特表2018-528239(P2018-528239A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-528239エチレングリコールモノメチルエーテルからエチレングリコールジメチルエーテルを直接に製造してエチレングリコールを同時生産する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-528239(P2018-528239A)
(43)【公表日】2018年9月27日
(54)【発明の名称】エチレングリコールモノメチルエーテルからエチレングリコールジメチルエーテルを直接に製造してエチレングリコールを同時生産する方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 41/14 20060101AFI20180831BHJP
   C07C 43/04 20060101ALI20180831BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20180831BHJP
【FI】
   C07C41/14
   C07C43/04 A
   C07B61/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-515587(P2018-515587)
(86)(22)【出願日】2015年12月11日
(85)【翻訳文提出日】2018年3月23日
(86)【国際出願番号】CN2015097160
(87)【国際公開番号】WO2017054321
(87)【国際公開日】20170406
(31)【優先権主張番号】201510639716.0
(32)【優先日】2015年9月30日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】503190796
【氏名又は名称】中国科学院大▲連▼化学物理研究所
【氏名又は名称原語表記】DALIAN INSTITUTE OF CHEMICAL PHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】石磊
(72)【発明者】
【氏名】倪友明
(72)【発明者】
【氏名】朱文良
(72)【発明者】
【氏名】劉勇
(72)【発明者】
【氏名】劉紅超
(72)【発明者】
【氏名】劉中民
【テーマコード(参考)】
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AC43
4H006BA68
4H006BA71
4H006BA72
4H006BB61
4H006BC10
4H006BC11
4H006BC13
4H006BC18
4H006BC31
4H006BC32
4H006GN07
4H006GP01
4H039CA61
4H039CJ30
4H039CL60
(57)【要約】
本発明は、エチレングリコールモノメチルエーテルからエチレングリコールジメチルエーテルを直接に製造してエチレングリコールを同時生産する方法を提供し、より具体的には、前記原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルと任意のキャリアガスとしての不活性ガスとを、固体酸触媒が担持されている反応器に通過させ、反応温度40〜150℃及び反応圧力0.1〜15.0Mpa下で反応させ、エチレングリコールジメチルエーテル及びエチレングリコールを生成し、ここで、前記原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルの重量空間速度が0.05〜5.0h−1であり、前記原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルの体積濃度が1〜100%であり、前記キャリアガスの体積濃度が0〜99%である。本発明の方法は、低温条件下で、固体酸を触媒として用い、エチレングリコールモノメチルエーテルを原料としてエチレングリコールジメチルエーテル及びエチレングリコールを直接に高選択率で製造し、同時に、環境を汚染して人体又は動物体を損なう副生成物1,4−ジオキサンの生成がほとんど又は全くない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレングリコールモノメチルエーテルからエチレングリコールジメチルエーテルを直接に製造してエチレングリコールを同時生産する方法であって、前記原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルと任意のキャリアガスとしての不活性ガスとを、固体酸触媒が担持されている反応器に通過させ、反応温度40〜150℃及び反応圧力0.1〜15.0Mpa下で、任意に体積濃度が0〜95%の水の存在下で反応させ、エチレングリコールジメチルエーテル及びエチレングリコールを生成する工程を含み、前記原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルの重量空間速度が0.05〜5.0h−1であり、前記原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルの体積濃度が1〜100%であり、前記キャリアガスの体積濃度が0〜99%である方法。
【請求項2】
前記水は、前記原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルに添加することにより導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記固体酸触媒が酸性分子篩触媒又は酸性樹脂触媒であり、好ましくは、前記酸性分子篩触媒の構造種類がMWW、FER、MFI、MOR、FAU又はBEAである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記酸性分子篩触媒がMCM−22分子篩、フェリエライト分子篩、ZSM−5分子篩、モルデナイト分子篩、Yゼオライト分子篩又はβ分子篩のうちの1種又は2種以上である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記MCM−22分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが5〜100であり、
前記フェリエライト分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが5〜100であり、
前記ZSM−5分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが5〜100であり、
前記モルデナイト分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが5〜50であり、
前記Yゼオライト分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが3〜50であり、かつ
前記β分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが5〜100である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記酸性分子篩触媒中に質量分率が0.1〜10%、好ましくは0.1〜4%のアルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類金属のうちの1種又は2種以上を含有し、かつ、前記酸性分子篩触媒中に質量分率が1〜40%の接着剤を含有し、前記接着剤が酸化アルミニウム及び酸化ケイ素のうちの1種又は2種以上である、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記酸性樹脂触媒がベンゼンスルホン酸樹脂、p−トルエンスルホン酸樹脂、パーフルオロスルホン酸樹脂又は強酸性陽イオン交換樹脂のうちの1種又は2種以上であり、好ましくはパーフルオロスルホン酸Nafion(登録商標)樹脂である、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記反応温度が50〜150℃であり、反応圧力が3.0〜8.0MPaであり、かつ前記原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルの重量空間速度が0.3〜2.0h−1である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記不活性ガスが、窒素ガス、ヘリウムガス及びアルゴンガスからなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、かつ前記キャリアガスの体積濃度が1〜99%である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記反応器が固定床反応器又は槽型反応器である、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学化工分野に属し、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテルからエチレングリコールジメチルエーテルを直接に製造してエチレングリコールを同時生産する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エチレングリコールジメチルエーテルは、別名1,2−ジメトキシエタン(DME)である。常温下で、エチレングリコールジメチルエーテルは、エーテルの味を有する無色透明液体であり、性能に優れている非プロトン極性溶媒であり、性質が相対的に安定しており、反応が発生しにくく、水、ほとんどの低炭素(C1−C6)アルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒と任意の割合で混合溶解することができ、アルカリ金属化合物に対して強い溶解能を有する。そのため、数多くの有機合成反応中に必要される理想的な溶媒になることができ、同時に、それがさらに洗浄剤配合物として広く使用されており、紡績印染、ペンキインク助剤、燃料添加剤として用いられ、有機化合物及び医薬中間体の合成等に用いられる。
【0003】
文献に記載されたエチレングリコールジメチルエーテルの合成方法は、主に(1)US 3699174中に報告されている1,2−ジクロロエタンとメタノールとの反応であって、それぞれ周期律表中の第I−V族のうちの金属又は金属酸化物及び第VI−VIII族中の一部の遷移金属を触媒とし、主な生成物はエチレングリコールジメチルエーテル及びメチルエチルエーテルであり、ここで、原料である1,2−ジクロロエタンの転化率が50%であり、エチレングリコールジメチルエーテルの選択率が24.6%であり、ジクロロメチルエチルエーテルの選択率が46.9%である。このプロセスにより生成した副生成物が多く、生成物の収率が低く、ここで、1,4−ジオキサンの選択率が20%を超えた。(2)日本特許公開昭60−12089に報告されているジメチルエーテルの酸化カップリング反応であって、触媒表面にジメチルエーテルを直接に酸化カップリングしてエチレングリコールジメチルエーテルを得た。この反応において酸素ガスが添加されており、かつ、ジメチルエーテル及び生成物エチレングリコールジメチルエーテルがいずれも燃えやすい物質であるので、このプロセスルートには潜在的なリスクが存在している。(3)US4146736に報告されているジメチルエーテルとエチレンオキシドとの反応であって、固体酸触媒を用いて、原料であるエチレンオキシドの転化率が100%に近接し、生成物エチレングリコールジメチルエーテルの選択率が65〜70%程度であり、ジエチレングリコールジメチルエーテルの選択率が15〜20%であり、トリ、テトラ及びペンタエチレングリコールジメチルエーテルの合計選択率が10%程度であり、1,4−ジオキサンの選択率が5〜7%である。この反応プロセスは、副生成物が多く、かつ、比較的に多い1,4−ジオキサンを生成した。(4)日本特許公開昭55−104221は、エチレングリコール又はエチレングリコールモノメチルエーテルを反応温度が200〜300℃の場合にメタノールと反応させる脱水反応によりエチレングリコールジメチルエーテルを製造することを報告しており、生成物中にエチレングリコールジメチルエーテルの選択率が25%であり、ジエチレングリコールジメチルエーテルの選択率が8%であり、ジエチレングリコールモノメチルエーテルの選択率が15%であり、その過程においても1,4−ジオキサンを生成した。(5)US4321413は、エチレングリコールモノメチルエーテル及びジメチルエーテルの両者を反応原料として反応温度が180℃の場合にエチレングリコールジメチルエーテルを製造することを報告しており、原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルの転化率が55.4%であり、生成物中にエチレングリコールジメチルエーテルの選択率が62.4%であり、1,4−ジオキサンの選択率が20%であり、ジエチレングリコールジメチルエーテルの選択率が16.5%である。(6)CN104250206 Aは、エチレングリコールエーテルの製造方法を公開しており、ここで、エチレングリコールと低炭素脂肪族アルコールとを酸触媒作用下でエチレングリコールエーテルを得、用いる固体酸触媒が分子篩又はゼオライトであり、反応温度が20〜250℃であり反応圧力が0.1〜10MPaである。
【0004】
上記報告されているエチレングリコールジメチルエーテルの製造方法において、複数種の反応物を原料とし、複雑な反応過程及び複雑な副生成物に関するものであるか、又は反応条件が苛酷で、例えば反応温度が高く、かつ、これらの方法においていずれも副生成物1,4−ジオキサンが存在している。しかしながら、当該副生成物が廃水に溶解している場合、物理的分離の方法で除去することが非常に困難であり、かつ、当該副生成物が自然環境において生物により分解されにくく、同時に、吸い込み、摂食又は経皮吸収により人体又は動物体内に入ることができ、それが体内で徐々に蓄積して体外へ代謝できないため、人体又は動物体を損なう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術の問題の1つ又は全部を克服するために、本発明の目的は、反応原料が簡単でエチレングリコールジメチルエーテルを高選択率で直接に製造してエチレングリコールを同時生産する方法を提供することにあり、同時に、当該方法は、環境を汚染して人体又は動物体を損なう副生成物1,4−ジオキサンの生成がほとんど又は全くない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明は、エチレングリコールモノメチルエーテルからエチレングリコールジメチルエーテルを直接に製造してエチレングリコールを同時生産する方法を提供し、前記方法は、前記原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルと任意のキャリアガスとしての不活性ガスとを、固体酸触媒が担持されている反応器に通過させ、反応温度40〜150℃及び反応圧力0.1〜15.0Mpa下で、任意に体積濃度が0〜95%の水の存在下で反応させ、エチレングリコールジメチルエーテル及びエチレングリコールを生成する工程を含み、前記原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルの重量空間速度が0.05〜5.0h−1であり、前記原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルの体積濃度が1〜100%であり、前記キャリアガスの体積濃度が0〜99%である。
【0007】
好ましい実施形態において、前記水は、前記原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルに添加することにより導入される。
【0008】
好ましい実施形態において、前記固体酸触媒が酸性分子篩触媒又は酸性樹脂触媒であり、好ましくは、前記酸性分子篩触媒の構造種類がMWW、FER、MFI、MOR、FAUまたはBEAである。
【0009】
好ましい実施形態において、前記酸性分子篩触媒がMCM−22分子篩、フェリエライト分子篩、ZSM−5分子篩、モルデナイト分子篩、Yゼオライト分子篩又はβ分子篩のうちの1種又は2種以上である。
【0010】
好ましい実施形態において、前記MCM−22分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが5〜100であり、前記フェリエライト分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが5〜100であり、前記ZSM−5分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが5〜100であり、前記モルデナイト分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが5〜50であり、前記Yゼオライト分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが3〜50であり、かつ前記β分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが5〜100である。
【0011】
好ましい実施形態において、前記酸性分子篩触媒中に質量分率が0.1〜10%、好ましくは0.1〜4%のアルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類金属のうちの1種又は2種以上を含有し、かつ、前記酸性分子篩触媒中に質量分率が1〜40%の接着剤を含有し、前記接着剤が酸化アルミニウム及び酸化ケイ素のうちの1種又は2種以上である。
【0012】
好ましい実施形態において、前記酸性樹脂触媒がベンゼンスルホン酸樹脂、p−トルエンスルホン酸樹脂、パーフルオロスルホン酸樹脂又は強酸性陽イオン交換樹脂のうちの1種又は2種以上であり、好ましくはパーフルオロスルホン酸Nafion(登録商標)樹脂である。
【0013】
好ましい実施形態において、前記反応温度が50〜150℃であり、反応圧力が3.0〜8.0MPaであり、かつ前記原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルの重量空間速度が0.3〜2.0h−1である。
【0014】
好ましい実施形態において、前記不活性ガスが、窒素ガス、ヘリウムガス及びアルゴンガスからなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、かつ前記キャリアガスの体積濃度が1〜99%である。
【0015】
好ましい実施形態において、前記反応器が固定床反応器又は槽型反応器である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の方法は、低温条件下で、固体酸を触媒として用い、エチレングリコールモノメチルエーテルを原料としてエチレングリコールジメチルエーテル及びエチレングリコールを直接に高選択率で製造し、生成物が簡単であり、副反応が少なく、必要とする生成物エチレングリコールジメチルエーテル及びエチレングリコールの選択率がそれぞれその理論値50%に達することができ、同時に、本発明の方法は、環境を汚染して人体又は動物体を損なう副生成物1,4−ジオキサンの生成がほとんど又は全くない。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、固体酸触媒の表面に、低温条件下で、エチレングリコールモノメチルエーテルからエチレングリコールジメチルエーテルを直接に高効率で製造してエチレングリコールを同時生産する方法を提供する。より具体的には、本発明の方法において、前記原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルと任意のキャリアガスとしての不活性ガスとを、固体酸触媒が担持されている反応器に通過させ、反応温度40〜150℃及び反応圧力0.1〜15.0Mpa下で、任意に体積濃度が0〜95%の水の存在下で反応させ、エチレングリコールジメチルエーテル及びエチレングリコールを生成する工程を含み、前記原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルの重量空間速度が0.05〜5.0h−1であり、前記原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルの体積濃度が1〜100%であり、前記キャリアガスの体積濃度が0〜99%である。
【0018】
本発明において、別途説明がない限り、上記原料であるエチレングリコールモノメチルエーテル、キャリアガス及び水の体積濃度が、いずれも反応系中に存在する時にこれらの総体積を基準にしているものである。例えば、反応系中に原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルのみ存在すると、その体積濃度が100%のはずである。反応系中に原料であるエチレングリコールモノメチルエーテル及びキャリアガスのみ存在すると、原料であるエチレングリコールモノメチルエーテル及びキャリアガスのそれぞれの体積濃度がこれら両者の総体積を基準にしている。反応系中に原料であるエチレングリコールモノメチルエーテル、キャリアガスおよび水の三者が存在すると、これらの体積濃度がこれら三者の総体積を基準にしている。
【0019】
本発明において、原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルの供給手段は以下の通りであってもよい。
【0020】
第一種の手段は、キャリアガスの存在がない場合、供給ポンプ、例えば定流ポンプが液状の原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルを一定の流速、例えば0.1〜10ml/minで反応器、例えば固定床反応器中に直接にポンピングして供給を実現する。
【0021】
第二種の手段は、キャリアガスが存在している場合、キャリアガスとしての不活性ガス、例えばNにより、異なる水浴温度(40〜80℃)条件下でエチレングリコールモノメチルエーテルの飽和蒸气を携帯して固定床反応器中に入る。好ましくは、キャリアガスの流速が10〜50mL/minである。飽和蒸气圧及びN流速により単位時間内で反応器中に入る原料であるエチレングリコールモノメチルエーテル物質の量を算出することができる。異なる温度の条件下で原料であるエチレングリコールジメチルエーテルの飽和蒸气圧の計算方法は以下に示している。
ln(p/p)=−ΔVapHm/8.3145×(1/T−1/T
式中、p及びpはそれぞれ異なる温度の条件下で原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルの飽和蒸气圧を表し、ΔVapHmはエチレングリコールモノメチルエーテルのモル蒸発エンタルピー(39.48KJ/mol)を表し、T及びTはそれぞれ異なる温度(単位がK)を表し、253K時にその飽和蒸气圧が3.968Kpaであり、このようにして、任意温度下でのエチレングリコールモノメチルエーテルの飽和蒸气圧を算出することができる。
【0022】
好ましくは、本発明において使用する固体酸触媒が酸性分子篩触媒又は酸性樹脂触媒であり、より好ましくは、前記酸性分子篩触媒の構造種類がMWW、FER、MFI、MOR、FAU又はBEAである。
【0023】
さらに好ましくは、本発明において使用する酸性分子篩触媒がMCM−22分子篩、フェリエライト分子篩、ZSM−5分子篩、モルデナイト分子篩、Yゼオライト分子篩又はβ分子篩のうちの1種又は2種以上である。
【0024】
好ましくは、本発明において、前記MCM−22分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが5〜100であり、前記フェリエライト分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが5〜100であり、前記ZSM−5分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが5〜100であり、前記モルデナイト分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが5〜50であり、前記Yゼオライト分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが3〜50であり、前記β分子篩中のケイ素とアルミニウムの原子比Si/Alが5〜100である。
【0025】
好ましくは、本発明において、前記酸性樹脂触媒は、スルホン酸官能基の各種の樹脂、例えばベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、パーフルオロスルホン酸樹脂、好ましくはパーフルオロスルホン酸Nafion(登録商標)樹脂、又は強酸性陽イオン交換樹脂のうちの1種又は2種以上を含有する。
【0026】
好ましくは、本発明において、反応温度が50〜150℃であり、より好ましくは80〜150℃であり、反応圧力が3〜8MPaであり、原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルの重量空間速度が0.3〜2.0h−1である。
【0027】
好ましくは、本発明において、前記キャリアガスが、窒素ガス、ヘリウムガス及びアルゴンガスからなる群より選ばれる1種又は任意の2種以上の混合ガスであり、より好ましくは、前記キャリアガスの重量空間速度が50.0〜12000.0h−1であり、さらに好ましくは600.0〜5000.0h−1である。
【0028】
好ましくは、本発明において、前記反応器は、連続反応を実現し得る固定床反応器、又は槽型反応器であり、好ましくは固定床反応器である。
【0029】
いかなる理論にも制限されずに、本発明の反応において、原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルが触媒表面に発生可能な化学反応は下記式I−IXに示されている。
【化1】
【0030】
具体的に、低い反応温度の条件下で、式Iに示すように、大量の原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルは自己の不均化反応が発生し、エチレングリコールジメチルエーテル及びエチレングリコールを生成する。同時に、式IIに示すように、原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルは、また分子間の脱水反応が発生し、モル比が1:1のジエチレングリコールジメチルエーテル及び水を生成する可能性がある。
【0031】
反応温度が徐々に上昇することに伴い、式III及び式IVに示すように、生成するエチレングリコールと原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルとは分子間脱水反応が発生し、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを生成する。同時に、少量のエチレングリコールは、自己の脱水反応が発生してジエチレングリコールを生成することができる。さらに、式Vに示すように、生成するジエチレングリコールジメチルエーテルと原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルとはエーテル交換反応が発生し、ジエチレングリコールモノメチルエーテル及びエチレングリコールジメチルエーテルを生成する。また、式VIに示すように、生成するジエチレングリコールモノメチルエーテルは、また自己の不均化反応が発生し、ジエチレングリコールジメチルエーテル及びジエチレングリコールを生成する。
【0032】
反応温度がさらに上昇すると、式VII〜IXに示すように、生成するジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールは分子内脱水が発生して1,4−ジオキサンを生成し、副生成物1,4−ジオキサンの選択率が大幅に上昇してしまう。
【0033】
したがって、以上の反応過程からわかるように、原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルから得ることが可能な反応生成物は、エチレングリコールジメチルエーテル及びエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、水、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール及び1,4−ジオキサンであり、さらに極少量のメタノール及びジメチルエーテルがある。
【0034】
本発明にとって、式Iに示す反応のみ発生すること、すなわち、生成物エチレングリコールジメチルエーテル及びエチレングリコールのみを生成することが理想的である。そのために、本発明の発明者は鋭意に検討したところ、温度を40〜150℃に制御することは、式I及び式IIに示す反応のみが発生することに対して非常に肝心であり、なぜなら、温度が40℃未満であると、反応が発生しないか、あるいは反応速率が非常に低く、所望の生成物の収率が低く、また、温度が150℃を超えると、式IIIから式VIIに示す反応の発生が増加し、副生成物が多くなり、特に大量の副生成物1,4−ジオキサンを生成してしまうからである。他方、式IIに示す反応の発生を低減させるために、反応バランスからわかるように、本発明の反応系において水の存在が好適に選択可能であり、なぜなら、水が式IIの反応生成物であり、予め水が存在する場合、式IIの反応が抑制されるか、あるいはその発生が少なくなるからである。前記水は、原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルに添加することにより導入されてもよく、あるいは、キャリアガスにより持ち込まれてもよく、あるいは、反応器中にもともと存在してもよい。
【0035】
本発明において、生成物はガスクロマトグラフィー法解析により検出及び確定される。したがって、本明細書に使用される、1,4−ジオキサンが「ほとんど又は全くない」とは、上述したガスクロマトグラフィー法により、1,4−ジオキサンは検出できない量で存在している。
【実施例】
【0036】
以下、具体的な実施例に結び付け、本発明をさらに説明する。これらの実施例は本発明の範囲を制限するためではなく、単に例を挙げて本発明を説明するためであると理解し得るであろう。
【0037】
特に説明がない限り、本発明の実施例における原料及び触媒がいずれも商業ルートから購入されてそのまま使用される。
【0038】
実施例における解析方法は以下の通りである。
原料及び生成物がいずれも50メートルのHP−FFAPキャピラリーカラムが配されているガスクロマトグラフィーAgilent 7890Aにより検出された。
【0039】
本発明の実施例及び比較例において、反応条件が以下の通りである。
反応器としては固定床反応器が用いられ、触媒充填質量が1〜10gであり、反応温度が40〜250℃(ここで、150℃を超える温度を本発明の比較例とする)であり、反応圧力が0.1〜10Mpaであり、原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルを2種の供給手段により反応器に導入する。
【0040】
実施例1
Si/Alが16のH−β分子篩を40Mpaの圧力下で押圧し、20〜40メッシュの粒子に作製し、予備触媒を得た。1gの当該触媒を固定床反応器中に充填し、前処理を行った。触媒の前処理条件は、Nの流速が30ml/minであり、25℃から150minを経て500℃に上昇し、500℃の条件下で180min保持した。
反応原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルを水浴温度が60℃の条件下で、Nにより30ml/minの流速で反応器中に持ち込み、反応圧力が0.5Mpaであった。
原料の転化率及び生成物の選択率の温度に伴う変化は表1に示している。
【0041】
【表1】
【0042】
表1からわかるように、ケイ素とアルミニウムの比が16のH−β分子篩を触媒として用いると、反応温度が40℃から150℃に上昇することにつれて、原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルの転化率が徐々に増大し、反応温度が150℃に達する時、原料の転化率が100%に達することができ、かつ、反応温度が150℃未満であると、生成物中に1,4−ジオキサンの生成が全くない。低い反応温度50〜80℃間であると、原料は主に自己の不均化反応が発生し、エチレングリコールジメチルエーテル及びエチレングリコールを生成し、反応温度が90〜150℃間であると、エチレングリコールは反応原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルと脱水反応することができ、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを生成するか、あるいはエチレングリコールは自己の脱水反応が発生してジエチレングリコールを生成する。反応温度が150℃を超えると、原料が依然として100%転化を保持するが、前述の式IIIから式IXの反応が増加するため、反応生成物がジメチルエーテル、メタノール、エチレングリコール、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルとなり、ここで、ジエチレングリコールモノメチルエーテル及びジエチレングリコールはそれぞれ分子内脱水反応が発生し、1,4−ジオキサンを生成したため、1,4−ジオキサンの選択率が直線的に上昇した。表1からわかるように、ケイ素とアルミニウムの比が16のH−β分子篩を触媒として用いると、本発明の反応温度及び反応圧力下でエチレングリコールジメチルエーテルの選択率が50%であり、エチレングリコールの選択率が0.6%〜50%であり、1,4−ジオキサンの生成が全くない。
【0043】
実施例2
ケイ素とアルミニウムの比が10.6のH−Y分子篩を40Mpaの圧力下で押圧し、20〜40メッシュの粒子に作製し、予備触媒を得た。1gの当該触媒を固定床反応器中に充填し、前処理を行った。前処理の条件は、Nの流速が30ml/minであり、25℃から150minを経て500℃に上昇し、500℃の条件下で180min保持した。
反応原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルを水浴温度が60℃の条件下で、Nにより30ml/minの流速で反応器中に持ち込み、反応圧力が0.5Mpaであった。
原料の転化率及び生成物の選択率の温度に伴う変化は表2に示している。
【0044】
【表2】
【0045】
表2からわかるように、ケイ素とアルミニウムの比が10.6のH−Y分子篩を触媒として用いると、反応温度が150℃未満である場合、原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルの転化率が10%未満であり、主な生成物がエチレングリコールジメチルエーテル及びエチレングリコールであり、これは、低い反応温度が80〜120℃間である場合、原料は主に自己の不均化反応が発生することを説明している。反応温度が120〜150℃であると、エチレングリコールは反応原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルと脱水反応することができ、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを生成するか、あるいは、エチレングリコールは自己の脱水反応が発生してジエチレングリコールを生成するので、生成物中にエチレングリコールモノメチルエーテル及びジエチレングリコールの選択率が増加した。しかしながら、反応温度が170℃であると、原料の転化率が向上し、例えば200℃であると、原料の転化率が80%に達することができるが、生成物中にエチレングリコールジメチルエーテルの選択率が急激に低下し、ジメチルエーテル及び1,4−ジオキサンの選択率が明らかに向上した。反応温度が230℃であると、ジメチルエーテルの選択率が18%であり、1,4−ジオキサンの選択率が65%であった。表2からわかるように、ケイ素とアルミニウムの比が10.6のH−Y分子篩を触媒として用いると、本発明の反応温度及び反応圧力下でエチレングリコールジメチルエーテルの選択率が50%であり、エチレングリコールの選択率が22%〜48%であり、1,4−ジオキサンの生成が全くない。
【0046】
実施例3
異なるケイ素とアルミニウムの比のH−β、H−Y、H−ZSM−5、H−MOR、F−FER分子篩を選択して40Mpaの圧力下で押圧し、20〜40メッシュの粒子に作製し、予備触媒を得た。1gの各触媒を選択して固定床反応器中に充填し、前処理を行った。前処理条件は、Nの流速が30ml/minであり、25℃から150minを経て500℃に上昇し、500℃の条件下で180min保持した。反応原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルを水浴温度が60℃の条件下で、Nにより30ml/minの流速で反応器中に持ち込んだ。空間速度、反応圧力。
原料の転化率及び生成物エチレングリコールジメチルエーテルと1,4−ジオキサンの選択率の温度及び圧力に伴う変化を表3に示している。
【0047】
【表3】
【0048】
表3からわかるように、異なるケイ素とアルミニウムの比を有するH−β、H−Y、H−ZSM−5、H−MOR、F−FER分子篩は本発明の反応温度及び反応圧力下でいずれも触媒活性を有し、かつ、1,4−ジオキサンの生成がない。
【0049】
実施例4
0.5gのパーフルオロスルホン酸樹脂(Nafion(登録商標)−H)を固定床反応器中に充填し、前処理を行った。前処理の条件は、Nの流速が30ml/minであり、25℃から60minを経て150℃に上昇し、150℃の条件下で180min保持した。
反応原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルを水浴温度が60℃の条件下で、Nにより30ml/minの流速で反応器中に持ち込み、反応圧力が0.5Mpaであった。
原料の転化率及び生成物の選択率の温度に伴う変化を表4に示している。
【0050】
【表4】
【0051】
表4からわかるように、パーフルオロスルホン酸樹脂(Nafion(登録商標)−H)を触媒として用い、反応温度が80℃未満であると、原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルの反応性が低い。反応温度が100〜150℃間で徐々に上昇すると、エチレングリコールモノメチルエーテルは主に自己の脱水反応が発生し、ジエチレングリコールジメチルエーテルを生成し、ジエチレングリコールジメチルエーテル及びエチレングリコールモノメチルエーテルはエーテル交換反応が発生し、エチレングリコールジメチルエーテル及びジエチレングリコールモノメチルエーテルを生成するが、依然として1,4−ジオキサンの生成がない。
【0052】
実施例5
異なる質量のベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸固体及びパーフルオロスルホン酸樹脂(Nafion(登録商標)−H)を固定床反応器中に充填し、前処理を行った。前処理の条件は、Nの流速が30ml/minであり、60℃から60minを経て130℃に上昇し、150℃の条件下で180min保持した。
反応原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルを水浴温度が60℃の条件下で、Nにより30ml/minの流速で反応器中に持ち込んだ。
原料の転化率及び生成物の選択率の、反応温度及び反応圧力に伴う変化を表5に示している。
【0053】
【表5】
【0054】
表5からわかるように、パーフルオロスルホン酸樹脂、ベンゼンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸を触媒として用いる場合、本発明の反応温度及び反応圧力下でエチレングリコールジメチルエーテルの選択率が16%〜46%であり、エチレングリコールの選択率が2.5%程度であり、1,4−ジオキサンの生成が全くない。
【0055】
実施例6
トポロジ構造がH−BEA、ケイ素とアルミニウムの比が16のH−β分子篩を選択して40Mpaの圧力下で押圧し、20〜40メッシュの粒子に作製し、予備触媒を得た。3gの各触媒を固定床反応器中に充填し、前処理を行った。前処理の条件は、Nの流速が30ml/minであり、25℃から150minを経て500℃に上昇し、500℃の条件下で180min保持した。
反応原料であるエチレングリコールジメチルエーテルを微量定流ポンプにより反応器にポンピングし、流速が0.03ml/minであり、空間速度が0.6h−1であり、反応圧力が0.1Mpaであった。
原料の転化率及び生成物の選択率の温度に伴う変化を表6に示している。
【0056】
【表6】
【0057】
表6からわかるように、反応温度が110℃〜150℃であると、生成物中に1,4−ジオキサンの生成が全くない。かつ、反応温度の上昇に伴い、原料の転化率が明らかに向上し、反応温度が150℃であると、原料の転化率が49%に達することができ、生成物中にエチレングリコールジメチルエーテルの選択率が52%であった。温度が180℃に上昇すると、原料の転化率がさらに増大したものの、生成物中に1,4−ジオキサンの選択率も明らかに増大した。
【0058】
実施例7
実施例6と同様な触媒、同様な前処理条件、同様な供給手段を選択し、原料であるエチレングリコールモノメチルエーテルと水との体積比が1:0.01、1:0.1、1:1、1:4及び1:10であり(すなわち、水の体積濃度がそれぞれ0.99%、9.09%、50.00%、80.00%及び90.91%である)、供給空間速度が3.0h−1であった。
原料の転化率及び生成物の選択率の温度に伴う変化を表7に示している。
【0059】
【表7】
【0060】
表7からわかるように、反応温度が110℃であり、原料中に水の添加により生成物中のジエチレングリコール及びジエチレングリコールジメチルエーテルの選択率を明らかに低下させた。
【0061】
以上は、本発明の幾つかの実施例に過ぎず、本発明をいかなる形式で制限するものではなく、本発明を好適な実施例で以上のように披露しているが、本発明を制限するためではなく、当業者であれば、本発明の技術案を逸脱しない範囲内で、上記披露している技術内容を用いて行った幾つかの変更及び修飾がいずれも等価実施例に同等し、いずれも技術案の範囲内に属している。
【国際調査報告】