(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-529315(P2018-529315A)
(43)【公表日】2018年10月11日
(54)【発明の名称】害獣管理監視システム
(51)【国際特許分類】
A01M 23/00 20060101AFI20180914BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20180914BHJP
【FI】
A01M23/00 Z
H04W4/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-503518(P2018-503518)
(86)(22)【出願日】2016年7月21日
(85)【翻訳文提出日】2018年3月19日
(86)【国際出願番号】CA2016050860
(87)【国際公開番号】WO2017011916
(87)【国際公開日】20170126
(31)【優先権主張番号】62/195,210
(32)【優先日】2015年7月21日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】518020233
【氏名又は名称】スマート ウェーブ テクノロジーズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゾシマディス、ピーター
【テーマコード(参考)】
2B121
5K067
【Fターム(参考)】
2B121AA01
2B121BA60
2B121DA70
2B121EA21
2B121FA04
5K067BB27
5K067EE02
5K067EE25
(57)【要約】
害獣管理システムおよび方法について記載される。本システムは、携帯電子デバイスを含み、この携帯電子デバイスは、作動している、携帯電子デバイスの範囲内の複数の捕獲器のうちの1つ以上の捕獲器を特定し、特定された作動している捕獲器のうちの少なくとも1つ以上に対応する表示をユーザに提供するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
範囲内の複数の齧歯動物捕獲器からローカル無線通信信号を受信するように構成された携帯電子デバイスであって、前記齧歯動物捕獲器が、齧歯動物を捕獲、検出、または殺滅するために作動するように構成されており、前記携帯電子デバイスが、前記受信したローカル無線通信信号に応答して、
範囲内の前記複数の捕獲器のうちの作動している少なくとも1つの捕獲器を特定するように構成されている、携帯電子デバイス。
【請求項2】
前記携帯電子デバイスが、前記受信したローカル無線通信信号に応答して、範囲内の作動していない1つ以上の捕獲器を判定して特定するように構成されている、請求項1に記載の携帯電子デバイス。
【請求項3】
前記携帯電子デバイスが、前記範囲内の齧歯動物捕獲器からの前記ローカル無線通信信号の送信を促すために、前記範囲内のいずれかの齧歯動物捕獲器に対してブロードキャスト信号を提供するように構成されている、請求項1または2に記載の携帯電子デバイス。
【請求項4】
前記携帯電子デバイスが、前記受信したローカル無線通信信号に基づいて、作動した捕獲器の作動イベントに関連する時間を記録するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の携帯電子デバイス。
【請求項5】
前記携帯電子デバイスが、前記受信したローカル無線通信信号に基づいて、
どの捕獲器が作動したか、および
どの捕獲器が作動していないかのうちの少なくとも1つを記録するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の携帯電子デバイス。
【請求項6】
前記携帯電子デバイスが、外部の電子デバイスへのデータの提供を可能にするように構成され、前記データが、複数の捕獲器のうちのどの捕獲器が作動しているかについての情報を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の携帯電子デバイス。
【請求項7】
前記携帯電子デバイスが、前記受信したローカル無線通信信号に基づいて、
前記特定された作動した捕獲器のうちの少なくとも1つの位置を判定するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の携帯電子デバイス。
【請求項8】
前記携帯電子デバイスが、前記少なくとも1つの特定された作動した捕獲器の表示をユーザに提供するように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の携帯電子デバイス。
【請求項9】
前記表示が、音声表示および視覚表示のうちの1つ以上を含む、請求項8に記載の携帯電子デバイス。
【請求項10】
前記携帯電子デバイスが、前記ローカル無線通信信号内の符号化された情報に基づいて、前記範囲内の複数の捕獲器のうちの少なくとも1つの前記位置を判定するように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の携帯電子デバイス。
【請求項11】
前記判定された位置が、
前記携帯電子デバイスに対する捕獲器の近接度、
前記携帯電子デバイスに対する捕獲器の方向、および
前記捕獲器の絶対位置のうちの1つ以上に関連した情報を含む、請求項10に記載の携帯電子デバイス。
【請求項12】
前記齧歯動物捕獲器のそれぞれが、いつ前記齧歯動物捕獲器が作動したかを判定するように構成された作動センサを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の携帯電子デバイス。
【請求項13】
前記作動センサが、振動センサ、光学センサ、音声センサ、赤外線センサ、妨害スイッチ、傾斜スイッチ、マイクロスイッチ、近接センサ、およびスイッチのうちの1つ以上を含む、請求項12に記載の携帯電子デバイス。
【請求項14】
前記作動センサが、前記捕獲器の作動部材が、いつ、準備構成から作動構成へ作動したかを判定するように構成されている、請求項12または13に記載の携帯電子デバイス。
【請求項15】
前記作動センサが、齧歯動物が前記捕獲器内に存在するか否かを判定するように構成されている、請求項12〜14のいずれか1項に記載の携帯電子デバイス。
【請求項16】
前記齧歯動物捕獲器のうちの少なくとも1つが、生きたまま捕獲する齧歯動物捕獲器を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の携帯電子デバイス。
【請求項17】
前記携帯電子デバイスが、ハンドヘルドデバイス、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ、携帯電話機、およびパーソナルデジタルアシスタントのうちの1つ以上を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の携帯電子デバイス。
【請求項18】
前記ローカル無線通信信号が、近距離無線周波数信号、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi、光信号、赤外線信号、およびISM周波数信号のうちの1つ以上を含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の携帯電子デバイス。
【請求項19】
請求項1に記載の携帯電子デバイスと、
複数の齧歯動物捕獲器と、を含み、前記齧歯動物捕獲器のそれぞれが、
齧歯動物を検出、殺滅、または捕獲するために作動し、ローカル無線通信信号を前記携帯電子デバイスに送信するように構成されている、齧歯動物捕獲システム。
【請求項20】
齧歯動物を検出、殺滅、または捕獲するように構成された齧歯動物捕獲器であって、
状態センサを含み、前記状態センサが、温度センサおよび湿度センサのうちの少なくとも1つを含み、状態データを記録するように構成されている、齧歯動物捕獲器。
【請求項21】
害獣を検出、殺滅、または捕獲するように構成された害獣管理捕獲器のための作動検出モジュールであって、
前記作動検出器モジュールを前記害獣管理捕獲器に接続するように構成されたコネクタと、
コントローラに接続され、前記害獣管理捕獲器が作動したときに感知するように構成されたセンサと、
前記コントローラに接続され、前記害獣管理捕獲器の作動に関連するデータを送信するように構成された送信機と、を含む、作動検出モジュール。
【請求項22】
携帯電子デバイスにより、齧歯動物を捕獲、殺滅、または検出するために作動するように構成された範囲内の複数の齧歯動物捕獲器からローカル無線通信信号を受信することと、
前記受信したローカル無線通信信号に応答して、前記携帯電子デバイスを用いることと、
作動している、前記範囲内の複数の捕獲器のうちの少なくとも1つの捕獲器を特定することと、
前記少なくとも1つの特定された作動している捕獲器の表示をユーザに提供することと、を含む、方法。
【請求項23】
コンピュータプログラムであって、携帯電子デバイス上で動作したとき、
携帯電子デバイスにより、齧歯動物を捕獲するために作動するように構成された範囲内の複数の齧歯動物捕獲器からローカル無線通信信号を受信することと、
前記受信したローカル無線通信信号に応答して、
作動している、前記範囲内の複数の捕獲器のうちの少なくとも1つの捕獲器を特定することと、
前記少なくとも1つの特定された作動している捕獲器の表示をユーザに提供することと、を可能にするように構成されている、コンピュータプログラム。
【請求項24】
害獣を捕獲するように構成された害獣捕獲器であって、
1匹以上の害獣を動けないようにするように構成された粘着性の表面と、
前記粘着性の表面上の1匹以上の害獣の存在を検出するように構成され、前記検出された1匹以上の害獣の存在に対応するデータをコントローラに送信するように構成されたセンサ、および
前記コントローラに接続され、遠隔の電子デバイスにデータを送信する送信機を含む、害獣捕獲器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この技術は、携帯電子デバイスの範囲内で複数の害獣捕獲器のうちのどの捕獲器が作動したかを判定し特定するための害獣(例えば齧歯動物)管理監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
害獣(例えば齧歯動物)管理技術の運営および保全には著しい労働が要求される場合があり、捕獲器の監視に伴う害獣個体群の管理に最も多くの費用がかかる。一般的な害獣管理システムにおいては、複数の捕獲器が、一般的な施設の場合は50以上の捕獲器を有するように、施設内および施設の周囲に配置される。作業者は、捕獲された害獣を取り除いて捕獲器をリセットするために、捕獲器を定期的に(例えば毎週または毎月)チェックする目的で雇われている。これは、作業者が施設内のそれぞれの捕獲器の位置を特定し、施設内のそれぞれの捕獲器の状態を点検し、文書で証明する必要があるため、時間を要するであろう。さらに、捕獲器は、しばしば不便でたどり着きにくい場所、すなわち作業者が捕獲器に近づくために曲がったり、這ったり、うつぶせになったりすることを要求される場所に置かれている。多くの場合、捕獲器に、または施設内にさえ害獣がいないにも関わらず、捕獲器をチェックする費用がかかる。よって、労働集約が少なく、高価でない害獣管理システムが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
第1の態様によれば、齧歯動物を検出、殺滅、または捕獲するために作動するように構成された、範囲内の1つまたは複数の齧歯動物捕獲器からローカル無線通信信号を受信するように構成された携帯電子デバイスであって、受信したローカル無線通信信号に応答して、範囲内の複数の捕獲器のうちの作動している少なくとも1つの捕獲器を特定するように構成されている、携帯電子デバイスが提供される。
【0004】
携帯電子デバイスは、少なくとも1つの特定された作動している捕獲器の表示をユーザに提供するように構成されていてもよい。
【0005】
捕獲器を携帯電子デバイスと直接相互作用させることにより、害獣管理システムの複雑さを、捕獲器が自動的にネットワーク(インターネット)を介してデータを送信し、監視する位置を遠隔操作する場合のより複雑な配置と比較して、低減することができる。これは、捕獲システムの費用を下げることができる。
【0006】
捕獲器は、害獣(例えば齧歯動物)を検出するために作動するようにしてもよい。例えば、餌の捕獲器では、捕獲器は、捕獲器内の害獣の振動、および/または餌の質量の減少を検出することにより、害獣の存在を検出するように構成されてもよい。これにより、ユーザが何匹の害獣が殺滅されたか、および/または要求されている餌の補充の頻度を判定することができる。
【0007】
捕獲器は、害獣を捕獲するために作動するようにしてもよい。例えば、生きたまま捕獲する捕獲器が、害獣を殺さずに捕獲してもよい。例えば、捕獲器が、粘着性の細片の捕獲器であってもよい。
【0008】
捕獲器は、害獣を殺滅するために作動するようにしてもよい。例えば、ばねに荷重をかけたネズミ捕りが、齧歯動物を捕獲して殺滅するためにあごを作動させるように構成されていてもよい。
【0009】
すなわち、作動した捕獲器は、害獣が存在していたが今はいなくなってしまったことを判定すること、害獣が捕獲された(死んでいる、または生きている)ことを判定すること、捕獲機構が引き金をひかれたことを検出すること、および害獣が餌を食べ尽くしたことを検出することのうちの1つ以上を含むように構成されていてもよい。
【0010】
捕獲器を特定するためには、携帯電子デバイスが捕獲器を、範囲内の他の捕獲器から区別することができなければならないことが認識されるだろう。
【0011】
他の捕獲器は、齧歯動物以外の害獣(例えば、ゴキブリ、ハエなどの昆虫)をも検出、捕獲、または殺滅するように構成されていてもよいことが認識されるだろう。
【0012】
齧歯動物は、例えば、ラット、ネズミ、またはリスを含んでいてもよい。
【0013】
ローカル無線通信信号は、短距離無線技術を用いて送信されてもよい。携帯電子デバイスおよび捕獲器の範囲は、一般的に、100メートルより短いであろう。携帯電子デバイスおよび捕獲器の範囲は、10メートルより短くてもよい。これは、エリア内の他の短距離デバイスからの干渉を防止するであろう。(短距離内のみで検出可能な)ローカル無線通信信号を用いることにより、携帯電子デバイスは、例えば、受信したローカル無線通信信号の入射角に基づいて、範囲内の捕獲器同士をより区別することができるであろう。範囲は、異方性であってもよい。例えば、受信機(例えば、指向性アンテナ)は、他の方向よりも、ある1つの方向において遠く離れた場所からの信号を受信することができるようにしてもよい。ローカル無線通信信号を受信した携帯電子デバイスからの角度範囲を限定することは、捕獲器の特定を改善することができ、および/または携帯電子デバイスの電力消費を減らすことができる。
【0014】
範囲は、携帯電子デバイスからの既定の距離を拡張してもよい。既定の距離は、例えば、20〜30フィート(6〜9メートル)であってもよい。範囲は、捕獲器の送信力に関連しているであろう。例えば、複数の捕獲器のうちのいくつかは、ローカル無線通信信号を他よりも遠くに送信することができるであろう。
【0015】
捕獲器構成
捕獲器は、あごの捕獲器、ばねに荷重をかけた棒の捕獲器、電気的な捕獲器、または籠状の捕獲器を含んでいてもよい。捕獲器の少なくとも1つは、生きたまま捕獲する(非致死性の)捕獲器であってもよい。捕獲器の少なくとも1つは、捕獲された害獣(例えば齧歯動物)を殺滅するように構成されていてもよい。捕獲器の少なくとも1つは、害獣が提供される餌を食べ尽くすための餌の場所であってもよい。捕獲器の少なくとも1つは、接着剤の捕獲器(例えば、粘着テープ)を含んでいてもよい。
【0016】
害獣捕獲器は、ローカル無線通信信号を送信するための送信機(例えば、アンテナ)を含んでいてもよい。
【0017】
捕獲器は、害獣を捕獲するために、捕獲器が作動したとき、第1の準備位置から第2の作動位置に移動するように構成された作動部材を含んでいてもよい。例えば、あごの捕獲器の場合には、第1の準備位置はあご(この場合は作動部材)が開いたときの位置である。捕獲器が作動するとき、害獣を捕獲するために、あごが開いた準備位置から閉じた作動位置へ移動する。
【0018】
捕獲器は、作動部材の第1の準備位置から第2の作動位置への移動を始めるように構成されたトリガを含んでいてもよい。例えば、ばねに荷重をかけた棒の捕獲器では、トリガ機構は、トリガの移動がばねに荷重をかけた棒を開放するまで、準備位置で、ばねに荷重をかけた棒を拘束するように構成されている。
【0019】
捕獲器は、捕獲器が作動した後に、第2の作動位置から第1の準備位置へ戻るように構成された作動部材を含んでいてもよい。これにより、捕獲器により捕獲される害獣をさらに可能にする。例えば、籠状の捕獲器の作動部材は、偏って閉じられる(例えば、ばねまたは釣り合い錘のような偏った部材の手段により)捕獲ドアを含んでいてもよい。この場合、第1の準備位置は、捕獲ドアが開いたときであり、第2の作動位置は、ドアが閉じたときである。準備された閉じた捕獲ドアの上に立っている1匹目の害獣に応答して、ドアは開き、1匹目の害獣をチャンバに閉じ込めるように構成されている。捕獲ドアの作動部材は、それから捕獲ドアが偏って閉じられた準備位置に戻る(それにより害獣をチャンバに捕獲する)ように構成されている。次の害獣(例えば齧歯動物)が準備された閉じられた捕獲ドアの上に立ったとき、それをもチャンバ内に閉じ込めることができる。
【0020】
いくつかの捕獲器は、作動部材を有していなくてもよいことが認識されるだろう。例えば、電子的な害獣捕獲器は、害獣を感電死させるために、電極に電圧をかけることにより作動してもよい。
【0021】
害獣捕獲器のそれぞれは、いつ害獣捕獲器が作動しているか、または、いつ作動したかを判定するように構成された作動センサを含んでいてもよい。作動センサは、振動センサ、光センサ、音声センサ、赤外線センサ、妨害スイッチ、傾斜スイッチ、マイクロスイッチ、近接センサ、およびスイッチ(例えば磁気スイッチ)のうちの1つ以上を含んでいてもよい。
【0022】
作動センサは、いつ捕獲器の作動部材が準備構成から作動構成へ作動しているか、または作動したかを判定するように構成されていてもよい。
【0023】
作動センサは、時間、害獣の量、頻度、および害獣捕獲器内での滞在時間の長さを追跡するように構成されていてもよい。
【0024】
作動センサは、捕獲器内に害獣が存在するか否かを判定するように構成されていてもよい。
例えば、作動センサは、捕獲器内の害獣の熱を検出するように構成された赤外線センサを含んでいてもよい。作動センサは、逆反射体から反射された光の量の変化を計測することにより、捕獲器内の対象物の存在を検出するように構成された逆反射体を含んでいてもよい。害獣の存在は、害獣が、光源から光センサへ送信された光線(例えば、逆反射体による)を遮ったときに判定されてもよい。
【0025】
捕獲器は、コントローラを含んでいてもよい。捕獲器コントローラは、センサデータを処理し、ローカル無線通信信号の送信を制御するように構成されていてもよい。
【0026】
捕獲器は、作動した捕獲器の作動イベントに関連する作動時間を生成するように構成されていてもよい。捕獲器は、害獣イベントに関連する害獣イベント時間を生成するように構成されていてもよい。害獣イベントは、捕獲器に侵入している害獣、および/または餌を食べている害獣を含んでいてもよい。害獣は、捕獲器に侵入していることがIRセンサ、振動センサ、または動きセンサのようなセンサを用いて検出されてもよい。餌が食べ尽くされたことは、餌の質量または重さを計測する(そして、例えば、捕獲器内の害獣の存在を検出する前後のそれを比較する)ことにより検出されてもよい。害獣イベントは、作動イベントであってもなくてもよい。
【0027】
害獣イベントを記録することにより、害獣の活動に関連するデータが、作動イベントとは独立して記録されるようにしてもよい。例えば、害獣イベントデータは、例えば月曜日の午前2時、午前3時、午前8時にそれぞれ捕獲器1内で餌を食べた3匹のネズミを含んでいてもよい。複数の捕獲器からの害獣イベントデータ(例えば午前3時に、捕獲器1、2、5、7、8の全ての記録された害獣の活動)を集めることも可能であろう。これにより、施設が、捕獲器をセットする際において、および例えば建物へのアクセスを制御することにより害獣の蔓延を防止もするための両方の手順を改善することが可能となる。すなわち、後者の実施例は、朝早い宅配のために開いているドアが、害獣が午前3時までに建物内に入って捕獲器に侵入することを可能にすることを示している。スタッフに、宅配の間、可能な限りドアを閉じた状態に維持するように注意することができるだろう。捕獲器は、この害獣イベントデータを(例えば、携帯電子デバイスまたは他の遠隔デバイスに)送信するように構成されてもよい。
【0028】
捕獲器は、どのタイプの害獣が捕獲器に来たかを判断するよう構成されてもよく、施設をもっと効果的に取り扱う能力を支援する。例えば、装置が、捕獲器内の害獣により生成された熱の量を判定し、それによってそのサイズを推定するように構成された熱センサを含んでいてもよい。捕獲器は、害獣タイプデータを(例えば、携帯電子デバイスまたは他の遠隔デバイスに)送信するように構成されていてもよい。
【0029】
捕獲器は、捕獲器が(例えば点検のために)手作業で開かれたか否かを判定するように構成されていてもよい。これは、作動センサ、および/または分離型センサ(例えばマイクロスイッチ)を用いて判断されてもよい。製薬工場では、点検の一部として、それぞれの捕獲器を物理的に開くために、害獣検査官が必要とされる。この情報を、時間を追って記録することにより、(例えば、独立したチェックのために)継続された点検の記録が可能となる。捕獲器は、この開くことに関連するデータを(例えば、携帯電子デバイスまたは他の遠隔デバイスに)送信するように構成されていてもよい。
【0030】
捕獲器は、温度センサ(熱電対または他の温度計)、および湿度センサのうちの少なくとも1つを含む1つ以上の状態センサを有していてもよい。捕獲器は、温度および/または湿度データのような記録された状態データを(例えば、携帯電子デバイスまたは他の遠隔デバイスに)送信するように構成されていてもよい。状態センサは、餌の状態を直接計測するように構成されていてもよく、および/または餌の周囲の環境(例えば、箱状の捕獲器のチャンバ内の湿度)を計測するように構成されていてもよい。高湿度および/または高温は、餌を急速に腐らせる場合がある(例えば、カビの成長を早めることを助けることにより)。湿度および/または温度を追跡することにより、餌の寿命が(例えば、捕獲器により、携帯電子デバイスにより、または他の遠隔デバイスにより)判定されてもよい。送信されたデータは、1つ以上の温度および/もしくは湿度の値(例えば、最高気温、最高湿度、または特定の時刻の温度および/もしくは湿度)のうちの1つ以上のシーケンス、ならびに/または記録された温度および/もしくは湿度が1つ以上の基準(例えば、湿度が既定の期間における既定の湿度の閾値を超えている)を満たす表示を含んでいてもよい。このように、表示は、餌が腐っていそうか否かを表示してもよい。
【0031】
これは、操作員の時間を節約し、捕獲器がより長く効果を保持することを確実にする。他の捕獲器が、湿度および/または温度を、記録されたデータに基づいて制御するように構成されていてもよいことが認識されるだろう。例えば、捕獲器は、加湿器、除湿器、ヒータ、およびクーラのうちの1つ以上を含んだ調節ユニットを含んでいてもよい。調節ユニットは、記録されたデータに応答してコントローラによって制御されてもよい。
【0032】
既存の従来の害獣管理捕獲器は、改造可能な作動検出モジュールを用いている現在のシステムと併せて使用するために改造されてもよいことが認識されるだろう。
【0033】
作動検出モジュールは、
作動検出モジュールを害獣管理捕獲器に接続するように構成されたコネクタと、
コントローラに接続され、害獣管理捕獲器が作動したときに感知するように構成されたセンサと、
コントローラに接続され、害獣管理捕獲器の作動に関連するデータを送信するように構成された送信機と、を含み得る。
【0034】
コネクタは、作動検出モジュールを害獣管理捕獲器に物理的に接続するための機械的な接続を含んでいてもよい。例えば、コネクタは、粘着剤の層、クリップ、スクリュー、または紐(例えば結束バンド)を含んでいてもよい。このように、それは、類似した技術(作動スイッチ、コントローラ、ラジオ等)を合体させて用いるモジュールを有する既存の捕獲器には、可能な改造(すなわち、既存の捕獲器の側部/上部にモジュールを刺す)であろう。例えば、作動スイッチが振動センサであったならば、いつ捕獲器が作動したか、またはいつ害獣(例えば齧歯動物)が来たかを、捕獲器の内部の害獣によって生み出された振動のサインにより判定するように、デバイスを構成することができるであろう。
【0035】
携帯電子デバイス構成
携帯電子デバイスは、ローカル無線通信信号を受信するための受信機(例えばアンテナ)を含んでいてもよい。
【0036】
携帯電子デバイスは、受信したローカル無線通信信号を処理するように構成されたコントローラを含んでいてもよい。コントローラは、プロセッサ(例えば、中央処理ユニット、マイクロプロセッサ、アプリケーションに特化した集積回路、またはASIC、またはマルチコアのプロセッサ)を含んでいてもよい。コントローラは、メモリ(例えば、フラッシュメモリ、ハードドライブ、揮発性メモリ)を含んでいてもよい。コントローラは、例えば、捕獲器を特定すること、および/または表示のユーザへの提供を可能にするために、受信したローカル無線通信信号をコントローラに処理させるコンピュータプログラムコードを動作させるように構成されていてもよい。
【0037】
表示は、音声表示、触覚表示、および視覚表示のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0038】
携帯電子デバイスは、受信したローカル無線通信信号に応答して、範囲内の1つ以上の作動しなかった捕獲器を判定して特定するように構成されていてもよい。これにより、捕獲器が作動したか否かについて、捕獲器の状態が記録されることが可能になることが認識されるだろう。これは、捕獲器の成功の統計を続けること、および/または無線通信信号をもはや送信できない捕獲器を特定することに有利であろう。
【0039】
携帯電子デバイスは、範囲内の捕獲器からのローカル無線通信信号の送信を促すために、範囲内の全ての捕獲器にブロードキャスト信号を提供するように構成されていてもよい。ローカル無線通信信号の送信を促すことにより、捕獲器の送信機のエネルギー消費が減るであろう。
【0040】
携帯電子デバイスは、受信したローカル無線通信信号に基づいて、作動した捕獲器の作動イベントに関連する作動時間を記録するように構成されていてもよい。作動時間は、捕獲器が作動した時間に対応し、捕獲により生成されるようにしてもよい。すなわち、捕獲器は、捕獲器の作動に関連する時間を記録し、記録された時間を携帯電子デバイスに(例えば、ローカル無線通信信号により)送信するように構成されていてもよい。作動時間は、作動が携帯電子デバイスにより記録された時間に対応していてもよい。すなわち、携帯電子デバイスは、捕獲器からローカル無線通信信号を受信した時間を記録するように構成されていてもよい。作動時間を生成して記録するように携帯電子デバイスを構成することは、捕獲器の複雑さを減らすことが認識されるだろう。捕獲器により生成された作動時間は、捕獲器が作動した実際の時間とより密接に対応し得るため、作動時間を生成するように捕獲器を構成することがより精密であろうことが認識されるだろう。
【0041】
携帯電子デバイスは、受信したローカル無線通信信号に基づいて、どの捕獲器が作動したか、および/またはどの捕獲器が作動しなかったかの少なくとも一方を記録するように構成されていてもよい。携帯電子デバイスは、記録されたデータを蓄積するように構成されたメモリを含んでいてもよい。
【0042】
携帯電子デバイスは、捕獲器の位置に基づいて、範囲内の複数の捕獲器のうちの少なくとも1つを特定するように構成されていてもよい。
【0043】
携帯電子デバイスは、ローカル無線通信信号の入射角に基づいて、範囲内の複数の捕獲器のうちの少なくとも1つを特定するように構成されていてもよい。例えば、携帯電子デバイスは、捕獲器が携帯電子デバイスの前方にあるか、または背部にあるかを判定するように構成されていてもよい。携帯電子デバイスは、ローカル無線通信信号の入射角を判定するように構成された位相アレイアンテナを含んでいてもよい。
【0044】
携帯電子デバイスは、捕獲器の近接度に基づいて、範囲内の複数の捕獲器のうちの少なくとも1つを特定するように構成されていてもよい。携帯電子デバイスは、対応する捕獲器の近接度を推定するために、受信したローカル無線通信信号の信号長を計測するように構成されていてもよい。
【0045】
携帯電子デバイスは、ローカル無線通信信号に符号化された情報に基づいて、範囲内の複数の捕獲器のうちの少なくとも1つを特定するように構成されていてもよい。例えば、無線通信信号は、それら自身が、それぞれの捕獲器に対応するそれぞれを特定するためのサインを含んでいてもよい。
【0046】
携帯電子デバイスは、受信したローカル無線通信信号に基づいて、特定した作動している捕獲器のうちの少なくとも1つの捕獲器の位置を判定し、特定された位置の表示をユーザに提供するように構成されてもよい。
【0047】
特定された位置は、携帯電子デバイスに対する捕獲器の近接度、携帯電子デバイスに対する捕獲器の方向、および捕獲器の絶対位置のうちの1つ以上に関連した情報を含んでもよい。携帯電子デバイスは、対応するローカル無線通信信号の信号強度を測定することによって捕獲器の近接度を判定するように構成されてもよい。携帯電子デバイスは、位相アレイアンテナを用いて捕獲器の方向を判定するように構成されていてもよい。捕獲器は、捕獲器の絶対位置に関連する情報をローカル無線通信信号により送信するように構成されていてもよい。
【0048】
携帯電子デバイスは、ハンドヘルドデバイス、スマートフォン、ラップトップ、タブレットコンピュータ、携帯電話機、およびパーソナルデジタルアシスタントのうちの1つ以上を含んでいてもよい。
【0049】
ローカル無線通信信号は、近距離無線周波数信号、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi、光信号、赤外線信号、およびISM周波数信号のうちの1つ以上を含んでいてもよい。携帯電子デバイスおよび/または捕獲器は、低電力の送信機を含んでいてもよい。低電力の無線周波数送信機は、実効放射電力(ERP)が25〜100mWのより少ない最大出力をも有していてもよい。
【0050】
データ処理
携帯電子デバイスは、外部の電子デバイス(例えば、中央遠隔サーバ、または遠隔コンピュータ)に対して、複数の捕獲器のうちのどの捕獲器が作動しているか、1つ以上の捕獲器に関連する作動時間、1つ以上の捕獲器に関連する位置データ、および、いつ点検が行われたかに関連する点検時間情報のうちの1つ以上を含んだデータの提供が可能となるように構成されていてもよい。
【0051】
作動した捕獲器の記録を維持することが有利であろうことが認識されるだろう。これらの記録は、作動した捕獲器の数、作動した捕獲器の数の作動していない捕獲器の数に対する比率、捕獲器の作動の頻度、捕獲器の作動時間、および捕獲器の作動の頻度を含んでいてもよい。
【0052】
さらなる態様
さらなる態様によれば、上述した携帯電子デバイス、および、それぞれの捕獲器が害獣を捕獲するために作動し、ローカル無線通信信号を携帯電子デバイスに送信するように構成された複数の捕獲器を含んだ捕獲システムが提供される。
【0053】
さらなる態様によれば、携帯電子デバイスにより、害獣(例えば、齧歯動物)を検出、捕獲、または殺滅するために作動するように構成された範囲内の1つまたは複数の捕獲器からローカル無線通信信号を受信すること、受信したローカル無線通信信号に応答して、前記携帯電子デバイスを用いること、作動している範囲内の複数の捕獲器のうちの少なくとも1つを特定すること、および少なくとも1つの特定された作動している捕獲器の表示をユーザに提供することを含む方法が提供される。
【0054】
さらなる態様によれば、コンピュータプログラムであって、携帯電子デバイス上で動作したとき、携帯電子デバイスにより、齧歯動物を捕獲するために作動するように構成された範囲内の複数の捕獲器からローカル無線通信信号を受信することと、受信したローカル無線通信信号に応答して、作動している、範囲内の複数の捕獲器のうちの少なくとも1つの捕獲器を特定することと、少なくとも1つの特定された作動している捕獲器の表示をユーザに提供することと、を可能にするように構成されている、コンピュータプログラムが提供される。
【0055】
コンピュータプログラムは、CD、DVD、またはメモリスティックのような非一時的な媒体に蓄積されていてもよい。
【0056】
さらなる態様によれば、害獣を捕獲するように構成された害獣捕獲器であって、
1匹以上の害獣を動けないようにするように構成された粘着性の表面と、
粘着性の表面上の1匹以上の害獣の存在を検出するように構成されたセンサであって、検出された1匹以上の害獣の存在に対応するデータをコントローラに送信するように構成された、センサと、
コントローラに接続され、遠隔の電子デバイスにデータを送信するように構成された送信機と、を含む害獣捕獲器が提供される。
本発明について、以下に添付している図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1a】
図1aは、施設内に置かれた3つの齧歯動物捕獲器を点検するために、齧歯動物管理調査員が携帯電子デバイスを使用する際の、施設の俯瞰図である。
【
図1b】
図1bは、携帯電子デバイスと範囲内の捕獲器との間の相互作用を示す概略図である。
【
図2a】
図2aは、施設内に置かれた10個の齧歯動物捕獲器を点検するために、齧歯動物管理調査員が携帯電子デバイスを使用する際の、施設の俯瞰図である。
【
図2b】
図2bは、携帯電子デバイスと範囲内の捕獲器との間の相互作用を示す概略図である。
【
図3】
図3は、害獣管理システムの構成およびどのようにそれらが相互作用するかを示す概略図である。
【
図4】
図4は、携帯電子デバイスと害獣管理捕獲器との間の相互作用を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
齧歯動物または昆虫などの害獣は、位置、気候および状況における広い範囲で重大な問題となり得る。例えば、齧歯動物は、何千年もの間、人間にとって問題となっており、それらは一般的に、人間が住んでいる場所なら世界中のどこでも、人間についてくることが知られている。齧歯動物が引き起こし得る問題は様々である。例えば、それらが食糧を食べることにより引き起こす損害に加えて、それらはまた、食べない食糧をも(例えば唾液、排泄物、尿により)汚染する場合がある。齧歯動物はまた、例えば、壁の空洞内で配線または接合部を噛むことによって、建物の構造の損傷を引き起こす場合がある。加えて、齧歯動物は、潜伏してたくさんの病気を媒体する場合がある。それらはまた、ノミおよびダニのような寄生虫を運ぶ場合がある。齧歯動物個体群はまた、急速に増加し得る。結果として、齧歯動物の蔓延を防ぐためまたは処置するためには、効果的で素早い活動が重要である。人間の歴史を通して、人間は、齧歯動物個体群を管理するまたは減少させることに対する多くの解決法を創案し、現在、主要なサービスが齧歯動物の管理または減少である何千もの仕事がある。
【0059】
一般的な現代の齧歯動物管理装置において、複数の捕獲器が施設(例えば倉庫、農場、住宅、オフィスビル)の周りに置かれる。気候、環境または状況によって、施設は通常、50以上の捕獲器を有する。齧歯動物管理調査員は、これらの捕獲器を定期的に(例えば毎週または毎月)手作業で検査するために雇用される。捕獲器を手作業で検査するためには、齧歯動物管理調査員は、それらの捕獲器を置いて(例えば、それらがどこにあるのか見つけるか、知っていることにより)、それらが作動しているか否かを判定するために、それらの捕獲器を点検する(例えば、視覚的に)。
【0060】
ラットのようないくつかの齧歯動物は、捕獲器および餌のような管理測定器を含み、かれらの環境に対して新しい物に対して本能的に用心深い。捕獲器を手作業で点検することは、新しい匂いを捕獲器に付加してしまうこと、および/または捕獲器の位置を変えてしまうことを引き起こしてしまい、齧歯動物が捕獲器を避けるように導いてしまうおそれがあり、それゆえ、捕獲器の有効性が低下する場合がある。さらに、齧歯動物はまた、屋根裏に、穴の中に、コンクリートおよび玄関の下に、壁の隙間、および他の届きにくい場所に入植する場合がある。これらの要素は、齧歯動物管理調査員にとって、捕獲器の手作業の調査を好ましくないものとしている。
【0061】
それゆえ、齧歯動物管理調査員に、施設を点検する際に捕獲器が作動しているときに、遠隔で判定させることが有益であろう。これは、施設を点検するために要求される労働を減らし、捕獲器を妨害する要因を減らすであろう。
【0062】
本発明は、齧歯動物を捕獲するために作動するように構成された齧歯動物捕獲器であって、範囲内の1つ以上の捕獲器からローカル無線通信信号を受信するように構成された携帯電子デバイスに関し、携帯電子デバイスは、受信したローカル無線通信信号に応答して、範囲内の複数の捕獲器のうちの作動している少なくとも1つの捕獲器を特定する。そして、少なくとも1つの特定された作動した捕獲器の表示をユーザに対して提供する。ユーザに、捕獲器が作動したか否かを遠隔で判定させることは、ユーザに要求される手作業または視覚的な点検を緩和する。
【0063】
図1a〜1bは、第1の実施形態の携帯電子デバイス101を示し、携帯電子デバイス101は、この場合、範囲121内のいずれかの捕獲器151a〜cが作動したか否かを判定するための、齧歯動物管理調査員(ユーザ181)によって用いられる、あつらえで造られた装置である。
【0064】
図1aは、施設が会社である場合の、施設191の平面図である。この実施形態および他の実施形態の携帯電子デバイスが、倉庫、農場、貯蔵庫、穀物倉、店舗、貨物自動車、台所、住宅等の他の施設で使用されてもよいことが認識されるだろう。
【0065】
この場合、会社は、会社の施設191内の様々な位置に置かれた3つの齧歯動物捕獲器151a〜cが提供される。齧歯動物管理調査員のユーザ181は、携帯電子デバイス101を用いて、会社の施設191内のそれらの様々な捕獲器を点検している。この場合、携帯電子デバイス101は、齧歯動物を捕獲するために作動するように構成された、範囲121内の複数の齧歯動物捕獲器からローカル無線通信信号を受信するように構成され、携帯電子デバイス101は、受信したローカル無線通信信号に応答して、範囲121内の複数の捕獲器151a〜cのうちの少なくとも1つの作動した捕獲器を特定し、また、少なくとも1つの特定された作動した捕獲器151aの表示102をユーザに対して提供するように構成されている。
【0066】
ユーザが会社の施設191を通り過ぎるにつれて、1つ以上の捕獲器は携帯電子デバイスの範囲121内へ移動する。
図1aおよび1bに示される状況において、2つの捕獲器151a〜bは範囲内にあり、1つの捕獲器151cは範囲外にある。携帯電子デバイスが施設を通り抜けるにつれて、以前は範囲外にあった捕獲器が範囲内に入り、それによって携帯電子デバイスがそれらと相互作用することが可能となることが認識されるだろう。
【0067】
この場合、携帯電子デバイスは、約20フィート(6メートル)の範囲を持つ短距離無線周波数トランシーバを含んでいる。そのトランシーバは、範囲内の齧歯動物捕獲器からローカル無線通信信号156a〜bが送信されることを促すために、範囲121内の全ての齧歯動物捕獲器にブロードキャスト信号を提供するように構成されている。ローカル無線通信信号の送信を可能にするために、それぞれの捕獲器は、短距離無線周波数ローカル無線通信信号を送信するように構成された送信機153a〜cを含んでいる。
【0068】
それぞれの送信機153a〜cは、作動検出モジュールを害獣管理捕獲器に接続するように構成されたコネクタ、コントローラに接続されると共にいつ害獣管理捕獲器が作動したかを感知するセンサ、および、コントローラに接続されると共に害獣管理捕獲器の作動に関連するデータを送信するように構成された送信機を含む作動検出モジュールの一部を形成してもよいことが認識されるだろう。そのモジュールは、小さい形状の要素(例えば直径1インチのモジュール)を有している。
【0069】
捕獲器の送信機は、適切に構成された携帯電子デバイスが範囲内にある場合のみに作動する必要があるため、ローカル無線通信信号156a〜bの送信を促すことによって、捕獲器の送信機のエネルギー消費が減る場合がある。さらに、捕獲器の送信機は、携帯電子デバイスにまっすぐに向けて狭いビームでローカル無線通信信号を送信することによって(例えばユニキャスト送信)、ブロードキャストローカル無線通信信号を送信するよりむしろ電力消費を減らす場合がある。ローカル無線通信信号は、この場合には、さらに短距離無線周波数信号を含む。
【0070】
図1bは、捕獲器151a〜cと携帯電子デバイス101との間に相互作用を示している。
【0071】
この場合、それぞれの齧歯動物捕獲器151a〜cは、殺さない捕獲器を含んでいる。
殺さない捕獲器151a〜cは、それぞれ、この場合にはばねに荷重をかけたドアである、作動部材152a〜cを有するチャンバ155a〜cを含んでいる。ばねに荷重をかけたドアは、齧歯動物154a、154cを捕獲するために、第1の準備位置(この場合、ばねに荷重をかけたドアが開いているとき)から、第2の作動位置(この場合、ばねに荷重をかけたドアが閉じているとき)に移動するように構成されている。
【0072】
ばねに荷重をかけたドアの作動部材152a〜cは、この場合、作動部材の第1の準備位置から第2の作動位置への移動を始めるように構成されたトリガ(図示せず)によって制御される。この場合、トリガは齧歯動物の体温を検出することにより、いつ齧歯動物がチャンバ内にいるかを判定するように構成された赤外線トリガセンサを含む。他のセンサは、齧歯動物の存在を検出するために、例えば振動センサ、光センサのうちの1つ以上が使用されてもよいことが認識されるだろう。この場合、センサがチャンバ内の齧歯動物を検出したとき、受信したトリガ信号に応答して、それは信号(例えば有線または無線信号)を、ばねを荷重したドアを準備位置から、チャンバ内の齧歯動物を捕獲する、作動して閉じた位置へと開放する、捕獲器コントローラに対して送信する。他の実施形態では、トリガは機械的なトリガを含んでいてもよい。
【0073】
トリガセンサは、この場合には、さらに、いつ捕獲器が作動したかを判定するように構成された作動センサとして機能する。すなわち、トリガセンサはまた、捕獲器が作動したことを示している捕獲器コントローラに対して信号を送信する。いくつかの実施形態では、捕獲器は、捕獲器を作動させるように構成された第1のセンサ、および捕獲器が作動したか否かを判定するように構成された第2の別個のセンサを含んでいてもよいことが認識されるだろう。
【0074】
この場合、捕獲器コントローラは、携帯電子デバイスから受信した作動センサ信号および促進信号に応答して、作動ローカル無線通信信号の送信機153a〜cによる送信を可能にするように構成されている。この場合、捕獲器コントローラは、さらに、作動センサ信号が受信されていないときに受信した携帯電子デバイスから促進信号に応答して、非作動ローカル無線通信信号(すなわち、捕獲器が作動していない状態に関連する情報を含む信号)の送信機153a〜cによる送信を可能にするように構成されている。
【0075】
図1a〜1bに示す例の場合、範囲内の1つの齧歯動物捕獲器151aが作動し、範囲内の1つの齧歯動物捕獲器151bが作動していない。
【0076】
この実施形態では、携帯電子デバイスは、範囲内の作動した捕獲器および作動していない捕獲器から、ローカル無線通信信号を受信するように構成されている。この場合、携帯電子デバイスは、ローカル無線通信信号において暗号化された情報に基づいて、範囲内のそれぞれの捕獲器を特定するように構成されたプロセッサおよびメモリを含んでいる。すなわち、それぞれの捕獲器は、捕獲器が作動したか否かに関連した情報はもちろん、特定情報を構成するローカル無線通信信号を送信するように構成されている。
【0077】
この場合、携帯電子デバイスのコントローラは、受信したローカル無線通信信号が、捕獲器が作動しているか否かを判定するための作動信号または非作動信号を含んでいるか否かを判定するように構成されている。
【0078】
この場合、携帯電子デバイスのコントローラ101は、捕獲器の状態の情報の視覚表示を、文字(文字「A」に対応する捕獲器151a、および文字「B」に対応する捕獲器151b)、および、文字に関連付けられた、捕獲器が作動したことを示すチェックマーク102、または捕獲器が作動していないことを示す×マーク105により、スクリーン上で特定された範囲内のそれぞれの捕獲器がスクリーンに表示されたテーブルの形で、ユーザに対して提供する。
【0079】
さらに、携帯電子デバイスは、作動した齧歯動物捕獲器から、作動の時間情報を受信して処理するように構成されている。この場合、齧歯動物捕獲器コントローラは、捕獲器が作動すると共に、この情報を携帯電子デバイスに対してローカル無線通信信号によって送信したことを示すデータを記録するように構成されている。この情報は、携帯電子デバイス101により複合化され、スクリーン103に表示される。
【0080】
この作動の時間情報は、施設内に捕獲器を置く方法、および/または施設内の捕獲器を点検する方法の方法を決定する際に役に立ち得る。この場合、携帯電子デバイスは、複数の捕獲器のうちのどの捕獲器が作動したかを示す情報を構成するデータの、外部の電子デバイスへの提供を可能にするように構成されている。データの提供は、情報を無線で(例えばWi−Fi、Bluetooth(登録商標)により)送信すること、および/または、後で検索するために(例えば、USBスティック、もしくは有線または無線接続を用いて)携帯電子デバイスにローカルで情報を蓄積することにより、可能になるであろう。
【0081】
図2a〜2bは、第2の実施形態の携帯電子デバイスを示し、この場合には、携帯電子デバイスは、いくつかの捕獲器が作動したか否かを判定するために、齧歯動物管理調査員によって使用されるタブレットコンピュータである。
【0082】
図2aは、施設の平面図であり、この場合には、施設は、パレットに貯蔵された牛の家畜飼料を貯蔵する倉庫である。
【0083】
この場合、倉庫は、倉庫の施設内の様々な場所に置かれた10個の齧歯動物捕獲器が提供されている。齧歯動物管理調査員281のユーザは、携帯電子デバイス201を用いて、倉庫の施設内の様々な捕獲器251a〜jを点検する。倉庫内の捕獲器は、それらがパレットの内部、高所、および手の届かない場所に保管されている場合があるため、位置を特定するのが難しい場合があることが認識されるだろう。この場合、携帯電子デバイスは、齧歯動物を捕獲するために作動するように構成された、範囲内の複数の齧歯動物捕獲器から、ローカル無線通信信号256a、b、dを受信するように構成され、携帯電子デバイスは、受信したローカル無線通信信号に応答して、範囲221内の複数の捕獲器のうちの作動している少なくとも1つの捕獲器を特定し、少なくとも1つの特定された作動した捕獲器の表示256a〜dをユーザに提供するように構成されている。
【0084】
齧歯動物管理調査員のユーザ281が倉庫の施設291を通り過ぎるにつれて、1つ以上の捕獲器が携帯電子デバイスの範囲内へ移動する。
図2aおよび2bに示す状況では、4つの捕獲器251a〜dが範囲内にあり、6つの捕獲器251e〜jが範囲外にある。携帯電子デバイスが施設を通って移動するにつれて、以前は範囲外だった捕獲器が範囲内に入り、それによって携帯電子デバイスと相互作用することが可能となることが認識されるだろう。
【0085】
この場合、携帯電子デバイス201は、短距離無線周波数受信機を含んでいる。受信機は、捕獲器からのローカル無線通信信号ブロードキャストを受信するように構成されている。前の実施形態とは異なり、この場合の捕獲器は、作動したときに、ブロードキャスト無線通信信号256a、b、dを送信するように構成されている。作動していない捕獲器は、ブロードキャスト無線通信信号を送信しないように構成されている。捕獲器が作動したときのみ、ローカル無線通信信号を送信することにより、捕獲器の送信機のエネルギー消費が減るであろう。
【0086】
図2bは、捕獲器と携帯電子デバイスとの間の相互作用を示す。
【0087】
この場合、齧歯動物捕獲器251a〜jのそれぞれは、齧歯動物254a、b、dを殺滅するように構成されている。この場合、齧歯動物捕獲器251a〜jは、それぞればねに荷重をかけた棒の捕獲器を含んでいる。この場合、作動部材252a〜dは、ばねに荷重をかけた棒である。
【0088】
ばねに荷重をかけたドアの作動部材は、この場合、作動部材252a〜dの第1の準備位置から第2の作動した位置への移動を始めるように構成されたトリガ(図示せず)によって制御される。この場合、トリガは第1の準備位置において、ばねに荷重をかけた棒252a〜dを保持するように構成された機械的なトリガ機構を含む。齧歯動物が機械的なトリガ機構(例えば、機械的なトリガ機構にとりつけた餌を移動させることにより)に移動したとき、ばねに荷重をかけた棒252a〜dが解放され、開いた準備位置から閉じた作動した位置へ移動する。
【0089】
この場合のそれぞれの捕獲器はまた、この場合、ばねに荷重をかけた棒の作動部材252a〜dが閉じた作動した位置にある場合に電源が投入されるように構成されたマイクロスイッチである。捕獲器は、作動センサが作動したとき、ローカル無線通信信号を送信機253a〜dにより放送するように構成されている。
【0090】
この実施形態において、携帯電子デバイス201は、範囲内の作動した捕獲器から送信されたローカル無線通信信号256a、b、dを受信するように構成されている。この場合、携帯電子デバイスは、ローカル無線通信信号の入射角に基づいて、範囲内の複数の捕獲器の少なくとも1つを特定するように構成されている。すなわち、この実施形態では、様々な作動された捕獲器から提供されるローカル無線通信信号は同じである。しかしながら、携帯電子デバイス201は、この場合、捕獲器の位置に基づいて、捕獲器同士を特定して区別するように構成されている。これを行うために、携帯電子デバイスは、それぞれの作動した捕獲器について、入ってきたローカル無線通信信号の入射角を測定するように構成された位相アレイアンテナを含んでいる。携帯電子デバイスをローカル無線通信信号の入射角に基づいて捕獲器同士を区別するように構成することにより、捕獲器にとって特定信号を送信する必要性を緩和するため、捕獲器は、同じ作動信号を送信するように生成された集合であってもよいことが認識されるだろう。
【0091】
この場合、携帯電子デバイス201は、矢印の表示257a、b、dの形で、作動した捕獲器251a、b、dの位置を示すそれぞれの矢印の表示が携帯電子デバイス(およびユーザに)関連するように、ユーザに情報を視覚的に提供する。他の表示は、捕獲器の相対位置または絶対位置を示すために使用されてもよいことが認識されるだろう。矢印の表示257a、b、dの角度は、作動した捕獲器に対応する方向を示し、矢印の表示257a、b、dの長さは、作動した捕獲器に対応する近さを示している(短い矢印は、近接していることを示し、長い矢印は、捕獲器が遠くにあることを示している)。位置の表示を提供することにより、ユーザはどこに捕獲器が配置されたかを前もって知る必要がないことが認識されるだろう。これは、捕獲器が時間と共に移動される場合(例えば、パレットと共に移動される、パレットの中に位置する捕獲器)、または設定された捕獲器の位置がない場合(例えば、飼育資料を長距離輸送するトラック内にある捕獲器を点検する齧歯動物管理調査員)に、特に有用であり得る。
【0092】
さらに、この場合、携帯電子デバイスは、作動した齧歯動物捕獲器に関する作動の時間情報を生成するように構成されている。この場合、携帯電子デバイスは、定められた調査のための特別な施設内のいくつかの作動した捕獲器を記録するように構成されている。この作動の時間情報は、施設内に捕獲器を置く方法、および/または施設内の捕獲器を点検する方法の方法を決定する際に役に立ち得る。この場合、携帯電子デバイスは、外部の電子デバイスに対する、複数の捕獲器のうちのどの捕獲器が作動したかの情報を含む、データの提供が可能となるように構成されている。データの提供は、情報を無線で(例えばWi−Fi、Bluetooth(登録商標)によって)送信すること、および/または、後で検索するために(例えば、USBスティック、もしくは有線または無線接続を用いて)携帯電子デバイスにローカルで情報を蓄積することにより、可能になるであろう。
【0093】
他の実施形態では、1つ以上の捕獲器が、温度センサ(例えば、熱電対または他の温度計)、および/または湿度センサを含む、1つ以上の状態センサを有していてもよいことが認識されるだろう。捕獲器は、温度データおよび/または湿度データなどの記録された状態データを(例えば、携帯電子デバイスまたは他の遠隔デバイスに対して)送信するように構成されていてもよい。状態センサは、餌の状態を直接計測すること、および/または餌の周りの環境(例えば、箱状の捕獲器のチャンバ内の湿度)を計測することを行うように構成されていてもよい。
【0094】
図3は、害獣管理システムの構成要素、およびそれらがどのように相互作用するかを示す概略図である。
【0095】
この場合、害獣管理システムは、携帯電子デバイス301、いくつかの齧歯動物捕獲器351a〜n、ネットワーク381、コンピュータ382a〜b、およびデータベース383を含んでいる。
【0096】
捕獲器は、この場合、齧歯動物を捕獲したり殺滅したりすることにより齧歯動物を捕獲するように構成された、捕獲機構360a〜n(例えば、あごの捕獲機構、ばねに荷重をかけた棒の機構)を含んでいる。この場合、捕獲機構360a〜nは、捕獲器コントローラ(プロセッサ、メモリ、およびコンピュータプログラムコードを含んでいてもよい)から信号を受信した際に応答して、作動するように構成されている。捕獲器コントローラは、この場合、トリガセンサ(例えば、IRセンサまたは振動センサ)からトリガ信号を受信することに応答して、捕獲機構を作動させるように構成されている。トリガセンサは、捕獲器内の齧歯動物の存在を検出するように構成されている。他の捕獲器は、トリガセンサ359a〜nよりもむしろ機械的なトリガを有していてもよいことが認識されるだろう。
【0097】
この場合、捕獲器は、捕獲機構がいつ作動したかを感知するように構成された、別個の作動センサ358a〜n(例えばマイクロスイッチ)を含んでいる。前の実施形態で述べたように、トリガセンサは作動センサと同じであってもよいことが認識されるだろう。作動センサから作動信号を受信した際の応答として、捕獲器コントローラは、捕獲器が作動したことを示すローカル無線通信信号の送信が可能となるように構成されている。送信は、送信機353a〜nを有する捕獲器によって容易に行える。
【0098】
それぞれの捕獲器351a〜nのコントローラ357a〜n、作動センサ358a〜n、トリガセンサ359a〜n、および送信機は、捕獲機構360a〜nに改造され得る作動検出モジュールの一部を形成していることが認識されるだろう。
【0099】
この場合、携帯電子デバイス301は、プロセッサ310(例えばASIC)、および、プロセッサを稼働したときに携帯電子デバイスの機能を制御するコンピュータプログラムコード312を有するメモリ311を含んだデバイスコントローラ309を含んでいる。この場合、携帯電子デバイスはまた、範囲内の捕獲器からローカル無線通信信号を受信するように構成された受信機305を含んでいる。受信されたローカル無線通信信号は、コントローラ309によって処理される。
【0100】
デバイスコントローラは、信号を送信した捕獲器を特定するために、受信したローカル無線通信信号を処理するように構成されている。デバイスコントローラはまた、捕獲器の作動に関連する時間を判定するように構成されていてもよい。
【0101】
携帯電子デバイスは、さらに、この場合、1つ以上の作動した捕獲器の表示をユーザに提供するために、ディスプレイ307およびスピーカ308を含むユーザインタフェース306を含んでいる。他の実施形態は異なるユーザインタフェースの構成要素を有していることが認識されるだろう。
【0102】
携帯電子デバイス301はまた、この場合、携帯電子デバイスからネットワーク381へのデータ送信を容易にするために、ネットワーク(例えばインターネット)を介して接続することが可能となるように構成されている。これは、齧歯動物捕獲器システムに関連するデータを、コンピュータ382a〜bに、またはデータベース383内に蓄積させてもよい。他の実施形態は、外部のコンピュータまたはデータベースを用いて直接通信することを容易にしていることが認識されるだろう。
【0103】
図4は、携帯電子デバイスと相互作用する昆虫害獣捕獲器を示す概略図である。
【0104】
この場合、害獣捕獲器は、
1匹以上の害獣(この場合、昆虫454a、b)を動けないようにするように構成された粘着性の表面478、
粘着性の表面上の1匹以上の害獣の存在を検出するように構成されたセンサ479であって、検出された1匹以上の害獣の存在に対応するデータをコントローラ(図示せず)に送信するように構成されたセンサ、および
コントローラに接続され、データを遠隔の電子デバイス401に送信するように構成された送信機453を含んでいる。
【0105】
この場合、害獣捕獲器451は、粘着性の細片に対して昆虫を動けないようにすることによって、昆虫454a、bを動けないようにするように構成されている。粘着性の細片は、害獣を粘着性の細片478に引き寄せるための餌を含んでいてもよいことが認識されるだろう。
【0106】
捕獲器451は、この場合、粘着剤の上の昆虫の振動を検出するように構成された振動センサである作動センサを含んでいる。捕獲器は、作動センサが作動したとき、ローカル無線通信信号を送信機453によりブロードキャスト送信するように構成されている。他の実施形態は、害獣の存在を検出するためのIRセンサのような他のセンサを使用してもよいことが認識されるだろう。
【0107】
この実施形態では、携帯電子デバイス401は、範囲内の作動した捕獲器からローカル無線通信信号456を受信するように構成されている。この場合、携帯電子デバイス401は、ローカル無線通信信号の入射角に基づいて、範囲内の複数の捕獲器のうちの少なくとも1つの捕獲器を特定するように構成されている。
【0108】
この場合、携帯電子デバイス401は、捕獲された昆虫のサイズおよび/または質量と相関し得る振動の強度の表示を与えるバーの形で、情報をユーザに視覚的に提供する。これは、ユーザに、粘着性の細片を交換する必要があるか否かを判定させる。
【0109】
さらに、この場合、携帯電子デバイスは、作動した齧歯動物捕獲器に関する作動の時間情報を生成するように構成されている。この作動の時間情報は、施設内に捕獲器を置く方法、および/または施設内の捕獲器を点検する方法の方法を決定する際に役に立ち得る。この場合、携帯電子デバイスは、外部の電子デバイスに対して、複数の捕獲器のうちのどの捕獲器が作動したかの情報を含むデータの提供が可能となるように構成されている。データの提供は、情報を無線で(例えばWi−Fi、Bluetooth(登録商標)によって)送信すること、および/または、後で検索するために(例えば、USBスティック、もしくは有線または無線接続を用いて)携帯電子デバイスにローカルで情報を蓄積することにより、可能になり得る。
【0110】
捕獲器251が、交換可能な捕獲機構(例えば粘着性の細片)と、改造可能な作動検出モジュールであって、
作動検出モジュールを害獣管理捕獲器に接続するように構成されたコネクタ、
コントローラに接続され、害獣管理捕獲器がいつ作動したかを感知するように構成されたセンサ、および
コントローラに接続され、害獣管理捕獲器の作動に関連するデータを送信するように構成された送信機を含んでいる、作動検出モジュールと、を含んでもよいことが認識されるだろう。
【0111】
これは、作動検出モジュールを、粘着性の細片が使い果たされたときに再利用させてもよい。この場合、コネクタは単に、粘着性の細片および振動センサの間を振動に通過させるための、粘着性の細片に接続する囲いの一部であってもよい。
【0112】
本発明は、望ましい実施形態およびそれらの望ましい使用について説明および図説されたが、当業者には理解されるように、本発明の完全な意図された範囲内である修正および変更をその中で行い得るため、それらに限定されるものではない。
【国際調査報告】