特表2018-531388(P2018-531388A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-531388(P2018-531388A)
(43)【公表日】2018年10月25日
(54)【発明の名称】温度センサーを備えた外装要素
(51)【国際特許分類】
   G04B 47/06 2 A20060101AFI20180928 2 C07C 275/
【FI】
   G04B47/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-518646(P2018-518646)
(86)(22)【出願日】2016年11月1日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月10日
(86)【国際出願番号】EP2016076302
(87)【国際公開番号】WO2017092944
(87)【国際公開日】20170608
(31)【優先権主張番号】15197047.2
(32)【優先日】2015年11月30日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ,ニコラ
(57)【要約】
本発明は、バインダー及び特定の温度で反応するように選ばれるサーモクロミックピグメントによって構成しているサーモクロミック層(11)を有するサーモクロミック要素(10)に関する。これによって、前記ピグメントは、前記特定の温度に到達したときに第1の色から第2の色へと遷移する。このサーモクロミック層は、熱伝導層を覆い、化学的及び物理的な劣化から保護する光透過性層によって保護される。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の材料によって作られた支持構造を有する着用可能な物(100)の外装要素(10)であって、
当該外装要素は、さらに、温度変化に反応するデバイス(200)を少なくとも1つ有し、
前記温度変化に反応するデバイス(200)は、バインダー及び特定の温度で反応するように選ばれるサーモクロミックピグメントによって構成しているサーモクロミック層(11)を有する少なくとも1つのサーモクロミック要素によって形成され、これによって、前記ピグメントは、前記特定の温度に到達したときに第1の色から第2の色へと遷移し、
前記サーモクロミック要素は、さらに、前記サーモクロミック層(11)が堆積されたキャリア層(13)と、及び紫外線に耐久性があり前記サーモクロミック層と前記キャリア層をカバーする保護層(12)とを有する
ことを特徴とする外装要素。
【請求項2】
前記サーモクロミック層(11)は、前記ピグメントと混合されアクリル樹脂、アクリルコポリマー及びポリウレタンのファミリーから選ばれるバインダーと、ポリカルボン酸塩タイプの分散剤と、ベンゾアートタイプの可塑剤と、グリコール又はエステルのファミリーから選ばれる溶剤とによって構成している硬質なラッカーである
ことを特徴とする請求項1に記載の外装要素。
【請求項3】
前記サーモクロミック層(11)は、前記ピグメントと混合されるバインダーによって構成している軟質なラッカーであり、
前記バインダーは、シリコーン又はポリウレタンのファミリーから選ばれる
ことを特徴とする請求項1に記載の外装要素。
【請求項4】
前記サーモクロミック層(11)は、アクリル樹脂、ポリウレタン又はシリコーンのファミリーから選ばれるバインダーと、ポリカルボン酸塩タイプの分散剤又は解膠剤と、スルホンアミドタイプの可塑剤かつ接着促進剤と、及びグリコール又はエステルのファミリーから選ばれる溶剤とによって構成しているインクである
ことを特徴とする請求項1に記載の外装要素。
【請求項5】
前記保護層(12)は、サファイアガラス、ナノダイヤモンド又はグラフェンで充填されたアクリル酸ガラス、薄いナノダイヤモンド層、及びナノダイヤモンド又はグラフェンで充填されたアクリル系ラッカーからなる群から選ばれる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の外装要素。
【請求項6】
前記保護層(12)は、10W・m-1・K-1よりも大きい熱伝導度を有する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の外装要素。
【請求項7】
前記キャリア層(13)は、100W・m-1・K-1よりも大きい熱伝導度を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の外装要素。
【請求項8】
前記キャリア層(13)は、陽極処理されたアルミニウム、銅、金合金、銀合金、アルミニウム/炭化ケイ素の合金、薄い層状のナノダイヤモンド、薄い層状のグラファイト及びグラフェンからなる群から選ばれる材料によって作られている
ことを特徴とする請求項1に記載の外装要素。
【請求項9】
さらに、挿入体を形成するように様々な層が配置された基材(14)を有する
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の外装要素。
【請求項10】
さらに、前記サーモクロミック層の下に配置された中間層(16)を少なくとも1つ有する
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の外装要素。
【請求項11】
前記中間層(16)は、発光性の層である
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の外装要素。
【請求項12】
前記温度変化に反応するデバイス(200)は、複数のサーモクロミック要素を装備する温度センサーであり、
各サーモクロミック要素は、そのサーモクロミック要素に固有な特定の温度に反応する
ことを特徴とする請求項1に記載の外装要素。
【請求項13】
前記サーモクロミック要素(10)はすべて、同じ第1の色を有する
ことを特徴とする請求項12に記載の外装要素。
【請求項14】
前記サーモクロミック要素(10)はすべて、同じ第2の色を有する
ことを特徴とする請求項12に記載の外装要素。
【請求項15】
前記サーモクロミック要素(10)は、それらがすべて前記第1の色から前記第2の色へと遷移したときにそれらの第2の色によってグラデーションを形成することができる
ことを特徴とする請求項12に記載の外装要素。
【請求項16】
少なくとも1つのサーモクロミック要素(10)を配置することができるように少なくとも1つの凹部(15)が形成されている
ことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の外装要素。
【請求項17】
裏部(106)と風防(108)によって閉じられるミドル部(104)によって形成されるケース(102)を有する着用可能な物であって、
さらに、ストラップ(110)を有し、
さらに、ミドル部、風防、ベゼル、表盤、ストラップ及びクラスプからなる群から選ばれる請求項1〜17のいずれかに記載の外装要素を少なくとも1つ有する
ことを特徴とする着用可能な物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バインダーと、及びサーモクロミックピグメントとによって構成しているサーモクロミック層を有するサーモクロミック要素に関する。このサーモクロミックピグメントは、特定の温度で反応し、その特定の温度に到達すると第1の色から第2の色に遷移するように選ばれる。
【背景技術】
【0002】
温度センサータイプのアプリケーション又は純粋に装飾のためのアプリケーションのためにサーモクロミックピグメントを用いるストラップのような着用可能な物が知られている。用いられる技術の1つは、ロイコ技術である。現在、ロイコシステムの機構は、周知であり、かつ/又は、インク及び/又は塗料において広く用いられているが、塊状のプラスチックにおいても広く用いられている。ピグメントは、実際、以下の3つの化合物を含むマイクロカプセルである:
すなわち、一般的にはスピロノラクトン級から選ばれるpH(イオン発色性)の変化に敏感な染料と、一般的には、ビスフェノールAである、顕色剤としてはたらく弱酸と、及び低融点級の脂肪酸、アミド又はアルコールから選ばれる共溶媒とである。
【0003】
有色の形態から無色の形態への染料の遷移のしきい値を決めるのは、共溶媒の融点である。
【0004】
このシステムの1つの課題は、紫外線(UV)放射に対する感受性が高いことである。このことによって、数十時間よりも長い時間にわたって中断なく紫外線放射に露出されると、ピグメントが速く分解してしまう。
【0005】
この課題を解決するために、紫外線下において染料の劣化を遅くする添加剤を用いることが考えられている。チタン、セリウム又は亜鉛の酸化物をベースとする紫外線吸収剤のような添加剤が知られており、このような既知の吸収剤を塗料やサーモクロミックインクの組成において用いることができると考えられている。
【0006】
しかし、このような紫外線吸収剤には、屈折率が高く、したがって、光散乱係数が高く、これによって、系が不透明になるという課題がある。
【0007】
既知の変種の1つとして、サブミクロンサイズの粒子を用いてその粒子の分散を良くして光学的品質を改善させることができるものがある。
【0008】
別の代替形態として、ヒドロキシベンゾフェノンやリグニンのようなフェノール酸タイプの有機粒子を用いるものがある。
【0009】
これらの添加剤をすべて使用することは、組成を複雑にしてしまい、また、機能的であり美観が良く耐久性が良いという良好な結果を達成することを妨害してしまう。
【0010】
最後の選択肢は、スピン転移錯体によって作られているナノ粒子を用いるものである。このようなナノ粒子のサーモクロミック効果は、米国特許出願US2008/0311401に記載されている。これらは、さらに、紫外線下における安定性が良好である。しかし、特定のナノ粒子には、用いられる錯体に依存して、比較的大きなメモリー効果があるという課題がある。このことによって、温度センサーのアプリケーションにおいて、信頼性が高い温度のインジケーションを達成することが妨げられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、読みやすく信頼性が高く温度の変化のインジケーションを行うことができる着用可能な物を提供することによって、従来技術の前記課題を緩和する外装要素に関する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このために、本発明は、バインダー及びサーモクロミックピグメントによって構成しているサーモクロミック層を有するサーモクロミック要素を伴い、このサーモクロミックピグメントは、特定の温度で反応して、その特定の温度に到達すると第1の色から第2の色へと遷移する。このサーモクロミック要素は、さらに、サーモクロミック層が上に配置されるキャリア層と、及び紫外線に耐久性があり前記サーモクロミック層と前記キャリア層をカバーする保護層とを有する。
【0013】
本発明によって、保護層によって紫外線から保護されつつキャリア層を介して温度の変化に対して反応性が良好であるようなサーモクロミック層を得ることができる。
【0014】
第1の好ましい実施形態において、前記キャリア層は、100W・m-1・K-1よりも大きい熱伝導度を有する。この層によって、温度が変わるときの変色において良好な反応性を達成することができる。
【0015】
第2の好ましい実施形態において、前記サーモクロミック層は、ピグメントと混合され、アクリル樹脂、アクリルコポリマー又はポリウレタンのファミリーから選ばれるバインダーと、ポリカルボン酸塩タイプの分散剤と、ベンゾアートタイプの可塑剤と、及びグリコール又はエステルのファミリーから選ばれる溶剤とによって構成している硬質なラッカーである。
【0016】
第3の好ましい実施形態において、前記サーモクロミック層は、ピグメントと混合されるバインダーによって構成している軟質なラッカーであり、前記バインダーは、シリコーン又はポリウレタンのファミリーから選ばれる。
【0017】
第4の好ましい実施形態において、前記サーモクロミック層は、アクリル樹脂、ポリウレタン又はシリコーンのファミリーから選ばれるバインダーと、ポリカルボン酸塩タイプの分散剤又は解膠剤と、スルホンアミドタイプの可塑剤かつ接着促進剤と、及びグリコール又はエステルのファミリーから選ばれる溶剤とによって構成しているインクである。
【0018】
第5の好ましい実施形態において、前記保護層は、サファイア、ラッカーの形態のナノダイヤモンド又はグラフェン、特に、薄いナノダイヤモンド層、で充填されたアクリル樹脂、及びナノダイヤモンド及び/又はグラフェンのフィラーで充填されたアクリル系ラッカーからなる群から選ばれる。
【0019】
別の好ましい実施形態において、前記保護層は、10W・m-1・K-1よりも大きい熱伝導度を有する。
【0020】
別の好ましい実施形態において、前記キャリア層は、(薄い層、シート又は塊状の形態である)陽極処理されたアルミニウム、銅、金合金、銀合金、アルミニウム/炭化ケイ素の合金、薄い層状のナノダイヤモンド、薄い層状のグラファイト及びグラフェンからなる群から選ばれる材料によって作られている。
【0021】
別の好ましい実施形態において、前記サーモクロミック要素は、さらに、挿入体を形成するように様々な層が配置された基材を有する。
【0022】
別の好ましい実施形態において、前記サーモクロミック要素は、さらに、前記サーモクロミック層の下に配置された中間層を少なくとも1つ有する。
【0023】
本発明は、さらに、第1の材料によって作られた支持構造を有する着用可能な物の外装要素に関する。前記外装要素は、さらに、温度変化に反応するデバイスを少なくとも1つ有する。温度変化に反応するデバイスは、本発明に係るサーモクロミック要素の少なくとも1つによって形成される。
【0024】
別の好ましい実施形態において、前記温度変化に反応するデバイスは、複数のサーモクロミック要素を装備する温度センサーであり、各サーモクロミック要素は、そのサーモクロミック要素に固有な特定の温度に反応する。
【0025】
別の好ましい実施形態において、前記サーモクロミック要素はすべて、同じ第1の色を有する。
【0026】
別の好ましい実施形態において、前記サーモクロミック要素はすべて、同じ第2の色を有する。
【0027】
別の好ましい実施形態において、前記サーモクロミック要素は、それらがすべて前記第1の色から前記第2の色へと遷移したときにそれらの第2の色によってグラデーションを形成することができる。
【0028】
別の好ましい実施形態において、前記外装要素は、少なくとも1つのサーモクロミック要素を配置することができるように少なくとも1つの凹部が形成されている。
【0029】
本発明は、裏部と風防によって閉じられるミドル部によって形成されるケースを有する着用可能な物に関し、この着用可能な物は、さらに、ストラップを有し、さらに、ミドル部、風防、ベゼル、表盤、ストラップ及びクラスプからなる群から選ばれる本発明に係る外装要素を少なくとも1つ有する。
【0030】
例として示している図面を参照しながら以下の説明を読むことによって、このような外装要素の利点が明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明に係る計時器を概略的に示している。
図2】本発明に係る計時器を概略的に示している。
図3】本発明に係るサーモクロミック要素を概略的に示している。
図4】本発明に係るサーモクロミック要素を概略的に示している。
図5】本発明に係る第1の実装例を概略的に示している。
図6】本発明に係る第2の実装例を概略的に示している。
図7】本発明に係るサーモクロミック要素の第1の実装例の変種を概略的に示している。
図8】本発明に係るサーモクロミック要素の第2の実装例の変種を概略的に示している。
図9】本発明に係るサーモクロミック要素を用いる温度センサーとその変種を示している。
図10】本発明に係るサーモクロミック要素を用いる温度センサーとその変種を示している。
図11】本発明に係るサーモクロミック要素を用いる温度センサーとその変種を示している。
図12】本発明に係るサーモクロミック要素を用いる温度センサーとその変種を示している。
図13】本発明に係るサーモクロミック要素を用いる温度センサーとその変種を示している。
図14】本発明に係るサーモクロミック要素を用いる温度センサーとその変種を示している。
図15】本発明に係るサーモクロミック要素を用いる温度センサーとその変種を示している。
図16】本発明に係るサーモクロミック要素を用いる温度センサーとその変種を示している。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、計時器又は腕時計100の外装要素1に関する。
【0033】
図1及び2に示す計時器100は、例えば、腕時計であり、ケース102を有する。このケースは、ミドル部104によって形成され、これは、裏部106と風防108によって、又はさらにはベゼル114によって、閉じられる。計時器は、表盤109とディスプレー手段109aを有することができる。計時器は、さらに、制御手段116を有する。計時器は、さらに、ストラップ110を有する。このストラップ110は、2対のホーン112を介してミドル部に固定される。ストラップは、2つの長さ部分によって構成していることができる。各長さ部分は、1対のホーンによって固定されており、クラスプによって他方の長さ部分に接続される。
【0034】
外装要素は、例えば、計時器のストラップ110、ミドル部104、ベゼル114、風防108、ボタン又は竜頭116、又は表盤109であることができる。外装要素は、金属、セラミックス又はプラスチックによって作ることができる。
【0035】
外装要素1は、サーモクロミック要素10を支えるように構成している。このようなサーモクロミック要素10は、温度に応じて色を変えることができる要素である。サーモクロミック要素10は、一般的には、色が変わるのが見えるように温度に反応するサーモクロミックピグメントを含む。
【0036】
好ましいことに、本発明によると、サーモクロミック要素10は、少なくとも3つの異なる構成要素によって構成している。これらの構成要素は、図3及び4に示すように、層の形態であり、互いの上に重なっている。これらの少なくとも3つの構成要素は、寿命が長い非常に効率的なサーモクロミック要素を得るために用いられる。
【0037】
第1の構成要素は、構成要素Aと呼ぶ構成要素であり、サーモクロミック層11の形態であるという特徴がある。このサーモクロミック層は、ロイコピグメントと呼ばれるピグメントのようなサーモクロミックピグメントによって作られている。すなわち、以下のものを含有するマイクロカプセルによって作られている:
すなわち、一般的にはスピロノラクトン級から選ばれる、pH(イオン発色性)の変化に感受性がある染料と、一般的にはビスフェノールAである、顕色剤としてはたらく弱酸と、及び一般的にはアミド又はアルコールである、融点が低い級の脂肪酸から選ばれる共溶媒とである。
【0038】
また、スピン転移技術を用いるピグメントを用いることもできる。
【0039】
第2の構成要素は、構成要素Bと呼ばれる構成要素であり、保護層12であるという特徴がある。このような保護層12は、少なくとも紫外線に耐久性がある層によって構成している。この層は、光透過性があり、ナノダイヤモンド及び/又はグラフェンで充填されたアクリル樹脂によって作られ光透過性が良好であり熱伝導度が向上している層、又は薄いナノダイヤモンド層であることができる。
【0040】
好ましくは、この構成要素Bの層は、10W・m-1・K-1よりも大きい熱伝導度を有する。
【0041】
この構成要素Bの層の厚みは、10μm〜0.1mmの範囲にわたる。
【0042】
この有利な構成によって、構成要素A、すなわち、サーモクロミックピグメントを含む構成要素、を紫外線から保護することができ、したがって、サーモクロミック要素の寿命を長くすることができる。構成要素Bの層がある程度まで紫外線を吸収するからである。
【0043】
構成要素Cと呼ぶ第3の構成要素は、100W・m-1・K-1よりも大きい熱伝導度を有するキャリア層13の形態である。そして、この構成要素によって形成されるキャリア層13が外装要素1と、サーモクロミックピグメントを含む構成要素Aの層11の間に堆積する。構成要素Aは、構成要素Bによってカバーされる。なお、この層Cによって形成されるフィルムは、構成要素A及びBによって形成されるフィルムの面積よりもわずかに大きい面積を有する。これによって、伝導層が、外装媒体と直接接触し、可能な限り高い効率で、いずれの温度変化を見えるようにすることを確実にする。
【0044】
この構成要素Cは、外装要素の材料に依存して、光透過性であったり非光透過性であったりするように選ぶことができる。特に、風防のような外装要素、すなわち、光透過性である外装要素、においては、光透過性である構成要素Cを用いる。
【0045】
この構成要素Cには、陽極処理されたアルミニウム、金、銀及びこれらのいずれかの合金、及びゾルゲル法を用いて堆積することなどによって作るナノダイヤモンドの薄い層からなる群から選ばれる材料が用いられる。
【0046】
この構成要素Cの層13の厚みは、10μm〜5mmの範囲で変わる。これによって、比較的大きな量のエネルギーを伝達すること、及び/又はこのエネルギーを比較的急速に伝達すること、が可能になる。
【0047】
この層13は、構成要素Cの材料で作られており、外装要素からの熱を熱伝導するように用いられ、したがって、層Aのサーモクロミック要素の変色の反応性を良好にすることができる。
【0048】
第1の実装例において、サーモクロミック要素10は、層を重ねることによって作られる。このようにするために、対応する構成要素A、B及びCの様々な層11、12、13は、10〜100μmの厚みの層の形態であり、そして、サーモクロミック要素は、図5に示すようにスクリーンプリントされたプリントの形態である。
【0049】
これに関連して、構成要素Aの層は、サーモクロミックピグメントを含む層であり、スプレー、ディップコーティング、スクリーンプリント又はスタンプを用いて、均一に堆積する層であることができる。
【0050】
構成要素Bの層は、保護層であり、均一な層を得るために、スクリーンプリント法を用いて、スタンプを用いて、又はスプレー又はディップコーティング法を用いて、堆積した層である。第1の形態において、構成要素Bの層は、硬質なラッカータイプのものであり、以下のものによって構成している:
すなわち、紫外線からの保護剤及び他の添加剤と混合されるバインダーであって、放射線と紫外線に対する耐久性が高いためにアクリル樹脂又はアクリルコポリマーのファミリーから選択することができ、また、耐摩耗性が高いためにポリウレタンバインダーであることができる、バインダーと、ポリカルボン酸塩タイプの分散剤と、ベンゾアートタイプの可塑剤と、グリコール又はエステルタイプの溶剤と、及び高分子が劣化することを避けるためのポリウレタンのための紫外線からの保護剤のような他の添加剤又は構成要素の触覚特性を改善させるフィール剤(ろう、パラフィンろうなど)とによって構成している。
【0051】
第2の形態において、構成要素Bの層は、軟質なラッカータイプであり、紫外線からの保護剤及び他の添加剤と混合されるバインダーによって構成している。このバインダーは、シリコーン又はポリウレタンのファミリーから選ぶことができる。
【0052】
第3の形態において、構成要素Bの層は、インクタイプであり、紫外線に対する高い耐性及び高い光透過性のためにアクリル樹脂のファミリーから、又は高い耐摩耗性のためにポリウレタンのファミリーから選ばれ、あるいはさらにはフレキシブルな基材のためにシリコーンインクから選ばれるバインダーと、ポリカルボン酸塩タイプの分散剤ないし解膠剤と、スルホンアミドタイプの可塑剤かつ接着促進剤と、及びグリコール又はエステルタイプの溶剤とである。
【0053】
構成要素Cの層は、熱伝導度を向上させる層であり、ゾルゲル法を用いて堆積したナノダイヤモンドの薄い層、又はPVD又はPECVD法を用いて堆積した、銅、金又は銀、炭素などの薄い層であることができる。
【0054】
第2の実装例において、サーモクロミック要素10は、図6で示されているように、環状の挿入体を形成するように層を重ねることによって作られる。これをするために、構成要素A及びBの様々な層が厚い層と呼ばれる形態となる。すなわち、これらの層は、基材上に堆積しなければならないインクやラッカーとは対照的に、自身によって支えられる。層Cは、厚いことができ、また、薄いことができる。
【0055】
このことに関連して、構成要素Aの層は、軟質又は硬質の材料の形態である。これは、オーバーモールド、接着結合、リベット結合、ねじ込み、又は他の機械化学的手段によって、他の層と結合する。これは、射出成形又はオーバーモールドによって作られる。この層は、熱可塑性物質(例、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリアミド又はポリメタクリル酸メチルのタイプの樹脂)、熱硬化性物質(例、アクリル樹脂、エポキシ樹脂)、又は熱可塑性エラストマー(例、ポリウレタンタイプの樹脂)であることができる。この樹脂は、あらかじめ以下の物質と混合される:
すなわち、サーモクロミックピグメントと、適合する改質された/グラフトのコポリマータイプの分散剤と、及びベンゾアート又はスルホンアミドタイプの可塑剤とである。
【0056】
また、この層は、ニトリルブタジエン、水素添加されたニトリルブタジエン、フルオロポリマーエラストマーのタイプのエラストマー樹脂又はシリコーンのような加硫ゴムを射出オーバーモールド又は圧縮成形することによって作ることもできる。用いられる加硫プロセスは、選ばれた樹脂に適合するようにされ、また、硫黄のような付加的な元素、及びチウラム、その過酸化物と派生物質のような加硫促進剤を用い、そして随意的に、(シランタイプの)カップリング剤を用いる。
【0057】
構成要素Cの層が熱伝導度が高い金属合金(例、銅合金)の形態であることを思い描くことができる。この場合、この構成要素Cは、他の層と結合する。また、構成要素Cを下側の長手方向の面上におけるプラズマ処理によって作ることを思い描くことができる。
【0058】
この実装例の1つの利点は、温度センサーの最終形状に機械加工することができるサーモクロミック要素を得ることが可能になるということである。これらは容易に扱うことができ、付加される部分に結合することができる。
【0059】
この実装例は、外装要素10に形成された凹部15に関連づけることができ、これらの凹部15が、挿入体の形態であるサーモクロミック要素10を収容するようにはたらくようにする。
【0060】
第1の実装例の1つの変種において、図7に示すように、サーモクロミック要素の様々な層をキャリヤー14上に堆積させることができる。このとき、このキャリヤー14は、ハウジングによってはたらく外装要素の凹部内に配置される。
【0061】
第1及び第2の実装例の1つの変種において、サーモクロミック要素がいくつかの薄い層といくつかの厚い層の混合体によって作られていることを思い描くことができる。このことに関連して、構成要素Aと構成要素Cの層がいわゆる厚い層であることができる。この構成によって、構成要素A及びCの層がサーモクロミック構成要素を包囲する一種のシェルを形成することが可能になる。
【0062】
別の例として、構成要素Cの層が厚い層の形態であり、この厚い層上に構成要素A及び構成要素Bの層が配置されるものがある。これらの構成要素B及び構成要素Aの層は、いわゆる薄い層状である。このことによって、薄い層だけで作られたサーモクロミック要素よりも扱いが容易なサーモクロミック要素を得ることが可能になる。
【0063】
第1及び第2の実装例の1つの変種において、図8に示すように、前記少なくとも1つの中間層16を構成要素Aの層と構成要素Cの層の間に配置することができる。このような層16を付加的効果を得るために用いることができる。1つの有利な例として、光レベルが小さいときにも読みやすくするように、発光性、リン光性又は蛍光性の層を用いるものがある。
【0064】
もちろん、付加的効果を達成するために、他のタイプの中間層(例、金属化された層、色付けされた層、真珠層)を用いることができる。
【0065】
このようにして、このサーモクロミック要素10が各種アプリケーションにおいて用いられる。第1のアプリケーションは、温度スケールを見ることを可能にする温度センサー200を用いる。このアプリケーションにおいて、温度センサー200は、複数のサーモクロミック要素10を有し、その各サーモクロミック要素10は、特定の温度で反応するピグメントを含む。したがって、特定の温度に到達すると、各サーモクロミック要素10は色を変える。
【0066】
温度スケールを得るために、サーモクロミック要素10の特定の温度を、ある要素から別の要素に移るにしたがって増加させたり減少させたりする。したがって、着用可能な物を着用しているユーザーが温度の変化を経験すると、この温度変化に応じてサーモクロミック要素10が色を変えて、このことによって、解釈することが明快な視覚的なインジケーションを得ることができる。これらのサーモクロミック要素10は、互いのすぐ隣りに配置することができ、また、間隔を離して配置することもできる。
【0067】
好ましい変種の1つにおいて、温度スケールを構成しているすべての様々なサーモクロミック要素10の第1の色、すなわち、休み状態のときの色、は同一である。このことは、ある基準温度では、サーモクロミック要素10がすべて同じ色を有することを意味している。
【0068】
別の好ましい変種において、温度スケールを構成している様々なサーモクロミック要素10の第2の色、すなわち、それらの特定のしきい値に到達するときの色、は同一である。このことは、測定可能な最大温度において、サーモクロミック要素10がすべて同じ色を有することを意味している。
【0069】
別の好ましい変種において、温度スケールを構成している様々なサーモクロミック要素10はすべて、同じ第1の色を有するが、グラデーションが形成することができるように、第2の色がすべて同じというようにはならないように作られる。より正確には、サーモクロミック要素10は、温度スケールを形成するときに、まず色を変えるサーモクロミック要素が、最後に色を変えるサーモクロミック要素10よりも第2の色が明るい色であるように設計されている。例えば、第1のサーモクロミック要素10は黄色になり、最後のものは赤くなる。これによって、二重のインジケーションが可能になる:
すなわち、ユーザーは、色が変わったサーモクロミック要素10の数が増えたことによって温度が上昇していることを知るだけではなく、要素の色が変わって暗くなることによって最高温度に近づいていることを知る。
【0070】
したがって、ここではサーモクロミックピグメントが可逆的なタイプであることがわかるであろう。このことは、ピグメントが特定の温度のしきい値に達したり越えたりしたときに、ピグメントが第1の色から第2の色へと遷移するように色を変えることを意味している。しかし、このことは、温度が特定のしきい値よりも下に落ちたときにピグメントが第2の色から第1の色へと戻ることも意味している。
【0071】
図9及び10に示すように、温度センサーのサーモクロミック要素を腕時計のベゼル又は風防上に配置して、そのベゼル又は風防上にて、時円の3時の位置から時円の6時の位置までにわたって又は時円の9時の位置から時円の12時の位置までにわたって、円弧状に延在させることができる。
【0072】
また、図11に示すように、温度センサーがミドル部にわたるようにしたり、図12〜16に示すように、温度センサーが腕時計のストラップにわたるようにすることができる。
【0073】
図12に示す第1のケースにおいて、ストラップ110は、ストラップの2つの長さ部分110aによって構成しており、各長さ部分は、1対のホーン112に固定されており、クラスプ111を介して他方の長さ部分に接続される。好ましくは、ストラップの長さ110aは、ゴム又はプラスチックで作られている。
【0074】
図13に示す第2のケースでは、ストラップは金属又はセラミックスで作られており、そして、ピンによって互いにつながっている複数のリンク110bによって構成している。このことによって、互いに対して回転することができるリンク110bを得ることができる。
【0075】
両方の場合に、サーモクロミック要素は、スクリーン印刷されたり、又は挿入体の形態であってストラップに形成された凹部内に配置されたりすることができる。
【0076】
図14〜16に示す別のケースにおいて、外装要素は、クラスプ111、すなわち、ストラップのデプロイメントバックルである。このようなデプロイメントバックルは、一般的には、互いに対してヒンジ付けされたエクステンダーのような3つの部分111a、111b、111cによって構成している。これらの部分のうちの2つの部分は、1つのリンク又は1つの長さ部分に固定される。これらの部分によってデプロイメントバックル111が作られ、これらの部品どうしが互いに折り重なることができるようにヒンジ付けされるように設計されている。そして、これらの3つの部分111a、111b、111cは、1つにまとまる。この構成によって、ユーザーの手首に腕時計を固定する際に、ストラップの長さを少し大きくすることができる。
【0077】
デプロイメントバックルの特定のモデルにおいて、前記部分の1つがメイン部分111aの役割を果たす。これは2つの他の部分111b、111cを受けるのでメイン部分111aである。このいわゆるメイン部分111aは、外部から見える部分である。したがって、ユーザーは、外部から金属プレートの形態である部分を見ることができる。この金属プレート上には、ブランドの名称のようなインジケーションを彫ることができる。
【0078】
本発明は、温度センサーを支えるためにこの表面を用いる。したがって、デプロイメントバックルの中心部111aのこの表面上にサーモクロミック要素1が配置される。
【0079】
なお、添付の請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱せずに、上記の本発明の様々な実施形態に対して、当業者にとって自明な様々な改変及び/又は改善及び/又は組み合わせを行うことができることを理解することができるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
【国際調査報告】