(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-528898(P2018-528898A)
(43)【公表日】2018年10月4日
(54)【発明の名称】自動車用の光学検出システムおよび光学検出システムのレンズを清掃する方法
(51)【国際特許分類】
B60S 1/60 20060101AFI20180907BHJP
【FI】
B60S1/60 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-513672(P2018-513672)
(86)(22)【出願日】2016年8月2日
(85)【翻訳文提出日】2018年5月8日
(86)【国際出願番号】EP2016068364
(87)【国際公開番号】WO2017045832
(87)【国際公開日】20170323
(31)【優先権主張番号】1558566
(32)【優先日】2015年9月14日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック、ジロー
(72)【発明者】
【氏名】ジュゼッペ、グラッソ
(72)【発明者】
【氏名】マルセル、トレブー
【テーマコード(参考)】
3D025
【Fターム(参考)】
3D025AA04
3D025AB01
3D025AC03
3D025AC07
3D025AD11
3D025AF24
(57)【要約】
本発明は、自動車の光学検出システム(1)であって、光学センサモジュール(3)と、洗浄液の少なくとも1つの主リザーバ(21)および前記主リザーバ(21)に接続された少なくとも1つの液体スプレーノズル(35)を備える、光学センサモジュール(3)を清掃するための清掃システム(5)とを備える光学検出システム(1)に関し、光学検出システム(1)は、第1のリザーバ(21)と並列に配置されかつ前記少なくとも1つのスプレーノズル(35)に流体的に接続されたリンス液の追加リザーバ(37)を備えることを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用の光学検出システム(1)であって、
光学センサモジュール(3)と、
洗浄液の少なくとも1つの主リザーバ(21)と前記主リザーバ(21)に接続された液体の少なくとも1つのスプレーノズル(35)とを含む、前記光学センサモジュール(3)を清掃するためのシステム(5)と、を備え、
前記光学検出システム(1)は、前記主リザーバ(21)と並列に配置されるとともに前記少なくとも1つのスプレーノズル(35)に流体的に接続されたリンス液の追加リザーバ(37)を備えることを特徴とする、光学検出システム(1)。
【請求項2】
前記リンス液が表面活性剤または界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の光学検出システム。
【請求項3】
空気圧縮機(43)をさらに備え、前記空気圧縮機(43)の出口もまた、導管(45)を介して前記少なくとも1つのスプレーノズル(35)に接続されることを特徴とする、請求項1または2に記載の光学検出システム。
【請求項4】
前記リンス液を加熱するための少なくとも1つの手段(51)を備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の光学検出システム。
【請求項5】
前記加熱手段(51)が前記リンス液の前記追加リザーバ(37)内に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の光学検出システム。
【請求項6】
中間リザーバ(53)を備え、前記中間リザーバ(53)の入口が前記追加リザーバ(37)の出口に接続され、前記中間リザーバ(53)の出口が前記少なくとも1つのスプレーノズル(35)に接続され、前記中間リザーバ(53)が前記追加リザーバ(37)よりサイズが小さく、前記加熱手段(51)が前記追加リザーバ内に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の光学検出システム。
【請求項7】
前記加熱手段(51)が浸漬ヒータを備えることを特徴とする、請求項4から6のいずれか一項に記載の光学検出システム。
【請求項8】
前記加熱手段(51)が、前記追加リザーバ(37)を前記少なくとも1つのスプレーノズル(35)に接続する流体導管(39)内に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の光学検出システム。
【請求項9】
前記追加リザーバ(37)を前記少なくとも1つのスプレーノズル(35)に接続する前記流体導管(39)がエラストマー材料で具現化され、前記流体導管(39)の前記エラストマー材料の少なくとも長手方向部分に組み込まれかつ前記流体導管(39)内で循環する前記液体を加熱するための前記手段(51)を形成する少なくとも1つの抵抗線を備えることを特徴とする、請求項8に記載の光学検出システム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の光学検出システムのレンズを清掃する方法において、
前記光学センサモジュール(3)の前記レンズ上に洗浄液を噴霧するステップと、
前記光学センサモジュール(3)の前記レンズ上にリンス液を噴霧するステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の光学検出システム(optical detection system)および光学検出システムのレンズを清掃する方法に関する。人間の目に見えるまたは見えないスペクトルの光、特に赤外光の放射および/または検出をベースとする、カメラなどの光学センサ(optical sensors)、レーザセンサ(通称LIDARセンサ)またはその他のセンサを含むシステムは、光学検出システムと呼ばれる。
【背景技術】
【0002】
現今では、視覚カメラ、特にリヤビューカメラ(rear view cameras)は、多くの現行自動車が装備しており、特に、あるスペースに方向転換せずにより容易に駐車するとともに自動車の後ろに位置する物体を検出することを可能にする駐車支援システム(park assist system)の一部である。
【0003】
客室内側にリヤウインド/窓ガラスに対して設置され、自動車のリヤウインドから後ろを指し示しているカメラが知られている。これらのカメラは、外部の気候の影響から十分に保護され、例えば、リヤウインドを除氷および清掃するためのシステムから、例えば、リヤウインドのガラスに組み込まれた電熱線から恩恵を受けることができる。
【0004】
しかしながら、観察角度は、特に駐車支援システムにとって最適ではなく、このような理由から、カメラは自動車のリヤバンパまたはリヤナンバープレートに配置されることが好ましい。
【0005】
この場合、したがって、カメラは、カメラのレンズ上に付着し、それによってカメラの効率を低下させ、さらにカメラを動作不能にする可能性もある汚れの突出部に高度にさらされる。
【0006】
特に雨天では、光学検出システムの操作性に大きな影響を及ぼし得る雨および汚れの突出部が見られる。
【0007】
カメラ上の汚れの付着物に対処するために、カメラのレンズを清掃するための装置を配置することが知られており、一般に、経時的に付着した汚染要素を取り除くために、レンズの近くに清浄液の噴霧器を配置することが知られている。
【0008】
同様に、寒い天候では、カメラのレンズ上に氷が付着して、カメラを動作不能にする可能性がある。
【0009】
既知の先行技術が、例えば仏国特許出願公開第2841488号明細書によって開示されており、噴霧器が、例えば、カメラを保護するための窓ガラス(pane)上に加圧洗浄液を噴霧する。噴霧器は、カメラを保護するための窓ガラスから頑固な汚れを除去するのを可能にする振動手段によってさらに支援され、窓ガラスは、寒い天候での氷の付着物からカメラを保護するために加熱することができる。
【0010】
しかしながら、この視覚システムの機能は最適化できることが見出されている。事実上、洗浄液がカメラレンズ上に噴霧された後、しずくが保護窓ガラスにくっついたままでいる可能性があり、このことは、カメラによって撮影された画像を損ないかつ変形させる。洗浄液のしずくの存在は、洗浄液がカメラレンズの表面の上を容易には滑動しないことに起因する。さらに、保護窓ガラス上のしずくが蒸発すると跡が残り、この跡はカメラによって撮影された画像上に見られる。
【0011】
使用されるカメラがますます小型になれば、くっついたしずくのサイズは、保護窓ガラスの表面に比べて顕著になり、カメラによって取り込まれる画像を著しく損なう可能性がある。
【0012】
この問題を解決するために、独国特許出願公開第10332939号明細書は、例えば、最後にくっついた水滴を追い払うためにレンズに高圧エアジェットを吹き付けることを提案している。
【0013】
しかしながら、この解決法は、複雑で高価な専用空気ろ過システムを有する追加の高圧空気圧縮機を必要とする。さらに、この種の圧縮機は、自動車内の乗客によって迷惑と感じられる可能性がある騒音を発生させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2841488号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10332939号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、多様な汚損にさらされるカメラの清掃を改善することを一般的な方法で可能にする別の光学検出システムを提案することにより、上述した欠点のうちの1つまたは複数を是正することを少なくとも部分的に提案する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
その趣旨で、本発明の目的は、自動車用の光学検出システムであって、
光学センサモジュールと、
洗浄液の少なくとも1つの主リザーバと前記主リザーバに接続された液体の少なくとも1つのスプレーノズルとを含む、光学センサモジュールを清掃するためのシステムと、を備え、
光学検出システムは、主リザーバと並列に配置されるとともに前記少なくとも1つのスプレーノズルに流体的に接続されたリンス液の追加リザーバを備えることを特徴としている。
【0017】
リンス液のおかげで、光学検出システムのレンズのより効率的な清浄作用が得られ、洗浄液はすべて効率的に蒸発することができる。
【0018】
リンス液が追加加熱される場合、蒸発を加速させることができ、光学検出システムは洗浄後により迅速に動作することができる。さらに、リンス液の温度上昇が、リンス液の物理的性質を変化させ、リンス液の流動性、したがってリンス液の能力を高める。
【0019】
本発明による光学検出システムは、単独で取り上げられるまたは組み合わされる下記の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0020】
光学センサモジュールは、ハウジングと、ハウジングに収容された光学センサと、光学センサの前に配置されハウジングの少なくとも一部を形成するレンズとを含むことができる。
【0021】
リンス液は例えば表面活性剤または界面活性剤を含む。
【0022】
一態様によれば、光学検出システムは空気圧縮機をさらに備え、空気圧縮機の出口もまた、導管を介して前記少なくとも1つのスプレーノズルに接続される。
【0023】
別の態様によれば、光学検出システムは、リンス液を加熱するための少なくとも1つの手段を備える。
【0024】
加熱手段はリンス液の前記追加リザーバ内に配置することができる。
【0025】
一変形形態によれば、光学検出システムは中間リザーバを備え、中間リザーバの入口は前記追加リザーバの出口に接続され、中間リザーバの出口は前記少なくとも1つのスプレーノズルに接続され、中間リザーバは追加リザーバよりサイズが小さく、加熱手段は前記追加リザーバ内に配置される。
【0026】
加熱手段は例えば浸漬ヒータを備える。
【0027】
加熱手段は、追加リザーバを前記少なくとも1つのスプレーノズルに接続する流体導管内に配置することができる。
【0028】
追加リザーバを前記少なくとも1つのスプレーノズルに接続する流体導管は、例えばエラストマー材料で具現化され、流体導管のエラストマー材料の少なくとも長手方向部分に組み込まれかつ流体導管内で循環する液体を加熱するための手段を形成する少なくとも1つの抵抗線を備える。
【0029】
本発明は、上述したような光学検出システムのレンズを清掃する方法にも関し、この方法は、
光学センサモジュールのレンズ上に洗浄液を噴霧するステップと、
光学センサモジュールのレンズ上にリンス液を噴霧するステップと、
を含むことを特徴としている。
【0030】
他の利点および特徴は、本発明の説明ならびに添付図面の説明を読んだときに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】第1の実施形態による光学検出システムの簡略図である。
【
図2】
図1のカメラモジュールの一例の簡略図である。
【
図3】第2の実施形態による光学検出システムの簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
これらの図において、同一要素は同じ参照番号を有する。
【0033】
下記の諸実施形態は例である。本明細書は1つまたは複数の実施形態を参照することがあるが、これは、必ずしも、それぞれの参照が同じ実施形態に関連していること、または、特徴が1つの実施形態にのみ適用されることを意味するものではない。異なる実施形態の単一特徴が、他の実施形態を提供するために組み合わされることもある。
【0034】
本明細書では、「上流側(upstream)」および「下流側(downstream)」という用語は、流体導管内の流体の流れの方向に関して用いられる。したがって、第1の要素は、流体が最初に第1の要素を通過し、次いで第2の要素を通過する場合は、第2の要素の上流側に配置される。
【0035】
図1は、自動車用の本発明による光学検出システム1の第1の実施形態を示す。
【0036】
光学検出システム1は、例えば、自動車の後部に、例えばバンパまたはナンバープレート(図示せず)に組み付けられるためのものである。光学検出システム1は、例えば、自動車の両側に、例えばサイドバックミラーの代わりに組み付けることもできる。
【0037】
光学検出システム1は、光学センサモジュール3、特にカメラと光学センサモジュール3のレンズを清掃するためのシステム5とを備える。
【0038】
図2に見られるように、光学センサモジュール3、例えばカメラモジュールは、ハウジング7と、ハウジング7に収容された、特に写真を撮るための光学センサ9と、センサ9の前に配置されかつハウジング7の壁の少なくとも一部を形成するレンズ11、特に保護窓ガラス12とを備える。
【0039】
ハウジング7は、光学センサ9を気密密閉された態様で取り囲む。光学センサモジュール3の構造をより良く例示するために、保護窓ガラス12および側壁13だけが示されている。ハウジング7の底壁は、光学センサ9付きモジュール3の内部をより良く例示できるようにするために示されていない。
【0040】
保護窓ガラス11は、ガラスまたは水晶ポリカーボネートで製作することができる。
【0041】
光学センサ9は、例えば、CCDセンサ(電荷結合デバイス、すなわち電荷を転送するためのデバイス)またはマトリックス状ミニチュアフォトダイオードからなるCMOSセンサである。別の変形形態によれば、光学センサ9はLIDARセンサとすることができる。
【0042】
レンズ11はさらに、例えば、魚眼レンズなどの(湾曲した)凸レンズ15を含む。
【0043】
レンズ11は一般に、例えば保護窓ガラス12やレンズ15などの任意の光学要素を備え、光学要素はセンサ9の前に配置される。特定の条件では、保護窓ガラスがなく、この機能は、レンズ15がハウジング7に密閉された態様で固定されることによって提供される。
【0044】
光学センサ9は、前記保護窓ガラス12を通して向けられるようにモジュール3内に設置される。
【0045】
図1に見られるように、清掃システム5は、洗浄液の少なくとも1つの主リザーバ21を備える。洗浄液は、例えば、溶媒、表面活性剤、着色剤および/または芳香剤の混合物を意味する。
【0046】
主リザーバ21は、洗浄液を出口の方へ圧送するために洗浄ポンプ23も有し、出口は、逆止弁29が配置されている導管27、例えばゴム管に接続される。
【0047】
主リザーバ21は、自動車のフロントガラスおよびリヤウインドを清掃する働きもする洗浄液のリザーバであることが好ましい。この場合、洗浄液をフロントガラスかリヤウインドの方へまたは光学センサモジュール3の方へ案内することを可能にする制御電磁弁(図示せず)の使用が想定される。
【0048】
導管27は三叉コネクタ(three-way connector)31の入口に接続され、三叉コネクタ31の出口は、光学センサモジュール3に、より正確には少なくとも1つのスプレーノズル35、この場合は5つのスプレーノズル35を備えるレール36に接続される接続導管33に接続される。
【0049】
清掃システム5は、リンス液の追加リザーバ37をさらに備える。リンス液は、ガラス表面上での水の密着強さを低下させる表面活性剤または界面活性剤を含む。リンス液により、水滴は跡を残さずに蒸発することができる。
【0050】
追加リザーバ37は、主リザーバ21と並列に配置され、逆止弁41が配置されている導管39を介して三叉コネクタ31の入口に接続され、したがってスプレーノズル35にも接続される。追加リザーバ37は、スプレーノズル35からリンス水を噴霧するためのポンプ42も有する。
【0051】
したがって、洗浄液を噴霧した後でリンス液を噴霧することにより、洗浄液の残留物、跡およびしずくが取り除かれる。リンス液を噴霧すると、保護窓ガラス11の清浄表面を確保するとともに、光学センサモジュール3を迅速に動作可能にすることが可能になる。
【0052】
図1に見られるように、任意の方法で、清掃システム5は空気圧縮機43をさらに備えることができ、空気圧縮機43の出口は、逆止弁47が配置されている導管45を介して三叉コネクタ31の入口にも接続され、したがってスプレーノズル35にも接続される。この場合、圧縮機43は、サイズを小さくすることができ、サイズを非常に小さくすることもでき、このことは、圧縮機43のコストならびに圧縮機43が生成し得る騒音を制限する。事実上、圧縮機43の機能は、むしろ、リンス液の蒸発を加速させるために窓ガラスに空気を吹き付けることであり、保護窓ガラス12上のしずくを追い払うことではない。
【0053】
別の任意の変形形態によれば、光学検出システム1にリンス液を加熱するための少なくとも1つの手段51を装備することも想定される。
【0054】
図1の実施形態によれば、加熱手段51は、例えば、流体導管39内にまたは流体導管39の少なくとも一部分の中に配置される。
【0055】
この場合、流体導管39は、例えば、
図1に図式的に示されているように、エラストマー材料で具現化され、流体導管39のエラストマー材料の少なくとも長手方向部分に組み込まれかつリンス液を加熱するための手段51を形成する少なくとも1つの抵抗線を備える。
【0056】
リンス液を加熱すると、リンス液の化学的性質、特にリンス液のガラスの上を滑動する能力を最適化すること、および、リンス液の蒸発を支援することが可能になる。
【0057】
図示されていない一実施形態によれば、追加リザーバ37内に浸漬ヒータを加熱手段として直接配置することにより、リンス液を加熱することを想定することも可能である。
【0058】
図3は、
図1の実施形態とは加熱手段51が異なる別の実施形態を示す。
【0059】
事実上、この実施形態では中間リザーバ53が想定され、中間リザーバ53の入口は前記追加リザーバ37の出口に接続され、中間リザーバ53の出口は三叉コネクタ31に、したがってスプレーノズル35に接続される。中間リザーバ53は、追加リザーバ37よりサイズを小さくして加熱すべき液体の量がさらに制限されるようにし、加熱手段51、例えば浸漬ヒータまたはセラミックヒータが前記中間リザーバ53内に配置される。これにより、電気エネルギーの消費を削減することが可能になる。
【0060】
光学検出システム1は以下のプロセスに従って洗浄される。第1のステップによれば、光学センサモジュール3のレンズ上に洗浄液を噴霧して保護窓ガラス12から汚れをすべて除去する。次いで、第2のステップによれば、保護窓ガラス12上にリンス液を噴霧して洗浄液の残存しずくを取り除く。上記プロセスの作用を最適化するために、リンス液は、例えば60℃〜80℃の温度に加熱することができる。
【0061】
任意の方法で、第3のステップによれば、保護窓ガラス12全体に空気を吹き付けてリンス液の蒸発を加速させることが可能である。
【国際調査報告】