特表2018-526768(P2018-526768A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-526768熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システム及び高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-526768(P2018-526768A)
(43)【公表日】2018年9月13日
(54)【発明の名称】熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システム及び高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04014 20160101AFI20180817BHJP
   H01M 8/12 20160101ALI20180817BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20180817BHJP
   H01M 8/2475 20160101ALI20180817BHJP
【FI】
   H01M8/04014
   H01M8/12 101
   H01M8/04 J
   H01M8/2475
   H01M8/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-568328(P2017-568328)
(86)(22)【出願日】2016年5月12日
(85)【翻訳文提出日】2018年1月4日
(86)【国際出願番号】KR2016005012
(87)【国際公開番号】WO2017003088
(87)【国際公開日】20170105
(31)【優先権主張番号】10-2015-0092180
(32)【優先日】2015年6月29日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0092181
(32)【優先日】2015年6月29日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】515171721
【氏名又は名称】キョンドン ナビエン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099793
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 喜十郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154586
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 正広
(72)【発明者】
【氏名】シン, ソクジェ
(72)【発明者】
【氏名】パク, セ ジン
(72)【発明者】
【氏名】イ, ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジニョン
(72)【発明者】
【氏名】ソン, スンキル
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H126FF10
5H127AA07
5H127AC15
5H127BA13
5H127BA32
5H127BA34
5H127BA37
5H127BA47
5H127BB02
5H127BB19
5H127BB24
5H127BB27
5H127BB28
(57)【要約】
本発明熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システムに関する。これによれば、高温ボックスに常温で供給される燃料、空気又は水を高温ボックスの内部の熱交換器によって加熱して使用し、高温ボックスの外部に排出される熱を最小化できる熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システムを提供できる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温ボックスと、
前記高温ボックスの内部の熱交換器及びスタックと、
前記熱交換器に熱を供給する熱源と、を含み、
前記高温ボックスに常温で供給される燃料及び空気は、前記熱交換器を介して加熱して運転される熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システム。
【請求項2】
前記高温ボックスに常温で供給される水は、前記熱交換器を介して加熱して運転される請求項1に記載の熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システム。
【請求項3】
前記熱交換器は、
前記高温ボックスに供給される燃料を加熱及び改質して前記スタックに供給する熱交換型改質器と、
前記高温ボックスに供給される空気を加熱して前記スタックに供給する空気予熱器と、を含み、
前記熱源の熱は、前記熱交換型改質器及び前記空気予熱器に順次に供給される請求項1項又は2に記載の熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システム。
【請求項4】
前記熱交換器は、前記スタックの燃料極から排出される排出ガスの熱を高温ボックスに供給される空気に伝達する燃料極排出ガス冷却器をさらに含む請求項3に記載の熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システム。
【請求項5】
前記高温ボックスに常温で供給される空気は、順次に前記燃料極排出ガス冷却器及び前記空気予熱器を経て加熱する請求項4に記載の熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システム。
【請求項6】
前記熱源は、前記高温ボックスの内部に配置されて高温の燃焼ガスを発生させるバーナーである請求項1に記載の熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システム。
【請求項7】
前記バーナーは、前記スタックでの排出ガスの他に燃焼用燃料及び燃焼用空気の供給を受けて燃焼ガスを発生させる請求項6に記載の熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システム。
【請求項8】
前記熱源は、前記高温ボックスの外部に配置されて前記バーナーに高温の空気を供給する電気ヒーターをさらに含む請求項6に記載の熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システム。
【請求項9】
高温ボックスと、
前記高温ボックスの内部に配置される部品で構成される部品部と、
前記部品のうち発電のために高温を必要とする部品で構成される高温部と、
前記高温ボックスの内部空間のうち前記部品部が占める空間以外の空間である空間部と、
前記高温部を含む前記部品部に高温ガスを供給する熱源と、を含み、
前記高温ガスは、部品部を介して前記高温部を加熱し、
前記加熱によって温度が作動温度まで上昇するか、作動温度が維持される高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システム。
【請求項10】
前記熱源は、前記高温ボックスの内部に配置されるバーナーであり、
前記高温ガスは、前記バーナーの燃焼ガスである請求項9に記載の高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システム。
【請求項11】
前記熱源は、前記高温ボックスの外部に配置される電気ヒーターであり、
前記高温ガスは、前記電気ヒーターによる高温の空気である請求項9に記載の高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システム。
【請求項12】
前記空間部には断熱材が配置され、
前記断熱材によって前記部品部の部品と部品との間若しくは前記部品部と前記高温ボックスとの間、又は前記部品部の部品と部品との間及び前記部品部と前記高温ボックスとの間が断熱される請求項9に記載の高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システム。
【請求項13】
前記断熱材は、前記部品部の形状に対応するように加工された断熱材又は粉末形態の断熱材である請求項12に記載の高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システム。
【請求項14】
前記高温部は、熱交換型改質器を含み、
前記高温ガスによって前記熱交換型改質器が加熱される請求項9に記載の高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システム。
【請求項15】
前記高温部は、スタックを含み、
前記スタックに供給される燃料又は水蒸気は、前記部品部で前記高温ガスとの熱交換によって加熱され、
前記スタックは、前記熱交換した燃料又は水蒸気によって加熱される請求項9に記載の高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システム。
【請求項16】
前記部品部は、熱交換型改質器を含み、
前記高温ガスは、前記熱交換型改質器に供給され、
前記燃料又は水蒸気は、前記熱交換型改質器によって加熱される請求項15に記載の高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システム。
【請求項17】
前記高温部はスタックを含み、
前記スタックに供給される空気は、前記部品部で前記高温ガスとの熱交換によって加熱され、
前記スタックは、前記熱交換した空気によって加熱される請求項9に記載の高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システム。
【請求項18】
前記部品部は、空気予熱器を含む請求項17に記載の高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システム。
【請求項19】
前記部品部は、前記スタックの燃料極排出ガス冷却器をさらに含み、
前記空気は、順次に前記燃料極排出ガス冷却器及び前記空気予熱器を経て加熱される請求項18に記載の高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の第1実施形態は、熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システムに関し、本発明の第2実施形態は、高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
我らが現再使っている電気エネルギは、主に火力発電及び原子力発電によって得られており、その他に少量の電気エネルギが水力及びその他発電によって得られている。
【0003】
火力発電は、石炭などの化石燃料を燃焼させるものであるため、火力発電による場合、多量の二酸化炭素が必然的に発生し、その以外に一酸化炭素、硫酸貨物又は窒素酸化物などの公害物質が大気中に排出される。
【0004】
また、原子力の発電の場合も原子力の使用後に生成される放射能廃棄物を、安全に貯蔵又は処理しなければならず、このために多くの費用と手間が必要であるため、環境汚染の側面から火力発電の場合と大きく変わらない状況である。
【0005】
このような状況で、環境汚染又は地球温暖化などの問題を解決するため、多様な新再生エネルギ(Renewable Energy)を活用したCO節減及びエネルギ効率向上の技術開発による環境保護が汎国家的に推進されている実情である。
【0006】
特に、2012年から施行された新再生エネルギの供給義務化制度(RPS)は、一定規模以上の発電事業者に総発電量のうち一定量以上を新再生エネルギ電力で供給するように義務化する制度として、燃料電池発電システムに高い加重値を与えて普及の活性化が推進されている。
【0007】
燃料電池とは、燃料が有している化学的エネルギを電気的エネルギに変換する装置であって、一般に天然ガス、メタノール、ガソリンなどの燃料を改質して得られた改質ガス中の水素と空気中の酸素をスタック(stack)の燃料極(anode)とカソード(cathode)で電気化学反応させて電気を生産する発電システムをいう。
【0008】
この時、各極における反応式と総反応式は、次のとおりである。
燃料極(anode):2H+2O2−→2HO+4e
カソード(cathode):O+4e→2O2−
総反応式:2H+O→2H
【0009】
つまり、窮極的に燃料電池は、水素を燃料として使用し、水以外の他の副産物がないので、非常に環境にやさしいという長所がある。
【0010】
また、燃料電池は、比較的に単純なエネルギ変換の過程によって化学エネルギから電気エネルギが得られるので、非常に高効率的な発電方法であるという長所を有する。
【0011】
燃料電池には電解質及び電極の種類によって高分子電解質燃料電池(PEMFC)、直接メタノール燃料電池(DMFC)、リン酸形燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩燃料電池(MCFC)、固体酸化物燃料電池(SOFC)、アルカリ形燃料電池(AFC)などがあり、最近は相対的に改質器の部分が単純化され得、一酸化炭素に対する被毒などの問題がないため、多様な燃料が使用され得、高温で運転されるため、高価の触媒依存度が他の燃料電池に比べて低い固体酸化物燃料電池が注目されている。
【0012】
一方、固体酸化物燃料電池の場合、前記したように非常に高温で運転され、特に固体酸化物燃料電池の高温ボックス(hot box)は、発電のために非常に高い温度で加熱しなければならない。
【0013】
これに、従来には運転に必要な温度を維持するためにバーナーに使って残ったエネルギを改質又は蒸気発生に用い、固体酸化物燃料電池システムにおいて、高温で運転される高温ボックス(hot box)の昇温及び温度維持のための熱源以外に燃料電池に供給される燃料、空気又は水(水蒸気)の予熱のための熱源を別途設けたので、システムの効率を高めることができない問題があった。
【0014】
また、従来には高温ボックスの温度をシステムの作動温度まで上昇させたり、その作動温度を維持するため、高温ボックスの内部全体を加熱する方法が一般に用いられてきたが、高温ボックスの内部全体を加熱する場合、加熱時多くの熱が必要であるだけでなく、加熱時高温ボックスの温度上昇速度が遅く、その結果、システム全体の効率が落ちる問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明の第1実施形態と関連して解決しようとする課題は、高温ボックスに常温で供給される燃料、空気又は水を高温ボックスの内部の熱交換器によって加熱して使用し、高温ボックスの外部に排出される熱を最小化できる熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システムを提供することにある。
【0016】
本発明の第2実施形態と関連して解決しようとする課題は、高温ガスによって固体酸化物燃料電池システムの高温ボックスの内部全体でない高温ボックスの内部の部品を加熱することによって、高温ボックスの加熱体積が減少し、システムの熱効率が増加する高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決するための本発明の第1実施形態による熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システムは、高温ボックスと、前記高温ボックスの内部の熱交換器及びスタックと、前記熱交換器に熱を供給する熱源と、を含み、前記高温ボックスに常温で供給される燃料及び空気は、前記熱交換器を介して加熱して運転されることを特徴とする。
【0018】
前記高温ボックスに常温で供給される水が、前記熱交換器を介して加熱され得る。
【0019】
前記熱交換器は、前記高温ボックスに供給される燃料を加熱及び改質して前記スタックに供給する熱交換型改質器と、前記高温ボックスに供給される空気を加熱して前記スタックに供給する空気予熱器と、を含み、前記熱源の熱は、前記熱交換型改質器及び前記空気予熱器に順次に供給されるものであり得る。
【0020】
前記熱交換器は、前記スタックの燃料極から排出される排出ガスの熱を、高温ボックスに供給される空気に伝達する燃料極排出ガス冷却器をさらに含み得る。
【0021】
前記高温ボックスに常温で供給される空気は、順次に前記燃料極排出ガス冷却器及び前記空気予熱器を経て加熱されるものであり得る。
【0022】
前記熱源は、前記高温ボックスの内部に配置されて高温の燃焼ガスを発生させるバーナーであり得る。
【0023】
前記バーナーは、前記スタックでの排出ガスの他に燃焼用燃料及び燃焼用空気の供給を受けて燃焼ガスを発生させるものであり得る。
【0024】
前記熱源は、前記高温ボックスの外部に配置されて前記バーナーに高温の空気を供給する電気ヒーターをさらに含むものであり得る。
【0025】
また、前記課題を解決するための本発明の第2実施形態による高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システムは、高温ボックスと、前記高温ボックスの内部に配置される部品で構成される部品部と、前記部品のうち発電のために高温を必要とする部品で構成される高温部と、前記高温ボックスの内部空間のうち前記部品部が占める空間以外の空間である空間部と、前記高温部を含む前記部品部に高温ガスを供給する熱源と、を含み、前記高温ガスは、部品部を介して前記高温部を加熱し、前記加熱によって温度が作動温度まで上昇するか、又は作動温度が維持されることを特徴とする。
【0026】
前記熱源は、前記高温ボックスの内部に配置されるバーナーであり、前記高温ガスは、前記バーナーの燃焼ガスであり得る。
【0027】
前記熱源は、前記高温ボックスの外部に配置される電気ヒーターであり、前記高温ガスは、前記電気ヒーターによる高温の空気であり得る。
【0028】
前記空間部には断熱材が配置され、前記断熱材によって前記部品部と前記高温ボックスとの間が断熱されるものであり得る。
【0029】
前記断熱材は、前記部品部の形状に対応するように加工された断熱材又は粉末形態の断熱材であり得る。
【0030】
前記高温部は、熱交換型改質器を含み、前記熱交換型改質器は、前記高温ガスによって加熱されるものであり得る。
【0031】
前記高温部は、スタックを含み、前記スタックに供給される燃料又は水蒸気は、前記部品部で前記高温ガスとの熱交換によって加熱され、前記スタックは、前記熱交換した燃料又は水蒸気によって加熱されるものであり得る。
【0032】
前記部品部は、熱交換型改質器を含み、前記高温ガスは、前記熱交換型改質器に供給され、前記燃料又は水蒸気は、前記熱交換型改質器によって加熱されるものであり得る。
【0033】
前記高温部は、スタックを含み、前記スタックに供給される空気は、前記部品部で前記高温ガスとの熱交換によって加熱され、前記スタックは、前記熱交換した空気によって加熱されるものであり得る。
【0034】
前記部品部は、空気予熱器を含み得る。
【0035】
前記部品部は、前記スタックの燃料極排出ガス冷却器をさらに含み、前記空気は順次に前記燃料極排出ガス冷却器及び前記空気予熱器を経て加熱されるものであり得る。
【発明の効果】
【0036】
本発明の第1実施形態によれば、高温ボックスに常温で供給される燃料、空気又は水を、高温ボックスの内部の熱交換器によって加熱して使用し、高温ボックスの外部に排出される熱を最少化できる。
【0037】
本発明の第2実施形態によれば、高温ガスによって固体酸化物燃料電池システムの高温ボックスの内部全体でない高温ボックスの内部の部品を加熱されることによって、高温ボックスの加熱体積が減少し、システムの熱効率が増加できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明の第1実施形態による熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システムの概念図である。
図2】本発明の第1実施形態による熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システムの高温ボックス内での熱伝達状態を示す図面である。
図3】本発明の一実施形態による高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システムの概念図である。
図4】本発明の一実施形態による高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システムの高温ボックス内での熱伝達状態を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
前記したような本発明の特徴に対する理解を深めるため、以下、添付図面を参照して本発明の第1及び第2実施形態についてより詳細に説明する。
【0040】
以下、説明する実施形態は、本発明の技術的な特徴の理解を深めるための最も適した実施形態に基づいて説明し、実施形態によって本発明の技術的な特徴が制限されるものではないく、以下、説明される実施形態のように本発明が具現され得ることを例示するものである。したがって、本発明は、以下説明された実施形態によって本発明の技術範囲内で多様な変形実施が可能であり、このような変形実施形態は、本発明の技術範囲内に属するといえる。そして、以下、説明する実施形態の理解を深めるために添付した図面に記載された符号において、各実施形態で同一の作用をする構成要素のうち関連する構成要素は、同一又は延長線上の数字で表記した。
【0041】
図1は本発明の第1実施形態による熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システムの概念図である。
【0042】
図1を参照すると、本発明の第1実施形態による熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システムは、高温ボックス100、熱交換器200、スタック400及び熱源300を含む。
【0043】
前記高温ボックス100は、一般に燃料電池システムに適用される部品のうち高温で運転される部品の作動温度の維持のための断熱を提供し、熱損失を最少化してシステム効率を向上させる。
【0044】
前記高温ボックス100の内部には熱交換器200及びスタック400が配置される。
【0045】
前記スタック400は、供給される燃料による水素と大気中の空気を用いて直流電源を発生させる。前記スタック400に供給される燃料は、改質器によって水素に変換されるが、図示を省略した。
【0046】
本発明の第1実施形態による熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システムは、熱交換型改質器を含むので、前記改質器は、前記熱交換器200に含まれるものであり得、これについては後述する。
【0047】
前記熱交換器200は、高温ボックス100の外部で常温で供給される燃料及び空気を、前記スタック400に供給するのに適した温度で加熱する。前記熱交換器200を介して加熱された燃料及び空気は、前記スタック400に供給される。
【0048】
前記スタック400に供給される燃料及び空気によって発電が行われ、前記スタック400での排出ガスは、前記熱交換器200又は前記熱源300に供給される。前記熱交換器200に供給される前記排出ガスの熱は、前記熱交換器200によって回収されて前記燃料及び空気の加熱に用いられる。
【0049】
前記熱源300に供給される前記排出ガスは、前記熱源300が高温のガスを発生させるのに用いられる。前記熱源300で発生される前記高温のガスは、前記熱交換器200に供給され、前記高温のガスが有する熱は、常温で高温ボックス100に供給される燃料及び空気の加熱に用いられる。前記高温のガスは、前記熱交換器200によって熱が回収された後に、前記高温ボックス100の外部に排出される。
【0050】
前記過程により、高温ボックス100内に常温で供給される燃料及び空気は、スタック400に供給するのに適した温度で加熱される。
【0051】
前記高温ボックス100の内部に供給される燃料は、水を含み得、前記水も前記熱交換器200を介して加熱され、前記スタック400に供給されるのに適した温度で加熱され得る。前記水は、常温の状態で前記高温ボックス100内に供給され、前記高温ボックス100の内部では加熱されて水蒸気の状態で存在する。
【0052】
図2は本発明の第1実施形態による熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システムの高温ボックス内での熱伝達状態を示す図面である。
【0053】
本発明の第1実施形態による熱交換器200は、熱交換型改質器210又は空気予熱器220を含み得る。前記熱交換型改質器210は、高温ボックス100に供給される燃料を加熱及び改質してスタック400に供給し、前記燃料は、水を含み得る。前記空気予熱器220は、前記高温ボックス100に供給される空気を加熱してスタック400に供給する。
【0054】
前記したとおり、前記燃料、空気又は水は、前記高温ボックス100に常温の状態で供給され、前記水は、前記高温ボックス100の内部では加熱され、水蒸気の状態で存在する。
【0055】
一方、本明細書で「常温」とは、本発明の熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システムの外部温度であって、加熱又は冷却など温度と関連するいかなる処理もなされていない温度であると定義する。
【0056】
本発明の第1実施形態による熱源300は、バーナー310であり得、前記バーナー310は、高温ボックス100の内部に配置され得る。前記バーナー310は、スタック400での排出ガスの供給を受けて高温の燃焼ガスを発生させる。前記燃焼ガスは、第1燃焼ガス配管cp1に沿って前記熱交換型改質器210に最初に供給され得る。
【0057】
前記熱交換型改質器210に供給された前記燃焼ガスは、前記高温ボックス100の内部で最も高温の状態である。前記熱交換型改質器210に供給された前記燃焼ガスは、スタック400に供給される燃料又は水と熱交換される。熱交換型改質器210での前記熱交換によって、前記燃料又は水は加熱され、前記燃焼ガスの温度はより低くなる。前記熱交換型改質器210で熱交換した前記燃焼ガスは、第2燃焼ガス配管cp2に沿って前記空気予熱器220に供給され得る。
【0058】
前記空気予熱器220に供給された前記燃焼ガスは、スタック400に供給される空気と熱交換される。空気予熱器220での前記熱交換によって、前記空気は加熱され、前記燃焼ガスの温度はより低くなる。前記空気予熱器220で熱交換した前記燃焼ガスは、第3燃焼ガス配管cp3に沿って前記高温ボックス100の外部に排出され得る。
【0059】
つまり、本発明の第1実施形態によるバーナー310の燃焼ガスは、前記熱交換型改質器210及び前記空気予熱器220に順次に供給され得る。
【0060】
前記燃焼ガスの供給によって、燃料、空気又は水に熱が伝達され、窮極的に前記熱交換型改質器210又は前記スタック400に熱が伝達される。前記熱伝達によって、前記熱交換型改質器210での改質又は前記スタック400での発電が可能になる。前記燃焼ガスの温度は、前記熱交換型改質器210及び前記空気予熱器220を経て徐々に低くなる。
【0061】
一方、スタック400での発電に用いられる燃料は、常温の状態で前記高温ボックス100内に供給される。前記燃料は、天然ガス(NG)、液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)又はディーゼルなど水素又は炭化水素系の多様な燃料であり得る。前記高温ボックス100内に供給される燃料は、別途の供給装置(図示せず)によって水を含み得る。
【0062】
前記高温ボックス100内に供給される燃料は、第1燃料/水配管fwp1に沿って前記熱交換型改質器210に供給され得る。
【0063】
前記熱交換型改質器210に供給された燃料は、前記熱交換型改質器210で前記バーナー310の燃焼ガスと熱交換することによって加熱される。この時、燃料に含まれた水は、水蒸気に相変化する。また、前記熱交換型改質器210は、加熱された前記燃料を改質して水素ガスを発生させる。前記水素ガスは、第2燃料/水配管fwp2に沿って前記スタック400の燃料極411に供給され得る。
【0064】
前記スタック400は、一般に直列又は並列連結される多数の単電池(Single Cell)からなり、前記単電池は、多孔性の燃料極411及びカソード413とその間に配置される緻密な構造の電解質412で構成される。
【0065】
前記スタック400の燃料極411に供給される水素ガスに含まれる水素(H)は、前記カソード413からイオン伝導体である前記電解質412を介して伝導された酸素イオン(O2−)と反応する。前記反応によって電子、水(HO)及び熱が放出され、前記電子は、外部回路(図示せず)を介して正極に移動する過程で電気的な仕事を実行する。
【0066】
前記反応後前記燃料極411から排出されるガス、つまり、燃料極排出ガスは、第1及び第2燃料極排出ガス配管aop1、aop2に沿ってバーナー310に供給され、前記バーナー310の燃焼のための燃料として用いられ得る。
【0067】
一方、前記したように、前記反応は、熱を放出させる発熱反応であるため、前記燃料極排出ガスは、前記燃料極411に供給される水素ガスより多少高い温度で排出される。
【0068】
また、前記反応は水(HO)を放出させる反応であるため、前記燃料極排出ガスには多量の水蒸気が含まれる。前記多量の水蒸気は、前記燃料極排出ガスが、前記バーナー310の燃料として用いられるのに適しなくてもよい。その理由は、前記水蒸気によって前記バーナー310の燃焼による温度増加が限定的であり得、特に前記バーナー310が触媒バーナーである場合、前記水蒸気が触媒に深刻な損傷を与えるからである。したがって、前記水蒸気を除去した後に前記燃料極排出ガスを前記バーナー310の燃焼のための燃料として用いることが好ましい。前記水蒸気は、多様な方法によって除去され得るが、熱の回収による熱の利用の側面から前記燃料極排出ガスの温度を低くし、前記水蒸気を凝縮除去することが好ましい。
【0069】
前記したとおり、燃料極排出ガスの熱を回収して利用し、前記燃料極排出ガスの温度を低くするため、本発明の第1実施形態による熱交換器300は、燃料極排出ガスの熱を高温ボックス100に供給される空気に伝達する燃料極排出ガス冷却器250をさらに含み得る。
【0070】
燃料極排出ガス冷却器250をさらに含む場合、前記燃料極排出ガスは、第1燃料極排出ガス配管aop1に沿って前記燃料極排出ガス冷却器250に供給され得る。前記高温ボックス100に供給される空気は常温状態であるため、前記燃料極排出ガス冷却器250に供給される前記燃料極排出ガスは、前記空気と熱交換することによって温度がより低くなる。
【0071】
前記燃料極排出ガス冷却器250に供給された前記燃料極排出ガスは、第2燃料極排出ガス配管aop2に沿って前記バーナー310に移動しつつ高温ボックス100の外部に配置される熱交換器(図示せず)を経る。
【0072】
高温ボックス100の外部に配置される前記熱交換器(図示せず)によって前記燃料極排出ガスはさらに冷却され得、前記熱交換器(図示せず)によって回収された前記燃料極排出ガスの熱は、暖房又は温水供給などに用いられ得る。
【0073】
前記高温ボックス100の外部を通過する前記第2燃料極排出ガス配管aop2には凝縮器(図示せず)が配置され得、温度低下によって凝縮された水は、前記凝縮器(図示せず)で前記燃料極排出ガスから分離排出され得る。これにより、前記燃料極排出ガスに含まれる多量の水蒸気は除去され得、前記燃料極排出ガスは、より効果的に前記バーナー310の燃焼のための燃料として用いられ得る。
【0074】
一方、スタック400での発電に用いられる空気は、常温の状態で前記高温ボックス100内に供給される。前記高温ボックス100内に供給される空気は、空気配管ap1、ap2、ap3に沿って前記スタック400のカソード413に供給される。
【0075】
前記カソード413に供給される空気に含まれた酸素は、前記カソード413と燃料極411の電気化学反応によって酸素イオン(O2−)に還元され、前記酸素イオン(O2−)は、イオン伝導体である電解質412を介して前記燃料極411に伝導される。前記カソード413に供給される空気は、所定の温度で加熱されなければならないが、前記したように、前記空気は、空気予熱器220を介して加熱され得る。つまり、前記空気は、空気予熱器220でバーナー310の燃焼ガスと熱交換することによって加熱され得る。
【0076】
より効率的な熱管理のため、本発明の第1実施形態による熱交換器200は、前記したように燃料極排出ガス冷却器250をさらに含み得る。前記燃料極排出ガス冷却器250をさらに含む場合、前記空気は、前記燃料極排出ガス冷却器250で燃料極排出ガスと熱交換することによって、より効率的に加熱され得る。この時、前記燃料極排出ガス冷却器250での加熱は、前記空気予熱器220での加熱に対して補助的であり得る。
【0077】
実験的に、前記空気予熱器220での燃焼ガスの温度が、前記燃料極排出ガス冷却器250での燃料極排出ガスの温度より高く測定される。したがって、前記空気は、順次に燃料極排出ガス冷却器250及び空気予熱器220を通過することが好ましい。
【0078】
以下、空気の供給に係る本発明の好ましい第1実施形態を図2を参照して説明する。
【0079】
高温ボックス100に常温で供給される空気は、第1空気配管ap1に沿って前記燃料極排出ガス冷却器250に供給され得る。前記燃料極排出ガス冷却器250に供給された空気は、前記燃料極排出ガス冷却器250で燃料極排出ガスと熱交換することによって1次的に加熱され得る。1次的に加熱された空気は、第2空気配管ap2に沿って前記空気予熱器220に供給され得る。
【0080】
前記空気予熱器220に供給された空気は、前記空気予熱器220で燃焼ガスと熱交換することによって2次的に加熱され得る。前記2次的に加熱された空気は、第3空気配管ap3に沿って前記スタック400のカソード413に供給され得る。
【0081】
前記カソード413に供給された空気は、前記スタック400での発電に用いられ、前記カソード413で排出されるカソード排出ガスは、カソード排出ガス配管cop1に沿ってバーナー310に供給されてバーナーの燃焼に用いられ得る。
【0082】
一方、本発明の第1実施形態によるバーナー310は、前記スタック400の前記燃料極411及び前記カソード413での排出ガス、つまり、前記スタック400での排出ガスの他に別途の燃焼用燃料及び燃焼用空気の供給を受けて燃焼ガスを発生させるものであり得る。
【0083】
季節、昼と夜又は地域などにより本発明の熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システムの外部温度は、変化し、外部温度に応じて高温ボックス100に供給される常温の燃料、空気又は水の温度が変化し得る。特に、外部温度が、きわめて低温である場合、本発明の熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システムは、前記バーナー310による燃焼ガスをさらに多く必要とするか、さらに高温の燃焼ガスを必要とし得る。
【0084】
前記した必要に応じて、本発明の熱効率が向上した固体酸化物燃料電池システムは、前記燃焼用燃料及び前記燃焼用空気の供給によってさらに多量又は高温の燃焼ガスを発生させるものであり得る。
【0085】
図2を参照すると、燃焼用燃料配管cfp1に沿って前記燃焼用燃焼が、前記バーナー310に供給され得る。また、燃焼用空気配管cap1に沿って前記燃焼用空気が、前記バーナー310に供給され得る。前記燃焼用燃料及び燃焼用空気の供給によって前記バーナー310は、さらに多量又は高温の燃焼ガスを発生させ得る。
【0086】
一方、本発明の第1実施形態による熱源300は、高温ボックス100の外部に配置され、バーナー310に高温の空気を供給する電気ヒーター(図示せず)をさらに含み得る。前記電気ヒーター(図示せず)は、高温の空気を前記バーナー310に供給して前記バーナー310の温度を上昇させる。これにより、前記電気ヒーター(図示せず)は、前記燃焼用燃料又は前記燃焼用空気によるさらに多量又は高温の燃焼ガスの発生と同一又は類似の効果を提供し得る。
【0087】
図3は、本発明の第2実施形態による高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システムの概念図である。
【0088】
図3を参照すると、本発明の一実施形態による高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システムは、高温ボックス500、部品部600、高温部610、空間部510及び熱源700を含む。
【0089】
前記高温ボックス500は、一般に燃料電池システムに適用される部品のうち高温で運転される部品の作動温度の維持のための断熱を提供し、熱損失を最少化してシステム効率を向上させる。
【0090】
前記部品部600は、高温ボックスの内部に配置される部品で構成される。
【0091】
前記高温部610は、前記部品部の部品のうち発電のために高温を必要とする部品で構成される。
【0092】
前記空間部510は、前記高温ボックス100の内部空間のうち前記部品部600が占める空間以外の空間を意味する。
【0093】
前記熱源700は、前記高温部610を含む前記部品部600に高温ガスを供給する。前記熱源700は、前記高温部610を含む前記部品部600にのみ高温ガスを供給し、前記空間部510には前記高温ガスが供給されない。
【0094】
前記高温ガスの供給によって、発電のために高温を必要とする前記高温部610が加熱され得る。また、前記加熱によって、本発明に係る高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システムの温度が、作動温度まで上昇するか、又は作動温度が維持され得る。
【0095】
本発明の第2実施形態による前記熱源700は、前記高温ボックス500の内部に配置されるバーナーであり得、前記高温ガスは、前記バーナーの燃焼ガスであり得る。また、前記熱源700は、前記高温ボックス500の外部に配置される電気ヒーターであり得、前記高温ガスは、前記電気ヒーターによる高温の空気であり得る。
【0096】
本発明の第2実施形態による高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システムによれば、前記高温ガスは、前記部品部600にのみ供給され、前記部品部600への供給により前記高温部610のみを直接又は間接的に加熱する。つまり、前記高温ガスは、前記高温ボックス500の内部全体又は前記空間部510を直接又は間接的に加熱するのではなく、前記高温部610のみを直接又は間接的に加熱する。
【0097】
前記直接加熱とは、前記高温部が前記高温ガスと直接熱交換して加熱されることを意味し、前記間接加熱とは、前記高温部が前記高温ガスと熱交換した熱媒体によって加熱されることを意味する。前記熱媒体は、意図された熱媒体に限り、前記意図された熱媒体は、発電のためにスタック220に供給される燃料、水蒸気又は空気であり得、これについては後述する。
【0098】
前記空間部510には断熱材(図示せず)が配置され、前記断熱材(図示せず)によって前記部品部600と前記高温ボックス500が断熱され得る。前記断熱材(図示せず)は、前記部品部600の形状に対応するように加工される断熱材であり得る。つまり、前記断熱材(図示せず)は、前記部品部600の外面及び前記高温ボックス500の内面と当接する形状で加工され、前記空間部510を埋めるものであり得る。また、前記断熱材(図示せず)は、粉末形態の断熱材であり得、前記空間部510は、前記粉末形態の断熱材によって埋められるものであり得る。
【0099】
前記高温部610を直接又は間接的に加熱する場合は、前記高温ボックス500の内部全体を加熱する場合に比べ、高温ガスによる加熱体積が減少して燃料電池システムの熱効率が増加し得る。
【0100】
また、前記空間部510に断熱材が配置される場合は、前記部品部600の各部品が部品別に独立した温度分布を有する場合において、各部品別の温度制御が容易であるという効果があり、熱輻射などによって前記部品部600の外部、つまり前記空間部510への熱の放出が防止されて熱効率が増加し得る。
【0101】
図4は本発明の第2実施形態による高温ガスによって加熱される固体酸化物燃料電池システムの高温ボックス内での熱伝達状態を示す図面である。
【0102】
図2を参照すると、本発明の第2実施形態による部品部600は、スタック620、熱交換型改質器630又は各種熱交換器を含み得る。また、前記部品部600は、前記スタック620、熱交換型改質器630又は各種熱交換器に供給される気体の移動通路である各種配管を含み得る。
【0103】
前記熱交換器は、熱交換型改質器630、空気予熱器640又は燃料極排出ガス冷却器670を含み得る。前記配管は、燃焼ガス配管cp、燃料/水蒸気配管fsp、空気配管ap、燃料極排出ガス配管aop、カソード排出ガス配管cop、燃焼用燃料配管cfp又は燃焼用空気配管capを含み得る。
【0104】
本発明の第2実施形態による高温部610は、前記スタック620を含み得、前記スタック620に供給されるための水素を改質する場合において、前記熱交換型改質器630を含み得る。
【0105】
以下、高温ガスによる前記熱交換型改質器630の加熱及び前記スタック620を加熱するための熱媒体(燃料、空気又は水蒸気)の加熱について説明する。前記高温部610の温度が、本発明によるシステムの所定の作動温度に到達する前の前記熱媒体は、前記スタック620の温度を上昇させるためのものに該当するが、前記作動温度に到達した後の前記熱媒体は、前記スタック620の温度維持及び前記スタック620での発電に用いられるものであることを明らかにしておく。
【0106】
前記したように、本発明による熱源700は、高温部610を含む部品部600に高温ガスを供給し、前記高温ガスは、前記部品部600を介して前記高温部610を加熱する。
【0107】
本発明の第2実施形態による熱源700は、バーナー710又は電気ヒーター(図示せず)であり得、前記バーナー710又は前記電気ヒーター(図示せず)は、それぞれ高温ボックス500の内部又は外部に配置され得る。
【0108】
前記熱源700がバーナー710である場合、前記バーナー710は、スタック620での排出ガス又は別途の燃焼用燃料及び燃焼用空気の供給を受けて燃焼ガスを発生させるものであり得る。前記熱源が電気ヒーター(図示せず)である場合、前記電気ヒーター(図示せず)は、高温の空気を発生させるものであり得る。
【0109】
以下、前記熱源が前記バーナー310である実施形態について説明する。ただし、前記バーナー710での燃焼に係る内容を除いては、前記バーナー710の燃焼ガスは、電気ヒーター(図示せず)の高温の空気も含むものとする。
【0110】
発生した前記燃焼ガスは、第1燃焼ガス配管cp11に沿って前記熱交換型改質器630に最初に供給され得る。
【0111】
前記熱交換型改質器630に供給された前記燃焼ガスは、前記高温ボックス500の内部で最も高温の状態にある。前記熱交換型改質器630に供給された前記燃焼ガスは、前記熱交換型改質器630を加熱する。また、前記熱交換型改質器630で前記燃焼ガスは、前記スタック620を加熱するための熱媒体である燃料又は水蒸気と熱交換する。
【0112】
熱交換型改質器630での前記熱交換によって、前記燃料又は水蒸気は、加熱され、前記燃焼ガスの温度はより低くなる。前記熱交換型改質器630で熱交換した前記燃焼ガスは、第2燃焼ガス配管cp12に沿って前記空気予熱器640に供給され得る。
【0113】
前記空気予熱器640に供給された前記燃焼ガスは、スタック620を加熱するための熱媒体である空気と熱交換する。空気予熱640での前記熱交換により、前記空気は加熱され、前記燃焼ガスの温度はより低くなる。前記空気予熱器640で熱交換した前記燃焼ガスは、第3燃焼ガス配管cp13に沿って前記高温ボックス500の外部に排出され得る。
【0114】
したがって、前記バーナー710の燃焼ガスは、前記熱交換型改質器630及び前記空気予熱器640に順次に供給され得る。前記燃焼ガスの供給によって、前記熱交換型改質器630が加熱され、前記スタック620を加熱するための熱媒体である燃料、空気又は水蒸気が加熱される。前記燃焼ガスの温度は、前記熱交換型改質器630及び前記空気予熱器640を経て徐々に低くなる。
【0115】
以下、前記スタック620、特に前記スタック620の燃料極622の加熱について説明する。
【0116】
前記スタック620は、前記燃焼ガスと熱交換した熱媒体である燃料又は水蒸気によって加熱され得る。前記燃料は、天然ガス(NG)、液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)又はディーゼルなど水素又は炭化水素系の多様な燃料であり得る。
【0117】
前記高温ボックス500内に供給される燃料は、別途の供給装置(図示せず)によって水蒸気を含み得、前記高温ボックス500に供給される燃料に含まれる前記水蒸気は水の状態であり得る。前記高温ボックス100内に供給される燃料は、第1燃料/水蒸気配管fsp11に沿って前記熱交換型改質器630に供給され得る。
【0118】
前記熱交換型改質器630に供給された燃料は、前記熱交換型改質器630で前記バーナーの燃焼ガスと熱交換することによって加熱される。前記水蒸気が水の状態である場合、前記水は、前記加熱によって前記水蒸気に相変化され得る。前記加熱された燃料は、第2燃料/水蒸気配管fsp12に沿って前記スタック620の燃料極622に供給され得る。前記加熱された燃料の供給によって前記スタック620、特に前記スタック620の燃料極622が加熱され得る。
【0119】
一方、前記高温部610の温度が、本発明によるシステムの所定の作動温度に到達した場合は、熱交換型改質器630に供給された燃料は、前記燃焼ガスと熱交換することによって加熱されること以外に、前記熱交換型改質器630によって水素ガスに改質され、前記水素ガスは高温の状態で存在する。前記水素ガスは、第2燃料/水蒸気配管fsp12に沿って前記スタック620の燃料極622に供給され得る。
【0120】
前記水素ガスの供給によって前記スタック620、特に前記スタック620の燃料極622は、本発明によるシステムの作動温度を維持し得る。また、前記水素ガスは前記スタック620での発電にも用いられる。
【0121】
前記スタック620は、一般に直列又は並列連結される複数の単電池(Single Cell)からなり、前記単電池は多孔性の燃料極622及びカソード624とその間に配置される緻密な構造の電解質623で構成される。
【0122】
前記スタック620の燃料極622に供給される水素ガスに含まれる水素(H)は、前記カソード624からイオン伝導体である前記電解質623を介して伝導された酸素イオン(O2−)と反応する。前記反応によって電子、水(HO)及び熱が放出され、前記電子は外部回路(図示せず)を介して正極に移動する過程で電気的な仕事を実行する。前記反応は、熱を放出させる発熱反応であるため、前記スタック620、特に前記スタック620の燃料極622は、さらに容易に前記作動温度を維持し得る。
【0123】
前記反応後の前記燃料極622から排出されるガス、つまり、燃料極排出ガスは、第1及び第2燃料極排出ガス配管aop11、aop12に沿ってバーナー710に供給されて前記バーナー710の燃焼のための燃料として用いられ得る。
【0124】
一方、前記反応は、熱を放出させる発熱反応であるため、前記燃料極排出ガスは、前記燃料極622に供給される水素ガスより多少高い温度で排出される。
【0125】
また、前記反応は、水(HO)を放出させる反応であるため、前記燃料極排出ガスには多量の水蒸気が含まれる。前記多量の水蒸気は、前記燃料極排出ガスが、前記バーナー710の燃料として用いられるのに適しなくてもよい。その理由は、前記水蒸気によって前記バーナー710の燃焼による温度増加が限定的であり得、特に前記バーナー710が触媒バーナーである場合に前記水蒸気が触媒に深刻な損傷を与え得るからである。したがって、前記水蒸気を除去した後に前記燃料極排出ガスを前記バーナー710の燃焼のための燃料として用いることが好ましい。
【0126】
前記水蒸気は、多様な方法によって除去され得るが、熱の回収による熱の利用の側面から前記燃料極排出ガスの温度を低くして前記水蒸気を凝縮除去することが好ましい。
【0127】
前記したように、燃料極排出ガスの熱を回収して用い、前記燃料極排出ガスの温度を低くするため、本発明の一実施形態による部品部600は、燃料極排出ガスの熱を高温ボックス500に供給される空気に伝達する燃料極排出ガス冷却器670をさらに含み得る。燃料極排出ガス冷却器670をさらに含む場合、前記燃料極排出ガスは、第1燃料極排出ガス配管aop11に沿って前記燃料極排出ガス冷却器670に供給され得る。
【0128】
前記燃料極排出ガス冷却器270に供給された前記燃料極排出ガスは、第1空気配管ap11に沿って高温ボックス500に供給される空気と熱交換することによって温度がより低くなる。より冷却された前記燃料極排出ガスは、第2燃料極排出ガス配管aop12に沿って前記バーナー710に移動しつつ高温ボックス500の外部に配置される熱交換器(図示せず)を経る。
【0129】
高温ボックス100の外部に配置される前記熱交換器(図示せず)によって、前記燃料極排出ガスはさらに冷却され得、前記熱交換器(図示せず)によって、回収された前記燃料極排出ガスの熱は、暖房又は温水供給などに用いられ得る。
【0130】
前記高温ボックス500の外部を通過する前記第2燃料極排出ガス配管aop12には凝縮器(図示せず)が配置され得、温度低下によって凝縮された水は、前記凝縮器(図示せず)で前記燃料極排出ガスから分離排出され得る。これにより、前記燃料極排出ガスに含まれる多量の水蒸気は除去され得、前記燃料極排出ガスは、より効果的に前記バーナー710の燃焼のための燃料として用いられ得る。
【0131】
以下、前記スタック620、特に前記スタック620のカソード624の加熱について説明する。
【0132】
前記スタック620は、前記燃焼ガスと熱交換した熱媒体である空気によって加熱され得る。前記空気は、空気配管ap11、apa12、ap13に沿って前記スタック220に供給され得る。
【0133】
本発明の一実施形態による部品部600は、空気予熱器640を含み得る。前記空気予熱器640を含む場合、前記空気は、第1及び第2空気配管ap11、ap12に沿って前記空気予熱器640に供給され得る。前記空気予熱器640に供給された空気は、燃焼ガスと熱交換することによって加熱され得る。
【0134】
前記空気のより効率的な加熱のため、本発明の一実施形態による部品部600は、前記したように燃料極排出ガス冷却器670をさらに含み得る。前記燃料極排出ガス冷却器670をさらに含む場合、前記空気は、第1空気配管ap11に沿って前記燃料極排出ガス冷却器670に供給され得る。
【0135】
前記燃料極排出ガス冷却器670に供給された空気は、前記燃料極排出ガスと熱交換することによって加熱され得る。前記燃料極排出ガスと熱交換した空気は、第2空気配管ap12に沿って前記空気予熱器640に供給され得、前記したように、前記空気予熱器640で前記燃焼ガスと熱交換することによってさらに加熱され得る。この時、前記燃料極排出ガス冷却器670での加熱は、前記空気予熱器640での加熱に対して補助的であり得る。
【0136】
実験的に、前記空気予熱器640での燃焼ガスの温度が、前記燃料極排出ガス冷却器670での燃料極排出ガスの温度より高く測定される。したがって、前記空気は順次に燃料極排出ガス冷却器670及び空気予熱器640を通過することが好ましい。
【0137】
前記空気予熱器640、又は前記燃料極排出ガス冷却器670及び前記空気予熱器640で加熱された空気は、第3空気配管ap13に沿って前記スタック620のカソード624に供給され得る。これにより、前記スタック620、特に前記スタック620のカソード624が加熱され得る。
【0138】
一方、前記高温部610の温度が、本発明によるシステムの所定の作動温度に到達した場合には、前記スタック620のカソード624に供給された空気は、前記スタック620、特に前記スタック620のカソード624の作動温度の維持及び前記スタック620での発電に用いられる。
【0139】
前記空気が発電に用いられる場合、前記カソード624に供給された空気内に含まれた酸素は、前記カソード624と前記燃料極622の電気化学反応によって酸素イオン(O2−)に還元される。前記酸素イオン(O2−)は、イオン伝導体である電解質623により前記燃料極622に伝導され、前記伝導された前記酸素イオン(O2−)は、前記燃料極624の水素(H)と反応することによって発電が行われる。
【0140】
一方、前記スタック620に供給され、前記カソード624の加熱又は前記スタック620での発電に用いられた空気は、カソード排出ガス配管cop11に沿ってバーナー710に供給され、前記バーナーの燃焼に用いられ得る。
【0141】
本発明に第2実施形態による熱源700がバーナー710である場合、前記バーナー710は、前記スタック620の燃料極622及びカソード624での排出ガス、つまり、前記スタック620での排出ガスの他に別途の燃焼用燃料及び燃焼用空気の供給を受けて燃焼ガスを発生させるものであり得る。
【0142】
前記燃焼用燃料及び前記燃焼用空気は、特に本発明の第2実施形態によるシステムの温度を作動温度まで上昇させる場合において、前記バーナー710の燃焼のための発火及び燃焼に用いられ得る。また、本発明によるシステムの温度が、作動温度まで上昇した以降にも、本発明の第2実施形態によるシステムは、前記燃焼用燃料及び前記燃焼用空気の供給によって、さらに多量又は高温の燃焼ガスを発生させるものであり得る。これは、季節、昼と夜又は地域などによって、本発明によるシステムの外部温度は変化し、外部温度に応じて高温ボックス500に供給される熱媒体である燃料、空気又は水の温度が変化し得るからである。
【0143】
前記燃焼用燃料及び燃焼用空気が前記バーナー710に供給される場合、燃焼用燃料配管cfp11及び燃焼用空気配管cap11に沿って各々前記燃焼用燃料及び燃焼用空気が、前記バーナー710に供給され得る。前記燃焼用燃料及び燃焼用空気の供給によって前記バーナー710は、さらに多量又は高温の燃焼ガスを発生させ得る。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】