特表2018-531525(P2018-531525A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-531525イメージセンシングチップパッケージ構造およびそのパッケージ方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-531525(P2018-531525A)
(43)【公表日】2018年10月25日
(54)【発明の名称】イメージセンシングチップパッケージ構造およびそのパッケージ方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/065 2 A20060101AFI20180928 2 C07C 275/
   H01L 25/07 2 A20060101ALI20180928 2 C07C 275/
   H01L 25/18 2 A20060101ALI20180928 2 C07C 275/
【FI】
   H01L25/08 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-540203(P2018-540203)
(86)(22)【出願日】2016年12月26日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月20日
(86)【国際出願番号】CN2016112080
(87)【国際公開番号】WO2017114353
(87)【国際公開日】20170706
(31)【優先権主張番号】201511008692.5
(32)【優先日】2015年12月29日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201521117238.9
(32)【優先日】2015年12月29日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】518140391
【氏名又は名称】チャイナ ウェーハ レベル シーエスピー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジチィ
(72)【発明者】
【氏名】シェン ジジエ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ジィアウエイ
(57)【要約】
イメージセンシングチップパッケージ構造およびそのパッケージ方法。イメージセンシングチップパッケージ構造はイメージセンシングチップと、イメージセンシングチップ制御用の制御チップを備えている。イメージセンシングチップパッケージ構造はさらに、第1の面及び第2の面を互いに反対側に有する基板を備えている。イメージセンシングチップは基板に電気的に接続され、基板の第1の面に設けられている。制御チップは基板に電気的に接続され、基板の第2の面に設けられている。イメージセンシングチップのパッケージングにスタックパッケージング技術を応用することで、イメージセンシングチップのパッケージ構造の小サイズ化、およびイメージセンシングチップの集積度の向上が図れる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサチップと、
前記イメージセンサチップを制御するように構成されている制御チップと、
第1の面及び第2の面を互いに反対側に有する基板を備え、
前記イメージセンサチップは、前記基板に電気的に接続され、前記基板の前記第1の面に設けられており、
前記制御チップは前記基板に電気的に接続され、前記基板の前記第2の面に設けられているイメージセンサチップパッケージ。
【請求項2】
前記イメージセンサチップが第1の面及び第2の面を互いに反対側に有し、前記イメージセンサチップの前記第1の面に、感光領域と、前記感光領域以外の部分に接触パッドとが設けられており、前記イメージセンサチップの前記第2の面には、前記接触パッドに電気的に接続されたはんだボールが設けられており、前記イメージセンサチップが前記はんだボールを介して前記基板に電気的に接続されている、請求項1に記載のイメージセンサチップパッケージ。
【請求項3】
前記イメージセンサチップの前記第1の面が、保護カバー板で覆われており、密封されたキャビティが前記保護カバー板と前記イメージセンサチップとの間に形成されており、前記感光領域が前記密封されたキャビティ内にある、請求項2に記載のイメージセンサチップパッケージ。
【請求項4】
前記保護カバー板が反射防止ガラス製である、請求項3に記載のイメージセンサチップパッケージ。
【請求項5】
前記基板の前記第2の面に、外部回路との電気的接続用のはんだバンプブロックが設けられており、前記はんだバンプブロックの高さが前記制御チップの高さよりも大きく、前記はんだバンプブロックが前記外部回路に電気的に接続された際、前記制御チップと前記外部回路の間に空間が形成される、請求項1に記載のイメージセンサチップパッケージ。
【請求項6】
前記制御チップがフリップチップ法により前記基板に電気的に接続されている、請求項1に記載のイメージセンサチップパッケージ。
【請求項7】
前記制御チップが糸はんだを介して前記基板に電気的に接続されている、請求項1に記載のイメージセンサチップパッケージ。
【請求項8】
イメージセンサチップと、前記イメージセンサチップを制御するように構成されている制御チップを準備する工程と、
第1の面及び第2の面を互いに反対側に有する基板を準備する工程と、
前記制御チップを前記基板の前記第2の面に電気的に接続する工程と、
前記イメージセンサチップを前記基板の前記第1の面に電気的に接続する工程を含む、イメージセンサチップのパッケージ方法。
【請求項9】
前記イメージセンサチップを前記基板に電気的に接続する前記工程の前に、
それぞれが第1の面及び第2の面を互いに反対側に有し、前記第1の面に感光領域と、前記感光領域以外の部分に接触パッドとが設けられている所定の配列のイメージセンサチップを含むウェーハを準備し、
前記イメージセンサチップと一対一で対応する所定の配列の支持ユニットが表面に設けられた、前記ウェーハと同一サイズの保護カバー板を準備し、
各イメージセンサチップと前記保護カバー板との間に密封されたキャビティが形成され、このキャビティ内に前記感光領域が位置するように、前記ウェーハを前記保護カバー板に位置を合わせて積層し、
前記イメージセンサチップの前記第2の面に、前記接触パッドと一対一で対応する複数の貫通シリコンビアを、前記接触パッドが前記貫通シリコンビアの底部から露出するように貫通シリコンビア法により形成し、
前記貫通シリコンビア内に金属配線層を形成し、この金属配線層は前記接触パッドに電気的に接続するものであり、
前記イメージセンサチップの前記第2の面にはんだボールを形成し、このはんだボールは前記金属配線層に電気的に接続するものであり、
前記イメージセンサチップ及び前記保護カバー板を切断し、互いに接続しているイメージセンサチップを分離させる、請求項8に記載のイメージセンサチップのパッケージ方法。
【請求項10】
前記保護カバー板が反射防止ガラス製である、請求項9に記載のイメージセンサチップのパッケージ方法。
【請求項11】
前記制御チップが、フリップチップ法により前記基板に電気的に接続されている、請求項8に記載のイメージセンサチップのパッケージ方法。
【請求項12】
前記制御チップが、ワイヤボンディング法により前記基板に電気的に接続されている、請求項8に記載のイメージセンサチップのパッケージ方法。
【請求項13】
前記基板の前記第2の面に、外部回路への電気的接続用のはんだバンプブロックを設ける工程をさらに含み、このはんだバンプブロックの高さが前記制御チップの高さより大きく、前記はんだバンプブロックが前記外部回路に電気的に接続された際、前記制御チップと前記外部回路との間に隙間が形成される、請求項8に記載のイメージセンサチップのパッケージ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2015年12月29日に中華人民共和国国家知的財産局に提出された「イメージセンシングチップパッケージ構造およびイメージセンシングチップパッケージ方法」(IMAGE SENSING CHIP PACKAGING STRUCTURE AND IMAGE SENSING CHIP PACKAGING METHOD)と題する中国特許出願No. 201511008692.5、および2015年12月29日に中華人民共和国国家知的財産局に提出された「イメージセンシングチップパッケージ構造」(IMAGE SENSING CHIP PACKAGING STRUCTURE)と題する中国特許出願No. 201521117238.9の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、半導体チップのパッケージ技術、特にイメージセンサチップのパッケージ技術に関するものである。
【背景技術】
【0003】
画像取得用の機能チップとしてのイメージセンサは、電子機器のカメラに通常用いられている。カメラフォンの急速および継続的な技術革新に伴い、イメージセンサチップに対する市場の需要は今後も増大し続けることが見込まれる。また、スカイプ(Skype)などのリアルタイムのコミュニケーションサービスの流行や、セキュリティ監視市場の成長や、地球規模の自動車エレクトロニクスの急速な技術革新なども、イメージセンサチップの大規模な発展を後押ししている。同時に、イメージセンサチップのパッケージ技術も急速に成長している。
【0004】
パッケージ・オン・パッケージ(POP)技術は、スマートフォンやタブレットコンピュータなどのモバイル機器のICパッケージ用に開発され、システムインテグレーションに応用可能な、よく用いられている三次元スタッキング技術の一つである。
【0005】
このパッケージ・オン・パッケージ技術を、イメージセンサチップのパッケージングにどのように応用するかが、当業者の技術的課題となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、パッケージ・オン・パッケージ技術をイメージセンサチップのパッケージングに応用した、新規なイメージセンサチップパッケージおよび新規なイメージセンサチップのパッケージ方法を提供する。本発明により、イメージセンサチップパッケージの小サイズ化およびイメージセンサチップの集積度の向上が図れる。
【0007】
本発明に係るイメージセンサチップパッケージは、イメージセンサチップと、前記イメージセンサチップを制御するように構成されている制御チップと、第1の面及び第2の面を互いに反対側に有する基板とを備えている。前記イメージセンサチップは、前記基板に電気的に接続され、前記基板の前記第1の面に設けられており、前記制御チップは前記基板に電気的に接続され、前記基板の前記第2の面に設けられている。
【0008】
前記イメージセンサチップが第1の面と、第1の面と反対側に第2の面を有し、前記イメージセンサチップの前記第1の面に、感光領域と、前記感光領域以外の部分に接触パッドが設けられており、前記イメージセンサチップの前記第2の面には、前記接触パッドに電気的に接続されたはんだボールが設けられており、前記イメージセンサチップが前記はんだボールを介して前記基板に電気的に接続されている構造を採用することができる。
【0009】
前記イメージセンサチップの前記第1の面が、保護カバー板で覆われており、密封されたキャビティが前記保護カバー板と前記イメージセンサチップとの間に形成されており、前記感光領域が前記密封されたキャビティ内にある構成を採用することができる。
【0010】
前記保護カバー板を反射防止ガラス製とすることができる。
【0011】
前記基板の前記第2の面に、外部回路との電気的接続用のはんだバンプブロックが設けられており、前記はんだバンプブロックの高さが前記制御チップの高さよりも大きく、前記はんだバンプブロックが前記外部回路に電気的に接続された際、前記制御チップと前記外部回路の間に空間が形成される構成とすることができる。
【0012】
前記制御チップがフリップチップ法により前記基板に電気的に接続されている構成を採用することができる。
【0013】
前記制御チップが糸はんだを介して前記基板に電気的に接続されている構成を採用することができる。
【0014】
本発明に係るイメージセンサチップのパッケージ方法は、イメージセンサチップと、前記イメージセンサチップを制御するように構成されている制御チップを準備する工程と、第1の面及び第2の面を互いに反対側となるように有する基板を準備する工程と、前記制御チップを前記基板の前記第2の面に電気的に接続する工程と、前記イメージセンサチップを前記基板の前記第1の面に電気的に接続する工程を含む。
【0015】
前記イメージセンサチップを前記基板に電気的に接続する前記工程の前に、第1の面及び第2の面を互いに反対側となるように有し、前記第1の面に感光領域と、前記感光領域以外の部分に接触パッドが設けられているイメージセンサチップが配列されたウェーハを準備し、前記イメージセンサチップと一対一で対応する所定の配列の支持ユニットが表面に設けられた、前記ウェーハと同一サイズの保護カバー板を準備し、各イメージセンサチップと前記保護カバー板の間に密封されたキャビティが形成され、このキャビティ内に前記感光領域が位置するように、前記ウェーハを前記保護カバー板に位置を合わせて積層し、前記イメージセンサチップの前記第2の面に、前記接触パッドと一対一で対応する複数の貫通シリコンビアを、前記接触パッドが前記貫通シリコンビアの底部から露出するように貫通シリコンビア法により形成し、前記貫通シリコンビア内に金属配線層を形成し、この金属配線層を前記接触パッドに電気的に接続し、前記イメージセンサチップの前記第2の面にはんだボールを形成し、このはんだボールを前記金属配線層に電気的に接続し、イメージセンサチップ及び保護カバー板を切断して互いに接続しているイメージセンサチップを分離させる構成を採用することができる。
【0016】
前記保護カバー板は反射防止ガラス製とすることができる。
【0017】
前記制御チップが、フリップチップ法により前記基板に電気的に接続されている構成を採用することができる。
【0018】
前記制御チップが、ワイヤボンディング法により前記基板に電気的に接続されている構成を採用することができる。
【0019】
前記基板の前記第2の面に、外部回路への電気的接続用のはんだバンプブロックを設ける工程をさらに含み、このはんだバンプブロックの高さが前記制御チップの高さより大きく、前記はんだバンプブロックが前記外部回路に電気的に接続された際、前記制御チップと前記外部回路の間に隙間が形成される構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0020】
パッケージ・オン・パッケージ技術をイメージセンサチップのパッケージングに応用した、本発明の実施例に係る新規なイメージセンサチップパッケージおよびイメージセンサチップのパッケージ方法によれば、イメージセンサチップパッケージの小サイズ化、およびイメージセンサチップの集積度の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施例に係るイメージセンサチップパッケージの概略図
図2(a)】本発明の実施例に係る、イメージセンサチップのパッケージ方法を示す概略図。
図2(b)】本発明の実施例に係る、イメージセンサチップのパッケージ方法を示す概略図。
図2(c)】本発明の実施例に係る、イメージセンサチップのパッケージ方法を示す概略図。
図2(d)】本発明の実施例に係る、イメージセンサチップのパッケージ方法を示す概略図。
図2(e)】本発明の実施例に係る、イメージセンサチップのパッケージ方法を示す概略図。
図2(f)】本発明の実施例に係る、イメージセンサチップのパッケージ方法を示す概略図。
図2(g)】本発明の実施例に係る、イメージセンサチップのパッケージ方法を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に説明する。実施例は本発明を限定することを意図したものではなく、実施例に基づき当業者が行うことができる構造上、方法上、機能上の変形はすべて本発明の保護の範囲内と見なされる。
【0023】
また添付の図面は本発明の実施例を理解しやすくすることのみを目的とするものであり、本発明を不当に限定するものと理解されるべきではない。より明確に発明を理解できるように、図面の縮尺比は実物とは異なっている。例えば部分的に拡大したり、縮小している場合がある。さらに長さ、幅、深さを有する三次元のサイズは、実際の製品のものと理解すべきである。
【0024】
図1は、本発明の一の実施例のイメージセンサチップパッケージの概略図である。このイメージセンサチップパッケージは、イメージセンサチップ10と、制御チップ20と、基板30を備えている。基板30は、お互いに反対側にある第1の面31及び第2の面32を有する。イメージセンサチップ10は基板30に電気的に接続され、基板30の第1の面31上に配置されている。制御チップ20は基板30に電気的に接続され、基板30の第2の面31上に配置されている。イメージセンサチップ10と制御チップ20が基板30を挟んで反対側に設けられることで、イメージセンサチップはパッケージ・オン・パッケージ構造を有する。
【0025】
このパッケージ・オン・パッケージ構造により、イメージセンサチップの集積度が向上し、パッケージのサイズを小さくすることができる。
【0026】
イメージセンサチップ10は、少なくともイメージセンシングユニットを有する半導体チップである。イメージセンシングユニットとしてはCMOSセンサやCCDセンサを用いることができる。イメージセンサチップ10は、イメージセンシングユニットに接続される結合回路(associative circuit)をさらに備えている。
【0027】
制御チップ20はイメージセンサチップ10を制御する。制御チップ20は、電気信号を制御チップ20とイメージセンサチップ10との間で送信可能なものでさえあれば、すなわちここでいう「制御」が可能なものであれば、その機能は限定されない。ここでは基板30は電気的相互接続構造34を備え、イメージセンサチップ10は、この電気的相互接続構造34を介して制御チップ20に接続されている。
【0028】
実施例のイメージセンサチップ10はCMOSセンサを備えた半導体チップであり、第1の面101と、第1の面101と反対側の第2の面102を有する。第1の面101には、感光領域103と、感光領域103以外の部分に接触パッド104が設けられている。接触パッド104は、感光領域103に電気的に接続されている(接続部は図1には示されていない)。
【0029】
イメージセンサチップ10は基板30に電気的に接続され、基板30の第1の面31上に配置されている。イメージセンサチップ10の第2の面102には、接触パッド104に電気的に接続されたはんだボール105が形成されている。イメージセンサチップ10は、はんだボール105を基板30に溶接することで基板30に電気的に接続されている。
【0030】
イメージセンサチップ10の保護、および感光領域103のほこりなどによる汚染防止の目的で、イメージセンサチップ10の第1の面101は、保護カバー板106で覆われている。保護カバー板106とイメージセンサチップ10との間に密封されたキャビティ107が形成されており、このキャビティ107内に感光領域103が収容され、ほこりなどによる感光領域103の汚染を防止している。実施例では、支持ユニット108が保護カバー板106の表面に形成されている。支持ユニット108は、保護カバー板106とイメージセンサチップ10の間に位置し、キャビティ107は支持ユニット108と、保護カバー板106と、イメージセンサチップ10とによって取り囲まれている。
【0031】
保護カバー板106は透光性の素材で形成する。一つの実施形態としては、光が感光領域103に届きやすくするために、保護カバー板106は、透光性の高い反射防止ガラス製としている。
【0032】
一つの実施形態としては、支持ユニット108はフォトレジスト製であり、保護カバー板106の表面に露光現像(exposure developing)法で形成されている。
【0033】
制御チップ20は基板30に電気的に接続され、基板30の第2の面32に設けられている。制御チップ20は複数の電気接続パッド21を備え、はんだバンプスポット22が各電気接続パッド21に形成されている。はんだバンプスポット22は金、スズ鉛合金、あるいは他の鉛フリー金属材料製とすることができる。電気接続パッド21はフリップチップ(flip-chip)法により、はんだバンプスポット22を介して基板30に電気的に接続され、これにより制御チップ20は基板30に電気的に接続されている。
【0034】
別の実施形態としては、制御チップ20はワイヤボンディングにより、すなわち糸はんだを介して、基板30に電気的に接続する。糸はんだの素材としては、銅、タングステン、アルミニウム、金、銀などの金属が挙げられる。また制御チップ20と糸はんだとを保護するために、制御チップ20と糸はんだとをパッケージすることでパッケージが形成される。
【0035】
一つの実施形態としては、基板30はプラスチック材料製である。応力の影響をなくすために、イメージセンサチップ10と制御チップ20とは、アンダーフィル法により基盤30に電気的に接続してもよい。すなわち図1に示すように、アンダーフィル材23を制御チップ10と基板30との間のスペースに充填するとともに、制御チップ20をアンダーフィル材23で包み込む。
【0036】
イメージセンサチップパッケージを他の外部回路に電気的に接続するために、基板30の第2の面32には、外部回路との電気的接続用のはんだバンプブロック33が設けられている。はんだバンプブロック33を外部回路に電気的に接続した際に、制御チップ20と外部回路の間に隙間ができるように、はんだバンプブロック33の高さは、制御チップ20の高さよりも大きくなっている。
【0037】
電気的相互接続構造34は基板30に設けられている。イメージセンサチップ10と、制御チップ20と、はんだバンプブロック33とは、電気的相互接続構造34を介して互いに電気的に接続されている。
【0038】
図2(a)〜図2(f)は本発明の実施形態に係るイメージセンサチップのパッケージ方法を示す概略図である。
【0039】
図2(a)に示すように、イメージセンサチップ10と、制御チップ20と、基板30とを準備する。制御チップ20はイメージセンサチップ10を制御するものであり、基板30は第1の面31と、第1の面31と反対側に第2の面32を有する。
【0040】
図2(b)に示すように、制御チップ20を基板30の第2の面32に電気的に接続する。制御チップ20は複数の電気接続パッド21を有し、はんだバンプスポット22が電気接続パッド21に形成されている。はんだバンプスポット22は、金、スズ鉛合金、あるいは他の鉛フリー金属材料製とすることができる。電気接続パッド21はフリップチップ(flip-chip)法により、はんだバンプスポット22を介して基板30に電気的に接続され、これにより制御チップ20は基板30に電気的に接続される。
【0041】
図2(c)に示すように、アンダーフィル法を用いて、アンダーフィル材23を制御チップ10と基板30の間のスペースに充填するとともに、制御チップ20をアンダーフィル材23で包み込む。
【0042】
別の実施形態としては、制御チップ20はワイヤボンディングにより、すなわち糸はんだを介して、基板30に電気的に接続する。糸はんだの素材としては、銅、タングステン、アルミニウム、金、銀などの金属が挙げられる。また制御チップ20と糸はんだを保護するために、制御チップ20と糸はんだをパッケージすることでパッケージを形成する。
【0043】
図2(d)に示すように、制御チップを基板の第2の面に電気的に接続した後で、且つイメージセンサチップを基板の第1の面に接続する前に、外部回路との電気的接続用のはんだバンプブロック33を、はんだボール(soldering ball)法により、基板30の第2の面32に設ける。はんだバンプブロック33を外部回路に電気的に接続した際に、制御チップ20と外部回路との間に隙間ができるように、はんだバンプブロック33の高さは、制御チップ20の高さよりも大きくする。
【0044】
図2(e)に示すように、イメージセンサチップ10を保護カバー板106で覆う。
【0045】
一つの実施形態としては、イメージセンサチップ10はCMOSセンサを備える半導体チップであり、第1の面101及び第2の面102を互いに反対側に有する。第1の面101には、感光領域103と、感光領域103以外の部分に接触パッド104とを設ける。接触パッド104は、感光領域103に電気的に接続する。
【0046】
具体的には、図2(e)の方法は、以下の工程を含む。
【0047】
所定の配列の(複数の)イメージセンサチップ10を含むウェーハを準備する工程。
【0048】
ウェーハと同一サイズの保護カバー板106を準備する工程。保護カバー板の表面に、イメージセンサチップ10と一対一で対応するように所定の配列で支持ユニット108を形成する工程。
【0049】
保護カバー板106とイメージセンサチップ10との間に支持ユニット108を介在させた状態で、保護カバー板106をイメージセンサチップ10の第1の面101に位置を合わせて積層する工程。ここで、保護カバー板106と個々のイメージセンサチップ10との間に密封されたキャビティ107が形成され、このキャビティ107内に感光領域103が収容され、ほこりなどによる感光領域103の汚染を防止する。
【0050】
保護カバー板106は透光性の素材で形成する。一つの実施形態としては、光が感光領域103に届きやすくするために、保護カバー板106は、透光性の高い反射防止ガラス製とする。
【0051】
支持ユニット108はフォトレジスト製とすることができる。
【0052】
図2(f)に示すように、イメージセンサチップ10の第2の面102にはんだボール105を形成し、このはんだボール105を接触パッド104に電気的に接続する。具体的に言うと、イメージセンサチップ10の第2の面102に、貫通シリコンビア(via)法で、複数の貫通シリコンビアを、接触パッド104と一対一で対応するように形成し、接触パッド104を貫通シリコンビアの底部から露出させる。金属配線層100を貫通シリコンビア内に形成し、これを接触パッド104に電気的に接続する。金属配線層100はイメージセンサチップ10の第2の面102まで延びている。はんだボール105をイメージセンサチップ10の第2の面102に形成し、これを金属配線層100に電気的に接続する。
【0053】
ウェーハ及び保護カバー板を切断し、互いに接続している複数のイメージセンサチップ10を分離する。
【0054】
図2(g)に示すように、はんだボール105を基板30に溶接することで、イメージセンサチップ10を基板30の第1の面31に電気的に接続し、イメージセンサチップ10を基板30に電気的に接続する。イメージセンサチップ10は制御チップ20の反対側に位置する。
【0055】
上記実施形態は、本発明に係る新規なイメージセンサチップパッケージと、新規なイメージセンサチップのパッケージ方法を提供する。ここではイメージセンサチップパッケージングにパッケージ・オン・パッケージ技術を用いており、これによりイメージセンサチップパッケージのサイズの小サイズ化と、イメージセンサチップの集積度の向上が図れる。
【0056】
ここで開示した各実施形態は一つの独立した技術的課題の解決手段と理解すべきである。上記の説明は発明を明確に開示することが唯一の目的であり、当業者は明細書を全体としてみるべきであり、当業者が本明細書から理解できる他の実施例は、これらの実施例の技術的解決手段を適切に組み合わせることで形成されるかもしれない。
【0057】
上記の発明の詳細な説明は、本発明の実施形態の説明に過ぎず、本発明の保護の範囲を限定することを意図したものではない。本発明の主旨から外れない均等な実施形態や変更は、本発明の保護の範囲内であると解釈されなければならない。
図1
図2(a)】
図2(b)】
図2(c)】
図2(d)】
図2(e)】
図2(f)】
図2(g)】
【手続補正書】
【提出日】2018年4月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
前記イメージセンサチップを前記基板に電気的に接続する前記工程の前に、第1の面及び第2の面を互いに反対側となるように有し、前記第1の面に感光領域と、前記感光領域以外の部分に接触パッドが設けられているイメージセンサチップが配列されたウェーハを準備し、前記イメージセンサチップと一対一で対応する所定の配列の支持ユニットが表面に設けられた、前記ウェーハと同一サイズの保護カバー板を準備し、各イメージセンサチップと前記保護カバー板の間に密封されたキャビティが形成され、このキャビティ内に前記感光領域が位置するように、前記ウェーハを前記保護カバー板に位置を合わせて積層し、前記イメージセンサチップの前記第2の面に、前記接触パッドと一対一で対応する複数の貫通シリコンビアを、前記接触パッドが前記貫通シリコンビアの底部から露出するように貫通シリコンビア法により形成し、前記貫通シリコンビア内に金属配線層を形成し、この金属配線層を前記接触パッドに電気的に接続し、前記イメージセンサチップの前記第2の面にはんだボールを形成し、このはんだボールを前記金属配線層に電気的に接続し、ウェーハ及び保護カバー板を切断して互いに接続しているイメージセンサチップを分離させる構成を採用することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
図1は、本発明の一の実施例のイメージセンサチップパッケージの概略図である。このイメージセンサチップパッケージは、イメージセンサチップ10と、制御チップ20と、基板30を備えている。基板30は、お互いに反対側にある第1の面31及び第2の面32を有する。イメージセンサチップ10は基板30に電気的に接続され、基板30の第1の面31上に配置されている。制御チップ20は基板30に電気的に接続され、基板30の第2の面32上に配置されている。イメージセンサチップ10と制御チップ20が基板30を挟んで反対側に設けられることで、イメージセンサチップはパッケージ・オン・パッケージ構造を有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
一つの実施形態としては、基板30はプラスチック材料製である。応力の影響をなくすために、イメージセンサチップ10と制御チップ20とは、アンダーフィル法により基盤30に電気的に接続してもよい。すなわち図1に示すように、アンダーフィル材23を制御チップ20と基板30との間のスペースに充填するとともに、制御チップ20をアンダーフィル材23で包み込む。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項9】
前記イメージセンサチップを前記基板に電気的に接続する前記工程の前に、
それぞれが第1の面及び第2の面を互いに反対側に有し、前記第1の面に感光領域と、前記感光領域以外の部分に接触パッドとが設けられている所定の配列のイメージセンサチップを含むウェーハを準備し、
前記イメージセンサチップと一対一で対応する所定の配列の支持ユニットが表面に設けられた、前記ウェーハと同一サイズの保護カバー板を準備し、
各イメージセンサチップと前記保護カバー板との間に密封されたキャビティが形成され、このキャビティ内に前記感光領域が位置するように、前記ウェーハを前記保護カバー板に位置を合わせて積層し、
前記イメージセンサチップの前記第2の面に、前記接触パッドと一対一で対応する複数の貫通シリコンビアを、前記接触パッドが前記貫通シリコンビアの底部から露出するように貫通シリコンビア法により形成し、
前記貫通シリコンビア内に金属配線層を形成し、この金属配線層を前記接触パッドに電気的に接続するものであり、
前記イメージセンサチップの前記第2の面にはんだボールを形成し、このはんだボールを前記金属配線層に電気的に接続するものであり、
前記ウェーハ及び前記保護カバー板を切断し、互いに接続しているイメージセンサチップを分離させる、請求項8に記載のイメージセンサチップのパッケージ方法。
【国際調査報告】