(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-531519(P2018-531519A)
(43)【公表日】2018年10月25日
(54)【発明の名称】イメージセンシングチップのパッケージ構造とパッケージング方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 2 A20060101AFI20180928 2 C07C 275/
【FI】
H01L23/12 501P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-520498(P2018-520498)
(86)(22)【出願日】2016年9月19日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月20日
(86)【国際出願番号】CN2016099298
(87)【国際公開番号】WO2017071426
(87)【国際公開日】20170504
(31)【優先権主張番号】201510712496.X
(32)【優先日】2015年10月28日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201520848168.8
(32)【優先日】2015年10月28日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG
(71)【出願人】
【識別番号】518120278
【氏名又は名称】チャイナ ウェイファー レベル シーエスピー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】王之奇
(72)【発明者】
【氏名】王卓偉
(72)【発明者】
【氏名】謝国梁
(57)【要約】
イメージセンシングチップのパッケージ構造であって、互いに対向して配置された第1表面(1001)と第2表面(1002)を有するイメージセンシングチップ(100)であって第1表面(1001)上にイメージセンシング域(102)とそのイメージセンシング域(102)の周りに位置する半田パッド(104)とが配置されたイメージセンシングチップと、第1表面(1002)から半田パッド(104)へ貫通するスルーホール(105)と、スルーホール(105)の内壁に沿って配置されかつ第2表面(1002)まで延在する電気接続配線層(108)であって半田パッド(104)に電気的に接続された電気接続配線層(108)と、スルーホール(105)を充填して電気接続配線層(108)を覆うソルダレジスト層であってこのソルダレジスト層(120)には開口(109)が形成されかつ開口(109)の底部が電気接続配線層(108)を露出させているソルダレジスト層と、開口(109)の内壁と開口(109)の底部とを覆いソルダレジスト層(120)にまで延在するガイド半田パッド(107)であって電気接続配線層(108)に電気的に接続されたガイド半田パッド(107)と、ガイド半田パッド(107)上に位置する半田バンプ(122)であってガイド半田パッド(107)に電気的に接続された半田バンプ(122)と、を備えるイメージセンシングチップのパッケージ構造。本構造によりイメージセンシングチップ(100)の電気接続配線層(108)の欠陥が低減される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンシングチップのためのパッケージであって、
互いに対向する第1表面と第2表面とを備え、前記第1表面はイメージセンシング領域と前記イメージセンシング領域の周りのコンタクトパッドとを備える、イメージセンシングチップと、
前記第2表面から前記コンタクトパッドへ延在するスルーホールと、
前記スルーホールの内壁に沿って設けられ、かつ前記第2表面上に延在する電気接続層であって、前記コンタクトパッドに電気的に接続されている電気接続層と、
前記スルーホールを充填しかつ前記電気接続層を覆うソルダマスクであって、前記ソルダマスク内に開口が形成され、かつ前記開口の底部に前記電気接続層が露出している、ソルダマスクと、
前記開口の内壁と前記底部を覆い、かつ前記ソルダマスク上に延在するガイドコンタクトパッドであって、前記電気接続層に電気的に接続されているガイドコンタクトパッドと、
前記ガイドコンタクトパッド上に位置し、前記ガイドコンタクトパッドに電気的に接続されている、半田パンプと、
を備える、パッケージ。
【請求項2】
前記ガイドコンタクトパッドは円形を有する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記電気接続層と前記スルーホールの側壁との間及び前記第2表面上に位置するパッシベーション層をさらに備える、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記ソルダマスクは感光性ソルダマスクインクで作られている、請求項3に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記第2表面上に位置しかつ前記イメージセンシング領域を覆う遮光層をさらに備える、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記イメージセンシングチップの前記イメージセンシング領域に取り付けられて整列された保護カバープレートをさらに備え、前記保護カバープレートは前記イメージセンシングチップの前記第1表面に取り付けられている、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記保護カバープレートは光学ガラスで作られ、前記光学ガラスの少なくとも1つの面には反射防止層が設けられている、請求項6に記載のパッケージ。
【請求項8】
イメージセンシングチップのためのパッケージング方法であって、
アレイ状に配列された複数のイメージセンシングチップを備えるウェハを提供するステップであって、前記複数のイメージセンシングチップのそれぞれが互いに対向する第1表面と第2表面を備え、前記イメージセンシングチップの前記第1表面にはイメージセンシング領域と前記イメージセンシング領域の周りのコンタクトパッドが設けられている、ステップと
前記第2表面にスルーホールを形成するステップであって、前記スルーホールが前記コンタクトパッドまで延在する、ステップと、
前記スルーホールの内壁及び前記第2表面上に電気接続層を形成するステップであって、前記電気接続層が前記コンタクトパッドに電気的に接続されている、ステップと、
前記スルーホールを充填しかつ前記電気接続層を覆うソルダマスクを形成するステップであって、前記ソルダマスク内に開口が形成され、かつ前記開口の底部に前記電気接続層が露出されている、ステップと、
前記開口内にガイドコンタクトパッドを形成するステップであって、前記ガイドコンタクトパッドが前記開口の内壁と前記底部を覆って前記ソルダマスク上に延在し、かつ前記電気接続層に電気的に接続されている、ステップと、
前記ガイドコンタクトパッド上に半田バンプを形成するステップであって、前記半田バンプが前記ガイドコンタクトパッドに電気的に接続されている、ステップと、
を含むパッケージング方法。
【請求項9】
前記ソルダマスクの形成ステップから前記半田バンプの形成ステップまでにおいて、前記パッケージング方法は、
前記スルーホールを充填しかつ前記電気接続層を覆うソルダマスクを形成するステップと、
前記ソルダマスクに前記開口を形成するステップであって、前記第2表面上の前記電気接続層は前記開口を通して露出される、ステップと、
前記開口の前記内壁上と前記開口の外側の前記ソルダマスク上に前記ガイドコンタクトパッドを形成するステップと、
前記ガイドコンタクトパッド上に前記半田バンプを形成するステップと、
を含む、請求項8に記載のパッケージング方法。
【請求項10】
前記スルーホールの形成ステップの後で、かつ前記電気接続層の形成ステップの前において、前記パッケージング方法は、前記スルーホールの側壁と前記第2表面上にパッシベーション層を形成するステップをさらに含む、請求項8に記載のパッケージング方法。
【請求項11】
前記パッシベーション層の形成ステップは、前記パッシベーション層を堆積するステップと、前記スルーホールの底部の前記パッシベーション層をエッチングにより除去するステップと、を含む、請求項10に記載のパッケージング方法。
【請求項12】
前記スルーホールの形成ステップの前に、前記第2表面上の前記イメージセンシング領域に対応する位置に遮光層を形成するステップをさらに含む、請求項8に記載のパッケージング方法。
【請求項13】
保護カバープレートを提供し、かつ前記保護カバープレートのそれぞれを前記複数のイメージセンシングチップの1つの前記イメージセンシング領域に取り付けて整列させるステップであって、前記保護カバープレートは前記イメージセンシングチップの前記第1表面に取り付けられて整列させられるステップをさらに含む、請求項8に記載のパッケージング方法。
【請求項14】
前記保護カバープレートは光学ガラスであり、前記光学ガラスの少なくとも1つの面には反射防止層が設けられている、請求項13に記載のパッケージング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2015年10月28日に中国国家知的所有権庁に出願された「イメージセンシングチップのパッケージ構造とパッケージング方法(IMAGE SENSING CHIP PACKAGING STRUCTURE AND PACKAGING METHOD)」と題する中国特許出願第201510712496.X号明細書、及び2015年10月28日に中国国家知的所有権庁に出願された「イメージセンシングチップのパッケージ構造(IMAGE SENSING CHIP PACKAGING STRUCTURE)」と題する中国特許出願第201520848168.8号明細書の優先権を主張するものであり、これらの全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本開示は半導体の技術分野に関し、特にイメージセンシングチップのパッケージ及びパッケージング方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在のウェハレベルパッケージング技術によれば、ウェハ全体が検査され、パッケージ化され、切断されて個別の完成チップが得られる。ウェハレベルパッケージング技術はワイヤボンディングパッケージング技術を次第に置き換えて、パッケージング技術の主流となってきている。
【0004】
イメージセンサは一般的にウェハレベルパッケージング技術を用いてパッケージ化される。
図1は従来のイメージセンシングチップのパッケージであって、イメージセンシングチップ10と保護カバープレート20を含む。イメージセンシング領域12とコンタクトパッド14がイメージセンシングチップの第1表面上に配置され、保護カバープレート20がイメージセンシング領域の保護のためにイメージセンシング領域12の上に配置される。保護カバープレート20は一般的にガラス基板22とそのガラス基板22上の支持構造24とを含み、支持構造24によって空洞が形成される。支持構造24がイメージセンシング領域のある第1表面に接合されると、イメージセンシング領域12は空洞内部に配置されて保護される。コンタクトパッド14まで延在するガイド穴とガイド穴に電気的に接続された半田バンプ22が、外部電気接続のためにイメージセンシングチップの第2表面上に配置されている。ガイド穴には絶縁層16、電気接続層18及びソルダマスク20が含まれ、ソルダマスクは、スルーホール内と第2の表面のスルーホールの両側とに配置される。半田バンプ22はスルーホールの一方側の電気接続層18上に形成され、コンタクトパッドの外部電気接続を可能とする。
【0005】
ただしこの構造において電気接続層18は、ソルダマスク20と、通常は有機材料で作られる絶縁層16の間に配置される。ソルダマスク20と絶縁層16は熱膨張係数が大きく、後続の信頼性試験での温度変化によって膨張を受ける。それによって電気接続層は圧縮されて仮想接続不良又は破断すら生じ易くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これに鑑み、本開示の第1の態様によればイメージセンシングチップの電気接続層の欠陥を低減するためのイメージセンシングチップのパッケージが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態によればイメージセンシングチップのためのパッケージが提供される。これは、互いに対向する第1表面と第2表面とを備えるイメージセンシングチップであって第1表面にイメージセンシング領域とイメージセンシング領域の周りのコンタクトパッドを備えるイメージセンシングチップと、第2表面からコンタクトパッドへ延在するスルーホールと、スルーホールの内壁に沿って設けられかつ第2表面上に延在する電気接続層であってコンタクトパッドに電気的に接続されている電気接続層と、スルーホールを充填しかつ電気接続層を覆うソルダマスクであってソルダマスク内に開口が形成されかつ開口の底部に電気接続層が露出しているソルダマスクと、開口の内壁と底部を覆いかつソルダマスク上に延在するガイドコンタクトパッドであって電気接続層に電気的に接続されているガイドコンタクトパッドと、ガイドコンタクトマップに上に位置する半田バンプであってガイドコンタクトパッドに電気的に接続された半田パンプと、を含む。
【0008】
所望によりガイドコンタクトパッドは円形であってよい。
【0009】
所望によりイメージセンシングチップ用のパッケージは、電気接続層とスルーホールの側壁との間、及び第2表面上に位置するパッシベーション層をさらに備えてもよい。
【0010】
所望によりソルダマスクは感光性ソルダマスクインクでできていてもよい。
【0011】
所望によりイメージセンシングチップ用のパッケージは、第2表面上にあって、イメージセンシング領域を覆う遮光層をさらに含んでもよい。
【0012】
所望によりイメージセンシングチップ用のパッケージは、イメージセンシングチップのイメージセンシング領域に取り付けられて整列された保護カバープレートであって、イメージセンシングチップの第1表面に取り付けられて整列された保護カバープレートをさらに備えてもよい。
【0013】
所望により保護カバープレートは、光学ガラス製であって、光学ガラスの少なくとも1つの表面には反射防止層が設けられていてもよい。
【0014】
これに加え本開示によればイメージセンシングチップ用のパッケージング方法がさらに提供される。この方法は、次のステップを含む。
アレイ状に配列された複数のイメージセンシングチップを備えるウェハを提供するステップ。ここでイメージセンシングチップは互いに対向する第1表面と第2表面を含み、イメージセンシングチップの第1表面にはイメージセンシング領域とイメージセンシング領域の周りのコンタクトパッドが設けられている。
第2表面にスルーホールを形成するステップ。スルーホールはコンタクトパッドまで延在する。
スルーホールの内壁及び第2表面上に電気接続層を形成するステップ。電気接続層はコンタクトパッドに電気的に接続されている。
スルーホールを充填しかつ電気接続層を覆うソルダマスクを形成するステップ。ソルダマスク内に開口が形成され、かつこの開口の底部に電気接続層が露出している。
開口内にガイドコンタクトパッドを形成するステップ。ガイドコンタクトパッドが開口の内壁と底部を覆ってソルダマスク上に延在し、電気接続層に電気的に接続されている。及び
ガイドコンタクトパッド上に半田パンプを形成するステップ。半田パンプがガイドコンタクトパッドに電気的に接続されている。
【0015】
所望により、ソルダマスクの形成ステップから半田バンプの形成ステップまでの間、パッケージング方法がさらに、スルーホールを充填しかつ電気接続層を覆うソルダマスクを形成するステップと、ソルダマスクに開口を形成するステップであって第2表面上の電気接続層が開口を通して露出されるステップと、開口の内壁上及び開口の外側のソルダマスク上にガイドコンタクトパッドを形成するステップと、ガイドコンタクトパッド上に半田バンプを形成するステップと、を含んでもよい。
【0016】
所望により、スルーホールの形成ステップの後で電気接続層の形成ステップの前に、パッケージング方法がさらに、スルーホールの側壁と第2表面上にパッシベーション層を形成するステップを含んでもよい。
【0017】
所望により、パッシベーション層の形成ステップは、パッシベーション層を堆積するステップと、スルーホールの底部のパッシベーション層をエッチングにより除去するステップと、を含んでもよい。
【0018】
所望により、スルーホール形成ステップの前にパッケージング方法はさらに、第2表面上のイメージセンシング領域に対応する位置に遮光層を形成するステップを含んでもよい。
【0019】
所望により、パッケージング方法はさらに、保護カバープレートを提供し、かつ保護カバープレートのそれぞれを複数のイメージセンシングチップの1つのイメージセンシング領域に取り付けて整列させるステップであって、保護カバープレートはイメージセンシングチップの第1表面に取り付けられて整列させられるステップを含んでもよい。
【0020】
所望により、保護カバープレートは光学ガラスであって、光学ガラスの少なくとも1つの表面には反射防止層が設けられていてもよい。
【0021】
本開示の実施形態による、イメージセンシングチップのパッケージ及びパッケージング方法において、半田バンプは電気接続層上に直接的には配置されない。その代わり、半田バンプの下面と電気接続層との間にガイドコンタクトパッドが形成される。これは後続のバンプへの半田付けプロセス及びその他の試験において電気接続層への熱ショックを回避するためであり、それによって仮想接続不良又はさらには破断に対して電気接続層を保護するためである。それに加えて、ガイドコンタクトパッドはソルダマスクの内壁と底部、並びに開口の外側のソルダマスクの表面上に形成される。開口の底部のガイドコンタクトパッドのみが電気接続層に接続され、半田バンプはガイドコンタクトパッドを介して電気接続層に電気的に接続される。このようにしてガイドコンタクトパッドが半田バンプに一致し、電気接続層は、電気接続層が半田バンプと接続される位置に、半田バンプに一致する端部を備える必要がない。その結果電気接続層をより高密度に配置可能であり、デバイスの集積度を大きく向上させて、デバイスの更なる微細化を達成できる。
【0022】
さらに、パッシベーション層が電気接続層の下に設けられて、電気接続層に対する絶縁層として作用する。パッシベーション層は低膨張係数を有し、熱膨張によって電気接続層から受ける圧縮力は大幅に低減される、それによってイメージセンシングチップの電気接続層の欠陥が更に低減される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】従来技術によるイメージセンシングチップのためのパッケージ構造を示す断面図である。
【
図2】本開示の一実施形態によるイメージセンシングチップのためのパッケージ構造を示す断面図である。
【
図3】本開示の別の実施形態によるイメージセンシングチップのためのパッケージ構造を示す断面図である。
【
図4】本開示の一実施形態による、イメージセンシングチップのためのパッケージング方法の実行時において形成される中間構造の概略構造を示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態による、イメージセンシングチップのためのパッケージング方法の実行時において形成される中間構造の概略構造を示す図である。
【
図6】本開示の一実施形態による、イメージセンシングチップのためのパッケージング方法の実行時において形成される中間構造の概略構造を示す図である。
【
図7】本開示の一実施形態による、イメージセンシングチップのためのパッケージング方法の実行時において形成される中間構造の概略構造を示す図である。
【
図8】本開示の一実施形態による、イメージセンシングチップのためのパッケージング方法の実行時において形成される中間構造の概略構造を示す図である。
【
図9】本開示の一実施形態による、イメージセンシングチップのためのパッケージング方法の実行時において形成される中間構造の概略構造を示す図である。
【
図10】本開示の一実施形態による、イメージセンシングチップのためのパッケージング方法の実行時において形成される中間構造の概略構造を示す図である。
【
図11】本開示の一実施形態による、イメージセンシングチップのためのパッケージング方法の実行時において形成される中間構造の概略構造を示す図である。
【
図12】本開示の一実施形態による、イメージセンシングチップのためのパッケージング方法の実行時において形成される中間構造の概略構造を示す図である。
【
図13】本開示の一実施形態による、イメージセンシングチップのためのパッケージング方法の実行時において形成される中間構造の概略構造を示す図である。
【
図14】本開示の一実施形態による、イメージセンシングチップのためのパッケージング方法の実行時において形成される中間構造の概略構造を示す図である。
【
図15】本開示の一実施形態による、イメージセンシングチップのためのパッケージング方法の実行時において形成される中間構造の概略構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の目的、特徴及び利点をより明らかにするために、本開示の実施形態を図面と共に以下で詳細に説明する。
【0025】
以下の説明においては本開示を完全に理解できるように特定の詳細を記述する。ただし、本開示は本明細書において説明するものとは異なる別の方法で具体化することも可能であり、本開示の意図から乖離することなく類似の展開を当業者は行い得る。したがって、本開示は以下で説明する特定の実施形態に限定されるものではない。
【0026】
さらに、本開示は模式的な図面と共に詳細を記述する。本開示の実施形態を詳細に説明する際、デバイス構造を示す断面図は表示を容易にするために部分的には特定の倍率に拡大されていない。さらに、概略図は単なる例であり、本開示の範囲を制限するものとして理解されるべきではない。さらには、実際の製造プロセスにおいては3次元寸法、すなわち、長さ、幅及び深さを考慮すべきである。また、以下に述べる、第1の特徴が第2の特徴の「上」にあるという構造は、第1と第2の特徴が直接接触して形成されている実施形態を含み得るし、また第1と第2の特徴の間に追加的な特徴が形成されて、この場合には第1と第2の特徴が直接接触し得ない、実施形態もまた含まれ得る。
【0027】
イメージセンシングチップの欠陥、特に電気接続層の欠陥を低減するために、本開示によるイメージセンシングチップのためのパッケージが提供される。
図2及び
図3に示すように、このパッケージは、次のものを含む。
【0028】
互いに対向する第1表面1001と第2表面1002とを備えるイメージセンシングチップ100。第1表面にはイメージセンシング領域102とイメージセンシング領域の周りのコンタクトパッド104が備えられている。
【0029】
第2表面1002からコンタクトパッド104へ延在するスルーホール105。
【0030】
スルーホール105の内壁に沿って設けられ、かつ第2表面1002上に延在する電気接続層108。電気接続層108はコンタクトパッド104に電気的に接続されている。
【0031】
スルーホール105を充填しかつ電気接続層108を覆うソルダマスク120。ソルダマスク120内に開口が形成され、かつこの開口の底部に電気接続層108が露出している。
【0032】
開口の内壁と底部を覆い、かつソルダマスク上に延在するガイドコンタクトパッド107。ガイドコンタクトパッド107は電気接続層108に電気的に接続されている。
【0033】
ガイドコンタクトマップ107に上に位置する半田バンプ122。半田パンプ122はガイドコンタクトパッド107に電気的に接続されている。
【0034】
本開示においては、半田バンプは電気接続層上に直接配置はされていない。その代わり、半田バンプと電気接続層との間にガイドコンタクトパッドが設けられる。これは後続のバンプへの半田付けプロセス及びその他の試験において電気接続層への熱ショックを回避するためであり、それによって仮想接続不良又はさらには破断に対して電気接続層を保護するためである。それに加えて、ガイドコンタクトパッドはソルダマスクの内壁と底部、並びに開口の外側のソルダマスクの表面上に形成される。開口の底部のガイドコンタクトパッドのみが電気接続層に接続され、半田バンプはガイドコンタクトパッドを介して電気接続層に電気的に接続される。このようにしてガイドコンタクトパッドが半田バンプに一致し、電気接続層は、電気接続層が半田バンプと接続される位置に、半田バンプに一致する端部を備える必要がない。その結果電気接続層をより高密度に配置可能であり、デバイスの集積度を大きく向上させて、デバイスの更なる微小化を達成できる。
【0035】
本開示の実施形態において、イメージセンシングチップのためのパッケージは、電気接続層と半田バンプが形成されて、かつ切断されていない構造であってよい。すなわち、切断後に個々の完成チップ構造が得られるものであってよい。
【0036】
イメージセンシングチップは、少なくともイメージセンシング領域とコンタクトパッドを含む。本開示の実施形態では、イメージセンシング領域102とイメージセンシング領域102の周りのコンタクトパッド104は、イメージセンシングチップの第1表面上に配置される。イメージセンシング領域102は、外部の光を受光して、外部光を電気信号に変換するために使用される。少なくとも1つのイメージセンシングチップユニットが、イメージセンシング領域102に形成される。イメージセンシングチップユニットに接続された関連回路が、イメージセンシング領域102にさらに形成されてもよい。関連回路は、チップを駆動する駆動ユニット(図示せず)、感光領域電流を取得するための読込ユニット(図示せず)、感光領域電流を処理するための処理ユニット(図示せず)、などであってよい。
【0037】
特定の設計仕様によって、他の構成要素がイメージセンシングチップに含まれ得ることは明らかである。ただし、本開示の発明態様に密接に関係しない構成要素は、本明細書では詳細には記述しない。
【0038】
一般的に、配線を容易にするために、イメージセンシング領域102は単一チップユニットの中心に配置され、コンタクトパッド104がイメージセンシング領域102の周りで単一チップユニットの周辺に正方形形状に配置され、単一チップユニットの各辺上に複数のコンタクトパッド104が形成され得る。コンタクトパッド104は、イメージセンシング領域の構成要素と外部回路との間の入/出力端子であり、そこを介してイメージセンシング領域102からの電気信号が外部回路に伝達される。コンタクトパッドは導電性材料で作られ、それはAl、Au又はCuなどの金属材料であってよい。
【0039】
イメージセンシング領域とコンタクトパッドの位置は、コンタクトパッドの数と共に、異なる設計及び仕様によって調整され得る。例えば、コンタクトパッドは、イメージセンシング領域の1辺のみ又は2辺にのみに設けられてもよい。
【0040】
必須ではないが好ましくは、イメージセンシングチップのパッケージは、イメージセンシング領域102に取り付けられて整列された保護カバープレート200をさらに含んでもよい。保護カバープレート200は、イメージセンシング領域102内の構成要素を保護するために、イメージセンシングチップ100の第1表面1001に取り付けられて整列される。保護カバープレート200は、イメージセンシング領域に保護カバーを形成するために、イメージセンシング領域を包含するための空間を含む。それによってイメージセンシング領域に入射する光に影響を与えないようにして、イメージセンシング領域を損傷から保護する。本開示の一実施形態では、保護カバープレート200は光学ガラスでできており、その上に支持構造220が設けられている。保護カバープレート200は支持構造200を介してイメージセンシング領域102に取り付けられて整列されて、支持構造220によって形成される空洞内にイメージセンシング領域102が包含されるようにする。それにより、イメージセンシング領域102を保護するガラスカバーが形成される。保護カバープレート200が他の構造であってもよいことは理解されたい。例えば、保護カバープレート200は光を通さない基板で形成されて、シールド付きの開口すなわち光透過開口がイメージセンシング領域に対応する基板領域に設けられてもよい。
【0041】
ただし、光学ガラス製の保護カバープレートは鏡面反射の欠陥があって、イメージセンシング領域に入射する光が減少して画質に影響することがあり得る。したがって、
図3を参照すると本開示の一実施形態では、反射防止層201が光学ガラス製の保護カバープレート200の表面に設けられている。反射防止層201はイメージセンシング領域102に対向する光学ガラス面に配置されてもよいし、イメージセンシング領域102に対向する面の反対側の表面に配置されてもよい。あるいは、反射防止層201は光学ガラスの両面に設けられてもよい。反射防止層は少なくともイメージセンシング領域102に対応する領域を覆う。反射防止被覆の好適な材料は、選択された光学ガラスに応じて選択し得る。光学ガラスの表面に反射防止層を設けることによって、反射光が減少し、イメージセンシング領域に入射する光が増大し、画質を改善することが可能である。
【0042】
本開示の好適な実施形態において、第2表面1002に遮光層101が設けられてもよい。
図3に示すように、光、特に赤外光がチップを通ってイメージセンシング領域102に入射することを防ぐために、遮光層101がイメージセンシング領域102を覆う。遮光層101は、アルミニウム、アルミニウム合金又は他の好適な金属材料などの金属材料でできていてよい。そうして遮光層表面で光は鏡面反射をし、それによって光がイメージセンシング領域102に入射することが防止される。より好ましくは、金属材料は、良好な光吸収性能も有する黒化金属Alであってよい。
【0043】
本開示において、コンタクトパッドまで延在するスルーホール105が第2表面に形成される。コンタクトパッド104に電気接続された電気接続層108がスルーホール内に形成され、電気接続層108に電気接続されたガイドコンタクトパッド107が電気接続層上に設けられる。そしてガイドコンタクトパッド107に電気接続された半田バンプ122がガイドコンタクトパッド上に形成され、イメージセンシング領域102からの電気信号が外部回路へ伝達可能となる。
【0044】
スルーホール105はイメージセンシングチップ100を貫通してコンタクトパッド104に至り、コンタクトパッド104がスルーホール105を通して露出される。スルーホール105はコンタクトパッド104の表面まで延在してもよいし、あるいはさらにコンタクトパッド104の一部の厚さにまで延在してもよい。スルーホール105は逆台形型又は段差型であってよい。すなわち、スルーホールは逆台形断面又は段差断面を有してもよい。
【0045】
電気接続層108は半田バンプ122との接続のために、スルーホール105の内壁を覆い、かつスルーホール105の両側で第2表面1002上へ延在する。電気接続層は導電性材料で作られ、それはAl、Au又はCuなどの金属材料であってよい。
【0046】
ガイドコンタクトパッド107が電気接続層108上に設けられ、半田バンプ122がガイドコンタクトパッド107上に形成される。ガイドコンタクトパッド107は電気接続層108と接触しており、半田バンプと実質的に同じ、例えば円形の形状をしていてその上にバンプを半田付けし易いようになっていてもよい。コンタクトパッド107の面積は、半田バンプの下面の面積と実質的に同じかまたは少し大きくてもよい。電気接続層の上に直接半田バンプを設ける代わりに、半田バンプと電気接続層と間にガイドコンタクトパッドを形成して後続のバンプへの半田付けプロセス及びその他の試験における電気接続層への熱ショックを回避して、電気接続層の仮想接続不良又はさらには破断に対する保護をする。
【0047】
図2に示すように本開示の実施形態において、ソルダマスク120がスルーホールを充填して電気接続層108を覆う。ガイドコンタクトパッド107が第2表面1002上のソルダマスク120の開口に形成される。ガイドコンタクトパッド107は内壁沿い及び開口の底部上に設けられ、かつ開口の両側でソルダマスク上に延在する。半田バンプ122が開口に形成されてガイドコンタクトパッド107上に配置される。こうして、ガイドコンタクトパッド107が開口の底部でのみ電気接続層108に接続され、半田バンプ122がガイドコンタクトパッド107を介して電気接続層108に電気的に接続される。このようにしてガイドコンタクトパッ107ドの形が半田バンプ122に一致し、電気接続層108は、電気接続層108が半田バンプ122と接続される位置に、半田バンプに一致する端部を備える必要がない。その結果電気接続層をより高密度に配置可能であり、それによりデバイスの集積度を大きく向上させて、デバイスの更なる微小化を達成できる。
【0048】
ガイドコンタクトパッド107は導電性材料で作られ、それはAl、Au及びCuなどの金属材料であってよい。半田バンプは外部回路との電気接続に用いられる。半田バンプ122は、半田ボール及び金属ピラーなどの接続構造であってよく、銅、アルミニウム、金、錫及び鉛などの金属材料製であってよい。
【0049】
本開示の実施形態において、電気絶縁層106が電気接続層108とイメージセンシングチップ100の間に設けられる。
図2を参照すると、電気絶縁層106はスルーホール105の側壁と、スルーホールの両側の第2表面上に形成される。電気絶縁層は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン又は有機誘電材料などの誘電材料で作られ、電気的分離のために使用される。好適な実施形態では、電気絶縁層106はパッシベーション層である。パッシベーション層は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン又はそれらの積層体などの酸化物又は窒化物の誘電体材料で作られている。電気接続層に対する電気絶縁層として、パッシベーション層は良好なステップカバレッジを有する。さらに、パッシベーション層は低膨張係数を有し、熱膨張によって電気接続層から受ける圧縮力は大幅に低減される、それによってイメージセンシングチップの電気接続層の欠陥が更に低減される。
【0050】
ソルダマスクは、バンプの半田付け工程において他の層に対する絶縁保護層として機能する。ソルダマスクは好ましくは感光性ソルダマスクインクで作られており、バンプの半田付け工程において絶縁と保護を提供するとともに、リフロー半田によりパッシベーション層に生じる衝撃力を吸収するための緩衝層として機能する。
【0051】
本開示のイメージセンシングチップのためのパッケージの実施形態を以上に詳述した。これに加え、上記のパッケージのためのパッケージング方法を本開示に従ってさらに提供する。パッケージング方法を特定の実施形態に関連して以下で詳細に記述する。
【0052】
先ずステップ101においてウェハ1000が提供される。ウェハ1000には、アレイ状に配置された複数のイメージセンシングチップ100が含まれる。
図4に示すように本開示の実施形態において、複数のイメージセンシングチップ100がウェハ1000上に形成され、アレイ状に配置される。後続の工程でウェハ1000を切断して個別のイメージセンシングチップパッケージを形成するための切断溝領域1100が、隣接するイメージセンシングチップ100同士の間に設けられている。
図5を参照すると、ウェハ1000には、互いに対向する第1表面1001と第2表面1002が含まれている。イメージセンシングチップ100には、イメージセンシング領域102と、イメージセンシング領域の周りのコンタクトパッド104が備えられている。イメージセンシング領域102とコンタクトパッド104は、第1表面1001上に配置されている。
図4はウェハ1000の構造を示す平面図である。
図5とその後の関連する図は、A−A1に沿ったイメージセンシングチップ100の構造を示す断面図である。
【0053】
本実施形態において、ウェハ1000は半導体基板であり、これはバルク基板、又は、Si基板、Ge基板、SiGe基板又はSOI基板などの半導体材料を含む積層基板であってよい。
【0054】
本開示の一実施形態では、イメージセンシングチップには、イメージセンシング領域102と、イメージセンシング領域の周りのコンタクトパッド104が含まれる。イメージセンシング領域102とコンタクトパッド104は、第1表面1002上に配置されている。イメージセンシング領域102は、外部光を受光して、外部光を電気信号に変換するために使用される。イメージセンシング領域102には少なくとも1つのイメージセンサユニットが形成される。イメージセンサユニットは、例えば複数のフォトダイオードがアレイ状に配置されて形成されてもよい。イメージセンサユニットに接続された関連回路が、イメージセンシング領域102にさらに形成されてもよい。関連回路は、チップを駆動する駆動ユニット(図示せず)、感光領域電流を取得するための読込ユニット(図示せず)、感光領域電流を処理するための処理ユニット(図示せず)、などであってよい。
【0055】
必ずしも必須ではないが好ましくは、パッケージング方法はさらにステップS102を含んでもよい。ステップS102では、保護カバープレート200が提供され、
図6〜
図7に示すようにウェハ1000に取り付けられて整列される。
【0056】
この実施形態では、
図6に示すように保護カバープレート200は光学ガラスでできており、その上に支持構造220が設けられている。保護カバープレート200は支持構造200を介してイメージセンシング領域102に取り付けられて整列されて、イメージセンシング領域102が支持構造220によって形成される空洞内に包含されるようにする。それにより、イメージセンシング領域102を保護するガラスカバーが形成される。光学ガラスは、無機ガラス、有機ガラス又は特定の強度を有する別の透明材料であってよい。光学ガラスの厚さは300μm〜500μmの範囲であってよい。
【0057】
支持構造220は通常、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン又はホトレジストなどの誘電体材料でできている。特定の実施形態では、支持構造はホトレジストでできている。先ずホトレジストが光学ガラスの表面上に回転塗布され、次に露光、現像されて感光性ガラス上に支持構造220が形成される。
【0058】
光学ガラス製の保護カバープレートは鏡面反射の欠点を有する可能性があり、これがイメージセンシング領域に入射する光を減少して画質に影響する。したがって
図6を参照すると、支持構造を形成する前に光学ガラスの表面に反射防止層201が設けられる。反射防止層201はイメージセンシング領域102に対向する光学ガラス面に設けられてもよいし、イメージセンシング領域102に対向する面の反対側の表面に設けられてもよい。あるいは、反射防止層201は光学ガラスの両面に設けられてもよい。反射防止層は、スプレー工程によってガラス基板上に形成されてもよい。反射防止層は少なくともイメージセンシング領域102に対応する領域を覆う。反射防止膜の好適な材料は、選択された光学ガラスに応じて選択し得る。
【0059】
図7に示すようにこの実施形態において、保護カバープレート200が支持構造220を介してウェハ1000の第1表面に取り付けられる。保護カバープレート200はイメージセンシング領域102に取り付けられて整列される。ここで、保護カバープレート200をウェハ1000に取り付けて整列させるために接着層(図示せず)が支持構造220及び/又はウェハ1000の第1表面上に設けられてもよい。例えば、接着層は、スプレー工程、回転塗布工程又は接着工程によって支持構造220上及び/又は支持構造220に対応するウェハ1000の第1表面上の位置に設けられてもよい。そうして、支持構造220とウェハ1000が加圧され、接着層によって支持構造220とウェハ1000が相互に取り付けられる。接着層は接着機能とともに絶縁機能と密封機能を果たす。接着層はポリマー接着材料であってよく、シリカゲル、エポキシ樹脂又はベンゾシクロブテンなどのポリマー材料であってよい。
【0060】
次にステップS103において、
図9に示すようにコンタクトパッド104まで延在するスルーホール105が第2表面1002上に形成される。
【0061】
ステップS103を行う前に、ウェハ1000は第2表面1002から薄化されて後続のスルーホール形成のためのエッチングを容易にする。ウェハ1000は機械的化学研磨工程、化学的機械研磨工程又はその組み合わせによって薄化されてよい。
【0062】
その後より好ましくは、
図8に示すように第2表面を通ってイメージセンシング領域102に入射する光、特に赤外光を回避又は減少させるために、第2表面の少なくともイメージセンシング領域102に対応する領域上に遮光層101が設けられてもよい。遮光層101は金属材料でできていて、例えばアルミニウム、アルミニウム合金又は別の好適な金属材料であってよい。好適な実施形態では、先ずアルミニウム金属層などの金属層がウェハ1000の第2表面上にスパッタリング工程で形成される。次に、アルミニウム材料層の光遮蔽効果を向上させるために、その金属層を黒化して、アルミニウム金属層の上に黒い硫化薄膜層を形成する。金属層は、酸溶液又はアルカリ溶液を使用して黒化させてもよい。例えば、アルミニウム金属層は、硫黄を含むアルカリ溶液で処理してもよい。黒化金属層の厚さは、1μmから10μmの範囲であってよい。好ましくは厚さが、5μm、6μmの程度であってよい。次に、金属材料層がパターン化されて、イメージセンシング領域102に対応する第2表面の領域の上にのみに遮光層101が形成される。遮光層は、イメージセンシング領域102よりも大きな面積を有してイメージセンシング領域を完全に覆い、それにより、より優れた遮光効果を達成するようにしてもよい。
【0063】
次に、
図9に示すようにコンタクトパッド104にまで延在するスルーホール105が第2表面1002上に形成される。具体的には、ウェハ1000が、反応性イオンエッチング法又は誘導結合プラズマエッチング法などのエッチング法を使用して、コンタクトパッド104が露出するまでエッチングされ、かつコンタクトパッド104がさらにオーバーエッチングされてよい。すなわちコンタクトパッドの厚さの一部がエッチング除去されてもよい。そうしてスルーホール105が形成され、そこを通してコンタクトパッドが露出される。
【0064】
必須ではないが好ましくは、電気絶縁層106としてのパッシベーション層が、
図10に示すようにスルーホール105の側壁上及びスルーホール105の両側の第2表面1002上にさらに形成されてもよい。パッシベーション層106は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン又はそれらの積層体などの酸化物又は窒化物の誘電体材料で作られてよい。具体的には、先ず酸化シリコン層などのパッシベーション材料層が化学気層蒸着法を用いて堆積される。次にマスク工程が行われ、マスクで遮蔽されたパッシベーション材料層にエッチングが行われてコンタクトパッド104上のパッシベーション材料層が除去される。そうしてパッシベーション層106はスルーホール105の側壁上と、スルーホール105の両側の第2表面1002上にのみ形成される。パッシベーション層で形成された電気絶縁層は、カバレッジが良好である。さらに、コンタクトパッド上のパッシベーション層はエッチング工程を用いて選択的に除去され、後から形成される電気接続層との間の面と面の接触が達成されてもよい。こうして電気接続層とコンタクトパッドとの間の良好な接触と結合が確保できる。
【0065】
次にステップS104において、
図11に示すように電気接続層108がスルーホール105の内壁と第2表面上に形成される。
【0066】
電気接続層は導電性材料で作られ、それはAl、Au又はCuなどの金属材料の薄膜であってよい。電気接続層はRDL(Redistribution Layer(再配線))法又はその他の好適な堆積工程によって形成されてよい。例えば、RDL法を利用してCuの電気メッキが行われ、下地層形成にはTiがスパッタリングされて、電気接続層108が形成される。RDL法により、ボンディング領域の配置が再構成され、それによってボンディング領域の半田バンプの最小間隔要件をさらに満たすことができる。
【0067】
次いでステップS105において、ガイドコンタクトパッド107と半田バンプ122が、
図15に示すように形成される。
【0068】
この実施形態において、具体的には
図12に示すように、スルーホール105を充填し、電気接続層108を覆うソルダマスク120がまず形成される。ソルダマスク120は、バンプの半田付け工程において他の層に対する絶縁層及び保護層として機能する。ソルダマスクは例えば感光性ソルダマスクインクでできていてもよい。スルーホール105を充填しかつ電気接続層108を覆うソルダマスク120は、
図12に示すように回転塗布工程で形成されてもよい。次に、ソルダマスク120に開口109が形成される。そこには
図13に示すように開口109の底部に、第2表面1002上の電気接続層108が露出される。電気接続層108上のソルダマスク120の開口は露光と現像で形成され、電気接続層108が開口109の底部に露出される。
【0069】
本開示の実施形態において、ボンディング領域に対応する電気接続層の領域に、ボンディング領域に対応するパターン又はボンディング領域よりも小さいパターンは形成されない。ガイドコンタクトパッドが電気接続層と接触して電気接続を形成する。そしてボンディング領域のパターンがさらにガイドコンタクトパッド上に形成されて、電気接続層はより高密度に配置可能であり、それによりデバイスの集積度を大いに向上させ、かつデバイスの更なる微細化を達成可能である。
【0070】
次に
図14に示すように、ガイドコンタクトパッド107が開口109の内壁と底部、及び開口の外側のソルダマスク120上に形成される。ガイドコンタクトパッドは導電性材料でできており、Al、Au及びCuなどの金属材料の薄膜で、RDL(Redistribution Layer(再配線))法又は他の好適な堆積工程によって形成されてよい。例えば、RDL法を利用してCuの電気メッキが行われ、Tiが下地層形成のためにスパッタリングされて、ガイドコンタクトパッド107が形成される。RDL法によりボンディング領域の配置が再構成され、それによってボンディング領域の半田バンプの最小間隔要件をさらに満たすことができる。
【0071】
最後に、半田バンプ122が
図15に示すようにガイドコンタクトパッド107上に形成される。UBM(Under Bump Metal(バンプ下地金属))層が最初に形成されてもよい。そしてバンプ工程が実行され、そこで半田ボールがレチクルを介してUBMに配置される。次に、リフロー半田付け工程が行われ、開口部に半田バンプ122が形成される。半田バンプは、半田ボール及び金属ピラーなどの接続構造であってよく、銅、アルミニウム、金、錫及び鉛又はそれらの合金材料で作られてよい。
【0072】
この段階で本開示の実施形態によるパッケージが形成される。さらに切断工程が行われて、上記のパッケージを切断溝領域に沿って分離したチップに切断し、個別のチップパッケージを取得できる。
【0073】
本開示を上に開示したが、これに限定されるものではない。当業者により、本開示の精神と範囲から逸脱することなしに本開示の技術的解決策に対して様々な変更及び修正を成すことができる。したがって、本開示の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって規定される。
【国際調査報告】