(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
本開示は、リモートユーザ機器(UE)に対するリレーとして働くリレーUEのために無線リソースをスケジュールするための方法に関する。リモートデータが、リモートUEとBSとの間でリレーUEによって中継される。リモートスケジューリング識別情報が、リモートデータを通知するリモート論理チャネルをアドレス指定するために設定される。リレースケジューリング識別情報が、リレーデータを通知する1つまたは複数のリレー論理チャネルをアドレス指定するために設定される。リレーUEは、BSとリモートデータを交換するためにリレーUEに無線リソースを割り当てるリモートリソース割当てをBSから受信し、リモートリソース割当てはリモートスケジューリング識別情報にアドレス指定される。リレーUEは、BSとリレーデータを交換するためにリレーUEに無線リソースを割り当てるリレーリソース割当てをBSからさらに受信し、リレーリソース割当てはリレースケジューリング識別情報にアドレス指定される。
移動通信システムにおけるリレーユーザ機器のために無線リソースをスケジュールするための方法であって、前記リレーユーザ機器が、それぞれ1つまたは複数のリモートユーザ機器に対するリレーとして働くことが可能であるためのリレー機能性をサポートし、そのため前記1つまたは複数のリモートユーザ機器から発信する、または前記リモートユーザ機器に宛てられるリモートデータが、前記1つまたは複数のリモートユーザ機器と無線基地局との間で前記リレーユーザ機器によって中継され、
リモートスケジューリング識別情報が、前記リレーユーザ機器と前記無線基地局との間で前記リモートデータを通知する1つまたは複数のリモート論理チャネルをアドレス指定するために設定され、リレースケジューリング識別情報が、前記リレーユーザ機器と前記無線基地局との間で、前記リレーユーザ機器から発信する、または前記リレーユーザ機器に宛てられるリレーデータを通知する1つまたは複数のリレー論理チャネルをアドレス指定するために設定され、
前記リレーユーザ機器によって行われる以下のステップ:
前記無線基地局と前記リモートデータを交換するために前記リレーユーザ機器に無線リソースを割り当てるリモートリソース割当てを前記無線基地局から受信するステップであって、前記リモートリソース割当てが前記リモートスケジューリング識別情報にアドレス指定される、ステップと、
前記無線基地局と前記リレーデータを交換するために前記リレーユーザ機器に無線リソースを割り当てるリレーリソース割当てを前記無線基地局から受信するステップであって、前記リレーリソース割当てが前記リレースケジューリング識別情報にアドレス指定される、ステップと、
を含む、方法。
リレーメディアアクセス制御(MAC)エンティティおよびリモートMACエンティティが前記リレーユーザ機器に構成され、前記リレーMACエンティティが、前記リレーデータを扱うための前記リレー論理チャネルと関連づけられ、前記リモートMACエンティティが、前記リモートデータを扱うための前記リモート論理チャネルと関連づけられ、
前記リモートスケジューリング識別情報が前記リモート論理チャネルと、および/または前記リモートMACエンティティと関連づけられ、前記リレースケジューリング識別情報が前記リレー論理チャネルと、および/または前記リレーMACエンティティと関連づけられ、
好ましくは、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)エンティティが、前記リモートデータの送信および前記リレーデータの送信に再送信制御を提供するために前記リモートMACエンティティと前記リレーMACエンティティとの間で共有され、または前記リモートMACエンティティがリモートHARQエンティティを備え、かつ前記リレーMACエンティティがリレーHARQエンティティを備え、
好ましくは、リレー論理チャネルグループが前記リレーMACエンティティに対して規定され、前記リレー論理チャネルの各々が前記リレー論理チャネルグループの1つに割り当てられ、かつリモート論理チャネルグループが前記リモートMACエンティティに対して規定され、前記リモート論理チャネルの各々が前記リモート論理チャネルグループの1つに割り当てられ、
好ましくは、リレー論理チャネルIDが前記リレーMACエンティティに対して規定され、前記リレー論理チャネルの各々に前記リレー論理チャネルIDの1つが割り当てられ、かつリモート論理チャネルIDが前記リモートMACエンティティに対して規定され、前記リモート論理チャネルの各々に前記リモート論理チャネルIDの1つが割り当てられる、
請求項1に記載の方法。
少なくとも1つのリモートサイドリンク論理チャネルが、前記リモートデータをそれぞれ通知するために、前記リレーユーザ機器と前記1つまたは複数のリモートユーザ機器のそれぞれ各々との間に確立され、
前記リレーユーザ機器によって行われる以下のステップ:
第1の論理チャネル優先度の前記少なくとも1つのリモートサイドリンク論理チャネルの各々を、前記対応する同じまたは同様の第1の論理チャネル優先度のリモート論理チャネルに多重化するステップ、および/または、
第1の論理チャネル優先度の前記リモート論理チャネルを、前記対応する同じまたは同様の第1の論理チャネル優先度のリモートサイドリンク論理チャネルに逆多重化するステップ、
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
リレーメディアアクセス制御(MAC)エンティティおよびリモートMACエンティティを備え、前記リレーMACエンティティが、前記リレーデータを扱うための前記リレー論理チャネルと関連づけられ、前記リモートMACエンティティが、前記リモートデータを扱うための前記リモート論理チャネルと関連づけられ、
前記リモートスケジューリング識別情報が前記リモート論理チャネルと、および/または前記リモートMACエンティティと関連づけられ、前記リレースケジューリング識別情報が前記リレー論理チャネルと、および/または前記リレーMACエンティティと関連づけられ、
好ましくは、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)エンティティが、前記リモートデータの送信および前記リレーデータの送信に再送信制御を提供するために、リモートMACエンティティと前記リレーMACエンティティとの間で共有され、または前記リモートMACエンティティがリモートHARQエンティティを備え、かつ前記リレーMACエンティティがリレーHARQエンティティを備え、
好ましくは、リレー論理チャネルグループが前記リレーMACエンティティに対して規定され、前記リレー論理チャネルの各々が前記リレー論理チャネルグループの1つに割り当てられ、かつリモート論理チャネルグループが前記リモートMACエンティティに対して規定され、前記リモート論理チャネルの各々が前記リモート論理チャネルグループの1つに割り当てられ、
好ましくは、リレー論理チャネルIDが前記リレーMACエンティティに対して規定され、前記リレー論理チャネルの各々に前記リレー論理チャネルIDの1つが割り当てられ、かつリモート論理チャネルIDが前記リモートMACエンティティに対して規定され、前記リモート論理チャネルの各々に前記リモート論理チャネルIDの1つが割り当てられる、
請求項6に記載のリレーユーザ機器。
前記無線基地局への送信のために利用可能な前記リモートデータを有する前記リモート論理チャネルに、前記リモートリソース割当てで割り当てられる前記無線リソースを割り当てるように、リモート論理チャネル優先順位付け(LCP)手順を行い、好ましくはそれによって、前記リモートデータを通知する1つまたは複数のトランスポートブロックを生成するように構成されるプロセッサ、および/または、
前記無線基地局への送信のために利用可能な前記リレーデータを有する前記リレー論理チャネルに、前記リレーリソース割当てで割り当てられる前記無線リソースを割り当てるように、リレー論理チャネル優先順位付け(LCP)手順を行い、好ましくはそれによって、前記リレーデータを通知する1つまたは複数のトランスポートブロックを生成するように構成されるプロセッサ、
をさらに備える、請求項6または7に記載のリレーユーザ機器。
前記無線基地局に送信されるために前記リレーユーザ機器でバッファされる前記リレーデータの量に基づいてリレーバッファ状況報告を生成するように構成されるプロセッサであって、
前記無線基地局に送信されるために前記リレーユーザ機器でバッファされる前記リモートデータの量に基づいてリモートバッファ状況報告を生成するようにさらに構成されるプロセッサと、
前記無線基地局に前記リレーバッファ状況報告および前記リモートバッファ状況報告を送信するように構成される送信器と、
をさらに備える、請求項6から9のいずれか一項に記載のリレーユーザ機器。
移動通信システムにおけるリレーユーザ機器のために無線リソースをスケジュールするための方法であって、前記リレーユーザ機器が、それぞれ1つまたは複数のリモートユーザ機器に対するリレーとして働くことが可能であるためのリレー機能性をサポートし、そのため前記1つまたは複数のリモートユーザ機器から発信する、または前記リモートユーザ機器に宛てられるリモートデータが、前記1つまたは複数のリモートユーザ機器と無線基地局との間で前記リレーユーザ機器によって中継され、
1つまたは複数のリレー論理チャネルが、前記リレーユーザ機器と前記無線基地局との間で、前記リレーユーザ機器から発信する、または前記リレーユーザ機器に宛てられるリレーデータを通知するために確立され、
1つまたは複数のリモート論理チャネルが、前記リレーユーザ機器と前記無線基地局との間で、前記1つまたは複数のリモートユーザ機器から発信する、または前記リモートユーザ機器に宛てられるリモートデータを通知するために確立され、
リレー論理チャネルグループが規定され、前記リレー論理チャネルの各々が前記リレー論理チャネルグループの1つに割り当てられ、かつリモート論理チャネルグループが規定され、前記リモート論理チャネルの各々が前記リモート論理チャネルグループの1つに割り当てられ、
前記リレーユーザ機器によって行われる以下のステップ:
リレー論理チャネルグループに対して1つのバッファサイズフィールドを備えるリレーバッファ状況報告を生成するステップであって、前記1つのバッファサイズフィールドが、前記リレー論理チャネルグループのすべてのリレー論理チャネルに渡って送信のために利用可能な総リレーデータ量を示す、ステップと、
リモート論理チャネルグループに対して1つのバッファサイズフィールドを備えるリモートバッファ状況報告を生成するステップであって、前記1つのバッファサイズフィールドが、前記リモート論理チャネルグループのすべてのリモート論理チャネルに渡って送信のために利用可能な総リモートデータ量を示す、ステップと、
前記無線基地局に前記リレーバッファ状況報告および前記リモートバッファ状況報告を送信するステップと、
前記無線基地局に前記リモートデータおよび前記リレーデータを送信するために前記リレーユーザ機器に無線リソースを割り当てるアップリンクリソース割当てを前記無線基地局から受信するステップであって、前記アップリンクリソース割当てが、前記リレーバッファ状況報告および前記リモートバッファ状況報告に基づいて前記無線基地局によって生成される、ステップと、
を含む、方法。
メディアアクセス制御(MAC)エンティティが前記リレーユーザ機器に構成され、前記MACエンティティが、前記リモートデータおよび前記リレーデータを扱うための前記リレー論理チャネルおよび前記リモート論理チャネルと関連づけられ、
好ましくは、リレー論理チャネルIDが前記MACエンティティに対して規定され、前記リレー論理チャネルの各々に前記リレー論理チャネルIDの1つが割り当てられ、かつリモート論理チャネルIDが前記MACエンティティに対して規定され、前記リモート論理チャネルの各々に前記リモート論理チャネルIDの1つが割り当てられる、
請求項10に記載の方法。
少なくとも1つのリモートサイドリンク論理チャネルが、前記リモートデータをそれぞれ通知するために、前記リレーユーザ機器と前記1つまたは複数のリモートユーザ機器のそれぞれ各々との間に確立され、
前記リレーユーザ機器によって行われる以下のステップ:
第1の論理チャネル優先度の前記少なくとも1つのリモートサイドリンク論理チャネルの各々を、前記対応する同じまたは同様の第1の論理優先度のリモート論理チャネルに多重化するステップ、および/または、
第1の論理チャネル優先度の前記リモート論理チャネルを、前記対応する同じまたは同様の第1の論理チャネル優先度のリモートサイドリンク論理チャネルに逆多重化するステップ、
を含む、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
<ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)>
WCDMA(登録商標)無線アクセス技術に基づく第3世代移動システム(3G)が世界中至る所で広範に展開されつつある。この技術を強化または進化させる際の第1段階は、競争力の高い無線アクセス技術をもたらす、HSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)および、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)とも称される強化型アップリンクを導入することを伴う。
【0003】
さらに増加するユーザ需要に備え、かつ新たな無線アクセス技術に対して競争力があるために、3GPPは、LTEと呼ばれる新たな移動通信システムを導入した。LTEは、次の10年間、高速データおよびメディア転送の他に大容量音声サポートの通信事業者要求を満たすように設計されている。
【0004】
Evolved UTRA(UMTS Terrestrial Radio Access)および進化型UTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network)と呼ばれるLTEに関する作業項目(WI:work item)仕様がRelease8(LTE Rel.8)として完成されている。LTEシステムは、低遅延および低コストでフルIPベースの機能性を提供する効率的なパケットベースの無線アクセスおよび無線アクセスネットワークを表している。LTEでは、所与のスペクトルを用いて柔軟なシステム展開を達成するために、1.4、3.0、5.0、10.0、15.0および20.0MHzなどのスケーラブルな複数の送信帯域幅が設定される。ダウンリンクでは、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)ベースの無線アクセスが、低シンボルレートによるマルチパス干渉(MPI)に対するその固有の耐性、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)の使用、および異なる送信帯域幅の配置に対するその親和性のために採用された。ユーザ機器(UE:User Equipment)の制限される送信電力を考慮すると、ピークデータレートの向上よりも広域カバレージを備えることが優先されるため、アップリンクではシングルキャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA:Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)ベースの無線アクセスが採用された。LTE Rel.8/9では、多くの主要なパケット無線アクセス技法が、MIMO(Multiple Input Multiple Output)チャネル送信技術を含めて利用され、高効率の制御シグナリング構造が達成される。
【0005】
<LTEアーキテクチャ>
全体的なLTEアーキテクチャを
図1に示す。E−UTRANはeNodeBから構成され、ユーザ機器(UE)に向けたE−UTRAユーザプレーン(PDCP/RLC/MAC/PHY)プロトコルの終端および制御プレーン(RRC)プロトコルの終端を提供する。eNodeB(eNB)は、物理(PHY)、メディアアクセス制御(MAC)、無線リンク制御(RLC)および、ユーザプレーンヘッダ圧縮および暗号化の機能を含むパケットデータ制御プロトコル(PDCP)レイヤをホストする。eNodeBは、制御プレーンに対応する無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)機能も提供する。eNodeBは、無線リソース管理、アドミッションコントロール、スケジューリング、ネゴシエートされたアップリンクサービス品質(QoS:Quality of Service)の実施、セル情報ブロードキャスト、ユーザおよび制御プレーンデータの暗号化/解読、ならびにダウンリンク/アップリンクユーザプレーンパケットヘッダの圧縮/解凍を含む多くの機能を行う。eNodeBは、X2インタフェースを用いて相互接続される。
【0006】
eNodeBはまた、S1インタフェースを用いてEPC(Evolved Packet Core)に、より詳細には、S1−MMEを用いてMME(Mobility Management Entity)に接続され、S1−Uを用いてサービングゲートウェイ(SGW:Serving Gateway)に接続される。S1インタフェースは、MME/サービングゲートウェイとeNodeBとの間の多対多の関係をサポートする。SGWは、ユーザデータパケットをルーティングおよび転送する一方で、eNodeB間でのハンドオーバ中にユーザプレーンのためのモビリティアンカとして、および、(S4インタフェースを終端し、2G/3GシステムとPDN GWとの間のトラヒックを中継する)LTEと他の3GPP技術との間のモビリティのためのアンカとして機能する。アイドル(Idle)状態のユーザ機器に対しては、SGWはダウンリンクデータを終端し、ユーザ機器に対してダウンリンクデータが到着するとページングをトリガする。SGWはユーザ機器コンテキスト、例えば、IPベアラサービスのパラメータ、またはネットワーク内部ルーティング情報を管理および記憶する。SGWは、合法的傍受の場合にはユーザトラヒックの複製も行う。
【0007】
MMEは、LTEアクセスネットワークにとって主要な制御ノードである。MMEは、再送を含むアイドルモードのユーザ機器のトラッキングおよびページング手順に対する役割を担う。MMEはベアラアクティブ化/非アクティブ化プロセスに関与し、かつ初期アタッチ時およびコアネットワーク(CN:Core Network)ノード再配置を伴うLTE内ハンドオーバ時にユーザ機器に対するSGWを選択する役割も担う。MMEは、(HSSと対話することによって)ユーザを認証する役割を担う。非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)シグナリングはMMEで終端し、MMEは一時的な識別子の生成およびユーザ機器への割当ての役割も担う。MMEは、サービスプロバイダのPLMN(Public Land Mobile Network)にキャンプするためにユーザ機器の認証を確認し、ユーザ機器のローミング制限を実施する。MMEは、NASシグナリングに対する暗号化/整合性保護のためのネットワークにおける終端点であり、セキュリティキー管理を扱う。シグナリングの合法的傍受もMMEによってサポートされる。MMEは、S3インタフェースがSGSNからMMEで終端して、LTEおよび2G/3Gアクセスネットワーク間のモビリティのための制御プレーン機能も提供する。MMEは、ローミングユーザ機器に対してホームHSSに向けたS6aインタフェースも終端する。
【0008】
<LTEにおけるコンポーネントキャリア構造>
3GPP LTEシステムのダウンリンクコンポーネントキャリアは、時間−周波数領域で、いわゆるサブフレームに分割される。3GPP LTEでは、
図2に図示すように、各サブフレームは2つのダウンリンクスロットに分割され、ここでは第1のダウンリンクスロットは第1のOFDMシンボル内に制御チャネル領域(PDCCH領域)を備える。各サブフレームは時間領域で所与の数のOFDMシンボル(3GPP LTE(Release8)では12または14個のOFDMシンボル)から成り、ここでは各OFDMシンボルはコンポーネントキャリアの帯域幅全体に渡る。OFDMシンボルは、したがって各々、それぞれのサブキャリアで送信されるいくつかの変調シンボルから成る。LTEでは、各スロットでの送信信号は、N
DLRB*N
RBSC個のサブキャリアとN
DLsymb個のOFDMシンボルのリソースグリッドによって描写される。N
DLRBは帯域幅内のリソースブロックの数である。量N
DLRBはセルに構成されるダウンリンク送信帯域幅に依存し、
N
min,DLRB≦N
DLRB≦N
max,DLRB
を満たすものとし、式中、N
min,DLRB=6およびN
max,DLRB=110はそれぞれ、仕様の現行バージョンによってサポートされる最小および最大ダウンリンク帯域幅である。N
RBSCは1つのリソースブロック内のサブキャリアの数である。通常サイクリックプレフィックスサブフレーム構造の場合、N
RBSC=12およびN
DLsymb=7である。
【0009】
例えば、3GPP LTEに使用されるような、OFDMを利用するマルチキャリア通信システムを前提とすると、スケジューラによって割り当てられることができるリソースの最小単位は1つの「リソースブロック」である。物理リソースブロック(PRB:Physical Resource Block)は、時間領域では連続するOFDMシンボル(例えば7つのOFDMシンボル)、および、周波数領域では
図2に例示するように連続するサブキャリア(例えばコンポーネントキャリアにとして12個のサブキャリア)として定義される。3GPP LTE(Release8)では、物理リソースブロックはリソースエレメントから成り、時間領域では1つのスロットに、かつ周波数領域では180kHzに対応する(ダウンリンクリソースグリッドに関するさらなる詳細については、例えばhttp://www.3gpp.orgで入手可能であり、かつ参照により本明細書に援用される非特許文献1の6.2節を参照のこと)。
【0010】
1つのサブフレームは2つのスロットから成り、その結果、いわゆる「通常(normal)」CP(サイクリックプレフィックス)が使用されるときにはサブフレームに14個のOFDMシンボルがあり、いわゆる「拡張(extended)」CPが使用されるときにはサブフレームに12個のOFDMシンボルがある。専門用語のために、以下では、サブフレーム全体に渡る同じ連続するサブキャリアに相当する時間−周波数リソースを、「リソースブロックペア」または同意義の「RBペア」もしくは「PRBペア」と呼ぶ。「コンポーネントキャリア」という用語は、周波数領域でのいくつかのリソースブロックの組合せを指す。LTEの将来のリリースでは、「コンポーネントキャリア」という用語はもはや使用されず、代わりに専門用語は、ダウンリンクおよび任意選択でアップリンクリソースの組合せを指す「セル」に変更される。ダウンリンクリソースのキャリア周波数とアップリンクリソースのキャリア周波数との間の関連づけ(リンキング)は、ダウンリンクリソースで送信されるシステム情報に示される。コンポーネントキャリア構造に対する同様の前提が、後のリリースにも当てはまることになる。
【0011】
<より広帯域幅のサポートのためのLTE−Aでのキャリアアグリゲーション>
IMT−Advancedのための周波数スペクトルがWRC−07(World Radio communication Conference 2007)で決定された。IMT−Advancedのための全周波数スペクトルが決定されたとは言え、実際に利用可能な周波数帯域幅は各地域または国によって異なる。しかしながら、利用可能な周波数スペクトル概要に関する決定に続いて、無線インタフェースの標準化が第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)で始まった。
【0012】
LTE−Advancedシステムがサポートすることができる帯域幅が100MHzである一方で、LTEシステムは20MHzしかサポートすることができない。最近では、電波スペクトルの不足がワイヤレスネットワークの発展のボトルネックになっており、結果として、LTE−Advancedシステムのために十分に広いスペクトル帯を見つけることは困難である。結果的に、より広い電波スペクトル帯を得る方途を見つけることが急務であり、ここで考え得る解答がキャリアアグリゲーション機能である。
【0013】
キャリアアグリゲーションでは、100MHzまでのより広い送信帯域幅をサポートするために、2つ以上のコンポーネントキャリアがアグリゲートされる。LTEシステムでのいくつかのセルがアグリゲートされて、たとえLTEでのこれらのセルが異なる周波数帯にあるとしても、100MHzに対して十分に広いLTE−Advancedシステムでの1つのより広いチャネルになる。すべてのコンポーネントキャリアは、少なくともコンポーネントキャリアの帯域幅がLTE Rel.8/9セルのサポートされる帯域幅を超えない場合、LTE Rel.8/9互換性があるように構成されることができる。ユーザ機器によってアグリゲートされるすべてのコンポーネントキャリアが必ずしもRel.8/9互換性があるわけではなくてもよい。現存のメカニズム(例えば禁止(barring))を使用して、Rel−8/9ユーザ機器がコンポーネントキャリアにキャンプすることを回避してもよい。
【0014】
ユーザ機器は、その能力に応じて1つまたは複数のコンポーネントキャリア(複数のサービングセルに対応する)を同時に受信または送信してもよい。キャリアアグリゲーションのための受信および/または送信能力を持つLTE−A Rel.10ユーザ機器は、複数のサービングセルで同時に受信および/または送信することができる一方で、LTE Rel.8/9ユーザ機器は、コンポーネントキャリアの構造がRel.8/9仕様に従うとの条件で、単一のサービングセルのみで受信および送信することができる。
【0015】
キャリアアグリゲーションは連続および非連続コンポーネントキャリア両方に対してサポートされるが、各コンポーネントキャリアは(3GPP LTE(Release8/9)のニューメロロジー(numerology)を用いて)周波数領域で最大で110個のリソースブロックに制限される。
【0016】
3GPP LTE−A(Release10)互換のユーザ機器を、同じeNodeB(基地局)から発信し、かつ場合によりアップリンクおよびダウンリンクで異なる帯域幅の異なる数のコンポーネントキャリアをアグリゲートするように構成することが可能である。構成することができるダウンリンクコンポーネントキャリアの数はUEのダウンリンクアグリゲーション能力に依存する。反対に、構成することができるアップリンクコンポーネントキャリアの数はUEのアップリンクアグリゲーション能力に依存する。移動端末をダウンリンクコンポーネントキャリアよりアップリンクコンポーネントキャリアが多くなるように構成することは、現在、可能でなくてもよい。典型的なTDD展開では、アップリンクおよびダウンリンクでのコンポーネントキャリアの数および各コンポーネントキャリアの帯域幅は同じである。同じeNodeBから発信するコンポーネントキャリアが同じカバレージを提供する必要はない。
【0017】
連続してアグリゲートされるコンポーネントキャリアの中心周波数間の間隔は300kHzの倍数であるものとする。これは、3GPP LTE(Release8/9)の100kHz周波数ラスタ(raster)と互換性があり、かつ同時に15kHz間隔を持つサブキャリアの直交性を保持するためである。アグリゲーションシナリオに応じて、n*300kHz間隔は、連続したコンポーネントキャリア間への少数の未使用サブキャリアの挿入によって容易にされることができる。
【0018】
複数のキャリアのアグリゲーションの性質は、MACレイヤまでしか明らかにされていない。アップリンクおよびダウンリンク両方に関して、各アグリゲートされるコンポーネントキャリアごとにMACで1つのHARQエンティティが必要とされる。(アップリンクに対するSU−MIMOの不在下では)コンポーネントキャリア当たり多くとも1つのトランスポートブロックがある。トランスポートブロックおよびその潜在的なHARQ再送信は同じコンポーネントキャリアにマッピングされる必要がある。
【0019】
キャリアアグリゲーションが構成されるとき、移動端末は、ネットワークとは1つのRRC接続しか有しない。RRC接続確立/再確立時に、1つのセルが、LTE Rel.8/9と同様に、セキュリティ入力(1つのECGI、1つのPCIおよび1つのARFCN)ならびに非アクセス層モビリティ情報(例えばTAI)を提供する。RRC接続確立/再確立後に、そのセルに対応するコンポーネントキャリアはダウンリンクプライマリセル(PCell:Primary Cell)と称される。接続状態のユーザ機器当たり常に1つであり、1つだけのダウンリンクPCell(DL PCell)および1つのアップリンクPCell(UL PCell)が構成される。構成された一組のコンポーネントキャリア内で、他のセルはセカンダリセル(SCell:Secondary Cell)と称され、SCellのキャリアはDL SCC(Downlink Secondary Component Carrier)およびUL SCC(Uplink Secondary Component Carrier)である。当座は、PCellを含めて最大5つのサービングセルが1つのUEに対して構成されることができる。
【0020】
コンポーネントキャリアの構成および再構成の他に、追加および削除はRRCによって行われることができる。アクティブ化および非アクティブ化は、例えばMAC制御要素を介して行われる。LTE内ハンドオーバ時に、RRCは、ターゲットセルでの使用のためにSCellを追加、削除または再構成することもできる。新たなSCellを追加するとき、SCellのシステム情報を送るために個別RRCシグナリングが使用されるが、情報は(Rel−8/9でのハンドオーバのためと同様に)送受信のために必要である。各SCellには、SCellが1つのUEに追加されるときにサービングセルインデックスが設定されるが、PCellは常にサービングセルインデックス0を有する。
【0021】
ユーザ機器にキャリアアグリゲーションが構成されると、少なくとも一対のアップリンクおよびダウンリンクコンポーネントキャリアが常にアクティブである。その対のダウンリンクコンポーネントキャリアは「DLアンカキャリア」とも称されることがある。同じことがアップリンクに関しても当てはまる。キャリアアグリゲーションが構成されると、ユーザ機器は、複数のコンポーネントキャリアに同時にスケジュールされてもよいが、多くとも1つのランダムアクセス手順がいかなる時にも進行中であるものとする。クロスキャリアスケジューリングは、コンポーネントキャリアのPDCCHが別のコンポーネントキャリア上のリソースをスケジュールするのを許容する。この目的で、コンポーネントキャリア識別フィールドがそれぞれのDCI(Downlink Control Information)フォーマットに導入され、CIFと呼ばれている。
【0022】
アップリンクおよびダウンリンクコンポーネントキャリア間の、RRCシグナリングによって確立される関連づけは、クロスキャリアスケジューリングがないときに、グラントが適用されるアップリンクコンポーネントキャリアを特定することを許容する。アップリンクコンポーネントキャリアへのダウンリンクコンポーネントキャリアの関連づけは、必ずしも1対1である必要はない。言い換えると、2つ以上のダウンリンクコンポーネントキャリアが、同じアップリンクコンポーネントキャリアに関連することができる。同時に、ダウンリンクコンポーネントキャリアは、1つのアップリンクコンポーネントキャリアにしか関連することができない。
【0023】
<レイヤ2−MACレイヤ/エンティティ、RRCレイヤ>
LTEレイヤ2ユーザプレーン/制御プレーンプロトコルスタックは、4つのサブレイヤ(RRC、PDCP、RLCおよびMAC)を備える。MAC(Medium Access Control)レイヤはLTE無線プロトコルスタックのレイヤ2アーキテクチャにおける最下位サブレイヤであり、例えば非特許文献2によって規定される。下位の物理レイヤへの接続はトランスポートチャネルを通じてであり、上位のRLCレイヤへの接続は論理チャネルを通じてである。MACレイヤはしたがって、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化および逆多重化を行い、送信側のMACレイヤは、論理チャネルを通じて受け取られるMAC SDUから、トランスポートブロックとして知られるMAC PDUを構築し、受信側のMACレイヤは、トランスポートチャネルを通じて受け取られるMAC PDUからMAC SDUを復元する。
【0024】
図3は、参照により本明細書にその全体が援用される非特許文献2の4.2.1節「MAC Entities」に提示される、UE側MACエンティティのための1つの可能な構造を例示する。以下の機能が一般にUEでMACサブレイヤによってサポートされる:
− 論理チャネルとトランスポートチャネルとの間のマッピング;
− 1つまたは異なる論理チャネルからのMAC SDUの、トランスポートチャネルで物理レイヤに送出されるべきトランスポートブロック(TB:transport block)への多重化;
− トランスポートチャネルで物理レイヤから送出されるトランスポートブロック(TB)からの、1つまたは異なる論理チャネルからのMAC SDUの逆多重化;
− スケジューリング情報報告;
− HARQによる誤り訂正;
− 論理チャネル優先順位付け;
− SLのための無線リソース選択。
【0025】
図3から明らかなように、MACエンティティは対応して、ハイブリッドHARQ(HARQ)エンティティ、多重化および逆多重化エンティティ、(アップリンクのためだけの)論理チャネル優先順位付けエンティティ、ならびにMACエンティティのために様々な制御機能を行うコントローラなど、さらなるエンティティ(機能)を備える。MACエンティティ/機能は、その全体が参照により本明細書に援用される非特許文献2の、例えば5節「MAC procedure」に詳細に規定される。
【0026】
HARQエンティティ(参照により本明細書に援用される非特許文献2の5.3.2項を参照のこと)は送信および受信HARQ動作を担う。送信HARQ動作は、トランスポートブロックの送信および再送信、ならびにACK/NACKシグナリングの受信および処理を含む。受信HARQ動作は、トランスポートブロックの受信、受信データの結合、およびACK/NACKシグナリングの生成を含む。先行のトランスポートブロックが復号されている間に連続送信を可能にするために、8つまでの並列なHARQプロセスを使用してマルチプロセス動作をサポートする。
【0027】
多重化および逆多重化エンティティでは、いくつかの論理チャネルからのデータが1つのトランスポートチャネルに/から(逆)多重化されることができる。多重化エンティティは、新たな送信のために無線リソースが利用可能であるときにMAC SDUからMAC PDUを生成するが、このプロセスは、論理チャネルからのデータに優先順位を付けて、各MAC PDUにどのくらいのデータが、どの論理チャネルから含まれるべきかを決定することを含む。
【0028】
ランダムアクセス手順は、UEにアップリンク無線リソースが割り当てられていないが、送信すべきデータを有するときに、またはUEがアップリンク方向に時間同期されていないときに使用される。RACH手順の詳細は、参照により本明細書に援用される非特許文献2の5.1項に規定される。
【0029】
コントローラエンティティは、とりわけ不連続受信(DRX:discontinuous reception)、ランダムアクセスチャネル(RACH:random access channel)手順、データスケジューリング手順、およびアップリンクタイミングアライメントを維持することを含む、いくつかの機能を担う。
【0030】
MACレイヤは、制御データ(例えばRRCシグナリング)を通知する制御論理チャネルか、またはユーザプレーンデータを通知するトラヒック論理チャネルかである論理チャネルを通じてRLCレイヤにデータ転送サービス(参照により本明細書に援用される非特許文献2の5.4および5.3項を参照のこと)を提供する。以下の制御論理チャネルが、
図3に例示されるように規定される:ブロードキャスト制御チャネル(BCCH:broadcast control channel)、ページング制御チャネル(PCCH:paging control channel)、共通制御チャネル(CCCH:common control channel)、マルチキャスト制御チャネル(MCCH:multicast control channel)および個別制御チャネル(DCCH:dedicated control channel)。トラヒック論理チャネルは個別トラヒックチャネル(DTCH:dedicated traffic channel)およびマルチキャストトラヒックチャネル(MTCH:multicast traffic channel)である。
【0031】
論理チャネルは、例えば、後に詳細に説明することになるように、バッファ状況報告の目的で、LCG ID0〜3を持つ4つの異なる論理チャネルグループ(LCG:Logical Channel Group)のうちの1つと関連づけられる。
【0032】
他方で、MACレイヤからのデータは、ダウンリンクまたはアップリンクと分類されるトランスポートチャネルを通じて物理レイヤと交換される。データは、それがどのように無線で送信されるかに応じてトランスポートチャネルに多重化される。以下のダウンリンクトランスポートチャネルが規定される:ブロードキャストチャネル(BCH:Broadcast channel)、ダウンリンク共有チャネル(DL−SCH:downlink shared channel)、ページングチャネル(PCH:paging channel)およびマルチキャストチャネル(MCH:multicast channel)。以下のアップリンクトランスポートチャネルが規定される:アップリンク共有チャネル(UL−SCH:uplink shared channel)およびランダムアクセスチヤネル(RACH)。論理チャネルおよびトランスポートチャネルおよびそれらの間のマッピングに関するさらなる情報は、参照により本明細書にその全体が援用される非特許文献2の4.5節「Channel Structure」に見られることができる。
【0033】
無線リソース制御(RRC)レイヤは、無線インタフェースでのUEとeNBとの間の通信、およびいくつかのセルを渡って移動するUEのモビリティを制御する。RRCプロトコルはNAS情報の転送もサポートする。RRC_IDLEのUEに対して、RRCは、着呼のネットワークからの通知をサポートする。RRC接続制御は、ページング、測定構成および報告、無線リソース構成、初期セキュリティアクティブ化、ならびにシグナリング無線ベアラ(SRB:Signalling Radio Bearer)の、およびユーザデータを通知する無線ベアラ(データ無線ベアラ(DRB:Data Radio Bearer))の確立を含む、RRC接続の確立、修正および解除に関連したすべての手順を包含する。
【0034】
個別RRCメッセージはシグナリング無線ベアラを渡って輸送されて、論理チャネル−接続確立中に共通制御チャネル(CCCH)か、またはRRC_CONNECTEDで個別制御チャネル(DCCH)かに、PDCPおよびRLCレイヤを介してマッピングされる。システム情報およびページングメッセージは論理チャネル、それぞれブロードキャスト制御チャネル(BCCH)およびページング制御チャネル(PCCH)に直接マッピングされる。
【0035】
LTE(Long Term Evolution)アーキテクチャを使用する移動ネットワークでは、ベアラは、ユーザ機器をインターネットなどのパケットデータネットワーク(PDN:Packet Data Network)に接続するために使用される「トンネル」である。LTEネットワークでは、QoSがUEとPDNゲートウェイとの間に実装され、一組のベアラに適用される。「ベアラ」は基本的に仮想概念であり、かつ一組のトラヒックに特別な処理を提供する一組のネットワーク構成であり、例えばVoIPパケットはウェブブラウザトラヒックと比較してネットワークによって優先される。本質的に、異なる特性(例えば遅延、配信時間、スループット、SNR、誤り率ジッタなど)の各ストリームが異なるベアラにマッピングされる。したがって、ベアラはQoS制御の単位であり、一組のQoS要件を満たすために1つのベアラが使用される。LTEでは、QoSは、総称的に
図4に図示するEPSベアラと呼ばれる、無線ベアラ、S1ベアラおよびS5/S8ベアラに適用される。
図4は、リレーUEとリレーUEによって応対されるリモートUEとの間のサイドリンク無線ベアラも例示する(ProSeサイドリンクに関する情報については後節を参照のこと)。
【0036】
LTE移動ネットワークでは、ユーザ機器装置がアクティブ化される(これは、ユーザ機器がオンであり、かつ認証を行ったことを意味する)ときはいつでも、デフォルトP−GWに対して1つのデフォルトベアラが確立される。1つのデフォルトP−GWに対して少なくとも1つのデフォルトベアラがなければならないが、単一のユーザ機器装置に対して同じまたは他のP−GWに対する11個までの他のベアラがアクティブであることができる。ベアラは、GPRSトンネリングプロトコル、ユーザプレーン(GTP−U:GPRS tunneling protocol, user plane)でユーザデータをカプセル化する。GTP−U情報は、次いでUDPで、かつIPパケット内で送られる。あらゆるユーザ機器装置が、それが接続する各P−GWに対して「常にオンである」デフォルトベアラを有する。例えば、ユーザ機器が1つのP−GWを通してインターネットに、および別のP−GWを通して企業イントラネットに接続する場合、2つのデフォルトベアラがアクティブであることになる。加えて、ユーザ機器は、サービス品質(QoS)要件に基づいて、他のPDNに対して他の個別ベアラを確立することができる。例えば、インターネットを通じてストリーミングビデオを見ることは、個別ベアラを通じて行われることができる。個別ベアラが帯域保証(保証ビットレート、もしくはGBR:guaranteed bit rate)を使用することができるか、またはユーザ機器が非GBRベアラを確立することができる。
【0037】
LTEには2種類の無線ベアラがある:制御シグナリング、例えばRRCシグナリング/NAS情報を通知するシグナリング無線ベアラ(SRB)(LTEには数種類のSRBがある:SRB0、SRB1およびSRB2)、ならびにユーザプレーントラヒック/データを通知するデータ無線ベアラ(DRB)。UEは8つまでのDRBをサポートする。
【0038】
EPSベアラ自体は、以下の順に確立される、(非ローミング状況で)3つの部分から成る連結トンネルである。
− S5ベアラ−このトンネルはサービングゲートウェイ(S−GW)をP−GWに接続する。(トンネルはP−GWからPDNサービスネットワークまで延長することができるが、これはここでは考慮されない。)
− S1ベアラ−このトンネルは進化型NodeB(eNodeBまたはeNB)無線セルをS−GWと接続する。ハンドオーバがエンドツーエンド接続のために新たなS1ベアラを確立する。
− 無線ベアラ−このトンネルはユーザ機器をeNodeB(eNB)に接続する。このベアラは、移動ユーザが1つのセルから別のセルに移動するときに無線ネットワークがハンドオーバを行うにあたり、MME(Mobile Management Entity)の指示の下でユーザに追従する。
【0039】
以上列記されたすべての異なる種類のベアラに関して、1対1マッピングの関係がある。言い換えると、EPSベアラとE−RABとの間、E−RABと無線ベアラとの間、および無線ベアラとS1ベアラとの間に、固有の対応がある。
【0040】
各ベアラは一組のQoSパラメータを使用して、ビットレート、パケット遅延、パケットロス、ビット誤り率およびスケジューリングポリシーなどの、トランスポートチャネルのプロパティを記述する。4つのキーパラメータがここで概説される。
【0041】
QoSクラスインジケータ(QCI:QoS class indicator):QCIは基本的にベアラの固有の期待される処理を規定し、たとえネットワークノードが異なるベンダによって開発されるとしても、同じQCIのベアラの同様の取扱いを提供するものと意図される。受信されるQCI値に基づいて、各ネットワークノードが対応する関連ベアラの取扱い方を知ることになり、すなわちQCI値がベアラに関連づけられている。現行の規定されたQCI値の一覧が非特許文献3の6.1.7節に見られることができる。
【0042】
割当ておよび保持優先度(ARP:allocation and retention priority):ARPは、ベアラが受け取る制御プレーントラヒックに対する転送処理を特定する。ARPは、ベアラ確立および修正の他に、接続設定および解除を可能にする。例えば、ARPは、リソース限界またはトラヒック輻輳中にどのベアラが解除されるべきかを決定するためにEPSによって使用されることができる。
【0043】
最大ビットレート(MBR:maximum bit rate):MBRは、リアルタイムサービスに対してのみ適用可能であり、GBRベアラに対して規定される。MBRは、ベアラ上のトラヒックが超えてはいけないビットレートである。
【0044】
保証ビットレート(GBR):GBRは、ネットワークがそのベアラに対して(例えばアドミッションコントロール機能の使用を通じて)保証するビットレートを特定する。3GPP Release8以降では、MBRはGBRに等しく設定されなければならず、すなわち保証レートはシステムによって許容される最大レートでもある。
【0045】
<アップリンク/ダウンリンクスケジューリング>
eNodeBでのMAC機能はスケジューリングを指し、それによってeNBは、1つのセルで利用可能な無線リソースをUEに、および各UEに対する無線ベアラに分配する。原則として、eNodeBは、それぞれ、eNodeBにバッファされるダウンリンクデータに基づいて、およびUEから受信されるバッファ状況報告(BSR:buffer status report)に基づいて、各UEにダウンリンクおよびアップリンクリソースを割り当てる。このプロセスでは、eNodeBは、各設定された無線ベアラのQoS要件を考慮し、MAC PDUのサイズを選択する。
【0046】
スケジューリングの通例のモードは、ダウンリンク送信リソースの割当てのためのダウンリンクグラント/割当てメッセージ(DCI)およびアップリンク送信リソースの割当てのためのアップリンクグラント/割当てメッセージを用いた、動的スケジューリングである。それらは、意図されるUEを識別するセル無線ネットワーク一時識別子(C−RNTI:cell radio network temporary identifier)を使用して物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:physical downlink control channel)で送信される。動的スケジューリングに加えて、永続スケジューリングが規定され、これは無線リソースが半静的に設定されて1つのサブフレームより長い時限の間UEに割り当てられることを可能にし、したがって各サブフレームに対するPDCCH上での特定のダウンリンク割当てメッセージまたはアップリンクグラントメッセージの必要性を回避する。永続スケジュールの設定または再設定のために、RRCシグナリングは、無線リソースが周期的に割り当てられるリソース割当て間隔を示す。永続スケジュールを設定または再設定するためにPDCCHが使用されるとき、永続スケジュールに該当するスケジューリングメッセージを動的スケジューリングのために使用されるそれらから区別することが必要である。この目的のため、特別なスケジューリング識別情報が使用され、各UEにとって動的スケジューリングメッセージのために使用されるC−RNTIと異なる半永続スケジューリングC−RNTI(SPS−C−RNTI:semi-persistent scheduling C-RNTI)として知られる。
【0047】
スケジュールされたユーザに彼らの割当て状況、トランスポートフォーマットおよび他の送信関連情報(例えばHARQ情報、送信電力制御(TPC:transmit power control)指令)について通知するために、L1/L2制御シグナリングがデータと共にダウンリンクで送信される。L1/L2制御シグナリングはサブフレームでダウンリンクデータと多重化され、ユーザ割当てがサブフレームごとに変化することができることを前提とする。ユーザ割当てがTTI(Transmission Time Interval:送信時間間隔)ベースで行われることもあり、ここでTTI長がサブフレームの倍数であることができることに留意するべきである。TTI長は、すべてのユーザに対するサービス範囲で固定されてもよいし、異なるユーザに対して異なってもよいし、または各ユーザに対して動的であってさえもよい。概して、L1/L2制御シグナリングはTTI当たり一度送信されさえすればよい。一般性を失うことなく、以下はTTIが1つのサブフレームに相当することを前提とする。
【0048】
L1/L2制御シグナリングは物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)で送信される。PDCCHはダウンリンク制御情報(DCI)としてのメッセージを通知し、それはほとんどの場合、移動端末またはUEのグループに対するリソース割当ておよび他の制御情報を含む。概して、いくつかのPDCCHが1つのサブフレームで送信されることができる。
【0049】
ダウンリンク制御情報は、全体サイズが、かつそれらのフィールドに含まれる情報も異なるいくつかのフォーマットで出現する。LTEのために現在規定されている異なるDCIフォーマットは、(現行バージョンv12.5.0がhttp://www.3gpp.orgで入手可能であり、かつ参照により本明細書に援用される)非特許文献4の5.3.3.1節に詳細に記載される。DCIフォーマットに関する詳細な情報およびDCIで送信される特定の情報については、前述の技術標準を、または参照により本明細書に援用される、LTE - The UMTS Long Term Evolution - From Theory to Practice, Edited by Stefanie Sesia, Issam Toufik, Matthew Baker, Chapter 9.3を参照されたい。追加のフォーマットが将来規定されるかもしれない。
【0050】
<論理チャネル優先順位付け(LCP:Logical Channel Prioritization)手順>
アップリンクについて、UEが、割り当てられた無線リソースを使用して送信されることになるMAC PDUを作成するプロセスは完全に標準化されるが、LCP手順は、最適でかつ異なるUE実装間で一貫した方途でUEが各構成された無線ベアラのQoSを充足することを保証するように設計される。PDCCHでシグナリングされるアップリンク送信リソースグラントメッセージに基づいて、UEは、新たなMAC PDUに含まれるべき各論理チャネルに対するデータ量を決定しなければならず、必要ならば、MAC制御要素のためにスペースも割り当てなければならない。
【0051】
複数の論理チャネルからのデータでMAC PDUを構築する際、最も単純かつ最も直観的な方法は絶対優先度ベースの方法であり、この方法ではMAC PDUスペースは論理チャネル優先度の降順に論理チャネルに割り当てられる。つまり、最高優先度の論理チャネルからのデータがMAC PDUで最初に扱われ、次の最高優先度の論理チャネルからのデータが後続し、MAC PDUスペースが尽きるまで続く。絶対優先度ベースの方法はUE実装の点で非常に単純であるとは言え、その方法は時には低優先度の論理チャネルからのデータの枯渇につながる。枯渇は、高優先度の論理チャネルからのデータがすべてのMAC PDUスペースを占めるために低優先度の論理チャネルからのデータが送信されることができないことを意味する。
【0052】
LTEでは、重要性の順にデータを送信するが、しかしより低い優先度を持つデータの枯渇を回避もするために、優先ビットレート(PBR:Prioritized Bit Rate)が各論理チャネルに対して規定される。PBRは、論理チャネルに対して保証される最小データレートである。たとえ論理チャネルが低優先度を有するとしても、PBRを保証するために、少なくとも小量のMAC PDUスペースが割り当てられる。したがって、PBRを使用することによって、枯渇の問題は回避されることができる。
【0053】
PBRを持つMAC PDUを構築することは、2つのラウンドから成る。第1のラウンドでは、各論理チャネルは論理チャネル優先度の降順に扱われるが、MAC PDUに含まれる各論理チャネルからのデータ量は、最初、論理チャネルの設定されたPBR値に対応する量に制限される。すべての論理チャネルがそれらのPBR値まで扱われた後、MAC PDUに残された余地があれば、第2のラウンドが行われる。第2のラウンドでは、各論理チャネルは優先度の降順に再び扱われる。第1のラウンドと比較した第2のラウンドについての大きな違いは、より高い優先度のすべての論理チャネルがもはや送信するデータを有しない場合だけ、より低い優先度の各論理チャネルがMAC PDUスペースを割り当てられることができることである。
【0054】
MAC PDUは、各設定された論理チャネルからのMAC SDUだけでなくMAC CEも含んでもよい。パディングBSRを除いて、MAC CEは、それがMACレイヤの動作を制御するので、論理チャネルからのMAC SDUより高い優先度を有する。したがって、MAC PDUが構成されるとき、MAC CEが存在すれば、それが含まれるべき最初のものであり、残りのスペースが論理チャネルからのMAC SDUのために使用される。次いで、追加のスペースが残され、それがBSRを含むのに十分大きければ、パディングBSRがトリガされてMAC PDUに含められる。
【0055】
論理チャネル優先順位付けは、例えば参照によって本明細書に援用される非特許文献2の5.4.3.1項に標準化される。
論理チャネル優先順位付け(LCP:Logical Channel Prioritization)手順は、新たな送信が行われるときに適用される。
【0056】
RRCは、各論理チャネルに対するシグナリングによって、アップリンクデータのスケジューリングを制御する:
− 大きい優先度値ほど低い優先度レベルを示すpriority、
− 優先ビットレート(PBR:Prioritized Bit Rate)を設定するprioritisedBitRate、
− バケットサイズ継続時間(BSD:Bucket Size Duration)を設定するbucketSizeDuration。
【0057】
UEは、各論理チャネルjのための変数Bjを維持するものとする。Bjは、関連した論理チャネルが確立されるときにゼロに初期化され、各TTIごとに積PBR×TTI継続時間だけインクリメントされるものとし、ここでPBRは論理チャネルjの優先ビットレートである。しかしながら、Bjの値は決してバケットサイズを超えることができず、Bjの値が論理チャネルjのバケットサイズより大きければ、Bjの値はバケットサイズに設定されるものとする。論理チャネルのバケットサイズはPBR×BSDに等しく、ここでPBRおよびBSDは上位のレイヤによって設定される。
【0058】
UE(MACエンティティ)は、新たな送信が行われるときに以下の論理チャネル優先順位付け手順を行うものとする:
− UE(MACエンティティ)は、以下のステップで論理チャネルにリソースを割り当てるものとする:
−− ステップ1:Bj>0のすべての論理チャネルが優先度降順にリソースを割り当てられる。無線ベアラのPBRが「無限大」に設定されれば、UEは、より低い優先度無線ベアラのPBRを満たす前に、無線ベアラでの送信のために利用可能であるすべてのデータのためにリソースを割り当てるものとする。
−− ステップ2:UE(MACエンティティ)は、ステップ1で論理チャネルjに分配されるMAC SDUの総サイズだけBjをデクリメントするものとする。
注:Bjの値は負でありえる。
【0059】
−− ステップ3:任意のリソースが残れば、どちらが先にせよその論理チャネルのためのデータかまたはULグラントかいずれかが尽きるまで、すべての論理チャネルが(Bjの値に関係なく)厳密な優先度降順に扱われる。等しい優先度が設定される論理チャネルは等しく扱われるべきである。
− UE(MACエンティティ)は、以上のスケジューリング手順の間、以下の規則にも従うものとする:
−− UE(MACエンティティ)は、全体のSDU(または部分的に送信されるSDUもしくは再送信されるRLC PDU)が残りのリソースに収まれば、RLC SDU(または部分的に送信されるSDUもしくは再送信されるRLC PDU)をセグメント化するべきでない。
−− UE(MACエンティティ)が論理チャネルからのRLC SDUをセグメント化する場合、UEは、可能な限りグラントを満たすようにセグメントのサイズを最大化するものとする。
−− UE(MACエンティティ)はデータの送信を最大化するべきである。
−− UE(MACエンティティ)が、送信のために利用可能なデータを有しつつ、4バイト以上であるULグラントサイズを与えられれば、UE(MACエンティティ)は、パディングBSRおよび/またはパディングのみを送信することはしないものとする(ULグラントサイズが7バイト未満であり、かつAMD PDUセグメントが送信される必要がある場合を除く)。
【0060】
UEは、停止されている無線ベアラに対応する論理チャネルのためのデータを送信しないものとする(無線ベアラが停止されていると考えられるときの条件は、TS 36.211に規定される)。
【0061】
論理チャネル優先順位付け手順に関して、UEは以下の相対的優先度を降順に考慮するものとする:
− C−RNTIに関するMAC制御要素またはUL−CCCHからのデータ;
− パディングのために含まれるBSRを除くBSRに関するMAC制御要素;
− PHRもしくは拡張PHRまたは二重接続PHRに関するMAC制御要素;
− UL−CCCHからのデータを除く、任意の論理チャネルからのデータ;
− パディングのために含まれるBSRに関するMAC制御要素。
【0062】
UEが1つのTTIに複数のMAC PDUを送信するように要求されるとき、ステップ1〜3および関連する規則が各グラントに独立してか、またはグラントの容量の和にかいずれかで適用されてもよい。また、グラントが処理される順序は、UE実装次第である。UEが1つのTTIに複数のMAC PDUを送信するように要求されるとき、どのMAC PDUにMAC制御要素が含まれるか決定することはUE実装次第である。
【0063】
<バッファ状況報告>
前述したように、スケジューリングのモードは動的スケジューリングである。eNodeBがアップリンクリソースを割り当てること、すなわちアップリンクスケジューリングを支援するために、UEからeNodeBへのバッファ状況報告(BSR)が使用される。ダウンリンクの場合に関して、eNBスケジューラは各UEに配信されるべきデータ量を明らかに認識しているが、しかしながら、アップリンク方向に関しては、スケジューリング決定がeNBで行われ、データのためのバッファがUEにあるので、UL−SCHを通じて送信される必要があるデータ量を示すために、UEからeNBにBSRが送信されなければならない。
【0064】
LTEのためのバッファ状況報告MAC制御要素は、長いBSR(4つのLCG ID#0〜3に対応する4つのバッファサイズフィールドを持つ)か、または、短いBSR(1つのLCG IDフィールドおよび1つの対応するバッファサイズフィールドを持つ)かいずれかから成る。バッファサイズフィールドは、論理チャネルグループのすべての論理チャネルに渡って利用可能な総データ量を示し、異なるバッファサイズレベルの指標として符合化されるバイト数で示される(参照により本明細書に援用される非特許文献2の現行バージョン12.6.0の6.1.3.1項も参照のこと)。
【0065】
短いまたは長いBSRいずれかのどちらのBSRがUEによって送信されるかは、トランスポートブロックでの利用可能な送信リソース、どれくらいの論理チャネルのグループが空でないバッファを有するか、および、特定のイベントがUEでトリガされるかどうか、に依存する。長いBSRが4つの規定された論理チャネルグループ(すなわちLCG ID0〜3)のためのデータ量を報告する一方で、短いBSRは最高の論理チャネルグループのみのためにバッファされるデータ量を示す。
【0066】
論理チャネルグループ概念を導入する理由は、たとえUEが5つ以上の論理チャネルを設定されてもよいとしても、各個々の論理チャネルに対するバッファ状況を報告することが、あまりに多くのシグナリングオーバーヘッドを引き起こすだろうということである。したがって、eNBは各論理チャネルを論理チャネルグループに割り当て、好ましくは同じ/同様のQoS要件を持つ論理チャネルが同じ論理チャネルグループ内に割り当てられるべきである。
【0067】
送信失敗に対してロバストであるために、LTEにBSR再送信メカニズムが規定されており、アップリンクグラントが受信されるたびに再送信BSRタイマが始動または再始動され、再送信BSRタイマが満了する前にアップリンクグラントが受信されなければ、別のBSRがUEによってトリガされる。
【0068】
BSRは、以下のイベントなどについてトリガされる。
− バッファが空でない(すなわちバッファが先だってデータを含んだ)論理チャネルより高い優先度を有する論理チャネルに対してデータが到着するたびに、
− 送信のために利用可能なデータが先だってない(すなわちすべてのバッファが先だって空になる)ときに任意の論理チャネルのためにデータが利用可能になるたびに、
− 再送信BSRタイマが満了するたびに、
− 定期的なBSR報告が予定される、すなわちperiodicBSRタイマが満了するたびに、
− BSRを収容することができる予備のスペースがトランスポートブロックにあるたびに。
【0069】
BSRおよび特にそれをトリガすることに関するより詳細な情報が、参照により本明細書に援用される非特許文献2のバージョン12.6.0の5.4.5項に説明される。
【0070】
BSRがトリガされるときに、UEがトランスポートブロックにBSRを含むために割り当てられるアップリンクリソースを有しなければ、UEは、BSRを送信するアップリンクリソースを割り当てられるように、eNodeBにスケジューリング要求(SR:Scheduling Request)を送信する。単一ビットスケジューリング要求がPUCCHを通じて送信される(個別スケジューリング要求、D−SR:Dedicated Scheduling Request)か、またはランダムアクセス手順(RACH:Random Access Procedure)が行われるかいずれかで、BSRを送信するためのアップリンク無線リソースの割当てを要求する。
【0071】
<LTEデバイスツーデバイス(D2D:Device to Device)近接サービス(ProSe:Proximity Services)>
近接ベースのアプリケーションおよびサービスが、新興の社会的技術的傾向を表している。特定される領域は、事業者およびユーザにとって関心があろう商用サービスおよび公衆安全(Public Safety)に関連したサービスを含む。LTEへの近接サービス(ProSe)能力の導入は、3GPP業界がこの発展市場に応対するのを許容するであろうし、同時に、LTEに共同で関与するいくつかの公衆安全地域の急務を満たすであろう。
【0072】
デバイスツーデバイス(D2D:Device to Device)通信は、セルラネットワークに対するアンダーレイとしてのD2Dがスペクトル効率を上昇させるのを許容するLTE−Rel.12により導入される技術要素である。例えば、セルラネットワークがLTEであれば、すべてのデータ通知用物理チャネルはD2DシグナリングのためにSC−FDMAを使用する。D2D通信では、ユーザ機器は、無線基地局を通しての代わりにセルラリソースを使用する直接リンクを通じて互いにデータ信号を送信する。本開示を通して、「D2D」、「ProSe」および「サイドリンク」という用語は交換可能である。
【0073】
<LTEでのD2D通信>
LTEでのD2D通信は2つの領域:発見および通信に重点を置いている。
ProSe(近接ベースのサービス)直接発見(Direct Discovery)が、ProSe対応UEによって、PC5インタフェースを介してE−UTRA直接無線信号を使用してその近接の他のProSe対応UEを発見するために使用される手順として規定され、後により詳細に記載することになる。
【0074】
D2D通信では、UEは、基地局(BS:Base Station)を通しての代わりにセルラリソースを使用する直接リンクを通じて互いにデータ信号を送信する。D2Dユーザは、BS下で制御されたまま、すなわち少なくともeNBのカバレージにいるときに直接通信する。したがって、D2Dは、セルラリソースを再使用することによってシステム性能を向上させることができる。
【0075】
D2Dは、(FDDの場合)アップリンクLTEスペクトル、または、(カバレージ外の場合を除き、TDDの場合)カバレージを与えるセルのアップリンクサブフレームで動作することを前提とする。さらには、D2D送信/受信は所与のキャリアで全二重を使用しない。個々のUEの観点から、所与のキャリアで、D2D信号受信およびLTEアップリンク送信は全二重を使用しない、すなわちD2D信号受信およびLTE UL送信の同時は不可能である。
【0076】
D2D通信では、1つの特定のUE1が送信の役割を有するとき(送信ユーザ機器または送信端末)、UE1はデータを送信し、別のUE2(受信ユーザ機器)がそのデータを受信する。UE1およびUE2はそれらの送信および受信役割を交換することができる。UE1からの送信は、UE2のような1つまたは複数のUEによって受信されることができる。
【0077】
ユーザプレーンプロトコルに関して、D2D通信の観点からのMACに対する取決めの一部を以下に挙げる(さらなる詳細については、参照により本明細書に援用される非特許文献5の9.2.2節も参照のこと)。
−MAC:
−− 1:M D2Dブロードキャスト通信に対して、HARQフィードバックは前提とされない。
−− 受信UEは、受信側RLC UMエンティティを識別するためにソースIDを知る必要がある。
−− MACヘッダは、MACレイヤでパケットをフィルタリングすることを許容するL2ターゲットIDを備える。
−− L2ターゲットIDはブロードキャスト、グループキャストまたはユニキャストアドレスでもよい。
−−− L2グループキャスト/ユニキャスト:MACヘッダで通知されるL2ターゲットIDは、受信RLC UM PDUをRLC受信側エンティティに送る前にさえそれを破棄することを許容するであろう。
−−− L2ブロードキャスト:受信UEは、すべての送信機からのすべての受信RLC PDUを処理し、IPパケットを再構築して上位のレイヤに送ろうとするであろう。
−− MACサブヘッダは、複数の論理チャネルを区別するLCIDを含む。
−− 少なくとも多重化/逆多重化、優先度処理およびパディングはD2Dに対して有用である。
【0078】
<ProSe直接通信レイヤ2リンク>
要するに、2つのUE間にPC5上の安全なレイヤ2リンクを確立することによって、ProSe直接1対1通信が実現される。各UEは、それがレイヤ2リンクで送信するあらゆるフレームのソースレイヤ2IDフィールドに、およびそれがレイヤ2リンクで受信するあらゆるフレームの宛先レイヤ2IDに含まれるユニキャスト通信のためのレイヤ2IDを有する。UEは、ユニキャスト通信のためのレイヤ2IDが少なくともローカルで一意であることを保証する必要がある。そこで、UEは、不特定のメカニズムを使用して隣接するUEとのレイヤ2ID競合を取り扱う(例えば、競合が検出されると、ユニキャスト通信のための新たなレイヤ2IDを自己割り当てする)備えができているべきである。ProSe1対1直接通信のためのレイヤ2リンクは、2つのUEのレイヤ2IDの組合せによって識別される。これは、UEが、同じレイヤ2IDを使用してProSe1対1直接通信のための複数のレイヤ2リンクに係わることができることを意味する。
【0079】
ProSe1対1直接通信は、参照により本明細書に援用される非特許文献6の7.1.2節に詳細に説明される以下の手順で構成される。
− PC5上の安全なレイヤ2リンクの確立。
− IPアドレス/プレフィックス割当て。
− PC5上のレイヤ2リンク維持。
− PC5上のレイヤ2リンク解除。
図5は、PC5インタフェース上の安全なレイヤ2リンクの確立のさせ方を開示する。
1. UE−1が、相互認証をトリガするためにUE−2に直接通信要求(Direct Communication Request)メッセージを送信する。リンクイニシエータ(UE−1)は、ステップ1を実行するためにピア(UE−2)のレイヤ2IDを知る必要がある。例として、リンクイニシエータは、最初に発見手順を実行することによって、またはピアを含むProSe一対多通信に関与したことによってピアのレイヤ2IDを学習してもよい。
2. UE−2が、相互認証のための手順を開始する。認証手順の完了成功が、PC5上の安全なレイヤ2リンクの確立を完了する。
PC5上のレイヤ2リンク解除は、他方のUEに送信される切断要求(Disconnect Request)メッセージを使用することによって行われることができ、これはすべての関連するコンテキストデータも削除する。切断要求メッセージの受信に応じて、他方のUEは、切断応答(Disconnect Response)メッセージで応答し、レイヤ2リンクと関連づけられるすべてのコンテキストデータを削除する。
【0080】
<ProSe直接通信関連識別情報>
非特許文献7の現行バージョン13.0.0が、ProSe直接通信のために使用する以下の識別情報を8.3項に規定する:
− SL−RNTI:ProSe直接通信スケジューリングのために使用される固有の識別;
− ソースレイヤ2ID:サイドリンクProSe直接通信でデータの送信側を識別する。ソースレイヤ2IDは長さ24ビットであり、受信側でのRLC UMエンティティおよびPDCPエンティティの識別のためのProSeレイヤ2宛先IDおよびLCIDと共に使用される;
− 宛先レイヤ2ID:サイドリンクProSe直接通信でデータのターゲットを識別する。宛先レイヤ2IDは長さ24ビットであり、MACレイヤで2つのビット列に分割される:
−− 1つのビット列は宛先レイヤ2IDのLSB部(8ビット)であり、サイドリンク制御レイヤ1IDとして物理レイヤに転送される。これはサイドリンク制御の意図されたデータのターゲットを識別し、物理レイヤでパケットフィルタリングのために使用される。
−− 第2のビット列は宛先レイヤ2IDのMSB部(16ビット)であり、MACヘッダ内で通知される。これはMACレイヤでパケットフィルタリングのために使用される。
【0081】
アクセス層シグナリングは、グループ形成のために、ならびにUEでソースレイヤ2ID、宛先レイヤ2IDおよびサイドリンク制御L1IDを設定するために必要とされない。これらの識別情報は上位レイヤによって提供されるか、または上位レイヤによって提供される識別情報から導出されるかいずれかである。グループキャストおよびブロードキャストの場合には、上位レイヤによって提供されるProSe UE IDはソースレイヤ2IDとして直接使用され、上位レイヤによって提供されるProSeレイヤ2グループIDはMACレイヤで宛先レイヤ2IDとして直接使用される。
【0082】
<近接サービスのための無線リソース割当て>
送信UEの観点から、近接サービス対応UE(ProSe対応UE)は、リソース割当てのための2つのモードで動作することができる。
モード1はeNBスケジュールリソース割当てを指し、ここでUEがeNB(またはリリース10中継ノード)に送信リソースを要求し、eNodeB(またはリリース10中継ノード)は次いで直接データおよび直接制御情報を送信するためにUEによって使用されるリソースをスケジュールする(例えばスケジューリング割当て)。UEは、データを送信するためにRRC_CONNECTEDである必要がある。特に、UEはeNBにスケジューリング要求(D−SRまたはランダムアクセス)を送信し、通例のようにバッファ状況報告(BSR:Buffer Status Report)が後続する(以下の章「D2D通信のための送信手順」も参照のこと)。BSRに基づいて、eNBは、UEがProSe直接通信送信のためのデータを有すると判定することができ、送信のために必要とされるリソースを推定することができる。
【0083】
他方では、モード2はUE自律リソース選択を指し、ここでUEが、直接データおよび直接制御情報を送信するためにリソースプールからリソース(時間および周波数)を単独で選択する(すなわちSA)。1つのリソースプールが、例えばSIB18の内容によって、すなわちフィールドcommTxPoolNormalCommonによって規定され、この特定のリソースプールはセルでブロードキャストされ、次いでなおRRC_Idle状態のセルにおけるすべてのUEに共通に利用可能である。実際上、eNBは、上記プールの4つまでの異なるインスタンス、それぞれSAメッセージおよび直接データの送信のための4つのリソースプールを規定してもよい。しかしながら、たとえ現行のリリース、すなわちRel.−12に従って複数のリソースプールを設定されたとしても、UEは列記に規定される第1のリソースプールを常に使用するものとする。
【0084】
代替策として、別のリソースプールがeNBによって規定され、SIB18で、すなわちフィールドcommTxPoolExceptionalを使用することによってシグナリングされることができ、そのリソースプールは例外的な場合にUEによって使用されることができる。
【0085】
UEがどのリソース割当てモードを使用する予定かは、eNBによって設定可能である。さらには、UEがD2Dデータ通信のためにどのリソース割当てモードを使用する予定かは、また、RRC状態、すなわちRRC_IDLEまたはRRC_CONNECTED、およびUEのカバレージ状態、すなわちカバレージ内、カバレージ外に依存してもよい。UEは、それがサービングセルを有する(すなわちUEがRRC_CONNECTEDであるかまたはRRC_IDLEのセルにキャンプしている)とすれば、カバレージ内と考えられる。
【0086】
図6は、オーバーレイ(LTE)およびアンダーレイ(D2D)システムのための送信/受信リソースの使用を例示する。
基本的に、eNodeBは、UEがモード1またはモード2送信を適用してもよいかどうかを制御する。一旦UEが、それがD2D通信を送信(または受信)することができるそのリソースを知ると、UEは対応する送信/受信のための対応するリソースのみを使用する。例えば、
図6で、D2Dサブフレームは、D2D信号を受信または送信するためにのみ使用されることになる。D2DデバイスとしてのUEは半二重モードで動作するであろうから、UEは任意の時点でD2D信号を受信かまたは送信かいずれかすることができる。同様に、
図6に例示するその他のサブフレームは、LTE(オーバーレイ)送信および/または受信のために使用することができる。
【0087】
<D2D通信のための送信手順>
D2Dデータ送信手順は、リソース割当てモードに応じて異なる。モード1について上記したように、eNBは、UEからの対応する要求後、スケジューリング割当ておよびD2Dデータ通信のためのリソースを明示的にスケジュールする。特に、UEは、D2D通信が通常許容されるが、しかしモード2リソース(すなわちリソースプール)は提供されないことをeNBによって通知されてもよく;これは、例えばUEによるD2D通信関心インジケーションおよび対応する応答(D2D通信応答)の交換で行われてもよく、ここで、上述した対応する例示的なProseCommConfig情報要素はcommTxPoolNormalCommonを含まないであろうから、送信を伴う直接通信を開始したいUEがE−UTRANに各個々の送信のためのリソースを割り当てるように要求しなければならないことを意味する。したがって、そのような場合に、UEは各個々の送信のためのリソースを要求しなければならず、以下に要求/グラント手順の異なるステップがこのモード1リソース割当てに関して例示的に列記される:
【0088】
− ステップ1:UEがPUCCHを介してeNBにSR(スケジューリング要求)を送信する;
− ステップ2:eNBがPDCCHを介して(UEがBSRを送信するための)ULリソースを、C−RNTIによってスクランブルして許可する;
− ステップ3:UEがPUSCHを介してバッファ状況を示すD2D BSRを送信する;
− ステップ4:eNBがPDCCHを介して(UEがデータを送信するための)D2Dリソースを、D2D−RNTIによってスクランブルして許可する。
− ステップ5:D2D Tx UEがステップ4で受信したグラントに従ってSA/D2Dデータを送信する。
【0089】
SCI(Sidelink Control Information:サイドリンク制御情報)とも名付けられるスケジューリング割当て(SA:Scheduling Assignment)は、制御情報、例えば対応するD2Dデータ送信のための時間/周波数リソースへのポインタ、変調および符号体系ならびにグループ宛先ID(Group Destination ID)を含むコンパクトな(低ペイロード)メッセージである。SCIは、1つの(ProSe)宛先IDに対するサイドリンクスケジューリング情報を搬送する。SA(SCI)の内容は基本的に、上記ステップ4で受信したグラントに従う。D2DグラントおよびSA内容(すなわちSCI内容)は、参照により本明細書に援用される非特許文献4の5.4.3項に規定され、特にSCI format0を規定する。
【0090】
他方では、モード2リソース割当てに関して、上記ステップ1〜4は基本的に必要でなく、UEは、eNBによって設定および提供される送信リソースプールからSAおよびD2Dデータ送信のためのリソースを自律的に選択する。
【0091】
図7は、2つのUE(UE−AおよびUE−B)に対するスケジューリング割当ておよびD2Dデータの送信を例示的に示し、ここでスケジューリング割当てを送信するためのリソースは周期的であり、D2Dデータ送信のために使用されるリソースは対応するスケジューリング割当てによって示される。
【0092】
<ProSeネットワークアーキテクチャおよびProSeエンティティ>
図8は、それぞれのUE AおよびBにおける異なるProSeアプリケーションの他に、ネットワークにおけるProSeアプリケーションサーバおよびProSe機能を含む、非ローミングケースについての高レベルの例示的なアーキテクチャを例示する。
図8のアーキテクチャ例は、参照により本明細書に援用される非特許文献8のバージョン13.0.0の4.2章「Architectural Reference Model」から取られている。
【0093】
機能エンティティは、参照により本明細書に援用される、上記引用した非特許文献8の4.4項「Functional Entities」に詳細に提示および説明されている。ProSe機能は、ProSeのために必要とされるネットワーク関連行動のために使用される論理機能であり、ProSeの特徴の各々のための異なる役割を果たす。ProSe機能は3GPPのEPCの一部であり、近接サービスに関連した、許可、認証、データ操作などのようなすべての関連するネットワークサービスを提供する。ProSe直接発見および通信に関して、UEは、PC3基準点を通じてProSe機能から、特定のProSe UE識別情報、他の構成情報の他に許可を得てもよい。ネットワークには複数のProSe機能を展開することができるが、例解の容易さのために、単一のProSe機能を提示する。ProSe機能は、ProSe特徴に応じて異なる役割を行う3つの主な副機能:直接供給機能(DPF:Direct Provision Function)、直接発見名管理機能およびEPCレベル発見機能から成る。DPFは、ProSe直接発見およびProSe直接通信を使用するために、UEに必要なパラメータを供給するために使用される。上記関連で使用される用語「UE」は、以下などのProSe機能性をサポートするProSe対応UEを指す。
【0094】
ProSeアプリケーションサーバは、EPC ProSeユーザIDおよびProSe機能IDの記憶、ならびにアプリケーションレイヤユーザIDおよびEPC ProSeユーザIDのマッピングをサポートする。ProSeアプリケーションサーバ(AS:Application Server)は3GPPの範囲外のエンティティである。UEにおけるProSeアプリケーションは、アプリケーションレイヤ基準点PC1を介してProSe ASと通信する。ProSe ASはPC2基準点を介して3GPPネットワークに接続される。
【0095】
<D2DのためのUEカバレージ状態>
既に前述したように、D2D通信のためのリソース割当て方法は、RRC状態、すなわちRRC_IDLEおよびRRC_CONNECTEDとは別に、UEのカバレージ状態、すなわちカバレージ内、カバレージ外にも依存する。UEは、それがサービングセルを有する(すなわちUEがRRC_CONNECTEDであるかまたはRRC_IDLEのセルにキャンプしている)とすれば、カバレージ内と考えられる。
【0096】
ここまで述べた2つのカバレージ状態、すなわちカバレージ内(IC:in-coverage)およびカバレージ外(OOC:out-of-coverage)は、D2Dに関して下位状態にさらに区別される。
図9は、D2D UEが関連づけられることができる4つの異なる状態を示し、それらは以下の通りに要約されることができる:
− 状態1:UE1はアップリンクおよびダウンリンクカバレージを有する。この状態では、ネットワークは各D2D通信セッションを制御する。さらには、ネットワークは、UE1がリソース割当てモード1かまたはモード2かどちらを使用するべきかを設定する。
− 状態2:UE2はアップリンクを除いたダウンリンクカバレージ、すなわちDLカバレージのみを有する。ネットワークは(競合ベースの)リソースプールをブロードキャストする。この状態では、送信UEは、ネットワークによって設定されるリソースプールからSAおよびデータのために使用されるリソースを選択するが、リソース割当ては、そのような状態のD2D通信のためのモード2に従って可能であるのみである。
− 状態3:UE3はアップリンクおよびダウンリンクカバレージを有しないので、UE3は厳密に言えば、既にカバレージ外(OOC:out-of-coverage)として考えられる。しかしながら、UE3は、それら自体(例えばUE1)セルのカバレージ内であるいくつかのUEのカバレージ内であり、すなわちそれらのUEはCP中継UEまたは単にリレーUEとも称されることができる(ProSeリレーに関する後章も参照のこと)。したがって、
図9における状態3UEの領域は、CP UE中継カバレージ範囲として示されることができる。この状態3のUEはOOC状態3UEとも称される。この状態では、UEは、eNB(SIB)によって送信してもよく、セルのカバレージ内のCP UE中継UEによってPD2DSCHを介してOOC状態3UEに転送される何らかのセル固有情報を受信してもよい。(競合ベースの)ネットワーク制御リソースプールがPD2DSCHによってシグナリングされる。
− 状態4:UE4はカバレージ外であり、セルのカバレージ内である他のUEからPD2DSCHを受信しない。状態4OOCとも称されるこの状態では、送信UEは、リソースの予め設定されたプールからデータ送信のために使用されるリソースを選択する。
【0097】
状態3OOCと状態4OOCとの間で区別する理由は、主にカバレージ外デバイスからのD2D送信とレガシーE−UTRA送信との間の潜在的に強い干渉を回避するためである。概して、D2D可能UEは、カバレージ外の間に使用するためにD2D SAおよびデータの送信のためのリソースプールを予め設定しているだろう。これらのカバレージ外UEがセル境界付近でこれらの予め設定されたリソースプールで送信する場合、D2D送信とカバレージ内レガシー送信との間の干渉がセル内の通信に悪影響を及ぼすはずである。カバレージ内のD2D対応UEがセル境界付近でそれらのカバレージ外デバイスにD2Dリソースプール設定を転送するとすれば、カバレージ外UEはeNode Bによって特定されるリソースにそれらカバレージ外UEの送信を限定し、したがってカバレージ内のレガシー送信との干渉を最小化することができるだろう。したがって、RAN1は、カバレージ内UEがカバレージ範囲すぐ外のそれらのデバイス(状態3UE)にリソースプール情報および他のD2D関連設定を転送するメカニズムを導入した。
【0098】
物理D2D同期チャネル(PD2DSCH:Physical D2D synchronization channel)を使用してネットワーク近接のUEにカバレージ内D2Dリソースプールについてのこの情報を通知し、その結果ネットワーク近接内のリソースプールは同調される。
【0099】
<D2D発見−モデルおよびリソース割当て>
ProSe直接発見は、ProSe対応UEによって、PC5を介してE−UTRA直接無線信号を使用してその近接の他のProSe対応UEを発見するために使用される手順として規定される。上位のレイヤが、発見情報のアナウンスおよびモニタリングのための許可を取り扱う。この目的のため、UEは、「発見信号」と称される所定の信号を交換しなければならない。発見信号を周期的に確認することによって、UEは、必要とされるときに通信リンクを確立するために近接UEの一覧を維持する。発見信号は、低信号対雑音比(SNR:Signal-to-Noise Ratio)環境でさえ、確実に検出されるべきである。発見信号が周期的に送信されるのを許容するために、発見信号のためのリソースが割り当てられるべきである。
【0100】
二種類のProSe直接発見がある:無制限および制限付。無制限は、発見されているUEから明示的な許可が必要とされない場合である一方で、制限付発見は、発見されているUEからの明示的な許可を伴ってのみ生じる。
【0101】
ProSe直接発見は、例えば発見されるUEからの情報を、この情報、例えば「近くでタクシーを見つけて」、「私にコーヒー店を見つけて」を使用するのを許可されるUEにおける一定のアプリケーションのために使用することがありえるスタンドアロンサービスを可能にすることであることができる。付加的に、得られた情報に応じて、ProSe直接発見は、例えばProSe直接通信を開始する後続の行動のために使用されることができる。
【0102】
ProSe直接発見のための以下のモデルが、参照により本明細書に援用される非特許文献8の5.3節およびそのすべての項に規定される。
【0103】
モデルA(「私はここにいます」):
このモデルは、ProSe直接発見に関与しているProSe対応UEのための2つの役割を規定する。
− アナウンスUE(Announcing UE):UEは、発見する許可を有する近接のUEによって使用されることがありえる一定の情報をアナウンスする。
− モニタリングUE(Monitoring UE):アナウンスUEの近接の関心を引く一定の情報をモニタリングするUE。
【0104】
このモデルでは、アナウンスUEは所定の発見間隔で発見メッセージをブロードキャストし、これらのメッセージに関心があるモニタリングUEはそれらを読み、それらを処理する。このモデルは、アナウンスUEがそれ自体についての情報、例えばそのProSeアプリケーションコードを発見メッセージでブロードキャストすることになるので、「私はここにいます」と称されてもよい。
【0105】
モデルB(「誰がそこにいますか?」/「あなたはそこにいますか?」):
このモデルは、ProSe直接発見に関与しているProSe対応UEのための2つの役割を規定する。
− 発見者UE(Discoverer UE):UEは、それが何を発見することに関心があるかについての一定の情報を含む要求を送信する。
− 被発見者UE:要求メッセージを受信するUEは、発見者の要求に関連した何らかの情報で応答することができる。
【0106】
それは、発見者UEが応答を受信することを望む他のUEに対する情報を送信する、例えば、情報がグループに対応するProSeアプリケーション識別情報についてであることができ、かつグループのメンバーが応答することができるので、「誰がそこにいますか/あなたはそこにいますか」と称されることができる。
【0107】
発見情報の内容はアクセス層(AS:Access Stratum)にとって透過的であり、ASではProSe直接発見モデルおよびProSe直接発見の種類に関して区別はなされない。ProSeプロトコルは、それが、アナウンスの場合、有効な発見情報のみをASに送出することを保証する。
【0108】
UEは、eNB構成に従ってRRC_IDLEおよびRRC_CONNECTED状態の両方で発見情報のアナウンスおよびモニタリングに関与することができる。UEは、半二重制約を条件としてその発見情報をアナウンスおよびモニタリングする。
【0109】
概して、デバイス発見は周期的に必要とされる。さらに、D2Dデバイスは、発見メッセージシグナリングプロトコルを利用してデバイス発見を行う。例えば、D2D対応UEがその発見メッセージを送信することができ、別のD2D対応UEがこの発見メッセージを受信し、その情報を使用して直接通信リンクを確立することができる。ハイブリッドネットワークの利点は、D2Dデバイスがネットワークインフラの通信距離にもあれば、eNBのようなネットワークエンティティが発見メッセージの送信または設定を付加的に支援することができるということである。発見メッセージの送信または設定でのeNBによる協調/制御も、D2DメッセージングがeNBによって制御されるセルラトラヒックとの干渉を引き起こさないことを保証するために重要である。付加的に、たとえデバイスのいくつかがネットワークカバレージ範囲の外であるとしても、カバレージ内デバイスがアドホック発見プロトコルを支援することができる。
【0110】
少なくとも以下の二種類の発見手順が、記載にさらに使用される専門用語定義の目的で規定される。
− UE自律リソース選択(以降1型と呼ばれる):発見情報をアナウンスするためのリソースが非UE特定ベースで割り当てられるリソース割当て手順であり、以下によってさらに特徴付けられる。
−− eNBは、発見情報のアナウンスのために使用されるリソースプール設定をUEに提供する。設定は例えばSIBでシグナリングされてもよい。
−− UEは、示されたリソースプールから無線リソースを自律的に選択し、発見情報をアナウンスする。
−− UEは、各発見期間の間、ランダムに選択された発見リソースで発見情報をアナウンスすることができる。
−スケジュールリソース割当て(以降2型と呼ばれる):発見情報をアナウンスするためのリソースがUE特定ベースで割り当てられるリソース割当て手順であり、以下によってさらに特徴付けられる。
−− RRC_CONNECTEDのUEは、RRCを介してeNBに発見情報のアナウンスのためのリソースを要求してもよい。eNBはRRCを介してリソースを割り当てる。
−− リソースは、モニタリングのためにUEに設定されるリソースプール内で割り当てられる。
【0111】
RRC_IDLEのUEに対して、eNBは以下のオプションの1つを選択してもよい。
− eNBは、発見情報アナウンスのための1型リソースプールをSIBで提供してもよい。ProSe直接発見に許可されているUEが、これらのリソースを、RRC_IDLEで発見情報をアナウンスするために使用する。
− eNBは、それがD2Dをサポートするが、しかし発見情報アナウンスのためのリソースは提供しないことをSIBで示してもよい。UEは、発見情報アナウンスのためのD2Dリソースを要求するためにRRC Connectedに入る必要がある。
【0112】
RRC_CONNECTEDのUEに対して:
− ProSe直接発見アナウンスを行う許可を与えられているUEが、それがD2D発見アナウンスを行いたいことをeNBに示す。
− eNBは、MMEから受信されるUEコンテキストを使用して、UEがProSe直接発見アナウンスに許可されているかどうかを確認する。
− eNBは、個別RRCシグナリングを介して、発見情報アナウンスのために1型リソースプールまたは個別2型リソースを使用するようにUEを構成してもよい(またはリソースなし)。
− eNBによって割り当てられるリソースは、a)eNBがRRCシグナリングによってリソースを構成解除する、またはb)UEがIDLEに入るまで有効である。
【0113】
RRC_IDLEおよびRRC_CONNECTEDの受信UEが、許可されるように、1型および2型発見リソースプール両方をモニタリングする。eNBは、発見情報モニタリングのために使用されるリソースプール設定をSIBで提供する。SIBは、隣接セルでのアナウンスのために使用される発見リソースも含んでもよい。
【0114】
<D2D(サイドリンク)論理チャネルのためのLCP手順>
D2DのためのLCP手順は、「通常の」LTEデータのための以上提示したLCP手順とは異なることになる。以下の情報は、非特許文献2の、ProSeのためのLCPを記載する5.14.1.3.1項から取られており、それは参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0115】
すべてのD2D(サイドリンク)論理チャネル、例えばSTCH(Sidelink Traffic CHannel:サイドリンクトラヒックチャネル)が、LCGIDが「11」に設定される同じ論理チャネルグループ(LCG)に割り当てられる(非特許文献2の5.14.1.4項「Buffer Status Reporting」を参照のこと)。Rel−12では、D2D(サイドリンク)論理チャネル/グループのための優先順位付けメカニズムはない。本質的に、すべてのサイドリンク論理チャネルはUEの観点から同じ優先度を有し、すなわちサイドリンク論理チャネルが扱われる順序はUE実装次第である。
【0116】
<ProSeのためのバッファ状況報告>
バッファ状況報告はProSeに適合され、現在、参照により本明細書に援用される非特許文献2の5.14.1.4項「Buffer Status Reporting」に規定される。
【0117】
(D2D)サイドリンクバッファ状況報告手順は、他方のUEへの送信のために利用可能なUEのサイドリンクバッファにおけるサイドリンクデータ量についての情報をサービングeNBに提供するために使用される。RRCは、2つのタイマPeriodic−ProseBSR−TimerおよびRetxProseBSR−Timerを設定することによってサイドリンクBSR報告を制御する。各サイドリンク論理チャネル(STCH)は、LCGIDが「11」に設定されるLCGに割り当てられ、ProSe宛先グループに帰属する。
【0118】
サイドリンクバッファ状況報告(BSR)は、非特許文献2の5.14.1.4項に詳細に明記されるように、何らかの特定のイベントが発生する場合にトリガされるものとする。
【0119】
さらには、参照により本明細書に援用される非特許文献2の6.1.3.1a項が、以下の通りにProSe BSR MAC制御要素およびその対応する内容を規定する。ProSeバッファ状況報告(BSR:Buffer Status Report)MAC制御要素は、報告されるD2D宛先グループごとに1つのグループインデックスフィールド、1つのLCG IDフィールドおよび1つの対応するバッファサイズフィールドから成る。より詳細には、各含まれるProSe宛先グループに対して、以下のフィールドが規定される:
− グループインデックス:グループインデックスフィールドはProSe宛先グループを識別する。このフィールドの長さは4ビットである。値は、destinationInfoListで報告される宛先識別情報のインデックスに設定される;
− LCG ID:論理チャネルグループIDフィールドは、バッファ状況が報告されている論理チャネルのグループを識別する。フィールドの長さは2ビットであり、それは「11」に設定される;
− バッファサイズ:バッファサイズフィールドは、TTIに対するすべてのMAC PDUが構築された後にProSe宛先グループのすべての論理チャネルに渡って利用可能な総データ量を識別する。データ量は、バイト数で示される。
− R:予約ビット、「0」に設定される。
【0120】
図10は、以上引用した非特許文献2の6.1.3.1a項から取られる、N(ProSe宛先グループの数)にも対するProSe BSR MAC制御要素を示す。
【0121】
<ProSe UE−ネットワークリレー(UE−to−Netwrok Relay)>
UEはまた、ProSe UE−ネットワークリレーとして作用して、その結果リモートUEがPC5基準点を通じてProSe UE−ネットワークリレーと通信するように、機能性および手順をサポートしてもよい。ProSe UE−ネットワークリレー動作は、3GPP Release13内で明記されるであろう。ここまで、初期取決めのみが3GPP RAN作業グループでなされてきたが、そのいくつかが、例えば、参照により本明細書に援用される非特許文献8および非特許文献6から理解されることができる。それらの取決めのいくつかが以下列記されることになる。しかしながら、この作業項目がごく最近導入され、したがって依然標準化の最中であることに留意するべきである。結果的に、以下に前提とされるいかなる取決めも依然変更または破棄される可能性があり、考察目的で前提とされる以下の取決めは、しかしながら、標準化のこの非常に初期段階で本開示をこの特定の3GPP実装に限定するとは理解されないものとする。
【0122】
− ProSe UE−ネットワークリレー発見およびProSeリレー(再)選択に関して、リモートUEがカバレージ内およびカバレージ外である両シナリオが対処されることができる。
− リレーUEは常にカバレージ内であろう。eNBが無線レベルで、UEがリレーとして作用することができるかどうかを制御することができる一方で、ネットワーク制御がリレーUEごと、セル(ブロードキャスト設定)ごと、もしくは両方、または何か他のことであるかどうかは依然未決定である。
− リモートUEがリレー発見目的でカバレージ内であるとき、発見のためのモニタリングおよび送信リソースは、例えばRel−12メカニズム(アイドルモード用のブロードキャストおよび接続モード用の個別シグナリング)を使用してeNBによって提供されることができる。リモートUEは、いつモニタリングを開始するべきかを決定することができる。
− リモートUEがカバレージ外であるとき、発見および通信(実際のデータ転送)のためのモニタリングおよび送信リソースは、例えば、UEがどのリソースを使用するべきかを正確に知るように、事前設定によって、すなわち仕様/オペレータ設定(USIMでなど)を通じて提供されることができる。
【0123】
ProSe UE−ネットワークリレー(再)選択:
− リモートUEは、ProSe UE−ネットワークリレー選択手順に対して、PC5無線リンク品質の無線レベル測定値を考慮に入れることができる。
− リモートUEがカバレージ外である場合に関して、無線レベル測定値は、他の上位レイヤ判定基準と共にリモートUEによって使用されてリレー選択を行うことができる。
− リモートUEがカバレージ外である場合に関して、再選択のための判定基準は、PC5測定値(RSRPまたは他のRAN1約定測定値)および上位レイヤ判定基準に基づく。リレー再選択はリモートUEによってトリガされることができる。
− リモートUEがカバレージ内である場合に関して、これらの測定値(PC5測定値)が使用されるかどうか、およびどのように使用されるかはまだ決定されていない(例えば、測定値はUEによって使用されてカバレージ外の場合と同様の選択を行うことができる、またはそれらはeNBに報告されることができる)。
【0124】
ProSe UE−ネットワークリレーはレイヤ3パケット転送を使用してもよい。ProSe UE間の制御情報が、例えばUE−ネットワークリレー検出およびProSe直接発見のために、PC5基準点を通じて交換されることができる。
【0125】
ProSe対応UEがまた、PC3基準点を通じた別のProSe対応UEとProSe機能との間のProSe制御情報の交換をサポートするであろう。ProSe UE−ネットワークリレーの場合には、リモートUEはPC5ユーザプレーンを通じてこの制御情報を送信し、ProSe機能に向けてLTE−Uuインタフェースを通じて中継されることになる。
【0126】
ProSe UE−ネットワークリレーエンティティは、eNBのカバレージ範囲内でない、すなわちE−UTRANに接続されていないリモートUEに、「ユニキャスト」サービスへの接続性をサポートする機能性を提供する。
図11は、ProSe UE−ネットワークリレーシナリオを示す。ProSe UE−ネットワークリレーは、リモートUEとネットワークとの間のユニキャストトラヒック(ULおよび/またはDL)を中継するものとする。ProSe UE−ネットワークリレーは、公衆安全通信に関連するいかなる種類のトラヒックも中継することができる一般的な機能を提供するものとする。
【0127】
リモートUEとProSe UE−ネットワークリレーとの間の1対1直接通信は以下の特性を有する。
− PC5基準点を通じた通信はコネクションレスである。
− ProSeベアラは双方向である。所与のProSeベアラ上の無線レイヤに渡されるIPパケットは、関連するL2宛先アドレスを持つ物理レイヤによって送信されるであろう。同じProSeベアラ上の無線レイヤから上方へ渡されるIPパケットは、同じL2宛先にアドレス指定される無線で受信されるであろう。
【0128】
ProSe UE−ネットワークリレーは以下の機能を含んでもよい。
− モデルAまたはモデルBに従うProSe直接発見は、リモートUEが近接のProSe UE−ネットワークリレーを発見するのを許容するために使用されることができる。
− ProSe UE−ネットワークリレーのL2アドレスがProSe UE−ネットワークリレーによってサポートされる特定のPDN接続に対応するIPアドレス割当ておよびユーザプレーントラヒックのためにリモートUEによって使用されるのをリモートUEが発見するのを許容するために使用されることができるProSe直接発見。
− 直接発見をサポートするPC5基準点上の「アナウンス」または「被発見者」UEとして作用する。
−UE−ProSe UE−ネットワークリレーポイントツーポイントリンクと対応するPDN接続との間でIPパケットを転送する、リモートUEに対するデフォルトルータとして作用する。
− IETF RFC4861に規定されるルータ要請およびルータ広告メッセージを取り扱う。
− DHCPv4サーバおよびステートレスDHCPv6リレーエージェントとして作用する。
− IPv4が使用される場合NATとして作用し、リモートUEのローカルに割り当てられたIPv4アドレスをそれ自体のものに置き換える。
− 宛先レイヤ2IDとしてリモートUEによって使用されるL2リンクIDを、ProSe UE−ネットワークリレーによってサポートされる対応PDN接続にマッピングする。
【0129】
ProSe UE−ネットワークリレーのためのユーザプレーンプロトコルアーキテクチャが
図12に示される。2つのProSe UE間の通例のRel.−12直接発見に関して上述したように、モデルAおよびモデルB発見の両方がサポートされ、ここでモデルAは単一の発見プロトコルメッセージ(UE−ネットワークリレー発見アナウンス)を使用し、モデルBは2つの発見プロトコルメッセージ(UE−ネットワークリレー発見要請およびUE−ネットワークリレー発見応答)を使用する。リレー発見に関する詳細は、参照により本明細書に援用される非特許文献6の6節に見られることができる。
【0130】
<ProSe UE−ネットワークリレーを介するProSe方向通信>
UE−ネットワークリレー機能は、上述した非特許文献8に既に文書化されたProSe機能性の進化に基づいて明記されることになる。
【0131】
ProSe UE−ネットワークリレー可能UEがネットワークにアタッチし(それが既に接続されていない場合)、必要なリレートラヒックを可能にするPDN接続に接続してもよく、またはそれは、リモートUEに向けてリレートラヒックを提供するために追加のPDN接続に接続する必要があってもよい。UE−ネットワークリレーをサポートするPDN接続は、リモートProSe UEリレートラヒックのためにのみ使用されるものとする。
【0132】
以上説明したように、3GPPは、主要な作業項目として、リレー発見およびリレー直接通信を含むProSeリレー機能性を導入する。ProSeリレーのための現在規定されているメカニズムのいくつかはかなり非効率的である。他のメカニズムは、リレー可能ProSe UEがどのように、およびいつリレーとして実際に作用し始める、すなわち無線セルにリレーサービスを提供し始めるかなど、全く承認されていない。
【発明を実施するための形態】
【0160】
移動局または移動ノードまたはユーザ端末またはユーザ機器は、通信ネットワーク内の物理エンティティである。1つのノードがいくつかの機能エンティティを有してもよい。機能エンティティは、所定の機能の集合をノードの他の機能エンティティまたはネットワークに実装および/または提供するソフトウェアまたはハードウェアモジュールを指す。ノードは、ノードが通信するために介することができる通信機構または媒体にノードを取り付ける1つまたは複数のインタフェースを有してもよい。同様に、ネットワークエンティティは、機能エンティティが他の機能エンティティまたは対応ノードと通信するために介してもよい通信機構または媒体に機能エンティティを取り付ける論理インタフェースを有してもよい。
【0161】
「リレーユーザ機器」は、本願の請求項でおよび本出願で使用する場合、(「リモートユーザ機器」と名付けられる)別のユーザ機器に対するリレーとして働くことが可能であるユーザ機器を指すとして広く理解しなければならない。これは、直接に2つのユーザ機器間の直接通信送信をサポートする能力も伴う(以下D2DまたはProSeを参照のこと)。1つの実装によれば、リレーユーザ機器は、3GPP LTE−Aに規定されるように、および背景に記載したようにリレー機能性をサポートするものとする。上記の関連で、用語「リモートユーザ機器」は単に、リレーユーザ機器のピアである、すなわち直接通信を確立するリレーを探しているとしてのユーザ機器の役割を示すだけのものとする。
【0162】
用語「無線リソース」は、本願の請求項でおよび本出願で使用する場合、時間−周波数リソースなどの物理無線リソースを指すとして広く理解しなければならない。
【0163】
用語「直接通信送信」は、本願の請求項でおよび本出願で使用する場合、直接に2つのユーザ機器間の、すなわち無線基地局(例えばeNB)を介さない送信として広く理解しなければならない。対応して、直接通信送信は「直接サイドリンク接続」を通じて行われ、これは直接に2つのユーザ機器間に確立される接続のために使用される用語である。例えば、3GPPでは、D2D(デバイスツーデバイス)通信またはProSe通信またはサイドリンク通信の専門用語が使用される。用語「直接サイドリンク接続」は、本願の請求項でおよび本出願で使用する場合、背景に記載したPC5インタフェースとして広く理解しなければならず、かつ3GPPコンテキストで理解することができる。
【0164】
用語「リレー機能性」は、本願の請求項でおよび本出願で使用する場合、リレーとして作用するユーザ機器の能力として広く理解しなければならない。1つの例示的な実装では、リレー機能性は、背景で詳細に説明したように3GPP作業項目で現在標準化されている機能性である。
【0165】
用語「リモートデータ」は、本願の請求項でおよび本出願で使用する場合、リモートユーザ機器、すなわち無線基地局にリレーユーザ機器を介して接続されているユーザ機器から発信する(すなわちアップリンク)またはリモートユーザ機器に宛てられる(すなわちダウンリンク)データとして広く理解しなければならない。言い換えると、リモートデータは、リモートユーザ機器によって生成されてリレーUEを介して無線基地局に(そして、例えば、さらにピアユーザ機器に向けて)アップリンクで送信されるか、または別のピアユーザ機器によって生成されるが、リモートユーザ機器に宛てられる(したがって、リレーユーザ機器を介してリモートユーザ機器によって受信される)。他方で、「リレーデータ」は、本願の請求項でおよび本出願で使用する場合、リレーユーザ機器、すなわちリモートユーザ機器に対するリレーとして働くことが可能であるようにリレー機能性を有するユーザ機器から発信する(すなわちアップリンク)またはリレーユーザ機器に宛てられる(すなわちダウンリンク)データとして広く理解しなければならない。そのため、「リモートデータ」および「リレーデータ」は異なるソース/宛先からのデータを指し、そうするとリレーユーザ機器は、それ自体のリレーデータに加えて、1つまたは複数のリモートユーザ機器のためにアップリンク/ダウンリンクでリモートデータを送信しなければならないことがある。
【0166】
3GPPは、現在ProSe可能ユーザ機器のためのリレー機能性を導入する最中である。いくつかの初期取決めが既になされた(そのいくつかは背景で詳細に説明される)とは言え、ProSeリレー機能性に関していくつかの重要な問題についてはまだ取決めがなされることはない。詳細な背景で以上説明したように、先だってE−UTRANのカバレージ範囲(すなわちeNodeBのカバレージ)内であったUEが、(例えばセルエッジ領域に、または建物内に移動するときに低ジオメトリなどの劣悪なチャネル環境により)E−UTRANへの接続を失うと、ProSe UE−ネットワークリレーUEが、(リモートUEとも名付けられる)このUEに対して「ユニキャスト」サービスへの接続性をサポートする機能性を提供するものとする。特に、リモートUEがPC5インタフェース(すなわちProSe直接通信)を通じてリレーUEと通信する一方で、リレーUEはeNodeBとUuインタフェースを介して接続される。対応して、1つまたは複数のサイドリンク論理チャネルが、リモートUEの各々とそれぞれのリモートデータがPC5インタフェースを介して交換されるために介することができるリレーUEとの間に確立される。他方で、通例のレガシー論理チャネルがリレーUEとeNodeBとの間に確立されてリレーデータを通知する。これらの異なる論理チャネルの各々は、それら自体のID、優先度および満たされるべきQoS要件を有する。
【0167】
したがって、そのようなシナリオでの1つの重要な問題は、すべての論理チャネル/データの様々なQoS要件が満たされることを保証するように1つまたは複数のリモートユーザ機器に対するリレーとして働くリレーユーザ機器へのリソース割当て機能の効率的な提供のし方である。
【0168】
例えば、(リレーUEからeNodeBへリモートデータを通知するために別の論理チャネルが設定/構成されることを前提として)、eNodeBがどのようにリモート論理チャネルをリレー論理チャネルから区別することができるものであるかは不明である。eNodeBがリモートおよびリレー論理チャネル間を適切に区別することを保証する1つの可能な方途は、サイドリンク論理チャネル(リモートUEとリレーUEとの間のサイドリンク無線ベアラ)と、リレーUEとeNodeBとの間の対応する(リモート)論理チャネルとの間の1対1マッピングを提供することである。特に、PC5インタフェースの各サイドリンク論理チャネル/サイドリンク無線ベアラは、Uuインタフェースの1つの論理チャネル/無線ベアラにマッピングされる。しかしながら、限定数の論理チャネルID(DRB ID)のみが利用可能である(現在の標準化では8)ことに鑑みて、この手法は非常に限定的であることがあり、そうすると、これは、複数のリモートUEが1つのリレーUEに接続されるいくつかのシナリオに不十分であることがある。さらには、論理チャネルグループの数も現在わずか4に限定されるという課題があり、そうすると、(リモートデータを通知するUuインタフェースの)リモート論理チャネルおよびリレー論理チャネルは同じ論理チャネルグループに分類されることがある/されなければならない。結果として、論理チャネルグループ当たりのバッファサイズを示すバッファ状況報告、および、したがってバッファ状況報告を受信するeNodeBは、リモート論理チャネルとリレー論理チャネルとの間を区別することができないことになる。
【0169】
以上説明した1つまたは複数の課題を軽減するために、以下の例示的な実施形態が発明者らによって考えられる。
【0170】
様々な実施形態の特定の実装が、様々な実施形態に関連して以下で説明するように特定の主要な特徴を追加しつつ、3GPP規格によって与えられ、かつ背景で部分的に説明したような広範な仕様で実装されるものである。実施形態は、例えば上記技術背景に記載したように、3GPP LTE−A(Release10/11/12/13)通信システムなどの移動通信システムに有利に使用されることができるが、しかし実施形態はこの特定の例示的な通信ネットワークでのその使用に限定されないことに留意するべきである。
説明は、本開示の範囲を限定するとしてではなく、本開示をよりよく理解するための実施形態の単なる例として理解するべきである。当業者は、請求項に述べるような本開示の一般的な原理が異なるシナリオに、かつ本明細書に明記しない方途で適用されることができることを認識しているべきである。例示目的で、いくつかの前提が立てられるが、しかしながら、それらは以下の実施形態の範囲を限定するものではない。
【0171】
さらには、上述したように、以下の実施形態は、3GPP LTE−A(Rel.12/13)環境で実装されてもよい。様々な実施形態は主に、特定のメカニズム(リソーススケジューリング自体、BSR、LCPなど)を変更/改善することによって、リレーUEとeNodeBとの間で行われる改善されたスケジューリング手順を可能にするが、他の機能性(すなわち様々な実施形態によって変更されない機能性)は、しかしながら、背景で説明したのと厳密に同じままでもよいし、または様々な実施形態へのいかなる影響もなしで変更されてもよい。これは、例えば、UEおよびeNodeBでMACエンティティによって提供される様々な機能(例えばHARQ、RACH、(非)多重化、制御機能)または、リレーUEを発見し、中継が起きている発見したリレーUEとの直接サイドリンク接続を確立するような正確な手順にとっての他に、データがリモートユーザ機器とリレーユーザ機器との間でどのように中継されるかなどという正確な手順にとって真実である。
【0172】
ユーザ機器がProSe通信(ProSe対応UE)、すなわちeNodeBを介する迂回のない直接にUE間の直接D2D送信を行うことを可能にされるシナリオを前提としてもよい。さらには、シナリオにおけるこれらの(ProSe対応)UEの少なくとも1つは、例えば3GPP規格のRelease13における具体的な実装に関して背景で説明したように、リレー機能性をサポートするものとする。言い換えると、(無線セルに設けられ、無線セルを制御する対応無線基地局に接続される)このリレーUEは、他の(ProSe対応)UE(1つまたは複数のリモートUE)に対してリレーとして働くことが可能であり、それによって、これらのリモートUEがリレーを介してeNBに接続するのを許容するものとする。さらに、1つまたは複数のリモートUEがリレーUEを実際にリレーとして選択し、したがってそれらの各々がそのリモートデータ(すなわち、そのリモートUEから発信する、またはリモートUEに宛てられるデータ)をリレーを介して無線基地局と交換していることを前提とする。1つまたは複数の適切なサイドリンクリモート論理チャネルが、2つのUE間でこのリモートデータを通知するようにリレーUEと各リモートUEとの間に設定される。さらには、リレーUEが、リレーUEと無線基地局との間に設定される対応する(リレー)論理チャネルを使用することによってリレーデータ(すなわち、リレーUEから発信する、またはリレーUEに宛てられるデータ)を交換することによって、無線基地局とアクティブに通信することも前提とする。
【0173】
(第1の実施形態)
以下に、上記の課題を解決するための第1の実施形態を詳細に記載することにする。第1の実施形態の異なる実装を以下に詳細に説明することにする。第1の実施形態によれば、Uuインタフェースに対する、eNodeBによって行われ、かつリレーUEによって支援される無線リソーススケジューリングが改善される。特に、第1の実施形態は、異なるスケジューリングRNTI(スケジューリング識別情報)が、リレーUEにリソースをスケジュールするために設定され、一方はリレーデータを交換するための取扱いリソース割当てのため、他方はリモートデータを交換するためのリソース割当てを扱うためであることに基づく。要するに、異なるスケジューリングRNTIを提供することによって、eNodeBによって行われるスケジューリングは、eNodeBが割り当てるリソースがリモートデータを交換するためか、またはリレーデータを交換するためかに応じて、リソース割当てが2つのスケジューリングRNTIの1つにアドレス指定されるように、2つの異なる種類のデータ(すなわちリモートおよびリレーデータ)間を区別することができる。リレーUEはこれらの異なるリソース割当てに従い、リレーかまたはリモートかいずれかのデータを送信/受信する。
【0174】
より詳細には、背景で説明したように、異なるモード/種類のスケジューリングが可能であり、対応するRNTIによって互いから区別され、C−RNTIを用いて動的スケジューリング、SPS−C−RNTIを用いて半永続スケジューリング、およびMBMS−RNTI(M−RNTI)を用いてマルチキャスト(MBMS)スケジューリングとなる。したがって、(E)−PDCCHを通じて送信されるリソース割当て、例えばDCIが対応するRNTIにアドレス指定され、そうするとUEは、リソース割当てをそれ自体に宛てられていると識別することができ、かつUEは、リソース割当てが動的スケジューリング、半永続スケジューリングまたはマルチキャストスケジューリングのいずれに関連するかをさらに区別することができる。
【0175】
eNodeBは、必要に応じて、特定のUEにこれらのRNTIの各々の1つを設定する。第1の実施形態によれば、追加のRNTIが、詳細にはリモートデータを扱うように、それぞれの異なる種類のスケジューリングモードのために、eNodeBによってリレーUEに割り当てられることができる。例えば、動的スケジューリングの場合、リモートC−RNTI(R−C−RNTI)が、リレーUEとeNodeBとの間でリモートデータを通知する1つまたは複数のリモート論理チャネルをアドレス指定するように、eNodeBによってリレーUEに割り当てられることができる。対応して、(考察目的で以下「リレーC−RNTI」と例示的に名付けられる)先行技術から既に知られているC−RNTIは、したがってリレーUEとeNodeBとの間でリレーデータを通知する1つまたは複数のリレー論理チャネルをアドレス指定しているにすぎない。
【0176】
同様に、半永続スケジューリングの場合、リモートSPS−C−RNTI(R−SPS−C−RNTI)が、リレーUEとeNodeBとの間でリモートデータを通知する1つまたは複数のリモート論理チャネルをアドレス指定するように、eNodeBによってリレーUEに割り当てられることができる。対応して、(考察目的で以下「リレーSPS−C−RNTI」と例示的に名付けられる)先行技術から既に知られているSPS−C−RNTIは、したがってリレーUEとeNodeBとの間でリレーデータを通知する1つまたは複数のリレー論理チャネルをアドレス指定しているにすぎない。
【0177】
以上はマルチキャストスケジューリングに同様に当てはまり、ここでリモートM−RNTI(R−M−RNTI)が、MBMSのためのリソース割当てをリモートデータとリレーデータとの間で区別するために、通例のM−RNTIに加えて、eNodeBによってリレーUEに割り当てられることができる。
【0178】
(リモートデータ用の)追加のスケジューリングRNTIは、例えば、現在標準化されているRNTI、C−RNTI、SPS−C−RNTI、M−RNTIなどに関して既になされたのと同様にしてeNodeBによって設定され、かつ割り当てられる。特に、eNodeBとのリレーUEの接続確立の間、eNodeBは、例えばC−RNTIを通例の動的スケジューリングのために割り当てるであろうが、リレーUEがリレーとして作用する可能性があることをeNodeBが学習すると、例えばR−C−RNTIを付加的に割り当てるであろう。
【0179】
以下の考察は、第1の実施形態の変形および実装の記載を容易にするように動的スケジューリングのみを前提とすることになり、すなわち追加のリモートC−RNTIがリレーUEに対して設定される。しかしながら、本開示は、半永続スケジューリング(追加のR−SPS−C−RNTIを伴う)の他に、マルチキャストスケジューリング(追加のR−M−RNTIを伴う)にも当てはまることに留意すべきである。
【0180】
リモートデータのためのスケジューリングとリレーデータのためのスケジューリングとの間を区別するために2つの異なるC−RNTIを伴う上記のシステム設定では、eNodeBは、詳細にはC−RNTIかまたはリモートC−RNTIかいずれかにリソース割当てをアドレス指定することができることになる。これは、リモートまたはリレーデータに対するダウンリンクリソース割当ておよびアップリンクリソースグラントの両方に当てはまる。
【0181】
ダウンリンクに関して、eNodeBによって行われるリソーススケジューリングは、リモート論理チャネルおよびリレー論理チャネルに対するeNodeBのバッファ状況を考慮して、次いでリレーUEにリレーデータかまたはリモートデータかいずれかを送信するために(ダウンリンク)無線リソースを割り当てることになる。通常、対応するダウンリンクリソース割当て(例えばFormat1A、B、C;DのDCIまたは対応するFormat2DL関連DCI)が(E)−PDCCHを通じてリレーUEに送信され、リレーUEがeNodeBからダウンリンクリモートまたはリレーデータを受信するべきである無線リソースを示すことができる。このダウンリンクリソース割当ては、対応して、リレーC−RNTIにアドレス指定され、それによってダウンリンクリソース割当てがリレー論理チャネル(リレーデータ)に適用可能であることを示すことも、またはリモートC−RNTIにアドレス指定され、それによってダウンリンクリソース割当てがリモート論理チャネル(リモートデータ)に適用可能であることを示すこともできる。リレーUEは、受信することになるデータがリモートかまたはリレーかいずれかのデータであることを、受信されたダウンリンクリソース割当てに含まれる特定のRNTIから知り、さらに示された無線リソースでダウンリンクリモート/リレーデータを受信することができることになる。付加的に、リモートデータの場合には、リレーUEは、後により詳細に説明することになるように、このダウンリンクリモートデータをリモートUEに向けてさらに中継することになる。
【0182】
アップリンクに関して、eNodeBによって行われるリソーススケジューリングは、後に説明することになるように、リレーUEによってバッファ状況報告を使用してeNodeBに報告される、リモートおよびリレー論理チャネルに対するリレーUEにおけるバッファ状況を考慮することになる。eNodeBは、したがって、リレーUEがeNodeBにリレーデータかまたはリモートデータかいずれかを送信するためにリレーUEに割り当てるアップリンク無線リソースを決定する。通常、対応するアップリンクリソースグラント(例えばFormat0のDCI)が(E)−PDCCHを通じてリレーに送信され、リレーUEがeNodeBにリレーまたはリモートデータを送信するために使用してもよい無線リソースを示すことができる。eNodeBは、アップリンクリソースグラントがリレー論理チャネル(リレーデータ)またはリモート論理チャネル(リモートデータ)に適用可能であるべきであるかに応じて、アップリンクリソースグラントにリレーC−RNTIかまたはリモートC−RNTIかいずれかを含むことになる。リレーUEは、それがリレーデータまたはリモートデータを送信するためのアップリンクリソースグラントに示される無線リソースを使用するべきかどうかを、アップリンクリソースグラントに含まれたRNTIから、対応して学習する。アップリンクデータを生成するために、概して、背景で説明したように、論理チャネル優先順位付け手順が(リレー)UEによって使用される。
【0183】
対応して、eNodeBから上述したアップリンクリソースグラントを受信した上で、リレーUEは、論理チャネル優先順位付け(LCP)手順を同様に行ってアップリンクデータを準備および生成してもよい。第1の実施形態の1つの実装によれば、別々のLCP手順がリレーUEに設けられ、一方のLCP手順はリレー論理チャネルおよび対応するリレーデータを扱うため、他方のLCP手順はリモート論理チャネルおよび対応するリモートデータを扱うためである。言い換えると、リレーLCP手順は(リモート論理チャネルでなく)リレー論理チャネルのみを考慮することになり、反対に、リモートLCP手順は(リレー論理チャネルでなく)リモート論理チャネルのみを考慮することになる。第1の実施形態の対応する3GPP実装では、別々のLCP手順は、背景および様々な技術的3GPP規格に詳細に記載されるように別途機能してもよい。例えば、リレー/リモート論理チャネルは、それらの対応する論理チャネル優先度の降順にリレー/リモートLCP手順の間、考慮されてもよい。
【0184】
リレーC−RNTIにアドレス指定されるアップリンクリソースグラントを受信した上で、リレーUEはリレーLCP手順を行い、それによってリレー論理チャネルおよび対応するバッファにおけるリレーデータのみを考慮することになる。リレーLCP手順は、リレーデータを通知することになるリレー論理チャネル間で示された無線リソースを分配してMAC PDU(トランスポートブロック)を生成することになる。その結果、トランスポートブロックが、リモートデータでなく、リレーデータ(およびおそらくさらなる制御データ、例えばMAC CE)から構成されて、リレーLCP手順によって生成される。反対に、リモートC−RNTIにアドレス指定されるアップリンクリソースグラントを受信した上で、リレーUEはリモートLCP手順を行い、それによってリモート論理チャネルおよび対応するバッファにおけるリモートデータのみを考慮することになる。リモートLCP手順は、リモートデータを通知することになるリモート論理チャネル間で示された無線リソースを分配してMAC PDU(トランスポートブロック)を生成することになる。その結果、トランスポートブロックが、リレーデータでなく、リモートデータ(およびおそらくさらなる制御データ、例えばMAC CE)から構成されて、リモートLCP手順によって生成される。
【0185】
このようにして生成された(リレーデータかまたはリモートデータかいずれかを持つ)トランスポートブロックは次いで、リレーUEによって、示された無線リソースを使用してeNodeBに送信されることになる。
【0186】
第1の実施形態の別の実装によれば、リモートデータおよびリレーデータを扱うための別々の論理チャネル優先順位付け手順を設ける代わりに、共通の論理チャネル優先順位付け手順がリレーUEに設けられる。上記の場合には、しかしながら、リレーUEは、共通のLCP手順の間、アップリンクリソース割当てが適用可能でない特定のリレー/リモート論理チャネルを選択的に無視しなければならない。特に、共通のLCP手順は、リレーUEに対して設定される論理チャネルのすべて、すなわちリレー論理チャネルおよびリモート論理チャネルの両方を考慮することができるように設定される。しかしながら、リレーC−RNTIかまたはリモートC−RNTIかいずれかにアドレス指定されている特定のアップリンクリソースグラントを受信した上で、共通のLCP手順は、関連した論理チャネルがリモートまたはリレーいずれの論理チャネルであろうと、それのみを考慮する一方で、無関係な論理チャネルがリモートまたはリレーいずれの論理チャネルであろうと、それを無視するものとする。先行の実装と同様に、リレーUEは、したがって、リレーデータかまたはリモートデータかいずれか(およびおそらくさらなる制御データ)から構成されるMAC PDU(トランスポートブロック)を生成することになり、次いで生成したトランスポートブロックをeNodeBに送信することになる。
【0187】
第1の実施形態の1つの特定の実装では、2つの別々のMACエンティティがリレーUEに提供され、すなわち通例の(リレー)データを扱うための通例のMACエンティティ、およびリモートデータを扱うための追加のMACエンティティである。
図13は、第1の実施形態のこの実装に係るリレーUEにおける2つのMACエンティティの構造を例示的に示す。明らかなように、
図13の左側の通例のリレーMACエンティティは、
図3を参照しつつ背景で論じたものと基本的に同じであるが、但しMBMS受信(MCCHおよびMTCHへのMCH逆多重化)は簡略化ため
図13では省略される。
図13の右側の追加のリモートMACエンティティは、通例のリレーMACエンティティと同じエンティティ、すなわちLCP手順、HARQエンティティ、制御機能、および(逆)多重化エンティティを基本的に含む。リモートMACエンティティの構造は単に例であることに留意するべきである。既に前述したように、別々のLCP手順、リレーMACエンティティにリレーLCP手順およびリモートMACエンティティにリモートLCP手順を設ける代わりに、(例えばリレーMACエンティティに設けられる)共通のLCP手順が使用されることができる。リレーUEにおけるリモートMACエンティティのさらなる変形が
図14に示され、ここでリレーMACエンティティの(共通の)HARQエンティティはリモートデータ再送信のためにも再使用される。
【0188】
別々のMACエンティティがリレーUEに設けられて異なるリレーおよびリモートデータを扱うので、リレーC−RNTIはリレーUEのリレーMACエンティティに対応して関連づけられることになる一方で、リモートC−RNTIはリレーUEのリモートMACエンティティに対応して関連づけられることになる。以下により詳細に説明することになるように、追加のMACエンティティも、バッファ状況報告を改善するために追加の論理チャネルグループと関連づけられる他に、追加のリモート論理チャネルID(DRB ID)と関連づけられて、先行技術の予め設定された論理チャネルIDの数が十分でないシナリオのためでさえ、リレーUEとeNodeBとの間でリモートデータを通知するための個別論理チャネル/無線ベアラを設定することができることになる。データ無線ベアラのみが、リモートデータを通知するためにリレーUEとeNodeBとの間に設定されてもよいことに留意するべきである。リレーUEがE−UTRAN/eNBとのRRC接続を1つだけ有するので、リレーUEとeNodeBとの間にリモートシグナリング無線ベアラも確立する必要はない。すべてのRRC/NASシグナリングメッセージは、既に確立されている、すなわちレガシー(リレー)MACエンティティと関連づけられているSRBによって搬送されてもよい。したがって、リレーUEの観点から、リモートデータは単にデータトラヒックと考えられ、例えばDTCH/DRBがリモートデータのためにリレーUEとeNodeBとの間に確立される。にもかかわらず、NASシグナリングのような制御シグナリングまたは上位レイヤ制御メッセージも、リモート論理チャネル/リモートDRBと送信されることができる。
【0189】
さらには、同じDL−SCHおよびUL−SCHが両MACエンティティによって使用されることになるように、MACレイヤ(エンティティ)のトランスポートチャネルは変更されないことになる。例解の容易さのために、
図13は下部で両MACエンティティに対してDL−SCHおよびUL−SCHを繰り返すが、しかしながら、リレーMACエンティティに関連して例示されるDL−SCHおよびUL−SCHは、リモートMACエンティティに関連して例示されるDL−SCHおよびUL−SCHと同じであるものとする。
【0190】
第1の実施形態のさらなる実装によれば、リレーUEによって行われるバッファ状況報告手順も改善されて、eNodeBが別々のアップリンクリソース割当てを生成するのを効果的に支援するであろう。以上に説明したように、eNodeBは、バッファ状況報告によって提供される情報を使用して、どれくらいの無線リソースが特定の(リレー)UEに割り当てられることになるかを決定することになる。有利には、リレーUEは、リレーUEバッファにおける無線基地局への送信のために利用可能なリレーデータおよびリモートデータを別々に報告するべきである。対応して、リレーUEは、リレーバッファ状況報告を生成して、eNodeBへの送信のためにリレーUEでバッファされるリレーデータ量を示してもよい。反対に、リレーUEは、リモートバッファ状況報告を付加的に生成して、eNodeBへの送信のためにリレーUEでバッファされるリモートデータ量を示してもよい。
【0191】
3GPPの既に標準化されているバッファ報告手順ができる限り再使用される例示的な変形では、第1の実施形態のリレーおよびリモートバッファ状況報告は、(論理チャネルが割り当てられる)論理チャネルグループにも基づくものとする。バッファ状況報告内の異なるリレー/リモート論理チャネル間を区別することができるために、リモート論理チャネルに対して追加の論理チャネルグループが規定され、リモート論理チャネルの各々が追加のリモート論理チャネルグループの1つに割り当てられる。グループの1つへのリモート論理チャネルのリモート論理チャネルグループ設定および割当ては、通例の(リレー)論理チャネルおよび(リレー)論理チャネルグループに対応するように行われることができる。特に、リレー/リモート論理チャネルグループは予め規定され(例えば4つのリモートまたはレガシー(リレー)論理チャネルグループ)、かつ対応する優先度と関連づけられ、eNodeBは、同様の優先度が1つの論理チャネルグループに分類されるように、リレー/リモート論理チャネルを対応するリレー/リモート論理チャネルグループに割り当てる。
【0192】
要約すると、リレーUEとeNodeBとの間に設定されるリレー/リモート論理チャネル/無線ベアラは、各々対応するリレー/リモート論理チャネルグループに割り当てられることになる。論理チャネルグループ当たりのバッファされたデータを報告する通例の3GPPバッファ状況報告は、このシナリオにも適用されることができる。その結果、リレーバッファ状況報告は、各リレー論理チャネルグループに対してバッファ状況フィールドを備えることによってすべてのリレー論理チャネルに渡るリレーデータ量を報告するものであり、このバッファ状況フィールドは、上記リレー論理チャネルグループのすべてのリレー論理チャネルに渡って無線基地局への送信のために利用可能なリレーデータ量を示す(背景におけるBSRも参照のこと)。他方で、リモートバッファ状況報告は、各リモート論理チャネルグループに対してバッファ状況フィールドを備えることによって、すべてのリモート論理チャネルに渡るリモートデータ量を報告するものであり、このバッファ状況フィールドは、上記リモート論理チャネルグループのすべてのリモート論理チャネルに渡って無線基地局への送信のために利用可能なリモートデータ量を示す。
【0193】
リモートバッファ状況報告の形式および内容は、通例のリレーバッファ状況報告、例えば背景で説明した長いまたは短いBSRと同じ方式であることができ、長いBSRは4つのLCG0〜3に対応する4つのバッファサイズフィールドを備え、短いBSRは1つのLCGに対する1つのバッファサイズフィールドを含む。代替的に、リモートバッファ状況報告に対して異なる形式が予期されることができ、例えばリモート論理チャネルが実際にリモートデータを通知するリモート論理チャネルグループに対してのみバッファサイズフィールドを含む(すなわちゼロデータを示すバッファサイズフィールドがない)。
【0194】
その上、2つの別々のMACエンティティを持つ
図13および14に係る第1の実施形態の実装では、追加のリモートMACエンティティは、通例の/レガシー(リレー)MACエンティティと同じ方式で4つの論理チャネルグループをサポートすることもできる。1つの実装では、追加のリモートMACエンティティのための別のBSR手順がありえ、eNodeBに送信されることになる(リモートデータに対する)リモートバッファ状況報告を生成し、リレーMACエンティティでの対応するBSR手順は、リレーデータに対するリレーバッファ状況報告を生成することになる。この実装によれば、リモートBSR手順は、レガシー(リレー)BSR手順と比較して、それ自体の別の独立したBSR関連タイマ/カウンタを有するものである。1つの例示的な実装では、(リモートBSR MAC CEにおける)リモートバッファ状況報告は、リモートMAC PDU/トランスポートブロック、すなわちリモート論理チャネルまたはリモートC−RNTIに割り当てられるアップリンクリソースでのみ送信されるものである。反対に、レガシー(リレー)バッファ状況報告は、レガシー(リレー)MAC PDU/トランスポートブロック、すなわちリレー論理チャネルまたはレガシー(リレー)C−RNTIに割り当てられるアップリンクリソースにのみ含まれるものである。
【0195】
2つのMACエンティティに2つの別々のBSR手順を独立して設けるときにおいても、PUCCHで送信されてアップリンクリソースを要求する個別スケジュール要求など、リレーUEにおけるいくつかのスケジューリング関連機能は、共通して使用されてもよい。より詳細には、両BSR手順は共通のPUCCHチャネルを使用するものであり、またはバッファ状況報告の送信のためのアップリンクリソースを要求するために、スケジューリング要求手順は、例えばRACH手順でもありえる。
【0196】
いくつかの代替の実装によれば、(例えばリモートBSR MAC CEにおける)リモートバッファ状況報告は、レガシー(リレー)MAC PDU/トランスポートブロック、すなわちレガシー(リレー)RNTIに割り当てられるアップリンクリソースでも送信される。eNBは、リレーUEがデータ送信を意図する対象がリモート論理チャネルかまたはリレー論理チャネルか、あるいはリモートBSR MAC CEかまたはレガシー(リレー)BSR MAC CEかをPUCCHで送信される個別スケジューリング要求に基づいて、またはRACHプリアンブルに基づいて区別することができないので、eNBは、受信したスケジューリング要求に応答して、レガシー(リレー)RNTI、例えばC−RNTIにアドレス指定されるアップリンクリソース割当てのみを割り当ててもよい。したがって、リモートBSR MAC CEの送信を遅延させないために、リレーUEは、レガシー(リレー)MAC PDU/トランスポートブロックにリモートBSR MAC CEも含む。対応して、レガシー(リレー)BSR MAC CEもリモートMAC PDU/トランスポートブロック内で送信されてもよい。
【0197】
さらには、2つのバッファ状況報告は、同じまたは別々のMAC CEで提供されることができる。別々のMAC CEを使用する場合には、有利には、LCP手順を行うときに、リモートBSRを通知するMAC CEは、それらのリレーBSRを通知するMAC CEより優先される。
【0198】
さらに別の代替の実装によれば、eNBのスケジューリングを支援するために、たとえ新たな追加のリモートバッファ状況報告が生成されることになるとしても、リレーUEで共通のBSR手順が使用されることができる。この場合、新たなリモートBSRトリガ条件がレガシー(リレー)バッファ状況報告手順に追加されることになり、リモートバッファ状況報告を生成するためのイベントを規定することになる。この場合、新たな追加のBSR関連タイマは必要ないであろう。
【0199】
第1の実施形態のさらなる実装は、リモートサイドリンク論理チャネルとリモート論理チャネルとの間のマッピングに関する。特に、リレーUEと無線基地局との間に1つまたは複数のリモート論理チャネルが設定されて、アップリンクおよびダウンリンクでリモートデータを通知するものであることを前提とする。しかしながら、第一に、どれくらいのリモート論理チャネルが設定されるべきか、さらにこれらのリモート論理チャネルおよび対応するリモートサイドリンク論理チャネル(すなわちリレーUEとリモートUEとの間の論理チャネル)のマッピングがどのようであるべきかが不明である。
【0200】
例えば、たった1つのリモート論理チャネルがリレーUEとeNodeBとの間のすべてのリモートデータを通知するものであることがありえる。代替的に、リレーUEとリモートUEとの間に設定される各リモートサイドリンク論理チャネルに対して、リレーUEとeNodeBとの間の対応するリモート論理チャネルが設定され、さらにこれら2つを1対1方式で連結するように、1対1マッピングが設定されることができる。対応して、リモート論理チャネルによって通知されるリモートデータは対応するリモートサイドリンク論理チャネルに多重化されるものであり、その逆もまた同じである。
【0201】
さらに代替的に、リモート論理チャネルが、既存のリモートデータ通信について満たされることになるQoS優先度ごとに(QCIごとに)設定されることができる。特に、リレーUEおよびeNodeBは、リモートデータの送信/中継について満たされる必要があるQoS要件に基づいて、リモート論理チャネルを設定することになる。
【0202】
いずれの場合も、第1の実施形態の1つの変形が、リモートデータの中継に関連して使用するためのさらなる論理チャネルID(DRB ID)の定義を含む。8つの異なるDRB IDが現在3GPP規格に規定されている。例えば、追加の8つのDRB IDが、リモート論理チャネル間を区別するために予期されることがありえる。
【0203】
第1の実施形態の1つの実装によれば、リモート論理チャネルとリモートサイドリンク論理チャネルとの間の特定のQoS/優先度ベースのマッピングが提供される。より詳細には、アップリンクでは、特定の優先度またはQoS要件のリモートサイドリンク論理チャネルを上記同じまたは同様の特定の優先度またはQoS要件の1つの対応するリモート論理チャネルにマッピングするn対1マッピング規則が規定されることができる。結果として、同じまたは同様の優先度またはQoS要件を有する1つまたは複数のリモートUEからリレーUEで受信されるリモートデータが、同じまたは同様の優先度と関連づけられており、したがって対応するQoS要件を満たすことができるリモート論理チャネルに多重化されることになる。
【0204】
反対に、ダウンリンクでは、特定の優先度またはQoS要件の1つの特定のリモート論理チャネルを同じまたは同様の特定の優先度またはQoS要件を有する対応するリモートサイドリンク論理チャネルに(1つまたは複数のリモートUEに)マッピングする1対nマッピング規則が規定されることができる。結果として、無線基地局から真のUEで受信されるリモートデータが、同じまたは同様の優先度と関連づけられており、したがって対応するQoS要件を満たすことができる様々なリモートサイドリンク論理チャネルに(1つまたは複数のリモートUEに)逆多重化されることになる。
【0205】
これらのマッピング規則を
図15に示し、以上説明したように、リレーUEによって行われるn対1および1対nマッピングを例示する。
【0206】
第1の実施形態のさらなる改善は、複数のトランスポートブロックが1つのサブフレームで送信されなければならないことになることを回避するように、eNodeBが、リレーデータまたはリモートデータいずれを送信することになろうと、送信時間間隔(例えばサブフレーム)で1つのスケジューリンググラント(例えばアップリンクリソース割当て)のみを発行するべきであることを予期する。この改善のため、サブフレーム当たりトランスポートブロックが送信されるコンポーネントキャリア(サービングセル)が1つだけ設定されることを前提とする。他方で、キャリアアグリゲーションがUuインタフェースで使用される場合、いくつかのトランスポートブロックが送信されることができ、eNodeBはいくつかのグラント、例えば1つのリレーリソース割当ておよび1つのリモートリソース割当ても発行してもよいが、但しそれでも、サービングセルでのシングルキャリアプロパティを無効にしないために、1つのサービングセル/コンポーネントキャリアにスケジューリンググラント、すなわちアップリンクリソース割当ては1つのみとする。より詳細には、かつ追加または代替の改善によれば、リレーUEがキャリアアグリゲーションモードで動作しているとき、リモートデータおよびリレーデータは異なるキャリア(セル)を介して無線基地局に送信される。
【0207】
(第2の実施形態)
さらには、以下に、上論した課題の1つまたは複数を解決するために、第2の実施形態ならびにその異なる変形および実装を説明することにする。リレーUEがeNodeBと通信しており、かつ1つまたは複数のリモートUEに対するリレーとして働いていることなど、第1の実施形態に関して同様の前提が立てられることができる。結果的に、1つまたは複数の適切なサイドリンクリモート論理チャネルがリレーUEと各リモートUEとの間に設定されて、2つのUE間でリモートデータを通知する。加えて、1つまたは複数のリモート論理チャネルが、リモートデータを通知するためにリレーUEとeNodeBとの間に確立されることができる。さらには、リレーUEが、リレーUEと無線基地局との間に設定される対応する(リレー)論理チャネルを使用することによってリレーデータ(すなわち、リレーUEから発信する、またはリレーUEに宛てられるデータ)を交換することによって、無線基地局とアクティブに通信することも前提とする。
【0208】
第1の実施形態と同様に、第2の実施形態は、リレーUEによってデータを受信または送信するために使用されることになるUuインタフェース上のリソースを割り当てるために、eNodeBによって行われ、かつリレーUEによって支援されるリソーススケジューリングを改善するものとする。しかしながら、第1の実施形態でのようにリモートデータおよびリレーデータを扱うための別々のスケジューリング識別情報を提供する代わりに、第2の実施形態は現在の標準化で提供されるスケジューリングRNTIを変更せず、すなわち、したがって例えば動的スケジューリングのためにC−RNTI、半永続スケジューリングのためにSPS−C−RNTI、およびMBMSスケジューリングのためにM−RNTIを使用する。
【0209】
第2の実施形態によれば、リレーUEによって行われてeNodeBでのアップリンクリソース割当て手順を支援するバッファ状況報告手順が改善される。eNodeBへの送信のためにリレーUEで保留しているリレーデータおよびリモートデータに対して、別々のバッファ状況報告が生成および送信される。加えて、別々の論理チャネルグループが、上述した別々のバッファ状況報告のために規定される。
【0210】
背景で説明したように、3GPPの既に標準化されているバッファ報告手順は(論理チャネルが割り当てられる)論理チャネルグループに基づき、それによって論理チャネルグループ当たりの保留データをバッファ状況報告で示す。対応して、4つのレガシー/リレー論理チャネルグループが規定され、eNodeBは、同様の/同じ優先度/QoSが1つのリレー論理チャネルグループに分類されるように、レガシー/リレー論理チャネルを4つのリレー論理チャネルグループの1つに割り当てる。加えて、(例えば同じく4つの)さらなるリモート論理チャネルグループがリモート論理チャネルのために導入される/規定されることができ、リモート論理チャネルの各々は、例えばリレー論理チャネルおよびリレー論理チャネルグループに対してなされる対応するように、追加のリモート論理チャネルグループの1つに割り当てられてもよい。特に、リレー/リモート論理チャネルグループは予め規定され(例えば4つのリモートまたはレガシー(リレー)論理チャネルグループ)、eNodeBは、同様の優先度(QoSが1つの論理チャネルグループに分類されるように、リレー/リモート論理チャネルを対応するリレー/リモート論理チャネルグループに割り当てる。
【0211】
次いで、リレーUEでバッファ状況報告がトリガされ、バッファ状況報告を生成するとき、リレーバッファ状況報告は、各リレー論理チャネルグループに対してバッファ状況フィールドを備えることによってすべてのリレー論理チャネルに渡るリレーデータ量を報告するものであり、このバッファ状況フィールドは、上記特定のリレー論理チャネルグループのすべてのリレー論理チャネルに渡って無線基地局への送信のために利用可能なリレーデータ量を示す(背景に記載したBSR報告も参照のこと)。同様に、リモートバッファ状況報告は、各リモート論理チャネルグループに対してバッファ状況フィールドを備えることによって、すべてのリモート論理チャネルに渡るリモートデータ量に関して報告するようにリレーUEによって生成されるものであり、このバッファ状況フィールドは、上記特定のリモート論理チャネルグループのすべてのリモート論理チャネルに渡って無線基地局への送信のために利用可能なリモートデータ量を示す。
【0212】
リモートバッファ状況報告の形式および内容は、通例のレガシーリレーバッファ状況報告、例えば背景で詳細に説明した長いまたは短いBSRと対応するようにあることができ、ここで長いBSRは4つのLCGに対応する4つのバッファサイズフィールドを備え、短いBSRは1つのLCGに対する1つのバッファサイズフィールドを含む。代替的に、リモートバッファ状況報告に対して異なる形式が予期されることができ、例えばリモート論理チャネルが実際にリモートデータを通知するリモート論理チャネルグループに対してのみバッファサイズフィールドを含む(すなわちゼロデータを示すバッファサイズフィールドがない)。
【0213】
したがって、リレーUEは、バッファ状況報告に従ってリレーデータとリモートデータとの間を区別することができる。
【0214】
さらには、2つのバッファ状況報告は、同じまたは別々のMAC CEで提供されることができる。別々のMAC CEを使用する場合には、リモートバッファ状況報告を含む新たなMAC制御要素が導入される。1つの例示的な実装によれば、MAC PDUを生成するとき、リモートバッファ状況報告を通知する新たなMAC CEの優先度が規定される必要がある。1つの実装に従って、LCP手順を行うとき、リモートBSRを通知するMAC CEは、リレーBSRを通知するMAC CEより優先される。別の代替の実装によれば、BSRがトリガされたとき、リレーUEは、例えば両MAC CEを含むことによって、常にリモートバッファ状況およびリレーバッファ状況の両方を報告する。2つのバッファ状況報告が1つの共通のMAC CEで送信される場合について、すべての論理チャネルグループ、すなわちリモート論理チャネルグループおよびリレー論理チャネルグループに対するバッファ状況情報を通知する、何らかの新たなMAC CEが規定される必要がある。例えば、新たなBSR MAC CEは、8つのLCGに対するバッファ状況情報を通知するものである。
【0215】
1つの実装によれば、リモートおよびリレーベアラ(論理チャネル)に対する共通のBSR手順がある。対応して、一組のBSR関連タイマ/カウンタがあるものである。リモートBSRを報告するためのいくつかの新たなトリガイベントが導入されてもよく、レガシーリレー論理チャネル/ベアラに対してと同じ方途で規定されることができる。例えば、リモートBSRが、ULデータの場合に、リモートLCGに帰属するリモート論理チャネルに対してトリガされてもよく、RLCエンティティでの、またはPDCPエンティティでの送信のために利用可能になり、そして任意のリモートLCGに帰属し、かつデータが送信のために既に利用可能であるリモート論理チャネルの優先度より高い優先度を持つリモート論理チャネルに、データが帰属するか、またはリモートLCGに帰属するリモート論理チャネルのいずれに対しても送信のために利用可能なデータがない。技術背景に記載したのと同様のトリガイベントがリモートBSRに対して規定されることができる。
【0216】
異なるリレー/リモートバッファ状況報告を生成した上で、リレーUEはそれらをeNodeBに送信することになり、これが次いで2つの報告に提供される情報を使用して、リレーUEに割り当てられることになる無線リソースを決定することができる。リレーUEのC−RNTIにアドレス指定される、対応するアップリンクリソースグラント(例えばFormat0のDCI)がeNodeBによって準備されて(E)−PDCCHを通じてリレーUEに送信され、リレーUEがeNodeBにリレーおよび/またはリモートデータを送信するために使用してもよい無線リソースを示すことができる。背景で説明したように、概して、アップリンクリソースグラントを受信したときに、論理チャネル優先順位付け手順が(リレー)UEによって使用されてアップリンクデータを生成する。
【0217】
対応して、第2の実施形態の1つの実装によれば、リレーUEは、eNodeBから上述したアップリンクリソースグラントを受信した上で、そのような論理チャネル優先順位付け(LCP)手順を行ってアップリンクデータを準備および生成してもよい。特に、リレーUEによって行われるLCP手順は、示された無線リソースを、eNodeBへの送信のために利用可能なデータを有するリモート論理チャネルおよびリレー論理チャネルの両方に分配することになる。この第2の実施形態の対応する3GPP実装では、(共通の)LCP手順は、背景および様々な技術的3GPP規格に詳細に記載されるように別途機能してもよい。例えば、リレーおよびリモート論理チャネルは、それらの対応する論理チャネル優先度の降順に、共通のLCP手順の間、考慮されてもよい。加えて、リモート論理チャネルがリレー論理チャネルと同じ論理チャネル優先度を有する場合、リレーUEはLCP手順の間、リレー論理チャネルよりリモート論理チャネルを優先してもよく、その逆もまた同じである。対応して、LCP手順は無線リソースを、まずリモート論理チャネルに、次いで(無線リソースが依然分配されるのに利用可能であれば)リレー論理チャネルに割り当てるものである。その結果、MAC PDU(トランスポートブロック)が、おそらくリレーデータおよびリモートデータを(可能なさらなる制御データ、例えばMAC CEに加えて)備えて、共通のLCP手順によって生成される。このようにして生成されたトランスポートブロックは次いで、リレーUEによって、示されたアップリンクリソースを使用してeNodeBに送信されることになる。
【0218】
第2の実施形態のいくつかの代替の実装によれば、リモート論理チャネルは、リレー論理チャネルを次いで扱う前に、共通のLCP手順によって最初に扱われることができる。結果として、いかなるリモートデータも、リレーデータが送信されることができる前に、MAC PDUで送信されることになる。
【0219】
第2の実施形態に対するさらなる相違は、さらなる追加のMACエンティティが、リモートデータを別々に扱うためにはリレーUEに提供されない。
図16から明らかなように、単一のMACエンティティがリレーUEに提供されるが、しかしながら、追加のリモート論理チャネルを扱うために拡張される(
図16で太字、DTCH、データ無線ベアラ)。例えば、たった1つのリモート論理チャネルがリレーUEとeNodeBとの間のすべてのリモートデータを通知するものであることがありえる。代替的に、リレーUEとリモートUEとの間に設定される各リモートサイドリンク論理チャネルに対して、リレーUEとeNodeBとの間の対応するリモート論理チャネルが設定され、さらにこれら2つを1対1方式で連結するように、1対1マッピングが設定されることができる。対応して、リモート論理チャネルによって通知されるリモートデータは対応するリモートサイドリンク論理チャネルに多重化されるものであり、その逆もまた同じである。
【0220】
さらに代替的に、リモート論理チャネルが、既存のリモートデータ通信について満たされることになるQoS優先度ごとに(QCIごとに)設定されることができる。特に、リレーUEおよびeNodeBは、リモートデータの送信/中継について満たされる必要があるQoS要件に基づいて、リモート論理チャネルを設定することになる。いずれの場合も、第2の実施形態の1つの変形が、リモートデータの中継に関連して使用するためのさらなる論理チャネルID(DRB ID)の定義を含む。8つの異なるDRB IDが現在3GPP規格に規定されている。例えば、追加で8つの(リモートDTCH用の)DRB IDが、リモート論理チャネル間を区別するために予期されることがありえる。
【0221】
第1の実施形態に関して同じ方式で、第2の実施形態の1つの実装によれば、リモート論理チャネルとリモートサイドリンク論理チャネルとの間の特定のQoS/優先度ベースのマッピングが提供される。より詳細には、アップリンクでは、特定の優先度またはQoS要件のリモートサイドリンク論理チャネルを上記同じまたは同様の特定の優先度またはQoS要件の1つの対応するリモート論理チャネルにマッピングするn対1マッピング規則が規定されることができる。結果として、同じまたは同様の優先度またはQoS要件を有する1つまたは複数のリモートUEからリレーUEで受信されるリモートデータが、同じまたは同様の優先度と関連づけられており、したがって対応するQoS要件を満たすことができるリモート論理チャネルに多重化されることになる。
【0222】
反対に、ダウンリンクでは、特定の優先度またはQoS要件の1つの特定のリモート論理チャネルを同じまたは同様の特定の優先度またはQoS要件を有する対応するリモートサイドリンク論理チャネルに(1つまたは複数のリモートUEに)マッピングする1対nマッピング規則が規定されることができる。結果として、同じまたは同様の優先度と関連づけられている、かつ、このようにして、対応するQoS要件を満たすことができる様々なリモートサイドリンク論理チャネル(1つまたは複数のリモートUEに)に、無線基地局からリレーUEにおいて受信されるリモートデータは、逆多重化されるだろう。
【0223】
これらのマッピング規則を
図15に示し、以上説明したように、リレーUEによって行われるn対1および1対nマッピングを例示する。
【0224】
(第3の実施形態)
上論した課題の1つまたは複数を解決するために、以下の第3の実施形態ならびにその異なる変形および実装を説明することにする。リレーUEがeNodeBと通信しており、かつ1つまたは複数のリモートUEに対するリレーとして働いていることなど、第1の2つの実施形態に関して同様の前提が立てられることができる。結果的に、1つまたは複数の適切なサイドリンクリモート論理チャネルがリレーUEと各リモートUEとの間に設定されて、2つのUE間でリモートデータを通知する。加えて、1つまたは複数のリモート論理チャネルが、リモートデータを通知するためにリレーUEとeNodeBとの間に確立されることができる。さらには、リレーUEが、リレーUEと無線基地局との間に設定される対応する(リレー)論理チャネルを使用することによってリレーデータ(すなわち、リレーUEから発信する、またはリレーUEに宛てられるデータ)を交換することによって、無線基地局とアクティブに通信することも前提とする。
【0225】
第3の実施形態によれば、すべてのリモートサイドリンク論理チャネル/無線ベアラ、すなわち1つまたは複数のリモートUEとリレーUEとの間のサイドリンク論理チャネル/無線ベアラは、リレーUEとeNodeBとの間のUuインタフェース上の1つのリモート論理チャネルにマッピングされることになる。より詳細には、この場合、すべてのリモートデータは、リレーUEとeNodeBとの間の同じ論理チャネル/無線ベアラを介して送信されることになる。実施形態の1つの実装によれば、この単一のリモート論理チャネルは、予約レガシー論理チャネルグループにマッピングされることになる。より詳細には、規定された4つのLCGの1つが予約され/リモート論理チャネルのために/によってのみ使用されることになる。これは、バッファ状況報告がリモートおよびリレーデータに対して別々であることを保証する。さらには、単一のリモート論理チャネルは、実施形態の1つの実装によれば、リレーUEでのすべての設定された論理チャネルの中で最高優先度を与えられる。結果として、LCP手順の間にMAC PDUを生成するとき、リモートデータは最高優先度で処理されることになる。
【0226】
すべての3つの実施形態に適用可能なさらなる改善は、そのようなリレーシナリオでPC5インタフェースで使用されるリソース割当てモードに関する。特に、そのようなリレーシナリオでは、リモートUEはeNodeBのカバレージ内である/ではないものとする。結果的に、eNodeBによってProSe直接通信リソースをスケジュールしても意味がない。それよりも、UE自律リソース割当てモードのみが、リレーUEとリモートUEとの間のProSe通信および発見のために使用されるべきである。
【0227】
UE自律リソース割当てモードProSe通信および/または発見を許容するために、リレーUEは、UE自律リソース割当てモードのために使用される通信プール/発見プール(任意選択で、1型発見のための発見プールも)をリモートUEに通知するべきである。このプール情報は、1つの実装によれば、eNBによってリレーUEに提供される。代替的に、リモートUEはカバレージ外REL−12ProSe対応UEとして動作すると考えられることがあり、これは結果として、予め設定されたプールがProSe通信/発見のために使用されることを意味する。
【0228】
3つの実施形態に適用可能ないくつかのさらなる改善は、リレーUEと1つまたは複数のリモートUEとの間のPC5インタフェースを通じた、RRCまたはNASシグナリング、例えばページングメッセージまたはハンドオーバコマンドの送信に関する。これをサポートするために、RRCシグナリングもしくはNASシグナリングのような制御シグナリングまたはいずれか他の上位レイヤ制御シグナリングを通知するサイドリンク論理チャネル/無線ベアラが確立される必要がある。
【0229】
(さらなる実施形態)
第1の変形によれば、移動通信システムにおけるリレーユーザ機器のために無線リソースをスケジュールするための方法が提供される。リレーユーザ機器は、それぞれ1つまたは複数のリモートユーザ機器に対するリレーとして働くことが可能であるためのリレー機能性をサポートし、そうすると1つまたは複数のリモートユーザ機器から発信する、またはリモートユーザ機器に宛てられるリモートデータが、1つまたは複数のリモートユーザ機器と無線基地局との間でリレーユーザ機器によって中継される。リモートスケジューリング識別情報が、リレーユーザ機器と無線基地局との間でリモートデータを通知する1つまたは複数のリモート論理チャネルをアドレス指定するために設定される。リレースケジューリング識別情報が、リレーユーザ機器と無線基地局との間で、リレーユーザ機器から発信する、またはリレーユーザ機器に宛てられるリレーデータを通知する1つまたは複数のリレー論理チャネルをアドレス指定するために設定される。本方法は、リレーユーザ機器によって行われる以下のステップを含む。リレーUEは、無線基地局とリモートデータを交換するためにリレーユーザ機器に無線リソースを割り当てるリモートリソース割当てを無線基地局から受信し、ここでリモートリソース割当てはリモートスケジューリング識別情報にアドレス指定される。リレーUEは、無線基地局とリレーデータを交換するためにリレーユーザ機器に無線リソースを割り当てるリレーリソース割当てを無線基地局からさらに受信し、ここでリレーリソース割当てはリレースケジューリング識別情報にアドレス指定される。
【0230】
第1の変形に加えて提供される第2の変形によれば、リレーメディアアクセス制御(MAC)エンティティおよびリモートMACエンティティがリレーユーザ機器に構成され、リレーMACエンティティはリレーデータを扱うためのリレー論理チャネルと関連づけられ、リモートMACエンティティはリモートデータを扱うためのリモート論理チャネルと関連づけられる。リモートスケジューリング識別情報はリモート論理チャネルと、および/またはリモートMACエンティティと関連づけられ、リレースケジューリング識別情報はリレー論理チャネルと、および/またはリレーMACエンティティと関連づけられる。任意選択で、ハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)エンティティが、リモートデータの送信およびリレーデータの送信に再送信制御を提供するために、リモートMACエンティティとリレーMACエンティティとの間で共有され、またはリモートMACエンティティはリモートHARQエンティティを備え、リレーMACエンティティはリレーHARQエンティティを備える。任意選択で、リレー論理チャネルグループがリレーMACエンティティに対して規定され、リレー論理チャネルの各々はリレー論理チャネルグループの1つに割り当てられ、ここではリモート論理チャネルグループがリモートMACエンティティに対して規定され、リモート論理チャネルの各々がリモート論理チャネルグループの1つに割り当てられる。任意選択で、リレー論理チャネルIDがリレーMACエンティティに対して規定され、リレー論理チャネルの各々にリレー論理チャネルIDの1つが割り当てられ、ここではリモート論理チャネルIDがリモートMACエンティティに対して規定され、リモート論理チャネルの各々にリモート論理チャネルIDの1つが割り当てられる。
【0231】
第1のまたは第2の変形に加えて提供される第3の変形によれば、本方法は、リレーユーザ機器によって行われる以下のステップを含む。リモート論理チャネル優先順位付け(LCP)手順が、無線基地局への送信のために利用可能なリモートデータを有するリモート論理チャネルに、リモートリソース割当てで割り当てられる無線リソースを割り当てるようにリレーUEによって行われる。有利には、リモートデータを通知する1つまたは複数のトランスポートブロックがそれによって生成される。加えて、または代替的に、リレー論理チャネル優先順位付け(LCP)手順が、無線基地局への送信のために利用可能なリレーデータを有するリレー論理チャネルに、リレーリソース割当てで割り当てられる無線リソースを割り当てるように行われる。有利には、リレーデータを通知する1つまたは複数のトランスポートブロックがそれによって生成される。
【0232】
第1、第2または第3の変形に加えて提供される第4の変形によれば、本方法は、リレーユーザ機器によって行われる以下のステップを含む。リレーバッファ状況報告は、無線基地局に送信されるためにリレーユーザ機器でバッファされるリレーデータ量に基づいて生成される。リモートバッファ状況報告は、無線基地局に送信されるためにリレーユーザ機器でバッファされるリモートデータ量に基づいてリレーUEによって生成される。リレーバッファ状況報告およびリモートバッファ状況報告は両方とも、無線基地局に送信される。
【0233】
第1〜第4の変形のいずれかに加えて提供される第5の変形によれば、少なくとも1つのリモートサイドリンク論理チャネルが、リモートデータをそれぞれ通知するために、リレーユーザ機器と1つまたは複数のリモートユーザ機器のそれぞれ各々との間に確立される。リレーユーザ機器は、第1の論理チャネル優先度の少なくとも1つのリモートサイドリンク論理チャネルの各々を、対応する同じまたは同様の第1の論理チャネル優先度のリモート論理チャネルに多重化する。加えて、または代替的に、リレーUEは、第1の論理チャネル優先度のリモート論理チャネルを、対応する同じまたは同様の第1の論理チャネル優先度のリモートサイドリンク論理チャネルに逆多重化する。
【0234】
第1〜第5の変形のいずれかに加えて提供される第6の変形によれば、リモートおよびリレースケジューリング識別情報は、セル無線ネットワーク一時識別子(C−RNTI)、半永続スケジューリングC−RNTI(SPS C−RNTI)、またはMBMS RNTI(M−RNTI)の1つであることができる。
【0235】
第1〜第6の変形のいずれかに加えて提供される第7の変形によれば、リレーユーザ機器は1つのセルを介して無線基地局に接続され、無線基地局は、リモートリソース割当てまたはリレーリソース割当ていずれであろうと、送信時間間隔当たり1つのリソース割当てを発行する。代替的に、リレーユーザ機器は少なくとも2つのセルを介して無線基地局に接続され、ここではリモートデータおよびリレーデータは異なるセルを介して無線基地局に送信される。
【0236】
第8の変形によれば、無線リソースがスケジュールされるためのリレーユーザ機器が提供される。リレーユーザ機器は、それぞれ1つまたは複数のリモートユーザ機器に対するリレーとして働くことが可能であるためのリレー機能性をサポートし、そうすると1つまたは複数のリモートユーザ機器から発信する、またはリモートユーザ機器に宛てられるリモートデータが、1つまたは複数のリモートユーザ機器と無線基地局との間でリレーユーザ機器によって中継される。リモートスケジューリング識別情報が、リレーユーザ機器と無線基地局との間でリモートデータを通知する1つまたは複数のリモート論理チャネルをアドレス指定するために設定される。リレースケジューリング識別情報が、リレーユーザ機器と無線基地局との間で、リレーユーザ機器から発信する、またはリレーユーザ機器に宛てられるリレーデータを通知する1つまたは複数のリレー論理チャネルをアドレス指定するために設定される。リレーUEの受信器が、無線基地局とリモートデータを交換するためにリレーユーザ機器に無線リソースを割り当てるリモートリソース割当てを無線基地局から受信し、ここでリモートリソース割当てはリモートスケジューリング識別情報にアドレス指定される。リレーUEの受信器は、無線基地局とリレーデータを交換するためにリレーユーザ機器に無線リソースを割り当てるリレーリソース割当てを無線基地局から受信し、ここでリレーリソース割当てはリレースケジューリング識別情報にアドレス指定される。
【0237】
第8の変形に加えて提供される第9の変形によれば、リレーUEはリレーメディアアクセス制御(MAC)エンティティおよびリモートMACエンティティを備え、リレーMACエンティティはリレーデータを扱うためのリレー論理チャネルと関連づけられ、リモートMACエンティティはリモートデータを扱うためのリモート論理チャネルと関連づけられる。リモートスケジューリング識別情報はリモート論理チャネルと、および/またはリモートMACエンティティと関連づけられ、リレースケジューリング識別情報はリレー論理チャネルと、および/またはリレーMACエンティティと関連づけられる。任意選択で、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)エンティティが、リモートデータの送信およびリレーデータの送信に再送信制御を提供するために、リモートMACエンティティとリレーMACエンティティとの間で共有され、またはリモートMACエンティティはリモートHARQエンティティを備え、リレーMACエンティティはリレーHARQエンティティを備える。任意選択で、リレー論理チャネルグループがリレーMACエンティティに対して規定され、リレー論理チャネルの各々はリレー論理チャネルグループの1つに割り当てられ、ここではリモート論理チャネルグループがリモートMACエンティティに対して規定され、リモート論理チャネルの各々がリモート論理チャネルグループの1つに割り当てられる。任意選択で、リレー論理チャネルIDがリレーMACエンティティに対して規定され、リレー論理チャネルの各々にリレー論理チャネルIDの1つが割り当てられ、ここではリモート論理チャネルIDがリモートMACエンティティに対して規定され、リモート論理チャネルの各々にリモート論理チャネルIDの1つが割り当てられる。
【0238】
第8または第9の変形に加えて提供される第10の変形によれば、リレーUEのプロセッサが、無線基地局への送信のために利用可能なリモートデータを有するリモート論理チャネルに、リモートリソース割当てで割り当てられる無線リソースを割り当てるように、リモート論理チャネル優先順位付け(LCP)手順を行い、好ましくはそれによって、リモートデータを通知する1つまたは複数のトランスポートブロックを生成する。加えて、または代替的に、リレーUEのプロセッサは、無線基地局への送信のために利用可能なリレーデータを有するリレー論理チャネルに、リレーリソース割当てで割り当てられる無線リソースを割り当てるように、リレー論理チャネル優先順位付け(LCP)手順を行い、好ましくはそれによって、リレーデータを通知する1つまたは複数のトランスポートブロックを生成する。
【0239】
第8〜第10の変形のいずれかに加えて提供される第11の変形によれば、リレーUEのプロセッサが、無線基地局に送信されるためにリレーユーザ機器でバッファされるリレーデータ量に基づいて、リレーバッファ状況報告を生成する。プロセッサは、無線基地局に送信されるためにリレーユーザ機器でバッファされるリモートデータ量に基づいて、リモートバッファ状況報告を生成する。リレーUEの送信器が、無線基地局にリレーバッファ状況報告およびリモートバッファ状況報告を送信する。
【0240】
第8〜第11の変形のいずれかに加えて提供される第12の変形によれば、少なくとも1つのリモートサイドリンク論理チャネルが、リモートデータをそれぞれ通知するために、リレーユーザ機器と1つまたは複数のリモートユーザ機器のそれぞれ各々との間に確立される。リレーUEのマルチプレクサが、第1の論理チャネル優先度の少なくとも1つのリモートサイドリンク論理チャネルの各々を、対応する同じまたは同様の第1の論理チャネル優先度のリモート論理チャネルに多重化する。加えて、または代替的に、リレーUEのデマルチプレクサが、第1の論理チャネル優先度のリモート論理チャネルを、対応する同じまたは同様の第1の論理チャネル優先度のリモートサイドリンク論理チャネルに逆多重化する。
【0241】
第13の変形によれば、移動通信システムにおけるリレーユーザ機器のために無線リソースをスケジュールするための無線基地局が提供される。リレーユーザ機器は、それぞれ1つまたは複数のリモートユーザ機器に対するリレーとして働くことが可能であるためのリレー機能性をサポートし、そうすると1つまたは複数のリモートユーザ機器から発信する、またはリモートユーザ機器に宛てられるリモートデータが、1つまたは複数のリモートユーザ機器と無線基地局との間でリレーユーザ機器によって中継される。リモートスケジューリング識別情報が、リレーユーザ機器と無線基地局との間でリモートデータを通知する1つまたは複数のリモート論理チャネルをアドレス指定するために設定される。リレースケジューリング識別情報が、リレーユーザ機器と無線基地局との間で、リレーユーザ機器から発信する、またはリレーユーザ機器に宛てられるリレーデータを通知する1つまたは複数のリレー論理チャネルをアドレス指定するために設定される。無線基地局のプロセッサが、無線基地局とリモートデータを交換するためにリレーユーザ機器に無線リソースを割り当てるリモートリソース割当てを生成し、ここでリモートリソース割当てはリモートスケジューリング識別情報にアドレス指定される。プロセッサは、無線基地局とリレーデータを交換するためにリレーユーザ機器に無線リソースを割り当てるリレーリソース割当てを生成し、ここでリレーリソース割当てはリレースケジューリング識別情報にアドレス指定される。無線基地局の送信器が、リレーUEにリモートリソース割当ておよび/またはリレーリソース割当てを送信する。
【0242】
第13の変形に加えて提供される第14の変形によれば、無線基地局の受信器が、無線基地局に送信されるためにリレーユーザ機器でバッファされるリレーデータの量を示す、リレーユーザ機器からのリレーバッファ状況報告を受信する。受信器は、無線基地局に送信されるためにリレーユーザ機器でバッファされるリモートデータの量を示すリレーユーザ機器からのリモートバッファ状況報告をさらに受信する。プロセッサは、リモートリソース割当ておよび/またはリレーリソース割当てを生成するときにリレーバッファ状況報告およびリモートバッファ状況報告を考慮する。
【0243】
第15の変形によれば、移動通信システムにおけるリレーユーザ機器のために無線リソースをスケジュールするための方法が提供される。リレーユーザ機器は、それぞれ1つまたは複数のリモートユーザ機器に対するリレーとして働くことが可能であるためのリレー機能性をサポートし、そうすると1つまたは複数のリモートユーザ機器から発信する、またはリモートユーザ機器に宛てられるリモートデータが、1つまたは複数のリモートユーザ機器と無線基地局との間でリレーユーザ機器によって中継される。1つまたは複数のリレー論理チャネルが、リレーユーザ機器と無線基地局との間で、リレーユーザ機器から発信する、またはリレーユーザ機器に宛てられるリレーデータを通知するために確立される。1つまたは複数のリモート論理チャネルが、リレーユーザ機器と無線基地局との間で、1つまたは複数のリモートユーザ機器から発信する、またはリモートユーザ機器に宛てられるリモートデータを通知するために確立される。リレー論理チャネルグループが規定され、ここではリレー論理チャネルの各々はリレー論理チャネルグループの1つに割り当てられる。リモート論理チャネルグループが規定され、ここではリモート論理チャネルの各々はリモート論理チャネルグループの1つに割り当てられる。本方法は、リレーユーザ機器によって行われる以下のステップを含む。リレーバッファ状況報告が、リレー論理チャネルグループに対して1つのバッファサイズフィールドを備えて、リレーUEによって生成され、1つのバッファサイズフィールドは、上記リレー論理チャネルグループのすべてのリレー論理チャネルに渡って送信のために利用可能な総リレーデータ量を示す。リモートバッファ状況報告が、リモート論理チャネルグループに対して1つのバッファサイズフィールドを備えて、リレーUEによって生成され、1つのバッファサイズフィールドは、上記リモート論理チャネルグループのすべてのリモート論理チャネルに渡って送信のために利用可能な総リモートデータ量を示す。リレーバッファ状況報告およびリモートバッファ状況報告は無線基地局に送信される。リレーUEは、無線基地局にリモートデータおよびリレーデータを送信するためにリレーユーザ機器に無線リソースを割り当てるアップリンクリソース割当てを無線基地局から受信し、アップリンクリソース割当ては、リレーバッファ状況報告およびリモートバッファ状況報告に基づいて無線基地局によって生成される。
【0244】
第15の変形に加えて提供される第16の変形によれば、メディアアクセス制御(MAC)エンティティがリレーユーザ機器に構成され、MACエンティティはリモートデータおよびリレーデータを扱うためのリレー論理チャネルおよびリモート論理チャネルと関連づけられる。任意選択で、リレー論理チャネルIDがMACエンティティに対して規定され、リレー論理チャネルの各々にリレー論理チャネルIDの1つが割り当てられ、ここではリモート論理チャネルIDがMACエンティティに対して規定され、リモート論理チャネルの各々にリモート論理チャネルIDの1つが割り当てられる。
【0245】
第15または第16の変形に加えて提供される第17の変形によれば、論理チャネル優先順位付け(LCP)手順が、1)無線基地局への送信のために利用可能なリモートデータを有するリモート論理チャネルに、および2)無線基地局への送信のために利用可能なリレーデータを有するリレー論理チャネルに、アップリンクリソース割当てで割り当てられる無線リソースを割り当てるようにリレーUEによって行われ、好ましくはそれによって、リモートデータおよびリレーデータを通知する1つまたは複数のトランスポートブロックを生成する。任意選択で、無線リソースが、LCP手順の間、送信のために利用可能なデータを持つリレー論理チャネルおよびリモート論理チャネルに、リレー論理チャネルおよびリモート論理チャネルの各々が関連づけられる論理チャネル優先度の降順に割り当てられる。任意選択で、LCP手順の間、特定の論理チャネル優先度を有するリモート論理チャネルが、同じ特定の論理チャネル優先度を有するリレー論理チャネルよりリレーUEによって優先される。
【0246】
第15〜第17の変形のいずれかに加えて提供される第18の変形によれば、少なくとも1つのリモートサイドリンク論理チャネルが、リモートデータをそれぞれ通知するために、リレーユーザ機器と1つまたは複数のリモートユーザ機器のそれぞれ各々との間に確立される。リレーUEは、第1の論理チャネル優先度の少なくとも1つのリモートサイドリンク論理チャネルの各々を、対応する同じまたは同様の第1の論理優先度のリモート論理チャネルに多重化する。加えて、または代替的に、リレーUEは、第1の論理チャネル優先度のリモート論理チャネルを、対応する同じまたは同様の第1の論理チャネル優先度のリモートサイドリンク論理チャネルに逆多重化する。
【0247】
第15〜第18の変形のいずれかに加える第19の変形によれば、リモート論理チャネルおよびリレー論理チャネルに、アップリンクリソース割当てで割り当てられる無線リソースを割り当てるように行われる論理チャネル優先順位付け(LCP)手順の間、リモートバッファ状況報告を通知する第1のメディアアクセス制御制御要素(MAC CE)が、リレーバッファ状況報告を通知する第2のMAC CEより優先される。
【0248】
第20の変形によれば、無線リソースがスケジュールされるためのリレーユーザ機器が提供される。リレーユーザ機器は、それぞれ1つまたは複数のリモートユーザ機器に対するリレーとして働くことが可能であるためのリレー機能性をサポートし、そうすると1つまたは複数のリモートユーザ機器から発信する、またはリモートユーザ機器に宛てられるリモートデータが、1つまたは複数のリモートユーザ機器と無線基地局との間でリレーユーザ機器によって中継される。1つまたは複数のリレー論理チャネルが、リレーユーザ機器と無線基地局との間で、リレーユーザ機器から発信する、またはリレーユーザ機器に宛てられるリレーデータを通知するために確立される。1つまたは複数のリモート論理チャネルが、リレーユーザ機器と無線基地局との間で、1つまたは複数のリモートユーザ機器から発信する、またはリモートユーザ機器に宛てられるリモートデータを通知するために確立される。リレー論理チャネルグループが規定され、ここではリレー論理チャネルの各々はリレー論理チャネルグループの1つに割り当てられる。リモート論理チャネルグループが規定され、ここではリモート論理チャネルの各々はリモート論理チャネルグループの1つに割り当てられる。リレーUEのプロセッサが、リレー論理チャネルグループに対して1つのバッファサイズフィールドを備えるリレーバッファ状況報告を生成し、1つのバッファサイズフィールドは、上記リレー論理チャネルグループのすべてのリレー論理チャネルに渡って送信のために利用可能な総リレーデータ量を示す。プロセッサは、リモート論理チャネルグループに対して1つのバッファサイズフィールドを備えるリモートバッファ状況報告をさらに生成し、1つのバッファサイズフィールドは、上記リモート論理チャネルグループのすべてのリモート論理チャネルに渡って送信のために利用可能な総リモートデータ量を示す。リレーUEの送信器が、無線基地局にリレーバッファ状況報告およびリモートバッファ状況報告を送信する。リレーUEの受信器が、無線基地局にリモートデータおよびリレーデータを送信するためにリレーユーザ機器に無線リソースを割り当てるアップリンクリソース割当てを無線基地局から受信し、アップリンクリソース割当ては、リレーバッファ状況報告およびリモートバッファ状況報告に基づいて無線基地局によって生成される。
【0249】
第20の変形に加えて提供される第21の変形によれば、リレーUEは、リモートデータおよびリレーデータを扱うためのリレー論理チャネルおよびリモート論理チャネルと関連づけられているメディアアクセス制御(MAC)エンティティを備える。任意選択で、リレー論理チャネルIDがMACエンティティに対して規定され、リレー論理チャネルの各々にリレー論理チャネルIDの1つが割り当てられ、ここではリモート論理チャネルIDがMACエンティティに対して規定され、リモート論理チャネルの各々にリモート論理チャネルIDの1つが割り当てられる。
【0250】
第20または第21の変形に加えて提供される第22の変形によれば、プロセッサが、1)無線基地局への送信のために利用可能なリモートデータを有するリモート論理チャネルに、および2)無線基地局への送信のために利用可能なリレーデータを有するリレー論理チャネルに、アップリンクリソース割当てで割り当てられる無線リソースを割り当てるように、論理チャネル優先順位付け(LCP)手順を行い、好ましくはそれによって、リモートデータおよびリレーデータを通知する1つまたは複数のトランスポートブロックを生成する。任意選択で、プロセッサはさらに、LCP手順の間、無線リソースを、送信のために利用可能なデータを持つリレー論理チャネルおよびリモート論理チャネルに、リレー論理チャネルおよびリモート論理チャネルの各々が関連づけられる論理チャネル優先度の降順に割り当てる。
【0251】
第20〜第22の変形のいずれかに加えて提供される第23の変形によれば、少なくとも1つのリモートサイドリンク論理チャネルが、リモートデータをそれぞれ通知するために、リレーユーザ機器と1つまたは複数のリモートユーザ機器のそれぞれ各々との間に確立される。リレーUEのマルチプレクサは、第1の論理チャネル優先度の少なくとも1つのリモートサイドリンク論理チャネルの各々を、対応する同じまたは同様の第1の論理チャネル優先度のリモート論理チャネルに多重化する。加えて、または代替的に、リレーUEのデマルチプレクサが、第1の論理チャネル優先度のリモート論理チャネルを、対応する同じまたは同様の第1の論理チャネル優先度のリモートサイドリンク論理チャネルに逆多重化する。
【0252】
第20〜第23の変形のいずれかに加えて提供される第24の変形によれば、プロセッサは、リモート論理チャネルおよびリレー論理チャネルに、アップリンクリソース割当てで割り当てられる無線リソースを割り当てるように行われる論理チャネル優先順位付け(LCP)手順の間、リモートバッファ状況報告を通知する第1のメディアアクセス制御制御要素(MAC CE)を、リレーバッファ状況報告を通知する第2のMAC CEより優先させる。
【0253】
第25の変形によれば、移動通信システムにおけるリレーユーザ機器のために無線リソースをスケジュールするための無線基地局が提供される。リレーユーザ機器は、それぞれ1つまたは複数のリモートユーザ機器に対するリレーとして働くことが可能であるためのリレー機能性をサポートし、そうすると1つまたは複数のリモートユーザ機器から発信する、またはリモートユーザ機器に宛てられるリモートデータが、1つまたは複数のリモートユーザ機器と無線基地局との間でリレーユーザ機器によって中継される。1つまたは複数のリレー論理チャネルが、リレーユーザ機器と無線基地局との間で、リレーユーザ機器から発信する、またはリレーユーザ機器に宛てられるリレーデータを通知するために確立される。1つまたは複数のリモート論理チャネルが、リレーユーザ機器と無線基地局との間で、1つまたは複数のリモートユーザ機器から発信する、またはリモートユーザ機器に宛てられるリモートデータを通知するために確立される。リレー論理チャネルグループが規定され、ここではリレー論理チャネルの各々はリレー論理チャネルグループの1つに割り当てられる。リモート論理チャネルグループが規定され、ここではリモート論理チャネルの各々はリモート論理チャネルグループの1つに割り当てられる。無線基地局の受信器が、リレー論理チャネルグループに対して1つのバッファサイズフィールドを備えるリレーバッファ状況報告を受信し、1つのバッファサイズフィールドは、上記リレー論理チャネルグループのすべてのリレー論理チャネルに渡って送信のために利用可能な総リレーデータ量を示す。受信器は、リモート論理チャネルグループに対して1つのバッファサイズフィールドを備えるリモートバッファ状況報告をさらに受信し、1つのバッファサイズフィールドは、上記リモート論理チャネルグループのすべてのリモート論理チャネルに渡って送信のために利用可能な総リモートデータ量を示す。無線基地局のプロセッサが、無線基地局にリモートデータおよびリレーデータを送信するためにリレーユーザ機器に無線リソースを割り当てるアップリンクリソース割当てを生成し、アップリンクリソース割当ては、リレーバッファ状況報告およびリモートバッファ状況報告に基づいてプロセッサによって生成される。無線基地局の送信器が、リレーUEに生成されたアップリンクリソース割当てを送信する。
【0254】
<本開示のハードウェアおよびソフトウェア実装>
他の例示的な実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアと協働したソフトウェアを使用する上記した様々な実施形態の実装に関する。これに関連して、ユーザ端末(移動端末)およびeNodeB(基地局)が提供される。ユーザ端末および基地局は、受信器、送信器、プロセッサなど、本明細書に記載した方法に適切に関与する対応するエンティティを含め、同方法を行う。
【0255】
様々な実施形態がコンピューティング装置(プロセッサ)を使用して実装されてもまたは行われてもよいとさらに認識される。コンピューティング装置またはプロセッサは、例えば汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)または他のプログラマブル論理装置などでもよい。様々な実施形態はこれらの装置の組合せによって行われてもまたは具象化されてもよい。特に、上記した各実施形態の記載に使用される各機能ブロックは、集積回路としてのLSIによって実現されることができる。それらはチップとして個々に形成されてもよいし、または1つのチップが、機能ブロックの一部または全部を含むように形成されてもよい。それらは、そこに結合されるデータ入出力を含んでもよい。LSIはここで、集積度の相違に応じて、IC、システムLSI、超LSIまたは極超LSIと称されてもよい。しかしながら、集積回路を実装する技術はLSIに限定されず、専用回路または汎用プロセッサを使用することによって実現されてもよい。加えて、LSIの製造後にプログラムされることができるFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはLSI内部に設けられる回路セルの接続および設定が再構成されることができる再構成可能プロセッサが使用されてもよい。
【0256】
さらに、様々な実施形態はソフトウェアモジュールを用いて実装されてもよく、ソフトウェアモジュールはプロセッサによってまたはハードウェアで直接実行される。また、ソフトウェアモジュールおよびハードウェア実装の組合せも可能だろう。ソフトウェアモジュールは任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体、例えばRAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなどに記憶されてもよい。異なる実施形態の個々の特徴が個々にまたは任意の組合せで別の実施形態の主題であることにさらに留意するべきである。
【0257】
当業者によって、多数の変形および/または修正が具体的な実施形態に示すように本開示になされてもよいことが認識されるであろう。本実施形態は、したがって、すべての点で例示的であり限定的でないと考えられるべきである。