特表2018-525412(P2018-525412A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-525412(P2018-525412A)
(43)【公表日】2018年9月6日
(54)【発明の名称】重水素化トール様受容体調節因子
(51)【国際特許分類】
   C07D 475/06 20060101AFI20180810BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180810BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20180810BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20180810BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20180810BHJP
【FI】
   C07D475/06CSP
   A61P43/00 121
   A61P43/00 111
   A61P31/12
   A61K31/519
   A61K45/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】87
(21)【出願番号】特願2018-510094(P2018-510094)
(86)(22)【出願日】2016年8月24日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月6日
(86)【国際出願番号】US2016048396
(87)【国際公開番号】WO2017035230
(87)【国際公開日】20170302
(31)【優先権主張番号】62/210,281
(32)【優先日】2015年8月26日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】500029420
【氏名又は名称】ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ボンディ, スティーブン エス.
(72)【発明者】
【氏名】マクファデン, ライアン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA05
4C084NA12
4C084ZB331
4C084ZB332
4C084ZC411
4C084ZC412
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB09
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA05
4C086NA05
4C086NA12
4C086ZB33
4C086ZC41
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、式(X)または(Y)の構造を有するトール様受容体調節因子化合物の重水素化類似体、それらの類似体を作製するためのプロセス、およびそれらの治療的使用方法を提供する。本発明は、例えば、式XまたはY[式中、R〜R29は、各々独立して、水素および重水素から選択され、式中R〜R29のうちの少なくとも1つは重水素である]の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物を提供する。一局面では、化合物は、式(X)の化合物である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式、
【化20】
[式中、R〜R29は、各々独立して、水素および重水素から選択され、式中R〜R29のうちの少なくとも1つは重水素である]の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項2】
式(X)の化合物である、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項3】
式(Y)の化合物である、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項4】
〜R29のうちの少なくとも2つが重水素である、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項5】
〜R29のうちの少なくとも3つが重水素である、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項6】
〜R29のうちの少なくとも4つが重水素である、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項7】
〜R29のうちの少なくとも5つが重水素である、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項8】
〜R29のうちの少なくとも6つが重水素である、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項9】
〜R29のうちの少なくとも7つが重水素である、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項10】
〜R29のうちの少なくとも8つが重水素である、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項11】
〜R29のうちの少なくとも9つが重水素である、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項12】
〜R29のうちの少なくとも1つが、独立して、約10%以上の重水素濃縮度を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
〜R29のうちの少なくとも1つが、独立して、約50%以上の重水素濃縮度を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
〜R29のうちの少なくとも1つが、独立して、約90%以上の重水素濃縮度を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
〜R29のうちの少なくとも1つが、独立して、約98%以上の重水素濃縮度を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
〜R29のうちの少なくとも1つが、独立して、約99%以上の重水素濃縮度を有する、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
から選択される、請求項1または3から16のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項18】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
から選択される、請求項1、2または4から16のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項19】
Dとして表される各位置が、約10%以上の重水素濃縮度を有する、請求項17または18に記載の化合物。
【請求項20】
Dとして表される各位置が、約50%以上の重水素濃縮度を有する、請求項17から19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
Dとして表される各位置が、約90%以上の重水素濃縮度を有する、請求項17から20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
Dとして表される各位置が、約98%以上の重水素濃縮度を有する、請求項17から21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
Dとして表される各位置が、約99%以上の重水素濃縮度を有する、請求項17から22のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
先行する請求項のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項25】
1つまたは複数の追加的な治療剤をさらに含む、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
TLR−7の調整に応答性の疾患または状態を処置または予防する方法であって、治療有効量の、請求項1から23のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物を、ヒトに投与することを含む、方法。
【請求項27】
前記疾患が、ウイルス感染症である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
医学療法において使用するための医薬を製造するための、請求項1から23のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2015年8月26日に出願された米国仮出願第62/210281号への優先権を主張し、その内容全体が、すべての目的のために本明細書に組み込まれる。
分野
本開示は、概して、トール様受容体調節因子化合物の重水素化類似体、それらの類似体を作製するためのプロセス、およびそれらの治療的使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自然免疫系は、侵入病原体に対する第一線での防御を身体に提供する。自然免疫応答においては、侵入病原体は、生殖系列コード化受容体(germline-encoded receptor)によって認識され、その活性化が、サイトカイン発現の誘導をもたらすシグナル伝達カスケードを開始させる。自然免疫系受容体は、広範な特異性を有し、様々な病原体にわたって高度に保存されている分子構造を認識する。これらの受容体の1つのファミリーは、トール様受容体(TLR)として公知であるが、これは、ショウジョウバエにおいて最初に同定され、命名された受容体との相同性によるものである。トール様受容体は、マクロファージ、樹状細胞、および上皮細胞などの細胞に存在する。
【0003】
哺乳動物には、少なくとも10種の異なるTLRが存在する。これらの受容体のいくつかに関して、リガンドおよび対応するシグナル伝達カスケードが同定されている。例えば、TLR2は、細菌(例えば、E.coli)のリポタンパク質によって活性化され、TLR3は、二本鎖RNAによって活性化され、TLR4は、グラム陰性菌(例えば、SalmonellaおよびE.coli O157:H7)のリポ多糖(すなわち、LPSまたはエンドトキシン)によって活性化され、TLR5は、運動性細菌(例えば、Listeria)のフラジェリンによって活性化され、TLR7は、イミキモドを認識し、それに対して応答し、TLR9は、病原体DNAの非メチル化CpG配列によって活性化される。これらの受容体の各々の刺激は、転写因子NF−κBおよびこれらのシグナル伝達分子には、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターロイキン−1(IL−1)、およびある特定のケモカインをコードしているものが含まれる。サイトカイン遺伝子の発現の調節に関与する他のシグナル伝達分子の活性化をもたらす。これらの遺伝子としては、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターロイキン−1(IL−1)、およびある特定のケモカインをコードしている遺伝子が含まれる。TLR−7のアゴニストは免疫賦活物質であり、in vivoで、内因性インターフェロン−αの産生を誘導する。
【0004】
いくつかのTLRに関連している疾患、障害、および状態が存在するため、TLRアゴニストを使用する治療は有望であると考えられている。これらの疾患、障害、および状態には、限定されないが、メラノーマ、非小細胞肺癌、肝細胞癌、基底細胞癌、腎細胞癌、ミエローマ、アレルギー性鼻炎、喘息、COPD、潰瘍性大腸炎、肝線維症、およびウイルス感染症、例えばHBV、Flaviviridaeのウイルス、HCV、HPV、RSV、SARS、HIV、またはインフルエンザが含まれる。
【0005】
例えば、米国特許第8,367,670号に記載されているように、化合物、4−アミノ−2−ブトキシ−8−(4−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)−7,8−ジヒドロプテリジン−6(5H)−オン(化合物(I))および化合物、4−アミノ−2−ブトキシ−8−(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)−7,8−ジヒドロプテリジン−6(5H)−オン(化合物(II))は、各々、TLR−7の調節因子であることが公知である。これらの化合物は、以下の構造を有する。
【化1】
これらの化合物は、HCV、HBV、およびHIVを含めた様々なウイルス感染症の処置に関して研究されてきた。しかしながら、化合物の重水素化類似体については現在公知ではない。
【0006】
薬物動態(PK)、薬動力学(PD)、および毒性プロファイルを改善するための医薬品の重水素化については、一部のクラスの薬物に関して、以前から実証されてきた。重水素の取込みレベルの増加によって、そこに記載されている化合物の薬物動態プロファイル、薬理学的プロファイル、および/または毒物学的プロファイルに影響が及ぼされる場合がある。本開示の、重水素で標識または置換された治療化合物は、分布、代謝および排泄(ADME)に関する、改善されたDMPK(薬物代謝および薬物動態)特性を有し得る。重水素などのより重い同位体での置換によって、より大きい代謝安定性に起因する、ある特定の治療上の利点、例えば、in vivo半減期の増加または投薬必要量の低減がもたらされ得る。例えば、重水素化4−アミノ−2−ブトキシ−8−(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)−7,8−ジヒドロプテリジン−6(5H)−オンおよび重水素化4−アミノ−2−ブトキシ−8−(4−(ピロリジン−1−イル)ベンジル)−7,8−ジヒドロプテリジン−6(5H)−オンは、自然に存在するレベルの重水素を有する4−アミノ−2−ブトキシ−8−(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)−7,8−ジヒドロプテリジン−6(5H)−オンおよび4−アミノ−2−ブトキシ−8−(4−(ピロリジン−1−イル)ベンジル)−7,8−ジヒドロプテリジン−6(5H)−オンと比較した場合、改変された薬物動態プロファイル、薬理学的プロファイル、および/または毒物学的プロファイルを有し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第8,367,670号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書では、式、
【化2】
[式中、R〜R29は、各々独立して、水素および重水素から選択され、式中R〜R29のうちの少なくとも1つは重水素である]の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物が提供される。
【0009】
また、本開示の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物も提供される。
【0010】
また、TLR−7の調整に応答性の疾患または状態を処置または予防する方法であって、治療有効量の、本開示の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物を、ヒトに投与することを含む、方法も提供される。
【0011】
また、TLR−7の調整に応答性の疾患または状態を処置または予防する方法であって、治療有効量の、本開示の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物と、少なくとも1種の追加的な治療剤とを、ヒトに投与することを含む、方法も提供される。
【0012】
また、本化合物もしくは薬学的に許容されるその塩、または上記の医薬組成物を含むキットも提供される。また、単位用量の、上記の本化合物または薬学的に許容されるその塩を含む製造物品も提供される。また、本開示の化合物を調製する方法も提供される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書において使用される場合、以下の語および語句は概して、それらが使用されている文脈が別途指示している場合を除き、下に示すような意味を有することが意図される。
【0014】
本出願は、本明細書に記載される化合物の、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、異性体、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、ラセミ体、アトロプ異性体、多形体、プロドラッグまたはそれらの混合物を提供する。
【0015】
「薬学的に許容される」または「生理学的に許容される」とは、獣医学的またはヒト医薬用途にとって好適である医薬組成物の調製において有用である、化合物、塩、組成物、剤形および他の物質を指す。「薬学的に許容される塩」または「生理学的に許容される塩」とは、基礎化合物の生物学的有効性および特性を保持し、かつ生物学的にまたはその他の点で有害ではない医薬化合物の塩を指す。酸付加塩および塩基付加塩が存在する。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸から調製することができる。薬学的に許容される塩(それぞれ、酸付加塩または塩基付加塩)を形成するための、基礎化合物との反応にとって有用な酸および塩基は、当業者に公知である。同様に、基礎化合物から薬学的に許容される塩を調製する方法(開示により)も当業者には公知であり、例えば、Bergeら、Journal of Pharmaceutical Science、1977年1月、66巻、第1号および他の出典において開示されている。本明細書に記載される化合物が酸付加塩として得られる場合、この酸塩の溶液を塩基性化することによって、遊離塩基を得ることができる。逆に、生成物が遊離塩基である場合、塩基化合物から酸付加塩を調製するための慣習的手順に従って、この遊離塩基を好適な有機溶媒に溶解させ、溶液を酸で処理することによって、付加塩、特に薬学的に許容される付加塩を生成することができる。
【0016】
「異性体」とは、同じ分子式を有する化合物を指す。本明細書において使用される場合、異性体という用語には、二重結合異性体、ラセミ体、立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、およびアトロプ異性体が含まれる。単一の異性体、例えばエナンチオマーまたはジアステレオマーは、不斉合成によって、あるいは異性体の混合物の分割によって得ることができる。異性体の混合物(例えば、ラセミ体)の分割は、例えば、分割剤の存在下での結晶化、または例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)カラムを使用するクロマトグラフィーなどの慣例的方法によって達成することができる。「二重結合異性体」は、炭素−炭素二重結合を有する化合物のZ体およびE体(またはシス体およびトランス体)を指す。
【0017】
「ラセミ体」は、エナンチオマーの混合物を指す。
【0018】
「立体異性体」または「立体異性形態」は、1つまたは複数の立体中心のキラリティーにおいて異なる化合物を指す。立体異性体には、エナンチオマーおよびジアステレオマーが含まれる。化合物は、それらが1つまたは複数の不斉中心または不斉置換を伴う二重結合を有し、したがって、個々の立体異性体として、または混合物として生成され得る場合、立体異性形態で存在し得る。別途指示の無い限り、この記載は、個々の立体異性体ならびに混合物を含むことを意図する。立体化学の決定および立体異性体の分離のための方法は、当該技術分野において周知である(例えば、Advanced Organic Chemistryの第4章、第4版、J. March、John Wiley and Sons、New York、1992年を参照されたい)。
【0019】
「互変異性体」または「互変異型(tautomeric former)」は、プロトンの位置において異なる化合物の代替の形態、例えばエノール−ケト互変異性体およびイミン−エナミン互変異性体、またはヘテロアリール、例えばピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾールおよびテトラゾールを指す。
【0020】
「溶媒和物」は、溶媒と化合物との相互作用によって形成される。また、本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物の塩の溶媒和物も提供される。また、これらの式のうちのいずれかの化合物の水和物も提供される。「水和物」は、本明細書に開示される化合物と水とを組み合わせることによって形成される複合体を指す。この用語には、化学量論的水和物ならびに非化学量論的水和物が含まれる。
【0021】
「プロドラッグ」は、医薬品の分野では、薬物の生物学的に不活性な誘導体であって、ヒトの身体に投与されると、一部の化学的または酵素的経路によって生物学的に活性な親薬物へと変換されるものとして定義される。
【0022】
一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物または薬学的に許容されるその塩は、(S)−エナンチオマーである。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物または薬学的に許容されるその塩は、(R)−エナンチオマーである。
【0023】
また、本出願は、本化合物または薬学的に許容されるその塩のエナンチオマーの混合物を含有する組成物も提供する。一実施形態では、混合物はラセミ混合物である。他の実施形態では、組成物は、化合物の(S)−エナンチオマーを、当該化合物の対応する(R)−エナンチオマーよりも過剰に含む。一部の実施形態では、組成物は、化合物の(S)−エナンチオマーを含有し、その対応する(R)−エナンチオマーを実質的に含まない。ある特定の実施形態では、(R)−エナンチオマーを実質的に含まない組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.05%未満もしくは0.01%未満、または約40%、約35%、約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、約1%、約0.05%もしくは約0.01%の(R)−エナンチオマーを有する。他の実施形態では、化合物の(S)−エナンチオマーまたは薬学的に許容されるその塩を含有する組成物は、その対応する(R)−エナンチオマーよりも、少なくとも9:1もしくは約9:1、少なくとも19:1もしくは約19:1、少なくとも40:1もしくは約40:1、少なくとも80:1もしくは約80:1、少なくとも160:1もしくは約160:1、または少なくとも320:1もしくは約320:1のモル比で優勢である。
【0024】
また、本明細書に記載される式のうちのいずれかによる化合物または薬学的に許容されるその塩を含有する組成物は、鏡像異性体過剰率(e.e.)の化合物を含有してもよい。例として、95%の(S)−異性体および5%の(R)−異性体を有する化合物は、90%のe.e.を有する。一部の実施形態では、化合物は、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%または約60%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約98%もしくは約99%のe.e.を有する。
【0025】
本出願はさらに、本明細書に記載される化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体、プロドラッグもしくは溶媒和物を含む組成物を提供する。組成物は、ラセミ混合物、鏡像異性体過剰率で1つのエナンチオマーを含有する混合物、または単一のジアステレオマーまたはジアステレオマー混合物を含んでもよい。これらの化合物のこのような異性体型はすべて、あたかもありとあらゆる異性体型が具体的かつ個別に列挙されているのと同様に、本発明に明白に包含される。
【0026】
また、ある特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物の結晶形態および非晶質形態などの多形体も提供される。また、一部の実施形態では、本明細書に記載される式の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物のキレート、非共有結合性の複合体、およびこれらの混合物も提供される。「キレート」は、2つ(またはそれよりも多く)の点において、化合物が金属イオンに配位されることによって形成される。「非共有結合性の複合体」は、ある化合物と別の分子の相互作用によって形成されるが、当該化合物と当該分子との間には、共有結合は形成されていない。例えば、複合体形成は、ファンデルワールス相互作用、水素結合、および静電相互作用(イオン結合とも呼ばれる)を通じて生じ得る。
【0027】
「重水素濃縮度」という用語は、分子内の所与の位置における、水素の代わりとして重水素が取り込まれている割合を指す。例えば、所与の位置における1%の重水素濃縮度とは、所与の試料中の分子のうちの1%が、特定された位置で重水素を含有していることを意味する。自然に存在する重水素分布は約0.0156%であるため、非濃縮出発物質を使用して合成した化合物中の任意の位置での重水素濃縮度は、約0.0156%である。重水素濃縮度は、質量分析法および核磁気共鳴分光法を含む、当業者に公知の慣例的解析方法を使用して決定することができる。
【0028】
〜R29などの分子中の所与の位置を記載するために使用するときの「重水素である」という用語、または分子構造の図面において所与の位置を表すために使用するときの「D」という記号は、特定された位置が、自然に存在する重水素分布を上回る重水素で濃縮されていることを意味する。一実施形態では、重水素濃縮度は、特定された位置における重水素の約1%以上、別の実施形態では約5%以上、別の実施形態では約10%以上、別の実施形態では約20%以上、別の実施形態では約50%以上、別の実施形態では約70%以上、別の実施形態では約80%以上、別の実施形態では約90%以上、別の実施形態では約98%以上、または別の実施形態では約99%以上である。
【0029】
「治療有効量」とは、下に定義されるように、そのような処置を必要とする哺乳動物に投与したときに、そのような処置をもたらすのに十分な量を指す。治療有効量は、処置される被験体、被験体の体重および年齢、疾患状態の重症度、投与の様式などに応じて異なるが、これは当業者であれば容易に決定することができる。
【0030】
ある特定の実施形態では、本開示は、式:
【化3】
[式中、R〜R29は、各々独立して、水素および重水素から選択され、式中R〜R29のうちの少なくとも1つは重水素である]の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物に関する。
【0031】
ある特定の実施形態では、本化合物は、式(X)の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物である。
【0032】
ある特定の実施形態では、本化合物は、式(Y)の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物である。
【0033】
式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも2つは重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも2つは重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも3つは重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも4つは重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも5つは重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも6つは重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも7つは重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも8つは重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも9つは重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも10個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも11個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも12個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも13個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも14個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも15個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも16個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも17個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも18個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも19個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも20個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも21個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも22個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも23個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも24個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも25個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも26個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも27個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも28個は重水素である。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29の各々は重水素である。当業者には、本明細書に記載される様々な化合物には、あたかも各々について本明細書において個別に列挙したかのように、式(X)または式(Y)における重水素原子の数と、重水素原子の特定の数についての可能性のある場所の各々との両方を含むすべての順列および組合せが含まれることが理解される。
【0034】
本明細書に記載される場合、R〜R29が重水素である各例は、ある特定の量の重水素濃縮度を有する。例えば、式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも1つは、独立して、約10%以上の重水素濃縮度を有する。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも1つは、独立して、約50%以上の重水素濃縮度を有する。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも1つは、独立して、約90%以上の重水素濃縮度を有する。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも1つは、独立して、約98%以上の重水素濃縮度を有する。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも1つは、独立して、約99%以上の重水素濃縮度を有する。式(X)または式(Y)の化合物の、ある特定の実施形態では、R〜R29のうちの少なくとも1つは、独立して、約99.9%以上の重水素濃縮度を有する。
【0035】
ある特定の実施形態では、本化合物は、
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物から選択される。
ある特定の実施形態では、本化合物は、
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物から選択される。
【0036】
本開示の化合物の、ある特定の実施形態では、Dとして表される各位置(例えば、R〜R29のいずれかが重水素である場所)は、約10%以上の重水素濃縮度を有する。本開示の化合物の、ある特定の実施形態では、Dとして表される各位置は、約50%以上の重水素濃縮度を有する。本開示の化合物の、ある特定の実施形態では、Dとして表される各位置は、約90%以上の重水素濃縮度を有する。本開示の化合物の、ある特定の実施形態では、Dとして表される各位置は、約98%以上の重水素濃縮度を有する。本開示の化合物の、ある特定の実施形態では、Dとして表される各位置は、約99%以上の重水素濃縮度を有する。本開示の化合物の、ある特定の実施形態では、Dとして表される各位置は、約99.9%以上の重水素濃縮度を有する。
【0037】
本出願の化合物は、例えば、下でより完全に記載されているスキーム1〜7において説明されている方法を含めた、当業者に公知の方法に従って調製することができる。
【化12】
【0038】
重水素化類似体の合成:本出願の化合物の調製は、スキーム1に従う一実施形態において実行することができる。適切な重水素化アルカノール(1)(ここで、R〜Rは、本明細書に記載されている通りである)を、酸促進剤(例えば、塩化水素)の存在下、シアナミドで処理して、式(2)の化合物を得ることができる。当業者であれば、塩化水素は、重水素化アルカノール(1)を、塩化アセチル、または塩化チオニルおよび塩化オキサリルを含むがこれらに限定されない他の種と予め混合することによって導入できることが理解される。
【0039】
式(2)の化合物を、好適な塩基(例えば、アルコキシド塩基)の存在下で、マロン酸ジアルキル(例えば、マロン酸ジメチル)と縮合させることで、式(3)の化合物を提供することができる。
【0040】
式(3)の化合物を、当業者に公知の条件下で、例えば、酢酸中の発煙硝酸による処理を通じてニトロ化して、式(4)の化合物を提供することができる。この化合物を今度は、塩基(例えば、N,N−ジメチルアニリン)の存在下で、好適な塩素化剤(例えば、POCl)を使用して塩素化することで、式(5A)の化合物を提供することができる。
【化13】
【0041】
芳香環ならびに/またはベンジル位R20およびR21において多様な重水素化度を有する式(7A)の臭化ベンジルを合成するための方法は、複数存在する。そのような化合物は、PBrを含むがこれに限定されない好適な試薬を用いたハロゲン化を介して、式(6)の化合物から調製することができる。式(7A)の化合物を、DIBAL−Hなどの好適な還元剤を用いて還元することで、式(8A)の化合物を得ることができる。式(8A)の化合物を、KCOなどの好適な塩基の存在下で、置換基R22〜R29(本明細書において定義される通り)を有するピロリジンを用いて処理することで、式(9A)の化合物を単離することができる。式(9A)の化合物を、任意選択で、重水素化ホウ素ナトリウムなどの好適な還元剤を用いて還元することで、式(9B)のアルコールを得ることができる。これらのアルコール(9B)は、任意選択で、MnOを含むがこれに限定されない好適な酸化剤を用いて、式(9C)の化合物へと酸化することができる。化合物(9A)または(9C)は、グリシンエチルエステル誘導体である式(9X)の化合物を用いて、様々な条件下で還元的にアミノ化することができる。選択される還元性物質は、NaBH(OAc)またはNaBD(OAc)を含むがこれらに限定されない試薬から選択することができる。これらはいずれも、対応するNaBHまたはNaBDから調製することができる。還元的アミノ化の生成物は、タイプ(10A)の化合物であり得る。
【化14】
【0042】
また、式(10A)の化合物は、スキーム3に従って調製することもできる。本明細書では、式(7A)の化合物を、任意選択で重水素化された適切なピロリジンを用いてアルキル化することで、ベンゾニトリル(11A)が得られる。化合物(11A)は、好適な還元剤、例えばLiAlH、LiAlD、または他の還元剤を使用することで、第一級アミン(12A)へと還元することができる。化合物(12A)を、好適な塩基の存在下でアルキル化して、化合物式(10A)を提供することができる。
【化15】
【0043】
式(X)の化合物の調製は、スキーム4に従って達成することができる。式(5A)の化合物を、好適な塩基、例えばトリアルキルアミンの存在下で、アンモニアを用いて処理することで、式(13)の化合物を提供することができる。式(13)の化合物を今度は、好適な塩基、例えばトリアルキルアミンの存在下で、式(10A)の化合物を用いて処理することで、化合物(14)を生成することができる。化合物(14)を、亜鉛金属またはラネーNiを含むがこれらに限定されない好適な還元剤を用いて還元して(Hの存在下において)、適切な溶媒系において環化させると、式Xの化合物を調製することができる。
【化16】
【0044】
芳香環ならびに/またはベンジル位R20およびR21において多様な重水素化度を有する式(7B)の臭化ベンジルを合成するための方法は、複数存在する。それらの化合物は、PBrを含むがこれに限定されない好適な試薬を用いたハロゲン化を介して、式(6B)の化合物から調製することができる。式(7B)の化合物を、DIBAL−Hなどの好適な還元剤で還元することで、式(8B)の化合物を得ることができる。式(8B)の化合物を、KCOなどの好適な塩基の存在下で、置換基R22〜R29を有するピロリジンを用いて処理することで、式(9D)の化合物を単離することができる。式(9D)の化合物を、任意選択で、重水素化ホウ素ナトリウムなどの好適な還元剤を用いて還元することで、式(9E)のアルコールを得ることができる。それらのアルコール(9E)は、任意選択で、MnOを含むがこれに限定されない好適な酸化剤を用いて、式(9F)の化合物へと酸化することができる。化合物(9D)または(9F)は、グリシンエチルエステル誘導体である式(9X)の化合物を用いて、様々な条件下で還元的にアミノ化することができる。選択される還元性物質は、NaBH(OAc)またはNaBD(OAc)を含むがこれらに限定されない試薬から選択することができる。これらはいずれも、対応するNaBHまたはNaBDから調製することができる。還元的アミノ化の生成物は、式(10B)の化合物であり得る。
【化17】
【0045】
タイプ(10B)の化合物を調製するための別の方法が、スキーム6に記載されている。そこでは、式(7B)の化合物を、任意選択で重水素化された適切なピロリジンを用いてアルキル化することで、式(11B)のベンゾニトリルが得られる。これらの化合物(11B)は、LiAlHまたはLiAlDなどの適切な還元剤を使用することで、第一級アミン(12B)へと還元することができる。これらの式(12B)の化合物を、塩基の存在下でアルキル化して、式(10B)の化合物を提供することができる。
【化18】
【0046】
式(Y)の化合物の調製は、スキーム7に従って達成することができる。式(5A)の化合物を、トリアルキルアミンなどの好適な塩基の存在下で、アンモニアを用いて処理することで、式(13)の化合物を提供することができる。化合物(13)を今度は、トリアルキルアミンなどの塩基の存在下で、式(10B)の化合物を用いて処理することで、式(15)の化合物を生成することができる。式(15)の化合物を、亜鉛金属またはラネーNiを含むがこれらに限定されない好適な剤を用いて還元して(Hの存在下において)、適切な溶媒系において環化させると、式(Y)の化合物を調製することができる。
【0047】
ある特定の例では、上のプロセスはさらに、本開示の化合物の塩を形成するステップを伴う。実施形態は、本明細書に記載されるこの他のプロセス、および本明細書に記載されるプロセスのうちのいずれかによって調製される生成物を対象とする。
【0048】
別途断りのない限り、本実施形態の方法および技法は、概して、当該技術分野において周知である慣例的方法に従い、本明細書全体を通じて引用および考察される様々な一般的参考文献およびより具体的な参考文献に記載されているように実施される。例えば、Loudon、Organic Chemistry、第5版、New York: Oxford University Press、2009年;Smith、March's Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure、第7版、Wiley-Interscience、2013年を参照されたい。
【0049】
本明細書に提供される実施例は、本明細書に開示される化合物、およびこれらの化合物を調製するために使用される中間体の合成について記載している。本明細書に記載される個別のステップは、組み合わせてもよいことが理解されるべきである。また、ある化合物の別個のバッチを組み合わせた後、次の合成ステップに進んでもよいことも理解されるべきである。
【0050】
以下の実施例の記載では、特定の実施形態について記載している。これらの実施形態は、当業者が本開示のある特定の実施形態を実践することを可能にするために、十分に詳細に記載されている。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、論理的変更および他の変更を行うことができる。したがって、以下の説明は、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0051】
医薬組成物
ある特定の実施形態では、本開示は、本開示の化合物(例えば、式(X)もしくは(Y)の化合物)または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。
【0052】
ある特定の実施形態では、この医薬組成物は、下でより完全に示されているように、1つまたは複数の追加的な治療剤を含む。
【0053】
本明細書に開示される化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物は、通常の実践に従って選択することができる、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤を用いて調製することができる。錠剤は、流動化剤、充填剤、結合剤などを含む賦形剤を含有し得る。水性組成物は、滅菌形態で調製されてもよく、経口投与以外による送達が意図される場合、一般に、等張性であり得る。すべての組成物は、Roweら、Handbook of Pharmaceutical Excipients、第6版、American Pharmacists Association、2009年に示されているものなどの賦形剤を、任意選択で含有し得る。賦形剤としては、アスコルビン酸および他の酸化防止剤、EDTAなどのキレート剤、デキストリンなどの炭水化物、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、およびステアリン酸などが含まれ得る。ある特定の実施形態では、組成物は、固体経口剤形を含む固体剤形として提供される。
【0054】
組成物としては、経口投与を含む様々な投与経路にとって好適なものが含まれる。組成物は、単位剤形で提示されてもよく、薬学の分野において周知である方法のいずれかによって調製することができる。そのような方法には、活性成分(例えば、本開示の化合物またはその薬学的塩)を、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせるステップが含まれる。組成物は、活性成分を、液体の賦形剤もしくは微粉化固体の賦形剤、またはこれら両方と、均一かつ緊密に組み合わせた後、必要な場合、生成物を成型することによって調製されてもよい。技法および製剤化は、一般に、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Lippincott Wiliams and Wilkins、Philadelphia、Pa.、2006年に見出される。
【0055】
経口投与にとって好適である、本明細書に記載される組成物は、所定の量の活性成分を各々含有する、カプセル剤、カシェ剤、または錠剤を含むがこれらに限定されない、別々の単位(単位剤形)として提示されてもよい。一実施形態では、医薬組成物は錠剤である。
【0056】
本明細書に開示される医薬組成物は、1つもしくは複数の本明細書に開示される化合物、または薬学的に許容されるその塩を、薬学的に許容される賦形剤、および任意選択で他の治療剤と一緒に含む。活性成分を含有する医薬組成物は、意図される投与方法にとって好適な任意の形態であってよい。例えば、経口用途のために使用される場合、錠剤、トローチ、ロゼンジ剤、水性もしくは油性の懸濁剤、分散性の粉剤・散剤(powder)もしくは顆粒剤、乳剤、硬もしくは軟カプセル剤、シロップ剤、またはエリキシル剤を調製することができる。経口用途が意図される組成物は、医薬組成物の製造に関して当該技術分野に公知である任意の方法に従って調製することができ、そのような組成物は、口当たりの良い調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、および防腐剤を含む、1つまたは複数の賦形剤を含有してもよい。活性成分を、錠剤の製造にとって好適である無毒性の薬学的に許容される賦形剤と混和させて含有する錠剤は、許容される。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウムもしくは炭酸ナトリウム、ラクトース、ラクトース一水和物、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、リン酸カルシウムもしくはリン酸ナトリウムなど;顆粒化剤および崩壊剤、例えばトウモロコシデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えばセルロース、微結晶性セルロース、デンプン、ゼラチン、またはアカシア;ならびに滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクであり得る。錠剤は、コーティングされていなくてもよく、あるいは消化管内での崩壊および吸収を遅延させ、それによって長期間にわたって持続性の作用を提供するように、マイクロカプセル化を含む公知の技法によってコーティングされてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料が、単独で、あるいはワックスとともに用いられてもよい。
【0057】
剤形を生成するために不活性成分と組み合わせることができる活性成分の量は、意図される処置の被験体および特定の投与様式に応じて異なる場合がある。例えば、一部の実施形態では、ヒトへの経口投与のための剤形は、適切かつ簡便な量の薬学的に許容される賦形剤とともに製剤化された、およそ1〜1000mgの活性物質を含有し得る。ある特定の実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、組成物全体の約5〜約95%(重量:重量)まで様々である。
【0058】
使用方法
本開示は、トール様受容体7の調整に応答性の疾患または状態を処置する方法を提供する。そのような疾患または状態としては、単回投与または複数回投与のいずれかで、当業者に公知であり上で詳述されたような認容された投与様式のいずれかによる、これらに限定されないがウイルス感染症、例えば、これらに限定されないがB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)が含まれる。
【0059】
当業者であれば理解していると予想されるが、HCV、HBV、またはHIVなどのウイルス感染症を処置する場合、そのような処置は、様々な方法で特徴付けられ、様々なエンドポイントによって測定することができる。本発明の範囲は、そのような特徴付けのすべてを包括することを意図する。
【0060】
別の態様では、本発明は、B型肝炎ウイルス感染症またはC型肝炎ウイルス感染症を処置するための方法であって、これらの方法の各々は、B型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスに感染したヒト被験体に、治療有効量の、式(X)もしくは(Y)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。典型的には、このヒト被験体は慢性B型肝炎感染症または慢性C型肝炎感染症を患っているが、HBVまたはHCVに急性感染している人々を処置することは本発明の範囲内である。
【0061】
本発明による処置は、典型的には、HBVまたはHCVに感染しているヒトにおける、それぞれHBVまたはHCVに対する免疫応答の刺激と、感染した人におけるHBVまたはHCVのウイルス負荷量の結果としての低減とをもたらす。
【0062】
式(X)または(Y)の化合物は、経口投与または非経口(例えば、静脈内)投与などの任意の有用な経路および手段によって投与することができる。式(X)または(Y)の化合物の治療有効量は、1日当たり約0.00001mg/体重1kg〜1日当たり約10mg/体重1kg、例えば1日当たり約0.0001mg/体重1kg〜1日当たり約10mg/体重1kg、または例えば1日当たり約0.001mg/体重1kg〜1日当たり約1mg/体重1kg、または例えば1日当たり約0.01mg/体重1kg〜1日当たり約1mg/体重1kg、または例えば1日当たり約0.05mg/体重1kg〜1日当たり約0.5mg/体重1kg、または例えば約0.3μg〜約30mg/日、または例えば約30μg〜約300μg/日である。
【0063】
式(X)または(Y)の化合物の投薬の頻度は、個別の患者の必要性によって決定され、例えば、1日当たり1回、または1日当たり2回もしくは3回以上であり得る。式(X)または(Y)の化合物の投与は、HBVまたはHCV感染症を処置することが必要とされる間、継続される。例えば、式(X)または(Y)の化合物は、HBVまたはHCVに感染しているヒトに、20日〜180日の期間、または例えば20日〜90日の期間、または例えば30日〜60日の期間にわたって投与され得る。
【0064】
投与は断続的であってもよく、数日またはより長い日数の期間の間、患者は、式(X)または(Y)の化合物の日用量を受容し、その後、数日またはより長い日数の期間の間、患者は、式(X)または(Y)の化合物の日用量を受容しない。例えば、患者は、1用量の式(X)または(Y)の化合物を、1日置きまたは1週間当たり3回受容してもよい。再度例として、患者は、1用量の式(X)または(Y)の化合物を、1日〜14日の期間の間、毎日受容してもよく、その後、7日〜21日の期間の間、患者は、1用量の式(X)または(Y)の化合物を受容せず、その後、後続の期間(例えば、1日〜14日)の間、患者は、日用量の式(X)または(Y)の化合物を再度受容する。式(X)または(Y)の化合物の投与と、その後の式(X)または(Y)の化合物の非投与との交互の期間は、患者を処置するために臨床的に必要とされる限り、繰り返すことができる。
【0065】
本明細書により完全に記載されるように、式(X)または(Y)の化合物は、HBVまたはHCVに感染しているヒトに、1つまたは複数の追加的な治療剤(複数可)とともに投与することができる。この追加的な治療剤(複数可)は、感染したヒトに、式(X)または(Y)の化合物と同時に、または式(X)または(Y)の化合物の投与前もしくは投与後に投与することができる。
【0066】
別の態様では、本発明は、HBV感染症またはHCV感染症と関連する症状を寛解させるための方法であって、B型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスに感染したヒト被験体に、HBV感染症またはHCV感染症と関連する症状を寛解させるのに十分である治療有効量の、式(X)もしくは(Y)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、方法を提供する。このような症状としては、血液中におけるHBVウイルス粒子(またはHCVウイルス粒子)の存在、肝臓の炎症、黄疸、筋肉痛、脱力感、および疲労が含まれる。
【0067】
さらなる態様では、本発明は、ヒトにおけるB型肝炎ウイルス感染症またはC型肝炎ウイルス感染症の進行の速度を低減するための方法であって、B型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスに感染したヒト被験体に、B型肝炎ウイルス感染症またはC型肝炎ウイルス感染症の進行の速度を低減するのに十分である治療有効量の、式(X)もしくは(Y)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、方法を提供する。感染症の進行の速度は、血液中のHBVウイルス粒子またはHCVウイルス粒子の量を測定することによって追跡することができる。
【0068】
別の態様では、本発明は、HBV感染またはHCV感染と関連するウイルス負荷量を低減するための方法であって、HBVまたはHCVに感染しているヒトに、ヒトにおけるHBVウイルス負荷量またはHCVウイルス負荷量を低減するのに十分である治療有効量の、式(X)もしくは(Y)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0069】
さらなる態様では、本発明は、ヒトにおけるB型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスに対する免疫応答を誘導または高める(boosting)方法であって、ヒトに、治療有効量の、式(X)もしくは(Y)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与することを含み、このヒトにおいて、B型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスに対する新たな免疫応答が誘導されるか、あるいはB型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスに対する既存の免疫応答がこのヒトにおいて高められる、方法を提供する。このヒトにおいて、HBVまたはHCVに関するセロコンバージョンを誘導することができる。免疫応答の例としては、IgG抗体分子などの抗体の産生、および/またはヒト免疫系の1つもしくは複数の要素の活性を調整するサイトカイン分子の産生が含まれる。
【0070】
ある特定の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHIVウイルス感染症を処置または予防するための方法であって、この個体に、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、方法が提供される。
【0071】
ある特定の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHIVウイルス複製を阻害するか、AIDSを処置するか、またはAIDSの発病を遅延させるための方法であって、この個体に、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、方法が提供される。
【0072】
ある特定の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHIV感染症を予防するための方法であって、この個体に、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、方法が提供される。ある特定の実施形態では、この個体は、HIVウイルスの罹患と関連することが公知である1つまたは複数の危険因子を有する個体などの、HIVウイルスに罹患する危険性がある個体である。
【0073】
ある特定の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHIV感染症を処置するための方法であって、この個体に、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、方法が提供される。
【0074】
ある特定の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHIV感染症を処置するための方法であって、それを必要とする個体に、治療有効量の本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、治療有効量の、HIVプロテアーゼ阻害性化合物、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、カプシド重合阻害剤、およびHIVを処置するための他の薬物、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される1つまたは複数の追加的な治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法が提供される。
【0075】
ある特定の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における、HIVウイルス感染症(例えば、HIV−1もしくはHIVウイルス(例えば、HIV−1)の複製、またはAIDS)、あるいはAIDSの発病の遅延)の医学療法において使用するための、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0076】
ある特定の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHIVウイルス感染症もしくはHIVウイルスの複製もしくはAIDSを処置するか、またはAIDSの発病を遅延させるための医薬の製造において使用するための、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩。一実施形態は、HIV感染症またはAIDSの予防的処置または治療的処置において使用するため、あるいはAIDSの治療的処置またはAIDSの発病遅延において使用するための、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0077】
ある特定の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるHIVウイルス感染症のための医薬を製造するための、本開示の化合物(例えば、式(X)もしくは(Y)の化合物)または薬学的に許容されるその塩の使用が提供される。ある特定の実施形態では、HIVウイルス感染症の予防的処置または治療的処置において使用するための、本開示の化合物(例えば、式(X)もしくは(Y)の化合物)または薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0078】
ある特定の実施形態では、使用方法において、投与は、処置を必要とする個体(例えば、ヒト)に対するものである。ある特定の実施形態では、使用方法において、投与は、AIDSに罹る危険性がある個体(例えば、ヒト)に対するものである。
【0079】
治療において使用するための、本開示の化合物(例えば、式(X)もしくは(Y)の化合物)または薬学的に許容されるその塩が、本明細書に提供される。一実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、個体(例えば、ヒト)におけるHIVウイルス感染症もしくはHIVウイルス複製もしくはAIDSを処置するか、またはAIDSの発病を遅延させる方法において使用するためのものである。
【0080】
また、それを必要とする個体におけるHIVを処置または予防する方法において使用するための、本開示の化合物(例えば、式(X)もしくは(Y)の化合物)または薬学的に許容されるその塩も、本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、それを必要とする個体とは、HIVに感染したことがあるヒトである。ある特定の実施形態では、それを必要とする個体とは、HIVに感染したことはあるが、AIDSに罹ってはいないヒトである。ある特定の実施形態では、それを必要とする個体とは、AIDSに罹る危険性がある個体である。ある特定の実施形態では、それを必要とする個体とは、HIVに感染したことがあり、AIDSに罹っているヒトである。
【0081】
また、AIDSの治療的処置またはAIDSの発病の遅延において使用するための、本開示の化合物(例えば、式(X)もしくは(Y)の化合物)または薬学的に許容されるその塩も、本明細書に提供される。
【0082】
また、HIV感染症の予防的処置または治療的処置において使用するための、本開示の化合物(例えば、式(X)もしくは(Y)の化合物)または薬学的に許容されるその塩も、本明細書に提供される。
【0083】
ある特定の実施形態では、HIV感染症は、HIV−1感染症である。
【0084】
加えて、本発明の化合物は、がんまたは腫瘍(子宮形成異常などの形成異常が含まれる)の処置において有用である。これらとしては、血液学的悪性疾患(hematological malignancy)、口腔癌(例えば、唇、舌または咽頭)、消化器官(例えば、食道、胃、小腸、結腸、大腸、または直腸)、肝臓および胆汁通路、膵臓、呼吸器系、例えば喉頭または肺(小細胞および非小細胞)、骨、結合組織、皮膚(例えば、黒色腫)、乳房、生殖器官(子宮、子宮頸部、精巣、卵巣、または前立腺)、尿路(例えば、膀胱または腎臓)、脳、ならびに甲状腺などの内分泌腺が含まれる。要約すると、本発明の化合物は、血液悪性疾患(hematologic malignancy)だけでなく、すべての種類の固形腫瘍も含む、任意の新生物を処置するために用いられる。
【0085】
血液学的悪性疾患とは、広義には、血液細胞および/またはその前駆細胞が、制御されていない様式で増殖するような、これらの細胞の増殖性障害と定義される。解剖学的には、血液悪性疾患は、2つの主要な群に分割される。すなわち、リンパ腫(排他的ではないが主としてリンパ節における、リンパ系細胞の悪性腫瘤)ならびに白血病(典型的にはリンパ系細胞または骨髄性細胞に由来する新生物であり、主として骨髄および末梢血液に影響を及ぼす)である。リンパ腫は、ホジキン病および非ホジキンリンパ腫(NHL)へと細分することができる。後者の群は、いくつかの別個の実体を含み、これらは、臨床的に(例えば、侵攻性リンパ腫、緩慢性リンパ腫)、組織学的に(例えば、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫)、または悪性細胞の起源(例えば、Bリンパ球、Tリンパ球)に基づいて区別することができる。白血病および関連する悪性疾患としては、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)および慢性リンパ球性白血病(CLL)が含まれる。他の血液学的悪性疾患としては、多発性骨髄腫などの形質細胞異常増殖症および骨髄異形成症候群が含まれる。
【0086】
HBVのための併用療法
ある特定の実施形態では、HBV感染症を有するかまたは有する危険性があるヒトにおける、この感染症を処置または予防するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、治療有効量の1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、1つもしくは2つ、1つ〜3つ、または1つ〜4つ)の追加的な治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法が提供される。一実施形態では、HBV感染症を有するかまたは有する危険性があるヒトにおける、この感染症を処置するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、治療有効量の1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、1つもしくは2つ、1つ〜3つ、または1つ〜4つ)の追加的な治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法が提供される。
【0087】
ある特定の実施形態では、本開示は、HBV感染症を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、HBV感染症の処置にとって好適である、治療有効量の1つまたは複数の追加的な治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の追加的な治療剤には、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、1つもしくは2つ、1つ〜3つ、または1つ〜4つの、追加的な治療剤が含まれる。
【0088】
上の実施形態では、追加的な治療剤は、抗HBV剤であってもよい。例えば、一部の実施形態では、追加的な治療剤は、HBV併用薬物、HBV DNAポリメラーゼ阻害剤、免疫調節薬、トール様受容体調節因子(TLR−1、TLR−2、TLR−3、TLR−4、TLR−5、TLR−6、TLR−7、TLR−8、TLR−9、TLR−10、TLR−11、TLR−12およびTLR−13の調節因子)、インターフェロンアルファ受容体リガンド、ヒアルロニダーゼ阻害剤、組換えIL−7、B型肝炎表面抗原(HBsAg)阻害剤、B型肝炎コア抗原(HbcAg)を標的とする化合物、シクロフィリン阻害剤、HBV治療ワクチン、HBV予防ワクチン、HBVウイルス侵入阻害剤、NTCP(Na+−タウロコール酸共輸送ポリペプチド)阻害剤、ウイルスmRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド、低分子干渉RNA(siRNA)、miRNA遺伝子療法剤、エンドヌクレアーゼ調節因子、リボヌクレオチドレダクターゼの阻害剤、B型肝炎ウイルスE抗原阻害剤、組換えスカベンジャー受容体A(SRA)タンパク質、Srcキナーゼ阻害剤、HBx阻害剤、cccDNA阻害剤、短鎖合成ヘアピンRNA(short synthetic hairpin RNA)(sshRNA)、HBV抗体(B型肝炎ウイルスの表面抗原を標的とするHBV抗体、ならびに二重特異性抗体および「抗体様」治療用タンパク質(例えば、DARTs(登録商標)、Duobodies(登録商標)、Bites(登録商標)、XmAbs(登録商標)、TandAbs(登録商標)、Fab誘導体)が含まれる)、CCR2ケモカインアンタゴニスト、チモシンアゴニスト、サイトカイン、核タンパク質阻害剤(HBVコアまたはカプシドタンパク質阻害剤)、レチノイン酸誘導性遺伝子1の刺激物質、NOD2の刺激物質、NOD1の刺激物質、アルギナーゼ−1阻害剤、STINGアゴニスト、PI3K阻害剤、リンホトキシンベータ受容体活性化因子、ナチュラルキラー細胞受容体2B4阻害剤、リンパ球活性化遺伝子3阻害剤、CD160阻害剤、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4阻害剤、CD137阻害剤、キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーGメンバー1阻害剤、TIM−3阻害剤、BおよびTリンパ球アテニュエーター阻害剤、CD305阻害剤、PD−1阻害剤、PD−L1阻害剤、PEG−インターフェロンラムダ、組換えチモシンアルファ−1、BTK阻害剤、TIGITの調節因子、CD47の調節因子、SIRPアルファの調節因子、ICOSの調節因子、CD27の調節因子、CD70の調節因子、OX40の調節因子、NKG2Dの調節因子、Tim−4の調節因子、B7−H4の調節因子、B7−H3の調節因子、NKG2Aの調節因子、GITRの調節因子、CD160の調節因子、HEVEMの調節因子、CD161の調節因子、Axlの調節因子、Merの調節因子、Tyroの調節因子、遺伝子修飾因子またはエディター、例えばCRISPR(CRISPR Cas9が含まれる)、ジンクフィンガーヌクレアーゼまたは合成ヌクレアーゼ(TALEN)、B型肝炎ウイルス複製阻害剤、米国公開第2010/0143301号(Gilead Sciences)、米国公開第2011/0098248号(Gilead Sciences)、米国公開第2009/0047249号(Gilead Sciences)、米国特許第8722054号(Gilead Sciences)、米国公開第2014/0045849号(Janssen)、米国公開第2014/0073642号(Janssen)、WO2014/056953(Janssen)、WO2014/076221(Janssen)、WO2014/128189(Janssen)、米国公開第2014/0350031号(Janssen)、WO2014/023813(Janssen)、米国公開第2008/0234251号(Array Biopharma)、米国公開第2008/0306050号(Array Biopharma)、米国公開第2010/0029585号(Ventirx Pharma)、米国公開第2011/0092485号(Ventirx Pharma)、US2011/0118235(Ventirx Pharma)、米国公開第2012/0082658号(Ventirx Pharma)、米国公開第2012/0219615号(Ventirx Pharma)、米国公開第2014/0066432号(Ventirx Pharma)、米国公開第2014/0088085号(Ventirx Pharma)、米国公開第2014/0275167号(Novira Therapeutics)、米国公開第2013/0251673号(Novira Therapeutics)、米国特許第8513184号(Gilead Sciences)、米国公開第2014/0030221号(Gilead Sciences)、米国公開第2013/0344030号(Gilead Sciences)、米国公開第2013/0344029号(Gilead Sciences)、米国公開第2014/0343032号(Roche)、WO2014037480(Roche)、米国公開第2013/0267517号(Roche)、WO2014131847(Janssen)、WO2014033176(Janssen)、WO2014033170(Janssen)、WO2014033167(Janssen)、米国公開第2014/0330015号(Ono Pharmaceutical)、米国公開第2013/0079327号(Ono Pharmaceutical)、米国公開第2013/0217880号(Ono pharmaceutical)に開示されているものなどの化合物、およびHBVを処置するための他の薬物、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、追加的な治療剤はさらに、B型肝炎表面抗原(HBsAg)分泌またはアセンブリ阻害剤、TCR様抗体、IDO阻害剤、cccDNAエピジェネティック修飾因子、IAP阻害剤、SMAC模倣物、およびUS20100015178(Incyte)に開示されているものなどの化合物から選択される。
【0089】
ある特定の実施形態では、追加的な治療剤は、HBV併用薬物、HBV DNAポリメラーゼ阻害剤、トール様受容体7調節因子、トール様受容体8調節因子、トール様受容体7および8調節因子、トール様受容体3調節因子、インターフェロンアルファ受容体リガンド、HBsAg阻害剤、HbcAgを標的とする化合物、シクロフィリン阻害剤、HBV治療ワクチン、HBV予防ワクチン、HBVウイルス侵入阻害剤、NTCP阻害剤、ウイルスmRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド、低分子干渉RNA(siRNA)、B型肝炎ウイルスE抗原阻害剤、HBx阻害剤、cccDNA阻害剤、HBV抗体(B型肝炎ウイルスの表面抗原を標的とするHBV抗体が含まれる)、チモシンアゴニスト、サイトカイン、核タンパク質阻害剤(HBVコアまたはカプシドタンパク質阻害剤)、レチノイン酸誘導性遺伝子1の刺激物質、NOD2の刺激物質、NOD1の刺激物質、組換えチモシンアルファ−1、BTK阻害剤、およびB型肝炎ウイルス複製阻害剤、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、追加的な治療剤は、B型肝炎表面抗原(HBsAg)分泌またはアセンブリ阻害剤およびIDO阻害剤から選択される。
【0090】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物(例えば、式(X)または(Y)の化合物)は錠剤として製剤化され、この錠剤は、HBVの処置にとって有用な1つまたは複数の他の化合物を任意選択で含有してもよい。ある特定の実施形態では、錠剤は、HBVを処置するための別の活性成分、例えばHBV DNAポリメラーゼ阻害剤、免疫調節薬、トール様受容体調節因子(TLR−1、TLR−2、TLR−3、TLR−4、TLR−5、TLR−6、TLR−7、TLR−8、TLR−9、TLR−10、TLR−11、TLR−12およびTLR−13の調節因子)、tlr7の調節因子、tlr8の調節因子、tlr7およびtlr8の調節因子、インターフェロンアルファ受容体リガンド、ヒアルロニダーゼ阻害剤、B型肝炎表面抗原(HBsAg)阻害剤、B型肝炎コア抗原(HbcAg)を標的とする化合物、シクロフィリン阻害剤、HBVウイルス侵入阻害剤、NTCP(Na+−タウロコール酸共輸送ポリペプチド)阻害剤、エンドヌクレアーゼ調節因子、リボヌクレオチドレダクターゼの阻害剤、B型肝炎ウイルスE抗原阻害剤、Srcキナーゼ阻害剤、HBx阻害剤、cccDNA阻害剤、CCR2ケモカインアンタゴニスト、チモシンアゴニスト、核タンパク質阻害剤(HBVコアまたはカプシドタンパク質阻害剤)、レチノイン酸誘導性遺伝子1の刺激物質、NOD2の刺激物質、NOD1の刺激物質、アルギナーゼ−1阻害剤、STINGアゴニスト、PI3K阻害剤、リンホトキシンベータ受容体活性化因子、ナチュラルキラー細胞受容体2B4阻害剤、リンパ球活性化遺伝子3阻害剤、CD160阻害剤、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4阻害剤、CD137阻害剤、キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーGメンバー1阻害剤、TIM−3阻害剤、BおよびTリンパ球アテニュエーター阻害剤、CD305阻害剤、PD−1阻害剤、PD−L1阻害剤、BTK阻害剤、TIGITの調節因子、CD47の調節因子、SIRPアルファの調節因子、ICOSの調節因子、CD27の調節因子、CD70の調節因子、OX40の調節因子、NKG2Dの調節因子、Tim−4の調節因子、B7−H4の調節因子、B7−H3の調節因子、NKG2Aの調節因子、GITRの調節因子、CD160の調節因子、HEVEMの調節因子、CD161の調節因子、Axlの調節因子、Merの調節因子、Tyroの調節因子、およびB型肝炎ウイルス複製阻害剤、ならびにこれらの組合せを含有してもよい。ある特定の実施形態では、錠剤は、HBVを処置するための別の活性成分、例えばB型肝炎表面抗原(HBsAg)分泌またはアセンブリ阻害剤、cccDNAエピジェネティック修飾因子、IAP阻害剤、SMAC模倣物、およびIDO阻害剤を含有してもよい。
【0091】
ある特定の実施形態では、このような錠剤は、1日1回の投薬にとって好適である。
【0092】
ある特定の実施形態では、追加的な治療剤は、以下のうちの1つまたは複数から選択される。
(1)テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン(TRUVADA(登録商標));アデホビル+クレブジンおよびGBV−015からなる群から選択される併用薬物、ならびにABX−203+ラミブジン+PEG−IFNアルファ、ABX−203+アデホビル+PEG−IFNアルファ、およびINO−9112+RG7944(INO−1800)から選択される併用薬物;
(2)ベシフォビル(besifovir)、エンテカビル(Baraclude(登録商標))、アデホビル(Hepsera(登録商標))、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(Viread(登録商標))、テノホビルアラフェナミド、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、テノホビルジピボキシル、テノホビルジピボキシルフマル酸塩、テノホビルオクタデシルオキシエチルエステル、テルビブジン(Tyzeka(登録商標))、プラデフォビル、クレブジン、エムトリシタビン(Emtriva(登録商標))、リバビリン、ラミブジン(Epivir−HBV(登録商標))、ホスファジド(phosphazide)、ファムシクロビル、SNC−019754、FMCA、フソリン(fusolin)、AGX−1009およびメタカビルからなる群から選択されるHBV DNAポリメラーゼ阻害剤、ならびにAR−II−04−26およびHS−10234から選択されるHBV DNAポリメラーゼ阻害剤;
(3)リンタトリモド、イミドール塩酸塩、インガロン(ingaron)、ダルナビル(dermaVir)、プラケニル(ヒドロキシクロロキン)、プロロイキン、ヒドロキシ尿素、ミコフェノール酸モフェチル(MPA)およびそのエステル誘導体ミコフェノール酸モフェチル(MMF)、WF−10、リバビリン、IL−12、ポリマーポリエチレンイミン(PEI)、Gepon、VGV−1、MOR−22、BMS−936559およびIR−103からなる群から選択される免疫調節薬、ならびにINO−9112、ポリマーポリエチレンイミン(PEI)、Gepon、VGV−1、MOR−22、BMS−936559、RO−7011785、RO−6871765およびIR−103から選択される免疫調節薬;
(4)GS−9620、GSK−2245035、イミキモド、レシキモド、DSR−6434、DSP−3025、IMO−4200、MCT−465、3M−051、SB−9922、3M−052、Limtop、TMX−30X、TMX−202、RG−7863およびRG−7795からなる群から選択されるトール様受容体7調節因子;
(5)モトリモド、レシキモド、3M−051、3M−052、MCT−465、IMO−4200、VTX−763、VTX−1463からなる群から選択されるトール様受容体8調節因子;
(6)リンタトリモド、ポリ−ICLC、MCT−465、MCT−475、Riboxxon、RiboxximおよびND−1.1からなる群から選択されるトール様受容体3調節因子;
(7)インターフェロンアルファ−2b(Intron A(登録商標))、ペグ化インターフェロンアルファ−2a(Pegasys(登録商標))、インターフェロンアルファ1b(Hapgen(登録商標))、Veldona、Infradure、Roferon−A、YPEG−インターフェロンアルファ−2a(YPEG−rhIFNアルファ−2a)、P−1101、Algeron、Alfarona、Ingaron(インターフェロンガンマ)、rSIFN−co(組換えスーパー化合物インターフェロン)、Yペグインターフェロンアルファ−2b(YPEG−rhIFNアルファ−2b)、MOR−22、ペグインターフェロンアルファ−2b(PEG−Intron(登録商標))、Bioferon、Novaferon、Inmutag(Inferon)、Multiferon(登録商標)、インターフェロンアルファ−n1(Humoferon(登録商標))、インターフェロンベータ−1a(Avonex(登録商標))、Shaferon、インターフェロンアルファ−2b(AXXO)、Alfaferone、インターフェロンアルファ−2b(BioGeneric Pharma)、インターフェロン−アルファ2(CJ)、Laferonum、VIPEG、BLAUFERON−B、BLAUFERON−A、Intermax Alpha、Realdiron、Lanstion、Pegaferon、PDferon−B PDferon−B、インターフェロンアルファ−2b(IFN、Laboratorios Bioprofarma)、アルファインターフェロナ2b(alfainterferona 2b)、Kalferon、Pegnano、Feronsure、PegiHep、インターフェロンアルファ2b(Zydus−Cadila)、Optipeg A、Realfa 2B、Reliferon、インターフェロンアルファ−2b(Amega)、インターフェロンアルファ−2b(Virchow)、ペグインターフェロンアルファ−2b(Amega)、Reaferon−EC、Proquiferon、Uniferon、Urifron、インターフェロンアルファ−2b(Changchun Institute of Biological Products)、Anterferon、Shanferon、Layfferon、Shang Sheng Lei Tai、INTEFEN、SINOGEN、Fukangtai、Pegstat、rHSA−IFNアルファ−2b、およびInterapo(Interapa)からなる群から選択されるインターフェロンアルファ受容体リガンド;
(8)アストドリマー(astodrimer)からなる群から選択されるヒアルロニダーゼ阻害剤;
(9)IL−10の調節因子;
(10)HBF−0259、PBHBV−001、PBHBV−2−15、PBHBV−2−1、REP 9AC、REP−9CおよびREP 9AC’からなる群から選択されるHBsAg阻害剤、ならびにREP−9、REP−2139、REP−2139−Ca、REP−2165、REP−2055、REP−2163、REP−2165、REP−2053、REP−2031およびREP−006、ならびにREP−9AC’から選択されるHBsAg阻害剤、
(11)CYT003から選択されるトール様受容体9調節因子、ならびにCYT−003、IMO−2055、IMO−2125、IMO−3100、IMO−8400、IMO−9200、アガトリモド、DIMS−9054、DV−1179、AZD−1419、MGN−1703、およびCYT−003−QbG10から選択されるトール様受容体9調節因子;
(12)OCB−030、SCY−635、およびNVP−018からなる群から選択されるシクロフィリン阻害剤;
(13)Hexaxim、Heplisav、Mosquirix、DTwP−HBVワクチン、Bio−Hep−B、D/T/P/HBV/M(LBVP−0101;LBVW−0101)、DTwP−Hepb−Hib−IPVワクチン、Heberpenta L、DTwP−HepB−Hib、V−419、CVI−HBV−001、Tetrabhay、B型肝炎予防ワクチン(Advax Super D)、Hepatrol−07、GSK−223192A、Engerix B(登録商標)、組換えB型肝炎ワクチン(筋肉内、Kangtai Biological Products)、組換えB型肝炎ワクチン(Hansenual polymorpha酵母、筋肉内、Hualan Biological Engineering)、Bimmugen、Euforavac、Eutravac、anrix−DTaP−IPV−Hep B、Infanrix−DTaP−IPV−Hep B−Hib、Pentabio Vaksin DTP−HB−Hib、Comvac 4、Twinrix、Euvax−B、Tritanrix HB、Infanrix Hep B、Comvax、DTP−Hib−HBVワクチン、DTP−HBVワクチン、Yi Tai、Heberbiovac HB、Trivac HB、GerVax、DTwP−Hep B−Hibワクチン、Bilive、Hepavax−Gene、SUPERVAX、Comvac5、Shanvac−B、Hebsulin、Recombivax HB、Revac B mcf、Revac B+、Fendrix、DTwP−HepB−Hib、DNA−001、Shan6、rhHBsAGワクチン、およびDTaP−rHB−Hibワクチンからなる群から選択されるHBV予防ワクチン;
(14)HBsAG−HBIG複合体、Bio−Hep−B、NASVAC、abi−HB(静脈内)、ABX−203、Tetrabhay、GX−110E、GS−4774、ペプチドワクチン(イプシロンPA−44)、Hepatrol−07、NASVAC(NASTERAP)、IMP−321、BEVAC、Revac B mcf、Revac B+、MGN−1333、KW−2、CVI−HBV−002、AltraHepB、VGX−6200、FP−02、TG−1050、NU−500、HBVax、im/TriGrid/抗原ワクチン、Mega−CD40L−アジュバント添加ワクチン、HepB−v、NO−1800、組換えVLPベースの治療ワクチン(HBV感染症、VLP Biotech)、AdTG−17909、AdTG−17910 AdTG−18202、ChronVac−B、およびLm HBVからなる群から選択されるHBV治療ワクチン、ならびにFP−02.2およびRG7944(INO−1800)から選択されるHBV治療ワクチン;
(15)Myrcludex Bからなる群から選択されるHBVウイルス侵入阻害剤;
(16)ISIS−HBVRxからなる群から選択される、ウイルスmRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド;
(17)TKM−HBV(TKM−HepB)、ALN−HBV、SR−008、ddRNAi、およびARC−520からなる群から選択される低分子干渉RNA(siRNA);
(18)PGN−514からなる群から選択されるエンドヌクレアーゼ調節因子;
(19)Trimidoxからなる群から選択されるリボヌクレオチドレダクターゼの阻害剤;
(20)オウゴニンからなる群から選択されるB型肝炎ウイルスE抗原阻害剤;
(21)GC−1102、XTL−17、XTL−19、XTL−001、KN−003および完全ヒトモノクローナル抗体療法(B型肝炎ウイルス感染症、Humabs BioMed)からなる群から選択される、B型肝炎ウイルスの表面抗原を標的とするHBV抗体、ならびにIV Hepabulin SNから選択される、B型肝炎ウイルスの表面抗原を標的とするHBV抗体;
(22)Zutectra、Shang Sheng Gan Di、Uman Big(B型肝炎超免疫)、Omri−Hep−B、Nabi−HB、Hepatect CP、HepaGam B、イガンチベ(igantibe)、Niuliva、CT−P24、B型肝炎免疫グロブリン(静脈内、pH4、HBV感染症、Shanghai RAAS Blood Products)、およびFovepta(BT−088)からなる群から選択される、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を含むHBV抗体;
(23)プロパゲルマニウムからなる群から選択されるCCR2ケモカインアンタゴニスト;
(24)チマルファシンからなる群から選択されるチモシンアゴニスト;
(25)組換えIL−7、CYT−107、インターロイキン−2(IL−2、Immunex);組換えヒトインターロイキン−2(Shenzhen Neptunus)およびセルモロイキンからなる群から選択されるサイトカイン、ならびにIL−15、IL−21、IL−24から選択されるサイトカイン;
(26)NVR−1221、NVR−3778、BAY 41−4109、メシル酸モルホチアジン、およびDVR−23からなる群から選択される核タンパク質阻害剤(HBVコアまたはカプシドタンパク質阻害剤);
(27)SB−9200、SB−40、SB−44、ORI−7246、ORI−9350、ORI−7537、ORI−9020、ORI−9198およびORI−7170からなる群から選択される、レチノイン酸誘導性遺伝子1の刺激物質;
(28)SB−9200からなる群から選択されるNOD2の刺激物質;
(29)NL−004およびペグ化チモシンアルファ1からなる群から選択される組換えチモシンアルファ−1;
(30)イソチアフルジン(isothiafludine)、IQP−HBV、RM−5038、およびXingantieからなる群から選択されるB型肝炎ウイルス複製阻害剤;
(31)イデラリシブ、AZD−8186、ブパルリシブ、CLR−457、ピクチリシブ、ネラチニブ、リゴセルチブ、リゴセルチブナトリウム、EN−3342、TGR−1202、アルペリシブ、ドゥベリシブ、UCB−5857、タセリシブ(taselisib)、XL−765、ジェダトリシブ(gedatolisib)、VS−5584、コパンリシブ、オロチン酸CAI、ペリホシン、RG−7666、GSK−2636771、DS−7423、パヌリシブ(panulisib)、GSK−2269557、GSK−2126458、CUDC−907、PQR−309、INCB−040093、ピララリシブ(pilaralisib)、BAY−1082439、プキチニブメシレート(puquitinib mesylate)、SAR−245409、AMG−319、RP−6530、ZSTK−474、MLN−1117、SF−1126、RV−1729、ソノリシブ(sonolisib)、LY−3023414、SAR−260301、およびCLR−1401からなる群から選択されるPI3K阻害剤;
(32)BSBI−25からなる群から選択されるcccDNA阻害剤;
(33)MEDI−0680、RG−7446、デュルバルマブ、KY−1003、KD−033、MSB−0010718C、TSR−042、ALN−PDL、STI−A1014、およびBMS−936559からなる群から選択されるPD−L1阻害剤;
(34)ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、BGB−108、およびmDX−400からなる群から選択されるPD−1阻害剤;
(35)ACP−196、ダサチニブ、イブルチニブ、PRN−1008、SNS−062、ONO−4059、BGB−3111、MSC−2364447、X−022、スペブルチニブ、TP−4207、HM−71224、KBP−7536、AC−0025からなる群から選択されるBTK阻害剤;
(36)ゲンチオピクリン(ゲンチオピクロシド)、ニタゾキサニド、ビリナパント、NOV−205(Molixan;BAM−205)、Oligotide、Mivotilate、Feron、レバミゾール、Ka Shu Ning、Alloferon、WS−007、Y−101(Ti Fen Tai)、rSIFN−co、PEG−IIFNm、KW−3、BP−Inter−014、オレアノール酸、HepB−nRNA、cTP−5(rTP−5)、HSK−II−2、HEISCO−106−1、HEISCO−106、Hepbarna、IBPB−006IA、Hepuyinfen、DasKloster 0014−01、Jiangantai(Ganxikang)、ピクロシド、GA5 NM−HBV、DasKloster−0039、ヘプランタイ(hepulantai)、IMB−2613、TCM−800B、およびZH−2Nからなる群から選択される、HBVを処置するための他の薬物、ならびに還元グルタチオンおよびRO−6864018から選択される、HBVを処置するための他の薬物;ならびに
(37)US20100143301(Gilead Sciences)、US20110098248(Gilead Sciences)、US20090047249(Gilead Sciences)、US8722054(Gilead Sciences)、US20140045849(Janssen)、US20140073642(Janssen)、WO2014/056953(Janssen)、WO2014/076221(Janssen)、WO2014/128189(Janssen)、US20140350031(Janssen)、WO2014/023813(Janssen)、US20080234251(Array Biopharma)、US20080306050(Array Biopharma)、US20100029585(Ventirx Pharma)、US20110092485(Ventirx Pharma)、US20110118235(Ventirx Pharma)、US20120082658(Ventirx Pharma)、US20120219615(Ventirx Pharma)、US20140066432(Ventirx Pharma)、US20140088085(Ventirx Pharma)、US20140275167(Novira therapeutics)、US20130251673(Novira therapeutics)、US8513184(Gilead Sciences)、US20140030221(Gilead Sciences)、US20130344030(Gilead Sciences)、US20130344029(Gilead Sciences)、US20140343032(Roche)、WO2014037480(Roche)、US20130267517(Roche)、WO2014131847(Janssen)、WO2014033176(Janssen)、WO2014033170(Janssen)、WO2014033167(Janssen)、US20140330015(Ono pharmaceutical)、US20130079327(Ono pharmaceutical)、およびUS20130217880(Ono pharmaceutical)に開示されている化合物、ならびにUS20100015178(Incyte)に開示されている化合物。
【0093】
また、上のリストには以下も含まれる。
(38)エパカドスタット(epacadostat)(INCB24360)、F−001287、レスミノスタット(resminostat)(4SC−201)、SN−35837、NLG−919、GDC−0919、およびインドキシモドからなる群から選択されるIDO阻害剤;
(39)CB−1158、C−201、およびレスミノスタットから選択されるアルギナーゼ阻害剤;ならびに
(40)イピルミマブ(ipilumimab)、ベラタセプト、PSI−001、PRS−010、トレメリムマブ、およびJHL−1155から選択される細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(ipi4)阻害剤。
【0094】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多くの追加的な治療剤と組み合わせる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、2つの追加的な治療剤と組み合わせる。他の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、3つの追加的な治療剤と組み合わせる。さらなる実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、4つの追加的な治療剤と組み合わせる。この1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多くの追加的な治療剤は、同じクラスの治療剤から選択される異なる治療剤であってもよく、かつ/あるいはこれらの治療剤は、異なるクラスの治療剤から選択されてもよい。
【0095】
特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、HBV DNAポリメラーゼ阻害剤と組み合わせる。別の特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、HBV DNAポリメラーゼ阻害剤と、免疫調節薬、トール様受容体調節因子(TLR−1、TLR−2、TLR−3、TLR−4、TLR−5、TLR−6、TLR−7、TLR−8、TLR−9、TLR−10、TLR−11、TLR−12およびTLR−13の調節因子)、インターフェロンアルファ受容体リガンド、ヒアルロニダーゼ阻害剤、組換えIL−7、HBsAg阻害剤、HbcAgを標的とする化合物、シクロフィリン阻害剤、HBV治療ワクチン、HBV予防ワクチン、HBVウイルス侵入阻害剤、NTCP阻害剤、ウイルスmRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド、低分子干渉RNA(siRNA)、miRNA遺伝子療法剤、エンドヌクレアーゼ調節因子、リボヌクレオチドレダクターゼの阻害剤、B型肝炎ウイルスE抗原阻害剤、組換えスカベンジャー受容体A(SRA)タンパク質、srcキナーゼ阻害剤、HBx阻害剤、cccDNA阻害剤、短鎖合成ヘアピンRNA(sshRNA)、HBV抗体(B型肝炎ウイルスの表面抗原を標的とするHBV抗体、ならびに二重特異性抗体および「抗体様」治療用タンパク質(例えば、DARTs(登録商標)、Duobodies(登録商標)、Bites(登録商標)、XmAbs(登録商標)、TandAbs(登録商標)、Fab誘導体)が含まれる)、CCR2ケモカインアンタゴニスト、チモシンアゴニスト、サイトカイン、核タンパク質阻害剤(HBVコアまたはカプシドタンパク質阻害剤)、レチノイン酸誘導性遺伝子1の刺激物質、NOD2の刺激物質、NOD1の刺激物質、アルギナーゼ−1阻害剤、STINGアゴニスト、PI3K阻害剤、リンホトキシンベータ受容体活性化因子、ナチュラルキラー細胞受容体2B4阻害剤、リンパ球活性化遺伝子3阻害剤、CD160阻害剤、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4阻害剤、CD137阻害剤、キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーGメンバー1阻害剤、TIM−3阻害剤、BおよびTリンパ球アテニュエーター阻害剤、CD305阻害剤、PD−1阻害剤、PD−L1阻害剤、PEG−インターフェロンラムダ、組換えチモシンアルファ−1、BTK阻害剤、TIGITの調節因子、CD47の調節因子、SIRPアルファの調節因子、ICOSの調節因子、CD27の調節因子、CD70の調節因子、OX40の調節因子、NKG2Dの調節因子、Tim−4の調節因子、B7−H4の調節因子、B7−H3の調節因子、NKG2Aの調節因子、GITRの調節因子、CD160の調節因子、HEVEMの調節因子、CD161の調節因子、Axlの調節因子、Merの調節因子、Tyroの調節因子、遺伝子修飾因子またはエディター、例えばCRISPR(CRISPR Cas9が含まれる)、ジンクフィンガーヌクレアーゼまたは合成ヌクレアーゼ(TALEN)、ならびにB型肝炎ウイルス複製阻害剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加的な治療剤と組み合わせる。ある特定の実施形態では、少なくとも1つの追加的な治療剤はさらに、B型肝炎表面抗原(HBsAg)分泌またはアセンブリ阻害剤、TCR様抗体、cccDNAエピジェネティック修飾因子、IAP阻害剤、SMAC模倣物、およびIDO阻害剤から選択される。
【0096】
別の特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、HBV DNAポリメラーゼ阻害剤と、HBVウイルス侵入阻害剤、NTCP阻害剤、HBx阻害剤、cccDNA阻害剤、B型肝炎ウイルスの表面抗原を標的とするHBV抗体、低分子干渉RNA(siRNA)、miRNA遺伝子療法剤、短鎖合成ヘアピンRNA(sshRNA)、および核タンパク質阻害剤(HBVコアまたはカプシドタンパク質阻害剤)からなる群から選択される少なくとも1つの追加的な治療剤と組み合わせる。
【0097】
別の特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、HBV DNAポリメラーゼ阻害剤と、免疫調節薬、トール様受容体調節因子(TLR−1、TLR−2、TLR−3、TLR−4、TLR−5、TLR−6、TLR−7、TLR−8、TLR−9、TLR−10、TLR−11、TLR−12およびTLR−13の調節因子)、HBsAg阻害剤、HBV治療ワクチン、HBV抗体(B型肝炎ウイルスの表面抗原を標的とするHBV抗体、ならびに二重特異性抗体および「抗体様」治療用タンパク質(例えば、DARTs(登録商標)、Duobodies(登録商標)、Bites(登録商標)、XmAbs(登録商標)、TandAbs(登録商標)、Fab誘導体)が含まれる)、シクロフィリン阻害剤、レチノイン酸誘導性遺伝子1の刺激物質、PD−1阻害剤、PD−L1阻害剤、アルギナーゼ−1阻害剤、PI3K阻害剤、およびNOD2の刺激物質からなる群から選択される1つまたは2つの追加的な治療剤および、HBVウイルス侵入阻害剤、NTCP阻害剤、HBx阻害剤、cccDNA阻害剤、B型肝炎ウイルスの表面抗原を標的とするHBV抗体、低分子干渉RNA(siRNA)、miRNA遺伝子療法剤、短鎖合成ヘアピンRNA(sshRNA)、および核タンパク質阻害剤(HBVコアまたはカプシドタンパク質阻害剤)からなる群から選択される1つまたは2つの追加的な治療剤と組み合わせる。ある特定の実施形態では、1つまたは2つの追加的な治療剤はさらに、B型肝炎表面抗原(HBsAg)分泌またはアセンブリ阻害剤、TCR様抗体、およびIDO阻害剤から選択される。
【0098】
特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、アデホビル(Hepsera(登録商標))、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン(TRUVADA(登録商標))、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(Viread(登録商標))、エンテカビル(Baraclude(登録商標))、ラミブジン(Epivir−HBV(登録商標))、テノホビルアラフェナミド、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、テルビブジン(Tyzeka(登録商標))、クレブジン(登録商標)、エムトリシタビン(Emtriva(登録商標))、ペグインターフェロンアルファ−2b(PEG−Intron(登録商標))、Multiferon(登録商標)、インターフェロンアルファ1b(Hapgen(登録商標))、インターフェロンアルファ−2b(Intron A(登録商標))、ペグ化インターフェロンアルファ−2a(Pegasys(登録商標))、インターフェロンアルファ−n1(Humoferon(登録商標))、リバビリン、インターフェロンベータ−1a(Avonex(登録商標))、Bioferon、Ingaron、Inmutag(Inferon)、Algeron、Roferon−A、Oligotide、Zutectra、Shaferon、インターフェロンアルファ−2b(AXXO)、アルファフェロン、インターフェロンアルファ−2b(BioGeneric Pharma)、Feron、インターフェロン−アルファ2(CJ)、BEVAC、Laferonum、VIPEG、BLAUFERON−B、BLAUFERON−A、Intermax Alpha、Realdiron、Lanstion、Pegaferon、PDferon−B、インターフェロンアルファ−2b(IFN、Laboratorios Bioprofarma)、アルファインターフェロナ2b、Kalferon、Pegnano、Feronsure、PegiHep、インターフェロンアルファ2b(Zydus−Cadila)、Optipeg A、Realfa 2B、Reliferon、インターフェロンアルファ−2b(Amega)、インターフェロンアルファ−2b(Virchow)、ペグインターフェロンアルファ−2b(Amega)、Reaferon−EC、Proquiferon、Uniferon、Urifron、インターフェロンアルファ−2b(Changchun Institute of Biological Products)、Anterferon、Shanferon、MOR−22、インターロイキン−2(IL−2、Immunex)、組換えヒトインターロイキン−2(Shenzhen Neptunus)、Layfferon、Ka Shu Ning、Shang Sheng Lei Tai、INTEFEN、SINOGEN、Fukangtai、Alloferon、およびセルモロイキンから選択される、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多くの追加的な治療剤と組み合わせる。
【0099】
特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、エンテカビル(Baraclude(登録商標))、アデホビル(Hepsera(登録商標))、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(Viread(登録商標))、テノホビルアラフェナミド、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、テルビブジン(Tyzeka(登録商標))、またはラミブジン(Epivir−HBV(登録商標))と組み合わせる。
【0100】
特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、エンテカビル(Baraclude(登録商標))、アデホビル(Hepsera(登録商標))、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(Viread(登録商標))、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、テルビブジン(Tyzeka(登録商標))、またはラミブジン(Epivir−HBV(登録商標))と組み合わせる。
【0101】
特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、PD−1阻害剤と組み合わせる。特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、PD−L1阻害剤と組み合わせる。特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、IDO阻害剤と組み合わせる。特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、IDO阻害剤およびPD−1阻害剤と組み合わせる。特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、IDO阻害剤およびPD−L1阻害剤と組み合わせる。特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、GS−9620などのTLR7調節因子と組み合わせる。
【0102】
特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、エンテカビル(Baraclude(登録商標))、アデホビル(Hepsera(登録商標))、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(Viread(登録商標))、テノホビルアラフェナミド、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、テルビブジン(Tyzeka(登録商標))、またはラミブジン(Epivir−HBV(登録商標))からなる群から選択される第1の追加的な治療剤と、免疫調節薬、トール様受容体調節因子(TLR−1、TLR−2、TLR−3、TLR−4、TLR−5、TLR−6、TLR−7、TLR−8、TLR−9、TLR−10、TLR−11、TLR−12およびTLR−13の調節因子)、インターフェロンアルファ受容体リガンド、ヒアルロニダーゼ阻害剤、組換えIL−7、HBsAg阻害剤、HbcAgを標的とする化合物、シクロフィリン阻害剤、HBV治療ワクチン、HBV予防ワクチン、HBVウイルス侵入阻害剤、NTCP阻害剤、ウイルスmRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド、低分子干渉RNA(siRNA)、miRNA遺伝子療法剤、エンドヌクレアーゼ調節因子、リボヌクレオチドレダクターゼの阻害剤、B型肝炎ウイルスE抗原阻害剤、組換えスカベンジャー受容体A(SRA)タンパク質、srcキナーゼ阻害剤、HBx阻害剤、cccDNA阻害剤、短鎖合成ヘアピンRNA(sshRNA)、HBV抗体(B型肝炎ウイルスの表面抗原を標的とするHBV抗体、ならびに二重特異性抗体および「抗体様」治療用タンパク質(例えば、DARTs(登録商標)、Duobodies(登録商標)、Bites(登録商標)、XmAbs(登録商標)、TandAbs(登録商標)、Fab誘導体)が含まれる)、CCR2ケモカインアンタゴニスト、チモシンアゴニスト、サイトカイン、核タンパク質阻害剤(HBVコアまたはカプシドタンパク質阻害剤)、レチノイン酸誘導性遺伝子1の刺激物質、NOD2の刺激物質、NOD1の刺激物質、組換えチモシンアルファ−1、アルギナーゼ−1阻害剤、STINGアゴニスト、PI3K阻害剤、リンホトキシンベータ受容体活性化因子、ナチュラルキラー細胞受容体2B4阻害剤、リンパ球活性化遺伝子3阻害剤、CD160阻害剤、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4阻害剤、CD137阻害剤、キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーGメンバー1阻害剤、TIM−3阻害剤、BおよびTリンパ球アテニュエーター阻害剤、CD305阻害剤、PD−1阻害剤、PD−L1阻害剤、PEG−インターフェロンラムダ、BTK阻害剤、TIGITの調節因子、CD47の調節因子、SIRPアルファの調節因子、ICOSの調節因子、CD27の調節因子、CD70の調節因子、OX40の調節因子、NKG2Dの調節因子、Tim−4の調節因子、B7−H4の調節因子、B7−H3の調節因子、NKG2Aの調節因子、GITRの調節因子、CD160の調節因子、HEVEMの調節因子、CD161の調節因子、Axlの調節因子、Merの調節因子、Tyroの調節因子、遺伝子修飾因子またはエディター、例えばCRISPR(CRISPR Cas9が含まれる)、ジンクフィンガーヌクレアーゼまたは合成ヌクレアーゼ(TALEN)、ならびにB型肝炎ウイルス複製阻害剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加的な治療剤と組み合わせる。ある特定の実施形態では、少なくとも1つの追加的な治療剤はさらに、B型肝炎表面抗原(HBsAg)分泌またはアセンブリ阻害剤、TCR様抗体、IDO阻害剤、cccDNAエピジェネティック修飾因子、IAP阻害剤、およびSMAC模倣物から選択される。
【0103】
特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、エンテカビル(Baraclude(登録商標))、アデホビル(Hepsera(登録商標))、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(Viread(登録商標))、テノホビルアラフェナミド、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、テルビブジン(Tyzeka(登録商標))、またはラミブジン(Epivir−HBV(登録商標))からなる群から選択される第1の追加的な治療剤と、ペグインターフェロンアルファ−2b(PEG−Intron(登録商標))、Multiferon(登録商標)、インターフェロンアルファ1b(Hapgen(登録商標))、インターフェロンアルファ−2b(Intron A(登録商標))、ペグ化インターフェロンアルファ−2a(Pegasys(登録商標))、インターフェロンアルファ−n1(Humoferon(登録商標))、リバビリン、インターフェロンベータ−1a(Avonex(登録商標))、Bioferon、Ingaron、Inmutag(Inferon)、Algeron、Roferon−A、Oligotide、Zutectra、Shaferon、インターフェロンアルファ−2b(AXXO)、アルファフェロン、インターフェロンアルファ−2b(BioGeneric Pharma)、Feron、インターフェロン−アルファ2(CJ)、BEVAC、Laferonum、VIPEG、BLAUFERON−B、BLAUFERON−A、Intermax Alpha、Realdiron、Lanstion、Pegaferon、PDferon−B、インターフェロンアルファ−2b(IFN、Laboratorios Bioprofarma)、アルファインターフェロナ2b、Kalferon、Pegnano、Feronsure、PegiHep、インターフェロンアルファ2b(Zydus−Cadila)、Optipeg A、Realfa 2B、Reliferon、インターフェロンアルファ−2b(Amega)、インターフェロンアルファ−2b(Virchow)、ペグインターフェロンアルファ−2b(Amega)、Reaferon−EC、Proquiferon、Uniferon、Urifron、インターフェロンアルファ−2b(Changchun Institute of Biological Products)、Anterferon、Shanferon、MOR−22、インターロイキン−2(IL−2、Immunex)、組換えヒトインターロイキン−2(Shenzhen Neptunus)、Layfferon、Ka Shu Ning、Shang Sheng Lei Tai、INTEFEN、SINOGEN、Fukangtai、Alloferon、およびセルモロイキンからなる群から選択される少なくとも1つの追加的な治療剤と組み合わせる。
【0104】
特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、エンテカビル(Baraclude(登録商標))、アデホビル(Hepsera(登録商標))、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(Viread(登録商標))、テノホビルアラフェナミド、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、テルビブジン(Tyzeka(登録商標))、またはラミブジン(Epivir−HBV(登録商標))からなる群から選択される第1の追加的な治療剤と、HBVウイルス侵入阻害剤、NTCP阻害剤、HBx阻害剤、cccDNA阻害剤、B型肝炎ウイルスの表面抗原を標的とするHBV抗体、低分子干渉RNA(siRNA)、miRNA遺伝子療法剤、短鎖合成ヘアピンRNA(sshRNA)、および核タンパク質阻害剤(HBVコアまたはカプシドタンパク質阻害剤)からなる群から選択される少なくとも1つの追加的な治療剤と組み合わせる。
【0105】
特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、エンテカビル(Baraclude(登録商標))、アデホビル(Hepsera(登録商標))、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(Viread(登録商標))、テノホビルアラフェナミド、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、テルビブジン(Tyzeka(登録商標))、またはラミブジン(Epivir−HBV(登録商標))からなる群から選択される第1の追加的な治療剤と、免疫調節薬、トール様受容体調節因子(TLR−1、TLR−2、TLR−3、TLR−4、TLR−5、TLR−6、TLR−7、TLR−8、TLR−9、TLR−10、TLR−11、TLR−12およびTLR−13の調節因子)、HBsAg阻害剤、HBV治療ワクチン、HBV抗体(B型肝炎ウイルスの表面抗原を標的とするHBV抗体、ならびに二重特異性抗体および「抗体様」治療用タンパク質(例えば、DARTs(登録商標)、Duobodies(登録商標)、Bites(登録商標)、XmAbs(登録商標)、TandAbs(登録商標)、Fab誘導体)が含まれる)、シクロフィリン阻害剤、レチノイン酸誘導性遺伝子1の刺激物質、PD−1阻害剤、PD−L1阻害剤、アルギナーゼ−1阻害剤、PI3K阻害剤、およびNOD2の刺激物質からなる群から選択される1つまたは2つの追加的な治療剤と、HBVウイルス侵入阻害剤、NTCP阻害剤、HBx阻害剤、cccDNA阻害剤、B型肝炎ウイルスの表面抗原を標的とするHBV抗体、低分子干渉RNA(siRNA)、miRNA遺伝子療法剤、短鎖合成ヘアピンRNA(sshRNA)、および核タンパク質阻害剤(HBVコアまたはカプシドタンパク質阻害剤)からなる群から選択される1つまたは2つの追加的な治療剤と組み合わせる。ある特定の実施形態では、1つまたは2つの追加的な治療剤はさらに、B型肝炎表面抗原(HBsAg)分泌またはアセンブリ阻害剤、TCR様抗体、およびIDO阻害剤から選択される。
【0106】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、5〜30mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、またはテノホビルアラフェナミドと組み合わせる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、5〜10mg、5〜15mg、5〜20mg、5〜25mg、25〜30mg、20〜30mg、15〜30mg、または10〜30mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、またはテノホビルアラフェナミドと組み合わせる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、10mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、またはテノホビルアラフェナミドと組み合わせる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、25mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、またはテノホビルアラフェナミドと組み合わせる。本開示の化合物(例えば、式(X)または(Y)の化合物)は、投薬の各組合せが具体的かつ個別に列挙されている場合と同じに、この化合物の任意の投薬量(例えば、50mg〜500mgの化合物)で本明細書に提供される薬剤と組み合わせることができる。本開示の化合物(例えば、式(X)または(Y)の化合物)は、投薬の各組合せが具体的かつ個別に列挙されている場合と同じに、この化合物の任意の投薬量(例えば、約1mg〜約150mgの化合物)で、本明細書に提供される薬剤と組み合わせることができる。
【0107】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、100〜400mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、またはテノホビルジソプロキシルと組み合わせる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、100〜150mg、100〜200mg、100〜250mg、100〜300mg、100〜350mg、150〜200mg、150〜250mg、150〜300mg、150〜350mg、150〜400mg、200〜250mg、200〜300mg、200〜350mg、200〜400mg、250〜350mg、250〜400mg、350〜400mg、または300〜400mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、またはテノホビルジソプロキシルと組み合わせる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、300mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、またはテノホビルジソプロキシルと組み合わせる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、250mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、またはテノホビルジソプロキシルと組み合わせる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、150mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、またはテノホビルジソプロキシルと組み合わせる。本開示の化合物(例えば、式(X)または(Y)の化合物)は、投薬の各組合せが具体的かつ個別に列挙されている場合と同じに、この化合物の任意の投薬量(例えば、50mg〜500mgの化合物)で本明細書に提供される薬剤と組み合わせることができる。本開示の化合物(例えば、式(X)または(Y)の化合物)は、投薬の各組合せが具体的かつ個別に列挙されている場合と同じに、この化合物の任意の投薬量(例えば、約1mg〜約150mgの化合物)で本明細書に提供される薬剤と組み合わせることができる。
【0108】
また、HBVを処置または予防する方法において使用するための、本開示の化合物(例えば、式(X)もしくは(Y)の化合物)または薬学的に許容されるその塩、およびHBVを処置するための1つまたは複数の追加的な活性成分も、本明細書に提供される。
【0109】
また、HBVを処置または予防する方法において使用するための、本開示の化合物(例えば、式(X)もしくは(Y)の化合物)または薬学的に許容されるその塩も、本明細書に提供され、ここで、この化合物または薬学的に許容されるその塩は、HBVを処置するための1つまたは複数の追加的な治療剤と同時に、別々に、あるいは順次投与される。
【0110】
HIVのための併用療法
ある特定の実施形態では、HIV感染症を有するかまたは有する危険性があるヒトにおける、この感染症を処置または予防するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、治療有効量の1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、1つもしくは2つ、または1つ〜3つ)の追加的な治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法が提供される。一実施形態では、HIV感染症を有するかまたは有する危険性があるヒトにおける、この感染症を処置するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、治療有効量の1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、1つもしくは2つ、または1つ〜3つ)の追加的な治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法が提供される。
【0111】
ある特定の実施形態では、本開示は、HIV感染症を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、HIV感染症の処置にとって好適である、治療有効量の1つまたは複数の追加的な治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の追加的な治療剤には、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、1つもしくは2つ、1つ〜3つ、または1つ〜4つの、追加的な治療剤が含まれる。
【0112】
上の実施形態では、追加的な治療剤は、抗HIV剤であってもよい。例えば、一部の実施形態では、追加的な治療剤は、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシドまたは非ヌクレオチド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(またはアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入阻害剤(例えば、CCR5阻害剤、gp41阻害剤(すなわち、融合阻害剤)およびCD4結合阻害剤)、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、G6PDおよびNADHオキシダーゼ阻害剤、HIVワクチン、HIV成熟阻害剤、潜伏逆転剤(latency reversing agent)(例えば、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤、プロテアソーム阻害剤、タンパク質キナーゼC(PKC)活性化因子、およびBRD4阻害剤)、HIVカプシドを標的とする化合物(「カプシド阻害剤」;例えば、カプシド重合阻害剤またはカプシド破壊化合物、HIVヌクレオカプシドp7(NCp7)阻害剤、HIV p24カプシドタンパク質阻害剤)、薬物動態エンハンサー、免疫ベースの治療薬(例えば、Pd−1調節因子、Pd−L1調節因子、トール様受容体調節因子、IL−15アゴニスト)、HIV抗体、二重特異性抗体および「抗体様」治療用タンパク質(例えば、DARTs(登録商標)、Duobodies(登録商標)、Bites(登録商標)、XmAbs(登録商標)、TandAbs(登録商標)、Fab誘導体)(HIV gp120またはgp41を標的とするものが含まれる)、HIVのための併用薬物、HIV p17マトリックスタンパク質阻害剤、IL−13アンタゴニスト、ペプチジル−プロリルシス−トランスイソメラーゼA調節因子、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ阻害剤、補体C5a受容体アンタゴニスト、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、HIV vif遺伝子調節因子、HIV−1ウイルス感染性因子阻害剤、TATタンパク質阻害剤、HIV−1 Nef調節因子、Hckチロシンキナーゼ調節因子、混合系統キナーゼ−3(MLK−3)阻害剤、HIV−1スプライシング阻害剤、Revタンパク質阻害剤、インテグリンアンタゴニスト、核タンパク質阻害剤、スプライシング因子調節因子、COMMドメイン含有タンパク質1調節因子、HIVリボヌクレアーゼH阻害剤、レトロサイクリン調節因子、CDK−9阻害剤、樹状突起特異的ICAM−3結合ノンインテグリン1阻害剤、HIV GAGタンパク質阻害剤、HIV POLタンパク質阻害剤、補体因子H調節因子、ユビキチンリガーゼ阻害剤、デオキシシチジンキナーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤プロタンパク質コンバターゼPC9刺激物質、ATP依存性RNAヘリカーゼDDX3X阻害剤、逆転写酵素プライミング複合体阻害剤、PI3K阻害剤、WO2013/006738(Gilead Sciences)、US2013/0165489(University of Pennsylvania)、WO2013/091096A1(Boehringer Ingelheim)、WO2009/062285(Boehringer Ingelheim)、US20140221380(Japan Tobacco)、US20140221378(Japan Tobacco)、WO2010/130034(Boehringer Ingelheim)、WO2013/159064(Gilead Sciences)、WO2012/145728(Gilead Sciences)、WO2012/003497(Gilead Sciences)、WO2014/100323(Gilead Sciences)、WO2012/145728(Gilead Sciences)、WO2013/159064(Gilead Sciences)、およびWO2012/003498(Gilead Sciences)、およびWO2013/006792(Pharma Resources)に開示されているものなどの化合物、ならびにHIVを処置するための他の薬物、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、追加的な治療剤はさらに、Vif二量体化アンタゴニストおよびHIV遺伝子療法剤(HIV gene therapy)から選択される。
【0113】
ある特定の実施形態では、追加的な治療剤は、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシドまたは非ヌクレオチド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(またはアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、薬物動態エンハンサー、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
【0114】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物は錠剤として製剤化され、この錠剤は、HIVの処置にとって有用な1つまたは複数の他の化合物を任意選択で含有してもよい。ある特定の実施形態では、錠剤は、HIVを処置するための別の活性成分、例えばHIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシドまたは非ヌクレオチド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(またはアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、薬物動態エンハンサー、およびこれらの組合せを含有してもよい。
【0115】
ある特定の実施形態では、このような錠剤は、1日1回の投薬にとって好適である。
【0116】
ある特定の実施形態では、追加的な治療剤は、以下のうちの1つまたは複数から選択される。
(1)ATRIPLA(登録商標)(エファビレンツ+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、COMPLERA(登録商標)(EVIPLERA)(登録商標)、リルピビリン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、STRIBILD(登録商標)(エルビテグラビル+コビシスタット+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、ドルテグラビル+アバカビル硫酸塩+ラミブジン、TRIUMEQ(登録商標)(ドルテグラビル+アバカビル+ラミブジン)、ラミブジン+ネビラピン+ジドブジン、ドルテグラビル+リルピビリン、アタザナビル硫酸塩+コビシスタット、ダルナビル+コビシスタット、エファビレンツ+ラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩+エムトリシタビン+コビシスタット+エルビテグラビル、Vacc−4x+ロミデプシン、ダルナビル+テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩+エムトリシタビン+コビシスタット、APH−0812、ラルテグラビル+ラミブジン、KALETRA(登録商標)(ALUVIA(登録商標)、ロピナビル+リトナビル)、アタザナビル硫酸塩+リトナビル、COMBIVIR(登録商標)(ジドブジン+ラミブジン、AZT+3TC)、EPZICOM(登録商標)(Livexa(登録商標)、アバカビル硫酸塩+ラミブジン、ABC+3TC)、TRIZIVIR(登録商標)(アバカビル硫酸塩+ジドブジン+ラミブジン、ABC+AZT+3TC)、TRUVADA(登録商標)(テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン、TDF+FTC)、テノホビル+ラミブジンおよびラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩からなる群から選択される併用薬物、ならびにドルテグラビル+リルピビリン塩酸塩、アタザナビル+コビシスタット、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩+エムトリシタビン、テノホビルアラフェナミド+エムトリシタビン、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩+エムトリシタビン+リルピビリン、テノホビルアラフェナミド+エムトリシタビン+リルピビリン、ドラビリン+ラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、ドラビリン+ラミブジン+テノホビルジソプロキシルから選択される併用薬物;
(2)アンプレナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、インジナビル、インジナビル硫酸塩、ロピナビル、リトナビル、ネルフィナビル、ネルフィナビルメシル酸塩、サキナビル、サキナビルメシル酸塩、チプラナビル、ブレカナビル、ダルナビル、DG−17、TMB−657(PPL−100)、およびTMC−310911からなる群から選択されるHIVプロテアーゼ阻害剤;
(3)デラビルジン、デラビルジンメシル酸塩、ネビラピン、エトラビリン、ダピビリン、ドラビリン、リルピビリン、エファビレンツ、KM−023、VM−1500、レンチナン、およびAIC−292からなる群から選択される、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシドまたは非ヌクレオチド阻害剤;
(4)VIDEX(登録商標)およびVIDEX(登録商標)EC(ジダノシン、ddl)、ジドブジン、エムトリシタビン、ジダノシン、スタブジン、ザルシタビン、ラミブジン、センサブジン、アバカビル、アバカビル硫酸塩、アムドキソビル、エルブシタビン、アロブジン、ホスファジド、フォジブジンチドキシル(fozivudine tidoxil)、アプリシタビン、アムドキソビル、KP−1461、フォサルブジンチドキシル(fosalvudine tidoxil)、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、アデホビル、アデホビルジピボキシル、およびフェスチナビルからなる群から選択される、逆転写酵素のHIVヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤;
(5)クルクミン、クルクミンの誘導体、チコリ酸、チコリ酸の誘導体、3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸の誘導体、アウリントリカルボン酸、アウリントリカルボン酸の誘導体、カフェイン酸フェネチルエステル、カフェイン酸フェネチルエステルの誘導体、チルホスチン、チルホスチンの誘導体、クエルセチン、クエルセチンの誘導体、ラルテグラビル、エルビテグラビル、ドルテグラビル、およびカボテグラビルからなる群から選択されるHIVインテグラーゼ阻害剤、ならびにJTK−351から選択されるHIVインテグラーゼ阻害剤;
(6)CX−05168、CX−05045、およびCX−14442からなる群から選択される、HIV非触媒部位またはアロステリックのインテグラーゼ阻害剤(NCINI);
(7)エンフビルチド、シフビルチド(sifuvirtide)、およびアルブビルチド(albuvirtide)からなる群から選択されるHIV gp41阻害剤;
(8)セニクリビロックからなる群から選択されるHIV侵入阻害剤;
(9)Radha−108(Receptol)およびBMS−663068からなる群から選択されるHIV gp120阻害剤;
(10)アプラビロック、ヴィクリヴィロック、マラビロク、セニクリビロック、PRO−140、Adaptavir(RAP−101)、TBR−220(TAK−220)、ニフェビロック(nifeviroc)(TD−0232)、TD−0680、およびvMIP(Haimipu)からなる群から選択されるCCR5阻害剤;
(11)イバリズマブからなる群から選択されるCD4結合阻害剤;
(12)プレリキサホル、ALT−1188、vMIP、およびHaimipuからなる群から選択されるCXCR4阻害剤;
(13)コビシスタットおよびリトナビルからなる群から選択される薬物動態エンハンサー;
(14)デルマビル、インターロイキン−7、プラケニル(ヒドロキシクロロキン)、プロロイキン(アルデスロイキン、IL−2)、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファ−n3、ペグ化インターフェロンアルファ、インターフェロンガンマ、ヒドロキシ尿素、ミコフェノール酸モフェチル(MPA)およびそのエステル誘導体ミコフェノール酸モフェチル(MMF)、WF−10、リバビリン、IL−2、IL−12、ポリマーポリエチレンイミン(PEI)、Gepon、VGV−1、MOR−22、BMS−936559、トール様受容体調節因子(TLR−1、TLR−2、TLR−3、TLR−4、TLR−5、TLR−6、TLR−7、TLR−8、TLR−9、TLR−10、TLR−11、TLR−12およびTLR−13)、リンタトリモド、ならびにIR−103からなる群から選択される免疫ベースの治療薬;
(15)ペプチドワクチン、組換えサブユニットタンパク質ワクチン、生ベクターワクチン、DNAワクチン、ウイルス様粒子ワクチン(シュードビリオンワクチン(pseudovirion vaccine))、CD4由来ペプチドワクチン、ワクチンの組合せ、rgp120(AIDSVAX)、ALVAC HIV(vCP1521)/AIDSVAX B/E(gp120)(RV144)、Remune、ITV−1、Contre Vir、Ad5−ENVA−48、DCVax−001(CDX−2401)、PEP−6409、Vacc−4x、Vacc−C5、VAC−3S、マルチクレードDNA組換えアデノウイルス−5(rAd5)、Pennvax−G、VRC−HIV MAB060−00−AB、AVX−101、Tat Oyiワクチン、AVX−201、HIV−LAMP−vax、Ad35、Ad35−GRIN、NAcGM3/VSSP ISA−51、ポリ−ICLCアジュバント添加ワクチン、TatImmune、GTU−マルチHIV(FIT−06)、AGS−004、gp140[デルタ]V2.TV1+MF−59、rVSVIN HIV−1 gagワクチン、SeV−Gagワクチン、AT−20、DNK−4、Ad35−GRIN/ENV、TBC−M4、HIVAX、HIVAX−2、NYVAC−HIV−PT1、NYVAC−HIV−PT4、DNA−HIV−PT123、Vichrepol、rAAV1−PG9DP、GOVX−B11、GOVX−B21、ThV−01、TUTI−16、VGX−3300、TVI−HIV−1、Ad−4(Ad4−env Clade C+Ad4−mGag)、EN41−UGR7C、EN41−FPA2、PreVaxTat、TL−01、SAV−001、AE−H、MYM−V101、CombiHIVvac、ADVAX、MYM−V201、MVA−CMDR、ETV−01、およびDNA−Ad5 gag/pol/nef/nev(HVTN505)からなる群から選択されるHIVワクチン、ならびに単量体gp120 HIV−1サブタイプCワクチン(Novartis)、HIV−TriMix−mRNA、MVATG−17401、ETV−01、CDX−1401、およびrcAd26.MOS1.HIV−Envから選択されるHIVワクチン;
(16)バビツキシマブ、UB−421、C2F5、C2G12、C4E10、C2F5+C2G12+C4E10、3−BNC−117、PGT145、PGT121、MDX010(イピリムマブ)、VRC01、A32、7B2、10E8、およびVRC07からなる群から選択される、HIV抗体、二重特異性抗体および「抗体様」治療用タンパク質(例えば、DARTs(登録商標)、Duobodies(登録商標)、Bites(登録商標)、XmAbs(登録商標)、TandAbs(登録商標)、Fab誘導体)(BMS−936559、TMB−360、およびHIV gp120またはgp41を標的とするものが含まれる)、ならびにVRC−07−523などのHIV抗体;
(17)ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(例えば、ロミデプシン、ボリノスタット、パノビノスタット);プロテアソーム阻害剤(例えば、Velcade);タンパク質キナーゼC(PKC)活性化因子(例えば、Indolactam、Prostratin、Ingenol B、およびDAG−ラクトン、Ionomycin、GSK−343、PMA、SAHA、BRD4阻害剤、IL−15、JQ1、ジスルフィラム(disulfram)、およびアムホテリシンB)からなる群から選択される潜伏逆転剤;
(18)アゾジカルボンアミドからなる群から選択されるHIVヌクレオカプシドp7(NCp7)阻害剤;
(19)BMS−955176およびGSK−2838232からなる群から選択されるHIV成熟阻害剤;
(20)イデラリシブ、AZD−8186、ブパルリシブ、CLR−457、ピクチリシブ、ネラチニブ、リゴセルチブ、リゴセルチブナトリウム、EN−3342、TGR−1202、アルペリシブ、ドゥベリシブ、UCB−5857、タセリシブ、XL−765、ジェダトリシブ、VS−5584、コパンリシブ、オロチン酸CAI、ペリホシン、RG−7666、GSK−2636771、DS−7423、パヌリシブ、GSK−2269557、GSK−2126458、CUDC−907、PQR−309、INCB−040093、ピララリシブ、BAY−1082439、プキチニブメシレート、SAR−245409、AMG−319、RP−6530、ZSTK−474、MLN−1117、SF−1126、RV−1729、ソノリシブ、LY−3023414、SAR−260301、およびCLR−1401からなる群から選択されるPI3K阻害剤;
(21)WO2004/096286(Gilead Sciences)、WO2006/110157(Gilead Sciences)、WO2006/015261(Gilead Sciences)、WO2013/006738(Gilead Sciences)、US2013/0165489(University of Pennsylvania)、US20140221380(Japan Tobacco)、US20140221378(Japan Tobacco)、WO2013/006792(Pharma Resources)、WO2009/062285(Boehringer Ingelheim)、WO2010/130034(Boehringer Ingelheim)、WO2013/091096A1(Boehringer Ingelheim)、WO2013/159064(Gilead Sciences)、WO2012/145728(Gilead Sciences)、WO2012/003497(Gilead Sciences)、WO2014/100323(Gilead Sciences)、WO2012/145728(Gilead Sciences)、WO2013/159064(Gilead Sciences)、およびWO2012/003498(Gilead Sciences)に開示されている化合物;ならびに
(22)BanLec、MK−8507、AG−1105、TR−452、MK−8591、REP 9、CYT−107、アリスポリビル、NOV−205、IND−02、メテンケファリン(metenkefalin)、PGN−007、エースマンナン、Gamimune、Prolastin、1,5−ジカフェオイルキナ酸、BIT−225、RPI−MN、VSSP、Hlviral、IMO−3100、SB−728−T、RPI−MN、VIR−576、HGTV−43、MK−1376、rHIV7−shl−TAR−CCR5RZ、MazF遺伝子治療薬、BlockAide、ABX−464、SCY−635、ナルトレキソン、およびPA−1050040(PA−040)からなる群から選択される、HIVを処置するための他の薬物;ならびにAAV−eCD4−Ig遺伝子治療薬、TEV−90110、TEV−90112、TEV−90111、TEV−90113、デフェリプロン、およびHS−10234から選択される、HIVを処置するための他の薬物。
【0117】
ある特定の実施形態では、追加的な治療剤は、US2014−0221356(Gilead Sciences,Inc.)に開示されている化合物、例えば(2R,5S,13aR)−N−(2,4−ジフルオロベンジル)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−10−カルボキサミド、(2S,5R,13aS)−N−(2,4−ジフルオロベンジル)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−10−カルボキサミド、(1S,4R,12aR)−N−(2,4−ジフルオロベンジル)−7−ヒドロキシ−6,8−ジオキソ−1,2,3,4,6,8,12,12a−オクタヒドロ−1,4−メタノジピリド[1,2−a:1’,2’−d]ピラジン−9−カルボキサミド、(1R,4S,12aR)−7−ヒドロキシ−6,8−ジオキソ−N−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−1,2,3,4,6,8,12,12a−オクタヒドロ−1,4−メタノジピリド[1,2−a:1’,2’−d]ピラジン−9−カルボキサミド、(2R,5S,13aR)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−N−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−10−カルボキサミド、および(1R,4S,12aR)−N−(2,4−ジフルオロベンジル)−7−ヒドロキシ−6,8−ジオキソ−1,2,3,4,6,8,12,12a−オクタヒドロ−1,4−メタノジピリド[1,2−a:1’,2’−d]ピラジン−9−カルボキサミド、US2015−0018298(Gilead Sciences,Inc.)およびUS2015−0018359(Gilead Sciences,Inc.)に開示されている化合物である。
【0118】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多くの追加的な治療剤と組み合わせる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、2つの追加的な治療剤と組み合わせる。他の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、3つの追加的な治療剤と組み合わせる。さらなる実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、4つの追加的な治療剤と組み合わせる。この1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多くの追加的な治療剤は、同じクラスの治療剤から選択される異なる治療剤であってもよく、かつ/あるいはこれらの治療剤は、異なるクラスの治療剤から選択されてもよい。
【0119】
特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、逆転写酵素のHIVヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、および逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤と組み合わせる。別の特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、逆転写酵素のHIVヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、およびHIVプロテアーゼ阻害性化合物と組み合わせる。さらなる実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、逆転写酵素のHIVヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤、およびHIVプロテアーゼ阻害性化合物と組み合わせる。さらなる実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、逆転写酵素のHIVヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤、および薬物動態エンハンサーと組み合わせる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、逆転写酵素のHIVヌクレオシド阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、および薬物動態エンハンサーから選択される、1つまたは複数の追加的な治療剤と組み合わせる。別の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、2つの、逆転写酵素のHIVヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤と組み合わせる。
【0120】
特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、Triumeq(登録商標)(ドルテグラビル+アバカビル+ラミブジン)、ドルテグラビル+アバカビル硫酸塩+ラミブジン、ラルテグラビル、Truvada(登録商標)(テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン、TDF+FTC)、マラビロク、エンフビルチド、Epzicom(登録商標)(Livexa(登録商標)、アバカビル硫酸塩+ラミブジン、ABC+3TC)、Trizivir(登録商標)(アバカビル硫酸塩+ジドブジン+ラミブジン、ABC+AZT+3TC)、アデホビル、アデホビルジピボキシル、Stribild(登録商標)(エルビテグラビル+コビシスタット+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、リルピビリン、リルピビリン塩酸塩、Complera(登録商標)(Eviplera(登録商標)、リルピビリン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、コビシスタット、Atripla(登録商標)(エファビレンツ+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、アタザナビル、アタザナビル硫酸塩、ドルテグラビル、エルビテグラビル、Aluvia(登録商標)(Kaletra(登録商標)、ロピナビル+リトナビル)、リトナビル、エムトリシタビン、アタザナビル硫酸塩+リトナビル、ダルナビル、ラミブジン、Prolastin、ホスアンプレナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、エファビレンツ、Combivir(登録商標)(ジドブジン+ラミブジン、AZT+3TC)、エトラビリン、ネルフィナビル、ネルフィナビルメシル酸塩、インターフェロン、ジダノシン、スタブジン、インジナビル、インジナビル硫酸塩、テノホビル+ラミブジン、ジドブジン、ネビラピン、サキナビル、サキナビルメシル酸塩、アルデスロイキン、ザルシタビン、チプラナビル、アンプレナビル、デラビルジン、デラビルジンメシル酸塩、Radha−108(Receptol)、Hlviral、ラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、エファビレンツ+ラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、ホスファジド、ラミブジン+ネビラピン+ジドブジン、アバカビル、アバカビル硫酸塩、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、およびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩から選択される、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多くの追加的な治療剤と組み合わせる。ある特定の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多くの追加的な治療剤はさらに、ラルテグラビル+ラミブジン、アタザナビル硫酸塩+コビシスタット、アタザナビル+コビシスタット、ダルナビル+コビシスタット、ダルナビル+コビシスタット、アタザナビル硫酸塩+コビシスタット、アタザナビル+コビシスタットから選択される。
【0121】
特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、Triumeq(登録商標)(ドルテグラビル+アバカビル+ラミブジン)、ドルテグラビル+アバカビル硫酸塩+ラミブジン、ラルテグラビル、Truvada(登録商標)(テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン、TDF+FTC)、マラビロク、エンフビルチド、Epzicom(登録商標)(Livexa(登録商標)、アバカビル硫酸塩+ラミブジン、ABC+3TC)、Trizivir(登録商標)(アバカビル硫酸塩+ジドブジン+ラミブジン、ABC+AZT+3TC)、アデホビル、アデホビルジピボキシル、Stribild(登録商標)(エルビテグラビル+コビシスタット+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、リルピビリン、リルピビリン塩酸塩、Complera(登録商標)(Eviplera(登録商標)、リルピビリン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、コビシスタット、Atripla(登録商標)(エファビレンツ+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、アタザナビル、アタザナビル硫酸塩、ドルテグラビル、エルビテグラビル、Aluvia(登録商標)(Kaletra(登録商標)、ロピナビル+リトナビル)、リトナビル、エムトリシタビン、アタザナビル硫酸塩+リトナビル、ダルナビル、ラミブジン、Prolastin、ホスアンプレナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、エファビレンツ、Combivir(登録商標)(ジドブジン+ラミブジン、AZT+3TC)、エトラビリン、ネルフィナビル、ネルフィナビルメシル酸塩、インターフェロン、ジダノシン、スタブジン、インジナビル、インジナビル硫酸塩、テノホビル+ラミブジン、ジドブジン、ネビラピン、サキナビル、サキナビルメシル酸塩、アルデスロイキン、ザルシタビン、チプラナビル、アンプレナビル、デラビルジン、デラビルジンメシル酸塩、Radha−108(Receptol)、Hlviral、ラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、エファビレンツ+ラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、ホスファジド、ラミブジン+ネビラピン+ジドブジン、(2R,5S,13aR)−N−(2,4−ジフルオロベンジル)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−10−カルボキサミド、(2S,5R,13aS)−N−(2,4−ジフルオロベンジル)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−10−カルボキサミド、(1S,4R,12aR)−N−(2,4−ジフルオロベンジル)−7−ヒドロキシ−6,8−ジオキソ−1,2,3,4,6,8,12,12a−オクタヒドロ−1,4−メタノジピリド[1,2−a:1’,2’−d]ピラジン−9−カルボキサミド、(1R,4S,12aR)−7−ヒドロキシ−6,8−ジオキソ−N−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−1,2,3,4,6,8,12,12a−オクタヒドロ−1,4−メタノジピリド[1,2−a:1’,2’−d]ピラジン−9−カルボキサミド、(2R,5S,13aR)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−N−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−10−カルボキサミド、および(1R,4S,12aR)−N−(2,4−ジフルオロベンジル)−7−ヒドロキシ−6,8−ジオキソ−1,2,3,4,6,8,12,12a−オクタヒドロ−1,4−メタノジピリド[1,2−a:1’,2’−d]ピラジン−9−カルボキサミド、アバカビル、アバカビル硫酸塩、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、およびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩から選択される、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多くの追加的な治療剤と組み合わせる。
【0122】
特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、アバカビル硫酸塩、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、またはテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩と組み合わせる。
【0123】
特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、またはテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩と組み合わせる。
【0124】
特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、アバカビル硫酸塩、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、およびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩からなる群から選択される第1の追加的な治療剤と、エムトリシタビンおよびラミブジンからなる群から選択される第2の追加的な治療剤と組み合わせる。
【0125】
特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、およびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩からなる群から選択される第1の追加的な治療剤と、エムトリシタビンである第2の追加的な治療剤と組み合わせる。
【0126】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、5〜30mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、またはテノホビルアラフェナミドと、200mgのエムトリシタビンと組み合わせる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、5〜10mg、5〜15mg、5〜20mg、5〜25mg、25〜30mg、20〜30mg、15〜30mg、または10〜30mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、またはテノホビルアラフェナミドと、200mgのエムトリシタビンと組み合わせる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、10mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、またはテノホビルアラフェナミドと、200mgのエムトリシタビンと組み合わせる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、25mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、またはテノホビルアラフェナミドと、200mgのエムトリシタビンと組み合わせる。本開示の化合物(例えば、式(X)または(Y)の化合物)は、投薬の各組合せが具体的かつ個別に列挙されている場合と同じに、この化合物の任意の投薬量(例えば、1mg〜500mgの化合物)で本明細書に提供される薬剤と組み合わせることができる。
【0127】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、200〜400mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、またはテノホビルジソプロキシルと、200mgのエムトリシタビンと組み合わせる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、200〜250mg、200〜300mg、200〜350mg、250〜350mg、250〜400mg、350〜400mg、300〜400mg、または250〜400mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、またはテノホビルジソプロキシルと、200mgのエムトリシタビンと組み合わせる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、300mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、またはテノホビルジソプロキシルと、200mgのエムトリシタビンと組み合わせる。本開示の化合物(例えば、式(X)または(Y)の化合物)は、投薬の各組合せが具体的かつ個別に列挙されている場合と同じに、この化合物の任意の投薬量(例えば、50mg〜500mgの化合物)で本明細書に提供される薬剤と組み合わせることができる。本開示の化合物(例えば、式(X)または(Y)の化合物)は、投薬の各組合せが具体的かつ個別に列挙されている場合と同じに、この化合物の任意の投薬量(例えば、約1mg〜約150mgの化合物)で本明細書に提供される薬剤と組み合わせることができる。
【0128】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、(2R,5S,13aR)−N−(2,4−ジフルオロベンジル)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−10−カルボキサミド、(2S,5R,13aS)−N−(2,4−ジフルオロベンジル)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−10−カルボキサミド、(1S,4R,12aR)−N−(2,4−ジフルオロベンジル)−7−ヒドロキシ−6,8−ジオキソ−1,2,3,4,6,8,12,12a−オクタヒドロ−1,4−メタノジピリド[1,2−a:1’,2’−d]ピラジン−9−カルボキサミド、(1R,4S,12aR)−7−ヒドロキシ−6,8−ジオキソ−N−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−1,2,3,4,6,8,12,12a−オクタヒドロ−1,4−メタノジピリド[1,2−a:1’,2’−d]ピラジン−9−カルボキサミド、(2R,5S,13aR)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−N−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−10−カルボキサミド、または(1R,4S,12aR)−N−(2,4−ジフルオロベンジル)−7−ヒドロキシ−6,8−ジオキソ−1,2,3,4,6,8,12,12a−オクタヒドロ−1,4−メタノジピリド[1,2−a:1’,2’−d]ピラジン−9−カルボキサミドと組み合わせる。
【0129】
また、HIVを処置または予防する方法において使用するための、本開示の化合物(例えば、式(X)もしくは(Y)の化合物)または薬学的に許容されるその塩、およびHIVを処置するための1つまたは複数の追加的な治療剤も、本明細書に提供される。
【0130】
また、HIVを処置または予防する方法において使用するための、本開示の化合物(例えば、式(X)もしくは(Y)の化合物)または薬学的に許容されるその塩も、本明細書に提供され、ここで、この化合物または薬学的に許容されるその塩は、HIVを処置するための1つまたは複数の追加的な治療剤と同時に、別々に、あるいは順次投与される。
【0131】
ある特定の実施形態では、ヒトにおけるがんなどの過剰増殖性障害を処置するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、治療有効量の1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、1つもしくは2つ、または1つ〜3つ)の追加的な治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法が提供される。一実施形態では、ヒトにおけるがんなどの過剰増殖性障害を処置するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、治療有効量の1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、1つもしくは2つ、または1つ〜3つ)の追加的な治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法が提供される。
【0132】
本開示は、本開示のいくつかの実施形態を例証することを意図したこれらの例において開示される特定の実施形態によって範囲を限定されず、本開示は、本開示の範囲内の機能的に均等ないかなる実施形態によっても限定されない。実際、本明細書に示され、記載されたものに加えて、本開示の様々な修正形態が当業者には明らかとなり、それらは、添付の特許請求の範囲の範囲内に包含されることが意図される。このため、このような有機化合物における認容された省略表記に一致して、1つまたは複数の水素原子またはメチル基が、描かれている構造から省略されている場合があり、有機化学分野の当業者であれば、それらの存在を容易に十分に理解することが留意されるべきである。
【実施例】
【0133】
本明細書に記載される化合物は、本明細書に記載される化合物のTLR−7を調整する能力について測定するための当業者に公知の方法によって、分析することができる。そのような方法については、米国特許第米国特許8,367,670号に記載されている。親化合物(すなわち、化合物(I)および(II))に関するある特定のデータが、それらにおいて報告されている。
【化19】
化合物2:500mLの丸底(round-bottom)に、化合物1(p−シアノベンジルブロミド)およびトルエンを投入した。0℃に冷却した後、窒素下において、シリンジを介して、トルエン中1.0Mの水素化ジイソブチルアルミニウムを30分間かけて少量ずつ添加した。添加が完了したら、反応物をさらに45分間撹拌した。HPLCにより、出発物質が完全に消費されたことが示された。次いで、1.0Mの水性HCl(およそ100mL)を添加した。ガスの発生が止まった後、ジエチルエーテルを添加して、混合物を15分間撹拌した。反応物を、1.0Mの水性HClおよびジエチルエーテルを含有する分液漏斗に移した。層を分離させ、有機相を1.0Mの水性HClおよび水で順番に洗浄した。合わせた水性相は、ジエチルエーテルを用いて抽出した。合わせた有機相は、水およびブラインを用いて順次洗浄した。有機層は、NaSOを用いて乾燥させ、濾過し、濃縮した。ヘキサンを用いた処理によって、粗反応混合物から、生成物を沈殿させた。沈殿物を濾過して、ヘキサンを用いて完全に洗浄した。濾液を収集し、乾燥させて、生成物である化合物2を得た。
化合物3:エタノール中のピロリジン−d(27mmol、98.7% D)の溶液に、炭酸カリウムおよび化合物2を順番に添加した。65℃に設定した油浴中にフラスコを置き、撹拌した。反応の進行は、HPLCによって監視した。ブロミドが完全に消費されたら、反応混合物を室温まで冷却し、セライトパッドで濾過した。このケーキを、さらなるエタノールを用いて洗浄した。濾液は油になるまで濃縮して、DCMおよびNaHCO飽和水溶液(1:1)の間で分配させた。有機相を収集し、水性層はDCMを用いて抽出した。すべての有機層を合わせ、NaSOを用いて乾燥させ、濾過し、濃縮して、化合物3を得た。これを、さらなる精製無しに使用した。
化合物5:化合物4(12.0mmol)、化合物3(10.9mmol)、および1,2−ジクロロエタン(570mmol)の撹拌懸濁物を、23℃で、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(21.9mmol)を少量ずつ用いて処理した。5分後、氷酢酸(21.9mmol)を23℃で滴下添加した。反応の進行は、シリカゲルTLCおよびHPLCによって監視した。反応が完了したら、反応物を、反応物の水性層のpHがおよそ8.0になるまで、NaHCO飽和水溶液を少量ずつ用いて処理した(ガスの発生が止まるまで)。クエンチした反応物を30分間撹拌した。この二相系を、DCMを用いて抽出した(3回)。合わせた有機層を合わせ、NaSOを用いて乾燥させ、濾過し、濃縮した。化合物5を含有する粗残渣を、精製を行わずに次のステップで使用した。
化合物7:テトラヒドロフラン(400mmol)中の化合物6(4.9mmol)の混合物に、室温でトリエチルアミン(9.8mmol)を添加して、混合物を10分間撹拌した。この混合物を、THF(10mL)中の化合物5(4.4mmol)の撹拌溶液に添加した。反応混合物を室温で撹拌して、反応の進行はHPLCによって監視した。出発物質の完全な消費が確認されたら、反応物を濾過して、濾過ケーキを、EtOAcを用いて洗浄した。その後、濾液を、EtOAcおよびNaCOの5%水溶液を含有する分液漏斗に添加した。有機相を収集し、水性相はEtOAcを用いてさらに2回抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。化合物7を含有する粗残渣を、MPLCによって半精製して、さらなる精製を試みることなく、次の反応において使用した。
(例1)
メタノール(500mmol)中の化合物7(2.10mmol)の溶液に、50%w/vのラネーニッケル(4.20mmol、50%w/v、水中スラリー)を添加した。反応容器をHでフラッシュした後、水素雰囲気下で一晩撹拌した。化合物7の消失について、反応をHPLCによって監視した。反応が完了したら、塩化メチレン(190mmol)を添加して、混合物を、CHCl/MeOH(1:1)を複数回に分けてセライトを通して濾過した。濾液を濃縮して、MPLC(SiO、DCM中の5〜20%MeOH、214/254nm)によって精製した。例1を含有する最も純粋な画分をプールして、濃縮することで例1を得た。
1H NMR (400 MHz, cd3od) δ 7.46 - 7.33 (m, 4H), 4.80 (s, 2H), 4.23 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.97 - 3.84 (m, 4H), 1.75 - 1.65 (m, 2H), 1.51 - 1.40 (m, 2H), 0.95 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
(LCMS): ESI+ m/z Calc'd for C22H22D8N6O2 [M+H+]: 419.3; Found: 419.3 [M+H+]
【0134】
予測的PBMCアッセイ
以下のアッセイを使用することで、本発明の化合物を使用したヒト末梢血単核細胞(PMBC)から、24時間でのサイトカイン刺激について決定することができる。このアッセイは、8点の半対数希釈曲線を用いて、2連で実行する。本発明の化合物は、10mMのDMSO溶液から希釈する。IFNαに関しては、細胞上清を直接アッセイして、TNFαに関しては1:10希釈物でアッセイする。これらのアッセイは、Bioorg. Med. Chem. Lett.、16巻、4559頁、(2006年)に記載されている様式と同様の様式で実施される。具体的には、凍結保存されていたPBMCを解凍して、ウェル当たり190μLの細胞培地中、ウェル当たり細胞750,000個となるように、96ウェルプレートに播種する。次いで、PBMCを、5%のCO2の下、37℃で1時間インキュベートする。その後、本発明の化合物を、8点の半対数希釈滴定で、10μLの細胞培地に添加する。プレートを、37℃および5%のCO2で24時間インキュベートした後、1200rpmで10分間回転させる。その後、上清を収集して、これを−80℃で保管する。サイトカイン分泌については、LuminexおよびUpstateのマルチプレックスキットによって、Luminexの分析装置を使用してアッセイする。化合物に関するIFN−α MEC値とは、その化合物が、上のアッセイ方法を使用して決定した場合に、バックグラウンドの少なくとも3倍でIFN−αの産生を刺激した、最も低い濃度のことである。
【0135】
式(X)または(Y)の化合物はまた、カニクイザル、マウス、および健康なウッドチャックにおいて、免疫調節性サイトカインの発現を誘導するそれらの能力について試験することもできる。さらにまた、式(X)または(Y)の化合物は、慢性的に感染しているイースタンウッドチャック(Marmota monax)のウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)に対してセロコンバージョンを引き起こすそれらの能力について試験することもできる。これは、当分野で認められた、ヒトにおけるHBV感染症についてのモデル系である(例えば、Tennant, B. C.、Animal models of hepatitis B virus infection、Clin. Liver Dis.、3巻:241〜266頁(1999年);Menne, S.およびP. J. Cote、The woodchuck as an animal model for pathogenesis and therapy of chronic hepatitis B virus infection、World J. Gastroenterol.13巻:104〜124頁(2007年);ならびにKorba BEら、Treatment of chronic WHV infection in the Eastern woodchuck (M. monax) with nucleoside analogues is predictive of therapy for chronic hepatitis B virus infection in man、Hepatology、31巻:1165〜1175頁(2000年)を参照されたい)。
【0136】
カニクイザルにおける化合物によるインターフェロンアルファの予測的誘導
1用量の式(X)または(Y)の化合物を、カニクイザルに経口投与または静脈内投与して(用量群当たり3頭またはそれよりも多い動物)、血清を投薬後4時間および8時間で収集する。ELISAによって、血清試料を、インターフェロン−アルファのレベルに関して分析する。投薬前では、各動物において、インターフェロン−アルファの血清レベルは、通常、検出レベル付近またはそれ未満である。カニクイザルのIFN−α標準に基づく、IFN−αの定量下限(LOQ)は、約625pg/mLである。加えて、複数用量の化合物がカニクイザルに投与されてもよく、インターフェロンアルファの濃度を測定した。
【0137】
マウスにおける化合物によるサイトカインの予測的誘導
式(X)または(Y)の化合物は、CD−1マウスにおいて、0.5mg/kgまたは2.5mg/kgで、通常は経口強制栄養法によって、1日当たり1回またはそれよりも多く、14日間にわたって投与することができる。1日目および14日目にマウスの血清試料を収集して、以下の方法を使用して、サイトカインの血清レベルを決定する。試料は氷上で解凍して、アッセイ希釈剤で2倍に希釈する。インターフェロン−αに関するアッセイは、ELISA(VeriKine(商標)マウスインターフェロンアルファ(Mu−IFN−α)ELISAキット、製品番号:42100−1、PBL Biomedical Laboratories、New Brunswick、New Jersey)によって行い、その他の血清サイトカインについては、LuminexおよびMilliplexのビーズキットを用いてアッセイする。サイトカインレベルは、フィット=(A+((B−A)/(1+(((B−E)/(E−A))*((x/C)^D)))))を使用する、データの補間用の非線形の5点パラメーター曲線を使用して決定する。
【0138】
健康なウッドチャックにおける化合物によるサイトカインの予測的誘導
式(X)または(Y)の化合物は、成体のWHV陰性ウッドチャックに、1つまたは複数の異なる用量で経口投与することができる。3匹の雄のウッドチャックが、約0.1〜約0.05mg/kgで、式(X)または(Y)の化合物を受容し、3匹の他の雄のウッドチャックは、より高い用量で受容する。EDTA含有収集チューブを使用して、各ウッドチャックから、投薬前のT0において、次いで投与の4時間後、8時間後、12時間後、および24時間後に全血試料(4ml)を収集する。
【0139】
化合物の投与後のウッドチャックにおける免疫応答の誘導については、異なる時間点で収集した全血試料において、サイトカインおよびインターフェロン誘導性遺伝子のmRNA発現を測定することによって決定される。製造業者の仕様に従って、QIAamp RNA Blood Mini Kit(Qiagen)を使用して、全RNAを単離する。RNAは、40μlのヌクレアーゼを含まない水に溶出し、−70℃で保管する。RNAの濃度は、分光光度的に、OD 260nmで決定する。2μgのRNAを、DNase I(Invitrogen)を用いて処理し、ランダムヘキサマーを使用して、MultiScribe Reverse Transcriptase(Applied Biosystems)でcDNAへと逆転写する。3連の2μlのcDNAを、SYBR GREEN Master Mix(Applied Biosystems)およびウッドチャック特異的なプライマーを使用して、ABI PRISM 7000配列検出装置(Applied Biosystems)においてリアルタイムPCRで増幅させた。増幅させた標的遺伝子は、IFN−α、IFN−γ、TNF−α、IL−2、IL−6、IL−10、IL−12、2’5’−OAS、IDO、およびMxAを含む。標的遺伝子発現を正規化するために、ウッドチャックβ−アクチンmRNA発現を使用する。ウッドチャックのサイトカインおよびインターフェロン誘導性遺伝子の転写レベルは、式2ΔCtによって表され、ここで、ΔCtは、β−アクチンと標的遺伝子発現との間の閾値サイクルにおける差異を示す。結果はさらに、T0での転写レベルからの倍数変化として表すことができる。
【0140】
ウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)に慢性的に感染しているウッドチャックにおける予測的セロコンバージョン
ウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)の慢性キャリアである、群当たり5匹のウッドチャックに、式(X)もしくは(Y)の化合物、またはプラセボを経口投与する。化合物は、約1〜約0.5mg/kg/日の用量で28日間投与することができる。投薬前、ならびに28日間の投薬期間中およびその期間後に複数回、血液試料を収集する。化合物の抗ウイルス活性については、処置されたWHVキャリアであるウッドチャックの血清WHVのDNAを、ビヒクルを受容した対照のWHVキャリアであるウッドチャックと比較することによって評価する。慢性的に感染している動物においてセロコンバージョンを引き起こす化合物の能力については、感染している動物におけるウッドチャック肝炎ウイルス表面抗原に対する抗体(抗WHsAg)の血清レベルを、プラセボで処置した動物の抗WHsAg抗体レベルと比較することによって評価する。
【0141】
この研究において使用されるウッドチャックは、WHV陰性の雌から生まれ、環境的に制御された実験動物施設において飼育される。ウッドチャックに、3日齢において、標準化WHV接種物(cWHV7P1またはWHV7P2)の500万のウッドチャック感染量を接種する。使用するために選択されたウッドチャックは、WHV表面抗原(WHsAg)血清抗原血症に罹り、慢性WHVキャリアとなる。これらのウッドチャックの慢性キャリア状態は、薬物処置を開始する前に確認される。
【0142】
血清WHVのDNA濃度は、処置前、処置中、および処置後の追跡調査期間中に、頻繁に間隔を置いて測定される。血清試料中のWHVウイルス血症については、WHV組換えDNAプラスミド(pWHV8)の標準的希釈系列と比較することで、3つの反復体積(10μl)の未希釈の血清を使用して、ドットブロットハイブリダイゼーションによって評価する(感度、1ml当たり1.0×10のWHVゲノム当量[WHVge/ml])。
【0143】
ウッドチャック肝炎ウイルス表面抗原(WHsAg)およびWHsAgに対する抗体(抗WHs)のレベルについては、WHV特異的酵素イムノアッセイを使用して、処置前、処置中、および処置後の追跡調査期間中に、頻繁に間隔を置いて決定される。
【0144】
式(X)または(Y)の化合物の抗ウイルス活性については、処置されたWHVキャリアであるウッドチャックの血清WHVのDNAおよび肝臓のWHV核酸を、ビヒクルを受容した対照のWHVキャリアであるウッドチャックと比較することによって評価する。セロコンバージョンを引き起こすために必要とされる化合物の免疫刺激活性については、WHsAgおよびWHsAgに対する抗体(抗WHsAg)の血清レベルを比較することによって評価する。
【0145】
観察される具体的な薬理学的応答は、選択される特定の活性化合物、または薬学的キャリアが存在するかどうか、ならびに製剤の種類および用いられる投与の様式に従い、かつそれらに応じて変化し得る。このような結果において予期される変動または差異は、本発明の実践に従って企図されるものである。加えて、本明細書に記載されるこれらの例は、アッセイの全体的性質を変更すること無しに、当業者に公知のある特定の方法で修正できることが理解される。
【0146】
理解を明瞭にする目的で、例証および例示によってある程度詳細に上記の発明について記載してきたが、当業者であれば、ある特定の変更および修正形態が、添付の特許請求の範囲の範囲内で実践できることを理解する。加えて、本明細書に提供される各参考文献は、各参考文献が参照により個別に組み込まれたのと同程度に、その全体が参照により組み込まれる。本出願と本明細書に提供される参考文献との間で矛盾が存在する場合、本出願が優先するものとする。
【手続補正書】
【提出日】2018年4月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式、
【化20】
[式中、R〜R29は、各々独立して、水素および重水素から選択され、式中R〜R29のうちの少なくとも1つは重水素である]の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項2】
式(X)の化合物である、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項3】
式(Y)の化合物である、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項4】
〜R29のうちの少なくとも2つが重水素である、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項5】
〜R29のうちの少なくとも3つが重水素である、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項6】
〜R29のうちの少なくとも4つが重水素である、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項7】
〜R29のうちの少なくとも5つが重水素である、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項8】
〜R29のうちの少なくとも6つが重水素である、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項9】
〜R29のうちの少なくとも7つが重水素である、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項10】
〜R29のうちの少なくとも8つが重水素である、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項11】
〜R29のうちの少なくとも9つが重水素である、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項12】
〜R29のうちの少なくとも1つが、独立して、約10%以上の重水素濃縮度を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
〜R29のうちの少なくとも1つが、独立して、約50%以上の重水素濃縮度を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
〜R29のうちの少なくとも1つが、独立して、約90%以上の重水素濃縮度を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
〜R29のうちの少なくとも1つが、独立して、約98%以上の重水素濃縮度を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
〜R29のうちの少なくとも1つが、独立して、約99%以上の重水素濃縮度を有する、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
から選択される、請求項1または3から16のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項18】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
から選択される、請求項1、2または4から16のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
【請求項19】
Dとして表される各位置が、約10%以上の重水素濃縮度を有する、請求項17または18に記載の化合物。
【請求項20】
Dとして表される各位置が、約50%以上の重水素濃縮度を有する、請求項17から19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
Dとして表される各位置が、約90%以上の重水素濃縮度を有する、請求項17から20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
Dとして表される各位置が、約98%以上の重水素濃縮度を有する、請求項17から21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
Dとして表される各位置が、約99%以上の重水素濃縮度を有する、請求項17から22のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
求項1から23のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項25】
1つまたは複数の追加的な治療剤をさらに含む、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
TLR−7の調整に応答性の疾患または状態を処置または予防するための組成物であって、請求項1から23のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物を含む、組成物
【請求項27】
前記疾患が、ウイルス感染症である、請求項26に記載の組成物
【請求項28】
医学療法において使用するための医薬を製造するための、請求項1から23のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物の使用。
【請求項29】
請求項1から23のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物を含む、医学療法のための組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、本化合物もしくは薬学的に許容されるその塩、または上記の医薬組成物を含むキットも提供される。また、単位用量の、上記の本化合物または薬学的に許容されるその塩を含む製造物品も提供される。また、本開示の化合物を調製する方法も提供される。
特定の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
式、
【化20】
[式中、R〜R29は、各々独立して、水素および重水素から選択され、式中R〜R29のうちの少なくとも1つは重水素である]の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
(項目2)
式(X)の化合物である、項目1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
(項目3)
式(Y)の化合物である、項目1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
(項目4)
〜R29のうちの少なくとも2つが重水素である、項目1から3のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
(項目5)
〜R29のうちの少なくとも3つが重水素である、項目1から4のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
(項目6)
〜R29のうちの少なくとも4つが重水素である、項目1から5のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
(項目7)
〜R29のうちの少なくとも5つが重水素である、項目1から6のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
(項目8)
〜R29のうちの少なくとも6つが重水素である、項目1から7のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
(項目9)
〜R29のうちの少なくとも7つが重水素である、項目1から8のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
(項目10)
〜R29のうちの少なくとも8つが重水素である、項目1から9のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
(項目11)
〜R29のうちの少なくとも9つが重水素である、項目1から10のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
(項目12)
〜R29のうちの少なくとも1つが、独立して、約10%以上の重水素濃縮度を有する、項目1から11のいずれか一項に記載の化合物。
(項目13)
〜R29のうちの少なくとも1つが、独立して、約50%以上の重水素濃縮度を有する、項目1から12のいずれか一項に記載の化合物。
(項目14)
〜R29のうちの少なくとも1つが、独立して、約90%以上の重水素濃縮度を有する、項目1から13のいずれか一項に記載の化合物。
(項目15)
〜R29のうちの少なくとも1つが、独立して、約98%以上の重水素濃縮度を有する、項目1から14のいずれか一項に記載の化合物。
(項目16)
〜R29のうちの少なくとも1つが、独立して、約99%以上の重水素濃縮度を有する、項目1から15のいずれか一項に記載の化合物。
(項目17)
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
から選択される、項目1または3から16のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
(項目18)
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
から選択される、項目1、2または4から16のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物。
(項目19)
Dとして表される各位置が、約10%以上の重水素濃縮度を有する、項目17または18に記載の化合物。
(項目20)
Dとして表される各位置が、約50%以上の重水素濃縮度を有する、項目17から19のいずれか一項に記載の化合物。
(項目21)
Dとして表される各位置が、約90%以上の重水素濃縮度を有する、項目17から20のいずれか一項に記載の化合物。
(項目22)
Dとして表される各位置が、約98%以上の重水素濃縮度を有する、項目17から21のいずれか一項に記載の化合物。
(項目23)
Dとして表される各位置が、約99%以上の重水素濃縮度を有する、項目17から22のいずれか一項に記載の化合物。
(項目24)
先行する項目のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
(項目25)
1つまたは複数の追加的な治療剤をさらに含む、項目24に記載の医薬組成物。
(項目26)
TLR−7の調整に応答性の疾患または状態を処置または予防する方法であって、治療有効量の、項目1から23のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物を、ヒトに投与することを含む、方法。
(項目27)
前記疾患が、ウイルス感染症である、項目26に記載の方法。
(項目28)
医学療法において使用するための医薬を製造するための、項目1から23のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体もしくは混合物の使用。
【国際調査報告】