(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-530082(P2018-530082A)
(43)【公表日】2018年10月11日
(54)【発明の名称】1回の送出トラッキングを有するウェアラブルな食事および運動トラッキング装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20180101AFI20180914BHJP
A63B 69/00 20060101ALI20180914BHJP
【FI】
G06Q50/22
A63B69/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-521499(P2018-521499)
(86)(22)【出願日】2016年7月16日
(85)【翻訳文提出日】2018年1月31日
(86)【国際出願番号】US2016042687
(87)【国際公開番号】WO2017015171
(87)【国際公開日】20170126
(31)【優先権主張番号】15/212,051
(32)【優先日】2016年7月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/193,879
(32)【優先日】2015年7月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/041,780
(32)【優先日】2016年2月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/161,588
(32)【優先日】2016年5月23日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】518017082
【氏名又は名称】ジェネサント テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GENESANT TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(74)【代理人】
【識別番号】100214640
【弁理士】
【氏名又は名称】立山 千晶
(72)【発明者】
【氏名】ムロフカ、ジェームズ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】クリスト、アサナシオス ジー.
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
ウェアラブルな食事および運動トラッキング装置は、食べた食物、消費量、実行した運動、および運動量の1回の送出入力と、トラッキング情報の報告とを提供するとともに、その装置を介して直接的に包括的な食事および運動トラッキングを提供する。本発明の実施形態は、手首に固定されたバンド、スマートウォッチ、衣類およびフィットネスギアに取り付け可能/埋め込み式の装置、他の携帯型/着用可能な筐体の形式か、またはそれらを一体化した形式とすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食事および運動情報をトラッキングするためにユーザが着用または持ち運びすることが可能な装置であって、
前記装置のユーザからの入力音声情報を、(i)食物および消費された対応する食物の数量と食物量の単位、または(ii)運動および実行された対応する運動の数量と運動量の単位、もしくはその両方を提示する1回の送出音声提示として受信するためのマイクロフォンと、
前記入力音声情報を受信するためのプロセッサと、
前記プロセッサに接続されたメモリであって、前記ユーザからの前記入力音声情報と、(i)前記食物および前記食物量と食物量の単位、または(ii)前記運動および前記運動量と運動量の単位、もしくはその両方を識別する前記メモリに記憶されたテキストとを一致させるように前記プロセッサを制御するための実行可能命令を記憶したメモリと、を備え、
前記命令は、入力された食物、食物量、および食物量の単位の情報に基づいて対応する栄養およびカロリー情報をトラッキングするか、または入力された運動、運動量、および運動量の単位の情報に基づいて対応するカロリー燃焼情報をトラッキングし、判定された栄養およびカロリー情報と判定された運動および運動量の情報とをトラッキング情報として前記メモリに記憶するように前記プロセッサを制御し、
前記実行可能命令は、前記メモリ内に入力音声情報の一致がない場合に、前記入力音声情報を外部システムに伝達するように前記プロセッサを制御し、
前記トラッキング情報をユーザに報告するための出力ユニットを備える装置。
【請求項2】
前記装置は、前記食物、食物量、および食物量の単位の情報に関する前記入力音声情報に基づいて前記対応する栄養およびカロリー情報を自動的にトラッキングするとともに、前記運動、運動量、および運動量の単位の情報に関する前記入力音声情報に基づいて前記カロリー燃焼情報を自動的にトラッキングする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記外部システムと通信して、前記入力音声情報を前記外部システムに送信するとともに、転写テキスト、食物と食物量の一致、運動と運動量の一致、対応する栄養およびカロリー情報、ならびにカロリー燃焼情報に関して前記外部システムに記憶された情報を受信する通信ユニットをさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記出力ユニットは、前記ユーザにテキスト表示および音声情報を提供するために前記装置上にディスプレイおよびスピーカのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記装置は、ユーザの手首にバンドとして着用可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、ユーザが着用可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記実行可能命令は、入力された前記入力音声情報の1回の送出トラッキングをもたらすように前記プロセッサを制御し、前記1回の送出トラッキングは、1つ以上の食物および消費された対応する食物量と食物量の単位、または1つ以上の運動および実行された対応する運動量と運動量の単位についての単一のユーザ包括的音声提示として1回の情報の送出を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、食物の消費または身体活動の詳細を述べる前記ユーザの発話によって前記1回の入力音声情報の送出が行われると、前記ユーザによるさらなる動作を必要とすることなく、前記食物の消費の個々の発生または個々の前記身体活動に関するデータをトラッキングするように制御される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記入力音声情報は、ユーザが文法的または他の音声規則に従うことを必要としない自然に発話された会話音声を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
食事および運動情報をトラッキングするためにユーザが着用または持ち運びすることが可能な装置であって、
前記装置のユーザから、食物の消費および消費された対応する食物量と食物量の単位を述べる前記ユーザの発話、または運動および実行された対応する運動量と運動量の単位を含む身体活動を述べる前記ユーザの発話による入力音声提示を1回の送出として受信するためのマイクロフォンと、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続され、前記プロセッサを制御するための実行可能命令を記憶したメモリと、を備え、
前記命令は、前記食物の消費または身体活動の詳細を述べる前記ユーザの発話による前記1回の入力音声提示の送出に応答して、前記ユーザによるさらなる動作を必要とすることなくデータをトラッキングするように前記プロセッサを制御する、装置。
【請求項11】
前記装置は、前記食物、食物量、および食物量の単位の情報を述べる前記入力音声提示に基づいて対応する栄養およびカロリー情報を自動的にトラッキングするとともに、前記運動、運動量、および運動量の単位の情報を述べる前記入力音声提示に基づいて対応するカロリー燃焼情報を自動的にトラッキングする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記音声提示は、ユーザが文法的または他の音声規則に従うことを必要としない自然に発話された会話音声として、前記食物の消費または身体活動の詳細を述べる音声を含む、請求項10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウェアラブルな食事および運動トラッキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で使用される食事および運動トラッキングとは、個人が食物の消費および身体活動に関するデータを記録(トラッキング)する活動を指す。例えば、食事トラッキングの場合には、個人は、食べた毎日の食物、食物量、および関連するカロリーおよび栄養素のデータをすべてトラッキングすることができ、運動トラッキングの場合には、個人は、運動、運動量、および運動中における関連するカロリー燃焼データをすべてトラッキングすることができる。
【0003】
既知の食事および運動トラッキング製品は、i)ウェアラブル・フィットネス装置(例えば、Fitbit(商標)、Jawbone Up(商標)、フィットネス・トラッキングを伴うスマートウォッチ(例えば、アップルのiWatch(商標)など))、およびii)食事およびフィットネス・アプリケーション(「アプリ」)を実行するモバイル・デバイスやデスクトップ・デバイス(例えば、MyFitnessPal(商標)、Lose It(商標)など)を含む。ウェアラブル・フィットネス装置は、歩行または移動などの一般的な身体活動のセンサベースの自動トラッキングを提供する。何千万ものウェアラブル・フィットネス装置が販売されており、この製品分野は急速に成長している。ウェアラブル・フィットネス装置は、手首に固定されるバンド、スマートウォッチ、または衣類に取り付け可能/埋め込み式の装置の形態、もしくはそれらを一体化したものとすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
食事およびフィットネス・トラッキング・アプリケーション市場は、非常に非効率的な方法で食事およびフィットネス・データをトラッキングする問題に対処する何百ものアプリによって飽和している。食事トラッキングについて、これらのアプリは、長時間の煩わしい以下の複数のステップの処理を行うことをユーザに課す。すなわち、ユーザは、i)食事の配置の段階を送出するために朝食、昼食、夕食、間食を選択し、ii)食物を入力し、iii)食物を検索し、iv)表示されたオプションの長いリストから適切な食物を選択し、v)適切な食物量を確認または編集し、その後、トラッキングする食事におけるすべての食物について、これらのステップを繰り返さなければならない。運動トラッキングについても、これらのアプリは、同様に長時間の煩わしい以下の複数のステップの処理を行うことをユーザに課す。すなわち、ユーザは、i)運動を分類するために心血管トレーニングまたは筋力トレーニングを選択し、ii)運動名を入力し、iii)運動を検索し、iv)表示されたオプションのリストから運動を選択し、v)行われた運動量と運動の単位を入力し、その後、トレーニング内のすべての運動について、上記のステップを繰り返さなければならない。
【0005】
ウェアラブル・フィットネス装置は、市場に初めて登場したときに革新的な製品であった。それらは、既知の従来のフィットネス・アプリケーションによって提供されるものよりも一般的な運動活動をトラッキングするための著しく効率的な方法を提供する。しかしながら、ウェアラブル・フィットネス装置は簡単な運動トラッキング(例えば、歩数、歩いた距離、カロリー燃焼数など)にとっては実に非常に効率的であるが、他の重要な方法において欠ける点がある。
【0006】
既知のウェアラブル・フィットネス装置における1つの欠点は、いかなる食事トラッキング機能も提供しないことである。ウェアラブル・フィットネス装置のユーザは、食事トラッキングの要望のために、別の食事アプリまたは他のアプローチに頼らなければならない。食事トラッキングは、個人が消費するカロリー数を決定する方法であるため、いかなる減量プログラムにとっても非常に重要である。体重を減らそうとする人は、消費カロリー数よりも少ないカロリーを消費しなければならない。したがって、食事トラッキングなしで減量プログラムを合理的に管理することはできない。
【0007】
ウェアラブル・フィットネス装置における別の欠点は、特定の運動タイプの包括的トラッキングを提供できないことである。例えば、ユーザが特定の運動(例えば、クランチ、ヨガ、ベンチ・プレス、エリプティカル・マシン、P90xなど)および包括的な量(例えば、100ポンドで反復10回を3セット、45秒で4セットなど)をトラッキングしたい場合、ユーザは既知のウェアラブル・フィットネス装置を使用してこれを行うことはできず、これを行うためにはフィットネス・トラッキング・アプリケーションを使用しなければならない。
【0008】
現在の既知のウェアラブル・フィットネス装置(例えば、Fitbit、Jawbone Up、フィットネス・トラッキングを伴うスマートウォッチ(例えば、アップルのiWatchなど))は、本発明にかかる装置のようには、食事トラッキング機能または包括的な運動トラッキング機能を提供することができない。この理由は、既知のウェアラブル装置は、必要とされる包括的で広範囲の入力データを受信し処理することができないためである。
【0009】
このようなウェアラブル・フィットネス装置が上述した欠点を解消できるようにするためには、これらの装置はスマートフォンサイズの表示画面とほぼ同じ大きさの表示画面を有する必要がある。しかしながら、このような非実用性を無視して、これらのウェアラブル・フィットネス装置がこのようなスマートフォンサイズの表示画面を有する場合、食事およびフィットネス・トラッキング・アプリケーションで使用される同じ複数ステップの処理を使用するので、食事トラッキングおよび包括的な運動トラッキング機能は、ユーザにとって極めて非効率的で時間がかかるものとなる。
【0010】
スマートフォンサイズの表示画面を有した従来のウェアラブル・フィットネス装置のユーザにとってこのような複数ステップの処理がいかに煩わしいものであるかを説明するために、その装置のユーザ情報の送出要件と本発明の1回の送出とを対比することのみを行う。このような装置により4つの食物をトラッキングするユーザは、少なくとも12回の情報の送出を行う必要がある。食事での各食物について、複数の送出は、以下を含むものとなる。すなわち、ユーザは、i)そのような食物の食事の配置に関して、朝食、昼食、夕食、または間食を選択して送出し、ii)食物を入力して送出し、iii)表示されたオプションの長いリストから適切な食物を選択して送出し、iv)食物の量を確認または編集してそれを送出する。運動トラッキングについても、ユーザは、トレーニングにおける運動毎に以下のことを行う必要があるため、同様な複数ステップのユーザ情報送出要件が必要となる。すなわち、ユーザは、i)運動を分類するために心血管トレーニングまたは筋力トレーニングを選択して送出し、ii)運動名を入力して送出し、iii)オプションのリストから運動を選択して送出し、iv)行われた運動量と運動の単位を入力してそれを送出する。
【0011】
既知のアプローチによる上述の問題および他の問題に対処するウェアラブルな食事および運動トラッキング装置を提供することが望ましく、本発明はこれらの目的に向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、1回の送出トラッキング機能を有するウェアラブルな食事および運動トラッキング装置を提供する。本発明によるウェアラブルな食事および運動トラッキング装置の1回の送出トラッキング機能は、その装置のユーザが、食べた食物および/または実行された運動など、関連する食物および/または運動の入力量(例えば、1杯、反復25回を2セットなど)を含む食物消費または身体活動の個々の発生に関連するデータをトラッキング(ロギング)することを可能にし、そのような食物消費または身体活動の詳細を述べるユーザの会話による音声情報がそのような装置に1回送出(入力)されると、ユーザによるさらなる動作を必要とすることなく、このデータと関連するカロリーや栄養素および/またはカロリー燃焼に関するトラッキング情報とを自動的に関連付ける。本発明によるユーザによる音声情報の送出は、ユーザが文法的または他の音声規則に従うことを必要としない自然に発話された会話音声を含み得る。ウェアラブルな食事および運動トラッキング装置への1回のユーザ情報送出は、その装置のマイクロフォンに発話し、食物消費または身体活動のそれぞれの個々の発生に関して、食べた食物および/または実行された運動(および関連する量)を述べることによって音声情報を入力し、その後、表示画面をタップするかまたはボタンを押してトラッキングのためのそのような情報を送出(入力)するユーザの処理を含み得る。このような装置は、その処理を実行し、そのような食物および/または運動と食物量および/または運動量を自動的にトラッキングし、そのトラッキング・データと対応するカロリーおよび栄養素および/またはカロリー燃焼とを関連付けることができる。そして、この情報がそのような装置のユーザに装置のディスプレイを介して報告され得る。
【0013】
一つの態様において、本発明は、ユーザの身体に着用可能、またはユーザの衣類または関連するキャリーバッグに取り付けまたは携行可能なウェアラブルな食事および運動トラッキング装置を提供し、同装置は、i)同装置を介して直接的に食事トラッキングを可能にし、ii)同装置を介して直接的に包括的な特定の運動トラッキングを可能にするとともに、現在利用可能なウェアラブル・フィットネス装置によって与えられるよりもはるかに詳細な運動関連情報の取得を可能にし、iii)迅速かつ効率的な食事および運動データの入力およびトラッキングを提供する。本発明によるウェアラブル装置の実施形態は、手首に固定されるバンド、スマートウォッチ、衣類、フィットネス器具を取り付け可能/埋め込み式の装置、および他の携帯型および/または着用可能な筐体の形態、またはそれらを一体化したものとすることができる。
【0014】
他の態様において、本発明は、i)1回の送出トラッキング機能、ii)完全な食事トラッキング処理の自動化、iii)完全な運動トラッキング処理の自動化、iv)包括的なテキスト構文解析およびテキスト・クリーニング方法による自然言語処理の使用、v)大規模なリアルタイムでのユーザ・データ・セットによる機械学習、vi)誤ったテキストを識別して、より正確かつ適切な別名のテキスト(例えば、「oaks」=「oats」、「three」=「3」など)に置き換えるテキスト・エイリアシング・ロジックおよびデータ、および、vii)数量例外ロジックおよびデータ(例えば、7イレブン、12インチ、P90Xなど)を提供する。
【0015】
本発明によるウェアラブル装置は、以下のような従来の装置で必要とされる特徴、すなわち、i)取り付けられた物理的キーボードまたはタッチ・スクリーン・キーボード、および/またはii)必要な特徴および/またはデータを表示するのに十分な大きさの大型タッチ・スクリーン・ディスプレイを必要としない。この大型タッチ・スクリーン・ディスプレイは、a)それがそのような装置に設けられている場合に使用可能なタッチ・スクリーン・キーボード、b)複数の単語の食物および/または運動の名前に適合させるのに十分な大きさの検索フィールド、c)食物と運動の広範なリスト、d)食物および運動の単位(例えば、オンス、カップ、大さじ、ポンド、分など)の調節可能なリスト、e)数量のデータ入力領域、f)食事のタイプまたは運動のタイプの調整可能なリスト、およびg)包括的な運動量データ(例えば、異なる重さおよび反復の強度トレーニング運動を6セットなど)を含む。従来のウェアラブル・フィットネス装置が本発明によって提供される上述の特徴を提供する場合には、既知の装置は、ウェアラブル装置にとっては完全に非実用的なスマートフォン・スクリーン・ディスプレイのサイズとほぼ同じサイズのスクリーン・ディスプレイを有する必要があり、現在の食事およびフィットネス・アプリケーションによって提供される同様な長時間の煩わしい複数ステップの食事および運動トラッキングの経験を使用することしかできない。
【0016】
現在の既知のウェアラブル・フィットネス装置(例えば、Fitbit、Jawbone Up、フィットネス・トラッキングを伴うスマートウォッチ(例えば、アップルのiWatchなど))は、本発明の装置によって実行される上述の処理を実行することはできない。
【0017】
本明細書で以下に示す図面や詳細な説明は、本発明の好ましい実施形態の方法、アルゴリズム、および処理について示し説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明にかかるウェアラブルな食事および運動トラッキング装置の3つの異なる実施形態を示す図である。
【
図2】
図1に示すようなウェアラブルな食事および運動トラッキング装置の実施形態のハードウェア・アーキテクチャおよび例示的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図2に示すようなウェアラブルな食事および運動トラッキング装置の実施形態によって実行され得るトラッキング処理の概要を示すフロー図である。
【
図4】
図3に示す音声転写処理、自動食事トラッキング処理、および自動運動トラッキング処理を詳細に示すフロー図である。
【
図5a】本発明にかかる自動食事トラッキングシステムおよび自動アプリケーション式運動トラッキングシステムの実施形態によって実行される最初のステップを示すフロー図である。
【
図5b】自動食事トラッキングシステムおよび自動アプリケーション式運動トラッキングシステムによって実行されるさらなるステップを示す
図5aに続くフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の詳細な説明では、添付図面を参照する。これらの図面は、本発明の異なる目的、局面、および利点を示し、図示された様々な実施形態に存在する構造、構成要素、および要素を示す参照番号も含む。具体的に示されているもの以外の構造、構成要素、および/または要素の様々な組み合わせもまた意図され、本発明の範囲内であることが理解される。
【0020】
また、本明細書に記載および図示される1回の送出入力を有するウェアラブル・トラッキング装置の多くの異なる実施形態が存在する。本発明は、任意の単一の態様および/または実施形態に限定されず、そのような態様および/または実施形態の任意の組合せおよび/または置換にも限定されない。また、本発明の様々な態様のそれぞれおよび/またはそれらの実施形態は、単独でもしくは1つまたは複数の他の態様および/または実施形態と組み合わせて使用することができる。説明を簡潔にするために、可能性のある置換および組み合わせのすべてが本明細書で個別に説明および/または図示されているわけではない。
【0021】
以下に説明するように、本発明によるウェアラブルな食事および運動トラッキング装置のユーザは、ウェアラブルな食事および運動トラッキング装置に対してユーザが食べたものおよび/または実行した運動に関するデータを入力するために単に発話する必要があるのみであり、装置は、食べた食物、食物の数量、および食物量の単位(例えば、1カップ、4オンスなど)と関連するカロリーおよび栄養素のデータ、および/または実行した運動、運動の数量、運動量の単位(例えば、100ポンドで反復10回を3セット、2.75マイルなど)と関連するカロリー燃焼データを自動的にトラッキングする。また、トラッキングされた食事および運動情報は、装置へのユーザの音声入力をデジタルテキスト形式およびそれに続くテキスト構文解析へ変換(転写)することによって得られた、利用可能な構文解析テキストセグメントに関連付けられる。
【0022】
本発明のウェアラブルな食事および運動トラッキング装置は、現在既知のウェアラブル・フィットネス装置(例えば、Fitbit(商標)、Jawbone Up(商標)、フィットネス・トラッキングを伴うスマートウォッチ(例えば、アップルのiWatch(商標)など))における欠点を補うことが可能な多くの特徴および機能を有する。これらの欠点には、i)そのような従来の装置には直接的な食事トラッキングが全くないこと、およびii)そのような装置では直接的な包括的運動トラッキングを提供できないこと、が含まれる。対照的に、好ましい実施形態では、本発明は、ウェアラブルな食事および運動トラッキング装置において食事トラッキングおよび包括的な運動トラッキングを直接提供する。
【0023】
重要なことは、好ましい実施形態において、本発明は、1回の送出トラッキング機能を可能にし、この機能は、上述したように、食事トラッキングおよび/または包括的な運動トラッキングについて、ユーザは、1回の情報の送出(このような装置に入力された単一のユーザ包括的音声提示とすることができる)を入力することが単に必要とされる。これにより、キーボードや非常に大きなタッチ・スクリーン・ディスプレイを必要とせずに、入力データをトラッキングすることが可能となる。その結果、好ましい実施形態では、本発明のウェアラブルな食事および運動トラッキング装置は、包括的な食事および/または運動情報を直接受信してトラッキングすることができる。
【0024】
上述したように、また、以下に説明するように、本発明は、有利には、i)1回の送出トラッキング機能、ii)完全な食事トラッキング処理の自動化、iii)完全な運動トラッキング処理の自動化、iv)包括的なテキスト構文解析およびクリーニング方法による自然言語処理、v)大規模なリアルタイムでのユーザ・データ・セットによる機械学習、vi)誤ったテキストを適切な訂正である別名のテキスト(例えば、「oaks」=「oats」、「three」=「3」など)に置き換えるテキスト・エイリアシング・ロジックおよびデータ、および、vii)数量データと非数量データとを正確に区別する数量例外ロジックおよびデータ(例えば、7イレブン、12インチ、P90Xなど)を提供する。以下の段落におけるこの説明および関連する図面は、これらの特徴および方法を一般的に説明し例示する。より詳細な説明は、米国特許出願第15/041,780号および米国特許出願第15/161,588号に記載されている。
【0025】
図示され本明細書で説明するように、本発明のウェアラブルな食事および運動トラッキング装置は、マイクロフォンを介したユーザ送出の音声入力情報を、食べた食物および/または完了した運動を述べる音声として受信することができる。音声転写要素は、ユーザ音声入力データを処理し、このユーザ音声入力データについてローカルに記憶された一致が存在する場合、食事に関連および/または運動に関連する用語を含む構文解析テキストの1つ以上のセグメントを生成し得る。そして、この構文解析テキストのセグメントは、食事トラッキングについて自動食事トラッキング要素および/または運動トラッキングについて自動運動トラッキング要素に渡され得る。これらのトラッキング要素は、i)その構文解析テキストのセグメント毎における食物または運動の一致、ii)関連する食事および/または運動の数量および量の単位、およびiii)ユーザに提示するためのディスプレイおよびスピーカなどの装置の出力要素へのカロリーおよび栄養素データおよび/またはカロリー燃焼データに関する対応データを配信することができる。ローカルに記憶された音声および構文解析テキストに対して入力をマッチングさせることにより、食事または運動情報をユーザに速やかに提示することができる。
【0026】
音声転写要素がそのようなユーザ音声入力オーディオデータについてローカルに一致するものを検出しなかった場合、あるいは自動食事トラッキング要素または自動運動トラッキング要素がそのような構文解析テキストセグメントについて一致するものを検出しなかった場合、そのようなオーディオデータは、その装置の通信ポートを介して、より大きな処理能力を有するとともに一致の可能性を探るためのより大きなテキスト・データベースへのアクセスを有する外部ネットワークベースのコンピュータ・サーバ上に存在する外部音声転写システムに送信され得る。音声転写システムは、そのようなオーディオデータを処理し、そのオーディオデータを自動食事トラッキングシステムおよび自動アプリケーションベースの運動トラッキングシステムに配信可能な転写テキストに変換(転写)することができ、これらのシステムは、1つ以上の食物および運動テキスト構文解析アルゴリズムを使用して、その転写テキストを構文解析テキストの1つ以上のセグメントに構文解析する。
【0027】
自動食物または運動の量および単位トラッキング方法、ならびに関連するアルゴリズムは、構文解析テキストから任意の数量を取り除き、マルチパス単位データベース検索を用いて、上記の米国特許出願に記載されるように、その構文解析テキスト内における任意の食物量の単位および/または運動量の単位(例えば、カップ、オンス、マイル、反復など)を検出することができる。また、残りの構文解析テキストが、食物または運動テキスト・クリーニング・アルゴリズムに送られ、構文解析され且つクリーニングされたテキストが自動食物または運動トラッキング処理に配信されてもよい。この場合、検出された任意の数量の単位がこの処理で用いるために配信されてもよい。このような自動食物または運動トラッキング処理は、ユーザデータ履歴検索、全ユーザ母集団データ履歴検索、検索文字列修正、データベース検索および検索スコアリング、および他の様々な機械学習技術を含み得る食物または運動テキスト一致およびテキスト・スコアリング・アルゴリズムを利用して、食物および/または運動を識別することにより、そのような構文解析され且つクリーニングされたテキストをトラッキングすることができ、その識別された食物および/または運動を、利用可能なカロリー・栄養素および/または燃焼カロリーのデータの割り当てのために、上記の米国特許出願に記載されるような自動カロリー・栄養素および/または燃焼カロリートラッキング処理に送ることができる。
【0028】
構文解析テキストが量単位、例えば「カップ」、「オンス」などを含まない場合は、ユーザデータ履歴検索の後に全ユーザ母集団データ履歴検索を実行して、そのような食物および/または運動に関連付けられた以前の量単位データを識別することにより、どの単位をトラッキングすべきかを決定することができる。そのような構文解析テキストが数値を含まない場合は、ユーザデータ履歴および全ユーザ母集団データ履歴検索を実行して、そのような食物および/または運動の各々の量単位に最も頻繁に関連する数量を割り当てることができる。
【0029】
食物および/または運動、関連する数量、量単位、カロリー・栄養素データ、および/またはカロリー燃焼データは、その後、複数の食物および運動を管理する要素に配信されてもよく、そのようなウェアラブルな食事および運動トラッキング装置の通信ポートへの送信のために、これらの情報と、それに関連する構文解析テキストと、構文解析され且つクリーニングされたテキストとが編成されて、ユーザへの提示のためにディスプレイおよび/またはスピーカなどの装置の出力要素に配信されてもよい。
【0030】
本発明によって提供される上述した革新的な処理は、数量および/または量単位を含まない送出を含むすべての食事および/または運動情報の送出について自動食事および運動トラッキングを提供することができる。これによって、上述した1回の送出トラッキング機能が可能になり、ウェアラブル・フィットネス装置やアプリケーションベースの食事および運動トラッキングによる現在の技術よりも優れたトラッキング経験が得られる。有利なことに、ユーザは、1つ以上の食物および/または運動の完全な自動食事および/または運動トラッキングのために1回の情報入力送出のみを必要とする。
【0031】
図面を参照すると、
図1は、本発明による食事および運動トラッキング装置の3つの異なる実施形態を示す。図示されているように、装置は、着用可能な手首固定バンド110、衣類およびフィットネスギア装着可能部120、またはスマートウォッチ130などのように着用可能とすることができる。また、トラッキング装置は、ポケットまたはバッグに入れられるもの、衣類またはフィットネスギアに埋め込まれるもの、または他の着用可能筐体に含まれるものとすることができる。以下に説明するように、
図2は、これらの装置の好ましいハードウェア・アーキテクチャおよび構成要素を示す。図示されるように、この装置は、処理要素210と、情報およびデータを記憶するためのメモリ220と、外部コンピュータ・サーバとの間でデータを無線で送受信するための通信ポート230と、ユーザ・インタフェース要素275とを含む。メモリ220に記憶される情報およびデータは、以下でさらに詳細に説明するように、i)実行可能命令と、ii)オーディオデータと、iii)構文解析テキストと、iv)食物および運動に関連するデータとを含む。ユーザ・インタフェース要素275は、ディスプレイ240、マイクロフォン250、およびスピーカ250を含む。
図1に示す対応するユーザ・インタフェース要素は、ディスプレイ112およびマイクロフォン/スピーカ114である(
図1のスマートウォッチ130は、図示されていないマイクロフォンおよびスピーカを有し得る)。
【0032】
重要なことは、
図1に示すように、ウェアラブルな食事および運動トラッキング装置の実施形態は、小型ディスプレイ112のみを有し得るということである。この実施形態の装置は、食事トラッキングおよび包括的な運動トラッキングを提供するためのタッチ・スクリーン・ユーザ・インタフェースを収容するべくウェアラブル・フィットネス装置(例えば、Fitbit、iWatchなど)によって必要とされるものの場合のような大型ディスプレイを必要としない。実際に、本発明の一実施形態は、ユーザ情報送出のための物理的ボタンとユーザにトラッキング情報を報告するためのスピーカ114とを使用し得るものである場合には、ディスプレイを全く必要とすることなく、そのような装置を介して、直接的に食事トラッキングおよび包括的な運動トラッキングを提供することができる。同様に、ユーザ結果がディスプレイ112を介して報告され得る場合には、スピーカ114を省略することができる。
【0033】
また、
図1に示される本発明の好ましい実施形態では、ウェアラブルな食事および運動トラッキング装置は、そのような装置を介して直接的に食事トラッキングおよび包括的な運動トラッキングを提供するためにキーボードを必要としないため、いかなる取り付け式の物理的キーボードやタッチ・スクリーン・キーボードも有していない。これは、トレーニングを行うためにキーボードを必要とする食事およびフィットネス・トラッキング・アプリケーションの現在の技術とは対照的である。
【0034】
小型ディスプレイのみを必要とするまたはディスプレイを全く必要とせず、キーボードも必要としないこのような機能は、本発明の以下の特徴および方法、すなわち、i)1回の送出トラッキング機能、ii)完全な食事トラッキング処理の自動化、およびiii)完全な運動トラッキング処理の自動化によって得られる。上述の特徴および方法は、i)包括的なテキスト構文解析およびクリーニング方法による自然言語処理の使用、ii)大規模なリアルタイムでのユーザ・データ・セットによる機械学習、iii)特定のテキストを適切な別名のテキスト(例えば、「oaks」=「oats」、「three」=「3」など)に置き換えるテキスト・エイリアシング・ロジックおよびデータ、および、vi)数量例外ロジックおよびデータ(例えば、7イレブン、12インチ、P90Xなど)を含む。
【0035】
図2は、
図1に示される実施形態などのような、ウェアラブルな食事および運動トラッキング装置200において使用され得るハードウェア・アーキテクチャおよび構成要素を示すブロック図である。装置200は、マイクロプロセッサとすることができる処理要素210と、本明細書に記載の動作を実行するようにマイクロプロセッサを制御するためのコンピュータ可読媒体(具体的には図示せず)に組み込まれた実行可能命令とを含み得る。また、装置200は、情報およびデータを記憶し得るメモリ要素220を有し得る。情報およびデータは、以下でさらに詳細に説明するように、i)上記の実行可能命令、ii)オーディオデータ、iii)構文解析テキスト、およびiv)食物および運動関連データを含む。また、このような装置は、WIFI(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA、Bluetooth(登録商標)、または他の通信技術を介して、関連するネットワークとの間でユーザ音声入力オーディオデータや食物および運動関連データを送受信可能な通信ポート230を有し得る。このようなデータは、インターネットベースのコンピュータ・サーバ・ホスティング、すなわち、i)本明細書に記載され、より詳しくは上記米国特許出願第15/041,780号に記載されている自動食物トラッキングシステム、および/またはii)本明細書に記載され、より詳しくは上記米国特許出願第15/161,588号に記載されている自動アプリケーションベースの運動トラッキングシステム、ならびにiii)音声転写システムとの間で送受信され得るものであり、これらのすべては、ウェアラブルな食事および運動トラッキング装置と一体化され得る。また、装置は、ディスプレイ240、マイクロフォン250、およびスピーカ260(それらは組み合わされてもよい)を含むことができ、それらは包括的にはユーザ・インタフェース要素275である。ディスプレイ240は、ユーザが、i)マイクロフォン250を呼び出し、ii)音声入力オーディオデータを送出し、iii)消費された食物および/または実行された運動と、それに関連付けられた食物および運動の数量および単位と、関連するカロリー・栄養素データおよび/またはカロリー燃焼データとを含む食物および運動トラッキング関連情報の報告を閲覧することを可能にする。マイクロフォン250はユーザ音声入力オーディオデータの記録を可能にし、スピーカ260は上述した食物および運動トラッキング関連情報をユーザに報告することを可能にする。
【0036】
図3は、
図2に示されたウェアラブルな食事および運動トラッキング装置200の好ましい実施形態によって実行される一般的な処理ステップの概要を示すフロー図である。図示されているウェアラブルな食事および運動トラッキング装置の実施形態は、ユーザから音声入力を受信可能であり、i)その音声入力をテキストに変換(転写)し、ii)1つ以上の食物および/または運動と、それに関連付けられた数量および単位と、栄養素および/またはカロリー燃焼データをトラッキングし、iii)その食事および/または運動トラッキング情報を装置の出力を介してユーザに返すことができる。
図3に示されるように、ユーザは、音声データを取得するウェアラブルな食事および運動トラッキング装置200のマイクロフォン250への音声入力として音声データを送出することができる。その音声データは、装置上の音声転写要素310に配信され得る。音声転写要素310は、入力音声オーディオデータに対する計算を実行して、そのオーディオデータに関する一致がその装置のメモリ要素220にローカルに記憶されているかどうかを判断(すなわち、ユーザが同じ/類似の音声入力オーディオデータを以前に送出したかどうかを判断)し得る。一致が存在する場合、そのような構成要素は、そのオーディオデータに関連付けられた一致する構文解析テキスト(PT)セグメントを自動食事トラッキング要素320および/または自動運動トラッキング要素330に適宜配信する。構文解析テキスト(PT)は、
図5aに示された食物および運動テキスト構文解析アルゴリズム520によって、ユーザ送出音声入力オーディオデータについて最初に作成することができる。この構文解析アルゴリズム520は、音声転写システム340による音声データのテキストへの転写に基づく転写テキスト(T)を受信し、次いで、その転写テキスト(T)を構文解析テキスト(PT)のセグメントに構文解析する。自動食事トラッキング要素320および自動運動トラッキング要素330は、その構文解析テキスト(PT)の各セグメントについての一致がその装置のメモリ要素220にローカルに記憶されているかどうかを判定し、一致が存在する場合、関連する食物および/または運動、関連する食物および/または運動の数量と単位、ならびに関連するカロリー・栄養素データおよび/またはカロリー燃焼データをトラッキングすることができる。
図3に示されるように、処理は、332において、上述の処理を1つの判定記述に統合する。このようにオーディオデータの転写と食物および/または運動トラッキングとが332において装置上でローカルに処理されると、構文解析テキスト(PT)および関連する食物および/または運動、数量および量単位、関連するカロリー・栄養素データおよび/またはカロリー燃焼データは、ディスプレイ250やスピーカ260など(
図3に示され、
図4により詳しく示される)の装置の出力要素を介してユーザに報告され得る。
【0037】
図3は、それ以外の場合、すなわちオーディオデータの転写と食物および/または運動トラッキングとが332において装置上でローカルに処理されない場合、ユーザ音声入力オーディオデータは、通信ポート230を介してインターネットベースの外部ネットワーク、例えばコンピュータ・サーバ側システムに外部通信され、転写テキスト(T)を生成し得る音声転写システム340に入力され得る。処理がローカルに処理されるのかそれとも外部で処理されるのかは、一致がローカルに検出されるかどうか、およびその装置がどの程度のデータ記憶容量を有しているのかに依存する。ウェアラブルな食事および運動トラッキング装置のメモリ要素220内にローカルに記憶することができるデータ量の制限により、
図3の340,350,360などの外部システムを利用する必要が生じ得る。したがって、要素310,320,330は、オーディオデータの優先順位および関連するトラッキングされた食物および運動データのランク付けを行うことを含むロジック・ルールを利用し得る。このランク付けには、どのオーディオデータ、構文解析テキスト(PT)、ならびに関連する食物および運動データを、その装置のメモリ要素220にローカルに記憶するかを管理する実行可能命令において、ユーザ履歴データ、全ユーザ母集団データ履歴検索、および直近にトラッキングされた重み付けを使用する。
【0038】
続いて、
図3において、転写テキスト(T)が、
図5aに示される食物および運動テキスト構文解析アルゴリズム520を使用する自動食事トラッキングシステム350および自動アプリケーションベース運動トラッキングシステム360に入力され、その転写テキスト(T)が構文解析テキスト(PT)に構文解析される。また、
図5bに示される食物または運動テキスト・クリーニング・アルゴリズム535を使用して、食物および運動を識別するために使用されない単語、連結スペース、および句読点を除去することによって構文解析テキスト(PT)をクリーニングすることにより、構文解析・クリーンテキスト(PCT)を生成してもよい。自動食事トラッキングシステム350および自動アプリケーションベース運動トラッキングシステム360は、順序付けルールを使用し、次いで、構文解析テキスト(PT)と構文解析・クリーンテキスト(PCT)を使用して、食物および/または運動、食物および/または運動の数量と量単位、関連するカロリー・栄養素データおよび/またはカロリー燃焼データをトラッキングするために生成する。そのような情報は、通信ポート230を介して、装置の出力要素であるディスプレイ250およびスピーカ260に返信され得る(
図3における上述の処理は、
図5aおよび
図5bでより詳しく説明する)。
【0039】
図4は、
図3に示される音声転写要素310、自動食事トラッキング要素320、および自動運動トラッキング要素330の一実施形態によって実行される追加の処理を示すフロー図である。この構成要素および処理が、ウェアラブルな食事および運動トラッキング装置において実施されることにより、その装置のメモリ要素220にローカルに記憶されている音声データ、構文解析テキスト(PT)、食物および運動データを使用して、食物および運動トラッキングを提供することができる。本発明は、要素310,320,330およびローカルに記憶されたデータを利用することにより、食事および運動トラッキングのスピードおよびその装置の効率を最大化する。
図4に示されるように、マイクロフォン250に入力されたユーザ音声による音声データは、音声転写要素310によって処理され得る。このウェアラブルな食事および運動トラッキング装置上においてローカルに記憶された音声データの一致が存在するかどうかが402において判定される。例えば、音声データの一致は、受信した新たな音声データをローカルに記憶された音声データのセグメントと比較するか、または以前に入力された音声データについてローカルに記憶された計算結果と比較する相関アルゴリズムによって判定することができる。新たな音声データとローカルに記憶された音声データのセグメントとの間、または新たな音声データと以前に入力された音声データについてローカルに記憶された計算結果との間に十分に高い肯定的な相関性がある場合(例えば、90%、95%の閾値を超えるなどであるが、このレベルは、性能を最適化するために調整することができる)、一致が認識される(複数の場合は、最も高い相関性を有するセグメントが使用される)。
【0040】
図4において、音声データの一致が存在すると402において判定された場合、音声転写要素310は、そのような一致する音声データのセグメントに関連付けられた構文解析テキスト(PT)を生成することができる。次いで、その構文解析テキスト(PT)は、自動食事トラッキング要素320および自動運動トラッキング要素330に適切に渡されて、次いで、その構文解析テキスト(PT)について、ローカルに記憶された食物および/または運動の一致および関連付けられた数量と単位が、そのウェアラブルな食事および運動トラッキング装置上に存在するかどうかが、404において、判定され得る。一致が存在すると404において判定された場合は、その一致が用いられ、食物および/または運動、関連付けられた数量および量単位、関連するカロリー・栄養素データおよび/またはカロリー燃焼データが、その装置のユーザへの提示のために、例えば、ディスプレイ250およびスピーカ260などの装置の出力要素に配信される。この出力は、自動食事トラッキング要素320および自動運動トラッキング要素330から生成されたかどうかに基づいて編成されてもよい(複数の一致が検出された場合、直近にトラッキングされた一致がトラッキングされる)。一致が存在しないと404において判定された場合は、音声データは、通信ポート230を介して、外部のネットワークベースのコンピュータ・サーバ上に存在する音声転写システム340に送信され得る。
【0041】
図5aは、
図4のフロー図に示された処理の続きを示すフロー図であり、
図3に示される自動食事トラッキングシステム350および自動アプリケーションベース運動トラッキングシステム360によって実行され得る最初のステップを示している。
図5aは、ユーザ音声による入力音声データが、その音声データを転写テキスト(T)に変換(転写)する音声転写システム340に入力されることを示している。自動食事トラッキングシステム350(上記米国特許出願第15/041,780号に詳述されている)は、転写テキスト(T)を受信し、多くの方法およびアルゴリズムを利用して、食物名や、食物の数量(例えば、1、2、3など)や、食物量の単位(例えば、カップ、オンスなど)や、関連するカロリーおよび栄養素データなどを含む関連する食事トラッキング情報を生成するシステムである。自動アプリケーションベース運動トラッキングシステム360(上記米国特許出願第15/161,588号に詳述されている)は、転写テキスト(T)を受信し、上記した方法およびアルゴリズムを利用して、運動名や、運動時間、運動距離および/または運動抵抗の数量(例えば、2、10、35など)や、運動時間、運動距離および/または運動抵抗の量単位(例えば、マイル、分、セット、反復数など)や、関連するカロリー燃焼データなどを含む関連する運動トラッキング情報を生成する。上述したように、このような自動食事トラッキングシステム350および自動アプリケーションベース運動トラッキングシステム360は、インターネットベースのコンピュータ・サーバ上の装置の外部に存在する。
【0042】
図5aは、転写テキスト(T)が自動食事トラッキングシステム350および自動アプリケーションベース運動トラッキングシステム360に入力され、最初にi)複数の食物および運動管理要素510を利用してその転写テキスト(T)を記憶し、次いで、ii)食物および運動テキスト構文解析アルゴリズム520を利用してその転写テキスト(T)を構文解析し、構文解析テキスト(PT)を生成する。転写テキスト(T)は、転写テキスト(T)を、a)食物および/または運動トラッキング・データ、b)構文解析テキスト(PT)、およびc)構文解析・クリーンテキスト(PCT)に後で関連付けするために記憶される。
【0043】
図5bは、
図5aのさらなる処理を示し、自動食事トラッキングシステム350および自動アプリケーションベース運動トラッキングシステム360によって実行され得るさらなるステップを示す。食物および運動順序付け方法525は、最も効率的な食事および/または運動トラッキング処理を提供するべく自動食事トラッキングシステム350および自動アプリケーションベース運動トラッキングシステム360の様々な方法が呼び出され得るときを判定するための順序付けロジックを提供し得る。食物および運動順序付け方法525は、食物量テキスト一致アルゴリズムまたは運動量テキスト一致アルゴリズム(
図5bでは、両方のアルゴリズムが531において一緒に示されている)をその順に利用することによって、構文解析テキスト(PT)のセグメントが、食物または運動の量単位を含むかどうか、もしくは両方の量単位を含むかどうかを最初に判定するように動作し得る。食物の単位のみが検出された場合、その構文解析テキスト(PT)は、自動食事トラッキングシステム350の方法によって完全に処理され得る。また、運動の単位のみが検出された場合、その構文解析テキスト(PT)は、自動アプリケーションベース運動トラッキングシステム360の方法によって完全に処理され得る。食物および運動の両方の単位が検出された場合、その構文解析テキスト(PT)は、最初に自動アプリケーションベース運動トラッキングシステム360の方法によって完全に処理された後、自動食事トラッキングシステム350の方法によって完全に処理され得る。その他、いずれも単位も検出されない場合も、その構文解析テキスト(PT)は、最初に自動アプリケーションベース運動トラッキングシステム360の方法によって完全に処理された後、自動食事トラッキングシステム350の方法によって完全に処理され得る。
【0044】
図5bでは、食物をトラッキングするために、構文解析テキスト(PT)は、食物量テキスト一致アルゴリズム531を利用する自動食物量および単位トラッキング方法530に入力され得る。食物量テキスト一致アルゴリズム531は、i)食物の数量(例えば、1、2、3など)がある場合はその食物の数量を構文解析テキスト(PT)から除去し、ii)構文解析テキスト(PT)上でマルチパス単位データベース検索を実行することにより食物量の単位(例えば、カップ、オンスなど)を検出し得る。食物の単位が検出された場合は、その食物の単位が食物の数量とともに、i)複数の食物および運動管理要素510と、ii)自動カロリーおよび栄養素トラッキング処理550と、iii)その単位を記憶して使用する自動食物トラッキング処理540とに提供され得る。構文解析テキスト(PT)が食物の数量を含まない場合には、システムは、1つ(1)の所定の量であると仮定し得る。残りの構文解析テキスト(PT)は、食物テキスト・クリーニング・アルゴリズム535に渡され、このアルゴリズムにより、構文解析テキスト(PT)がクリーニングされて構文解析・クリーンテキスト(PCT)が生成され、その構文解析・クリーンテキスト(PCT)が自動食物トラッキング方法540に提供され得る。食物テキスト一致アルゴリズム541および食物テキスト一致スコアリングアルゴリズム542を利用し得る自動食物トラッキング方法540は、構文解析・クリーンテキスト(PCT)の各セグメントについて、システムによりトラッキングすべき食物(F)を生成し、その食物(F)を自動食物量および単位トラッキング方法530に戻すことでその処理の完了時にそれを使用することができる。次いで、生成された各食物(F)は、自動カロリーおよび栄養素トラッキング方法550に渡されて、適用可能な栄養素データが、各食物(F)およびその関連する量および単位に対して付加され得る。各食物名および適用可能な栄養素データは、複数の食物および運動管理要素510に送信され、量および単位に関する構文解析テキスト(PT)および食物名に関する構文解析・クリーンテキスト(PCT)の適切なセグメントに適切に関連付けられ編成された食物名および関連データが維持され、ディスプレイ250およびスピーカ260などの装置出力要素を介してユーザに提示するために、その装置の通信ポート230を介して、ウェアラブルな食事および運動トラッキング装置に戻される。
【0045】
図5bでは、運動をトラッキングするために、構文解析テキスト(PT)は、運動量テキスト一致アルゴリズム531を利用する自動運動量および単位トラッキング方法530に入力され得る。運動量テキスト一致アルゴリズム531は、i)運動時間、運動距離および/または運動抵抗の数量(例えば、2、10、35など)がある場合にはその数量を構文解析テキスト(PT)から除去し、ii)構文解析テキスト(PT)上でマルチパス単位データベース検索を実行することにより運動時間、運動距離および/または運動抵抗の量単位(例えば、マイル、分、セット、反復回数など)を検出し得る。運動の単位が検出された場合は、その単位が運動の数量とともに、i)複数の食物および運動管理要素510と、ii)自動カロリー燃焼トラッキング方法550と、iii)その単位を記憶して使用する自動運動トラッキング方法540とに提供され得る。構文解析テキスト(PT)が運動の数量を含まない場合には、システムは、ユーザデータ履歴検索および/または全ユーザ母集団データ履歴検索を使用して、最も一般的に関連する運動の数量を各運動量の単位に割り当てる。残りの構文解析テキスト(PT)は、運動テキスト・クリーニング・アルゴリズム535に渡され、このアルゴリズムにより、構文解析テキスト(PT)がクリーニングされて構文解析・クリーンテキスト(PCT)が生成され、その構文解析・クリーンテキスト(PCT)が自動運動トラッキング方法540に提供され得る。運動テキスト一致アルゴリズム541および運動テキスト一致スコアリングアルゴリズム542を利用し得る自動運動トラッキング方法540は、構文解析・クリーンテキスト(PCT)の各セグメントについて、システムによりトラッキングすべき運動(E)を生成し、その運動(E)を自動運動量および単位トラッキング処理530に戻すことでその処理の完了時にそれを使用することができる。次いで、生成された各運動(E)は、自動カロリー燃焼トラッキング方法550に渡されて、適用可能なカロリー認証データが、各運動(E)およびその関連する量および単位に対して付加され得る。各運動名および適用可能なカロリー燃焼データは、複数の食物および運動管理要素510に送信され、量および単位に関する構文解析テキスト(PT)および運動名に関する構文解析・クリーンテキスト(PCT)の適切なセグメントに適切に関連付けられ編成された運動名および関連データが維持され、装置出力要素を介して装置ユーザに提示するために、その装置の通信ポート230を介して、ウェアラブルな食事および運動トラッキング装置に戻される。
【0046】
図5aおよび
図5bの処理や構成要素の詳細、ならびに本明細書で説明し図示した他の処理は、上記した米国特許出願において見出すことができる。
以上の説明は特定の実施形態に関してなされているが、本発明の原理から逸脱することなくこれらの実施形態への変更を行うことができ、その範囲は添付の特許請求の範囲に示されることが理解され得る。
【国際調査報告】