特表2018-531520(P2018-531520A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-531520半田パッド、半田パッドを含む半導体チップ及びその形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-531520(P2018-531520A)
(43)【公表日】2018年10月25日
(54)【発明の名称】半田パッド、半田パッドを含む半導体チップ及びその形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 2 A20060101AFI20180928 2 C07C 275/
   H01L 21/768 2 A20060101ALI20180928 2 C07C 275/
   H01L 23/522 2 A20060101ALI20180928 2 C07C 275/
   H01L 23/532 2 A20060101ALI20180928 2 C07C 275/
【FI】
   H01L21/88 T
   H01L21/88 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-521022(P2018-521022)
(86)(22)【出願日】2016年10月14日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月23日
(86)【国際出願番号】CN2016102136
(87)【国際公開番号】WO2017113932
(87)【国際公開日】20170706
(31)【優先権主張番号】201511009450.8
(32)【優先日】2015年12月29日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201521116234.9
(32)【優先日】2015年12月29日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】518120278
【氏名又は名称】チャイナ ウェイファー レベル シーエスピー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】王之奇
(72)【発明者】
【氏名】王▲しん▼琴
【テーマコード(参考)】
5F033
【Fターム(参考)】
5F033HH09
5F033HH18
5F033JJ18
5F033JJ19
5F033KK09
5F033KK18
5F033MM08
5F033NN07
5F033NN09
5F033QQ46
5F033RR04
5F033RR06
5F033VV07
5F033XX09
5F033XX17
(57)【要約】
半田パッド、半田パッドを含む半導体チップ及びその形成方法。半田パッド(31)は、少なくとも2つの金属層と、隣接する金属層間に位置する誘電体層とを備えている。半田パッドはレーザ穴あけ領域(310)を備え、誘電体層にはレーザ穴あけ領域に対応する開口が設けられ、金属プラグが開口に設けられ、金属プラグの両端は隣接する金属層にそれぞれ接触している。半田パッドの形成方法が半田パッドに実行されるレーザ穴あけの品質を向上させ、レーザ穴あけの難度を低減する。レーザは誘電体層に接触しないで金属物質に作用し、誘電体層が熱変形することを効果的に防止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの金属層と、
隣接する金属層の間に位置する誘電体層と、
を備えるコンタクトパッドであって、
前記コンタクトパッド上にレーザ穴あけ領域が配置され、前記レーザ穴あけ領域に対応する前記誘電体層の位置に開口が配置され、前記開口に金属プラグが配置され、かつ前記金属プラグの両端はそれぞれ隣接する金属層に接触している、コンタクトパッド。
【請求項2】
前記金属プラグは、
前記金属層に接触する前記開口の底部と前記開口の側壁に形成されたバリヤ層と、
前記バリヤ層上に位置する拡散バリヤ層と、
前記拡散バリヤ層上に位置して前記開口を充填するフィラー金属と、
を備える、請求項1に記載のコンタクトパッド。
【請求項3】
前記フィラー金属はタングステンで作られ、前記バリヤ層はチタンで作られ、かつ前記拡散バリヤ層は窒化チタンで作られている、請求項2に記載のコンタクトパッド。
【請求項4】
前記誘電体層内に前記開口の位置とは異なる領域に少なくとも1つの開口をさらに備え、前記少なくとも1つの開口内に導電性プラグが形成され、かつ前記導電性プラグの両端が隣接する金属層にそれぞれ電気的に接続されている、請求項3に記載のコンタクトパッド。
【請求項5】
前記導電性プラグ及び前記金属プラグは、同一材料から作られかつ同一構造を有する、請求項4に記載のコンタクトパッド。
【請求項6】
前記金属層は、前記コンタクトパッドの保護層又は誘電体層に密着して一体化されたバリヤ層を備え、中間金属層が前記バリヤ層に接合され、かつ反射防止層が前記中間金属層に成膜されている、請求項1に記載のコンタクトパッド。
【請求項7】
前記バリヤ層はチタンで作られ、前記中間金属層はアルミニウム−銅合金で作られ、かつ前記反射防止層は窒化チタンで作られている、請求項6に記載のコンタクトパッド。
【請求項8】
前記レーザ穴あけ領域にレーザ穴が配置され、かつ前記レーザ穴は前記金属層と前記金属プラグを順次貫通している、請求項1に記載のコンタクトパッド。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のコンタクトパッドを有する、半導体チップ。
【請求項10】
半導体チップのコンタクトパッドを形成する方法であって、
(a)金属層を形成するステップと、
(b)前記金属層上に誘電体層を形成するステップと、
(c)前記誘電体層内に金属プラグを形成するステップであって、前記金属プラグはレーザ穴あけ領域内に位置するステップと、
(d)前記誘電体層上に別の金属層を形成するステップと、
を含む、コンタクトパッドの形成方法。
【請求項11】
前記誘電体層内に前記金属プラグを形成するステップが、
エッチング工程を用いて前記誘電体層に開口を形成するステップと、
成膜工程を用いて前記開口の底部と前記開口の側壁にバリヤ層を形成するステップと、
前記成膜工程を用いて前記バリヤ層上に拡散バリヤ層を形成するステップと、
前記成膜工程を用いて前記拡散バリヤ層の前記開口を充填するフィラー金属を形成するステップと、
を含む、請求項10に記載のコンタクトパッドの形成方法。
【請求項12】
前記フィラー金属はタングステンで作られ、前記バリヤ層はチタンで作られ、かつ前記拡散バリヤ層は窒化チタンで作られる、請求項11に記載のコンタクトパッドの形成方法。
【請求項13】
前記開口の位置とは別の領域に少なくとも1つの開口を配置し、前記少なくとも1つの開口内に導電性プラグを形成するステップをさらに含み、
前記導電性プラグの両端は、隣接する金属層にそれぞれ電気的に接続される、請求項12に記載のコンタクトパッドの形成方法。
【請求項14】
前記導電性プラグと前記金属プラグは同一の材料と方法で形成される、請求項13に記載のコンタクトパッドの形成方法。
【請求項15】
前記金属層の形成ステップは、
成膜工程を用いて前記コンタクトパッドの保護層又は前記誘電体層にバリヤ層を成膜するステップと、
前記成膜工程を用いて前記バリヤ層上に中間金属層を成膜するステップと、
前記成膜工程を用いて前記中間金属層上に反射防止層を成膜するステップと、
ホトレジストを用いてシリコンウェハをインプリントし、エッチング工程を実行することによって前記コンタクトパッドと同一形状を有する金属層を形成するステップと、
を含む、請求項10に記載のコンタクトパッドの形成方法。
【請求項16】
前記バリヤ層はチタンで作られ、前記中間金属層はアルミニウム−銅合金で作られ、かつ前記反射防止層は窒化チタンで作られる、請求項15に記載のコンタクトパッドの形成方法。
【請求項17】
前記金属層と前記金属プラグを順次貫通するレーザ穴が、前記コンタクトパッドの前記レーザ穴あけ領域に形成される、請求項10に記載のコンタクトパッドの形成方法。
【請求項18】
前記ステップ(b)からステップ(d)が複数の金属層と誘電体層を形成するために反復される、請求項10に記載のコンタクトパッドの形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年12月29日に中華人民共和国の国家知的所有権庁に出願された「半導体チップ及びその形成方法(SEMICONDUCTOR CHIP AND FORMING METHOD THEREFOR)」と題する中国特許出願第201511009450.8号明細書、及び2015年12月29日に中華人民共和国の国家知的所有権庁に出願された「半導体チップ(SEMICONDUCTOR CHIP)」と題する中国特許出願第201521116234.9号明細書の優先権を主張するものであり、この両者の全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本開示は半導体チップの技術分野に関し、特に半導体チップ製造の分野に関係する。
【背景技術】
【0003】
レーザ穴あけ技術は半導体分野、特に半導体チップパッケージングの分野で広く使用されている。
【0004】
図1及び図2を参照すると、図1はウェハレベル半導体チップの概略構造図であり、図2は半導体チップパッケージの概略構造図である。図1では、ウェハ100にはアレイ状に配列された複数の半導体チップ201が含まれる。隣接する半導体チップ201の間には切断溝が設けられる。ウェハレベルのパッケージングと試験が完了すると、半導体チップ201は切断溝領域に沿って相互に分離される。各半導体チップ201には、集積回路と集積回路へ電気的に接続された複数のコンタクトパッドが含まれる。コンタクトパッドは外部回路と電気的に接続されるようになっている。
【0005】
図2では、イメージセンシングチップが例として取り上げられている。保護層203が半導体チップ201の第1表面Iに配置される。コンタクトパッド202は保護層203内に位置する。光学デバイス層207は保護層203内の感光領域に対応する位置に配置される。隔壁205が保護基板200内に配置される。半導体チップ201が保護基板200に位置合わせして積層された後、光学デバイス層207は隔壁205で囲まれてできる空洞206内に配置される。
【0006】
図2に示す構造において、コンタクトパッド202と外部回路とを電気的に接続するために、コンタクトパッド202を貫通するレーザ穴209がコンタクトパッド202上に形成される。そして半導体チップ201の第2表面IIまで延在する金属配線層210がレーザ穴209内に形成される。次に金属配線層210に接続された半田ボール212が第2表面II上に形成される。コンタクトパッド202は半田ボール212を介して外部回路と電気的に接続される。さらに、金属配線層210と半導体チップ201内の他の回路との相互干渉を防止するために、絶縁層208aと絶縁層211が半導体チップ201上に形成されて、金属配線層を他の回路から分離する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術においては、コンタクトパッドは通常、多層構造、すなわち少なくとも2つの金属層と隣接する金属層間の誘電体層とを含む多層構造を有する。コンタクトパッドの構造と材料は、レーザ穴あきの品質と難度とに直接影響を与える。したがって、当業者が解決すべき技術課題は、コンタクトパッド用レーザ穴あけの品質をどのように向上させ、かつレーザ穴あけの難度をどのように低減するかということにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によれば新構造を有するコンタクトパッドが考案され、これによりコンタクトパッド用のレーザ穴あけの品質が向上し、かつレーザ穴あけの難度が低減される。
【0009】
本開示の一態様ではコンタクトパッドが提供され、コンタクトパッドには少なくとも2つの金属層と、隣接する金属層の間に位置する誘電体層が含まれる。コンタクトパッド上にレーザ穴あけ領域が配置され、誘電体層のレーザ穴あけ領域に対応する位置に開口が配置され、開口に金属プラグが配置され、かつ金属プラグの両端はそれぞれ隣接する金属層に接触している。
【0010】
所望により、金属プラグには、金属層に接触する開口の底部と開口の側壁に形成されたバリヤ層と、バリヤ層上に位置する拡散バリヤ層と、拡散バリヤ層上に位置して開口を充填するフィラー金属とが含まれる。
【0011】
所望により、フィラー金属はタングステンで作られ、バリヤ層はチタンで作られ、かつ拡散バリヤ層は窒化チタンで作られている。
【0012】
所望により、誘電体層に開口の位置とは異なる領域に少なくとも1つの開口がさらに備えられて、少なくとも1つの開口内に導電性プラグが形成され、かつ導電性プラグの両端がそれぞれに隣接する金属層に電気的に接続されている。
【0013】
所望により、導電性プラグ及び金属プラグは、同一材料から作られかつ同一構造を有する。
【0014】
所望により、金属層は、コンタクトパッドの保護層又は誘電体層に密着して一体化されたバリヤ層を備え、中間金属層がバリヤ層に接合され、かつ反射防止層が中間金属層上に成膜されている。
【0015】
所望により、バリヤ層はチタンで作られ、中間金属層はアルミニウム−銅合金で作られ、かつ反射防止層は窒化チタンで作られている。
【0016】
所望により、レーザ穴あけ領域にレーザ穴が配置され、かつレーザ穴は金属層と金属プラグを順次貫通している。
【0017】
本開示の別の態様では、上記のコンタクトパッドを含む半導体チップが提供される。
【0018】
本開示の別の態様では、半導体チップのコンタクトパッドを形成する方法が提供される。この方法は、(a)金属層を形成するステップと、(b)金属層上に誘電体層を形成するステップと、(c)誘電体層に金属プラグを形成するステップであって、金属プラグがレーザ穴あけ領域に位置するステップと、(d)金属層上に別の金属層を形成するステップと、を含む。
【0019】
所望により、誘電体層内に金属プラグを形成するステップは、エッチング工程を用いて誘電体層に開口を形成するステップと、成膜工程を用いて開口の底部と開口の側壁にバリヤ層を形成するステップと、成膜工程を用いてバリヤ層上に拡散バリヤ層を形成するステップと、成膜工程を用いて拡散バリヤ層の開口を充填するフィラー金属を形成するステップと、を含む。
【0020】
所望により、フィラー金属はタングステンで作られ、バリヤ層はチタンで作られ、かつ拡散バリヤ層は窒化チタンで作られる。
【0021】
所望により、この方法はさらに、開口の位置とは別の領域に少なくとも1つの開口を配置して、その少なくとも1つの開口内に導電性プラグを形成するステップをさらに含む。ここで、導電性プラグの両端は、隣接する金属層にそれぞれ電気的に接続される。
【0022】
所望により、導電性プラグと金属プラグは同一の材料と方法で形成される。
【0023】
所望により、金属層を形成するステップは、成膜工程を用いてコンタクトパッドの保護層又は誘電体層にバリヤ層を成膜するステップと、成膜工程を用いてバリヤ層上に中間金属層を成膜するステップと、成膜工程を用いて中間金属層上に反射防止層を成膜するステップと、ホトレジストを用いてシリコンウェハをインプリントし、エッチング工程を実行することによってコンタクトパッドと同一形状を有する金属層を形成するステップと、を含む。
【0024】
所望により、バリヤ層はチタンで作られ、中間金属層はアルミニウム−銅合金で作られ、かつ反射防止層は窒化チタンで作られる。
【0025】
所望により、金属層と金属プラグを順次貫通するレーザ穴が、コンタクトパッドのレーザ穴あけ領域に形成される。
【0026】
所望により、前記ステップ(b)からステップ(d)が複数の金属層と誘電体層を形成するために反復実行される。本開示の有益な効果は、コンタクトパッド用のレーザ穴あけの品質が改善され、かつレーザ穴あけの難度が低減されることである。レーザは金属材料に作用し、誘電体層への接触が防止される。したがって誘電体層の熱変形が効果的に防止可能であり、かつレーザ穴の内壁でのクラック発生が防止可能である。さらに、レーザ穴の側壁全体が金属製であるので、コンタクトパッドの電気伝導性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来技術によるウェハの概略構造図である。
図2】従来技術によるイメージセンシングチップのパッケージの概略図である。
図3A】本開示の好適な実施形態による半導体チップの概略構造図である。
図3B】本開示の好適な実施形態による半導体チップの断面図である。
図4】本開示の好適な実施形態によるコンタクトパッドの断面図である。
図5】本開示の好適な実施形態による金属層の概略構造図である。
図6】本開示の好適な実施形態による誘電体層に配置される金属プラグの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示の特定の実施形態を添付の図面を参照して以下で詳細に説明する。ただし、この実施形態は本開示を制限することを意図するものではない。これらの実施形態を基に、当業者によりなされる構造、方法および機能に対するいかなる修正も、本開示の保護範囲内にある。
【0029】
これらの図面は本開示の実施形態の理解を助けるために提供されるものであり、本開示を制限するものと見なすべきではないことに留意されたい。なお、明瞭とするために図に表示された寸法は縮尺通りではなく、拡大、縮小あるいはその他の形で変更されている場合がある。
【0030】
図3A図3Bを参照すると、半導体チップ301には、集積回路(図3Aには図示せず)と、その集積回路に電気的に接続された複数のコンタクトパッド31とが含まれている。コンタクトパッド31は外部回路と電気的に接続されるようになっている。集積回路の構造及び機能は本開示では限定されず、本明細書では集積回路を広範囲に説明する。すなわち、いわゆる集積回路とは、何らかの機能を有し、かつ抵抗、コンデンサ、トランジスタなどの複数の一般的に使用される電子要素、及び電子要素間の接続配線を半導体プロセスによって集積して形成した回路である。保護層32は半導体チップ301の表面上に配置され、コンタクトパッド31は保護層32内に配置される。
【0031】
レーザ穴あけ領域310はコンタクトパッド31上に配置され、後続するレーザ穴あけの工程において、レーザ穴320がレーザ穴あけ領域内に配置され、かつレーザ穴あけ領域の面積がレーザ穴の面積より大きい。レーザ穴あけの操作を簡単にし、かつレーザ穴あけ領域へのレーザ穴の位置決めを容易にするために、レーザ穴あけ領域はコンタクトパッド31の中心に配置される。こうして、レーザ穴あけ操作が、レーザのアライメントマークを追加的に設けることなしに、レーザビームをコンタクトパッド31の中心に位置合わせするだけで実行される。
【0032】
この実施形態において、レーザ穴あけ領域310の形状は正方形である。レーザ穴あけ領域310の形状は本開示に限定されるものではない。レーザ穴がレーザ穴あけ領域内に位置し、かつレーザ穴の側壁とレーザ穴あけ領域310の側端との間に間隔がある限りは、レーザ穴あけ領域310の形状は円形であってもよい。
【0033】
図4はコンタクトパッド31の断面図である。この実施形態では、コンタクトパッド31が4つの金属層を含む。すなわち第1金属層311、第2金属層312、第3金属層313及び第4金属層314である。第1誘電体層315が第1金属層311と第2金属層312の間に設けられ、第2誘電体層316が第2金属層312と第3金属層313の間に設けられ、第3誘電体層317が第3金属層313と第4金属層314の間に設けられる。
【0034】
各誘電体層内のレーザ穴あけ領域310に対応する位置に開口が配置され、金属プラグがその開口内に配置される。図4では、第1金属プラグ325、第2金属プラグ326及び第3金属プラグ327が誘電体層の開口に配置される。各金属プラグの両端は、それぞれが隣接する金属層に接触している。つまり第1金属プラグ325の両端は第1金属層311と第2金属層312にそれぞれ接触しており、第2金属プラグ326の両端は第2金属層312と第3金属層313にそれぞれ接触しており、第3金属プラグ327の両端は第3金属層313と第4金属層314にそれぞれ接触している。
【0035】
後続のレーザ穴あけ工程において、コンタクトパッド31のレーザ穴あけ領域310にコンタクトパッド31を貫通するレーザ穴320が形成される。図4ではレーザ穴320は、第4金属層314、第3金属プラグ327、第3金属層313、第2金属プラグ326、第2金属層312、第1金属プラグ325、第1金属層311を順次貫通する。
【0036】
金属層同士の間の電気接触の安定性を改善するために、誘電体層のこの開口位置以外の領域に少なくとも1つの開口がさらに配置されて、その少なくとも1つの開口に導電性プラグ330が設けられる。導電性プラグ330の両端は、それぞれ隣接する金属層に電気的に接続される。
【0037】
この工程の簡略性と便宜性を改良するために、金属プラグと導電性プラグは同時に作製可能である。
【0038】
コンタクトパッド31はウェハレベル工程で形成される。
【0039】
第1に、第1金属層311が形成され、そして第1金属層311上に第1誘電体層315が形成される。第2に、第1金属プラグ325と少なくとも1つの導電性プラグ330が第1誘電体層315内に形成される。次に、第2金属層312が第1誘電体層315上に形成される。上記のステップが繰り返し実行されて、最終的に図4に示すようなコンタクトパッド構造が形成される。
【0040】
金属層は多層構造を有する。図5では第2金属層312を例示している。そして第2金属層312の作製工程は以下の4つのステップを含む。
(1)第1誘電体層315上にバリヤ層3121を成膜するステップ。ここでバリヤ層3121はチタンで作られ、このバリヤ層3121は第1誘電体層315に密着して一体化される。
(2)バリヤ層3121上に中間金属層3122を成膜するステップ。ここで中間金属層3122はアルミニウム−銅合金で作られ、バリヤ層3121は中間金属層に十分接合される。
(3)アルミニウム−銅合金層3112上に反射防止層3123を成膜するステップ。ここで反射防止層3123は窒化チタンで作られ、かつ反射防止層3123はエッチング工程における反射防止層として作用する。
(4)ホトレジストを用いてシリコンウェハをインプリントし、エッチング工程を実行することによりコンタクトパッドと同一形状を有する第2金属層312を形成するステップ。
【0041】
第1金属層311に関しては、バリヤ層がコンタクトパッドの保護層32上に成膜される。
【0042】
図6では第2金属プラグ326を例示している。そして第2金属プラグ326の作製工程は以下の6つのステップを含む。
(1)第2金属層312の形成後に第2金属層312上に第2誘電体層316を形成するステップ。ここで第2誘電体層316は酸化シリコン又は窒化シリコンで作られてよい。
(2)第2誘電体層316をエッチングして誘電体層316に開口を形成するステップ。ここで第2金属層312はこの開口の底部に露出される。
(3)開口の底部および側壁にバリヤ層3162を成膜するステップ。ここでバリヤ層3162はチタンで作られる。
(4)バリヤ層3162の上に拡散バリヤ層3163を成膜するステップ。ここで拡散バリヤ層は窒化チタンで作られる。
(5)開口を充填するフィラー金属3164を開口内に成膜するステップ。この実施形態ではフィラー金属3164は、空洞無しで開口を充填可能でありかつ良好な研削、研磨特性を有するタングステンで作られ、バリヤ層3162がフィラー金属3164と第2誘電体層316の間の接着剤の役割をし、拡散バリヤ層3163はフィラー金属3164の拡散阻止のために使用される。
(6)フィラー金属3164を研削および研磨して、フィラー金属3164の高さを第2誘電体層316の表面と同じ高さとするステップ。
【0043】
導電性プラグ330の作製工程は第2金属プラグ326の作製工程と同じであり、ここでは説明を繰り返さない。
【0044】
本開示におけるレーザ穴あけ領域310の構造の特別の設計に基づき、コンタクトパッドのためのレーザ穴あけの品質が改善され、かつレーザ穴あけの難度が低減される。レーザは金属材料に作用して誘電体層への接触が防止され、誘電体層の熱変形が効果的に防止でき、かつレーザ穴の内壁でのクラック発生が防止できる。さらに、レーザ穴の側壁全体が金属製であるので、コンタクトパッドの電気伝導性が改善される。
【0045】
本明細書は実施形態に従って記載されているが、各実施形態が必ずしも1つの独立した技術解決策を含む訳ではないことを理解されたい。本明細書の記述は単に明確化を期すためのものであって、当業者は明細書を全体的に捉えるべきであり、当業者であれば理解できるように、実施形態の技術的解決策を適切に組合せて他の実施形態を形成することも可能である。
【0046】
これまでに述べた一連の詳細な説明は、本開示の実現可能な実施形態を説明しただけであり、本開示の保護範囲の制限を意図するものではない。本開示の技術的趣旨から逸脱することなしになされる任意の等価な実施形態又は修正は、本開示の保護範囲内に当然含まれる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
【国際調査報告】