(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-531491(P2018-531491A)
(43)【公表日】2018年10月25日
(54)【発明の名称】エネルギ蓄積装置用の端子装置
(51)【国際特許分類】
H01M 2/30 2 A20060101AFI20180928 2 C07C 275/
H01M 2/10 2 A20060101ALI20180928 2 C07C 275/
H01M 2/20 2 A20060101ALI20180928 2 C07C 275/
H01M 10/613 2 A20140101ALN20180928 2 C07C 275/
H01M 10/6554 2 A20140101ALN20180928 2 C07C 275/
H01M 10/647 2 A20140101ALN20180928 2 C07C 275/
H01M 10/625 2 A20140101ALN20180928 2 C07C 275/
【FI】
H01M2/30 C
H01M2/10 E
H01M2/20 A
H01M10/613
H01M10/6554
H01M10/647
H01M10/625
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2018-519434(P2018-519434)
(86)(22)【出願日】2016年9月28日
(85)【翻訳文提出日】2018年6月13日
(86)【国際出願番号】EP2016073061
(87)【国際公開番号】WO2017063878
(87)【国際公開日】20170420
(31)【優先権主張番号】62/242,364
(32)【優先日】2015年10月16日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】メフル ボタドゥラ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ショーンハー
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK01
5H040AA01
5H040AA03
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC05
5H040CC33
5H043AA19
5H043AA20
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA04
5H043CA05
5H043CA08
5H043FA04
5H043FA22
5H043FA23
5H043KA35F
5H043LA21F
5H043LA23F
(57)【要約】
バッテリパックは、バッテリセルの2次元アレイ又は3次元アレイを含み、各セルは、ポリゴン(即ち直方体)形状及び「3面1面」端子構成を有する。いくつかの実施形態では、当該端子構成により、隣のセルに対するセルの配向を変更し、接触を維持する圧力を印加するのみで、各セルを、任意の構成において、即ち、直列、並列又は直列並列に、電気的に接続可能である。直方体状のセル形状は、同符号に帯電する(例えば正の)3つの端子をセルの対応する3つの面に設け、反対符号に帯電する(例えば負の)端子をセルの第4の側面に設け、セルの2つの端面の中性電荷を維持することにより達成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリセルであって、
6つの直交する面を有し、前記6つの面は、封止された内部空間を協働して画定している、直方体状のセルケーシングと、
前記内部空間内に配置されており、第1の電気極性に対応する第1の電極及び前記第1の電気極性とは反対の第2の電気極性に対応する第2の電極を含む電極アセンブリと、
前記第1の電極に電気的に接続された第1の端子と、
第2の電極に電気的に接続された第2の端子と、
を含み、
前記第1の端子の一部は、前記セルケーシングの3つの隣接する側面上の、前記セルケーシングの外面に重なるように構成されており、
前記第2の端子の一部は、前記3つの隣接する側面のうち1つに隣接する第4の側面上の、前記セルケーシングの外面に重なる、
バッテリセル。
【請求項2】
直方体状の前記セルケーシングは、立方体状であり、第1の端面と、これに対向する第2の端面と、第1の側面と、前記第1の側面に接する第2の側面と、前記第2の側面に接しかつ前記第1の側面に対向する第3の側面と、前記第3の側面及び前記第1の側面に接しかつ前記第2の側面に対向する第4の側面とを有し、前記第1の側面及び前記第2の側面及び前記第3の側面及び前記第4の側面のそれぞれは、前記第1の端面と前記第2の端面との間に延在しており、
前記第1の端子の前記一部は、前記セルケーシングの前記第1の側面及び前記第2の側面及び前記第4の側面の外面に重なっており、
前記第2の端子の前記一部は、前記セルケーシングの前記第3の側面の外面に重なっている、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項3】
直方体状の前記セルケーシングは、第1の端面と、これに対向する第2の端面と、第1の側面と、前記第1の側面に接する第2の側面と、前記第2の側面に接しかつ前記第1の側面に対向する第3の側面と、前記第3の側面及び前記第1の側面に接しかつ前記第2の側面に対向する第4の側面とを有し、前記第1の側面及び前記第2の側面及び前記第3の側面及び前記第4の側面のそれぞれは、前記第1の端面と前記第2の端面との間に延在しており、
前記第1の端子の前記一部は、前記セルケーシングの前記第1の端面の外面に重なっており、
前記第2の端子の前記一部は、前記第1の側面及び前記第2の端面及び前記第2の側面の外面に重なっている、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項4】
前記バッテリセルは、パウチセルである、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項5】
前記バッテリセルは、角柱形セルである、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項6】
前記バッテリセルは、第1の寸法及び第2の寸法及び第3の寸法を有しており、前記第2の寸法及び前記第3の寸法は、それぞれ前記第1の寸法の偶数倍である、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項7】
前記第1の端子及び前記第2の端子は、導電性材料の細長い条片である、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項8】
前記第1の端子は、前記セルケーシングの3つの側面に巻き付けられた導電性材料の条片を含む、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項9】
前記第1の端子は、前記セルケーシングの外面の形状に適合する導電性材料の条片である、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項10】
前記第1の端子及び前記第2の端子はそれぞれ、内面及び外面を有する導電性帯状体であり、前記第1の端子の内面は、前記第1の側面及び前記第2の側面及び前記第4の側面の一部に面して重なっており、前記第2の端子の内面は、前記第3の側面の一部に面して重なっている、
請求項2に記載のバッテリセル。
【請求項11】
前記セルの少なくとも1つの側面は、電気的に中性となるように構成されている、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項12】
バッテリパックケーシングと前記ケーシング内に配置されたバッテリセルとを含むバッテリパックであって、
前記バッテリセルは、
6つの直交する面を有し、前記6つの面は、封止された内部空間を協働して画定している、直方体状のセルケーシングと、
前記内部空間内に配置されており、第1の電気極性に対応する第1の電極及び前記第1の電気極性とは反対の第2の電気極性に対応する第2の電極を含む電極アセンブリと、
前記第1の電極に電気的に接続された第1の端子と、
前記第2の電極に電気的に接続された第2の端子と、
を含み、
前記第1の端子の一部は、前記セルケーシングの3つの隣接する側面上の、前記セルケーシングの外面に重なるように構成されており、
前記第2の端子の一部は、前記3つの隣接する側面のうち1つに隣接する第4の側面上の、前記セルケーシングの外面に重なっている、
バッテリパック。
【請求項13】
直方体状の前記セルケーシングは、立方体状であり、第1の端面と、これに対向する第2の端面と、第1の側面と、前記第1の側面に接する第2の側面と、前記第2の側面に接しかつ前記第1の側面に対向する第3の側面と、前記第3の側面及び前記第1の側面に接しかつ前記第2の側面に対向する第4の側面とを有し、前記第1の側面及び前記第2の側面及び前記第3の側面及び前記第4の側面のそれぞれは、前記第1の端面と前記第2の端面との間に延在しており、
前記第1の端子の前記一部は、前記セルケーシングの前記第1の側面及び前記第2の側面及び前記第4の側面の外面に重なっており、
前記第2の端子の前記一部は、前記セルケーシングの前記第3の側面の外面に重なっている、
請求項12に記載のバッテリパック。
【請求項14】
直方体状の前記セルケーシングは、第1の端面と、これに対向する第2の端面と、第1の側面と、前記第1の側面に接する第2の側面と、前記第2の側面に接しかつ前記第1の側面に対向する第3の側面と、前記第3の側面及び前記第1の側面に接しかつ前記第2の側面に対向する第4の側面とを有し、前記第1の側面及び前記第2の側面及び前記第3の側面及び前記第4の側面のそれぞれは、前記第1の端面と前記第2の端面との間に延在しており、
前記第1の端子の前記一部は、前記セルケーシングの前記第1の端面の外面に重なっており、
前記第2の端子の前記一部は、前記第1の側面及び前記第2の端面及び第2の側面の外面に重なっている、
請求項12に記載のバッテリパック。
【請求項15】
前記バッテリパックは、前記バッテリパックケーシング内に配置された前記バッテリセルのアレイを含み、各バッテリセルは、前記バッテリパックケーシング内で、第1の端子が隣のバッテリセルの第2の端子に面しかつ前記第2の端子との電気的接続を形成するように配置されている、
請求項12に記載のバッテリパック。
【請求項16】
前記バッテリセルのアレイは、バッテリセルの行及びバッテリセルの列を含むグリッドとして配置されており、
各行は、連続行番号を有し、かつ、n個のセル[nは行内のセル数に対応する整数]を含み、
各行の全てのセルは、奇数番号行及び偶数番号行のうち一方のn番目のセルと、奇数番号行及び偶数番号行のうち他方の第1のセルとを除いて、同じ空間配向を有しており、前記行の全てのセルは直列接続されており、
奇数番号行及び偶数番号行のうち一方のn番目のセルと、奇数番号行及び偶数番号行のうち他方の第1のセルとが、セルの隣の行との電気的接続を形成している、
請求項13に記載のバッテリパック。
【請求項17】
奇数番号行及び偶数番号行のうち一方のn番目のセルと、奇数番号行及び偶数番号行のうち他方の第1のセルとが、同じ行の他のセルの空間配向に対して90°回転させられている、
請求項16に記載のバッテリパック。
【請求項18】
前記バッテリパックケーシングは、ベースプレートと、前記ベースプレートを取り囲む側壁とを含み、セルの1次元アレイが、前記バッテリパックケーシング内に配置されている、
請求項12に記載のバッテリパック。
【請求項19】
セルのアレイは、各セルの第4の側面が前記ベースプレート上に配置され、かつ、冷却プレートが各セルの第1の側面に当接するように、前記バッテリパックケーシング内に配置されている、
請求項18に記載のバッテリパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
1.発明の属する分野
本発明は、エネルギ蓄積装置用、例えばバッテリセル又はバッテリモジュール用の端子装置に関する。ここで、装置は、対向した端面と4つの側面とを有する直方体状のケーシングを有し、一方の端子がケーシングの1つの側面に、他方の端子がケーシングの残余の3つの側面に対応づけられる。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の説明
バッテリパックは、ポータブル電子機器から再生可能電力システム及び環境フレンドリな車両にいたる種々の技術に電力を供給する。例えば、ハイブリッド電気自動車(HEV)は、燃料効率を増大するため、バッテリパックと電気モータとを内燃機関に組み合わせて使用している。バッテリパックは、複数のバッテリモジュールから形成されており、各バッテリモジュールは複数の電気化学セルを含む。各セルは、角柱形セル、円筒形セル及びパウチセルを含む、種々のケーシング構成を有することができる。各セルは、積層体として配置されており、電気的に直列接続又は並列接続されている。同様に、バッテリパック内のバッテリモジュールも、電気的に直列接続又は並列接続されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いくつかの現行の角柱形セルは、セルケーシングの上部に配置された2つの端子を有する。いくつかの現行のパウチセルは、2つの端子を有する。パウチセルの端子が双方ともパウチの1つのエッジに配置されているケースもあるし、パウチセルの各端子がパウチの別個のエッジに配置されている別のケースもある。円筒形セルは、典型的に、円筒形セルケーシングの対向した端面のそれぞれに1つずつ端子を有する。これらの端子構成は、パック内でセルを配向可能な方式を限定する(即ち、端子がパックデザインのオプションを制限する)。付加的に、電流バッテリパックは、(例えばバスバー、ケーブル、ファスナーなどを介した)メカニカルセルツーセル電気的接続、並びに、バッテリパックのセル端子を相互にかつ2次装置及び外部負荷に接続し、回路素子群がコーナー及び障害物を回るようにする接続プロセス(例えばレーザ溶接、超音波溶接など)を使用している。製造及び組付けに用いられるこれらの部品及びプロセスにはコストがかかる。さらに、これらの部品は、バッテリパック内の利用可能空間を大きな割合で消費する。例えば、いくつかのバッテリパックにおいては、活性材料(ここで、活性材料とは、電極アセンブリのアノード、カソード及びセパレータをいう)の体積は、バッテリパック全体積の約33%になる。所定のバッテリパック体積に対するエネルギ出力を高めるため、バッテリパック内の活性材料量を増大可能であることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
いくつかの態様においては、バッテリセルは、6つの直交する面を有し、これら6つの面は、封止された内部空間を協働して画定している、直方体状のセルケーシングと、内部空間内に配置された電極アセンブリとを含む。電極アセンブリは、第1の電気極性に対応する第1の電極及び第1の電気極性とは反対の第2の電気極性に対応する第2の電極を含む。バッテリセルは、第1の電極に電気的に接続された第1の端子と、第2の電極に電気的に接続された第2の端子とを含む。第1の端子の一部は、セルケーシングの3つの隣接する側面上の、セルケーシングの外面に重なるように構成されており、第2の端子の一部は、3つの隣接する側面のうち1つに隣接する第4の側面上の、セルケーシングの外面に重なっている。
【0005】
バッテリセルは、次の特徴のうち1つ又は複数を含むことができる。直方体状のセルケーシングは、立方体状であり、第1の端面と、第1の端面に対向する第2の端面と、第1の側面と、第1の側面に接する第2の側面と、第2の側面に接しかつ第1の側面に対向する第3の側面と、第3の側面及び第1の側面に接する第4の側面とを有する。第4の側面は、第2の側面に対向する。第1の側面及び第2の側面及び第3の側面及び第4の側面のそれぞれは、第1の端面と第2の端面との間に延在する。第1の端子の一部は、セルケーシングの第1の側面及び第2の側面及び第4の側面の外面に重なり、第2の端子の一部は、セルケーシングの第3の側面の外面に重なる。第1の端子の一部は、セルケーシングの第1の端面の外面に重なり、第2の端子の一部は、第1の側面及び第2の端面及び第2の側面の外面に重なる。バッテリセルはパウチセルである。バッテリセルは角柱形セルである。バッテリセルは、第1の寸法及び第2の寸法及び第3の寸法を有し、第2の寸法及び第3の寸法はそれぞれ第1の寸法の偶数倍である。第1の端子及び第2の端子は、導電性材料の細長い条片である。第1の端子は、セルケーシングの3つの側面に巻き付けられた導電性材料の条片を含む。第1の端子は、セルケーシングの外面の形状に適合する導電性材料の条片である。第1の端子及び第2の端子はそれぞれ、内面及び外面を有する導電性帯状体であり、第1の端子の内面は、第1の側面及び第2の側面及び第4の側面の一部に面して重なり、第2の端子の内面は、第3の側面の一部に面して重なる。セルの少なくとも1つの側面は、電気的に中性となるように構成される。
【0006】
いくつかの態様においては、バッテリパックは、バッテリパックケーシングとこのケーシング内に配置されたバッテリセルとを含む。バッテリセルは、6つの直交する面を有し、これら6つの面は、封止された内部空間を協働して画定している、直方体状のセルケーシングと、内部空間内に配置されており、第1の電気極性に対応する第1の電極と第1の電気極性とは反対の第2の電気極性に対応する第2の電極とを含む電極アセンブリとを含む。バッテリセルは、第1の電極に電気的に接続された第1の端子と、第2の電極に電気的に接続された第2の端子とを含む。第1の端子の一部は、セルケーシングの3つの隣接する側面上の、セルケーシングの外面に重なるように構成されており、第2の端子の一部は、3つの隣接する側面のうち1つに隣接する第4の側面上の、セルケーシングの外面に重なる。
【0007】
バッテリパックは、次の特徴のうち1つ又は複数を含むことができる。直方体状のセルケーシングは、立方体状であり、第1の端面と、第1の端面に対向する第2の端面と、第1の側面と、第1の側面に接する第2の側面と、第2の側面に接しかつ第1の側面に対向する第3の側面と、第3の側面及び第1の側面に接する第4の側面とを有する。第4の側面は、第2の側面に対向する。第1の側面及び第2の側面及び第3の側面及び第4の側面のそれぞれは、第1の端面と第2の端面との間に延在する。第1の端子の一部は、セルケーシングの第1の側面及び第2の側面及び第4の側面の外面に重なり、第2の端子の一部は、セルケーシングの第3の側面の外面に重なる。第1の端子の一部は、セルケーシングの第1の端面の外面に重なり、第2の端子の一部は、第1の側面及び第2の端面及び第2の側面の外面に重なる。バッテリパックは、バッテリパックケーシング内に配置されたバッテリセルのアレイを含み、各バッテリセルは、第1の端子が隣のバッテリセルの第2の端子に面しかつこの第2の端子との電気的接続を形成するように、バッテリパックケーシング内に配置される。バッテリセルのアレイは、バッテリセルの行及びバッテリセルの列を含むグリッドとして配置されており、各行は、連続行番号を有し、かつ、n個のセル[nは行内のセル数に対応する整数]を含み、各行の全てのセルは、奇数番号行及び偶数番号行のうち一方のn番目のセルと、奇数番号行及び偶数番号行のうち他方の第1のセルとを除いて、同じ空間配向を有し、当該行の全てのセルは直列接続され、奇数番号行及び偶数番号行のうち一方のn番目のセルと、奇数番号行及び偶数番号行のうち他方の第1のセルとが、セルの隣の行との電気的接続を形成する。奇数番号行及び偶数番号行のうち一方のn番目のセルと、奇数番号行及び偶数番号行のうち他方の第1のセルとは、同じ行の他のセルの空間配向に対して90°回転させられる。バッテリパックケーシングは、ベースプレートと、このベースプレートを取り囲む側壁とを含み、セルの1次元アレイがバッテリパックケーシング内に配置される。セルのアレイは、各セルの第4の側面がベースプレート上に位置し、かつ、冷却プレートが各セルの第1の側面に当接するように、バッテリパックケーシング内に配置される。
【0008】
角柱形セルの「3面1面」端子構成により、(例えばバスバー、ケーブル、ファスナーなどを介した)メカニカルセルツーセル電気的接続及び接続プロセス(例えばレーザ溶接、超音波溶接など)の除去又は省略が可能となる。これは、同符号に帯電する(例えば正の)3つの端子と、反対符号に帯電する(例えば負の)1つの端子とを直交セルの周辺に配向し、残余の2つのケーシング面上で中性電荷を維持することにより、達成される。3面1面端子構成により、隣のセルに対するセルの配向を変更し、接触を維持する圧力を印加するのみで、各セルを、電気的に他の構成において、即ち、直列接続、並列接続又は直列並列接続することができる。いくつかの実施形態においては、立方体セル構造を使用することにより、接続すべきセルを多層構成にすることもできる。
【0009】
3面1面端子構成は、6つの直交する面(上面、底面及び4つの側面)が存在する直交セルデザインを有するセルを含む。こうしたセルを利用するバッテリシステムは、高電流接続、電圧、温度及び他の測定機能に対する位置としての側面に取り付けられた端子を使用する。3つの側面は、集電子、アノード又はカソードがセルケーシングを出る箇所で接続される薄い幅広の導電性条片の形態の端子を介して電気的に接続されている。残余の側面には、薄い幅広の別の導電性条片の形態の端子が残余の集電子に接続されている。2つの端子は、接着剤又は接着条片を介してセルケーシングに接着可能である。各セルは、側面同士を組み合わせて接触させるのみで接続可能であり、これによって、一連の並列接続が形成される。また、セルアレイ内に形成される回路は、アレイの特定のセルをストラテジに沿って配向することにより、左方、右方、上方又は下方のコーナーを回ることができる。
【0010】
3面1面端子構成により、外部の電流輸送部品なしで、上述した関連する回路素子群の全てではないにせよ多くを完成させる手段が得られる。セル端子自体が電流輸送装置として機能し、付加的なハードウェアの必要が省略される。また、パック内の各セルを任意に配向することができ、デザインオプションが拡大される。3面1面端子構成により、次のような1つ又は複数の利点を提供可能である。即ち、バスバー、ケーブル、溶接及び結合プロセスが低減されるか省略される。バッテリパック内の材料のパッケージング密度が20%乃至40%高まる。バッテリパックのエネルギ密度が増大する。バッテリパックの完成に、唯一のセル部材番号しか必要ない。部材数、部材番号、組立プロセス、材料、重量(25%まで)及び全体コストが低減されることにより、バッテリパックの複雑性が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】それぞれ3面1面端子構成を有する角柱形セルのアレイを含むバッテリパックの部分分解斜視図である。
【
図2】
図3の2−2線で切断して見た
図1の角柱形セルの概略断面図である。
【
図3】
図1の角柱形セルの第1の側面及び第2の側面の斜視図である。
【
図4】
図1の角柱形セルの第2の側面及び第3の側面の斜視図である。
【
図5】
図1の角柱形セルの第3の側面及び第4の側面の斜視図である。
【
図6】
図1の角柱形セルの第4の側面及び第1の側面の斜視図である。
【
図9】バッテリパックの、
図8の破線囲みで示された部分の拡大図である。
【
図10】セルアレイを通る直流電流路を表す矢印がマークされた、蓋を外したバッテリパックの上面図である。
【
図11】代替的な角柱形セルの第1の側面及び第2の側面の斜視図である。
【
図12】別の代替的な角柱形セルの第2の側面及び第3の側面の斜視図である。
【
図13】さらに別の代替的な角柱形セルの第2の端面の斜視図である。
【
図16】バッテリパック内で組み合わせられた場合の、
図13の構成のセルアレイである。
【
図17】
図13の構成のセルを含む、蓋を外したバッテリパックケーシングの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
図1乃至
図6によれば、電力の供給に使用されるバッテリパック1は、電気的に相互接続され、かつ、バッテリパックケーシング2内に編成された状態で配置された、電気化学セル20を含む。各セル20は電極アセンブリ60を含むリチウムイオンセルであり、電極アセンブリ60は、セルケーシング21内に電解質とともに封入され、電力形成蓄積ユニットを形成している。いくつかの実施形態においては、セル20のグループを結束して、バッテリパックケーシング2内に収容される(図示されていない)バッテリモジュールを形成可能である。ただし、図示の実施形態においては、各セル20は、モジュールとして結束されてはおらず、代わりにバッテリパックケーシング端子6,7に直接に電気的に接続されている。バッテリモジュール内及び/又はバッテリパックケーシング2内では、セル20は、後述するように、電気的に直列接続又は並列接続されている。
【0013】
セル20は、金属ラミネートフィルムから形成されたパウチタイプのセルケーシング21を含む。セルケーシング21は直方体状である。図示の実施形態においては、セルケーシング21は立方体状であり、直交する6つの面を有する。これらの面は、第1の端面22、第1の端面22に対向する第2の端面23、第1の側面24、第1の側面24に接する第2の側面25、第2の側面25に接しかつ第1の側面24に対向する第3の側面26、並びに、第3の側面26及び第1の側面24に接しかつ第2の側面25に対向する第4の側面27を有する。第1の側面24、第2の側面25、第3の側面26及び第4の側面27のそれぞれは第1の端面22と第2の端面23との間に延在し、6つの面が、電極アセンブリ60によって占有される封止された内部空間を協働して画定している。
【0014】
電極アセンブリ60は、一連の正電極プレート61と負電極プレート62とを(図示されていない)中間セパレータプレートによって分離しつつ交互に積層した積層体を含む。電極プレートは、セルの全体厚さ(例えば数十ミリメートルから数百ミリメートルの厚さを有する)に比較してきわめて薄い(例えば約0.095mmから0.145mmまでのオーダーの厚さを有する)ため、
図2においては、概略的にしか示されていない。正電極プレート61、負電極プレート62及びセパレータプレートは、第1の端面22及び第2の端面23に対して平行に配向されている。
【0015】
第1の端子80の内側部分81は、正電極プレート61に電気的に接続されており、第2の端子90の内側部分91は、負電極プレート62に電気的に接続されている。第1の端子80及び第2の端子90は、導電性材料、例えば銅又はアルミニウム製の薄い条片又は帯状体である。ここで使用されているように、「薄い条片」なる語は、材料厚さが材料幅及び材料長さに比較してきわめて小さく、材料幅が材料長さに比較して小さい、細長い形状をいう。第1の端子80及び第2の端子90は、手動で可鍛な程度に充分に薄い。第1の端子の内側部分81は、電極アセンブリ60とケーシングの第1の側面24との間に配置されている。第2の端子の内側部分91は、第1の端子の内側部分81に対する電極アセンブリ60の反対面、即ち、電極アセンブリ60とケーシングの第3の側面26との間に配置されている。第1の端子80及び第2の端子90は、封止状態のセルケーシング21の第1の端面22を通っている。
【0016】
セルケーシング21の外側では、第1の端子80が、内側部分81に接続された近端とその反対側の遠端とを有する脚部82を含む。また、第1の端子80は、脚部82の遠端に形成された帯状部分84を含む。脚部82及び帯状部分84は、帯状部分84が帯状部分83を横断する方向に延在する「T字状」構成で配置されている。第2の端子90は、セルケーシング21の外側に配置された脚部92を含む。脚部92は、内側部分91に接続された近端を有するが、その遠端側に横断する帯状体を有さない。
【0017】
第1の端子80の脚部82は、第1の側面24に沿って第1の端面22を通り、第1の端面22への法線方向で突出し、脚部82が第1の側面24に重なるように第1の側面24へ折り曲げられる。脚部82は、第1の側面24のほぼ中央部に少なくとも重なる充分な長さを有する。帯状部分84は、セルケーシング21に密に重なりかつその形状に適合するように、セルケーシング21の周のまわりに折り曲げられる。帯状部分84は、帯状部分83が第1の側面24に沿って延在して第2の側面25及び第4の側面27に巻き付けられてその中央部に重なり得るのに充分な長さを有する(
図3及び
図6)。即ち、帯状部分84は、セルケーシング21の3つの側面に重なる。
【0018】
第2の端子90の脚部92は、第3の側面26に沿って第1の端面22を通り、第1の端面22への法線方向で突出し、第3の側面26に重なるようにその上に折り曲げられる。脚部92は、第3の側面26のほぼ中央部に重なる充分な長さを有する(
図4及び
図5)。
【0019】
セルケーシング21の第1の端面22又は第2の端面23には、第1の端子80又は第2の端子90のいずれの部分も重ならず、セルケーシング21の第1の端面22及び第2の端面23はそれぞれ電気的に中性である。
【0020】
いくつかの実施形態においては、導電性材料の剛性は、第1の端子80及び第2の端子90を上述したセルケーシング21に対する折曲構成において保持するのに充分である。いくつかの実施形態においては、第1の端子80及び第2の端子90は、例えば接着剤又は他の技術を用いて、セルケーシング21の外面に固定される。
【0021】
上述した第1の端子80及び第2の端子90の構成から、付加的な機械的構造及び/又は接合プロセスなしに、電気的に相互接続可能なセル20のアレイを許容する「3面1面」配置が提供される。なぜなら、隣り合うセル20を空間配向及び位置決めするのみで、これらの隣り合うセル20間に電気的接続を形成可能であり、これにより反対極性の端子が相互に向かい合って接触するからである。反対極性の端子同士を直接に物理的に接触させることにより、これらの端子間の電気的接続が生じる。複数のセル20は、セル20のアレイをセル配向の適切な組み合わせで配置することにより、直列、並列又はこれらの組み合わせで配置可能である。付加的に、アレイの特定のセル20を適切に配向することにより回路パスがコーナーを回るように、この回路パスを形成可能である。
【0022】
図1及び
図7乃至
図10には、直列配置のセル20のアレイを含むバッテリパック1の例示的実施形態が示されており、これを以下に説明する。
【0023】
バッテリパックケーシング2は、ベースプレート3と、このベースプレート3に結合される一端を有しかつこのベースプレート3の周を取り囲む側壁4とを含む。バッテリパックケーシング2はまた、側壁4の反対端部に取り外し可能に結合された蓋5を含む。バッテリパック1は、側壁4の第1の側壁部分4a上に支持され、かつ、これを通って延在する正のバッテリパック端子6と負のバッテリパック端子7とを含む。
【0024】
バッテリセル20のアレイは、各セル20の例えば第2の端面22がバッテリパックケーシング2のベースプレート3に面するように、バッテリパックケーシング2内に配置されている。各セル20は、バッテリセル20の行R1,R2,R3,R4と列C1,C2,C3,C4,C5とを含むグリッドパターンで配置されている。各行R1,R2,R3,R4は連続行番号を有し、n個のセル20[nは当該行のセル20の数に対応する整数]を含む。図示の実施形態においては、nは5である。隣り合うセル20の電気的な直列接続を達成するために、各行R1,R2,R3,R4の全てのセル20は、所定の行の端に配置された1つのセル20を除き、同じ空間配向を有する。例えば、奇数番号行R1,R3のn番目のセル20(n)と、偶数番号行R2,R4の第1のセル20(1)とは、同じ行の残余のセル20とは異なる空間配向を有する。所定の行の端の1つのセルの配向は、当該行の残余のセルの配向とは異なるので、隣の行との電気的な直列接続の形成が可能となる。
【0025】
図示の実施形態においては、奇数番号行R1,R3の各セル20は、第1のセル20(1)から(n−1)番目のセル20(n−1)の第1の側面24が側壁4の第1の側壁部分4aに面するように配置されている。結果として、第1の行R1の第1のセル20(1)の第1の端子80は、正のバッテリパック端子6に当接し、これとの電気的接続を形成している。さらに、第1のセル20(1)から(n−1)番目のセル20(n−1)の第2の端子90は、当該行の隣のセルの第1の端子80に当接し、これとの電気的接続を形成している。奇数番号行R1,R3のn番目のセル20(n)は、当該n番目のセル20(n)の第2の側面25が側壁4の第1の側壁部分4aに面し、これにより第1の端子80が(n−1)番目のセル20(n−1)の第2の端子90との電気的接続を形成するように、同じ行の残余のセルに対して90°回転させられている。さらに、奇数番号行では、n番目のセル20(n)の第3の側面26が隣の行のn番目のセル20(n)の第2の側面25に面し、これによりn番目のセル20(n)の第2の端子90が隣の行(次行)のn番目のセル20(n)との電気的接続を形成している。
【0026】
偶数番号行R2,R4の第2のセル20(2)からn番目のセル20(n)は、当該第2のセル20(2)からn番目のセル20(n)の第3の側面26が側壁4の第1の側壁部分4aに面するように、配置されている。第2のセル20(2)からn番目のセル20(n)のこうした配向により、偶数番号行R2,R4のn番目のセル20(n)が隣の行(前行)のn番目のセル20(n)との電気的な直列接続を形成することができる。こうした配向によって、第2のセル20(2)からn番目のセル20(n)の第2の端子90は、当該行の隣のセルの第1の端子80に当接し、これとの電気的接続を形成する。偶数番号行R2,R4の第1のセル20(1)は、第2の側面25が側壁4の第1の側壁部分4aに面し、かつ、第3の側面26が隣の行(次行)に面し、これにより当該第1のセル20(1)の第2の端子90が隣の行(次行)の第1のセル20(1)との電気的接続を形成するように、同じ行の残余のセルに対して90°回転させられている。
【0027】
隣り合うセル20間の電気的接続は、1つのセルの第1の端子80が隣のセル20の第2の端子90に接触し、これと電気的接続を形成することによって保証される。いくつかの実施形態においては、行のセル20とバッテリパックケーシング2の側壁4との間に弾性部材13を設けることにより、セルの行に沿った圧縮力が得られる。例えば、波型ばね13を各行R1,R2,R3,R4の一方端又は双方端に配置し、当該行の隣り合うセル20間の正の接触を保証することができる。同様に、波型ばね13を各列C1,C2,C3,C4,C5の一方端又は双方端に配置して、当該列の隣り合うセル20間の正の接触を保証することができる。
【0028】
図示の実施形態においては、最後の行は第4行、例えば偶数番号行である。しかし、直列接続のセルアレイを、側壁4の第1の側壁部分4aに配置された負のバッテリパック端子7に接続するために、行R4の第1のセル20(1)が行R4の残余のセル20と同じ空間配向を有してもよい。このために、最後の行の第1のセル20(1)は、当該第1のセル20(1)の第2の端子90が負のバッテリパック端子7に当接してこれとの電気的接続を形成し、当該第1のセル20(1)の第1の端子80が同じ行R4の第2のセル20(2)との電気的接続を形成するように配向されている。
【0029】
電気絶縁性シート11は、セル20とバッテリパックケーシング2との間、及び、セル20のアレイを通る直列導電路の短絡防止に適するように、行端を除く隣り合うセルの行間に配置される。
【0030】
また、バッテリパックは、各セルのステータスの監視を可能にするセンサリードハーネス10を含んでもよい。センサリードハーネス10は、バッテリパックケーシング2内又は外部位置に配置可能な(図示されていない)バッテリシステムコントローラに接続可能である。
【0031】
セル20は、立方体状のセルケーシング21を有するが、セルケーシング21は、立方体状に限定されない。例えば、セルケーシング21の形状は、直方体状であってもよい。
図11に示されている代替実施形態においては、セルケーシング21’は、細長い第1の側面24’及び第3の側面26’及び第1の端面22’及び第2の端面23’と、正方形の第2の側面25’及び第4の側面27’とを有する。
図12に示されている別の代替実施形態においては、セルケーシング21’’の側面24’’,25’’,26’’,27’’が細長く、第1の端面22’’及び第2の端面23’’が正方形である。セルケーシング21の形状が直方体状である場合、セルケーシング21の第1の寸法(即ち、長さ)及び第2の寸法(即ち、幅)がそれぞれセルケーシング21の第3の寸法(即ち、高さ)の偶数倍となるように面寸法を設定することにより、2次元アレイ及び3次元アレイとしてのセル20の密な積層及びパッケージングが可能となる。さらに別の代替実施形態においては、セルケーシング21は、例えば(図示されていない)六角状に配置された側面を有する八面体構造のような密なパッケージングを可能にする別のポリゴン形状を有してもよい。
【0032】
図13乃至
図15によれば、代替実施形態のセル120は、金属ラミネートフィルムから形成されるパウチタイプのセルケーシングであるセルケーシング121を含む。セルケーシング121は、直方体状である。セルケーシング121は、従来の角柱形セルケーシングの比と類似の比を有する。特に、セル長さ、セル幅及びセル高さがそれぞれ異なる寸法であるため、セルケーシング121の各側面は細長い。セルケーシング121は、第1の端面122、第1の端面122に対向する第2の端面123、第1の側面124、第1の側面124に接する第2の側面125、第2の側面125に接しかつ第1の側面124に対向する第3の側面126、並びに、第3の側面126及び第1の側面124に接しかつ第2の側面125に対向する第4の側面127を有する、直交する6つの面を有する。第1の側面124,第2の側面125、第3の側面126及び第4の側面127のそれぞれは、第1の端面122と第2の端面123との間を延在しており、6つの面が、電極アセンブリ60によって占有される封止された内部空間を協働して画定している。第1の端面122及び第2の端面123は第2の側面125及び第4の側面127より大きな面積を有し、第2の側面125及び第4の側面127は第1の側面124及び第3の側面126より大きな面積を有する。
【0033】
先の実施形態と同様に、電極アセンブリ60が電解質とともにセルケーシング121内に封入され、これにより電力形成蓄積ユニットが形成される。電極アセンブリ60の正電極プレート61、負電極プレート62及び(図示されていない)セパレータプレートは、第1の端面122及び第2の端面123に対して平行に配向されている。
【0034】
第1の端子180の内側部分181は正電極プレート61に電気的に接続されており、第2の端子190の内側部分191は負電極プレート162に電気的に接続されている。第1の端子180及び第2の端子190は、導電性材料、例えば銅又はアルミニウム製の薄い条片又は薄い帯状体である。ここで使用されているように、「薄い条片」なる語は、材料厚さが材料幅及び材料長さに比較してきわめて小さく、材料幅が材料長さに比較して小さい、細長い形状をいう。第1の端子180及び第2の端子190は、手動で可鍛な程度に充分に薄い。
【0035】
第1の端子の内側部分181は、電極アセンブリ60とケーシングの第3の側面126との間に配置されている。第2の端子の内側部分191は、第1の端子の内側部分181に対する電極アセンブリ60の反対面、即ち、電極アセンブリ60とケーシングの第1の側面124との間に配置されている。第1の端子180及び第2の端子190は、封止状態のセルケーシング121の第1の端面122を通っている。
【0036】
第1の端子180は、第3の側面126に沿って第1の端面122を通り、第1の端面122への法線方向で突出し、脚部182が第1の端面122に重なるように第1の端面122の外面上に折り曲げられている。脚部182は、第1の端面122のほぼ中央部に少なくとも重なる充分な長さを有する。図示の実施形態においては、脚部182は第3の側面126近くまで延在している。
【0037】
第2の端子190は、第1の側面124に沿って第1の端面122を通り、第1の端面122への法線方向で突出し、第1の側面124の外面上に折り曲げられている。第2の端子190は、第1の側面124に重なり、さらに第2の端面123のほぼ中央部に少なくとも重なる充分な長さを有する。特に、第2の端子190は、第1の側面124に重なる第1の脚部192と、第2の端面123に重なるように第1の脚部192に対して直角に配向された第2の脚部194とを含む。
【0038】
第1の端子180は、脚部182から突出し、ケーシングの第2の側面125の部分上に折り曲げられた、第1のタブ186を含む。このため、第1の端子180は、セルケーシング121の2つの側面(例えば第1の端面122及び第2の側面125)に重なっている。さらに、第2の端子190は、第2の脚部194から突出し、ケーシングの第2の側面125の部分上に折り曲げられた、第2のタブ196を含む。このため、第2の端子190は、セルケーシング121の3つの側面(例えば第1の側面124、第2の端面123及び第2の側面125)に重なっている。第1のタブ186及び第2のタブ196は、第1の側面124と第3の側面126との間の中ほどに、第2の側面125に沿って配置されており、第1のタブ186と第2のタブ196との間に空隙が生じるように相互に離間されている。
【0039】
ケーシングの第4の側面127には第1の端子180及び第2の端子190のいずれの部分も重ならず、ケーシングの第4の側面127は電気的に中性である。
【0040】
いくつかの実施形態においては、第1の端子180及び第2の端子190の形成に用いられる導電性材料の剛性は、第1の端子180及び第2の端子190をセルケーシング121に対する上述した折曲構成において保持するのに充分である。いくつかの実施形態においては、第1の端子180及び第2の端子190は、例えば接着剤又は他の技術を用いて、セルケーシング121の外面に固定される。
【0041】
図16によれば、第1の端子180及び第2の端子190の上述した構成から、付加的な機械的構造及び/又は結合プロセスなしに、電気的な相互接続が可能なセル120のアレイの「3面1面」配置が提供される。なぜなら、隣り合うセル120を空間配向及び位置決めするのみでこれらの隣り合うセル120間に電気的接続を形成可能であり、これにより、反対極性の端子が相互に向かい合って接触するからである。反対極性の端子同士を直接に物理接触させることにより、これらの端子間の電気的接続が生じる。複数のセル120は、セル120を1×nアレイに配置することによって直列に配置可能である。例えば、
図16に示されている実施形態においては、セル120は、バッテリパック2での使用に適するように、1×14アレイで配置されている。
【0042】
図17によれば、アレイにおいて、各セルの第4の側面127がバッテリパックケーシングのベースプレート3上に位置している。さらに、各セル120は、1つのセルの第2の端面123が隣のセルの第1の端面122に面しかつ当接するように配置されている。このため、1つのセル120の第2の端子190の第2の脚部194は、隣のセル120の第1の端子180の脚部182に当接し、かつ、これとの電気的接続を形成する。アレイにおいて、セルの第1の側面124はコプレーナ面である。第2の端子190の第1の脚部192がセルの第1の側面124に重なっているので、セルケーシングの第1の側面124に沿って、各セル120の第1の脚部192に接触するように、冷却プレート200を配置することができる。いくつかの実施形態においては、冷却プレート200は、各第2の端子190に溶接可能である。冷却プレート200は、負電極プレート62と冷却プレート200との間の第2の端子190を介した直接の熱伝導路により、セル120の高効率の冷却を提供可能である。
【0043】
アレイにおいては、セルの第2の側面125もコプレーナ面である。端子のタブ186,196がセルの第2の側面125に重なっているので、セル監視センサ(
図16に長方形囲みで概略的に示されている)及び/又はバッテリ管理制御回路は、タブ186,196に容易に接触してこれらとの電気的接続を形成可能である。
【0044】
図示の実施形態には「積層」電極アセンブリを含むパウチタイプのリチウムイオンセル2が含まれているが、セル2はこのセルケーシングタイプ及び/又は電極構成に限定されない。例えば、セル2は角柱形ケーシングを有し、「ジェリーロール」電極アセンブリを含むことができる。別の例として、セル2がパウチタイプのケーシングを有し、「折曲」電極アセンブリを含んでもよい。さらに別の例として、セル2がパウチタイプのケーシングを有し、「ジェリーロール」電極アセンブリを含んでもよい。
【0045】
図示の実施形態においては、第1の端子80,180が正電極プレート61に接続されており、第2の端子90,190が負電極プレート62に接続されている。ただし、第1の端子80を負電極プレート62に接続可能であり、第2の端子90を正電極プレート61に接続可能な構成も考えられる。
【0046】
図示の実施形態においては、端子80,90,180,190は、セルケーシング21がその配向に基づく種々の電気的接続を形成することができるように、セルケーシングの外面にストラテジにしたがって配置されている。ただし、端子を使用せずに同じ効果を達成するために、セルケーシング21のストラテジ部分を直接に正電極61及び負電極62に接続することもできる。例えば、セルケーシングの第1の側面、第2の側面及び第4の側面を直接に正電極に接続可能であり、セルケーシングの第3の側面を直接に負電極に接続することもできる。即ち、セルケーシング21の側面24,25,26,27は、端子80,90,180,190の機能を実行し、隣のセルとの電気的接続を形成することができる。
【0047】
図示の実施形態においては、バッテリ1は、4行R1,R2,R3,R4、5列C1,C2,C3,C4,C5のセル20の2次元アレイを含む。ただし、バッテリパック1は2次元アレイに限定されず、代替的にセル20の3次元アレイを収容してもよい。さらに、アレイ内に設けられる行列数は4行5列に限定されず、むしろ、行列の数は、特定用途の出力及び必要スペース、並びに、アレイ形成に用いられるセル20の寸法及び形状によって少なくとも部分的に定められる。
【0048】
図示の実施形態においては、3面1面端子配置はセルケーシング上で実現され、これにより、隣り合うバッテリセル20間の電気的な相互接続が可能となる。ただし、代替的に、3面1面端子配置を他のタイプのエネルギ蓄積装置、例えば、これに限定されるものではないがバッテリモジュールで実現することができ、これにより隣り合うバッテリモジュール間の電気的な相互接続が可能となる。
【0049】
バッテリセル及びセルケーシングの例示的な選択実施形態を上で詳しく説明した。ここでは、本発明の装置の明確化に必要と考えられる構造のみを説明したことを理解されたい。他の従来の構造及びバッテリシステムの補助的かつ付加的な部品は周知であって当業者に理解されているものとする。さらに、バッテリセル及びバッテリセルケーシングの動作例も上で説明したが、バッテリセル及び/又はバッテリセルケーシングは上で説明した動作例に限定されず、特許請求の範囲に記載した装置からの逸脱なしに種々の設計変更を実行可能である。
【手続補正書】
【提出日】2018年7月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリセルであって、
6つの直交する面を有し、前記6つの面は、封止された内部空間を協働して画定している、直方体状のセルケーシングと、
前記内部空間内に配置されており、第1の電気極性に対応する第1の電極及び前記第1の電気極性とは反対の第2の電気極性に対応する第2の電極を含む電極アセンブリと、
前記第1の電極に電気的に接続された第1の端子と、
前記第2の電極に電気的に接続された第2の端子と、
を含み、
前記第1の端子の一部は、前記セルケーシングの3つの隣接する側面上の、前記セルケーシングの外面に重なるように構成されており、
前記第2の端子の一部は、前記3つの隣接する側面のうち1つに隣接する第4の側面上の、前記セルケーシングの外面に重なる、
バッテリセル。
【請求項2】
直方体状の前記セルケーシングは、立方体状であり、第1の端面と、前記第1の端面に対向する第2の端面と、第1の側面と、前記第1の側面に接する第2の側面と、前記第2の側面に接しかつ前記第1の側面に対向する第3の側面と、前記第3の側面及び前記第1の側面に接しかつ前記第2の側面に対向する第4の側面とを有し、前記第1の側面及び前記第2の側面及び前記第3の側面及び前記第4の側面のそれぞれは、前記第1の端面と前記第2の端面との間に延在しており、
前記第1の端子の前記一部は、前記セルケーシングの前記第1の側面及び前記第2の側面及び前記第4の側面の外面に重なっており、
前記第2の端子の前記一部は、前記セルケーシングの前記第3の側面の外面に重なっている、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項3】
直方体状の前記セルケーシングは、第1の端面と、前記第1の端面に対向する第2の端面と、第1の側面と、前記第1の側面に接する第2の側面と、前記第2の側面に接しかつ前記第1の側面に対向する第3の側面と、前記第3の側面及び前記第1の側面に接しかつ前記第2の側面に対向する第4の側面とを有し、前記第1の側面及び前記第2の側面及び前記第3の側面及び前記第4の側面のそれぞれは、前記第1の端面と前記第2の端面との間に延在しており、
前記第1の端子の前記一部は、前記セルケーシングの前記第1の端面の外面に重なっており、
前記第2の端子の前記一部は、前記第1の側面及び前記第2の端面及び前記第2の側面の外面に重なっている、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項4】
前記バッテリセルは、パウチセルである、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項5】
前記バッテリセルは、角柱形セルである、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項6】
前記バッテリセルは、第1の寸法及び第2の寸法及び第3の寸法を有しており、前記第2の寸法及び前記第3の寸法は、それぞれ前記第1の寸法の偶数倍である、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項7】
前記第1の端子及び前記第2の端子は、導電性材料の、幅が長さに比較して小さい条片である、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項8】
前記第1の端子は、前記セルケーシングの3つの側面に巻き付けられた導電性材料の条片を含む、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項9】
前記第1の端子は、前記セルケーシングの外面の形状に適合する導電性材料の条片である、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項10】
前記第1の端子及び前記第2の端子はそれぞれ、内面及び外面を有する導電性帯状体であり、前記第1の端子の内面は、前記第1の側面及び前記第2の側面及び前記第4の側面の一部に面して重なっており、前記第2の端子の内面は、前記第3の側面の一部に面して重なっている、
請求項2に記載のバッテリセル。
【請求項11】
前記セルの少なくとも1つの側面は、電気的に中性となるように構成されている、
請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項12】
バッテリパックケーシングと前記ケーシング内に配置されたバッテリセルとを含むバッテリパックであって、
前記バッテリセルは、
6つの直交する面を有し、前記6つの面は、封止された内部空間を協働して画定している、直方体状のセルケーシングと、
前記内部空間内に配置されており、第1の電気極性に対応する第1の電極及び前記第1の電気極性とは反対の第2の電気極性に対応する第2の電極を含む電極アセンブリと、
前記第1の電極に電気的に接続された第1の端子と、
前記第2の電極に電気的に接続された第2の端子と、
を含み、
前記第1の端子の一部は、前記セルケーシングの3つの隣接する側面上の、前記セルケーシングの外面に重なるように構成されており、
前記第2の端子の一部は、前記3つの隣接する側面のうち1つに隣接する第4の側面上の、前記セルケーシングの外面に重なっている、
バッテリパック。
【請求項13】
直方体状の前記セルケーシングは、立方体状であり、第1の端面と、前記第1の端面に対向する第2の端面と、第1の側面と、前記第1の側面に接する第2の側面と、前記第2の側面に接しかつ前記第1の側面に対向する第3の側面と、前記第3の側面及び前記第1の側面に接しかつ前記第2の側面に対向する第4の側面とを有し、前記第1の側面及び前記第2の側面及び前記第3の側面及び前記第4の側面のそれぞれは、前記第1の端面と前記第2の端面との間に延在しており、
前記第1の端子の前記一部は、前記セルケーシングの前記第1の側面及び前記第2の側面及び前記第4の側面の外面に重なっており、
前記第2の端子の前記一部は、前記セルケーシングの前記第3の側面の外面に重なっている、
請求項12に記載のバッテリパック。
【請求項14】
直方体状の前記セルケーシングは、第1の端面と、前記第1の端面に対向する第2の端面と、第1の側面と、前記第1の側面に接する第2の側面と、前記第2の側面に接しかつ前記第1の側面に対向する第3の側面と、前記第3の側面及び前記第1の側面に接しかつ前記第2の側面に対向する第4の側面とを有し、前記第1の側面及び前記第2の側面及び前記第3の側面及び前記第4の側面のそれぞれは、前記第1の端面と前記第2の端面との間に延在しており、
前記第1の端子の前記一部は、前記セルケーシングの前記第1の端面の外面に重なっており、
前記第2の端子の前記一部は、前記第1の側面及び前記第2の端面及び第2の側面の外面に重なっている、
請求項12に記載のバッテリパック。
【請求項15】
前記バッテリパックは、前記バッテリパックケーシング内に配置された前記バッテリセルのアレイを含み、各バッテリセルは、前記バッテリパックケーシング内で、第1の端子が隣のバッテリセルの第2の端子に面しかつ前記第2の端子との電気的接続を形成するように配置されている、
請求項12に記載のバッテリパック。
【請求項16】
前記バッテリセルのアレイは、バッテリセルの行及びバッテリセルの列を含むグリッドとして配置されており、
各行は、連続行番号を有し、かつ、n個のセル[nは行内のセル数に対応する整数]を含み、
各行の全てのセルは、奇数番号行及び偶数番号行のうち一方のn番目のセルと、奇数番号行及び偶数番号行のうち他方の第1のセルとを除いて、同じ空間配向を有しており、前記行の全てのセルは直列接続されており、
奇数番号行及び偶数番号行のうち一方のn番目のセルと、奇数番号行及び偶数番号行のうち他方の第1のセルとが、セルの隣の行との電気的接続を形成している、
請求項13に記載のバッテリパック。
【請求項17】
奇数番号行及び偶数番号行のうち一方のn番目のセルと、奇数番号行及び偶数番号行のうち他方の第1のセルとが、同じ行の他のセルの空間配向に対して90°回転させられている、
請求項16に記載のバッテリパック。
【請求項18】
前記バッテリパックケーシングは、ベースプレートと、前記ベースプレートを取り囲む側壁とを含み、セルの1次元アレイが、前記バッテリパックケーシング内に配置されている、
請求項12に記載のバッテリパック。
【請求項19】
セルのアレイは、各セルの第4の側面が前記ベースプレート上に配置され、かつ、冷却プレートが各セルの第1の側面に当接するように、前記バッテリパックケーシング内に配置されている、
請求項18に記載のバッテリパック。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
セルケーシング21の外側では、第1の端子80が、内側部分81に接続された近端とその反対側の遠端とを有する脚部82を含む。また、第1の端子80は、脚部82の遠端に形成された帯状部分84を含む。脚部82及び帯状部分84は、帯状部分84が
脚部82を横断する方向に延在する「T字状」構成で配置されている。第2の端子90は、セルケーシング21の外側に配置された脚部92を含む。脚部92は、内側部分91に接続された近端を有するが、その遠端側に横断する帯状体を有さない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
第1の端子80の脚部82は、第1の側面24に沿って第1の端面22を通り、第1の端面22への法線方向で突出し、脚部82が第1の側面24に重なるように第1の側面24へ折り曲げられる。脚部82は、第1の側面24のほぼ中央部に少なくとも重なる充分な長さを有する。帯状部分84は、セルケーシング21に密に重なりかつその形状に適合するように、セルケーシング21の周のまわりに折り曲げられる。帯状部分84は、帯状部分
84が第1の側面24に沿って延在して第2の側面25及び第4の側面27に巻き付けられてその中央部に重なり得るのに充分な長さを有する(
図3及び
図6)。即ち、帯状部分84は、セルケーシング21の3つの側面に重なる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
バッテリセル20のアレイは、各セル20の例えば第2の端面
23がバッテリパックケーシング2のベースプレート3に面するように、バッテリパックケーシング2内に配置されている。各セル20は、バッテリセル20の行R1,R2,R3,R4と列C1,C2,C3,C4,C5とを含むグリッドパターンで配置されている。各行R1,R2,R3,R4は連続行番号を有し、n個のセル20[nは当該行のセル20の数に対応する整数]を含む。図示の実施形態においては、nは5である。隣り合うセル20の電気的な直列接続を達成するために、各行R1,R2,R3,R4の全てのセル20は、所定の行の端に配置された1つのセル20を除き、同じ空間配向を有する。例えば、奇数番号行R1,R3のn番目のセル20(n)と、偶数番号行R2,R4の第1のセル20(1)とは、同じ行の残余のセル20とは異なる空間配向を有する。所定の行の端の1つのセルの配向は、当該行の残余のセルの配向とは異なるので、隣の行との電気的な直列接続の形成が可能となる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
第1の端子180の内側部分181は正電極プレート61に電気的に接続されており、第2の端子190の内側部分191は負電極プレート
62に電気的に接続されている。第1の端子180及び第2の端子190は、導電性材料、例えば銅又はアルミニウム製の薄い条片又は薄い帯状体である。ここで使用されているように、「薄い条片」なる語は、材料厚さが材料幅及び材料長さに比較してきわめて小さく、材料幅が材料長さに比較して小さい、細長い形状をいう。第1の端子180及び第2の端子190は、手動で可鍛な程度に充分に薄い。
【国際調査報告】