特表2018-525810(P2018-525810A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-525810エッチング及びチャンバクリーニングのための方法及びそのためのガス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-525810(P2018-525810A)
(43)【公表日】2018年9月6日
(54)【発明の名称】エッチング及びチャンバクリーニングのための方法及びそのためのガス
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20180810BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20180810BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20180810BHJP
【FI】
   H01L21/31 B
   H05H1/46 A
   H01L21/302 101H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-560775(P2017-560775)
(86)(22)【出願日】2016年5月4日
(85)【翻訳文提出日】2017年12月21日
(86)【国際出願番号】EP2016060021
(87)【国際公開番号】WO2016188718
(87)【国際公開日】20161201
(31)【優先権主張番号】15168904.9
(32)【優先日】2015年5月22日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】591001248
【氏名又は名称】ソルヴェイ(ソシエテ アノニム)
(71)【出願人】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ピットロフ, ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーラント, ローベルト
(72)【発明者】
【氏名】ブーダデン, ジャミーラ
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA03
2G084BB29
2G084CC03
2G084CC12
2G084CC14
2G084CC33
2G084DD02
5F004AA13
5F004BA08
5F004BB13
5F004DA00
5F004DA23
5F004DA25
5F004DB01
5F004DB03
5F004DB07
5F004DB10
5F004DB12
5F045AB02
5F045AB32
5F045AB33
5F045AB34
5F045AC15
5F045AC16
5F045BB08
5F045EB06
(57)【要約】
本発明は、フッ素、窒素及びアルゴンを含む又はそれらからなるガス混合物で半導体製造用の装置のチャンバをクリーニングするための方法並びに前記ガス混合物に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
100%(v/v)としてのフッ素、アルゴン、窒素及び任意選択的な他の成分の合計組成に対して、20%(v/v)以上〜40%(v/v)以下の範囲のフッ素、25%(v/v)以上〜45%(v/v)以下の範囲の窒素及び25%(v/v)以上〜45%(v/v)以下の範囲のアルゴンを含む又はそれらからなるガス混合物がエッチングガスとして使用される、半導体製造用の装置の処理チャンバをクリーニングするための方法。
【請求項2】
前記ガス混合物が、100%(v/v)としてのフッ素、アルゴン、窒素及び任意選択的な他の成分の合計組成に対して、25%(v/v)以上〜35%(v/v)以下の範囲のフッ素、25%(v/v)以上〜35%(v/v)以下の範囲の窒素及び35%(v/v)以上〜45%(v/v)以下の範囲のアルゴンを含む又はそれらからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ガス混合物が、100%(v/v)としてのフッ素、アルゴン、窒素及び任意選択的な他の成分の合計組成に対して、27.5%(v/v)以上〜32.5%(v/v)以下の範囲のフッ素、27.5%(v/v)以上〜32.5%(v/v)以下の範囲の窒素及び37.5%(v/v)以上〜42.5%(v/v)以下の範囲のアルゴンを含む又はそれらからなる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ガス混合物が、およそ30%(v/v)のフッ素、およそ30%(v/v)の窒素及びおよそ40%(v/v)のアルゴンからなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ガス混合物が、主チャンバクリーニング工程で使用される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記チャンバ内の圧力が、1〜3.5トールの範囲である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、100KHz〜1GHz、好ましくはおよそ400KHzの周波数を有するリモートプラズマ源を使用してプラズマ支援される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記装置が、エッチングガスとしてのNFの使用のために最適化される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
非晶質Si、Si、SiO(ここで、0<x≦3及び0≦y≦4である)、SiO、TaN、TiN又はW、好ましくはSiOからなる群から選択される無機物質が、エッチングガスでエッチングすることによって除去される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
100%(v/v)としてのフッ素、アルゴン、窒素及び任意選択的な他の成分の合計組成に対して、20%(v/v)以上〜40%(v/v)以下の範囲のフッ素、25%(v/v)以上〜45%(v/v)以下の範囲の窒素及び25%(v/v)以上〜45%(v/v)以下のアルゴンを含む又はそれらからなる、ガス混合物。
【請求項11】
前記ガス混合物が、およそ30%(v/v)のフッ素、およそ30%(v/v)の窒素及びおよそ40%(v/v)のアルゴンからなる、請求項10に記載のガス混合物。
【請求項12】
半導体製造用の装置のチャンバのクリーニングのためのエッチングガスとしての、請求項10又は11に記載のガス混合物の使用。
【請求項13】
前記ガス混合物が、エッチングガスとしてNFの代わりのドロップイン置換として使用される、請求項12に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年5月22日に出願された欧州出願第15168904.9号に対する優先権を主張し、この出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。本発明は、フッ素、窒素及びアルゴンを含む又はそれらからなるガス混合物で半導体製造用の装置のチャンバをクリーニングするための方法並びに前記ガス混合物に関する。
【0002】
処理チャンバは、半導体、フラットパネルディスプレイ又は光起電力素子を製造するために広く使用されている。製造は一般に、処理の間、処理チャンバ内部に設けられた支持体上に典型的に配置される基板のエッチング又は化学蒸着などの操作を含む。半導体、光電地、薄膜トランジスタ(TFT)液晶ディスプレイ、及び微小電気機械システム(MEMS)の製造の間、しばしば、例えば、化学蒸着(CVD)による、材料の堆積の連続工程が、処理チャンバ内の基板上で行なわれる。それぞれの装置の操作の間、堆積は、基板上だけでなく、例えば、処理チャンバの内壁上でも行われる。このような堆積物の定期的な除去が、安定で再現性ある堆積結果を得るために望ましく、一般に前記堆積物を、フッ素原子を含むガスでエッチングすることによって行われる。
【0003】
NFが、エッチングガスとして工業で広く使用されている。しかしながら、NFは、温室効果ガスであり、地球温暖化係数(GWP)は、100年の期間にわたって比較する場合、COのものより17,200倍大きい。したがって、代わりのエッチングガス、例えば、COF又は分子フッ素が提案されている。国際公開第2013/092770号明細書には、フッ素、窒素及びアルゴンの三元混合物が開示されており、混合物中アルゴンの含有量は比較的低い。
【0004】
しかしながら、処理チャンバのクリーニングのために使用される、改善された方法及びガス混合物に対する必要性が依然としてある。その結果として、本発明の1つの目的は、処理チャンバのクリーニングのための、改善された方法及びエッチングガスとしてのガス組成物を特定することである。本発明の方法及びガス混合物は、有利には、処理チャンバ内の不要な堆積物の改善されたエッチング速度をもたらし、クリーニング方法全体の時間の減少、処理チャンバのより有効なクリーニング、フッ素含有エッチングガスの消費の低減及び/又はより経済的なクリーニング方法をもたらす。さらなる目的は、クリーニング方法におけるエッチングガスとしてのNFに、より有効且つ容易に取って代わることができるガス混合物を提供することである。
【0005】
これらの及び他の目的は、本発明による方法及びガス混合物によって達成される。
【0006】
したがって、本発明の第1の態様は、100%(v/v)としてのフッ素、アルゴン、窒素及び任意選択の他の成分の全組成に対して、20%(v/v)以上〜40%(v/v)以下の範囲のフッ素、25%(v/v)以上〜45%(v/v)以下の範囲の窒素及び25%(v/v)以上〜45%(v/v)以下のアルゴンを含む又はそれらからなるガス混合物がエッチングガスとして使用される、半導体製造用の装置の処理チャンバをクリーニングするための方法に関する。好ましくは、ガス混合物は、100%(v/v)としてのフッ素、アルゴン、窒素及び任意選択の他の成分の全組成に対して、25%(v/v)以上〜35%(v/v)以下の範囲のフッ素、25%(v/v)以上〜35%(v/v)以下の範囲の窒素及び35%(v/v)以上〜45%(v/v)以下の範囲のアルゴンを含む又はそれらからなる。より好ましくは、ガス混合物は、100%(v/v)としてのフッ素、アルゴン、窒素及び任意選択の他の成分の全組成に対して、27.5%(v/v)以上〜32.5%(v/v)以下の範囲のフッ素、27.5%(v/v)以上〜32.5%(v/v)以下の範囲の窒素及び37.5%(v/v)以上〜42.5%(v/v)以下の範囲のアルゴンを含む又はそれらからなる。具体的には、ガス混合物は、およそ30%(v/v)のフッ素、およそ30%(v/v)の窒素及びおよそ40%(v/v)のアルゴンからなる。
【0007】
好ましくは、ガス混合物は、フッ素、窒素及びアルゴンのみからなってもよい。代わりに、ガス混合物は、ネオン、酸素、ヘリウム、N2O、NO、又はそれらの混合物のような他の成分を含んでもよい。
【0008】
用語「およそ(around)」は、成分が、上に示されたパーセント値に従ってガス混合物中に存在することを意味することが意図される。しかしながら、それらはまた、ガス混合物の調製のための技術的方法のためである許容誤差内で示されるパーセントで存在していてもよい。一般に、この許容誤差は、およそ+/−0.5%(v/v)であると想定される。
【0009】
処理チャンバのための方法は、一般に異なる段階で行われる。例えば、プラズマ支援クリーニングのための適当な方法は、少なくとも4つの異なる段階を含んでもよい。
【0010】
第1の段階は、点火段階であり、ここで、プラズマは点火される。通常、この点火段階は、アルゴンがプラズマの点火に非常に適することが知られているので、純アルゴンで行われる。
【0011】
意外なことに、今や、本発明によるガス混合物は、さらなる量のアルゴンを混合物中に混合することなくプラズマ源を点火するために使用され得ることが見出された。したがって、完全なクリーニングサイクルを、個別の工程のために異なるガス混合物間で切り換える必要なしに、本発明のガス混合物によって行うことができる。
【0012】
第2の段階は、プレクリーン段階(Pre−clean Stage)である。この段階では、エッチングガスは、一般にフッ素をあまり含まないガスを含む。それは、比較的な大量の堆積物がチャンバのある特定の部分に見られる場合に行われてもよい。チャンバの部分の過熱を防止するために、これらの大きな堆積物は、フッ素をあまり含まないより穏やかな混合物によってこのプレクリーン段階でエッチングされる。
【0013】
第3の段階は、主クリーニング段階(Main Cleaning Stage)であり、ここで、大部分の堆積物は、処理チャンバから除去される。有利には、主クリーニング段階は、クリーニング方法で最も長い段階であってもよい。それはまた、大部分のエッチングが消費される段階であってもよい。
【0014】
第4の段階は、ポストクリーニング段階(Post−Cleaning Stage)であり、これは一般に、比較的低いフッ素濃度を有するエッチングガスを使用する。この段階では、チャンバのより遠く離れて、あまり容易に接近できない部分におけるいずれの残留堆積物も、エッチングされている。
【0015】
好ましくは、本発明のガス混合物は、クリーニング段階の少なくとも1つで使用される。より好ましくは、それは、主クリーニング段階で使用される。
【0016】
処理チャンバのクリーニングは、一般に比較的低い圧力で行われ;主クリーニング段階のための適当な値は、4トールである。意外なことに、本発明のガス混合物は、それらの比較的高い反応性のためと思われる、チャンバ内でのさらにより低い圧力を可能にすることが見出された。したがって、この方法は、好ましくは1〜3.5トールの範囲でのチャンバ内の圧力で、より好ましくはおよそ3トールの圧力で行われる。
【0017】
しばしば、クリーニング方法は、プラズマによって支援される。対向した電極間に高周波電圧を印加することによって又はその周波数が無線周波数の上側の範囲までであるマイクロ波を与えるマグネトロンにおいてプラズマを発生させることができる。電磁波は、プラズマ反応器内部の気相を加熱する。高い反応性を有する原子、例えばF原子が形成され、次いでそれが物質をエッチングにより除去し、揮発性反応生成物を形成する。意外なことに、本発明のガス混合物は、安定なプラズマを維持しながら、比較的な低い周波数が使用されることを可能にする。したがって、別の実施形態は、100KHz〜1GHz、好ましくはおよそ400KHzの周波数を有するリモートプラズマ源を使用してプラズマ支援される、方法である。
【0018】
NFは、現在、チャンバクリーニングのための最も一般的に使用されるエッチングガスの一つである。したがって、装置及びその調整への最小限の部分的変更でNFの置換を可能にするガス混合物を提供することが有利である。これは、一般に「ドロップイン」置換と呼ばれる。意外なことに、本発明のガス混合物は、NFによる使用のために最適化及び/又は調整された装置で使用することができるだけでなく、NFに比較して改善された結果さえも与えることが示された。したがって、別の実施形態は、装置がエッチングガスとしてのNFの使用のために最適化される、方法に関する。
【0019】
クリーニング方法で除去されるべき堆積物は、Si、Si、SiO(ここで、0<x≦3及び0≦y≦4である)、SiO、TaN、TiN又はWのような無機物質を含む。したがって、本発明の別の実施形態は、Si、Si、SiO(ここで、0<x≦3及び0≦y≦4である)、SiO、TaN、TiN又はW、より好ましくはSiOが、エッチングガスでエッチングすることによって除去される、方法に関する。
【0020】
第2の態様において、本発明は、100%(v/v)としてのフッ素、アルゴン、窒素及び任意選択の他の成分の全組成に対して、20%(v/v)以上〜40%(v/v)以下の範囲のフッ素、25%(v/v)以上〜45%(v/v)以下の範囲の窒素、及び25%(v/v)以上〜45%(v/v)以下の範囲のアルゴンを含む又はそれらからなるガス混合物に関する。
【0021】
好ましくは、ガス混合物は、100%(v/v)としてのフッ素、アルゴン、窒素及び任意選択の他の成分の全組成に対して、25%(v/v)以上〜35%(v/v)以下の範囲のフッ素、25%(v/v)以上〜35%(v/v)以下の範囲の窒素、及び35%(v/v)以上〜45%(v/v)以下の範囲のアルゴンを含む又はそれらからなる。より好ましくは、ガス混合物は、100%(v/v)としてのフッ素、アルゴン、窒素及び任意選択の他の成分の全組成に対して、27.5%(v/v)以上〜32.5%(v/v)以下の範囲のフッ素、27.5%(v/v)以上〜32.5%(v/v)以下の範囲の窒素、及び37.5%(v/v)以上〜42.5%(v/v)以下の範囲のアルゴンを含む又はそれらからなる。具体的には、ガス混合物は、およそ30%(v/v)のフッ素、およそ30%(v/v)の窒素、及びおよそ40%(v/v)のアルゴンからなる。別の具体的な実施形態において、ガス混合物は、およそ30%(v/v)のフッ素、およそ45%(v/v)の窒素及びおよそ25%(v/v)のアルゴンからなるか、又はガス混合物は、およそ30%(v/v)のフッ素、およそ45%(v/v)の窒素、及びおよそ25%(v/v)のアルゴンからなる。
【0022】
第3の態様において、本発明は、半導体製造において、例えば、上に記載されたとおりの方法において使用される装置のチャンバのクリーニングのためのエッチングガスとしての、ガス混合物の使用に関する。好ましくは、ガス混合物は、NFの代わりのドロップイン置換として使用される。
【0023】
本発明のガス混合物は、所望の量のフッ素、アルゴン及び窒素を加圧瓶の中に凝縮させ又は圧入することによって容易に調製することができる。
【0024】
参照により本明細書に援用される特許、特許出願及び刊行物のいずれかの開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先するものとする。
【0025】
以下の実施例は、本発明をさらに詳細に説明するものであるが、それらは本発明の範囲を限定することは意図されない。
【実施例】
【0026】
1.エッチング速度の決定:
エッチング速度は、試料に向けられた645nmのレーザを使用して反射率測定によってその場で決定した。エッチング速度は、除去終点が検出されるときの時間で膜の厚さを除すことによって計算した。
2.試料
試料のサイズは、200mmウェーハであった。調査材料を、150nmの熱SiO層上に堆積させて、干渉法測定を可能にした。SiO試料は、それらの光学特性が干渉法測定を可能にするので、バルクシリコン上に堆積させた。
3.Alta−CVDでのチャンバクリーニング実験
実験は、「Brooks VX400」ローダを有する2チャンバシステムのAltaCVD Toolで行なった。チャンバPM2を、ドープト/非ドープトpoly−Si膜のために使用した。ヒータ温度は、400℃に設定し、壁温度は、55℃に設定した。
【0027】
NFのために最適化されたMKS「Paragon」リモートプラズマ源を400kHzの周波数で使用した。解離イオン及びラジカルは、スリットバルブの近くでチャンバに入り、ヒータとシャワーヘッドの間を流れる。リモートプラズマ源は、通常、純アルゴンの存在下で点火した。プラズマが安定条件内になった直後、フッ素を含むガス混合物を導入した。
【0028】
それぞれのガス混合物を、10lのサイズのガスシリンダから機械に送出した。装置は、金属封止された(あらゆる種類の腐食性ガスに適したVCR)、「Brooks GF 125」デジタル質量流量調節計を備えた。
【0029】
次いで、クリーニング方法を、3つの個別のクリーニング工程(プレクリーン、主クリーン及びポストクリーン)によって、合わせた時間45秒間行なった。
【0030】
実施例1:異なるF/Ar/N混合物によるチャンバクリーニング
1〜2μmの厚さのPETEOS−膜を、200mmのSi−基板上に堆積させ、厚さを、分光計(OMT)/エリプソメータ(tencor UV1280SE)、49点、10mm端部除外によって測定した。ウェーハをチャンバ中に装着した。SiO−エッチング速度は、エッチング後のTEOS膜厚を測定した後に計算した。
【0031】
各実施例について、主クリーニング工程(第2行)を純エッチングガス混合物で行なう一方で、プレ−及びポストクリーニング工程は、それぞれ、1140及び850sccm(「標準立方センチメートル」)の追加によって行なった。他のパラメータ(工程時間t、圧力p並びにアルゴン、エッチングガス及び全ガスのそれぞれの流量)は、以下の表に示す。
【0032】
実施例1aは、本発明の混合物を示し、一方で比較例1b及び比較例1cは、特許請求された範囲外のガス混合物で行なった。
【0033】
【表1】
【0034】
結果により、意外なことに、エッチング速度が、本発明のガス混合物F/N/Ar(30%/30%/40%それぞれv/v)について1253nm/分の予想外の最大値及びガス混合物F2/N2/Ar(30%/45%/25%それぞれv/v)について1343nm/分の別の予想外の最大値を示すことが示される。特許請求された範囲の直ぐ外側での窒素及びアルゴン含有量の変化は、エッチング速度の低下をもたらす。実験1aの本発明のガス混合物は、比較実験1bのガス混合物による次に最も良い結果よりも10%高いエッチング速度をもたらす。
【0035】
比較例2:NF/Ar混合物によるチャンバクリーニング
3つの異なるクリーニング方法を、以下の表に示されるとおりの異なるNF/Ar混合物で行なった。他のパラメータはすべて、実験1で言及されたものと同一であった。
【0036】
【表2】
【0037】
結果により、実験1aの本発明のガス混合物は、比較実験2のNF/Arガス混合物による次に最も良い結果よりも10%高いエッチング速度をもたらすことが示される。さらに、フッ素の消費(消費されたフッ素原子の合計重量に基づく計算、最後の縦の欄)は、実験1aの本発明の混合物による結果について計算された消費に比較して比較例2の最も良い結果において明らかにより高い。
【国際調査報告】