特表2018-530812(P2018-530812A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-530812(P2018-530812A)
(43)【公表日】2018年10月18日
(54)【発明の名称】電力の最適化
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/07 20060101AFI20180921BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20180921BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20180921BHJP
【FI】
   G06K19/07 180
   H04B5/02
   G06K19/07 010
   G06K19/07 230
   G06K19/07 090
   H02J50/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-506322(P2018-506322)
(86)(22)【出願日】2016年8月5日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月5日
(86)【国際出願番号】EP2016068809
(87)【国際公開番号】WO2017025481
(87)【国際公開日】20170216
(31)【優先権主張番号】62/202,189
(32)【優先日】2015年8月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】1515361.2
(32)【優先日】2015年8月28日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517124778
【氏名又は名称】ズワイプ アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロウ, ピーター ロバート
【テーマコード(参考)】
5K012
【Fターム(参考)】
5K012AB01
5K012AC06
5K012AE13
(57)【要約】
RFIDデバイス302の電力を最適化する方法は、アンテナ208を用いて無線周波数励起場からの電力を抽出することと、アンテナ208から抽出された電力を用いてバイオメトリック認証ユニット220およびRFID通信モジュール210に電力を供給することと、バイオメトリック認証ユニット220へ供給された電力の電圧を監視することと、高電圧レベルが検出された時に高クロック速度で、また、低電圧レベルが検出された時に低クロック速度で処理ユニット228の操作することにより、監視された電圧に基づいてバイオメトリック認証ユニット220の処理ユニット228のクロック速度を制御することとを含んでいる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナを用いて無線周波数励起場から電力を抽出することと、
前記アンテナから抽出された前記電力を用いてバイオメトリック認証モジュールの処理ユニットに電力を供給することと、
前記処理ユニットへ供給される前記電力を監視することと、
監視された前記電力のレベルに基づいて前記処理ユニットのクロック速度を制御することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記制御することが、高電力レベルが検出された時に前記処理ユニットを高クロック速度で動作させ、低電力レベルが検出された時に前記処理ユニットを低クロック速度で動作させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バイオメトリック認証モジュールが指紋認証モジュールである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記処理ユニットに電力を供給すると同時に前記アンテナから抽出された前記電力を用いて通信モジュールに電力を供給することをさらに含む、請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記制御することが、前記処理ユニットをその最大クロック速度で動作させると前記通信モジュールの動作を害してしまう時に前記処理ユニットをその最大クロック速度未満のクロック速度で動作させることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記励起場がRFID読取装置により生成される、請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記アンテナおよび前記処理ユニットがRFIDデバイスのコンポーネントである、請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
無線周波数信号から電力を受信、抽出するためのアンテナと、
前記アンテナにより電力が供給され、クロック速度が変更可能な処理ユニットを有するバイオメトリック認証モジュールと、
前記処理ユニットへ供給される前記電力を監視するためのセンサーと、
監視された前記電力のレベルに基づいて前記処理ユニットのクロック速度を制御するためのクロック速度制御ロジックと
を備えてなる、デバイス。
【請求項9】
前記バイオメトリック認証モジュールが指紋認証モジュールである、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記制御することが、高電力レベルが検出された時に前記処理ユニットを高クロック速度で動作させ、低電力レベルが検出された時に前記処理ユニットを低クロック速度で動作させることを含んでなる、請求項8または9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記アンテナから抽出された前記電力により電力が供給される通信モジュールをさらに備えてなる、請求項8乃至10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記通信モジュールが前記アンテナを介して通信するためにアクティブロードモジュレーションを用いるように構成されてなる、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記制御することが、前記処理ユニットをその最大クロック速度で動作させると前記通信モジュールの動作を害しうる時に前記処理ユニットをその最大クロック速度未満のクロック速度で動作させることを含んでなる、請求項11または12に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDデバイスの電力消費量の最適化に関するものであり、とくにバイオメトリックセンサーの如き電力を必要とする処理コンポーネントをさらに備えるパッシブ型RFIDデバイスの電力消費量の最適化に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1には、典型的なパッシブ型RFIDデバイス2のアーキテクチャが示されている。電力が供給されるRFID読取装置4がアンテナ6を通じて信号を送信するようになっている。この信号は、典型的にはNXP Semiconductors社により製造されるMIFARERシステムおよびDESFireRシステム用の13.56MHzであるが、HID Global Corp社により製造される低周波PROXR製品用の125kHzであってもよい。またこの信号は、同調コイルとコンデンサとを有するパッシブ型RFIDデバイス2のアンテナ8により受信され、次いで、RFIDチップ10に送られる。受け取られた信号は、ブリッジ型整流器12により整流され、ブリッジ型整流器12のDC出力はRFIDチップ10からのメッセージを制御する電力制御ロジック14へと送られる。
【0003】
電力制御ロジック14のデータ出力部は電界効果トランジスタの如きトランジスタ16に接続されており、トランジスタ16はアンテナ8に接続されている。トランジスタ16のオン/オフを切り換えることにより、RFIDデバイス2により信号を送信し、RFID読取装置4の適切な制御回路18により解読することができるようになっている。このタイプの信号方式は、バックスキャッタモジュレーション(backscatter modulation)またはアクティブロードモジュレーション(active load modulation)として知られ、RFID読取装置4がそれ自体への返信メッセージのための電力を供給するために用いられるという特徴を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書で用いられる場合、用語「パッシブ型RFIDデバイス」とは、たとえばRFID読取装置4により生成されるRF励起場から抽出されるエネルギのみにより電力がRFIDチップ10に供給されるようになっているRFIDデバイス2のことを意味するものとして理解されるべきである。すなわち、パッシブ型RFIDデバイス2は放送のために電力の供給をRFID読取装置に依存している。
【0005】
パッシブ型RFIDデバイスにバイオメトリックセンサー、たとえば指紋スキャナを組み入れることが提案されている。しかしながら、バイオメトリックセンサーは所要電力が比較的高いので、この電力消費量を注意深く管理することが必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様にかかる方法は、アンテナを用いて無線周波数励起場から電力を抽出することと、アンテナから抽出された電力を用いて処理ユニットに電力を供給することと、処理ユニットに供給された電力を監視することと、監視された電力のレベルに基づいて処理ユニットのクロック速度を制御することとを含んでいる。
【0007】
励起源からどれだけの電力を引き出すことができるかを設計段階で知ることは困難である。というのは、利用可能な電力が一定でなく、制御ができないからである。このような変動は、異なるタイプのフィールド源に起因する場合もあれば、電力を抽出する際の異なる条件、たとえばフィールド源からの距離、励起場に対するアンテナの角度などに起因する場合もある。クロック速度が一定な処理ユニットが用いられる場合、(電力不足により)システムが動作できなくなる時間を最小限に抑えるためにクロック速度を控えめに選択しなければならないが、このようにすると、処理ユニットの利用可能な処理速度が遅くなってしまう。
【0008】
かかる方法によれば、処理ユニットのクロック速度を制御することにより、処理デバイスの電力消費量を抽出された電力と一致させるように調節することができるようになっている。処理ユニットのクロック速度を制御することにより、低レベルの電力のみが利用可能な場合でさえパッシブ型RFIDデバイス用回路が動作可能のまま留まることを担保することが可能であり、さらに、高レベルの電力が利用可能な場合には高クロック速度(ひいては、高速処理)で動作させることが可能である。したがって好ましくは、上述の制御することが、高電力レベルが検出された時に処理ユニットを高クロック速度で動作させ、低電力レベルが検出された時に処理ユニットを低クロック速度で動作させることを含んでいる。
【0009】
好ましい実施形態では、処理ユニットは、バイオメトリック認証ユニット/モジュール内にあり、好ましくは指紋認証ユニット/モジュール内にある。ただしいうまでもなく、それに代えて、他の形態のバイオメトリック検証、たとえばEKGなどが用いられてもよい。バイオメトリック認証は、大量のデータ処理を必要としうる非常に複雑なプロセスであることに加えて、認証に長い時間待たされたくないという点で時間の制約もある。したがって、かかる方法は処理ユニットのいかなる用途にも適用可能であるものの、とくにバイオメトリック認証がかかる電力消費量を最適化する方法から恩恵を受けることができる。
【0010】
かかる方法は、処理ユニットに電力を供給するのと同時にアンテナから抽出された電力用いて通信モジュールに電力を供給することをさらに含みうる。通信モジュールは、アンテナを介して通信するためにバックスキャッタモジュレーションまたはアクティブロードモジュレーションを用いうる。
【0011】
抽出された電力が処理ユニットと通信モジュールとの両方に電力を供給するために用いられる場合、処理ユニットの電力消費量を制御することがとくに重要となる。というのは、処理ユニットにより引き出される過剰な電力が通信モジュールを動作不能とする恐れがあるからである。
【0012】
もっと正確にいえば、一実施形態によれば、上述の制御することが、処理ユニットをその最大クロック速度で動作させると通信モジュールの動作を害する恐れがある場合に処理ユニットをその最大クロック速度未満のクロック速度で動作させることを含むようになっている。
【0013】
一実施形態では、励起場がRFID読取装置により生成されるようになっている。好ましくは、アンテナと処理ユニットとは単一ユニット、たとえばRFIDデバイス内のコンポーネントである。例示的なRFIDデバイスとして、アクセスカード、クレジットカード、デビッドカード、プリペイカード、ロイヤルティーカード(ポイントカード)、身分証明書、暗号カードが挙げられる。
【0014】
好ましくは、監視される電力レベルは電圧レベルである。
【0015】
本発明の第二の態様にかかるデバイスは、無線周波数信号から電力を受信、抽出するためのアンテナと、アンテナにより電力が供給されるクロック速度が変更可能な処理ユニットと、処理ユニットへ供給される電力を監視するためのセンサーと、監視された電力のレベルに基づいて処理ユニットのクロック速度を制御するクロック速度制御ロジックとを備えている。
【0016】
このようにして、上述の電力消費量を最適化する方法を促進しうるパッシブ型処理デバイス(すなわち、RFフィールドから抽出されるエネルギにより電力が供給される処理デバイス)が提供されている。好ましくは、パッシブ型処理デバイスはRFIDデバイスである。
【0017】
好ましい実施形態では、デバイスがバイオメトリックデバイスであり、処理ユニットがバイオメトリック認証ユニット/モジュール、好ましくは指紋認証ユニット/モジュールである。
【0018】
好ましくは、上述の制御することは、高電力レベルが検出された時に処理ユニットを高クロック速度で動作させ、低電力レベルが検出された時に処理ユニットを低クロック速度で動作させることを含む。
【0019】
かかるデバイスは、アンテナから抽出された電力により電力が供給される通信モジュールをさらに備えうる。好ましくは、通信モジュールは、アンテナを介して通信するためにバックスキャッタモジュレーションまたはアクティブロードモジュレーションを用いる。
【0020】
好ましくは、本実施形態では、制御ロジックにより実行される上述の制御することが、処理ユニットをその最大クロック速度で動作させると通信モジュールの動作を害する恐れがある場合に処理ユニットをその最大クロック速度未満のクロック速度で動作させることを含む。
【0021】
いうまでもなく、かかるデバイスの好ましい構成要素すべてを方法に単独で適用してもよいしまたは組み合わせて適用してもよい。その逆の場合もまた同様である。
【0022】
以下には、本発明の好ましい実施形態が例示のみを意図して添付の図面を参照しながら詳細に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】従来のパッシブ型RFIDデバイス用回路を示す図である。
図2】指紋スキャナが組み込まれたパッシブ型RFIDデバイス用回路を示す図である。
図3】指紋スキャナが組み込まれ、電力負荷管理(power load management)が改良されたパッシブ型RFIDデバイス用回路を示す図である。
図4】指紋スキャナが組み込まれ、電力負荷管理が改良され、クロック速度が最適化されたパッシブ型RFIDデバイス用回路を示す図である。
図5図3または図4に記載のパッシブ型RFIDデバイス用回路を組み込むためのスマートカードを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図2には、RFID読取装置104および図1に記載の従来のパッシブ型RFIDデバイス2の変形であるパッシブ型RFIDデバイス102のアーキテクチャが示されている。図2に記載のRFIDデバイス102は指紋認証エンジン120を含むように構成されている。
【0025】
RFID読取装置104は、従来のRFID読取装置であり、読取装置アンテナ106を用いてRF励起場を生成するように構成されている。また、読取装置アンテナ106はパッシブ型RFIDデバイス102からRF信号をさらに受信し、受信されたRF信号はRFID読取装置104の内の制御回路118により解読されるようになっている。
【0026】
パッシブ型RFIDデバイス102は、RF(無線周波数)信号を受信するためのアンテナ108と、アンテナ108により電力が供給されるパッシブ型RFIDチップ110と、アンテナにより電力が供給されるパッシブ型指紋認証エンジン120とを備えている。
【0027】
この構成では、アンテナ108は、RFID読取装置104からRF信号を受信するように同調されるインダクションコイルとコンデンサとからなる同調回路を有している。RFID読取装置104により生成される励起場にさらされると、アンテナ108には電圧が誘発される。アンテナ108は当該アンテナ108の各端部に1つずつ、したがって1対の端子を構成する第一の端部出力ライン122と第二の端部出力ライン124とを有している。
【0028】
アンテナ108の出力ライン122、124は指紋認証エンジン120に接続されて指紋認証エンジン120に電力を供給する。この構成では、アンテナ108により受け取られたAC電圧を整流するための整流器126が設けられている。整流により得られたDC電圧は、平滑コンデンサを用いて平滑化され、指紋認証エンジン120へと供給される。
【0029】
指紋認証エンジン120は処理ユニット128および指紋読取装置130を有している。指紋認証エンジン120の指紋センサー130は、エリア型指紋センサー(area fingerprint sensor)130であってもよい。指紋認証エンジン120の指紋センサー130は図5に記載のようなラミネート加工されたカード本体250から露出するように配置される。指紋認証エンジン120は、パッシブ型であるので、アンテナ108からの電圧出力のみにより電力が供給されるようになっている。
【0030】
指紋認証エンジン120は指紋読取装置130に提示される指または親指を走査し、走査された指または親指の指紋を前もって格納されている指紋データと処理ユニット128を用いて比較するように構成されている。次いで、走査された指紋が前もって格納されている指紋データと一致するか否かが判断される。カードは、カード本体250内に埋め込まれたLED246、248の如き適切な表示器を用いて認証に成功したことを示す情報を提供するようになっていてもよい。
【0031】
一致すると判断されると、RFID読取装置104に信号を送信する許可がRFIDチップ110に与えられる。図2に記載の構成では、このことは、スイッチ132を閉じてRFIDチップ110をアンテナ108に接続することにより達成されるようになっている。RFIDチップ110は、従来タイプのものであり、図1に記載のRFIDチップ10と同様に動作し、トランジスタ116のオンおよびオフを切り換えることによるバックスキャッタモジュレーションまたはアクティブロードモジュレーションを用いてアンテナ108を介した信号の放送(broadcast)をするようになっている。
【0032】
この構成では、RFIDチップ110および指紋認証エンジン120のための電力は、RFID読取装置104により生成される励起場から抽出するようになっている。これらの回路により引き出される電力は注意深く管理されることが重要であり、そうしなければ、通信が遮断されてしまう恐れがある。励起場に対する負荷が大きすぎる場合、RFIDチップ110は小さ過ぎて用いることができない電力信号を受け取る場合もある。
【0033】
図3には、RFID読取装置204および図2に記載のパッシブ型RFIDデバイス2の変形であるパッシブ型RFIDデバイス202から構成されるアーキテクチャが示されている。図3に示されているパッシブ型RFIDデバイス202は同回路内で電力を効率的に分配するように構成されている。
【0034】
図3に記載のパッシブ型RFIDデバイス202およびRFID読取装置204は図2に記載のものと類似しており、図2に記載のコンポーネントに対応する図3のコンポーネントは図2の参照番号に100を足した参照番号で表されている。以下では、反復を回避するために2つの構成の異なる部分のみが説明されている。説明がない場合には、図2に記載のコンポーネントの説明は図3に記載の対応するコンポーネントにも当てはまるものとする。
【0035】
指紋認証エンジン220により引き出される電力は、パッシブ型RFIDデバイス202が一連の工程のうちのどの行程にいるかに応じて変わる。指紋認証エンジン220により引き出される電力は指紋が感知、比較されている間(第一の動作モードの間)が最も大きい。指紋認証エンジン220により引き出される電力はRFIDチップ210に電力が供給され、読取装置204と通信している間(第二の動作モードの間)が比較的小さい。
【0036】
図3に記載のRFIDデバイス202は、アンテナ108の両端の間の位置に接続される中央出力ライン236をさらに備えている。このようにすることにより、第一の端部出力ライン222と中央出力ライン236とは第二の対の端子を構成するようになっている。
【0037】
また、上述のパッシブ型RFIDデバイス用回路は、第一の状態および第二の状態を有する電力制御スイッチ234をさらに備えている。指紋認証エンジン220は、電力制御スイッチが第一の状態にある時には第一の対の端子222、224により生成される電圧により電力が供給され、第二の状態にある時には第一の対の端子222、232により生成される電圧により電力が供給されるようになっている。この構成では、第一の端部ライン222は整流器226に常に接続されているようになっている一方で、電力制御スイッチ234は、第一の状態(図3に図示)では第二の端部出力ライン224または第二の状態では中央出力ライン232を交互に整流器226に接続するようになっている。しかしながらいうまでもなく、上述の交互に接続を切り換える方法と同じ効果を達成するために用いることができる方法は他にも多くある。
【0038】
上述のパッシブ型RFIDデバイス用回路は、指紋の読取・照合の際には電力制御スイッチ234を第一の状態に移動させ、RFIDチップ210とRFID読取装置204との間の通信の際には電力制御スイッチ234を第二の状態に移動させるように構成される制御ロジックをたとえば指紋認可エンジン220内に備えている。
【0039】
このように構成することにより、送信の際に十分な電力がRFIDチップ210に確実に供給されるという重要な改良が実現される。このようにすることにより、本実施形態では、指紋認証エンジン220内の処理ユニット228の制御下にある電力制御スイッチスイッチ234が第一の位置にある時には全電力信号が指紋認証エンジン220によりアンテナ208から引き出され、電力制御スイッチ234が第二の位置にある時にはアンテナ208の全電力信号の一部のみが指紋認証エンジン220により引き出されるようになっている。
【0040】
図4には、RFID読取装置304および図2に記載のパッシブ型RFIDデバイス2の変形であるパッシブ型RFIDデバイス302から構成されるアーキテクチャが示されている。図4に記載のパッシブ型RFIDデバイス302は同回路内の電力の消費量を最適化するために処理ユニット228のクロック速度を調節するように構成されている。
【0041】
図4に記載のパッシブ型RFIDデバイス302およびRFID読取装置304は、図3に記載のものと類似しており、図3に記載のコンポーネントに対応する図4に記載のコンポーネントは図3に記載のコンポーネントの参照番号に100を足した参照番号で表されている。以下では、反復を回避するために2つの構成の異なる部分のみが説明されている。説明がない場合には、図3に記載のコンポーネントの説明が図4に記載の対応するコンポーネントにも当てはまるものとする。
【0042】
励起信号からアンテナ208により抽出される電力を引き出す際には注意を払う必要がある。あまりにも多くの電力が引き出される場合、RFID読取装置304からパッシブ型RFIDデバイス302へのメッセージが受け取られない恐れ、または、バックスキャッタ信号スキームまたはアクティブ負荷信号スキームが機能せず、パッシブ型RFIDデバイス302からRFID読取装置304へのメッセージが送信されない恐れがある。
【0043】
RFIDデバイス302を設計する際、励起源からどれだけの電力を引き出すことができるかを知るのは困難である。というのは、利用可能な電力が変動し、制御することができないからである。このような変動は、異なるタイプのRFID読取装置304に起因する場合もあれば、電力を抽出する際の異なる条件、たとえばRFID読取装置304からの距離、RFID読取装置304の励起場に対するアンテナ208の角度などにより引き起こされる場合もある。
【0044】
本実施形態では、処理ユニット228とは、異なる周波数で動作可能な組み込み式のクロック回路を有するマイクロプロセッサーのことである。このようなマイクロプロセッサーの一例としてはAtmel(登録商標)ATSAM4S8Bマイクロコントローラが挙げられる。指紋照合プロセスの処理時間を最小限に抑えるために高クロック速度で処理ユニット228を動作させることが望ましい。しかしながら、このタイプの処理ユニット228は高クロック速度で動作するとより多くの電力を消費し、抽出された電力が小さい場合には通信を遮断させてしまう恐れがある。
【0045】
処理ユニット228のクロック速度を制御することにより、低レベルの電力のみが利用可能な場合でさえパッシブ型RFIDデバイス用回路が動作可能のままであることを担保することが可能となり、さらに、高レベルの電力が利用可能な場合には高クロック速度(ひいては、高速処理)で動作させることが可能となる。
【0046】
このことを達成させるために、パッシブ型RFIDデバイス302は、指紋認証エンジン220の処理ユニット228のクロック速度を調節するためのクロック制御ロジックをさらに備えている。処理ユニット228はクロック制御ロジックからのロジック信号の制御下でクロック速度を変更するように構成されている。クロック制御ロジックは、指紋認証ユニット220により実行されるソフトウェアとして実現されているが、それに代えて、ハードウェアを用いて実現されてもよければ、別個のコンポーネント内のソフトウェアとして実現されてもよい。
【0047】
パッシブ型RFIDデバイス302は、指紋認証ユニット220に供給される電圧、すなわちブリッジ型整流器226からの電圧を測定するために配置される電圧センサー238を備えている。電圧センサー238は、アナログからデジタルへの(A/D)変換器と、A/D変換器からの生信号を処理ユニット228へ伝達させるための電力プロセッサーを有していてもよい。電力プロセッサーは、電圧を調節する機能を有していてもよいし、制御ロジックの安全レベルよりも下に電圧を維持するために電圧クリップ(clip)機能を有していてもよいし、または、単に変更せずにそのまま伝達する機能を有していてもよい。
【0048】
電圧センサー238の出力はデジタル信号であり、このデジタル信号は、ライン240を通って制御論理228へ伝達され、処理ユニット228のクロック速度を制御するのに用いられる。アンテナ208から引き出された電力が高い場合、センサー238の出力も高くなる。アンテナ208からの電力が低い場合、センサー229の出力も低くなる。
【0049】
クロック制御ロジックは、アンテナ208からの電力が低い場合に処理ユニット228のクロック速度を変更して遅くするように構成されている。また同様に、アンテナ208からの電力レベルが高い場合、処理ユニット228の動作速度が速くなる。
【0050】
この結果、パッシブ型RFIDデバイス302が弱いRFフィールド内に配置された場合、クロック速度が比較的遅くなり、RFフィールドが強くかつクロック周波数が比較的高い場合に比べて指紋の評価にはより長い時間が掛かる。
【0051】
図3を参照して説明されているように、電力負荷管理を含むクロック制御ロジックがパッシブ型RFIDデバイス202に適用されているが、いうまでもなく、適切な電圧センサーおよびクロック制御ロジックを追加することにより図2の実施形態にかかるパッシブ型RFIDデバイス102の処理ユニット128において電力消費量の最適化が実現されてもよい。
【0052】
さらに、好ましい実施形態として指紋認証ユニット230の処理ユニット228における電力消費量の最適化が説明されているが、いうまでもなく、この技術は、複雑な処理動作を実行する処理ユニット228を含む広範の他のモジュール、たとえば他のバイオメトリック認証ユニットにも適用可能である。
【0053】
さらに、指紋認証エンジン220が単一コンポーネントとして説明されているが、いうまでもなく、たとえば2つ以上の処理ユニットを異なる場所に配置する複数のコンポーネントからなる分配配置システムとして実現されてもよい。このような処理ユニットはそれぞれ上述の電力負荷管理を用いるようになっていてもよいしまたはそれらのプロセッサーの一部のみが上述の電力負荷管理を用いるようになっていてもよい。
【0054】
好ましくは、パッシブ型RFIDデバイス202、302は、図5に記載のようなラミネート加工されたスマートカード402として実現される。ラミネート加工された本体250は、パッシブ型RFIDデバイス用回路のコンポーネントをすべて包み込んでいる。ラミネート加工された本体250は幅が86mm、高さが54mm、厚みが0.76mmである。ただし、厚みについては指紋認証エンジン220を収容するために大きくされてもよい。より一般的にいえば、パッシブ型RFIDデバイス402はスマートカードの仕様であるISO7816に準拠するようになっていてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】