特表2018-528984(P2018-528984A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-528984溶媒及び新規な溶媒としてのスルホキシド又はスルホン酸官能基及びアミド官能基を含む化合物の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-528984(P2018-528984A)
(43)【公表日】2018年10月4日
(54)【発明の名称】溶媒及び新規な溶媒としてのスルホキシド又はスルホン酸官能基及びアミド官能基を含む化合物の使用
(51)【国際特許分類】
   C07C 317/44 20060101AFI20180907BHJP
   H01M 2/16 20060101ALI20180907BHJP
   H01M 4/04 20060101ALI20180907BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20180907BHJP
   C09D 7/20 20180101ALI20180907BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20180907BHJP
   C09D 17/00 20060101ALI20180907BHJP
   C09D 11/00 20140101ALI20180907BHJP
   C07D 207/26 20060101ALI20180907BHJP
   C07D 207/27 20060101ALI20180907BHJP
【FI】
   C07C317/44CSP
   H01M2/16 P
   H01M2/16 L
   H01M4/04 Z
   H01M4/62 Z
   C09D7/20
   C09D201/00
   C09D17/00
   C09D11/00
   C07D207/26
   C07D207/27 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-532827(P2018-532827)
(86)(22)【出願日】2016年9月15日
(85)【翻訳文提出日】2018年5月10日
(86)【国際出願番号】FR2016000137
(87)【国際公開番号】WO2017046459
(87)【国際公開日】20170323
(31)【優先権主張番号】1558601
(32)【優先日】2015年9月15日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG
(71)【出願人】
【識別番号】505005522
【氏名又は名称】アルケマ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,ポール・ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】ラフィット,ジャン−アレックス
【テーマコード(参考)】
4C069
4H006
4J037
4J038
4J039
5H021
5H050
【Fターム(参考)】
4C069AB12
4C069AB15
4C069BB02
4C069BB28
4C069BC12
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB80
4H006TA03
4H006TB02
4H006TB54
4H006TB56
4J037AA00
4J037CB01
4J037CB04
4J037CB07
4J037CB08
4J037CB10
4J037CB16
4J037CB17
4J037CB19
4J037CB21
4J037CC14
4J037CC21
4J037CC26
4J037DD23
4J037FF28
4J038CD111
4J038CD121
4J038DG001
4J038DJ021
4J038DJ041
4J038DJ051
4J038DK011
4J038GA09
4J038JA03
4J038JA17
4J038JA25
4J038JA32
4J038JA55
4J038JB01
4J038JB12
4J038JB26
4J038JB27
4J038JC11
4J038JC12
4J038KA06
4J038NA27
4J038PC02
4J038PC03
4J038PC08
4J039AD05
4J039AE04
4J039AE09
4J039AE10
4J039BC03
4J039BC07
4J039BC12
4J039BC16
4J039BC20
4J039BC33
4J039BC35
4J039BC50
4J039BC54
4J039BE12
5H021BB12
5H021CC04
5H021EE03
5H021EE04
5H021EE07
5H021EE08
5H021EE10
5H021EE15
5H021EE18
5H021HH01
5H050AA17
5H050BA01
5H050BA08
5H050DA11
5H050DA14
5H050DA18
5H050DA19
5H050EA23
5H050EA24
5H050EA26
5H050EA28
5H050GA10
5H050HA01
5H050HA02
(57)【要約】
本発明は、溶媒としての、少なくとも1つのスルホキシド及び/又はスルホン官能基、及び少なくとも1つのアミド官能基を含む化合物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒としての、
− 少なくとも1つのスルホキシド官能基及び/又は1つのスルホン官能基、並びに
− 少なくとも1つのアミド官能基
を含む化合物の使用。
【請求項2】
化学物質を溶解するための、
− 少なくとも1つのスルホキシド官能基及び/又は1つのスルホン官能基、並びに
− 少なくとも1つのアミド官能基
を含む化合物の使用。
【請求項3】
化合物が式(I)に対応する、請求項1又は2に記載の使用。
【化1】
[式中、
− xは1又は2に等しく;
− R及びRは、互いに独立して、水素原子又は1〜6個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
− nは1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜2の範囲であり;
− Aは、以下の基の1つを表す:
【化2】
[式中、
− R及びRは、互いに独立して、水素原子又は1〜20個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
− yは1〜10、好ましくは2〜4の範囲であり、好ましくは3に等しい。]]
【請求項4】
及びRが、それぞれ水素原子を表す、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
が水素原子を表し、Rが1〜20個の炭素原子を含むアルキル基を表す、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
及びRが、それぞれ1〜20個の炭素原子を含むアルキル基を表し、好ましくはメチル基及びエチル基から選択され、より好ましくはR及びRが、それぞれメチル基を表す、請求項3または4に記載の使用。
【請求項7】
化合物が、以下の式の化合物から選択される、請求項3に記載の使用。
CH−S(=O)−CH−C(=O)−N(CH)(CH
CH−S(=O)−(CH−C(=O)−N(CH)(CH
CH−S(=O)−CH−C(=O)−N(CH)(CH
CH−S(=O)−(CH−C(=O)−N(CH)(CH
【化3】
[式中、x=1及びn=2]
【請求項8】
− 以下を含む化合物a)と、
− 少なくとも1つのスルホキシド官能基及び/又は1つのスルホン官能基、並びに
− 少なくとも1つのアミド官能基、
− 化合物a)に溶解した少なくとも1つの化学物質b)と
を含む組成物。
【請求項9】
化合物a)が、組成物中に少なくとも45重量%、好ましくは45重量%〜99.9重量%、より好ましくは50重量%〜99重量%で存在し、限界値が含まれる、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
化学物質が、ポリマー又は医薬品若しくは植物保護分野で活性な化学物質から選択され、好ましくは、化学物質はポリマーである、請求項8及び9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
ポリマーが、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリウレタン(PU)、ポリイミド(PI)、ポリエステル−イミド(PEI)及びポリアミド−イミド(PAI)並びにスルホン化ポリマー、例えば、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSU)及びポリフェニルスルホン(PPSU)からなる群から選択され、好ましくはポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリウレタン(PU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSU)及びポリフェニルスルホン(PPSU)からなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
植物保護組成物、医薬組成物、ストリッピング組成物、脱脂組成物、洗浄組成物、潤滑組成物、コーティング組成物又は顔料組成物として使用される、請求項8から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
フィルム、支持体上のコーティング、中空繊維、人工皮革、ポリマー繊維、膜、電池用セパレータ又は電極、電子回路又は電気ケーブルの保護のためのシースの製造のための、請求項8から12のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項14】
以下の式の化合物。
【化4】
[式中、
− xは1又は2に等しく;
− R及びRは、互いに独立して、水素原子又は1〜6個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
− Aは、以下の基A1、A2、A3の1つを表す:
【化5】
[A=A1の場合、
x=1なら、nは2〜10の範囲であり;
x=2なら、nは3〜10の範囲であり;
及びRは、互いに独立して、水素原子又は1〜20個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
A=A2又はA3の場合、nは1又は2に等しい。]]
【請求項15】
及びRが、メチル基及びエチル基からなる群から選択され、好ましくはR及びRがそれぞれメチル基を表す、請求項14に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、特に、ポリマーを溶解するために、又は医薬的又は植物保護特性を示す活性物質を溶解するために使用される溶媒の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
技術的背景
ポリマー溶液は、ポリマーを、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)又はジメチルホルムアミド(DMF)等の1つ以上の有機溶媒に溶解することによって得ることができる。
【0003】
例えば、蒸発による又は第3の溶媒を用いた抽出による又は当業者に既知の任意の他の方法による溶媒の除去後、ポリマーフィルム又は中空ポリマー繊維を得ることができる。このようなフィルム又は繊維は、布地、特に人工皮革のコーティング;電池のセパレータ又は電極;水の処理又は透析のための膜;被覆材料による電気ケーブルの保護及び電子回路のような多数の用途を有する。
【0004】
それにもかかわらず、上記の溶媒は、突然変異原性及び生殖毒性(「CMR」化合物)とみなされる。したがって、それらの使用は、ユーザの健康に危険をもたらす。その結果、それらに取って代わることのできる新しい溶媒が検討されてきた。
【0005】
文献US8735324号は、プラスチックを溶解するためのエステルアミドの使用を提供する。
【0006】
文献WO2013/155659号及びWO2014/001100号は、フルオロポリマーを溶解するためにエステルアミドとジメチルスルホキシド(DMSO)との混合物を含む溶媒の使用を提供する。
【0007】
文献WO2014/096071号は、スルホン化ポリマーを溶解するために、一般にDMSOとの混合物としてのエステルアミドの使用を提供する。
【0008】
引用された最後の3つの文献では、エステルアミドは一般にDMSOとの混合物として使用される。実は、2つの共溶媒の使用により、溶解処理の実施は工業規模で複雑になる。2つの共溶媒のリサイクルの管理を必要とするため、リサイクル処理も複雑である。さらに、温度及び圧力条件並びに溶解すべきポリマーの種類によって、2つの共溶媒の相分離の現象、即ち、それぞれ2つの共溶媒の1つからなる2つの相への分離が観察されることがある。
【0009】
文献WO2013/107822号は、N−ブチルピロリドン、N−イソブチルピロリドン、N−(t−ブチル)ピロリドン、N−(n−ペンチル)ピロリドン、N−((メチル置換)ブチル)ピロリドン、N−プロピル又はN−ブチルピロリドン(その環はメチル置換されている)、又はN−(メトキシプロピル)ピロリドンから選択される溶媒(任意選択的にこれらの溶媒をDMSOと混合することが可能である)による、NMP、DMF又はDMACのような毒性溶媒の部分的又は完全な置換を提供する。
【0010】
したがって、アミド官能基を有する分子とDMSOの混合物をただ1つの溶媒で置換する研究が進行中である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第8735324号明細書
【特許文献2】国際公開第2013/155659号
【特許文献3】国際公開第2014/001100号
【特許文献4】国際公開第2014/096071号
【特許文献5】国際公開第2013/107822号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的のために、本発明は、溶媒としての、
− スルホキシド−S(=O)−官能基及び/又はスルホン−S(=O)−官能基及び
− アミド官能基
を含む化合物の使用を提供する。
【0013】
好ましい実施形態によれば、組成物は、
− 以下を含む化合物a)と、
− 少なくとも1つのスルホキシド官能基及び/又は1つのスルホン官能基、並びに
− 少なくとも1つのアミド官能基、
− 化合物a)に溶解した少なくとも1つの化学物質b)と
を含み、化合物a)は式(I)に対応する。
【0014】
【化1】
[式中、
− xは1又は2に等しく;
− R及びRは、互いに独立して、水素原子又は1〜6個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
− nは1〜10の範囲であり;
− Aは、以下の基の1つを表す:
【0015】
【化2】
[式中、
− x=1である場合、R及びRは、互いに独立して、水素原子又は1〜20個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
− x=2の場合、R及びRは、互いに独立して、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基を表し;及び
− yは1〜10の範囲である。]]
【0016】
「溶媒」という用語は、本特許出願においてその通常の意味で使用され、即ち、それは、別の物質(溶質)を、それを化学的に改変することなく、またそれ自身が改変されることなく溶解することができる物質を表すことを意味する。溶質がポリマーである場合、得られる混合物が均質である場合には、溶媒中のポリマーの溶液という用語が使用される。
【0017】
「ポリマー」という用語は、本発明の意味において、共有結合を介して接続された少なくとも2つの同一の単位(モノマー)を示す任意の分子を意味する。
【0018】
この化合物は、同じ分子内で、スルホキシド及び/又はスルホン官能基とアミド官能基とを組み合わせる顕著な特徴を示す。
【0019】
一実施形態によれば、この化合物は式(I)に対応する。
【0020】
【化3】
[式中、
− xは1又は2に等しく;
− R及びRは、互いに独立して、水素原子又は1〜6個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
− nは1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜2の範囲であり;
− Aは、以下の基の1つを表す:
【0021】
【化4】
[式中、
− R及びRは、互いに独立して、水素原子又は1〜20個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
− yは1〜10、好ましくは2〜4の範囲であり、好ましくは3に等しい。]]
【0022】
一実施形態によれば、R及びRはそれぞれ水素原子を表す。
【0023】
一実施形態によれば、Rは水素原子を表し、Rは1〜20個の炭素原子を含むアルキル基を表す。
【0024】
一実施形態によれば、R及びRは、それぞれ1〜20個の炭素原子を含むアルキル基を表し、好ましくはメチル基及びエチル基から選択される。
【0025】
一実施形態によれば、R及びRはそれぞれメチル基を表す。
【0026】
好ましい化合物は、以下の式を有する。
CH−S(=O)−CH−C(=O)−N(CH)(CH
CH−S(=O)−(CH−C(=O)−N(CH)(CH
CH−S(=O)−CH−C(=O)−N(CH)(CH
CH−S(=O)−(CH−C(=O)−N(CH)(CH
【0027】
【化5】
ここで、x=1及びn=2
【0028】
一実施形態によれば、組成物は、
− 以下を含む化合物a)と、
− 少なくとも1つのスルホキシド官能基及び/又は1つのスルホン官能基、並びに
− 少なくとも1つのアミド官能基、
− 化合物a)に溶解した少なくとも1つの化学物質b)とを含む。
【0029】
好ましい実施形態によれば、組成物は、
− 以下を含む化合物a)、
− 少なくとも1つのスルホキシド官能基及び/又は1つのスルホン官能基、並びに
− 少なくとも1つのアミド官能基、
− 化合物a)に溶解した少なくとも1つの化学物質b)と
を含み、化合物a)は式(I)に対応する。
【0030】
【化6】
[式中、
− xは1又は2に等しく;
− R及びRは、互いに独立して、水素原子又は1〜6個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
− nは1〜10の範囲であり;
− Aは、以下の基の1つを表す:
【0031】
【化7】
[式中、
− x=1である場合、R及びRは、互いに独立して、水素原子又は1〜20個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
− x=2の場合、R及びRは、互いに独立して、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基を表し;及び
− yは1〜10の範囲である。]]
【0032】
一実施形態によれば、化合物a)は、組成物中に少なくとも45重量%、好ましくは45重量%〜99.9重量%、より好ましくは50重量%〜99重量%で存在し、限界値が含まれる。
【0033】
本発明による組成物において、化合物a)に溶解した少なくとも1つの化学物質b)は、ポリマーである。このように、本発明による化合物は、ポリマーを溶解するための溶媒としてだけでなく、また医薬品若しくは植物保護分野で活性な化学物質を溶解するための溶媒としても有利に使用される。
【0034】
一実施形態によれば、組成物は、組成物の総重量に対して90重量%未満を表す別の溶媒をさらに含む。
【0035】
一実施形態によれば、他の溶媒は、水、ケトン、アミン、アルコール、エーテル、エステル、スルホン、芳香族化合物若しくはアセタール又はN−ブチルピロリドン、N−イソブチルピロリドン、N−(t−ブチル)ピロリドン、N−(n−ペンチル)ピロリドン、N−((メチル置換)ブチル)ピロリドン、N−プロピル又はN−ブチルピロリドン(その環はメチル置換されている)、若しくはN−(メトキシプロピル)ピロリドン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DPGDME)、ポリグリム、エチルジグリム、1,3−ジオキソラン若しくはメチル5−(ジメチルアミノ)−2−メチル−5−オキソペンタノエートから選択される。
【0036】
一実施形態によれば、組成物は、ジメチルスルホキシド(DMSO)をさらに含む。
【0037】
一実施形態によれば、ポリマーは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリウレタン(PU)、ポリイミド(PI)、ポリエステル−イミド(PEI)及びポリアミド−イミド(PAI)並びにスルホン化ポリマー、例えば、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSU)及びポリフェニルスルホン(PPSU)からなる群から選択され、好ましくはポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリウレタン(PU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSU)及びポリフェニルスルホン(PPSU)からなる群から選択される。
【0038】
一実施形態によれば、組成物は、植物保護組成物、医薬組成物、ストリッピング組成物、脱脂組成物、洗浄組成物、潤滑組成物、コーティング組成物又は顔料組成物として使用される。
【0039】
本発明の別の主題は、フィルム、支持体上のコーティング、中空繊維、人工皮革、ポリマー繊維、膜、電池用セパレータ又は電極、電子回路又は電気ケーブルの保護のためのシースの製造のための前記組成物の使用である。
【0040】
本発明の別の主題は、以下の式の化合物である。
【0041】
【化8】
[式中、
− xは1又は2に等しく;
− R及びRは、互いに独立して、水素原子又は1〜6個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
− Aは、以下の基A1、A2、A3の1つを表す:
【0042】
【化9】
[A=A1の場合、
x=1なら、nは2〜10の範囲であり;
x=2なら、nは3〜10の範囲であり;
及びRは、互いに独立して、水素原子又は1〜20個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
A=A2又はA3の場合、nは1又は2に等しい。]]
【0043】
本発明の一実施形態では、後者の主題は、好ましくは、以下の式の化合物である。
【0044】
【化10】
[式中、
− xは1又は2に等しく;
− R及びRは、互いに独立して、水素原子又は1〜6個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
− Aは、以下の基A1、A2、A3の1つを表す:
【0045】
【化11】
[A=A1の場合、
x=1なら、nは2〜10の範囲であり、R及びRは、それぞれ水素原子を表すか、R及びRの一方のみが水素原子を表し、他方の基は1〜20個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
x=2なら、nは3〜10の範囲であり、R及びRは、メチル基及びエチル基からなる群から選択され;
A=A2又はA3の場合、nは1又は2に等しい。]]
【0046】
さらなる実施形態によれば、
− R及びRはそれぞれ水素原子を表し;
− R及びRは、互いに独立して、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基を表す。
【0047】
一実施形態によれば、R及びRは、メチル基及びエチル基からなる群から選択される。
【0048】
一実施形態によれば、R及びRはそれぞれメチル基を表す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
発明の実施形態の説明
本発明は、以下の説明において、より詳細に、非限定的に記載される。
【0050】
この目的のために、本発明は、化学物質を溶解するための、溶媒としての、
− 少なくとも1つのスルホキシド官能基及び/又は1つのスルホン官能基並びに
− 少なくとも1つのアミド官能基
を含む化合物の使用を提供する。
【0051】
好ましい実施形態では、化合物は以下の式(I)に対応する。
【0052】
【化12】
[式中、
− xは1又は2に等しく;
− R及びRは、互いに独立して、水素原子又は1〜6個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
− nは1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜2の範囲であり;
− Aは、以下の基の1つを表す:
【0053】
【化13】
[式中、
及びRは、互いに独立して、水素原子又は1〜20個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
− yは1〜10、好ましくは2〜4の範囲であり、好ましくは3に等しい。]]
【0054】
値x=1は、分子中にスルホキシド−S(=O)−基が存在することを示す。値x=2は、スルホン−S(=O)−基の存在を示す。
【0055】
一実施形態では、RもRも水素原子ではない。例えば、R及びRは、メチル基及びエチル基からなる群から選択される。この場合、R及びRは、それぞれメチル基であることが好ましい。
【0056】
別の実施形態では、R及びRの一方のみが水素原子を表す。
【0057】
及びRは、好ましくは、それぞれ水素原子を表す。
【0058】
非環式アミド官能基を含む好ましい化合物の例は、
CH−S(=O)−CH−C(=O)−N(CH)(CH
CH−S(=O)−(CH−C(=O)−N(CH)(CH
CH−S(=O)−CH−C(=O)−N(CH)(CH
CH−S(=O)−(CH−C(=O)−N(CH)(CH
である。
【0059】
環状アミド官能基を含む好ましい化合物の例は、
【0060】
【化14】
[式中、n=1又は2及びy=3が好ましい。]
【0061】
【化15】
[式中、n=1又は2及びnは1〜10の範囲である。]
【0062】
環状アミド官能基を含む化合物のうち、好ましい化合物の例は、
【0063】
【化16】
式中x=1及びn=2である。
【0064】
本発明による少なくとも2つの化合物の混合物からなる組成物を調製し使用することが可能である。
【0065】
好ましい実施形態によれば、この組成物は、本発明の化合物以外の、溶媒として作用する化合物を含有しない。
【0066】
本発明は、他の溶媒なしで本発明による化合物を使用することを可能にするが、他の溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)との混合物として使用することも考えられる。
【0067】
上記のように、他の溶媒(共溶媒)を、本発明による溶媒及び任意選択的にDMSOと組み合わせて使用することができる。これらの共溶媒は、以下から選択することができる。
− 水;
−ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ヘキサノン、シクロヘキサノン、エチルアミンケトン、イソホロン、トリメチルシクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン又はジアセトンアルコール;
− アミン、例えば、モノエタノールアミン(MEoA)、ジエタノールアミン(DEoA)、プロパノールアミン(PoA)、ブチルイソプロパノールアミン(BiPoA)、イソプロパノールアミン(iPoA)、2−[2−(3−アミノプロポキシ)エトキシ]エタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)ジエチレントリアミン、(3−メトキシ)プロピルアミン(MoPA)、3−イソプロポキシプロピルアミン(IPOPA)、モノエチルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン(DEAPA)、トリエチルアミン(TEA)又はアセトニトリル;
− アルコール、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、ジアセトンアルコール、ブタノール、メチルイソブチルカルビノール、ヘキシレングリコール又はベンジルアルコール;
− エーテル、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、メチルフラン、メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン又はグリコールジアルキルエーテル;
− エステル、例えば、二塩基性エステル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸プロピレン、炭酸エチルメチル、炭酸グリセロール、2−メチルグルタル酸ジメチル、2−メチルアジピン酸ジメチル、2−メチルコハク酸ジメチル、プロピオン酸n−ブチル、酢酸ベンジル又はエトキシプロピオン酸エチル;
− スルホン、例えば、ジメチルスルホン又はスルホラン;
− 芳香族化合物、例えば、トルエン及びキシレン;
− アセタール、例えば、メチラール、エチラール、ブチラール、ジオキソラン及び2,5,7,10−テトラオキサウンデカン(TOU);
− E型又はP型のグリコールエーテル、例えば、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DPGDME)又はジプロピレングリコールメチルエーテル。
【0068】
他の溶媒の例としては、N−ブチルピロリドン、N−イソブチルピロリドン、N−(t−ブチル)ピロリドン、N−(n−ペンチル)ピロリドン、N−((メチル置換)ブチル)ピロリドン、N−プロピル又はN−ブチルピロリドン(その環はメチル置換されている)、若しくはN−(メトキシプロピル)ピロリドン、ポリグリム、エチルジグリム、1,3−ジオキソラン又はメチル5−(ジメチルアミノ)−2−メチル−5−オキソペンタノエートが挙げられる。
【0069】
DMSOのような他の溶媒の量は、混合物の90重量%までの範囲に及ぶことができる。一般に、本発明による化合物は、他の溶媒に対して優勢である。「優勢」とは、混合物の総重量に対して50重量%超を意味すると理解される。
【0070】
本発明の化合物は、溶液の形態の化学物質及び材料の調製、化学組成物の配合又は表面処理のためのDMF、NMP又はDMAcのような溶媒の代替物として使用することができる。溶解は2つ以上の溶媒の代わりに1つの溶媒のみの使用に関与することから、それは従来技術の方法と比較してより容易に溶解処理を実施することを可能にする。さらに、ただ1つの溶媒がリサイクルされるので、溶媒をリサイクルする処理が単純化される。
【0071】
本発明の化合物は、ポリマー、化学物質、特に医薬品若しくは植物保護分野における活性な化学物質を溶解するために使用することができ、溶解される生成物のこのリストは限定的ではない。
【0072】
植物保護組成物は、畑で施用する前に、農業者によって水に希釈されることを意図した乳化可能な濃縮物の形態で得ることができる。植物保護組成物は、
− 活性化学物質、
− 本発明による化合物、
− 1つ以上の界面活性剤、
− 任意選択的に水
を含むことができる。
【0073】
植物保護組成物は、除草剤、殺虫剤及び殺菌剤を含む。
【0074】
本発明による化合物はまた、医薬組成物の調製に使用することができる。
【0075】
本発明による化合物は、ポリマーを溶解するための溶媒として使用することができ、又は熱可塑性ポリマー組成物中で可塑剤として作用することができる。ポリマーは、好ましくは、溶融状態で処理することができるポリマーであり、即ち、ポリマーには従来の溶融押出又は射出成形技術を用いて、又は流涎によって、フィルム、繊維又はチューブのような異なる形状を与えることができる。ポリマーの重量は、溶媒及びポリマーからなる混合物の重量の5%〜30%を占めることができる。
【0076】
ポリマーは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリウレタン(PU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSU)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリイミド(PI)、ポリエステル−イミド(PEI)及びポリアミド−イミド(PAI)からなる群から選択することができる。好ましい実施形態では、ポリマーは、フルオロポリマー、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
【0077】
いくつかのポリマーのブレンドを溶解することを想定することが可能である。ブレンドの以下の例を挙げることができる。
− スルホン化ポリマーとポリイミド、
− 芳香族スルホン化ポリマー(PSU)とポリアミド−イミド(PAI)、又は
− ポリエーテルスルホン(PES)とポリアミド−イミド。
【0078】
ポリマーを溶解するために、本発明の化合物をポリマーと混合し、混合物を撹拌しながら一般に180℃未満、例えば、100℃未満の温度で加熱し、ただ1つの均質で透明な相を示す溶液を得る。
【0079】
前記化合物は、スルホン化膜の製造方法において溶媒として有利に使用することができる。スルホン化ポリマー溶液は、前記化合物をスルホン化ポリマーと混合することによって調製される。均質で透明な溶液が得られると、溶液は溶媒の蒸発(乾燥処理)によりフィルムに成形される。溶液を平らな支持体上で乾燥させると、得られるフィルムは平らになり得る。それが管の形状を有する支持材料の周囲に堆積される場合、それは管状の形状を有することもできる。別の可能な成形は、ポリマー溶液を紡糸し、続いて第3の溶媒(例えば、水)に浸漬してポリマーを析出させ、ポリマー溶液から第3の溶媒に向かって溶媒を移動させる(凝固:湿式処理)ことにより得られる中空繊維形状である。
【0080】
化合物はまた、電池の電極の製造に有利に使用することができる。これは、PVDF及びPTFE等のフルオロポリマーが従来の電極製造方法で可塑剤として慣習的に使用されているためである。それらの役割は、活物質がその上に堆積する集電体への活物質の密着性を向上させることである。PVDF又はPTFEは、一般に活物質と混合され、混合物は、N−メチルピロリドン等の溶媒の添加によってペーストに変換される。実は、上記で説明したように、N−メチルピロリドンは有毒であるとみなされる。本発明は、N−メチルピロリドンに頼ることを避けることを可能にする。
【0081】
本発明による化合物は、基材用の膜又はコーティングを製造するために有利に使用することもできる。基材は、プラスチック、金属又はガラスからなることができる。コーティングは、平坦な形状(フィルム)又は管状の形状(シース)を有することができる。それは、電気ケーブルを被覆するプラスチックシースであることができる。膜又はコーティングは、基材の1つ以上の表面上に前記ポリマーを含有する溶液を堆積させ、蒸発を促進するために任意選択的に加熱しながら溶媒を蒸発させることによって得られる。
【0082】
前記化合物は、電池のセパレータの表面にコーティングを生成するために使用することができる。このようなセパレータは、一般に、多孔質ポリオレフィンからなるが、PTFE、ポリスチレン又はポリエチレンテレフタレート(PET)からなることもできる。前記ポリマーを含有する溶液はセパレータの片面又は両面に塗布され、次に溶媒を蒸発させる。乾燥後、多孔質ポリマーコーティングがセパレータの表面に得られる。
【0083】
この化合物は、当業者に周知の方法に従って、ポリウレタン系人工皮革を製造するために使用することができる。このような人工皮革は、PUポリマー溶液を塗布した後、溶媒を蒸発させるために乾燥(熱処理:乾式処理)させることでフィルムを製造することにより得ることができる。このような人工皮革は、ポリマー溶液へ支持体を含浸させた後、第3の溶媒(例えば、水)に浸漬してポリマーを析出させ、ポリマー溶液から第3の溶媒に向かって溶媒を移動する(凝固:湿式処理)方法によりフィルムを製造することによっても得ることができる。
【0084】
前記化合物はまた、洗浄、脱脂又はストリッピング組成物中の溶媒として、例えば、塗料を剥がすために使用することができる。それは除去すべき生成物を溶解し、脱脂又は剥離作用を生じる。それは床又は家具の表面等の硬い表面の洗浄溶剤として使用できる。それは製造された製品の脱脂に使用できる。それは布地の表面に使用することができる。
【0085】
前記組成物はまた、潤滑剤組成物中、コーティング組成物中、例えば、塗料組成物中、顔料又はインク組成物中で、又は分散液、懸濁液及びその他の形態で使用することができる。それは、塗料組成物中の合体剤として使用することができる。
【0086】
本発明の化合物は、スルホン及び/又はスルホキシド官能基を含む第1の分子を、アミド官能基を含む第2の分子の反応基と反応させることにより、当業者に知られている方法で合成することができる。
【0087】
溶媒として使用できる化合物の合成の例:
(1) 式CH−S(=O)−(CH)−C(=O)−N(CHの化合物は、アルドリッチから入手可能なCHS−CH−C(=O)O−CH(CAS番号16630−66−3)から得ることができる。第1段階では、硫黄を酸化してスルホキシド官能基を形成するために、CHS−CH−C(=O)O−CHを過酸化水素(H)と反応させる。化合物CHS(=O)−CH−C(=O)O−CHが得られる。第2段階では、CH−S(=O)−CH−C(=O)−N(CHを得るために、CHS(=O)−CH−C(=O)O−CHをジメチルアミンと反応させる。
【0088】
(2) 式CH−S(=O)−(CH−C(=O)−N(CHの化合物(は、アルドリッチから入手可能なCH=CH−C(=O)−N(CH(CAS番号2680−03−7)から得ることができる。第1段階では、CH=CH−C(=O)−N(CHをメタンチオールCHSHと反応させる。反応の生成物はCHS−(CH−C(=O)−N(CHである。第2段階では、CH−S(=O)−(CH−C(=O)−N(CHを得るために、CHS−(CH−C(=O)−N(CHを過酸化水素で酸化する。
【0089】
1つの合成方法によれば、CH=CH−(CH−(C=O)−O−CH等のエチレン官能基を含むカルボン酸のエステルから出発することが可能である。
1) それに硫黄原子をグラフトさせるためにこのエステルをメタンチオールと反応させる。
CH=CH−(CH−(C=O)−O−CH+CHSH→CH−S−(CHn+2−(C=O)−O−CH
2) アミン、好ましくは第2級アミンH−N−(R)(R)を工程1)で得られた生成物と反応させる。
CH−S−(CHn+2−(C=O)OCH+H−N−(R)(R)→CH−S−(CHn+2−(C=O)N(R)(R
3) 段階2)で得られた生成物を、過酸化水素又は別の酸化剤を用いて酸化させる。
CH−S−(CHn+2−(C=O)N(R)(R)+H→CH−S(=O)−(CHn+2−(C=O)N(R)(R
4) スルホキシド−S(=O)官能基を酸化してスルホン−S(=O)官能基を与えることにより酸化を継続することが任意選択的に可能である。
【0090】
別の形態では、段階2及び段階3を逆にすることができる。CH=CH−(CH−(C=O)−OHのようなエチレン官能基を含むカルボン酸から出発することも可能である。
【0091】
別の合成方法によれば、CHClCOOHのような酸塩化物誘導体から出発することが可能であり、それらをNaSCHと反応させ、次いでHSOと反応させてCHSCHCOOHを得、これはその後Hと反応してCHSOCHCOOHを得ることができる。後者の化合物は、CH−S(=O)−CH−C(=O)−N(CHを得るために、(CHNHと反応することができる。
【0092】
別の合成方法によれば、CHClCOOCHのような酸塩化物エステル誘導体から出発することが可能であり、それらをCHSHと反応させCHSCHCOOCHを得、これはその後Hと反応してCHSOCHCOOCHを得ることができる。後者の化合物は、CH−S(=O)−CH−C(=O)−N(CHを得るために、(CHNHと反応することができる。
【0093】
別の合成方法によれば、ジメチルスルホキシドDMSOから出発して、それをジムシル(dimsyl)イオン(CH−S(=O)−CHNa)及びHを得るために、水素化ナトリウムNaHと反応させることが可能である。ジムシルイオンは、CH−S(=O)CHCHC(=O)−N(CH+NaClを得るためにClCH−C(=O)−N(CHと反応することができる。
【0094】
次式の化合物は、
【0095】
【化17】
次式の2−ビニルピロリドンを、
【0096】
【化18】
例えば、メタンチオールと反応させた後、Hで酸化させることにより得ることができる。
【国際調査報告】