特表2018-531852(P2018-531852A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

特表2018-531852コイル状シートのボビンを巻き出すための方法およびボビンを巻き出すための巻出装置
<>
  • 特表2018531852-コイル状シートのボビンを巻き出すための方法およびボビンを巻き出すための巻出装置 図000003
  • 特表2018531852-コイル状シートのボビンを巻き出すための方法およびボビンを巻き出すための巻出装置 図000004
  • 特表2018531852-コイル状シートのボビンを巻き出すための方法およびボビンを巻き出すための巻出装置 図000005
  • 特表2018531852-コイル状シートのボビンを巻き出すための方法およびボビンを巻き出すための巻出装置 図000006
  • 特表2018531852-コイル状シートのボビンを巻き出すための方法およびボビンを巻き出すための巻出装置 図000007
  • 特表2018531852-コイル状シートのボビンを巻き出すための方法およびボビンを巻き出すための巻出装置 図000008
  • 特表2018531852-コイル状シートのボビンを巻き出すための方法およびボビンを巻き出すための巻出装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-531852(P2018-531852A)
(43)【公表日】2018年11月1日
(54)【発明の名称】コイル状シートのボビンを巻き出すための方法およびボビンを巻き出すための巻出装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 16/06 20060101AFI20181005BHJP
   B65H 41/00 20060101ALI20181005BHJP
【FI】
   B65H16/06 Z
   B65H41/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-516855(P2018-516855)
(86)(22)【出願日】2016年10月7日
(85)【翻訳文提出日】2018年3月30日
(86)【国際出願番号】EP2016074090
(87)【国際公開番号】WO2017063958
(87)【国際公開日】20170420
(31)【優先権主張番号】15189520.8
(32)【優先日】2015年10月13日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】シュミット ヨハン
【テーマコード(参考)】
3F052
3F108
【Fターム(参考)】
3F052AA00
3F052DA15
3F108JA04
(57)【要約】
本発明は、コイル状シートのボビンを巻き出す方法に関連し、方法は、コイル状シートのボビンを提供する工程であって、ボビンがボビンから巻き出されるシートの遊離部分を含む工程と、ブレードがボビンにコイル巻きされたシートと接触するような方法で、シートの遊離部分とボビンにコイル巻きされたシートの残りの部分との間にブレードを配置する工程と、ボビンからシートを巻き出す間にブレードを振動させる工程とを含む。本発明はボビンを巻き出すための巻出装置にも関連する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル状シートのボビンを巻き出すための方法であって、前記方法が、
コイル状シートのボビンを提供する工程であって、前記ボビンが前記ボビンから巻き出される前記シートの遊離部分を含む工程と、
ブレードがボビンにコイル巻きされたシートと接触するような方法で、前記シートの前記遊離部分と前記ボビンにコイル巻きされた前記シートの残りの部分との間に前記ブレードを配置する工程と、
前記ボビンから前記シートを巻き出す間に前記ブレードを振動させる工程とを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記ブレードと前記ボビンにコイル状に巻かれた前記シートとの間の接触領域で前記ボビンに圧力をかける工程を含む、方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、
前記ボビンを巻き出している間に、前記シートの前記遊離部分を引く工程を含む、方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、前記圧力をかける工程が、
前記巻き出しによって前記ボビンの寸法が減少する時、前記ブレードを前記ボビンに向けてシフトさせる工程を含む、方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、前記ブレードを振動させる工程が、
前記ブレードを約10キロヘルツ〜約100キロヘルツの振動数で振動させる工程を含む、方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、前記ブレードを配置する工程が、
端部分を持つブレードを提供する工程と、
前記ブレードの前記端部分が、前記端部分と前記ボビンにコイル状に巻かれた前記シートとの間の接触領域で、前記ボビンにコイル状に巻かれた前記シートに対して実質的に接線方向であるように、前記ブレードを配置する工程とを含む、方法。
【請求項7】
ボビンを巻き出すための巻出装置であって、前記装置が、
コイル状シートのボビンが配置されるボビンホルダーと、
前記ボビンホルダーの正面に配置され、かつ前記ボビンにコイル状に巻かれた前記シートと接触するように適合されるブレードと、
前記ブレードに接続され、かつ前記シートが前記ボビンから巻き出される間に前記ブレードに振動を起こさせるように適合された振動発生器とを備える、巻出装置。
【請求項8】
前記振動発生器が約10キロヘルツ〜約100キロヘルツの前記ブレードの振動を発生するように適合された超音波発生器である、請求項7に記載の巻出装置。
【請求項9】
前記ブレードが前記ボビンにコイル状に巻かれた前記シートと接触するように適合された端部分を備え、前記端部分がその間に約12°±5°の角度を形成する第一および第二の表面を備える、請求項7または8に記載の巻出装置。
【請求項10】
前記ブレードが、ボビンから巻き出される前記シートの遊離部分に面するように適合される本体部分を備え、前記本体部分がその間に約2°±1°の角度を形成する第一および第二の表面を備える、請求項7〜9のいずれか1項に記載の巻出装置。
【請求項11】
前記ボビンホルダーに対する前記ブレード位置を、前記ホルダー内に存在する前記ボビンの寸法に応じて変化するように適合された、位置調節システムを備える、請求項7〜10のいずれか1項に記載の巻出装置。
【請求項12】
前記位置調節システムに接続され、かつ前記ボビンの前記寸法が巻き出しのため減少するにつれて、前記位置調節システムに命令して前記ブレードを前記ボビンに向けて移動させるように適合された制御ユニットを備える、請求項11に記載の巻出装置。
【請求項13】
前記位置調節システムが、前記ブレードの支持体が前記ボビンホルダーに向かってスライドでき、前記ボビンホルダーから離れるようにスライドできるレールと、重力によって前記支持体を前記ボビンホルダーに向けて引くための重りとを含む、請求項11または12に記載の巻出装置。
【請求項14】
前記ブレードに接続された前記振動発生器が前記レールに結合され、その中でスライドする、請求項13に記載の巻出装置。
【請求項15】
前記ブレードが、ポリテトラフルオロエチレンで作製されるか、ポリテトラフルオロエチレン被覆を備える、請求項7〜14のいずれか1項に記載の巻出装置。
【請求項16】
前記振動発生器と前記ブレードを接続するアームを備え、前記アームがU字形の形態を有する、請求項7〜15のいずれか1項に記載の巻出装置。
【請求項17】
前記ブレードが、前記ブレードと前記ボビンにコイル状に巻かれた前記シートとの間の接触領域で、前記ボビンにコイル状に巻かれた前記シートに対して実質的に接線方向に、前記ボビンにコイル状に巻かれた前記シートと接触するように配置される、請求項7〜16のいずれか1項に記載の巻出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル状シートのボビンを巻き出す方法および装置に関連する。特定の実施形態において、方法および装置は均質化したたばこ材料ボビンの巻出を対象とする。
【背景技術】
【0002】
コイル巻きされてボビンを形成する材料に粘着性があって、そのため巻き出すためにむしろ強い力がかけられる必要があり、かつ脆弱性があって、そのため裂けやすい場合があるという性質を同時に備える時、材料のボビンの巻出は難しいタスクであり得る。こうした材料には例えば均質化したたばこシートがあり、これは例えば均質化したたばこ材料シートをキャスティングすることで得られうる。均質化したたばこシートは、ボビンにコイル巻きされた時、その粘稠度、熱に対する感度、低い引張強さのどれもがボビンを巻き出すためにシートにかけられる力を簡単に増大することを妨げるため、巻出が困難である。
【0003】
均質化したたばこ材料の現行の製造工程において巻出速度は、均質化したたばこシートが裂けるのをできる限り防止するために、毎分約100メートルに下げなければならないことがあり、これが自動的に製造速度を低下させ、時間当たりの製造量を減少させる。
【0004】
材料の低い引張強さに加えて、均質化したたばこシートの一部のボビンでは、それぞれがかなり変わった形状を持つため、この形状の不均質性が均質化したたばこシートのボビンを巻き出すための装置および方法で考慮される必要がある。
【0005】
よって、コイル状シートのボビン、特に、低い繊維強度を持つ材料シートのボビンを巻き出す方法および装置のニーズがある。これらの方法および装置は、後の生産ラインで全体的な製造レートを増加させることができるように、巻出速度を増大させることができるべきである。さらに、方法および装置では、ボビンの巻出による位置調節だけでなく、異なるボビン形状による位置調節も考慮に入れるべきである。
【発明の概要】
【0006】
第一の態様において、本発明は、コイル状シートのボビンを巻き出す方法に関連し、この方法は、コイル状シートのボビンを提供する工程であって、ボビンがボビンから巻き出されたシートの遊離部分を含む工程と、ブレードがボビンにコイル巻きされたシートと接触するような方法でシートの遊離部分とボビンにコイル巻きされたシートの残りの部分との間にブレードを配置する工程と、シートをボビンから巻き出す間にブレードを振動させる工程とを含む。
【0007】
本明細書で使用される「シート」という用語は、実質的にその厚さより大きい幅および長さを有する薄層状の要素を意味する。シートの幅は、10ミリメートルより大きいことが好ましく、20ミリメートルまたは30ミリメートルより大きいことがより好ましい。シートの幅は、約100ミリメートル〜300ミリメートルであることがさらにより好ましい。
【0008】
好ましい一つの実施形態において、シートは均質化したたばこ材料シートである。
【0009】
均質化したたばこ材料の最も一般的に使用される形態は、再構成たばこおよびキャストリーフである。均質化したたばこ材料シートを形成するプロセスは一般的に、スラリーを形成するためにたばこダストと結合剤とを混合する工程を含む。次に、スラリーがたばこウェブを作り出すために使用される。例えば、いわゆるキャストリーフを製造するために粘性のあるスラリーを移動する金属ベルト上にキャスティングすることによってである。別の方法として、再構成たばこを作り出すために、粘性が低くかつ含水量が高いスラリーを製紙と似たプロセスで使用することができる。
【0010】
たばこのシート材料は、再構成されたシート材料と呼ぶこともでき、たばこ組成物を形成する、粒子状のたばこ(例えば、再構成たばこ)またはたばこ粒子状の混合物、湿潤剤、および水溶性溶剤を使用して形成されうる。このたばこ組成物は次に、キャスティング、押し出し、圧延またはプレスされて、たばこ組成物からシート材料を形成する。たばこのシートは、たばこの微粉が紙様の材料を作成するために使用される湿式プロセス、またはたばこの微粉が結合剤材料と混合され、移動するベルト上にキャスティングされてシートを形成するキャストリーフプロセスを利用して形成されうる。
【0011】
均質化したたばこ材料シートは次に、ボビンに巻き込まれて(さらに処理するために巻き出される必要がある)、例えばエアロゾル形成物品の部分となり、これがエアロゾル形成物品のエアロゾル形成基体に含まれるようになる。「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品では、エアロゾル形成基体はエアロゾルを形成するがたばこ材料の燃焼を防止するために、比較的低い温度に加熱される。さらに、均質化したたばこ材料中に存在するたばこは一般に唯一のたばこであるか、このような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品の均質化したたばこシート中に存在するたばこの大部分を含む。これは、このような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品によって発生されるエアロゾル組成物が均質化したたばこ材料のみに実質的に基づくことを意味する。
【0012】
本明細書で使用される「エアロゾル形成材料」という用語は、加熱されると揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生させる能力を持つ材料を示す。たばこは、エアロゾル形成材料、特に、エアロゾル形成体を含む均質化したたばこシートとして分類されうる。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成材料を含むか、それによって構成されうる。
【0013】
均質化したたばこシートは一般に、たばこに加えて、結合剤およびエアロゾル形成体を含む。この組成物は「粘着性」のあるシートにつながり、すなわち、隣接した物体に貼り付くようになり、また同時に、むしろ脆弱性があり、比較的低い引張強さを有するようになる。
【0014】
本発明は特に、上述の通り均質化したたばこ材料で作製されたボビンを巻き出すように適合されるが、こうした特性を持つシートをボビンから巻き出す必要のある任意のプロセスにも適用されうる。
【0015】
ボビン形状は任意のものとしうる。これは実質的に円筒形状を持ちうるが、卵形または、基礎を成す円筒形状が変形した突出部を持つボビンなど、何らかの形に変形された形状も、本発明の教示の適用を妨げない。
【0016】
その粘性および脆弱性に留意しつつ、従って破損を最小限に抑えながらも、同時に比較的速い巻出速度を維持しつつ、ボビンを適切に巻き出すために、ボビンから既に巻き出されたシートの遊離端と、ボビン自体の残りの部分との間で、ボビンにコイル巻きされたシートにブレードを接触させるようにする。
【0017】
ボビンと接触したブレードが次に、振動させられる。ブレードの振動の結果、シートの巻出は、振動自体がないよりもずっと容易になる。実際に、振動が存在する時、シートの遊離端をボビンから巻き出すためにシートの遊離端を引く力は、より小さくて済む。所定位置に来た時に、ブレードは、シートがボビンから巻き出される実質的に非常に特定的な位置で振動を加えて、ボビンから巻き出されながら、なおもそれに付着しているシートに、振動の振動数と振幅に関連した制御された量の力を伝達することが好ましい。この量の力が、シートの限定的な部分に加えられ、すなわち、ブレードとボビンの間の比較的限定的な接触エリアに加えられる。非限定的な例では、ブレードは、ブレードとボビンの間の接触エリアで約100ミリメートル〜約300ミリメートルの幅を持ち、また接触エリアで約2ミリメートル〜約6ミリメートルの厚さを持つ。ブレードとボビンの間の画定された接触エリアは比較的「小さく」、その寸法は接触エリアでのブレードのそれと実質的に同一である。
【0018】
ブレードの振動は、ブレードの振動の方向が好ましくはボビンの巻出の方向に対して直角を成すような方法で、ボビンにかけられることが好ましい。よって、ブレードは、ボビンの遊離端が引かれる方向に対して実質的に直角を成す方向に「前後に」移動する。
【0019】
有利なことに、ブレードの振動の振幅は、約0.01ミリメートル〜約2ミリメートルであることが好ましく、約0.1ミリメートル〜約1ミリメートルであることがより好ましい。
【0020】
よって、ブレードの振動の結果、ボビンにかけられるこの力または圧力が、巻出プロセスを容易にし、また従来技術の解決策に関連して、シートを破損するリスクなしに、巻出の速度を増大させうる。
【0021】
有利なことに、方法は、ブレードとボビンにコイル状に巻かれたシートとの間の接触領域でボビンに圧力をかける工程を含む。接触領域または接触エリアに加えられる圧力は、上記で画定された接触エリアと等しい面で、例えば厚さが0.5ミリメートル〜約3ミリメートルで、幅が150ミリメートルであるエリアで、0.5キログラム〜1キログラムであることが好ましい。ブレードはボビンに巻かれたシートに実質的に隣接し、ブレードは所定の圧力をボビンにまだコイル状に巻かれているシートにかける。このかけられた圧力の存在、すなわち、ブレードをボビンに向けて押す「小さな」明確に画定された接触エリアに対する所定の力の存在は、振動をブレードからシートへと正しく移動させるために好ましい。
【0022】
方法はさらに、ボビンの巻出中にシートの遊離部分を引く工程を含むことが好ましい。このように、ボビンは、振動がボビンにまだコイル状に巻かれているシートのエリア(接触エリア)にかけられている間に、ボビンからシートの遊離端をゆっくりと引きながら巻き出される。振動の存在によって、引く力は振動がないよりも小さくなる。
【0023】
圧力をかける工程は、巻出によってボビンの寸法が減少する時、ブレードをボビンに向けてシフトさせる工程を含むことが好ましい。このシフトは、巻出プロセス中に実質的に一定の力または圧力をボビンにかけるために行われることが好ましい。ブレードをシフトさせることなく、ある一定の地点で、巻出中のボビン自体のサイズ(例えば、直径)の減少によって、ボビン内のブレードとシートの間の接触が失われる。加えて、ブレードがボビンに向かって、またはそれから離れてシフトする可能性は、ボビンの形状の変形または突出を相殺しうる。このシフトによって、ボビンの全体的な幾何学形状に関係なく、ブレードによって与えられるボビンへの力または圧力は、巻出プロセス全体の間、許容範囲内に実質的に一定に保たれる。
【0024】
有利なことに、ブレードを振動させる工程は、ブレードを約10キロヘルツ〜約100キロヘルツの振動数、より好ましくは約20キロヘルツ〜約60キロヘルツの振動数、さらにより好ましくは30キロヘルツ〜35キロヘルツの振動数で振動させる工程を含む。これは、一方でむしろ「速い」巻出速度を持つことと、他方で巻出の引裂き力によるシートの破損数を低下させることとの間で最適な妥協点を得られる振動数範囲であることが見いだされてきた。
【0025】
ブレードを配置する工程は、端部分を持つブレードを提供する工程と、ブレードの端部分が端部分とボビンにコイル状に巻かれたシートとの間の接触領域で、ボビンにコイル状に巻かれたシートに対して実質的に接線方向になるようにブレードを配置する工程とを含むことが好ましい。ブレードは、ボビンに接触し、かつボビンとブレードの間の接触エリアを画定する、すなわち接触のエリアまたは領域がボビン上のブレードの隣接エリアである、「チップ」または端を持つ。この接触エリアはどちらかと言えば狭い幅のストライプであることが好ましく、すなわち約2ミリメートル〜約6ミリメートルの厚さ寸法を持つことが好ましい。ブレードの端は「鋭い」ことが好ましい。ブレードエッジ端部分は、ブレード平面が画定されるように、有利なことに実質的に平面の構成を持ち、例えば平面を含む。ブレード平面は、ボビンに接触するブレードの端を通過し、ブレードの長軸方向の延長部に沿って延びる。ブレード平面は、ブレードの端とボビンそれ自体の間の交線上のボビンに対して接線方向の平面に実質的に沿って配置されることが好ましい。交線は実際に、あるエリア(接触エリア)であるが、そのどちらかと言えば限定的な寸法のために、特にそのどちらかと言えば限定的な厚さのため、線として見なされることがある。ブレード平面およびボビンは、そうしたブレード平面と接線方向の平面によって形成される角度が約0°±10°である、より好ましくは約0°±5°、さらにより好ましくは約0°±2°、好ましくは0°±1°である時、実質的に接線方向であると見なされる。ブレードエッジ端が平面である、すなわち平面を含むだけでなく、ブレードが全体として平面を画定することがより好ましい。平面はブレード平面を画定する。ブレードエッジ端とボビンの間の接触エリアで、ブレード平面と接線方向の平面の間に形成される角度が約0°±10°である、より好ましくは約0°±5°、さらにより好ましくは約0°±2°、好ましくは0°±1°である時、ブレードおよびボビンは接線方向であると言える。
【0026】
第二の態様によれば、本発明は、ボビンを巻き出すための巻出装置に関連し、装置は、コイル状シートのボビンが配置されるボビンホルダーと、ボビンホルダーの正面に配置され、かつボビンにコイル状に巻かれたシートと接触するように適合されるブレードと、ブレードに接続され、かつシートがボビンから巻き出される間にブレードに振動を起こさせるように適合された振動発生器とを備える。こうした装置の利点については、本発明の第一の態様に関連して既に考察してきたため、ここでは繰り返さない。
【0027】
振動発生器は、約10キロヘルツ〜約100キロヘルツ、より好ましくは約20キロヘルツ〜約60キロヘルツ、さらにより好ましくは30キロヘルツ〜35キロヘルツのブレードの振動を発生するように適合された超音波発生器であることが好ましい。これは「高速」かつ「安全」な巻出を得るために好ましい振動数である。この場合、本発明の方法で得られる巻出速度は、毎分約50メートル〜毎分約300メートルであることが好ましい。
【0028】
ブレードは、ボビンにコイル状に巻かれたシートと接触するように適合された端部分を備えることが好ましく、端部分は第一および第二の表面を備え、その間で約12°±10°の角度を形成する。表面は実質的に長方形であり、かつ相互に同一であることが好ましい。ブレードは、従って長軸方向の平面に対して対称であることが好ましい。選択された角度によって、ボビンとブレードの間に小さな接触エリアを持つことが許容される。ブレードは、ボビンから巻き出されるシートの遊離部分に面するように適合される本体部分を備え、本体部分は第一および第二の表面を備え、その間で約2°±1°の角度を形成する。端部分の外側にあるブレードの小さな角度によって、ブレードをシートの遊離端とボビンの残りの部分との間に挿入しやすくなるように、かつブレードとシートの巻き出されている遊離端との間の偶発的な接触を避けやすくするように、ブレードの全体的な寸法が少なくとも一方向にどちらかと言えば限定的に保たれる。
【0029】
本発明の巻出装置はまた、ホルダー内にあるボビンの寸法に応じてボビンホルダーに対するブレードの位置を変化させるように適合された位置調節システムを備えることが好ましい。従って装置は、任意のボビンのサイズまたは形状に適合されることが好ましく、巻出装置自体を再設計する必要なしに、異なるタイプのボビンとともに使用されうる。
【0030】
巻出装置は、位置調節システムに接続され、かつボビンの寸法が巻出のため減少するにつれて、位置調節システムに命令してブレードをボビンに向けて移動させるように適合された制御ユニットを備えることがより好ましい。このように、接触エリアでブレードによって実質的に一定の圧力または力がボビンにかけられうる。
【0031】
位置調節システムは、ブレードの支持体がボビンホルダーに向かい、およびそこから離れるようにスライドできるレールと、重力によって支持体をボビンホルダーに向けて引くための重りとを含むことが好ましい。このように、むしろ単純な機構で、有利なことに、重力によってブレードをボビンに向けて引く重りによって引き起こされる一定の力または圧力がボビンにかけられうる。
【0032】
ブレードに接続されている振動発生器はレールと結合され、その中でスライドすることがより好ましい。
【0033】
ブレードは、ポリテトラフルオロエチレンで作製されるか、ポリテトラフルオロエチレン被覆を備えることが好ましい。ポリテトラフルオロエチレンは、例えばTeflon(登録商標)の商品名でよく知られている、非粘着性の組成物であり、被覆として使用することができ、これによって、シートが持ちうる粘着性によってブレードがシート自体に「貼り付く」ことを回避しうるように、ボビンが回転している間、ブレードがシート上を実質的に滑ることを可能にしうる。
【0034】
装置は振動発生器とブレードを接続するアームを備えることが好ましく、アームはU字形の形態を持つ。U字形アームによって、単純であるが最適な構造を可能にし、ここで巻出シートはその動きにおいて、アームの存在によって妨げられない。アームはそのU字形状によって、有利なことに巻出シートの動きのための空間を残す。
【0035】
有利なことに、ブレードは、ブレードとボビンにコイル状に巻かれたシートとの間の接触領域でボビンにコイル状に巻かれたシートに対して実質的に接線方向であるボビンにコイル状に巻かれたシートと接触するように配置される。この配置の利点については、本発明の第一の態様に関連して既に記載してきた。
【0036】
本発明のさらなる有利な点は、非制限的に添付の図面を参照しながら、本発明を実施するための形態から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、ボビンの巻出用の本発明による巻出装置の概略斜視図である。
図2図2は、異なる視点から見た、図1の巻出装置のさらなる概略斜視図である。
図3図3は、図2の巻出装置の側面図である。
図4図4は、図3の部分の概略図である。
図5図5は、図3の巻出装置の一部分の拡大側面図である。
図6図6は、図5の巻出装置の部分の平面図である。
図7図7は、図5の巻出装置の一部分の(図5の右から見た)正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図に関連して、本発明によるボビンの巻出用の巻出装置は、参照番号10で表され、示されている。
【0039】
装置10は、ボビン12を巻き出すように適合される。
【0040】
例えば、ボビン12は、均質化したたばこ材料ボビンとしうる。ところが、本発明は、例えば製紙産業またはボビンにコイル巻きされたポリマーシートを使用する産業といった、製造工程に粘着性および脆弱性のシートを持つボビンの巻出を含むあらゆる産業に適用されうる。
【0041】
図に示すボビン12は、丸い、例えば円筒形の形状を持つ。ところが、本発明は、ボビンが丸い形状を持たない時でさえも、ボビンとうまく機能する。
【0042】
装置10は、ボビン12が配置されるボビンホルダー14を備える。
【0043】
ボビン12は、コイル状シート13によって形成される。装置10は、図1に示す通り、ボビン12のコイル状シート13を巻き出すように適合される。
【0044】
装置10はまた、ブレード20および振動発生器30を備える。
【0045】
ブレード20は、ボビンホルダー14の正面に配置され、ボビン12内にコイル状に巻かれたシート13と接触するように適合される。ブレード20は、ポリテトラフルオロエチレン(例えばTeflon(登録商標))で作製されるか、金属材料で作製され、かつポリテトラフルオロエチレン被覆を備えることが好ましい。このように、シート13(特に、均質化したたばこ材料シート)は、裂けにつながりかねない摩擦と、シート(特に、均質化したたばこ材料シート)の構成要素を損傷または変更しかねない熱の両方から保護する。
【0046】
ブレード20は、ブレード20と、ボビン12にコイル状に巻かれたシート13との間の接触領域100で、ボビン12にコイル状に巻かれたシート13に対して実質的に接線方向であるボビン12にコイル状に巻かれたシート13に接触するように配置される(図1および3を参照)。非限定的な好ましい実施形態において、接触領域は実質的に長方形であり、約4ミリメートル×約120ミリメートルの寸法を持つ。その限定的な厚さによって、この接触エリアは「線」として見なされうる。
【0047】
図示した非限定的な実施形態によれば、ブレード20は、鋭い端を備えた一方の端部分22で終わる本体部分24を含む。ブレード20は、図7に示す通り、平面図で見た時、実質的に長方形である。例えば、その寸法は平均で幅が約150ミリメートル、長さが約130ミリメートル、および厚さが約4ミリメートルである。
【0048】
図5においてより明らかなように、ブレード厚さは一定ではなく、振動発生器30に接続された第一の端部分26から、ボビン12と接触する端部分22(第二の端部分22)にかけて所定の勾配(例えば、約2°の勾配)で偏りがあることが好ましい。さらに、ボビン12と接触する第二の端部分22上で、第二の端部分22が鋭く、ブレードエッジ端を画定するように、勾配は(例えば約12°に)増大する。例えば、第二の端部分22は、約3ミリメートル±1ミリメートルの厚さを持つ。
【0049】
より特定的には、第二の端部分22は、ボビン12にコイル状に巻かれたシート13に接触するよう適合される。第二の端部分22は、反対側の実質的に平面の第一および第二の表面221、222によって画定される。第一および第二の表面221、222は、その間に約12°±5°の角度を形成する。
【0050】
本体部分24は、ボビン12から巻き出されたシート13の遊離部分133に面するように適合される。本体部分24は、反対側の実質的に平面の第一および第二の表面241、242によって画定される。第一および第二の表面241、242は、その間に約2°±1°の角度を形成する。第二の端部分22の第一の表面221および本体部分24の第一の表面241は、ブレード20の同一の側面121上に配置される。この第一の側面121は、ボビンホルダー14の反対にある側面である(図3〜5を参照)。第二の端部分22の第一の表面221および本体部分24の第一の表面241は、実質的に同一平面上である(図5を参照)。言い替えれば、第一の側面121はブレード平面を画定する。
【0051】
第二の端部分22の第二の表面222および本体部分24の第二の表面242は、ブレード20の同一の第二の側面122上に配置される。この第二の側122は、ボビンホルダー14に面する側面である(図3〜5を参照)。
【0052】
装置10は、図2および3に示す位置調節システム40を備える。位置調節システム40は、ホルダー14内に存在するボビン12の寸法に応じて、ボビンホルダー14に対してブレード20の位置を変化させるように適合される。
【0053】
装置10は、位置調節システム40に接続され、かつボビン12の寸法が巻出のため減少するにつれて、位置調節システム40に命令してブレード20をボビン12に向けて移動させるように適合された制御ユニット50を備える。
【0054】
位置調節システム40はレール42を含み、ここでブレード20の支持体44は、ボビンホルダー14に向けて、およびそれから離れてスライドできる。支持体44は、一対の平行なレール42上をスライドすることが好ましい(図3を参照)。
【0055】
位置調節システム40は、重力によって支持体44をボビンホルダー14に向けて引く重り(図示せず)をさらに含む。
【0056】
実際には、レール42は水平でなく、ボビンホルダー14の方向に配向され、所定の下向きの傾斜角を持つ。言い替えれば、レールはボビン12の中心1100に向かって下向きに進み、支持体44は重力によってレールに沿って下向きにスライドする。上述の重りは、ボビン12に向けて引くために位置調節システム40の支持体44に取り付けられる。
【0057】
このように、位置調節システム40はまた、垂直方向に対してブレード20の所定の傾斜角を画定する。言い替えれば、図3および4を参照すると、ブレード20は垂直に配向(すなわち、垂直平面1000がボビンホルダー14の、従ってボビン12の中心1100を通過するように配向)されているのではなく、垂直方向に対して所定の傾斜角を持つ。
【0058】
ブレード20は、ブレード20とボビン12の間の接触エリアでボビン12に対して実質的に接線方向に配向されていることが好ましい。言い替えれば、図3および4を参照すると、ブレード20は、平面1200がボビン12に接し、ブレード20の鋭い端とボビン12の間の接触線を通過するように、実質的に配向されている。
【0059】
より正確には、ブレード20は、実質的に平面の構成を持ち、第一の側面121は、上記に詳述した通り、ブレード平面を画定する。ブレード平面は、ブレード20の鋭い端を通過し、およびブレード20の長軸方向の延長部に沿って延びる。ブレード20の第一の側面121は、ボビン12に対して接線方向の平面に実質的に沿って、ブレード20の端とボビン12自体の間の交線上に配置される。ブレード20およびボビン12の第一の側面121は、第一の側121と接線方向の平面1200によって形成される角度が0°±10°の角度となる時、実質的に接線方向であると見なされる。(図4を参照)。
【0060】
位置調節システム40は、その他のシステム(図示せず)を使用しうる。例えば、ボビン12からの距離を取り込む近接センサーが提供されうる。この場合、近接センサーは、適切に動力化される支持体44と結合される。
【0061】
振動発生器30はブレード20に接続され、シート13がボビン12から巻き出される間、ブレード20を振動させるように適合される。
【0062】
振動発生器30は、約30キロヘルツ〜約35キロヘルツのブレードの振動を発生させるように適合された超音波発生器であることが好ましい。
【0063】
振動発生器30は、振動を発生するモーター31を備える。
【0064】
振動発生器30はブレード20に接続され、かつレール42に結合され、その中でスライドする。特に、振動発生器30は支持体44に結合される。
【0065】
装置10は、振動発生器30およびブレード20を接続するアーム32を備える。アーム32は、ブレード20によって巻き出されているシート13から外れて通過するU字形である(図6を参照)。
【0066】
振動発生器30はアーム32上で特定の振動を発生させる。実際に、アーム32は、ブレード20が振動発生器30のアーム32と実質的に同一の振動数および振幅で振動するように、ブレード20に強力に取り付けられる。好ましい実施形態によれば、アーム32は超音速で振動するが、これは約30キロヘルツ〜約35キロヘルツで振動することを意味する。
【0067】
特に、アーム32の端部分132は、ブレード20の側面122に接続される(図6を参照)。端部分132は、ブレード20自体の端部分26で、またはその付近でブレード20に接続されることが好ましい(図7を参照)。端部分132は、側面122の横部分でブレード20に接続されることがより好ましい(図6および7を参照)。
【0068】
図に示す非限定的な例において、位置調節システム40は、ブレード20が接続される振動発生器30の位置を調節することによって、ブレード20の位置を調節する。
【0069】
このように、位置調節システム40は、振動発生器30に接続された振動するアーム32と接触していない。よって、位置調節システム40は、振動発生器30によって発生される振動に干渉しない。
【0070】
ボビン12を巻き出すための巻出装置10の動作は以下の通りである。
【0071】
コイル状シート13のボビン12が提供されるが、これはボビン12から巻き出されたシート13の遊離部分133を備える。
【0072】
ブレード20は、ブレード20がボビン12にコイル巻きされたシート13と接触するような方法で、シート13の遊離部分133とボビン12にコイル巻きされたシート13の残りの部分との間に配置される。
【0073】
ブレード20は、ボビン12からシート13を巻き出す間に振動される。
【0074】
ブレード20とボビン12にコイル状に巻かれたシート13との間の接触領域100で、ブレードによってボビン12上に圧力がかけられる。
【0075】
シート13の遊離部分133は、ボビン12が巻き出される間に引かれる。
【0076】
上述の圧力は、ボビン12の寸法が巻出によって減少する時に、ブレード20をボビン12に向けてシフトすることによって、ボビン12にかけられる。
【0077】
ブレード20は、約30キロヘルツ〜約35キロヘルツの振動数で振動される。
【0078】
ブレード20は、ブレード20の第二の端部分22が、端部分20とボビン12にコイル状に巻かれたシート13との間の接触領域100でボビン12にコイル状に巻かれたシート13に対して実質的に接線方向であるように、配置されることが好ましい。特に、ブレード20は、ブレード20の第二の端部分22がボビン12の方を向き、ボビン12に対していくらか接線方向であるように、ボビン12上に配置される。ブレード20の平坦な側面121は、巻き出されているシート13の方を向く。こうした配置は、摩擦および熱を発生させるブレード20とボビン12の間の接触面を制限することを可能にする。
【0079】
所定の位置になると、ブレード20(振動発生器30によって振動している)は、シート13がボビン12から巻き出されている非常に特定的な場所で振動をかける。ブレード20の振動は、巻出エリアでボビン12に対してかなり接線方向である。さらに、振動はボビンに向けたブレードの前後の動きを含む。
【0080】
振動するブレード20は、ボビン12から巻き出されているが、なおもそれに実質的に付着しているシート13に、振動の振動数および振幅に関連する制御された量の力を伝達する。
【0081】
この量の力が、ツール、すなわち、ブレード20の特定の形状のため、シート13の限定的な部分にかけられる。
【0082】
ボビン12が巻き出されている間、引張強度が同時にシート13にかけられる。
【0083】
ブレード20は、位置調節システム40のため、ボビン12の巻出およびボビン12の形状に従い、ボビン12の中心1100に向かって移動する。
【0084】
位置調節システム40は、ボビン12が巻き出されるにつれて、ボビン12の回転軸に向かう方向に、ボビン12の直径が減少する速度と同じ速度で、ブレード20を自動的に移動させるように配置された制御手段を含む。
【0085】
位置調節システム40は、ブレード20とボビン12の間で接触しようとする力を重力によって生じさせる重りを備える。
【0086】
ブレード20は、接着を防ぐために、またはコイル/ロールを解かれたシート13とコイル/ロール12の間の分離を促進するために、コイル巻きされたまたはロールされたシート13を巻き出す間、超音波発生器30に結合される。
【0087】
言い替えれば、巻出装置10は、コイル巻きされてまたはロールされてボビン13を形成する細長いシート13のコイル/ロールを解くように配置される。巻出装置10は、ボビン12と巻き出された細長いシート13の遊離部分133との間に位置するブレード20を備える。ブレード20は、巻き出された細長いシート13の遊離部分133に接触するブレード20を振動するよう配置された超音波発生器30に結合される。
【0088】
本発明の装置10を使用することによって、シート13の破損の発生は減少し、シート材料の収量は有利なことに増加する。
【0089】
その上、本発明の装置10は、シートに伝達される熱を制限する。よって、たばこキャストリーフボビン12の場合において、たばこキャストリーフは損傷されない。
【0090】
さらに、本発明の装置10は、ボビン12の巻出速度を増加させることを可能にする。出願者は、たばこキャストリーフボビン12で本発明の装置10を試験し、巻出速度を先行技術の装置と比べて実質的に2倍にでき、例えば毎分約100メートルから毎分約200メートルにできることを見いだした。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】