特表2018-531080(P2018-531080A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-531080靴紐及びそれを用いて靴を締結する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-531080(P2018-531080A)
(43)【公表日】2018年10月25日
(54)【発明の名称】靴紐及びそれを用いて靴を締結する方法
(51)【国際特許分類】
   A43C 1/00 2 A20060101AFI20180928 2 C07C 275/
【FI】
   A43C1/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-517197(P2018-517197)
(86)(22)【出願日】2016年9月28日
(85)【翻訳文提出日】2018年5月14日
(86)【国際出願番号】US2016054224
(87)【国際公開番号】WO2017058945
(87)【国際公開日】20170406
(31)【優先権主張番号】14/871,693
(32)【優先日】2015年9月30日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】518106700
【氏名又は名称】リーヴァ,セルジオ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】リーヴァ,セルジオ
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050HA01
4F050HA11
4F050HA17
4F050HA18
4F050HA21
4F050HA43
4F050MA01
(57)【要約】
開示の靴紐装置は一方端が固定部材に係合する細長形状の柔軟部を有する。細長形状の柔軟部は靴の対向するフェイシングに形成される開口部を横断するよう構成される。固定部材は開口部より大きい寸法を少なくとも一つ有する大きさを有し、第1の端部が開口部を貫通するのを防止する止め具を形成する。固定部材は、柔軟部上に配置される第2のファスナー面がファスナー面に接触すると、第1の係合において第2のファスナー面に着脱可能に結合するよう構成される第1のファスナー面を有する。フック・ループ式結合布を第2のファスナー面として用いることによりストラップ部の第2の係合を実現する。
【選択図】 図4a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴に設けられる間隙の対向する側部上に配置される2個の対向する開口部の間に固定される使用位置用に構成される靴紐であって、第1の端部及び第2の端部を有し、靴に形成される一対の対向する開口部を横断するよう構成される細長形状の柔軟部と、
前記柔軟部の前記第1の端部において接続される固定部材であって、第1の側面の一部分を形成する長さ及び幅を有し、前記固定部材の前記第1の側面に対向する側部上に第2の側面を有する前記固定部材と、前記開口部の直径に渡る距離より大きい、前記固定部材の前記長さ又は前記幅のうち1つに渡る距離と、を備え、前記固定部材は結合される前記第1の端部が前記開口部を貫通するのを防止する止め具を形成し、前記固定部材の前記第1の側面上に配置される第1のファスナー面とを備え、前記第1のファスナー面は前記柔軟部の第1の側面上に配置される第2のファスナー面と、前記第2のファスナー面が前記第1のファスナー面に接触する第1の係合において着脱可能に係合し、これにより前記靴紐が前記柔軟部の前記第2の端部が前記開口部の両方を介して連通する使用位置に配置され、前記第2のファスナー面が前記第1のファスナー面に係合するよう配置されて、前記靴を使用者の足に固定する、靴紐。
【請求項2】
前記固定部材が前記柔軟部の前記第1の端部に係合する前記係合は前記固定部材の前記第2の側部上の中央位置に配置される、請求項1に記載の靴紐。
【請求項3】
前記固定部材の前記第1の側面上に配置される前記第1のファスナー面はフック布又はループ布の一方からなり、前記第2のファスナー面は前記第1のファスナー面を形成する前記フック布又は前記ループ布の他方からなる、請求項1に記載の靴紐。
【請求項4】
前記固定部材の前記第1の側面上に配置される前記第1のファスナー面はフック布又はループ布の一方からなり、前記第2のファスナー面は前記第1のファスナー面を形成する前記フック布又は前記ループ布の他方からなる、請求項2に記載の靴紐。
【請求項5】
ループ布は前記柔軟部の前記第1の端部と前記第2の端部との間で前記柔軟部の第1の側面を被覆する、請求項3に記載の靴紐。
【請求項6】
ループ布は前記柔軟部の前記第1の端部と前記第2の端部との間で前記柔軟部の第1の側面を被覆する、請求項4に記載の靴紐。
【請求項7】
前記固定部材の前記第1の側面上に配置される前記第1のファスナー面はフック布又はループ布の一方からなり、前記第2のファスナー面はフック・ループ式結合布からなり、前記第2のファスナー面は前記開口部間の間隙内に位置し、前記柔軟部の第1の部分上に配置される前記フック・ループ式結合布と、前記柔軟部の第2の部分上に配置される前記フック・ループ式結合布との間の着脱可能な係合である第2の係合を形成する、請求項1に記載の靴紐。
【請求項8】
前記固定部材の前記第1の側面上に配置される前記第1のファスナー面はフック布又はループ布の一方からなり、前記第2のファスナー面はフック・ループ式結合布からなり、前記第2のファスナー面は前記開口部間の間隙内に位置し、前記柔軟部の第1の部分上に配置される前記フック・ループ式結合布と、前記柔軟部の第2の部分上に配置される前記フック・ループ式結合布との間の着脱可能な係合である第2の係合を形成する、請求項2に記載の靴紐。
【請求項9】
前記距離は1.5〜8mmである、請求項1に記載の靴紐。
【請求項10】
前記距離は少なくとも3.6mmである、請求項1に記載の靴紐。
【請求項11】
請求項7に記載の靴紐を用いて靴を締結する方法であって、前記靴紐を設け、前記柔軟部を前記靴の第1のフェイシング上に配置される前記第1の開口部と、間隙を挟んで前記靴の第2のフェイシング上に配置される前記第2の開口部とに通し、前記柔軟部を引くことにより前記固定部材を前記靴の前記第1のフェイシングに接触させ、前記柔軟部を前記第2の開口部上で前記固定部材へ向けて回転し、前記柔軟部の一部を第1の係合により前記固定部材に結合し、前記前記柔軟部の第1の部分を前記前記柔軟部の第2の部分に結合して前記第2の係合を形成する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、その開示全体を参照により本明細書に援用する2013年3月30日付け米国特許出願第2013/854088号明細書の一部継続出願である。本発明はその所定の実施形態において衣服の分野に関する。より詳細には、本明細書に開示の装置及び方法は靴及び靴を結束する付属品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、靴は、靴において鳩目により形成可能な複数の連続する開口部に紐を通すことにより結束される。従来、柔軟性を有する単一の紐を、最上部の鳩目対(すなわち、靴のつま革から最も離れた鳩目対)の開口部を介して延伸する紐の両端を靴の外側へ向けて配置して、靴の鳩目(又は鳩目が設けられていない場合は孔部)内で中央揃えされる開口部に通す。その後、靴紐の2個の解放端は共に結束されて靴を使用者の足に固定する。紐の両端は、紐の末端部をそれぞれ囲む一般に剛性又は半剛性のアグレットに係合する。当該アグレットは紐の端部に係合して剛性を与え、靴に連続して配置される複数の鳩目の開口部を介して紐を連通する作業を容易にする。
【0003】
新しい靴を購入した場合、場合によっては使用者は最初に、靴自体又は設けられている場合は複数の鳩目に形成される開口部の各々に各紐を通すことにより靴に紐を配置しなければならない。紐を靴に結合した後も、一般に使用者は靴を履く度に紐を結束しなければならない。各紐の末端部を通し結束するための上記必要条件は子供、障がい者、及び関節炎を患っている人等にとっては難しい作業となる場合がある。
【0004】
紐を結束するための必要条件を除去する又は別段容易にするための、靴を使用者の足に固定する行為を簡単にする技術及び装置が多く考案されてきた。特許文献1は、フック・ループ式ファスナー対等の柔軟性を有する接触保持部材を有する分離可能な締結部材を用いる、調節可能で柔軟性を有する閉鎖構体を弾性インステップゴア又は弾性サイドゴアと共に有する靴を開示する。当該閉鎖構体は、着用者が片手のみを用いて簡単に靴のアッパーを内向きに引張り、同時に任意の緊張状態まで正確に靴を結結可能なファスナーストラップを係合する開口部を有する固定ストラップを備える。
【0005】
特許文献2は、平坦な細長形状の弾性部材と、一対の把持部材とを備える靴において協働する鳩目対の間に延伸する靴ファスナーを開示しており、前記把持部材の1つが前記弾性部材の共通な一表面のみの異なる端部を略被覆し、その長さにおける末端部のみに沿って当該共通な一表面に接着される。前記把持部材の長さを有する第2の部分は、前記弾性部材の長さに沿って相互に並置される非接着のタブ部を備える。前記弾性部材の端部は、靴の鳩目を介して移動すると前記弾性部材を対応する前記把持部材から分離させる前記把持部材をその非接着部に沿って備え、これにより靴の対応する鳩目の外縁を前記弾性部材と前記把持部材の前記第2の部材との間に係合する締め具を形成する。
【0006】
特許文献3は、詳細には靴に設けられる紐に固定可能な、靴紐の結び目を所定の位置に保持する結束装置に対する改良に関する。特許文献3に開示の装置は、装置の一部を靴に固定し、紐を結束する度に結び目を所定の位置に固定するために装置を再使用する機構を用いている。特許文献3に開示の実施形態において、当該発明は、結び目がほどけるのを防止すると同時に結び目を視認できるよう露出し、通常の蝶結びの外観を保持するための、靴紐の結び目を対向する側部から係合する弾性又は半剛性手段を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4270285号明細書
【特許文献2】米国特許第4210983号明細書
【特許文献3】米国特許第4553293号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の装置は靴の一部として固定され、非常に高価である。特許文献2の靴ファスナーが提供する締結手段は容易ではない。特許文献3の装置は靴紐に通さなければならず、調節も可変ではない。したがって、複数の開口部が配置される靴を係合し締結する新規な装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は第1の端部及び第2の端部を有する靴紐、又は靴紐と認識可能な代替品に関し、ここで前記第1の端部は固定部材に結合され、前記固定部材は靴に従来用いられている1mm〜8mmであってもよい開口部を貫通するのを防止する寸法を有する。前記固定部材は、隣接する靴の開口部を貫通するのさえ防止すれば柔軟性を有していてもよく、任意で剛性又は半剛性の固定部材であってもよい。
【0010】
したがって、紐が貫通する隣接する開口部より大きい寸法を有する前記固定部材は前記開口部に嵌合せず、これにより前記紐の一端部を前記靴又は鳩目の開口部を介して引くことにより固定する手段を提供する。前記固定部材は靴紐本体に着脱可能に係合するよう構成されるファスナー対のうちの一方の半身部を備え、靴紐本体は前記ファスナー対の対をなす半身部を備える又は当該半身部からなる。
【0011】
使用において、本発明の靴紐は靴本体自体又は一対の鳩目に配置される、前記靴に(高さが同一か否かを問わず)係合する少なくとも一対の開口部を通るよう構成され、前記開口部は前記靴のタンの対向する側部上に配置され、これにより開口部を貫通するのを防止する寸法を有する固定部材のファスナー面は靴又は鳩目の開口部のうちの1個を部分的に又は全体的に被覆し、靴から離れる方向に向けられる。同一の紐における第2の端部は靴又は靴のタンの対向する側部上の鳩目に設けられる第2の開口部に通す。このように、前記靴紐の前記第2の端部は前記第1の端部に向かって引かれることにより、靴の2個の側部を相互に近接させ、使用者の足における靴の係合を締付ける。
【0012】
本発明に開示の少なくとも1個の靴紐装置は単一の靴において動作可能に係合していてもよい。そのような係合において、各靴紐は靴又は鳩目に設けられる対応する開口部対に通される。これにより、1本の靴紐を連続して配置される複数の鳩目対に通す必要が無くなり、靴を結束する工程が単純化される。
【0013】
したがって、本発明の所定の実施形態の様態は細長形状の柔軟部を備え、一方の端部において固定部材と係合する靴紐に関する。前記細長形状の柔軟部は第1の端部及び第2の端部を有し、靴又は靴に係合する鳩目の開口部の少なくとも1個を横断するよう構成される。前記固定部材は前記紐の前記柔軟部の前記第1の端部に結合され、少なくとも一つの寸法が靴又は鳩目に設けられ、係合する柔軟部が連通する開口部の大きさより大きい寸法を有し、これにより前記紐の前記第1の端部が前記靴又は前記鳩目の前記開口部を貫通するのを防止するよう構成される。前記固定部材は、前記柔軟部の一部に着脱可能に結合するよう構成されるファスナー面を備え、前記柔軟部の前記部分が前記ファスナー面に接触することにより前記2個の半身部によりファスナー対を形成する。
【0014】
現在、本明細書に開示の前記固定部材の全形態において、前記紐により隣接して係合される靴又は鳩目の開口部を貫通することを防止するための大きさに好ましい寸法は、封鎖される開口部の大きさによって1.5mm〜8mmの間である。従来、前記開口部は靴に形成されているか、又は靴に係合する鳩目に形成されているかによって1mm〜7.5mmの間であったが、この範囲外であってもよい。したがって、前記固定部材の少なくとも一つの寸法は長さ又は幅の距離が1.5〜8mmの間の寸法を有し、現時点での好適な寸法は少なくとも3.6mmである。
【0015】
本明細書による紐装置の形態の一変形例において、前記固定部材は剛性又は半剛性に形成されていてもよい。
【0016】
別の変形例において、前記固定部材は鳩目を少なくとも部分的に被覆するよう構成される。
【0017】
更に別の変形例において、前記ファスナー面は前記柔軟部に着脱可能に接続するよう構成される複数のフックを備える。
【0018】
更に別の変形例において、前記靴紐は前記柔軟部の前記第2の端部に結合されるアグレットを備える。
【0019】
前記アグレットは前記柔軟部の前記第2の端部を囲んでいてもよい。
【0020】
任意で、前記アグレットは剛性又は半剛性である。
【0021】
本発明の所定の実施形態の別の様態は第1のフェイシングと、第2のフェイシングと、靴紐とを備える靴に関する。前記第1のフェイシングは自身又は自身に取付けられる第1の鳩目を介して設けられる第1の開口部を少なくとも1個有する。前記第2のフェイシングは靴自体又は靴に係合する第2の鳩目を介して設けられる開口部を少なくとも1個有する。前記靴紐は細長形状の柔軟部と、第1の端部において前記柔軟部に係合する固定部材とを備える。前記細長形状の柔軟部は第1の端部及び第2の端部を有し、前記靴又は前記鳩目の前記第1の開口部及び第2の開口部を横断するよう構成される。前記固定部材は前記第1の端部に結合され、前記第1の開口部の少なくとも直径より大きい距離の寸法を少なくとも一つ有し、前記第1の端部が前記靴又は前記靴に係合する鳩目に配置される前記第1の開口部を貫通するのを防止するよう構成される。前記固定部材はファスナー面を有し、前記ファスナー面は前記柔軟部の一部分が前記ファスナー面に接触すると前記柔軟部の前記一部に着脱可能に結合するよう構成される。
【0022】
本発明の所定の実施形態の別の様態は本明細書に開示の靴紐装置の一形態を用いて靴を締結する方法に関し、前記方法は、(1)第1の端部及び第2の端部を有し、前記靴又は前記靴の鳩目に形成される少なくとも2個の開口部を横断するよう構成される細長形状の柔軟部と、前記第1の端部に結合され、前記開口部のうち第1の開口部の少なくとも直径より大きい大きさの寸法を少なくとも一つ有し、前記第1の端部が前記靴又は靴に係合する鳩目の前記第1の開口部を貫通するのを防止するよう構成され、前記柔軟部の一部がファスナー面に接触すると前記柔軟部の前記一部に着脱可能に結合するよう構成される前記ファスナー面を有する固定部材とを備える靴紐を設け、(2)前記柔軟部を前記靴又は鳩目の前記第1の開口部と、前記靴又は第2の鳩目に形成される第2の開口部とに通し、前記第1の開口部は前記靴の第1のフェイシング上に配置され、前記第2の開口部は前記靴の第2のフェイシング上に配置され、(3)前記柔軟部を引くことにより前記固定部材を前記靴の前記第1のフェイシングに接触させ、(4)前記柔軟部を前記第1の開口部上で前記固定部材へ向かって位置合わせし、(5)前記柔軟部の一部を前記柔軟部の対面する第1の側部上に配置される前記固定部材及びフック・ループ式結合布に結合し、前記対面する第1の側部を着脱可能な係合により結合する。
【0023】
本発明の装置の別の特に好ましい形態は、ベルクロ(VELCRO)社のオムニテープ(OMNI−TAPE)という商標のファスナー等のフック・ループ式結合布を用いる。前記フック・ループ式結合布は前記柔軟部の第1の端部と第2の端部との間の少なくとも1個の側面上に配置される。フック・ループ式結合布は一層の締結用結合布が備える解放可能なファスナーにおいてフック部とループ部とを有する。したがって、フック・ループ式結合布はいずれの部分においても、接触するフック・ループ式結合布のその他部分に着脱可能に係合する。
【0024】
前記柔軟部の一方の側部を略被覆するようフック・ループ式結合布を配置することにより、前記柔軟部が靴のタンの対向する側部上の対向する開口部に通されると、対向する開口部間の対面する第1の側部が共にフック・ループ式結合布を備えることになる。このように前記柔軟部の少なくとも第1の側部上に配置することにより、前記開口部を備える2個の側部間の間隙内に設けられる前記柔軟部の部分は相互に係合可能なため、前記靴に係合する前記柔軟部の第2の着脱可能な係合を形成できる。試験的に、フック・ループ式結合布の第1の係合に、前記固定部材の前記第1の側面上に配置されるフック布又はループ布への前記第2の係合を組合せることにより、単に単一の係合ではなく2個の係合を形成して、対向する開口部間において前記柔軟部を非常に強固に接続できるようになる。
【0025】
本発明のその他特性及び様態を明確にするため、本発明の実施形態による特性を例示する添付の図を参照して以下に詳述する。当該概要は、本明細書に添付の請求項によってのみ定義される本発明の精神を限定するものではない。
【0026】
様々な実施形態少なくとも1個により、本発明を以下の図面を参照して詳述する。当該図面は図示のみを目的とし、単に本発明の典型的又は例となる実施形態を図示するものである。当該図面は読者による本発明の理解を促進するためのものであり、本発明の範囲、精神、又は適用可能性を限定するものではない。なお、図示の明確化及び容易化のため、当該図面は必ずしも尺度が正確ではない。
【0027】
本明細書における図面の一部は本発明の様々な実施形態を異なる視点角度から図示する。添付の説明文が当該角度を「上面」「底面」又は「側面」図と記載していても、当該表現は単に説明を目的とするものであって、別段の明白な記載が無い限り本発明が特定の空間的方向で実施又は使用されることを暗示又は強制するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明による靴紐を示す図である。
図2図1とは異なる角度で本発明による靴紐を示す図である。
図3a】第1の方法を示す概略図であって、この場合、本発明の靴紐は鳩目に形成される一対の対向する開口部に挿入され、間隙を挟んで使用位置に係合することにより、靴を使用者の足に固定可能である。
図3b】第1の方法を示す概略図であって、この場合、本発明の靴紐は鳩目に形成される一対の対向する開口部に挿入され、間隙を挟んで使用位置に係合することにより、靴を使用者の足に固定可能である。
図4a】第2の方法を示す概略図であって、この場合、本発明の靴紐は鳩目に形成される一対の対向する開口部に挿入されて、靴を使用者の足に固定可能である。
図4b】第2の方法を示す概略図であって、この場合、本発明の靴紐は鳩目に形成される一対の対向する開口部に挿入されて、靴を使用者の足に固定可能である。
図5】靴のタンを占める間隙を挟んで使用位置に固定される複数の本発明の靴紐に係合するドレス靴の一例を示す斜視図である。
図6】本発明の靴紐を用いて靴を足に固定する方法を示すフローチャートである。
図7】フック布、ループ布、又はフック・ループ式結合布を上部に備える固定部材の第1の側面、及び柔軟部の第1の端部と第2の端部との間で上部に配置されるフック・ループ式結合布を備える本発明による靴紐装置の柔軟部の第1の側部を示す上面図である。
図8図7に示す装置の固定部材の側面図であって、柔軟部の第1の側部上に配置されるフック・ループ式結合布及びその一部拡大図を示し、好ましくは、固定部材の第2の側面の中間点において柔軟部の第1の端部に係合する固定部材の第1の側面全体を被覆する対をなすフック又はフック・ループ式結合布を示す。
図9】固定部材の第2の側面及び柔軟部の第2の表面と、固定部材の第2の側面上の中央位置における柔軟部の係合を示す上面図であって、この係合により、柔軟部が靴の開口部を介して連通すると開口部上で固定部材の長さ寸法を中央合わせする手段を提供する。
図10図7図9に示す装置が靴に係合された場合を示し、この場合、柔軟部の第2の端部は間隙を挟んで配置される対向する開口部に通され、柔軟部の第1の側部の一部は柔軟部の第1の側部の第2の部分に係合し、柔軟部の第2の端部は固定部材の第1の側面に係合し、これにより柔軟部において2カ所の係合を実現して靴をより強固に取付ける。
【発明を実施するための形態】
【0029】
添付の図面は包括的では無く、又は本発明を開示する形態に厳密に限定するものでも無い。本発明は変更及び変形して実施してもよく、本発明は請求項及びその均等物によってのみ限定されるものとする。
【0030】
本明細書において、本発明を靴又は前記靴に係合する鳩目に形成される対向する開口部を介して固定される靴紐装置の条件例又使用時の係合の観点から説明する。上記条件の観点から説明することにより、適用例に照らして本発明の様々な特性及び実施形態を提示可能となる。本明細書を読むことにより、当業者にとって本発明を異なる別の条件で実施する方法は自明となる。
【0031】
別段の定義がない限り、本明細書に記載の技術用語及び科学用語は全て本発明が属する分野の当業者により一般に理解される意味と同一の意味を有する。本明細書に記載の特許、出願、公開された出願及びその他公開物は全て、本明細書においてその開示全体を参照により援用する。本項に規定する定義が出願や、本明細書において参照により援用する公開された出願及びその他公開物に規定の定義に反する又は別段矛盾する場合、本明細書に規定の定義が本明細書において参照により援用する定義に優先するものとする。
【0032】
図1図10の図を参照して、図1及び図2は本発明の装置又は靴紐100の異なる角度による概略図である。図1は前記靴紐100の一形態の側面図を示し、図2図1に示す前記靴紐100の上面図を示す。
【0033】
本明細書における前記靴紐装置100の全形態において、前記靴紐100は第1の端部102及び第2の端部104を有する細長形状の柔軟部101を備える。前記柔軟部101の前記第1の端部102は固定部材106の第2の側面105の中間部に結合される。前記固定部材106は柔軟性又は剛性又は半剛性を有する構成部材であってもよく、第1の側面107上に係合するファスナー面106aを少なくとも1個有し、前記第1の側面107は前記固定部材106の前記第1の側面107と、前記柔軟部101の第1の側部103等少なくとも1個の側面との間に形成される、着脱可能に係合可能なファスナーの一方の半身部を成す。
【0034】
好ましくは前記固定部材106の前記第1の側面107の全域を被覆するよう配置される前記第1のファスナー面106aは、着脱可能に前記第1のファスナー面106aに結合するよう構成される係合可能なファスナーの一方の半身部と、前記柔軟部101の前記第1の側部103等、少なくとも1個の側部上に配置される前記一方の半身部と対をなす第2の半身部又は第2のファスナー面106bとを備える。前記着脱可能なファスナーは、前記第1のファスナー面106aと前記靴紐の前記柔軟部101上の前記第2のファスナー面106bとが接触すると形成される。なお、前記靴紐の材料を前記ファスナーに結合するために必要な前記柔軟部101の材料と前記ファスナーとの間の接触強度は、前記ファスナー面及び前記柔軟部101の材料の性質に依存する。例えば、場合によっては、前記柔軟部101の一部上の前記第2のファスナー面106bと前記第1のファスナー面106aとが僅かに接触していれば、両部材を着脱可能に結合可能である。一方、両部材を着脱可能に接続するため、前記第2のファスナー面106bを有する前記柔軟部101の当該部分を前記固定部材106の前記第1の側面107を被覆する前記第1のファスナー面に対向して押圧する必要がある場合もある。
【0035】
前記着脱可能に係合可能なファスナーは解放可能な接着剤であってもよいが、より好ましくはフックファスナーとループファスナーとの間の係合からなり、或いは、本発明の前記装置の特に好ましい形態においては後述するフック・ループ式ファスナー結合材から成っていてもよい。後者の場合、フック・ループ式ファスナー結合材を用いない場合、前記固定部材の前記第1の側面107をフック布又はループ布により被覆し、前記柔軟部101の少なくとも1個の側部は、前記フック布又はループ布のうちの前記固定部材106の前記第1の側面107上に係合しない他方上に配置される。現在、フック布を前記第1のファスナー面106aとして前記固定部材106の前記第1の側面107上に配置し、ループ布を前記第2のファスナー面106bとして前記柔軟部101の側部上に配置することが、製造を容易にするため好ましい。より好ましくは、ベルクロ社のオムニテープという商標のファスナー等のフック・ループ式ファスナー結合材を前記柔軟部101の前記第1の端部102と第2の端部104との間の側面全体上に係合することにより、前記固定部材106を被覆する前記第1のファスナー面106aに接触すると第1の着脱可能な係合を形成し、前記靴の表面に形成される対向する開口部201間の間隙111内、又は前記間隙111を挟んで位置する対向する鳩目202内に前記フック・ループ式結合布の対面する部分において第2の着脱可能な係合を形成する。
【0036】
前記固定部材106はその一部分を形成する長さ及び幅を有し、当該長さ及び幅は前記靴紐100が使用時に連通するための、前記靴又は前記靴の鳩目202に形成される前記開口部201より大きい長さ及び幅のうち少なくとも一つの寸法を有する。現在、前記固定部材106の長さ又は幅のうち少なくとも一つの寸法を1.5mm〜8mmの間の距離に形成することが、多くの靴において従来1mm〜7.5mmの間で異なる前記開口部201として好ましい。大部分の靴において、前記固定部材106の寸法における1つの好適な距離は、靴の鳩目202又は前記靴の表面に形成する開口部201の大部分における直径として少なくとも3.5mmであり、これまでの試験では当該寸法より小径であることが分かっている。このように、前記固定部材106は靴又は靴の鳩目202の前記開口部201内に嵌合しない十分な大きさに形成され、これにより前記靴紐の前記第2の端部104を通した際に、前記固定部材106に係合する前記靴紐100の前記第1の端部102が前記開口部201を介して連通するのを防止する。変形例において、前記固定部材106は前記靴の前記鳩目を全体的又は部分的に被覆するよう構成する。図7図10に示す前記固定部材106の好ましい形状は長方形であって、前記第1の側面107が第1のファスナー面106aにより完全に被覆されるが、試験を通して、これにより前記固定部材の前記ファスナー面と柔軟部101との間の第1の係合が最も強固となることが分かっている。しかしながら、任意で、前記固定部材106の前記第1の側面107及びそれを被覆する第1のファスナー面106aの形状は楕円形又は円形であってもよい。前記ファスナー面及び固定部材106の形状は上述した形状に限定されず、ファッション性が関係する場合等、任意のいずれの形状で製造してもよい。
【0037】
任意ではあるが、前記靴の前記開口部へ通す作業を容易にするために好ましくは、前記柔軟部101の前記第2の端部104は前記第2の端部104において剛性又は半剛性のアグレット108に(取囲む等により)結合される。前記アグレット108は、前記柔軟部101の前記第2の端部104が前記靴又は係合する鳩目202に形成される前記開口部201を容易に貫通できるよう、前記第2の端部104に剛性を与える。任意で、前記アグレット108は前記第2の端部104を押圧することにより前記第2の端部の断面を減少させて、前記靴紐が前記対向する開口部201を貫通し、前記間隙111を挟んで使用位置に係合するのを更に容易にする。
【0038】
前記柔軟部101は皮革、綿、ジュート、麻、及び/又はナイロン等の合成繊維等、従来知られている適切な材料のいずれから成っていてもよい。前記固定部材106の中央部と前記第2の端部104との間の接続として、前記柔軟部101は前記第1の側部103上にループ材料又は結合フック・ループ材料等の前記第2のファスナー面106bを備えていてもよく、又は前記第2のファスナー面106bとして形成されていてもよい。上記材料は全てフック・ループ式ファスナーのループ部として機能可能である。前記アグレットは粘着テープ、蝋状物質、樹脂、膠、糸、熱収縮チューブ又は金属チューブから成っていてもよい。前記アグレットの代わりに、前記靴紐の前記第2の端部104は単純に結び目を作るか、又は溶融してもよい。前記固定部材106はプラスチック、金属、木、ボール紙等いずれの剛性又は半剛性材料から成っていてもよい。
【0039】
前記柔軟部101の長さ、形成したファスナー及び前記アグレット(設けられている場合)の大きさ及び形状は前記靴紐100を使用する靴に合わせて選択する。これは、靴又は前記係合する鳩目202に設けられる前記開口部201の間隔、及び前記開口部201の直径に依存する。前記第2の端部204の前記間隙111を挟んで配置される対向する両開口部201を介した連通を容易にして、本発明の装置を例えば図3b、図4b、及び図10に示す使用位置に係合するため、前記靴紐100の前記第2の端部104が靴又は靴に設けられる前記鳩目202に設けられる前記開口部201の直径を容易に横断できるよう、アグレットは好ましくは前記第2の端部104を押圧する。
【0040】
図3a及び図3bは第1の方法の概略図であって、前記第1の方法において、本発明の装置又は靴紐100を鳩目202内に形成される一対の開口部201内に挿入し、靴200を使用者の足に固定するために用いても良い。図3aに示す通り、前記柔軟部101は前記靴の各フェイシング(facing)203、205上(例えば、タン212が設けられている場合は前記タン212が占める前記間隙111の対向する側部上)に配置される一対の鳩目202、204を介して連通する一対の開口部201を横断するよう構成する。前記柔軟部101の前記第2の端部104は鳩目202、204の各開口部201に通す。前記固定部材106は上述した通り前記開口部201の直径より大きい寸法を有するため、前記第1の鳩目202の前記開口部201を横断することができず、その結果、前記靴紐100を前記間隙111の一方の側部を形成する前記第1のフェイシング203に固定する。
【0041】
図3bに示す通り、第2の鳩目204の第2の開口部201を出た後、前記柔軟部101の前記第2の端部104を前記固定部材106へ向かって引張り、前記間隙111を形成する前記第1のフェイシング203及び第2のフェイシング205を相互に向かって引くことで、使用者の足周囲で靴を締め上げるよう構成してもよい。使用者が前記靴の締付け度に満足すると、前記柔軟部101を前記第2の鳩目204を介して連通する第2の開口部201を中心に回転することにより、前記靴紐の前記第2の端部104が前記固定部材106の前記第1の側面107を被覆する前記第1のファスナー面106aへ向かって移動する。これにより、前記第2のファスナー面106bを備える前記柔軟部101の一部が前記第1のファスナー面106aに接触及び結合し、使用者の足周囲の前記靴の締付け度を保持する。
【0042】
なお、図3a及び図3bの実施例においては前記開口部201及び鳩目は相互に位置合わせして(前記フェイシングの各々に沿って同一の高さに)配置されるが、これは必須ではない。実際には、前記柔軟部101は前記間隙111を挟んで連通し、相互に位置合わせされない2個の開口部201を横断するよう斜めに設けてもよい。
【0043】
図4a及び図4bは第2の方法を示す概略図であって、前記第2の方法において、本発明の前記靴紐100を前記靴又は鳩目に設けられる一対の開口部201に挿入し、靴200を使用者の足に固定するために用いてもよい。
【0044】
図4aに示す通り、本発明の靴紐を2本設ける。前記第1の靴紐100は第1の端部102及び第2の側部104を有する前記第1の柔軟部101と、前記第1の柔軟部101の第1の端部102に結合される前記第1の固定部材106とを備える.前記第1の固定部材106は前記第1の側面107の全域を被覆する第1のファスナー面106aを有する。前記第2の靴紐300は第1の端部及び第2の端部304を有する第2の柔軟部301と、前記第2の柔軟部301の第1の端部に結合される第2の固定部材306とを備える。前記第2の固定部材306は第1の側面上に配置される第2のファスナー面306aを有する。前記第1の柔軟部101は前記第1のフェイシング203に設けられる前記第1の鳩目202の前記開口部201及び前記第2のフェイシング205に設けられる前記第2の鳩目204の前記第2の開口部201を横断し、前記第1の固定部材106を介して前記第1のフェイシング203に固定される。前記第2の柔軟部301は、前記第1のフェイシング203に設けられる第3の鳩目206の開口部201及び前記第2のフェイシング205に設けられる第4の鳩目204に形成される開口部201を横断し、前記第2の固定部材306を介して前記第1のフェイシング203に固定される。
【0045】
図4bに示す通り、前記第1の柔軟部101の前記第2の端部104を前記第2の固定部材306へ向かって引くことにより、前記第1の柔軟部101の全体又は図示の部分上に設けられる第2のファスナー面106bを前記第2の靴紐300の前記第2の固定部材306に結合する。同様に、前記第2のファスナー面106bを上部に有する、前記第2の柔軟部301の前記第2の端部304を前記第1の固定部材106へ向かって引くことにより、前記第2の柔軟部301の一部を前記第1の靴紐100の前記第1の固定部材106の前記第1の側面107を被覆する前記第1のファスナー面106aに結合する。前記フェイシング203、205は相互に近接し、前記間隙111の一部がわずかに狭められて使用者の足周囲の前記靴200を固定する。
【0046】
図5は本発明によるドレス靴の一実施例の斜視図を示し、前記ドレス靴は対向する開口部を介して各々の使用位置に係合する複数の前記靴紐により締め付ける。
【0047】
本発明による複数の靴紐100は前記ドレス靴200を使用者の足に固定するために用いる。各靴紐の柔軟部は記載の鳩目内に形成される開口部201の各対を横断し、ここで前記対の第1の鳩目は前記第1のフェイシング203上に配置され、前記対の前記第2の鳩目は前記第2のフェイシング205上に配置される。任意で、前記開口部対の1個または複数の開口部は前記フェイシングの各々に沿って同一の高さに設定する。
【0048】
変形例において、前記靴紐100の各々はアグレットを備え、各アグレットは靴紐の柔軟部の各々の前記第2の端部に配置される。任意で、前記靴紐100全てを前記第1のフェイシング203に固定し、これにより柔軟部の第2の端部が前記第1のフェイシング203上に配置される同一の靴紐のファスナー面に結合されるよう構成する。
【0049】
図6は、本発明の靴紐を用いて靴を足に固定する方法を示すフローチャート400である。
【0050】
工程402において、上述した本発明の靴紐を設ける。工程404において、靴紐の柔軟部の第2の端部を靴の第1のフェイシング上に配置される第1の開口部に通す。工程406において、靴紐の柔軟部の第2の端部を靴の第2のフェイシング上に配置される第2の開口部に通す。
【0051】
工程408において、前記固定部材が前記靴の前記第1のフェイシングに接触するよう前記靴紐の柔軟部の前記第2の端部を引くことにより、前記靴紐を前記第1のフェイシングに固定する。工程410において、前記靴紐の柔軟部の前記第2の端部を前記第1のフェイシング上で前記固定部材へ向かって引張り、これにより前記第1のフェイシング及び第2のフェイシングを相互に向かって引張り、使用者の足周囲を締上げる。工程412において、前記靴紐の柔軟部は引張状態であり、前記靴紐の柔軟部の一部が前記固定部材の前記ファスナー面に結合される。これにより前記靴紐の柔軟部の締付け度が保持され、前記靴が使用者の足に固定される。
【0052】
図7図10は本発明による前記靴紐装置100の特に好ましい形態を示し、図10に記載の使用位置に係合すると前記柔軟部101の第1の係合及び第2の係合が実現される。図10に示す通り、前記柔軟部101の第1の係合115は、前記固定部材106の前記第1の側面107を被覆する前記第1のファスナー面106aを前記柔軟部101の第1の側部103上に配置される第2のファスナー面106bに係合させることにより実現する。第2の係合117は前記柔軟部101の第1の部分101a及び第2の部分101bを前記間隙111の前記領域内で係合させることにより実現する。前記第2の係合117は、フック・ループ式結合布121を前記第2のファスナー面106bとして前記柔軟部101の第1の側部103の長さを挟んで設けることにより実現するが、これは前記フック・ループ式結合布が自身、又は前記固定部材106の前記第1の側面107上に配置されるフック、ループ又はフック・ループ式結合布のいずれかに係合するためである.本発明の装置の本形態は、前記柔軟部101を使用位置に固定するための第1及び第2の着脱可能な係合を提供することにより、係合が単一の場合に比べて、使用者が走ったり運動を行ったりする際、又は靴がぶつかったり又はその他接触した際に分断する可能性が非常に低い特に強固な係合を実現する。
【0053】
図8図7に示す前記靴紐装置100の前記固定部材の側面図であって、前記フック・ループ式結合布121の拡大図を示し、前記フック・ループ式結合布121は図示の本発明の装置の前記柔軟部101の前記第1の側部103上に配置される前記第2のファスナー面106bとして用いてもよい。更に、前記柔軟部101の前記第1の端部102を前記固定部材106の前記第2の側面105の中央部に係合する好ましい係合を図示するが、これは上述した通り前記固定部材106を前記開口部201に中央合わせするものであり、図7図10に示す通り前記固定部材106が長方形の場合、前記第1の端部102の前記固定部材106への係合を中央部に配置することにより、前記固定部材106を前記間隙111を挟んで連通する前記柔軟部101と軸方向に、図4bに示すように一直線又は斜めに位置合わせする。
【0054】
図9は前記固定部材の前記第2の側面105、前記柔軟部101の第2の側部113、及び前記固定部材106の前記第2の側面105の中央位置における前記柔軟部101の前記第1の端部102の係合を示す上面図である。上述した通りに接続することにより、前記柔軟部が開口部201を介して連通する際に靴の開口部201上で前記固定部材106を中央合わせする手段が得られ、前記柔軟部101の軸と並列する長軸を有する長方形の固定部材106の場合に、このように中央に接続することにより長方形の前記固定部材106を伸張させて使用位置に固定すると、前記固定部材106が前記柔軟部101の軸により良く位置合わせされることが分かった。
【0055】
上述した通り、図10図7図9に示す前記装置が靴に係合する様子を示し、ここで前記柔軟部101の前記第2の端部104は対向する開口部201に通され、前記柔軟部101の第1の部分101aが前記間隙111を挟んで前記柔軟部101の第2の部分101bに係合する。上述した通り、フック・ループ式結合布121が前記柔軟部101の前記第1の側部103に係合されると、前記第2の係合117を上記した前記第1の係合115に沿って行うことにより、前記固定部材106の前記第1の側面107を被覆する前記第1のファスナー面106aにおいて、単一の係合のみを備える場合に比べて前記靴紐装置100をより強固に靴に係合してもよい。
【0056】
本発明の様々な実施形態を上述したが、当該実施形態は単に例示のみを目的とし、限定を意図するものではないものとする。同様に、様々な図により本発明の構造上又はその他形態を例示するが、これは本発明が備え得る特性及び機能性に対する理解を助けることを目的とするものである。本発明は記載の構造例又は形態例に限定されず、任意の特性を様々な別の構造及び形態を用いて実施可能である。実際、当業者には本発明の任意の特性を実施するために別の機能的、論理的又は物理的分割及び形態を実施する方法は自明である。また、本明細書に記載の構成モジュール名以外の多数の異なる構成モジュール名を様々な分割に適用してもよい。更に、フロー図、動作に関する記述、及び方法クレームに関して、本明細書においてステップが記載されている順は、文脈に別段の指示が無い限り様々な実施形態が詳述した機能性を実行するためには同一順で実施されるべきと強制するものではない。
【0057】
本発明を様々な実施形態及び実施例の観点から上述したが、個々の実施形態1個以上において記載した様々な特性、様態及び機能性はその適用可能性が共に記載される特定の実施形態に限定されず、当該実施形態が記載されているか、当該特性が記載の実施形態の一部として記載されているかを問わず、単独又は様々に結合して本発明の1個以上のその他実施形態に適用してもよい。したがって、本発明の範囲及び精神は上述した実施形態例に限定されないものとする。
【0058】
本明細書で用いる用語及び表現、及びその変形は別段の明白な記載が無い限り、限定的では無く非限定的に解釈される。前述の例は以下の通りである:「備える(including)」という用語は「限定無く備える」等を意味すると解釈される;「例」という用語は考察中の事項に対する包括的又は限定的な一覧ではなく、事例を提供するために使われる;「1個の(a)」又は「1個の(an)」という用語は「少なくとも1個」「1個以上」等を意味すると解釈される;「従来の」「伝統的な」「通常の」「標準的な」「公知な」等の形容詞、及び同様の意味を有する用語は記載の事項を所定の期間又は所定の時点に利用可能な事項に限定すると解釈されるものではなく、現時点又は未来の所定の時点に利用可能又は公知な、従来の、伝統的な、通常の、又は標準的な技術を包含すると解釈される。同様に、本明細書が当業者には明白又は公知な技術に言及する場合、当該技術は現時点又は未来の所定の時点において当業者に自明又は公知な技術を包含する。
【0059】
「及び(and)」という接続詞により結合される事項の一群は、当該分類が当該事項の全てを含む必要があると解釈されるものではなく、別段の明白な記載が無い限り「及び/又は(and/or)」と解釈される。同様に、「又は(or)」という接続詞により結合される事項の一群は、当該一群において相互排他性を必要とする解釈されるものではなく、別段の明白な記載が無い限り、同様に「及び/又は(and/or)」と解釈される。更に、本発明の要素、素子又は構成部材は単数で記載又は請求項に記載されている場合があるが、単数に限定される旨が明白に記載されていない限り、複数もその範囲に含まれると考慮されるものとする。
【0060】
所定の事例における「1個以上」「少なくとも」「に限定されない」又はその他類似表現等の拡張語及び拡張表現は、当該拡張表現を含まない事例においては狭義の条件が意図されている又は必須であることを意味すると解釈されるものではない。「モジュール」という用語の使用は、当該モジュールの一部として記載又は請求項に記載の構成要素又は機能性が全て共通の収容部材内に構成されていることを暗示するものではない。実際、モジュールの様々な構成要素の一部又は全部は制御論理又はその他構成要素の如何を問わず、単一の収容部材内で結合してもよく、又は個別に保持してもよく、更に複数の場所に分散していてもよい。
【0061】
明示化のために別々の実施形態に照らして記載する本発明の特定の特性は、単一の実施形態において結合してもよいものとする。一方、簡潔化のために単一の実施形態に照らして記載する本発明の様々な特性は、本発明に記載するその他実施形態において個別に又は適切な副結合で又は適切に実現してもよい。様々な実施形態に照らして記載する特定の特性は、当該実施形態が当該構成部材無しでは動作不能な場合を除いて当該実施形態の必須の特性と見なされるべきではない。
【0062】
更に、本明細書に規定する様々な実施形態はブロック図、フローチャート及びその他図により例示する。本明細書を読むことにより当業者には自明となる通り、記載の実施形態及びその様々な変形例は記載の実施例に限定されることなく実施可能である。例えば、ブロック図及び付随する説明は、特定の構造又は形態に強制されると解釈されるものではない。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】