(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-523295(P2018-523295A)
(43)【公表日】2018年8月16日
(54)【発明の名称】基板上に電気的に導電性のパターンを生成するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H05K 3/10 20060101AFI20180720BHJP
【FI】
H05K3/10 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-561296(P2017-561296)
(86)(22)【出願日】2016年5月23日
(85)【翻訳文提出日】2018年1月24日
(86)【国際出願番号】IB2016053004
(87)【国際公開番号】WO2016189446
(87)【国際公開日】20161201
(31)【優先権主張番号】1550675-1
(32)【優先日】2015年5月26日
(33)【優先権主張国】SE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】501239516
【氏名又は名称】ストラ エンソ オーワイジェイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイヤラ、ユハ
(72)【発明者】
【氏名】シルヴィエ、ペトリ
【テーマコード(参考)】
5E343
【Fターム(参考)】
5E343AA03
5E343AA37
5E343AA39
5E343BB78
5E343CC01
5E343DD71
5E343DD72
5E343ER35
5E343ER42
5E343FF30
5E343GG08
(57)【要約】
基板(202,402)上に導電性パターンを生成する方法(200,300,500)であって、所定のパターン(508)で前記基板の領域上に導電性固体粒子を提供するステップであって、前記パターン(403)は、電子部品に接続するための接触領域(404B)と、接触領域(404B)に隣接する導通構造(404A)とを含む、ステップと、前記導電性粒子を前記粒子の固有の融点よりも高い温度に加熱して溶融物を形成するステップ(510)と、ニップ内の基材に対して溶融物を基板に押し付けるステップであって、前記パターン(512)に従って粒子を接触領域内および導通構造内の本質的に電気的に連続した層に凝固させるように、接触部の温度が前記固有の融点よりも低い、ステップと、からなり、接触領域(404B)および導通構造(404A)の熱質量は、実質的に等しく構成されている方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(202,402)上に導電性パターンを生成する方法(200,300,500)であって、
所定のパターン(508)で前記基板の領域上に導電性固体粒子を提供するステップであって、前記パターン(403)は、電子部品に接続するための接触領域(404B)と、接触領域(404B)に隣接する導通構造(404A)とを含む、ステップと、
前記導電性粒子を前記粒子の固有の融点よりも高い温度に加熱して溶融物を形成するステップ(510)と、
ニップ内の基材に対して溶融物を基板に押し付けるステップであって、前記パターン(512)に従って粒子を接触領域内および導通構造内の本質的に電気的に連続した層に凝固させるように、接触部の温度が前記固有の融点よりも低い、ステップと、からなり、
接触領域(404B)および導通構造(404A)は、実質的に等しく構成された熱質量を有する、方法。
【請求項2】
前記熱質量を実質的に等しく構成することは、前記接触領域および前記導通構造に対して実質的に同様の体積で同じ導電性粒子を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱質量を実質的に等しく構成することは、前記接触領域および前記導通構造の少なくとも一部の両方に対して表面積および関連する層の厚さのサイズと実質的に同様のサイズの利用を組み込む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記接触領域と前記導通構造の少なくとも一部との形状及び寸法が実質的に一致する、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の方法であって、前記パターンは、加熱または加圧作業の観点から当該方法の間、前記基板の処理方向と好ましくは平行(409)または垂直である基準軸または基準面に対して少なくとも局所的な対称性(400,408)を示すように提供される、方法。
【請求項6】
前記接触領域および前記導通構造の少なくとも隣接する部分は、加熱または加圧の間に前記基板の処理方向に対して実質的に横方向に配列された膨張または収束方向を有する角縁領域を示すように設けられる、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記接触領域および前記導通構造の少なくとも隣接する部分は、約50度(412)を超える角度を有する角縁部を専ら含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
少なくとも前記接触領域、好ましくは導通構造に電気的に接続するように前記パターン上に電子部品(410)を配置するステップを含む、請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記接触領域および前記導通構造は、約1ミリメートル未満の距離に配置される、請求項1乃至8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
好ましくは前記パターンに従って前記導電性粒子を付着させるために前記基板上に接着剤(203,301)を設けるステップを含む、請求項1乃至9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記導電性粒子を前記基板(302,303,304)上に転写または付着させるのを容易にするために電界が印加される、請求項1乃至10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
基板(202,402)上に導電性パターン(403)を生成するためのアレンジメント(400)であって、
導電性固体粒子を前記基板の領域に転写して所定のパターン(403)を確立するように構成された粒子ハンドラ(204)であって、前記パターンは、接触領域に隣接する少なくとも一部分(414)を有する、任意にアンテナの少なくとも一部分に、電子構成要素(410)および導通構造(404A)を接続するための接触領域(404B)を含み、前記粒子は、接触領域と導通構造の少なくとも隣接する部分との熱質量が実質的に等しくなるように基板上に配置される、粒子ハンドラ(204)と、
前記導電性粒子を前記粒子の固有の融点よりも高い温度に加熱して溶融物を得るように構成されたヒーター(205)と、
前記基板に対して溶融物を押圧するように構成された温度制御されたニップ(206)であって、その接触部分の温度が前記固有の融点よりも低く、それにより前記粒子を前記パターンに従って前記接触領域内および前記導通構造内の本質的に電気的に連続した層に凝固させる、ニップ、
とからなるアレンジメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に導電性パターンの製造に関する。本発明は、パターンに従ってターゲット基板に取り付けられた導電性粒子からそのパターンを確立するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷された電子機器は、多くの多様な消費者製品に対する電子機能のコストエフェクティブな統合を可能にする。ここで、伝統的な、エポキシまたはポリエステルベースの回路基板は、プリント回路基板(PCB(printed circuit board))としばしば呼ばれるが、印刷された電子機器の実際の定義を満たさない。PCBでは、(シルクスクリーン)印刷の使用は、完成したボードの表面に可視マーキングを生成するほか、望ましくない銅をエッチングする前に耐エッチング性インクパターンを製造することに限定される。真の印刷電子機器は、電子回路の実際の機能要素を構成する導電性、半導電性、及び/又は他の可能性のあるパターンを、他の選択肢の中で、スクリーン、グラビアまたはインクジェット印刷のような印刷プロセスにおいて基板上に追加的に形成されることを意味する。
【0003】
必須ではないが、印刷された電子機器を製造するために使用されるプロセスは、印刷工程で巻き出された後、再度ロールに巻き取ることができるようにする、いわゆるロールツーロール(roll−to−roll)式であると典型的に有利であり、基材が長尺状に巻かれたウェブの形態であってもよいことを意味し、別の広く使用されている送り機構はシート供給であり、これは、基材が印刷工程を経て供給される多数枚のシート状になるように構成されている。
【0004】
印刷された電子機器を製造するのに重要な問題は、導電性材料が基板の所望の部分にのみ分散して取り付けられ、材料が取り付け段階の後にも必要な導電性を示すことを如何に確実にするかである。公開番号WO2013113995号で公開されたPCT出願は、表面上に導電性パターンを生成する方法を開示しており、ここでは、連続した導電層が形成されるように、実質的に溶融された粒子を結合させて固化するために、導電性固体粒子は、基板の表面上の所定の形状の領域上に供給され、加熱され、それに対して押し付けられる。
【0005】
‘995のひとつのような多くの最近の解決策は、表面上に導電性パターンを生成する従来の方法よりも、様々な利益を有するが、改善のための余地はまだかなりある。例えば、複数のより細かい解像度、密接に配置された導通構造の製造を含む使用シナリオにおいて、この技術は、所望の電気的接続を弱体化または完全に妨げる導電性材料層の亀裂などの他の問題のほか、溶融、ボンディング、固化の際に導電性材料の部分的に制御不能かつ予測不可能な広がりのためにしばしば劣っている。したがって、得られる固化構造体は、隣接する導体の変形や短絡、他方では、導電性トレースにおける電気的な接触を弱めたり破壊したりするクラックなどの欠陥を含んでおり、これは、関連する製品を完全に無用にすることが多い。
【0006】
図1は、矩形の導電性接触領域104および隣接する導電性要素102が製造される1つの先行技術のシナリオを示しており、ここでは、粒子を加熱加圧して溶融固化させてそれらを一緒にボンディングする工程を含み、接触領域104と要素102が形成されるように基板上に導電性粒子を供給することによって製造される。このプロセスの間、粒子の一般的な配置は、意図された元のものからわずかに変化しており(例えば、実際に得られる接触領域の形状104と対照的に矩形106は所望の接触領域の形状を示す)、丸で囲まれた場所108において、接触領域104と導電性要素102とが互いに直接接触している。当業者は、発生した導電性領域の短絡は、通常、分離されたままであるべきであり、通常、製品の使用可能性を完全に破壊し、問題の製造プロセスに関する歩留まりを損なうことを容易に理解するであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、基板上に導電パターンを確立するための改善された解決策を提供することであり、既存の解決策の課題のうちの少なくとも1つまたは複数を軽減する。
【0008】
この目的は、本発明による方法および関連する構成の実施形態で満たすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、一態様において、実質的に非導電性であるか、または少なくとも実質的に非導電性の表面を有する基板上に導電性パターンを生成する方法は:
所定のパターンで基板の領域上に導電性固体粒子を提供するステップであって、そのパターンは、電子部品と、接触領域に隣接する少なくとも一部分を有する、他の接触領域、導体および/またはアンテナ素子のような導通構造とを接続するための接触領域を含む、ステップと、
その導電性粒子をその粒子の固有の融点よりも高い温度に加熱して溶融物を得るステップと、
ニップ内で基板に対して溶融物を押圧するステップであって、パターンに従って接触領域内および導通構造内で粒子を本質的に電気的に連続した層内に固化させるように、その接触部分の温度が前記固有の融点より低い、ステップと含み、ここで、
接触領域と導通構造のその少なくとも隣接する部分の熱質量は実質的に等しい、ステップと、を含む。
【0010】
一実施形態では、上記構成するステップは、上記接触領域および導通構造の少なくとも部分に対して実質的に同様の体積で上記導電性粒子を前記基板上に提供するステップを含む。
【0011】
したがって、その表面領域および関連層の厚さのサイズは、接触領域と導通構造の少なくとも部分の両方に対して好ましくは実質的に同様である。
【0012】
任意選択的に、表面領域のサイズに加えて、接触領域と導通構造のその少なくとも部分の形状及び寸法もまた実質的に一致する。
【0013】
さらに、同じタイプの粒子が、例えば、本質的に同じ導電性粒子の粉末が、接触領域と導通構造の少なくとも隣接する部分との両方を確立するために、任意選択的にパターン全体を確立するために、好ましくは使用される。
【0014】
あるいは、相互に異なる体積の相互に異なる導電性固体粒子を用いて、接触領域および導電性表面の少なくとも隣接する部分を確立するようにしてもよい。しかしながら、接触領域の熱質量および導電性表面の少なくとも隣接する部分の熱質量がほぼ同じであるように、関連する表面積および材料層の厚さの大きさによって画定されるように体積が構成されて、使用される材料が選択される。
【0015】
別の態様では、基板上に導電性パターンを生成するための装置は:
導電性固体粒子を基板のある領域に転写して所定のパターンを確立するように構成された粒子ハンドラであって、このパターンは、電子部品に接続するための接触領域と、その接触領域に隣接する少なくとも一部分を有する別の接触領域、導体および/またはアンテナ要素などのような、導通構造とを含み、その粒子は、接触領域と導通構造の少なくとも隣接する部分の熱質量が実質的に等しくなるように基板上に配置される、ハンドラと、
その導電性粒子を、その粒子の固有の融点よりも高い温度に加熱して溶融物を得るように構成されたヒーターと、
基板に対して溶融物を押圧し、そのパターンに従って接触領域内および導通構造内で粒子を本質的に電気的に連続した層に固化させるように、その接触部分の温度がその固有の融点より低い、温度制御されたニップ内と、を含む。
【0016】
当業者には理解されるように、本方法の様々な実施形態に関する異なる考察は、本発明の実施形態に適用可能であり、逆もまた同様である。
【0017】
本発明の有用性は、実施形態に応じて複数の要因に基づく。提案された解決策は、導入された熱質量マッチングに応答して、導電性パターンおよび一般に無線タグなどの電子デバイスの提供された製造方法の加熱、溶融および固化活動の間に制御された熱伝達および熱管理を実施することを可能にする。ロールツーロール(roll−to−roll)プロセスおよび印刷された電子機器の便利で効率的な技術の両方を利用することができる。
【0018】
すべての関連する体積に対して同じ材料および層の厚さが使用される場合に関連する表面積を介して推定できる関連する体積と導電性材料に対する加熱温度を含む適用される熱管理スキームを考慮すると、接触領域および隣接する導通構造の均等化と最適化を行うことで、どちらも過度に加熱されず、あまりに加熱が少なくなることもなく、また、あまりに速くまたはゆっくりと加熱または冷却されないようにもすることができる。
【0019】
実際、確立された回路レイアウトの所望の部分の導電性経路は確実に得られ、一方、接続劣化クラックのような望ましくない現象は導電性要素において回避される。さらに、溶融した導電性材料の制御されない広がりおよび汚れおよび関連する短絡が低減され得る。且つ、材料の流れのばらつき等に起因する最終的に得られる回路パターンの不規則な凹凸が緩和されるので、最終的に目標の外観に近い改善された審美的デザインが得られる。
【0020】
したがって、所望の種類の導電性パターンは、一般に、良好な精度、解像度、および工業的な歩留まりの改善をもたらす主要な影響なしにターゲット基板上で達成され得る。
【0021】
ここで、“数”という表現は、1から始まる任意の正の整数を指すことができる。
【0022】
“複数の”という表現は、2から始まる任意の正の整数を指すことができる。
【0023】
用語「a」および「an」は、量の制限を示すものではなく、参照された項目の少なくとも1つの存在を示す。
【0024】
「第1の」および「第2の」という用語は、順序、量または重要性を示すものではなく、ある要素を他の要素と区別するために使用される。
【0025】
「熱質量」という用語は、本明細書では、材料の一部、層または体積に関する熱吸収、貯蔵および放出特性を指し、例えば、材料のその一部、層、または体積の材料の質量および材料の比熱容量とのその2つの乗算を介して表示することができる。
【0026】
次に、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は従来技術の方法による基板上に設けられた導電パターンの一例を示す図である。
【
図2】
図2は本発明の一実施形態による方法および装置を示す図である。
【
図3】
図3は1つの実現可能なオプションに従って、導電性固体粒子を基板上に転写することを示す。
【
図4】
図4は本発明の一実施形態による基板上に設けられた導電パターンの一例を示す図である。
【
図5】
図5は本発明による方法の実施形態を開示するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、従来技術の説明に関連して既に説明されたものである。
【0029】
図2は、200において、方法および装置の両方について本発明の一実施形態を示す。基板ハンドラ機構は、基板供給装置201を備え、例えば、繊維ウェブがロールから巻き戻される巻き戻しステーション、またはシートまたは対応する平面基板片がスタックから取られるスタックハンドラとすることができる。基板は、全体的に符号202で示されており、様々な材料、形状及び厚さのうちの任意のものとすることができる。紙、ボードおよびポリマーフィルム(プラスチック)は良好な基材と考えられてきたが、他の類似の非導電性表面も使用することができる。このように、紙、板または他の基材は、コーティングされていても、コーティングされていなくても、木材が含んでいなくても、木材を含んでいてもよい。多層基板も使用可能であり、その場合、基板は完全に非導電性である必要はなく、導電性パターンが印刷される表面が非導電性であれば十分である。他の可能な基材としては、例えば、織物、不織布材料、エレクトロニクス産業の回路基板、成形品、およびガラスが挙げられる。さらなる可能性は、壁紙および床コーティング、未焼成および焼成セラミック、(バイオ)ポリマーベースおよび複合材料などの建築材料を含む。リストされた基材のそれぞれには、独自の適用分野と利点がある。
【0030】
連続的なかわりに、ロールツーロール処理可能な基板、例えば、任意にカットして小さい製品部分にし、その後、シートタイプまたは部分を、図示された解決策の連続的または連続的に移動する態様を省略して階段状に適用することができる。
【0031】
さらに、基板供給装置201は、基板202の表面上に接着領域203を生成するための手段を含むことができる。本発明の目的のために、接着領域を作り出すことは本質的ではないが、プロセスの次のステップを簡略化するのに役立ち得る。接着領域は、導電性固体粒子(次のステップで基板の表面に移される)の基板への接着が、その外側よりも接着領域内でより強くなることを特徴とする。本発明の目的のために、必要な接着を達成するための異なる機構が、実施形態に応じて利用されてもよい。例えば、分散接着(すなわち、グルーミング(glueing))または静電接着が適用可能な選択肢である。
【0032】
前者の例として、基板フィーダ201は、接着剤またはラッカーを基板上に広げて所定の形態の接着領域を形成するように構成された接着印刷またはラッカー処理セクション(別個に図示せず)を含むことができ、その上に形成されるべき導電性パターンを形成する。静電接着に頼る場合、基板フィーダ201は、基板(または基板表面)に静電荷の空間分布を生成して所定のフォームの接着領域を生成するように構成された電気チャージャ部分を含み得る。基板の全面が導電性パターンで覆われているため、または導電性パターンの形状およびサイズは、接着領域の一部にのみに導電性固体粒子が選択的に移されることによって決定されるため、いくつかの場合では、接着領域203は基板の全面を覆うことが望ましい。
【0033】
したがって、「所定の形」の概念のある限定ケースでは、実際には基板全体の形であると結論付けることができる。
【0034】
セクション204で行われるように示されているプロセスステップは、導電性固体粒子を基板202上に移すことを含む。したがって、セクション204での操作に応答する装置の部分は、パーティクル(粒子)ハンドラと呼ばれることがある。導電性固体粒子は、基板フィーダ201内で生成された接着領域にのみ選択的に適用することができる。
【0035】
導電性固体粒子は、基板202上に所定の導電パターンで配置される。接着(付着)領域は、粒子が所望のパターンの領域のみに付着するように、パターン形状に合わせてもよい。
【0036】
パターンは、基板202上で互いに物理的に分離している複数の、または多くの要素および関連する体積(厚さを有する領域)を含むことができる。好ましくは、パターンは、その上に配置される電子部品に接続するための、多数の導電性接触領域または「接触パッド」を有利に画定する多数の第1の要素を含む。さらに好ましくは、パターンは、1つまたは複数のアンテナまたは他の機能的構造のような多数の導通構造を有利に画定する多数の第2の要素を含む。
【0037】
互いに隣接したままの、しかし基板上で互いに物理的に分離したままの、パターンの様々な要素は、短絡や亀裂の生成や、または溶融材料の塗りつぶしまたは滴下による製品の視覚的魅力の低下を避けるために、関連する導電性粒子および要素の潜在的な他の構成材料の供給、溶融および凝固の間、要素間の望ましくない領域への物質の流れは、実質的に存在しないか、または最小限に抑えられるようにデザインされなければならない。適切な設計は、導電性粒子を含む使用された材料、要素の形状、寸法および相互位置などの様々な側面をカバーする。そのような局面の多くは、製造プロセス中の熱管理の一般概念に収束する。隣接する要素の熱質量は、熱がそれらの中に最適に分配されるように最適化することができる。ほとんどの場合、熱質量は、実際には同じでなくとも、実質的に同様に設計されるべきである。熱質量は、問題となる要素の熱容量および実際の質量に依存し、それゆえ、関連する材料層の表面積および厚さの影響を強く受ける。さらに、要素の形状および寸法の相互類似性は、しばしば利益と考えられ、それに応じて、要素の熱質量も空間的に均等化される。これらの問題は
図4を参照してより詳細に議論される。
【0038】
前述の電子部品は、集積回路またはトランジスタ、ダイオード、LED(発光ダイオード)などの他の能動部品、または抵抗、コンデンサ、またはコイルなどの受動部品であってもよく、またはそれらを含んでもよい。その部品は、表面実装可能であってもよく、オプションとしてフリップチップタイプの所定のタイプのパッケージングを備えていてもよい。
【0039】
図2に戻って、必要な接着を実質的に同時に生成する方法を用いて、導電性固体粒子を基板の表面上に移すことも可能である。例えば、導電性固体粒子は、導電性固体粒子に加えて、接着特性を有する流体またはゼラチン状物質を含む化合物の一部として供給されてもよい。これは、セクション204に先行する任意のステップで接着領域203の予備作成を不要にすることができ;一方、基板の表面の所望の所定の領域のみが導電性固体粒子で覆われることを確実にする必要がある場合には、予備的な付着領域の作成を除いては、粒子ハンドラの動作精度に厳しい要件を課す可能性がある。
【0040】
205として概略的に示された断面は、導電性固体粒子の固有な融点よりも高い温度に導電性固体粒子を加熱することを含む。非接触加熱方法を適用するように構成されたヒーターを使用することは、加熱が、基板の表面上の導電性材料の空間的分布における望ましくない巨視的な変化を容易に引き起こさないという有利な特性を含む。言い換えると、導電性物質は、それが存在することを意図されている場所に留まる。しかし、本発明は、接触している加熱方法を特に除外するものではない。特に接触加熱方法が非常に低い接触圧力を使用することを含む場合、同様の有利な非スミアリング特性を有することができる。加熱の結果として、溶融物が生成される。
【0041】
206として示されるセクションは、いわゆるコールドニップ(cold nip)であり、「コールド(または冷たい)」という名称は、それに先行する加熱セクションと比較して「比較的冷たい」を意味すると理解されなければならない。コールドニップでは、セクション205の加熱によって生成された溶融物が基板202に押し付けられる。本発明は、接着領域203を形成するために基板の表面上に接着剤を使用することを可能にする(しかし必要としない)ため、溶融物を基板にプレスする(押し付ける)ことは、溶融物を基板に直接押しつけることと、溶融物と基板との間の基板の表面上に位置する接着剤層に対して溶融物を押すことの両方を概念的にカバーする。
【0042】
溶融物に当たるコールドニップの部分の表面温度は、上述した固有の融点よりも低い。従って、コールドニップは、もともと固体の導電性粒子の予め溶融した材料を再度固化させるが、この時点では、別個の粒子の形態ではなく、粒子ハンドラ204において導電性固体粒子が移された基板の表面の領域を覆う本質的に連続した導電性層の形である。
【0043】
コールドニップ中の有効温度(すなわち、溶融物に当たるコールドニップのその部分の表面温度)を前記固有な融点より僅かに低く維持することが有利であることが判明している。これは、例えば、溶融物が基板に押し付けられる前に、早期に凝固しないことを保証する。また、凝固が十分にゆっくりと行われるので、ニップ圧力の下では、溶融物は依然として流動し、本質的に連続した導電性の層を形成するための時間を有し、基材表面の最終的な細孔または空隙に流れ込み、接着性を高める。
【0044】
一方、コールドニップ(溶融物の溶融状態を維持することを目的とする熱いものではない)を用いることは、ニップ圧力にもかかわらず、所望の導電性パターンのエッジがそれらの位置およびサイズを大きく維持するという利点を含む。換言すれば、溶融した導電性材料は基材の表面を横切って押し出されず、非導電性のままであることが意図されていた表面の領域を満たし、しみこみ、または落ちる。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、低温ニップ温度と固有の融点との間の差は、約50〜60℃以下であり、すなわち、溶融物に接するニップの部分の表面温度は、固有融点より下60度未満でない温度である。多くの場合、さらに小さな温度差を使用することができます。コールドニップ温度と固有融点との間の最適な差は、少なくともある程度、基板がプロセスを介して運転される速度の関数であることが分かっている。1つの試験装置では、基材は毎分6メートルで運転され、温度は固有融点については175℃と177℃との間であり、コールドニップについては142℃であった。他のすべてを同じに保ち走行速度を毎分10メートルに増加させたとき、最適なコールドニップ温度は151℃であることが分かった。前記試験装置において、一般的な結論は、毎分5〜10メートルの間で変化する駆動速度において、コールドニップ温度は、135〜155℃の範囲で選択されるべきであり、より速い駆動速度では高いコールドニップ温度に対応する。
【0046】
前記試験装置に使用された金属合金が加熱されると、既に135℃で軟化し始めるが、177℃で完全に融解することに留意すべきである(上記の例で使用した特性融点はややフレキシブルな値)。非共融金属合金には、いわゆる固相線および液相線温度があり、その間に低融点相の溶融物中の固体粒子のペーストとして存在することが一般的である。いくつかの非共晶合金では、液相線温度を超えると問題の物質が主に流体として挙動することが確かにあり、液相線温度を特性融点とみなすほうがよい場合がある。しかしながら、固相線温度と液相線温度との間の物質の挙動は(例えば2つの金属の合金が比較的少量のより高温の溶融金属のみを含む場合)流動的であり、固相線温度(または、例えば、固相線温度と液相線温度との間のある他の温度)を固有融点とみなすことが正当化され得る。
【0047】
非共晶合金は、一般に、融点として明確な単一温度を有する共晶または純粋な金属よりも優れており、本発明の目的に非常によく適合することが判明している。これは、上述したような種類の非共晶合金の場合に特に当てはまり、液相線温度より下ですでに液体のような挙動を始める。部分的に溶融した合金は、粥または比較的粘性のある流体のように振る舞い、基板の表面上の動きを予見可能で制御しやすくすることができる。さらに、固相線温度と液相線温度との間の温度範囲は、装置の様々な部分の温度を制御する際に若干の公差を許容する。逆に、共晶合金または純粋な金属は、完全な固体状態と非常に低い粘度の液体状態との間で非常に急峻な遷移を示すことがあり、これにより、加熱時および加熱後において正確な温度を維持することおよび導電性材料の流れを制御することが困難になる。生成された導電性パターンが本質的に連続的であると言うことは、電気抵抗が非常に高くならないように、各パターンを通して導電性物質の所望の断面を提供する程度まで連続的である必要があることを意味する。要求される連続性(および場所の正確さ)を規定する別の要因は、印刷された導電性パターンに取り付けられる構成要素の接触パッドのサイズ、およびそのような取り付けが行われる精度である。接触パッドの典型的なサイズが1平方ミリメートルの大きさのオーダーであれば、対応する印刷された導電性パターンの個々の孔は、それよりも小さい場合、例えば数百マイクロメートルまたはそれ以下のオーダーであれば、かなり許容可能であり得る。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態では、いわゆるコールドニップ温度を、使用される導電性材料の固有の融点と等しいかまたはほぼ同じに保つことが有利でさえあり得る。たとえそれが実際の材料の凝固がコールドニップの直後にのみ起こり、コールドニップ自体では起こらないことを意味しても、コールドニップのローラで加えられる圧力は、例えば接着性および表面平滑性について依然として非常に有利な効果を有する。
【0049】
図2に概略的に示されている基板ハンドラ機構は、基板コレクタ207を含み、その基板は、その表面に完成した導電性パターンが集められている。基板コレクタ207は、例えば、連続ウェブ状の基板をロール状に巻回したものやシート状の基材がそれぞれ積層されている巻取りステーション又はスタッカを含むことができる。基板コレクタ207は、例えば冷却、静電気除去、コーティング、基板内または基板上に存在する物質の揮発性成分の蒸発などによって、導電性パターンを形成した後に基板を後処理するように構成された後処理手段を含むこともできる。
【0050】
代替的にまたは追加的に、IC、他の能動部品、または受動部品などの多数の電子部品が、要素207内の基板に提供されてもよい。
【0051】
図3は、本発明の一実施形態を示しており、接着領域203は、接着剤アプリケータ301によって接着剤を基板202上に広げることによって生成される。平面状、シート状またはウェブ状の基材の表面に接着剤を塗布するために、非常に長い時間にわたって非常に多様な方法が知られており、本発明の目的のために、どのような方法が使用されるかは重要ではない。
図2の概略図では、接着剤の塗布が基板フィーダ201に含まれる。
【0052】
したがって、接着剤の塗布されたパッチは接着領域を構成する。導電性固体粒子をこれらの領域上に移すために、基板は、本発明のこの実施形態ではわずかに粘着性の表面を有し、導電性固体粒子の流動化粉末床303を通して回転するように構成された移転ロール302を通過する。これらは一時的に移転ロール302の表面に付着し、同時に特定の極性の電荷を得る。帯電した導電性粒子が生成された電界に遭遇したときに対向電極304に向かって移動するように、反対の極性の対向電極304が基板の後ろに配置される。接着剤に衝突する導電性粒子のそれらはそこに留まり、他の粒子は流動粉末床303に戻る。
【0053】
電場の使用は、本発明のこの実施形態における追加的な特徴に過ぎない。寸法が正しい場合、一方では移転ロールの粘着性表面と他方では粘着領域との接着性にのみによって導電性固体粒子を移転ロール302から接着領域に跳ね上げることが可能である。移転ロールのわずかな粘着性の表面に一時的に付着した粒子は、それらが接触すると接着領域に強く粘着し、その結果、移転ロールの表面から剥ぎ取られ、一方基板202のむき出しの表面にのみ接触する粒子は移転ロールに付着したままである。「粘着性」である移転ロールの表面は、それと導電性固体粒子との間の接着が形成される方法を制限しない。特に、移転ロール表面と導電性固体粒子との間の接着は、接着性化学化合物が粘着性テープに生じる種類の分散性接着に限定されない。導電性固体粒子が磁気特性を有する場合、磁気を用いて付着力を生成することができる。材料とその特性が許せば、静電接着も考慮に入れることができる。
【0054】
本発明の構成は、本明細書で特徴づけられる機能的実体を全体的に形成する、実質的に一体の集合体または集合体の特徴および要素であってもよい。それは、例えば、複数の要素のための共通のハウジングを備えてもよく、および/または直接的でなければ、少なくとも間接的に、物理的に一緒に接続されている、全てのまたは少なくともほとんどの部分を有していてもよい。いずれにしても、本発明に関連して理解されるように、装置または「配置」は、複数の物理的に分離しているものの、依然として機能的に接続する要素を複数含んでいてもよく、各々は、適切に配置された構成要素を有するターゲット基板を提供する際にそれ自身の目的を果たす。
【0055】
図4は、本発明の一実施形態による、基板上に設けられた導電パターンの一例を示す図である。連続的な基板402は、矢印401の方向に伝搬し、複数の連続した導電性の、任意には実質的に同一のパターンを収容することができ、各パターンは別個の製品部分での使用を目的とし、その際、基板402は、独立したパターン間のカットオフポイント、線又は少なくとも構造−自由領域405を含むことができ、それによって基板402は、チップ等の電子部品の実装の前または後に、便利にカットされるか、または複数の部分に加工されてもよい。連続基材フィルム及び例えば関連するロールツーロールプロセスの代わりに、例えば、最初からすぐに製品部分をより独立して製造するために、プロセスの初期段階で別個の基板部分を形成することができる。
【0056】
このようにして、分離されたまたは分離される各基板部分には、基板402上に多数のより大きい連続的な導電性要素404A、404Bを形成するために、熱および圧力によって有利に接続された導電性粒子を用いて導電性パターン403が設けられる((および、例えば、本明細書で考察したような接着剤)。これらの要素404A、404Bはともに、パターン403の形状で基板402上に導電層を形成する。
【0057】
要素404Aによって画定される導通構造は、例えば、アンテナの少なくとも一部、または2つ以上のアンテナ構造を機能的に形成することができる。要素404Bは、電子部品などのエレクトロニクスのための接触領域または「接触パッド」を指してもよい。パターン403にはそのようなものが複数存在してもよい。実際、一実施形態では、示された解決策は、RFID(radio frequency identification)タグのような無線タグを形成するために使用され、パターン403は、基板へのRFIDチップ、その上にアンテナ404A、のように電子構成要素を電気的および物理的に接続するためのアンテナ構造404Aおよび多数の接触領域404Bを含む少なくとも2つの要素を画定する。例えば、要素404Aは、アンテナとして作用することができ、電子機器のための接触領域を画定することもできる。
【0058】
パターン403は、図に示すように対称的であってもよく、例えば、要素404A、404Bは、図示された例では基板402の長手方向中心軸であるその伝搬方向401に平行な対称軸409の軸に対して鏡対称の部分または対応部分を有してもよい。追加的または代替的に、要素404Aおよび要素404Bの少なくとも隣接する部分414は、
図4の実施形態、または前述の軸409(図示せず)の場合のように、横(水平)軸のような共通の基準点、軸または平面に対して相互に対称であってもよい。
【0059】
要素404A、404Bが互いに最も接近してお互いにほぼ接触する領域408は、
図4の下半分に拡大されている。要素404A、404Bの寸法は、当然のことながら、実施形態間でかなり変わるかもしれないが、1つの可能性のある、しかし単に例示的な、スケールが右側に描かれているので、説明した取得可能な距離および寸法は、1ミリメートル未満の大きさのオーダーで、例えばそれらの十分の1または数十分の1、またはそれ以下で、かなり小さくともよいことは当業者にとって非常に明らかである。
【0060】
領域408には、図に点線の矩形410で示されているチップ(IC、集積回路)などの電子部品が後で設けられてもよい。構成要素410は、構成要素410の整合(マッチング)接触点を介して要素404A、404Bへの電気的接触を確立することができる。図から分かるように、達成された要素404A、404Bの形状は、熱(質量)最適化の欠如のために
図1の解決策に存在する短絡を防止するために、依然として非常に対称で実質的に真っ直ぐな形態を呈している。ここで達成された目的の1つであったように、同じ要素404A、404Bの隣接部分だけでなく、隣接要素404A、404Bの部分も互いに偶然に接触することなく、代わりに分離したままである。
【0061】
要素404A、404Bまたは少なくともそれらの部分は、それらの相互の距離が所定の閾値以下である場合に、本発明の様々な実施形態および関連する熱質量最適化の観点から、互いに隣接していると言える。閾値は、使用される材料(例えば、それらの流動特性、温度応答または熱膨張特性、粒径など)、形状、容積、および使用される製造技術(達成可能な分解能など)に基づいて、ケースに特有して決定され得るが、例示の場合のようないくつかの実施形態では、約1ミリメートルまたは十分の数ミリメートル(例えば、10分の約2,3,4,5,6または7)の距離がそのような閾値とみなされ得る。あるいは、絶対的な定義の代わりに、距離閾値を相対的に定義することができる。例えば、分析された2つの要素の距離が、最小相互距離の方向にある任意の要素の長さまたは幅のような選択された寸法のいくつかの所定の割合(例えば、半分、3分の1、4分の1、5分の1または10分の1)以下である場合、隣接性を考慮することができる。
【0062】
上述したように、要素404B、404Aのような近接要素の熱質量は、互いに隣接する部分について少なくとも関連してそれらの間で均等なように、熱が最適に分配されるように最適化することができる。
【0063】
一方の要素404Aが他方の要素404Bよりもかなり大きい表面積を有する、その隣接する要素404A、404Bの熱質量は、その隣接部分に関して実質的に等しいように設計することができる。質量は正確に同じである必要はないが、短絡などを防ぐのに十分なほど類似している必要がある。これらの場合、より小さい要素404Bの観点から見ると、それに隣接しておりそしてそれ故熱的に最適化されると考えられるより大きい要素404Aの部分の表面領域のサイズは、そのより小さい要素404Bの表面領域と実質的に整合させるようにしてもよい。これは、要素404A、404B内の使用される材料が実質的に同じである場合に特に有用な手法(アプローチ)である。図示の例では、要素404Aの部分414は、例えば、より小さい要素404Bと熱的に整合する隣接部分とみなすことができる。さらに、単なる表面領域に加えて、関連する材料層の厚さもまた、その整合(マッチング)において、または一般に、熱最適化において考慮されることが好ましい。したがって、実際の体積は、材料の厚さが変化する場合に最適化することができる。隣り合う導電性要素404A、404Bにおいて概して同じ材料および層の厚さを利用するために、設計および製造プロセスをしばしば単純化することができる。
【0064】
形状および寸法の類似性はしばしばそれに応じて効用があると考えられ、関連する要素の熱質量は、局所的にも空間的により正確に等化することができる。空間的に不均一な任意の構造の加熱は、その一部が材料の流れ、汚れ、滴りなどの望ましくない影響を引き起こす可能性がある。さらに、図示したケースに示すように、要素404A、404Bの隣接部分は、同様の寸法、形状、面積および/または材料の厚さを使用することに加えて、対称軸を考慮して対称的に配置されてもよい。
【0065】
拡大した408において特に見えるように、
図4は、提供された導電性要素404A、404Bの1つのより好ましい設計ルールおよび特性を示す。潜在的なチップ410の下にある中心部分において明らかにそうであるように、要素404A、404Bが、隣接する領域に角度のあるエッジを含む場合であっても、関連する角度412は、加熱(または冷却)中に要素404A、404Bのエッジ領域が要素404A、404Bの接続された残りの領域で体積が大きい部分の通常の温度に実質的に従うように適度なままであり、すなわち、全体の面積または平均面積を考慮すれば加熱プロセスが調整されているときに、エッジ領域はあまり急速に過熱または冷却されることはない。
【0066】
要素404A、404Bにおいて、特に鋭角(例えば、50度、45度、30度又はそれ以下)を有する三角形のエッジ領域の形状のような、急に拡張(拡大)/収束する形状に関連する鋭利なエッジ、鋭角なエッジの利用は除くべきであり、そのかわりに、例えば、約50、60、65、または70度を超える傾斜角、または、より大きな角度のような、より緩やかな角度(鈍い)の形状が使用されるべきである。それでもなお、極端な図ではない図に示すように要素の形状404A、404Bには原理的に鋭角が適用されうる。
【0067】
角度エッジおよび関連する鋭角に関する上記考察は、例えば導電性パターン/層を形成するための導電性粒子をその上に収容する基板と加熱および/またはプレス装置(例えば、
図2のセクション205および206)が相対的に移動するシナリオでは、特に重要であり得る。移動方向に急激に膨張/収束する形状がある場合、装置205,206は、基板の小部分およびその要素に一度に熱および/または圧力を加えることがあり、すなわち不均一な局部的な熱負荷は、広がり、汚れ、割れ等の問題を引き起こす可能性がある。したがって、上述したように、より穏やかで鈍い角度および形状を一般に利用することに加えて、異なる処理段階205,206の観点で形状のアライメントもまた最適化してもよい。例えば、より急激なまたは急速な拡張/収束の領域/体積は、基板の一般的な伝搬方向に対して、より横方向に位置する(すなわち、急速な拡張/収束の方向がより横方向に位置する)ことができる。
【0068】
最後に、より急激な変更を伴うよりシャープな選択よりも、丸められた、またはより鈍い形状が一般に好ましい。
【0069】
図5は、本発明による方法の一実施形態を開示する流れ図である。
【0070】
スタートアップ502では、プロセス装置の取得および構成およびパラメータなどの必要な準備動作が実行され得る。部品、基板、導電性粒子(例えば、粉末、接着剤、粒子を含有する流動性またはゼラチン状担体(キャリア)などの担体(キャリア))を得ることができる。方法を実行するための1つまたは複数のデバイスの配置を制御するプロセスパラメータは、利用される基板、粒子、構成部品および他の要素がそれらを許容するように選択されなければならない。
【0071】
504において、熱および圧力を用いて一緒に接続された導電性粒子から確立されるように導電性パターンを含む回路図またはレイアウトが基板用に設計される。この設計は、アンテナ構造の前記部分(チップの一部)およびチップまたは他の電子部品のための接触領域のような、2つ以上の隣接するが直接接続されていないパターンの要素間の最適な熱分配を提供しなければならない。要素の熱質量はそれに対応して設計されなければならない。好ましくは、それらの質量は実質的に等しくなるように構成される。
【0072】
506において、その上に所望のパターンに従って接着剤を塗布することができる基板を準備する。
【0073】
508において、導電性粒子は、上述したように基板上に供給される。接着剤および/または静電転写を利用することができる。
【0074】
510において、導電性粒子は、粒子の固有の融点よりも高い温度に加熱され、溶融物を確立する。
【0075】
512において、溶融物はニップ内で基材に押し付けられ、その接触部分の温度は、そのパターンに従って接触領域内および導通構造内の本質的に電気的に連続する層に粒子を凝固させるために、接触部の温度が前記固有の融点よりも低い。
【0076】
514で、方法の実行が終了する。任意の後処理および処理タスクが行われてもよい。確立された接触領域やアンテナ等の他の好ましい構造体を有する電気的接続が形成されるように、ICなどの少なくとも1つの電子部品が基板にマウントされ、または取り付けられてもよい。基板は、さらなる材料によってオーバーモールド成形されてもよいし、さもなければ他の材料で補足されてもよい。材料は、例えば、保護および/または審美的/装飾的な機能を有してもよい。追加の層または構造体をターゲット基板に積層することができる、または基材自体を、ホスト構造体またはホスト装置、任意として製品包装に取り付けれられるようにしてもよい。積層は、温度、圧力、および/または接着材をベースにしてもよい。
【0077】
得られた構造体は、タグ、無線タグ、RFIDタグ、NFC回路、アンテナ、アンテナ回路、インテリジェント(電子)ラベル、センサデバイス、メモリデバイス、通信デバイス、および/または処理デバイスなどの装置の少なくとも一部を確立することができる。
【0078】
例えば、非一時的な担体(キャリア)に具現化され、コンピュータ上で実行されると、本発明に係る所望の方法アイテムを介して製造装置の制御を実行するコード手段を含むコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム製品を提供することができる。そのコンピュータプログラムを含む光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、またはメモリカードなどのキャリア媒体が、他の実行可能なオプションの中で考慮され得る。プログラムは、代わりに、通信ネットワークおよび通信チャネルを介して信号として配信することもできる。通信経路は、無線または有線であってもよいし、両方のタイプを含んでもよい。
【0079】
従って、当業者は、本開示および基本的な知識に基づいて、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を実施するために提供された教示を適用し、必要に応じて修正、削除および追加を行い得る。例えば、いくつかのシナリオでは、望ましい焼結法を使用して、導電性粒子を所望のパターンの1つ以上の連続した導電領域に融合することができる。使用される特定の焼結技術に依存して、導電性粒子の実際の融点に到達する必要はないが、しかし、粒子間の原子拡散は、昇温(実際の融解温度のいくらかの分数を表す)および/または操作中に加えられる圧力のために粒子を融合させるために増加される。
【国際調査報告】