(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-526567(P2018-526567A)
(43)【公表日】2018年9月13日
(54)【発明の名称】風力エネルギー設備および風力エネルギー設備の冷却を制御するための方法
(51)【国際特許分類】
F03D 80/60 20160101AFI20180817BHJP
【FI】
F03D80/60
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-507573(P2018-507573)
(86)(22)【出願日】2016年8月31日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月10日
(86)【国際出願番号】EP2016070502
(87)【国際公開番号】WO2017037109
(87)【国際公開日】20170309
(31)【優先権主張番号】102015217035.7
(32)【優先日】2015年9月4日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】512197272
【氏名又は名称】ヴォッベン プロパティーズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】WOBBEN PROPERTIES GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】デ フリース ヤン
(72)【発明者】
【氏名】エンスコナトュス カイ
(72)【発明者】
【氏名】ケニッツ マルテ
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA43
3H178BB52
3H178BB79
3H178CC23
3H178DD12Z
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3H178DD65X
3H178EE03
3H178EE24
(57)【要約】
【課題】風力発電設備のための冷却を提供する。
【解決手段】風力発電設備が提案され、冷却媒体が中を流れる導管は、風力発電設備の内部からタワー壁を通ってあるいは基礎を通って外方に通過して、熱交換器の冷却導管は外側からタワーに圧接され、あるいは、そこに配置され、また、タワー壁と冷却システムの壁のカバーとの間に配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タワー壁(102a)および長手軸(102b)を有するタワー(102)と、
複数の熱交換器(210)を有し、前記タワー(102)の下部領域の第1の冷却ユニット(200)と、
前記タワー壁(102a)に対して間隔をあけた外側壁(202)と、を含む風力発電設備であって、
前記複数の熱交換器(210)は、前記タワー壁(102a)と前記第1の冷却ユニット(200)の前記外側壁(202)との間に配置され、
前記第1の冷却ユニット(200)は、前記複数の熱交換器(210)の下の複数の下部開口(204)と、前記複数の熱交換器(210)の上の複数の上部開口(205)と、を有し、
前記第1の冷却ユニット(200)は、前記タワー壁(102a)と前記冷却ユニット(200)の前記外側壁(202)との間に延びてそれらの間の中間スペースの上を覆う屋根(203)を有する、風力発電設備。
【請求項2】
前記複数の熱交換器(210)と、特に熱交換器表面とは、前記風力発電設備の前記タワー(102)の前記長手軸(102b)に対して実質的に垂直または水平に配置される、請求項1に記載の風力発電設備。
【請求項3】
前記第1の冷却ユニット(200)は、前記タワー壁(102a)および/または基礎(600)を通って延びて冷却媒体がその中を流れる少なくとも1つの冷却導管を有し、
前記第1の冷却ユニット(200)は、前記下部開口(204)を通して空気を取り入れてそれを前記熱交換器(210)に通し、したがって前記空気が前記上部開口(205)を通って出ることができる、少なくとも1つのファン(220)を有する、請求項1または2に記載の風力発電設備。
【請求項4】
前記タワー(102)の内部に、少なくとも1つのファン(100a)および少なくとも1つの冷却通路(111、112)を前記タワー壁(102a)および/または前記基礎(600)に有する第2の冷却ユニットが設けられ、
前記ファン(100a)は、冷却する目的のために、前記タワー壁(102a)および/または前記基礎(600)に沿った前記少なくとも1つの冷却通路(111、112)に沿って、空気を流れさせるように適合される、請求項1から3のいずれか一項に記載の風力発電設備。
【請求項5】
上に前記タワー(102)が設けられる、基礎(600)と、
前記基礎(600)の中または上の貯蔵室(100b)であって、特に熱貯蔵手段の形態の第3の冷却ユニット(400)が前記貯蔵室(100b)に設けられる、貯蔵室(100b)と、
前記第1、第2および/または第3の冷却ユニット(200、100a、400)を制御するように適合された冷却制御ユニット(300)と、をさらに含む請求項1から4のいずれか一項に記載の風力発電設備。
【請求項6】
前記風力発電設備の前記基礎(600)の第4の冷却ユニット(500)をさらに含み、
前記第4の冷却ユニット(500)は、少なくとも1つの冷却通路(501)を前記基礎(600)に有し、
前記制御ユニット(300)は、前記第1、第2、第3および/または第4の制御ユニットの動作を制御するように適合される、請求項4に記載の風力発電設備。
【請求項7】
タワー壁(102a)を備えたタワー(102)を有する風力発電設備用のレトロフィット可能な冷却ユニット(200)であって、
屋根(203)と、
複数の下部開口および上部開口(204、205)を有する外側壁(202)と、
前記外側壁(202)の内側における前記下部開口(204)と前記上部開口(205)との間の複数の熱交換器(210)と、を含み、
前記冷却ユニット(200)は、前記タワー壁(102a)まわりに配置することができる、冷却ユニット。
【請求項8】
タワー壁(102a)および長手軸(102b)を有するタワー(102)を有する風力発電設備の冷却を制御する方法であって、
前記風力発電設備は、
前記タワー(102)の前記下部領域の、前記タワーの外側の、複数の熱交換器(210)を備える、第1の冷却ユニット(200)、
前記風力発電設備の前記タワーの内部の第2の冷却ユニット(100a、111、112)、
前記風力発電設備の貯蔵室の第3の冷却ユニット(400)、および/または、
前記風力発電設備の基礎(600)の第4の冷却ユニット(500)を含み、
冷却制御ユニット(300)を用いて前記第1、第2、第3および/または第4の冷却ユニット(200、100a、400、500)の動作を制御するステップを含み、
第1の動作モードでは、前記4つの冷却ユニットのうちの1つが作動され、その一方、残りが停止され、
第2の動作モードでは、前記4つの冷却ユニットのうちの2つが作動され、その一方、残り2つが停止され、
第3の動作モードでは、前記4つの冷却ユニットのうちの3つが作動され、
第4の動作モードでは、全ての4つの冷却ユニットが停止される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力発電設備および風力発電設備の冷却を制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電設備におけるエネルギーの変換では、損失は、通常、熱の形態で生じる。そのことは、風力発電設備の発電機での風の運動エネルギーの電気エネルギーへの変換(その場合、それらの損失は、風力発電設備の主駆動トレインで通常起こる)に関して、またグリッド、例えば、中電圧グリッドへの、風力発電設備によって生じるエネルギーの給電において当てはまる。パワーエレクトロニクス装置、例えば、インバータ、変圧器および/または開閉設備などは、通常その目的のために必要とされる。
【0003】
風力発電設備において風力発電設備のポッドに配設される主駆動トレインでは、損失は、トランスミッション(そのようなものが設けられる場合)で、ベアリングで、発電機(例えば、ヒステリシス損)で、あるいは、例えば、液圧設備または開ループもしくは閉ループ制御ユニット(例えば、ロータ・ブレードがそれによって設定されるピッチ・ドライブ、または、風力発電設備がそれによって風に関連して設定されるヨー・ドライブ)のような他の制御ユニットで、決定的に起こる。さらに、例えば、変圧器、整流器および/または同種のもののようなパワーエレクトロニクス装置が風力発電設備のポッドに配設される場合、熱は、そのようなユニットで風力発電設備の稼動中にも作り出され、消散されなければならない。
【0004】
歯車なし風力発電設備の場合、主要な損失は、発電機の主駆動トレインで起こる、つまり、一方では風力発電設備のポッドで、また、グリッド変圧器で、おそらくはパワーエレクトロニクス、例えば、インバータで起こり、後者は、風力発電設備のタワーの基部の領域内に通常配設される。1.5MW風力発電設備の場合、損失は、50kW〜100kWの範囲にある場合がある。
【0005】
特許文献1は、閉じた冷却回路を有する風力発電設備を開示し、風力発電設備のタワーは、冷却要素としてまたは熱交換手段として冷却回路の中に組み込まれ、風力発電設備の内部で発生する熱は、風力発電設備のタワーを経由して排出される。その構造の利点は、所望の冷却効果が、できるだけ少ない外部空気によって達成することができ、したがって、空気からの湿気、塵埃または他の成分(例えば、塩を含む)の進入が、最善の可能な程度まで防止され、あるいは、いずれにしても他の構造と比べて著しく減少することである。しかしながら、風力発電設備内の部品の十分な冷却を提供することが可能でない場合、そのとき幾つかの状況下では、冷却効率を改善するために、外部からの外部空気の供給に頼ることが必要である。それは、塵埃や塩などによる問題を伴う場合がある。
【0006】
特許文献2は、風力発電設備を開示しており、熱媒体用の導管は、少なくとも一部には風力発電設備の基礎を通って延びて、熱を地面と交換するのに適しており、その場合、導管は、少なくとも一部には地面自体を通っても延びることになる。
【0007】
特許文献3は、風力発電設備用の熱管理システムを開示し、発熱部品(変圧器、変換器など)は、風力発電設備のタワーの内側表面に直接配置され、発熱部品によって生じる熱は、風力発電設備のタワーの内側表面に直接消散され、それによって、風力発電設備タワー全体への良好な熱伝導ルートが提供される。
【0008】
特許文献4は、風力発電設備および風力発電設備の部品を用いた温度調節の方法を開示し、温度調節は、少なくとも1つの断熱流体貯蔵手段と、少なくとも1つの部品を備えた流体貯蔵手段を風力発電設備に連結する導管システムと、導管システムを介して流体を輸送するためのデバイスと、を含み、少なくとも1つの部品および導管システムは、互いに熱的な関係にある。流体貯蔵手段は、風力発電設備のタワーの外側に配設される。
【0009】
特許文献5は、風力発電設備を開示し、冷却リブの形態の熱交換器は、タワーの外側に配置され、熱伝導媒体(例えば、空気または水)が通過してタワー壁を貫き、媒体は、風力発電設備内の風力発電設備の部品によって加熱され、したがって、加熱された媒体は、タワーの外側に通過され、そこでの目的は、熱交換器を用いて冷却することである。熱交換器は、風力発電設備のタワーの少なくとも4つの側面に配置され、それによる目的は、風の向きにかかわらず常に最適な冷却を提供することである。
【0010】
特許文献6は、風力発電設備を開示し、風力発電設備のタワー内部で生じる熱は、熱担持媒体を経由して熱交換器およびそれに連結された導管システムによって消散され、より具体的には、風力発電設備の基礎を通して、タワーの外側の傍らに配設される別の熱交換器の中に消散される。
【0011】
風力発電設備のための別の冷却の考え方は、例えば、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献2から公知でもある。
【0012】
既に以前から公知である解決策の幾つかは、やはり一部には非常にコストが掛かり(例えば、特許文献2または特許文献6から公知のそれら)、特許文献4から公知の解決策は、沖合いでの使用にも適していない。
【0013】
最後に、以前から公知の解決策の多くは、極端にメンテナンスが多く、それが今度はシステムのコストを増大させる。さらに、以前から公知の解決策の大部分は、既存の設備においてレトロフィットすることができず、幾つかの解決策、例えば、特許文献5から公知のものは、破壊行為、つまり、タワーの外側壁に配設した冷却リブの故意の破壊から安全ではない。
【0014】
具体的には、特許文献5、特許文献4、特許文献3または特許文献2から公知の解決策は、風力発電設備全体に関して魅力的な美観のための要件に従わない。
優先権主張の基礎である独国特許出願に基づいて、ドイツ特許商標庁は、次の文献、すなわち、特許文献16、特許文献17および特許文献18をサーチした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】欧州特許第1200733号
【特許文献2】独国特許出願公開第102004061391号
【特許文献3】欧州特許第2002120号
【特許文献4】独国特許出願公開第102009055784号
【特許文献5】欧州特許第1798414号
【特許文献6】欧州特許第2203642号
【特許文献7】国際公開第99/30031号
【特許文献8】独国特許第19528862号
【特許文献9】独国特許第2707343号
【特許文献10】独国特許第69217654号
【特許文献11】特公昭60−245955号
【特許文献12】特公昭60−093261号
【特許文献13】独国特許出願公開第10352023号
【特許文献14】国際公開第01/77526号
【特許文献15】米国特許第7168251号
【特許文献16】独国特許第19932394号
【特許文献17】米国特許出願公開第2012/0119505号
【特許文献18】欧州特許出願公開第2000668号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
それ故に、本発明の目的は、風力発電設備のための冷却を提供することであり、上述した風力発電設備のための特有の冷却における不都合を回避し、さらには美的に魅力的な外観をもたらし、メンテナンスが少なく、破壊行為による損傷に対して極めて十分に安全であり、レトロフィットすることもでき、そのうえ安価であり、冷却特性の改善ももたらす。
【課題を解決するための手段】
【0017】
その目的は、請求項1に係る風力発電設備を用いて達成される。
【0018】
有利な展開については、添付した特許請求の範囲に説明されている。
【0019】
このように第1の冷却ユニットを有する風力発電設備が提案され、冷却媒体が中を流れる導管は、風力発電設備の内部からタワー壁を通ってあるいは基礎を通って外方に通過して、熱交換器の冷却導管は、外面からタワーに圧接され、あるいは、そこに配置され、また、タワー壁と冷却システムの壁のカバーとの間に配置される。
【0020】
この解決策の利点は、第1の冷却ユニットが、基礎の領域に、つまり、地面に近いタワーの領域に、例えば、風力発電設備の基礎に近いタワー・セグメントに、設けることができることであり、風力発電設備の全体的な美観は、カバーによって深刻な悪影響を受けることがなく、解決策は、特に、既存の風力発電設備(それ故に既に稼動中である)においてレトロフィットすることができ、解決策は、極めて十分な耐破壊行為性も有し、維持もし易い。
【0021】
タワー壁(外向き側)と冷却システムのカバー(内向き側)との間の領域に設けることが好ましいものは、換気システムであり、例えば、複数のファンを含むが、その目的は、そのように冷却空気を、外部から、例えば下部領域の開口を通して取り入れて、タワー壁とカバーとの間のスペースの中にそれを押し入れることであり、それによる目的は、熱交換器中のそこに配設された冷却導管まわりに流すこと、および、冷却導管の中にある冷却媒体を冷却すること、である。
【0022】
タワー基部の領域の冷却システムのカバーまたは壁が、例えば、着色することによって、タワーの外観全体に視覚的に調和する場合、カバーまたは壁の全体も、やはり殆ど知覚できるものではなく、したがって、殆どまたは全く風力発電設備全体の美観に悪影響を及ぼさない。冷却システムは、そのうえカバーまたは壁のおかげで破壊行為に対して極めて十分に安全であり、それは、カバーまたは壁が金属板などを含むときに特に当てはまり、特に、本発明に係る冷却システムは、いつでもレトロフィットすることができる。加えて、本発明に係る冷却システムは、メンテナンスが極めて少なく、こうして本発明に係る解決策は、非常に安価である。
【0023】
タワーの近くの領域では、風力発電設備のタワーは、1つ、2つまたはそれより多くの扉を通常有する。ここでそのような風力発電設備が、冷却システムとそのカバーまたは壁とをタワーの基部近くの領域に装備する場合、タワーへのアクセスは、明らかにいつでも可能でなければならず、したがって、冷却導管などは、扉の表面上を覆うべきではない。他方で、タワー自体に存在する実際の扉の前に、カバーに第2の扉を設けることが可能であり、したがって、風力発電設備へのアクセスのために、2つの扉を開くことが必要になる。それは、なお一層、風力発電設備への犯罪的なアクセスおよび無許可の進入に対する風力発電設備の構造的なセキュリティを向上させる。
【0024】
その点において、カバーまたは壁に存在してタワー壁の扉に向かい合っている扉は、風力発電設備のタワーの扉と異なった施錠鍵システムを有するように装備される場合もある。加えて、カバーの扉は、警報システムを具備する場合があり、したがって、誰かが侵入してその扉をこじ開けると、警報が自動的にトリガされて、無許可の人物は、そのとき依然としてタワー壁の扉を開かなければならず、それは、ある長さの時間を必要とし、こうしてサービスマン(または警官)や同種の者が風力発電設備に適時に到着することを可能にして、風力発電設備のセキュリティを回復させる。
【0025】
その点において、特に好ましいことは、カバーまたは壁に設けられる扉が摺動型扉の形態を有することであり、その前方端部の扉リーフは、扉が閉じているとき、カバーの背後にあり、こうして、泥棒の道具をもってしても脇に押し進めることができない。
【0026】
カバーまたは壁の扉は、風力発電設備全体の美的なまとまった印象をさらに促進させる。
【0027】
好適な(また代替の)実施形態では、冷却導管は、それ自体が風力発電設備の基礎を通される場合もあり、したがって、冷却媒体によって排出される熱は、風力発電設備の基礎の中に排出される。
【0028】
タワー基礎に配設される再冷器または熱交換器を冷却導管に連結することも可能である。
【0029】
この実施形態における本発明に係る冷却装置は、タワー基部の領域の熱の排出という利益も有しているが、その意味することは、タワーのこの領域が、外が極めて冷たい、例えば、摂氏マイナス30度のときでさえ、常に(外気温に較べると)著しく高めの温度であり、したがって、タワー内の何れの機器も、霜害や錆損、冷気、湿度などからより良く保護されることである。
【0030】
また、寒冷期の前に激しい雨が設備を叩き、タワーから流れ落ち/滴り落ちてその後にそこで凍結する雨のせいで、水もまたタワー壁の扉に打ちつけるということが以前から既に発生している。そのような状況では、サービスマンがそのような扉をとにかく開けることは、着氷のせいで、極めて困難である。本発明によってここでも確保されることは、先ず第一にそのような扉での着氷がとにかく起こり得ないこと、したがって、設備へのアクセスが常に保証されること、である。
【0031】
上で説明した変形例では、本発明に係る冷却手段は、風力発電設備の単独の冷却デバイスを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図2】第1の実施形態に係る風力発電設備のタワーの下部領域の概略図である。
【
図3】第1の実施形態に係る風力発電設備のタワーの概略部分断面図である。
【
図4】第2の実施形態に係る風力発電設備の冷却ユニットの概略図である。
【
図5】第1または第2の実施形態に係る風力発電設備のタワーの下部領域の断面図である。
【
図6】第1または第2の実施形態に係る風力発電設備のタワーの下部領域の概略断面図である。
【
図7】第3の実施形態に係る風力発電設備の概略断面図である。
【
図8】第4の実施形態に係る風力発電設備の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、本発明に係る風力発電設備の概略図を示す。風力発電設備100は、長手軸102bを有するタワー102と、タワー102上のポッド104と、を有する。タワー102は、重ねて配置されてタワー102を構成する複数のタワー・セグメントを有する場合がある。ポッド104に設けられるのは、エアロダイナミック・ロータ106であり、例えば、3つのロータ・ブレード108とスピナ110を備える。エアロダイナミック・ロータ106は、風力発電設備の稼働中、風によって回転を引き起こされ、したがって、エアロダイナミック・ロータ106に直接または間接に結合されている発電機のロータ部材も回転させる。発電機は、ポッド104に配置され、電気エネルギーを発生させる。ロータ・ブレード108のピッチ角は、それぞれのロータ・ブレード108のロータ・ブレード根元のピッチ・モータによって変えられる場合がある。
【0034】
第1の冷却ユニット200は、下部タワー・セグメントの領域に設けられる。この場合、第1の冷却ユニット200は、下部に、すなわち下部タワー・セグメントまたはタワー基部まわりにおいて、外側から設けられる。
【0035】
本発明によれば、冷却ユニットは、連続的なリングの形態、あるいは、連続的でもなくセグメント的に、例えば、風力発電設備のタワーまわりの2分の1セグメント、4分の1セグメント、8分の1セグメントなどの形態、である場合がある。
【0036】
図2は、第1の実施形態に係る風力発電設備のタワーの下部領域の概略図を示す。第1の冷却ユニット200は、壁202および屋根203を有しており、タワー102を完全に取り囲むことが好ましい。しかしながら、それに対する代案として、第1の冷却ユニット200は、タワー102を部分的にだけ取り囲むこともある。第1の冷却ユニット200は、複数の下部開口204と、壁202の複数の上部開口205と、を有する。上部開口は、第1の冷却ユニットの屋根203に設けられる場合もある。第1の冷却ユニットは、少なくとも1つの扉201も有する。
【0037】
図3は、第1の実施形態に係る風力発電設備のタワーの概略部分断面図を示す。第1の冷却ユニット200は、複数の下部開口204と、複数の上部開口205と、を有する壁202を有する。壁202は、タワー102の壁102aに対して間隔をあけている。複数の熱交換器210は、タワー壁102aと第1の冷却ユニット200の壁202との間に設けられる。熱交換器210は、例えば、1つの冷却導管または複数の冷却導管を有することがある。任意で、熱交換器210は、タワー102の長手方向102bに垂直に配置される場合がある。
【0038】
本発明によれば、冷たい空気は、下部開口204を通して吸引され、案内されて熱交換器210を通り過ぎる場合があり、加熱された空気は、その後に上部開口205を経由して外方に排出される場合がある。
【0039】
本発明によれば、冷却剤は、熱交換器210に存在する場合があり、冷却剤は、タワー壁102aを通過して、風力発電設備の部品を冷却する。
【0040】
具体的には、熱交換器210は、活性の熱交換表面211を表す熱交換器表面211を有することがある。熱交換表面211は、例えば、冷却導管の複数の壁を有することがあり、したがって、熱交換表面211を通って流れる冷たい空気は、冷却導管中の冷却剤を冷却する。
【0041】
図4は、第2の実施形態に係る風力発電設備の第1の冷却ユニットの概略図を示す。
図4は、特に、第1の冷却ユニット200だけを示す。第1の冷却ユニット200は、壁202と、複数の下部開口204と、複数の上部開口205と、複数の熱交換器210と、を有する。任意で、ファン220が、熱交換器210の下にそれぞれ配置されることがある。したがって、冷たい空気は、ファン220によって下部開口204を経由して吸引され、案内されて熱交換器210(そこでは加熱されている)を通り過ぎ、上部開口205を経由して排出されることがある。熱交換器210中の冷却剤は、その空気流によって冷却される場合がある。
【0042】
図5は、風力発電設備のタワーの下部領域の断面を示す。第1の冷却ユニット200の壁202は、タワー・セグメント102の壁102aに対して間隔をあけて配設される。複数の熱交換器210は、タワー壁102aと第1の冷却ユニット200の壁202との間の領域に設けられる場合がある。
【0043】
図6は、第1または第2の実施形態に係る風力発電設備のタワーの下部領域の概略断面図を示す。第1の冷却ユニット200は、タワー壁102aに対して間隔をあけた壁202と、複数の下部開口204と、複数の上部開口205と、を有する。複数の熱交換器210は、タワー壁102aと第1の冷却ユニット200の壁202との間に設けられ、例えば、タワーの長手軸に垂直に配置される。任意で、ファン220が、各熱交換器210の下に設けられる場合がある。
【0044】
本発明の代替的な実施形態では、第1の冷却ユニット200は、換気装置またはファン220を何ら有していないが、少なくとも1つのポンプを有しており、熱交換器210を通して冷却剤を搬送する。
【0045】
図7は、第3の実施形態に係る風力発電設備の概略断面図を示す。
図7は、特許文献1に説明されているような風力発電設備を示す。それに加えて、タワーの下部領域に設けられるのは、第1または第2の実施形態に係る第1の冷却ユニット200である。このように、第3の実施形態の風力発電設備は、2つの冷却システムすなわち冷却ユニットを有する。
図7は、ポッド104をタワー102の頭部端部に有する風力発電設備を貫く断面を示す。ポッド104は、風力発電設備の主駆動トレインを収容する場合がある。その主駆動トレインは、エアロダイナミック・ロータ106とそれに実装されたロータ・ブレード108とを実質的に含む。エアロダイナミック・ロータ106は、発電機ロータ部材160および発電機ステータ170を有する発電機130に連結されている。エアロダイナミック・ロータ106が発電機ロータ部材160と共に回転すると、電気的エネルギーは、例えば、交流または直流の形態で発生する。変圧器180と、インバータを有するパワー・キャビネット190とは、タワー102の下部領域に設けられる場合がある。
【0046】
しかも、風力発電設備は、例えば、タワー102の下部領域に少なくとも1つのファン100aを有する第2の冷却ユニットを有し、ファン100aは、変圧器180およびパワー・キャビネットもしくはインバータ190の領域から、タワー102の壁に沿った通路112を通して、上向きにポッド104の中に空気を駆動する場合がある。そこでの空気流は、発電機130を通って流れてもしくは通り過ぎて、再度タワー102の壁102aに沿って下向きに流れる。このように空気は冷却され、閉じた冷却回路が得られ、特に、沖合い領域で極めて有利であり、何故なら、そのように外部空気が進入できないからかまたは著しく制限された外部空気だけが進入できるからである。冷却通路112、111は、ホースまたは導管の形態である場合がある。それに対する代案として、タワー102の壁は、二重壁構造である場合がある。加熱された空気が、タワー102の下部領域から通路111を通って上向きに流れ、このようにタワー102の壁を流れて通り過ぎるという理由で、タワー102の壁は、熱交換器として作用し、したがって、空気は、通路内部で冷却される。
【0047】
任意で、パワー・キャビネット190および変圧器180は、第2の冷却ユニットの冷却通路111、112を通る空気流によって冷却される場合がある。
【0048】
既に上で説明したように、本発明に係る冷却ユニット200は、タワー102の下部領域に付加的に設けられる。
【0049】
このように、第3の実施形態の風力発電設備は、2つの冷却ユニットを含む冷却システムを有する。第2の冷却ユニットは、タワー102の壁の通路111、112によって、また、ファン100aによって、設けられる。第1の冷却ユニット200は、第1または第2の実施形態の冷却ユニットに対応する。
【0050】
両冷却ユニットの組合せの場合、本発明によれば、冷却ユニットの個々は、一方で風力発電設備の最適な冷却を達成すると共に他方で個別の冷却ユニットの最適な動作をも達成するように、そのとき制御される場合がある。
【0051】
第3の実施形態の風力発電設備は、冷却制御ユニット300を有する。冷却制御ユニット300は、第1の冷却ユニット200、210と、同様に第2の冷却ユニット(ファン100a)と、の双方に接続される。制御ユニット300は、例えば、発電機の温度、変圧器の温度、パワー・キャビネットの温度、外気温などのような風力発電設備の運転パラメータを受け取って、第1および第2の冷却ユニットの動作を適切に制御する場合もある。冷却制御ユニット300の第1の動作モードでは、第2の冷却ユニットだけが、ファン100aの回転の速度を制御することによって制御される。その場合、第1の冷却ユニット200が停止される場合がある。第2の動作モードでは、第1の冷却ユニット200だけが、作動され、第2の冷却ユニット100aはそうでない。第3の動作モードでは、第1の冷却ユニット200と、同様に第2の冷却ユニット100aと、の双方が、作動される。冷却制御ユニット300は、第1および第2の冷却ユニット200,100aの動作を制御するように適合され、したがって、第1および第2の冷却ユニットの冷却特性を考慮する最適な冷却を達成する。
【0052】
このように、本発明の態様によれば、両方の冷却ユニットがそれぞれ最大限の出力で常に一定して風力発電設備の全体的なアセンブリの冷却に貢献するのではなく、風力発電設備のための第1の冷却効果が必要とされるときに、第1または第2の実施形態に従って本発明に係る第1の冷却ユニットが最初に動作し、冷却要求のさらなる増加によって、タワーの内部の第2の冷却ユニット、つまり、閉じた冷却ユニットが、スイッチオンされることが可能である。
【0053】
理解されるであろうことは、個別のシステムが正確に逆の形態でスイッチオンすることもできることであり、したがって、例えば、風力発電設備の低い部分負荷の範囲内で、最初に、動作は、
図7の第1の冷却ユニットだけを用いて実行されるべきであり、第2の冷却ユニットが追加されるのは、冷却のなお一層の要求があるときだけである。
【0054】
個別の冷却ユニットのスイッチオンは、目標指向の形態で制御ユニット300を用いて制御される場合があり、個別の冷却ユニットの冷却のそれぞれの割合は、目標指向の形態で調整される場合があるが、それによる目的は、一方で風力発電設備の部品の最適な冷却を提供することであり、他方で風力発電設備の全体的な冷却を最低可能レベルのエネルギー消費で実施することである。
【0055】
最後に、風力発電設備のタワーの内部に配置した閉じた冷却回路が、カバーの内側ではなくてタワー壁の外壁に設けた冷却回路に接続されるのを可能にすることが好ましい。
【0056】
ガス、例えば、空気は、また、液体、例えば、水、油なども、冷却媒体として使用される場合がある。
【0057】
ガスを冷却媒体として使用するとき、冷却媒体の導管/管を通っての移動は、ファン・デバイスによってもたらされる。液体冷却媒体を使用するとき、強制対流は、1つのポンプまたは複数のポンプを用いて実行される。
【0058】
一方のファンにおいて、および/または、他方のポンプにおいて、その場合、制御ユニット300によって制御されてそれに接続される。
【0059】
図8は、第4の実施形態に係る風力発電設備の概略断面図を示す。
図8は、特に風力発電設備およびその基礎の下部部分だけを示す。風力発電設備は、タワー102および基礎600を有する。第1または第2の実施形態に係る第1の冷却ユニット200は、タワーの下部領域まわりに設けられる。風力発電設備のタワーの内部に設けられるのは、少なくとも1つのファン100aならびに冷却通路111、112であり、
図7に示す第3の実施形態に係る第2の冷却ユニットを提供する。任意で、例えば、熱貯蔵手段400のような第3の冷却ユニットが、タワー102の真下の貯蔵室100bに設けられる場合がある。その熱貯蔵手段400は、例えば20立方メートル以上の例えば貯水槽の場合がある。このように熱貯蔵手段400は、第3の冷却ユニットとして機能しており、第1および/または第2の冷却ユニット200、100aに連結される場合がある。第3の実施形態のように、第1、第2および/または第3の冷却ユニットに接続され、それぞれの冷却ユニットの動作を制御する冷却制御ユニット300が設けられる場合がある。
【0060】
それに加えて、第4の冷却ユニット500が、任意で風力発電設備の基礎600に設けられる場合がある。第4の冷却ユニット500は、冷却通路501を基礎600に備える熱交換器の形態である場合がある。第4の冷却ユニット500は、第1、第2および/または第3の冷却ユニットに結合される場合がある。
【0061】
本発明に係る風力発電設備は、コンクリート製のタワーまたは鋼製のタワーあるいはそれらの組合せを有する場合がある。
【0062】
貯蔵室100bの空調管理または雰囲気制御は、貯蔵室100bの熱貯蔵手段400または第3の冷却ユニット400によって可能にされる場合がある。それは、例えば、コンクリート製のタワーの場合、例えば、クランプ・アンカが貯蔵室100bに設けられる場合に有利である。したがって、アンカの錆発生は、第3の冷却ユニット400の動作によって少なくとも減少する場合がある。
【0063】
任意選択で、変圧器180、および/または、
図7に示したようなパワーエレクトロニクスを備えたパワー・キャビネット190は、貯蔵室100bに設けられる場合がある。第3の冷却ユニット400、すなわち、熱貯蔵手段400は、制御ユニット300によってこのように制御される場合があり、したがって、貯蔵室100bのパワー・キャビネット190および/または変圧器180は、冷却される、あるいは、貯蔵室100bは、第3の冷却ユニット400の動作によって空調管理または雰囲気制御される場合がある。
【0064】
第1、第2、第3または第4の冷却ユニットの制御に関して、制御ユニット300は、任意で、貯蔵室100b内、基礎600内、およびタワー102外の温度を検出して、それらの温度をそれらのユニットの制御において考慮に入れる場合がある。
【手続補正書】
【提出日】2018年4月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タワー壁(102a)および長手軸(102b)を有するタワー(102)と、
複数の熱交換器(210)を有し、前記タワー(102)の下部領域の第1の冷却ユニット(200)と、
前記タワー壁(102a)に対して間隔をあけた外側壁(202)と、を含む風力発電設備であって、
前記複数の熱交換器(210)は、前記タワー壁(102a)と前記第1の冷却ユニット(200)の前記外側壁(202)との間に配置され、
前記第1の冷却ユニット(200)は、前記複数の熱交換器(210)の下の複数の下部開口(204)と、前記複数の熱交換器(210)の上の複数の上部開口(205)と、を有し、
前記第1の冷却ユニット(200)は、前記タワー壁(102a)と前記冷却ユニット(200)の前記外側壁(202)との間に延びてそれらの間の中間スペースの上を覆う屋根(203)を有し、
前記第1の冷却ユニット(200)は、前記タワー壁(102a)および/または基礎(600)を通って延びて冷却媒体がその中を流れる少なくとも1つの冷却導管を有し、
前記第1の冷却ユニット(200)は、前記下部開口(204)を通して空気を取り入れてそれを前記熱交換器(210)に通し、したがって前記空気が前記上部開口(205)を通って出ることができる、少なくとも1つのファン(220)を有する、
風力発電設備。
【請求項2】
前記複数の熱交換器(210)と、特に熱交換器表面とは、前記風力発電設備の前記タワー(102)の前記長手軸(102b)に対して実質的に垂直または水平に配置される、請求項1に記載の風力発電設備。
【請求項3】
前記タワー(102)の内部に、少なくとも1つのファン(100a)および少なくとも1つの冷却通路(111、112)を前記タワー壁(102a)および/または前記基礎(600)に有する第2の冷却ユニットが設けられ、
前記ファン(100a)は、冷却する目的のために、前記タワー壁(102a)および/または前記基礎に沿った前記少なくとも1つの冷却通路(111、112)に沿って、空気を流れさせるように適合される、請求項1または2に記載の風力発電設備。
【請求項4】
上に前記タワー(102)が設けられる、基礎(600)と、
前記基礎(600)の中または上の貯蔵室(100b)であって、特に熱貯蔵手段の形態の第3の冷却ユニット(400)が前記貯蔵室(100b)に設けられる、貯蔵室(100b)と、
前記第1、第2および/または第3の冷却ユニット(200、100a、400)を制御するように適合された冷却制御ユニット(300)と、をさらに含む請求項1から3のいずれか一項に記載の風力発電設備。
【請求項5】
前記風力発電設備の前記基礎(600)の第4の冷却ユニット(500)をさらに含み、
前記第4の冷却ユニット(500)は、少なくとも1つの冷却通路(501)を前記基礎(600)に有し、
前記制御ユニット(300)は、前記第1、第2、第3および/または第4の制御ユニットの動作を制御するように適合される、請求項3に記載の風力発電設備。
【請求項6】
タワー壁(102a)を備えたタワー(102)を有する風力発電設備用のレトロフィット可能な冷却ユニット(200)であって、
屋根(203)と、
複数の下部開口および上部開口(204、205)を有する外側壁(202)と、
前記外側壁(202)の内側における前記下部開口(204)と前記上部開口(205)との間の複数の熱交換器(210)と、を含み、
前記冷却ユニット(200)は、前記タワー壁(102a)まわりに配置することができ、
前記冷却ユニット(200)は、前記タワー壁(102a)および/または基礎(600)を通って延びて冷却媒体がその中を流れる少なくとも1つの冷却導管を有し、
前記冷却ユニット(200)は、前記下部開口(204)を通して空気を取り入れてそれを前記熱交換器(210)に通し、したがって前記空気が前記上部開口(205)を通って出ることができる、少なくとも1つのファン(220)を有する、
冷却ユニット。
【請求項7】
タワー壁(102a)および長手軸(102b)を有するタワー(102)を有する風力発電設備の冷却を制御する方法であって、
前記風力発電設備は、
前記タワー(102)の前記下部領域の、前記タワーの外側の、複数の熱交換器(210)を備える、第1の冷却ユニット(200)、
前記風力発電設備の前記タワーの内部の第2の冷却ユニット(100a、111、112)、
前記風力発電設備の貯蔵室の第3の冷却ユニット(400)、および/または、
前記風力発電設備の基礎の第4の冷却ユニット(500)を含み、
冷却制御ユニット(300)を用いて前記第1、第2、第3および/または第4の冷却ユニット(200、100a、400、500)の動作を制御するステップを含み、
第1の動作モードでは、前記4つの冷却ユニットのうちの1つが作動され、その一方、残りが停止され、
第2の動作モードでは、前記4つの冷却ユニットのうちの2つが作動され、その一方、残り2つが停止され、
第3の動作モードでは、前記4つの冷却ユニットのうちの3つが作動され、
第4の動作モードでは、全ての4つの冷却ユニットが停止される、方法。
【請求項8】
タワー(102)と、
前記タワー(102)の下部領域まわりに設けられた第1の冷却ユニット(200)と、を備え、
前記第1の冷却ユニット(200)は、
空気の取入口(204)と、
前記空気の排出口(205)と、
前記空気を前記取入口(204)から前記排出口(205)へと流すファン(220)と、
第1の冷却媒体が流通し、前記空気によって冷却される第1の冷却通路とを有する
風力発電設備。
【請求項9】
第2の冷却ユニットをさらに備え、
前記第2の冷却ユニットは、
前記タワー(102)の長手方向に延在し、第2の冷却媒体が流通する第2の冷却通路(111,112)と、
前記第2の冷却媒体を前記第2の冷却通路内に送り出す送出手段(100a)と、を有する
請求項8に記載の風力発電設備。
【請求項10】
前記タワー上に設けられたポッド(104)をさらに備え、
前記第2の冷却通路(111,112)が、前記第2の冷却媒体を前記下部領域から前記ポッド(104)へ流す通路(112)と、前記第2の冷却媒体を前記ポッド(104)から前記下部領域へ流す通路(113)と、を有する循環通路である
請求項9に記載の風力発電設備。
【請求項11】
風力発電設備のタワー(102)の下部領域まわりに設けられ、
空気の取入口(204)と、
前記空気の排出口(205)と、
前記空気を前記取入口(204)から前記排出口(205)へと流すファン(220)と、
第1の冷却媒体が流通し、前記空気によって冷却される第1の冷却通路と、を有する
冷却ユニット。
【請求項12】
風力発電設備のタワー(102)の長手方向に延在し、第2の冷却媒体が流通する第2の冷却通路(111,112)と、
前記第2の冷却媒体を前記第2の冷却通路内に送り出す送出手段(100a)と、を有する
冷却ユニット。
【請求項13】
前記第2の冷却通路(111,112)が、前記第2の冷却媒体を、タワー(102)の下部領域から、前記タワー上に設けられたポッド(104)へ流す通路(112)と、前記第2の冷却媒体を前記ポッド(104)から前記下部領域へ流す通路(113)と、を有する循環通路である
請求項12に記載の冷却ユニット。
【国際調査報告】