特表2018-530006(P2018-530006A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-530006(P2018-530006A)
(43)【公表日】2018年10月11日
(54)【発明の名称】光システム
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20180914BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20180914BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20180914BHJP
   G02F 1/1334 20060101ALI20180914BHJP
   G02F 1/1347 20060101ALI20180914BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20180914BHJP
【FI】
   G09F9/30 317
   G09F9/30 308Z
   G09F9/30 365
   G09F9/00 313
   G02F1/13 505
   G02F1/1334
   G02F1/1347
   H05B33/14 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2018-521182(P2018-521182)
(86)(22)【出願日】2016年7月6日
(85)【翻訳文提出日】2018年2月27日
(86)【国際出願番号】US2016041210
(87)【国際公開番号】WO2017007859
(87)【国際公開日】20170112
(31)【優先権主張番号】62/189,202
(32)【優先日】2015年7月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/233,026
(32)【優先日】2015年9月25日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】518006352
【氏名又は名称】エンライトン エンタープライゼス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャック ララミー
【テーマコード(参考)】
2H088
2H189
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H088EA33
2H088GA10
2H088HA12
2H088HA18
2H189AA04
2H189AA22
2H189LA14
2H189LA17
2H189LA20
2H189MA15
3K107AA01
3K107BB00
3K107BB01
3K107CC41
3K107EE01
3K107EE26
3K107EE65
5C094AA01
5C094BA27
5C094BA43
5C094BA48
5C094CA24
5C094DA12
5C094ED01
5C094FA01
5G435AA01
5G435BB05
5G435BB12
5G435CC12
5G435DD11
5G435GG03
5G435GG12
(57)【要約】
システムは、電源、マルチレイヤデバイス及び電気的コントローラを含む。マルチレイヤデバイスは電源に接続され、そして、また、それを通って、2つの面、すなわち観察面及び観察面とは反対側の第2の面を有する。マルチレイヤデバイスは、光が第2の面から観察面に向かう方向に通過するのを許容又は阻止する。マルチレイヤデバイスは、複数のピクセルを有するカラーリングレイヤグループであって、個々のピクセルが異なる色に対応する少なくとも3つのサブピクセルを有するカラーリングレイヤグループと、カラーリングレイヤグループの個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルシャッタを有するシャッタレイヤグループとを含む。電気的コントローラは、電源及びマルチレイヤデバイスに接続され、また、個々のサブピクセルシャッタを制御して、ある量の光が通過するのを選択的に許容又は阻止し、かつ、サブピクセルシャッタ及び対応するカラーリングレイヤサブピクセルの個々の組合せを制御して、不透明な黒色のいずれであってもよいピクセルを観察面に生成するように適合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
電源と、
前記電源に接続され、また、2つの面、すなわち観察面及び前記観察面とは反対側の第2の面、を有するマルチレイヤデバイスであって、それを通って、光が前記第2の面から前記観察面に向かう方向に通過するのを許容又は阻止する、前記マルチレイヤデバイスであって、
前記カラーリングレイヤグループの個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルを有するシャッタレイヤグループであって、
第1の偏光レイヤ、
電極、
液晶レイヤ、及び、
前記第1の偏光レイヤに対して直角に配置された第2の偏光レイヤ
を備える、前記シャッタレイヤグループと、
カラーリングレイヤグループであって、
複数のピクセルを有する受動カラーフィルタであって、個々のピクセルは異なる色に対応する少なくとも3つのサブピクセルを有し、前記ピクセルの各々は、赤色の受動透明カラーリングフィルタサブピクセル、緑色の受動透明カラーリングフィルタサブピクセル及び青色の受動透明カラーリングフィルタサブピクセルを備える、前記受動カラーフィルタを備える、前記カラーリングレイヤグループと、
前記カラーリングレイヤグループの個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルを有する拡散レイヤグループであって、
電極、及び、
白色のポリマー分散液晶(PDLC)レイヤ
を備える、前記拡散レイヤグループと、
を含む、前記マルチレイヤデバイスと、
前記電源及び前記マルチレイヤデバイスに接続される電気的コントローラであって、
個々のシャッタレイヤグループサブピクセルを制御し、それを通して、ある量の光が通過するのを選択的に許容又は阻止し、それにより透明から不透明な黒色までの範囲にある画像を生成し、
個々の拡散レイヤグループサブピクセルを制御して、透明から十分に不透明な白色までの範囲にある画像を生成し、及び、
シャッタレイヤグループサブピクセル、対応するカラーリングレイヤグループサブピクセル及び対応する拡散レイヤグループサブピクセルの個々の組合せを制御して、透明から、透明な色、透明な白色、少なくとも十分に不透明な色、少なくとも十分に不透明な白色及び不透明な黒色までの範囲のいずれかでありうるピクセルを前記観察面に生成する
ように適合される、前記電気的コントローラと
を具備する、システム。
【請求項2】
前記拡散レイヤグループは、プリズムレイヤをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
受け取った光は、前記拡散レイヤグループを通過する前に前記カラーリングレイヤグループを通過する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
受け取った光は、前記カラーリングレイヤグループを通過する前に前記拡散レイヤグループを通過する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
システムであって、
電源と、
前記電源に接続され、また、2つの面、すなわち観察面及び前記観察面とは反対側の第2の面、を有するマルチレイヤデバイスであって、それを通って、光が前記第2の面から前記観察面に向かう方向に通過するのを許容又は阻止し、
カラーリングレイヤグループの個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルを有するシャッタレイヤグループであって、
第1の偏光レイヤ、
電極、
液晶レイヤ、及び、
前記第1の偏光レイヤに対して直角に配置された第2の偏光レイヤ
を備える、前記シャッタレイヤグループと、
カラーリングレイヤグループであって、
複数のピクセルを有するカラーリング拡散レイヤグループであって、個々のピクセルが異なる色に対応する少なくとも3つのサブピクセルを有し、個々のピクセルが、赤色のポリマー分散液晶拡散サブピクセル、緑色のポリマー分散液晶拡散サブピクセル及び青色のポリマー分散液晶拡散サブピクセルを備えるカラーリング拡散レイヤグループ
を備える、前記カラーリングレイヤグループと
を含む、前記マルチレイヤデバイスと、
前記電源及び前記マルチレイヤデバイスに接続された電気的コントローラであって、
個々のシャッタレイヤグループサブピクセルを制御して、ある量の光が通過するのを選択的に許容又は阻止し、それにより透明から不透明な黒色までの範囲にある画像を生成し、
個々のカラーリングレイヤグループサブピクセルを制御して、透明から十分に不透明な色までの範囲にある画像を生成し、及び、
カラーリングレイヤサブピクセル及び対応するシャッタレイヤグループサブピクセルの個々の組合せを制御して、透明から、透明な色、少なくとも十分に不透明な色、少なくとも十分に不透明な白色、及び不透明な黒色までの範囲のいずれかでありうるピクセルを前記観察面に生成する
ように適合される、前記電気的コントローラと
を具備する、システム。
【請求項6】
前記カラーリングレイヤグループはプリズムレイヤをさらに備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
受け取った光は、前記カラーリングレイヤグループを通過する前に前記シャッタレイヤグループを通過する、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
システムであって、
電源と、
前記電源に接続され、また、2つの面、すなわち観察面及び前記観察面とは反対側の第2の面、を有するマルチレイヤデバイスであって、それを通って、光が前記第2の面から前記観察面に向かう方向に通過するのを許容又は阻止し、
カラーリングレイヤグループの個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルを有するシャッタレイヤグループであって、
第1の偏光レイヤ、
電極、
液晶レイヤ、及び、
前記第1の偏光レイヤに対して直角に配置された第2の偏光レイヤ
を備える、前記シャッタレイヤグループと、
カラーリングレイヤグループであって、
複数のピクセルを有するカラーリングエミッタレイヤグループであって、個々のピクセルが異なる色に対応する少なくとも3つのサブピクセルを有し、個々のピクセルが、赤色の有機発光ダイオードサブピクセル、緑色の有機発光ダイオードサブピクセル及び青色の有機発光ダイオードサブピクセルを備える、前記カラーリングエミッタレイヤグループ
を備える、前記カラーリングレイヤグループと
を含む、前記マルチレイヤデバイスと、
前記電源及び前記マルチレイヤデバイスに接続された電気的コントローラであって、
個々のシャッタレイヤグループサブピクセルシャッタを制御して、ある量の光が通過するのを選択的に許容又は阻止し、それにより透明から不透明な黒色までの範囲にある画像を生成し、
個々のカラーリングレイヤグループサブピクセルを制御して、透明から透明な色までの範囲にある画像を生成し、及び、
カラーリングレイヤグループサブピクセル及び対応するシャッタレイヤグループサブピクセルの個々の組合せを制御して、透明から、透明な色、透明な白色、不透明な色、不透明な白色、及び不透明な黒色までの範囲のいずれかでありうるピクセルを前記観察面に生成する
ように適合される、前記電気的コントローラと
を具備する、システム。
【請求項9】
前記カラーリングレイヤグループは、偏光子レイヤをさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
受け取った光は、前記カラーリングレイヤグループを通過する前に前記シャッタレイヤグループを通過する、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
システムであって、
電源と、
前記電源に接続され、また、2つの面、すなわち観察面及び前記観察面とは反対側の第2の面、を有するマルチレイヤデバイスであって、それを通って、光が前記第2の面から前記観察面に向かう方向に通過するのを許容又は阻止し、
カラーリングレイヤグループの個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルを有するシャッタレイヤグループであって、
第1の偏光レイヤ、
電極、
液晶レイヤ、及び、
前記第1の偏光レイヤに対して直角に配置された第2の偏光レイヤ
を備える、前記シャッタレイヤグループと、
カラーリングレイヤグループであって、
複数のピクセルを有するカラーリング拡散レイヤグループであって、個々のピクセルが異なる色に対応する少なくとも3つのサブピクセルを有し、個々のピクセルが、赤色のポリマー分散液晶拡散サブピクセル、緑のポリマー分散液晶拡散サブピクセル及び青色のポリマー分散液晶拡散サブピクセルを備える、前記カラーリング拡散レイヤグループと、
複数のピクセルを有するカラーリングエミッタレイヤグループであって、個々のピクセルが異なる色に対応する少なくとも3つのサブピクセルを有し、個々のピクセルが、赤色の有機発光ダイオードサブピクセル、緑色の有機発光ダイオードサブピクセル及び青色の有機発光ダイオードサブピクセルを備える、前記カラーリングエミッタレイヤグループと
を備える、前記カラーリングレイヤグループと
を含む、前記マルチレイヤデバイスと、
前記電源及び前記マルチレイヤデバイスに接続された電気的コントローラであって、
個々のシャッタレイヤグループサブピクセルを制御して、ある量の光が通過するのを選択的に許容又は阻止し、それにより透明から不透明な黒色までの範囲にある画像を生成し、
個々のカラーリング拡散レイヤグループサブピクセルを制御して、透明から十分に不透明な色までの範囲にある画像を生成し、
個々のカラーリングエミッタレイヤグループサブピクセルを制御して、透明から透明な色までの範囲にある画像を生成し、及び、
シャッタレイヤグループサブピクセル、対応するカラーリング拡散レイヤグループサブピクセル及び対応するカラーリングエミッタレイヤグループサブピクセルの個々の組合せを制御して、透明から、透明な白色、少なくとも十分に不透明な白色、不透明な白色、透明な色、少なくとも十分に不透明な色、不透明な色及び不透明な黒色までの範囲のいずれかでありうるピクセルを前記観察面に生成する
ように適合される、前記電気的コントローラと
を具備する、システム。
【請求項12】
前記カラーリング拡散レイヤグループはプリズムレイヤをさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記カラーリングエミッタレイヤグループは偏光子レイヤをさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
受け取った光は、前記カラーリングエミッタレイヤグループを通過する前に前記カラーリング拡散レイヤグループを通過する、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
受け取った光は、前記カラーリング拡散レイヤグループを通過する前に前記カラーリングエミッタレイヤグループを通過する、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
受け取った光は、前記カラーリングレイヤグループを通過する前に前記シャッタレイヤグループを通過する、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
システムであって、
電源と、
前記電源に接続され、また、2つの面、すなわち観察面及び前記観察面とは反対側の第2の面、を有するマルチレイヤデバイスであって、それを通って、光が前記第2の面から前記観察面に向かう方向に通過するのを許容又は阻止し、
複数のピクセルを有するカラーリングレイヤグループであって、個々のピクセルが色に対応する少なくとも2つ以上のサブピクセルを有する、前記カラーリングレイヤグループと、
前記カラーリングレイヤグループの個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルを有するシャッタレイヤグループと
を備えるマルチレイヤデバイスと、
前記電源及び前記マルチレイヤデバイスに接続された電気的コントローラであって、
個々のシャッタレイヤグループサブピクセルを制御して、ある量の光が通過するのを選択的に許容又は阻止し、それにより透明から不透明な黒色までの範囲にある画像を生成し、
カラーリングレイヤグループサブピクセル及び対応するシャッタレイヤグループサブピクセルの個々の組合せを制御して、透明から、透明な色、透明な白色、少なくとも十分に不透明な色、少なくとも十分に不透明な白色、不透明な色、不透明な白色及び不透明な黒色のうちの1つ又は複数までの範囲のいずれかでありうるピクセルを前記観察面に生成する
ように適合される、前記電気的コントローラと
を具備する、システム。
【請求項18】
前記カラーリングレイヤグループ内の前記サブピクセルの前記色は白色であり、
前記コントローラは、前記システムを制御して、透明から、透明な白色、少なくとも十分に不透明な白色、不透明な白色及び不透明な黒色までの範囲のいずれかでありうるピクセルを前記観察面に生成するように適合される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
ユーザによる前記電気的コントローラ及び光システムの制御を許容する手動システムコントローラをさらに備える、請求項1、5、8、11又は17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記手動システムコントローラは容量性コントロールワンドを備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記手動システムコントローラは、前記電気的コントローラと無線通信する電子デバイスを備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記電源はAC電力である、請求項1、5、8、11及び17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記電源は、前記マルチレイヤ化デバイスの前記第2の面に隣接する透明光電池レイヤである、請求項1、5、8、11及び17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記電源は非透明な光電池である、請求項1、5、8、11及び17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記電源は1つ又は複数の蓄電池である、請求項1、5、8、11及び17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記電源は充電式蓄電池を充電する、請求項1、5、8、11及び17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
マルチレイヤデバイスの観察面に画像を生成する方法であって、前記マルチレイヤデバイスは電源に接続され、そして、また、それを通って、光が前記観察面に向かう方向に通過するのを許容する受光面を有し、前記マルチレイヤデバイスは、複数のピクセルを有する受動カラーフィルタを備えるカラーリングレイヤグループであって、個々のピクセルは、異なる色に対応する少なくとも3つの受動透明カラーリングフィルタサブピクセルを有する前記カラーリングレイヤグループと、前記カラーリングレイヤグループの個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルを有するシャッタレイヤグループと、前記カラーリングレイヤグループの個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルを有する拡散レイヤグループとを含み、前記方法は、
電気的コントローラを使用して、複数のシャッタレイヤグループサブピクセルの各々を制御して、ある量の光が通過するのを選択的に許容又は阻止するステップであって、それにより透明から不透明な黒色までの範囲にある画像を生成するステップと、
前記電気的コントローラを使用して、個々の拡散レイヤグループサブピクセルを制御するステップであって、それにより透明から十分に不透明な白色までの範囲にある画像を生成するステップと、
前記電気的コントローラを使用して、カラーリングレイヤグループサブピクセル及び対応するシャッタレイヤグループサブピクセルの個々の組合せを制御するステップであって、それにより透明から、透明な色、透明な白色、少なくとも十分に不透明な色、少なくとも十分に不透明な白色及び不透明な黒色までの範囲のいずれであってもよいピクセルを前記観察面に生成するステップと
を含む、方法。
【請求項28】
マルチレイヤデバイスの観察面に画像を生成する方法であって、前記マルチレイヤデバイスは電源に接続され、そして、また、それを通って、光が前記観察面に向かう方向に通過するのを許容する受光面を有し、前記マルチレイヤデバイスは、複数のピクセルを有するカラーリング拡散レイヤグループを備えるカラーリングレイヤグループであって、個々のピクセルは、異なる色に対応する少なくとも3つのポリマー分散液晶拡散サブピクセルを有する前記カラーリングレイヤグループと、前記カラーリングレイヤグループの個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルを有するシャッタレイヤグループと、前記カラーリングレイヤグループの個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルを有する拡散レイヤグループとを含み、前記方法は、
電気的コントローラを使用して、複数のシャッタレイヤグループサブピクセルの各々を制御して、ある量の光が通過するのを選択的に許容又は阻止するステップであって、それにより透明から不透明な黒色までの範囲にある画像を生成するステップと、
前記電気的コントローラを使用して、個々のカラーリングレイヤグループサブピクセルを能動的に制御するステップであって、それにより透明から少なくとも十分に不透明な色までの範囲にある画像を生成するステップと、
前記電気的コントローラを使用して、カラーリングレイヤグループサブピクセル及び対応するシャッタレイヤグループサブピクセルの個々の組合せを制御するステップであって、それにより透明から、透明な色、少なくとも十分に不透明な色、少なくとも十分に不透明な白色及び不透明な黒色までの範囲のいずれかでありうるピクセルを前記観察面に生成するステップと
を含む、方法。
【請求項29】
マルチレイヤデバイスの観察面に画像を生成する方法であって、前記マルチレイヤデバイスは電源に接続され、そして、また、それを通って、光が前記観察面に向かう方向に通過するのを許容する受光面を有し、前記マルチレイヤデバイスは、複数のピクセルを有するカラーリングエミッタレイヤグループを備えるカラーリングレイヤグループであって、個々のピクセルは、異なる色に対応する少なくとも3つの有機発光ダイオードサブピクセルを有する前記カラーリングレイヤグループと、前記カラーリングレイヤグループの個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルを有するシャッタレイヤグループと、前記カラーリングレイヤグループの個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルを有する拡散レイヤグループとを含み、前記方法は、
電気的コントローラを使用して、複数のシャッタレイヤグループサブピクセルの各々を制御して一定の量の光が通過するのを選択的に許容又は阻止するステップであって、それにより透明から不透明な黒色までの範囲にある画像を生成するステップと、
前記電気的コントローラを使用して、個々のカラーリングレイヤグループサブピクセルを能動的に制御するステップであって、それにより透明から透明な色までの範囲にある画像を生成するステップと、
前記電気的コントローラを使用して、シャッタレイヤグループサブピクセル、対応するカラーリング拡散レイヤグループサブピクセル及び対応するカラーリングエミッタレイヤグループサブピクセルの個々の組合せを制御するステップであって、それにより透明から、透明な白色、透明な色、不透明な白色、不透明な色及び不透明な黒色までの範囲のいずれであってもよいピクセルを前記観察面に生成するステップと
を含む、方法。
【請求項30】
マルチレイヤデバイスの観察面に画像を生成する方法であって、前記マルチレイヤデバイスは電源に接続され、そして、また、それを通って、光が前記観察面に向かう方向に通過するのを許容する受光面を有し、前記マルチレイヤデバイスは、複数のピクセルを有するカラーリング拡散レイヤグループを備えるカラーリングレイヤグループであって、個々のピクセルは、異なる色に対応する少なくとも3つのポリマー分散液晶拡散サブピクセルを有する前記カラーリングレイヤグループと、複数のピクセルを有するカラーリングエミッタレイヤグループであって、個々のピクセルは、異なる色に対応する少なくとも3つの有機発光ダイオードサブピクセルを有する前記カラーリングエミッタレイヤグループと、前記カラーリングレイヤグループの個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルを有するシャッタレイヤグループと、前記カラーリングレイヤグループの個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルを有する拡散レイヤグループとを含み、前記方法は、
電気的コントローラを使用して、複数のシャッタレイヤグループサブピクセルの各々を制御して、ある量の光が通過するのを選択的に許容又は阻止するステップであって、それにより透明から不透明な黒色までの範囲にある画像を生成するステップと、
前記電気的コントローラを使用して、個々のカラーリングレイヤグループサブピクセルを能動的に制御するステップであって、それにより透明から少なくとも十分に不透明な色までの範囲にある画像を生成するステップと、
前記電気的コントローラを使用して、個々のカラーリングレイヤグループサブピクセルを能動的に制御するステップであって、それにより透明から透明な色までの範囲にある画像を生成するステップと、
前記電気的コントローラを使用して、シャッタレイヤグループサブピクセル、対応するカラーリング拡散レイヤグループサブピクセル及び対応するカラーリングエミッタレイヤグループサブピクセルの個々の組合せを制御するステップであって、それにより透明から、透明な白色、少なくとも十分に不透明な白色、不透明な白色、透明な色、少なくとも十分に不透明な色、不透明な色及び不透明な黒色までの範囲のいずれかでありうるピクセルを前記観察面に生成するステップと
を含む、方法。
【請求項31】
マルチレイヤデバイスの観察面に画像を生成する方法であって、前記マルチレイヤデバイスは電源に接続され、そして、また、それを通って、光が前記観察面に向かう方向に通過するのを許容する受光面をまた有し、前記マルチレイヤデバイスは、複数のピクセルを有するカラーリングレイヤグループであって、個々のピクセルは、色に対応する少なくとも2つ以上のサブピクセルを有する前記カラーリングレイヤグループと、前記カラーリングレイヤグループの個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルを有するシャッタレイヤグループとを含み、前記方法は、
電気的コントローラを使用して、複数のシャッタレイヤグループサブピクセルの各々を制御して、ある量の光が通過するのを選択的に許容又は阻止するステップであって、それにより透明から不透明な黒色までの範囲にある画像を生成するステップと、
前記電気的コントローラを使用して、個々のカラーリングレイヤグループサブピクセルを能動的に制御するステップであって、それにより透明から、少なくとも十分に不透明な色及び透明な色のうちの1つ又は複数までの範囲にある画像を生成するステップと、
前記電気的コントローラを使用して、カラーリングレイヤグループサブピクセル及び対応するシャッタレイヤグループサブピクセルの個々の組合せを制御するステップであって、それにより透明から、透明な色、透明な白色、少なくとも十分に不透明な色、少なくとも十分に不透明な白色、不透明な色、不透明な白色及び不透明な黒色のうちの1つ又は複数までの範囲のいずれかでありうるピクセルを前記観察面に生成するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光システムに関し、より詳細には、光の通過を選択的に許容及び阻止する光システムに関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下に、それぞれ2015年7月6日及び2015年9月25日に出願した米国特許仮出願第62/189202号明細書及び第62/233026号明細書の優先権を主張するものであり、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
ブラインド及びウィンドウカバリングは、人々の家に入射する太陽の光及び熱の量の制御を補助し、その一方でプライバシー及び装飾を提供する。従来の解決法は、多くの可動部品を有しており、壊れやすく、また、いくらかの時間、光の一部のみを遮断する。自動解決法は、かさばり、のろく、うるさく、また、高価でありうるし、また、依然として完全に有効というわけではない。より新しい透明なLCDスマートウィンドウの設置は、ウィンドウ全体の置換えを必要とし、また、このようなLCDスマートウィンドウは、限られた色の可能性を有する。ウィンドウを覆うための、又は他の位置におけるデバイスを通じた光の通過を選択的に許容し及び阻止するための、より良好な解決法が望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の態様は、電源、マルチレイヤデバイス及び電気的コントローラを含むシステムを提供することによって達成される。マルチレイヤデバイスは電源に接続され、また、2つの面、又は観察面及び観察面とは反対側の第2の面を有する。マルチレイヤデバイスは、光が第2の面から観察面に向かう方向に通過するのを許容又は阻止する。マルチレイヤデバイスは、複数のピクセルを有するカラーリングレイヤグループであって、個々のピクセルが異なる色に対応する少なくとも3つのサブピクセルを有するカラーリングレイヤグループと、カラーリングレイヤグループの個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルシャッタを有するシャッタレイヤグループとを含む。電気的コントローラは、電源及びマルチレイヤデバイスに接続され、また、個々のサブピクセルシャッタを制御して、ある量の光の通過を選択的に許容又は阻止し、また、サブピクセルシャッタと対応するカラーリングレイヤサブピクセルとの個々の組合せを制御して、不透明な黒色、少なくとも十分に不透明な白色、少なくとも十分に不透明な色、透明、透明な白色及び透明な色のうちのいずれでもありうる、観察面上のピクセルを生成する、ように適合される。
【0005】
本発明の追加的及び/又は他の態様ならびに利点は、以下の説明の中で示されるか、又は説明から明らかになるか、又は本発明の実践によって学習されうる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の実施形態の上記及び/又は他の態様ならびに利点は、添付の図面に関連してなされる以下の詳細な説明からより容易に認識されよう。
図1】黒白図面を使用して矛盾なく色及び要素を図示するために本出願に使用されるクロスハッチングを識別するための凡例である。
図2】黒白図面を使用して矛盾なく色及び要素を図示するために本出願に使用されるクロスハッチングを識別するための凡例である。
図3】加色カラーリングシステムを示す図である。
図4】スクリーン上の3つのサブピクセルを示す図である。
図5】網膜上で図4のサブピクセルを混合するピクセルを示す図である。
図6図5のピクセルからの白色の知覚を示す図である。
図7】サブピクセルレベルでの液晶ディスプレイ(LCD)アセンブリの分解断面図である。
図8】不透明な白色のピクセルを生成するLCDアセンブリの図である。
図9】不透明な色のピクセルを生成するLCDアセンブリの図である。
図10】不透明な黒色のピクセルを生成するLCDアセンブリの図である。
図11】例示的な画像を表示するLCDアセンブリの図である。
図12】サブピクセルレベルでのシースルーLCDアセンブリの分解断面図である。
図13】透明な白色のピクセルを生成するシースルーLCDアセンブリの図である。
図14】透明な色のピクセルを生成するシースルーLCDアセンブリの図である。
図15】不透明な黒色のピクセルを生成するシースルーLCDアセンブリの図である。
図16】例示的な画像を表示しているシースルーLCDアセンブリの図である。
図17】サブピクセルレベルでの有機発光ダイオード(OLED)アセンブリの分解断面図である。
図18】不透明な白色のピクセルを生成するOLEDアセンブリの図である。
図19】不透明な色のピクセルを生成するOLEDアセンブリの図である。
図20】不透明な黒色のピクセルを生成するOLEDアセンブリの図である。
図21】例示的な画像を表示しているOLEDアセンブリの図である。
図22】サブピクセルレベルでのシースルーOLEDアセンブリの分解断面図である。
図23】透明な白色のピクセルを生成するシースルーOLEDアセンブリの図である。
図24】透明な色のピクセルを生成するシースルーOLEDアセンブリの図である。
図25】黒色の半透明ピクセルを生成するシースルーOLEDアセンブリの図である。
図26】例示的な画像を表示しているシースルーOLEDアセンブリの図である。
図27】本発明の実施形態によるシステムのブロック図である。
図28】本発明の別の実施形態による、サブピクセルレベルでのシステムの分解断面図である。
図29】透明な白色のピクセルを生成する図28のシステムの図である。
図30】透明な色のピクセルを生成する図28のシステムの図である。
図31】不透明な黒色のピクセルを生成する図28のシステムの図である。
図32】十分に不透明な白色のピクセルを生成する図28のシステムの図である。
図33】十分に不透明な色のピクセルを生成する図28のシステムの図である。
図34】不透明な黒色のピクセルを生成する図28のシステムの別の図である。
図35】例示的な画像を表示している図28のシステムの図である。
図36】本発明の別の実施形態による、サブピクセルレベルでのシステムの分解断面図である。
図37】十分に不透明な白色のピクセルを生成する図36のシステムの図である。
図38】十分に不透明な色のピクセルを生成する図36のシステムの図である。
図39】不透明な黒色のピクセルを生成する図36のシステムの図である。
図40】透明なピクセルを生成する図36のシステムの図である。
図41】透明な色のピクセルを生成する図36のシステムの図である。
図42】例示的な画像を表示する図36のシステムの図である。
図43】本発明の別の実施形態による、サブピクセルレベルでのシステムの分解断面図である。
図44】透明なピクセルを生成する図43のシステムの図である。
図45】透明な色のピクセルを生成する図43のシステムの図である。
図46】透明な白色のピクセルを生成する図43のシステムの図である。
図47】不透明な白色のピクセルを生成する図43のシステムの図である。
図48】不透明な色のピクセルを生成する図43のシステムの図である。
図49】不透明な黒色のピクセルを生成する図43のシステムの図である。
図50】例示的な画像を表示している図43のシステムの図である。
図51】本発明の別の実施形態による、サブピクセルレベルでのシステムの分解断面図である。
図52】透明なピクセルを生成する図51のシステムの図である。
図53】透明な色のピクセルを生成する図51のシステムの図である。
図54】透明な色のピクセルを生成する図51のシステムの図である。
図55】十分に不透明な白色のピクセルを生成する図51のシステムの図である。
図56】不透明な色のピクセルを生成する図51のシステムの図である。
図57】不透明な黒色のピクセルを生成する図51のシステムの図である。
図58】透明な白色のピクセルを生成する図51のシステムの図である。
図59】十分に不透明な白色のピクセルを生成する図51のシステムの図である。
図60】不透明な白色のピクセルを生成する図51のシステムの図である。
図61】例示的な画像を表示している図51のシステムの図である。
図62】本発明の他の実施形態の図示である。
図63】本発明の他の実施形態の図示である。
図64】本発明の他の実施形態の図示である。
図65】本発明の他の実施形態の図示である。
図66】本発明の他の実施形態の図示である。
図67】本発明の他の実施形態の図示である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ここでは、添付の図面に図示されている本発明の実施形態が詳細に参照され、同様の参照番号が、全体を通して同様の要素を表す。ここで説明される実施形態は、本発明を制限するものではなく、図面を参照することによって本発明を例証するものである。
【0008】
本開示は、そのアプリケーションが、以下の説明の中で示されるか、又は図面に図示されている構成要素の構造及び配置の詳細に制限されないことは当業者には理解されよう。ここでの実施形態は他の実施形態となる余地があり、また、様々な方法で実践又は実施されうる。また、ここで使用される表現法及び専門用語は、説明を目的としたものであり、制限するものとして見なされるべきではないことも理解されよう。「含む」、「備える」又は「有する」、及びそれらのバリエーションの使用は、ここでは、その後に列記されるアイテム及びそれらの均等物、ならびに追加アイテムを包含することを意味する。特に制限されていない限り、「接続された」、「結合された」及び「取り付けられた」という用語、ならびにそれらのバリエーションはここでは広範囲にわたって使用され、また、直接的及び間接的な接続、結合及び取付けを包含する。さらに、「接続された」及び「結合された」という用語ならびにそれらのバリエーションは、物理的又は機械的な接続又は結合に限定されない。さらに、上、下、最下部、最上部などの用語は相対的なものであり、図示を補助するために採用され、制限するものではない。
【0009】
図1及び図2は、黒白図面を使用して矛盾なく色及び要素を図示するために本出願に使用されるクロスハッチングを識別するためのキー又は凡例である。
【0010】
色の作成に関して、最もよく知られている方法は、通常の白色光の中にある光のスペクトルの一部を減色する(吸収する)ことによって色を作る減色カラーリングである。これは、例えば、塗料、インク、及びフィルム上の典型的なカラー写真中の3つの染料レイヤ中のもののようなカラーリングされた顔料又は染料によって達成される。
【0011】
一方、加色は、多くの異なる光の色と、加色システムに使用される最も一般的な原色である赤、緑及び青の陰影とを混合することによって作成される色である。これらの標準の3つの加色する原色のうちの2つを同じ比率で組み合わせることにより、加色二次原色、又はシアン、マゼンタ又は黄色が得られる。より詳細には、図3に示されるように、赤色光2の領域と緑色光4の領域とが部分的に重なると、重畳した領域は黄色光6の領域をもたらす。同様に、緑色光4の領域と青色光8の領域が部分的に重なると、重畳した領域はシアンの光10の領域をもたらし、また、青色光8の領域と赤色光2の領域が重なると、重畳した領域はマゼンタの光12の領域をもたらす。
【0012】
さらに、赤色光2、緑色光4及び青色光8の領域が重なると、重畳した領域は白色光14の領域をもたらす。
【0013】
加色の一例は、演劇、コンサート、サーカスショー及びナイトクラブのための劇場照明にしばしば使用される、重畳した投影カラーリング光に見られうる。コンピュータモニタ及びテレビジョンは、恐らく加色カラーリングの最も一般的な例であろう。十分に強力な拡大レンズを使用して観察すると、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)及びほとんどの他のタイプのカラービデオディスプレイ中の個々のピクセルは、赤色、緑色及び青色のサブピクセル16、18、20(図4を参照)から構成されており、そこからの光は、様々な比率で結合してあらゆる他の色、ならびに白色及び灰色の影を生成する。カラーリングされたサブピクセルはスクリーン上では重畳しないが、通常の距離から観察すると、それらは、図5に示されるように眼の網膜上で重畳し、かつ、混ざり合い、外部重畳と同じ結果をもたらす。このケース(図6)では、図5における人間の網膜上で見た、図4の赤色、緑色及び青色のサブピクセルの結果であるピクセル22は、人間の脳では白色のピクセル24として知覚される。
【0014】
加色を混合すると、その結果は、減色システム(例えば、顔料、染料、インク、及び、放出ではなく反射によって眼に色を提示する他の物質)に慣れたものには、しばしば反直観的なものになる。例えば、減色システムでは、緑色は黄色とシアンの組合せである。図3に関連して既に言及したように、加色カラーリングでは、赤色と緑色の組合せは黄色をもたらす。加色は、眼が色を検出する方法の結果であり、光自体の特性ではない。約580nmの波長を持つ純粋なスペクトル黄色光と、赤色光及び緑色光の混合との間には重大な相違が存在している。しかしながらいずれも同様の方法で人間の眼を刺激し、したがって相違は検出されず、いずれも黄色光として知覚される。
【0015】
今日の市場には、概ね2つのカテゴリの利用可能スクリーン、又は不透明スクリーン及びシースルースクリーンが存在している。不透明なスクリーンは、ほとんどの人がTVとして、その家庭に有しているものであり、又はコンピュータモニタあるいは携帯電話として日々使用しているものである。しばしばそれらは、鮮明な画像を生成するためにバックライトを使用している。シースルースクリーンは、それほど一般的ではないが、ストアディスプレイに見られうる。それらのシースルーの性質のため、観察者は、背景中の対象及び光に対して、シースルースクリーン上に描写されているカラーリングされた画像を通して見ることができる。
【0016】
不透明なスクリーンの一例は、液晶ディスプレイ(LCD)又はLCDアセンブリである。LCDの設計、構造及び動作は当業者によく知られている。例えば"Liquid-crystal display", http://en.wikipedia.org/wiki/Liquid-crystal_display (retrieved on July 6, 2016)及びその中で引用された参考文献を参照されたい、そのすべては参照により本明細書に組み込まれる。LCDは、その光学システムで一様な白色光を作成し、かつ、サブピクセル「シャッタ様」機構を使用して受動色をフィルタリングするように、その光の特定の量(又は輝度)を制御する。これらのサブピクセルシャッタは、カラーリングされたサブピクセルの輝度値を制御し、それらが相俟って単色値をピクセル毎に生成する。図7は、サブピクセルレベルでのLCDアセンブリの分解図である。より詳細には、図7に示されるように、バックライト26は、一様な白色光28を生成し、偏光フィルタ30に入射して光28をフィルタリングする。
【0017】
偏光フィルタ30の例は、第1の偏光レイヤ32、液晶レイヤ36を駆動する電極34、及び第1の偏光レイヤ32に対して直角になるように配向される第2の偏光レイヤ38を含む。動作中、液体レイヤの電力供給が絶たれると(図7に示されるように)、液晶40は、ヘリックスを形成して光28を90度回転させる。この回転は、光を第2の偏光レイヤ38と整列させ、また、光28は、光28をカラーリングするサブピクセル受動カラーフィルタ42へ、それを通じた通過が許容される。カラーリングされた光28は、次に観察面基板44を通過する。典型的には、サブピクセル受動カラーフィルタは、赤色、緑色又は青色であり、また、3つのグループ(赤色、緑色及び青色)は、一緒に混ざり合ってピクセルを形成するだろう。
【0018】
電極34が液晶レイヤ36に電力を供給すると、液晶が直線的に整列し、もはや光を回転させない。非回転光は第2の偏光レイヤ38を通過することができず、その結果、サブピクセルは、観察面基板44を通して不透明な黒色のように見えるだろう。
【0019】
言い換えると、LCDは単一の光源(26)を一様な白色の長方形の輝く白色の表面のように見えるものに変換する。光学システムは、LCDのために2つの事を実施し、つまりそれは光の源を提供し、また、それは白色の値を提供する。しかしながらそれは画像を何も描写せず、それは単にそれを照明するだけである。同様に、LCD光学システムは、画像が作成される白色の紙片のように考えられうる。この方法において色は純粋である。
【0020】
配向が互いに90度である2つの偏光膜の間にはさまれた、電子的に制御される液晶(LC)でできたサブピクセルサイズシャッタを使用すれば、正確な量の光が通過を許容されうる。光の量は、LCに印加されるエネルギーの量に比例する。典型的には赤色、緑色及び青色であるサブピクセルカラーフィルタは透明であり、また、それぞれ最終偏光子を通過する光によって照明される。それらの組み合わされた値が相俟って、ピクセル毎に単色値を生成する。
【0021】
バックライトは極めて正確な白色であり、また、極めて正確な明るさであるため、LCDは、輝度及び白色の値に対する多くの制御を有している。しかしながら不透明度に対する制御はない。LCDは常に不透明である。太陽からの光は、ディスプレイの背面へ通過することができない。
【0022】
図8は、不透明な白色のピクセルを生成するLCDの図である。図8では、バックライト26は、背景46の前にあるものとして図示されており、また、バックライト26(したがってLCD)は不透明であることを示している。この状態では、3つのサブピクセル偏光フィルタ30のグループに電力が供給されず、したがって光は、赤色、緑色及び青色の受動フィルタ42のグループへ通過し、それらが相俟って赤色、緑色及び青色のピクセル48を形成し、それが、人間の眼の中で混合して、不透明な白色色のピクセル48として知覚される。背景46は、特定の状態においてこれらの要素が不透明であるか否かを図示するための例示目的のために、サブピクセル偏光フィルタ及びサブピクセル受動フィルタ42の後に示される。
【0023】
図9は、不透明な色のピクセルを生成するLCDの図である。この状態では、赤色及び青色の受動サブピクセルフィルタ42に対応するサブピクセル偏光フィルタ30に電力が供給されており、したがって光がそこを通過するのを遮断している。しかしながら緑色の受動サブピクセルフィルタ42に対応するサブピクセル偏光フィルタ30には電力が供給されておらず、したがって緑色の受動サブピクセルフィルタ42への光の到達及び通過を許容し、不透明な緑色のピクセル48を形成する。
【0024】
図10は、不透明な黒色のピクセルを形成するLCDの図である。この状態では、3つのサブピクセル偏光フィルタ30のすべてに電力が供給され、したがって光を遮断し、それにより不透明な黒色のピクセル48を生成する。
【0025】
図11は、例示的な画像を表示しているLCDの図である。この例示的な画像は、より明るい赤色の上部部分50、より暗い赤色の下部部分52、影領域54、及び影54を投げかけている光の反射を表す白色の強調領域56を有する赤色のボールを形成している画像ピクセルを示している。例示的な画像は、また、非画像ピクセル領域58を示している。例示的な画像は、引き続いて、異なる画像生成システムによって生成される画像同士を比較し、かつ、対照するために用いられ、背景46の前に示される。
【0026】
LCDの場合、すべてのピクセルが不透明である。したがって非画像ピクセル領域58及び白色の強調領域56は不透明な白色であり、より明るい及びより暗い赤色の領域50及び52は不透明な赤色であり、また、影領域54は不透明な黒色である。
【0027】
シースルーLCD又はLCDアセンブリでは、一様な白色のバックライトは存在せず、その代わりにそれは、自然光又は周辺光を使用する。結果として、サブピクセルシャッタが開いてカラーフィルタへの光の到達を許容すると、光の源が純粋な白色のバックライトではないため、それらのすぐ後ろにあるものによって色がひずまされうる。例えば、松の木が見えるウィンドウにシースルーが置かれると、観察者の視点から松の木と整列される画像ピクセルに対して、これらの画像ピクセルは、松の木から反射した光を受け取り、それによりこれらの画像ピクセルの色がひずむだろう。
【0028】
シースルーLCDは、それらが光源に対するそれらの環境に頼っているため、輝度に対する制御が少ない。さらに、それらは、不透明度に対する部分的な制御を有しているだけである。より暗い色は、より明るい色より不透明であり、また、白色は完全に透明であるか、又はクリアである。これは、偏光子が光を遮断し、白色カラーフィルタが、通り抜ける光を単純カラーリングするためである。したがって色が暗いとき、より明るい色をそれが表示しているときに、人は、ディスプレイを通してより容易に見ることができるだろう。
【0029】
図12は、サブピクセルレベルでのシースルーLCDアセンブリの分解断面図である。シースルーLCDアセンブリは、受光面基板又は背面基板60を通して自然又は周辺の光28を受け取る。光は、次に、図7のサブピクセル偏光フィルタ30と同様に機能するサブピクセル偏光フィルタ30に入射する。言い換えると、サブピクセル偏光フィルタ30の電力供給が絶たれているときに光28が通過し、また、それに電力が供給されているときに光28は通過しない。サブピクセル偏光フィルタ30を通過する光28は、受動サブピクセルフィルタ42を通過し、そして観察面基板44を通過する。
【0030】
図13は、透明な白色のピクセル(これは、シースルーLCDでの試行における結果は、完全に透明、又はクリアである)を生成するシースルーLCDの図である。この状態では、3つのサブピクセル偏光フィルタ30のグループには電力が供給されず、したがって、受け取られた光は、それを通って赤色、緑色及び青色の受動フィルタ42のグループへ通過し、それらが相俟って赤色、緑色及び青色のピクセル48を形成し、それらが、人間の眼の中で混合して、完全に透明なピクセル48として知覚される。
【0031】
図14は、透明な色のピクセルを生成するシースルーLCDの図である。この状態では、赤色及び青色の受動サブピクセルフィルタ42に対応するサブピクセル偏光フィルタ30に電力が供給されており、したがって受け取られた光が通過するのを遮断している。しかしながら緑色の受動サブピクセルフィルタ42に対応するサブピクセル偏光フィルタ30には電力が供給されておらず、したがって緑色の受動サブピクセルフィルタ42への受け取られた光の到達及び通過を許容し、透明な緑色のピクセル48を形成する。
【0032】
図15は、不透明な黒色のピクセルを生成するシースルーLCDの図である。この状態では、3つのサブピクセル偏光フィルタ30のすべてに電力が供給され、したがって光を遮断し、それにより不透明な黒色のピクセル48を生成する。
【0033】
図16は、例示的な画像を表示しているシースルーLCDの図である。シースルーLCDの場合、黒色のピクセルを除くすべてのピクセルが透明である。したがって非画像ピクセル領域58及び白色の強調領域56は透明な白色(これは完全に透明、又はクリアである)であり、より明るい及びより暗い赤色の領域50及び52は透明な赤色であり、また、影領域54は不透明な黒色である。
【0034】
有機発光ダイオード(OLED)又はOLEDアセンブリでは、カラーリングされたサブピクセル自体が発光し、照明のためのバックライトに頼ることはない。さらに、カラーリングされたサブピクセルは、より暗い色又は黒色を達成するためのサブピクセルシャッタを必要とせず、カラーリングされたサブピクセルの強度が電気的コントローラによって単に低減されるか、又は完全にオフにされる。レイヤにおけるこの低減は、OLEDアセンブリを典型的なLCDアセンブリより深さ方向に薄くする。OLEDアセンブリは、赤色、緑色及び青色(RGB)のサブピクセルの輝度値をピクセル毎に変調することによって画像を生成する。通常、OLEDは、黒色の背景又はバックプレートのすぐ前に位置する。LCDアセンブリと同様、OLEDアセンブリは完全に不透明であり、前方の観察者は、バックプレートを通して見ることができない。OLEDアセンブリの設計、構造及び動作は当業者によく知られている。例えば、"OLED", https://en.wikipedia.org/wiki/OLED (retrieved on July 6, 2016)及びその中で引用されている参考文献を参照されたい、そのすべては参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
図17は、サブピクセルレベルでの有機発光ダイオード(OLED)アセンブリの分解断面図である。図17に示されるように、発光部分62は、観察者に向かう方向及び観察者から遠ざかる方向の両方に光64を放出する。観察者から遠ざかる方向に放出された光64は、黒色のバックプレート66によって吸収される。発光部分62は、能動カラーリングエミッタ70を駆動する電極及びシングルレイヤ偏光子72を含む。能動カラーリングエミッタ70から観察者に向かう方向に放出された光64は、シングルレイヤ偏光子72を通過し、次に、観察者に向かう方向に観察面基板74を通過する。
【0036】
図18は、不透明な白色のピクセルを生成するOLEDアセンブリの図である。図18では、バックプレート66は、背景46の前にあるものとして図示されており、また、バックプレート66(したがってOLEDアセンブリ)は不透明であることを示している。この状態では、3つのサブピクセル能動色エミッタ70のグループは電極68によって駆動され、それぞれ赤色、緑色及び青色のサブピクセル光を放出し、これらはシングルレイヤ偏光子72を通過して不透明な白色のピクセル48を生成する。
【0037】
図19は、不透明な色のピクセルを生成するOLEDアセンブリの図である。この状態では、赤色及び青色のサブピクセル能動エミッタ70は、電極68によって駆動されず、したがってそれぞれ赤色及び青色の光を生成しない。しかしながら電極68は、緑色のサブピクセル能動エミッタ70を駆動して緑色光を生成し、これはシングルレイヤ偏光子72を通過して不透明な緑色のピクセル48を生成する。
【0038】
図20は、不透明な黒色のピクセルを生成するOLEDアセンブリの図である。この状態では、どの能動カラーリングエミッタ70も電極68によって駆動されず、したがって光を生成せず、不透明なピクセル48をもたらす。
【0039】
図21は、例示的な画像を表示しているOLEDアセンブリの図である。LCDアセンブリと同様、黒白及び色は不透明である。しかしながらLCDアセンブリとは対照的に、非画像ピクセルは不透明な黒色である。OLEDアセンブリの場合、すべてのピクセルが不透明である。したがって非画像ピクセル領域58は不透明な黒色であり、白色の強調領域56は不透明な白色であり、より明るい及びより暗い赤色の領域50及び52は不透明な赤色であり、また、影領域54は不透明な黒色である。
【0040】
シースルーOLEDでは、色自体が明るくなり、照明のためのバックライトに頼ることはない。OLEDは、RGBサブピクセルの輝度値をピクセル毎に変調することによって画像を生成する。シースルーOLEDは、半透明レイヤ又はハーフミラーレイヤを使用して部分的に不透明度を制御する。半透明レイヤは画像を描写しない。しかしながらシースルーOLEDアセンブリは、他の面にあるものが照明されたピクセル自体より明るいならば、望まない透過の原因になる。シースルーOLEDアセンブリは光を全く遮断しない。
【0041】
シースルーOLEDでは、すべての色が光を放出し、また、それらの性質によって数パーセント透明である。透明度は、OLED自体と同等又はもっと強い強度の光源が半透明基板の反対側にある場合、より顕著になる。言い換えると、シースルーOLED技術は、輝度に対するより多くの制御を有しているが、不透明度に対する制御は少ない。典型的なシースルーOLEDは、色値及び輝度(ピクセル毎の)が黒色に近くなるにつれて実際にますます透き通る。
【0042】
図22は、サブピクセルレベルでのシースルーOLEDアセンブリの分解断面図である。図22に示されるように、発光部分76は、観察者に向かう方向及び観察者から遠ざかる方向の両方に光を放出し、自然光又は周辺光が半透明レイヤ80を通って入射し、それは、また、発光部分76から放出される光を反射する。したがって半透明レイヤ80と発光部分76との間の光82、そして観察者に送られるものは、自然又は周辺の光78と放出される光との混合である。
【0043】
発光部分76は、OLEDアセンブリにおけるものと実質的に同じであり、また、能動カラーリングエミッタ86を駆動する電極84及びシングルレイヤ偏光子88を含む。混合された光82はシングルレイヤ偏光子88を通過し、次に、観察者に向かう方向に観察面基板88を通過する。
【0044】
図23は、透明な白色のピクセルを生成するシースルーOLEDアセンブリの図である。この状態では、この状態では、3つのサブピクセル能動色エミッタ86のグループは電極84によって駆動され、それぞれ赤色、緑色及び青色のサブピクセル光を放出し、それらは自然光又は周辺光と混合し、シングルレイヤ偏光子88を通過して透明な白色のピクセル48を生成する。
【0045】
図24は、透明な色のピクセルを生成するシースルーOLEDアセンブリの図である。この状態では、赤色及び青色のサブピクセル能動エミッタ86は、電極84によって駆動されず、したがってそれぞれ赤色及び青色の光を生成しない。しかしながら電極84は、緑色のサブピクセル能動エミッタ86を駆動して緑色光を生成し、それがシングルレイヤ偏光子88を通過する自然光又は周辺光と混合して透明な緑色のピクセル48を生成する。
【0046】
図25は、「黒色の」半透明ピクセルを生成するシースルーOLEDアセンブリの図である。この状態では、どの能動カラーリングエミッタ86も電極84によって駆動されず、したがって光を生成しないが、自然光又は周辺光が半透明レイヤ及び単一の偏光レイヤ88を通過して、透明な半透明「黒色」ピクセル48をもたらす。
【0047】
図26は、例示的な画像を表示しているシースルーOLEDアセンブリの図である。どのピクセルも不透明ではなく、非画像ピクセル領域58は、影領域54と同様、非放出の半透明ピクセルで構成される。白色の強調領域は透明な白色であり、半透明であるより明るい及びより暗い赤色の領域50及び52は、それぞれより明るい及びより暗い透明な赤色である。
【0048】
以下の表は、LCD、シースルーLCD、OLED及びシースルーOLEDの特性をまとめたものである。
【0049】
【表1】
【0050】
図27は、本発明の実施形態によるシステム100のブロック図である。図27に示されるように、システム100は、電源102、電気的コントローラ104及びマルチレイヤデバイス106を含む。好ましくは、電気的コントローラ104は、当業者に知られているような、適切なソフトウェアプログラムを有する、マイクロプロセッサベースのコントローラシステムの形態を取る。
【0051】
好ましくは、電源102は、蓄電池貯蔵と組み合わせ、太陽エネルギーを取り入れてデバイスに電力を供給する透明な光電池レイヤである。他の実施形態によれば、本発明の範囲を逸脱することなく、透明な光電池レイヤ単独、非透明な光電池、1つ又は複数の蓄電池又はAC電源が使用されうる。さらに、本発明の範囲を逸脱することなく、これらの電源の組合せが用いられうる。
【0052】
マルチレイヤデバイス106は、観察面及び観察面とは反対側の第2の面を有する。マルチレイヤデバイス106は、光が第2の面から観察面に向かう方向に、それを通過するのを許容又は阻止し、また、少なくともカラーリングレイヤグループ108及びシャッタレイヤグループ110を含む。
【0053】
一実施形態によれば、カラーリングレイヤグループ108は、それぞれが異なる色に対応する少なくとも3つのサブピクセルを有する複数のピクセルを有し、また、シャッタレイヤグループ110は、カラーリングレイヤグループ108の個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルシャッタを有する。この実施形態では、電源102及びマルチレイヤデバイス106に接続される電気的コントローラ104は、個々のサブピクセルシャッタを制御して、そこを通る、ある量の光の通過を選択的に許容又は阻止する。また、電気的コントローラ104は、サブピクセルシャッタと、対応するカラーリングレイヤサブピクセルとの個々の組合せを制御し、不透明な黒色、少なくとも十分に不透明な白色(引き続いてより詳細に説明される)、少なくとも十分に不透明な色(引き続いてより詳細に説明される)、透明、透明な白色及び透明な色のいずれかでありうるピクセルを観察面に生成する。
【0054】
別の実施形態によれば、カラーリングレイヤグループ108は、それぞれが色に対応する少なくとも1つのサブピクセルを有する複数のピクセルを有し、また、シャッタレイヤグループ110は、カラーリングレイヤグループ108の個々のサブピクセルに対応するユニークなサブピクセルシャッタを有する。この実施形態では、電気的コントローラ104は、個々のサブピクセルシャッタを制御して、そこを通る、ある量の光の通過を選択的に許容又は阻止する。また、電気的コントローラ104は、サブピクセルシャッタと、対応するカラーリングレイヤサブピクセルとの個々の組合せを制御して、不透明な黒色、少なくとも十分に不透明な色及び透明のいずれかでありうるピクセルを観察面に生成する。
【0055】
別の実施形態によれば、マルチレイヤデバイスは、また、拡散レイヤグループ(引き続いてより詳細に説明される)112を含む。
【0056】
図28は、本発明の別の実施形態による、サブピクセルレベルでのシステム114の分解断面図である。この実施形態ではバックライトは存在しない。システム114は、自然光又は周辺光を使用する。サブピクセルシャッタ及び受動カラーフィルタを通過することに加えて、光は、また、ピクセル化された拡散レイヤグループを通過する。ピクセル化された拡散レイヤグループは、影響なく光が通過するか(ピクセルがクリアのように見える)、又は散乱されて十分に不透明な白色のように見えるかどうかを制御する。
【0057】
この実施形態は、シースルーLCDのように、それが、その環境における光に頼っているため、輝度に対する制御がLCDより少ない。しかしながらこの実施形態は、その不透明度に対する多くの制御を有しており、不透明な黒色の、十分に不透明な白色の、又は十分に不透明な色のピクセルが透明なピクセルの隣に存在しうる。
【0058】
ウィンドウを通る光を遮断するために使用されるとき、この実施形態は、LCDの光学システムにおけるバックライトの代わりに、太陽をその一次光源として使用する。しかしながら、この実施形態は、他の光源を遮断するためにもまた使用されうる。例えば、2、3の名前を挙げると、プロジェクタからの光、レーザ光又はLEDライトバーである。言い換えると、この実施形態は、必ずしもウィンドウを併せて適用されなくてもよい。
【0059】
より詳細には、図28に示されるように、システムは、拡散レイヤグループ116、偏光フィルタ118、カラーリングレイヤグループ及び観察面基板122を含む。
【0060】
拡散レイヤグループ116は、システム114の不透明度及び白色の値の制御を補助する。拡散レイヤグループ116は、白色をサブピクセル単位で拡散させるために、完全な透明からの不透明度値を達成する。一実施形態では、拡散レイヤグループ116は、電気的コントローラ104及びポリマー分散液晶(PDLC)を使用してこれを達成する。
【0061】
「プライバシーガラス」は、ウィンドウを透明から十分に不透明(通常は白色)に変化させ、かつ、再び元に戻すためにPDLC及び電気的コントローラを使用するウィンドウを記述するために業界で使用されている語句である。業界では、第2の状態は「不透明」と呼ばれているが、実際には、十分に不透明であるか、又は真に不透明ではなく、半透明と見なされうるものである。これは、電力が供給されている状態では、PDLCにおける電界が液晶分子を配向させて光の通過を許容するが、電力が供給されていない状態では、結晶がそのようには配向されず、その代わりに光を散乱させ、したがってクリアなPDLCがもはやクリアのようには見えなくなることによる。散乱した光の一部は、観察方向にPDLCを通過することができ、したがってPDLCは、そこを通る、光の通過を完全に遮断しない。言い換えると、光はPDLCを通過するが、PDLCの観察面は透明ではない。本出願では、これは「十分に不透明」として参照する。同様に、本出願で使用されているように、「少なくとも十分に不透明」という語句は、十分に不透明から、光が遮断される完全な不透明までの範囲を意味している。
【0062】
白色のPDLCが他のレイヤグループと組み合わせて使用されるとき、ピクセル化された拡散体レイヤは、結果として得られる画像に実質的に白色の値をもたらすように機能する。色に関しては、このレイヤは画像に色合いを付ける。
【0063】
図28に示されるように、拡散レイヤグループ116は、少なくとも背面又は受光面基板124、及び白色のポリマー分散液晶(PDLC)128を駆動するために電気的コントローラ104によって制御される電極126を含む。PDLC128は、ポリマー132中に分散した液晶分子を持つポリマー130を含む。一実施形態によれば、拡散レイヤグループ116は、また、白色のPDLCの下流側にプリズムレイヤ134を含む。
【0064】
別の実施形態では、PDLCよりむしろ、拡散レイヤグループが、基板の上に配置された浮遊粒子デバイス(SPD)を含む。SPDは、液体中に浮遊したロッド様ナノスケール粒子の薄膜積層物であり、2つのガラス片又はプラスチック片の間に置かれるか、又は1つのレイヤに付着される。電圧が印加されないとき、浮遊した粒子はランダムに組まれ、したがって光を遮断し、かつ、吸収する。電圧が印加されると、浮遊した粒子が整列して光が通過する。膜の電圧の変化は、浮遊した粒子の配向を変化させ、それによりグレージングの色合い、及び伝達される光の量を調整する。例えば、"Smart Glass", https://en.wikipedia.org/wiki/Smart_glass (retrieved on July 6, 2016)及びその中で引用された参考文献を参照されたい、そのすべては参照により本明細書に組み込まれる。
【0065】
一実施形態によれば、偏光フィルタ118は、第1の偏光レイヤ136、液晶レイヤ140を駆動するために電気的コントローラ104によって制御される電極138、及び第1の偏光レイヤ136に対して直角になるように配向される第2の偏光レイヤ142を含むシャッタレイヤグループ118を含む。動作中、液晶レイヤの電力供給が絶たれるとき(図28に示されるように)、液晶は、ヘリックスを形成して光を90度回転させる。この回転は、光を第2の偏光レイヤ142と整列させ、また、光は、そこを通って、光をカラーリングする受動サブピクセルカラーフィルタ120(カラーリングレイヤグループ120)へと通過することを許容される。カラーリングされた光は、次に観察面基板122を通過する。好ましくは、サブピクセル受動カラーフィルタは、赤色、緑色又は青色であり、また、3つのグループ(赤色、緑色及び青色)は、一緒に混ざり合ってピクセルを形成する。
【0066】
図29は、透明な白色のピクセルを生成する図28のシステム114の図である。この状態では、拡散レイヤグループ116の3つのサブピクセルPDLCの各々に電力が供給され、したがって、そこを通っての通過を許容する。偏光フィルタ118内では、3つのサブピクセルシャッタ118の各々に電力が供給されず、それにより、そこを通っての光の通過を許容し、光は、それぞれ受動サブピクセルカラーフィルタ120を通過して透明な白色のピクセル48を生成する。
【0067】
図30は、透明な色のピクセルを生成する図28のシステム114の図である。この状態では、拡散レイヤグループ116の3つのサブピクセルPDLCの各々に電力が供給され、したがって、そこを通っての通過を許容する。偏光フィルタ118内では、赤色及び青色のサブピクセルシャッタ118に電力が供給され、それにより光を遮断するが、緑色のサブピクセルシャッタ118には電力が供給されず、それにより、そこを通っての光の通過を許容し、光は、緑色の受動サブピクセルカラーフィルタ120を通過して透明な緑色のピクセル48を生成する。
【0068】
図31は、不透明な黒色のピクセルを生成する図28のシステム114の図である。この状態では、拡散レイヤグループ116の3つのサブピクセルPDLCの各々に電力が供給され、したがって、そこを通っての通過を許容する。しかしながら3つのサブピクセルシャッタ118の各々に電力が供給され、それにより、そこを通っての光の通過を遮断する。したがって光はサブピクセルカラーフィルタ120に到達せず、不透明な黒色のピクセル48が生成される。
【0069】
図32は、十分に不透明な白色のピクセルを生成する図28のシステム114の図である。この状態では、拡散レイヤグループ116の3つのサブピクセルPDLCの各々に電力が供給されず、したがって受け取った光を散乱させる。偏光フィルタ118内では、3つのサブピクセルシャッタ118の各々に電力が供給されず、それにより、それに到達する、そこを通っての光の通過、そして、その光が、それぞれ3つの受動サブピクセルカラーフィルタ120を通過して十分に不透明な白色のピクセル48を生成することを許容する。
【0070】
図33は、十分に不透明な色のピクセルを生成する図28のシステム114の図である。この状態では、拡散レイヤグループ116の3つのサブピクセルPDLCの各々に電力が供給されず、したがって受け取った光を散乱させる。偏光フィルタ118内では、赤色及び青色のサブピクセルシャッタ118に電力が供給され、それにより光を遮断するが、緑色のサブピクセルシャッタ118には電力が供給されず、それにより光の通過を許容し、また、光は、緑色の受動サブピクセルカラーフィルタ120を通過して十分に不透明な緑色のピクセル48を生成する。
【0071】
図34は、不透明な黒色のピクセルを生成する図28のシステム114の別の図である。この状態では、拡散レイヤグループ116の3つのサブピクセルPDLCの各々に電力が供給されず、したがって受け取った光を散乱させる。しかしながら3つのサブピクセルシャッタ118の各々に電力が供給され、それにより光の通過を遮断する。したがって光はサブピクセルカラーフィルタ120に到達せず、不透明な黒色のピクセル48が生成される。
【0072】
図35は、例示的な画像を表示している図28のシステム114の図である。非画像ピクセル58は透明であり、白色の強調領域56は十分に不透明な白色であり、より明るい及びより暗い赤色の領域50及び52は、それぞれより明るい及びより暗い十分に不透明な赤色であり、また、影領域54は不透明な黒色である。
【0073】
図36は、背面又は受光面基板146、偏光フィルタ又はシャッタレイヤグループ148、カラーリングレイヤグループ150及び観察面基板152を含むシステム144を図示したものである。偏光フィルタ又はシャッタレイヤグループ148は、システム114の偏光フィルタ又はシャッタレイヤグループ148と実質的に同じであり、したがって簡潔にするためにさらなる説明は省略される。
【0074】
ほとんどのPDLCは白色のPDLCであるが、カラーリングされたPDLCが用いられることが可能であり、また、拡散した、又は十分に不透明な色を生成することができる。好ましくは、この実施形態では、カラーリングレイヤグループ150は、カラーリング拡散レイヤグループ150であり、また、PDLC150がカラーリングされて、白色ではないことを除き、システム114のPDLC128と実質的に同じであるカラーリングされたPDLC150を含む。したがってPDLC150のさらなる説明は、簡潔にするために省略される。
【0075】
図37では、サブピクセルシャッタ148の各々に電力が供給されず、それにより、そこを通っての光の通過を許容し、また、サブピクセルカラーリングされたPDLC(好ましくは赤色、緑色及び青色)150の各々に電力が供給されず、したがって受け取った光を散乱させ、また、そこを通って通過する光をカラーリングして十分に不透明な白色のピクセル48を生成する。
【0076】
図38では、赤色及び青色のサブピクセルシャッタ148に電力が供給され、したがって光を遮断するが、緑色のサブピクセルシャッタ148には電力が供給されず、したがって、そこを通っての光の通過を許容する。カラーリングレイヤグループ150内では、赤色及び青色のPDLC150に電力が供給され、それにより、そこを通っての光の通過を許容するが、緑のPDLC150には電力が供給されず、それにより受け取った光を散乱させ、また、そこを通って通過する光を緑色にカラーリングして十分に不透明な緑色のピクセル48を生成する。
【0077】
図39では、3つのすべてのサブピクセルシャッタに電力が供給され、したがって光を遮断し、したがって3つの電力が供給されたPDLC150に光が到達せず、不透明な黒色のピクセル48を生成する。
【0078】
図40では、サブピクセルシャッタ148の各々に電力が供給されず、それにより、そこを通っての光の通過を許容し、また、サブピクセルカラーリング済みPDLC150の各々に電力が供給され、それにより、そこを通っての光の通過を許容して透明なピクセル48を生成する。
【0079】
図41では、サブピクセルシャッタ148の各々に電力が供給されず、それにより、そこを通っての光の通過を許容し、また、赤色及び青色のサブピクセルシャッタに電力が供給され、それにより、そこを通っての光の通過を許容する。しかしながら緑色のPDLC150には電力が供給されず、それにより受け取った光を散乱させ、また、通過する光を緑色にカラーリングして透明な緑色のピクセル48を生成する。
【0080】
図42は、例示的な画像を表示している図36のシステム144の図である。非画像ピクセル58は透明であり、白色の強調領域56は十分に不透明な白色であり、より明るい及びより暗い赤色の領域50及び52は、それぞれより明るい及びより暗い十分に不透明な赤色であり、また、影領域54は不透明な黒色である。
【0081】
図43は、本発明の別の実施形態による、サブピクセルレベルでのシステム152の分解断面図である。システム152は、背面又は受光面基板154、偏光フィルタ又はシャッタレイヤグループ156、カラーリングレイヤグループ158及び観察面基板160を含む。偏光フィルタ又はシャッタレイヤグループ156は、システム114の偏光フィルタ又はシャッタレイヤグループ148と実質的に同じであり、したがって簡潔にするためにさらなる説明は省略される。
【0082】
カラーリングレイヤグループ158は、好ましくは、電気的コントローラ104によって制御される電極160を含む。電極160は能動カラーリングエミッタ162を駆動し、そして、カラーリングレイヤグループ158は、好ましくは、また、能動カラーリングエミッタ162の観察面に配置されたシングルレイヤ偏光子164を含む。最も好ましくは、カラーリングレイヤグループ158は、OLEDを含む。
【0083】
図44に描写されている状態では、シャッタレイヤグループ156のサブピクセルシャッタ156の各々に電力が供給されず、それにより受け取った光の、そこを通っての通過を許容し、また、能動カラーリングレイヤグループ158のサブピクセルエミッタ158の各々にも電力が供給されず、それによりカラーリングされた光を生成しない。この構成は透明なピクセル48をもたらす。
【0084】
図45に描写されている状態では、シャッタレイヤグループ156のサブピクセルシャッタ156の各々に電力が供給されず、それにより受け取った光の通過を許容する。赤色及び青色のサブピクセルエミッタ158に電力が供給されず、それにより光を全く生成しない。しかしながら緑色のサブピクセルエミッタ158には電力が供給されて緑色光を放出し、それにより透明な緑色のピクセル48を生成する。
【0085】
図46に描写されている状態では、シャッタレイヤグループ156のサブピクセルシャッタ156の各々に電力が供給されず、それにより受け取った光の通過を許容し、また、サブピクセルエミッタ158の各々に電力が供給され、それによりそれぞれ赤色、緑色及び青色の光を放出して透明な白色のピクセル48を生成する。
【0086】
図47に描写されている状態では、シャッタレイヤグループ156のサブピクセルシャッタ156の各々に電力が供給され、それにより受け取った光を遮断し、また、サブピクセルエミッタ158の各々に電力が供給され、それによりそれぞれ赤色、緑色及び青色の光を放出して不透明な白色のピクセル48を生成する。
【0087】
図48に描写されている状態では、シャッタレイヤグループ156のサブピクセルシャッタ156の各々に電力が供給され、それにより受け取った光を遮断し、また、赤色及び青色のサブピクセルエミッタ158に電力が供給されず、それにより光を全く生成しない。しかしながら緑色のサブピクセルエミッタ158には電力が供給されて緑色光を放出し、それにより不透明な緑色のピクセル48を生成する。
【0088】
図49に描写されている状態では、シャッタレイヤグループ156のサブピクセルシャッタ156の各々に電力が供給され、それにより受け取った光を遮断し、また、サブピクセルエミッタ158の各々に電力が供給されず、それにより光を全く生成しない。この組合せは不透明な黒色のピクセル48を生成する。
【0089】
図50は、例示的な画像を表示している図43のシステム152の図である。好適に望まれるように、非画像ピクセル58は透明であり、白色の強調領域56は不透明な白色であり、より明るい及びより暗い赤色の領域50及び52は、それぞれより明るい及びより暗い不透明な赤色であり、また、影領域54は不透明な黒色である。
【0090】
図51は、本発明の別の実施形態による、サブピクセルレベルでのシステム166の分解断面図である。システム166は、背面又は受光面基板168、偏光フィルタ又はシャッタレイヤグループ170、能動カラーリングレイヤグループ172及び観察面基板178を含む。偏光フィルタ又はシャッタレイヤグループ170は、システム114の偏光フィルタ又はシャッタレイヤグループ148と実質的に同じであり、したがって簡潔にするためにさらなる説明は省略される。
【0091】
カラーリングレイヤグループ172は、好ましくは、カラーリング拡散レイヤグループ174及び能動色放出レイヤグループ176の両方を含む。カラーリング拡散レイヤグループ174は、既に説明したカラーリング拡散レイヤグループ150と実質的に同様であり、簡潔にするためにさらなる説明は省略される。同様に、能動色放出レイヤグループ176は、既に説明したカラーリングレイヤグループ158と実質的に同様であり、簡潔にするためにさらなる説明は省略される。
【0092】
図52では、電力が供給されていないサブピクセルシャッタ170、電力が供給されているPDLC174、及び電力が供給されていないサブピクセルエミッタ176の構成は、透明なピクセル48をもたらす。図53では、電力が供給されていないサブピクセルシャッタ170、電力が供給されていない緑のPDLC、及び電力が供給されていないサブピクセルエミッタ176の構成は、透明な緑色のピクセル48をもたらす。図54では、電力が供給されていない緑色のサブピクセルシャッタ170、電力が供給されている青色及び赤色のサブピクセルシャッタ170、電力が供給されているPDLC174、及び電力が供給されていない赤色及び青色のサブピクセルエミッタ176を有する電力が供給されている緑色のサブピクセルエミッタの構成は、また透明な緑色のピクセル48をもたらす。
【0093】
図55では、電力が供給されていない緑色のサブピクセルシャッタ170、電力が供給されている青色及び赤色のサブピクセルシャッタ170、電力が供給されていない緑色のPDLC174、及び電力が供給されていないサブピクセルエミッタ176の組合せは、十分に不透明な緑色のピクセル48をもたらす。図56では、電力が供給されているサブピクセルシャッタ170、電力が供給されているPDLC174、及び電力が供給されている緑色のサブピクセルエミッタ176の組合せは、不透明な緑色のピクセル48をもたらす。図57では、電力が供給されているサブピクセルシャッタ170、電力が供給されているPDLC174、及び電力が供給されていないサブピクセルエミッタ176の組合せは、不透明な黒色のピクセル48をもたらす。
【0094】
図58では、電力が供給されていないサブピクセルシャッタ170、電力が供給されているPDLC174、及び電力が供給されているサブピクセルエミッタ176の組合せは、透明な白色のピクセル48をもたらす。図59では、電力が供給されていないサブピクセルシャッタ170、電力が供給されていないPDLC174、及び電力が供給されていないサブピクセルエミッタ176の組合せは、十分に不透明な白色のピクセル48をもたらす。図60では、電力が供給されているサブピクセルシャッタ170、電力が供給されているPDLC174、及び電力が供給されているサブピクセルエミッタ176の組合せは、不透明な白色のピクセル48をもたらす。
【0095】
図61は、例示的な画像を表示している図51のシステムの図である。好適に望まれるように、非画像ピクセル58は透明であり、白色の強調領域56は不透明な白色であり、より明るい及びより暗い赤色の領域50及び52は、それぞれより明るい及びより暗い不透明な赤色であり、また、影領域54は不透明な黒色である。
【0096】
本出願において説明されている情報が与えられた当業者には理解されるように、シャッタ遮断レイヤグループにおいて、エレクトロクロミック技術、SPD、マイクロブラインド、ナノ結晶などの他の方法が使用されうる。
【0097】
本発明の他の実施形態は図62図67に示される。図62に示される一実施形態によれば、本発明によるウィンドウカバリングシステム300は、一緒に動作するように3つの主要構成要素、すなわちスマートハウジング302、マルチレイヤ化された自己粘着ウィンドウマルチレイヤ化デバイス304、及び直観的コントロールワンド306を含む。
【0098】
一実施形態によれば、ハウジング302は押出しアルミニウムでできているが、当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく他の材料が使用されうることを理解するであろう。ハウジング302は、マルチレイヤ化デバイスをユーザに繋げるシステムのブレインを含む。一実施形態によれば、ハウジング302は、メモリ、プロセッサ、及び入力及び出力コントローラを含む。好ましくは、システム300は、Wi−Fiを使用して、スマートフォン、タブレット及び他の計算デバイスなどの他のデバイスに接続する。しかしながら当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく他の通信手段が用いられうることを認識するであろう。例えば配線式接続、Bluetooth又は他の無線通信手段が用いられうる。システムは複数のデバイスと通信することができるため、この通信は、遠隔的であっても、マルチレイヤ化デバイスの外観及び設定に対するより多くの制御を提供する。
【0099】
一実施形態では、ハウジング302は、夜にシステム300に電力を供給するために、マルチレイヤ化デバイス304によって取り込まれる太陽エネルギーを貯蔵する充電式蓄電池308のアレイを含む。一実施形態では、システムは建物電力グリッドに接続されることが可能であり、そして、蓄電池308は、また、日々の電力消費の補助に使用されうる。一実施形態によれば、ハウジング302は、あらゆる任意のスタイル環境へシームレスに溶け込めるようにする最小設計美学を有している。
【0100】
好ましくは、マルチレイヤ化デバイス304は、いくつかの薄膜レイヤを含む。透明な光電池レイヤ310は、ウィンドウに対して配置され、太陽のエネルギーを取り込んで蓄電池308を充電する。マルチレイヤ化デバイス304の2つの内部レイヤは、2つの異なる液晶技術、すなわち透明なLCD312及びピクセルで構成されたLC拡散体314を利用する。これらの2つのレイヤ312及び314が相俟って、システム300が、完全に透明な状態からブラックアウトへ、グレースケール及びフルカラーを介して移行できるようにし、それによりウィンドウの外観に対する制約なき制御を許容する。さらに、マルチレイヤ化デバイスのレイヤのうちの1つ、例えば、透明な光電池レイヤ310は、マルチレイヤ化デバイス304をウィンドウに付着させるための接着剤を含むことが好ましい。
【0101】
部屋の内側に面している第4のレイヤ316は、マルチレイヤ化デバイス304を所与のウィンドウにぴったりと適合させるカットセーフゾーン318を有する保護レイヤであり、ユーザ又は設置者(以下、簡潔にするためにユーザと称する)がマルチレイヤ化デバイス304を切断することを許容する。一実施形態によれば、カットセーフゾーン318は、マルチレイヤ化デバイス304の周囲にのみ配置される。さらに別の実施形態では、マルチレイヤ化デバイス104の周囲の一部のみがカットセーフゾーン318を含む。別の実施形態によれば、1つ又は複数のカットセーフゾーンがマルチレイヤ化デバイス304の中央部分内に配置されうる。
【0102】
システム300は、設置が容易になるように設計される。リバーシブルマウントが、ねじ、釘又は接着剤など、任意の締付け技術によって壁又は天井のいずれか、又はウィンドウ枠に付着されうる。好ましくは、ハウジング302は、マウントに関してはセルフロック式であり、引き続いてマウントを固着して、ユーザにハウジング302をマウントに押し込んでハウジング302を固着することだけを求める。
【0103】
カットセーフゾーン318は、光が全く漏れることなく、ガラスパン上に、端から端まで、自己粘着マルチレイヤ化デバイス304が設置されることを許容する。マルチレイヤ化デバイス304及びハウジング302が設置されると、リボンケーブル320がマルチレイヤ化デバイス304上のポート322に直接接続され、マルチレイヤ化デバイス304とハウジング302とを接続する。例えば、頂部が静止ウィンドウ及び下側が開くウィンドウを持つ開くウィンドウについては、一実施形態によれば、リボンケーブル320は、ハウジング302のボディ内における自動後退及び巻取りが可能であり、接続が破壊されないことを保証する。さらに、複数のシステム300は、それぞれのハウジングをまとめてリンクしてグループ化でき、シングルコントロールワンド306又は他のデバイス(上で言及したスマートフォン、タブレット、コンピュータなど)から、それらが制御されることを許容する。一実施形態によれば、それぞれのハウジングはまとめて配線されるが、当業者は、また、ハウジングを接続するために、本発明の範囲を逸脱することなく、Wi−Fi及びBluetoothなど無線技術が使用されうることを認識するであろう。
【0104】
親しみのあるように設計されたコントロールワンド306が、従来の水平方向のブラインドの回転を制御するロッド(ワンドと呼ばれることもある)の配置と同様、ハウジング302の端部付近でハウジング302に接続される。好ましくは、コントロールワンド306は、ファセット化されたグリップを含む。
【0105】
また、コントロールワンドの機能は、親しみのあるように設計される。一実施形態によれば、コントロールワンド306は、コントロールワンド306をねじることがマルチレイヤ化デバイスの画像の不透明度を制御することになるようにハウジング302に接続される。不透明度は、完全なブラックアウトから、部分的に透明、透明まで変化しうる。
【0106】
さらに、一実施形態によれば、コントロールワンド306は接触感応性である。好ましくは、コントロールワンドは容量性である。例えば、コントロールワンドは、ユーザが彼らの一本又は複数本の指を容量性ワンド306上で上下にスライドさせて、マルチレイヤ化デバイス304上に表示される画像の垂直方向の位置を変化させることができるようにハウジング302に接続される。より具体的な例として、マルチレイヤ化デバイス304のある部分は不透明な画像を表示することができ、一方、マルチレイヤ化デバイス304の別の部分は、透明又は半透明の画像を表示する。ユーザが彼らの指をコントロールワンド306上で上にスライドさせると、不透明な画像を表示しているマルチレイヤ化デバイス304の部分が減少し、また、ユーザがそれらの指をコントロールワンド106上で下にスライドさせると、不透明な画像を表示しているマルチレイヤ化デバイス304の部分が増加する。
【0107】
さらに多くの制御に対して、システム300は、努力を必要とすることなくWi−Fi又は他の遠隔制御デバイスに接続して、個別化された設定を提供する。このような個別化された設定は、それらに限定されないが、自動目覚まし、可変ムード及びバケーションモードを含むことができる。例えばタブレットコンピュータ、スマートフォン、コンピュータ等のインタフェースは、マルチレイヤ化デバイス304上に表示されるパターン及び色を調整するために利用でき、それにより自然の太陽光の色を変えることによって完全なムードを設定する、個別化され、かつ、インスパイアされた空間が作成される。
【0108】
さらに、システム300は、ユーザが離れていること、また、所定の自動プログラムを起動して、異なる時間にマルチレイヤ化デバイスの表示を変更することを知るように設定されうる。また、システム300は、日の出及び日没ルーチンを使用して、朝はユーザを起こし、また、夜はユーザをリラックスさせるようにまた設定されうる。さらに、システム300がユーザのデバイスに接続されると、システム300は、ユーザにミーティング及び約束、電話、電子メール及び他の重要な注意事項を知らせることができる。また、好ましくは、システムは、例えばセキュリティシステムを介してユーザの家庭に接続されうること、及び、ドアが開いていること、オーブンがオンであるかどうか、また、食器洗浄機サイクルが完了したかどうかをユーザに知らせることができる。
【0109】
夏にはシステム300のマルチレイヤ化デバイス304は、より不透明に見えるようにして、入射する光及び熱を遮断することができ、また、冬にはマルチレイヤ化デバイス304は、より透明に見えるようにして、利用可能な光及び熱を使用し、空間を自然に照明して、暖める。
【0110】
一実施形態によれば、システム300は、その厳密な位置のために現在の気象データに接続されることが可能であり、また、マルチレイヤ化デバイスを絶えず調整するように設定でき、太陽からの自然な光及び熱に比して多い又は少ない中で、所望の温度の維持を補助することを可能にし、それにより建物のHVAC(加熱、換気、空気調和)システムの使用をオフセットする。
【0111】
太陽エネルギーを取り入れ、かつ、貯蔵して、それ自体に電力を供給することにより、システムは、ユーザの家庭の電力ニーズを低減してユーザ時間及び金を効果的に節約する。システムの費用効果設計は、常にユーザのために働く。材料及び構成要素についてのそれらシステムの最小使用は、それが軽量であり、また、低出荷費用を有することを意味する。システム300はエネルギーに無関係であるため、それは、速やかに元を取る。
【0112】
作業空間では、システムは、重役用会議室を上演劇場に変え、人を情報に通じた有能な状態に維持するために警報を使用し、また、最適作業状態のために照明を最大にすることができる。
【0113】
小売り環境では、システムは、ウィンドウ表示を個別化し、かつ、速やかに交換し、閉店の際にブラックアウトセキュリティを提供し、また、広告キャンペーンを複数の店にわたって同時に合理化し、かつ、最適化することができる。
【0114】
イベント空間では、システムは、任意の特別な集会、移り変わりのための精選されたカスタム画像を提供することによって空間を一変させ、光を昼から夜へ制御し、また、それが可能なゲストに対し、タブレット及び電話など、彼らのパーソナルデバイスを介して設定を制御することに従事させる。
【0115】
住宅設定では、システムは、表現及び設計のためにウィンドウをカスタムキャンバスに一変させ、空間の光及び熱を直観的に制御し、また、より多くの制御及び能力のためにパーソナル及びホームスマートデバイスに接続することができる。
【0116】
レストラン及びバーでは、システムは、日中のサービスを通して装飾を移り変わらせ、異なるメニューのための異なるムードを作り出し、最適食事経験のために自然光を制御し、また、設立のテーマを魅力のある能動環境に拡張することができる。
【0117】
健康管理環境では、システムは、患者のための最適化された太陽光状態を提供し、患者が彼らの部屋を個別化できるようにし、個人宛のメッセージ及び画像を通して暖かみの感覚を作り出し、また、病院又は施設全体を通して個別の円滑なパターン及び歓迎する周囲の環境を作り出すことができる。
【0118】
ホテルなどの歓待環境では、システムは、時差ぼけの旅行者が効果的に睡眠をとるための完全なブラックアウト能力を提供し、個々の部屋に独自の個性を付与し、又はゲストがそれらの選択、及びホテルの装飾の1年全体を通した季節ごとの移り変わりをカスタマイズできるようにすることが可能になる。
【0119】
教育環境では、システムは、集中及び学習のための最適太陽光状態を提供し、没頭するパターンを持つ学生を授業計画に結びつけるように促し、また、ウィンドウ上に情報を提示して、全く新しい方法でクラスに参加させる能力を提供できる。
【0120】
娯楽会場又は環境では、システムは、ショー、映画テレビ及びスポーツを投影し、演劇又はライブショーのための背景幕を提供し、また、ヨーガから料理教室まで、あらゆるアクティビティを付与することができる。
【0121】
拡散レイヤを生成するために使用されうる別の技術は、サブピクセル能動マトリックスと組み合わせた浮遊粒子デバイス技術である。SPDは、液体中に浮遊したロッド様ナノスケール粒子の、基板に付着される薄膜積層物を利用する。電圧が印加されない場合、粒子はランダムに配向され、光を遮断して、吸収する傾向を示す。電圧が印加されると、粒子が整列して光の通過を許容する。電圧の変化は、粒子の配向を変化させ、どれくらいの光の量が送られるかの制御をユーザに付与する。
【0122】
ナノスケール粒子は、多くの特定の結果を達成するために、それらが光にどのくらいの影響を及ぼすかを制御するべく較正されるだろう。これは、2つの方法、すなわち1.浮遊される粒子の量を変えることによって基本状態(電力が印加されない)の透明度に影響を及ぼすことになろう、2.粒子自体の色を較正することによって達成されうる。
【0123】
拡散粒子は、ゼロ電力が印加されて粒子がランダムに配向されると、それらが十分に不透明な白色のように見えるものを生成するように較正されることになろう。さらに、電力が印加されて粒子が実際に整列すると、レイヤの透明度が得られる。
【0124】
シャッタレイヤとして使用されるとき、SPDは、サブピクセルレベルでの能動マトリックスによって駆動されると、十分に不透明な黒色から透明までの範囲を生成する光を遮断し、かつ、吸収するように較正されるだろう。
【0125】
カラーリングレイヤグループとして使用されるとき、SPDは、その基本状態において透明な色を生成するように較正されるだろう。サブピクセルレベルでの能動マトリックスと組み合わせて使用されるとき、個々のピクセルは、赤色のSPD透明サブピクセル、緑のSPD透明サブピクセル及び青色のSPD透明サブピクセルを構成する。この場合、SPDは、能動マトリックスカラーフィルタレイヤグループを作るように使用されうる。
【0126】
さらに、カラーリング拡散レイヤグループは、特別に較正されたSPDを利用することができよう。個々のピクセルにおける場所には、赤色のSPD拡散サブピクセル、緑色のSPD拡散サブピクセル及び青色のSPD拡散サブピクセルが含まれる。
【0127】
本発明のいくつかの実施形態のみが示され、かつ、説明されたが、本発明は、説明された実施形態に制限されず、その代わりに、当業者には、本発明の原理及び精神を逸脱することなくこれらの実施形態に変更が加えられうることが認識されよう。とりわけ、当業者は、上で説明された様々な例示的実施形態の様々な要素の様々な技術的態様を多くの他の方法で容易に組み合わせることができ、これらのすべては、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される本発明の範囲内と見なされることに留意されたい。
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【国際調査報告】