(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-529037(P2018-529037A)
(43)【公表日】2018年10月4日
(54)【発明の名称】コンクリート型枠システム
(51)【国際特許分類】
E04G 9/00 20060101AFI20180907BHJP
E04G 3/00 20060101ALI20180907BHJP
E04G 17/04 20060101ALI20180907BHJP
E04G 9/02 20060101ALI20180907BHJP
E04G 11/06 20060101ALI20180907BHJP
E04G 11/08 20060101ALI20180907BHJP
E04G 17/02 20060101ALI20180907BHJP
E04G 11/12 20060101ALI20180907BHJP
【FI】
E04G9/00 C
E04G3/00 Q
E04G17/04 A
E04G9/02
E04G11/06 Z
E04G11/08
E04G17/02 A
E04G11/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-527024(P2018-527024)
(86)(22)【出願日】2016年8月10日
(85)【翻訳文提出日】2018年3月19日
(86)【国際出願番号】IB2016001219
(87)【国際公開番号】WO2017025796
(87)【国際公開日】20170216
(31)【優先権主張番号】62/203,379
(32)【優先日】2015年8月10日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】518048215
【氏名又は名称】ソテリア・インダストリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】イアン・ケー・ワイ・ロー
(72)【発明者】
【氏名】ポール・シオア
(72)【発明者】
【氏名】ケン・マルドリュー
【テーマコード(参考)】
2E150
【Fターム(参考)】
2E150AA03
2E150AA36
2E150BA12
2E150BA32
2E150HF14
2E150KE05
2E150MA01X
2E150MA03X
2E150MA11X
2E150MA47X
(57)【要約】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、コンクリート型枠が、コンクリート接触面および補強面を備える打設壁部と、打設壁部の補強面に対して可動的に連結された複数のブレースであって、収納位置と補強位置との間で移動する複数のブレースとを備え得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート接触面および補強面を備える打設壁部と、
前記打設壁部の前記補強面に対して可動的に連結された複数のブレースであって、収納位置と補強位置との間で可逆的に移動する複数のブレースと
を備える、コンクリート型枠。
【請求項2】
前記打設壁部は合板である、請求項1に記載のコンクリート型枠。
【請求項3】
前記ブレースは少なくとも1つのI形鋼を備える、請求項1に記載のコンクリート型枠。
【請求項4】
前記複数のブレースの中の少なくとも1つが足場部材である、請求項1に記載のコンクリート型枠。
【請求項5】
前記収納位置と前記補強位置との間で前記複数のブレースを移動させるために各ブレースに対して動作的に連結された制御バーをさらに備える、請求項4に記載のコンクリート型枠。
【請求項6】
前記制御バーは、前記ブレースの中の少なくとも1つにヒンジ式に連結される、請求項5に記載のコンクリート型枠。
【請求項7】
前記制御バーは、前記足場部材を貫通して延在する、請求項6に記載のコンクリート型枠。
【請求項8】
前記打設壁部の両エッジに装着され、ヒンジピンを中に受けるように構成された2つの有角ブラケット部材をさらに備え、前記ヒンジピンは、前記打設壁部の前記補強面に対して各ブレースをヒンジ式に取り付けるように構成される、請求項7に記載のコンクリート型枠。
【請求項9】
各有角ブラケット部材が、複数のコンクリート型枠を共に接合するためのキー穴留め具用スロットを備える、請求項8に記載のコンクリート型枠。
【請求項10】
前記打設壁部の前記補強面上に動作的に配設され、前記打設壁部に対して垂直に各ブレースを整列させるように各ブレースとそれぞれが連携状態にある複数のブレースストッパをさらに備える、請求項9に記載のコンクリート型枠。
【請求項11】
前記ブレースストッパは、前記補強面上に配設された有角ブラケット部材を備える、請求項10に記載のコンクリート型枠。
【請求項12】
前記足場部材は、前記足場部材が前記補強位置にある場合に前記足場部材を支持するように構成された足場支持部を備える、請求項11に記載のコンクリート型枠。
【請求項13】
前記足場支持部は、前記足場支持部のそれぞれが前記足場部材に対して折り畳まれるような折畳み位置と、前記足場支持部が前記足場部材に対して垂直であるような支持位置との間で移動するように前記足場部材に対してヒンジ式に取り付けられる、請求項12に記載のコンクリート型枠。
【請求項14】
前記足場支持部は三角形部材である、請求項13に記載のコンクリート型枠。
【請求項15】
前記足場支持部は、前記足場部材の重量を削減するために画定された複数の穴を備える、請求項14に記載のコンクリート型枠。
【請求項16】
前記打設壁部は、複数の横ブレースアパーチャを備え、各横ブレースアパーチャは、一対のブレース間に配設される、請求項15に記載のコンクリート型枠。
【請求項17】
前記横ブレースアパーチャはそれぞれ、前記ブレースが前記収納位置または前記補強位置のいずれかにある場合にアクセス可能である、請求項16に記載のコンクリート型枠。
【請求項18】
前記複数の横ブレースアパーチャは、テーパ状連結ロッドの異なる部分を収容するために個々に異なるサイズを備える、請求項17に記載のコンクリート型枠。
【請求項19】
前記打設壁部の前記コンクリート接触面は、コンクリートの付着を防止するためにコーティングを備える、請求項1に記載のコンクリート型枠。
【請求項20】
コンクリート接触面および補強面を備える打設壁部と、
前記打設壁部の前記補強面に対して可動的に連結された複数のブレースであって、収納位置と補強位置との間で可逆的に移動する複数のブレースと、
前記複数のブレースのそれぞれに対してヒンジ式に連結された制御バーであって、前記収納位置と前記補強位置との間で前記ブレースを移動させるように構成および配置される制御バーと
を各々が備える、複数のコンクリート型枠
を備える、コンクリート打設システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2015年8月10日に出願された「Concrete Form System」と題する米国特許仮出願第62/203,379号に基づく利益を主張するものである。この仮出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、建設設備に関し、より詳細にはコンクリート打設システムおよびそれを備えたアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
典型的には、現代のコンクリート打設構造体は、任意個数のコンクリート構造体を作製するために無限に再利用され得る複数の既製インターロック型枠セクションまたはパネルを使用して組み立てられる。これらの型枠またはパネルは、端部同士を相互連結されるおよび対向し合う関係におかれることによって例えば壁型枠を形成するように設計される。
【0004】
この端部同士を相互連結するために、これらのパネルは、一連の相互離間された貫通開口を有する垂直方向に延在する端壁部を一般的に備える。並置状態に配列されると、個々のパネル同士は、典型的にはスロット付きピンおよびウェッジアセンブリなどにより相互連結される。型枠が分解されるときには、これらのウェッジは緩められ除去され、ピンは型枠パネルアパーチャから抜かれる。
【0005】
これらのコンクリート型枠セクションは、比較的高い強度のものである必要があるが、好ましくは取扱い、輸送、および保管における費用を節減するためにコンパクトかつ軽量である。したがって、これらのセクションは、一般的にはアルミニウムなどの軽量金属パネルから作製され、注入されたコンクリートの重量下で座屈に耐えるために必要な強度を与えるようにパネルの裏面に固定された補強グリッドを有する。
【0006】
重要な点としては、これらの補強グリッドアセンブリは、かさが大きく、それによりパネルの重量および/またはサイズを大幅に増加させる恐れがある。代替的には、コンクリート型枠によっては、施工者が、各コンクリート打設パネルに対して手作業によりこの補強グリッドアセンブリを組み付けることが必要となる場合がある。これは、非常に時間のかかるプロセスであり、所望のコンクリート型枠を構築および支持するために多数の材料片を取り扱うことが必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
かかるシステムが広く使用されているにもかかわらず、当技術においてはコンクリート打設システムの改良の必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、上述の欠点の中の1つまたは複数に対処したコンクリート型枠またはパネルシステムと、このコンクリート型枠またはパネルシステムを備えるアセンブリとを提供する。
【0009】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、コンクリート型枠が、コンクリート接触面および補強面を備える打設壁部と、打設壁部の補強面に対して可動的に連結された複数のブレースであって、収納位置と補強位置という2つの位置を有する複数のブレースとを備え得る。特定の実施形態では、ブレースは、収納位置と補強位置との間で可逆的に移動および/または固定されるように構成される。
【0010】
特定の実施形態では、打設壁部は、例えば合板、アルミニウムまたは他の金属等の軽量の耐久性材料から形成される。さらなる実施形態では、打設壁部は、複数の横ブレースアパーチャを備えることが可能であり、各横ブレースアパーチャは、一対のブレース間に配設される。横ブレースアパーチャはそれぞれ、ブレースが収納位置または補強位置のいずれかにある場合にアクセス可能であることが可能である。複数の横ブレースアパーチャは、テーパ状連結ロッドの異なる部分を収容するために個々に異なるサイズを備え得る。特定の実施形態では、打設壁部のコンクリート接触面は、コンクリートの付着を防止するためにコーティングを備え得る。
【0011】
特定の実施形態では、型枠のブレースは、少なくとも1つのI形鋼を備え得る。さらなる実施形態では、複数のブレースの中の少なくとも1つが、足場部材であることが可能である。さらなる実施形態では、足場部材は、足場部材の重量を削減するために画定された複数の穴を備えることが可能である。
【0012】
特定の実施形態では、コンクリート型枠は、収納位置と補強位置との間で複数のブレースを移動させるために各ブレースに対して動作的に連結された制御バーをさらに備えることが可能である。さらなる実施形態では、制御バーは、ブレースの中の少なくとも1つにヒンジ式に連結され得る。特定の実施形態では、制御バーは、足場部材を貫通して延在し得る。
【0013】
特定の実施形態では、コンクリート型枠は、打設壁部の両エッジに装着され、ヒンジピンを中に受けるように構成された2つの有角ブラケット部材をさらに備え得る。さらなる実施形態では、ヒンジピンは、打設壁部の補強面に対して各ブレースをヒンジ式に取り付けるように構成され得る。さらなる実施形態では、各有角ブラケット部材が、複数のコンクリート型枠を共に接合するためのキー穴留め具用スロットを備えることが可能である。
【0014】
特定の実施形態では、コンクリート型枠は、打設壁部の補強面上に動作的に配設され、打設壁部に対して垂直に各ブレースを整列させるように各ブレースとそれぞれが連携状態にある複数のブレースストッパをさらに備え得る。特定のさらなる実施形態では、ブレースストッパは、補強面上に配設された有角ブラケット部材を備えることが可能である。
【0015】
さらなる実施形態では、足場部材は、足場部材が補強位置にある場合に足場部材を支持するように構成された足場支持部を備えることが可能である。特定の実施形態では、足場支持部は、足場支持部のそれぞれが足場部材に対して折り畳まれるような折畳み位置と、足場支持部が足場部材に対して垂直であるような支持位置との間で移動するように足場部材に対してヒンジ式に取り付けられ得る。他の実施形態では、足場支持部は、三角形部材または任意の他の適切な形状であることが可能である。
【0016】
別の態様では、本説明は、本明細書において説明されるような複数の型枠またはパネルのアセンブリを提供する。好ましい一実施形態では、複数の型枠が、並置されるまたは並列状態にあり、垂直、水平、またはそれらの組合せの中の少なくとも1つにおいて可逆的に相互連結される。
【0017】
図面と組み合わせて以下の詳細な説明を読むことにより、本開示のシステムおよび方法のこれらのおよび他の特徴が当業者にはより容易に明らかになろう。
【0018】
以下、必要以上の実験を伴わずに本開示のデバイスおよび方法をどのように作製および使用するかを、本開示の属する技術の当業者が容易に理解できるように、その実施形態が、特定の図面を参照としつつ本明細書の以下において詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】ブレースが収納位置にあるのを示す、本開示によるコンクリート型枠の一実施形態の斜視図である。
【
図2】ブレースが補強位置にあるのを示す、
図1のコンクリート型枠の斜視図である。
【
図3】横ブレースアパーチャが画定されているのを示す、
図1のコンクリート型枠の正面図である。
【
図4】補強材が収納位置にあるのを示す、
図1のコンクリート型枠の背面図である。
【
図5】大入りが打設壁部のエッジに配設および/または形成されているのを示す、
図1の打設壁部のエッジ部分の部分斜視図である。
【
図6】
図5に示すような大入りに装着されるように構成されているのを示す、有角ブラケット部材の一実施形態の部分斜視図である。
【
図7】ヒンジピンが下方に配設されているのを示す、本開示によるブレースの一実施形態の斜視図である。
【
図8】追加の補強および折畳み支持部を備えるのを示す、本開示による足場の一実施形態の底面図である。
【
図9】足場支持部が支持位置にある補強位置において示される、
図8の足場の斜視図である。
【
図10】本開示によるブレースに関連付けられる制御バーおよびその連結部分の一実施形態の部分斜視分解図である。
【
図11】L字型ブレースストッパが打設壁部に面する側において各ブレースの下に配設されているのを示す、ブレースが補強位置にある状態における
図1のコンクリート型枠の斜視図である。
【
図12】ブレースが収納位置にある状態において示される
図11に示すような型枠の側方立面図である。
【
図13】間に多量のコンクリートを保持しながらテーパ状連結ロッドにより一体的に装着された状態で示される、本開示による一対のコンクリート型枠の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照とするが、これらの図面においては、同様の参照数字は、本開示の同様の構造的特徴または態様を示す。説明および例示を目的として、ならびに限定を目的とすることなく、本開示によるコンクリート型枠の一実施形態の例示的な図が、
図1に示され、参照符号100によって全体的に示される。
図2〜
図13には、本開示の他の実施形態および/または態様が示される。本明細書において説明されるこれらのシステムおよび方法は、コンクリート型枠の組立ての容易さ、保管性、およびモジュール性を備えつつコンクリート構造体を形成するために使用され得る。
【0021】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、
図1〜
図4を参照すると、コンクリート型枠100が、コンクリート接触面101a(例えば
図3に示すような)と補強面101bとを備える打設壁部101を備えることが可能である。1つまたは複数のブレース103が、打設壁部101の補強面101bに対して可動的に連結され得る。これらのブレース103は、収納位置(例えば
図1に示すような)と補強位置(例えば
図2に示すような)との間で移動され得る。
【0022】
特定の実施形態では、打設壁部101は、軽量だが耐久性のある材料である。例えば、特定の実施形態では、打設壁部は、合板、金属(例えばアルミニウム)、合金、炭素繊維、プラスチック、または任意の他の適切な材料およびそれらの組合せからなる群より選択される。打設壁部は、任意の適切な厚さ、長さ、および/または幅を有し得る。打設壁部101のコンクリート接触面は、コンクリートの付着を防止するための任意の適切なコーティングを備え得ることが予期される。
【0023】
図3を参照すると、打設壁部101は、複数の横ブレースアパーチャ105を備えることが可能である。
図4に示すように、各横ブレースアパーチャ105は、一対のブレース103の間に配設され得る。例えば、各横ブレースアパーチャ105は、ブレース103が収納位置および/または補強位置のいずれかまたは両方にある場合にアクセス可能であり得る。横ブレースアパーチャ105の任意の他の適切な位置が本明細書内において予期される。複数の横ブレースアパーチャ105は、テーパ状連結ロッドの異なる部分を収容するように(例えば
図13に示すように)個々に異なるサイズ(例えば直径)を備え得る。
【0024】
図2を参照すると、ブレース103は、少なくとも1つのI形鋼を備えることが可能である。ブレース103は、修正されたI形鋼形状、T形鋼形状、H形鋼形状、L形状、または任意の他の適切な形状を備え得ることが予期される。特定の実施形態では、補強位置において打設壁部101に接触するブレース103の部分が、ブレース103の対向側の面よりも広い表面積を備えることが可能であり、これにより各ブレース103の重量が軽減され得る。また、I形鋼または同様のブレース103の上方表面のいくつかの部分が、泥落としが可能となるように取り除かれることが可能である。
【0025】
図5〜
図7を参照すると、コンクリート型枠100は、打設壁部101の両エッジに装着され、ヒンジピン111を中に(例えば
図6に示すようにピン穴109a内に)受けるように構成された2つ以上の有角ブラケット部材109をさらに備え得る。ヒンジピン111は、打設壁部101の補強面101bに対して各ブレース103をヒンジ式に取り付けるように構成され得る。
【0026】
各有角ブラケット部材109は、適切な留め具を使用して複数のコンクリート型枠100を共に接合するための1つまたは複数のキー穴留め具用スロット109aを備え得る。有角ブラケット部材109は、任意の適切な材料(例えばアルミニウム)から作製され得る。任意の他の適切なモジュール式ロック部材および/または連結機構が、本明細書内において予期される。
【0027】
図5に示すように、打設壁部101のエッジは、有角ブラケット部材109を受けるために打設壁部101中に切欠部を形成した大入り101cを備えることが可能である。特定の実施形態では、大入り101cおよび有角ブラケット部材109は、有角ブラケット部材109の装着フランジが大入り101c内で補強面101bに対して同一平面状に着座するようにサイズ設定され得る。
図6を参照すると、有角ブラケット部材109は、図示するように留め具用穴109cを貫通する任意の適切な留め具(例えば釘、ねじなど)を用いて大入り101cまたは打設壁部101の任意の他の適切な部分に対して取り付けられ得る。
【0028】
図1および
図2を参照すると、ブレース103の中の少なくとも1つが、足場部材107であることが可能である。足場部材107は、補強位置にある場合に(例えば
図2に示すように)その上を歩行する人の重量を支持するために構成され得る。図示するように、足場部材107は、打設壁部101の頂部部分付近に位置し得るが、足場部材107にとって適した任意の垂直位置が本明細書内において予期される。
【0029】
さらに
図8を参照すると、足場部材107は、例えば足場部材107の重量を削減するために画成された複数の穴107aを備えることが可能である。穴107aは、足場部材107中に穿孔されるかまたは任意の適切な方法で別様に配設されることが可能である。足場部材107は、足場部材107を追加的に支持するために足場部材107の長さ部分にわたり延在する足場補強材107b(例えば金属ロッド等)を備えることが可能である。
【0030】
さらに
図9を参照すると、足場部材107は、足場部材107が補強位置にある(例えば
図2および
図9に示すように)場合に足場部材107を支持するように構成された足場支持部107dを備えることが可能である。特定の実施形態では、足場支持部107dは、各足場支持部107dが足場部材107に対して折り畳まれるような折畳み位置(例えば
図8に示すような)と足場支持部107dが足場部材107に対して垂直であるような支持位置(例えば
図9に示すような)との間で移動するように、足場部材107に対してヒンジ式に取り付けられ得る(例えばヒンジピン107eを介して)。図示するように、足場支持部107dは、三角形部材であることが可能である。足場支持部107dに関して任意の他の適切な形状が予期される。
【0031】
足場支持部107dは、支持位置において足場支持部107dを取外し可能にロックするために関連付けられた適切なロックシステムを備えることが可能である。例えば、フランジ121が、打設壁部101の補強面101b上に取り付けられることが可能であり、ロック穴121a内で足場支持部107dに装着されるロックピン107fを受けるように構成され得る。支持位置において足場支持部107dをロックするための任意の他の適切なシステムが、本明細書内において予期される。
【0032】
図10を参照すると、コンクリート型枠100は、ブレース103を収納位置(例えば
図1に示すような)と補強位置(例えば
図2に示すような)との間で移動させるために各ブレース103に対して動作的に連結された制御バー113をさらに備え得る。制御バー113は、制御バー113を垂直に移動させることによりブレース103の中の1つまたは複数が収納位置と補強位置との間で移動し得るように、ブレース103の中の少なくとも1つにヒンジ式に連結され得る。例えば、
図10に示すように、制御バー113は、1つまたは複数のヒンジマウント113aを備え、ブレース103は、ヒンジマウント113aと対合するように構成された1つまたは複数の対合マウント103aを備えることが可能である。
【0033】
特定の実施形態では、制御バー113は、足場部材107の穴107cを経由して足場部材107を貫通して延在し得る。このようにすることで、制御バー113は、任意の適切な様式で穴107cを画定する表面に装着され得る(例えば穴107cを画定する内方表面上に装着された対合マウント103aに連結するヒンジマウント113aを介して)。
【0034】
図11〜
図12を参照すると、コンクリート型枠100は、打設壁部101の補強面101b上に動作的に配設され、ブレース103が補強位置にある場合に打設壁部101に対して垂直に各ブレース103を整列させるように各ブレース103と連携状態にある、複数のブレースストッパ115を備えることが可能である。例えば、ブレース103が、収納位置(例えば
図12に示すように)から補強位置(例えば
図11に示すように)に移動されると、ブレースストッパ115は、各ブレース103(足場部材107を含む)が打設壁部101に対して90度の角度を越えて過剰回転するのを防止する。図示するように、ブレースストッパ115は、補強面101b上に配設された有角ブラケット部材(例えばL字型ブラケット)を備えることが可能である。
【0035】
適切なロックシステムが、収納位置および/または補強位置の一方または両方にブレース103をロックするために、ブレース103、制御バー113、有角ブラケット部材109、および/またはブレースストッパ115の中の少なくとも1つに対して動作的に連結され得る。
【0036】
図13を参照すると、複数の型枠100が、多量のコンクリートを間に挟んだ状態で図示される。型枠100同士は、ロッド119がコンクリートから除去され得るようにコンクリートの固着を防止するために適切なコーティングをさらに備えたアパーチャ105を貫通するロッド119(例えば図示するようにテーパ状の)を介して連結され得る。また、ロッド119は、ロッド119がアパーチャ105を通り抜けて収縮するのを防止するためにロッドピン119aを備え得る。任意の他の適切な連結システムが、本明細書内において予期される。
【0037】
別の態様では、本説明は、本明細書において説明されるような複数の型枠またはパネルのアセンブリを提供する。好ましい一実施形態では、複数の型枠が、並置されるまたは並列状態にあり、垂直、水平、またはそれらの組合せの中の少なくとも1つにおいて可逆的に相互連結される。
【0038】
上述し図面に示すような本開示の方法およびシステムは、例えば組立ての迅速さおよびモジュール性などを含む優れた特性を有する改良されたコンクリート型枠を実現する。本開示の装置および方法が実施形態を参照として示され説明されたが、変更および/または修正が、本開示の主旨および範囲から逸脱することなくそれらに対してなされ得ることが当業者には容易に理解されよう。
【符号の説明】
【0039】
100 コンクリート型枠
101 打設壁部
101a コンクリート接触面
101b 補強面
101c 大入り
103 ブレース
103a 対合マウント
105 横ブレースアパーチャ
107 足場部材
107a 穴
107b 足場補強材
107c 穴
107d 足場支持部
107e ヒンジピン
107f ロックピン
109 有角ブラケット部材
109a キー穴留め具用スロット
109c 留め具用穴
111 ヒンジピン
113 制御バー
113a ヒンジマウント
115 ブレースストッパ
119 ロッド
119a ロッドピン
121 フランジ
121a ロック穴
【国際調査報告】