(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-521617(P2018-521617A)
(43)【公表日】2018年8月2日
(54)【発明の名称】横方向磁束リニアモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 41/03 20060101AFI20180706BHJP
【FI】
H02K41/03 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-562346(P2017-562346)
(86)(22)【出願日】2016年7月18日
(85)【翻訳文提出日】2018年1月15日
(86)【国際出願番号】IL2016050783
(87)【国際公開番号】WO2017013646
(87)【国際公開日】20170126
(31)【優先権主張番号】62/194,300
(32)【優先日】2015年7月20日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517413454
【氏名又は名称】モータートロニックス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ヴィラレ,イーヴ
【テーマコード(参考)】
5H641
【Fターム(参考)】
5H641BB06
5H641BB16
5H641BB18
5H641BB19
5H641GG02
5H641GG03
5H641GG07
5H641HH02
5H641HH03
5H641HH12
5H641JA09
(57)【要約】
長線形部分を備えた複数の電気巻線を有し、前記部分がモータの線形経路と平行して配置される電動リニアモータ。線形経路と平行であり、かつモータの線形経路に対して垂直な交番磁界方向を有する、等距離の磁石の一意の行(磁石行)が、設けられる。複数の磁気回路が、設けられる;各磁気回路は、「長線形部分の組」と更に称される、複数の上述の長線形巻線部分を取り囲み、およびこれらの磁気回路のうち少なくとも2個が、長線形部分の異なる組を取り囲む。各磁気回路は、磁石行を収容する開口部を備えている。磁石行および磁気回路は、互いに相対的に線形経路に沿って摺動する。実施態様は、静止要素および可動要素の変形例を含む。静止要素と可動要素との間の動作力が、巻線に電流を印加することによって得られる;そこにおいて各磁気回路は、磁石行の位置および取り囲まれた巻線線形部分内の電流の関数として力を生成する。動作力は、全ての磁気回路によって生成される全ての力の合計であり、および必要力値は磁気回路に対して可動行の各位置に対する巻線の電流を制御することによって得られる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電流からの経路に沿って線形動作を生成するための電動リニアモータであって、前記電動リニアモータが:
各々少なくとも1個の長線形巻線部分を有する複数の電気巻線であって、複数の前記長線形巻線部分が前記モータの前記線形経路と平行して配置される電気巻線;
前記線形経路と平行して配置される単一行の磁石であって、および前記モータの前記線形経路に対して垂直な交番磁界方向に周期的位置に配置される前記磁石;ならびに
複数の磁気回路であって、各磁気回路が複数の前記長線形巻線部分を取り囲み、前記磁気回路のうちの少なくとも2個が長線形巻線部分の異なる組を取り囲む磁気回路を備え、
電流が前記複数の電気巻線のそれぞれに入力される時、磁気力が前記線形動作経路と平行して生じ、
前記磁気力が前記単一磁石行および前記磁気回路に働いて、前記単一磁石行および前記磁気回路を互いに相対的に前記線形経路に沿って摺動させるように、
各磁気回路が、前記単一磁石行を収容する開口部を備えることを特徴とするモータ。
【請求項2】
前記静止要素と可動要素との間の前記磁気力が、前記電気巻線内に前記電流を印加することによって得られるように、前記磁気回路が静的であり、および前記磁石行が移動可能であり、
各前記磁気回路が、a)前記磁石行の位置、およびb)前記取り囲まれた長線形巻線部分内の前記位置での前記電流の瞬間振幅の関数として力を生成することを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記磁気力が、全ての前記磁気回路によって生成される全ての力の合計であり、
および要求された力値が、前記磁気回路に対して前記可動磁石行の各位置に対する前記電気巻線内の前記電流を制御することによって得られることを特徴とする請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記静止要素と可動要素との間の前記磁気力が前記電気巻線内に前記電流を印加することによって得られるように、前記電気巻線および前記磁石行が静的であり、ならびに前記磁気回路が前記線形経路に沿って移動可能であり、
各前記磁気回路が、a)前記磁気回路の位置およびb)前記取り囲まれた長線形巻線部分内の前記位置での前記電流の瞬間振幅の関数として力を生成することを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項5】
前記磁気力が、全ての前記磁気回路によって生成される全ての力の合計であり、
および要求された力値が、前記磁気回路に対して前記磁石行の各位置に対する前記電気巻線内の前記電流を制御することによって得られることを特徴とする請求項4に記載のモータ。
【請求項6】
前記静止要素と可動要素との間の前記磁気力が前記電気巻線内に前記電流を印加することによって得られるように、前記磁石行が静的であり、ならびに前記磁気回路および前記電気巻線が前記線形経路に沿って移動可能であり、
各前記磁気回路が、a)前記磁気回路の位置およびb)前記取り囲まれた長線形巻線部分内の前記位置での前記電流の瞬間振幅の関数として力を生成することを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項7】
前記磁気力が、全ての前記磁気回路によって生成される全ての力の合計であり、
および要求された力値が前記磁気回路に対して前記磁石行の各位置に対する前記電気巻線内の前記電流を制御することによって得られることを特徴とする請求項6に記載のモータ。
【請求項8】
前記磁気回路のうち少なくとも1個が、2個を超える前記長線形巻線部分を取り囲むことを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項9】
前記磁気回路が、
a)複数の前記長線形巻線部分を取り囲み、および
b)前記単一磁石行の上にかつそれに沿ってその中の摺動のための開口部をもたらすために設計された形状を有することを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項10】
前記磁気回路が、より大きな磁気力を生成するために複数の群で配置されることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項11】
前記磁気回路の3個ならびに前記電気巻線A、BおよびCの3個を備え、a)第1の磁気回路が、前記巻線Aの1個の長線形部分、前記巻線Bの2個の長線形部分および前記巻線Cの1個の長線形部分を取り囲み、b)第2の磁気回路が、前記巻線Bの1個の長線形部分および前記巻線Cの1個の長線形部分を取り囲み、ならびにc)第3の磁気回路が、巻線Bの1個の長線形部分、前記巻線Cの2個の長線形部分および前記巻線Aの1個の長線形部分を取り囲むことを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項12】
前記第1および第2の磁気回路が、前記磁石行周期の3分の1に等しい距離で隔てられ、ならびに前記第2および第3の磁気回路が、前記磁石行周期の5/6に等しい距離で隔てられることを特徴とする請求項11に記載のモータ。
【請求項13】
前記電気巻線が静的であり、および前記磁気回路が前記線形経路に沿って複数の群で配置されることを特徴とする請求項2に記載のモータ。
【請求項14】
より大きな力を生成するために前記磁気回路のいくつかの群を含む請求項13に記載のモータ。
【請求項15】
低下した熱放散を有する簡単にされた構成として提供される請求項1に記載のモータ。
【請求項16】
低下した震動を有する簡単にされた構成として提供される請求項1に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として電動モータに関し、およびより詳しくは、電磁力ベクトルが磁力線に対して垂直である横方向磁束マシンに関するが、しかしこれに限定されない。
【背景技術】
【0002】
線形動作システムは、種々の用途を処理するために利用可能な異なるシステムによって産業界に普及している。
【0003】
システムの1つのタイプは、ボールおよびネジ配置を使用し、そこにおいてボールねじが静止回転モータによって回転する。この配置の利点は、システムを駆動する電気ケーブルが静的であって、したがってマシンの主本体部に固定されることができることである。欠点のいくつかは、しかしながら速度の制限および相対的に大きな震動、摩擦および音響ノイズを含む。
【0004】
より速い速度および円滑な、高精度動作が要求されるところでは、静止要素および可動要素を有する電動モータが、しばしば使用される。一部のリニアモータにおいて、例えば、可動要素は、鉄または鋼のような磁化可能な材料の磁気コアのまわりにくるまれる電流供給巻線を含み、および静止要素は永久磁石を含有する。
【0005】
これらのリニアモータはしかしながら、可動巻線がモータのドライバ電流にケーブルによって接続される必要があるという点で、欠点を有する。接続ケーブルの劣化を回避するために、高価で複雑なケーブル配置が、通常要求される。更に、ケーブル接続部はモータ動作の円滑性に影響を及ぼす機械的摩擦および擾乱を作り出す。代替タイプのリニア電動モータは、固定子上に巻線および磁気コアならびに可動要素上に永久磁石を配置することによって構成要素の配置を逆さにする。このモータ構成の一例が、(特許文献1)内に示される。しかしながら、この構成による問題は、巻線および磁気コアがリニアモータの全長に沿ってずっと配置されることである。巻線は、通常電動モータの全長を覆う磁極の回りに巻回される。これは、モータを相対的に重くかつ高価にする。更に、可動要素の前にある巻線の小さな部分だけがアクティブであるので、これらのモータは低効率を有する。
【0006】
これらの一般のタイプのリニアモータの両方がさらに可動要素と静止要素との間に強い引力を有する。引力は、動作に関して摩擦制約として働き、克服するのに追加電流入力を要求し、それがモータ効率を更に低下させる。
【0007】
筆者の(特許文献2)に、高効率の横方向磁束リニアモータをもたらすリニアモータが記述されている;一実施態様において、可動キャリジ押出力が3個の磁気回路によってもたらされ、それぞれが、磁石の行が中に嵌入され、かつ磁石行に沿って摺動する開口部を有する。
【0008】
この構成の特徴は、可動ケーブルの必要性を除去することである。
【0009】
別の特徴は、巻線の熱損失に起因する加熱がキャリジに直接伝導されず、より低い温度に帰着することである。
【0010】
しかしながら、磁性体内部の磁気損失によって生じる熱がキャリジになお伝導され、低下はするがなお問題があるキャリジ温度上昇に帰着する。
【0011】
この配置による別の問題は、一般的に3本(または少なくとも2本)の行の磁石があることである。押出力が、各行のそれぞれの開口部でキャリジに連続的に印加される。キャリジの異なる位置に対する押出力のこの連続した印加は、動作中の震動に帰着する。
【0012】
この配置による更なる問題は、機械的複雑性である。後述するように、磁気回路の末端は動作経路に対して垂直な強いかつ振動する力を受ける。これは、震動を回避するために硬い支持フレームを要求する。硬いフレームを実装することは、重い、複雑なかつ高コストの構造に帰着する。
【0013】
この配置による別の問題は、機械的実装である。
【0014】
行の間に残される空間の体積部分がアクセス可能でないので、組立工程は複雑である。
【0015】
この配置による更なる問題は、3本の磁石行が要求され、したがってコストを追加することである。
【0016】
典型的リニアモータは、磁性体の回りに巻回される電流供給コイルを含む。極と呼ばれる磁性体端部分が永久磁石の行に近接して線形経路上を移動する。磁石の磁界と極近くの磁界との間の相互作用が、動作力を作り出す。一般的に、これらのモータ極は三「相」群に分けられる。三相電流発生器の相電流が、各極コイル内に駆動される。
【0017】
この種のモータの限界は、長さ単位あたりの極の数が極を取り囲むコイルの寸法のために制限されることである。大きな力を生成するために、多数の極を使用することが望ましいが、コイル寸法がこの数を制限する。
【0018】
したがって、十分な動作力を生じることが可能であるために、これらのタイプのモータは大きな磁石および大きな極を使用する。大きなかつ強い永久磁石は、高コストを有してかつ操作するのが困難であり、それが高い製造コストに帰着する。
【0019】
横方向磁束モータは、動作経路に沿って延在する巻線を利用する。そのタイプのリニアモータの例が、(特許文献3)および(特許文献2)内に記述される。これらのモータでは、極の数は巻線によって制限されない;これは、同じ巻線線形部分が多数の極にわたって延在することができるからである。各極が小型である、多数の極を備えたモータを設計することがしたがって可能である。それゆえに、永久磁石もまた小型かつより低コストになる。さらに、同じ巻線が同じ相の全ての極にわたって働き、それで巻線の数が相の数まで低下する。巻線形状は、より単純でかつ巻線製造コストを低下させる。
【0020】
(特許文献2)内に提示される設計の更なる利点は、可動ケーブル無しでリニアモータを作ることが可能であることである。キャリジは、電気供給を必要としない。これは、動作の信頼性および円滑さを向上させる。可動ケーブル配置のコストが、さらに回避される。
【0021】
しかしながら、Villaretによって記述されるリニアモータは、以下の欠点をなお有する:
【0022】
第1の側面において、磁性体内部の磁気損失によって生じる熱がキャリジになお伝導され、いくらか減少するがなお問題があるキャリジ温度上昇に帰着する。
【0023】
2の側面において、一般的に3本(または少なくとも2本)の行の磁石がある。押出力が、各行のそれぞれの開口部でキャリジに連続的に印加される。キャリジの異なる横方向の位置に対する押出力の連続した印加は、ねじれのトルクを作り出し、かつ動作中の震動に帰着する。
【0024】
このリニアモータの更なる欠点は、機械的複雑性である。下記で示されるように、磁気回路の末端は動作経路に対して垂直な強いかつ振動する力を受ける。これは、震動を回避するために硬い支持フレームを要求する。硬いフレームの実装は、重い、複雑なかつ高コストの構造に帰着する。
【0025】
機械的実装の別の側面において、行の間の空間の体積部分がアクセス可能でなく、およびこれは組立工程を複雑にする。巻線の挿入を可能にするために、巻線を嵌入した後に再組立てされることができるいくつかの部分に、磁気回路を分ける必要がある。全てのこれらの部分を共に組み立てることは、モータの中心部の下の体積部分がアクセス可能でないと共に、複雑なおよびしたがって高価な手順である。
【0026】
この実施態様の更なる欠点は、3本の磁石行が要求されることであり、したがってコストを追加することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0114854号明細書
【特許文献2】米国特許第9252650号明細書
【特許文献3】米国特許第5854521号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本発明の目的は、改良されたタイプの横方向磁束リニアモータである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明の好ましい一実施態様において、長線形巻線部分を備えた複数の電気巻線を有する電動リニアモータが、提供される。長線形巻線部分は、モータの線形経路と平行して配置される。
【0030】
線形経路と平行して周期的位置に配置され、かつモータの線形経路に対して垂直な交番磁界方向を有する、等距離の磁石の単一行(磁石行)が設けられる。
【0031】
複数の磁気回路が、設けられる;各磁気回路が、「長線形部分の組」と更に称される、複数の長線形巻線部分を取り囲み、およびこれらの磁気回路のうち少なくとも2個が、長線形部分の異なる組を取り囲む。各磁気回路は、磁石行を収容する開口部を備えている。磁石行および磁気回路は、互いに相対的に線形経路に沿って摺動する。
【0032】
第1の実施態様においては、磁石行が経路に沿って移動可能であり、かつ可動キャリジに固定される;巻線および磁気回路は、静的である。
【0033】
第2の実施態様においては、キャリジが磁気回路に固定されてかつ経路に沿って移動可能である;巻線および永久磁石行は、静的である。
【0034】
第3の実施態様において、巻線および磁気回路がキャリジに固定され、かつ経路に沿って移動可能である;磁石行は、静的である。
【0035】
静止要素と可動要素との間の動作力が、巻線内に電流を印加することによって得られる;各磁気回路は、磁石行の位置および取り囲まれた長線形巻線部分内のその位置での瞬間電流振幅の関数として力を生成する。動作力は、全ての磁気回路によって生成される全ての力の合計であり、および要求された力値が磁気回路に対して可動行の位置に対する全ての巻線内の電流の振幅を制御することによって得られる。
【0036】
本発明の追加的特徴および効果が、以下の図および記述から明白になる。
【0037】
それの実施態様についての本発明のより良い理解のために、参照がここで添付の図面になされ、そこにおいて同様な数字は全体にわたって対応する要素または部分を指し、かつそこにおいて:
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】(特許文献2)からの従来技術の斜視図である。
【
図4】本発明の実施態様内に使用される磁石の行を示す。
【
図5】静止磁気回路および巻線ならびに磁石行に固定される可動キャリジを備えた一実施態様を示す。
【
図7】静止磁石行および巻線ならびに磁気回路に固定される可動キャリジを備えた一実施態様を示す。
【
図9】静止磁石行ならびに磁気回路および巻線に固定される可動キャリジを備えた一実施態様を示す。
【
図11】三相電流供給源への巻線の「デルタ」接続を示す。
【
図12】三相電流供給源への巻線の「星型」接続を示す。
【
図13】第2の実施態様に対する磁気回路の幾何学的形状を示す。
【
図14】
図4の実施態様に対する代替物としてより広い磁石行を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は、改良されたタイプの横方向磁束モータを提供する。
【0040】
本発明の好ましい実施態様によってもたらされる利点を示すために、従来技術のVillaret設計の略図が、
図1および
図1A内に参照のために示される。
詳細な説明は、(特許文献2)内に見いだされる。
【0041】
3本の線形構造体、102a、102bおよび102cが、移動経路と平行して配置される。巻線の部分が、これらの線形構造体内に配置される。これらの線形構造体は、それぞれ磁石行103a、103bおよび103cに固定される。これらの構造体を取り囲む磁気回路101が経路に沿って移動する。マシンに用いられる使用荷重が磁気回路101に固定されるキャリジに装填される。
【0042】
キャリジと磁気回路101との間の硬い機械的連結が、磁気回路損失から来る熱の経路をもたらす。モータが高速かつ大きな力で動作している時、大きなかつ交流の電流が巻線内に流れ、磁気回路内に高磁界を作り出す。磁気回路が磁性体の非線形磁気特性に起因する熱の形で放散する磁気損失を有することは周知である。これらの損失は、交流周波数およびしたがって速度の二乗と比例している。
【0043】
使用荷重の温度上昇が問題である可能性があるので、可動要素上の熱放散を最小化することが望ましい。
【0044】
第2の側面において、動作力が磁石行103a、103bおよび103cとそれらが嵌入される磁気回路開口部との間に順に印加される。結果として、キャリジ上の動作力が、3個の開口部で順に印加される。キャリジの重力中心が例えば
図1のGに示される中心にある場合、交互のねじれのトルクが動作中にキャリジに印加される。この交互のトルクは、可動要素の機械的剛性に伴う震動を生成する。これらの震動を回避するために、非常に硬い機械系が使用されなければならず、重くかつ高価な構成に帰着する。
【0045】
図1Aを参照して、リニア軸受108aおよび108bが示される従来技術のVillaet設計の一実施態様が、示される。本実施態様において、軸受の位置は磁気回路およびキャリジの最高の機械的支持のために選ばれた。磁気回路の末端101aおよび101bは直接支持されず、およびしたがって、いくらかの柔軟性を示すことがわかる。それらは、磁石行に対して可変の引力を受ける。これらの末端で印加されるこの可変の磁気力が、震動を引き起こす。これらの震動は、次に磁石行の相対位置の変動を引き起こし、したがって動作力の追加変動を作り出す。最終的に、望ましくない震動が生じる。
【0046】
これらの震動を回避するために、それらの振幅を低下させるためにシステム構造体が非常に硬くされるべきであり、重いかつ高価なシステムに帰着する。
【0047】
図1Aで分かるように、別の側面においてベースプレート109、磁石行103a、103b、103cと巻線構造体102a、102bおよび102cとの間に取り囲まれる空間の体積部分は、磁気回路の実装のために容易にアクセス可能でない。具体的には、実装プロセス中に、磁気回路部分101cおよび101dは磁気回路の他の部分とは別々に実装されるべきである。磁気回路がいくつかの部分に分けられるときはいつでも、組立工程は、高い機械的精度と共に、更に、大きな剛性で全ての部分を固定するために、非常に複雑になる。
【0048】
単純な組立工程を可能にする、および/または、可動キャリジ上の熱の伝導を除去し、磁気回路に印加される交互のトルクに起因する震動を除去し、かつ磁石行の数を低下させ、したがって材料および組立コストを低下させる、簡単にされた構造体の利点を備えた横方向磁束リニアモータを提供することが、本発明の主要な目的である。
【0049】
ここで、
図2を参照して、本発明の好ましい一実施態様の斜視図が、示される。磁石の行206は、3個の磁気回路202a、202bおよび202cの開口部内部でかつそれらに対して座標ベース210のy方向に線形に摺動することができる。実施態様の構成に依存して、磁気回路が静的であり、および磁石行がそれらの開口部内部で摺動するか、または磁石行が静的であり、および磁気回路が移動してかつ磁石行を取り囲むかのどちらかである。
【0050】
図4は、磁石行206の詳細な説明を示す。磁石行206は、磁石(401a 402a ...401d 402d)および非磁性体部分403a...403hから成る。磁石は交互の極性で磁石行全長に沿って等しく分布する。
図4は、黒に塗られた北極405、および座標410によって示される正のx方向に磁石を出る磁界を備えた南極406を有する永久磁石401a−401dを示す。永久磁石402a−402dは、永久磁石401a−401dと同一であるが、反対側の配向性を有してかつ負x方向に磁界を生成する。永久磁石401a−401dおよび402a−402dは、行206に沿って等距離で交互に配置される。この特許出願の範囲では、
図4および
図2の205に示すように、同じ極性の2個の磁石間の距離を「周期」と呼ぶ。
【0051】
再び
図2を参照して、巻線の長線形部分201aa、201ab、201ba、201bb、201ca、201cbが摺動方向yと平行して配置される。好ましい図示された態様の特定の例において、部分201aaおよび201abは、
図3内に示される同じ巻線201aの一部分であり、それで各部分内部に流れる電流は反対方向である。同じことがあてはまり、長線形巻線部分201baと201bbは巻線201bの一部分であり、および長線形巻線部分201caと201cbは巻線201cの一部分である。異なる巻線配置が本発明の範囲内で実行されることができることが理解されなければならない。
【0052】
磁気回路202a、202bおよび202cは、電動モータおよびトランスにおいて用いられているように鉄および鉄合金または複合体のような積層磁化可能材料でできている。
【0053】
磁気回路202aは、巻線の長線形部分201aaおよび201bbを取り囲む。
【0054】
磁気回路202bは、巻線の長線形部分201aa、201bb、201ab、201caを取り囲む。
【0055】
磁気回路202cは、巻線の長線形部分201aa、201bb、201ba、201cbを取り囲む。
【0056】
3個の磁気回路202a、202bおよび202cは、共通の支持体(図示せず)に固定される。本実施態様において磁気回路間の距離が、項目203、204として
図2内に示され、かつそれぞれ周期の5/6および1/3である。
【0057】
相対的動作がy方向に経路に沿ってあるときはいつでも、永久磁石は磁気回路内に可変の磁束を作り出す。磁石行内の永久磁石の周期的配置、および磁気回路間の組距離に起因して、作り出された磁束は、経路の方向の位置の周期関数である。この可変の磁束が、次に巻線内に電圧を作り出す。
【0058】
各長線形巻線部分は、複数の磁気回路によって取り囲まれる。磁石行の磁石によって生成される磁束は、長線形巻線部分を取り囲む磁気回路内部に磁束を生成する。この生成された磁束が長線形巻線部分の巻線を横断し、および生成された磁束の時間変動に従って電圧が誘発される。最終的に、複数の長線形巻線部分を含む巻線全体上で、電圧が全ての誘導電圧の合計として誘発される。
【0059】
磁気回路内の磁束は、上記したように、経路に沿った位置xの正弦波関数に近似されることができる。これは、磁石行の周期的配置のためである。巻線の全ての部分に対する合計磁束は、以下のように表現されることができる。
Φ=Φ0.sin(2*π*x/周期+φ)
Φ0は、巻線巻回の数、幾何学形状および磁気回路の材料および永久磁石の磁気強度に依存する定数である
φは、磁気回路のy方向に沿った位置に依存する位相である。
【0060】
考慮された巻線内に誘発される電圧は、磁束時間微分によって定められる。
E=dΦ/dt=Φ0.(2.π/周期).cos(2.π.x/周期+φ).dx/dt
【0061】
磁石行と磁気回路との間の相対的動作の速度としてVと記す場合、考慮された巻線内に誘発される電圧は以下である:
E=Φ0.(2.π/周期).cos(2.π.x/周期+φ).V. (式1)
【0062】
強度Iの電流が考慮された巻線に注がれた場合、磁気パワーPm=E.Iが生じる。パワーの別の既知の表現は、Pm=V*F(式2)であり、ここでFは磁気相互作用の力である。
【0063】
式1と式2を比較して、力Fの表現が得られる。
F=Φ0.(2.π/周期).cos(2.π.x/周期+φ).I
【0064】
好ましい実施態様の例では、3巻線がある。第1の巻線201aは、長線形巻線部分201aaおよび201abを含み、第2の巻線201bは、長線形巻線部分201baおよび201bbを含み、第3の巻線201cは、長線形巻線部分201caおよび201cbを含む。同じ定数Φ0が全ての3巻線に適用されるように、磁気回路幾何学形状および巻線が設計されることができる。加えて、磁気回路間の組距離は、巻線誘導電圧間の位相差が周期の3分の1であるようなものであり、ならびに各巻線201a、201bおよび201cに対して動作力を次のように表現することができる。
Fu=Φ0.(2.π/周期).cos(2.π.x/周期+φ).Iu
Fv=Φ0.(2π/周期).cos(2.π.x/周期+φ+2.π/3).Iv
Fw=Φ0.(2.π/周期).cos(2.π.x/周期+φ+4.π/3).Iw
ここで、Fu、FvおよびFwはそれぞれの巻線201a、201bおよび201c内に各巻線電流Iu、IvおよびIwによってそれぞれ生じる力である。
【0065】
共通のタイプの電気ドライブが、次の形の正弦波電流を駆動することが可能である。
Iu=I0.cos(2*π*x/周期+φ)
Iv=I0.cos(2*π*x/周期+φ+2.π/3)
Iw=I0.cos(2*π*x/周期+φ+4.π/3)、
ここで、I0は要求された力出力と比例した定数である。
【0066】
これは、磁石行206と磁気回路202a、202b、202cとの間の動作力に帰着する。
F=Fu+Fv+Fw=(3/2).Φ0.(2.π/周期).I0
【0067】
電動リニアモータはしたがって、1本の磁石行206だけを使用して磁石行206と磁気回路202a、202b、202cとの間に動作力を生じることが可能である。
【0068】
力は磁石行206と磁気回路との間に210内に示されるy方向に常に印加される。
【0069】
図2内に示される3個の磁気回路202a、202b、202cは、動作経路に沿ってある長さで延在する一組の磁気回路を形成する。任意の数のこの種の組が使用されることができ、経路に沿って配置されることができ、かつ大きな動作力を得るために機械的に連結されることができる。これは、
図3の平面図内に示される。好ましい実施態様に従うリニアモータの一部が、2周期長に沿って配置される2組の207のような磁気回路を示しているのが見える。磁気回路の組207が、3個の磁気回路202a1、202b1および202c1を含んで
図3内に示される。所定の用途に対する要求された動作力を生じるために、任意の数の207のようなこの種の磁気回路組が、あることができる。
【0070】
本特許出願の電動モータの原理が、磁石行と磁気回路との間に動作力が生じるところで記述された。
【0071】
この原理は、可動要素および静止要素の異なる構成に対して適用されることができる。
【0072】
図5内に示される第1の構成において、巻線および磁気回路は静的であり、および磁石行が移動する。可動キャリジ501が、フレーム構造体503の上の2本のリニア軸受502aおよび502bを用いて図の平面に対して垂直な方向に摺動する。複数組の磁気回路202a、202bおよび202cが、リニアモータの移動範囲にずっと沿って、フレーム構造体503内部に取り付けられる。磁石行206は、固着バー504を用いてキャリジ501に固定されてかつ磁気回路の開口部内部で摺動する。
【0073】
図6は、この構成の平面図を示す。磁気回路の組はフレーム構造体503の上部の表面の下にあり、およびキャリジ501は磁気回路の開口部605より上で移動することができる。磁石行はキャリジ501の下に位置し、およびその長さはキャリジ長より短くされる。矢印603は、摺動方向を示す。
【0074】
組立てプロセスを可能にするために、磁気回路はいくつかの部分に分けられなければならない。分離線505、506、507および508が、
図5内に示される。明確にするため、これらの分離線は磁気回路の上下の部分間のギャップとして示される。理解されなければならないのは、これらのギャップは、非常に小さくてかつ無視してよく、および組立工程中に上下の部分が、磁路の連続性を確実にするために接触されることである。磁気回路202aは、ギャップ506および507によって上下の部分に分けられる。磁気回路202bは、ギャップ508および
図5内に視認できない、かつ磁気回路202aの背後に位置する別のギャップによって上下の部分に分けられる。磁気回路202cは、ギャップ505および
図5内に視認できない、かつ磁気回路202bの背後に位置する別のギャップによって上下の部分に分けられる。組立工程では、磁気回路の下部がフレーム構造体503内に最初に配置され、次に、巻線が適所に置かれ、次に、磁気回路の上部の部分が適所に置かれる。
【0075】
図5および
図6内に示されるこの第1の構成において、磁石行は磁気回路が延在する長さより短い。磁石行が磁気回路より長いところで同じ構成が使用されることができることが理解されなければならない。この種の構成は例えばフライス盤で有効であることができ、そこにおいてキャリジが大きくかつ作業部材を保持し、かつ静止巻線および磁気回路を完全に覆って保護する。
【0076】
この構成の第1の特定の利点は、可動部の小さな重量である。自動マシンに使用される時、これは大きな加速およびしたがって向上された動作速度を可能にする。
【0077】
第2の特定の利点は、可動部が受動である、すなわち何の可動ケーブルも必要ないことである。
【0078】
図7および
図8内に示される、第2の構成では、磁石行および巻線が静的であり、および磁気回路が経路に沿って移動可能である。磁石行206は、固着バー704を用いてベースプレート703に固定されてかつ磁気回路開口部内に収まる。保持構造体701が、リニア軸受702を用いて経路に沿って摺動する。202a、202bおよび202cのような複数組の磁気回路が、保持構造体701内に取り付けられる。磁気回路は、巻線の長線形部分201aa、201ab、201ba、201bb、201ca、201cbを取り囲んでかつ摺動する。
【0079】
図8内に、この構成の平面図が示される。巻線は2個の型締構造体804aおよび804bを用いてそれらの末端でベースプレートに固定される。巻線は、十分な剛性を有するために周知の技法に従って設計される。理解されなければならないことは、動作力は巻線に働かず、それで巻線が自己支持だけのために設計されるべきであることである。
【0080】
この構成の第1の特定の利点は、何の可動ケーブルも必要でないことである。
【0081】
第1の構成と比較して、第2の特定の利点は、巻線の長部分の一部分だけが磁性体によって取り囲まれることである。これは、磁気損失および巻線のインダクタンスを低下させる。これは、モータの効率を向上する。
【0082】
図9および
図10内に示される第3の構成では磁石行が静的であり、巻線および磁気回路が、経路に沿って摺動する。磁石行206が、固体バー904を用いてベースプレート903に固定される。保持構造体901が、リニア軸受902を用いてベースプレート上で摺動する。磁気回路202a、202b 202cおよび巻線が、保持構造体901内に取り付けられる。
図9内に、巻線の長線形部分201aa 201ab 201ba 201bb 201caおよび201cbが、見られることができる。全ての磁気回路の開口部が、内部の磁石行と経路に沿って全て位置合わせされる。
【0083】
図10内に、平面図が示される。巻線および磁気回路は、保持構造体901内部に取り付けられ、それがベースプレート903上で摺動する。巻線をドライバ(図示せず)に接続する電気ケーブル1001が、保持構造体と共に移動する。前の構成をこえる利点は、巻線がより短く、したがってそれらの抵抗および電力損失を低下させることである。しかしながら、この構成では、巻線に電力を供給するために可動ケーブルが必要である。
【0084】
上記の全ての3構成に対する共通の利点は、以下の通りである:
a)動作力が、磁石行と磁気回路開口部との間に常に印加される。これは震動なしで円滑な動作を確実にする。
b)何の力も末端で印加されず、かつ磁気回路の何の震動も、誘発されない。より低い重量およびコストのために、より軽い保持構造体が使用されることができる。
c)簡単な組立。可動部分および静止部分が、別々に組み立てられることができて、そして次に、集約されることができる。簡単な組立のために磁気回路は、例えば、分離線505、506、507および508によって
図5内に示されるようにいくつかの部分に分けられることができる。
d)相対的可動部の間に動作力以外の何の引力もない。これは、磁石行が開口部の両方の末端によって等しく引きつけられるからである。
【0085】
図11内に、巻線201a、201bおよび201cに対する巻線形状が、示される。各巻線は、導線のいくつかの「巻回」を含む。ワイヤの各巻回が、巻線形状に沿って延在する。巻線の矩形の形状は、201aa 201ab 201ba 201bb 201ca 201cbとして長線形巻線部分をもたらす。さらに、三相コントローラ(ドライブ)への電気接続が、示される。ここで示される接続は、「デルタ」構成と一般に呼ばれる。
【0086】
図12内に、巻線201a、201bおよび201cに対する巻線形状が、示される。さらに、三相コントローラ(ドライブ)への電気接続が、示される。ここで示される接続は、「星型」構成と一般に呼ばれる。
【0087】
図13内に、一実施態様の別の例が示される。この実施態様では、磁気回路形状は、磁気回路131aが、長線形巻線部分201bbおよび201aa内に巻線の組を取り囲み、磁気回路131bが、長線形巻線部分201abおよび201ca内に巻線の組を取り囲み、および磁気回路131cが、長線形巻線部分201cbおよび201ba内に巻線の組を取り囲むように設計されている。ここで使用される特定の形状は、磁石行206が容易に開口部に嵌入されることができる開口部をもたらす。
【0088】
磁気回路がモータの全長にわたって延在し、かつ例えば
図5および
図6内に上記した第1の実施態様のような磁石行がより短い実施態様では、その時磁気回路の一部分だけが、磁石行を収容する;他の磁気回路は、開いたままに残されるそれらの開口部を有する。巻線電流は、これらの回路内に磁束をなお作り出す。大きな力を生じるために、薄い磁石行を使用することが望ましい;これは、永久磁石材料が低透磁率を有するからであり、およびしたがって、磁気回路の磁気伝導性は永久磁石の厚さと共に迅速に低下する。しかしながら、第2の側面において、磁石行を収容しない磁気回路もまた相対的に低い磁気伝導性を有する。これは大きな磁気損失を伴う、巻線の高インダクタンスに帰着し、かつモータ性能に関して負の影響を有する。
【0089】
この状況を回避するために、大きな磁気伝導性を有するより広い磁石行が、使用される。この種の磁石行140が、
図14内に示される。4個の磁石モジュール144a、144b、144cおよび144dが示され、各モジュールは142および143のような同じ極性の2個の磁石、ならびにそれらの間に鉄のような磁化可能な材料141を含む。磁気回路の開口部は、このより広い磁石行を収容するために寸法設定される。磁気回路の開口部内に挿入される時、磁石142が開口部の右側の前にあり、および磁石143が左側の前にある。4個の磁石モジュールは、座標ベース149のy方向として示される移動経路に沿って等距離である。4個の磁石モジュールは、磁石モジュール144bと144cとの間に145で示すように、非磁性体を用いて共に固定される。
【0090】
144のような磁性体が良い磁路をもたらし、および磁石が比較的薄いので、140のようなこの種の磁石行が使用されるときはいつでも、その時磁石行を収容する磁気回路の磁気伝導性は大きい。対照的に、磁石行を収容しない磁気回路は、開口部のより大きな寸法に起因して、低磁気伝導性を有する。このように、巻線のインダクタンスは、低下する。
【0091】
本発明が、好ましい実施態様に従って本願明細書に記述された。理解されなければならないことは、実施態様の多くの変形例が、同じ原理に従って使用されることができ、ここでa)磁気回路は、1本の一意の行を収容するために位置合わせされた開口部を設け、およびb)各磁気回路が一組の巻線の長部分を取り囲み、および少なくとも2個の磁気回路が異なる組の長部分を取り囲むことである。
【0092】
本発明をそれの特定の具体的な実施態様に関して記述したが、理解されるべきことは、更なる変更がここでそれ自体を当業者に提案するので、記述は限定として意味されず、かつ添付の特許請求項の範囲内に含まれるこの種の変更態様を包含することを目的とすることである。
【符号の説明】
【0093】
101 磁気回路
101a、101b 磁気回路の末端
101c、101d 磁気回路部分
102a、102b、102c 線形構造体 巻線構造体
103a、103b、103c 磁石行
108a、108b リニア軸受
109 ベースプレート
131a、131b、131c 磁気回路
140 磁石行
141 磁化可能な材料
142、143 磁石
144a、144b、144c、144d 磁石モジュール
145 非磁性体
149 座標ベース
201a、201b、201c 巻線
201aa、201ab、201ba、201bb、201ca、201cb 巻線の長線形部分
202a、202b、202c 磁気回路
203、204 磁気回路間の距離
205 周期
206 磁石行
207 磁気回路の組
210 座標ベース
401a−401d 永久磁石
402a−402d 永久磁石
403a...403h 非磁性体部分
405 北極
406 南極
410 座標
501 可動キャリジ
502a、502b リニア軸受
503 フレーム構造体
504 固着バー
505、506、507、508 分離線 ギャップ
603 摺動方向
605 開口部
701 保持構造体
702 リニア軸受
703 ベースプレート
704 固着バー
804a、804b 型締構造体
901 保持構造体
902 リニア軸受
903 ベースプレート
904 固体バー
1001 電気ケーブル
【国際調査報告】