7.3 Hz), 5.24 (1H, s), 5.62 (1H, s), 6.40-6.49 (2H, m), 7.30 (5H, s).
【0361】
<参考例29−1>
【0362】
【化63】
【0363】
[(6R
*,7S
*)−6−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール−7−イル]カルバミン酸ベンジル
[(6R
*,7S
*)−6−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3−エトキシ−3−メチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール−7−イル]カルバミン酸ベンジル(27mg)のトルエン溶液(1mL)に、p−トルエンスルホン酸(1mg)を加え、反応液とした。反応液を5時間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=4:1)で精製することで、無色油状物として表題化合物を得た(10mg)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 2.45 (3H, s), 3.81 (3H, s), 3.98-4.09 (1H, m), 4.17-4.30 (1H, m), 4.40-4.50 (1H, m), 5.00-5.13 (2H, m), 5.39-5.48 (2H, m), 6.52 (2H, d, J = 10.4 Hz), 7.29-7.39 (5H, m).
【0364】
<参考例30−1>
【0365】
【化64】
【0366】
[(6R
*,7S
*)−6−(4−メトキシフェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−d]テトラゾール−7−イル]カルバミン酸ベンジル
(−)−[(3S
*,4R
*)−4−(4−メトキシフェニル)−2−オキソピロリジン−3−イル]カルバミン酸ベンジル(500mg)のジクロロメタン懸濁液(3.7mL)に、トリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェート (446mg)を加え、反応液とした。反応液を室温で20時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて室温で30分間撹拌した後、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下濃縮することで中間体である[(3R
*,4S
*)−5−エトキシ−3−(4−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロロ−4−イル]カルバミン酸ベンジルを黄色油状物として得た。[(3R
*,4S
*)−5−エトキシ−3−(4−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロロ−4−イル]カルバミン酸ベンジル(325mg)の酢酸溶液(1.2mL)にアジ化ナトリウム(177mg)を加え、反応液とした。反応液を60℃で5時間撹拌した。反応液に氷冷下で酢酸エチル、および炭酸カリウム水溶液を加えてアルカリ性(pH9)とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することで、無色油状物として表題化合物を得た(160mg)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 3.75 (3H, s), 4.21-4.36 (2H, m), 4.89 (1H, dd, J = 9.7, 7.9 Hz), 5.00 (1H, d, J = 12.7 Hz), 5.05 (1H, d, J = 12.7 Hz), 5.34 (1H, m), 6.94 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.25-7.38 (5H, m), 7.42 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.14 (1H, d, J = 9.1 Hz).
【0367】
対応するCbz体を用い、参考例30−1と同様にして、以下の参考例30−2および30−3を得た。
これらの構造およびスペクトルデータを表11に示した。
【0368】
【表11】
【0369】
<参考例31−1>
【0370】
【化65】
【0371】
{(3R
*,4S
*)−3−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−5−[(2,2−ジメトキシエチル)アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−ピロロ−4−イル}カルバミン酸ベンジル
参考例28−1の方法に従って得られた、[(3R
*,4S
*)−5−エトキシ−3−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロロ−4−イル]カルバミン酸ベンジル(56mg)のエタノール溶液(0.7mL)に塩化アンモニウム(0.4mg)およびアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(18μL)を加え、反応液とした。反応液を室温で18時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することで、無色油状物として表題化合物を得た(51mg)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 3.40-3.62 (9H, m), 3.66-3.76 (1H, m), 3.79 (3H, s), 3.86-3.98 (1H, m), 4.54 (1H, t, J = 5.2 Hz), 4.98 (1H, d, J = 7.3 Hz), 5.04-5.16 (3H, m), 6.47 (2H, d, J = 9.8 Hz), 7.30-7.42 (5H, m).
【0372】
対応するアミンを用い、参考例31−1と同様な方法で実施し、以下の参考例31−2から31−4を得た。
【0373】
これらの構造およびスペクトルデータを表12に示した。
【0374】
【表12】
【0375】
<参考例32−1>
【0376】
【化66】
【0377】
[(6R
*,7S
*)−6−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−7−イル]カルバミン酸ベンジル
{(3R
*,4S
*)−3−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−5−[(2,2−ジメトキシエチル)アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−ピロロ−4−イル}カルバミン酸ベンジル(51mg)に、1 mol/L塩酸(1.1mL)を加え、反応液とした。反応液を6時間加熱還流した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=1:1) で精製することで、無色油状物として表題化合物を得た(13mg)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 3.79 (3H, s), 4.17-4.27 (1H, m), 4.27-4.35 (1H, m), 5.00-5.08 (2H, m), 5.30-5.42 (2H, m), 6.49 (2H, d, J = 9.8 Hz), 6.93 (1H, s), 7.15 (1H, s), 7.34 (5H, t, J = 14.4 Hz).
【0378】
<参考例33−1>
【0379】
【化67】
【0380】
{(3S
*,4R
*,Z)−4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−2−[(2−イオドエトキシ)イミノ]ピロリジン−3−イル}カルバミン酸ベンジル
アルゴン雰囲気下、{(3S
*,4R
*,Z)−4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエトキシ)イミノ]ピロリジン−3−イル}カルバミン酸ベンジル(44mg)のテトラヒドロフラン溶液(1.0mL)に氷冷下にてイミダゾール(14mg)、トリフェニルホスフィン(53mg)およびヨウ素 (51mg)を加え、反応液とした。反応液を室温にて2時間攪拌した。反応溶液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=2:1) で精製することで、無色油状物として表題化合物を得た(40mg)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 3.32-3.50 (2H, m), 3.58-3.71 (1H, m), 3.77 (3H, s), 3.97-4.05 (2H, m), 4.83-4.99 (3H, m), 6.67-6.86 (3H, m), 7.21-7.36 (5H, m), 7.70 (1H, d, J = 9.2 Hz).
【0381】
<参考例34−1>
【0382】
【化68】
【0383】
[(7R
*,8S
*)−7−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]オキサジアジン−8−イル]カルバミン酸ベンジル
アルゴン雰囲気下、{(3S
*,4R
*,Z)−4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−2−[(2−イオドエトキシ)イミノ]ピロリジン−3−イル}カルバミン酸ベンジル(40mg)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(1.5mL)に氷冷下にてtert−ブトキシカリウム(16.5mg)を加え、反応液とした。反応液を室温にて2時間攪拌した。反応溶液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=1:1) で精製することで、無色油状物として表題化合物を得た(23mg)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 3.27-3.40 (4H, m), 3.49-3.72 (2H, m), 3.77 (3H, s), 3.82-3.90 (1H, m), 4.89-4.99 (3H, m), 6.76 (2H, d, J = 11.0 Hz), 7.22-7.35 (5H, m), 7.76 (1H, d, J = 9.2 Hz).
【0384】
<参考例35−1>
【0385】
【化69】
【0386】
[(7R
*,8S
*)−7−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−2,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピリミジン−8−イル]カルバミン酸ベンジル
参考例28−1の方法に従って得られた、[(3R
*,4S
*)−5−エトキシ−3−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロロ−4−イル]カルバミン酸ベンジル(59mg)のエタノール溶液(0.3mL)に塩化アンモニウム(1mg)および3−ブロモプロピルアミン塩化臭素酸塩(35mg)を加え、反応液とした。反応液を室温で2時間攪拌した後、炭酸カリウム(61mg)を加え、更に18時間撹拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル : メタノール =4:1) で精製することで、無色油状物として表題化合物を得た(27mg)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 1.60-1.73 (2H, m), 3.09-3.24 (4H, m), 3.32-3.44 (2H, m), 3.47-3.61 (1H, m), 3.76 (3H, s), 4.66 (1H, t, J = 9.8 Hz), 4.92 (2H, s), 6.74 (2H, d, J = 11.0 Hz), 7.22-7.35 (5H, m), 7.49 (1H, d, J = 9.2 Hz).
【0387】
<参考例36−1>
【0388】
【化70】
【0389】
((3S
*,4R
*,Z)−2−{[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]イミノ}−4−(4−メトキシフェニル)ピロリジン−3−イル)カルバミン酸ベンジル
参考例30−1と同様の方法に従うことで得られた[(3R
*,4S
*)−5−エトキシ−3−(4−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロロ−4−イル]カルバミン酸ベンジルに、反応試薬としてアミノアセトアルデヒドジメチルアセタールの代わりに、O−(tert−ブチルジメチルシリル)ヒドロキシルアミンを用いて参考例31−1と同様の方法に従うことで、表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 0.05 (6H, s), 0.90 (9H, s), 3.18 (1H, t, J = 9.1 Hz), 3.22-3.40 (1H, m), 3.49 (1H, t, J = 8.2 Hz), 3.72 (3H, s), 4.55 (1H, t, J = 9.7 Hz), 4.91 (1H, d, J = 13.3 Hz), 5.03 (1H, d, J = 13.3 Hz), 6.49 (1H, s), 6.86 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.20-7.33 (7H, m), 7.58 (1H, d, J = 9.1 Hz).
【0390】
<参考例37−1>
【0391】
【化71】
【0392】
1−((3S
*,4R
*,Z)−2−{[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]イミノ}−4−(4−メトキシフェニル)ピロリジン−3−イル)−3−(4−フルオロフェニル)ウレア
[(6R
*,7S
*)−6−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール−7−イル]カルバミン酸ベンジルの代わりに、((3S
*,4R
*,Z)−2−{[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]イミノ}−4−(4−メトキシフェニル)ピロリジン−3−イル)カルバミン酸ベンジルを用いて実施例7−1と同様の方法に従うことで、表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 0.04 (3H, s), 0.05 (3H, s), 0.89 (9H, s), 3.17 (1H, t, J = 8.8 Hz), 3.28-3.37 (1H, m), 3.53 (1H, t, J = 8.5 Hz), 3.71 (3H, s), 4.74 (1H, t, J = 9.1 Hz), 6.34 (1H, d, J = 9.1 Hz), 6.56 (1H, s), 6.86 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.00-7.04 (2H, m), 7.27 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.30-7.34 (2H, m), 8.45 (1H, s).
【0393】
<参考例38−1>
【0394】
【化72】
【0395】
(−)−1−(4−フルオロフェニル)−3−[(3S
*,4R
*,Z)−2−(2−ヒドロキシイミノ)−4−(4−メトキシフェニル)ピロリジン−3−イル]ウレア
1−((3S
*,4R
*,Z)−2−{[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]イミノ}−4−(4−メトキシフェニル)ピロリジン−3−イル)−3−(4−フルオロフェニル)ウレア(290mg)の1,4−ジオキサン溶液(1.5mL)に水(1.35mL)、およびトリフルオロ酢酸(135μL)を加え、反応液とした。反応液を室温で30分間撹拌した。反応液に、氷冷下で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄することで、白色固体として表題化合物を得た(212mg)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 3.19 (1H, t, J = 9.1 Hz), 3.30 (1H, q, J = 8.7 Hz), 3.55 (1H, t, J = 8.2 Hz), 3.76 (3H, s), 4.80 (1H, t, J = 9.4 Hz), 6.37 (1H, d, J = 9.1 Hz), 6.43 (1H, s), 6.92 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.04-7.10 (2H, m), 7.32 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.36-7.40 (2H, m), 8.49 (1H, s), 8.89 (1H, s).
MS (ESI+) m/z: 359 (MH
+).
【0396】
<参考例39−1>
【0397】
【化73】
【0398】
3−((Z)−{(3S
*,4R
*)−4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3−[3−(4−フルオロフェニル)ウレイド]ピロリジン−2−イリデン}アミノ)プロピオン酸エチル
[(6R
*,7S
*)−6−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール−7−イル]カルバミン酸ベンジルの代わりに、3−((Z)−{(3S
*,4R
*)−3−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン}アミノ)プロピオン酸エチルを用いて実施例7−1と同様の方法に従うことで、表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 1.17 (3H, t, J = 7.3 Hz), 2.65 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.42-3.53 (2H, m), 3.57-3.66 (1H, m), 3.75 (3H, s), 3.86-3.93 (1H, m), 3.97-4.10 (3H, m), 5.18 (1H, t, J = 8.6 Hz), 6.70 (1H, d, J = 8.6 Hz), 6.77 (2H, d, J = 11.0 Hz), 7.04 (2H, t, J = 8.6 Hz), 7.33-7.37 (2H, m), 8.99 (1H, s).
【0399】
<実施例1−1>
【0400】
【化74】
【0401】
(±)−シス−1−(4−クロロフェニル)−3−[4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル]ウレア
アルゴン雰囲気下、(±)−シス−4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロフラン−3−カルボン酸(447mg)のトルエン溶液(6.7mL)に、トリエチルアミン(336μL)、およびジフェニルリン酸アジド(476μL)を加え、反応液とした。反応液を室温で2時間撹拌した後、100℃で30分間攪拌した。反応液を室温まで放冷した後に4−クロロアニリン(256mg)を加え、1時間加熱還流した。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 2:1 〜1:20)で精製して得られた粗精製物をジイソプロピルエーテルで洗浄することで、白色固体として表題化合物を得た(502mg)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 3.49-3.59 (2H, m), 3.70 (3H, s), 3.89 (1H, t, J = 7.9 Hz), 4.00 (1H, dd, J = 8.5, 6.1 Hz), 4.15 (1H, t, J = 8.5 Hz), 4.51-4.57 (1H, m), 5.89 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.87 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.15 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.20 (2H, d, J = 9.1 Hz), 7.28 (2H, d, J = 9.1 Hz), 8.43 (1H, s).
MS (ESI+) m/z: 347 (MH)
+.
【0402】
対応する芳香族アミン体を用い、実施例1−1と同様にして、以下の実施例1−2から1−11を得た。
これらの構造およびスペクトルデータを表13〜表16に示した。
【0403】
【表13】
【0404】
【表14】
【0405】
【表15】
【0406】
【表16】
【0407】
<実施例2−1>
【0408】
【化75】
【0409】
(+)−シス−1−(4−クロロフェニル)−3−[4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル]ウレア
(−)−シス−1−(4−クロロフェニル)−3−[4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル]ウレア
実施例1−1で得られた(±)−シス−1−(4−クロロフェニル)−3−[4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル]ウレアを、光学異性体分離用カラム(CHIRALPAK ID)を用いて高速液体クロマトグラフィー(メチルtert−ブチルエーテル:エタノール:ヘキサン=65:3:32,流速20.0 mL)により光学分割を行うことで、保持時間26.20分の異性体A(+)、および保持時間41.76分の異性体B(−)として、それぞれ白色固体として表題化合物を得た。
異性体A(+):
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 3.49-3.59 (2H, m), 3.70 (3H, s), 3.89 (1H, t, J = 7.9 Hz), 4.00 (1H, dd, J = 8.5, 6.1 Hz), 4.15 (1H, t, J = 8.5 Hz), 4.51-4.57 (1H, m), 5.89 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.87 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.15 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.20 (2H, d, J = 9.1 Hz), 7.28 (2H, d, J = 9.1 Hz), 8.43 (1H, s).
MS (ESI+) m/z: 347 (MH)
+.
[α]
D24 +130 (c 0.35, EtOH)
異性体B(−):
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 3.49-3.59 (2H, m), 3.70 (3H, s), 3.89 (1H, t, J = 7.9 Hz), 4.00 (1H, dd, J = 8.5, 6.1 Hz), 4.15 (1H, t, J = 8.5 Hz), 4.51-4.57 (1H, m), 5.89 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.87 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.15 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.20 (2H, d, J = 9.1 Hz), 7.28 (2H, d, J = 9.1 Hz), 8.43 (1H, s).
MS (ESI+) m/z: 347 (MH)
+.
[α]
D24 -129 (c 0.35, EtOH)
【0410】
<実施例3−1>
【0411】
【化76】
【0412】
(+)−シス−1−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル]ウレア
(−)−シス−1−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル]ウレア
4−クロロアニリンの代わりに、4−フルオロアニリンを用いて、実施例1−1と同様の方法に従って得られた(±)−シス−1−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル]ウレアを、光学異性体分離用カラム(CHIRALPAK ID)を用いて高速液体クロマトグラフィー(メチルtert−ブチルエーテル:エタノール=95:5,流速20.0mL)により光学分割を行うことで、保持時間11.44分の異性体A(+)、および保持時間14.50分の異性体B(−)として、それぞれ白色固体として表題化合物を得た。
異性体A(+):
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 3.49-3.58 (2H, m), 3.70 (3H, s), 3.89 (1H, dd, J = 8.5, 7.3 Hz), 4.00 (1H, dd, J = 8.5, 6.1 Hz), 4.15 (1H, dd, J = 8.5, 7.3 Hz), 4.50-4.57 (1H, m), 5.82 (1H, d, J = 9.1 Hz), 6.87 (2H, d, J = 9.1 Hz), 6.96-7.03 (2H, m), 7.15 (2H, d, J = 9.1 Hz), 7.22-7.28 (2H, m), 8.32 (1H, s).
MS (ESI+) m/z: 331 (MH)
+.
[α]
D24 +101 (c 0.35, EtOH)
異性体B(−):
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 3.49-3.58 (2H, m), 3.70 (3H, s), 3.89 (1H, dd, J = 8.5, 7.3 Hz), 4.00 (1H, dd, J = 8.5, 6.1 Hz), 4.15 (1H, dd, J = 8.5, 7.3 Hz), 4.50-4.57 (1H, m), 5.82 (1H, d, J = 9.1 Hz), 6.87 (2H, d, J = 9.1 Hz), 6.96-7.03 (2H, m), 7.15 (2H, d, J = 9.1 Hz), 7.22-7.28 (2H, m), 8.32 (1H, s).
MS (ESI+) m/z: 331 (MH)
+.
[α]
D24 -104 (c 0.35, EtOH)
【0413】
<実施例4−1>
【0414】
【化77】
【0415】
(+)−シス−1−(4−フルオロフェニル)3−[4−(4−メトキシフェニル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフラン−3−イル]ウレア
(−)−シス−1−(4−フルオロフェニル)3−[4−(4−メトキシフェニル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフラン−3−イル]ウレア
(±)−シス−4−(4−メトキシフェニル)テトラヒドロフラン−3−カルボン酸の代わりに、(±)−シス−4−(4−メトキシフェニル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフラン−3−カルボン酸を用いて、実施例1−1と同様の方法に従って得られた(±)−シス−1−(4−フルオロフェニル)3−[4−(4−メトキシフェニル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフラン−3−イル]ウレアを、光学異性体分離用カラム(CHIRALPAK IA)を用いて高速液体クロマトグラフィー(エタノール:ヘキサン=20:80,流速10.0mL)により光学分割を行うことで、保持時間約12分の異性体A(+)、および保持時間約14分の異性体B(−)として、それぞれ白色固体として表題化合物を得た。
異性体A(+):
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 1.09 (3H, s), 1.28 (3H, s), 3.69 (3H, s), 3.73-3.81 (1H, m), 3.89 (1H, t, J = 8.8 Hz), 4.12 (1H, dd, J = 8.8, 7.3 Hz), 4.27 (1H, dd, J = 10.3, 6.7 Hz), 5.86 (1H, d, J = 10.3 Hz), 6.85 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.96-7.03 (2H, m), 7.15 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.24-7.28 (2H, m), 8.32 (1H, s)
MS (FD+) m/z: 358 (M)
+.
[α]
D24 +102 (c 0.33, EtOH)
異性体B(−):
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 1.09 (3H, s), 1.28 (3H, s), 3.69 (3H, s), 3.73-3.81 (1H, m), 3.89 (1H, t, J = 8.8 Hz), 4.12 (1H, dd, J = 8.8, 7.3 Hz), 4.27 (1H, dd, J = 10.3, 6.7 Hz), 5.86 (1H, d, J = 10.3 Hz), 6.85 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.96-7.03 (2H, m), 7.15 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.24-7.28 (2H, m), 8.32 (1H, s)
MS (FD+) m/z: 358 (M)
+.
[α]
D24 -103 (c 0.37, EtOH)
【0416】
<実施例5−1>
【0417】
【化78】
【0418】
(±)−シス−1−[4−(4−クロロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル]−3−(4−フルオロフェニル)ウレア
アルゴン雰囲気下、(±)−シス−4−(4−クロロフェニル)テトラヒドロフラン−3−アミン(200mg)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)に、氷冷下にて4−フルオロフェニルイソシアネート(0.115mL)を加え、反応液とした。反応液を室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル : ヘキサン =1:1)にて精製し、白色固体として表題化合物を得た(270mg)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ:3.53-3.62 (2H, m), 3.91 (1H, dd, J = 8.5, 7.3 Hz), 4.02 (1H, dd, J = 8.5, 6.7 Hz), 4.16 (1H, dd, J = 8.5, 7.3 Hz), 4.55-4.64 (1H, m), 5.91 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.00 (2H, t, J = 8.5 Hz), 7.20-7.27 (4H, m), 7.36(2H, d, J = 8.5 Hz), 8.24 (1H, s).
MS (ESI+) m/z: 335 (MH)
+.
【0419】
対応する芳香族アミン体を用い、実施例5−1と同様にして、以下の実施例5−2から5−4を得た。
これらの構造およびスペクトルデータを表17に示した。
【0420】
【表17】
【0421】
<実施例6−1>
【0422】
【化79】
【0423】
(±)−トランス−1−(4−フルオロフェニル)−3−[3−(4−メトキシフェニル)−5−オキソピロリジン−2−イル]ウレア
(±)−トランス−[3−(4−メトキシフェニル)−5−オキソピロリジン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチル(30mg)のジクロロメタン溶液(0.5mL)にトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、反応液とした。反応液を氷冷下で1.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣に酢酸エチルおよび、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて水層のpHを9とした。2層の溶液に4−フルオロフェニルイソシアネート(20μL)を加え、室温で1時間撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル : ヘキサン =4:1〜酢酸エチル〜酢酸エチル:メタノール=95:5)で精製することで、白色固体として表題化合物を得た(26mg)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 2.33 (1H, dd, J = 16.5, 9.2 Hz), 2.61 (1H, dd, J = 16.5, 9.2 Hz), 3.22-3.35 (1H, m), 3.71 (3H, s), 5.24 (1H, t, J = 9.2 Hz), 6.84-6.94 (3H, m), 7.04 (2H, t, J = 8.9 Hz), 7.24 (2H, d, J = 8. 6 Hz), 7.37 (2H, dd, J = 9.2, 5.5 Hz), 8.18 (1H, s), 8.52 (1H, s) .
【0424】
<実施例7−1>
【0425】
【化80】
【0426】
(−)−1−[(6R
*,7S
*)−6−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール−7−イル]−3−(4−フルオロフェニル)ウレア
[(6R
*,7S
*)−6−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール−7−イル]カルバミン酸ベンジル(10mg)のエタノール溶液(0.5mL)に10%パラジウムカーボン(2mg)を加え、水素雰囲気下で3時間撹拌した。反応液をセライトろ過し、溶媒を留去して無色油状の中間体化合物(6R
*,7S
*)−6−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール−7−アミンを得た。得られた(6R
*,7S
*)−6−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール−7−アミン(7.3mg)のテトラヒドロフラン溶液(0.5mL)に、4−フルオロフェニルイソシアネート(2.7μL)を加えて、反応液とした。反応液を室温で20分間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1〜酢酸エチル)で精製することで、白色固体として表題化合物を得た(5.4mg)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 2.32 (3H, s), 3.77 (3H, s), 3.91 (1H, dd, J = 10.4, 8.6 Hz), 4.31-4.46 (2H, m), 5.38 (1H, t, J = 7.9 Hz), 6.79 (2H, d, J = 11.0 Hz), 6.88-6.95 (1H, m), 7.03 (2H, t, J = 9.2 Hz), 7.32-7.37 (2H, m), 8.85 (1H, s).
MS (ESI+) m/z: 418 (MH)
+.
[α]
D27 -79 (c 0.20, EtOH).
【0427】
対応するCbz体を用い、実施例7−1と同様にして、以下の実施例7−2から7−7を得た。
これらの構造およびスペクトルデータを表18および表19に示した。
【0428】
【表18】
【0429】
【表19】
【0430】
<実施例8−1>
【0431】
【化81】
【0432】
(−)−1−[(7R
*,8S
*)−7−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]オキサジアジン−8−イル]−3−(4−フルオロフェニル)ウレア
[(6R
*,7S
*)−6−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール−7−イル]カルバミン酸ベンジルの代わりに、2−(((Z)−{(3S
*,4R
*)−3−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン}アミノ)オキシ)酢酸エチルを用いて実施例7−1と同様の方法に従うことで、表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 3.77 (3H, s), 3.78-3.86 (2H, m), 4.06-4.18 (2H, m), 4.25-4.34 (1H, m), 5.03-5.10 (1H, m), 6.47 (2H, d, J = 10.4 Hz), 6.88-6.96 (2H, m), 7.34-7.40 (2H, m), 7.70 (1H, d, J = 2.4 Hz), 8.69 (1H, s).
MS (ESI+) m/z: 435 (MH
+).
[α]
D25 -89 (c 0.12, EtOH).
【0433】
<実施例9−1>
【0434】
【化82】
【0435】
(−)−1−[(7R
*,8S
*)−7−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−4−オキソ−2,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピリミジン−8−イル]−3−(4−フルオロフェニル)ウレア
3−((Z)−{(3S
*,4R
*)−4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3−[3−(4−フルオロフェニル)ウレイド]ピロリジン−2−イリデン}アミノ)プロピオン酸エチル(12mg)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.3mL)に炭酸セシウム(9.8mg)を加え、室温で1日撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄することで、白色固体として表題化合物を得た(10mg)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 2.51-2.59 (2H, m), 3.70-3.74 (4H, m), 3.75 (3H, s), 4.12 (1H, d, J = 9.2 Hz), 5.22 (1H, s), 6.50 (2H, d, J = 10.4 Hz), 6.88-6.96 (2H, m), 7.13-7.21 (2H, m).
MS (ESI+) m/z: 433 (MH)
+.
[α]
D25 -108 (c 0.10, EtOH).
【0436】
<実施例10−1>
【0437】
【化83】
【0438】
1−(4−フルオロフェニル)−3−[(7R
*,8S
*)−7−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]オキサジアジン−8−イル]ウレア
(−)−1−(4−フルオロフェニル)−3−[(3S
*,4R
*,Z)−2−(2−ヒドロキシイミノ)−4−(4−メトキシフェニル)ピロリジン−3−イル]ウレア(84mg)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.6mL)に炭酸セシウム(91mg)を加え、反応液とした。反応液を室温にて30分間撹拌した後、ブロモ酢酸エチル(31μL)を加え、室温で1日撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮した後、残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄することで、白色固体として表題化合物を得た(59mg)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 3.44-3.58 (2H, m), 3.72 (3H, s), 4.11 (1H, m), 4.21 (1H, d, J = 15.7 Hz), 4.44 (1H, d, J = 15.7 Hz), 5.30 (1H, m), 6.64 (1H, d, J = 9.1 Hz), 6.91 (2H, d, J = 9.1 Hz), 7.03 (2H, m), 7.31-7.37 (4H, m), 8.65 (1H, s).
MS (ESI+) m/z: 399 (MH)
+.
【0439】
次に本発明化合物について、有用性を裏付ける成績を試験例によって示す。
【0440】
<試験例1>
ヒトFPRL1に対するアゴニスト活性測定試験
(1−1)ヒトFPRL1発現ベクターの構築
単球性白血病細胞株THP-1(TIB-202、ATCC)由来のcDNAを鋳型とし、配列番号1に示したフォワードプライマーと配列番号2に示したリバースプライマーを使用し、KOD -plus- ver.2(KOD-211、TOYOBO)を用いたPCR反応によりヒトFPRL(配列番号3)を増幅した。増幅したPCR産物及びpCMV-script vector(212220、STRATAGENE)をHind III(1060A、TaKaRa)及びXhoI(1094A、TaKaRa)を用いて消化し、得られた消化物はLigation high ver.2(LGK-201、TOYOBO)を用いてラーゲーションさせた。ラーゲーション産物はDH5α(DNA-901、TOYOBO)に形質転換し、100 μg/mL kanamycin 含有のLB培地で培養後、HiSpeed Plasmid Maxi Kit(12662、QIAGEN)を用いて精製した。
【0441】
(1−2)ヒトGα15発現ベクターの構築
骨髄性白血病細胞株HL-60(CCL-240、ATCC)由来のcDNAを鋳型とし、配列番号4に示したフォワードプライマーと配列番号5に示したリバースプライマーを使用し、KOD -plus- ver.2を用いたPCR反応によりヒトGα15(配列番号6)を増幅した。増幅したPCR産物及びpCMV-script vectorをHindIII及びXhoIを用いて消化し、得られた消化物はLigation high ver.2を用いてラーゲーションさせた。ラーゲーション産物はDH5αに形質転換し、100 μg/mL kanamycin含有のLB培地で培養後、HiSpeed Plasmid Maxi Kitを用いて精製した。
【0442】
(2−1)HEK293培養及び継代方法
HEK293(JCRB9068、NIBIO)は10%FBS及び1xPenicillin-Streptomycin(15140-122、GIBCO)を含有したDMEM(11885-092、GIBCO)を用い、5%CO
2かつ37
oCのインキュベーター内で培養した。継代は、80-90%コンフルエントに達した細胞をPBS(-)で洗浄後、0.25% Trypsin-EDTA(25200-072、GIBCO)で剥がして遠心し、新しい培地で再懸濁した後、Collagen Type 1 Coated dish(4020-010、IWAKI)にsplit ratio = 1:8で播種した(3日間培養)。
【0443】
(2−2)ヒトFPRL1及びGα15発現ベクターの導入
80-90%コンフルエントに達したHEK293をPBS(-)で洗浄し、0.25% Trypsin-EDTAで剥がして遠心後、1xPenicillin-Streptomycinを除いた新しい培地で再懸濁した。5x10
5cells/2.5mL/well となるように、Collagen Type 1 coated 6-well plate(4810-010、IWAKI)に播種し一晩培養した。翌日、ヒトFPRL1及びGα15発現ベクターをLipofectamine 2000 transfection reagent(11668-019、Life technologies)を用いて導入した。まずヒトFPRL1及びGα15発現ベクターを2 μg/250 μL/wellに、Lipofectamine 2000 transfection reagentは4 μL/250 μL/wellとなるように、Opti-MEM I Reduced Serum Medium(31985-070、GIBCO)でそれぞれ希釈した。穏やかに拡散させ、5分間室温でインキュベーションした後に、ベクター溶液とLipofectamine 2000 transfection reagentを等量混合した。さらにベクターとLipofectamine 2000 transfection reagentの複合体を形成させるため室温で20分間インキュベーションした後、播種しておいた細胞の培地中に500 μL/well ずつ加えた。処理した細胞は24時間の培養後、Poly-D-Lysine coated 96-well plate(356640、BD Biosciences)に7x10
4cells/100 μL/wellの細胞数で播種し、さらに24時間培養した細胞を細胞内カルシウム動員試験測定に用いた。
【0444】
(3)ヒトFPRL1アゴニスト活性評価(細胞内カルシウム動員試験)
はじめに各試験化合物を適量秤量し、10
-2MとなるようにDimethyl sulfoxide(DMSO)を加えて溶解した。アゴニスト活性のEC
50値算出のため化合物溶液をDMSOにて10倍ずつ段階希釈し、10
-2Mから10
-9Mの8つの濃度を作成した。作成した各濃度の化合物溶液をFluo-4 NW Calcium Assay Kit(F36206、Life technologies)に含まれているAssay bufferにて100倍希釈後、V-bottomの96-well plateへ100μLずつ分注し、分注後のplateは測定までFlexstation(Molecular Devices)にセットした。
次に、Fluo-4 NW dye mixに10mLのAssay buffer及び100 μLのプロベネシド溶液(250mM stockに1mLのAssay bufferを加えて溶解したもの)を加え、よく混合して溶解した。前日に播種した細胞の培地を除き、溶解したFluo-4 NW dye mixを90μL/wellずつ添加し、45分間37℃遮光下で反応させた。反応後の細胞と化合物添加用チップをFlexstationにセットし、化合物添加による経時的蛍光強度変化を測定した[化合物添加量=10μL(最終濃度 : 10
-5Mから10
-12M)、励起波長 485nm、測定波長 525nm、1.5 sec x 54 read]。相対蛍光単位の最大値から、DMSO添加時のベース値を引いた値を算出し、解析に供した。測定データは全てデータ解析ツールであるPrism4を用いて解析した。EC
50値は、50%最大活性化を生じるモル濃度を算出した。得られた各試験化合物のEC
50値を以下の表Iに示した。
【0445】
【表I】
【0446】
表Iにより、本発明の化合物(I)、またはその薬理学的に許容される塩が、強力なFPRL1アゴニスト作用を示すことが分かる。
【0447】
<試験例2>
Lipopolysaccharide誘発によるマウス肺への好中球浸潤に対する効果
マウス(BALB/c、雄)に被験化合物を経口投与し、30分後にプラスチック容器へ入れた。生理食塩液に溶解したlpopolysaccharide(0.3 mg/mL)を超音波式吸入器( NE-U17、オムロン )で霧化し、10分間マウスに噴霧した。5時間後、麻酔したマウスを脱血致死させ、気道にカニューレを挿入して0.4% sodium citrateを含む0.85% NaCl液1 mLで気管支洗浄(BAL)を行った。この操作を3回繰り返して、BAL液を得た。BAL液を4℃、5分間、×200 gで遠心し、沈渣に0.1 % BSAを含む生理食塩液に懸濁した。チュルク液を用いて顕微鏡下で白血球数を数えて、総白血球数を算出した。サイトスピン3 (サーモバイオアナリシスジャパン)を用いて、白血球をスライドガラスに固定した。ディフ・クイック (国際試薬)で染色し、顕微鏡下で白血球を数え、好中球の比率を算出した。総白血球数に好中球の比率を乗じて、総好中球数を算出した。被験化合物の効果は、コントロールの好中球数に対する抑制率を百分率(%)で示した。得られた各試験化合物の抑制率を以下の表IIに示した。
【0448】
【表II】
【0449】
表IIから本発明の化合物(I)、またはその薬理学的に許容される塩が、強力な好中球浸潤抑制作用を有することが分かる。