特表2018-531056(P2018-531056A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-531056リラクセーションを補助するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-531056(P2018-531056A)
(43)【公表日】2018年10月25日
(54)【発明の名称】リラクセーションを補助するための装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/04 2 A20060101AFI20180928 2 C07C 275/
   A61B 5/16 2 A20060101ALI20180928 2 C07C 275/
【FI】
   A61N1/04
   A61B5/16 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-510847(P2018-510847)
(86)(22)【出願日】2016年8月25日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月11日
(86)【国際出願番号】EP2016001429
(87)【国際公開番号】WO2017071785
(87)【国際公開日】20170504
(31)【優先権主張番号】1515177.2
(32)【優先日】2015年8月26日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】518061638
【氏名又は名称】バイオセルフ テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】クムリク、ステファン
【テーマコード(参考)】
4C038
4C053
【Fターム(参考)】
4C038PP03
4C038PS00
4C038SS08
4C053BB23
4C053BB35
4C053BB36
(57)【要約】
本発明は、ストレスの自己調節を補助するための装置であって、種々の振動周波数で振動することができる振動要素と、心臓信号または呼吸信号の監視手段と、データ処理手段とを含む装置に関する。データ処理手段は、心臓信号または呼吸信号に基づいてストレス指示値を計算するための手段を含み、データ処理手段は、振動要素に引き起こされる1つ以上の周波数の振動を含む機械振動リズムをストレス指示値に基づいて決定する手段を含む。データ処理手段は、測定される心拍または呼吸数ならびに計算されるストレス指示値と、引き起こされる振動リズムとの間の継続的なリアルタイムのフィードバックループを生成するように構成される。装置の振動要素がユーザの身体の胸郭領域に位置するように装置をユーザに取り付けるために、ストラップまたはハーネスあるいは衣料品用の取り付け具であってよい取り付け手段が含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの振動要素および種々の振動周波数で前記振動要素に振動を引き起こす手段と、心臓信号または呼吸信号の監視手段と、データ処理手段とを備えている、ストレスの自己調節を補助するための装置であって、
前記データ処理手段は、前記心臓信号または前記呼吸信号に基づいてストレス指示値を計算するための手段を含み、前記データ処理手段は、前記振動要素に引き起こされる1つ以上の周波数の振動を含む機械振動リズムを前記ストレス指示値に基づいて決定する手段を含むことを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記装置は、着用または装用可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記データ処理手段は、測定される心拍または呼吸数ならびに前記計算されるストレス指示値と、前記引き起こされる振動リズムとの間の継続的なリアルタイムのフィードバックループを生成するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記引き起こされる振動は、30ヘルツ未満の近超低周波であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
当該装置は、当該装置の前記振動要素がユーザの身体の胸郭領域に位置するように当該装置をユーザに取り付けるための取り付け手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記取り付け手段は、ユーザの胴の周囲に取り付けられるベルトまたはハーネスであることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記取り付け手段は、ユーザの首の後ろを巡って延びるネックストラップと、ユーザの身体の胸郭部分を巡って延びる身体ストラップとを含むことを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記振動要素は、前記ネックストラップを前記身体ストラップにつなぐ前記取り付け手段の領域に配置されることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
当該装置は、衣類の一部を形成することを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
当該装置は、少なくとも1つのセンサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記呼吸数の監視手段は、運動センサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのセンサは、電位心臓センサを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのセンサは、歪みセンサを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのセンサは、温度センサを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つのセンサは、pHメータを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つのセンサは、画像センサを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項17】
前記呼吸数または心拍の監視手段は、マイクロフォンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つのセンサは、皮膚電位センサを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項19】
センサが、前記ネックまたは身体ストラップ、あるいは衣類の一部分に配置され、該センサと当該装置の該本体との間の前記ストラップまたは衣類に沿った導電手段によって当該装置の本体に接続されることを特徴とする、請求項10〜18および請求項7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記恒常的なフィードバックループは、ニューロンのリズムを13ヘルツ未満に調整する、請求項3に記載の装置。
【請求項21】
当該装置は、受け取った心臓データを外部のデータ処理装置へ送信し、決定された振動リズムの形態の処理後データを受信する短距離無線トランシーバを含むことを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項22】
当該装置は、外部のデータプロセッサおよびデータ記憶手段に接続可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項23】
前記センサは、ユーザの皮膚の表面に直接接触する生体電位電極である、請求項10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
着用または装用可能な生体測定装置の人気が、健康を意識した技術のユーザの間で高まっている。健康の指標となる変数を長い期間にわたって測定し、記録し、評価する能力が、ユーザの全体的な健康状態の洞察を得る上で有用なツールである。これらの生体測定装置には、多くの場合に、データをフィットネス情報へと処理するためのソフトウェアが付随する。この情報を、時間に対するグラフとして表示することができ、あるいは「食べ過ぎ」または「もっと走りましょう」などの健康アドバイスを提供するために他の変数に照らして評価することができる。現時点において収集可能なデータとして、心拍数、歩数、移動距離、移動速度、および酸素飽和度が挙げられる。
【0002】
しかし、現時点において収集可能なデータは、健康全般についての粗い測定値である。これは、ユーザの健康状態のきわめて狭い理解に限定される。
【0003】
現在の生体測定装置は、全体的な生活状態および精神状態について、きわめて貧弱な指標しかもたらさない。
【0004】
マインドフルネスが、精神療法、メディテーション、および自己認識の実践に革命をもたらし、良好な生活状態およびストレスの軽減を補助するための一般的な方法となっている。しかしながら、これらの療法は、時間を要することが多く、正しく行う方法を学ぶために数年を要することも多い。
【0005】
Yuval Noah Harari(Sapiens:A Brief History of Humankindの著者である)およびDaniel Kahneman(行動経済学の創始者であり、Thinking,Fast and Slowの著者である)によれば、人間は、ただ1つのことだけ、すなわち自身の肉体における心地よい身体的感覚のみによって幸福を感じるように、進化してきた。
【0006】
神経科学者のDaniel J Seigaljによれば、マインドフルネスが、9つの中央前部前頭葉の脳機能を促進する。
1.身体の調整(Bodily regulation)
2.同調(Attunement)
3.情緒的バランス(Emotional balance)
4.恐れの調節(Fear modulation)
5.応答の柔軟性(Flexibility of response)
6.洞察(Insight)
7.感情移入(Empathy)
8.道徳性(Morality)
9.直感(Intuition)
【0007】
神経可塑性について:「我々が精神界を知る技術の専門家になるにつれて、繰り返しの発火が、シナプスの結び付きを増し、ミエリンをもたらすことができる。我々が定期的なやり方でマインドフルネスの実践に自発的に関与するとき、我々は、注意の強い集中および感情的な関わりの感覚に結び付いたこの繰り返しの発火を、生成することができる。」
【0008】
精神的健康およびストレス回復力の予測において最も有用な健康マーカは、心拍変動、主観的幸福、迷走神経緊張、自律神経快復力、ならびにアルファ、シータ、およびデルタ波などの低周波の脳波である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、ユーザを、ユーザのリラクセーションおよびメディテーションの技術において補助することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、少なくとも1つの振動要素と、種々の振動周波数で振動要素に振動を引き起こす手段と、心臓信号または呼吸信号の監視手段と、データ処理手段とを備えている、ストレスの自己調節を補助するための装置であって、データ処理手段は、心臓信号または呼吸信号に基づいてストレス指示値を計算するための手段を含み、データ処理手段は、振動要素に引き起こされる1つ以上の周波数の振動を含む機械振動リズムをストレス指示値に基づいて決定する手段を含むことを特徴とする、装置が提供される。
【0011】
次に、本発明のいくつかの実施形態を、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態を示している。
図1a】ユーザに装着された図1の実施形態を示している。
図2図1の実施形態のさらなる実施例を示している。
図2a】測定された心拍のグラフを示している。
図3】本発明の第1の実施形態の構成要素の拡大分解斜視図を示している。
図4】本発明の第2の実施形態の正面図を示している。
図5】本発明の第3の実施形態の正面図を示している。
図6】本発明の第4の実施形態の正面図を示している。
図7図6の装置の拡大図を示している。
図8図6の実施形態に対するさらなる実施形態の正面図を示している。
図9】衣類に取り付けられた図8の実施形態の正面図を示している。
図9a図6の実施形態のさらなる実施例を示している。
図9b】本発明の第6の実施形態の正面図を示している。
図10】本発明の第6の実施形態の上面図を示している。
図11】本発明の第7の実施形態の側面図を示している。
図12】本発明の第8の実施形態の側面図を示している。
図13】本発明の第9の実施形態の上面図を示している。
図14】本発明の第9の実施形態の断面図を示している。
図15】は、本発明の第10の実施形態の断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
これらの図は、生体リズムの調整およびメディテーションの補助のための種々の装置であって、各々が少なくとも1つの振動要素および種々の振動周波数で振動要素に振動を引き起こす手段を備えている装置を開示する。この主な実施形態には、少なくとも1つの心拍監視手段および呼吸数監視手段、ならびにデータ処理手段がさらに含まれる。データ処理手段は、心拍の測定および呼吸数の測定に基づいて心拍変動を計算するための手段と、計算された心拍変動に基づいて振動要素に引き起こされる少なくとも2つの周波数の振動を含む振動リズムを決定する手段とを含む。
【0014】
この手段により、視覚または単純な音声による指示に従うことを要件とする古典的なメディテーションおよびニューロ/バイオフィードバックに基づく手法から区別され、そのような手法とは対照的である受動的な非視覚のバイオフィードバックを提供することができる。受動的な神経調節の使用は、脳幹(迷走神経が始まる)が信号を直接受け取り、前頭葉をバイパスすることを可能にし、したがって論理脳、すなわち大脳辺縁対前頭葉の心理学による再訓練プロセスの妨害を排除する。
【0015】
図面を具体的に参照すると、装置は、心臓信号モニタ、呼吸信号モニタ、データ処理ユニット26、および振動要素2と振動を生じさせるための装置とを備えるアクチュエータ27を含む。以下の実施形態の多くは、熱および呼吸信号を検出するために使用される少なくとも1つの生体電位電極1を含む。いくつかの実施形態は、他のセンサを含む。
【0016】
データ処理ユニットは、図3aに示されるように、心臓信号および呼吸信号の時間系列に基づいて、ストレス指示値を計算する。この実施形態において、ストレス指示値は、心臓信号のみから導出される。これは、心拍変動(HRV:heart variability rate)を導出することによって行われ、HRV自体は、一連の導出されたRR間隔(呼吸数)から計算される。このHRVは、ストレス指示値の決定における重要な因子である迷走神経緊張の目安である。これらの計算値は、対応する振動リズムを生成するために使用され、ユーザの心拍変動の変化によって振動のシーケンスおよび/または周波数に変化が生じるように、フィードバックループを形成すべく測定が継続的に行われるときに継続的に生成される。
【0017】
生成される振動は超低周波であり、約50ヘルツ未満である。これらの振動を、必要な周波数で振動する振動要素によって直接発生させることができ、あるいはバイノーラルビートによって発生させることができる。最良の結果が、30ヘルツ未満の超低周波の振動によって得られている。
【0018】
生物学的リズムは、技術的に、例えば脳波図(EEG)によって測定されるニューロンリズム、心電図(ECG)によって測定される心拍および変動、消化管の基礎電気リズム(basal electrical rhythm)、呼吸数、心拍変動によって表される迷走神経緊張、およびさらなる測定可能な体のリズムとして定義される。装置は、これらのリズムの信号を検出し、それに応じ、何らかの所定の基準に基づき、さらには検出およびフィードバックのプロセス中に収集されたデータに基づいて、振動リズムを生成する。
【0019】
データ処理手段は、データ記憶手段から種々のリズムを選択し、特定のリズムがストレス指示値にプラスの影響を有していない場合に、ストレス指示値の低減にプラスの影響を有するリズムが選択されるまで別のリズムを選択するよう、フィードバックプロセスを管理するようにプログラムされる。さらに、データ記憶手段は、特定のユーザの身元と、その特定のユーザにとってストレス指示値の低減に有効であったリズムとを記憶する手段を備え、したがって、これらのリズムを後の装置の使用時に優先させることができる。
【0020】
図1および図1aに示されるように、本発明のこの第1の実施形態の実施例において、生体電位センサ1は、ネックペンダント5の周囲の各所および胸部バンド7aを含むボディハーネスの周囲の各所に配置され、振動手段2を含む装置本体3は、ネックペンダントのほぼ中央に配置されている。ネックペンダント5は、好ましくは振動を骨伝導によって伝達できるようにユーザの胸骨に接触する身体接触面を含む。さらなる振動子2が、鎖骨、後頭骨、および頭蓋椎部にほぼ接触するランヤード25の各所に配置されている。生体電位センサ1は、皮膚表面の電位を測定し、これらを心拍および呼吸数を測定するために使用でき、そこから心拍変動を計算し、心臓の迷走神経緊張の指標をもたらすことができる。センサ1および振動子2は、好ましくは使い捨てのヒドロゲルパッド23を使用し、あるいは単にハーネスを注意深く設計することで、電気および振動に関して良好な接触状態にある。次いで、これらの変数は、無線あるいはランヤードまたはネックバンド8,25に沿った有線のいずれかで、本体3とともに位置するデータ処理ユニット26に伝送される。
【0021】
次いで、データ処理ユニット26は、振動リズムのシーケンスを決定する。超低周波振動だけでなく、可聴音の周波数、電気的刺激、または他の刺激も、現時点において測定されている生体測定値を変更または維持するために使用することができる。これは、継続的なプロセスであり、周波数のシーケンスを、測定されたユーザの状態に応じて変更可能である。
【0022】
第1の実施形態のこの実施例は、首の周囲に着用されるように意図されている。好ましくはユーザの胸骨に接触する身体接触面が、胸骨を介して振動を伝達し、身体の骨、筋膜、ならびに水性の体液および組織の優れた音響共振特性を利用して、身体の全体に振動を伝達および増幅する。
【0023】
装置は、ネックペンダント5の本体内に配置されたバッテリパック16によって動作する。ランヤード25内の振動子2およびセンサ1は、ランヤード25内に位置するワイヤによって装置本体3に電気的に接続される。
【0024】
以下の実施形態におけるデータ処理ユニット26は、装置の一体の一部分であるが、図2に示されるように、ユーザの活動に応じて、好ましくはブルートゥース(登録商標)による近傍のスマートフォンまたは他の可搬の電子演算デバイスの一部であって、データを所定のアルゴリズムまたはプロトコルによって処理してもよく、あるいは短距離のwifiまたは有線によって装置に接続されてもよい。このようにして、データ処理ユニット26は、アクチュエータおよびセンサへ接続され、測定された心拍、呼吸数、および計算された心拍変動に基づいてアクチュエータへ出力される周波数リズムを決定するアルゴリズムを含む。
【0025】
ここで図2aを参照すると、グラフは、測定された心拍および呼吸数のパラメータに基づく心拍変動の計算を示している。この実施形態において、心拍変動は、各々のヒート間のピークからピークまでの時間を測定することによって計算される。あるいは、心拍変動を、各々のビート(脈)の振幅を測定し、或るビートと次のビートとの間の振幅の差を計算することによって、計算することができる。
【0026】
心臓信号および呼吸信号は、1つ以上のマイクロフォンによって検出することも可能である。
【0027】
図3は、振動作動手段27を含む振動子2と、生体電位センサ1と、バッテリ16とを含んでおり、これらを単一のディスク状のユニットに収容しているペンダント5の構成要素の拡大図を示している。さらに、第1の実施形態のこの実施例は、無線トランシーバ装置24と、共振ケーシング22と、接触パッド23とを含む。生体電位センサ1は、心臓および/または呼吸信号などの検出されたパラメータを心拍変動値に変換するデータ処理手段26を含む。
【0028】
図4および図5は、振動子2および生体電位センサ1がスマートベスト7によって所定の位置に保持される第3の実施形態を示している。振動手段、データ処理手段、およびバッテリを含む装置本体3は、ベスト7に取り付けられた細長いキャリア6上に配置されている。取り付けを、ベスト7のスレッドにキャリア6を縫い込み、あるいは組み込むことによって行うことができる。図5の実施例においては、胸骨、胸郭、および脊柱にほぼ接触して位置する生体電位センサ1が存在する。さらに、胸骨、胸郭、および脊柱にほぼ接触して位置する振動子2も存在する。この実施形態は、換気および呼吸数を測定するためにスマートベスト7の側面に位置し、姿勢および運動を測定するためにスマートベスト7の脊柱および背部筋肉に沿って位置するストレッチレセプタ18を含む。さらに、スマートベスト7は、バッテリパック16およびブルートゥース通信機17を含む。スマートベスト7のすべての構成要素は、衣料品の編まれた繊維によって所定の位置に保持される。
【0029】
図6は、図4および図5の実施形態のさらなる態様を示しており、装置本体3は、この場合にはブラジャーである既存の衣類7に取り付けられるように構成されている。これにより、装置をユーザの胸骨に対して理想的に位置させることができる。
【0030】
図7は、図5の実施形態の装置本体3の拡大図を、正面図および斜視図の両方にて示しており、衣類への装置本体の着脱可能な取り付けおよび取り外しに使用されるクリップ取り付け手段6aを示している。これは、典型的には、本体を使用の期間について取り付け、使用後に取り外し、あるいは衣類の洗濯のために取り外すことができるように、必要とされると考えられる。
【0031】
図8の実施形態において、装置本体3が、衣類に取り付けられるキャリア部材6上に支持されているさらなる実施形態が示されている。キャリア部材を、センサ1またはアクチュエータ2などの装置の他の構成要素のための支持体として使用することができる。
【0032】
図9が、衣類に取り付けられた図8の実施形態を示しており、衣類はブラジャーである。
【0033】
図9aは、追加のセンサ1がショートワイヤ21によって装置本体3に取り付けられたさらなる実施形態を示している。
【0034】
図10は、ネックバンド8を含む第6の実施形態を示している。このネックバンド8は、好ましくは、迷走神経を刺激する目的で、生体電位センサ1および電気刺激装置をユーザの頚動脈洞に接触させて、ユーザの首の周囲に配置される。さらに、この実施形態は、バンド8の長さに沿って配置された振動要素2を含む。
【0035】
このネックバンド8は、胸郭領域内に骨伝導刺激を生成する目的で、生体電位センサ1および振動要素2がユーザの鎖骨に接触するように、ユーザの首の周囲に配置される。さらに、この実施形態は、頭蓋底に位置する振動要素2と、オーディオフィードバックのためのヘッドフォンとを含む。
【0036】
図11は、ヘッドフォン4、振動子2、および耳たぶクリップ電極15がすべて生体測定イヤークリップ10に含まれている本発明のさらなる実施形態を示している。
この生体測定イヤークリップは、好ましくは、耳たぶクリップ電極15およびヘッドフォン4を介してユーザの耳に取り付けられる。
【0037】
図12は、振動子または振動アクチュエータ2と、ヘッドフォン4とも呼ばれるサウンドインデューサと、耳たぶクリップ電極15とを備えるスマートヘッドフォン11を含む本発明のさらなる実施形態を示している。この実施形態は、好ましくは、耳たぶクリップ電極15を耳たぶに取り付けてユーザの耳に配置される。
【0038】
図13および14が、本発明のさらなる実施形態を示している。この実施形態は、いくつかの振動要素2と、少なくとも1つの生体電位センサ1と、少なくとも1つのスピーカ3とを含むマット13である。これらは、各々が予め定められたパターンおよび数にて、マットの表面上に配置され、あるいは好ましくは上に乗ることができる滑らかな表面を生み出すようにマット材料の構造内に埋め込まれる。ユーザは、好ましくは、本発明を使用するために、このマットの上に横たわる。マットは、持ち運びのために丸めることが可能である。
【0039】
図15が、睡眠枕12を含む本発明の最後の実施形態を示しており、睡眠枕12は、振動要素2と、生体電位センサ1と、骨伝導スピーカ20とを備えている。これらは、好ましくは、使用時にユーザの頭および首に接触する。
【符号の説明】
【0040】
1 生体電位センサ
2 振動子
3 装置本体
4 ヘッドフォン
5 ネックペンダント
6 キャリア
6a クリップ取り付け具
7 スマートベスト
7a 胸部バンド
8 ネックバンド
9 未使用
10 生体測定イヤークリップ
11 スマートヘッドフォン
12 睡眠枕
13 サウンドマット
14 ヘッドセット
15 耳たぶクリップ電極
16 バッテリパック
17 ブルートゥース通信機
18 ストレッチレセプタ
19 電気刺激装置
20 骨伝導スピーカ
21 ショートワイヤ
22 共振ケーシング
23 ヒドロゲルパッド
24 ワイヤレス充電装置
25 ランヤード
26 データ処理ユニット
27 アクチュエータ
図1
図1a
図2
図2a
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】