(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-531501(P2018-531501A)
(43)【公表日】2018年10月25日
(54)【発明の名称】バッテリシステム用の温度調節装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/651 2 A20140101AFI20180928 2 C07C 275/
H01M 10/613 2 A20140101ALI20180928 2 C07C 275/
H01M 10/615 2 A20140101ALI20180928 2 C07C 275/
H01M 10/625 2 A20140101ALI20180928 2 C07C 275/
H01M 10/6568 2 A20140101ALI20180928 2 C07C 275/
H01M 10/6556 2 A20140101ALI20180928 2 C07C 275/
H01M 10/643 2 A20140101ALI20180928 2 C07C 275/
H01M 10/617 2 A20140101ALI20180928 2 C07C 275/
H01M 2/10 2 A20060101ALI20180928 2 C07C 275/
【FI】
H01M10/651
H01M10/613
H01M10/615
H01M10/625
H01M10/6568
H01M10/6556
H01M10/643
H01M10/617
H01M2/10 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-538946(P2018-538946)
(86)(22)【出願日】2016年10月18日
(85)【翻訳文提出日】2018年6月6日
(86)【国際出願番号】EP2016074969
(87)【国際公開番号】WO2017067923
(87)【国際公開日】20170427
(31)【優先権主張番号】102015013377.2
(32)【優先日】2015年10月18日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】518133980
【氏名又は名称】クライゼル・エレクトリク・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】クライゼル・フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】クライゼル・ユーン・ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】クライゼル・マルクス
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031HH08
5H031KK08
5H040AA28
5H040AA29
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY05
5H040AY08
5H040CC05
5H040CC20
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】
本発明は、独立して温度調節された流体を供給するための少なくとも1つの連結装置3と前記独立して温度調節された流体を排出するための少なくとも1つの連結装置4とを有する直方体状の1つの中空体2を備え、且つ規則的に配置され、同一に形成され、1つの第1本体面5から1つの第2本体面6まで延在する複数の貫通開口部7を備えるバッテリシステム用の1つの温度調節装置1に関する。この場合、液密の流体空間が形成されるように、円柱状の1つのバッテリセル8が、それぞれの貫通開口部7によって収容されている。当該温度調節装置1は、セルの頭部11とセルの底部12とを除外した前記中空体2が前記バッテリシステムの全高Hの20%よりも大きくて100%未満の高さhにわたって延在することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
独立して温度調節された流体を供給するための少なくとも1つの連結装置(3)と前記独立して温度調節された流体を排出するための少なくとも1つの連結装置(4)とを有する直方体状の1つの中空体(2)を備え、且つ規則的に配置され、同一に形成され、1つの第1本体面(5)から1つの第2本体面(6)まで延在する複数の貫通開口部(7)を備えるバッテリシステム用の1つの温度調節装置(1)であって、液密の流体空間が形成されるように、円柱状の1つのバッテリセル(8)が、それぞれの貫通開口部(7)によって収容されている当該バッテリセル用の温度調節装置(1)において、
セルの頭部(11)とセルの底部(12)とを除外した前記中空体(2)は、前記バッテリシステムの全高Hの20%よりも大きくて100%未満の高さhにわたって延在することを特徴とするバッテリセル用の温度調節装置(1)。
【請求項2】
それぞれの貫通開口部(7)が、円柱状のバッテリセル(8)を包囲する1つの密封要素(9)を有することを特徴とする請求項1に記載のバッテリセル用の温度調節装置(1)。
【請求項3】
前記直方体状の1つの中空体(2)は、合成樹脂から、例えばPOMから一体的に製造されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバッテリセル用の温度調節装置(1)。
【請求項4】
複数の貫通開口部(7)が、最も密に詰め込まれた複数の円形物の形態で配置されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のバッテリセル用の温度調節装置(1)。
【請求項5】
個々の前記バッテリセルは、互いに離間していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載バッテリセル用の温度調節装置(1)。
【請求項6】
前記独立して温度調節された流体は、1つの加熱及び/又は冷却装置によって循環圧送されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のバッテリセル用の温度調節装置(1)。
【請求項7】
前記流体は、伝導性であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のバッテリセル用の温度調節装置(1)。
【請求項8】
独立して温度調節された流体が、温度調節装置(1,1′,1″)と少なくとも1つのポンプ装置と1つの加熱及び/又は冷却装置とを経由して循環圧送されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の連続して接続された複数の温度調節装置(1,1′,1″)を有するバッテリパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立して温度調節された流体を供給するための少なくとも1つの連結装置と当該独立して温度調節された流体を排出するための少なくとも1つの連結装置とを有する直方体状の1つの中空体を備え、且つ規則的に配置され、同一に形成され、1つの第1本体面から1つの第2本体面まで延在する複数の貫通開口部を備えるバッテリシステム用の1つの温度調節装置に関する。この場合、液密の流体空間が形成されるように、円柱状の1つのバッテリセルが、それぞれの貫通開口部によって収容されている。
【背景技術】
【0002】
一方ではバッテリパックとも呼ばれるバッテリシステム又は連結された複数のバッテリシステムが、自動車の用途で、例えばリチウム・イオン・アキュムレータ、リチウム・ポリマー・アキュムレータ若しくはニッケル・メタルハイブリッド・アキュムレータを有する電気自動車又はハイブリッド自動車で、再充電可能な電気エネルギーアキュムレータとして使用される。完全な電気駆動の場合、特に当該バッテリシステムの寸法及び重量を減少させるため、一方では、高電圧のリチウムイオンバッテリが使用される。
【0003】
このような種類のバッテリシステムは、所定の温度範囲内で作動される必要がある。したがって、バッテリ中の電気化学的な現象の経時推移が、バッテリの動作条件と温度とによって影響を受ける。より高い温度は、電子移動度又はイオン移動度を改善するが、バッテリセルの内部インピーダンスを減少させ、当該バッテリセルの静電容量を増大させる。しかしながら、より高い温度は、望まないで又は不可逆的に経時推移する化学反応及び/又は電解液の損失も引き起こし得る。これにより、バッテリセルの持続する劣化又は完全な故障を発生させ得る。繰り返される温度変化も、同様にバッテリを劣化させ得る。
【0004】
+40℃以上の動作温度では、寿命が減少する一方で、−10℃未満では、効率が低下し、出力が低下する。さらに、個々のセル間の温度差は、5〜10Kを超えてはならない。回復又は上昇のような大電流を伴う短期間のピーク負荷が、これらのセルの著しい加熱を引き起こす。さらに、例えば夏の数か月間の屋外の高い温度は、バッテリシステム中の温度が臨界値に達することに寄与する。
【0005】
空冷式のバッテリパックが、米国特許出願公開第2015210184号明細書から公知である。当該バッテリパックは、複数のバッテリセルを有する。隣接した複数のセル間の複数の冷却チャネルが、それぞれのモジュールごとに仕切られるように、これらのバッテリセルは、複数のモジュール状に配置されている。
【0006】
1つのバッテリハウジングと複数の温度調節要素とこれらの温度調節要素のうちの1つの温度調節要素に直接に接触している1つのリチウムイオンセルとを有する1つのバッテリが、独国特許出願公開第102011082991号明細書から知られている。
【0007】
さらに、複数のバッテリセルと少なくとも1つの温度調節装置とを有する複数のバッテリモジュールを備える1つのバッテリパックが、独国特許第102014205133号明細書から知られている。これらのバッテリモジュールは、これらのバッテリセルが温度に依存する熱伝導率を有する材料によって当該少なくとも1つの温度調節装置に結合されていることを特徴とする。
【0008】
従来の技術から既知の、上記のような種類のバッテリシステムを温度調節するための別の可能性は、例えば、自動車内の空調空間から空気を吸引することであり、又はバッテリセル中に埋設されている特殊な蒸発器プレートを自動車内に存在する空気調節装置に取り付けることであり、又はバッテリブロック中に取り付けられた冷却プレートを冷却剤で通流させることである(これに関しては、Behr/Hella“Thermomanagement in Hybridfahrzeugen”;BEHR HELLA SERVICE GmbH,Schwaebisch Hall参照)。
【0009】
上記の従来の技術から既知の全ての冷却思想には、発生する熱の迅速で、特に均一な冷却、特に最適化された温度管理が不足している。このことは、特に第出力領域に対して成立する、すなわちバッテリセルの高い出力又は高い電力消費の場合と、高い周囲温度の場合とに成立する。
【0010】
1つのバッテリブロック内の異なる出力密度を引き起こし、したがって他方では熱不均衡を引き起こす(自己破壊機構)セル集合体中の熱不均衡の問題も、十分に解決されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015210184号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102011082991号明細書
【特許文献3】独国特許第102014205133号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Behr/Hella“Thermomanagement in Hybridfahrzeugen”;BEHR HELLA SERVICE GmbH,Schwaebisch Hall
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、バッテリシステム用の改良された新規の温度調節装置を提供することにある。特に、本発明の課題は、バッテリシステム内の熱均衡に配慮することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、独立して温度調節された流体を供給するための少なくとも1つの連結装置と当該独立して温度調節された流体を排出するための少なくとも1つの連結装置とを有する直方体状の1つの中空体を備えるバッテリシステム用の1つの温度調節装置が提唱される。当該直方体状の中空体は、規則的に配置され、同一に形成され、1つの第1本体面から1つの第2本体面まで延在する複数の貫通開口部を有する。この場合、液密の流体空間が形成されるように、円柱状の1つのバッテリセルが、それぞれの貫通開口部によって収容されている。
【0015】
セルの頭部とセルの底部とを除外した中空体が、バッテリシステムの全高の20%よりも大きくて100%未満の高さhにわたって延在することが本発明において重要である。独立して温度調節された流体が、当該流体空間内で複数のバッテリセルの周りを通流する。当該バッテリシステムの円柱状のそれぞれのバッテリセルと、当該温度調節された流体とが、このように直接に全面で接触するために、当該システムは、最適な動作温度範囲に能動的に保持され得る。
【0016】
したがって、本発明によれば、発生する熱を複数のバッテリセルのセルカバーで迅速に放出することが可能であるだけではなくて、バッテリセル集合体中の熱不均衡を回避することも可能である。
【0017】
液密の流体空間を保証するためには、円柱状の複数のバッテリセルを包囲する1つの密封要素を設けることが好ましい。このような密封要素は、例えば、それぞれの貫通開口部に形成された1つの密封リングでもよい。この密封リングは、上のセルカバー位置と下のセルカバー位置とで当該複数のセルをその周囲にわたって水密に密封する。特に、当該密封要素は、一体的に形成されたにもかかわらず、直方体状の中空体の複数の貫通開口部に対応する複数の貫通開口部を有する密封板である。
【0018】
当該密封板は、例えば、TPE、EPDM又はその他のエラストマー樹脂、好ましくは熱可塑性樹脂から一体的に製造されていて、好ましくは2K技術を用いて直方体状の中空体の表面上に取り付けられている。当該密封板が、取り外し可能な結合技術を用いて当該直方体状の中空体上に、例えば嵌合式に又はねじ止め式に取り付けられていることも考えられる。この場合、特に、円柱状の複数のバッテリセルを密封するように、これらのバッテリセルが、これらのセルのそれぞれの周囲で2つの密封板の密封要素によって包囲される。
【0019】
当該直方体状の中空体は、合成樹脂から、例えばPOMから、特に一体的に製造されている。可能な限り多くの円柱状のバッテリセルを本発明の温度調節装置内に収容できるようにするためには、すなわち当該複数のバッテリセルの可能な限りの空間の節約を保証するためには、複数の貫通開口部が、特に、最も密に詰め込まれた複数の円形物の形態で配置されている。
【0020】
円柱状の1つのバッテリセルがそれぞれの貫通開口部によって収容されている配置では、複数のバッテリセルのそれぞれの列が、隣接した列に対して半分のセル幅(バッテリセルの1/2の直径)だけずらして配置されている。1つの列の個々のセル間は、最小の間隔(S)である。複数の円形物を最も密に詰め込んでいるときのこの間隔とその配置とによって、独立して温度調節された流体が、それぞれのバッテリセルの周囲を通流し得ることが保証される。このため、当該温度調節された流体が、流体空間を貫流することも確保される。
【0021】
本発明によれば、セルの頭部とセルの底部とを除外した直方体状の中空体が、バッテリシステムの全高の20%よりも大きくて100%未満の高さhにわたって延在する。当該高さhは、温度管理に関する要求、特に冷却効率に関する要求に適合させることが必要であり、熱需要量と中空体の増大する高さと共に増大するバッテリ重量との間の均衡から決定される。
【0022】
当該独立して温度調節された流体が、液密の流体空間内で個々のバッテリセルのセル壁の周囲を通流する方式で、円柱状の複数のバッテリセルを有するバッテリシステムが、当該独立して温度調節された流体を供給するための少なくとも1つの連結装置と当該独立して温度調節された流体を排出するための少なくとも1つの別の連結装置とによって温度調節される。
【0023】
当該液体空間は、上向きに密封されているので、流体、特に冷却剤は、バッテリシステムの電気的に敏感な領域に接触しない。
【0024】
バッテリシステム内の個々のバッテリセルの不均一な劣化は、これにより、これらのバッテリセルが異なる温度に曝されることを引き起こし、バッテリシステムの加速された平均以上の劣化を引き起こし、さらに静電容量を減少させる。それ故に、好適な実施の形態では、独立して温度調節された流体、特に冷却剤が、温度調節装置によって能動的にポンプで圧送される。したがって、例えば、別の複数のバッテリセルの間の、特に中央に配置されている1つのバッテリセルとは違って、直方体状の中空体の外側に配置されている1つのバッテリセルは、熱環境に曝されることが確実に回避され得る。
【0025】
特に、当該流体は、加熱及び/又は冷却装置によって循環圧送される。特に好適な実施の形態では、当該流体は、連続して配置された複数の温度調節装置と少なくとも1つの加熱及び/又は冷却装置とによって循環圧送される。独立して温度調節された流体とは、特に、加熱及び/又は冷却装置によって能動的に温度調節される、例えば水のような冷却剤を言う。
【0026】
複数のバッテリシステムから成る1つのバッテリパックが、ポンプ装置と2つ又は複数の温度調節装置間の連結管と加熱及び/又は冷却装置とによって温度調節され得る。
【0027】
本発明の温度調節装置と独立して温度調節された流体とを使用することで、個々のバッテリセル間の温度差が、5〜10Kを超えない。さらに、当該バッテリセルは、特にバッテリメーカによって予め設定されている最適な温度範囲内で作動され得る。本発明の温度調節装置を用いた個々のバッテリセルの能動的な冷却又は加熱から、最適な性能歩留りが、予め設定されている動作温度内だけではなくて、より広く限定した温度範囲内でも達成される。
【0028】
当業者は、本発明のその他の特徴及び利点を添付図面を参照する以下の実施の形態の説明から理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図4】3つの温度調節装置を有するバッテリパックを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、独立して温度調節された流体を供給するための少なくとも1つの連結装置(3)と当該独立して温度調節された流体を排出するための少なくとも1つの連結装置(4、
図4参照)とを有する直方体状の1つの中空体(2)を備えるバッテリシステム用の1つの温度調節装置を示す。円柱状の複数のバッテリセル(8)が、規則的に配置され、同一に形成され、1つの第1本体面(5)から1つの第2本体面(6、
図3A)まで延在する複数の貫通開口部(7)内に配置されている。これらの貫通開口部(7)又はこれらのバッテリセル(8)は、最も密に詰め込まれた複数の円形物の形態で配置されている。
【0031】
図2は、規則的に配置され同一に形成された複数の貫通開口部(7′)を有し、弾性の、好ましくは熱可塑性の樹脂から成る1つの密封板(9)を示す。液密の流体空間を保証するため、密封板(9)は、特に2K技術を用いて直方体状の中空体(2)の表面(5,6)上に装着されている。
【0032】
図3は、横から見た直方体状の中空体(2)を断面(3A)で示し、又は上から見た直方体状の中空体(2)を同様に断面(3B)で示す。ずらして配置されたそれぞれ7つの貫通開口部(7)を有する3つの列が認識される。それぞれのセルが、隣接したセルに対して最小間隔(S)を有するように、円柱状の1つのバッテリセル(8)が、組み立てられた状態でそれぞれの貫通開口部(7)内に収容されている。この間隔(S)と、最も密に詰め込まれた複数の円形物としての配置とは、独立して温度調節された流体がそれぞれのバッテリセルを循環し得ることを保証する。当該流体は、連結装置(3)を通じて直方体状の中空体(2)に供給され、この直方体状の中空体(2)の下面から連結装置(9)を通じて排出される。
【0033】
図4は、連続して連結された3つの温度調節装置(1,1′,1″)を1つのバッテリパックの一部として示す。この場合、黒線(10)が、流体の経路を示す。当該流体は、連結装置(3)を通じて第1温度調節装置(1)内に流入して、連結装置(9)を通じてこの第1の温度調節装置(1)から再び排出される。引き続き、当該流体は、連結装置(3′)を通じて第2温度調節装置(1′)内に流入し、この第2温度調節装置(1′)を貫流し、連結装置(9′)を通じてこの第2温度調節装置(1′)から再び排出される。当該流体の経路は、第3温度調節装置に対して繰り返され、場合によっては後続する温度調節装置に対して繰り返される。中空体(2)が、バッテリシステムの全高Hよりも小さい高さhにわたって延在する。当該バッテリシステムの敏感な領域、特にセルの頭部(11)及びセルの底部(12)が、本発明にしたがって温度調節装置(1)から除外されている。
【符号の説明】
【0034】
1 温度調節装置
2 中空体
3 連結装置
4 連結装置
5 第1本体面
6 第2本体面
7 貫通開口部
8 バッテリセル
9 密封要素
10 黒線
11 セルの頭部
12 セルの底部
S 最小間隔
H バッテリシステムの全高
h 中空体の高さ
【国際調査報告】