特表2018-531924(P2018-531924A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-531924テトラヒドロピラノ[3,4−D][1,3]オキサジン誘導体、およびBACE阻害剤としてのその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-531924(P2018-531924A)
(43)【公表日】2018年11月1日
(54)【発明の名称】テトラヒドロピラノ[3,4−D][1,3]オキサジン誘導体、およびBACE阻害剤としてのその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 498/04 20060101AFI20181005BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20181005BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20181005BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20181005BHJP
   A61K 31/5365 20060101ALI20181005BHJP
   A61K 31/553 20060101ALI20181005BHJP
   A61K 31/5386 20060101ALI20181005BHJP
   C07D 498/10 20060101ALI20181005BHJP
【FI】
   C07D498/04 111
   A61P43/00 105
   A61P43/00 111
   A61P25/28
   A61P3/10
   A61K31/5365
   C07D498/04 116
   A61K31/553
   A61K31/5386
   C07D498/10 SCSP
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】113
(21)【出願番号】特願2018-514815(P2018-514815)
(86)(22)【出願日】2016年9月19日
(85)【翻訳文提出日】2018年5月16日
(86)【国際出願番号】IB2016055580
(87)【国際公開番号】WO2017051303
(87)【国際公開日】20170330
(31)【優先権主張番号】62/232,004
(32)【優先日】2015年9月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/376,568
(32)【優先日】2016年8月18日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100133927
【弁理士】
【氏名又は名称】四本 能尚
(74)【代理人】
【識別番号】100137040
【弁理士】
【氏名又は名称】宮澤 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100147186
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 眞紀
(74)【代理人】
【識別番号】100174447
【弁理士】
【氏名又は名称】龍田 美幸
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アーロン ブロドニー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ライアン バトラー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン トーマス オニール
(72)【発明者】
【氏名】レイ ジャン
【テーマコード(参考)】
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C072AA01
4C072AA04
4C072AA06
4C072BB02
4C072BB06
4C072CC01
4C072CC12
4C072EE06
4C072EE09
4C072FF15
4C072GG01
4C072GG08
4C072GG10
4C072HH07
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB22
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZB21
4C086ZC20
4C086ZC35
(57)【要約】
本発明は、式(I)の構造を有し、可変基R、R、R、R、Xが明細書において定義されているとおりである化合物、その開示されている化合物の互変異性体、および薬学的に許容できる塩を対象とする。対応する医薬組成物、治療方法、合成方法、および中間体も開示する。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】
[式中、
は、N、O、またはSから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、ヘテロ原子の少なくとも1個はNであり、前記Nは、Rで置換されていてもよい、5〜6員ヘテロアリールであり、前記5〜6員ヘテロアリールは、炭素上で、1〜3個のRで置換されていてもよく、
およびRは、水素、C1〜3アルキル、C3〜6シクロアルキル、および3〜7員ヘテロシクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され、C1〜3アルキルは、1〜3個のフルオロまたはC1〜3アルコキシで独立に置換されていてもよく、C3〜6シクロアルキルおよび3〜7員ヘテロシクロアルキルは、1〜3個のフルオロ、C1〜3アルキル、またはC1〜3アルコキシでそれぞれ独立に置換されていてもよく、
またはRおよびRは、これらが結合している炭素と一緒になって、C3〜6シクロアルキル環または3〜7員ヘテロシクロアルキルを形成しており、これらはそれぞれ、1〜3個のフルオロ、C1〜3アルキル、またはC1〜3アルコキシで独立に置換されていてもよく、
は、水素、または1〜3個のフルオロで置換されていてもよいC1〜3アルキルであり、
Xは、CHまたは結合であり、
は、出現する毎に、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C3〜6アルケニル、C3〜6アルケニルオキシ、C3〜6アルキニル、C3〜6アルキニルオキシ、C1〜6アルコキシ−C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルコキシ、C3〜6シクロアルキル、C3〜6シクロアルキル−C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル−C1〜6アルコキシ、4〜6員ヘテロシクロアルキル、および4〜6員ヘテロシクロアルキル−C1〜6アルキルからなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C3〜6アルケニル、C3〜6アルケニルオキシ、C3〜6アルキニル、C3〜6アルキニルオキシ、C1〜6アルコキシ−C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルコキシ、C3〜6シクロアルキル、C3〜6シクロアルキル−C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル−C1〜6アルコキシ、4〜6員ヘテロシクロアルキル、および4〜6員ヘテロシクロアルキル−C1〜6アルキルは、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、シアノ、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、およびトリフルオロメトキシから独立に選択される1〜3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよく、
は、水素またはC1〜6アルキルである]もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項2】
式Ia
【化2】
である、請求項1に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項3】
式Ib
【化3】
である、請求項1に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項4】
が、水素またはメチルであり、
が、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルであり、
が、水素、フルオロメチル、またはトリフルオロメチルである、
請求項1、2、および3のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項5】
およびRが、それぞれ水素であり、
がメチルであり、
XがCHである、
請求項2に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項6】
およびRが、それぞれメチルであり、
が水素であり、
Xが結合である、
請求項2に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項7】
が水素であり、
が、メチルまたはトリフルオロメチルであり、
が、水素、フルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり、
Xが結合である、
請求項2に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項8】
およびRが、これらが結合している炭素と一緒になって、C3〜6シクロアルキル環を形成しており、
が水素であり、
Xが結合である、
請求項2に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項9】
およびRが、これらが結合している炭素と一緒になって、シクロブチル環を形成している、
請求項8に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項10】
が水素であり、
がトリフルオロメチルであり、
が水素であり、
Xが結合である、
請求項3に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項11】
が、1または2個のRで置換されているピリジニルまたはピラジニルであり、
各Rは、クロロ、シアノ、メチル、およびジフルオロメトキシから独立に選択される、
請求項4、5、6、7、8、9、および10のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項12】
が、3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−2−イル、5−クロロピリジン−2−イル、5−シアノピリジン−2−イル、5−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−2−イル、5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピリジン−2−イル、または5−(ジフルオロメトキシ)ピラジン−2−イルである、請求項11に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項13】
N−(2−((5aR,7S,9aR)−2−アミノ−7−メチル−5,5a,6,7−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−9a(9H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド、および
N−(2−((5aR,7S,9aR)−2−アミノ−7−メチル−5,5a,6,7−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−9a(9H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド
からなる群から選択される、請求項5に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項14】
N−(2−((4aR,8aR)−2−アミノ−6,6−ジメチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド;および
N−(2−((4aR,8aR)−2−アミノ−6,6−ジメチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド;
からなる群から選択される、請求項6に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項15】
N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド;
N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド;
N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド;
N−(2−((4S,4aR,6S,8aR)−2−アミノ−4−(フルオロメチル)−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド;
N−(2−((4S,4aR,6S,8aR)−2−アミノ−6−メチル−4−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド;
N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド;
N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド;
N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド;
N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド;
N−{2−[(4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−5−(ジフルオロメトキシ)ピラジン−2−カルボキサミド;
N−{2−[(4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−5−シアノ−3−メチルピリジン−2−カルボキサミド;
N−{2−[(4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピラジン−2−カルボキサミド;
N−{2−[(4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−5−メトキシ−3−メチルピラジン−2−カルボキサミド;および
N−{2−[(4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド
からなる群から選択される、請求項7に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項16】
N−(2−((4aS,6S,8aS)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド;
N−(2−((4aS,6S,8aS)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド;
N−(2−((4aS,6S,8aS)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド;および
N−(2−((4aS,6S,8aS)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド
からなる群から選択される、請求項10に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項17】
N−(2−((4a’R,8a’R)−2’−アミノ−4a’,5’−ジヒドロ−4’H−スピロ[シクロブタン−1,6’−ピラノ3,4−d][1,3]オキサジン]−8a’(8’H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド;
N−(2−((4a’R,8a’R)−2’−アミノ−4a’,5’−ジヒドロ−4’H−スピロ[シクロブタン−1,6’−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン]−8a’(8’H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド;
N−(2−((4a’R,8a’R)−2’−アミノ−4a’,5’−ジヒドロ−4’H−スピロ[シクロブタン−1,6’−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン]−8a’(8’H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−シアノピコリンアミド N−(2−((4a’R,8a’R)−2’−アミノ−4a’,5’−ジヒドロ−4’H−スピロ[シクロブタン−1,6’−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン]−8a’(8’H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−シアノピコリンアミド;
N−(2−((4a’R,8a’R)−2’−アミノ−4a’,5’−ジヒドロ−4’H−スピロ[シクロブタン−1,6’−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン]−8a’(8’H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピラジン−2−カルボキサミド;
N−(2−((4a’R,8a’R)−2’−アミノ−4a’,5’−ジヒドロ−4’H−スピロ[シクロブタン−1,6’−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン]−8a’(8’H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド;および
N−(2−((4a’R,8a’R)−2’−アミノ−4a’,5’−ジヒドロ−4’H−スピロ[シクロブタン−1,6’−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン]−8a’(8’H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−シアノ−3−メチルピコリンアミド
からなる群から選択される、請求項9に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項18】
N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項19】
N−(2−((4S,4aR,6S,8aR)−2−アミノ−4−(フルオロメチル)−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項20】
N−(2−((4aR,8aR)−2−アミノ−6,6−ジメチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
【請求項21】
治療有効量の請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩を、薬学的に許容できる担体と共に含む医薬組成物。
【請求項22】
アミロイド−βタンパク質の産生をその阻害を必要とする患者において阻害するために有用な医薬品を調製するための、請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩の使用。
【請求項23】
ベータ部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)をその阻害を必要とする患者において阻害するための、請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩の使用。
【請求項24】
神経変性疾患をその治療を必要とする患者において治療するための、請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩の使用。
【請求項25】
神経変性疾患がアルツハイマー病である、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
糖尿病をその治療を必要とする患者において治療するための、請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩の使用。
【請求項27】
糖尿病が2型糖尿病である、請求項26に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、β部位アミロイド前駆体タンパク質(APP)切断酵素1(BACE1)の阻害剤およびBACE2の阻害剤である低分子化合物および薬学的に許容できるその塩に関する。本発明は、アミロイドタンパク質の神経沈着物の形成の一因となり得るA−βペプチドの産生を阻害することに関する。本発明はまた、ヒトを含めた哺乳動物におけるアルツハイマー病(AD)ならびに他の神経変性障害および/または神経障害の治療、さらには、糖尿病の治療に関する。より詳細には、本発明は、A−βペプチドの産生に関連するADおよびダウン症候群などの神経変性障害および/または神経障害の治療に有用なオキサミジン化合物および薬学的に許容できるその塩に関する。
【背景技術】
【0002】
認知症は、多種多様な特有の病理学的経過の結果として生じる。認知症を引き起こす最も一般的な病理学的経過は、アルツハイマー病(「AD」)、脳アミロイド血管障害(「CM」)およびプリオン媒介疾患である(例えば、Haanら、Clin.Neurol.Neurosurg.、1990、92(4):305〜310;Glennerら、J.Neurol.Sci.、1989、94:1〜28を参照されたい)。ADは、記憶障害および認知機能障害によって特徴付けられる進行性の神経変性障害である。ADは、米国人口の最も急速に増加している部分である85歳を超える人全ての半数近くが罹患する。したがって、米国におけるAD患者の数は、2050年までに約400万人から約1400万人に増加することが予想される。
【0003】
アミロイド−β(Aβペプチド)の蓄積は、高齢者における認知低下の最も一般的な原因であるアルツハイマー病(AD)の根本的な原因の1つであると考えられている(Hardy & Allsop、Trends Pharmacol Sci.、1991;12(10):383〜8;Selkoe、Behav.Brain Res.、2008;192(1):106〜13)。アミロイド斑の主なタンパク質成分であるAβは、2種のプロテアーゼ、β−およびγ−セクレターゼによるアミロイド前駆体タンパク質(APP)であるI型内在性膜タンパク質の連続切断に由来する。β部位APP切断酵素(BACE1およびBACE2)によるAPPのタンパク質分解性切断により、APPの可溶性N末端エクトドメイン(sAPPβ)およびC末端断片C99が生成する。γ−セクレターゼによる膜結合C99断片のその後の切断により、Aβ40およびAβ42が最も優勢な形態である様々なAβペプチド種が遊離する(Vassarら、J.Neurosci.、2009;29(41):12787〜94;Marks & Berg、Neurochem.Res.、2010;35:181〜210)。したがって、BACE1阻害剤は、全ての優勢なAβペプチドの形成を有効に阻害することができるであろうために、BACE1の阻害により直接的にAβの生成を制限することは、ADを治療するための最も魅力的な手法の1つである。
【0004】
加えて、BACE1ノックアウトマウスは、変性線維からの軸索デブリおよびミエリンデブリのクリアランスと、軸索再生の促進と、同腹子対照と比較して早い神経筋接合部の神経再支配とを顕著に強化したことが決定されている。これらのデータは、末梢神経損傷後の再生および回復を促進する治療手法としてのBACE1阻害を示唆している(Farahら、J.Neurosci.、2011、31(15):5744〜5754を参照されたい)。
【0005】
インスリン抵抗性およびグルコース恒常性障害は、2型糖尿病の重要な指標であり、ADの初期危険因子である。特に、2型糖尿病の患者には、より高い散発性ADのリスクがあり、AD患者は、2型糖尿病をより発症しやすい(Butler,Diabetes 53:474−481,2004)。最近、ADを3型糖尿病として再考すべきであるとも提案されている(de la Monte、J.Diabetes Sci.Technol.、2008;2(6):1101〜1113)。ADおよび2型糖尿病は、共通の発病機構を、また、ことによると共通の治療を共有するという事実は、特に重要である(Park.S.A.、J.Clin.Neurol.、2011;7:10〜18;Raffa, Br.J.Clin.Pharmacol 2011、71(3):365〜376)。BACE活性の生成物であるAβの血漿中レベルの上昇は最近では、ヒトにおける高血糖症および肥満に関連づけられた(Meakinら、Biochem J.、2012、441(1):285〜96.;Martins、Journal of Alzheimer’s Disease、8(2005)269〜282を参照されたい)。さらに、Aβ産生の増大は、マウスにおけるグルコース不耐性およびインスリン抵抗性の発症を刺激する(Cozar−Castellano、Am.J.Physiol.Endocrinol.Metab.、302:E1373〜E1380、2012;Delibegovic、Diabetologia(2011)54:2143〜2151)。最後に、Aβの循環は、ヒトおよびマウスの両方におけるアテローム硬化症の発生に関係し得るであろうことも示唆されている(De Meyer、Atherosclerosis 216(2011)54〜58;Catapano、Atherosclerosis 210(2010)78〜87;Roher、Biochimica et Biophysica Acta 1812(2011)1508〜1514)。
【0006】
したがって、慢性的な栄養分過剰の状態では、BACE1レベルがグルコースおよび脂質の恒常性において重要な役割を果たし得ると考えられている。具体的には、BACE1の低減がマウスにおいて体重を減少させ、食事性肥満を予防し、インスリン感受性を増強するという事実によって例示されるとおり、BACE1阻害剤は、骨格筋および肝臓におけるインスリン感受性を高めるために潜在的に有用であり得る(Meakinら、Biochem.J.2012、441(1):285〜96を参照されたい)。BACE1基質としてのLRP1の同定およびアテローム硬化症との潜在的な連係も同様に重要である(Strickland、Physiol.Rev.、88:887〜918、2008;Hyman、J.Biol.Chem.、Vol.280、No.18、17777〜17785、2005)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
同様に、BACE2の阻害は、β細胞量を保存および回復し、前糖尿病患者および糖尿病患者におけるインスリン分泌を刺激する可能性を有する2型糖尿病の治療として提案されている(WO2011/020806)。BACE2は、膵臓β細胞の機能および量を調節するβ細胞濃縮プロテアーゼ(β−cell enriched protease)であり、BACE1の類似同族体である。BACE2の薬理学的阻害は、β細胞の量および機能を増大させ、このことは、Tmem27の安定化につながる(Esterhazyら、Cell Metabolism 2011、14(3):365〜377を参照されたい)。BACE2の阻害に関連した疾患を治療および/または予防する際にBACE2阻害剤が有用であることが示唆されている(例えば、2型糖尿病では、前糖尿病性および糖尿病性患者におけるβ細胞量を維持および回復させ、インスリン分泌を刺激する可能性がある)(WO2011/020806)。
【0008】
アミノジヒドロチアジンまたはチオアミジン化合物は、β−セクレターゼ酵素の有用な阻害剤としてUS2009/0082560、WO2009/091016およびWO2010/038686に記載されている。β−セクレターゼ酵素の阻害剤として有用な縮合複素環式化合物も、WO2011071109および対応するUS2012245155に記載されている。2012年8月17日にPfizer Incにより出願された同時係属中のPCT出願、PCT/IB2012/054198も、β−セクレターゼ酵素の有用な阻害剤であるアミノジヒドロチアジン化合物を記載している。本発明は、新規のオキサミジン化合物ならびにADを含めた神経変性疾患の治療、さらには、糖尿病および肥満などの代謝性疾患および状態の治療におけるその使用を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様の第1の実施形態は、式Iの化合物:
【0010】
【化1】
[式中、Rは、N、O、またはSから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、ヘテロ原子の少なくとも1個はNであり、前記Nは、Rで置換されていてもよい5〜6員ヘテロアリールであり、前記5〜6員ヘテロアリールは、炭素上で、1〜3個のRで置換されていてもよく、RおよびRは、水素、C1〜3アルキル、C3〜6シクロアルキル、および3〜7員ヘテロシクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され、C1〜3アルキルは、1〜3個のフルオロまたはC1〜3アルコキシで独立に置換されていてもよく、C3〜6シクロアルキルおよび3〜7員ヘテロシクロアルキルは、1〜3個のフルオロ、C1〜3アルキル、またはC1〜3アルコキシで置換されていてもよく、またはRおよびRは、これらが結合している炭素と一緒になって、C3〜6シクロアルキル環または3〜7員ヘテロシクロアルキルを形成しており、これらはそれぞれ、1〜3個のフルオロ、C1〜3アルキル、またはC1〜3アルコキシで独立に置換されていてもよく、Rは、水素、または1〜3個のフルオロで置換されていてもよいC1〜3アルキルであり、Xは、CHまたは結合であり、Rは、出現する毎に、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C3〜6アルケニル、C3〜6アルケニルオキシ、C3〜6アルキニル、C3〜6アルキニルオキシ、C1〜6アルコキシ−C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルコキシ、C3〜6シクロアルキル、C3〜6シクロアルキル−C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル−C1〜6アルコキシ、4〜6員ヘテロシクロアルキル、および4〜6員ヘテロシクロアルキル−C1〜6アルキルからなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C3〜6アルケニル、C3〜6アルケニルオキシ、C3〜6アルキニル、C3〜6アルキニルオキシ、C1〜6アルコキシ−C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルコキシ、C3〜6シクロアルキル、C3〜6シクロアルキル−C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル−C1〜6アルコキシ、4〜6員ヘテロシクロアルキル、および4〜6員ヘテロシクロアルキル−C1〜6アルキルは、それぞれ、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、シアノ、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、およびトリフルオロメトキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、Rは、水素、またはC1〜6アルキルである]もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0011】
本発明の別の実施形態は、式Iの化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容できるビヒクル、賦形剤、または担体を含む医薬組成物である。本明細書に記載の医薬組成物は、アミロイド−βタンパク質の産生の阻害、およびベータ部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)の阻害;神経変性疾患、特に、アルツハイマー病の治療;糖尿病または2型糖尿病を含めた、β−アミロイドレベルの上昇により特徴付けられる疾患および障害を治療的および/または予防的に治療するためのBACE1および/またはBACE2活性の阻害;ヒトを含めた哺乳動物における骨格筋および肝臓でのインスリン感受性の増大;ならびに肥満の治療および/または予防のために使用することができる。
【0012】
本発明は、また、
(1)治療有効量の、式Iの実施形態のいずれかのオキサミジンもしくはオキサゼピン化合物または薬学的に許容できるその塩、および薬学的に許容できる担体を、それを必要とする哺乳動物または患者に投与することにより、BACE酵素活性を阻害する方法
(2)哺乳動物、好ましくはヒトにおける、β−セクレターゼ酵素が関与する中枢神経系および神経障害の状態または疾患(例えば、片頭痛;てんかん;アルツハイマー病;パーキンソン病;脳傷害;脳卒中;脳血管疾患(脳動脈硬化症、脳アミロイド血管障害、遺伝性脳出血、および脳低酸素虚血を含めた);認知障害(健忘症、老人性認知症、HIV関連認知症、アルツハイマー病、ハンチントン病、レビー小体型認知症、血管性認知症、薬物が関係する認知症、晩発性ジスキネジア、ミオクローヌス、ジストニア、せん妄、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病、HIV疾患、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、てんかん、筋痙縮、筋痙直または筋力低下と関連する障害(振戦を含めた)、および軽度認知障害(「MCI」)を含めた);精神遅滞(痙縮、ダウン症候群および脆弱X症候群を含めた);睡眠障害(過眠症、概日リズム睡眠障害、不眠、睡眠時異常行動、および睡眠遮断を含めた)、ならびに精神障害、例えば、不安(急性ストレス障害、全般性不安障害、社会不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、広場恐怖症、および強迫性障害を含めた);虚偽性障害(急性幻覚性躁病を含めた);衝動制御障害(強迫性賭博および間欠性爆発性障害を含めた);気分障害(双極性障害I型、双極性障害II型、躁病、混合感情状態、大うつ病、慢性うつ病、季節性うつ病、精神病性うつ病、季節性うつ病、月経前症候群(PMS)、月経前不機嫌性障害(PDD)、および産後うつ病を含めた);精神運動障害;精神病性障害(統合失調症、統合失調感情障害、統合失調症様、および妄想性障害を含めた);薬物依存(麻薬依存、アルコール依存、アンフェタミン依存、コカイン嗜癖、ニコチン依存、および薬物離脱症候群を含めた);摂食障害(食欲不振症、過食症、過食障害、食欲過剰、肥満症、強迫性摂食障害および氷食症を含めた);性的機能障害;尿失禁;ニューロン損傷障害(目の損傷、目の網膜症または黄斑変性症、耳鳴、聴覚障害および聴覚損失、ならびに脳浮腫を含めた)、神経傷害治療(末梢神経損傷後の再生および回復の促進を含む)ならびに小児精神障害(注意欠陥障害、注意欠陥/機能亢進障害、行為障害、および自閉症を含めた)を治療する方法であって、前記哺乳動物に治療有効量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法。式Iの化合物はまた、記憶(短期および長期の両方)ならびに学習能力の改善のために有用であり得る。Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM−IV−TR) (2000、American Psychiatric Association、Washington D.C.)の第4版のテキスト改訂版は、本明細書に記載されている障害の多くを同定するための診断手段を提供する。DMS−IV−TRに記載されているものを含めて、本明細書に記載されている障害についての代わりの命名法、疾病分類、および分類体系が存在し、用語法および分類体系は医科学の進展と共に進化することを当業者は認識する;
(3)哺乳動物、好ましくはヒトにおいて、神経障害(例えば、片頭痛;てんかん;アルツハイマー病;パーキンソン病;ニーマンピックC型;脳傷害;脳卒中;脳血管疾患;認知障害;睡眠障害)または精神障害(例えば、不安;虚偽性障害;衝動制御障害;気分障害;精神運動障害;精神病性障害;薬物依存;摂食障害;および小児精神障害)を治療する方法であって、前記哺乳動物に治療有効量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法;
(4)1型および2型糖尿病、耐糖能障害、インスリン抵抗性、高血糖症、ならびにアテローム硬化症、冠状動脈性心疾患、卒中、末梢血管疾患、腎障害、高血圧、神経障害、および網膜障害などの糖尿病合併症を含めた、糖尿病または糖尿病関連障害を治療する(例えば、進行または発症を遅延させる)方法;
(5)代謝症候群などの肥満共存症を治療する方法。代謝症候群には、脂質異常症、高血圧、インスリン抵抗性、糖尿病(例えば、2型糖尿病)、冠状動脈疾患、および心不全などの疾患、状態、または障害が含まれる。代謝症候群に関するより詳細な情報については、例えば、Zimmet,P.Z.ら、「The Metabolic Syndrome:Perhaps an Etiologic Mystery but Far From a Myth−Where Does the International Diabetes Federation Stand?」、Medscape Diabetes & Endocrinology、7(2)、(2005);およびAlberti,K.G.ら、「The Metabolic Syndrome−A New Worldwide Definition」、Lancet、366、1059〜62(2005)を参照されたい;および
(6)非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)および肝インスリン抵抗性を治療する方法
などの式Iの化合物を使用する治療方法を対象とする。
【0013】
本発明はまた、本発明の化合物を、本明細書に記載の疾患、状態、および/または障害を治療するための他の医薬品と併せて使用することもできる併用療法を対象とする。したがって、本発明の化合物を他の医薬品と組み合わせて投与することを含む治療方法も提供する。
【0014】
本明細書において言及される全ての特許、特許出願、および参考文献は、その全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0015】
本発明の他の特徴および利点は、本発明を説明する本明細書および添付の特許請求の範囲から明らかであろう。上記および下記の詳細な説明は、例示に過ぎず、特許請求の範囲に記載の本発明を制限するものではないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明および本明細書に含まれる実施例を参照することで、より容易に理解され得る。本発明が、特定の合成方法に限定されず、合成方法はもちろん変化し得ることを理解されたい。また、本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態を記載するためのものであるに過ぎず、限定的であることを意図されたものではないことを理解されたい。
【0017】
本明細書および以下の特許請求の範囲では、次の意味を有すると定義されるいくつかの用語に言及する:
【0018】
本明細書で使用する場合、「摂食障害」は、患者が、患者の摂食行動ならびに関連する思考および情動に障害を負っている疾患を指す。肥満関連摂食障害の代表的な例には、過食、大食、むちゃ食い障害、強迫ダイエット(compulsive dieting)、夜間睡眠関連摂食障害、異食、プラダー−ウィリ症候群、および夜食症候群が包含される。
【0019】
「患者」は、例えば、モルモット、マウス、ラット、アレチネズミ、ネコ、ウサギ、イヌ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、サル、チンパンジー、およびヒトなどの温血動物を指す。
【0020】
「薬学的に許容できる」という用語は、その物質または組成物が、製剤を構成する他の成分および/またはそれで治療される哺乳動物と化学的および/または毒物学的に適合性でなければならないことを意味している。
【0021】
「治療有効量」という用語は、(i)特定の疾患、状態、もしくは障害を治療もしくは予防するか、(ii)特定の疾患、状態、もしくは障害の1種もしくは複数の症状を減弱、寛解、もしくは除去するか、または(iii)本明細書に記載の特定の疾患、状態、もしくは障害の1種もしくは複数の症状の発症を予防もしくは遅延させる本発明の化合物の量を意味する。
【0022】
「治療すること」という用語は、本明細書で使用する場合、他に示さない限り、このような用語を適用する障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1種もしくは複数の症状の逆転、緩和、進行の阻害、進行の遅延、発症の遅延、または予防を意味する。「治療」という用語は、本明細書で使用する場合、他に示さない限り、治療する行為を指す(「治療する」は直前に定義する)。「治療すること」という用語にはまた、対象のアジュバントおよびネオアジュバント治療が包含される。誤解を避けるために記すと、「治療」に対する本明細書における言及は、治癒的、姑息的、および予防的治療に対する言及、ならびにそのような治療において使用するための医薬品の投与に対する言及を包含する。
【0023】
「アルキル」という用語は、一実施形態では、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖飽和ヒドロカルビル置換基(すなわち、炭化水素から1個の水素を除去して得られる置換基)を指す。そのような置換基の非限定的例には、メチル、エチル、プロピル(n−プロピルおよびイソプロピルを含む)、ブチル(n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルを含む)、ペンチル、イソアミル、ヘキシルなどが含まれる。
【0024】
「アルコキシ」という用語は、一実施形態では、1〜6個の炭素原子を含有する、酸素ラジカルに結合している直鎖または分枝鎖飽和ヒドロカルビル置換基(すなわち、炭化水素アルコールから、OHからの水素を除去することによって得られる置換基)を指す。そのような置換基の非限定的例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(n−プロポキシおよびイソプロポキシを含む)、ブトキシ(n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、およびtert−ブトキシを含む)、ペントキシ、ヘキソキシなどが含まれる。
【0025】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含んでおり、一実施形態では、3〜6個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖ヒドロカルビル置換基(すなわち、炭化水素から1個の水素を除去して得られる置換基)を指す。そのような置換基の非限定的例には、アリル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ブタジエニル、ペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、ヘキサジエニルなどが含まれる。「アルケニルオキシ」という用語は、酸素ラジカルに結合しているアルケニル基を指す。
【0026】
「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含んでおり、一実施形態では、3〜6個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖ヒドロカルビル置換基(すなわち、炭化水素から1個の水素を除去して得られる置換基)を指す。そのような置換基の非限定的例には、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどが含まれる。「アルキニルオキシ」という用語は、酸素ラジカルに結合しているアルキニル基を指す。
【0027】
「アルキレン」という用語は、一実施形態では、3〜5個の炭素を含有するアルカンジイル基(すなわち、炭化水素から2個の水素を除去して得られる置換基)を指す。そのような基の非限定的例には、プロピレン、ブチレン、およびペンチレンが含まれる。
【0028】
場合によっては、ヒドロカルビル置換基(すなわち、アルキル、シクロアルキルなど)中の炭素原子の数は、接頭辞「C〜C−」または「Cx〜y」によって示され、ここで、xは、その置換基中の炭素原子の最小数であり、yは、最大数である。したがって、例えば、「C〜C−アルキル」または「C1〜6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含有するアルキル置換基を指す。さらに説明すると、C〜CシクロアルキルまたはC3〜6−シクロアルキルは、3〜6個の炭素環原子を含有する飽和シクロアルキル基を指す。
【0029】
「シクロアルキル」という用語は、飽和炭素環式分子から1個の水素を除去することによって得られる炭素環式置換基、例えば、3〜6個の炭素原子を有するものまたは3〜9個の炭素原子を有するものを指す。「シクロアルキル」という用語は、単環式、二環式、および三環式の飽和炭素環、ならびに架橋および縮合環炭素環、またスピロ縮合炭素環系を包含する。「C3〜9シクロアルキル」という用語は、3〜9員環系のラジカルを意味し、これには、基シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、ビシクロペンチル、ビシクロヘキシル、ビシクロヘプチル、ビシクロオクチル、ビシクロノニル、スピロペンチル、スピロヘキシル、スピロヘプチル、スピロオクチル、およびスピロノニルが含まれる。「C3〜6シクロアルキル」という用語は、3〜6員環系のラジカルを意味し、これには、基シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロペンチル、ビシクロヘキシル、スピロペンチル、およびスピロヘキシルが含まれる。「C3〜6シクロアルコキシ」という用語は、酸素ラジカルに結合している3〜6員シクロアルキル基を指す。例には、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、およびシクロヘキソキシが含まれる。
【0030】
場合によっては、1個または複数のヘテロ原子を含有する環式置換基(すなわち、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル)中の原子の数は、接頭辞「x〜y員」によって示され、ここで、xは、置換基の環式部分を形成する原子の最小数であり、yは、最大数である。したがって、例えば、「4〜6員ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロシクロアルキルの環式部分に、1〜3個のヘテロ原子を含めて4から6個の原子を含有するヘテロシクロアルキルを指す。同様に、語句「5〜6員ヘテロアリール」は、5〜6個の原子を含有するヘテロアリールを指し、「5〜10員ヘテロアリール」は、5〜10個の原子を含有するヘテロアリールを指し、それぞれ、ヘテロアリールの環式部分に1個または複数のヘテロ原子を含有する。さらに、語句「5員ヘテロアリール」および「6員ヘテロアリール」は、それぞれ、5員ヘテロ芳香環系および6員ヘテロ芳香環系を指す。これらの環系中に存在するヘテロ原子は、N、O、およびSから選択される。
【0031】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」という用語は、−OHを指す。別の用語(複数可)と組み合わせて使用するとき、接頭語「ヒドロキシ」は、接頭語が付着している置換基が、1個または複数のヒドロキシ置換基で置換されていることを示す。1個または複数のヒドロキシ置換基が付着している炭素を担持する化合物には、例えば、アルコール、エノールおよびフェノールが含まれる。
【0032】
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フッ素(−Fとして示し得る)、塩素(−Clとして示し得る)、臭素(−Brとして示し得る)、またはヨウ素(−Iとして示し得る)を指す。
【0033】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、環原子の少なくとも1個がヘテロ原子(すなわち、酸素、窒素、または硫黄)であり、残りの環原子が炭素、酸素、窒素、および硫黄からなる群から独立に選択される、4〜6個の環原子などの規定の数の原子の合計を含有する飽和または部分飽和環構造から1個の水素を除去することによって得られる置換基を指す。ヘテロシクロアルキル置換基を有する基では、その基に結合しているヘテロシクロアルキル置換基の環原子は、窒素ヘテロ原子であってよいか、または環炭素原子であってよい。同様に、ヘテロシクロアルキル置換基がさらに、基または置換基で置換されていたら、その基または置換基は、窒素ヘテロ原子に結合していてよいか、または環炭素原子に結合していてよい。
【0034】
「ヘテロアリール」という用語は、環原子の少なくとも1個がヘテロ原子(すなわち、酸素、窒素、または硫黄)であり、残りの環原子が炭素、酸素、窒素、および硫黄からなる群から独立に選択される、規定の数の環原子を含有する芳香環構造を指す。ヘテロアリール置換基の例には、ピリジル、ピラジル、ピリミジニル、およびピリダジニルなどの6員ヘテロアリール置換基;ならびにトリアゾリル、イミダゾリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、1,2,3−、1,2,4−、1,2,5−、または1,3,4−オキサジアゾリル、およびイソチアゾリルなどの5員ヘテロアリール置換基が含まれる。ヘテロアリール基はまた、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、オキサゾロピリジニル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリミジニルなどの二環式ヘテロ芳香族基であってよい。ヘテロアリール置換基を有する基において、その基に結合している、ヘテロアリール置換基の環原子は、ヘテロ原子の1つである場合もあり、または環炭素原子である場合もある。同様に、ヘテロアリール置換基がさらに、基または置換基で置換されていたら、その基または置換基は、ヘテロ原子の1つに結合していてよいか、または環炭素原子に結合していてよい。「ヘテロアリール」という用語にはまた、ピリジルN−オキシド、およびピリジンN−オキシド環を含有する基が含まれる。加えて、ヘテロアリール基は、ピリドン基中に存在するものなど、オキソ基を含有してよい。さらなる例には、フリル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジン−2(1H)−オニル、ピリダジン−2(1H)−オニル、ピリミジン−2(1H)−オニル、ピラジン−2(1H)−オニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、およびピラゾロ[1,5−a]ピリジニルが含まれる。ヘテロアリールは、本明細書において定義するとおりにさらに置換されていてよい。
【0035】
単環式ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルの例には、フラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、チオフェニル、ジヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリル、イソピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリル、イソイミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ジチオリル、オキサチオリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアオキサジアゾリル、オキサチアゾリル、オキサジアゾリル(オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、または1,3,4−オキサジアゾリルを含む)、ピラニル(1,2−ピラニルまたは1,4−ピラニルを含む)、ジヒドロピラニル、ピリジニル、ピペリジニル、ジアジニル(ピリダジニル、ピリミジニル、ピペラジニル、トリアジニル(s−トリアジニル、as−トリアジニル、およびv−トリアジニルを含む)、オキサジニル(2H−1,2−オキサジニル、6H−1,3−オキサジニル、または2H−1,4−オキサジニルを含む)、イソオキサジニル(o−イソオキサジニルまたはp−イソオキサジニルを含む)、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサチアジニル(1,2,5−オキサチアジニルまたは1,2,6−オキサチアジニルを含む)、オキサジアジニル(2H−1,2,4−オキサジアジニルまたは2H−1,2,5−オキサジアジニルを含む)、モルホリニルが含まれる。
【0036】
「ヘテロアリール」という用語にはまた、規定されている場合、縮合していてよく、一方の環が芳香族であり、他方の環が完全には、コンジュゲートした芳香族系の部分ではない2個の環を有する環系(すなわち、ヘテロ芳香環がシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環に縮合していてよい)が含まれ得る。そのような環系の非限定的例には、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−キノリニル、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[b]ピリジニル、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリジニル、1,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾリル、2,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾリル、5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[1,2−b]ピラゾリル、6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−b][1,2,4]トリアゾリル、5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾリル、および4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾリルが含まれる。炭素環式または複素環式部分が、特定の結合点を示すことなく、種々の環原子を介して指定の基質に結合していてよいか、または他の方法で付着している場合、炭素原子か、または例えば、三価窒素原子を介してかに関わらず、可能な結合点の全てが意図されていることを理解されたい。例えば、「ピリジル」という用語は、2−、3−、または4−ピリジルを意味し、「チエニル」という用語は、2−または3−チエニルなどを意味する。
【0037】
置換基が1個より多い可変基を「独立に」有すると記載されている場合、置換基の各例は、利用可能な可変基のリストから、互いに独立して選択される。したがって、各置換基は、他の置換基と同一でも、異なってもよい。
【0038】
置換基について、群から「それぞれ独立に選択される」と記載する場合、置換基の各例は、他の置換基(複数可)とは無関係に選択される。したがって、各置換基は、他の置換基(複数可)と同一または異なり得る。
【0039】
本明細書において使用する場合、「式I」という用語は、本明細書において下記では、「本発明の化合物(複数可)」、「本発明」、および「式Iの化合物」と称し得る。このような用語にはまた、水和物、溶媒和物、異性体、結晶および非結晶形態、同形体、多形、ならびにその代謝物を含めて、式Iの化合物の全ての形態が含まれると定義される。例えば、本発明の化合物、または薬学的に許容できるその塩は、非溶媒和および溶媒和形態で存在し得る。溶媒または水が強固に結合しているとき、錯体は、湿度と無関係に明確な化学量論を有する。しかし、溶媒または水が、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物中のように弱く結合しているとき、水/溶媒含量は、湿度および乾燥条件によって決まる。このような場合、非化学量論が標準である。
【0040】
本発明の化合物は、クラスレートまたは他の錯体として存在し得る。本発明の範囲内に含まれるのは、錯体(クラスレート、薬物−ホスト包接錯体など)であり、薬物およびホストは、化学量論量または非化学量論量で存在する。また含まれるのは、2種以上の有機および/または無機成分を含有する本発明の化合物の錯体であり、これは化学量論量または非化学量論量でよい。このように得られた錯体は、イオン化、部分的にイオン化、または非イオン化し得る。このような錯体の概説については、J.Pharm.Sci.、64(8)、1269〜1288、Haleblian(1975年8月)を参照されたい。
【0041】
本発明の化合物は、不斉炭素原子を有する。本発明の化合物の炭素−炭素結合は、実線(
【0042】
【化2】
)、実線のくさび(
【0043】
【化3】
)、または点線のくさび(
【0044】
【化4】
)を使用して本明細書において示し得る。不斉炭素原子への結合を示す実線の使用は、この炭素原子における全ての可能性のある立体異性体(例えば、特定のエナンチオマー、ラセミ混合物など)が含まれることを示すことを意味する。不斉炭素原子への結合を示す実線または点線のくさびの使用は、示される立体異性体のみが包含されることを意味することを示すこととする。式Iの化合物は、1個を超える不斉炭素原子を含有することも可能である。これらの化合物では、不斉炭素原子への結合を示す実線の使用は、可能な立体異性体の全てが包含されることを意味することを示すこととする。例えば、他に述べられていない限り、式Iの化合物は、エナンチオマーおよびジアステレオマーとして、またはラセミ化合物およびそれらの混合物として存在し得ることが意図されている。式Iの化合物中の1個または複数の不斉炭素原子への結合を示す実線の使用および同じ化合物中の他の不斉炭素原子への結合を示す実線または点線のくさびの使用は、ジアステレオマーの混合物が存在することを示すこととする。
【0045】
式Iの立体異性体には、1種を超える異性を示す化合物を含めた、本発明の化合物のシスおよびトランス異性体、光学異性体(RおよびSエナンチオマー、ジアステレオマーなど)、幾何異性体、回転異性体、配座異性体、ならびに互変異性体;およびその混合物(ラセミ化合物およびジアステレオマー対など)が含まれる。また含まれるのは、対イオンが光学活性である酸付加塩または塩基付加塩(例えば、D−乳酸塩もしくはL−リシン、またはラセミ、例えば、DL−酒石酸塩もしくはDL−アルギニン)である。
【0046】
任意のラセミ化合物が結晶化するとき、2つの異なるタイプの結晶が可能である。第1のタイプは、上記のラセミ化合物(真のラセミ化合物)であり、等モル量の両方のエナンチオマーを含有する1つの均一な形態の結晶が生成される。第2のタイプは、ラセミ混合物または集合体であり、各々が単一のエナンチオマーを含む2つの形態の結晶が等モル量で生成される。
【0047】
式Iの化合物は、互変異性の現象を示すことがあり、このような互変異性体はまた、本発明の化合物としてみなされる。例えば、式Iの化合物は、2−アミノ−ジヒドロオキサジンまたは2−アミノジヒドロオキサゼピン型(それぞれ、Xが結合またはCHである場合)であるI、および2−イミノ−テトラヒドロオキサジンまたは2−イミノ−テトラヒドロオキサゼピン型であるI’(それぞれ、Xが結合またはCHである場合)を含めて、いくつかの互変異性型として存在し得る。そのような互変異性型およびそれらの混合物は全て、式Iの化合物の範囲内に含まれる。互変異性体は、溶液中では互変異性体セットの混合物として存在する。固体の形態では通常、1種の互変異性体が優勢である。1種の互変異性体が記載されていることもあるが、本発明は、式Iの化合物およびその塩の全ての互変異性体を含む。互変異性体の例を式IおよびI’の化合物によって記載し、総称的に、かつ一般に、式Iの化合物と称する。
【0048】
【化5】
【0049】
本発明の化合物は、無機酸または有機酸から得られる塩の形で使用することもできる。特定の化合物によりけりであるが、化合物の塩は、塩の1つまたは複数の物理的性質、例えば、異なる温度および湿度における薬学的安定性が向上していることや、水または油への望ましい溶解性のために有利な場合がある。ある例では、化合物の塩を、化合物の単離、精製、および/または分割の補助手段として使用する場合もある。
【0050】
塩を(例えば、in vitroの状況で使用するのとは対照的に)患者に投与しようとする場合、その塩は、薬学的に許容できることが好ましい。用語「薬学的に許容できる塩」とは、式Iの化合物を、ヒトが摂取するのに適すると一般にみなされるアニオンまたはカチオンを有する酸または塩基と化合させることにより調製された塩を指す。薬学的に許容できる塩は、水への溶解度が親化合物より高いので、本発明の方法の生成物として特に有用である。医薬品において使用するためには、本発明の化合物の塩は、非毒性の「薬学的に許容できる塩」である。「薬学的に許容できる塩」という用語に含まれる塩は、遊離塩基を適切な有機酸または無機酸と反応させることによって一般に調製される本発明の化合物の非毒性塩を指す。
【0051】
本発明の化合物の薬学的に許容できる適切な酸付加塩としては、可能である場合、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、ホウ酸、フルオロホウ酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、炭酸、スルホン酸、および硫酸、ならびに有機酸、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イソチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、コハク酸、トルエンスルホン酸、酒石酸、およびトリフルオロ酢酸から得られる塩が挙げられる。適切な有機酸としては、例えば、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族(araliphatic)、複素環、炭素環、およびスルホン酸クラスの有機酸が一般に挙げられる。
【0052】
適切な有機酸の詳細な例として、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、ジグルコン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、グルクロン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ピルビン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩、アントラニル酸塩、ステアリン酸塩、サリチル酸塩、p−ヒドロキシ安息香酸塩、フェニル酢酸塩、マンデル酸塩、エンボン酸塩(パモ酸塩)、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パントテン酸塩、トルエンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、スルファニル酸塩、シクロヘキシルアミノスルホン酸塩、アルゲン酸(algenic acid)、β−ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸塩、ガラクツロン酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、グリコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、チオシアン酸塩、およびウンデカン酸塩が挙げられる。
【0053】
さらに、本発明の化合物が酸性部分を有する場合では、適切な薬学的に許容できるその塩として、より軽いアルカリ金属塩、すなわち、ナトリウム塩またはカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩またはマグネシウム塩;および適切な有機配位子と共に形成される塩、例えば、第四級アンモニウム塩を挙げることができる。別の実施形態では、塩基の塩は、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リシン、メグルミン、オールアミン、トロメタミン、および亜鉛の塩を含めて、非毒性の塩を形成する塩基から生成されるものである。
【0054】
有機塩は、トロメタミン、ジエチルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、プロカインなどの、第二級、第三級、または第四級アミンから生成されるものでもよい。塩基性窒素を含んでいる基は、低級アルキル(C〜C)ハロゲン化物(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、ジアルキルスルフェート(例えば、ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミルスルフェート)、長鎖ハロゲン化物(例えば、デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリル塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、アリールアルキルハロゲン化物(例えば、ベンジルおよびフェネチル臭化物)他などの物質で四級化することができる。
【0055】
一実施形態において、酸および塩基のヘミ塩(例えば、ヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩)をまた形成し得る。
【0056】
本発明の化合物のいわゆる「プロドラッグ」もまた本発明の範囲内である。よって、これら自体が薬理活性を殆ど有さなくてもよく、または有さなくてもよい本発明の化合物の特定の誘導体は、体内または体表に投与されるとき、例えば、加水分解によって、所望の活性を有する本発明の化合物に変換されることができる。このような誘導体は、「プロドラッグ」と称される。プロドラッグの使用についてのさらなる情報は、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems、Vol.14、ACSシンポジウムシリーズ(T.HiguchiおよびW.Stella)ならびに「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987(編E.B.Roche、American Pharmaceutical Association)に見出し得る。本発明によるプロドラッグは、例えば、式Iのいずれかの化合物において存在する適当な官能基を、例えば、H.Bundgaardの「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985)に記載されているような「プロ部分」として当業者には公知の特定の部分で置き換えることによって生成することができる。
【0057】
本発明はまた、1個または複数の原子が、天然に通常見出される原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられていること以外は、式Iにおいて記載されているものと同一である同位体標識化合物を含む。本発明の化合物中に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、硫黄、フッ素および塩素の同位体、例えば、それぞれ、H、H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、32P、35S、18F、および36Clが含まれる。上記の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する、本発明の化合物、そのプロドラッグ、および前記化合物または前記プロドラッグの薬学的に許容できる塩は本発明の範囲内である。本発明の特定の同位体的に標識された化合物、例えば、放射性同位体、例えば、Hおよび14Cが組み込まれている化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわち、H、および炭素−14、すなわち、14C、同位体は、それらの調製および検出性の容易さのために特に好ましい。さらに、より重い同位体、例えば、重水素、すなわち、Hによる置換は、より大きな代謝安定性、例えば、インビボの半減期の増加または投与必要量の減少に由来する特定の治療上の利点をもたらすことができ、したがって、ある状況においては好ましくてもよい。本発明の式Iの同位体標識化合物およびそのプロドラッグは一般に、スキームにおいて、ならびに/または下記の実施例および調製において開示されている手順を行うことによって、同位体的に標識されていない試薬を、容易に利用可能な同位体的に標識されている試薬で置換することによって調製することができる。
【0058】
本発明の第1の態様の第2の実施形態は、式Ia
【0059】
【化6】
である、第1の態様の第1の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0060】
本発明の第1の態様の第3の実施形態は、式Ib
【0061】
【化7】
である、第1の態様の第1の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0062】
本発明の第1の態様の第4の実施形態は、Rが、水素またはメチルであり、Rが、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルであり、Rが、水素、フルオロメチル、またはトリフルオロメチルである、第1の態様の第1から第3の実施形態のいずれか1つの化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0063】
本発明の第1の態様の第5の実施形態は、RおよびRが、それぞれ水素であり、Rがメチルであり、XがCHである、第1の態様の第2の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0064】
本発明の第1の態様の第6の実施形態は、RおよびRが、それぞれメチルであり、Rが水素であり、Xが結合である、第1の態様の第2の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0065】
本発明の第1の態様の第7の実施形態は、Rが水素であり、Rが、メチルまたはトリフルオロメチルであり、Rが、水素、フルオロメチル、またはトリフルオロメチルであり、Xが結合である、第1の態様の第2の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0066】
本発明の第1の態様の第8の実施形態は、RおよびRが、これらが結合している炭素と一緒になって、C3〜6シクロアルキル環を形成しており、Rが水素であり、Xが結合である、第1の態様の第2の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0067】
本発明の第1の態様の第9の実施形態は、RおよびRが、これらが結合している炭素と一緒になって、シクロブチル環を形成している第1の態様の第8の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0068】
本発明の第1の態様の第10の実施形態は、Rが水素であり、Rがトリフルオロメチルであり、Rが水素であり、Xが結合である、第1の態様の第3の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0069】
本発明の第1の態様の第11の実施形態は、Rが、1または2個のRで置換されているピリジニルまたはピラジニルであり、各Rは、クロロ、シアノ、メチル、およびジフルオロメトキシから独立に選択される、第1の態様の第4から第10の実施形態のいずれか1つの化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0070】
本発明の第1の態様の第12の実施形態は、Rが、3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−2−イル、5−クロロピリジン−2−イル、5−シアノピリジン−2−イル、5−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−2−イル、5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピリジン−2−イル、または5−(ジフルオロメトキシ)ピラジン−2−イルである、第1の態様の第11の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0071】
本発明の第1の態様の第13の実施形態は、N−(2−((5aR,7S,9aR)−2−アミノ−7−メチル−5,5a,6,7−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−9a(9H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド、およびN−(2−((5aR,7S,9aR)−2−アミノ−7−メチル−5,5a,6,7−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−9a(9H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミドからなる群から選択される、第1の態様の第5の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0072】
本発明の第1の態様の第14の実施形態は、N−(2−((4aR,8aR)−2−アミノ−6,6−ジメチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド、およびN−(2−((4aR,8aR)−2−アミノ−6,6−ジメチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミドからなる群から選択される、第1の態様の第6の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0073】
本発明の第1の態様の第15の実施形態は、
N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド;
N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド;
N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド;
N−(2−((4S,4aR,6S,8aR)−2−アミノ−4−(フルオロメチル)−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド;
N−(2−((4S,4aR,6S,8aR)−2−アミノ−6−メチル−4−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド;
N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド;
N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド;
N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド;および
N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド
からなる群から選択される、第1の態様の第7の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0074】
本発明の第1の態様の第16の実施形態は、
N−(2−((4aS,6S,8aS)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド;
N−(2−((4aS,6S,8aS)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド;
N−(2−((4aS,6S,8aS)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド;および
N−(2−((4aS,6S,8aS)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド
からなる群から選択される、第1の態様の第10の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0075】
本発明の第1の態様の第17の実施形態は、それぞれ、実施例14から19の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0076】
本発明の第1の態様の第18から第20の実施形態は、それぞれ、実施例3、6、および8の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
【0077】
本発明の第2の態様の第1の実施形態は、治療有効量の、本発明の第1の態様の第1から第20の実施形態のいずれか1つの化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩と、薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物である。
【0078】
本発明のさらなる実施形態は、本発明の化合物を用いる治療方法を含む。
【0079】
本発明の第3の態様の第1の実施形態は、患者においてアミロイドβタンパク質の生成を阻害する方法であって、アミロイドβタンパク質の生成を阻害する必要のある患者に、治療有効量の、本発明の第1の態様の第1から第20の実施形態のいずれか1つに従う化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法である。
【0080】
本発明の第3の態様の第2の実施形態は、患者においてβ部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)を阻害する方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様の第1から第20の実施形態のいずれか1つに従う化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩を、β部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)の阻害を必要とする患者に投与することを含む方法である。
【0081】
本発明の第3の態様の第3の実施形態は、患者における神経変性疾患を治療するための方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様の第1から第20の実施形態のいずれか1つに従う化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩を、その治療を必要とする患者に投与することを含む方法である。
【0082】
本発明の第3の態様の第4の実施形態は、神経変性疾患がアルツハイマー病である本発明の第3の態様の第3の実施形態の方法である。
【0083】
本発明の第3の態様の第5の実施形態は、患者における糖尿病を治療または予防する方法であって、治療有効量の本発明の第1から第20の実施形態のいずれか1つに従う化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩を、その治療または予防を必要とする患者に投与することを含む方法である。
【0084】
本発明の第3の態様の第6の実施形態は、糖尿病が2型糖尿病である本発明の第3の態様の第5の実施形態の方法である。
【0085】
本発明のさらなる実施形態は、本明細書に記載のとおりの状態、疾患、および障害を治療するために有用な医薬品の調製における、本発明の第1の態様の第1から第20の実施形態のいずれか1つに従う化合物の使用を含む。
【0086】
通常、本発明の化合物は、本明細書に記載の状態の治療に有効な量で投与する。本発明の化合物は、適切な経路によって、その経路に適合させた医薬組成物の形で、目的の治療に有効な用量を投与する。医学的状態の進行に対する処置に必要となる、化合物の治療上有効な用量は、医学分野でよく知られている前臨床および臨床の手法を使用して、当業者の手で容易に突き止められる。
【0087】
本発明の化合物は、経口投与することができる。経口投与は、化合物が消化管に入るように飲み込むものでもよいし、または化合物が口から血流に直接入る頬側もしくは舌下投与を用いてもよい。
【0088】
別の実施形態では、本発明の化合物は、血流中、筋肉、または内臓に直接投与することもできる。非経口投与に適する手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、および皮下が含まれる。非経口投与に適するデバイスとして、(微細針を含めた)針注射器、無針注射器、および注入技術が挙げられる。
【0089】
別の実施形態では、本発明の化合物は、皮膚または粘膜に局所的に、すなわち、皮膚上にまたは経皮的に投与することもできる。別の実施形態では、本発明の化合物は、鼻腔内にまたは吸入によって投与することもできる。別の実施形態では、本発明の化合物は、直腸投与または経膣投与することができる。別の実施形態では、本発明の化合物は、眼または耳に直接投与することもできる。
【0090】
化合物および/または化合物を含有する組成物の投与計画は、患者のタイプ、年齢、体重、性別、および医学的状態;医学的状態の重症度;投与経路;ならびに用いる特定の化合物の活性を含めた様々な要素に基づくものである。したがって、投与計画は多種多様となり得る。体重1キログラムあたり1日約0.01mg〜約100mg程度の投与量レベルが、上で示した状態の治療では有用である。一実施形態では、(1回量または分割した用量で投与される)本発明の化合物の合計1日量は通常、約0.01〜約100mg/kgである。別の実施形態では、本発明の化合物の合計1日量は、約0.1〜約50mg/kgであり、別の実施形態では、約0.5〜約30mg/kg(すなわち、体重1kgあたりの本発明の化合物mg)である。一実施形態では、投薬量は、0.01〜10mg/kg/日である。別の実施形態では、投薬量は、0.1〜1.0mg/kg/日である。投与量単位組成物は、そのような量または1日量を構成するその約数を含有するものでよい。多くの事例では、化合物の投与は、1日に複数回(通常は4回以下)繰り返される。所望なら、通常は、1日あたり複数回の用量を使用して、合計1日量を増やすこともできる。
【0091】
経口投与では、組成物は、約0.01mg〜約500mgの活性成分、または別の実施形態では、約1mg〜約100mgの活性成分を含有する錠剤の形で提供することができる。静脈内について、定速注入の際の用量は、約0.1〜約10mg/kg/分の範囲をとり得る。
【0092】
本発明による適切な対象として、哺乳動物対象が挙げられる。本発明による哺乳動物には、限定はしないが、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ブタ、げっ歯動物、ウサギ、霊長類などが含まれ、子宮内の哺乳動物も包含される。一実施形態では、ヒトが適切な対象である。ヒト対象は、どちらの性の者でも、どの発育段階にある者でもよい。
【0093】
別の実施形態では、本発明は、本明細書で列挙した状態を治療する医薬を調製するための、1種または複数の本発明の化合物の使用を含む。
【0094】
上で言及した状態を治療するために、本発明の化合物は、化合物それ自体として投与することができる。一方、薬学的に許容できる塩は、親化合物よりも水への溶解性が高いので、医学的な適用に適する。
【0095】
別の実施形態では、本発明は、医薬組成物を含む。そのような医薬組成物は、薬学的に許容できる担体と共に提供される本発明の化合物を含む。担体は、固体でも、液体でも、または両方でもよく、0.05重量%〜95重量%の活性化合物を含有し得る単位用量組成物、例えば錠剤としての化合物に配合することができる。本発明の化合物は、ターゲット指向性薬物担体としての適切なポリマーと結合させることもできる。他の薬理活性物質が存在してもよい。
【0096】
本発明の化合物は、適切な任意の経路によって、好ましくはそのような経路に適合させた医薬組成物の形で、目的の治療に有効な用量を投与することができる。活性化合物および組成物は、例えば、経口、直腸、非経口、または局所投与することができる。
【0097】
固体投与形態の経口投与は、例えば、少なくとも1種の予め決められた量の本発明の化合物をそれぞれが含有する別個の単位、例えば、硬カプセル剤もしくは軟カプセル剤、丸剤、カシェ剤、ロゼンジ、または錠剤の体裁にすることができる。別の実施形態では、経口投与は、粉末または顆粒形態にしてもよい。別の実施形態では、経口投与形態は、例えばロゼンジなどの舌下である。このような固体剤形では、式Iの化合物に、1種または複数の佐剤が配合されているのが普通である。そうしたカプセル剤または錠剤は、徐放製剤を含有してもよい。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合では、剤形は、緩衝剤も含んでよく、または腸溶コーティングを施して調製することもできる。
【0098】
別の実施形態では、経口投与は、液体投与形態にすることができる。経口投与用の液体剤形としては、例えば、当業界で一般に使用される不活性希釈剤(例えば、水)を含有する薬学的に許容できる乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルが挙げられる。このような組成物は、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、香味剤(例えば、甘味剤)、および/または着香剤などの佐剤も含んでよい。
【0099】
別の実施形態では、本発明は、非経口投与形態を含む。「非経口投与」は、例えば、皮下注射、静脈内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、胸骨内注射、および注入を包含する。注射用製剤(例えば、無菌の注射可能な水性または油性懸濁液)は、適切な分散剤、湿潤剤、および/または懸濁化剤を使用し、知られている技術に従って製剤することができる。
【0100】
別の実施形態では、本発明は、局所投与形態を含む。「局所投与」は、例えば、経皮パッチやイオン導入デバイスを介してなどの経皮投与、眼内投与、または鼻腔内もしくは吸入投与を包含する。局所投与用の組成物として、例えば、局所用のゲル、スプレー、軟膏、およびクリームも挙げられる。局所用製剤は、皮膚または他の患部を通しての活性成分の吸収または通過を強化する化合物を含有してもよい。本発明の化合物が経皮デバイスによって投与されるとき、投与は、貯蔵部および多孔膜型または固体基材型のいずれかのパッチを使用して実現される。この目的のための典型的な製剤としては、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散粉剤、包帯剤、フォーム、フィルム、皮パッチ、ウェーハ、植込錠、スポンジ、繊維、絆創膏、およびマイクロエマルジョンが挙げられる。リポソームも使用することができる。典型的な担体として、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールが挙げられる。浸透性改善剤を混ぜてもよい。例えば、FinninおよびMorgan、J.Pharm.Sci.、88(10)、955〜958(1999年10月)を参照されたい。
【0101】
眼への局所投与に適する製剤としては、例えば、本発明の化合物を適切な担体に溶解または懸濁させてある点眼剤が挙げられる。眼または耳への投与に適する典型的な製剤は、pH調整された等張性無菌食塩水中の超微粒子化懸濁液または溶液からなる滴剤の形でよい。眼および耳への投与に適する他の製剤として、軟膏、生分解性(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(例えば、シリコーン)植込錠、ウェーハ、レンズ、ならびにニオソームやリポソームなどの微粒子系または小胞系が挙げられる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、例えばジェランガムなどのポリマーを、塩化ベンザルコニウムなどの保存剤と共に混ぜてもよい。このような製剤は、イオン導入法によって送達することもできる。
【0102】
鼻腔内投与または吸入による投与では、本発明の活性化合物は、患者によって圧搾もしくはポンプによる汲み出しがなされるポンプスプレー容器から溶液もしくは懸濁液の形で、または加圧容器もしくはネブライザーから適切な噴射剤を使用しながらエアロゾルスプレー体裁として送達することが好都合である。鼻腔内投与に適する製剤は通常、(単独、または例えばラクトースとの乾燥ブレンドにした混合物として、または例えばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合した混合型成分粒子としての)乾燥粉末の形で乾燥粉末吸入器から、または加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、電気水力学を使用して微細な霧を生成するアトマイザー)、もしくはネブライザーから、1,1,1,2−テトラフルオロエタンや1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴射剤を使用しもしくは使用せずにエアロゾルスプレーとして投与する。鼻腔内の使用では、粉末は、生体接着剤、例えば、キトサンまたはシクロデキストリンを含んでよい。
【0103】
別の実施形態では、本発明は、直腸投与形態を含む。そのような直腸投与形態は、例えば、坐剤の形でよい。カカオ脂が伝統的な坐剤基剤であるが、様々な代替品を適宜使用してよい。
【0104】
製薬の分野で知られている他の担体材料および投与方式も使用することができる。本発明の医薬組成物は、有効な製剤手順や投与手順などの、よく知られた薬学の技術のいずれかによって準備することができる。有効な製剤手順および投与手順に関する上記の考慮事項は、当業界でよく知られており、標準の教本に記載されている。薬物の製剤は、例えば、Hoover,John E.、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.、ペンシルヴェニア州イーストン、1975;Libermanら編、「Pharmaceutical Dosage Forms」、Marcel Decker、ニューヨーク州ニューヨーク、1980;およびKibbeら編、「Handbook of Pharmaceutical Excipients」(第3版)、American Pharmaceutical Association、ワシントン、1999で論述されている。
【0105】
本発明の化合物は、様々な状態または疾患状態の治療において、単独で、または他の治療薬と組み合わせて使用することができる。本発明の(1種または複数の)化合物および他の(1種または複数の)治療薬は、(同じ剤形または別々の剤形のいずれかで)同時に、または順次投与することができる。
【0106】
2種以上の化合物は、同時に、並行して、または順次投与することができる。さらに、同時投与は、投与前に化合物を混合して実施することもでき、または同時点であるが、異なる解剖学的部位で、もしくは異なる投与経路を使用して化合物を投与することにより実施することもできる。
【0107】
語句「並行投与」、「共投与」、「同時投与」、および「同時に投与」とは、化合物を組み合わせて投与することを意味する。
【0108】
本発明は、式Iにおいて提供されているようなBACE阻害剤化合物、および1種または複数のさらなる医薬活性剤の組合せの使用を含む。活性剤の組合せが投与される場合、これらは別々の剤形で、または単一の剤形において合わせて、逐次的または同時に投与し得る。したがって、本発明はまた、ある量の(a)式Iの化合物または化合物の薬学的に許容できる塩を含む第1の薬剤;(b)第2の医薬活性剤;および(c)薬学的に許容できる担体、ビヒクルまたは賦形剤を含む医薬組成物を含む。
【0109】
本発明の化合物は、本明細書に記載の疾患、状態、および/または障害を治療するための他の医薬品と併せて使用することもできる。したがって、本発明の化合物を他の医薬品と組み合わせて投与することを含む治療方法も提供する。本発明の化合物と組み合わせて使用し得る適切な医薬品には、これらに限定されないが、下記が含まれる:
(i)抗肥満剤(食欲抑制剤を含む)には、腸選択的MTP阻害剤(例えば、ジルロタピド(dirlotapide)、ミトラタピドおよびインプリタピド、CCKaアゴニスト(例えば、PCT公報WO2005/116034または米国特許出願公開第2005−0267100 A1号に記載のN−ベンジル−2−[4−(1H−インドール−3−イルメチル)−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロ−2,3,6,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−6−イル]−N−イソプロピル−アセトアミド)、5HT2cアゴニスト(例えば、ロルカセリン)、MCR4アゴニスト(例えば、米国特許第6,818,658号に記載の化合物)、リパーゼ阻害剤(例えば、セチリスタット)、PYY3−36(本明細書で使用する場合、「PYY3−36」はペグ化PYY3−36などの類似体、例えば、米国特許出願公開第2006/0178501号に記載のものを含む)、オピオイドアンタゴニスト(例えば、ナルトレキソン)、オレオイル−エストロン(CAS番号180003−17−2)、オビネピチド(obinepitide)(TM30338)、プラムリンチド(Symlin(登録商標))、テソフェンシン(NS2330)、レプチン、ブロモクリプチン、オルリスタット、AOD−9604(CAS番号221231−10−3)、およびシブトラミンが包含される。
(ii)抗糖尿病剤、例えば、WO2009144554、WO2003072197、WO2009144555、およびWO2008065508に記載されているとおりのアセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、WO09016462またはWO2010086820に記載されているものなどのジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ1(DGAT−1)阻害剤、AZD7687またはLCQ908、ジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ2(DGAT−2)阻害剤、モノアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ阻害剤、ホスホジエステラーゼ(PDE)−10阻害剤、AMPK活性化因子、スルホニル尿素(例えば、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、ダイアビネス、グリベンクラミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド、グリペンチド、グリキドン、グリソラミド、トラザミド、およびトルブタミド)、メグリチニド、α−アミラーゼ阻害剤(例えば、テンダミスタット、トレスタチン、およびAL−3688)、α−グルコシドヒドロラーゼ阻害剤(例えば、アカルボース)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アジポシン、カミグリボース、エミグリテート、ミグリトール、ボグリボース、プラディマイシン−Q、およびサルボスタチン)、PPARγアゴニスト(例えば、バラグリタゾン、シグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、イサグリタゾン、ピオグリタゾン、およびロシグリタゾン)、PPARα/γアゴニスト(例えば、CLX−0940、GW−1536、GW−1929、GW−2433、KRP−297、L−796449、LR−90、MK−0767、およびSB−219994)、ビグアニド(例えば、メトホルミン)、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)モジュレーター、例えば、アゴニスト(例えば、エキセンジン−3およびエキセンジン−4)、リラグルチド、アルビグルチド、エクセナチド(Byetta(登録商標))、アルビグルチド、タスポグルチド、リキシセナチド、デュラグルチド、セマグルチド、NN−9924、TTP−054、タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤(例えば、トロズスクエミン、ヒルチオサール抽出物、およびZhang,S.ら、Drug Discovery Today、12(9/10)、373〜381(2007)によって開示された化合物)、SIRT−1阻害剤(例えば、レスベラトロール、GSK2245840、またはGSK184072)、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤(例えば、WO2005116014に記載のもの、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、デュトグリプチン、リナグリプチン、およびサクサグリプチン)、インスリン分泌促進物質、脂肪酸酸化阻害剤、A2アンタゴニスト、c−junアミノ末端キナーゼ(JNK)阻害剤、WO2010103437、WO2010103438、WO2010013161、WO2007122482に記載されているもの、TTP−399、TTP−355、TTP−547、AZD1656、ARRY403、MK−0599、TAK−329、AZD5658、またはGKM−001などのグルコキナーゼ活性化因子(GKa)、インスリン、インスリン模倣物質、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤(例えば、GSK1362885)、VPAC2受容体アゴニスト、ダパグリフロジン、カナグリフロジン、BI−10733、トホグリフロジン(CSG452)、ASP−1941、THR1474、TS−071、ISIS388626、およびLX4211、さらにはWO2010023594に記載されているものを含めたE.C.Chaoら、Nature Reviews Drug Discovery 9、551〜559(2010年7月)に記載されているものなどのSGLT2阻害剤、Demong,D.E.ら、Annual Reports in Medicinal Chemistry 2008、43、119〜137に記載されているものなどのグルカゴン受容体モジュレーター、WO2010140092、WO2010128425、WO2010128414、WO2010106457、Jones,R.M.ら、Medicinal Chemistry 2009、44、149〜170に記載されているものなどのGPR119モジュレーター、特にアゴニスト(例えば、MBX−2982、GSK1292263、APD597、およびPSN821)、Kharitonenkov,A.ら、Current Opinion in Investigational Drugs 2009、10(4)、359〜364に記載されているものなどのFGF21誘導体または類似体、Zhong,M.、Current Topics in Medicinal Chemistry、2010、10(4)、386〜396に記載されているものおよびINT777などのTGR5(GPBAR1とも称される)受容体モジュレーター、特にアゴニスト、これに限定されないが、TAK−875を含めたMedina,J.C.、Annual Reports in Medicinal Chemistry、2008、43、75〜85に記載されているものなどのGPR40アゴニスト、GPR120モジュレーター、特にアゴニスト、高親和性ニコチン酸受容体(HM74A)活性化因子、ならびにGSK1614235などのSGLT1阻害剤が包含される。本発明の化合物と組み合わせることができる抗糖尿病剤のさらに代表的なリストは、例えば、WO2011005611の28頁35行から30頁19行にて見出すことができる。好ましい抗糖尿病剤は、メトホルミンおよびDPP−IV阻害剤(例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、デュトグリプチン、リナグリプチン、およびサクサグリプチン)である。他の抗糖尿病剤には、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ酵素の阻害剤またはモジュレーター、フルクトース1,6−ジホスファターゼの阻害剤、アルドースレダクターゼの阻害剤、ミネラロコルチコイド受容体阻害剤、TORC2の阻害剤、CCR2および/またはCCR5の阻害剤、PKCアイソフォーム(例えば、PKCa、PKCb、PKCg)の阻害剤、脂肪酸シンテターゼの阻害剤、セリンパルミトイルトランスフェラーゼの阻害剤、GPR81、GPR39、GPR43、GPR41、GPR105、Kv1.3、レチノール結合タンパク質4、グルココルチコイド受容体、ソマトスタチン受容体(例えば、SSTR1、SSTR2、SSTR3、およびSSTR5)のモジュレーター、PDHK2またはPDHK4の阻害剤またはモジュレーター、MAP4K4の阻害剤、IL1ベータを含めたIL1ファミリーのモジュレーター、ならびにRXRアルファのモジュレーターが含まれ得るであろう。加えて、適切な抗糖尿病剤は、Carpino,P.A.、Goodwin,B.、Expert Opin.Ther.Pat、2010、20(12)、1627〜51によって列挙された機構を含む;
(iii)抗高血糖剤、例えば、WO2011005611の31頁31行から32頁18行に記載されているもの;
(iv)脂質低下剤(例えば、WO2011005611の30頁20行から31頁30行に記載されているもの)および抗高血圧剤(例えば、WO2011005611の31頁31行から32頁18行に記載されているもの);
(v)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、例えば、ドネペジル塩酸塩(ARICEPT(登録商標)、MEMAC)、サリチル酸フィゾスチグミン(ANTILIRIUM(登録商標))、硫酸フィゾスチグミン(ESERINE)、ガンスチグミン、リバスチグミン(EXELON(登録商標))、ラドスチギル、NP−0361、ガランタミン臭化水素酸塩(RAZADYNE(登録商標)、REMINYL(登録商標)、NIVALIN(登録商標))、タクリン(COGNEX(登録商標))、トルセリン、メモキン、ヒューペルジンA(HUP−A;Neuro−Hitech)、フェンセリン、ビスノルシムセリン(BNCとしてもまた公知である)、およびINM−176;
(vi)アミロイド−β(またはその断片)、例えば、汎HLA DR−結合エピトープにコンジュゲートしているAβ1−15(PADRE(登録商標))、ACC−001(Elan/Wyeth)、およびAffitope;
(vii)アミロイド−βへの抗体(またはその断片)、例えば、ポネズマブ、ソラネズマブ、バピヌズマブ(AAB−001としてもまた公知である)、AAB−002(Wyeth/Elan)、ガンテネルマブ、静脈内Ig(GAMMAGARD(登録商標))、LY2062430(ヒト化m266;Lilly)、ならびに国際公開第WO04/032868号、同第WO05/025616号、同第WO06/036291号、同第WO06/069081号、同第WO06/118959号、米国特許出願公開第US2003/0073655号、同第US2004/0192898号、同第US2005/0048049号、同第US2005/0019328号、欧州特許出願公開第EP0994728号および同第1257584号、および米国特許第5,750,349号に開示されているもの;
(viii)アミロイド低下剤または阻害剤(アミロイドの産生、蓄積および線維化を低減させるものを含めた)、例えば、エプロジセート(KIACTA(登録商標))、セレコキシブ、ロバスタチン、アナプソス、コロストリニン、ピオグリタゾン、クリオキノール(PBT1としてもまた公知である)、PBT2(Prana Biotechnology)、フルルビプロフェン(ANSAID(登録商標)、FROBEN(登録商標))およびそのR−エナンチオマーであるタレンフルルビル(FLURIZAN(登録商標))、ニトロフルルビプロフェン、フェノプロフェン(FENOPRON、NALFON(登録商標))、イブプロフェン(ADVIL(登録商標)、MOTRIN(登録商標)、NUROFEN(登録商標))、イブプロフェンリシネート、メクロフェナム酸、メクロフェナム酸ナトリウム(MECLOMEN(登録商標))、インドメタシン(INDOCIN(登録商標))、ジクロフェナクナトリウム(VOLTAREN(登録商標))、ジクロフェナクカリウム、スリンダク(CLINORIL(登録商標))、スリンダク硫化物、ジフルニサル(DOLOBID(登録商標))、ナプロキセン(NAPROSYN(登録商標))、ナプロキセンナトリウム(ANAPROX(登録商標)、ALEVE(登録商標))、インスリン分解酵素(インスリジンとしてもまた公知である)、イチョウ(gingko biloba)抽出物EGb−761(ROKAN(登録商標)、TEBONIN(登録商標))、トラミプロセート(CEREBRIL(登録商標)、ALZHEMED(登録商標))、ネプリライシン(中性エンドペプチダーゼ(NEP)としてもまた公知である)、シロ−イノシトール(シリトールとしてもまた公知である)、アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))、シンバスタチン(ZOCOR(登録商標))、メシル酸イブタモレン、BACE阻害剤、例えば、LY450139(Lilly)、BMS−782450、およびGSK−188909;γセクレターゼモジュレーターおよび阻害剤、例えば、ELND−007、BMS−708163(Avagacestat)、およびDSP8658(Dainippon);およびRAGE(糖化最終産物についての受容体)阻害剤、例えば、TTP488(Transtech)およびTTP4000(Transtech)、ならびに米国特許第7,285,293号に開示されているもの(PTI−777を含めた);
(ix)α−アドレナリン作動性受容体アゴニスト、およびβ−アドレナリン作動性受容体遮断剤(β遮断薬);抗コリン作用薬;抗痙攣薬;抗精神病剤;カルシウムチャネル遮断薬;カテコールO−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤;中枢神経系刺激物質;コルチコステロイド;ドパミン受容体アゴニストおよびアンタゴニスト;ドパミン再取込み阻害剤;γ−アミノ酪酸(GABA)受容体アゴニスト;免疫抑制剤;インターフェロン;ムスカリン様受容体アゴニスト;神経保護剤;ニコチン受容体アゴニスト;ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)再取込み阻害剤;キノリン;および栄養因子;
(x)ヒスタミン3(H3)アンタゴニスト、例えば、PF−3654746、ならびに米国特許出願公開第US2005−0043354号、同第US2005−0267095号、同第US2005−0256135号、同第US2008−0096955号、同第US2007−1079175号、および同第US2008−0176925号;国際公開第WO2006/136924号、同第WO2007/063385号、同第WO2007/069053号、同第WO2007/088450号、同第WO2007/099423号、同第WO2007/105053号、同第WO2007/138431号、および同第WO2007/088462号;および米国特許第7,115,600号)に開示されているもの;
(xi)N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体アンタゴニスト、例えば、メマンチン(NAMENDA、AXURA、EBIXA)、アマンタジン(SYMMETREL)、アカンプロサート(CAMPRAL)、ベソンプロジル、ケタミン(KETALAR)、デルセミン、デキサナビノール、デキセファロキサン、デキストロメトルファン、デキストロルファン、トラキソプロジル、CP−283097、ヒマンタン、イダンタドール、イペノキサゾン、L−701252(Merck)、ランシセミン、レボルファノール(DROMORAN)、メサドン、(DOLOPHINE)、ネラメキサン、ペルジンホテル、フェンシクリジン、チアネプチン(STABLON)、ジゾシルピン(MK−801としてもまた公知である)、イボガイン、ボアカンギン、チレタミン、リルゾール(RILUTEK)、アプチガネル(CERESTAT)、ガベスチネル、ならびにレマシミド(remacimide);
(xii)モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤、例えば、セレギリン(EMSAM)、セレギリン塩酸塩(l−デプレニル、ELDEPRYL、ZELAPAR)、ジメチルセレギリン、ブロファロミン、フェネルジン(NARDIL)、トラニルシプロミン(PARNATE)、モクロベミド(AURORIX、MANERIX)、ベフロキサトン、サフィナミド、イソカルボキサジド(MARPLAN)、ニアラミド(NIAMID)、ラサギリン(AZILECT)、イプロニアジド(MARSILID、IPROZID、IPRONID)、イプロクロジド、トロキサトン(HUMORYL、PERENUM)、ビフェメラン、デスオキシペガニン、ハルミン(テレパチンまたはバナステリンとしてもまた公知である)、ハルマリン、リネゾリド(ザイボックス、ZYVOXID)、ならびにパルギリン(EUDATIN、SUPIRDYL);
(xiii)下記を含めたホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤。(a)PDE1阻害剤、(b)PDE2阻害剤、(c)PDE3阻害剤、(d)PDE4阻害剤、(e)PDE5阻害剤、(f)PDE9阻害剤(例えば、PF−04447943、BAY73−6691(Bayer AG)、ならびに米国特許出願公開第US2003/0195205号、同第US2004/0220186号、同第US2006/0111372号、同第US2006/0106035号、およびUSSN12/118,062(2008年5月9日に出願)に開示されているもの)、ならびに(g)PDE10阻害剤、例えば、2−({4−[1−メチル−4−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]フェノキシ}メチル)キノリン(PF−2545920);
(xiv)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)1A(5−HT1A)受容体アンタゴニスト、例えば、スピペロン、レボ−ピンドロール、レコゾタン;
(xv)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)2C(5−HT2c)受容体アゴニスト、例えば、バビカセリン、およびジクロナピン;セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)4(5−HT)受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えば、PRX−03140(Epix)およびPF−04995274;
(xvi)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)3C(5−HT3c)受容体アンタゴニスト、例えば、オンダンセトロン(ゾフラン);
(xvii)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)6(5−HT)受容体アンタゴニスト、例えば、ミアンセリン(TOLVON、BOLVIDON、NORVAL)、メチオテピン(メチテピンとしてもまた公知である)、リタンセリン、SB−271046、SB−742457(GlaxoSmithKline)、Lu AE58054(Lundbeck A/S)、SAM−760、ならびにPRX−07034(Epix);
(xviii)セロトニン(5−HT)再取込み阻害剤、例えば、アラプロクラート、シタロプラム(CELEXA、CIPRAMIL)、エスシタロプラム(LEXAPRO、CIPRALEX)、クロミプラミン(ANAFRANIL)、デュロキセチン(CYMBALTA)、フェモキセチン(MALEXIL)、フェンフルラミン(PONDIMIN)、ノルフェンフルラミン、フルオキセチン(PROZAC)、フルボキサミン(LUVOX)、インダルピン、ミルナシプラン(IXEL)、パロキセチン(PAXIL、SEROXAT)、セルトラリン(ZOLOFT、LUSTRAL)、トラゾドン(DESYREL、MOLIPAXIN)、ベンラファクシン(EFFEXOR)、ジメリジン(NORMUD、ZELMID)、ビシファジン、デスベンラファキシン(PRISTIQ)、ブラソフェンシン、ビラゾドン、カリプラジンならびにテソフェンシン;
(xix)グリシントランスポーター−1阻害剤、例えば、パリフルチン(paliflutine)、ORG−25935、およびORG−26041;ならびにAFQ−059およびアマンチジンなどのmGluRモジュレーター;
(xx)AMPA型グルタミン酸受容体モジュレーター、例えば、ペランパネル、ミバンパトル、セルランパネル、GSK−729327、およびN−{(3S,4S)−4−[4−(5−シアノチオフェン−2−イル)フェノキシ]テトラヒドロフラン−3−イル}プロパン−2−スルホンアミド;
(xxi)P450阻害剤、例えば、リトナビル;
(xxii)ダブネチドなどのタウ療法標的;
など。
【0110】
本発明は、上述の治療方法を実施する際に使用するのに適するキットもさらに含む。一実施形態では、キットは、本発明の方法を実施するのに十分な量の、1種または複数の本発明の化合物を含む第一の剤形と、その剤形の容器とを含む。
【0111】
別の実施形態では、本発明のキットは、1種または複数の本発明の化合物を含む。
【0112】
一般合成スキーム
化合物の塩またはNオキシドを含めた本発明の化合物は、知られている有機合成技術を使用して調製することができ、数多くの可能な合成経路のいずれかに従って合成することができる。
【0113】
本発明の化合物を調製するための反応は、有機合成分野の当業者が容易に選択することができる適切な溶媒中で実施することができる。適切な溶媒は、反応が実施される温度、例えば、溶媒の氷結温度から溶媒の沸騰温度におよび得る温度において、出発材料(反応物)、中間体、または生成物と実質的に反応性となりえない。所与の反応は、1種の溶媒、または1種を超える溶媒の混合物中で実施することができる。特定の反応ステップに応じて、特定の反応ステップに適する溶媒を、当業者により選択することができる。
【0114】
本発明の化合物の調製には、種々の化学基の保護および脱保護が伴う場合がある。保護および脱保護の必要、ならびに適切な保護基の選択については、当業者が容易に判断することができる。保護基の化学については、例えば、開示の全体が参照により本明細書に援用される、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley&Sons,Inc.、ニューヨーク(1999)において見ることができる。
【0115】
反応は、当業界で知られている適切ないずれかの方法に従ってモニターすることができる。例えば、生成物の生成は、核磁気共鳴分光法(例えば、Hまたは13C)、赤外分光法、分光側光法(例えば、UV〜可視)、質量分析などの分光手段によって、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)や薄層クロマトグラフィー(TLC)などのクロマトグラフィー法によって、モニターすることができる。
【0116】
式Iの化合物およびその中間体は、次の反応スキームおよび付属する考察に従って調製することができる。別段指摘しない限り、反応スキームおよび後続の考察におけるR、R、R、R、X、および構造式Iは、上で規定したとおりである。一般に、本発明の化合物は、化学分野で知られている方法と類似した方法を含む方法によって、特に、本明細書に収載されている記述に照らして、作製することができる。本発明の化合物およびその中間体を製造するためのある特定の方法は、本発明のさらなる特色として提供し、次の反応スキームによって説明する。他の方法は、実験の部において記載する。本明細書で提供するスキームおよび実施例(対応する記述を含める)は、例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものでない。
【0117】
以下の一般反応スキームの記述、およびそれに従う実験手順では、次の略語を使用している場合がある。
【0118】
略語
DMB=ジメトキシベンジルアミン、Bz=ベンゾイル、Boc=t−ブトキシカルボニル、9−BBN=9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン、BFOEt=三フッ化ホウ素エーテラート、CDCl=ジュウテロクロロホルム、CDOD=ジュウテロメタノール、DBU=1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、DCM=ジクロロメタン、EDCまたはEDCI=1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、EtOAc=酢酸エチル、EtOH=エタノール、g=グラム、h=時間、HATU=2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、HO=水、HPLC=高速液体クロマトグラフィー、KCO=炭酸カリウム、KF=フッ化カリウム、L=リットル、LCMS=液体クロマトグラフィー質量分析、M=モル濃度、MeOH=メタノール、mg=ミリグラム、MHz=メガヘルツ、min=分、μL=マイクロリットル、mL=ミリリットル、mmol=ミリモル、Mo(CO)=モリブデンヘキサカルボニル、mol=モル、N=規定、N=窒素、NaH=水素化ナトリウム、n−BuLi=n−ブチルリチウム、NHCl=塩化アンモニウム、NaHCO=炭酸水素ナトリウム、NaOCl=次亜塩素酸ナトリウム、NaOH=水酸化ナトリウム、NaOtBu=ナトリウムtert−ブトキシド、NaSO=硫酸ナトリウム、NMR=核磁気共鳴、Pd(dba)=トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、PSI=重量ポンド毎平方インチ、rt=室温、TBAF=フッ化テトラブチルアンモニウム、t−ButylXPhos=2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、TEA=トリエチルアミン、TEA 3HF=トリエチルアミン三フッ化水素酸塩、TFA=トリフルオロ酢酸、THF=テトラヒドロフラン、TLC=薄層クロマトグラフィー、T3P=プロパンホスホン酸無水物。本明細書で使用する用語Celiteとは、濾過に使用することができる珪藻土のブランドを指す。Celites(登録商標)は、米国カリフォルニア州サンホゼのImerys Filtration Minerals Inc.から入手可能である。
【0119】
スキーム1〜5では、中間体および化合物のいくつかは、立体化学を明記して示される。スキームに示す反応が、対応するラセミ材料、または立体化学が以下に示すものと反対である、対応するキラル材料を用いても実施できることは理解される。
【0120】
【化8】
【0121】
スキーム1は、式1〜8の中間体の調製を指す。スキーム1に関して、R、R、およびRについては上述されている式1−1のアルコールは、市販品として入手可能であり、または当業界でよく知られている方法によって取得することができる。式1−2の化合物は、水素化ナトリウムなどの適切な塩基の存在下で、テトラヒドロフラン(THF)などの適切な溶媒中にて、式1−1のアルコールを2−ブロモ−1,1−ジエトキシエタンでアルキル化して調製することができる。式1−3の化合物は、式1−2の化合物を、塩酸水溶液などの適切な酸で処理して、その場でアルデヒドを生成した後、酢酸ナトリウムなどの適切な塩基の存在下でヒドロキシルアミン塩酸塩と縮合させることにより調製できる。次いで、式1−3の化合物は、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中にて、次亜塩素酸ナトリウムなどの適切な酸化体、およびトリエチルアミンなどの適切な塩基の存在下で[3+2]付加環化を経て、式1−4のイソオキサゾリンに変換することができる。式1−5の化合物は、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートなどの適切なルイス酸の存在下、およびトルエン/テトラヒドロフラン(10/1)の混合溶媒などの適切な溶媒中にて、低温で、2,4−ジブロモ−1,3−チアゾールをn−ブチルリチウムなどの適切なアルキルリチウム試薬で処理することによりその場で生成することができるチアゾールリチウム種を求核付加させることにより取得できる。次いで、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)などの適切な還元剤の存在下でモリブデンヘキサカルボニル[Mo(CO)]によって促進されるN−O結合の還元的な切断によって、式1−6の化合物を得ることができる。式1−6の化合物は、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中にてイソチオシアン酸ベンゾイルで処理して、式1−7の中間体とすることができ、この中間体は、炭酸カリウム(KCO)などの適切な塩基の存在下で、ヨウ化メチル(MeI)などの適切な試薬でアルキル化することにより活性化すると、環化させて式1−8の所望の中間体を得ることができる。別法として、式1−7の化合物は、ジクロロメタンなどの適切な溶媒の存在下で、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI)によって、式1−8の化合物に変換することもできる。
【0122】
【化9】
【0123】
スキーム2は、式1−6の中間体の別の調製を指す。スキーム2に関して、式2−1の化合物は、RがHである中間体1−6の、スキーム1で記載した調製手順によって、調製することができる。式2−1の化合物のアミノ基を、カルボキシベンジル(CBZ)などの適切な保護基(Pg)によって保護すると、式2−2の化合物を得ることができる。次いで、Dess−Martin酸化などの当業界でよく知られている方法を使用して、式2−2の化合物のアルコール部分をアルデヒドに酸化すると、式2−3の化合物を得ることができる。次いで、式2−3のアルデヒドにRカルボアニオンを求核付加させることにより、式2−4の化合物を生成することができる。Rカルボアニオンを生成する代表的な手順は、Rトリメチルシリル試薬を、テトラヒドロフランなどの適切な溶媒中にてフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)で処理することである。次いで、当業界でよく知られている方法を使用して、式2−4の化合物の保護基Pgを除去すると、式1−6の所望の中間体を得ることができる。Pgは、例えば、CBZであるとき、トリフル酸などの適切な酸での処理によって除去することができる。
【0124】
【化10】
【0125】
スキーム3は、式3−5の中間体の調製を指す。スキーム3に関して、式2−3の化合物を、ウィッティヒオレフィン化によって、式3−1の化合物に変換することができる。典型的な手順は、テトラヒドロフランなどの適切な溶媒中にて、カリウムtert−ブトキシド(KOtBu)などの適切な塩基の存在下で、アルデヒドをメチルトリフェニルホスホニウムヨージドで処理することを含む。式3−1の化合物は、当業界で十分に確立されているヒドロホウ素化法を使用して、式3−2のアルコールに変換することができる。代表的な手順は、テトラヒドロフランなどの適切な溶媒中にてオレフィンを9−BBNなどの適切なボラン試薬で処理した後、過酸化水素で酸化させることである。次いで、式3−2の化合物を脱保護すると、式3−3のアミノアルコールを得ることができる。次いで、スキーム1(1−6→1−8)に記載の手順と同様の手順に従い、式3−4の中間体を経て、所望の中間体3−5を得ることができる。
【0126】
【化11】
【0127】
スキーム4は、示したとおりの立体化学を有する式Iの範囲内の化合物の調製を指す。スキーム4に関して、R、R、R、およびXについては上述している式4−1の化合物は、スキーム1〜3に記載の方法によって取得することができる。式4−1の化合物は、1,4−ジオキサンなどの適切な溶媒中にて、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pddba)などの適切な金属触媒、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(tBuXphos)などの適切な配位子、およびナトリウムtert−ブトキシドなどの適切な塩基の存在下で、2,4−ジメトキシベンジルアミンでアミド化することで、式4−2の化合物に変換することができる。次いで、プロピルホスホン酸無水物(TP(登録商標))などの適切なカップリング試薬、およびトリエチルアミンなどの適切な塩基を使用する、RCOHとのアミド形成によって、式4−3の化合物を取得することができる。次いで、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中にて、トリフルオロ酢酸などの適切な酸で処理して2,4−ジメトキシベンジル基(DMB)を除去し、その後、メタノールやエタノールなどの適切な溶媒中にて、DBUやメトキシルアミン塩酸塩/ピリジンなどの適切な試薬によってベンゾイル保護基(Bz)を除去することにより、式Iの化合物を取得することができる。別法として、式4−1の化合物は、トルエンなどの適切な溶媒中にて、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pddba)などの適切な金属触媒、ジ−tert−ブチル[2’,4’,6’−トリ(プロパン−2−イル)ビフェニル−2−イル]ホスファンなどの適切な配位子、およびリン酸カリウムなどの適切な塩基の存在下で、tert−ブチルカルバメートとのアミド化を経て、式4−4の化合物に変換することもできる。トリフルオロ酢酸などの適切な酸によってBoc保護基を除去して、式4−5の化合物を得ることができる。次いで、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中にて、N−[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ−[4,5−b]ピリジン−1−イルメチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェートN−オキシド(HATU(登録商標))などの適切なカップリング試薬、およびトリエチルアミンなどの適切な塩基を使用してRCOHとアミド形成し、続いて、メタノールやエタノールなどの適切な溶媒中にて、DBUやメトキシルアミン塩酸塩/ピリジンなどの適切な試薬を使用してベンゾイル保護基を除去することで、(示したとおりの立体化学を有する)式Iの範囲内の化合物を取得することができる。
【0128】
【化12】
【0129】
スキーム5は、式4−4の中間体の別の調製を指す。スキーム5に関して、式1−5の化合物は、トルエンなどの適切な溶媒中にて、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pddba)などの適切な金属触媒、ジ−tert−ブチル[2’,4’,6’−トリ(プロパン−2−イル)ビフェニル−2−イル]ホスファンなどの適切な配位子、およびリン酸カリウムなどの適切な塩基の存在下で、tert−ブチルカルバメートとのアミド化を経て、式5−1の化合物に変換することができる。次いで、イソプロパノールおよびテトラヒドロフランなどの適切な溶媒中にて、ラネーニッケルなどの適切な触媒の存在下で水素化することにより、式5−1の化合物のN−O結合を切断すると、式5−2の化合物を得ることができ、次いで、スキーム1(1−6→1−8)に記載の方法を使用して、この化合物を中間体4−4に変換することができる。
【0130】
本発明の化合物の作製に有用な追加の出発材料および中間体は、Sigma−Aldrichなどの化学薬品供給業者から調達することができ、または化学分野で記載されている方法に従って作製することもできる。
【0131】
本明細書に記載のスキームの全てにおいて、置換基、例えば、R、R、R、R、Xなどの、化合物構造の一部分に官能(反応性)基が存在する場合、適切かつ/または所望であれば、当業者によく知られている方法を使用して、さらなる修飾がなされ得ることは、当業者なら認識し得る。例えば、−CN基を加水分解してアミド基とすることができ、カルボン酸をアミドに変換することができ、カルボン酸をエステルに還元することができ、それを今度はアルコールに還元することができ、それをまたさらに修飾することができる。別の例では、OH基を、メタンスルホネートなどのより好適な脱離基に変換することができ、結果として、その基は、シアン化物イオン(CN)などによる求核置換に適するものとなる。別の例では、−S−を、−S(=O)−および/または−S(=O)−に酸化させることができる。さらに別の例では、C=CやC≡Cなどの不飽和結合を、水素化によって、飽和結合に還元することができる。一部の実施形態では、(Rなどの置換基上に存在する)第一級アミンまたは第二級アミン部分を、酸塩化物、塩化スルホニル、イソシアネート、またはチオイソシアネート化合物などの適切な試薬と反応させることにより、アミド、スルホンアミド、尿素、またはチオ尿素部分に変換することができる。当業者なら、さらなるこのような修飾を認めるところとなる。したがって、官能基を含んでいる置換基を有する式Iの化合物は、異なる置換基を有する別の式Iの化合物に変換することができる。
【0132】
同様に、本明細書に記載のスキームの全てにおいて、例えばR、R、R、Rなどの置換基に官能(反応性)基が存在する場合、適切かつ/または所望であれば、そうした官能基を、ここに記載する合成スキームの過程において保護/脱保護する場合があることも、当業者なら認識し得る。例えば、OH基を、ベンジル、メチル、またはアセチル基によって保護する場合があり、こうした基は、合成プロセスの後の段階において脱保護し、再びOH基に変換することができる。別の例では、NH基を、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)またはBoc基によって保護する場合があり、合成プロセスの後の段階で、脱保護を経て、NH基へと戻す変換を実施することができる。
【0133】
本明細書で使用するとき、用語「反応する」(または「反応」または「反応した」)とは、示された化学反応物を一緒にする結果、化学的変換が起こって、系に当初導入されたいずれとも異なる化合物が生じることを指す。反応は、溶媒の存在下または非存在下で行われる場合がある。
【0134】
式Iの化合物は、アトロプ異性体、ラセミ体、エナンチオマー、またはジアステレオマーなどの立体異性体として存在する場合もある。個々のエナンチオマーを調製/単離する従来技術には、光学的に純粋な適切な前駆体からのキラル合成、または、例えばキラルな高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用する、ラセミ体の分割が含まれる。別法として、ラセミ体(またはラセミ前駆体)を、光学活性のある適切な化合物、例えばアルコールと、または、化合物が酸性もしくは塩基性部分を含んでいる場合では、酒石酸もしくは1−フェニルエチルアミンなどの酸もしくは塩基と反応させることができる。得られたジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶によって分離し、ジアステレオ異性体の一方または両方を、当業者によく知られている方法によって、対応する純粋なエナンチオマーに変換することができる。式Iのキラルな化合物(およびそのキラルな前駆体)は、0%〜50%、通常は2%〜20%の2−プロパノール、および0%〜5%のアルキルアミン、通常は0.1%のジエチルアミンを含有する炭化水素、通常はヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を用いる、不斉樹脂でのクロマトグラフィー、通常はHPLCを使用して、エナンチオマー富化された形で得ることができる。溶離液を濃縮すると、富化された混合物が得られる。立体異性体の集成物は、当業者によく知られている従来の技術によって分離することができる。例えば、開示の全体が参照により本明細書に援用される、E.L.ElielおよびS.H.WilenによるStereochemistry of Organic Compounds(Wiley、ニューヨーク、1994)を参照されたい。適切な立体選択の技術は、当業者によく知られている。
【実施例】
【0135】
実験手順
下記は、様々な本発明の化合物の合成を例示する。本発明の範囲内のさらなる化合物は、単独で、または、当技術分野で一般に知られている技術と組み合わせて、これらの実施例において例示した方法を使用して、調製し得る。
【0136】
特に、酸素または湿気に感受性の試薬または中間体が用いられた場合、実験は一般に不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)下で行った。市販の溶媒および試薬を一般にそれ以上精製することなく使用した。適切な場合には、無水溶媒、一般に、Acros Organicsの製品であるAcroSeal(登録商標)またはEMD Chamicalsの製品であるDriSolv(登録商標)を使用した。他の場合では、水に関する次のQC基準:a)ジクロロメタン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、およびテトラヒドロフランについては100ppm未満、b)メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、およびジイソプロピルアミンについては180ppm未満に達するまで、市販の溶媒を、4Å分子ふるいを充填したカラムに通した。非常に扱いにくい反応については、溶媒を金属ナトリウム、水素化カルシウム、または分子ふるいでさらに処理し、使用直前に蒸留した。さらなる反応に進めるか、または動物実験に供する前に、生成物を一般に真空下で乾燥した。質量分析法データは、液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)、大気圧化学イオン化(APCI)、またはガスクロマトグラフィー質量分析(GCMS)計器類から報告する。核磁気共鳴(NMR)データについての化学シフトは、用いた重水素化溶媒からの残留ピークを参照して百万分率(ppm、δ)で表す。いくつかの実施例において、キラル分離を実施して、本発明のある特定の化合物のエナンチオマーを分離することができた(いくつかの実施例において、分離されたエナンチオマーを、その溶離の順序に応じてENT−1およびENT−2と称する)。一部の例では、旋光計を使用してエナンチオマーの旋光度が測定された。その観測された旋光度データ(またはその比旋光度データ)に従って、時計回りの回転を有するエナンチオマーを(+)−エナンチオマーと称し、反時計回りの回転を有するエナンチオマーを(−)−エナンチオマーと称した。ラセミ化合物は、構造に隣接した(+/−)の存在によって示され、こうした場合、表示された立体化学は、化合物の置換基の(絶対というより)相対立体配置を表す。
【0137】
検出可能な中間体を介して進行する反応を一般に、LCMSによって追跡し、次の試薬を添加する前に、完全な変換まで進行させた。他の実施例または方法における手順を参照した合成について、反応条件(反応時間および温度)は変化し得る。一般に、反応に続いて、薄層クロマトグラフィーまたは質量分析を行い、適切な場合後処理に供した。精製は、実験の間で変化し得る。一般に、溶離液/勾配のために使用される溶媒および溶媒比は、適当なRfまたは保持時間を実現するために選択した。こうした調製例および実施例における全ての出発材料は、市販品として入手可能であるか、または当業界で知られているもしくは本明細書に記載のとおりの方法によって調製することができる。
【0138】
調製例P1:(3aR,5S)−5−メチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(P1)
【0139】
【化13】
ステップ1:(4S)−4−(2,2−ジエトキシエトキシ)ペンタ−1−エン(C1)の合成
水素化ナトリウム(鉱油中60%、13.9g、0.348mol)のテトラヒドロフラン(350mL)懸濁液に、0℃で、(S)−ペンタ−4−エン−2−オール(10.0g、0.116mol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液を加えた。反応液を室温に加温し、30分間撹拌し、その後、2−ブロモ−1,1−ジエトキシエタン(68.6g、0.348mol)を加え、反応混合物を18時間加熱還流した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、水(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(300mL)と水(200mL)とに分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×100mL)で洗浄し、乾燥させ、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:30:1の石油エーテル/酢酸エチル)によって、生成物を黄色のオイルとして得た。収量:17.4g、86.0mmol、74%。1H NMR (400 MHz, CDCl3), δ 5.76-5.85 (m, 1H), 5.02-5.09 (m, 2H), 4.58-4.60 (m, 1H), 3.66-3.74
(m, 2H), 3.43-3.61 (m, 5H), 2.29-2.36 (m, 1H), 2.13-2.20 (m, 1H), 1.21 (t,
J=7.2 Hz, 6H), 1.14 (d, J=6.4 Hz, 3H).
【0140】
ステップ2:N−ヒドロキシ−2−[(2S)−ペンタ−4−エン−2−イルオキシ]エタンイミン(C2)の合成
C1(17.4g、86.0mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に、塩酸水溶液(2M、51.0mL、0.102mol)を加え、反応混合物を1時間75℃に加熱した。真空中で溶媒を除去した後、エタノール(100mL)および水(20mL)に続いて、酢酸ナトリウム(35.17g、0.429mol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(17.9g、0.257mol)を加えた。反応混合物を60℃で18時間撹拌し、その後、これを真空中で濃縮し、次いで、残渣を水とジクロロメタンとに分配した。水層をジクロロメタン(3×200mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:10:1の石油エーテル/酢酸エチル)によって、生成物を黄色のオイルとして得、これをそれ以上精製せずに次のステップで使用した。収量:8.6g、60mmol、70%。
【0141】
ステップ3:(3aR,5S)−5−メチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(P1)の合成
C2(8.6g、60mmol)およびトリエチルアミン(0.455g、4.50mmol)の室温のジクロロメタン(150mL)溶液に、次亜塩素酸ナトリウムの水溶液(6%、90mL)を、内部反応温度が20℃〜25℃の間に保たれる速度でゆっくりと加えた。添加が完了した後、有機層を乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:10:1の石油エーテル/酢酸エチル)によって、生成物を黄色のオイルとして得た。収量:5.70g、40.4mmol、67%。LCMS m/z 142.1 [M+H]+, 1H NMR (400 MHz, CDCl3),
δ 4.68 (d, J=13.2 Hz, 1H), 4.59 (dd, J=10, 8 Hz, 1H),
4.18 (d, J=13.2 Hz, 1H), 3.76 (dd, J=12, 8 Hz, 1H), 3.59-3.66 (m, 1H),
3.39-3.50 (m, 1H), 2.14-2.19 (m, 1H), 1.42-1.51 (m, 1H), 1.25 (d, J=6 Hz, 3H).
【0142】
調製例P2:N−{[(3R,4R,6S)−3−(4−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバモチオイル}ベンズアミド(C6)
【0143】
【化14】
ステップ1:(3aR,5S,7aR)−7a−(4−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)−5−メチルヘキサヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C4)の合成
2,4−ジブロモ−1,3−チアゾール(44.7g、184mmol)を、トルエンとテトラヒドロフランの混合物(10:1、900mL)に溶解し、−78℃に冷却した。この溶液に、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(21.9mL、177mmol)を加えた後、n−ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液、68.0mL、170mmol)を滴下で添加し、反応混合物を30分間撹拌した。次いで、C3(20g、140mmol)のトルエンとテトラヒドロフランの混合物(10:1、22mL)中の溶液を滴下で添加し、両方を添加する過程において、反応温度は、−72℃未満に保った。撹拌を−78℃で1時間継続し、その後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応物をクエンチした。水層を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜100%のヘプタン中酢酸エチル)によって、生成物を粘着性の琥珀色のオイルとして得た。収量:36.34g、119.1mmol、85%。LCMS m/z 305.0, 307.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 7.22 (s, 1H), 3.97 (AB四重線, 高磁場二重線が広がっている, JAB=12.6 Hz, ΔνAB=13.4 Hz, 2H), 3.67-3.76 (m, 3H),
3.38 (br ddd, J=11.8, 6.9, 4.6 Hz, 1H), 1.90 (ddd, J=14.1, 6.9, 2.1 Hz, 1H),
1.42 (ddd, J=14.1, 11.7, 11.7 Hz, 1H), 1.27 (d, J=6.2 Hz, 3H).
【0144】
ステップ2:[(2S,4R,5R)−5−アミノ−5−(4−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]メタノール(C5)の合成
C4(15.12g、49.54mmol)のアセトニトリル(390mL)と水(20mL)の混合物溶液に、モリブデンヘキサカルボニル(98%、6.67g、24.8mmol)を加え、反応混合物を還流下で1時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を氷浴で冷やし、水素化ホウ素ナトリウム(7.50g、198mmol)で少しずつ処理し、0℃で1時間撹拌した。次いで、混合物を珪藻土パッドで濾過し、パッドをジクロロメタンで3回洗浄し、合わせた濾液と洗液の有機部分を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。メタノールを残渣に加え、次いで、減圧下で濃縮して除去した。このメタノール処理を繰り返し、得られた残渣をジクロロメタンに溶解し、1M水酸化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、真空中で濃縮して、生成物を褐色の固体として得た。収量:14.48g、47.13mmol、95%。LCMS m/z 307.0, 309.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 7.22 (s, 1H), 3.79 (d, AB四重線の半分, J=11.5 Hz, 1H), 3.64-3.75 (m, 3H), 3.54 (dd, ABXパターンの半分, J=11.5, 4.1 Hz, 1H), 2.46-2.54 (m, 1H), 1.82-1.94 (m, 1H),
1.67-1.74 (m,1H), 1.32 (d, J=6.2 Hz, 3H).
【0145】
ステップ3:N−{[(3R,4R,6S)−3−(4−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバモチオイル}ベンズアミド(C6)の合成
C5(14.48g、47.13mmol)のジクロロメタン(420mL)溶液に、イソチオシアン酸ベンゾイル(6.92g、42.4mmol)を滴下で添加し、反応混合物を室温で24時間撹拌した。真空中で揮発性物質を除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜50%のヘプタン中酢酸エチル)によって精製して、生成物を黄色の固体として得た。収量:14.7g、31.2mmol、66%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.70 (br s, 1H), 8.93 (br s, 1H), 7.86-7.90 (m, 2H), 7.62-7.67 (m,
1H), 7.51-7.56 (m, 2H), 7.25 (s, 1H), 5.47 (d, J=11.9 Hz, 1H), 3.91 (d, J=12.0
Hz, 1H), 3.83 (d, J=4.4 Hz, 2H), 3.74-3.81 (m, 1H), 2.44-2.52 (m, 1H),
1.80-1.87 (m, 2H), 1.33 (d, J=6.2 Hz, 3H).
【0146】
(実施例1)
N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(1)
【0147】
【化15】
ステップ1:N−((6S,8aR)−8a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C7)の合成
N−(((3R,4R,6S)−3−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバモチオイル)ベンズアミド(C6)(1.0g、2.1mmol)、炭酸カリウム(734mg、5.31mmol)、およびヨウ化メチル(754mg、5.31mmol、0.331mL)のアセトニトリル(28mL)溶液を、室温で16時間撹拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3回)。合わせた酢酸エチル抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0〜80%のヘプタン中酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:533mg、1.22mmol、57%。LCMS m/z 438.3 [M+H]+、Br同位体パターンが認められた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.25 (d, J=7.4 Hz, 2H), 7.49 - 7.55 (m, 1H), 7.40 - 7.47 (m,
2H), 7.28 (s, 1H), 4.13 - 4.27 (m, 2H), 3.95 - 4.06 (m, 2H), 3.75 (m, J=11.3,
6.1, 2.3 Hz, 1H), 2.94 - 3.01 (m, 1H), 1.75 - 1.81 (m, 1H), 1.59 - 1.70 (m,
1H), 1.28 (d, J=6.3 Hz, 3H).
【0148】
ステップ2 N−((4aR,6S,8aR)−8a−(4−((2,4−ジメトキシベンジル)アミノ)チアゾール−2−イル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C8)の合成
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(58.3mg、61.1μmol)、tert−ブチルxphos(77.8mg、0.183mmol)、およびナトリウムtert−ブトキシド(293mg、3.05mmol)を含有するジオキサン(3.55mL)を装入したフラスコを、各パージ後に引き続き真空排気しながら、3回窒素でパージした。得られた溶液を5分間85℃〜90℃(内部反応温度)に加熱した。N−((6S,8aR)−8a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C7)(533.0mg、1.22mmol)および2,4−ジメトキシベンジルアミン(347mg、2.08mmol、0.312mL)のジオキサン(2mL)溶液を加え、得られた溶液を90℃(内部反応温度)で10分間加熱した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンとに分配し、分離した。水層をジクロロメタンで逆抽出した(2回)。合わせたジクロロメタン抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(定組成溶離液:50%のヘプタン中酢酸エチル)によって、生成物を琥珀色の固体として得た。収量:544mg、1.04mmol、85%。LCMS m/z 523.5 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ ppm 8.22 - 8.32 (m, 2H), 7.49 -
7.56 (m, 1H), 7.40 - 7.49 (m, 2H), 7.18 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.41 - 6.48 (m, 2H),
5.76 (s, 1H), 4.35 - 4.43 (m, 1H), 4.20 (s, 2H), 4.00 (s, 2H), 3.84 (s, 3H),
3.80 (s, 3H), 3.67 - 3.76 (m, 1H), 2.86 (br. s., 1H), 1.76 (m, J=13.8, 2.8 Hz,
1H), 1.58 - 1.66 (m, 1H), 1.26 - 1.29 (m, 3H).
【0149】
ステップ3:N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−ベンズアミド−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C10)の合成
C9(86.8mg、0.459mmol)およびトリエチルアミン(0.116g、1.15mmol、160μL)の酢酸エチル(1.4mL)中の混合物に、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスホリナン−2,4,6−トリオキシド(50重量%の酢酸エチル溶液、0.731g、1.15mmol、683μL)を加え、反応混合物を65℃で20分間加熱した。N−((4aR,6S,8aR)−8a−(4−((2,4−ジメトキシベンジル)アミノ)チアゾール−2−イル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミドC8(150.0mg、0.287mmol)を導入し、65℃で1時間撹拌し続けた。次いで、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、得られた溶液を、水(2回)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。得られた固体をジクロロメタン(15mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1640mg、14.4mmol、1.11mL)で処理し、反応混合物を室温で6時間撹拌し、その後、これを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合物でpH8に塩基性化し、分離した。水層をジクロロメタンで逆抽出し(2回)、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0〜100%のヘプタン中酢酸エチル)によって精製して、固体を得た。収量:92mg、0.169mmol、59%。LCMS m/z 544.4 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ ppm 12.02 (br. s, 1H), 10.43 (s, 1H), 8.48 (d, J=2.5
Hz, 1H), 8.29 (m, J=17.5, 7.9 Hz, 3H), 7.81 (s, 1H), 7.68 (dd, J=8.5, 2.2 Hz,
1H), 7.48 - 7.54 (m, 1H), 7.41 - 7.47 (m, 2H), 6.46 - 6.84 (m, 1H), 4.31 (d,
J=9.8 Hz, 1H), 4.17 (d, J=11.5 Hz, 1H), 4.03 (s, 2H), 3.75 (m, J=11.1, 6.1, 2.2
Hz, 1H), 2.89 (m, J=8.0 Hz, 1H), 1.76 - 1.83 (m, 1H), 1.63 - 1.74 (m, 1H), 1.30
(d, J=6.1 Hz, 3H).
【0150】
ステップ4:N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(1)の合成
ジクロロメタン(1.7mL)中のN−(2−((4aR,6S,8aR)−2−ベンズアミド−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C10)(92.1mg、0.169mmol)に、ヒドラジン一水和物(92.8mg、1.19mmol、89.9μL)を加え、反応液を室温で16時間撹拌した。反応混合物を1N塩酸とジクロロメタンとに分配し、分離した。水層をジクロロメタンで逆抽出した(2回)。合わせたジクロロメタン抽出物を、1N水酸化ナトリウム、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0〜10%のジクロロメタン中メタノール)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:31mg、72μmol、42%。LCMS m/z 440.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)
δ ppm 8.55 (d, J=2.7 Hz, 1H), 8.26 (d, J=8.6 Hz, 1H),
7.79 - 7.83 (m, 1H), 7.71 (s, 1H), 6.89 - 7.27 (m, 1H), 3.87 - 4.00 (m, 3H),
3.76 - 3.80 (m, 1H), 3.66 - 3.74 (m, 1H), 2.67 - 2.73 (m, 1H), 1.69 - 1.75 (m,
1H), 1.43 - 1.54 (m, 1H), 1.24 (d, J=6.3 Hz, 3H).
【0151】
(実施例2)
N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(2)
【0152】
【化16】
ステップ1:N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−ベンズアミド−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C12)の合成
3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸C11(101.1mg、0.452mmol)およびトリエチルアミン(0.114g、1.13mmol、157μL)の酢酸エチル(1.4mL)中の混合物に、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスホリナン−2,4,6−トリオキシド(50重量%の酢酸エチル溶液(0.719g、1.13mmol、672μL)を加え、反応混合物を65℃で20分間加熱した。N−((4aR,6S,8aR)−8a−(4−((2,4−ジメトキシベンジル)アミノ)チアゾール−2−イル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミドC8(150mg、0.287mmol)を導入し、65℃で1時間撹拌し続けた。次いで、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、得られた溶液を、水(2回)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。得られた固体をジクロロメタン(15mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.61g、14.1mmol、1.09mL)で処理し、反応混合物を室温で16時間撹拌し、その後、これを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合物でpH8に塩基性化し、分離した。水層をジクロロメタンで逆抽出し(2回)、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0〜100%のヘプタン中酢酸エチル)によって精製して、固体を得た。収量:69mg、0.119mmol、41%。LCMS m/z 478.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ ppm 10.40 (s, 1H), 8.42 (d, J=2.4
Hz, 1H), 8.26 (m, J=7.0 Hz, 2H), 7.84 (s, 1H), 7.70 (d, J=2.4 Hz, 1H), 7.50 (m,
J=7.2 Hz, 1H), 7.41 - 7.46 (m, 2H), 6.48 - 6.85 (m, 1H), 4.28 - 4.34 (m, 1H),
4.13 - 4.19 (m, 1H), 4.02 (s, 2H), 3.69 - 3.78 (m, 1H), 2.83 - 2.89 (m, 1H),
1.77 (m, J=2.3 Hz, 1H), 1.63 - 1.74 (m, 1H), 1.29 (d, J=6.1 Hz, 3H).
【0153】
ステップ2:N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(2)の合成
N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−ベンズアミド−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C12)(68.7mg、0.119mmol)、メトキシルアミン塩酸塩(101mg、1.19mmol)、およびピリジン(0.95g、11.8mmol、0.98mL)のエタノール(2mL)溶液を、3時間50℃に加熱した。溶液を真空中で体積の半分に濃縮し、次いで、ジクロロメタンと1N水酸化ナトリウムとに分配し、層を分離した。水層をジクロロメタンで逆抽出した(2回)。合わせたジクロロメタン抽出物を、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0〜10%のジクロロメタン中メタノール)に掛けると、固体が得られた。収量:29mg、0.06mmol、51%。LCMS m/z 474.4 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)
δ ppm 8.48 - 8.49 (m, 1H), 7.88 - 7.89 (m, 1H), 7.70
(s, 1H), 6.92 - 7.29 (m, 1H), 3.86 - 4.01 (m, 3H), 3.76 - 3.80 (m, 1H), 3.63 -
3.72 (m, 1H), 2.66 - 2.72 (m, 1H), 1.68 - 1.74 (m, 1H), 1.42 - 1.52 (m, 1H),
1.23 (d, J=6.3 Hz, 3H).
【0154】
(実施例3)
N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(3)
【0155】
【化17】
ステップ1:N−((6S,8aR)−8a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C7)の合成
N−(((3R,4R,6S)−3−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバモチオイル)ベンズアミドC6(36.62g、77.85mmol)のアセトニトリル(311mL)溶液に、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(18.1g、94.2mmol)を加え、反応混合物を25℃で16時間撹拌した。真空中で溶媒の半分を除去した後、これを、10.0g、21.3mmolスケールで行った先行反応と合わせた。合わせた混合物を酢酸エチルで希釈し、水(2回)、0.1N塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。酢酸エチルおよびヘプタン中で摩砕して、生成物を白色の固体として得た。収量:34.99g、80.2mmol、81%。LCMS m/z 438.3 [M+H]+、Br同位体パターンが認められた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 12.04 (br. s, 1H), 8.24 (d, J=7.2 Hz, 2H), 7.48 - 7.54 (m, 1H),
7.40 - 7.46 (m, 2H), 7.27 (s, 1H), 4.11 - 4.26 (m, 2H), 3.93 - 4.07 (m, 2H),
3.75 (m, J=11.2, 6.1, 2.4 Hz, 1H), 2.92 - 3.01 (m, 1H), 1.78 (m, J=13.9, 5.2,
2.3 Hz, 1H), 1.65 (m, J=13.3, 13.3, 11.3 Hz, 1H), 1.28 (d, J=6.1 Hz, 3H).
【0156】
ステップ2:N−((4aR,6S,8aR)−8a−(4−((2,4−ジメトキシベンジル)アミノ)チアゾール−2−イル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C8)の合成
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.09g、1.15mmol)、tert−ブチルxphos(1.46g、3.44mmol)、およびナトリウムtert−ブトキシド(5.51g、57.3mmol)を含有するジオキサン(54mL)を装入したフラスコを、各パージ後に引き続き真空排気しながら、3回窒素でパージした。得られた溶液を5分間85℃〜90℃(内部反応温度)に加熱した。N−((6S,8aR)−8a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミドC7(10.0g、22.9mmol)および2,4−ジメトキシベンジルアミン(6.51g、39.0mmol、5.85mL)のジオキサン(50mL)溶液を加え、得られた溶液を90℃(内部反応温度)で10分間加熱した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンとに分配し、分離した。水層をジクロロメタンで逆抽出した(2回)。合わせたジクロロメタン抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(定組成溶離液:50%のヘプタン中酢酸エチル)によって、生成物を琥珀色の固体として得た。収量:10.0g、19.2mmol、84%。LCMS m/z 523.5 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ ppm 8.24 - 8.29 (m, 2H), 7.50 (d,
J=7.2 Hz, 1H), 7.40 - 7.47 (m, 2H), 7.18 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.47 (d, J=2.4 Hz,
1H), 6.44 (dd, J=8.2, 2.4 Hz, 1H), 5.75 (s, 1H), 4.31 - 4.38 (m, 1H), 4.20 (s,
2H), 4.12 (m, J=7.2 Hz, 1H), 3.99 (s, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.64 -
3.77 (m, 1H), 2.82 - 2.89 (m, 1H), 1.73 (m, J=5.3, 2.2 Hz, 1H), 1.57 - 1.68 (m,
1H), 1.25 - 1.28 (m, 3H).
【0157】
ステップ3:N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−ベンズアミド−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(C14)の合成
5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリン酸(C13)(11.7g、57.8mmol)およびトリエチルアミン(14.6g、145mmol、20.1mL)の酢酸エチル(180mL)中の混合物に、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスホリナン−2,4,6−トリオキシド(50重量%の酢酸エチル溶液、92.0g、145mmol、86.1mL)を加え、反応混合物を65℃で20分間加熱した。酢酸エチル(50mL)に溶解したN−((4aR,6S,8aR)−8a−(4−((2,4−ジメトキシベンジル)アミノ)チアゾール−2−イル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミドC8(18.89g、33.88mmol)を導入し、65℃で1時間撹拌し続けた。次いで、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、得られた溶液を、水(2回)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。得られた固体をジクロロメタン(1.89L)に溶解し、トリフルオロ酢酸(139mL)で処理し、反応混合物を室温で16時間撹拌し、その後、これを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と1N水酸化ナトリウムの混合物でpH8に塩基性化し、分離した。水層をジクロロメタンで逆抽出し(2回)、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0〜100%のヘプタン中酢酸エチル)によって精製して固体を得、これをヘプタンおよび酢酸エチルで摩砕して、生成物を黄色の固体として得た。収量:10.9g、19.5mmol、54%。LCMS m/z 558.4 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ ppm 10.62 (s, 1H), 8.33 (d, J=2.5
Hz, 1H), 8.27 (d, J=7.2 Hz, 2H), 7.78 (s, 1H), 7.48 - 7.55 (m, 1H), 7.40 - 7.47
(m, 3H), 6.44 - 6.82 (m, 1H), 4.28 - 4.36 (m, 1H), 4.13 - 4.21 (m, 1H), 4.03
(s, 2H), 3.70 - 3.79 (m, 1H), 2.86 - 2.93 (m, 1H), 2.83 (s, 3H), 1.75 - 1.82
(m, 1H), 1.62 - 1.73 (m, 1H), 1.30 (d, J=6.3 Hz, 3H).
【0158】
ステップ4:N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(3)の合成
N−(2−((4aR,6S,8aR)−2−ベンズアミド−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(C14)(22.84g、40.96mmol)および1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ−7−エン(95%、6.56g、41.0mmol、6.45mL)のメチルアルコール(660mL)溶液を、70℃で16時間加熱した。真空中で溶媒を除去した後、残渣をジエチルエーテル中で摩砕して、生成物を白色の固体として得た。収量:15.6g、34.4mmol、84%。LCMS m/z 454.4 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CD3OD) δ ppm 8.37 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7.67
(s, 1H), 7.58 (d, J=2.5 Hz, 1H), 6.86 - 7.25 (m, 1H), 3.85 - 4.00 (m, 4H), 3.74
- 3.80 (m, 1H), 3.64 - 3.74 (m, 1H), 2.75 (s, 3H), 2.65 - 2.72 (m, 1H), 1.68 -
1.75 (m, 1H), 1.42 - 1.54 (m, 1H), 1.23 (d, J=6.1 Hz, 3H).
【0159】
(実施例4および5)
N−(2−((5aR,7S,9aR)−2−アミノ−7−メチル−5,5a,6,7−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−9a(9H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(5)およびN−(2−((5aR,7S,9aR)−2−アミノ−7−メチル−5,5a,6,7−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−9a(9H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(4)
【0160】
【化18】
ステップ1:ベンジル((3R,4R,6S)−3−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバメート:(C15)の合成
0℃の、((2S,4R,5R)−5−アミノ−5−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メタノール(C5)(2.7g、8.8mmol)のDCM(48.8mL)および飽和NaHCO(48.8mL)中の溶液に、クロロギ酸ベンジル(1.95mL、13.2mmol)を加えた。氷浴が効かなくなるにつれ、きつく栓をした反応混合物はゆっくりと室温に加温され、これを18時間撹拌した。反応液を分液漏斗に注ぎ、相を分離した。水層をDCMで抽出した(1×)。合わせたDCM抽出物をブライン(1×)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、次いで、真空中で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルで精製(勾配:0〜100%のヘプタン中酢酸エチル)して、2.17g(56%)を得た。LCMS m/z 443.3 [M-H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 7.31-7.46 (m, 5H), 7.18 (s, 1H),
6.82 (s, 1H), 5.15-5.24 (m, 1H), 5.05-5.13 (m, 1H), 4.82 (d, J=11.7 Hz, 1H),
3.56-3.82 (m, 4H), 2.52 (dd, J=2.5, 12.7 Hz, 1H), 2.07-2.18 (m, 1H), 1.76-1.90
(m, 1H), 1.61 (td, J=3.2, 13.6 Hz, 1H), 1.24-1.36 (m, 3H)
【0161】
ステップ2:ベンジル((3R,4R,6S)−3−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−4−ホルミル−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバメート:(C16)の合成
窒素中で0℃に冷却したベンジル((3R,4R,6S)−3−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバメート(C15)(800mg、1.81mmol)のDCM(12.9mL)溶液に、Dess−Martin試薬(950mg、2.18mmol)を加えた。反応液を0℃で30分間撹拌した後、室温に加温した。2時間後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)および飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(10mL)で反応物をクエンチした。混合物を20分間撹拌し、次いで分液漏斗に注いだ。層を分離し、水層をDCMで抽出した(2×)。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を、0〜100%のEtOAc/ヘプタンの勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーに掛けて、720mgの所望の生成物を得た(90%)。LCMS m/z 440.5 [M-H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 9.84 (br. s., 1H), 7.28-7.43 (m,
5H), 5.79 (br. s., 1H), 4.97-5.15 (m, 2H), 3.89-3.98 (m, 1H), 3.68-3.80 (m,
1H), 3.56-3.68 (m, 2H), 1.90-2.03 (m, 1H), 1.57-1.67 (m, 1H), 1.20-1.35 (m,
4H).
【0162】
ステップ3:ベンジル((3R,4S,6S)−3−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−6−メチル−4−ビニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバメート:(C17)の合成
窒素中にて、メチルトリフェニルホスホニウムヨージド(2.07g、5.67mmol)のTHF(38mL)懸濁液に、THF中の1Mのカリウムtert−ブトキシド溶液(4.72mL、4.72mmol)を加えた。混合物を15分間撹拌した後、0℃に冷却した。次いで、最小量のTHF中のベンジル((3R,4R,6S)−3−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−4−ホルミル−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバメート(C16)(830mg、1.89mmol)を滴下で添加した。反応液を室温に加温し、1時間撹拌した。反応液を再び0℃に冷却し、飽和NHCl水溶液でクエンチした。混合物を分液漏斗に注ぎ、相を分離した。水相をEtOAcで抽出し(2×)、合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶液を濃縮し、残渣を、0〜30%のEtOAc/ヘプタンの勾配を使用するシリカクロマトグラフィーに掛けて、530mgの所望の生成物を得た(64%)。LCMS m/z 439.2 [M-H+]. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 7.31-7.51 (m, 5H), 7.19 (s, 1H),
5.55-5.73 (m, 1H), 5.21 (d, J=10.9 Hz, 2H), 4.97-5.16 (m, 4H), 3.98 (d, J=12.1
Hz, 1H), 3.68-3.83 (m, 1H), 3.11-3.26 (m, 1H), 1.68-1.80 (m, 1H), 1.47-1.63 (m,
1H), 0.91 (t, J=6.8 Hz, 3H).
【0163】
ステップ4:ベンジル((3R,4R,6S)−3−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバメート:(C18)の合成
ベンジル((3R,4S,6S)−3−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−6−メチル−4−ビニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバメート(C17)(530mg、1.21mmol)をTHF(24.2mL)に溶解し、次いで9−BBN(4.85mL、2.42mmol)を滴下で添加した。反応液を室温で18時間撹拌し、次いで、水(6mL)および1N NaOH(3mL)でクエンチした。次いで、溶液を0℃に冷却し、H(4mL)をゆっくりと加えた。反応液をジエチルエーテルと水とに分配し、相を分離し、次いで、水層をジエチルエーテルで抽出した(2×)。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、410mgの粗生成物を得た(74%)。LCMS m/z 455.3 [M-H+]. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 7.84 (s, 1H), 7.31-7.46 (m, 5H),
7.21 (s, 1H), 5.74 (br. s., 1H), 5.18 (s, 1H), 5.03-5.12 (m, 1H), 4.46-4.64 (m,
1H), 3.71 (d, J=11.7 Hz, 3H), 2.68-2.83 (m, 1H), 2.09-2.23 (m, 1H), 1.74-1.91
(m, 2H), 1.59-1.69 (m, 1H), 1.31-1.47 (m, 1H), 1.22-1.31 (m, 3H).
【0164】
ステップ5:2−((2S,4R,5R)−5−アミノ−5−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エタン−1−オール(C19)の合成
ベンジル((3R,4R,6S)−3−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバメート(C18)(410mg、0.9mmol)をトリフル酸(4.3mL、22.5mmol)で処理し、室温で30分間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をDCMおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に溶かした。水層をDCMで抽出した(3×)。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、285mgの粗生成物を得た(98%)。LCMS m/z 323.2 [M-H+]. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 7.03-7.22 (m, 1H), 5.28 (s, 1H),
3.68 (s, 1H), 3.56-3.64 (m, 2H), 3.40-3.54 (m, 2H), 2.67 (tdd, J=4.3, 8.3, 12.5
Hz, 1H), 1.69-1.80 (m, 1H), 1.33 (s, 3H), 1.23 (d, J=6.3 Hz, 3H).
【0165】
ステップ6:N−((5aR,7S,9aR)−9a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−7−メチル−5,5a,6,7,9,9a−ヘキサヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−2−イル)ベンズアミド(C21)の合成
2−((2S,4R,5R)−5−アミノ−5−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エタン−1−オール(C19)(280mg、0.87mmol)をDCM(8.72mL)に溶解し、イソチオシアン酸ベンゾイル(0.11mL、0.86mmol)を加えた。反応液を3時間撹拌し、次いで濃縮した。残渣をアセトニトリル(5.1mL)およびEDC(109mg、0.57mmol)に溶かした。反応液を室温で18時間撹拌し、次いで濃縮した。残渣をEtOAcに溶解し、水で洗浄した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。LCMS m/z 452.2 [M-H+].
【0166】
ステップ7:N−((5aR,7S,9aR)−9a−(4−((2,4−ジメトキシベンジル)アミノ)チアゾール−2−イル)−7−メチル−5,5a,6,7,9,9a−ヘキサヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−2−イル)ベンズアミド(C22)の合成
中にて、炉乾燥したフラスコにおいて、Pd(dba)(19mg、0.02mmol)、tert−ブチルX−Phos(27mg、64μmol)、およびナトリウムtert−ブトキシド(99mg、1.03mmol)を無水ジオキサン(2.3mL)に溶解した。フラスコをNでパージし(3×)、95℃に加熱した。別のフラスコにおいて、N−((5aR,7S,9aR)−9a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−7−メチル−5,5a,6,7,9,9a−ヘキサヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−2−イル)ベンズアミド(C21)(185mg、0.41mmol)および2,4−ジメトキシベンジルアミン(0.1mL、0.69mmol)を最小量の無水ジオキサンに溶解した。この溶液を95℃のフラスコに加え、15分間撹拌した。反応液を室温に冷却し、次いで、Celiteおよび水を加えた。混合物を1分間撹拌し、次いで、DCMを溶離液として使用しながら、Celiteパッドで濾過した。パッドをDCMで洗浄した(3×)。合わせた有機層を、水(3×)、5%クエン酸水溶液(2×)、炭酸水素ナトリウム水溶液(1×)、ブライン(1×)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、0〜100%のEtOAc/ヘプタンの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーに掛けて、90mgの白色の固体を得た(41%)。LCMS m/z 537.3 [M-H+].
【0167】
ステップ8a:N−(2−((5aR,7S,9aR)−2−ベンズアミド−7−メチル−5,5a,6,7−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−9a(9H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−3−メチルピコリンアミドの合成
5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリン酸(21mg、0.1mmol)のEtOAc(0.13mL)溶液を、TEA(0.035mL)およびT3P(EtOAc中50%wt、0.15mL、0.25mmol)で処理した。反応液を20分間60℃に加熱し、次いで、N−((5aR,7S,9aR)−9a−(4−((2,4−ジメトキシベンジル)アミノ)チアゾール−2−イル)−7−メチル−5,5a,6,7,9,9a−ヘキサヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−2−イル)ベンズアミド(C22)(34mg、0.06mmol)を加え、反応液を1時間撹拌した。次いで、反応液を水およびEtOAcで希釈した。相を分離し、水相をEtOAcで抽出した(2×)。合わせた有機物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、45mgの粗生成物を得た(98%)。LCMS m/z 722.4 [M-H+].
【0168】
ステップ9a:N−(2−((5aR,7S,9aR)−2−ベンズアミド−7−メチル−5,5a,6,7−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−9a(9H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミドの合成
N−(2−((5aR,7S,9aR)−2−ベンズアミド−7−メチル−5,5a,6,7−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−9a(9H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−3−メチルピコリンアミド(45mg、0.06mmol)をDCM(0.3mL)に溶解し、TFA(0.12mL、1.56mmol)で処理した。反応液を室温で48時間撹拌した。反応液を濃縮し、次いで、EtOAcおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に溶かした。水層をEtOAcで抽出した(2×)。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、35mgの粗生成物を得た(98%)。LCMS m/z 572.3 [M-H+].
【0169】
ステップ10a:N−(2−((5aR,7S,9aR)−2−アミノ−7−メチル−5,5a,6,7−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−9a(9H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(5)の合成
N−(2−((5aR,7S,9aR)−2−ベンズアミド−7−メチル−5,5a,6,7−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−9a(9H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(35mg、0.06mmol)をMeOH(1.2mL)に溶解し、DBU(11.6μL、74μmol)で処理した。反応液を2時間60℃に加熱した。反応液を濃縮し、残渣を、0〜10%のMeOH/DCMの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーに掛けて、13.5mgの生成物を得た(47%)。LCMS m/z 468.3 [M-H+]. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 10.56 (br. s., 1H), 8.32 (d, J=2.0
Hz, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.36-7.44 (m, 1H), 6.38-6.85 (m, 1H), 3.89-4.06 (m, 2H),
3.77 (d, J=10.9 Hz, 1H), 3.66-3.74 (m, 1H), 3.54 (d, J=10.9 Hz, 1H), 2.97-3.08
(m, 1H), 2.83 (s, 3H), 2.19-2.32 (m, 1H), 1.87 (dt, J=11.3, 13.1 Hz, 1H), 1.38-1.52
(m, 2H), 1.29 (d, J=6.2 Hz, 3H).
【0170】
ステップ8b:N−(2−((5aR,7S,9aR)−2−ベンズアミド−7−メチル−5,5a,6,7−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−9a(9H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)ピコリンアミドの合成
5−(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸(25mg、0.13mmol)のEtOAc(0.16mL)溶液を、TEA(0.046mL)およびT3P(EtOAc中50%wt、0.195mL、0.33mmol)で処理した。反応液を20分間60℃に加熱し、次いで、N−((5aR,7S,9aR)−9a−(4−((2,4−ジメトキシベンジル)アミノ)チアゾール−2−イル)−7−メチル−5,5a,6,7,9,9a−ヘキサヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−2−イル)ベンズアミド(C22)(44mg、0.08mmol)を加え、反応液を1時間撹拌した。次いで、反応液を水およびEtOAcで希釈した。相を分離し、水相をEtOAcで抽出した(2×)。合わせた有機物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、55mgの粗生成物を得た(98%)。LCMS m/z 708.3 [M-H+].
【0171】
ステップ9b:N−(2−((5aR,7S,9aR)−2−ベンズアミド−7−メチル−5,5a,6,7−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−9a(9H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミドの合成
N−(2−((5aR,7S,9aR)−2−ベンズアミド−7−メチル−5,5a,6,7−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−9a(9H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)ピコリンアミド(55mg、0.08mmol)をDCM(0.4mL)に溶解し、TFA(0.15mL、1.94mmol)で処理した。反応液を室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮し、次いで、EtOAcおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に溶かした。水層をEtOAcで抽出した(2×)。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、42mgの粗生成物を得た(97%)。LCMS m/z 558.3 [M-H+].
【0172】
ステップ10b:N−(2−((5aR,7S,9aR)−2−アミノ−7−メチル−5,5a,6,7−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−9a(9H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド:4の合成
N−(2−((5aR,7S,9aR)−2−ベンズアミド−7−メチル−5,5a,6,7−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサゼピン−9a(9H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(42mg、75μmol)をMeOH(1.5mL)に溶解し、DBU(14.2μL、0.09mmol)で処理した。反応液を2時間60℃に加熱した。反応液を濃縮し、残渣を、0〜10%のMeOH/DCMの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーに掛けて、12.3mgの生成物を得た(36%)。LCMS m/z 454.3 [M-H+]. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 10.39 (br. s., 1H), 8.46 (d, J=2.7 Hz, 1H), 8.31 (d,
J=8.6 Hz, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.66 (dd, J=2.5, 8.4 Hz, 1H), 6.41-6.88 (m, 1H),
3.87-3.99 (m, 1H), 3.72-3.81 (m, 1H), 3.64-3.72 (m, 1H), 3.53 (d, J=11.0 Hz,
1H), 2.92-3.08 (m, 1H), 2.17-2.34 (m, 1H), 1.79-1.97 (m, 1H), 1.39-1.57 (m,
2H), 1.14-1.33 (m, 4H).
【0173】
(実施例6)
N−(2−((4S,4aR,6S,8aR)−2−アミノ−4−(フルオロメチル)−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(6)
【0174】
【化19】
ステップ1:(2S)−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ヘキサ−4−イン−2−オール(C23)の合成
−70℃の窒素雰囲気中にある撹拌した2−(2−プロピニルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(7.96g、56.8mmol)のTHF(60mL)溶液に、n−BuLi(24.8mL、62.0mmol)を滴下で添加した。30分後、最小量のTHF中のBFOEt(7.2mL、58.3mmol)および(S)−プロピレンオキシド(3g、51.6mmol)を加えた。反応液を−70℃で45分間撹拌した。−70℃で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。反応液を室温に加温し、ジエチルエーテルで希釈した。相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出した(3×)。合わせた有機層を、水、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、0〜100%のEtOAc/ヘプタンの勾配を使用するシリカクロマトグラフィーに掛けて、6.58gの所望の生成物を得た(64%)。GCMS m/z 197.1 [M-]. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 4.82 (t, J=3.5 Hz, 1H), 4.19-4.37 (m, 2H), 3.81-4.03
(m, 2H), 3.51-3.60 (m, 1H), 2.32-2.49 (m, 2H), 2.02-2.10 (m, 1H), 1.70-1.92 (m,
2H), 1.49-1.69 (m, 3H), 1.24-1.31 (m, 3H).
【0175】
ステップ2:2−(((S)−5−(2,2−ジエトキシエトキシ)ヘキサ−2−イン−1−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(C24)の合成
(2S)−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ヘキサ−4−イン−2−オール(C23)(6.5g、32.8mmol)をTHF(33mL)に溶解し、0℃に冷却した。NaH(2.35g、58.8mmol)を数回に分けて加えた。反応液を30分間室温に加温し、次いで、再び0℃に冷却した。ヨードアセトアルデヒドジエチルアセタール(13.0g、53.3mmol)を滴下で添加し、次いで、反応液を18時間55℃に加熱した。反応液を再び0℃に冷却し、飽和NHCl水溶液でゆっくりとクエンチした。層を分離し、水層をエーテルで抽出した(2×)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、0〜100%のEtOAc/ヘプタンの勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーに掛けて、5.54gの所望の生成物を得た(54%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.80 (t, J=3.5 Hz, 1H), 4.58 (t, J=5.3 Hz, 1H), 4.13-4.34 (m, 2H),
3.83 (ddd, J=3.1, 8.8, 11.5 Hz, 1H), 3.46-3.75 (m, 7H), 2.52 (tdd, J=2.0, 4.8,
16.5 Hz, 1H), 2.32 (tdd, J=2.0, 7.4, 16.6 Hz, 1H), 1.67-1.90 (m, 2H), 1.46-1.67
(m, 4H), 1.26-1.32 (m, 1H), 1.25 (d, J=6.3 Hz, 3H), 1.21 (t, J=7.0 Hz, 6H).
【0176】
ステップ3:(S)−5−(2,2−ジエトキシエトキシ)ヘキサ−2−イン−1−オール(C25)の合成
2−(((S)−5−(2,2−ジエトキシエトキシ)ヘキサ−2−イン−1−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(C24)(5.0g、15.9mmol)をEtOH(30mL)に溶解し、ベンゼンスルホン酸(285mg、1.8mmol)を加えた。反応液を室温で5時間撹拌した。次いで、反応液を、撹拌状態の炭酸水素ナトリウム(800mg、9.54mmol)の水(75mL)溶液中に注いだ。混合物を5分間撹拌し、次いで層を分離した。水層をエーテルで抽出した(2×)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、3.49gの粗生成物を得た(95%)。得られた材料を、それ以上精製せずに次のステップに進めた。
【0177】
ステップ4:(S)−(((5−(2,2−ジエトキシエトキシ)ヘキサ−2−イン−1−イル)オキシ)メチル)ベンゼン(C26)の合成
窒素雰囲気中にある(S)−5−(2,2−ジエトキシエトキシ)ヘキサ−2−イン−1−オール(C25)(3.45g、15.0mmol)のTHF(60mL)溶液に、0℃でNaH(730mg、18.3mmol)を滴下で添加した。10分後、反応液に臭化ベンジル(2.88g、16.5mmol)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(500mg、1.35mmol)を加え、これを室温で18時間撹拌した。次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応をクエンチした。相を分離し、水相をEtOAcで抽出した(3×)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0〜100%のヘプタン中酢酸エチル)に掛けて、3.87gの生成物をオイルとして得た(81%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.30-7.41 (m, 5H), 4.60 (s, 2H), 4.18 (t, J=2.2 Hz, 2H), 3.64-3.79
(m, 3H), 3.56-3.63 (m, 2H), 3.54 (d, J=5.5 Hz, 2H), 2.50-2.62 (m, 1H),
2.32-2.45 (m, 1H), 1.31-1.34 (m, 1H), 1.30 (d, J=6.2 Hz, 3H), 1.18-1.26 (m,
6H).
【0178】
ステップ5:(S,Z)−(((5−(2,2−ジエトキシエトキシ)ヘキサ−2−エン−1−イル)オキシ)メチル)ベンゼン(C27)の合成:
リンドラー触媒(102mg、5mol%)およびキノリン(1.20g、9.29mmol)のヘキサン(20mL)およびオクテン(3mL)中の混合物に、(S)−(((5−(2,2−ジエトキシエトキシ)ヘキサ−2−イン−1−イル)オキシ)メチル)ベンゼンC26(2.85g、8.89mmol)のヘキサン(7mL)溶液を加えた。H中(15PSI)にて、Parr反応器において反応液を5分間撹拌し、この時点で、圧力が0PSIに低下した。これを、圧力の低下が止むまで3回繰り返し、その時点で、反応液をもう45分間撹拌した。反応液を、ヘプタンを溶離液としながらCeliteで濾過し、次いで濃縮した。次いで、残渣を、0〜35%のEtOAc/ヘプタンの勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーに掛けて、生成物を無色のオイル2.76gとして得た(96%)。1H NMR (400 MHz, C6D6)
δ 7.24-7.34 (m, 2H), 7.12-7.20 (m, 2H), 7.00-7.11 (m, 1H),
5.69-5.82 (m, 1H), 5.52-5.62 (m, 1H), 4.56-4.64 (m, 1H), 4.33 (s, 2H),
3.93-4.03 (m, 2H), 3.33-3.61 (m, 6H), 3.19-3.32 (m, 1H), 2.14-2.28 (m, 1H),
1.96-2.10 (m, 1H), 1.03-1.14 (m, 6H), 0.97 (d, J=5.9 Hz, 3H).
【0179】
ステップ6:(Z)−2−(((S,Z)−6−(ベンジルオキシ)ヘキサ−4−エン−2−イル)オキシ)アセトアルデヒドオキシム(C28)の合成
(S,Z)−(((5−(2,2−ジエトキシエトキシ)ヘキサ−2−エン−1−イル)オキシ)メチル)ベンゼン(C27)(2.76g、8.53mmol)のEtOH(19mL)および水(4mL)の溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(870mg、12.5mmol)を加えた。反応液を80分間70℃に加熱し、次いで室温に冷却した。次いで、酢酸ナトリウム(142mg、17.3mmol)および水(3.2mL)を加え、10分間撹拌した後、反応混合物を濃縮した。残渣を水およびDCMに再び溶かし、層を分離し、水相をDCMで抽出した(2×)。合わせた有機物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、0〜50%のEtOAc/ヘプタンの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーに掛けて、生成物を無色のオイル2.05gとして得た(91%)。
【0180】
ステップ7:(3S,3aR,5S)−3−((ベンジルオキシ)メチル)−5−メチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(C29)の合成
(Z)−2−(((S,Z)−6−(ベンジルオキシ)ヘキサ−4−エン−2−イル)オキシ)アセトアルデヒドオキシム(C28)(2.34g、8.86mmol)のDCM(92mL)溶液に、Chlorox bleach(8.25%のNaOCl、10.5mL、12.9mmol)を滴下で添加し、反応液を10分間撹拌した。次いで、反応液を水およびDCMで希釈した。相を分離し、水相をDCMで抽出した(2×)。合わせた有機物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、0〜50%のEtOAc/ヘプタンの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーに掛けて、生成物を無色のオイル1.60gとして得た(69%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.29-7.43 (m, 5H), 4.76-4.89 (m, 1H), 4.70 (d, J=13.7 Hz, 1H), 4.58
(q, J=12.0 Hz, 2H), 4.17 (dd, J=1.4, 13.5 Hz, 1H), 3.45-3.61 (m, 4H), 1.92-2.04
(m, 1H), 1.48-1.61 (m, J=10.9 Hz, 1H), 1.27 (d, J=6.2 Hz, 3H).
【0181】
ステップ8:(3S,3aR,5S,7aR)−3−((ベンジルオキシ)メチル)−7a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−5−メチルヘキサヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(C30)の合成
2,4−ジブロモチアゾール(2.0g、8.2mmol)をトルエン:THF混合物(49.5mL、10:1のトルエン:THF)に溶解し、−78℃に冷却した。次いで、三フッ化ホウ素エーテラート(1mL、8.1mmol)を加えた後、nBuLi(3.0mL、7.5mmol、2.5M)を滴下で添加し、反応液を30分間撹拌した。(3S,3aR,5S)−3−((ベンジルオキシ)メチル)−5−メチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(C29)(1.6g、6.3mmol)を、5.5mLのトルエン:THF溶液に溶解し、反応混合物に滴下で添加した。反応液を−78℃で45分間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。反応液を室温に加温し、水およびEtOAcで希釈した。相を分離し、水相をEtOAcで抽出した(3×)。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0〜45%のヘプタン中酢酸エチル)に掛けて、所望の生成物を無色の固体2.05gとして得た(77%)。LCMS m/z 425.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 7.17-7.31 (m, 5H), 6.50 (s, 1H),
4.43-4.53 (m, 1H), 4.34-4.43 (m, 1H), 3.86-4.01 (m, 2H), 3.75-3.84 (m, 1H),
3.55-3.67 (m, 1H), 3.46-3.55 (m, 2H), 3.18-3.30 (m, 1H), 1.53-1.65 (m, 1H),
1.23-1.38 (m, 1H), 1.17 (d, J=6.2 Hz, 3H).
【0182】
ステップ9:(S)−1−((2S,4R,5R)−5−アミノ−5−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(ベンジルオキシ)エタン−1−オール(C31)の合成
(3S,3aR,5S,7aR)−3−((ベンジルオキシ)メチル)−7a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−5−メチルヘキサヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(C30)(1.7g、4.0mmol)を、アセトニトリル(37mL)および水(3mL)に溶解した。溶液にMo(CO)(0.54g、2.0mmol)を加え、2時間80℃に加熱した。反応を0℃に冷却し、反応混合物にNaBH(2当量)を一度に加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌しておいた。得られた不均質な褐色の溶液をCeliteパッドで濾過して、褐色の固体を除去した。CeliteパッドをDCMで洗浄した(3×)。得られた有機濾液をブラインで洗浄し(1×)、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。黒色の固体が得られ、この固体をMeOHで処理した。得られた、有機粗生成物のメタノール溶液を、室温で10分間撹拌した後、減圧下で濃縮して、褐色の固体を得、これをMeOHで処理し(2×)、各回室温で10分間撹拌した後、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0〜100%のヘプタン中酢酸エチル)に掛けて、1.37gを得た(80%)。LCMS m/z 427.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 7.25-7.40 (m, 5H), 7.17-7.24 (m,
1H), 4.49 (s, 2H), 3.77-3.85 (m, 1H), 3.73 (d, J=11.3 Hz, 1H), 3.57-3.69 (m,
1H), 3.53 (d, J=11.3 Hz, 1H), 3.34-3.45 (m, 2H), 2.55-2.70 (m, 2H), 2.42-2.52
(m, 1H), 1.82 (s, 1H), 1.46-1.58 (m, 1H), 1.28 (d, J=6.2 Hz, 3H).
【0183】
ステップ10:N−(((3R,4R,6S)−4−((S)−2−(ベンジルオキシ)−1−ヒドロキシエチル)−3−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバモチオイル)ベンズアミド(C32)の合成
(S)−1−((2S,4R,5R)−5−アミノ−5−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(ベンジルオキシ)エタン−1−オール(C31)(1.37g、3.2mmol)をDCM(32mL)に溶解し、イソシアン酸ベンゾイル(0.43mL、3.1mmol)を加えた。反応混合物を18時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。粗生成物を、それ以上精製せずに次のステップにまわした。LCMS m/z 589.2 [M-H+].
【0184】
ステップ11:N−((4S,4aR,6S,8aR)−4−((ベンジルオキシ)メチル)−8a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C33)の合成
N−(((3R,4R,6S)−4−((S)−2−(ベンジルオキシ)−1−ヒドロキシエチル)−3−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバモチオイル)ベンズアミド(C32)(1.9g、3.2mmol)のアセトニトリル(32mL)溶液に、EDC(0.67g、3.5mmol)を加えた。反応液を18時間撹拌し、次いで濃縮した。残渣をEtOAcおよび水に溶かした。相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0〜50%のヘプタン中酢酸エチル)に掛けて、生成物1.25gを得た(71%)。LCMS m/z 558.2 [M-H+]. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 12.08 (br. s., 1H), 8.26 (d, J=7.4
Hz, 2H), 7.25-7.56 (m, 7H), 4.56-4.63 (m, 1H), 4.44-4.54 (m, 1H), 4.37 (dt,
J=2.3, 6.4 Hz, 1H), 4.03-4.10 (m, 1H), 3.90-4.00 (m, 1H), 3.64-3.78 (m, 2H),
3.56-3.64 (m, 1H), 3.08 (s, 1H), 1.53-1.64 (m, 1H), 1.35-1.44 (m, 1H),
1.26-1.33 (m, 2H), 1.21-1.25 (m, 3H).
【0185】
ステップ12:N−((4S,4aR,6S,8aR)−8a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C34)の合成
N−((4S,4aR,6S,8aR)−4−((ベンジルオキシ)メチル)−8a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C33)(1.15g、1.82mmol)をDCM(15.2mL)に溶解し、トリフル酸(0.56mL、6.36mmol)を滴下で添加した。反応液を室温で20分間撹拌した後、0℃に冷却し、1N NaOHで、溶液が塩基性になるまで、ゆっくりとクエンチした。相を分離し、水相をDCMで抽出した(1×)。合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0〜100%のヘプタン中酢酸エチル)に掛けて、0.8gを得た(94%)。LCMS m/z 468.2 [M+H+]. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 12.01 (br. s., 1H), 8.15 (d, J=7.0
Hz, 2H), 7.44 (d, J=7.4 Hz, 1H), 7.32-7.40 (m, 2H), 7.20 (s, 1H), 4.20-4.27 (m,
1H), 3.95-4.01 (m, 1H), 3.85-3.93 (m, 2H), 3.59-3.70 (m, 2H), 2.95-3.04 (m,
1H), 2.33-2.48 (m, 1H), 1.59-1.69 (m, 1H), 1.31-1.44 (m, 1H), 1.14-1.25 (m,
3H).
【0186】
ステップ13:N−((4S,4aR,6S,8aR)−8a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−4−(フルオロメチル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C35)の合成
窒素雰囲気中で、N−((4S,4aR,6S,8aR)−8a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C34)(99mg、0.21mmol)をTHF(2.1mL)に溶解し、0℃に冷却した。TEA(0.27mL、1.91mmol)、TEA−3HF(0.1mL、0.64mmol)、およびペルフルオロブタンスルホニルフルオリド(74mg、0.64mmol)を順次加えた。反応液を室温に加温し、45分間撹拌した。次いで、Kryptofix(480mg、1.27mmol)およびKF(58mg、1.27mmol)を加え、反応液を5分間撹拌した。次いで、反応液をEtOAcおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈した。相を分離し、水相をEtOAcで抽出した(2×)。合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0〜50%のヘプタン中酢酸エチル)に掛けて、生成物81mgを得た(81%)。LCMS m/z 470.2 [M+H+]. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 12.00-12.22 (m, 1H), 8.18-8.28 (m,
2H), 7.47-7.57 (m, 1H), 7.44 (d, J=7.8 Hz, 2H), 7.28 (s, 1H), 4.61 (d, J=10.2
Hz, 2H), 4.38-4.47 (m, 1H), 4.01-4.09 (m, 1H), 3.92-4.01 (m, 1H), 3.66-3.78 (m,
1H), 3.04-3.19 (m, 1H), 1.67-1.77 (m, 1H), 1.43-1.57 (m, 1H), 1.24-1.30 (m,
3H).
【0187】
ステップ14:N−((4S,4aR,6S,8aR)−8a−(4−((2,4−ジメトキシフェニル)アミノ)チアゾール−2−イル)−4−(フルオロメチル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C36)の合成
窒素雰囲気中にあるフラスコに、Pd(dba)(8.0mg、9μmol)、tブチルXPhos(12mg、0.027mmol)、およびNaOtBu(42mg、0.43mmol)を装入した。フラスコを窒素および真空でパージした(3×)。無水ジオキサン(1mL)を加え、反応液を95℃に加熱した。窒素雰囲気中にある別のフラスコに、N−((4S,4aR,6S,8aR)−8a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−4−(フルオロメチル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C35)(81mg、0.17mmol)、2,4−ジメトキシベンジルアミン(50mg、0.29mmol)、およびジオキサン(1mL)を加えた。この溶液を、5分間撹拌した後、95℃の反応液に加えた。反応液を95℃で15分間撹拌し、次いで室温に冷却した。次いで、反応液にCeliteを加えた後、水を加えた。次いで、混合物をCeliteのパッドで濾過し、DCMを溶離液として使用した(3×)。得られた水層のpHが、pH12と測定された。層を単離し、得られた有機層を、抽出の結果として生じる水層のpHが中性になるまで、HOで洗浄した(3×)。次いで、得られた有機層を5%クエン酸水溶液で洗浄した(2×)。得られた水層のpHが、最初の洗液についてはpH4、2番目の洗液についてはpH2と測定された。次いで、得られた有機層を、飽和NaHCO水溶液(2×)、ブライン(1×)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した。材料90mg(94%)を、それ以上精製せずに次のステップに進めた。LCMS m/z 555.4 [M+H]+.
【0188】
ステップ15:N−(2−((4S,4aR,6S,8aR)−2−ベンズアミド−4−(フルオロメチル)−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)ピコリンアミド(C37)の合成
5−(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸(49mg、0.26mmol)をEtOAc(0.32mL)およびTEA(90μL、0.65mmol)に懸濁させた。T3P(EtOAc中50%wt、0.39mL、0.65mmol)を加え、反応液を60℃で20分間撹拌した。次いで、N−((4S,4aR,6S,8aR)−8a−(4−((2,4−ジメトキシフェニル)アミノ)チアゾール−2−イル)−4−(フルオロメチル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C36)(90mg、0.16mmol)を加え、反応混合物を60℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、水でクエンチした。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した(2×)。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。材料を、それ以上精製せずに次のステップにまわした。LCMS m/z 726.4 [M+H]+.
【0189】
ステップ16:N−(2−((4S,4aR,6S,8aR)−2−ベンズアミド−4−(フルオロメチル)−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C38)の合成
N−(2−((4S,4aR,6S,8aR)−2−ベンズアミド−4−(フルオロメチル)−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)ピコリンアミド(C37)(115mg、01.16mmol)をDCM(0.79mL)に溶解し、TFA(0.30mL、3.96mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を、EtOAcおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に溶解し直した。水層をEtOAcで抽出した(3×)。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0〜100%のヘプタン中酢酸エチル)に掛けて、42mgの無色のオイルを得た(46%)。LCMS m/z 576.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 12.09 (br. s., 1H), 10.44 (s, 1H),
8.46-8.51 (m, 1H), 8.29-8.34 (m, 1H), 8.21-8.29 (m, 1H), 7.83 (s, 1H),
7.63-7.74 (m, 1H), 7.49-7.57 (m, 1H), 7.40-7.48 (m, 2H), 6.45-6.85 (m, 1H),
4.69-4.77 (m, 1H), 4.57-4.67 (m, 1H), 4.47-4.56 (m, 1H), 4.04 (d, J=2.4 Hz,
1H), 3.65-3.80 (m, 1H), 3.03-3.11 (m, 1H), 1.69-1.88 (m, 1H), 1.50-1.63 (m,
2H), 1.22-1.35 (m, 4H).
【0190】
ステップ17:N−(2−((4S,4aR,6S,8aR)−2−アミノ−4−(フルオロメチル)−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C6)の合成
N−(2−((4S,4aR,6S,8aR)−2−ベンズアミド−4−(フルオロメチル)−6−メチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C38)(42mg、0.07mmol)をMeOH(1.46mL)に溶解し、DBU(14μL、0.09mmol)を加えた。反応混合物を2時間60℃に加熱した。反応混合物を濃縮し、残渣を、0〜10%のMeOH/DCMの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーに掛けて、生成物を無色の固体17mgとして得た(50%)。LCMS m/z 472.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CD3OD) δ 8.58 (d, J=2.7 Hz, 1H), 8.29 (d,
J=8.6 Hz, 1H), 7.83 (dd, J=2.7, 9.0 Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 6.89-7.31 (m, 1H),
4.57-4.64 (m, 1H), 4.45-4.53 (m, 1H), 4.12-4.23 (m, 1H), 3.89-3.98 (m, 1H),
3.77-3.86 (m, 1H), 3.62-3.73 (m, 1H), 2.83-2.95 (m, 1H), 1.58-1.70 (m, 1H),
1.29-1.43 (m, 1H), 1.25 (d, J=6.2 Hz, 3H).
【0191】
(実施例7)
N−(2−((4S,4aR,6S,8aR)−2−アミノ−6−メチル−4−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド
【0192】
【化20】
ステップ1:ベンジル((3R,4R,6S)−3−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−6−メチル−4−((R)−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバメート(C39)の合成
窒素雰囲気中で、ベンジル((3R,4R,6S)−3−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−4−ホルミル−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバメート(C16)(600mg、1.37mmol)をTHF(18mL)に溶解し、0℃に冷却した。(トリメチルシリル)トリフルオロメタン(529mg、3.68mmol)を加えた後、TBAF(0.50mL、0.5mmol、THF中の1M溶液)を滴下で添加した。反応液を室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をDCMおよび塩化アンモニウム水溶液に溶かした。層を分離し、水層をDCMで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、0〜100%のEtOAc/ヘプタンの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーに掛けて、生成物を無色の固体231mgとして得た(33.2%)。LCMS m/z 511.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 7.25-7.36 (m, 5H), 7.15 (s, 1H),
6.11-6.26 (m, 1H), 4.94-5.15 (m, 2H), 4.22-4.43 (m, 2H), 3.63 (d, J=12.1 Hz,
2H), 2.79-2.97 (m, 1H), 2.54-2.69 (m, 1H), 1.67-1.89 (m, 2H), 1.15-1.27 (m,
3H).
【0193】
ステップ2:1−((2S,4R,5R)−5−アミノ−5−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,2,2−トリフルオロエタン−1−オール(C40)の合成
ベンジル((3R,4R,6S)−3−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−6−メチル−4−((R)−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバメート(C39)(228mg、0.45mmol)をDCM(1.5mL)に溶解し、トリフル酸(0.17mL、1.92mmol)で処理した。反応液を室温で15分間撹拌し、次いで、DCMおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈した。水層をDCMで抽出した(2×)。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。材料を、それ以上精製せずに次のステップにまわした。LCMS m/z 377.2 [M+H]+.
【0194】
ステップ3:N−(((3R,4R,6S)−3−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−6−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバモチオイル)ベンズアミド(C41)の合成
窒素雰囲気中で、1−((2S,4R,5R)−5−アミノ−5−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,2,2−トリフルオロエタン−1−オール(C40)(196mg、0.52mmol)をDCM(5.0mL)に溶解した。イソチオシアン酸ベンゾイル(60μL、0.45mmol)を一度に加え、反応混合物を35℃で18時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0〜45%のヘプタン中酢酸エチル)に掛けて、淡黄色の固体206mgを得た(73%)。LCMS m/z 538.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 11.85 (s, 1H), 8.82-9.01 (m, 1H),
7.79-7.96 (m, 2H), 7.59-7.73 (m, 1H), 7.47-7.58 (m, 2H), 7.28 (s, 1H), 5.00-5.08
(m, 1H), 4.93-5.00 (m, 1H), 3.74-3.84 (m, 2H), 3.25 (d, J=7.0 Hz, 1H), 2.88
(dd, J=4.1, 12.7 Hz, 1H), 1.86-2.10 (m, 2H), 1.35 (d, J=5.9 Hz, 3H).
【0195】
ステップ4:N−((4S,4aR,6S,8aR)−8a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−6−メチル−4−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C42)の合成
N−(((3R,4R,6S)−3−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−6−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバモチオイル)ベンズアミド(C41)(200mg、0.37mmol)をアセトニトリル(0.34mL)に溶解し、EDC(85mg、0.44mmol)を加えた。反応液を18時間撹拌し、次いで濃縮した。残渣をEtOAcおよび水に溶かした。相を分離し、水相をEtOAcで抽出した(2×)。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、0〜40%のEtOAc/ヘプタンの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーに掛けて、生成物を無色の固体142mgとして得た(76%)。LCMS m/z 506.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 11.96-12.06 (m, 1H), 8.14-8.26 (m,
2H), 7.44-7.52 (m, 1H), 7.39 (d, J=7.8 Hz, 2H), 7.25 (s, 1H), 4.38-4.47 (m,
1H), 3.93 (s, 2H), 3.62-3.72 (m, 1H), 3.21-3.31 (m, J=2.3, 5.1 Hz, 1H),
1.76-1.85 (m, 1H), 1.51-1.61 (m, 1H), 1.22 (d, J=6.2 Hz, 3H).
【0196】
ステップ5:N−((4S,4aR,6S,8aR)−8a−(4−((2,4−ジメトキシベンジル)アミノ)チアゾール−2−イル)−6−メチル−4−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C43)の合成
窒素雰囲気中にあるフラスコに、Pd(dba)(12.5mg、14μmol)、tブチルXPhos(18mg、42μmol)、およびNaOtBu(66mg、0.68mmol)を装入した。フラスコを窒素および真空でパージした(3×)。無水ジオキサン(1mL)を加え、反応混合物を95℃に加熱した。窒素雰囲気中にある別のフラスコに、N−((4S,4aR,6S,8aR)−8a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−6−メチル−4−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C42)(138mg、0.27mmol)、2,4−ジメトキシベンジルアミン(78mg、0.46mmol)、およびジオキサン(1.5mL)を加えた。この溶液を、5分間撹拌した後、95℃の反応液に加えた。反応混合物を95℃で15分間撹拌し、次いで室温に冷却した。次いで、反応混合物にCeliteを加えた後、水を加えた。次いで、混合物をCeliteのパッドで濾過し、DCMを溶離液として使用した(3×)。得られた水層のpHが、pH12と測定された。層を単離し、得られた有機層を、抽出の結果として生じる水層が中性のpHになるまで、HOで洗浄した(3×)。次いで、得られた有機層を5%クエン酸水溶液で洗浄した(2×)。得られた水層のpHが、最初の洗液についてはpH4、2番目の洗液についてはpH2と測定された。次いで、得られた有機層を、飽和NaHCO水溶液(2×)、ブライン(1×)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した。材料97mg(60%)を、それ以上精製せずに次のステップに進めた。LCMS m/z 591.3 [M+H]+.
【0197】
ステップ6:N−(2−((4S,4aR,6S,8aR)−2−ベンズアミド−6−メチル−4−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)ピコリンアミド(C44)の合成
5−(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸(19mg、0.10mmol)をEtOAc(0.12mL)およびTEA(35μL、0.25mmol)に懸濁させた。T3P(EtOAc中50%wt、0.15mL、0.25mmol)を加え、反応液を60℃で20分間撹拌した。次いで、N−((4S,4aR,6S,8aR)−8a−(4−((2,4−ジメトキシベンジル)アミノ)チアゾール−2−イル)−6−メチル−4−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C43)(37mg、0.06mmol)を加え、反応液を60℃で1時間撹拌した。次いで、反応液を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、水でクエンチした。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した(2×)。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。材料44mg(92%)を、それ以上精製せずに次のステップにまわした。LCMS m/z 762.3 [M+H]+.
【0198】
ステップ7:N−(2−((4S,4aR,6S,8aR)−2−ベンズアミド−6−メチル−4−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C45)の合成
N−(2−((4S,4aR,6S,8aR)−2−ベンズアミド−6−メチル−4−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)ピコリンアミド(C44)(44mg、0.06mmol)をDCM(0.3mL)に溶解し、TFA(0.11mL、1.44mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣を、EtOAcおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に溶解し直した。水層をEtOAcで抽出した(3×)。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、34mgの粗生成物を得た(96%)。LCMS m/z 612.4 [M+H]+.
【0199】
ステップ8:N−(2−((4S,4aR,6S,8aR)−2−アミノ−6−メチル−4−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(7)の合成
N−(2−((4S,4aR,6S,8aR)−2−ベンズアミド−6−メチル−4−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C45)(34mg、0.06mmol)をMeOH(1.11mL)に溶解し、DBU(10μL、0.07mmol)を加えた。反応液を2時間60℃に加熱した。反応液を濃縮し、残渣を、0〜10%のMeOH/DCMの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーに掛けて、生成物を無色の固体21mgとして得た(74%)。LCMS m/z 508.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 10.48 (s, 1H), 8.55 (d, J=2.7 Hz,
1H), 8.33-8.43 (m, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.74 (dd, J=2.7, 8.6 Hz, 1H), 6.44-6.94
(m, 1H), 4.56 (br. s, 2H), 4.29-4.38 (m, 1H), 3.92-4.01 (m, 1H), 3.82-3.92 (m,
1H), 3.64-3.76 (m, 1H), 2.83-3.20 (m, 1H), 1.68-1.87 (m, 1H), 1.51-1.67 (m,
1H), 1.29-1.41 (m, 3H).
【0200】
調製例P3:5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリン酸(C13)
【0201】
【化21】
ステップ1:3−メチル−5−ニトロピコリノニトリル(C47)の合成
3−メチルピコリノニトリル(C46)(128g、1.08mol)および硝酸テトラブチルアンモニウム(363g、1.19mol)のtert−ブチルメチルエーテル(1.3L)中の混合物を、4℃に冷却した。トリフルオロ酢酸無水物(171mL、1.21mol)を加え、反応混合物を室温で60時間撹拌した。次いで、20%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、およそ7のpHに調整し、ジクロロメタン(3×1L)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜10%の石油エーテル中酢酸エチル)によって精製して、3−メチル−5−ニトロピコリノニトリルを黄色の固体として得た。収量:70g、0.43mmol、40%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.31-9.36 (m, 1H), 8.47-8.52 (m, 1H), 2.74 (s, 3H).
【0202】
ステップ2:5−アミノ−3−メチルピコリノニトリル(C48)の合成
3−メチル−5−ニトロピコリノニトリル(C47)(40.0g、245mmol)のエタノール(630mL)および水(70mL)溶液に、塩化カルシウム(13.6g、123mmol)に続いて鉄粉(123g、2.20mol)を加え、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を濾過した後、濾液を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(勾配:10%〜50%の石油エーテル中酢酸エチル)によって精製した。5−アミノ−3−メチルピコリノニトリルを黄色の固体として得た。収量:20.0g、150mmol、61%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.94 (d, J=2.5 Hz, 1H), 6.81 (d, J=2.5 Hz, 1H), 4.07-4.19 (br s,
2H), 2.45 (s, 3H).
【0203】
ステップ3:5−ヒドロキシ−3−メチルピコリノニトリル(C49)の合成
0℃の、5−アミノ−3−メチルピコリノニトリル(C48)(18.0g、135mmol)の水(243mL)および濃硫酸(67.5mL)中の溶液に、亜硝酸ナトリウム(10.3gの亜硝酸ナトリウムを含有する1.6M水溶液、149mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を室温に加温し、100℃で3時間撹拌し、その後、これを冷却し、酢酸エチル(3×75mL)で抽出した。合わせた有機層を、水(2×75mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(2×75mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5−ヒドロキシ−3−メチルピコリノニトリルを黄色の固体として得た。収量:16g、120mmol、89%。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.07 (br s, 1H), 8.08 (d, J=2.6 Hz, 1H), 7.20 (d, J=2.3 Hz, 1H),
2.40 (s, 3H).
【0204】
ステップ4:5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリノニトリル(C50)の合成
5−ヒドロキシ−3−メチルピコリノニトリル(C49)(5.70g、42.5mmol)、クロロジフルオロ酢酸ナトリウム(13.0g、85.3mmol)、および炭酸カリウム(17.6g、127mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(175mL)中の混合物を、100℃で30分間撹拌した。次いで、反応混合物を酢酸エチル(400mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(3×200mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(3×200mL)で順次洗浄した。合わせた水層を酢酸エチル(200mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:5%〜15%の石油エーテル中酢酸エチル)によって、5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリノニトリルを無色のオイルとして得た。収量:3.9g、21mmol、49%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.39 (br d, J=2.1 Hz, 1H), 7.47-7.43 (m, 1H), 6.64 (t, JHF=71.5
Hz, 1H), 2.59 (s, 3H).
【0205】
ステップ5:5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリン酸(C13)の合成
5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリノニトリル(C50)(7.60g、41.3mmol)のエタノール(200mL)溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(1M、124mL、124mmol)を加え、反応混合物を16時間70℃で撹拌した。次いで、これをtert−ブチルメチルエーテル(200mL)で希釈し、水(2×100mL)で抽出した。合わせた水層をtert−ブチルメチルエーテル(100mL)で洗浄し、1M塩酸水溶液でpH2に酸性化し、tert−ブチルメチルエーテル(2×200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した、5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリン酸を白色の固体として得た。収量:6.6g、32mmol、77%。LCMS m/z 203.7 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)
δ 8.32 (br d, J=2.1 Hz, 1H), 7.58-7.62 (m, 1H), 7.06
(t, JHF=72.7 Hz, 1H), 2.64 (s, 3H).
【0206】
調製例P4:5−(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸(C9)
【0207】
【化22】
ステップ1:メチル5−(ジフルオロメトキシ)ピコリネート(C52)の合成
メチル5−ヒドロキシピコリネート(C51)(20g、130mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(500mL)溶液に、炭酸カリウム(45.1g、326mmol)を添加し、反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。クロロ(ジフルオロ)酢酸ナトリウム(63.7g、418mmol)を導入し、その結果生じた混合物を100℃で5時間加熱し、その後飽和塩化ナトリウム水溶液(300mL)および酢酸エチル(300mL)に分配した。水層を酢酸エチル(3×200mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×200mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:5/1の石油エーテル/酢酸エチル)によって、メチル5−(ジフルオロメトキシ)ピコリネートを淡黄色のオイルとして得た(17g、収率65%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.56 (s, 1H), 8.17 (d, J=8.7 Hz, 1H), 7.59 (br d, J=8.7 Hz, 1H),
6.64 (t, JHF=71.9 Hz, 1H), 4.00 (s, 3H).
【0208】
ステップ2:5−(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸(C9)の合成
メチル5−(ジフルオロメトキシ)ピコリネート(C52)(17g、84mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)および水(50mL)中の溶液を、0℃に冷却し、水酸化リチウム(6.0g、250mmol)で処理した。反応混合物を室温で2時間撹拌した後、1M塩酸水溶液でpH3に酸性化した。水層を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5−(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸を白色の固体として得た(13g、収率82%)。LCMS m/z 189.8 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 8.52 (d, J=2.4 Hz, 1H), 8.29 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.73
(dd, J=8.6, 2.4 Hz, 1H), 6.68 (t, JHF=71.5 Hz, 1H).
【0209】
調製例P5:3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸(C11)
【0210】
【化23】
ステップ1:5,6−ジクロロピリジン−3−ジアゾニウムテトラフルオロボレート(C54)の合成
5,6−ジクロロピリジン−3−アミン(C53)(15g、92.02mmol)のテトラフルオロホウ酸(水中約45%、150mL)溶液に、0℃で、亜硝酸ナトリウム(6.67g、96.6mmol)の水(90mL)溶液を滴下で添加し、その間に、ジアゾニウム塩が沈殿した。添加後、混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケークを石油エーテル(200mL×3)で洗浄し、室温で15時間真空乾燥して、粗5,6−ジクロロピリジン−3−ジアゾニウムテトラフルオロボレート(25.8g)を淡赤色の固体として得、これを精製せずに次のステップで使用した。
【0211】
ステップ2:5,6−ジクロロピリジン−3−イルアセテート(C55)の合成
粗5,6−ジクロロピリジン−3−ジアゾニウムテトラフルオロボレート(C54)(25.8g、92.02mmol)を無水酢酸(75mL)に溶解し、ゆっくりと70℃に加温した。Nの発生が止んだとき、70℃で1時間撹拌し続け、次いで、溶媒を蒸発させた。残渣をtert−ブチルメチルエーテル(100mL)に溶解し、水(40mL×4)で洗浄した。合わせた水層を追加のtert−ブチルメチルエーテル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(20mL×5)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(40gシリカゲル、0〜25%の石油エーテル中酢酸エチル)によって精製して、5,6−ジクロロピリジン−3−イルアセテート(9.7g、収率51.2%−2ステップ)を黄色のオイルとして得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.33 (d, J=2.5 Hz, 1H), 8.18 (d, J=2.5 Hz, 1H), 2.32 (s, 3H).
【0212】
ステップ3:3−クロロ−5−ヒドロキシピコリノニトリル(C56)の合成
5,6−ジクロロピリジン−3−イルアセテート(C55)(9.7g、47.1mmol)のDMF(60mL)溶液に、室温で、シアン化亜鉛(2.6g、22.1mmol)、亜鉛粉末(145mg、2.21mmol)、および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1.72g、2.35mmol)を加えた。得られた混合物を、窒素中にて140℃で13時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)によって、反応が完了したことが示された。混合物をtert−ブチルメチルエーテル(200mL)および水(150mL)で希釈し、Celiteパッドで濾過した。濾液を分離し、水層を追加のtert−ブチルメチルエーテル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(50mL×8)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、3−クロロ−5−ヒドロキシピコリノニトリル(6.8g、収率93.4%)を褐色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.16 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7.38 (d, J=2.5 Hz, 1H).
【0213】
ステップ4:3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリノニトリル(C57)の合成
3−クロロ−5−ヒドロキシピコリノニトリル(C56)(6.8g、44mmol)、クロロ(ジフルオロ)酢酸ナトリウム(20g、176mmol)、および炭酸カリウム(36.5g、264mmol)のDMF(70mL)中の混合物を、100℃で40分間(気体発生を認めることができなくなるまで)撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)によって、反応が完了したことが示された。混合物をtert−ブチルメチルエーテル(200mL)および水(150mL)で希釈し、分離した。水層を追加のtert−ブチルメチルエーテル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(50mL×8)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して褐色のオイル(7.2g)を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(40gシリカゲル、0%〜20%の石油エーテル中酢酸エチル)によって精製して、3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリノニトリル(5.55g、収率61.7%)を黄色のオイルとして得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.44-8.53 (m, 1H), 7.64-7.74 (m, 1H), 6.68 (t, JHF=70.8
Hz, 1H).
【0214】
ステップ5:メチル3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリネート(C58)の合成
3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリノニトリル(C57)(4.82g、23.6mmol)の4N HCl/MeOH(75mL)溶液を、60℃で13時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)によって、出発材料の大部分が消費されたことが示された。混合物を水(50mL)で希釈し、室温で30分間撹拌した。混合物を濃縮し、残った水相を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)で中和し、酢酸エチル(60mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物(5.28g)を褐色のオイルとして得、これを、より小さいスケールからの先行回分(528mg)と合わせ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(40gシリカゲル、0%〜20%の石油エーテル中酢酸エチル)によって一緒に精製して、メチル3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリネート(3.4g、収率55.0%)を黄色のオイルとして得たが、室温で静置しておいた間に固化した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.41-8.50 (m, 1H), 7.65 (d, J=1.5 Hz, 1H), 6.64 (t, JHF=71.3
Hz, 1H), 4.02 (s, 3H).
【0215】
ステップ6:3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸(C11)の合成
メチル3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリネート(C58)(1g、4.21mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)および水(20mL)の溶液に、室温で水酸化リチウム一水和物(279mg、6.31mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、濃縮し、残った水相を2N塩酸水溶液でpH2〜3に調整し、酢酸エチル(20mL×7)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸(720mg、収率75.2%)を淡黄色の固体として得た。LCMS m/z 222.0 [M-H]-、塩素同位体パターンが認められた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.51 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.06 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.44 (t, JHF=72.8
Hz, 1H).
【0216】
調製例P6:5,5−ジメチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(#C906)
【0217】
【化24】
ステップ1:4−(2,2−ジエトキシエトキシ)−4−メチルペンタ−1−エン(#C902)の合成
水素化ナトリウム(鉱油中60%、107g、2.67mol)のテトラヒドロフラン(1.5L)懸濁液に、2−メチルペンタ−4−エン−2−オール(89g、0.89mmol)を滴下で添加した。反応混合物を室温で45分間撹拌し、その後2−ブロモ−1,1−ジエトキシエタン(90%、292g、1.33mol)をゆっくりと加えた。反応混合物を還流下で36時間加熱した後、これを氷水(2L)中に注ぎ、酢酸エチル(3×1L)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×1.5L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。アルミナでのクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル)によって精製して、生成物を黄色のオイルとして得た。H NMRによると、この材料は、かなりのパーセンテージの2−ブロモ−1,1−ジエトキシエタンを含有しており、この材料の半分をそのまま次のステップにまわした。1H NMR (400 MHz, CDCl3), 特徴的な生成物ピーク: δ 5.92-5.78 (m, 1H), 5.06 (s, 1H),
5.05-5.01 (m, 1H), 4.68 (t, J=5.5 Hz, 1H), 3.43 (d, J=5.3 Hz, 2H), 2.24 (br d,
J=7.3 Hz, 2H).
【0218】
ステップ2:N−ヒドロキシ−2−[(2−メチルペンタ−4−エン−2−イル)オキシ]エタンイミン(#C904)の合成。
#C902(先行ステップより、85.0g、≦445mmol)のエタノール(1.4L)および水(700mL)中の溶液に、室温(約12℃)でヒドロキシルアミン塩酸塩(81.9g、1.18mol)を加えた。反応混合物を50℃で15時間撹拌し、その後、これをジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×1L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜10%の石油エーテル中酢酸エチル)によって、生成物を無色のオイルとして得た。H NMRによると、この生成物は、やや純度が低く、オキシムに関する幾何異性体の混合物からなっていた。収量:40.0g、254mmol、2ステップで57%。1H NMR (400 MHz, CDCl3), 生成物ピークのみ: δ [7.47 (t, J=5.4 Hz)および6.88 (t, J=3.4 Hz), 計1H], 5.90-5.76 (m, 1H),
5.09 (br s, 1H), 5.08-5.03 (m, 1H), [4.31 (d, J=3.6 Hz)および4.05 (d, J=5.5 Hz), 計2H], 2.27 (d, J=7.2 Hz,
2H), 1.19 (s, 6H).
【0219】
ステップ3:5,5−ジメチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(#C906)の合成。
#C904(40.0g、254mmol)のジクロロメタン(1.2L)溶液に、室温(約15℃)でトリエチルアミン(1.93g、19.1mmol)を加えた。次いで、内部反応温度を22℃〜25℃の間に保ちながら、次亜塩素酸塩ナトリウム水溶液(5%、1.2L)をシリンジでゆっくりと加えた。添加が完了した後、反応混合物を分離し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜10%の石油エーテル中酢酸エチル)によって、生成物を無色のオイルとして得た。収量:18g、120mmol、47%。LCMS m/z 155.7 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 4.59 (dd, J=9.9, 7.9 Hz, 1H), 4.52 (d, AB四重線の半分, J=14.0 Hz, 1H), 4.36 (br dd, ABXパターンの半分,
J=14.0, 0.8 Hz, 1H), 3.75 (dd, J=11.6, 7.8 Hz, 1H), 3.62-3.50 (m, 1H), 2.05
(dd, J=13.0, 6.3 Hz, 1H), 1.61 (dd, J=12, 12 Hz, 1H), 1.33 (s, 3H), 1.28 (s,
3H).
【0220】
調製例P7:tert−ブチル(2−((3R,4R)−3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−6,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(#C928)
【0221】
【化25】
ステップ1:(3aR)−5,5−ジメチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(#C920)および(3aS)−5,5−ジメチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(#C922)の合成
#C906(710g)の、それを構成するエナンチオマーへの分離を、超臨界流体クロマトグラフィー(カラム:Chiral Technologies Chiralpak IC、10μm;移動相:7:3の二酸化炭素/2−プロパノール)によって実施した。化合物#C920は、カラムから最初に溶離するエナンチオマーであり、褐色の固体として単離した。収量:270g、この単離について38%。化合物#C922は、カラムから2番目に溶離するエナンチオマーであり、同様に褐色の固体として単離した。収量:270g、この単離について38%。
【0222】
これら2種の生成物について表示した絶対立体化学は、次の根拠に基づいて割り当てた。化合物#C920は、どちらも実質的な生物活性を示した、本明細書における2つの実施例の合成で使用しており、このことから、#C920の絶対立体化学は、文献にある関連活性化合物の絶対立体化学に対応することが示唆される。C.R.Butlerら、J.Med.Chem.2015、58、2678〜2702、およびM.A.Brodney、J.Med.Chem.2015、58、3223〜3252を参照されたい。最終ステップにおいてそれを構成するエナンチオマーへと分離した以下の実施例の絶対立体化学の割当てにも、同じ論理的根拠を使用した。
【0223】
#C920:LCMS m/z 155.8 [M+H]+. 1H
NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.59 (dd, J=9.9, 7.9
Hz, 1H), 4.51 (d, AB四重線の半分, J=14.0 Hz, 1H), 4.36 (dd,
ABXパターンの半分, J=14.0, 1.2 Hz, 1H), 3.74 (dd, J=11.6, 7.8
Hz, 1H), 3.62-3.49 (m, 1H), 2.05 (dd, J=12.9, 6.3 Hz, 1H), 1.60 (dd, J=12.4,
12.3 Hz, 1H), 1.33 (s, 3H), 1.28 (s, 3H).
【0224】
#C922:LCMS m/z 155.8 [M+H]+. 1H
NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.60 (dd, J=10.0, 7.8
Hz, 1H), 4.52 (d, AB四重線の半分, J=14.0 Hz, 1H), 4.36 (dd,
AB四重線の半分, J=14.0, 1.4 Hz, 1H), 3.75 (dd, J=11.6, 7.8
Hz, 1H), 3.63-3.49 (m, 1H), 2.06 (dd, J=12.8, 6.3 Hz, 1H), 1.61 (dd, J=12.3,
12.3 Hz, 1H), 1.34 (s, 3H), 1.28 (s, 3H).
【0225】
ステップ2:(3aR,7aR)−7a−(4−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)−5,5−ジメチルヘキサヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(#C924)の合成
−65℃の2,4−ジブロモ−1,3−チアゾール(5.63g、23.2mmol)のトルエン(50mL)スラリーに、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(3.00mL、23.7mmol)を加えた。次いで、n−ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液、10mL、25mmol)をゆっくりと加え、反応混合物を−65℃で10分間撹拌した。#C920(3.0g、19mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を滴下で添加し、撹拌を−65℃で30分間継続し、その後、飽和塩化アンモニウム水溶液(150mL)を加えて反応物をクエンチし、温度を−10℃〜0℃に加温した。水層を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜10%の石油エーテル中酢酸エチル)によって、生成物を黄色の固体として得た。収量:4.3g、13mmol、68%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.21 (s, 1H), 6.42 (s, 1H), 4.09 (d, J=13.0 Hz, 1H), 3.79-3.68 (m,
3H), 3.47-3.36 (m, 1H), 1.76 (dd, J=14.0, 6.6 Hz, 1H), 1.57 (br dd, J=13, 13
Hz, 1H), 1.42 (s, 3H), 1.30 (s, 3H).
【0226】
ステップ3:tert−ブチル{2−[(3aR,7aR)−5,5−ジメチルテトラヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール−7a(7H)−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}カルバメート(#C926)の合成。
#C924(4.30g、13.5mmol)、tert−ブチルカルバメート(2.37g、20.2mmol)、リン酸カリウム(10g、47mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2.47g、2.70mmol)、およびジ−tert−ブチル[2’,4’,6’−トリ(プロパン−2−イル)ビフェニル−2−イル]ホスファン(572mg、1.35mmol)のトルエン(100mL)中の混合物を、115℃で18時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した後、これを珪藻土で濾過し、フィルターパッドを酢酸エチル(200mL)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(勾配:0%〜25%の石油エーテル中酢酸エチル)によって、生成物を黄色の泡状物として得た。収量:2.95g、8.30mmol、61%。1H NMR (400 MHz, CDCl3), 特徴的なピーク: δ 7.24 (br s, 1H), 7.15 (br s, 1H), 6.36
(s, 1H), 4.03 (d, J=13.0 Hz, 1H), 3.79-3.69 (m, 3H), 3.33-3.23 (m, 1H), 1.72
(dd, ABXパターンの半分, J=13.9, 6.5 Hz, 1H), 1.52 (s, 9H),
1.38 (s, 3H), 1.30 (s, 3H).
【0227】
ステップ4:tert−ブチル{2−[(3R,4R)−3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−6,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}カルバメート(#C928)の合成。
#C926(4.70g、13.2mmol)の2−プロパノール(30mL)およびテトラヒドロフラン(30mL)溶液に、ラネーニッケル(1.94g、33.0mmol)を加えた。その結果生じた混合物を3サイクルの脱気および水素装入に掛け、次いで、水素バルーンを用いて50℃で4時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した後、これを、#C926(2.0g、5.6mmol)を使用して実施した同様の反応混合物と合わせ、珪藻土パッドで濾過した。濾過ケークを酢酸エチル(200mL)で洗浄し、合わせた濾液を真空中で濃縮して、生成物を黄色のゴム質として得た。収量:6.8g、19mmol、定量的。LCMS m/z 358.1 [M+H]+.
【0228】
調製例P8
N−((4aR,8aR)−8a−(4−アミノチアゾール−2−イル)−6,6−ジメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C931)
【0229】
【化26】
ステップ1:tert−ブチル(2−((3R,4R)−3−(3−ベンゾイルチオウレイド)−4−(ヒドロキシメチル)−6,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(C929)の合成
tert−ブチル(2−((3R,4R)−3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−6,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(C928)(2.95g、8.25mmol、1当量)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に、室温で、イソチオシアン酸ベンゾイル(1.41g、8.67mmol、1.05当量)を一度に加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。TLC分析(石油エーテル:酢酸エチル=2:1、Rf 約0.45、UV)によって、出発材料が完全に消費されたこと、および極性のより弱い主スポットが示された。反応混合物を真空中で濃縮して濃黄色のオイル(6.7g)を得、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィー(80gシリカゲル、0%〜30%の石油エーテル中酢酸エチル)によって精製して、tert−ブチル(2−((3R,4R)−3−(3−ベンゾイルチオウレイド)−4−(ヒドロキシメチル)−6,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(3.3g、収率:76.8%)を黄色の固体として得た。LCMS 543.1 [M+Na]+ 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 11.72 (s, 1H), 8.96 (s, 1H), 7.86 (d, J=7.5 Hz, 2H),
7.60-7.66 (m, 1H), 7.46-7.56 (m, 3H), 7.24 (br. s., 1H), 4.99 (d, J=12.0 Hz,
1H), 3.96 (d, J=12.6 Hz, 1H), 3.77-3.89 (m, 2H), 2.83 (br. s., 1H), 2.52 (qd, J=4.4,
13.0 Hz, 1H), 1.94 (t, J=13.8 Hz, 1H), 1.65 (dd, J=4.0, 14.0 Hz, 1H), 1.51 (s,
9H), 1.36 (s, 3H), 1.35 (s, 3H).
【0230】
ステップ2:tert−ブチル(2−((4aR,8aR)−2−ベンズアミド−6,6−ジメチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(C930)の合成
tert−ブチル(2−((3R,4R)−3−(3−ベンゾイルチオウレイド)−4−(ヒドロキシメチル)−6,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(C929)(2.71g、5.20mmol、1当量)のアセトニトリル(30mL)中の混合物に、室温で、EDCI(1.2g、6.25mmol、1.2当量)を一度に加えた。懸濁液を室温で15時間撹拌し、濃縮し、次いで、酢酸エチル(100mL)および水(50mL)で希釈した。相を分離し、水層を追加の酢酸エチル(50mL)で抽出した。合わせた有機層を、0.1N塩酸水溶液(50mL)で洗浄した。水相を追加の酢酸エチル(50mL)で抽出し、合わせた有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄した。水層(pH8〜9)を追加の酢酸エチル(50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(80mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、tert−ブチル(2−((4aR,8aR)−2−ベンズアミド−6,6−ジメチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(2.5g、収率:98.7%)を淡黄色の泡状物として得、これをそれ以上精製せずに次のステップに進めた。LCMS m/z 487.2 [M+H]+
【0231】
ステップ3:N−((4aR,8aR)−8a−(4−アミノチアゾール−2−イル)−6,6−ジメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C931)の合成
黄色のtert−ブチル(2−((4aR,8aR)−2−ベンズアミド−6,6−ジメチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(C930)(2.5g、5.14mmol、1当量)のジクロロメタン(5mL)溶液に、室温でトリフルオロ酢酸(5mL)を加えた。黄色の溶液を40℃で30分間撹拌した。混合物をジクロロメタン(100mL)で希釈し、室温で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(80mL)中に注いだ。混合物を5分間撹拌し、次いで分離した。水相(pH7〜8)をジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色の泡状物(1.92g)を得た。これをジクロロメタン(30mL)および酢酸エチル(30mL)に溶解し、約20mLの体積に濃縮し、得られた懸濁液を室温で1時間静置しておき、濾過した。濾液を約10mLの体積に濃縮した。得られた懸濁液を室温で30分間静置しておき、濾過した。淡黄色の濾過ケークを合わせて、N−((4aR,8aR)−8a−(4−アミノチアゾール−2−イル)−6,6−ジメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(1.05g、収率:52.9%、LCMS m/z 387.1 [M+H]+によって求めた純度87.63%)
【0232】
(実施例8)
キラルなN−((4aR,8aR)−8a−(4−アミノチアゾール−2−イル)−6,6−ジメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C931)からのN−(2−((4aR,8aR)−2−アミノ−6,6−ジメチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(8)
【0233】
【化27】
5−(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸(92mg、0.486mmol、1.43当量)のジクロロメタン(20mL)溶液に、室温でHATU(188mg、0.493mmol、1.45当量)およびトリエチルアミン(60mg、0.593mmol、1.743当量)を加え、1時間撹拌した。N−((4aR,8aR)−8a−(4−アミノチアゾール−2−イル)−6,6−ジメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C931)(150mg、0.34mmol、1当量)を一度に加え、次いで、室温で2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、ブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を濃縮して、N−(2−((4aR,8aR)−2−ベンズアミド−6,6−ジメチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C932)(360mg、0.34mmol、LCMS m/z 580.1 [M+Na]+)を橙色の固体として得、これを、エタノール(20mL)に懸濁させ、室温でメトキシルアミン塩酸塩(284mg、3.4mmol)およびピリジン(2.69g、34mmol)を加え、次いで、得られた溶液を60℃で12時間撹拌することによるベンゾイル脱保護に進めた。この混合物を別のベンゾイル脱保護反応液(1/9のスケール、0.045mmol)と合わせ、濃縮して粗生成物(680mg)を得、これを、アキラル分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18 250mm×21.2mm、5μm;移動相:0.05%のアンモニアを含有する34%の水中アセトニトリルから、10分かけて、0.05%のアンモニアを含有する54%の水中アセトニトリル、0.05%のアンモニアを含有する54%の水中アセトニトリルで2分間保持;流量:30mL/分)によって精製した。凍結乾燥によって、純粋なN−(2−((4aR,8aR)−2−アミノ−6,6−ジメチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(85mg、収率:2つのステップ、および合わせた反応について全体で48.5%)を白色の固体として得た。LCMS m/z 453.9 [M+H]+ 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 10.40 (s, 1H), 8.49 (d, J=2.5 Hz, 1H), 8.32 (d, J=8.5
Hz, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.68 (dd, J=2.5, 8.5 Hz, 1H), 6.65 (t, JHF=72.0
Hz, 1H), 4.18 (br. s., 2H), 4.08 (d, J=11.5 Hz, 1H), 4.00-4.06 (m, 1H), 3.79 (d,
J=11.0 Hz, 1H), 3.65 (d, J=11.5 Hz, 1H), 2.76-2.84 (m, 1H), 1.77 (t, J=13.6 Hz,
1H), 1.50 (dd, J=4.8, 13.3 Hz, 1H), 1.44 (s, 3H), 1.34 (s, 3H).
【0234】
(実施例9)
キラルなN−((4aR,8aR)−8a−(4−アミノチアゾール−2−イル)−6,6−ジメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C931)からのN−(2−((4aR,8aR)−2−アミノ−6,6−ジメチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(9)
【0235】
【化28】
N−(2−((4aR,8aR)−2−アミノ−6,6−ジメチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(9)は、N−(2−((4aR,8aR)−2−アミノ−6,6−ジメチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミドについての手順に従い、アミド形成ステップではN−((4aR,8aR)−8a−(4−アミノチアゾール−2−イル)−6,6−ジメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C931)(150mg、0.34mmol、1当量)、5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリン酸(98mg、0.482mmol)、ジクロロメタン(20mL)、HATU(188mg、0.493mmol、1.45当量)、トリエチルアミン(60mg、0.593mmol、1.743当量)を、ベンゾイル脱保護ステップではエタノール(20mL)、メトキシルアミン塩酸塩(284mg、3.4mmol)、およびピリジン(2.69g、34mmol)を使用して、2ステップで合成した。これにより、粗N−(2−((4aR,8aR)−2−アミノ−6,6−ジメチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(9)(1/9のスケールでの同様の反応、すなわち追加の0.045mmolも合わせ、この順序から658mg)が得られ、これを、アキラル分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18 250mm×21.2mm、5μm;移動相:0.05%のアンモニアを含有する39%の水中アセトニトリルから、10分かけて、0.05%のアンモニアを含有する59%の水中アセトニトリル、0.05%のアンモニアを含有する59%の水中アセトニトリルで2分間保持;流量:30mL/分)によって精製した。凍結乾燥によって、純粋なN−(2−((4aR,8aR)−2−アミノ−6,6−ジメチル−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(933)(62mg、収率:2つのステップ、および合わせた反応について全体で34.4%)を白色の固体として得た。LCMS m/z 468.0 [M+H]+ 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 10.57 (s, 1H), 8.30-8.37 (m, 1H), 7.68 (s, 1H),
7.38-7.46 (m, 1H), 6.63 (t, JHF=72.3 Hz, 1H), 4.18 (br. s., 2H),
4.08 (d, J=12.0 Hz, 1H), 4.00-4.06 (m, 1H), 3.78 (d, J=10.5 Hz, 1H), 3.64 (d,
J=12.0 Hz, 1H), 2.84 (s, 3H), 2.76-2.83 (m, 1H), 1.72-1.82 (m, 1H), 1.49 (dd,
J=4.5, 13.0 Hz, 1H), 1.44 (s, 3H), 1.34 (s, 3H).
【0236】
調製例P9
ラセミの(+/−)−N−((4aR*,6R*,8aR*)−8a−(4−アミノチアゾール−2−イル)−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C65)
【0237】
【化29】
(+/−)−(3aR,5R)−5−(トリフルオロメチル)−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(C59)は、市販品として入手可能なラセミの1,1,1−トリフルオロ−4−ペンテン−2−オールから出発して、当業界で知られている方法(例えば、US2010/0093999A1に記載の方法)によって調製した。
【0238】
ステップ1:(+/−)−(3aR,5R,7aR)−7a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−5−(トリフルオロメチル)ヘキサヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(C60)の合成
濃厚な2,4−ジブロモチアゾール(11g、45.3mmol、1.36当量)のトルエン(150mL)スラリーに、−65℃で、BFEtO(6.78g、6mL、47.8mmol、1.435当量)を加えた後、n−BuLi(20mL、2.5Mヘキサン溶液、50mmol、1.5当量)をゆっくりと加えた。得られた黄色の溶液を、この温度で25分間撹拌し、次いで、(+/−)−(3aR,5R)−5−(トリフルオロメチル)−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(C59)(6.5g、33.3mmol、1当量)のTHF(20mL)溶液を−65℃で滴下で添加した。褐色の溶液を、同じ温度でもう30分間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1、Rf 約0.65、UV、次いでKMnOで染色)によって、出発材料の大部分が消費されたことが示された。混合物を飽和NHCl水溶液(200mL)でクエンチし、温度を−10〜0℃に加温した。混合物の色が紫色、次いで黄色になった。混合物を酢酸エチル(150mL)で希釈し、分配し、分離した。水層を酢酸エチル(150mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(150mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗製の褐色のオイル(16.1g)を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(40gシリカゲル、勾配:0%〜20%の石油エーテル中酢酸エチル)によって精製して、(+/−)−(3aR,5R,7aR)−7a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−5−(トリフルオロメチル)ヘキサヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(C60)(5.8g、黄色の固体、収率:48.5%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.40 (s, 1H), 3.98-4.18 (m, 3H), 3.85 (δ,
J=8.0 Hz, 1H), 3.78 (dd, J=5.0, 7.5 Hz, 1H), 3.46 (td, J=5.8, 11.5 Hz, 1H),
2.11 (ddd, J=2.0, 6.8, 13.8 Hz, 1H), 1.72-1.85 (m, 1H).
【0239】
ステップ2:(+/−)−tert−ブチル(2−((3aR,5R,7aR)−5−(トリフルオロメチル)テトラヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール−7a(7H)−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(C61)の合成
ラセミの(+/−)−(3aR,5R,7aR)−7a−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−5−(トリフルオロメチル)ヘキサヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(C60)(5.8g、16.1mmol、1当量)、tert−ブチルカルバメート(2.84g、24.2mmol、1.5当量)、KPO(12g、56.5mmol、3.5当量)、Pd(dba)(2.96g、3.23mmol、0.2当量)、およびt−BuXPhos(686mg、1.61mmol、0.1当量)のトルエン(120mL)中の混合物を、N中にて120℃で18時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、Celiteで濾過した。パッドを酢酸エチル(200mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、粗生成物(12.5g)を褐色の固体として得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(80gシリカゲル、勾配:0%〜20%の石油エーテル中酢酸エチル)によって精製して、(+/−)−tert−ブチル(2−((3aR,5R,7aR)−5−(トリフルオロメチル)テトラヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール−7a(7H)−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(C61)(4.6g、黄色の泡状物、収率:72.0%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.22 (br. S.,2H NH BocがNHイソオキサゾリンと重複している), 4.10 (d, J=12.6 Hz, 1H), 3.94-4.02 (m, 2H), 3.82 (d, J=7.5 Hz,
1H), 3.76 (dd, J=4.8, 7.8 Hz, 1H), 3.23-3.34 (m, 1H), 2.05-2.12 (m, 1H),
1.72-1.85 (m, 1H), 1.53 (s, 9H). LCMS m/z 418.1 [M+Na]+
【0240】
ステップ3:(+/−)−tert−ブチル(2−((3R,4R,6R)−3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−6−(トリフルオロメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(C62)の合成
アルゴン中にて、(+/−)−tert−ブチル(2−((3aR,5R,7aR)−5−(トリフルオロメチル)テトラヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール−7a(7H)−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(C61)(4.60g、11.6mmol、1当量)のイソプロパノール(30mL)およびTHF(30mL)溶液に、室温(約16℃)で、ラネーNi(2.39g、40.7mmol、3.5当量)を加えた。得られた黒色の混合物を水素で3回脱気し、水素バルーンを用いながら45℃で2時間撹拌した。TLC(石油エーテル:EtOAc=2:1、Rf 約0.2、UV)によって、出発材料の大部分が消費されたことが示され、新たな主スポットも示された。混合物を室温に冷却し、Celiteパッドで濾過した。濾過ケークをTHF(200mL)および酢酸エチル(100mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、(+/−)−tert−ブチル(2−((3R,4R,6R)−3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−6−(トリフルオロメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(C62)(4.7g、黄色の泡状物、収率:100%)を得、これをそれ以上精製せずに次のステップにまわした。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.29 (br. s., 1H), 7.20 (br. s., 1H), 3.93-4.03 (m, 1H), 3.75-3.80
(m, 1H), 3.72 (dd, J=3.0, 11.5 Hz, 1H), 3.63-3.69 (m, 1H), 3.51 (dd, J=3.3,
11.3 Hz, 1H), 2.07-2.58 (m, 4H), 1.91 (td, J=3.2, 13.7 Hz, 1H), 1.53 (s, 9H).
【0241】
ステップ4:(+/−)−tert−ブチル(2−((3R,4R,6R)−3−(3−ベンゾイルチオウレイド)−4−(ヒドロキシメチル)−6−(トリフルオロメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(C63)の合成
粗(+/−)−tert−ブチル(2−((3R,4R,6R)−3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−6−(トリフルオロメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(C62)(4.7g、11.6mmol、1当量)の酢酸エチル(40mL)溶液に、室温で、イソチオシアン酸ベンゾイル(2g、12.2mmol、1.055当量)を一度に加えた。LC/MSによって、完了したことが確認された後、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応懸濁液を濾過した。濾過ケークを酢酸エチル(100mL)で洗浄した。濾過ケークを真空乾燥して、純粋な(+/−)−tert−ブチル(2−((3R,4R,6R)−3−(3−ベンゾイルチオウレイド)−4−(ヒドロキシメチル)−6−(トリフルオロメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(C63)(3.1g、白色の固体、収率:47.7%)を得た。濾液を濃縮して、純度のより低い追加の生成物(4.4g、黄色の固体、収率:52.3%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.73 (s, 1H), 8.94 (s, 1H), 7.83-7.92 (m, 2H), 7.60-7.69 (m, 1H),
7.49-7.59 (m, 2H), 7.33 (br. s., 1H), 5.75 (d, 11.73 (s, 1H), 8.94 (s, 1H),
7.83-7.92 (m, 2H), 7.60-7.69 (m, 1H), 7.49-7.59 (m, 2H), 7.33 (br. s., 1H),
5.75 (d, J=12.0 Hz, 1H), 3.99-4.10 (m, 1H), 3.80-3.97 (m, 3H), 2.31-2.41 (m,
1H), 2.14-2.28 (m, 2H), 1.99-2.09 (m, 1H), 1.52 (s, 9H). LCMS m/z 583.1 [M+Na]+.分析データは、材料の最初の収穫について表すものである。
【0242】
ステップ5:(+/−)−tert−ブチル(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(C64)の合成
純粋な(+/−)−tert−ブチル(2−((3R,4R,6R)−3−(3−ベンゾイルチオウレイド)−4−(ヒドロキシメチル)−6−(トリフルオロメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(C63)(3.1g、5.53mmol、1当量)のアセトニトリル(50mL)溶液に、室温で、EDCI(1.27g、6.64mmol、1.2当量)を一度に加えた。懸濁液を室温で16時間、次いで25〜30℃で2時間、次いで30℃で16時間撹拌した。反応溶液を濃縮して白色の固体を得、これをジクロロメタン(200mL)に溶解し、次いで水(100mL×2)で洗浄した。水層を追加のジクロロメタン(100mL)で洗浄し、次いで、合わせた低有機抽出物を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(+/−)−tert−ブチル(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(C64)(2.85g、白色の泡状物、収率:97.9%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 12.11 (br. s., 1H), 8.25 (d, J=5.5 Hz, 2H), 7.49-7.56 (m, 1H),
7.41-7.48 (m, 2H), 7.23 (br. s., 1H), 4.27-4.34 (m, 1H), 4.08-4.23 (m, 2H),
3.98-4.08 (m, 2H), 2.82-2.92 (m, 1H), 1.95-2.08 (m, 2H), 1.53 (s, 9H). LCMS m/z
548.8 [M+Na]+.
【0243】
ステップ6:(+/−)−N−((4aR,6R,8aR)−8a−(4−アミノチアゾール−2−イル)−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C65)の合成
黄色の(+/−)−tert−ブチル(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)カルバメート(C64)(2.35g、4.46mmol、1当量)のジクロロメタン(10mL)溶液に、室温でトリフルオロ酢酸(6mL)を加えた。黄色の溶液を45℃で25分間撹拌し、LCMS分析によって、完了したと判断された。反応溶液を、より小さいスケールでの先行反応溶液(0.95mmolの同じ限定試薬、2mLのジクロロメタン、2mLのトリフルオロ酢酸)と合わせ、その結果得られる、合わせた溶液をジクロロメタン(100mL)で希釈し、室温で、飽和NaHCO水溶液(100mL)中に注いだ。水相をジクロロメタン(40mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、淡黄色の粗固体(2.1g)を得、これをジクロロメタン:酢酸エチル(1:1 v:v、50mL)に溶解し、約10mLの溶媒が残るまで濃縮し、室温で20分間静置しておき、次いで濾過して、白色の固体(約1.4g)を得た。濾液を、約5mLの溶媒が残るまで濃縮し、次いで室温で終夜(約16時間)静置しておいた。さらなる白色の固体を濾過し、収穫された両方の白色固体を合わせ、真空乾燥して、(+/−)−N−((4aR,6R,8aR)−8a−(4−アミノチアゾール−2−イル)−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C65)(1.7g、白色の固体、両方の反応からの平均収率:73.6%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 12.06 (br. s., 1H), 8.25 (d, J=7.5 Hz, 2H), 7.49-7.56 (m, 1H),
7.40-7.48 (m, 2H), 5.99 (s, 1H), 4.35 (dd, J=2.8, 11.8 Hz, 1H), 4.16-4.23 (m, 1H),
3.99-4.16 (m, 5H), 2.95 (dd, J=7.5, 10.0 Hz, 1H), 1.94-2.08 (m, 2H). LCMS m/z
427.0 [M+H]+
【0244】
(実施例10)
キラルなN−(2−((4aS,6S,8aS)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド(10b)およびキラルなN−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド(10a)
【0245】
【化30】
【0246】
ステップ1:(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド(C66)の合成
市販品として入手可能な5−クロロピコリン酸(96mg、0.609mmol、1.4当量)の、撹拌状態のジクロロメタン(20mL)溶液に、約15℃で、HATU(240mg、0.631mmol、1.45当量)およびトリエチルアミン(75mg、0.741mmol、1.703当量)を加えた。30分後、(+/−)−N−((4aR,6R,8aR)−8a−(4−アミノチアゾール−2−イル)−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C65)(200mg、0.435mmol)を一度に加えた。得られた混合物を室温で17時間撹拌し、次いでジクロロメタン(50mL)で希釈し、ブライン溶液(30mL×2)で洗浄した。合わせた水層を追加のジクロロメタン(25mL)で洗浄した。合わせた有機層を、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド(C66)(430mg、塩素同位体パターンが認められたLCMS m/z 566.1 [M+H]+によって求めた純度52.502%)をオフホワイト色の固体として得、これをそれ以上精製せずにそのまま次のステップに使用した。
【0247】
ステップ2:(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド(C67)の合成
粗(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド(C66)(430mg、0.435mmol、1当量)のエタノール(20mL)懸濁液に、室温で、メトキシルアミン塩酸塩(363mg、4.35mmol、10当量)およびピリジン(3.44g、43.5mmol、100当量)を加えた。反応混合物を60℃で16時間撹拌した。得られた溶液を濃縮して粗生成物を得、これをアキラル分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18 250mm×21.2mm×5μm、勾配:0.05%のアンモニアを含有する46%の水中アセトニトリルから0.05%のアンモニアを含有する66%の水中アセトニトリル、勾配時間:10分;0.05%のアンモニアを含有する66%の水中アセトニトリルで2分間保持、流量:30mL/分)によって精製して、凍結乾燥後に、(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド(C67)(64mg、2ステップで収率31.9%、塩素同位体パターンが認められたLCMS m/z 462.0 [M+H]+による純度92.921%)を白色の固体として得た。
【0248】
ステップ3(キラル分離):
(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド(C67)(64mg)を、キラル超臨界流体クロマトグラフィー(カラム:Chiralpak AD、250mm×30mm、5μm;移動相:6/4の二酸化炭素/0.1%の水酸化アンモニウム水溶液を含有するエタノール;流量:50mL/分)に掛けた。凍結乾燥後、最初に溶離するエナンチオマーを白色の固体(13mg)として得、アキラル分取HPLCおよび凍結乾燥を2サイクル(カラム:Phenomenex Gemini C18 250mm×50mm、10μm;移動相:0.05%のアンモニアを含有する46%の水中アセトニトリルから、10分かけて、0.05%のアンモニアを含有する66%の水中アセトニトリル、0.05%のアンモニアを含有する66%の水中アセトニトリルで2分間保持;流量:30mL/分)行って精製し直した。最終の凍結乾燥後(6mg、収率9.4%、白色の固体)、最初のエナンチオマーを、この化合物の生物活性(不活性)に基づき、N−(2−((4aS,6S,8aS)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド(10b)に割り当てた。LCMS m/z 461.9 [M+H]+、塩素同位体パターンが認められた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.39 (s, 1H), 8.53-8.62 (m, 1H), 8.24 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.88-7.93
(m, 1H), 7.76 (s, 1H), 4.29 (br. s., 2H), 3.85-4.08 (m, 5H), 2.75-2.83 (m, 1H),
1.84-1.96 (m, 2H).
【0249】
凍結乾燥後、2番目に溶離するエナンチオマーを白色の固体(11mg)として得、アキラル分取HPLCおよび凍結乾燥を2サイクル(カラム:Phenomenex Gemini C18 250mm×50mm、10μm;移動相:0.05%のアンモニアを含有する46%の水中アセトニトリルから、10分かけて、0.05%のアンモニアを含有する66%の水中アセトニトリル、0.05%のアンモニアを含有する66%の水中アセトニトリルで2分間保持;流量:30mL/分)行って精製し直した。最終の凍結乾燥後(8mg、収率12%、白色の固体)、2番目のエナンチオマーを、この化合物の生物活性(活性)に基づき、N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド(10a)に割り当てた。LCMS m/z 483.9 [M+Na]+、塩素同位体パターンが認められた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.39 (br. s., 1H), 8.59 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.24 (d, J=8.0 Hz, 1H),
7.88-7.93 (m, 1H), 7.76 (s, 1H), 4.29 (br. s., 2H), 3.85-4.08 (m, 5H),
2.74-2.83 (m, 1H), 1.84-1.96 (m, 2H)
【0250】
(実施例11)
キラルなN−(2−((4aS,6S,8aS)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(11a)およびキラルなN−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(11b)
【0251】
【化31】
ステップ1:(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(C68)の合成
このラセミ体は、粗(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド(C66)についての手順に従い、(+/−)−N−((4aR,6R,8aR)−8a−(4−アミノチアゾール−2−イル)−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C65)(200mg、0.435mmol)、5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリン酸(124mg、0.609mmol)、ジクロロメタン(20mL)、HATU(240mg、0.631mmol、1.45当量)、およびトリエチルアミン(75mg、0.741mmol、1.703当量)を使用して調製した。粗(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(C68)(445mg、LCMS m/z 612.1 [M+H]+による純度80.85%)を濃厚な黄色のオイルとして取得し、それ以上精製せずにそのまま次のステップで使用した。
【0252】
ステップ2:(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(C69)の合成。このラセミ体は、(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミドC67について予め記載した手順に従い、粗(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(C68)(445mg)、エタノール(20mL)、メトキシルアミン塩酸塩(363mg、4.35mmol)、およびピリジン(3.44g、43.5mmol)を使用して調製した。アキラル分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18 250mm×21.2mm、5μm;勾配:0.05%のアンモニアを含有する46%の水中アセトニトリルから0.05%のアンモニアを含有する66%の水中アセトニトリル;勾配時間:10分;0.05%のアンモニアを含有する66%の水中アセトニトリルで2分間保持;流量:30mL/分)によって精製して、凍結乾燥後に、(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(C69)(61mg、2ステップで収率27.6%、LCMS m/z 508.1 [M+H]+による純度90.93%)を白色の固体として得た。
【0253】
ステップ3(キラル分離):
ラセミ体(C69)(61mg)を、キラル超臨界流体クロマトグラフィー(カラム:Chiralpak AD、250mm×30mm、5um;移動相:75/25の二酸化炭素/0.1%の水酸化アンモニウム水溶液を含有するエタノール;流量:60mL/分)に掛けた。
【0254】
凍結乾燥後、最初に溶離するエナンチオマーを白色の固体(25mg)として得、アキラル分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna C18 250mm×50mm、10μm;移動相:0.05%のアンモニアを含有する30%の水中アセトニトリルから、8分かけて、0.05%のアンモニアを含有する70%の水中アセトニトリル、0.05%のアンモニアを含有する70%の水中アセトニトリルで1分間保持;流量:35mL/分)によって精製し直した。凍結乾燥後(15mg、収率25%、オフホワイト色の固体)、最初のエナンチオマーを、この化合物の生物活性に基づき、N−(2−((4aS,6S,8aS)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(11b)に割り当てた。LCMS m/z 508.0 [M+H]+ 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.58 (s, 1H), 8.33 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.40-7.45 (m,
1H), 6.64 (t, JHF=72.3 Hz, 1H), 4.23 (br. s., 2H), 3.94-4.09 (m,
3H), 3.89 (d, J=11.5 Hz, 2H), 2.84 (s, 3H), 2.74-2.81 (m, 1H), 1.82-1.99 (m,
2H).
【0255】
凍結乾燥後、2番目に溶離するエナンチオマーを白色の固体(27mg、収率44%)として取得し、この化合物の生物活性に基づき、N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミド(11a)に割り当てた。LCMS m/z 508.0 [M+H]+ 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 10.57 (s, 1H), 8.31-8.35 (m, 1H), 7.71 (s, 1H),
7.40-7.44 (m, 1H), 6.64 (t, JHF=72.3 Hz, 1H), 4.27 (br. s., 2H),
3.94-4.09 (m, 3H), 3.89 (d, J=11.0 Hz, 2H), 2.84 (s, 3H), 2.74-2.81 (m, 1H),
1.82-1.99 (m, 2H).
【0256】
(実施例12)
キラルなN−(2−((4aS,6S,8aS)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(12b)およびキラルなN−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(12a)
【0257】
【化32】
ステップ1:(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C70)の合成
このラセミ体は、粗(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド(C66)についての手順に従い、(+/−)−N−((4aR,6R,8aR)−8a−(4−アミノチアゾール−2−イル)−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C65)(200mg、0.435mmol)、5−(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸(115mg、0.609mmol)、ジクロロメタン(20mL)、HATU(240mg、0.631mmol、1.45当量)、およびトリエチルアミン(75mg、0.741mmol、1.703当量)を使用して調製した。粗(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C70)(395mg、LCMS m/z 620.0 [M+Na]+による純度84.91%)を白色の固体として取得し、それ以上精製せずにそのまま次のステップで使用した。
【0258】
ステップ2:(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C71)の合成
このラセミ体は、(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド(C67)について予め記載した手順に従い、粗(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C70)(395mg)、エタノール(20mL)、メトキシルアミン塩酸塩(363mg、4.35mmol)、およびピリジン(3.44g、43.5mmol)を使用して調製した。アキラル分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18 250mm×21.2mm×5μm、勾配:0.05%のアンモニアを含有する41%の水中アセトニトリルから0.05%のアンモニアを含有する61%の水中アセトニトリル、勾配時間:10分、0.05%のアンモニアを含有する61%の水中アセトニトリルで2分間保持、流量:30mL/分)によって精製して、凍結乾燥後に、(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C71)(74mg、2ステップで収率34.5%、LCMS m/z 494.1 [M+H]+による純度93.57%)を白色の固体として得た。
【0259】
ステップ5(キラル分離):
ラセミ体(C71)(74mg)を、キラル超臨界流体クロマトグラフィー(カラム:Chiralpak AD、250mm×30mm、5um;移動相:65/35の二酸化炭素/0.1%の水酸化アンモニウム水溶液を含有するエタノール;流量:50mL/分)に掛けた。
【0260】
凍結乾燥後、最初に溶離するエナンチオマーを白色の固体(30mg)として得、アキラル分取HPLC(カラム:DuraShell C18 150mm×25mm、5μm;移動相:0.05%のアンモニアを含有する38%の水中アセトニトリルから、10分かけて、0.05%のアンモニアを含有する58%の水中アセトニトリル、0.05%のアンモニアを含有する58%の水中アセトニトリルで2分間保持;流量:30mL/分)によって精製し直した。凍結乾燥後(16mg、収率22%、白色の固体)、最初のエナンチオマーを、この化合物の生物活性に基づき、N−(2−((4aS,6S,8aS)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(12b)に割り当てた。LCMS m/z 493.9 [M+H]+ 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 10.39 (s, 1H), 8.46-8.51 (m, 1H), 8.32 (d, J=8.5 Hz,
1H), 7.75 (s, 1H), 7.68 (dd, J=1.8, 8.8 Hz, 1H), 6.66 (t, JHF=72.0
Hz, 1H), 4.24 (br. s., 2H), 3.94-4.08 (m, 3H), 3.85-3.93 (m, 2H), 2.73-2.82 (m,
1H), 1.82-1.99 (m, 2H).
【0261】
凍結乾燥後、2番目に溶離するエナンチオマーを白色の固体(29mg)として得、キラル超臨界流体クロマトグラフィー(カラム:Chiralpak AD、250mm×30mm、5μm;移動相:75/25の二酸化炭素/0.1%の水酸化アンモニウム水溶液を含有するエタノール;流量:60mL/分)、凍結乾燥、次いで、アキラル分取HPLC(カラム:DuraShell C18 150mm×25mm、5μm;移動相:0.05%のアンモニアを含有する38%の水中アセトニトリルから、10分かけて、0.05%のアンモニアを含有する58%の水中アセトニトリル、0.05%のアンモニアを含有する58%の水中アセトニトリルで2分間保持;流量:30mL/分)に掛け直した。凍結乾燥後(14mg、収率19%、白色の固体)、2番目のエナンチオマーを、この化合物の生物活性に基づき、N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(12a)に割り当てた。LCMS m/z 493.9 [M+H]+ 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.39 (s, 1 H), 8.48 (d, J=2.5 Hz, 1H), 8.32 (d, J=8.5 Hz, 1H),
7.75 (s, 1H), 7.68 (dd, J=2.5, 8.0 Hz, 1H), 6.66 (t, JHF=72.0 Hz,
2H), 4.24 (br. s., 2H), 3.94-4.08 (m, 3H), 3.85-3.93 (m, 2H), 2.73-2.82 (m,
1H), 1.82-1.99 (m, 2H).
【0262】
(実施例13)
キラルなN−(2−((4aS,6S,8aS)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(13b)およびキラルなN−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(13a)
【0263】
【化33】
ステップ1:(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C72)の合成
このラセミ体は、粗(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド(C66)についての手順に従い、(+/−)−N−((4aR,6R,8aR)−8a−(4−アミノチアゾール−2−イル)−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル)ベンズアミド(C65)(200mg、0.435mmol)、3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸(122mg、0.544mmol)、ジクロロメタン(20mL)、HATU(240mg、0.631mmol、1.45当量)、およびトリエチルアミン(75mg、0.741mmol、1.703当量)を使用して調製した。(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C72)(460mg、塩素同位体パターンが認められたLCMS m/z 654.0 [M+Na]+による純度88.25%)を濃厚な黄色のオイルとして取得し、それ以上精製せずにそのまま次のステップで使用した。
【0264】
ステップ2:(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C73)の合成
表題化合物(C73)は、(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−クロロピコリンアミド(C67)について予め記載した手順に従い、粗(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−ベンズアミド−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C72)(462mg)、エタノール(20mL)、メトキシルアミン塩酸塩(363mg、4.35mmol)、およびピリジン(3.44g、43.5mmol)を使用して調製した。アキラル分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18 250mm×21.2mm×5μm、勾配:0.05%のアンモニアを含有する44%の水中アセトニトリルから0.05%のアンモニアを含有する64%の水中アセトニトリル、勾配時間:10分、0.05%のアンモニアを含有する64%の水中アセトニトリルで2分間保持、流量:30mL/分)によって精製して、(+/−)−N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド(C73)(163mg、2ステップで収率71.0%、塩素同位体パターンが認められたLCMS m/z 528.1 [M+H]+による純度93.18%)を白色の固体として得た。
【0265】
ステップ9(キラル分離):
ラセミ体(C73)(163mg)を、キラル超臨界流体クロマトグラフィー(カラム:Chiralpak AD、250mm×30mm、5μm;移動相:75/25の二酸化炭素/0.1%の水酸化アンモニウム水溶液を含有するイソプロパノール;流量:60mL/分)に掛けた。
【0266】
凍結乾燥後、最初に溶離するエナンチオマーを白色の固体(52mg)として得、アキラル分取HPLC(カラム:DuraShell C18 150mm×25mm、5μm;移動相:0.05%のアンモニアを含有する41%の水中アセトニトリルから、10分かけて、0.05%のアンモニアを含有する61%の水中アセトニトリル、0.05%のアンモニアを含有する61%の水中アセトニトリルで2分間保持;流量:30mL/分)によって精製し直した。凍結乾燥後(22mg、収率20.5%、白色の固体)、最初のエナンチオマーを、この化合物の生物活性に基づき、N−(2−((4aS,6S,8aS)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミドに割り当てた(13b)(不活性)。LCMS m/z 527.9 [M+H]+、塩素同位体パターンが認められた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.34 (s, 1H), 8.42 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.70 (d, J=2.5
Hz, 1H), 6.67 (t, JHF=71.3 Hz, 1H), 4.24 (br. s., 2H), 3.94-4.08 (m,
3H), 3.84-3.92 (m, 2H), 2.72-2.80 (m, 1H), 1.81-1.99 (m, 2H).
【0267】
凍結乾燥後、2番目に溶離するエナンチオマーを白色の固体(47mg)として得、アキラル分取HPLC(カラム:DuraShell C18 150mm×25mm、5μm;移動相:0.05%のアンモニアを含有する41%の水中アセトニトリルから、10分かけて、0.05%のアンモニアを含有する61%の水中アセトニトリル、0.05%のアンモニアを含有する61%の水中アセトニトリルで2分間保持;流量:30mL/分)によって精製し直した。凍結乾燥後(19mg、収率18%、白色の固体)、2番目のエナンチオマーを、この化合物の生物活性に基づき、N−(2−((4aR,6R,8aR)−2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン−8a(8H)−イル)チアゾール−4−イル)−3−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミドに割り当てた(13a)(活性)。LCMS m/z 527.9 [M+H]+、塩素同位体パターンが認められた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.34 (s, 1H), 8.34 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.70 (d, J=2.0
Hz, 1H), 6.67 (t, JHF=71.3 Hz, 1H), 4.23 (br. s., 2H), 3.94-4.08 (m,
3H), 3.85-3.93 (m, 2H), 2.72-2.80 (m, 1H), 1.82-1.99 (m, 2H).
【0268】
調製例P10
N−((4a’R,8a’R)−8a’−(4−アミノチアゾール−2−イル)−4a’,5’,8’,8a’−テトラヒドロ−4’H−スピロ[シクロブタン−1,6’−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン]−2’−イル)ベンズアミド(C84)
【0269】
【化34】
ステップ1.1−(プロパ−2−エン−1−イル)シクロブタノール(C74)の合成。
0℃のシクロブタノン(6.00g、85.6mmol)のテトラヒドロフラン(60mL)溶液に、塩化アリルマグネシウム(2.0Mテトラヒドロフラン溶液、85.6mL、171mmol)を滴下して添加した。反応混合物を0℃で1時間、次いで室温で1時間撹拌し、その後、飽和塩化アンモニウム水溶液(150mL)を添加した後、塩酸水溶液(6M、25mL)を加えた。その結果生じた混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3×150mL)で、水層に関して塩基性のpHが認められるまで洗浄した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(150mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルに吸着させた。シリカゲルでのクロマトグラフィー(勾配:0%〜60%のヘプタン中酢酸エチル)によって、生成物を無色のオイルとして得た。収量:5.13g、45.7mmol、53%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.94-5.83 (m, 1H), 5.22-5.20 (m, 1H), 5.20-5.16 (m, 1H), 2.39 (br
d, J=7.2 Hz, 2H), 2.10-2.04 (m, 4H), 1.81-1.71 (m, 1H), 1.61-1.49 (m, 1H).
【0270】
ステップ2.1−(2,2−ジメトキシエトキシ)−1−(プロパ−2−エン−1−イル)シクロブタン(C75)の合成。水素化ナトリウム(鉱油中60%、3.84g、96.0mmol)の1,4−ジオキサン(60mL)懸濁液に、C74(5.13g、45.7mmol)を滴下して添加した。反応混合物を室温で45分間撹拌した後、2−ブロモ−1,1−ジメトキシエタン(10.8mL、91.4mmol)をゆっくりと加え、反応混合物を100℃で16時間加熱し、その後、これを冷却し、氷水(800mL)中に注いだ。その結果生じた混合物を酢酸エチル(3×150mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(勾配:0%〜70%のヘプタン中酢酸エチル)によって、生成物を無色のオイルとして得た。収量:3.45g、17.2mmol、38%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.91-5.80 (m, 1H), 5.17-5.12 (m, 1H), 5.12-5.08 (m, 1H), 4.46 (t,
J=5.2 Hz, 1H), 3.40 (s, 6H), 3.36 (d, J=5.2 Hz, 2H), 2.41 (br d, J=7.0 Hz, 2H),
2.17-2.07 (m, 2H), 1.97-1.89 (m, 2H), 1.80-1.70 (m, 1H), 1.61-1.48 (m, 1H).
【0271】
ステップ3.N−ヒドロキシ−2−{[1−(プロパ−2−エン−1−イル)シクロブチル]オキシ}エタンイミン(C76)の合成 C75(3.45g、17.2mmol)のエタノール(28mL)および水(5mL)溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.72g、24.8mmol)を加えた。反応混合物を90分間70℃に加熱し、その後、これを室温に冷却し、酢酸ナトリウム(97%、2.91g、34.4mmol)の水(5mL)溶液で処理した。その結果生じた混合物を室温で10分間撹拌し、真空中で濃縮し、残渣をジクロロメタン(100mL)と水(150mL)とに分配した。水層をジクロロメタン(2×150mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物を無色のオイルとして得た。H NMRによって、この材料は、オキシムに関する幾何異性体の混合物であると判断された。収量:2.72g、16.1mmol、94%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ [7.49 (t, J=5.6 Hz)および6.90 (br t, J=3 Hz), 計1H], 5.90-5.77 (m, 1H), 5.18-5.14 (m, 1H), 5.14-5.10 (m, 1H), [4.23
(br d, J=3.5 Hz)および3.99 (d, J=5.5 Hz), 計2H], 2.43 (br d, J=7 Hz, 2H), 2.18-2.07 (m, 2H), 2.00-1.92 (m, 2H),
1.83-1.73 (m, 1H), 1.65-1.51 (m, 1H).
【0272】
ステップ4.3a’,4’−ジヒドロ−3’H,7’H−スピロ[シクロブタン−1,5’−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール](C77)の合成。
C76(2.72g、16.1mmol)のジクロロメタン(76mL)溶液に、−10℃の内部温度で、次亜塩素酸塩ナトリウム溶液(5.6〜6%、21.2mL、18mmol)を、反応物の内部温度が決して0℃を越えて上昇することのないような速度で滴下して添加した。添加が完了した後、反応混合物を−10℃で3時間撹拌し、その後、これを16時間かけてゆっくりと室温に加温した。反応混合物を水(500mL)で希釈し、水層をジクロロメタン(2×250mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、シリカゲルに吸着させた。シリカゲルでのクロマトグラフィー(勾配:0%〜80%のヘプタン中酢酸エチル)によって、生成物を無色のオイルとして得た。収量:2.06g、12.3mmol、76%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.60 (dd, J=10.2, 7.9 Hz, 1H), 4.52 (d, J=13.6 Hz, 1H), 4.20 (dd,
J=13.6, 1.3 Hz, 1H), 3.80 (dd, J=11.6, 7.9 Hz, 1H), 3.52-3.40 (m, 1H), 2.40
(dd, J=12.9, 6.3 Hz, 1H), 2.30-2.20 (m, 1H), 2.19-2.02 (m, 2H), 2.00-1.83 (m,
2H), 1.76-1.57 (m, 2H).
【0273】
ステップ5.cis−7a’−(4−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)テトラヒドロ−1’H,3’H−スピロ[シクロブタン−1,5’−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール](C78)の合成。
−76℃(内部温度)の、2,4−ジブロモ−1,3−チアゾール(3.78g、15.6mmol)のトルエンとテトラヒドロフランの混合物(10:1、80mL)中の溶液に、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(1.85mL、14.6mmol)を添加した後、n−ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液、5.74mL、14.4mmol)を滴下で添加した。このように加えている間はどちらも終始、反応混合物の内部温度を−70℃未満に保った。次いで、反応混合物を−76℃(内部温度)で30分間撹拌し、その後、C77(2.0g、12.0mmol)のトルエンとテトラヒドロフランの混合物(10:1、6mL)中の溶液を加えた。追加のトルエン/テトラヒドロフラン(10:1、6mL)を使用してC77フラスコをすすぎ、これも反応混合物に加えた。撹拌を−76℃で1時間継続し、この時点で、飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)を加えて反応物をクエンチし、次いで室温に加温した。その結果生じた混合物を酢酸エチル(200mL)と水(500mL)とに分配し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(勾配:0%〜80%のヘプタン中酢酸エチル)によって、生成物を黄色の固体として得た。収量:3.32g、10.0mmol、83%。LCMS m/z 331.3, 333.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 7.21 (s, 1H), 3.96 (d, J=12.8 Hz,
1H), 3.76-3.70 (m, 3H), 3.41-3.34 (m, 1H), 2.31-2.09 (m, 4H), 2.02-1.93 (m,
1H), 1.91-1.80 (m, 1H), 1.74-1.59 (m, 2H).
【0274】
ステップ6.[rel−(7R,8R)−7−アミノ−7−(4−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)−5−オキサスピロ[3.5]ノナ−8−イル]メタノール(C79)の合成。
C78のC79への変換を、実施例6においてC31からのC30の合成について記載した手順に従って実施した。生成物を橙色の固体として単離した。収量:3.2g、9.6mmol、96%。1H NMR (400 MHz, CDCl3), 特徴的なピーク: δ 7.20 (s, 1H), 3.75 (d, J=11.5 Hz, 1H),
3.70 (dd, J=11.4, 3.7 Hz, 1H), 3.51 (dd, J=11.4, 3.9 Hz, 1H), 3.30 (d, J=11.5
Hz, 1H), 2.49-2.41 (m, 1H), 2.27-1.80 (m, 6H), 1.74-1.61 (m, 1H).
【0275】
ステップ7.N−{[rel−(7R,8R)−7−(4−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)−8−(ヒドロキシメチル)−5−オキサスピロ[3.5]ノナ−7−イル]カルバモチオイル}ベンズアミド(C80)の合成。
C79(2.2g、6.6mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に、イソチオシアン酸ベンゾイル(0.938mL、6.98mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、その後、これを真空中で濃縮して、生成物を黄色の固体(3.3g)として得た。この材料をそのまま次のステップで使用した。
【0276】
ステップ8.N−[cis−8a’−(4−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)−4a’,5’,8’,8a’−テトラヒドロ−4’H−スピロ[シクロブタン−1,6’−ピラノ[3,4−d][1,3]チアジン]−2’−イル]ベンズアミド(C81)およびN−((4a’R,8a’R)−8a’−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−4a’,5’,8’,8a’−テトラヒドロ−4’H−スピロ[シクロブタン−1,6’−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン]−2’−イル)ベンズアミド(C82)の合成。
C24(先行ステップより、3.3g、≦6.6mmol)とメトキシベンゼン(2.17mL、20.0mmol)の1,2−ジクロロエタン(44mL)中の混合物に、トリフルオロメタンスルホン酸(1.74mL、19.7mmol)をすばやく加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、その後、これをジクロロメタン(100mL)で希釈し、1M水酸化ナトリウム水溶液(150mL)で処理した。その結果生じた二相の混合物を室温で15分間撹拌し、この時点で、水層をジクロロメタン(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(250mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。その結果生じた黄色の固体をヘプタン(15mL)で摩砕して、生成物81(1.08g)を白色の固体として得た。摩砕からの濾液を減圧下で濃縮し、ジクロロメタンとメタノール(9:1)の混合物に溶解し、シリカゲルに吸着させた。シリカゲルでのクロマトグラフィー(勾配:0%〜70%のヘプタン中酢酸エチル)によって、オフホワイト色の固体が得られ、これをヘプタンで摩砕して、追加の生成物(0.77g)を白色の固体として得た。合わせた収量:1.85g、3.87mmol、2ステップで59%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.24-7.88 (br s, 2H), 7.60-7.52 (m, 1H), 7.52-7.40 (m, 2H), 7.23
(s, 1H), 3.82 (AB四重線, 低磁場二重線が広がっている, JAB=11.6 Hz, ΔνAB=85.4 Hz, 2H), 3.23-3.14 (m, 1H), 3.14-3.02 (m, 1H), 2.61 (br d,
J=12.5 Hz, 1H), 2.31-2.11 (m, 3H), 2.11-1.95 (m, 2H), 1.93-1.80 (m, 2H),
1.75-1.61 (m, 1H). 少量のC82も、この反応から単離された。これは、他の同様の反応から得られた試料と合わせ、そのまま次のステップで使用した。LCMS m/z 464.3 [M+H]+ 臭素同位体パターンが認められた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.20 - 8.30 (m, 2H), 7.51 (m, J=7.4 Hz, 1H), 7.41 - 7.48 (m,
2H), 7.27 (s, 1H), 4.16 - 4.34 (m, 2H), 4.00 (d, J=12.5 Hz, 1H), 3.78 (br. s.,
1H), 2.94 - 3.02 (m, 1H), 2.11 - 2.31 (m, 3H), 1.94 - 2.02 (m, 2H), 1.79 - 1.92
(m, 2H), 1.67 (m, J=11.5, 9.3, 9.3 Hz, 1H).
【0277】
ステップ9.N−((4a’R,8a’R)−8a’−(4−アミノチアゾール−2−イル)−4a’,5’,8’,8a’−テトラヒドロ−4’H−スピロ[シクロブタン−1,6’−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン]−2’−イル)ベンズアミド(C84)
C82(68mg、0.15mmol)を含有するフラスコに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(96% 12.2mg、13.4μmol)、[1,1’−ビフェニル]−2−イルジ−tert−ブチルホスファン(John Phos)(9.30mg、0.0312mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(47.1mg、0.490mmol)、およびベンゾフェノンイミン(32.3mg、0.178mmol、29.8μL)に続いて、トルエン(0.94mL)を加えた。混合物を3回排気し、Nで再充填した。混合物を60℃で1時間撹拌した。LCMSによる分析によって、出発材料が残っていないことが示され、イミンの所望の生成物分子量が認められた。LCMS m/z 563.7 [M+H]+. 反応混合物をceliteで濾過し、次いで真空中で濃縮した。回収されたC83は、琥珀色のオイルであり、この材料をそのまま次のステップで使用した。C83(83.0mg、0.15mmol)をメタノール(2mL)に溶解し、ヒドロキシルアミンHCl(20.5mg、0.295mmol)および酢酸ナトリウム(24.2mg、0.295mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で約45分間撹拌した。LCMSによる分析によって、脱保護が完了したことが示された。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応物をクエンチし、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、真空中で濃縮した。残渣を、0〜100%の酢酸エチル/ヘプタンの勾配で溶離する4g金カラムでのクロマトグラフィー(SIM)に掛けた。黄色の固体が回収された。収量:651mg、1.15mmol、55%。LCMS m/z 399.3 [M+H]+ 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ ppm 8.22 - 8.27 (m, 2H), 7.46 - 7.53 (m, 1H), 7.38 -
7.45 (m, 2H), 5.94 (s, 1H), 4.33 (dd, J=11.7, 2.7 Hz, 1H), 3.97 - 4.17 (m, 4H),
3.72 (d, J=12.5 Hz, 1H), 2.82 - 2.90 (m, 1H), 2.21 (m, J=9.0 Hz, 3H), 1.78 -
2.01 (m, 4H), 1.60 - 1.73 (m, 1H)
【0278】
(実施例14)
N−(2−((4a’R,8a’R)−2’−アミノ−4a’,5’−ジヒドロ−4’H−スピロ[シクロブタン−1,6’−ピラノ3,4−d][1,3]オキサジン]−8a’(8’H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミドの合成
【0279】
【化35】
C84の実施例14への変換を、C65の実施例10aへの変換について記載した手順に従って実施した。LCMS m/z 466.4 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ ppm 10.37 (s, 1H), 8.48 (d, J=2.7
Hz, 1H), 8.31 (dd, J=8.6, 0.8 Hz, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.67 (dd, J=8.6, 2.7 Hz,
1H), 6.45 - 6.83 (m, 1H), 4.15 (br. s., 2H), 4.03 (dd, J=11.0, 2.7 Hz, 1H),
3.78 - 3.88 (m, 2H), 3.62 (d, J=11.7 Hz, 1H), 2.65 - 2.73 (m, 1H), 2.11 - 2.31
(m, 3H), 1.93 - 2.02 (m, 1H), 1.75 - 1.91 (m, 3H), 1.61 - 1.73 (m, 1H).
【0280】
(実施例15)
N−(2−((4a’R,8a’R)−2’−アミノ−4a’,5’−ジヒドロ−4’H−スピロ[シクロブタン−1,6’−ピラノ[3,4−d][1,3]オキサジン]−8a’(8’H)−イル)チアゾール−4−イル)−5−(ジフルオロメトキシ)−3−メチルピコリンアミドの合成
【0281】
【化36】
C84の実施例15への変換を、C65の実施例10aへの変換について記載した手順に従って実施した。LCMS m/z 480.4 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ ppm 10.54 (s, 1H), 8.27 - 8.38 (m,
1H), 7.67 (s, 1H), 7.39 - 7.42 (m, 1H), 6.43 - 6.81 (m, 1H), 4.15 (br. s., 2H),
4.03 (dd, J=11.0, 3.1 Hz, 1H), 3.78 - 3.88 (m, 2H), 3.62 (d, J=11.4 Hz, 1H),
2.83 (s, 3H), 2.65 - 2.73 (m, 1H), 2.10 - 2.32 (m, 3H), 1.93 - 2.02 (m, 1H),
1.75 - 1.90 (m, 3H), 1.62 - 1.73 (m, 1H).
【0282】
実施例16〜19の化合物は、一般式RCOHの適切な酸をC84と結合させた後、脱保護およびキラル分離を行うことにより、実施例14および15の化合物の調製と似たようにして調製することができる。実施例20〜24の化合物は、一般式RCOHの適切な酸をC65と結合させた後、脱保護およびキラル分離を行うことにより、実施例10〜13(より詳細には、10a、11a、12a、および13a)の化合物の調製と似たようにして調製することができる。
【0283】
【表1-1】
【0284】
【表1-2】
【0285】
【表1-3】
【0286】
【表1-4】
【0287】
生物学的アッセイ
BACE1無細胞アッセイ:β−セクレターゼ(BACE)は、アルツハイマー病患者のアミロイド斑において見出されるアミロイドβペプチドの産生に関与する酵素の1つである。β−セクレターゼ酵素は非天然ペプチドを切断するため、このアッセイはβ−セクレターゼ酵素の阻害を測定する。
【0288】
β−セクレターゼによって切断することができ、N−末端ビオチンを有し、かつCys残基におけるオレゴングリーンの共有結合によって蛍光性とされた合成APP基質を使用して、阻害性化合物の存在下または非存在下でβ−セクレターゼ活性をアッセイする。基質は、ビオチン−GLTNIKTEEISEISY^EVEFR−C[オレゴングリーン]KK−OHである。BACE1酵素は、可溶性BACEコンストラクト(BACE1δTM96His)をトランスフェクトされたCHO−K1細胞の条件培地からアフィニティー精製された材料である。化合物を、384ウェルブラックプレートにおいてBACE1酵素およびビオチン化蛍光性ペプチドと共に、100μMの最も高い濃度から半対数用量反応曲線においてインキュベートする(Thermo Scientific #4318)。30μLのアッセイ緩衝液[100mMの酢酸ナトリウム、pH4.5(酢酸によってpHとする)、および0.001%Tween−20]の反応容量中で、BACE1は0.1nMの最終濃度であり、ペプチド基質の最終濃度は150nMである。プレートを覆い、37℃で3時間インキュベートする。30μLのストレプトアビジン(1.5μM)(Pierce、#21125)を添加することによって反応を停止させる。室温にて10分のインキュベーション後に、プレートを、蛍光偏光についてPerkinElmer EnVision上で読み取る(Ex485nm/Em530nm)。β−セクレターゼ酵素の活性を、基質が酵素によって切断されたときに起こる蛍光偏光の変化によって検出する。化合物阻害剤の存在下でのインキュベーションは、合成APP基質のβ−セクレターゼ酵素的切断の特異的阻害を示す。
【0289】
以下の表2において示す、実施例1〜19についてのIC50データは、BACE1無細胞アッセイを使用して取得した。
【0290】
【表2-1】
【0291】
【表2-2】
【0292】
【表2-3】
【0293】
【表2-4】
【0294】
【表2-5】
【0295】
【表2-6】
【0296】
BACE1シンチレーション近接結合アッセイ(SPA):本BACE1結合アッセイでは、ベータ部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素(BACE)結合を、シンチレーション近接アッセイ(SPA)において結合する放射リガンドのカウントの減少として測定した。放射標識したBACE活性部位結合性低分子阻害剤と、全長BACE1を過剰発現するHEK細胞膜粗調製物を利用して、試験化合物による酵素の結合を、pH6.0で結合した比カウントの減少としてモニターした。HEK細胞において過剰発現される全長ヒトBACE1は、Pfizerの科学者らが調製した。27uLのアッセイ体積中に、3H−(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンリガンド、SPAビーズ、および60μM〜600pMの試験化合物を含有する50mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH=6.0)において、凍結した保存細胞ペーストを反応させた。化合物プレートには、陽性(BACE阻害剤)および陰性(DMSO)対照ウェルも含まれていた。結合は、室温で30分間実施され、次いで、TriLux Microbetaリーダーでプレートを読み取って、結合したカウント数を求めた。生データを、陽性および陰性対照ウェルと比べた効果パーセントに変換し、化合物濃度および試験した化合物についての効果%値をプロットして、4パラメーターロジスティック用量反応式を用いて50%効果(IC50)を求めた。
【0297】
以下の表3において示す、実施例20〜24についてのIC50データは、BACE1シンチレーション近接アッセイ(SPA)を使用して取得した。
【0298】
【表3-1】
【0299】
【表3-2】
【国際調査報告】