特表2018-527714IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-527714(P2018-527714A)
(43)【公表日】2018年9月20日
(54)【発明の名称】氷点下の温度での燃料電池システムの停止及び保管方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04303 20160101AFI20180824BHJP
   H01M 8/04228 20160101ALI20180824BHJP
   H01M 8/04955 20160101ALI20180824BHJP
   H01M 8/0432 20160101ALI20180824BHJP
   H01M 8/04701 20160101ALI20180824BHJP
   H01M 8/04492 20160101ALI20180824BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20180824BHJP
   H01M 8/04537 20160101ALI20180824BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20180824BHJP
【FI】
   H01M8/04303
   H01M8/04228
   H01M8/04955
   H01M8/0432
   H01M8/04701
   H01M8/04492
   H01M8/04746
   H01M8/04537
   H01M8/10 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-513465(P2018-513465)
(86)(22)【出願日】2016年8月22日
(85)【翻訳文提出日】2018年3月13日
(86)【国際出願番号】IB2016001194
(87)【国際公開番号】WO2017046640
(87)【国際公開日】20170323
(31)【優先権主張番号】62/220,985
(32)【優先日】2015年9月19日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
(71)【出願人】
【識別番号】500493207
【氏名又は名称】フォード モーター カンパニー
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 みどり
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・プロクター
(72)【発明者】
【氏名】ヨースケ・フクヤマ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・フェローズ
(72)【発明者】
【氏名】シオミ・タケシ
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA06
5H127AB04
5H127AB29
5H127AC08
5H127AC09
5H127BA02
5H127BB02
5H127CC01
5H127CC17
5H127DB47
5H127DB48
5H127DB68
5H127DC02
5H127DC04
5H127DC22
5H127DC24
5H127DC42
5H127DC74
(57)【要約】
特に氷点下の温度条件に対して、燃料電池システムを停止及び保管するための改善された方法が開示される。この方法は、燃料電池スタックでの電力生成を停止するステップと、その温度を監視するステップと、スタックの温度が標準閾値温度に低下した場合に、事前設定加温動作を繰り返し実行するステップとを含む。この改善された方法では、それぞれ標準閾値温度及び事前設定加温動作とは異なる、初期閾値温度及び/または初期加温動作のいずれかが使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システムを停止及び保管するための方法であって、前記燃料電池システムが電力を生成する燃料電池スタック及び前記燃料電池スタックを加熱するためのエネルギーサプライを備え、前記方法が、
前記燃料電池スタックでの電力生成を停止するステップと、
前記燃料電池スタックの温度を監視するステップと、
前記スタックの温度が初期閾値温度に低下した場合に、初期加温動作を実行するステップと、
前記燃料電池スタックの温度を監視するステップ、及び前記スタックの温度が標準閾値温度に低下した場合に、事前設定加温動作を実行するステップ、を繰り返し実行するステップと、
を含み、
前記初期閾値温度及び前記初期加温動作のうちの少なくとも1つが、それぞれ前記標準閾値温度及び前記事前設定加温動作とは異なることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記燃料電池スタック内のセルの平均水和状態を決定するステップをさらに含み、前記初期加温動作が、前記決定された平均水和状態の関数である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記標準閾値温度が、0℃未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記初期閾値温度が、前記標準閾値温度よりも高い、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記初期加温動作が、前記事前設定加温動作とは異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記燃料電池スタックに供給される反応物ガスの流量及び圧力のうちの少なくとも1つが、前記事前設定加温動作中よりも前記初期加温動作中に大きい、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記初期加温動作は、前記スタックを初期目標温度に加熱し、前記事前設定加温動作は、前記スタックを事前設定目標温度に加熱し、前記初期目標温度は、前記事前設定目標温度よりも高い、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記初期加温動作は、前記スタックを初期期間にわたって加熱し、前記事前設定加温動作は、前記スタックを事前設定期間にわたって加熱し、前記初期期間は、前記事前設定期間よりも長い、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記燃料電池スタック内のセルの平均水和状態を決定する前記ステップは、電力生成を停止する直前に既知のスタック動作条件に基づいて前記状態を導出するステップと、平均セル導電率を測定するステップと、前記スタックの偏光特性を基準状態と比較するステップと、からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記初期加温動作を実行する前記ステップ及び前記事前設定加温動作を実行する前記ステップは、前記燃料電池スタックで電力を生成するステップと、前記燃料電池スタックを電気ヒータで加熱するステップと、からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記標準閾値温度は、前記燃料電池スタックの性能が経時的に低下するにつれて上昇する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記事前設定目標温度は、前記燃料電池スタックの性能が経時的に低下するにつれて上昇する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記電力生成を停止するステップと前記初期加温動作との間に、追加のステップを含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記電力生成を停止するステップと前記初期加温動作との間に、パージステップを含まない、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックを加熱するためのエネルギーサプライと、
前記燃料電池スタックの温度を監視するための装置と、
初期加温動作及び事前設定加温動作を実行するための装置と、
を含む燃料電池システムであって、
前記燃料電池システムが、請求項1に記載の方法に従って動作するように構成される、燃料電池システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、氷点下の温度で燃料電池システムを停止及び保管するための方法に関する。具体的には、本発明は、固体高分子電解質燃料電池スタックを含む自動車用燃料電池システムを停止及び保管するための方法
【背景技術】
【0002】
固体高分子電解質燃料電池などの燃料電池は、電気化学的に、反応物、すなわち燃料(水素など)及び酸化剤(酸素または空気など)を変換して、電力を生成する。固体高分子電解質燃料電池は、一般に、カソード電極とアノード電極との間に、プロトン伝導性の固体高分子膜電解質を用いる。これらの2つの電極の間に挟まれた固体高分子膜電解質を含む構造は、膜電極接合体(MEA)として知られている。典型的な燃料電池では、反応物のための多数の流体分配チャネルを含むフローフィールドプレートがMEAの両側に設けられ、燃料及び酸化剤をそれぞれの電極に分配し、燃料電池内で起こる電気化学反応の副産物を除去する。水は、水素及び空気反応物で動作するセル内の主要な副産物である。単一セルの出力電圧は1Vオーダであるので、より高い出力電圧を提供するために、複数のセルが通例、商業用途のために直列に積み重ねられている。燃料電池スタックは、自動車用途などに使用するために、直列及び/または並列に相互接続されたスタックのアレイにさらに接続することができる。
【0003】
水に加えて、熱は燃料電池内で起こる電気化学反応からの重要な副産物である。したがって、燃料電池スタックを冷却するための方法が一般に必要とされる。高出力密度(例えば、自動車用スタック)を達成するように設計されたスタックは、熱を迅速かつ効率的に除去するために、典型的にはスタック全体に液体冷却剤を循環させる。これを達成するために、多数の冷却剤チャネルを備えた冷却剤フローフィールドも典型的にはスタック内のセルのフローフィールドプレートに組み込まれる。冷却剤フローフィールドは、フローフィールドプレートの電気化学的に不活性な表面上に形成されてもよく、よって、冷却剤を反応物から確実に分離して保持しながら、セル全体に冷却剤を均等に分配することができる。
【0004】
ある特定の用途では、燃料電池スタックは、多様な時間の長さにわたる多様な温度での保管を伴う繰り返しオンオフデューティサイクルに供され得る。短期間にこのようなスタックを確実に始動させることができることが一般に望ましい。自動車のようなある特定の用途では、氷点下をはるかに下回る保管条件から比較的迅速かつ信頼性の高い始動を要求し得る。これは、このような温度でセルの比較的低い速度能力のため、かつ0℃未満で作動する場合、セルにおける水管理に関連する問題のために、重大な問題を提起している。適切な燃料電池動作(例えば、膜電解質の水和)のためには一定量の水が必要であり、水は、電力を供給した結果として生成される。しかしながら、氷は言うまでもなく、液体水がそのような温度で存在する場所に生じる。氷がどれくらいあるか、及び燃料電池スタックの保管時または始動時のその場所によって、氷の存在が問題になることがある。燃料電池の電気化学的に活性なMEAでの氷の形成は、氷点下の温度から始動する間に特に問題となる。
【0005】
この問題の重要性及び困難性の結果として、氷点下の温度からの始動時に遭遇する様々な問題に対処するために、多数の燃料電池設計及び始動方法が当技術分野で提案されている。加えて、氷点下での保管条件を見越して、燃料電池を適切に停止及び保管するための様々な方法が提案されている。例えば、周囲温度、地理的位置、ユーザ使用プロファイル、日付、天気予報などの事前設定入力に基づいて、システムが停止した後に凍結状態が存在する可能性を決定することを伴う方法が、特許文献1に提案されている。凍結状態が起こり得るとシステムが決定した場合、システムは、水が反応物ガス流路からパージされた燃料電池システムのパージ停止を開始する。凍結状態が起こり得ないとシステムが決定した場合、流路をパージすることなく、標準停止手順を開始する。次にシステムは、状態が変化したか否かを定期的に決定し、潜在的な凍結状態が存在すると決定された場合には、「保温」戦略を開始することができる。しかしながら、保温するのに燃料残量が不十分である場合、システムは代わりにパージを開始する。
【0006】
別の例では、特許文献2は、燃料電池スタックの停止時に、凍結パージが実行されるべきか否かを選択的に決定するシステム及び方法を開示する。この方法は、車両がキーオフされたことを識別し、次に、スタック膜の加湿値(ラムダ)が、燃料電池スタック内の燃料電池内の膜の加湿を識別する事前設定加湿値よりも小さいか否かを決定することを含む。スタック膜の加湿値が事前設定加湿値以上である場合、この方法は、周囲温度が事前設定周囲温度未満であるか否かを決定し、そうである場合、凍結パージを実行する。周囲温度が事前設定周囲温度未満ではない場合、この方法は、燃料電池スタック内の流路の短い非凍結パージを実行する。この方法は、凍結パージが実行されるべきか否かを決定するために、コントローラの次回のウェイクアップタイムを決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US2007/0298289
【特許文献2】US2014/0093801
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
現在までの進歩にもかかわらず、零度以下の温度条件下での燃料電池システムの適切な停止及び保管のための改善された方法が依然として必要とされている。本発明は、これらのニーズを満たすための選択肢を説明し、関連利点をさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、燃料電池システムを停止及び保管することに関するものであり、このシステムは電力を生成する燃料電池スタックと、燃料電池スタック(例えば、燃料電池スタックのための既存の燃料供給源、または任意に、適切な電気ヒータを付勢するための蓄電池)を加熱するために使用され得るエネルギーサプライとを含む。さらに、本発明は、氷点下の温度から燃料電池システムを始動させる方法を含む。
【0010】
具体的には、燃料電池システムを停止及び保管する方法は、燃料電池スタックでの電力生成を停止するステップと、燃料電池スタックの温度を監視するステップと、スタックの温度が低下し過ぎる場合に、ある特定の加温動作を実行するステップとを含む。具体的には、スタックの温度が初期閾値温度に低下すると、初期加温動作が実行される。その後、燃料電池スタックの温度を監視するステップと、スタックの温度が標準閾値温度に低下した場合に、事前設定加温動作を実行するステップと、を繰り返し実行する。本発明では、初期閾値温度及び初期加温動作のうちの少なくとも1つが、それぞれ標準閾値温度及び事前設定加温動作とは異なる。この方法は、氷点下の温度(例えば、標準閾値温度が0℃未満)から燃料電池システムを始動させるのに適している。
【0011】
本方法の一変形では、初期閾値温度は、標準閾値温度とは異なる。ここで、初期閾値温度は、通常、標準閾値温度よりも高い。
本方法の別の変形では、初期加温動作が事前設定加温動作とは異なる。ここで、燃料電池スタックに供給される反応物ガス(燃料または酸化剤反応物ガス、またはその両方)の流量及び/または圧力の任意選択的な1つは、初期加温動作中に、事前設定加温動作中よりも大きくすることができる。別の代替的な選択肢では、初期加温動作は、スタックを初期目標温度に加熱し、事前設定加温動作は、スタックを事前設定目標温度に加熱し、初期目標温度は、事前設定目標温度よりも高くなるように選択することができる。さらに別の代替的な選択肢では、初期加温動作は、初期期間にわたってスタックを加熱することができ、事前設定加温動作は、事前設定期間にわたってスタックを加熱することができ、初期期間は、事前設定期間より長くすることができる。
【0012】
本方法のこれらの様々な変形では、初期加温動作を実行するステップ及び事前設定加温動作を実行するステップは、燃料電池スタックで電力を生成するステップと、燃料電池スタックを電気ヒータで加熱するステップと、からなる群から選択され得る。
【0013】
さらなる例示的な実施形態では、この方法は、燃料電池スタック内のセルの平均水和状態を決定するステップをさらに含む。この実施形態では、初期加温動作は、決定された平均水和状態の関数であり得る。ここで、平均水和状態を決定するステップは、電力生成を停止する直前の既知のスタック動作条件に基づいて、前記状態を導出するステップと、平均セル導電率を測定するステップと、スタックの偏光特性を基準状態と比較するステップと、からなる群から選択され得る。
【0014】
この方法では、燃料電池スタックの性能が経時的に低下するにつれて、標準閾値温度及び/または事前設定目標温度のいずれかを任意に上昇させることができる。低下は、例えばスタックによって経験された始動及び停止の数から、または累積動作時間全体から推定されてもよく、あるいは、ある特定の動作点で観測された性能特性に基づいて決定されてもよい。
【0015】
有利には、本発明の方法では、燃料電池スタックを始動するための準備において追加のステップを必要とせず、特にパージステップを必要としない。
【0016】
本発明はまた、燃料電池スタック(特に、固体高分子電解質燃料電池スタック)と、燃料電池スタックを加熱するためのエネルギーサプライと、燃料電池スタックの温度を監視するための装置と、初期加温動作及び事前設定加温動作を実行するための装置と、を含む燃料電池システムであって、燃料電池システムは、前述の方法に従って動作するように構成されている。さらに、本発明は特に、自動車用燃料電池システムにおける使用に適している。
【0017】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、添付の図面及び以下の詳細な説明を参照すると明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】氷点下の周囲温度での停止及び保管のために本発明の方法を使用して恩恵を得ることができる例示的な自動車用燃料電池システムの概略図である。
【図2】繰り返し「保温」循環を伴う停止及び保管のための従来技術の方法を説明する温度対時間のプロットである。ここで、初期「保温」サイクルが示されている。
【図3a】停止及び保管のための改善された方法の初期サイクルを説明する温度対時間のプロットである。このプロットは、より高い初期閾値温度を伴う方法を代表するものである。
【図3b】停止及び保管のための改善された方法の初期サイクルを説明する温度対時間のプロットである。このプロットは、より高い反応物流量または圧力を伴う方法を代表するものである。
【図3c】停止及び保管のための改善された方法の初期サイクルを説明する温度対時間のプロットである。このプロットは、より高い初期目標温度を伴う方法を代表するものである。
【図3d】停止及び保管のための改善された方法の初期サイクルを説明する温度対時間のプロットである。このプロットは、より長い初期期間を伴う方法を代表するものである。
【図4】繰り返し「保温」循環を伴う停止及び保管のための従来技術の方法を説明する温度対時間のプロットである。ここで、最終「保温」サイクルが示されている。
【図5a】停止及び保管のための改善された方法の最終サイクルを説明する温度対時間のプロットである。このプロットは、より高い最終目標温度を伴う方法を代表するものである。
【図5b】停止及び保管のための改善された方法の最終サイクルを説明する温度対時間のプロットである。このプロットは、より長い最終期間を伴う方法を代表するものである。
【図5c】停止及び保管のための改善された方法の最終サイクルを説明する温度対時間のプロットである。このプロットは、より高い反応物流量、より高い反応物圧力、より低い反応物の相対湿度、またはより長い任意の最終パージを伴う方法を代表するものである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書において、「1つ(a)」及び「含む(comprises)」などの単語は、制限のない意味で解釈されるべきであって、少なくとも1つを意味するものとみなされるべきであり、1つだけに限定されない。
【0020】
ここで、定量的な文脈において、「約(about)」という用語は、プラス10%まで及びマイナス10%までの範囲内にあると解釈されるべきである。
【0021】
さらに、「水和状態(hydration state)」という用語は、本明細書では、燃料電池内の膜電極接合体(MEA)中に存在する水の相対量を指すために使用される。ここで、水和状態は、{Hi}のように表示され、iは正の整数である。次に、例えば、i番目及びj番目の水和状態を有する所与のMEAに関して、式{Hi}<{Hj}は、i番目の水和状態に存在する水の量が、j番目の水和状態に存在する水の量よりも少ないことを示す。
【0022】
燃料電池システムの、特に、零度以下の温度条件での改善された停止及び保管のための方法及び関連システムが開発されている。このような状況では、システム内の燃料電池スタックを、可能な限り少なくとも最低温度を上回って保つために、「保温(keep warm)」戦略を採用することが望ましい。このような「保温」戦略は、保管中にスタックの温度がある特定の閾値温度を下回るたびに、スタックを一連の加温動作に繰り返し供することを伴い得る。このようにして、非常に低い温度(すなわち、ある特定の閾値温度より低い温度)から燃料電池スタックを始動させる際の困難性を回避することができる。適切な加温動作は、制御された条件下で短期間にわたって燃料電池スタックを運転することから単純になり得る。あるいは、スタックは、システム内の蓄電池によって給電される電気ヒータで加熱されてもよい。しかしながら、十分な回数の繰り返し加温動作の後に、最終的には、燃料電池システム内の燃料供給(または蓄電池)が使い尽くされ、よって、システムが別の加温動作を行うことができなくなる可能性がある。システムが別の加温動作を行うことができなくなる前に実行された最後の加温動作は、最終加温動作と呼ばれる。
【0023】
従来技術の「保温」戦略では、一般に、同じ閾値温度及び加温動作が、停止及び保管期間全体にわたって使用される(すなわち、同じ閾値温度トリガポイント及び同じ動作及び/または動作パラメータが、採用される初期加温動作、次の加温動作、及び最終加温動作に使用される)。しかしながら、この改善された方法では、初期加温動作及び/または最終加温動作に、異なる手法が採択される。
【0024】
自動車用燃料電池システムでは、燃料電池スタックは、凍結温度での長期間の保管に望ましいよりも、停止前のより湿った状態(すなわち、より大きな水和状態)で動作している可能性がある。これは、停止前にほとんどの場合、反応物のフローフィールド及びチャネルにかなりの液体水が存在する可能性があるからである。停止(例えば、停止パージまたはスタックパージ)の前及び/またはその間に、特別で時間のかかる準備工程をとらない限り、この水は、セルの中に残り、零度以下の温度で保管中に凍結する。このような停止後、スタック全体の様々な場所に氷が存在すると、「保温」戦略で採用される加温動作を含む、その後の始動に悪影響を与える可能性がある。
【0025】
相対的に低い水和状態が自動車用燃料電池スタックの低温保管中に好まれるので、保管中に「保温」戦略を採用する場合、スタックは望ましくはそのような状態に維持される。しかしながら、比較的低い水和状態におけるスタックの繰り返し加温動作に適した加温動作手法は、比較的高い水和状態におけるスタックの初期加温動作には適さず、かなりの氷が存在する。非常に湿った状態で停止されたスタックの初期加温動作中にこれを試みると、問題が発生する可能性がある。その結果、その後の加温動作で問題が発生する可能性がある。非常に湿った水和状態でスタックを適切に収容することができる加温動作手法を採用することができる。しかし、この手法を「保温」戦略を通じて使用することにより、一般にスタックが不必要に低くなり、望ましくない水和状態になる。さらに、このような手法は、加温動作に過剰な量の保管エネルギー(例えば燃料)を使用することになり、それ故に非効率的である。
【0026】
従来技術の「保温」戦略では、加温動作を行うためのエネルギーサプライが枯渇して、もはや続行することができなくなると、加温動作は停止し、システムは周囲温度まで冷却される。しかしながら、周囲温度は潜在的に、「保温」プロセス中にスタックが経験する最低温度よりもはるかに低い可能性がある。非常に低い周囲温度では、燃料電池スタックのさらに低い水和状態が、「保温」戦略の繰り返し加温動作の間に所望される水和状態よりも後続の始動にとって好ましい場合がある。さもなければ、周囲温度が非常に低いために始動性能が低下する可能性がある。したがって、「保温」戦略の繰り返し加温動作に最も適した加温動作手法は、最終加温動作に最も適していない可能性がある。さらに、非常に低い周囲温度での始動に適したより低い水和状態にスタックを残す加温動作手法を代わりに採択することができる。しかしながら、この手法を「保温」戦略を通じて使用すると、一般に、「保温」期間を通じてスタックを不必要に低い状態のままにし、望ましくない水分状態のままにすることになる。またさらに、このような手法は、加温動作に利用可能な保管エネルギーを非効率的に使用する。
【0027】
この改善された方法では、「保温」戦略における初期加温動作及び/または最終加温動作に対して異なる手法が採択される。このようにして、常に(例えば、非常に湿った状態での停止後、「保温」プロセスを通じて、その後、エネルギーサプライがなくなった場合)、燃料電池スタック内で好ましい水和状態を得ることができる。この点に関しては、以下でより詳細に説明するように、様々な手法を使用することができる。
【0028】
図1は、本発明の方法に従って動作するように構成された例示的な自動車用燃料電池システムの概略図を示す。燃料電池システム101は、燃料入口103に燃料(水素)反応物が、酸化剤入口104に酸化剤(空気)反応物が供給される固体高分子電解質燃料電池スタック102を含む。これらのガス状反応物は、制御された流量及び圧力で供給される(制御ハードウェアは、図1に示されていない)。スタックのアノード及びカソードからの排気流体は、それぞれ燃料出口105及び酸化剤出口106でスタックを出る。燃料電池システム101はまた、スタック温度を制御する冷却剤サブシステムも含む。このサブシステムでは、冷却剤は、冷却剤出口113でスタックから得られ、ラジエータ112を通って循環され、その後、冷却剤入口114でスタックに戻される。
【0029】
燃料電池スタック102は、幾つかの回路が接続された正及び負の端子115、116を有する。この例示的な実施形態では、システム101は、接触器119を使用してスタック端子に接続する、またはスタック端子から切り離すことができるある特定の高電圧回路118(例えば、トラクションモータ、DC−DCコンバータなど)を含む。さらに、システム101は、低温始動のために適切なサイズであり、スイッチ121を使用して端子115及び116に切り替え可能に接続された電気負荷120を含む。車両自体は、始動が完了すると、燃料電池スタック端子を横切って接続され得る駆動モータ及び他の周辺機器(図示せず)を含む。
【0030】
燃料電池システム101は、本発明の方法を実施する際に使用可能な幾つかのセンサ及び/またはモニタを含む。温度監視センサ108は、スタック温度を監視するために、この例示的な実施形態ではスタックの中央に配置されている。(しかしながら、温度は、センサ108の代わりに、またはセンサ108に加えて、他の場所で他のセンサによって監視されてもよい。)モニタ117は、スタック102の端子間に並列に接続され、平均セル導電率または平均セル電圧を測定するためのものであってもよい。電流分流器107は、スタック出力と直列に設けられ、電流を測定するためのものである。スタックの偏光特性は、スタック電圧及び出力電流の測定値から決定することができる。
【0031】
図2は、繰り返し「保温」循環または加温動作を伴う停止及び保管のための従来技術の方法の間、燃料電池スタックの温度対時間の例示的なプロットを示す。ここで、初期「保温」サイクル(加温動作)が示される。温度軸には、3つの異なる温度、すなわち、周囲、標準閾値及び事前設定目標の温度が記録される。この例示的なプロットでは、周囲温度は凍結よりかなり低い値(例えば、−15℃未満)である。「保温」サイクルの開始を引き起こすための標準閾値温度は、保管中にスタックに望ましい最低温度(例えば、約−15℃)である。事前設定目標温度は、「保温」サイクル中に加熱されるべきスタックにとって望ましい値である。この例では、事前設定目標値は、標準動作中のスタックの公称動作温度と同じであると仮定される。(しかしながら、事前設定目標値は、任意に公称動作温度とは異なる場合がある)。
【0032】
次に図2では、燃料電池スタックは、その公称動作温度で動作するように最初に示されている。点21において、スタックが停止され、スタックでの電力生成が停止される。ここで、燃料電池スタック内のMEAの水和状態を{H1}と表示する。点21で電力生成が停止されると、スタック温度及びシステム温度が低下し始める。次の始動のために特別な追加の調整ステップをとらない限り、スタックの水和状態は、点22の標準閾値温度に冷却するのとほぼ同じままである。「保温」戦略を実施して、スタック温度がこの標準閾値温度に低下すると、加温動作が始まり、スタックを加熱する。加温動作は、事前設定動作パラメータセットを使用して事前設定期間にわたってスタックを動作させることを単に含むことができる。加温の結果として、スタック温度は事前設定目標温度に上昇し、所望の期間維持される。加温動作に関連する全期間は、予め定められており、図2において事前設定期間として表示される。加温動作の終了時(点23)に、加温が停止し、再びスタック温度が低下し始める。点23でのスタックにおける水和状態は、{H2}として表示される。
【0033】
一般に、氷点下の温度ではあるが標準閾値温度より高い、スタックを始動するのに比較的低くて適切な温度で、所望の水和状態がスタック内で得られるように、一組の動作パラメータが加温動作に選択される。「保温」戦略が意図したとおりに進行する場合、この所望の水和状態は、「保温」循環を通じて、基本的に維持されるべきである。例えば図2では、停止{H1}での水和状態は、(例えば、運転条件に依存して)可変であり、所望の水和状態よりも多少大きいまたは小さくてもよい(すなわち、{H2}≠所望の水和状態)。しかしながら、「保温」プロセスが{H1}の差異に対応できる場合、初期「保温」サイクル(すなわち、{H2}=所望の水和状態)後に、所望の水和状態を得ることができる。しかし、{H1}が大き過ぎる(すなわち、停止後に湿り過ぎる)と、初期「保温」サイクルが適切に進行せず、劣化が起こり、スタックが望ましくない湿った水和状態(すなわち、{H2}>所望の水和状態)のままになる可能性がある。さらに、スタックは、次の「保温」循環後に望ましくない水和状態のままである可能性がある。
【0034】
「保温」サイクルまたは加温動作の一部として、他のステップを任意に含むことができる。例えば、適度なパージステップを各サイクルの終わりに含むことができる(すなわち、事前設定加温動作は、各事前設定期間後に、アノードフローフィールドの事前設定パージを含むことができる)。
【0035】
この改善された方法では、最初の加温手法は、非常に湿った状態でスタックを停止することに関連する上述の問題を回避するために、その後に使用される手法とは異なることがある。一実施形態では、より高い初期閾値温度が使用され得る。図3aは、この実施形態の最初のサイクルを説明する温度対時間の代表的なプロットを示す。ここで、より高い初期閾値温度で初期加温動作がトリガされる。その後の事前設定加温動作は、さらに標準閾値温度でトリガされる。この実施形態では、スタックは、最初の停止後にはそれほど冷却され得ない。同じ動作パラメータのセットは、初期加温動作及び事前設定加温動作の両方に使用されてもよい。この実施形態では、図3a及び図2のプロットを比較すると明白であるように、スタックは、初期加温動作中に事前設定目標温度でより長い時間を費やす。したがって、結果として生じるこの時点での水和状態{H3}は、{H2}未満であり得る。そして、他の動作パラメータと組み合わせて初期閾値温度を適切に選択することにより、{H1}の高い停止値の場合でも、水和状態{H3}=所望の水和状態を達成することができる。
【0036】
別の手法では、同様の結果を達成するために、事前設定加温動作とは異なる初期加温動作を使用することができる。図3bは、結果として得られたスタックの水和状態を減少させるために、より高い反応物流量またはより高い圧力の使用を伴う一実施形態の初期サイクルを説明する、温度対時間の代表的なプロットを示す。ここで、このプロットは、従来技術の図2に示されているものと同様である。しかしながら、初期加温動作中により高い反応物流量及び/またはより高い圧力を使用した結果、スタックはより乾燥し、この場合も同様に、より低い所望の水和状態{H3}を達成する。
【0037】
別の実施形態では、より高い初期目標温度を初期加温動作で使用することができる。図3cは、より高い初期目標温度を備えた一実施形態の初期サイクルを説明する、温度対時間の代表的なプロットを示す。初期加温動作において、スタックをこのより高い初期温度に加熱した結果、スタックはより乾燥し、この場合も同様に、より低い所望の水和状態{H3}を達成する。
【0038】
さらに別の実施形態では、初期加温動作により長い期間が採用される。図3dは、後続の事前設定期間よりも長い初期期間を有する一実施形態の初期サイクルを説明する温度対時間の代表的なプロットを示す。初期加温動作において、スタックをより長い時間加熱した結果、スタックはより乾燥し、この場合も同様に、より低い所望の水和状態{H3}を達成する。
【0039】
当業者には明らかであるように、同様のまたはより良い結果を達成するために、の実施形態の適切な組み合わせを採用することもできる。
【0040】
またさらに、先の実施形態のいずれにおいても、スタック内のセルの平均水和状態を決定または監視することが好ましい場合がある。その後、決定された平均水和状態に従って、初期加温動作を調整することができる。当業者に既知であるように、平均水和状態は、停止直前の既知のスタック動作状態に基づく誘導、平均セル導電率の測定、スタックの偏光特性の比較によるなどの、様々な方法によって決定することができる。
【0041】
さらに他の実施形態では、燃料電池スタックの性能が経時的に及び/または使用と共に低下するにつれて、標準閾値温度を上昇させることが望ましい場合がある。その上、燃料電池スタックの性能が経時的に及び/または使用と共に低下するにつれて、事前設定目標温度を上昇させることが望ましい場合がある。当業者に既知であるように、このような低下は、スタックによって経験される始動及び停止の数、全動作時間、またはある特定の動作条件下でのスタックの測定された性能に基づいて導出され得る。
【0042】
前述の方法の利点は、氷点下の温度からシステムを後で始動するための準備において、追加のステップ、例えば、特別なパージステップが、電力生成が停止された直後(すなわち、電力生成停止ステップと初期加温動作との間)に使用されない場合でも有効であることである。このように、時間のかかるまたは複雑さを増す可能性のあるこのような追加のステップは、代わりに省略することができる。
【0043】
図4は、繰り返し「加温」循環または加温動作を伴う、従来技術の停止及び保管方法の間の、燃料電池スタックの温度対時間に関する別の例示的なプロットを示す。しかしながら、ここで、最終「保温」サイクル(加温動作)、すなわちそれらを実行するためのエネルギーの供給が尽きる直前のサイクルを示す。この場合も同様に、周囲、標準閾値、及び事前設定目標の温度が、温度軸上に記録される。
【0044】
図4では、燃料電池スタックは最初に、繰り返し「保温」サイクルを行うことを示す。点21において、スタックが停止され、スタックでの電力生成が停止される。ここで、燃料電池スタック内のMEAの水和状態は、再び{H3}である。繰り返し「保温」循環の間、システムは「保温」サイクル(または加温動作)を実行するために利用可能なエネルギーサプライを絶えず監視する。エネルギーサプライが十分に枯渇したことをシステムが検出すると、すぐに「保温」サイクルを持続できなり、最終「保温」サイクル41が実行され、その後、システムは完全に停止する。それ以上の「保温」循環は行われず、基本的に水和状態{H3}のままであるが、燃料電池スタックの温度は周囲温度まで低下する。最終「保温」サイクル、ひいては完全停止プロセスの一部として、システムは、以前の「保温」サイクルの間に採用された、追加のオプション動作の最終セット、例えば、事前設定期間後に事前設定パージを行う。
【0045】
繰り返し「保温」循環中には、水和状態{H3}が望ましいが、潜在的にはるかに低い周囲温度からの始動には、より乾燥した水和状態{H4}が好ましい場合がある。したがって、任意選択的に、水和状態{H4}が得られるように、「保温」循環の間に動作パラメータを設定することを検討することができる。もちろんこれは、非常に低い周囲温度からの始動に好ましい水和状態を達成するが、「保温」循環中には水和状態が最適でないことを意味する。その上、このような手法は、加温動作中に(好ましい水和状態に)必要とされるより多くの保管エネルギーをさらに使用するため、非効率的である。
【0046】
しかしながら、この改善された方法では、この問題は以前に繰り返された事前設定加温動作に使用されたものとは異なる最終加温手法を採用することによって回避することができる。一実施形態では、最終加温動作に、より高い最終目標温度を使用することができる。図5aは、より高い最終目標温度を伴う停止及び保管のための改善された方法に関する最終サイクルを説明する温度対時間の代表的なプロットを示す。最終加温動作において、スタックをこのより高い最終目標温度に加熱する結果として、スタックはより乾燥し、より低い、所望の水和状態{H4}を達成することができる。
【0047】
さらに別の実施形態では、最終加温動作により長い期間が採用される。図5bは、以前の事前設定期間よりも長い最終期間を有する一実施形態の最終サイクルを説明する温度対時間の代表的なプロットを示す。最終加温動作において、スタックをより長い時間加熱した結果、スタックはより乾燥し、この場合も同様に、より低い後続の始動に対して所望の水和状態{H4}を達成する。
【0048】
図5cは、結果として生じるスタックの水和状態を減少させるために、反応物のより低い相対湿度、より高い反応物流量、より高い反応物圧力、及び/または異なる任意の最終パージの使用を伴うさらなる他の実施形態の最終サイクルを説明する温度対時間の代表的なプロットを示す。ここで、プロットは従来技術の図4に示されたものと同様である。しかしながら、最終加温動作の間、より低い反応物の相対湿度、より高い反応物流量及び/またはより低い反応物圧力を使用する結果として、スタックはより乾燥し、最終期間(図5cの点51)に、より低い、所望の水和状態{H4}を達成することができる。異なる任意の最終パージを採用する一実施形態の場合、最終パージは、事前設定期間後に使用される任意の事前設定パージよりも長い最終期間後に使用され得る。これだけで、燃料電池スタックの加熱が終了し、温度が周囲温度まで低下した後に、所望の水和状態{H4}を達成するのに十分であり得る。このような場合、燃料電池スタックの水和状態は、点51でまだ{H3}であるが、温度が周囲温度まで低下するにつれて、{H4}に低下する。
【0049】
図面及び前述の説明は、本発明の幾つかの可能な特定の実施形態を例示しているが、当業者であれば、停止手順及び保管手順の他の変形及び/または組み合わせが考慮され得ることを理解するであろう。
【0050】
本明細書で言及されている米国特許、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、及び非特許刊行物は全て、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
本発明の特定の要素、実施形態及び用途を示し、説明してきたが、当然ながら、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、特に前述の教示に照らして、当業者によって変更がなされ得るため、本発明はそれに限定されないことが理解されるであろう。そのような変更は、添付の特許請求の範囲及び権限内で考慮されるべきである。

【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【国際調査報告】

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