(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-532104(P2018-532104A)
(43)【公表日】2018年11月1日
(54)【発明の名称】温度計測システム、方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G01J 5/08 20060101AFI20181005BHJP
G02B 6/26 20060101ALI20181005BHJP
G01J 5/00 20060101ALI20181005BHJP
A61B 5/01 20060101ALI20181005BHJP
G01K 1/02 20060101ALN20181005BHJP
【FI】
G01J5/08 A
G02B6/26 301
G01J5/00 101Z
A61B5/01 350
G01K1/02 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】61
(21)【出願番号】特願2018-507648(P2018-507648)
(86)(22)【出願日】2016年8月11日
(85)【翻訳文提出日】2018年3月12日
(86)【国際出願番号】US2016046526
(87)【国際公開番号】WO2017027695
(87)【国際公開日】20170216
(31)【優先権主張番号】62/204,186
(32)【優先日】2015年8月12日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】513132678
【氏名又は名称】セキュラス メディカル グループ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ケンジャロシ ビンセント
(72)【発明者】
【氏名】ガリボット ジョン ティー
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ ジェシ
(72)【発明者】
【氏名】ビギン エリザベス
【テーマコード(参考)】
2G066
2H137
4C117
【Fターム(参考)】
2G066AC20
2G066BA08
2G066BA09
2G066BA13
2G066BA22
2G066BA25
2G066BA38
2H137AA08
2H137AA14
2H137AB05
2H137AB15
2H137BA02
2H137BA11
2H137BA15
2H137BB12
2H137BC02
2H137BC42
2H137BC52
2H137BC61
2H137BC64
2H137BC71
2H137BC73
2H137CA15A
2H137CA15C
2H137CA15E
2H137CA28E
2H137CA35
2H137CA45
2H137CA46
2H137CA75
2H137CA78
2H137CC27
2H137EA06
2H137EA15
2H137FA06
2H137HA15
4C117XB01
4C117XE23
4C117XE48
(57)【要約】
組織表面の温度推定値を提供するシステムであり、モーションユニットを有するベースを備える。ファイバアセンブリは、その組織表面から赤外エネルギを受け取るよう構成及び配列された少なくとも1本のファイバを有し、赤外エネルギに対し透過性で、基端、先端及び本体を有する。光学素子は、受け取った赤外エネルギをその光ファイバの先端に差し向ける。リンケージはそれらベース・光学素子間に結合され、その内部にファイバが延び、基端にてモーションユニットにまた先端にて光学素子に結合されており、モーションユニットはそのリンケージをファイバアセンブリ周りで回動させることで光学素子を先端にて回動させるよう構成及び配列される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織表面の温度推定値を提供するシステムであって、
モーションユニットを有するベースと、
上記組織表面から赤外エネルギを受け取るよう構成及び配列された少なくとも1本のファイバを有し、赤外エネルギに対し透過性で、基端、先端及び本体を有するファイバアセンブリと、
受け取った赤外エネルギを上記光ファイバの先端に差し向ける光学素子と、
上記ベース・上記光学素子間に結合されており、その内部に上記ファイバが延設されており、基端にて上記モーションユニットにまた先端にて上記光学素子に結合されているリンケージと、
を備え、上記リンケージを上記ファイバアセンブリ周りで回動させることで上記光学素子を上記先端にて回動させるよう上記モーションユニットが構成及び配列されているシステム。
【請求項2】
請求項1のシステムであって、上記リンケージがトルクコイルを備えるシステム。
【請求項3】
請求項1のシステムであって、上記リンケージが長手方向沿いチャネルを有し、その長手方向沿いチャネル内に上記ファイバが位置しているシステム。
【請求項4】
請求項1のシステムであって、上記リンケージが素材の織物を備えるシステム。
【請求項5】
請求項4のシステムであって、上記素材が、ワイヤ、チタンワイヤ、ステンレス鋼ワイヤ、鋼、合金、グラファイト、複合材、プラスチック、並びに素材の織物のうち、少なくとも一種類を含むシステム。
【請求項6】
請求項1のシステムであって、上記リンケージが、捻れ方向には堅固で長手方向には可撓な長尺管状材を備えるシステム。
【請求項7】
請求項1のシステムであって、上記リンケージがレーザカット管材を備えるシステム。
【請求項8】
請求項1のシステムであって、上記光学素子が反射面を有するシステム。
【請求項9】
請求項8のシステムであって、上記反射面が、その上に入射した赤外エネルギを上記ファイバアセンブリの先端へと差し向けるシステム。
【請求項10】
請求項8のシステムであって、上記反射面が、上記ファイバアセンブリの長手方向を横切る方向に沿い自反射面上に入射した赤外エネルギを、同ファイバアセンブリの長手方向に沿いそのファイバアセンブリの先端に差し向けるシステム。
【請求項11】
請求項8のシステムであって、上記反射面が平坦なシステム。
【請求項12】
請求項8のシステムであって、上記反射面が非平坦なシステム。
【請求項13】
請求項12のシステムであって、上記反射面が凸状の輪郭又は凹状の輪郭を有するシステム。
【請求項14】
請求項12のシステムであって、上記反射面が、1次超の次数を有する関係により定義された輪郭を有するシステム。
【請求項15】
請求項8のシステムであって、上記光学素子が、更に、上記ファイバアセンブリの先端と上記反射面との間に位置するレンズを備えるシステム。
【請求項16】
請求項15のシステムであって、上記反射面が、その上に入射した赤外エネルギを上記レンズへと差し向け、そのレンズが、差し向けられた赤外エネルギを上記ファイバアセンブリの先端へと集束させるシステム。
【請求項17】
請求項8のシステムであって、更にホルダを備え、上記反射面を有する上記光学素子がそのホルダに配置されているシステム。
【請求項18】
請求項17のシステムであって、上記ホルダが、基端にて上記リンケージに連結される一方で長手方向沿い開口を有し、その長手方向沿い開口内に上記反射面が位置しているシステム。
【請求項19】
請求項18のシステムであって、更に、上記長手方向沿い開口内に位置するレンズを備えるシステム。
【請求項20】
請求項8のシステムであって、上記光学素子が反射体を備え、その反射体上に入射した赤外エネルギが、概ねその反射体外にある上記反射面にて反射されるシステム。
【請求項21】
請求項8のシステムであって、上記光学素子が屈折体を備え、その屈折体上に入射した赤外エネルギがその屈折体内を伝搬するシステム。
【請求項22】
請求項21のシステムであって、上記反射面が上記屈折体の外面上に位置し、上記入射エネルギが当該反射面から見て内方に反射されるシステム。
【請求項23】
請求項1のシステムであって、更にデュアルホルダを備え、そのデュアルホルダが内ホルダを有し、その内ホルダがレンズに装着され且つ上記ファイバアセンブリに対し静止位置にあり、そのレンズが上記光学素子に備わるミラーに対し静止位置にあり、同デュアルホルダが更に外ホルダを備え、その外ホルダが上記リンケージに連結されているシステム。
【請求項24】
請求項1のシステムであって、更に、上記光学素子の反射面と上記ファイバアセンブリの先端との間に位置するレンズを備えるシステム。
【請求項25】
請求項24のシステムであって、上記レンズが回動方向において固定され上記光学素子がそのレンズに対し回動するシステム。
【請求項26】
請求項24のシステムであって、更に、上記ファイバアセンブリの先端に固定的に結合された第1ホルダを備え、上記レンズがそのホルダに結合されているシステム。
【請求項27】
請求項26のシステムであって、上記ファイバアセンブリの先端と上記レンズとの間の距離が上記第1ホルダによって固定されているシステム。
【請求項28】
請求項26のシステムであって、更に、上記リンケージに固定的に結合された第2ホルダを備え、上記反射面を有する上記光学素子がその第2ホルダに配置されており、同ホルダが基端にて上記リンケージに結合されており、同ホルダが長手方向沿い開口を有し、その長手方向沿い開口内に上記反射面が位置しているシステム。
【請求項29】
請求項29のシステムであって、上記第2ホルダが上記第1ホルダ周りで回動するシステム。
【請求項30】
請求項29のシステムであって、更に、上記ファイバアセンブリの先端と上記第2ホルダとの間に位置するベアリングを備えるシステム。
【請求項31】
請求項28のシステムであって、更に、上記第1ホルダ・上記第2ホルダ間に位置するベアリングを備えるシステム。
【請求項32】
請求項1のシステムであって、更に、上記リンケージに固定的に結合されたホルダを備え、反射面を有する上記光学素子がそのホルダに配置されており、同ホルダが基端にて上記リンケージに結合されており、同ホルダが長手方向沿い開口を有し、その長手方向沿い開口内に当該反射面が位置しているシステム。
【請求項33】
請求項32のシステムであって、上記ホルダが上記ファイバアセンブリの先端周りで回動するシステム。
【請求項34】
請求項32のシステムであって、上記ファイバアセンブリの先端が上記ホルダの第1位置に位置し且つ上記光学素子がそのホルダの第2位置に位置するよう、またその第2位置がその第1位置から空間的に隔たるよう、上記ホルダが上記リンケージに結合されているシステム。
【請求項35】
請求項32のシステムであって、上記ホルダが更にエンドキャップを備え、そのエンドキャップが上記長手方向沿い開口の先端にあり且つ上記第1位置とは逆側にあるシステム。
【請求項36】
請求項35のシステムであって、上記エンドキャップの第1部分が上記長手方向沿い開口内に位置し、同エンドキャップの第2部分がその長手方向沿い開口の先端を超え延設されているシステム。
【請求項37】
請求項36のシステムであって、上記エンドキャップの第2部分が、上記ホルダの長手方向沿い開口の長手軸に対し鋭角をなす端面を有するシステム。
【請求項38】
請求項37のシステムであって、上記光学素子の反射面が上記ホルダの長手方向沿い開口の長手軸に対し鋭角をなし、上記反射面が上記エンドキャップの第2部分の端面に当接するシステム。
【請求項39】
請求項38のシステムであって、上記エンドキャップが丸みを帯びた外輪郭を有するシステム。
【請求項40】
請求項37のシステムであって、上記ホルダが、更に、自ホルダの側壁を貫き上記長手方向沿い開口から延びる横方向開口を有するシステム。
【請求項41】
請求項40のシステムであって、更に、上記横方向開口内に位置するレンズを備えるシステム。
【請求項42】
請求項40のシステムであって、更に、上記ホルダの側壁周りに位置し上記横方向開口を覆う保護スリーブを備えるシステム。
【請求項43】
請求項37のシステムであって、上記光学素子の反射面が、上記ホルダの長手方向沿い開口の長手軸に対し鋭角をなすシステム。
【請求項44】
請求項1のシステムであって、更に、上記ファイバアセンブリの本体と上記リンケージとの間に位置するベアリングを備えるシステム。
【請求項45】
請求項44のシステムであって、上記ベアリングが長尺潤滑スリーブを備えるシステム。
【請求項46】
請求項44のシステムであって、上記ベアリングがスリップリングを備えるシステム。
【請求項47】
請求項1のシステムであって、上記ファイバアセンブリが上記リンケージ及び上記モーションユニットに対し回動方向において固定されているシステム。
【請求項48】
請求項1のシステムであって、上記モーションユニットが、上記ファイバアセンブリを並進軸に沿い上記ベースに対し並進させるよう構成及び配列されているシステム。
【請求項49】
請求項1のシステムであって、上記モーションユニットが、上記リンケージ及び光学素子を並進軸に沿い上記ベースに対し並進させるよう構成及び配列されているシステム。
【請求項50】
請求項1のシステムであって、上記モーションユニットが、上記ファイバアセンブリ、リンケージ及び光学素子を並進軸に沿い上記ベースに対し並進させるよう構成及び配列されているシステム。
【請求項51】
請求項1のシステムであって、更に、上記ファイバアセンブリの基端と上記リンケージの基端とを上記モーションユニットに結合させるプローブコネクタを備えるシステム。
【請求項52】
請求項51のシステムであって、上記モーションユニットが、中空シャフトを有するロータリモータを備え、上記プローブコネクタがその中空シャフト内に位置し、上記リンケージが上記ファイバアセンブリ周りで回動するよう上記モーションユニットにより上記中空シャフトが駆動されるシステム。
【請求項53】
請求項52のシステムであって、上記モーションユニットが、更に、長手軸に沿い長手方向に上記ファイバアセンブリ及び上記リンケージを並進させるリニアモータを備えるシステム。
【請求項54】
請求項53のシステムであって、上記リニアモータが、更に、上記ロータリモータを上記直線方向に並進させるシステム。
【請求項55】
請求項53のシステムであって、上記ロータリモータ及び上記リニアモータが互いに独立に動作するシステム。
【請求項56】
請求項51のシステムであって、上記プローブコネクタが、上記ファイバアセンブリの基端に結合された第1部分と、上記リンケージの基端に結合された第2部分と、を備え、当該第1部分が上記ロータリモータの第1部分、即ち上記ベースに対し回動方向において固定されている部分に結合されており、当該第2部分がそのロータリモータの第2部分、即ち回動する部分に結合されているシステム。
【請求項57】
請求項56のシステムであって、上記プローブコネクタが、更に、その第1部分・第2部分間に結合されたベアリングを備えるシステム。
【請求項58】
請求項57のシステムであって、上記ベアリングが、その長手方向に沿い互いに空間的に隔たる第1及び第2ベアリングを備えるシステム。
【請求項59】
請求項57のシステムであって、上記ベアリングが、凸状リング、ボールベアリング、ラジアルボールベアリング及びスラストボールベアリングのうち少なくとも1個で以て構成されているシステム。
【請求項60】
請求項57のシステムであって、上記リンケージが、上記ベアリングが上記リンケージに沿い直線的に摺動することを妨げるフレア端を有するシステム。
【請求項61】
請求項56のシステムであって、上記プローブコネクタの第1部分の基端に円錐状フェラルが備わり、上記ファイバアセンブリの基端がその円錐状フェラルに位置し、上記ロータリモータの中空シャフトの基端が上記プローブコネクタの円錐状フェラルと嵌合するシステム。
【請求項62】
請求項61のシステムであって、更に、上記ロータリモータに近隣する光学素子を備え、上記ファイバアセンブリの基端がその長手軸沿いで上記光学素子と整列するよう上記円錐状フェラルが上記中空シャフト内に配置されているシステム。
【請求項63】
請求項61のシステムであって、上記プローブコネクタの円錐状フェラルが上記ロータリモータの中空シャフトの円錐状空洞内に順応的に配置されているシステム。
【請求項64】
請求項1のシステムであって、上記ファイバアセンブリが体腔組織表面から赤外エネルギを集めている間に、上記モーションユニットのロータリモータが上記リンケージを同ファイバアセンブリ周りで回動させるシステム。
【請求項65】
請求項64のシステムであって、上記ファイバアセンブリが体腔組織表面から赤外エネルギを集めている間に、上記モーションユニットが更に、ファイバアセンブリをその長手軸に沿い並進させるシステム。
【請求項66】
請求項64のシステムであって、更にコントローラを備え、そのコントローラが、上記ファイバアセンブリにより集められた赤外エネルギを処理し、処理した赤外エネルギに関わる温度データを含む出力を生成するシステム。
【請求項67】
請求項66のシステムであって、上記出力が、二次元(2D)グラフィカル温度マップ、一次元(1D)グラフィカル温度マップ、温度値、アラーム及び温度変化速度のうち少なくとも一種類を含むシステム。
【請求項68】
請求項66のシステムであって、上記コントローラが、上記ロータリモータにおける回動速度の変動性を補償するため、
上記温度データの二次元アレイであり垂直走査領域に重ね水平走査領域を表現するものを生成するステップと、
温度データの上記二次元アレイ内のホットスポット領域を識別するステップと、
近隣する水平走査領域同士の相互相関計算を実行するステップと、
整列計算を実行することでそれら近隣する水平走査領域を整列させ、ひいては上記ホットスポット領域を温度データの上記二次元アレイ内で整列させるステップと、
を実行するシステム。
【請求項69】
請求項68のシステムであって、上記注目領域が、高温又は低温領域或いは比較的急峻な時間的又は空間的温度変化を呈する領域で以て構成されるシステム。
【請求項70】
請求項66のシステムであって、上記コントローラが、更に、温度データの上記二次元アレイを二次元温度マップとして表示させるシステム。
【請求項71】
請求項1のシステムであって、更に、上記ファイバアセンブリ、リンケージ及び光学素子を取り巻くシースを備え、それらリンケージ及び光学素子がそのシースに対し回動し、当該リンケージ、光学素子及びファイバアセンブリが同シースに対し並進するシステム。
【請求項72】
請求項71のシステムであって、上記シースの先端に低密度ポリエチレン(LDPE)窓セグメントが備わり、そのLDPE窓セグメント内で上記光学素子が入射赤外エネルギを受け取るシステム。
【請求項73】
請求項72のシステムであって、更に、上記LDPE窓セグメントにあり互いに空間的に隔たる基端側マーカバンド及び先端側マーカバンドを備えるシステム。
【請求項74】
請求項72のシステムであって、上記シースの最外端に線状LDPE材が備わるシステム。
【請求項75】
請求項72のシステムであって、上記シースの最外端に、可撓エチレンコポリマ材及びEVA材のうち少なくとも一方が備わるシステム。
【請求項76】
請求項72のシステムであって、上記シースの最外端に、LDPE材に重ねPebax(登録商標)の共押出体が備わるシステム。
【請求項77】
請求項72のシステムであって、上記シースの最外端にPebax(登録商標)材が備わり、接着剤裏打ちセグメントによってそのPebax(登録商標)材が上記LDPE窓に接合されているシステム。
【請求項78】
請求項77のシステムであって、上記接着剤裏打ちセグメントがPebax(登録商標)を含有するシステム。
【請求項79】
請求項78のシステムであって、上記シースの最外端に、上記窓領域の直径に比し小径のチップが備わるシステム。
【請求項80】
請求項79のシステムであって、上記小径のチップがテーパ付又は湾曲付の形状であるシステム。
【請求項81】
請求項79のシステムであって、上記小径のチップが可撓EVAコポリマを含有するシステム。
【請求項82】
請求項78のシステムであって、上記最外端がテーパ付又は湾曲付の形状であるシステム。
【請求項83】
請求項78のシステムであって、上記最外端にPebax(登録商標)セグメントが備わり、機械式ジョイントによってそのPebax(登録商標)セグメントが上記窓領域に結合されているシステム。
【請求項84】
請求項83のシステムであって、上記機械式ジョイントがパーフォレーションを有するシステム。
【請求項85】
請求項83のシステムであって、上記機械式ジョイントが、上記Pebax(登録商標)セグメントを上記窓領域のスパイラルカット端にてその窓領域に熱熔着することで構成されるシステム。
【請求項86】
請求項83のシステムであって、上記機械式ジョイントが、上記Pebax(登録商標)セグメント・上記窓領域間に熱接合された金属バンドを備えるシステム。
【請求項87】
請求項83のシステムであって、上記最外端に、上記窓領域に結合されたLLDPEセグメントが備わり、上記機械式ジョイントが、上記Pebax(登録商標)セグメント・上記LLDPEセグメント間に熱接合された金属バンドを備えるシステム。
【請求項88】
請求項71のシステムであって、上記シースの先端に、当該先端のよじれを緩和する補強ユニットが備わるシステム。
【請求項89】
請求項88のシステムであって、上記補強ユニットが、上記シースの先端内に施されたライニングを備えるシステム。
【請求項90】
請求項89のシステムであって、上記ライニングがエチレンビニルアセタート素材を含有するシステム。
【請求項91】
請求項89のシステムであって、上記補強ユニットが更に挿入物を備え、その挿入物が、1個又は複数個のボール、1本又は複数本のピン、並びにコイル状素材のうち、少なくとも1個で以て構成されているシステム。
【請求項92】
請求項91のシステムであって、上記ライニングが、上記挿入物を固定位置に保持するための頸部を有するシステム。
【請求項93】
請求項89のシステムであって、上記光学素子の先端側部分に、上記補強ユニットと機械連絡する延長部が備わるシステム。
【請求項94】
請求項71のシステムであって、更に、上記シースの先端に位置する少なくとも1個のマーカバンドを備え、当該少なくとも1個のマーカバンドに対し並進するよう上記ファイバアセンブリの先端が構成及び配列されているシステム。
【請求項95】
請求項94のシステムであって、上記少なくとも1個のマーカバンドが先端側バンド及び基端側バンドを含み、それら先端側バンド・基端側バンド間で並進するよう上記第1ファイバアセンブリが構成及び配列されているシステム。
【請求項96】
請求項94のシステムであって、上記少なくとも1本のファイバの先端が上記少なくとも1個のマーカバンドから赤外光を受光したときに、上記ファイバアセンブリの基端と連携するセンサに所定の信号を発生せしめるよう、当該少なくとも1個のマーカバンドが構成及び配列されているシステム。
【請求項97】
請求項96のシステムであって、上記少なくとも1個のマーカバンドがリング状であり、そのリングの第1部分が第1輻射能を、また同リングの第2部分が第2輻射能を有するシステム。
【請求項98】
請求項97のシステムであって、上記第1部分が上記第2部分とは異なる素材で構成されているシステム。
【請求項99】
請求項97のシステムであって、上記第1部分が上記第2部分とは異なる色を有するシステム。
【請求項100】
請求項97のシステムであって、上記第1部分及び上記第2部分が上記リングの内部領域を構成するシステム。
【請求項101】
請求項97のシステムであって、更に、第3輻射能を有する第3部分を備えるシステム。
【請求項102】
請求項1のシステムであって、更に、検出器を有するセンサアセンブリを備え、その検出器が、上記ファイバアセンブリから上記赤外エネルギを受け取り、受け取った赤外エネルギを温度情報信号に変換するシステム。
【請求項103】
請求項102のシステムであって、上記センサアセンブリが位置決めプレートに配置され、その位置決めプレートが、同センサアセンブリを上記ファイバアセンブリの基端と整列させるシステム。
【請求項104】
請求項103のシステムであって、上記位置決めプレートがxyz位置決めプレートで以て構成され、そのxyz位置決めプレートが、x、y及びz方向のうち少なくとも一方向に沿い、上記ファイバアセンブリの基端に対して上記センサアセンブリを調整するシステム。
【請求項105】
請求項102のシステムであって、上記センサアセンブリが、上記センサの一部分又は複数部分を除熱するよう構成及び配列された除熱アセンブリを備えるシステム。
【請求項106】
請求項102のシステムであって、更にコントローラを備え、そのコントローラが、上記センサアセンブリにより受け取られた赤外エネルギを処理し、処理した赤外エネルギに関わる温度データを含む出力を生成するシステム。
【請求項107】
請求項102のシステムであって、上記センサアセンブリが一体型ハウジングを有し、その一体型ハウジング内に集束レンズ、コールドダイアフラム及び浸漬レンズが付随しそれらが所定の距離を以て分離されているシステム。
【請求項108】
請求項1のシステムであって、上記ファイバアセンブリが受動的であり、上記組織表面から赤外エネルギのみを集めるようそのファイバアセンブリが構成及び配列されているシステム。
【請求項109】
図面を参照して記述したシステム。
【請求項110】
図面を参照して記述した医療手順を実行する方法。
【請求項111】
組織表面の温度推定値を提供するシステムであって、
モーションユニットを有するベースと、
上記組織表面から赤外エネルギを受け取るよう構成及び配列された少なくとも1本のファイバを有し、赤外エネルギに対し透過性で、基端、先端及び本体を有するファイバアセンブリと、
受け取った赤外エネルギを上記光ファイバの上記先端に差し向ける光学素子と、
上記ベース・上記光学素子間に結合されており、その内部に上記ファイバが延びており、基端にて上記モーションユニットにまた先端にて上記光学素子に結合されているリンケージと、
を備え、上記リンケージを上記ファイバアセンブリ周りで回動させることで上記光学素子を上記先端にて回動させるよう上記モーションユニットが構成及び配列されているシステム。
【請求項112】
請求項1乃至109及び111のうちいずれか一項のシステムであって、上記リンケージがトルクコイルを備えるシステム。
【請求項113】
請求項1乃至109及び111乃至112のうちいずれか一項のシステムであって、上記リンケージが長手方向沿いチャネルを有し、その長手方向沿いチャネル内に上記ファイバが位置しているシステム。
【請求項114】
請求項1乃至109及び111乃至113のうちいずれか一項のシステムであって、上記リンケージが素材の織物を備えるシステム。
【請求項115】
請求項1乃至109及び111乃至114のうちいずれか一項のシステムであって、上記素材が、ワイヤ、チタンワイヤ、ステンレス鋼ワイヤ、鋼、合金、グラファイト、複合材、プラスチック、並びに素材の織物のうち、少なくとも一種類を含むシステム。
【請求項116】
請求項1乃至109及び111乃至115のうちいずれか一項のシステムであって、上記リンケージが、捻れ方向には堅固で長手方向には可撓な長尺管状材を備えるシステム。
【請求項117】
請求項1乃至109及び111乃至116のうちいずれか一項のシステムであって、上記リンケージがレーザカット管材を備えるシステム。
【請求項118】
請求項1乃至109及び111乃至117のうちいずれか一項のシステムであって、上記光学素子が反射面を有するシステム。
【請求項119】
請求項1乃至109及び111乃至118のうちいずれか一項のシステムであって、上記反射面が、その上に入射した赤外エネルギを上記ファイバアセンブリの先端に向かい差し向けるシステム。
【請求項120】
請求項1乃至109及び111乃至119のうちいずれか一項のシステムであって、上記反射面が、上記ファイバアセンブリの長手方向を横切る方向に沿い自反射面上に入射した赤外エネルギを、同ファイバアセンブリの長手方向に沿いそのファイバアセンブリの先端に差し向けるシステム。
【請求項121】
請求項1乃至109及び111乃至120のうちいずれか一項のシステムであって、更にデュアルホルダを備え、そのデュアルホルダが内ホルダを有し、その内ホルダがレンズに装着され且つ上記ファイバアセンブリに対し静止位置にあり、そのレンズが上記光学素子に備わるミラーに対し静止位置にあり、同デュアルホルダが更に外ホルダを備え、その外ホルダが上記リンケージに連結されているシステム。
【請求項122】
請求項1乃至109及び111乃至121のうちいずれか一項のシステムであって、上記反射面が平坦なシステム。
【請求項123】
請求項1乃至109及び111乃至122のうちいずれか一項のシステムであって、上記反射面が非平坦なシステム。
【請求項124】
請求項1乃至109及び111乃至123のうちいずれか一項のシステムであって、上記反射面が凸状の輪郭を有するシステム。
【請求項125】
請求項1乃至109及び111乃至124のうちいずれか一項のシステムであって、上記反射面が凹状の輪郭を有するシステム。
【請求項126】
請求項1乃至109及び111乃至125のうちいずれか一項のシステムであって、上記反射面が、1次超の次数を有する関係により定義された輪郭を有するシステム。
【請求項127】
請求項1乃至109及び111乃至126のうちいずれか一項のシステムであって、上記光学素子が、更に、上記ファイバアセンブリの先端と上記反射面との間に位置するレンズを備えるシステム。
【請求項128】
請求項1乃至109及び111乃至127のうちいずれか一項のシステムであって、上記反射面が、その上に入射した赤外エネルギを上記レンズへと差し向け、そのレンズが、差し向けられた赤外エネルギを上記ファイバアセンブリの先端へと集束させるシステム。
【請求項129】
請求項1乃至109及び111乃至128のうちいずれか一項のシステムであって、更にホルダを備え、上記反射面を有する上記光学素子がそのホルダに配置されているシステム。
【請求項130】
請求項1乃至109及び111乃至129のうちいずれか一項のシステムであって、上記ホルダが、基端にて上記リンケージに連結される一方で長手方向沿い開口を有し、その長手方向沿い開口内に上記反射面が位置しているシステム。
【請求項131】
請求項1乃至109及び111乃至130のうちいずれか一項のシステムであって、更に、上記長手方向沿い開口内に位置するレンズを備えるシステム。
【請求項132】
請求項1乃至109及び111乃至131のうちいずれか一項のシステムであって、上記光学素子が反射体を備え、その反射体上に入射した赤外エネルギが、概ねその反射体外にある上記反射面にて反射されるシステム。
【請求項133】
請求項1乃至109及び111乃至132のうちいずれか一項のシステムであって、上記光学素子が屈折体を備え、その屈折体上に入射した赤外エネルギがその屈折体内を伝搬するシステム。
【請求項134】
請求項1乃至109及び111乃至133のうちいずれか一項のシステムであって、上記反射面が上記屈折体の外面上に位置し、上記入射エネルギが当該反射面から見て内方に反射されるシステム。
【請求項135】
請求項1乃至109及び111乃至134のうちいずれか一項のシステムであって、更に、上記光学素子の反射面と上記ファイバアセンブリの先端との間に位置するレンズを備えるシステム。
【請求項136】
請求項1乃至109及び111乃至135のうちいずれか一項のシステムであって、上記レンズが回動方向において固定され上記光学素子がそのレンズに対し回動するシステム。
【請求項137】
請求項1乃至109及び111乃至136のうちいずれか一項のシステムであって、更に、上記ファイバアセンブリの先端に固定的に結合された第1ホルダを備え、上記レンズがそのホルダに結合されているシステム。
【請求項138】
請求項1乃至109及び111乃至137のうちいずれか一項のシステムであって、上記ファイバアセンブリの先端と上記レンズとの間の距離が上記第1ホルダによって固定されているシステム。
【請求項139】
請求項1乃至109及び111乃至138のうちいずれか一項のシステムであって、更に、上記リンケージに固定的に結合された第2ホルダを備え、上記反射面を有する上記光学素子がその第2ホルダに配置されており、同ホルダが基端にて上記リンケージに結合されており、同ホルダが長手方向沿い開口を有し、その長手方向沿い開口内に上記反射面が位置しているシステム。
【請求項140】
請求項1乃至109及び111乃至139のうちいずれか一項のシステムであって、上記第2ホルダが上記第1ホルダ周りで回動するシステム。
【請求項141】
請求項1乃至109及び111乃至140のうちいずれか一項のシステムであって、更に、上記ファイバアセンブリの先端と上記第2ホルダとの間に位置するベアリングを備えるシステム。
【請求項142】
請求項1乃至109及び111乃至141のうちいずれか一項のシステムであって、更に、上記第1ホルダ・上記第2ホルダ間に位置するベアリングを備えるシステム。
【請求項143】
請求項1乃至109及び111乃至142のうちいずれか一項のシステムであって、更に、上記リンケージに固定的に結合されたホルダを備え、反射面を有する上記光学素子がそのホルダに配置されており、同ホルダが基端にて上記リンケージに結合されており、同ホルダが長手方向沿い開口を有し、その長手方向沿い開口内に当該反射面が位置しているシステム。
【請求項144】
請求項1乃至109及び111乃至143のうちいずれか一項のシステムであって、上記ホルダが上記ファイバアセンブリの先端周りで回動するシステム。
【請求項145】
請求項1乃至109及び111乃至144のうちいずれか一項のシステムであって、上記ファイバアセンブリの先端が上記ホルダの第1位置に位置し且つ上記光学素子がそのホルダの第2位置に位置するよう、またその第2位置がその第1位置から空間的に隔たるよう、上記ホルダが上記リンケージに結合されているシステム。
【請求項146】
請求項1乃至109及び111乃至145のうちいずれか一項のシステムであって、上記ホルダが更にエンドキャップを備え、そのエンドキャップが上記長手方向沿い開口の先端にあり且つ上記第1位置とは逆側にあるシステム。
【請求項147】
請求項1乃至109及び111乃至146のうちいずれか一項のシステムであって、上記エンドキャップの第1部分が上記長手方向沿い開口内に位置し、同エンドキャップの第2部分がその長手方向沿い開口の先端を超え延設されているシステム。
【請求項148】
請求項1乃至109及び111乃至147のうちいずれか一項のシステムであって、上記エンドキャップの第2部分が、上記ホルダの長手方向沿い開口の長手軸に対し鋭角をなす端面を有するシステム。
【請求項149】
請求項1乃至109及び111乃至148のうちいずれか一項のシステムであって、上記光学素子の反射面が上記ホルダの長手方向沿い開口の長手軸に対し鋭角をなし、上記反射面が上記エンドキャップの第2部分の端面に当接するシステム。
【請求項150】
請求項1乃至109及び111乃至149のうちいずれか一項のシステムであって、上記エンドキャップが丸みを帯びた外輪郭を有するシステム。
【請求項151】
請求項1乃至109及び111乃至150のうちいずれか一項のシステムであって、上記ホルダが、更に、自ホルダの側壁を貫き上記長手方向沿い開口から延びる横方向開口を有するシステム。
【請求項152】
請求項1乃至109及び111乃至151のうちいずれか一項のシステムであって、更に、上記横方向開口内に位置するレンズを備えるシステム。
【請求項153】
請求項1乃至109及び111乃至152のうちいずれか一項のシステムであって、更に、上記ホルダの側壁周りに位置し上記横方向開口を覆う保護スリーブを備えるシステム。
【請求項154】
請求項1乃至109及び111乃至153のうちいずれか一項のシステムであって、上記光学素子の反射面が、上記ホルダの長手方向沿い開口の長手軸に対し鋭角をなすシステム。
【請求項155】
請求項1乃至109及び111乃至154のうちいずれか一項のシステムであって、更に、上記ファイバアセンブリの本体と上記リンケージとの間に位置するベアリングを備えるシステム。
【請求項156】
請求項1乃至109及び111乃至155のうちいずれか一項のシステムであって、上記ベアリングが長尺潤滑スリーブを備えるシステム。
【請求項157】
請求項1乃至109及び111乃至156のうちいずれか一項のシステムであって、上記ベアリングがスリップリングを備えるシステム。
【請求項158】
請求項1乃至109及び111乃至157のうちいずれか一項のシステムであって、上記ファイバアセンブリが上記リンケージ及び上記モーションユニットに対し回動方向において固定されているシステム。
【請求項159】
請求項1乃至109及び111乃至158のうちいずれか一項のシステムであって、上記モーションユニットが、上記ファイバアセンブリを並進軸に沿い上記ベースに対し並進させるよう構成及び配列されているシステム。
【請求項160】
請求項1乃至109及び111乃至159のうちいずれか一項のシステムであって、上記モーションユニットが、上記リンケージ及び光学素子を並進軸に沿い上記ベースに対し並進させるよう構成及び配列されているシステム。
【請求項161】
請求項1乃至109及び111乃至160のうちいずれか一項のシステムであって、上記モーションユニットが、上記ファイバアセンブリ、リンケージ及び光学素子を並進軸に沿い上記ベースに対し並進させるよう構成及び配列されているシステム。
【請求項162】
請求項1乃至109及び111乃至161のうちいずれか一項のシステムであって、更に、上記ファイバアセンブリの基端と上記リンケージの基端とを上記モーションユニットに結合させるプローブコネクタを備えるシステム。
【請求項163】
請求項1乃至109及び111乃至162のうちいずれか一項のシステムであって、上記モーションユニットが、中空シャフトを有するロータリモータを備え、上記プローブコネクタがその中空シャフト内に位置し、上記リンケージが上記ファイバアセンブリ周りで回動するよう上記モーションユニットにより上記中空シャフトが駆動されるシステム。
【請求項164】
請求項1乃至109及び111乃至163のうちいずれか一項のシステムであって、上記モーションユニットが、更に、長手軸に沿い長手方向に上記ファイバアセンブリ及び上記リンケージを並進させるリニアモータを備えるシステム。
【請求項165】
請求項1乃至109及び111乃至164のうちいずれか一項のシステムであって、上記リニアモータが、更に、上記ロータリモータを上記直線方向に並進させるシステム。
【請求項166】
請求項83のシステムであって、上記ロータリモータ及び上記リニアモータが互いに独立に動作するシステム。
【請求項167】
請求項1乃至109及び111乃至166のうちいずれか一項のシステムであって、上記プローブコネクタが、上記ファイバアセンブリの基端に結合された第1部分と、上記リンケージの基端に結合された第2部分と、を備え、当該第1部分が上記ロータリモータの第1部分、即ち上記ベースに対し回動方向において固定されている部分に結合されており、当該第2部分がそのロータリモータの第2部分、即ち回動する部分に結合されているシステム。
【請求項168】
請求項1乃至109及び111乃至167のうちいずれか一項のシステムであって、上記プローブコネクタが、更に、その第1部分・第2部分間に結合されたベアリングを備えるシステム。
【請求項169】
請求項1乃至109及び111乃至168のうちいずれか一項のシステムであって、上記ベアリングが、その長手方向に沿い互いに空間的に隔たる第1及び第2ベアリングを備えるシステム。
【請求項170】
請求項1乃至109及び111乃至169のうちいずれか一項のシステムであって、上記ベアリングが、凸状リング、ボールベアリング、ラジアルボールベアリング及びスラストボールベアリングのうち少なくとも1個で以て構成されているシステム。
【請求項171】
請求項1乃至109及び111乃至170のうちいずれか一項のシステムであって、上記リンケージが、上記ベアリングが上記リンケージに沿い直線的に摺動することを妨げるフレア端を有するシステム。
【請求項172】
請求項1乃至109及び111乃至171のうちいずれか一項のシステムであって、上記プローブコネクタの第1部分の基端に円錐状フェラルが備わり、上記ファイバアセンブリの基端がその円錐状フェラルに位置し、上記ロータリモータの中空シャフトの基端が上記プローブコネクタの円錐状フェラルと嵌合するシステム。
【請求項173】
請求項1乃至109及び111乃至172のうちいずれか一項のシステムであって、更に、上記ロータリモータに近隣する光学素子を備え、上記ファイバアセンブリの基端がその長手軸沿いで上記光学素子と整列するよう上記円錐状フェラルが上記中空シャフト内に配置されているシステム。
【請求項174】
請求項1乃至109及び111乃至173のうちいずれか一項のシステムであって、上記プローブコネクタの円錐状フェラルが上記ロータリモータの中空シャフトの円錐状空洞内に順応的に配置されているシステム。
【請求項175】
請求項1乃至109及び111乃至174のうちいずれか一項のシステムであって、上記ファイバアセンブリが体腔組織表面から赤外エネルギを集めている間に、上記モーションユニットのロータリモータが上記リンケージを同ファイバアセンブリ周りで回動させるシステム。
【請求項176】
請求項1乃至109及び111乃至175のうちいずれか一項のシステムであって、上記ファイバアセンブリが体腔組織表面から赤外エネルギを集めている間に、上記モーションユニットが更に、ファイバアセンブリをその長手軸に沿い並進させるシステム。
【請求項177】
請求項1乃至109及び111乃至176のうちいずれか一項のシステムであって、更にコントローラを備え、そのコントローラが、上記ファイバアセンブリにより集められた赤外エネルギを処理し、処理した赤外エネルギに関わる温度データを含む出力を生成するシステム。
【請求項178】
請求項1乃至109及び111乃至177のうちいずれか一項のシステムであって、上記出力が、二次元(2D)グラフィカル温度マップ、一次元(1D)グラフィカル温度マップ、温度値、アラーム及び温度変化速度のうち少なくとも一種類を含むシステム。
【請求項179】
請求項1乃至109及び111乃至178のうちいずれか一項のシステムであって、上記コントローラが、上記ロータリモータにおける回動速度の変動性を補償するため、
上記温度データの二次元アレイであり垂直走査領域に重ね水平走査領域を表現するものを生成するステップと、
温度データの上記二次元アレイ内のホットスポット領域を識別するステップと、
近隣する水平走査領域同士の相互相関計算を実行するステップと、
整列計算を実行することでそれら近隣する水平走査領域を整列させ、ひいては上記ホットスポット領域を温度データの上記二次元アレイ内で整列させるステップと、
を実行するシステム。
【請求項180】
請求項1乃至109及び111乃至179のうちいずれか一項のシステムであって、上記コントローラが、更に、温度データの上記二次元アレイを二次元温度マップとして表示させるシステム。
【請求項181】
請求項1乃至109及び111乃至180のうちいずれか一項のシステムであって、更に、上記ファイバアセンブリ、リンケージ及び光学素子を取り巻くシースを備え、それらリンケージ及び光学素子がそのシースに対し回動し、当該リンケージ、光学素子及びファイバアセンブリが同シースに対し並進するシステム。
【請求項182】
請求項1乃至109及び111乃至181のうちいずれか一項のシステムであって、上記シースの先端に低密度ポリエチレン(LDPE)窓セグメントが備わり、そのLDPE窓セグメント内で上記光学素子が入射赤外エネルギを受け取るシステム。
【請求項183】
請求項1乃至109及び111乃至182のうちいずれか一項のシステムであって、更に、上記LDPE窓セグメントにあり互いに空間的に隔たる基端側マーカバンド及び先端側マーカバンドを備えるシステム。
【請求項184】
請求項1乃至109及び111乃至183のうちいずれか一項のシステムであって、上記シースの最外端に線状LDPE材が備わるシステム。
【請求項185】
請求項1乃至109及び111乃至184のうちいずれか一項のシステムであって、上記シースの最外端に、可撓エチレンコポリマ材及びEVA材のうち少なくとも一方が備わるシステム。
【請求項186】
請求項1乃至109及び111乃至185のうちいずれか一項のシステムであって、上記シースの最外端に、LDPE材に重ねPebax(登録商標)の共押出体が備わるシステム。
【請求項187】
請求項1乃至109及び111乃至186のうちいずれか一項のシステムであって、上記シースの最外端にPebax(登録商標)材が備わり、接着剤裏打ちセグメントによってそのPebax(登録商標)材が上記LDPE窓に接合されているシステム。
【請求項188】
請求項1乃至109及び111乃至187のうちいずれか一項のシステムであって、上記接着剤裏打ちセグメントがPebax(登録商標)を含有するシステム。
【請求項189】
請求項1乃至109及び111乃至188のうちいずれか一項のシステムであって、上記シースの最外端に、上記窓領域の直径に比し小径のチップが備わるシステム。
【請求項190】
請求項1乃至109及び111乃至189のうちいずれか一項のシステムであって、上記小径のチップがテーパ付又は湾曲付の形状であるシステム。
【請求項191】
請求項1乃至109及び111乃至190のうちいずれか一項のシステムであって、上記小径のチップが可撓EVAコポリマを含有するシステム。
【請求項192】
請求項1乃至109及び111乃至191のうちいずれか一項のシステムであって、上記最外端がテーパ付又は湾曲付の形状であるシステム。
【請求項193】
請求項1乃至109及び111乃至192のうちいずれか一項のシステムであって、上記最外端にPebax(登録商標)セグメントが備わり、機械式ジョイントによってそのPebax(登録商標)セグメントが上記窓領域に結合されているシステム。
【請求項194】
請求項1乃至109及び111乃至193のうちいずれか一項のシステムであって、上記機械式ジョイントがパーフォレーションを有するシステム。
【請求項195】
請求項1乃至109及び111乃至194のうちいずれか一項のシステムであって、上記機械式ジョイントが、上記Pebax(登録商標)セグメントを上記窓領域のスパイラルカット端にてその窓領域に熱熔着することで構成されるシステム。
【請求項196】
請求項1乃至109及び111乃至195のうちいずれか一項のシステムであって、上記機械式ジョイントが、上記Pebax(登録商標)セグメント・上記窓領域間に熱接合された金属バンドを備えるシステム。
【請求項197】
請求項1乃至109及び111乃至196のうちいずれか一項のシステムであって、上記最外端に、上記窓領域に結合されたLLDPEセグメントが備わり、上記機械式ジョイントが、上記Pebax(登録商標)セグメント・上記LLDPEセグメント間に熱接合された金属バンドを備えるシステム。
【請求項198】
請求項1乃至109及び111乃至197のうちいずれか一項のシステムであって、上記シースの先端に、当該先端のよじれを緩和する補強ユニットが備わるシステム。
【請求項199】
請求項1乃至109及び111乃至198のうちいずれか一項のシステムであって、上記補強ユニットが、上記シースの先端内に施されたライニングを備えるシステム。
【請求項200】
請求項1乃至109及び111乃至199のうちいずれか一項のシステムであって、上記ライニングがエチレンビニルアセタート素材を含有するシステム。
【請求項201】
請求項1乃至109及び111乃至200のうちいずれか一項のシステムであって、上記補強ユニットが更に挿入物を備え、その挿入物が、1個又は複数個のボール、1本又は複数本のピン、並びにコイル状素材のうち、少なくとも1個で以て構成されているシステム。
【請求項202】
請求項1乃至109及び111乃至201のうちいずれか一項のシステムであって、上記ライニングが、上記挿入物を固定位置に保持するための頸部を有するシステム。
【請求項203】
請求項1乃至109及び111乃至202のうちいずれか一項のシステムであって、上記光学素子の先端側部分に、上記補強ユニットと機械連絡する延長部が備わるシステム。
【請求項204】
請求項1乃至109及び111乃至203のうちいずれか一項のシステムであって、更に、上記シースの先端に位置する少なくとも1個のマーカバンドを備え、当該少なくとも1個のマーカバンドに対し並進するよう上記ファイバアセンブリの先端が構成及び配列されているシステム。
【請求項205】
請求項1乃至109及び111乃至204のうちいずれか一項のシステムであって、上記少なくとも1個のマーカバンドが先端側バンド及び基端側バンドを含み、それら先端側バンド・基端側バンド間で並進するよう上記第1ファイバアセンブリが構成及び配列されているシステム。
【請求項206】
請求項1乃至109及び111乃至205のうちいずれか一項のシステムであって、上記少なくとも1本のファイバの先端が上記少なくとも1個のマーカバンドから赤外光を受光したときに、上記ファイバアセンブリの基端と連携するセンサに所定の信号を発生せしめるよう、当該少なくとも1個のマーカバンドが構成及び配列されているシステム。
【請求項207】
請求項1乃至109及び111乃至206のうちいずれか一項のシステムであって、上記少なくとも1個のマーカバンドがリング状であり、そのリングの第1部分が第1輻射能を、また同リングの第2部分が第2輻射能を有するシステム。
【請求項208】
請求項1乃至109及び111乃至207のうちいずれか一項のシステムであって、上記第1部分が上記第2部分とは異なる素材で構成されているシステム。
【請求項209】
請求項1乃至109及び111乃至208のうちいずれか一項のシステムであって、上記第1部分が上記第2部分とは異なる色を有するシステム。
【請求項210】
請求項1乃至109及び111乃至209のうちいずれか一項のシステムであって、上記第1部分及び上記第2部分が上記リングの内部領域を構成するシステム。
【請求項211】
請求項1乃至109及び111乃至210のうちいずれか一項のシステムであって、更に、第3輻射能を有する第3部分を備えるシステム。
【請求項212】
請求項1乃至109及び111乃至211のうちいずれか一項のシステムであって、更に、検出器を有するセンサアセンブリを備え、その検出器が、上記ファイバアセンブリから上記赤外エネルギを受け取り、受け取った赤外エネルギを温度情報信号に変換するシステム。
【請求項213】
請求項1乃至109及び111乃至212のうちいずれか一項のシステムであって、上記センサアセンブリが位置決めプレートに配置され、その位置決めプレートが、同センサアセンブリを上記ファイバアセンブリの基端と整列させるシステム。
【請求項214】
請求項1乃至109及び111乃至213のうちいずれか一項のシステムであって、上記位置決めプレートがxyz位置決めプレートで以て構成され、そのxyz位置決めプレートが、x、y及びz方向のうち少なくとも一方向に沿い、上記ファイバアセンブリの基端に対して上記センサアセンブリを調整するシステム。
【請求項215】
請求項1乃至109及び111乃至214のうちいずれか一項のシステムであって、上記センサアセンブリが、上記センサの一部分又は複数部分を除熱するよう構成及び配列された除熱アセンブリを備えるシステム。
【請求項216】
請求項1乃至109及び111乃至215のうちいずれか一項のシステムであって、更にコントローラを備え、そのコントローラが、上記センサアセンブリにより受け取られた赤外エネルギを処理し、処理した赤外エネルギに関わる温度データを含む出力を生成するシステム。
【請求項217】
請求項1乃至109及び111乃至216のうちいずれか一項のシステムであって、上記ファイバアセンブリが受動的であり、上記組織表面から赤外エネルギのみを集めるようそのファイバアセンブリが構成及び配列されているシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、「温度計測システム、方法及び装置」(Temperature Measurement Systems, Method and Devices)と題する2015年8月12日付米国暫定特許出願第62/204186号に基づき優先権を主張する出願であるので、この参照を以て当該米国暫定特許出願の全容を繰り入れることにする。
【0002】
本特許出願は、2014年6月4日付米国暫定出願第62/007677号の利益を主張する2015年6月2日日付PCT/US15/33680号に関するものであると共に、2013年1月7日付米国暫定出願第61/749617号に基づく利益を主張し「温度計測システム、方法及び装置」(Temperature Measurement Systems, Method and Devices)と題する2013年12月20日付国際特許出願第PCT/US2013/076961号の一部継続(CIP)であるので、それら出願それぞれの全容をこの参照を以て繰り入れることにする。
【0003】
本特許出願は、「アブレーション及び温度計測装置」(Ablation and Temperature Measurement Devices)と題する2011年11月22日付国際特許出願第PCT/US2011/061802号、並びに2010年11月27日付米国暫定出願第61/417416号及び2010年9月22日付米国特許出願第12/934008号に関連するものであるので、それら出願それぞれの全容をこの参照を以て繰り入れることにする。
【0004】
(分野)
諸実施形態は総じて組織温度モニタリングの分野に関し、より具体的には、エネルギデリバリ中に組織温度を監視するアブレーション及び温度計測装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0005】
エネルギのデリバリ(配給/送給)によって標的組織の温度を変化させ、それによりその組織を処置例えばアブレーション(焼灼/切除)する医療手順は数多くある。今日のエネルギデリバリシステムでは、システムのオペレータ例えば臨床医が、非標的組織への悪影響を排しながら標的組織をくまなく処置するのが難しい。不整脈の処置では、多くの場合、心組織のアブレーションによって標的組織例えば心臓壁組織を焼灼・切除できるが、食道組織その他、周囲にある非標的組織への熱損傷が不本意にも生じてしまうことがある。同様に、COPD、喘息、腫瘍その他の気道障害の処置を目的にした気道アブレーションでは、食道組織が不本意にも熱損傷してしまうことがある。腫瘍アブレーション手順では、癌組織アブレーションが不完全になることもありうるし、健全な組織が損傷することもありうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第WO2009/120694号パンフレット
【特許文献2】国際公開第WO2012/071388号パンフレット
【特許文献3】国際公開第WO2014/107341号パンフレット
【特許文献4】米国特許出願公開第2011/0066035号明細書
【特許文献5】国際公開第WO2015/187626号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
必要とされているのは、臨床医が標的組織にエネルギを適正配給すること及び非標的組織に対するあらゆる破壊的エネルギデリバリを避けることが可能なエネルギデリバリ及びエネルギ監視システムである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様に係るシステムは、組織表面の温度推定値を提供するシステムであって、モーションユニットを有するベースと、当該組織表面から赤外エネルギを受け取るよう構成及び配列された少なくとも1本のファイバを有し赤外エネルギに対し透過性で基端、先端及び本体を有するファイバアセンブリと、受け取った赤外エネルギを当該光ファイバの先端に差し向ける光学素子と、それらベース・光学素子間に結合されておりその内部に当該ファイバが延びており基端にて当該モーションユニットにまた先端にてその光学素子に結合されているリンケージと、を備え、そのリンケージを当該ファイバアセンブリ周りで回動させることで当該光学素子を先端にて回動させるよう当該モーションユニットが構成及び配列されたものである。
【0009】
ある種の実施形態では上記リンケージがトルクコイルを備える。
【0010】
ある種の実施形態では、上記リンケージが長手方向沿いチャネルを有し、その長手方向沿いチャネル内にファイバが配置される。
【0011】
ある種の実施形態では上記リンケージが素材の織物を備える。ある種の実施形態では、その素材が、ワイヤ、チタンワイヤ、ステンレス鋼ワイヤ、鋼、合金、グラファイト、複合材、プラスチック、並びに素材の織物のうち、少なくとも一種類を含む。
【0012】
ある種の実施形態では、上記リンケージが、捻れ方向には堅固で長手方向には可撓な長尺管状材を備える。
【0013】
ある種の実施形態では上記リンケージがレーザカット管材を備える。
【0014】
ある種の実施形態では上記光学素子が反射面を有する。
【0015】
ある種の実施形態では、上記反射面が、その上に入射した赤外エネルギを上記ファイバアセンブリの先端へと差し向ける。
【0016】
ある種の実施形態では、上記反射面が、上記ファイバアセンブリの長手方向を横切る方向に沿い自反射面上に入射した赤外エネルギを、同ファイバアセンブリの長手方向に沿いそのファイバアセンブリの先端へと差し向ける。
【0017】
ある種の実施形態では上記反射面が平坦である。
【0018】
ある種の実施形態では上記反射面が非平坦である。
【0019】
ある種の実施形態では上記反射面が凸状の輪郭を有する。
【0020】
ある種の実施形態では上記反射面が凹状の輪郭を有する。
【0021】
ある種の実施形態では、上記反射面が、1次超の次数を有する関係により定義された輪郭を有する。
【0022】
ある種の実施形態では、上記光学素子が、更に、上記ファイバアセンブリの先端と上記反射面との間に位置するレンズを備える。
【0023】
ある種の実施形態では、上記反射面が、自反射面上に入射した赤外エネルギを上記レンズに差し向け、差し向けられてきた赤外エネルギをそのレンズが上記ファイバアセンブリの先端へと集束させる。
【0024】
ある種の実施形態に係るシステムは、更にホルダを備え、上記反射面を有する上記光学素子がそのホルダに配置されたものである。
【0025】
ある種の実施形態では、上記ホルダが、基端にて上記リンケージに連結され、且つ、その内部に上記反射面が位置する長手方向沿い開口を有する。
【0026】
ある種の実施形態に係るシステムは、更に、上記長手方向沿い開口内に位置するレンズを備える。
【0027】
ある種の実施形態では、上記光学素子が反射体を備え、その反射体上に入射した赤外エネルギが概ねその反射体外にある上記反射面にて反射される。
【0028】
ある種の実施形態では、上記光学素子が屈折体を備え、その屈折体上に入射した赤外エネルギがその屈折体内で伝搬される。
【0029】
ある種の実施形態では、上記反射面が上記屈折体の外面上に位置し、上記入射エネルギが当該反射面から見て内方に反射される。
【0030】
ある種の実施形態では、デュアルホルダの構成要素である内ホルダがレンズに装着され且つファイバアセンブリに対し静止位置にあり、そのレンズが上記光学素子に備わるミラーに対し静止位置にあり、同デュアルホルダの更なる構成要素である外ホルダが上記リンケージに連結される。
【0031】
ある種の実施形態に係るシステムは、更に、上記光学素子の反射面と上記ファイバアセンブリの先端との間に位置するレンズを備える。
【0032】
ある種の実施形態では、上記レンズが回動方向において固定され上記光学素子がそのレンズに対し回動する。
【0033】
ある種の実施形態に係るシステムは、更に、上記ファイバアセンブリの先端に固定的に結合された第1ホルダであり上記レンズが結合されているホルダを備える。
【0034】
ある種の実施形態では、上記ファイバアセンブリの先端と上記レンズとの間の距離が第1ホルダによって固定される。
【0035】
ある種の実施形態に係るシステムは、更に、上記リンケージに固定的に結合された第2ホルダを備え、反射面を有する上記光学素子がそこに配置され、そのホルダが、基端にてリンケージに結合され且つ長手方向沿い開口を有し、その長手方向沿い開口内に上記反射面が位置するものである。
【0036】
ある種の実施形態では第2ホルダが第1ホルダ周りで回動する。
【0037】
ある種の実施形態に係るシステムは、更に、上記ファイバアセンブリの先端と第2ホルダとの間に位置するベアリングを備える。
【0038】
ある種の実施形態に係るシステムは、更に、第1ホルダ・第2ホルダ間に位置するベアリングを備える。
【0039】
ある種の実施形態に係るシステムは、更に、上記リンケージに固定的に結合されたホルダを備え、反射面を有する上記光学素子がそこに配置され、そのホルダが、基端にて同リンケージに結合され且つ長手方向沿い開口を有し、その長手方向沿い開口内に当該反射面が位置するものである。
【0040】
ある種の実施形態では上記ホルダが上記ファイバアセンブリの先端周りで回動する。
【0041】
ある種の実施形態では、上記ファイバアセンブリの先端が上記ホルダの第1位置に位置し且つ上記光学素子がそのホルダの第2位置に位置するよう、またその第2位置がその第1位置から空間的に隔たるよう、上記ホルダが上記リンケージに結合される。
【0042】
ある種の実施形態では、上記ホルダが更にエンドキャップを備え、そのエンドキャップが上記長手方向沿い開口の先端、即ち上記第1位置とは逆側に備わる。
【0043】
ある種の実施形態では、上記エンドキャップの第1部分が上記長手方向沿い開口内に位置し、同エンドキャップの第2部分がその長手方向沿い開口の先端を超え延設される。
【0044】
ある種の実施形態では、上記エンドキャップの第2部分が、上記ホルダの長手方向沿い開口の長手軸に対し鋭角をなす端面を有する。
【0045】
ある種の実施形態では、上記光学素子の反射面が上記ホルダの長手方向沿い開口の長手軸に対し鋭角をなし、上記反射面が上記エンドキャップの第2部分の端面に当接する。
【0046】
ある種の実施形態では、上記エンドキャップが、丸みを帯びた外輪郭を有する。
【0047】
ある種の実施形態では、上記ホルダが、更に、自ホルダの側壁を貫き上記長手方向沿い開口から延びる横方向開口を有する。
【0048】
ある種の実施形態に係るシステムは、更に、上記横方向開口内に位置するレンズを備える。
【0049】
ある種の実施形態に係るシステムは、更に、上記ホルダの側壁周りに位置し上記横方向開口を覆う保護スリーブを備える。
【0050】
ある種の実施形態では、上記光学素子の反射面が上記ホルダの長手方向沿い開口の長手軸に対し鋭角をなす。
【0051】
ある種の実施形態に係るシステムは、更に、上記ファイバアセンブリの本体と上記リンケージとの間に位置するベアリングを備える。
【0052】
ある種の実施形態では上記ベアリングが長尺潤滑スリーブを備える。
【0053】
ある種の実施形態では上記ベアリングがスリップリングを備える。
【0054】
ある種の実施形態では、上記ファイバアセンブリが上記リンケージ及びモーションユニットに対し回動方向において固定される。
【0055】
ある種の実施形態では、上記モーションユニットが、上記ファイバアセンブリを並進軸に沿い上記ベースに対し並進させるよう構成及び配列される。
【0056】
ある種の実施形態では、上記モーションユニットが、上記リンケージ及び光学素子を並進軸に沿い上記ベースに対し並進させるよう構成及び配列される。
【0057】
ある種の実施形態では、上記モーションユニットが、上記ファイバアセンブリ、リンケージ及び光学素子を並進軸に沿い上記ベースに対し並進させるよう構成及び配列される。
【0058】
ある種の実施形態に係るシステムは、更に、上記ファイバアセンブリの基端と上記リンケージの基端とを上記モーションユニットに結合させるプローブコネクタを備える。
【0059】
ある種の実施形態では、上記モーションユニットが、中空シャフトを有するロータリモータを備え、上記プローブコネクタがその中空シャフト内に位置し、上記リンケージが上記ファイバアセンブリ周りで回動するよう同モーションユニットにより同中空シャフトが駆動される。
【0060】
ある種の実施形態では、上記モーションユニットが、更に、長手軸に沿い長手方向に上記ファイバアセンブリ及び上記リンケージを並進させるリニアモータを備える。
【0061】
ある種の実施形態では、上記リニアモータが更に上記ロータリモータを上記直線方向に並進させる。
【0062】
ある種の実施形態では上記ロータリモータ及び上記リニアモータが互いに独立に動作する。
【0063】
ある種の実施形態では、上記プローブコネクタが、上記ファイバアセンブリの基端に結合された第1部分と、上記リンケージの基端に結合された第2部分と、を備え、当該第1部分が上記ロータリモータの第1部分、即ち上記ベースに対し回動方向において固定された部分に結合される一方、当該第2部分がそのロータリモータの第2部分、即ち回動する部分に結合される。
【0064】
ある種の実施形態では、上記プローブコネクタが、更に、その第1部分・第2部分間に結合されたベアリングを備える。
【0065】
ある種の実施形態では、上記ベアリングが、その長手方向に沿い互いに空間的に隔たる第1及び第2ベアリングを備える。
【0066】
ある種の実施形態では、上記ベアリングが、凸状リング、ボールベアリング、ラジアルボールベアリング及びスラストボールベアリングのうち少なくとも1個で以て構成される。
【0067】
ある種の実施形態では、上記リンケージが、上記ベアリングが上記リンケージに沿い直線的に摺動することを妨げるフレア端を有する。
【0068】
ある種の実施形態では、上記プローブコネクタの第1部分の基端に円錐状フェラルが備わり、上記ファイバアセンブリの基端がその円錐状フェラルに位置し、上記ロータリモータの中空シャフトの基端が同プローブコネクタの円錐状フェラルと嵌合する。
【0069】
ある種の実施形態に係るシステムは、更に、上記ロータリモータに近隣する光学素子を備え、上記ファイバアセンブリの基端がその長手軸沿いで上記光学素子と整列するよう上記円錐状フェラルが中空シャフト内に配置されたものである。
【0070】
ある種の実施形態では、上記プローブコネクタの円錐状フェラルが上記ロータリモータの中空シャフトの円錐状空洞内に順応的に配置される。
【0071】
ある種の実施形態では、上記ファイバアセンブリが体腔組織表面から赤外エネルギを集めている間に、上記モーションユニットのロータリモータが上記リンケージを同ファイバアセンブリ周りで回動させる。
【0072】
ある種の実施形態では、上記ファイバアセンブリが体腔組織表面から赤外エネルギを集めている間に、上記モーションユニットが更に、同ファイバアセンブリをその長手軸に沿い並進させる。
【0073】
ある種の実施形態に係るシステムは、更にコントローラを備え、そのコントローラが、上記ファイバアセンブリにより集められた赤外エネルギを処理し、処理した赤外エネルギに関わる温度データを含む出力を生成するものである。
【0074】
ある種の実施形態では、上記出力が、二次元(2D)グラフィカル温度マップ、一次元(1D)グラフィカル温度マップ、温度値、アラーム及び温度変化速度のうち少なくとも一種類を含む。
【0075】
ある種の実施形態では、上記コントローラが、上記ロータリモータにおける回動速度の変動性を補償すべく次の諸ステップ、即ち上記温度データの二次元アレイであり垂直走査領域に重ね水平走査領域を表現するものを生成するステップと、温度データの二次元アレイ内のホットスポット領域又はその他の注目領域、例えば高温又は低温領域或いは温度が最も急峻に時間又は空間変化する領域を識別するステップと、近隣する水平走査領域同士の相互相関計算を実行するステップと、整列計算を実行することでそれら近隣する水平走査領域を整列させ、ひいてはホットスポット領域を温度データの二次元アレイ内で整列させるステップと、を実行する。
【0076】
ある種の実施形態では、上記コントローラが、更に、温度データの二次元アレイを二次元温度マップとして表示させる。
【0077】
ある種の実施形態に係るシステムは、更に、上記ファイバアセンブリ、リンケージ及び光学素子を取り巻くシースを備え、それらリンケージ及び光学素子をそのシースに対し回動させ、同リンケージ、光学素子及びファイバアセンブリを同シースに対し並進させるものである。
【0078】
ある種の実施形態では、上記シースの先端に低密度ポリエチレン(LDPE)窓セグメントが備わり、そのLDPE窓セグメント内で上記光学素子により入射赤外エネルギが受け取られる。
【0079】
ある種の実施形態に係るシステムは、更に、上記LDPE窓セグメントにあり互いに空間的に隔たる基端側マーカバンド及び先端側マーカバンドを備える。
【0080】
ある種の実施形態では上記シースの最外端に線状LDPE材が備わる。
【0081】
ある種の実施形態では、上記シースの最外端に可撓エチレンコポリマ材及びEVA材のうち少なくとも一方が備わる。
【0082】
ある種の実施形態では、上記シースの最外端にLDPE材に重ねPebax(登録商標)の共押出体が備わる。
【0083】
ある種の実施形態では、上記シースの最外端にPebax(登録商標)材が備わり、接着剤裏打ちセグメントによってそのPebax(登録商標)材が上記LDPE窓に接合される。
【0084】
ある種の実施形態では上記接着剤裏打ちセグメントがPebax(登録商標)を含有する。
【0085】
ある種の実施形態では、上記シースの最外端に、上記窓領域の直径に比し小径のチップが備わる。
【0086】
ある種の実施形態では上記小径のチップがテーパ付又は湾曲付の形状である。
【0087】
ある種の実施形態では上記小径のチップが可撓EVAコポリマを含有する。
【0088】
ある種の実施形態では上記最外端がテーパ付又は湾曲付の形状である。
【0089】
ある種の実施形態では、上記最外端にPebax(登録商標)セグメントが備わり、機械式ジョイントによってそのPebax(登録商標)セグメントが上記窓領域に結合される。
【0090】
ある種の実施形態では上記機械式ジョイントがパーフォレーションを有する。
【0091】
ある種の実施形態では、上記機械式ジョイントが、上記Pebax(登録商標)セグメントを上記窓領域のスパイラルカット端にてその窓領域に熱熔着することで構成される。
【0092】
ある種の実施形態では、上記機械式ジョイントが、上記Pebax(登録商標)セグメント・上記窓領域間に熱接合された金属バンドを備える。
【0093】
ある種の実施形態では、上記最外端に、上記窓領域に結合されたLLDPEセグメントが備わり、上記機械式ジョイントが、上記Pebax(登録商標)セグメント・上記LLDPEセグメント間に熱接合された金属バンドを備える。
【0094】
ある種の実施形態では上記、上記シースの先端に、当該先端のよじれを緩和する補強ユニットが備わる。
【0095】
ある種の実施形態では、上記補強ユニットが、上記シースの先端内に施されたライニングを備える。
【0096】
ある種の実施形態では上記ライニングがエチレンビニルアセタート素材を含有する。
【0097】
ある種の実施形態では、上記補強ユニットが更に挿入物を備え、その挿入物が、1個又は複数個のボール、1本又は複数本のピン、並びにコイル状素材のうち、少なくとも1個で以て構成される。
【0098】
ある種の実施形態では、上記ライニングが、上記挿入物を固定位置に保持するための頸部を有する。
【0099】
ある種の実施形態では、上記光学素子の先端側部分に、上記補強ユニットと機械連絡する延長部が備わる。
【0100】
ある種の実施形態に係るシステムは、更に、上記シースの先端に位置する少なくとも1個のマーカバンドを備え、当該少なくとも1個のマーカバンドに対し並進するよう上記ファイバアセンブリの先端が構成及び配列されたものである。
【0101】
ある種の実施形態では、上記少なくとも1個のマーカバンドが先端側バンド及び基端側バンドを含み、それら先端側バンド・基端側バンド間で並進するよう上記第1ファイバアセンブリが構成及び配列される。
【0102】
ある種の実施形態では、上記少なくとも1本のファイバの先端が上記少なくとも1個のマーカバンドから赤外光を受光したときに、上記ファイバアセンブリの基端と連携するセンサに所定の信号を発生せしめるよう、当該少なくとも1個のマーカバンドが構成及び配列される。
【0103】
ある種の実施形態では、上記少なくとも1個のマーカバンドがリング状であり、そのリングの第1部分が第1輻射能を、また同リングの第2部分が第2輻射能を有する。
【0104】
ある種の実施形態では上記第1部分が上記第2部分とは異なる素材で構成される。
【0105】
ある種の実施形態では上記第1部分が上記第2部分とは異なる色を有する。
【0106】
ある種の実施形態では上記第1部分及び上記第2部分が上記リングの内部領域を構成する。
【0107】
ある種の実施形態に係るシステムは、更に、第3輻射能を有する第3部分を備える。
【0108】
ある種の実施形態に係るシステムは、更に、検出器を有するセンサアセンブリを備え、その検出器が、上記ファイバアセンブリから赤外エネルギを受け取り、受け取った赤外エネルギを温度情報信号に変換するものである。
【0109】
ある種の実施形態では、上記センサアセンブリが位置決めプレートに配置され、その位置決めプレートが同センサアセンブリを上記ファイバアセンブリの基端と整列させる。
【0110】
ある種の実施形態では、上記位置決めプレートが、x、y及びz方向のうち少なくとも一方向に沿い上記ファイバアセンブリの基端を基準に上記センサアセンブリを調整するxyz位置決めプレートで以て構成される。
【0111】
ある種の実施形態では、上記センサアセンブリが、上記センサの一部分又は複数部分を除熱するよう構成及び配列された除熱アセンブリを備える。
【0112】
ある種の実施形態に係るシステムは、更にコントローラを備え、そのコントローラが、上記センサアセンブリにより受け取られた赤外エネルギを処理し、処理した赤外エネルギに関わる温度データを含む出力を生成するものである。
【0113】
ある種の実施形態では、上記センサアセンブリが一体型ハウジングを有し、その一体型ハウジング内に集束レンズ、コールドダイアフラム及び浸漬レンズが付随しそれらが所定の距離を以て分離される。
【0114】
ある種の実施形態では、上記ファイバアセンブリが受動的なものとされ、上記組織表面から赤外エネルギのみを集めるようそのファイバアセンブリが構成及び配列される。
【0115】
他の態様に係る方法は、本願記載の手術器具を用い医療手順を実行する方法である。
【0116】
添付図面は本明細書に組み込まれその一部をなすものであり、本発明思想の諸実施形態を示すと共に、記述と相俟ち本発明思想の諸原理を説明する働きを有している。図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【
図1】本発明思想に従う温度計測プローブを有する温度マッピングシステムの模式図である。
【
図2】本発明思想に従う
図1の温度計測プローブの先端側部分の拡大縦断面図である。
【
図3A】本発明思想に係る光学素子の模式的斜視図である。
【
図3B】本発明思想に係る他の光学素子の模式的斜視図である。
【
図3C】本発明思想に係る他の光学素子の模式的斜視図である。
【
図4A】本発明思想に従う温度計測プローブの先端側部分の切欠斜視図である。
【
図4B】
図4Aの温度計測プローブの先端側部分のうち回動アセンブリ部分の断面図である。
【
図4C】
図4Aの温度計測プローブの先端側部分のうち静止アセンブリ部分の断面図である。
【
図5】本発明思想に従う締付済先端側アセンブリの断面図である。
【
図6】本発明思想に従う温度計測プローブの基端側部分の断面図である。
【
図7】他の本発明思想に従う温度計測プローブの基端側部分の断面図である。
【
図8A】本発明思想に従う温度計測プローブの基端側部分の断面図である。
【
図9】本発明思想に従う温度計測プローブの基端側部分の断面図である。
【
図10】本発明思想に従う温度計測プローブの基端側部分の断面図である。
【
図11】本発明思想に従う温度計測プローブの基端側部分の断面図である。
【
図12】本発明思想に従う温度計測プローブの基端側部分の断面図である。
【
図13】本発明思想に従う温度計測プローブの基端側部分を示す図である。
【
図14】本発明思想に従う温度計測プローブの基端側部分の断面図である。
【
図15A】本発明思想に従う光学系スリーブの斜視図である。
【
図16A】本発明思想に従い成型スリーブ内に先端側光学系を封入する方法を示す図である。
【
図16B】本発明思想に従い成型スリーブ内に先端側光学系を封入する方法を示す図である。
【
図16C】本発明思想に従い成型スリーブ内に先端側光学系を封入する方法を示す図である。
【
図17】本発明思想に従いファイバシースと温度計測プローブの先端側フェラルとを結合させる方法を示す図である。
【
図18】本発明思想に従いファイバシースと温度計測プローブの先端側フェラルとを結合させる方法を示す図である。
【
図19】本発明思想に従う温度計測プローブの先端側部分の断面図である。
【
図20】温度計測プローブの一部分にあり本発明思想に従う先端側光学系スリーブの断面図である。
【
図21A】本発明思想に従う放射線不透過性シースチップ例の断面図である。
【
図21B】本発明思想に従う放射線不透過性シースチップ例の断面図である。
【
図21C】本発明思想に従う放射線不透過性シースチップ例の断面図である。
【
図21D】本発明思想に従う放射線不透過性シースチップ例の断面図である。
【
図21E】本発明思想に従う放射線不透過性シースチップ例の断面図である。
【
図21F】本発明思想に従う放射線不透過性シースチップ例の断面図である。
【
図21G】本発明思想に従う放射線不透過性シースチップ例の断面図である。
【
図21H】本発明思想に従う放射線不透過性シースチップ例の断面図である。
【
図22】本発明思想に従う非よじれシースチップの断面図である。
【
図23】本発明思想に従う別の非よじれシースチップの断面図である。
【
図24】本発明思想に従いそのシース周りにマルチトーンマーカバンドが備わるよう構成されているプローブの斜視図である。
【
図25】ある種の本発明思想に従う温度計測プローブにより扱われ、誤整列性ホットスポットが現れている走査結果画像を示す図である。
【
図26】ある種の本発明思想に従いホットスポット領域のAスキャンを再整列させる方法を示す図である。
【
図27A】ある種の本発明思想に従うプローブ先端構造の一実施形態を示す図である。
【
図27B】ある種の本発明思想に従うプローブ先端構造の一実施形態を示す図である。
【
図27C】ある種の本発明思想に従うプローブ先端構造の一実施形態を示す図である。
【
図27D】ある種の本発明思想に従うプローブ先端構造の一実施形態を示す図である。
【
図27E】ある種の本発明思想に従うプローブ先端構造の一実施形態を示す図である。
【
図27F】ある種の本発明思想に従うプローブ先端構造の一実施形態を示す図である。
【
図27G】ある種の本発明思想に従うプローブ先端構造の一実施形態を示す図である。
【
図27H】ある種の本発明思想に従うプローブ先端構造の一実施形態を示す図である。
【
図27I】ある種の本発明思想に従うプローブ先端構造の一実施形態を示す図である。
【
図27J】ある種の本発明思想に従うプローブ先端構造の一実施形態を示す図である。
【
図27K】ある種の本発明思想に従うプローブ先端構造の一実施形態を示す図である。
【
図27L】ある種の本発明思想に従うプローブ先端構造の一実施形態を示す図である。
【
図27M】ある種の本発明思想に従うプローブ先端構造の一実施形態を示す図である。
【
図27N】ある種の本発明思想に従うプローブ先端構造の一実施形態を示す図である。
【
図27O】ある種の本発明思想に従うプローブ先端構造の一実施形態を示す図である。
【
図28】ある種の本発明思想に従う
図1及び
図6〜
図11の温度マッピングシステムの先端側領域を示す図である。
【
図29】ある種の本発明思想に従う温度マッピングシステムの先端側領域にて集束レンズに通じているセンサアセンブリの他実施形態の先端側領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0118】
以下、本発明思想の提示諸実施形態を、その例を添付図面に示しつつ詳細に参照することとする。可能な限り、また諸図を通じ、同一又は類似部分には同じ参照符号を用いることとする。
【0119】
本願で用いる用語法は特定の諸実施形態を記述することを目的としており、本発明思想を限定することを意図していない。本願では、文脈上そうでないことが明白でない限り、複数形をも包含する意図で単数形「ある」「1個の」及び「その」が用いられている。
【0120】
同じくご理解頂けるように、語「備えている」(並びにその類型例えば「備える」及び「備えた」)、「有している」(並びにその類型例えば「有する」及び「有した」)、「含んでいる」(及びその類型例えば「含む」及び「含んだ」)、或いは「包摂している」(及びその類型例えば「包摂する」及び「包摂した」)は、本願中で用いる場合、言及している特徴、事物、ステップ、動作、要素及び/又は部材が存在していることを示すものであって、他に1個又は複数個の特徴、事物、ステップ、動作、要素、部材及び/又はその集合が存在し又は付加されることを退けてはいない。
【0121】
ご理解頂けるように、本願では第1、第2、第3等々の語が種々の限定、要素、部材、領域、層及び/又は区画を記述するのに用いられることがあるが、それらの限定、要素、部材、領域、層及び/又は区画がそれらの語により限定されるべきではない。これらの語は、個々の限定、要素、部材、領域、層又は区画を他の限定、要素、部材、領域、層又は区画から区別する目的でのみ用いられている。従って、以下の記述にある第1の限定、要素、部材、領域、層又は区画を第2の限定、要素、部材、領域、層又は区画と呼び変えたとしても、本願による教示から逸脱することはない。
【0122】
同じくご理解頂けるように、ある要素が他の要素に「接触している」「装着されている」「連結されている」又は「結合している」と述べられている場合、前者が後者に対し直に接触若しくは重畳し又は連結若しくは結合されている可能性もあれば、介在要素が存在している可能性もある。対するに、ある要素が他の要素に対し「直に接触している」「直に装着されている」「直に連結されている」又は「直に結合している」と述べられている場合は介在要素が存在しない。要素間関係を記述するのに用いられる他の語についても同じ要領で解釈されるべきである(例.「挟まれている」対「直に挟まれている」、「隣にある」対「すぐ隣にある」等々)。
【0123】
空間関係語例えば「下方」「下」「より下」「上方」「より上方」等を用い、他の(諸)要素及び/又は(諸)特徴に対するある要素及び/又は特徴の関係、例えば図示のそれを記述することができる。ご理解頂けるように、これらの空間関係語は、使用及び/又は動作時の装置の向きとして、図示の向きに加えそれとは異なる向きも包含されることを意図している。例えば、図中の装置をひっくり返したとしたら、他の要素又は特徴の「下方」及び/又は「下」にあると記述されていた要素が当該他の要素又は特徴の「上方」を向くこととなろう。装置がその他のどのような向きにされても(例.90°その他の角度に亘り回動されても)本願で用いられている空間関係記述子をそれに応じ解釈すればよいのである。
【0124】
本願で用いられている語「及び/又は」は、言及している2個の特徴又は部材が互いに併存すること又はしないことそれぞれについての具体的記述として解釈されるべきである。例えば「A及び/又はB」は、ちょうどそれぞれが本願中で個別的に説明されているかのように、(i)A、(ii)B、並びに(iii)A及びB、のそれぞれについての具体的記述として解釈されるべきである。
【0125】
察知頂けるように、本発明の特徴のうち幾つかは明瞭化のため別実施形態の文脈で記述されているが、それらを組み合わせ単一実施形態の態で提供してもよい。逆に、本発明の諸特徴のうち簡略化のため単一実施形態の文脈で記述されているものを、個別的に又は任意且つ好適なサブコンビネーションの態で提供してもよい。
【0126】
例えば、察知頂けるように、(独立形式か従属形式かを問わず)任意の請求項で説明されている特徴全てを任意且つ所与の要領で組み合わせることができる。
【0127】
本願で提供されるのは、複数部位に係る温度マップ、例えば患者の組織の二次元面又は三次元面に係る温度マップを提供する温度計測システムである。本システムは1個又は複数個のセンサ、例えば赤外(IR)光検知器その他の赤外線センサを備えうる。他の実施形態では、本システムがサーミスタ又は熱電対型センサを備えうる。本システムは再利用可能な部分及び1個又は複数個の使い捨て部分を備えうる。本システムは、例えば食道、気道、結腸等といった体腔内に挿入しうるよう構成及び配列されたプローブを備えうる。プローブは長尺部材例えばシャフトを備える構成とすることができ、本システムは、その長尺部材の側方に位置し及び/又はその長尺部材の先端より前方にある複数個の組織部位の温度を計測しうるよう構成及び配列することができる。それらシステムやプローブは、本願出願人による係属中の国際特許出願である2011年11月22日付PCT/US2011/061802号、2013年12月20日付PCT/US13/76961号又は2015年6月2日付PCT/US15/33680号に記載の如く構成及び配列することができるので、この参照を以てこれら出願それぞれの全容を繰り入れることにする。
【0128】
まず、
図1は、本発明思想に従い温度計測プローブを有する温度マッピングシステム10の模式図である。システム10はプローブアセンブリ100、センサアセンブリ500、ファイバアセンブリ200、ユーザインタフェース300、信号処理ユニット(SPU)400及び患者インタフェースユニット600を有している。
【0129】
プローブアセンブリ100はファイバアセンブリ200を可摺動的に受け入れるシャフト(軸)110を有しており、そのファイバアセンブリ200は1本又は複数本の長尺フィラメント即ちファイバを有している。その又はそれらのファイバは、一通り又は複数通りの赤外光波長域に対し高度に透明な一種類又は複数種類の素材、例えばセレン化亜鉛、ゲルマニウム、酸化ゲルマニウム、ハロゲン化銀、カルコゲニド、中空コアファイバ材及びそれらの組合せからなる集合に属する一種類又は複数種類の素材で以て構成することができる。ファイバは、6μm〜15μm又は8μm〜11μmの波長を有する赤外光に対し高度に透過性になるよう構成することができる。実施形態によっては、ファイバアセンブリ200に複数本のファイバ、例えばコヒーレント又は非コヒーレント束の態をなす複数本のファイバが備わる。
【0130】
ある種の実施形態では、プローブアセンブリ100が、自身のファイバアセンブリ200の先端に位置する光学アセンブリ120を有する。それら光学アセンブリ120及びファイバアセンブリ200は、シャフト110の先端側部分の中心軸から見て径方向外方に位置する1個又は複数個の表面部位(例.1個又は複数個の組織表面部位)に発する電磁エネルギのうち、少なくとも赤外光域に属する波長の電磁エネルギを集めるよう、構成及び配列すればよい。集まった赤外光はファイバアセンブリ200内を基端方向に伝搬し、センサアセンブリ500によって受光される。センサアセンブリ500は受光した赤外光を一通り又は複数通りの情報信号へと変換し、その情報信号がSPU400へと送られる。
【0131】
ある種の実施形態では、患者インタフェースユニット600に備わるモーションユニット(駆動ユニット)660が、プローブアセンブリ100の先端112に位置する光学アセンブリ120をファイバアセンブリ200に対し回動させる。ある種の実施形態では、モーションユニット660がリンケージ(結合器)127を介し光学アセンブリ120に結合される(例えば
図2を参照)。ある種の実施形態では、モーションユニット660の動作によりリンケージ127が回動され、ひいては光学アセンブリ120がファイバアセンブリ200に対し回動される。ある種の実施形態ではリンケージ127が長尺とされ、それに備わるチャネル(導路)内にファイバアセンブリ200が通される。そうした実施形態では、モーションユニット660によりリンケージ127がファイバアセンブリ200周りで回動され、また光学アセンブリ120がそのファイバアセンブリ200に対し回動する。ある種の実施形態によれば、ファイバアセンブリ200が回動方向において固定されているものと見なし、リンケージ127及びそれに結合されている光学アセンブリ120をその固定的なファイバアセンブリ200に対し回動させることができる。
【0132】
ある種の実施形態では、モーションユニット660が、更に、ファイバアセンブリ200並びにリンケージ127及び光学アセンブリ120をプローブシャフト110に対し並進即ち直線運動させることで、例えば、一群の組織部位(例.連続的又は断続的な組織表面)から赤外光を集められるようにする。リンケージ127、即ち議論の都合上本願にて「トルクコイル」とも称されるそれは、ファイバアセンブリ200の全長又はその一部に亘りそのファイバアセンブリ200を囲むようなものにするとよい。トルクコイル127は、モーションユニット660に発する回動力を、ファイバアセンブリ200の基端側部分即ちセンサアセンブリ500と連絡している部分から、ファイバアセンブリ200の先端にある光学アセンブリ120のIR集光領域へと伝達することで、その集光領域の構成要素特に光学ミラー(鏡)を本願記載の如くシャフト110内で回動させるよう、構成される。ある種の実施形態では、トルクコイル127が中心チャネルを有する長尺で可撓な管状体を備え、その管状体が、例えばステンレス鋼又はチタンのワイヤをはじめとするワイヤその他のフィラメント複数本からなる織物を備える。ある種の実施形態では、トルクコイル127又はリンケージが、捻れ方向には堅固で長手方向には可撓な長尺管状材を備える。ある種の実施形態ではトルクコイル127が単層バネ又は多層バネを備える。ある種の実施形態ではそのバネが丸み付のワイヤで構成されうるし、或いは平坦なワイヤでも構成されうる。ある種の実施形態では、そのバネが、ワイヤ、金属、合金、鋼、グラファイト、複合材、プラスチックその他、好適な素材のうち少なくとも一種類で以て構成される。リンケージ127のことを本願では「トルクコイル」とも記すが、本発明思想の諸実施形態がそれに限定されるわけではなく、他種の好適な回動リンケージを同じ目的で採用してもよい。ある種の実施形態に従いレーザカット管材をリンケージとして採用してもよい。
【0133】
ある種の実施形態に従い、まさに
図1及び
図2に示すように、スリップリング(滑動環)128、ベアリング(軸受け)、潤滑スリーブ等をファイバ200・トルクコイル127間に配置すること、例えばトルクコイル127のチャネル又はルーメン内に配置しその内方にファイバアセンブリ200を延設することで、ほぼ非拘束且つ連続的又は断続的な要領にてトルクコイル127をファイバアセンブリ200周りで自在に回動可能となる。
【0134】
SPU400は、センサアセンブリ500から受信した一通り又は複数通りの情報信号を、一群の組織部位に関連付けうる一群の温度示数に変換することで、例えば、二次元的及び/又は三次元的な組織表面の上に発現した温度に関する情報(例.平均温度)を提供する。センサアセンブリ500によって提供される情報はSPU400により用いられ、それにより収集部位対計測温度テーブル、即ち上述した収集部位毎に推定平均温度を提示するテーブルが提供される。SPU400によって提供されるテーブルは、温度マップその他、複数個の収集部位からなる幾何構造に係るデータの表示という態で、(例.ユーザインタフェース300により)提示することができる。ある種の実施形態では、それら複数個の収集部位により管状組織の一画例えば食道の一画が構成され、温度マップがその管腔壁その他の体組織を“展開”したものの二次元表現となる。他種実施形態に従い、管腔壁その他の体組織の三次元的表現を提示してもよい。テーブルその他の表現を定期的に更新してもよい。
【0135】
同じく
図1及び
図2に示すように、プローブシャフト110の先端112は、丸み付のチップ(突端)即ちシース(鞘)111及び/又は赤外線に対し比較的透明な管(即ち赤外線透過性の管)を備え、患者の体腔内へのプローブ100の非侵襲的挿入に適した構成とすることができる。ある種の実施形態ではシース111がシャフト110の一部とされ、その基端からプローブ100の先端112まで延設される。他種実施形態ではシース111がシャフト110の少なくとも一部分に沿い延設される。他種実施形態では、シャフト110とは別体に形成されたシース111をシャフト110の先端112と結合(例.糊付け、接合等)させることで、シャフト110の先端112のうち一部をそのシース111で形成する。諸実施形態に係るシャフト110は、ポリエチレン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド及びそれらの組合せからなる集合に属する素材を含むものとすることができる。シャフト110は、網組シャフトで以て構成すること及び/又は1個又は複数個の網組部分を有する構成とすることが可能であり、それを然るべく構成及び配列することで、カラム強度を高めること及び/又はシャフト110の基端111又はその付近に印加されたトルクへの応答を改善することができる。プローブ100は、図示しないガイドワイヤ(案内ワイヤ)の外面沿いに挿入しうるよう構成することが可能だが、本件技術分野に習熟した者(いわゆる当業者)にとり既知の如くシャフト110にガイドワイヤルーメン又は先端側ガイドワイヤサイドカーを具備させるのが普通である。
【0136】
シャフト110の先端側部分112は、赤外線に対し比較的透明な管(即ち赤外線透過性の管)即ち窓115を備え、その窓115が管状セグメントを備え、その管状セグメントの少なくとも一部分が赤外光に対し透明又は比較的透明な構成とすることができる。ある種の実施形態では窓115がシース111の一部とされ又はシース111の開口とされる。ある種の実施形態では、窓115が、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレン、ゲルマニウム、それに類する赤外透明素材、並びにそれらの組合せで構成される集合に属する素材で以て構成されよう。シャフト110が網組その他の補強構造を有する実施形態では、窓115又はその一部分をその補強構造の孔とすることで、集光に相応しく赤外光エネルギに対し透過性とすることができる。
【0137】
シャフト110は堅固(リジッド)でも可撓(フレキシブル)でもよく、或いはその長手方向に沿い堅固セグメント及び可撓セグメントを併有していてもよい。ファイバアセンブリ200は堅固でも可撓でもよく、或いはその長手方向に沿い堅固セグメント及び可撓セグメントを併有していてもよい。シャフト110及びファイバアセンブリ200は直線形状又は湾曲形状に沿い配置可能な構成、例えばその半径が4インチ(1インチ=約0.025m)以下、2インチ以下又は1インチ以下の湾曲個所を1個又は複数個有する湾曲形状に沿い配置可能な構成とすることができるので、例えば、鼻腔気道を介した食道への挿入等が可能である。ある種の実施形態に従い、その全長の一部又は複数部分に沿いシャフト110及びファイバアセンブリ200に十分な可撓性を持たせれば、体腔その他の身体部位内にプローブ100を挿入すること、例えば口又は鼻孔経由で食道内に、口又は鼻孔/鼻腔経由で気道内に、肛門経由で下部消化管内に、及び/又は尿道内に挿入することができる。シャフト110の外径は15Fr未満とすることができ、例えばシャフトの直径を12Fr未満、9Fr未満、6Fr未満等とすることができる。
【0138】
ある種の実施形態では、ファイバアセンブリ200を構成するファイバの諸部分に、被覆例えば抗反射(AR)被覆付の面が備わる。システム内の部材又は部材群は、赤外光を受光し及び/又は放射する光学面を有するものとすることができる。それらの光学面には1個又は複数個の抗反射被覆、例えば6μm〜15μm域又は8μm〜11μm域をカバーする被覆をはじめとする広帯域抗反射被覆、7.5μm〜8μm域又は8μm〜9μm域をカバーする被覆をはじめとする狭帯域抗反射被覆、赤外域内の単一波長又は極狭波長域を最適に反射しうるよう設計された被覆をはじめとする単線抗反射被覆、並びにそれらの組合せ、からなる集合に属する被覆を設けることができる。抗反射被覆を設けることで、各面でのフレネル損失を減らして面当たり最高30%ほど透過性を高めることができる。抗反射被覆は、狭い範囲の入射角を受け入れるようにも広い範囲の入射角を受け入れるようにも構成及び配列しうる。
【0139】
ある種の実施形態では、ファイバアセンブリ200に備わるクラッディングにより赤外光の全内部反射を生成及び/又は維持しつつ、その赤外光をファイバアセンブリ200の先端から基端へと伝搬させる。これに代え又は加え、ファイバアセンブリ200に、1本又は複数本の光ファイバを取り巻くコイル、網組その他の抗よじれ構造を具備させてもよい。
【0140】
やはり
図2に示すように、プローブ100の先端112には、光学素子121及びホルダ124を有する光学アセンブリ120を具備させることができ、またそれら光学素子121及びホルダ124をファイバアセンブリ200のそれと共通の長手軸に沿い延設し整列等させることができる。光学アセンブリ120の構成部材にはファイバアセンブリ200の光ファイバに含まれる素材と同様又は別様の素材、例えば6〜15μm波長域内の赤外光やその一例たる8〜11μm波長域内の光を本願中で既に述べた通り通過させる(例.その赤外光に対し比較的透明となる)構成の素材を、含有させることができる。ファイバアセンブリ200の構成要素のうち光学面を有するもの、例えばファイバアセンブリ200を構成するファイバの先端に抗反射被覆が備わっていてもよい。
【0141】
ある種の実施形態では、光学素子121がミラー122及び集束レンズ123を備えそれらがホルダ124内に配置される。ある種の実施形態では、ミラー122及び集束レンズ123が別々の構造要素とされ互いに所定の距離を以て分離される。他種実施形態では、
図3A〜
図3Cに示すように、ミラー及び集束レンズが一体化、単体化等により同一構造要素例えば反射素子又は屈折素子の構成部分とされる。
【0142】
光学素子121にはこれ以外にも1個又は複数個の光学的構成部材を具備させることができ、それを用いることで、集光済赤外光に対し何らかの動作、例えば集束、分岐、フィルタリング、フィルタリング抜き伝送(例.透過)、増幅、屈折、反射、偏向及びそれらの組合せからなる集合に属する動作を実行することができる。これを実現するには、ホルダ124内に、光ファイバ、レンズ、ミラー、プリズム、増幅器、屈折器、スプリッタ、偏光子、絞り、光周波数逓倍器及びそれらの組合せからなる集合に属する1個又は複数個の光学的構成部材を、具備させればよい。ホルダ124に窓又は開口126を具備させ、それをミラー122と整列させることで、組織エリアの表面からのIR信号を受け取れるようにすることができる。ある種の実施形態によれば、受光IR信号に対しほとんど又は全く影響を及ぼさずIR信号の伝送を行えるよう窓126を構成及び配列することができる。その実行に際し、ある種の実施形態に従い、窓126の透過特性をホルダ本体124のそれと違えてもよい。例えば窓126をIR光に対し透明としてもよい。他種の実施形態に従い、窓126の透過特性をホルダ本体124のそれと同一又は類似としてもよい。
【0143】
ホルダ124はトルクコイル127の先端に結合可能であり、そのトルクコイル127はファイバアセンブリ200を中心にして延設されている。ある種の実施形態では、トルクコイル127をモーションユニット660により駆動しファイバアセンブリ200周りで回動させることができる。これを実行するに当たっては、ミラー122を含め、或いはミラー122及びレンズ123を含め、ホルダ124及びそれに対応する光学素子121がトルクコイル127によって同様に回動される。ある種の実施形態では、
図2に示すように、ミラー122及び集束レンズ123双方を含め、光学素子121が、ホルダ124と共に、温度計測動作中に回動する。
【0144】
他種実施形態、なかでも
図4A〜
図4Cを参照して詳細に後述する実施形態ではデュアルホルダ構造が形成され、そのデュアルホルダ構造により、内ホルダ144に装着されているレンズ143がファイバアセンブリ200に対し静止位置に保持される一方、そのレンズ143に対し静止位置に保持されているミラー122が、リンケージ127に連結されている外ホルダ142により回動される。ある種の実施形態では、レンズ143をファイバアセンブリ200の先端に直に付設するか内ホルダ144に付設することで非回動とし、ミラー122、内ホルダ144(
図4C参照)及びトルクコイル127をファイバアセンブリ200及びレンズ143に対し回動可能とする。
【0145】
温度計測動作中には、IR光がファイバアセンブリ200の先端側部分付近にある個々の組織部位から放射されたときに、そのIR光のうちシース111を通過したものを、光学素子121によってファイバアセンブリ200の先端へと差し向けることができる。例えば、やはり
図2に示すように、組織エリアの表面から集められたIR光がミラー122によって集束レンズ123へと差し向けられ、然るべく構成されているレンズ123によってそのIR光がファイバアセンブリ200へと集束される。差し向けられてきた光は先端側から受動的なファイバアセンブリ200を辿って基端側まで受動伝送され、そこにあるセンサ、具体的には基端側レンズがエネルギを受け取って同センサ上に集束させ、信号処理ユニット400がその受光集光済IRエネルギについての計算を実行する。信号処理ユニット400により多様な計測及び判別を実行することができる。例えば、これまでに集められたIR光の量に基づき、組織エリア毎に平均温度を計算することができる。平均温度を温度対二次元位置マップ(即ち複数個の組織部位からなるマップ)として提示例えば表示させたい用途では、光学アセンブリ120の各投射のエリア、例えば既知その他推定済のそれを用い、その温度マップを生成することができる。
【0146】
やはり
図1に示す通り、ファイバアセンブリ200の基端は、集められた光がセンサアセンブリ500により受光されるよう、センサアセンブリ500と光学的に連絡されている。ある種の実施形態では、集められた光に基づきセンサアセンブリ500により生成された信号が、まさにその組織部位即ち「収集部位」毎の推定平均温度即ち「計測温度」と、SPU400によって関連付けされる。その全面に亘り様々な温度が現れうるところ、この計測温度はその収集部位の全面における平均温度を表している。言い換えれば、個々の収集部位から集められた赤外光は、ファイバ200内を、その収集部位全体の平均温度に関連付けされた単一且つ不可分な信号として、基端側へと伝搬していく。計測温度に誤差を発生させうる要因としては、システム10の光路沿いでの正体不明及び/又は未知の赤外線信号損失、光路沿いでの正体不明及び/又は未知の赤外線信号利得(例.赤外光の不測入射)、センサアセンブリ500の不正確性又はスプリアス信号、電気信号ノイズ、並びにそれらの組合せ、からなる集合に属するそれがある。
【0147】
本願記載の通り、モーションユニット660によって、ファイバアセンブリ200とそのリンケージ127及び光学アセンブリ120とを並進させること、即ちプローブシャフト110又はシース111に対し直線方向に動かすことができる。ある種の実施形態では、モーションユニット660によって、プローブ100の先端112にある光学アセンブリ120をファイバアセンブリ200に対し回動させること並びにリンケージ127をそのファイバアセンブリ200周りで回動させることができる。これを達成するためには、モーションユニット660を、ロータリモータ(回動モータ)及び/又はリニア並進モータアセンブリそれぞれを有する構成にするとよい。ある種の実施形態では、センサアセンブリ500とモーションユニット660のロータリモータとを並進テーブル上に配置し、その並進テーブルをリニア並進モータアセンブリ、例えばこの参照を以て本願に繰り入れられる2015年6月2日付PCT/US15/33680号に記載のそれにより、直線的に動かすことができる。
【0148】
ファイバアセンブリ200の並進即ち直線運動や先端112にある光学アセンブリ120のそれは、モーションユニット660のリニア並進アセンブリにより軸力を印加し、トルクコイル127、ファイバアセンブリ200及び光学アセンブリ120をシャフト110内で前後動させること、とりわけシース111に対し前後動させることで、実現することができる。ある種の実施形態では、そのリニア並進アセンブリによる往復運動の振幅が、心アブレーション手順中に食道の十分長から温度情報を収集しうるよう、設定及び工夫される。
【0149】
光学アセンブリ120のファイバアセンブリ200周り回動は、モーションユニット660のロータリモータにより、例えば360°区間一周又は複数周連続回動、或いは部分周縁回動(例.45°〜320°区間往復回動)の態で、実現することができる。
【0150】
ユーザインタフェース300にはモニタ等を具備させることができ、またそれは少なくとも1個の可視表示モニタ例えばタッチスクリーンを以て構成することができる。ユーザインタフェース300をメモリに格納しコンピュータプロセッサにより実行してもよい。必須ではないが、ユーザインタフェース300には入力デバイスをも具備させることができ、その入力デバイスは、システム10のオペレータがコマンドその他の情報をシステム10に入力可能とする構成の部材を有するもの、例えばタッチスクリーン式モニタ等たるモニタ、キーボード、マウス、ジョイスティック、並びにそれらの組合せ、からなる集合に属する入力デバイスとすることができる。ある種の実施形態では、コマンド信号をユーザインタフェース300から例えば入力デバイス経由で与え、SPU400へと導体経由で伝送することができる。従って、ユーザインタフェース300により温度情報を提示すること、例えば温度マップ、温度値、現在温度情報、過去温度情報等として表示することができ、またそれを、プローブアセンブリ100から受け取った体腔壁又はそれに関連する組織表面でのIRエネルギに応じ行うことができる。
【0151】
図3A、
図3B及び
図3Cは本発明思想に係る様々な光学素子の模式的斜視図であり、例えば
図2の光学素子121を踏まえ記述されている。
図3A及び
図3Bの実施形態では、鏡面232A,232Bを有する反射性光学素子152A,152Bが設けられている。
図3A及び
図3Bの各例では、その鏡面を非平坦にすることでレンズ一体化効果が取り入れられている。
図3Aの実施形態では鏡面232Aの輪郭(外形/プロファイル)222Aが凹状であり、
図3Bの実施形態では鏡面232Bの輪郭222Bが凹状である。いずれの場合も、その非平坦輪郭鏡面222A,222Bの鏡面の働きで、入射IR放射が反射されそのIR放射がファイバアセンブリの先端方向に差し向けられると共に、その差し向けられたIR放射がその非平坦輪郭の光学パラメタに応じ集束される。
図3A及び
図3Bの構成に従いミラーを設けることで、高価なIR素材が必要でなくなる。
【0152】
図3Cの実施形態では屈折性光学素子152Cが例示されており、入射IR放射が入射面231にてその光学素子232の本体に入射している。従って光学素子152CはIR光に対し透過性の素材で形成されている。IR透過性素材の例としては、ゲルマニウム、セレン化亜鉛、それらに類する素材等がある。ある種の実施形態では図示の如く入射面231が平坦とされるが、本発明思想の諸実施形態はこれに限定されないのであり、入射面が非平坦例えば凸状、凹状又は起伏付の輪郭を有し集束機能をもたらす面であってもよい。屈折性光学素子152Cが、更に、内部反射ミラー部分例えば
図2のミラー122に類するそれや、集束レンズ部分を、有していてもよい。そこで、本実施形態の光学素子152Cには、平坦面231、傾斜面232及び起伏面233を有する光屈折器が組み込まれている。
【0153】
光学素子152Cに備わる平坦面231、傾斜面232及び/又は起伏面233は、組織エリアの表面から放射されたIR光を集めるよう構成された平坦、凸状、凹状、湾曲及び/又は不規則形状の面を以て構成することができる。諸実施形態によれば、平坦面231及び/又は起伏面233に抗反射被覆を設け入射IR放射の効率的な伝達を図ることができる。ある種の実施形態に従い、図示の通り屈折性光学素子152Cの起伏面233を集束レンズとして機能させるには、凸形状で以て或いは凹形状、湾曲形状又は不規則形状で以てその面233を構成すればよい。
【0154】
同じく
図3Cに示すように、組織エリアから放射されたIR光40は光学素子152Cの面231によって集められ、光学素子152C内を傾斜面232方向へ伝搬していく。傾斜面232はその回動軸に対し45°の角度で配すればよく、また保護アルミニウム(PAL)又は金被覆をはじめとする反射被覆等で以て被覆してもよい。傾斜面232は、光学素子152Cの凸面233に向かう方向へとIR光40を反射するよう、構成すればよい。ある種の実施形態では、傾斜面232が45°超の角度や45°未満の角度とされることもあろう。ある種の実施形態では図示の如く入射面231が平坦とされるが、本発明思想の諸実施形態はこれに限定ないのであり、入射面231が非平坦例えば凸状、凹状又は起伏付の輪郭を有し集束機能を実行するものであってもよい。
【0155】
本願記載の通り、モーションユニット660には、ファイバアセンブリ200と先端側領域112にある光学アセンブリ120とを直線運動させるモータを、具備させることができる。ある種の実施形態では、ファイバアセンブリ200に備わる1個又は複数個の先端214がある物理的なギャップ、即ち前掲の
図2に示した距離Dによって、集束レンズ123から分離される。使用中に又は製造プロセスにてDを変化させることで、例えば、光学アセンブリ120全体でのIR光倍率を設定することができる。しかしながら、リニア並進アセンブリによる往復運動で生じる力により、ファイバアセンブリ200が光学素子121から分離される可能性がある。それが進むにつれ、事前設定されていた先端側ファイバチップ・集束レンズ123間距離Dが既知距離Dから別の距離へと変化してしまい、温度計測が不正確になる可能性がある。距離Dを維持するには、ベアリング125かそれに類する要素、例えば
図5に示すカラー(襟)153を、ファイバアセンブリ200の先端とホルダ124との間につなげることで、光学素子121に対するファイバチップの摺動又は不要運動のうち距離Dを変化させかねない運動を、妨げればよい。従って、この構成によれば、動作中の先端側光学系距離変動、例えばプローブ100が直線移動中で前後動等しているときの変動を、なくすことができる。
【0156】
このように、特徴の一つは、ファイバアセンブリ200の先端側ファイバチップと集束レンズ123との間の距離Dが製造プロセスの多大な影響を受けない点、或いは製造プロセスによって変化しない点にある。製造時にシステムを校正することで、距離Dを巡る公差を算入することができる。ファイバアセンブリ200及びトルクコイル127は、並進により生じた力による顕著な伸展及び伸長にさらされることがあり、それにより距離Dが変化することがある。そうした力により並進又は回動中に距離Dが変化すると、ファイバによって収集されるエネルギの量に変化が生じ、ひいては並進運動及び回動運動の押し引きサイクル中に温度変化が生じることとなりうる。ベアリング125により、トルクコイル127内でそれらファイバに働く予荷重を維持することができる。並進及び/又は回動中に生じる押し引き力がその予荷重により吸収され距離Dの変化が阻止されるので、往復サイクル全体を通じ一貫した温度示数が得られる。
【0157】
図4Aは本発明思想に従う温度計測プローブ100の先端側部分212の切欠斜視図である。
図4Bは、
図4Aの温度計測プローブ100の先端側部分212のうち回動アセンブリ部分の断面図である。
図4Cは、
図4Aの温度計測プローブ100の先端側部分212のうち静止アセンブリ部分の断面図である。
【0158】
プローブ100の先端212は
図2に記載の先端112と同様のものでよいが、
図4A〜
図4Cに示すプローブ100の先端212に第1ホルダ及び第2ホルダが備わる点、即ち内ホルダ144及び外ホルダ142を有するデュアルホルダ構造が備わる点で異なっている。本実施形態では、その内ホルダ144がレンズ143に固定的に装着され、そのレンズ143がミラー122に対し回動方向において静止している位置に保持され、そのミラー122が外ホルダ142によって回動される。
【0159】
より具体的には、
図4Cに示すように、ファイバアセンブリ200が内ホルダ144、別称光学系ホルダに装着され、そこにレンズ143又はそれに類する光学素子が配置される。内ホルダ144が外ホルダ142から独立していて、その外ホルダ142がトルクコイル127に結合されているので、回動方向において固定されている内ホルダ144とは独立に回動する態で、外ホルダ142を動かすことができる。本実施形態では、
図4Aに示すように、ファイバアセンブリ200、内ホルダ144及びレンズ143がトルクコイル127及びミラー122に対し回動方向において固定される一方、それら回動方向において固定されているファイバ200、内ホルダ144及びレンズ143に対しトルクコイル127、外ホルダ142及びミラー122を一体的に回動させることができる。
図4Cに示すように、内ホルダ144により所定の距離Dで以てファイバアセンブリ200がレンズ143から分離される。従って、この構成では、先端側光学系距離Dの動作時変動、例えばそのプローブ100が直線運動中で前後動等しているときの変動が、光学系ホルダ144によって防止される。
【0160】
図5は、本発明思想に従う締付済先端側アセンブリ312の断面図である。
【0161】
先端側アセンブリ312は、光学アセンブリ120、ホルダ124、トルクコイル127、ファイバアセンブリ200、カプリング(結合器)152、カラー153、先端側フェラル(口環)154及び先端側終端器155を有する構成とすることができる。
【0162】
本願記載の通り、好ましくはファイバアセンブリ200を静止即ち非回動とし、その静止ファイバアセンブリ200に対し光学アセンブリ120を回動させる。先端側カプリング152は先端側フェラル154・先端側終端器155間で静止ファイバ200に結合されている。トルクコイル127はカプリング152、先端側フェラル154及びホルダ124を回動させ、ひいては光学アセンブリ120を回動させる。
【0163】
先端側フェラル154・カプリング152間にはスペース又はギャップを延設することができる。そのスペース又はギャップ内にはカラー153を配置することができる。カラー153はファイバアセンブリ200に付着しており、例えばファイバアセンブリ200に備わるファイバを取り巻くポリエーテルエーテルケトン(PEEK)シースその他のプラスチック材に接合されている。従って、このカラー153によりトルクコイル127のファイバ200周り回動を可能としつつ、そのカラー153と先端側フェラル154との協働により、トルクコイル127、カプリング152及び先端側フェラルに対するファイバ200の直線運動を防ぎ、ひいてはファイバアセンブリ200のファイバの先端と光学素子120との間の距離Dを保つことができる。
【0164】
図6は、本発明思想に従う温度計測プローブの基端側部分413の断面図である。この温度計測プローブに備わりうる部材のうち、本願記載のプローブ100又はそれに類する部材についての記述は、簡略化のため繰り返さないことにする。
【0165】
図1との関連で上述した通り、患者インタフェースユニット600のモーションユニット660にはロータリモータを具備させることができる。
図6に示すロータリモータ610はモーションユニット660の一部たりうるものでトルクコイル127はこれにより回動される。センサアセンブリ500及びロータリモータ660は並進テーブル(図示せず)と共に直線方向沿いに並進させることが可能であり、これはリニア並進モータアセンブリ(図示せず)による駆動、例えばこの参照を以て繰り入れられる2015年6月2日付PCT/US15/33680号記載のシステムに類するそれで行われる。ある種の実施形態では、モーションユニット660に備わるリニア並進モータアセンブリにより、直線方向に沿いトルクコイル127及びファイバアセンブリ200が一緒に動かされる。
【0166】
ある種の実施形態では、ロータリモータアセンブリ610の中心に備わる中空シャフト623内にプローブコネクタ626が延設され、そのプローブコネクタ626内にファイバアセンブリ200の基端が通される。ロータリモータ610は、ステータ、ロータ及び/又はその他の周知ロータリモータ構成部材を備え、それらにより中空シャフト623内回動を開始させることでそのシャフト623内に位置するプローブコネクタ626を回動させる構成とすることができる。プローブコネクタ626は、この参照を以て本願に繰り入れる2015年6月2日付PCT/US15/33680号に記載の諸実施形態に類する要領等で、シャフト623に可脱装着することができる。
【0167】
回転エンコーダホイール(図示せず)をロータシャフト623の一端に固定的に装着すること、またそれをテーパ付、円錐状、環状その他、本願記載の利点をもたらす形状とすることが可能である。そのエンコーダホイールからフィードバックを受けることで、モータコントローラは、ステータに対するロータシャフト623の角度位置、角速度又は角加速度を精密に制御することができる。これにより、挿入されているプローブコネクタ626の回動、ひいては対応するファイバアセンブリ200の回動を、精密に制御することができる。
【0168】
ロータシャフト623の端部は、プローブアセンブリ例えば
図1に示したプローブアセンブリ100に備わる結合先ノーズ(突出部)を受け入れうるよう、凹状且つ環状なもの例えば円錐状のそれにするとよい。この円錐状又は円形な装置関係により、ファイバ200の基端即ち集光されたIRエネルギ信号が出力される端と、センサ500に備わる光学素子と、の間の光学的結合を信頼できるものとし、それらの間の位置関係及び間隔を確と適正化することができる。代替的諸実施形態に従い他の凹状/凸状ノーズを採用してもよく、そうしたノーズも本発明思想の諸原理に遜色なく応用可能である。該当する形状の例としては、放物状、楕円状、半球状、段差付等がある。
【0169】
シャフト623の基端には、円錐状の基端側フェラル625を有する長い基端側ブッシング622を配置することができる。基端側フェラル625はファイバアセンブリ200の最外端に結合され、そのファイバアセンブリ200を、センサアセンブリ500に対し回動方向において静止している位置に保持している。そのファイバアセンブリ200のファイバから出射された光を、基端側レンズ515によりセンサアセンブリ500上に集束させることができる。プローブコネクタ626のうち部分627はブッシング622の中空中心領域内に延びる部分であり、ファイバアセンブリ200の周りに位置していて、そのファイバアセンブリ200周りで可回動である。プローブコネクタ626のこの部分627は、静止しているファイバブッシング622から延び静止している基端側フェラル625の内部中空部に位置している。代替的諸実施形態に従い他の凹状/凸状ノーズを採用してもよく、そうしたノーズも本発明思想の諸原理に遜色なく応用可能である。該当する形状の例としては、放物状、楕円状、半球状、段差付等がある。
図6に示した円錐状実施形態では、その円錐状の造作によりプローブが確と捉えられ、ファイバの基端を基端側レンズ515に対し同心状に保持可能で可再現的な最終位置に座ることとなる。
【0170】
基端側ブッシング622は、溝(グルーブ)、リッジ(畝)等であり例えば
図10に類するそれを有し、それらがプローブコネクタ626側の凸状リング620、ボールベアリング等にスナップフィットし一体化する構成とすることができる。このスナップフィット構造における機械的干渉により、基端側フェラル625を凸状リング620上に捉えることができる。基端側フェラル625は、十分な可圧縮性を有し凸状リング620上に嵌めるのに適した可塑性PEEK等で形成することができる。テーパ付の構造を設け、基端側フェラル625・凸状リング620間プレスフィットを可能にしてもよい。幾らかテーパを付けることもプレスフィットに役立とう。凸状リング620は、ファイバアセンブリ200を中心にして、基端側ブッシング622の中空中心部内に配置されている。凸状リング620は、可回動要素とりわけプローブコネクタ627及びトルクコイル127を静止要素とりわけ基端側ブッシング622から分離させるボールベアリング等を、有するものとすることができる。
【0171】
図7は、他の本発明思想に従う温度計測プローブの基端側部分423の断面図である。この温度計測プローブに備わりうる部材のうち、本願記載のプローブ100又はそれに類する部材についての記述は、簡略化のため繰り返さないことにする。
【0172】
図7の温度計測プローブの基端側部分423が
図6に示したそれと異なっているのは、基端側部分423がデュアルベアリング640A,B(640と総称)を有している点である。1個目のベアリング640Aはフェラル642の先端に位置し、プローブコネクタ626の表面に向かって押さえつけられている。2個目のベアリング640Bはフェラル645の円錐状基端に位置している。これら第1ベアリング640A、第2ベアリング640Bとトルクコイル127のフェラル642内部分との間にはギャップ643が存している。動作中には、
図6に示したプローブと同様、基端側フェラル642及びファイバアセンブリ200が静止する一方、プローブコネクタ626及びトルクコイル127がファイバ200周りで回動する。こうした形態でのベアリング640A,640Bの配置により高回動速度動作中の安定性が得られる。
【0173】
図8Aは本発明思想に従う温度計測プローブの基端側部分433の断面図である。
図8Bは
図8Aのプローブの一領域の拡大図である。
【0174】
この温度計測プローブに備わりうる部材のうち、本願記載のプローブ100又はそれに類する部材についての記述は、簡略化のため繰り返さないことにする。
【0175】
図8A及び
図8Bの温度計測プローブの基端側部分433が
図6及び
図7に示したそれと異なっているのは、基端側部分433のうち、静止している基端側フェラル655と可回動なプローブコネクタ626との間に、スラストボールベアリング650が1個備わっている点である。スラストボールベアリング650は、
図8Bに示すように、単一のラジアルボールベアリングに比べ大きな軸荷重を受け入れうる。この場合、第1レース651が第2レース652に対しスピンする。従来の軸荷重では、ラジアルボールベアリングに対し、それらボールを過ぎり浅い接触角で以て荷重が作用する。他方、スラストベアリング650に対しては、ボール653を過ぎり直交方向の荷重が作用するので、大きな荷重が許容される。
【0176】
図9は本発明思想に従う温度計測プローブの基端側部分443の断面図である。この温度計測プローブに備わりうる部材のうち、本願記載のプローブ100又はそれに類する部材についての記述は、簡略化のため繰り返さないことにする。
【0177】
図9の温度計測プローブの基端側部分443が
図6〜
図8に示したそれと異なっているのは、基端側部分443のうち基端側フェラル665・プローブコネクタ626間にスラストベアリング660及びラジアルベアリング661が備わっている点である。スラストベアリング660は、例えば直線運動中にスラスト荷重を受け入れうるよう構成及び配列され、静止している基端側フェラル665の頂部と可回動なプローブコネクタ626との間に配置されている。ラジアルベアリングはラジアル荷重を受け入れうるよう構成及び配列され、フェラル665の空洞内等、スラストベアリング660より下方に配置されている。
【0178】
図10は、本発明思想に従う温度計測プローブの基端側部分453の断面図である。この温度計測プローブに備わりうる部材のうち、本願記載のプローブ100又はそれに類する部材についての記述は、簡略化のため繰り返さないことにする。
【0179】
基端側部分453は、少なくとも
図6〜
図9に記載のそれと同様、基端側フェラル675及びプローブコネクタ626を有する構成とすることができる。ファイバアセンブリ(図示せず)は基端側フェラル675に結合され、少なくとも
図6〜
図9に記載の実施形態と同様、静止位置に保持されている。基端側フェラル675はデュアルラジアルボールベアリング670A,Bを保持している。ブッシング676はプローブコネクタ626に結合されており、そのプローブコネクタ626から基端側フェラル675の内部へと延びている。ボールベアリング670A,B(670と総称)等は基端側フェラル675内に保持されている。環状リッジ678がその基端側フェラル675から延び、ベアリング670A,Bをその場に嵌め込むためのアンダーカットを構成している。
【0180】
ベアリングシム677は、先端側ボールベアリング670Bと、プローブコネクタ626のうち基端側フェラル675内に挿入されている部分と、の間に挿入されており、それによって、それら要素が相互分離されグラインディングその他の不要相互作用が防止されている。保持シャフトスナップリング674を組み込み、ベアリング670A,670Bの間隔及び適正な位置関係を保持するようにしてもよい。
【0181】
図11は、本発明思想に従う温度計測プローブの基端側部分463の断面図である。この温度計測プローブに備わりうる部材のうち、本願記載のプローブ100又はそれに類する部材についての記述は、簡略化のため繰り返さないことにする。
【0182】
図11の温度計測プローブの基端側部分463が
図6〜
図10に示したそれと異なっているのは、基端側部分463が、基端側フェラル685・プローブコネクタ626間にローラニードルベアリング680を備えている点である。
【0183】
図12は、本発明思想の他種実施形態に従う温度計測プローブの基端側部分473を示す図である。この温度計測プローブに備わりうる部材のうち、本願記載のプローブ100又はそれに類する部材についての記述は、簡略化のため繰り返さないことにする。
【0184】
図12の温度計測プローブの基端側部分473が
図6〜
図11に示したそれと異なっているのは、基端側部分473が、一対のボールベアリング640A,Bと、2個のスペーサ646,647と、自基端側部分473の先端に位置する保持クリップ648と、を有している点である。ボールベアリング640A,Bは他の諸実施形態にて記述したそれと同様でよく、この例では、静止している円錐状フェラル(図示せず)に結合されたボールベアリング部分641と、トルクコイル127をファイバアセンブリ200周り回動させうるよう基端側トルクコイル終端領域に結合された内側部分642と、を有している。このデュアルベアリング構造により安定性及び整列が提供・実現される結果、プローブの基端に発し装置の長手方向沿いに伝搬していく振動が低減される。保持クリップ648により、静止しているフェラル内でのトルクコイル127のあらゆる直線運動、例えば摺動その他の運動が防止される。スペーサ646により、ボールベアリング640A,Bの分離具合が互いに所定の距離に保たれる。スペーサ647により、保持クリップ648からのボールベアリング640Aの直線方向分離具合が保持される。
【0185】
図13は、本発明思想に従う温度計測プローブの基端側部分484を示す図である。この基端側部分484は、
図12に示した基端側部分473に備わるボールベアリング/スペーサ構造の代わりに単一の長尺ベアリングアセンブリ651を有している。長尺ベアリングアセンブリ651は、自ベアリングアセンブリ651の端部にレース652A,Bを備え、それらがそれぞれ先端側フェラル(図示せず)に結合された構成にすることができる。長尺ベアリング651は、その内部にトルクコイル127を延設可能な中空内部領域653を有している(
図13にこの長尺ベアリング651の断面を示す)。こうした構造であるので、トルクコイル127をファイバアセンブリ200周りで回動させつつ、ファイバアセンブリ200に対するトルクコイル127の不要な直線運動を防ぎ又は小さくすることができる。ベアリングアセンブリ651により組立の簡単化及び信頼性の向上が実現される。更に、長尺ベアリング651により高いベアリング間同心度が実現されるため、動作がよりスムースとなり振動が少なくなる。
【0186】
図14に示すように、製造時には、ある種の実施形態に従いマンドレル486等によって管フレア端657を形成することができ、またそのフレア端657によりトルクコイル127に抗しベアリング651をその場に保持することができる。こうすることで、トルクコイルにより長尺ベアリング651に力が加わるようにすること、より具体的には長尺ベアリング651の端のうちレースデバイス652Bを有する端にて加わるようにすることができる。フレア端657がストップ(制止材)として働くので、長尺ベアリング651がトルクコイル127に沿い直線摺動することを防ぎ、本願記載の保持リング又は保持クリップに類する機能を提供することができる。
【0187】
図15Aは、本発明思想に従う光学系スリーブ133の斜視図である。
図15Bは、
図15Aの光学系スリーブ133の縦断面図である。
【0188】
光学系スリーブ133即ちホルダは、プローブアセンブリの先端に位置する光学素子121を収容しうるよう構成及び配列されている。諸実施形態に従い、光学系スリーブ133を、ステンレス鋼、一種類又は複数種類の金属、合金、複合材その他の素材で形成することができる。諸実施形態に従い、光学系スリーブ133を機械加工、成型等で好適に形成することができる。
【0189】
ある種の実施形態によれば、光学系スリーブ133の外面上に溝を設け薄い壁状押出体135の配置を受け入れうるようにすることができ、またその押出体135の外面をスリーブ本体の表面と整列即ち同一面化させることができる。ある種の実施形態では、その押出体135が、IR波長の電磁エネルギに対し概ね透過性の素材、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)その他の透過性素材で形成される。押出体135は、スリーブ133の端上でその溝に対し伸長又は熱収縮させることができる。スリーブ133に円形その他の形状の小開口134を設けIR透過窓として動作させること、例えば
図2の実施形態との関連で記述した窓126と同じ要領で動作させることができる。ある種の実施形態では、入射IR光を受け取り転向させうるよう構成された光学素子121(
図15B参照)、より具体的にはミラー等に対し、その開口134を整列させる。開口134は、その下方に位置する窓より小さくすることができるので、大きめの窓が呈しがちな凹入(コンケービング)効果が低減される。スリーブ133が部分的には封止材として働くので、粒状物がファイバアセンブリ200の先端及び/又は光学素子に障害を及ぼすことを防ぐことができる。スリーブ133は本願記載の如く駆動され回動及び直線往復するので、スリーブ133の先端に丸み付のチップ412Fを設けることで、スリーブ133が入り込み又は通り抜ける等して外部ポリエチレンシース等の先端領域内即ちチップ412の配置先が損傷することを、防ぐことができる。
図15A及び
図15Bを基準にしてチップ412を描写及び記述したが、それらの図に限定されるものではない。チップ412にはカプリング機構413を具備させること、例えばスリーブ本体と連携してチップ412をその場に保持する1個又は複数個のタブを具備させることができる。ある種の実施形態に従い、開口134の形状を円形にしミラーのサイズに比し小さめのサイズにすることで、押出体135を形成しているLDPE材が開口134に対し沈み込む凹入効果に関わる製造上の諸問題を、緩和することができる。
【0190】
光学素子121は本願記載の光学素子例えば
図3A〜
図3C中のそれと同一又は類似の構成、即ちレンズとして機能するよう構成及び配列された反射面121Aを有しそれによって入射IRエネルギをファイバアセンブリ200の先端へと差し向ける構成とすることができる。具体的には、反射面121Aは、ファイバアセンブリ200の長手方向を横切る方向に沿い自面上に入射した赤外エネルギを、そのファイバアセンブリの長手方向に沿いファイバアセンブリの先端へと差し向ける。このホルダのエンドキャップ412は、光学素子121の反射面121Aが位置する長手方向沿い開口の先端にある。ある種の実施形態では、エンドキャップ412の第1部分がその長手方向沿い開口内に位置し、エンドキャップ412の第2部分がその長手方向沿い開口の先端より先まで延設される。光学素子121の反射面121Aは、このホルダの長手方向沿い開口の長手軸に対し鋭角をなす面とすることができ、またエンドキャップの一部分の端面に反射面121Aが当接するようにすることができる。ある種の実施形態に従い、光学素子121の反射面121Aを反射性素材又は反射被覆で形成してもよい。ある種の実施形態では、例えばゲルマニウム、セレン化亜鉛又はそれに類する素材を含むIR透過材を光が通り抜けるよう、光学素子121が構成される。集束ミラーが採用されるケース、例えば
図15A及び
図15Bの実施形態では、割合に高価なIR透過性材の使用を減らすのにこの構成を役立てることができる。光学素子121はファイバ200の先端からエアギャップ113で以て、或いは光学素子121・ファイバ200間でIRエネルギを交換しうる媒体で以て、分離させることができる。エアギャップ114又はそれに類する媒体を、光学素子121の上面と開口134に位置する押出体135との間に配置してもよい。具体的には、光学素子121に平坦面を設け、開口134の向かい側に配置する。開口134を介し受け入れたIRエネルギが、光学素子121に備わるその平坦面を通過し、光学素子121内で45°角の反射面121Aにより内部反射される。光学素子121の外面116に湾曲を付け、その湾曲面116を利用することで、反射及び放射されたIRエネルギをファイバ200上に更に集束させてもよい。
【0191】
図16A〜
図16Cは、本発明思想に従い成型スリーブ1200内に先端側光学系1220を封入する方法を示す図である。スリーブ1200は、例えば、
図15A及び
図15Bに記した光学系スリーブ133と同様、プローブの先端周りに配置しうるよう構成及び配列されている。先端側光学系1220は鋭いエッジ1221を有するものとすることができる。スリーブ1200は、組織表面からIRエネルギを受け取れるよう光学系1220を露出させる窓1206を、有するものとすることができる。窓1206は透過性素材例えばLDPEで形成することができる。スリーブ1200には、光学系スリーブ1200に抗し力を加える管1204を保持するアンダーカット1203を、具備させることができる。本実施形態では、管1204を、光学系1220をその場に保持しうるように構成することができる。スリーブ1200には、先端側フェラル例えば本願記載のそれ又は他のプローブ構成要素と番うネジ領域1202を、具備させることができる。丸み付のチップ1212は成型で得られた先端側光学系スリーブ1200の一部分であり、
図15A及び
図15Bに示したチップ112と違い別体になっていない。
【0192】
図17及び
図18は、本発明思想に従いファイバシース201と先端側フェラル154を連結し温度計測プローブのファイバアセンブリ200を保持する連結手段を示す図である。本実施形態におけるファイバシース201の形態は潤滑スリーブ、例えば
図2の実施形態との関連で本願に記載したスリーブ128とすることができる。ファイバシース201は、本願記載のファイバアセンブリ200に備わる1本又は複数本のファイバを取り巻くよう構成及び配列することができる。ある種の実施形態では、このファイバシース201が、回動方向において固定されているファイバアセンブリ200の本体と、その周りにあり回動方向に動くトルクコイル127と、の間のベアリングとして本願記載の如く動作する。
【0193】
少なくとも
図2及び
図5の実施形態との関連で本願中に記載した通り、光学素子121とファイバアセンブリ200の先端との間の距離Dをある程度の不変性で以て保持することで、最適な結果に導くことができる。この結合構造は距離Dの保持に役立つ。
【0194】
先端側フェラル154は、回動方向において固定されているファイバアセンブリ200の端やファイバシース201向けのマウント(実装材)として動作するものであり、他実施形態にて記した先端側フェラル例えば
図5に記した先端側アセンブリ312に、類するものとすることができる。
【0195】
図17に示すように、ファイバシース接合領域702は、例えば、押圧力その他の力を加え接合領域702を先端側フェラル154の貫通孔内へと動かすことで、先端側フェラル154内に挿入される。これにより、ファイバアセンブリの並進抜きでのトルクコイル127の回動が可能となる。
【0196】
ファイバシース201は、その長手方向に沿い摩滅から保護されるよう、それでいてどの鉄系素材との接触からも保護されるよう、ファイバに接合されている。トルクコイル127は鋼で形成されているのでファイバを接触させてはならない。ファイバシース接合領域702は往々にしてボタンヘッドと称されるものであり、先端側ファイバフェラル154に対するベアリングとして動作しうる。本装置を製造する際には、ボタンヘッド702上に僅かな荷重がかかるよう、ひいては並進及び/又は回動サイクル中にファイバ201が軸方向に動かないよう、トルクコイル127を圧縮する。
【0197】
図19は、本発明思想に従う温度計測プローブの先端側部分490の断面図である。この温度計測プローブに備わりうる部材のうち、本願記載のプローブ100又はそれに類する部材についての記述は、簡略化のため繰り返さないことにする。
【0198】
先端側部分490はファイバ保護シース497を有しており、ファイバアセンブリ200を保護すべく先端側フェラル491の両側にヘッド即ち第1,第2ヘッド492A,Bが配置されている。また、先端側フェラル491があるのでトルクコイル127及び光学素子120のファイバアセンブリ200周り回動が可能である。とはいえ、先端側フェラル491の両側に保護シースヘッド492A,Bが存在することからコイル127・ファイバアセンブリ200間分離が低減又は排除されるため、ファイバアセンブリ200を構成しているファイバの先端と光学素子120との間の距離Dが、何らかの往復運動によって何らかの力が生じその力がファイバアセンブリ200を光学素子120から引き離すよう働いたとしても保たれる。先端側フェラル491の長さが短いのでベアリング492A,B双方を収容することができる。先端側光学系ホルダ1912は、光学素子120、第2ヘッド492B、並びに先端側フェラル491の一部分を巡り配置されている。
【0199】
図20は、本発明思想に従う温度計測プローブの一部分にあり
図19に示されている先端側光学系フェラル491の断面図である。フェラル491は、トルクコイル127がファイバアセンブリ200周りで回動している間にトルクコイル127・ファイバアセンブリ200間が固着することを防げるように構成及び配列されている。ある種の実施形態では、例えば、
図9に示したヘッド492A,Bを収容すべくファイバの長さが長めとされることがある。先端側光学系スリーブ490は、こうした長めのファイバアセンブリ200と整合するよう構成される。
【0200】
図21A〜
図21Hは、本発明思想に従う様々な放射線不透過性シースチップ800A〜800Hの断面図である。シースチップ800A〜800H(800と総称)はボール状物体801(
図21A〜
図21C,
図21F)、ピン804(
図21D)等を有しており、それらは様々な放射線不透過性素材、例えばステンレス鋼(SS)その他の放射線不透過性素材又は放射線不透過性素材含浸プラスチックで形成されている。シースチップ800の内部は、エチレンビニルアセタート層その他の軟質プラスチック等で以てライニング(裏打ち)するとよい。ある種の実施形態では、例えば
図21Hに示すように、その内部が放射線不透過性素材、例えばEVA及び放射線不透過性添加物(RO)で形成されよう。
【0201】
シースチップ800は、装置のチップにマーカ(
図21E)が備わる構成とすることができる。マーカを設けることでシースチップ800を目立たせることは、挿入中にプローブが幾重かに折れ重なってしまうこと、例えば撮像動作中に故障が起きてトルクコイルが詰まってしまうこともありうるので、重要なことである。
【0202】
他の構成、例えば
図21F〜
図21Hに示すそれを作成してもよいが、それらに限定されるわけではない。
【0203】
図22は、本発明思想に従う抗よじれシースチップ900の断面図である。シースチップ900は、体腔内に通しているさなかにプローブの先端902に不要なよじれが生じる恐れが減るよう、構成及び配列されている。プローブの先端には光学素子902、例えば本願記載の光学素子121に類するものが備わっている。通常の構成であれば、光学素子902の先端とシース111の先端の内部との間に長手方向沿い間隔がある。そうした間隔はシース111のよじれが発生する余地を生む。
【0204】
本実施形態では、シースチップ900が第1部分904、第2部分906及び第3部分914を有している。第1部分904は低密度押出体、例えばポリエチレン押出体(LDPE)908、それに類する押出体、或いはプローブシース形成向けの周知な他素材で形成された押出体を有している。
【0205】
第2部分906はその第1部分たる低密度押出体908を包含している。第2部分906は、更に、エチレンビニルアセタート(EVA)押出体管910の層たるライニングを有しており、そのライニングによりLDPE壁908内に肉厚壁が形成されている。プローブチップ902は、このEVA押出体管910にぶつかるよう配置すればよい。EVA押出体管910は図示の如くU字状とすればよいが、シースチップ900の先端、例えば第2部分906及び/又は第3部分914を含む端のそれと一致する他の形状とすることもできる。
【0206】
LDPE壁908とEVA管910の壁との間には、第2部分906の一部分に沿い微かなギャップ905を延設することができる。第3部分914は、そのLDPE壁908とEVA押出体管910とを接合する熱熔着領域911を、有する構成とすることができる。従って、上掲の構成により、先端におけるよじれを緩和する補強ユニットが形成されることとなる。この補強ユニットは、更に、1個又は複数個のボール、1本又は複数本のピン、コイル状素材等のうち少なくとも1個で以て構成された挿入物を備える構成にすることができる。
【0207】
図23は、本発明思想に従う他実施形態の抗よじれシースチップ1000の断面図である。シースチップ1000の構成要素は、
図22に記したシースチップ900と類似又は同一のものとすることができる。
【0208】
シースチップ1000は光学素子1002を有しており、その光学素子1002は延長チップ1003、即ち自素子1002の本体部分より狭幅又は小径な先端を有している。光学素子1002の先端1003はEVA押出体管1010内に配置することができる。ある種の実施形態では延長チップ1003が補強ユニット、例えば
図22又は
図23に示したそれと機械連絡されよう。EVA押出体管1010の基端は、光学素子1002の先端1003を受け止めうる斜取り面又は面取面1007を有し、プローブ向けの付加的なよじれ抗性を提供すること、特にシースチップ1000に対しプローブ先端1003が並進及び/又は回動しているときに提供することが可能な、構成とすることができる。
【0209】
図24は、ある種の実施形態に係りそのシース1111周りにマルチトーンマーカバンド1125が備わるよう構成されているプローブ1100の斜視図である。図ではマーカバンド1125が1本であるが、シース1111がその一部をなしているプローブシャフト110に2本以上のマーカバンドを付加的に設けることが可能であり、それらマーカバンドを窓1106の基端及び先端上に及び/又は隣に配すること、ひいてはその窓1106越しに見える組織から温度計測動作中にIRデータを受け取れるようにすることが可能である。バンド1125を視認可能又は識別対象とすることで、プローブの位置決めを助けることができる。バンド1125には放射線不透過性素材、アルミニウム、チタン、金、銅、鋼、イリジウム、プラチナ、コバルト、クロム、それらの組合せ及び/又はその輻射能が既知な素材、からなる集合に属する素材を含有させることが可能であり、そうすることで、バンド1125から輻射された赤外光がファイバアセンブリ200により受け取られたときに、ファイバアセンブリ200によりバンド1125の赤外温度情報を記録することが可能となる。バンド1125は、集光器例えばファイバアセンブリ200の先端がバンド1125の内方に位置しているとき(例.バンド1125から送られてきた赤外光を集めているとき)に、センサアセンブリ500にて所定その他の個別計測可能信号を含む信号、例えば所定パターンの赤外線反射率又は輻射能或いは計測可能な温度を含むそれが受信されるよう、構成及び配列することができる。
【0210】
バンド1125には、1個又は複数個の温度センサ例えば1個又は複数個の熱電対、サーミスタその他の温度センサを具備させることができ、その温度センサは、バンド1125の温度情報を1個又は複数個の組織部位付近で計測しうるよう構成することができる。
【0211】
マーカバンド1125は、他の諸実施形態におけるそれと同じ要領で、例えばシース1111をその周沿いに取り巻くように配置されている。マーカバンド1125の内面には、互いに別様に形成された第1領域1126及び第2領域1127、より具体的にはその輻射能が既知で別々なそれを具備させることができる。ある種の実施形態では、第1領域1126が第2領域1127とは異なる素材で形成される。他種実施形態では、第1領域1126が第2領域1127とは別の色を有する。
【0212】
第2領域1127は第1領域1126よりも小さなものとすることができる。ツートーンマーカバンド(1126,1127)を示したが、1本又は複数本のマーカバンドが3個以上の領域、色、素材その他の特徴を有していて諸領域を互いに弁別可能な構成等、他の構成も遜色なく適用することができる。温度計測動作中にバンド1125の内方を撮像すると、IR検出器にとってはそれらの輻射能が二通りの温度に見えるはずである。これはIR検出器からは温度差に見え、またその温度差は既知の定数になるはずである。従って、システムの勾配を直接算出することができ、例えばそれを用い本願記載の如く温度計測を実行することができる。
【0213】
例えば、ファイバアセンブリ200の先端における集光領域が領域1126にあるので、マーカバンド1125の領域1127を占める残りの周縁での温度示数とは異なる温度を有する領域を、検出器により見つけ出すことができる。従って、IR透過性領域1126越しにIRデータがファイバアセンブリ200の先端にて収集されたことを、センサによりまたディスプレイにより指し示し、それにより基準点を提供することができる。
【0214】
図25は、ある種の本発明思想に従う温度計測プローブにより扱われ誤整列性ホットスポットが現れている走査結果の画像1400である。
図26は、ある種の本発明思想に従いホットスポット領域のAスキャンを再整列させる方法である。
【0215】
上述の通り、ある種の実施形態では、温度マッピングシステムに備わるロータリモータが、温度計測動作中にファイバアセンブリに対しトルクコイル127ひいては光学アセンブリ120を回動させるように構成及び配列される。この動作の例としては、体腔内にプローブを配置し、その領域周辺にある組織表面領域の断面を対象にして回動方向走査、即ち本願で言うところのAスキャンを実行するものがある。1本の360°ラインに対するAスキャンは多数の個別温度示数で構成されよう。ある種の実施形態では3600RPMでのスピン中に128個のサンプルが採取されるが、これに限定されるものではない。また、そのプローブアセンブリにより、プローブのIR透過性領域の長手方向に沿った並進方向走査たるBスキャンを、例えばマーカバンド即ち不透明領域から見てプローブシースの基端側にて、或いは2本のマーカバンド間で実行することができる。Bスキャンは、必要なAスキャン全てを寄せ集め作成した所定長例えば60mmに亘る網羅的な並進スキャンである。この例では、プローブを60mm/secで並進させることで、各Bスキャンに60個のAスキャンが含まれるようにすることができる。Aスキャン又はBスキャンのさなかには、その中にプローブが位置している体腔の表面から複数通りのIRエネルギ示数を採取することができる。センサ例えばセンサアセンブリ500での変換を経た情報信号は、プロセッサ例えば
図1との関連で記した信号処理ユニット400により処理することができる。こうした捜査の結果はユーザインタフェース300によりグラフィカルな形態即ち温度マップの態で出力することができる。温度マップは、プローブスキャンを構成する複数部位収集結果を幾何に関連付けるものであり、管腔壁その他の体組織を“展開”した温度プロファイルの表現である。
【0216】
しかしながら、ロータリモータの回動速度には変動性が現れがちであり、これは、例えば
図25中に2個の個別ホットスポット画像として示されているように、もたらされたAスキャンの位置合わせに際し誤整列の原因となりうる。即ち、Aスキャン横断的に散らばる態でホットスポットが現れ、看者を混乱させることとなりうる。
【0217】
総じて、ある種の実施形態に係るシステムによれば、Aスキャンを回動させることでホットスポットを整列させることができる。
【0218】
ステップ1502では、画像中にあるホットスポット領域全般が識別される。画像処理技術を実行することでホットスポット領域を識別することができる。例えば、画像セグメント化プロセスを実行することで、背景領域との対比でホットスポット領域を識別することができる。
【0219】
例えば、Aスキャン又はBスキャン中のプローブスキャンにより、その体腔の注目領域の温度が所望の温度域外にある(上側又は下側にある)こと或いはその体腔の他領域の温度より高い(又は低い)ことを示すホットスポットを暴露し、表示させることができる。
【0220】
ステップ1504では、Aスキャン同士を再整列させるため、例えばあるAスキャンを基準にした整列位置を特定するために、現ホットスポットAスキャンと近隣の諸Aスキャンとの間の相互相関が算出される。
【0221】
ステップ1506では、ある電圧しきい値に達するまでそれらAスキャンを整列させていく。ステップ1508では、整列された画像が表示向けに出力される。
【0222】
ユーザインタフェース300にそのホットスポットと併せ温度キーを表示させることで、温度マップでの表示色を正確な温度に関連付けることができる。そのプローブによるAスキャンの結果をグラフィカルな形態で示すグラフを、温度マップに加え又は代え表示させることもできる。同様の構成により、温度勾配や時間的又は空間的変化速度を、その表示フィールド内に時間との関係で且つ色マッピングキーの態で表示させることができる。そうすることで、温度変化速度及び温度変化ピーク速度或いはその他のパラメタを、継続的に判別してユーザへと届けることができる。
【0223】
本発明思想のこの実施形態に関しては、語「ホットスポット」が本発明思想の目的を踏まえ画像上の顕著な領域を特定する目的で用いられているが、この語は他の注目領域、例えば高温又は低温領域や比較的急峻な時間的又は空間的温度変化を呈している領域にも、遜色なく適用される。
【0224】
ある種の実施形態では、二種類の画像処理技術の組合せによりホットスポット領域が識別されAスキャンが再整列される。第1に、画像セグメント化プロセス即ち領域成長の適用により、画像中のホットスポット領域を識別することができる。第2に、テンプレートマッチング即ち相互相関を用いることで、Aスキャンを再整列させることができる。このプロセスはその一部又は全体が専用プロセッサ例えばハードウェア処理デバイスによって実行される。
【0225】
ホットスポット領域及び背景領域が識別される。背景回動誘起信号(RIS)の推定値、例えば諸背景Aスキャンのメディアンが導出される。ホットスポット領域のピークAスキャンにて始まるよう領域成長プロセスが初期化される。ピーク電圧に基づき(更新済背景推定値の減算後に)ホットスポット領域にAスキャンが付加される。近隣Aスキャンに対する現ホットスポットAスキャンの相互相関を算出することで整列位置が特定される。ある電圧しきい値に達するまでこの処理を反復することでホットスポット領域を拡張しAスキャンを整列させる。RIS背景信号の最終推定値がモニタリング向けに算出される。整列された画像が表示向けに出力される。
【0226】
図27A〜
図27Oは、ある種の本発明思想に従う様々なプローブ先端構造の実施形態を示す図である。これらのプローブチップのうち全て又は一部では、その先端をマンドレル、加熱その他の形成技術を用い形成することができる。
【0227】
図27Aに示す実施形態では、プローブの先端1500Aに備わる窓セグメント1506がLDPE等で形成され、基端側マーカバンド1125A・先端側マーカバンド1125B間に配置されている。基端側,先端側のマーカバンド1125A,1125B(1125と総称)が好適にもLDPE窓セグメント1506の両側に結合されている。プローブシースの最外端1504はLDPE窓セグメント1506に結合された線状低密度ポリエチレン(LLDPE)等で形成されており、LDPE窓セグメント1506より肉薄の壁を有している。
【0228】
図27Bに示す実施形態では、プローブの先端1500BにLDPE窓セグメントが備わり、
図27Aと同様2本のマーカバンド1125A,1125B間に配置されている。但し、そのプローブシースの最外端1514が可撓エチレンコポリマ材例えばEVA等で形成されている。
【0229】
図27Cに示す実施形態では、プローブの先端1500Cのうち2本のマーカバンド1125A,1125B間にLDPE窓セグメント1506が備わっている。プローブシースの最外端1524はやはりLDPEで形成されており、従って窓セグメント1506及び最先端側セグメント1524双方を含めシースが同じ素材即ちLDPEで形成されている。但し、Pebax(登録商標)素材の共押出体1528を、先端側セグメントにあるLDPEシースに重ね形成することができる。そのLDPEの厚みは、Pebax(登録商標)でこのセグメントの性能が決まりうるような厚みとする。
【0230】
図27Dに示す実施形態では、プローブの先端1500Dのうち2本のマーカバンド1125A,1125B間にLDPE窓セグメント1506が備わっている。但し、
図27Cと異なり、最先端側セグメント1534が可撓素材即ちPebax(登録商標)等で形成されている。そのPebax(登録商標)製先端側セグメントは接着剤裏打ちセグメント1538、例えばPebax(登録商標)等を含有するそれによって、LDPEセグメントに結合されている。その接着剤裏打ちセグメント1538即ち接合領域は、結合先のLDPE窓セグメント1506及びPebax(登録商標)セグメント1534よりも大きな直径を有するものとなろう。
【0231】
図27Eに示す実施形態では、プローブ1500Eの最先端側セグメント及び接着剤裏打ちセグメント1538双方が低硬度接着剤裏打ちPebax(登録商標)1539で以て形成され、そのPebax(登録商標)1539の内側接着面がLDPEセグメント1506、とりわけそのLDPEセグメントのうち窓セグメント1506外にあり先端側マーカバンド1125Bより先端側にある部分に接合されている。
【0232】
図27Fに示す実施形態では、プローブシース例えば
図27Aに示すそれの最先端1500Fにてビーディングチップ1541をLLDPEセグメント1504に結合させることができる。ビーディングチップ1541をLLDPEセグメント1504に熱熔着することで、可撓性を提供できるだけでなく、その先端1500Fに更なる長さを付加することができる。
【0233】
図27Gに示す実施形態では、プローブシース例えば
図27Aに示すそれの最先端1500Gにて、可撓EVAコポリマ等で形成されたチップ1542をLLDPEセグメント1504に結合させることができる。そのチップ1542にはテーパを付けることができる。そのテーパ付のチップ1542を湾曲その他の形状とし、そのチップ1542を用い鼻腔その他の身体開口に通せるようにしてもよい。この領域1542はLLDPEセグメント1504より軟質な素材で形成される。
【0234】
図27Hに示す実施形態では、プローブシースの最先端1500HにあるLLDPEセグメント1504に湾曲形状等の形状をした端1543が備わっているので、そのテーパ付のチップを用い鼻腔その他の身体開口内に通すことができる。即ち湾曲端1543がLLDPEセグメント1504の一部とされLLDPEセグメント1504と同じ素材で形成されている。
【0235】
図27Iに示す実施形態では、プローブシースの最先端15001にあるLLDPEセグメント1504を熱処理等により成形することができる。この熱成形チップを用いることは鼻腔その他の身体開口内に通すのに役立ちうる。LLDPEセグメント1504の湾曲端1544は、均一寸法例えば一定又はそれに近い直径又は幅を有している点で、
図27Hに示した先端1500Hのテーパ付湾曲端1543と異なっている。
【0236】
図27Jの実施形態は、そのプローブの先端1500Jに備わる先端セグメント1551が
図27Bと同じく可撓コポリマで形成されている点を除き、
図27Iのそれと同様であると言える。
【0237】
図27Kに示す実施形態では、プローブシースの先端1500Kに備わる最外セグメント1564がPebax(登録商標)等で形成されている。このPebax(登録商標)製先端側セグメント1564は機械式ジョイント1562により窓セグメント1506に結合されている。例えば、機械式ジョイント1562のうち、Pebax(登録商標)製先端側セグメント1564を窓セグメント1506と結合させる接合領域に、パーフォレーション(ミシン目)を設けるとよい。
【0238】
図27Lに示す実施形態では、プローブシースの先端1500Lに備わる最外セグメント1564がPebax(登録商標)等で形成されている。このPebax(登録商標)製先端側セグメント1564は機械式ジョイント1571により窓セグメント1506に結合されている。例えば、窓セグメント1506のスパイラルカット端への熱熔着を経たPebax(登録商標)チップにより機械式ジョイント1571を形成することができる。
【0239】
図27Mに示す実施形態では、先端1500Mの最外セグメント1564が、窓セグメント1506に、窓部1506のスパイラルカット端にPebax(登録商標)製のチップ熱熔着することで形成された機械式ジョイント1572によって、結合されている。Pebax(登録商標)チップ1564・窓セグメント1506間接合領域1572にコイル等を形成することができる。
【0240】
図27Nに示す実施形態では、先端1500Nの最先端側セグメント1564例えばPebax(登録商標)等で形成されているそれが、窓セグメント1506例えばLDPE等で形成されているそれに、金属バンドを有する機械式ジョイント1573によって結合されており、その金属バンドにより、その金属バンドと可撓なPebax(登録商標)製チップ1564と窓セグメント1506のLDPE部分との間に熱接合が形成されている。
【0241】
図27Oの実施形態は
図27Aの実施形態と同様であると言えるが、先端に備わるPebax(登録商標)製の先端側セグメント1564が機械式ジョイント1574によりLLDPE製の剛性遷移セグメント1565に結合されており、その機械式ジョイント1574に備わる金属バンドにより熱接合、即ちその金属バンドと可撓なPebax(登録商標)製のチップ1564とLLDPE部分1565との間の熱接合が形成されている点で異なっている。
【0242】
図28は、ある種の本発明思想に従う
図1及び
図6〜
図11の温度マッピングシステムの先端側領域を示す図である。センサアセンブリ500は、これに限られるものではないが窓531、フィルタ532、浸漬レンズ533及びコールドストップ(冷却絞り)開口534を備え、ファイバアセンブリ200の基端からの出力信号をそれらの協働で受光しそのエネルギをセンサ平面535上へと集束させる構成とすることができる。これら窓531、フィルタ532、浸漬レンズ533、コールドストップ開口534及びセンサ平面535はいわゆる当業者にとり周知であるので、簡略化に関わる理由で詳細には記述しないことにする。ファイバアセンブリ200に備わるファイバから出射された光を、集束レンズ515により、センサアセンブリ500のそれら構成要素上へと集束させることができる。
【0243】
図示の通り、集束レンズ515はセンサアセンブリ500外にあり、そのセンサアセンブリ500に至る光路を形成している。出力信号を構成する光はセンサアセンブリ500のそれら構成要素で反射及び透過され、浸漬レンズ533の逆側にあるセンサ平面535Aに達してその受光出力信号が処理されるので、窓531及びフィルタ534により複数個の面が提供されていることと、それら構成部材531及び534を形成している素材が、エネルギ損失の一因となりうる。
【0244】
図29に、ハウジング530を有し、そのハウジング530内に集束レンズ515A及び浸漬レンズ533Aが配置され、それらが所定の距離で以て分離されている一体型アセンブリ500Aを示す。集束レンズ515A・浸漬レンズ533A間にはコールドストップ開口534Aを設けることができる。ハウジング530の内部には真空環境を設けることができる。ハウジング530内の諸要素を低温にさらすことで、ファイバ200からセンサアセンブリ内のセンサ平面535Aへと出射される信号(S)に係る光路を改良することができる。集束レンズを窓と一体化し、その内部にフィルタのない一体型ハウジング530とすることで、窓及びフィルタに係る4個の面をそれぞれ除去してあるので、出力信号(S)を構成する光が一体型アセンブリ500Aを介しセンサ面535Aへと反射及び透過される際のエネルギ損失が少なくなりうる。これは幾つかの面を排するという要領でのエネルギ保存であり、これを利用しセンサ平面535Aを満たすことで、本システムをプローブ対プローブ整列に対しセンサアセンブリ500で以てよりトレラントにすることができる。従って、本システムは、同一の患者インタフェースユニット600(
図1参照)で用いられる様々なプローブの通常の製造公差に対しよりトレラントになる。ファイバアセンブリ200だけをセンサアセンブリ500A内検出器に整列させればよいので、この構成の一体型アセンブリ500Aによれば患者インタフェースユニット600の製造も単純化される。
【0245】
それらが展開される環境を踏まえ装置及び方法の諸実施形態について記述してきたが、それらは本発明思想の諸原理の例証に過ぎない。上述した諸アセンブリ、他の諸実施形態、諸構成並びに本発明思想の諸実行方法、並びに本発明思想の諸態様の諸変種に対する修正やそれらの組合せであり、いわゆる当業者にとり自明なものは、想定上、諸請求項の技術的範囲内に属する。加えて、本願では方法又は手順を構成する諸ステップを特定の順序で列記しているが、幾つかのステップについてはその実行順序を変えることが可能で、状況によってはその方が好都合ですらあるし、そもそも、その請求項中でそうした順序が特記されているのでない限りは、本願記載の方法又は手順請求項を構成する特定の諸ステップを順序特化的なものとして解するべきではない。
【0246】
いわゆる当業者には察知頂けるように、本発明思想の諸態様はシステム、方法又はコンピュータプログラム製品として実施することができる。従って、本発明の諸態様は全ハードウェア的実施形態、全ソフトウェア的実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等々を含む)、或いはソフトウェア態様及びハードウェア態様を組み合わせた実施形態といった形態を採りうるものであり、本願ではこれらを皆「回路」、「モジュール」又は「システム」と総称している。本発明の諸態様に係る動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは一種類又は複数種類のプログラミング言語の任意な組合せで記述することができる。そのプログラムコードは、全てユーザのコンピュータ上で実行しても、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして部分的にユーザのコンピュータ上で実行しても、部分的にユーザのコンピュータ上且つ部分的にリモートコンピュータ上で実行しても、或いは全てリモートコンピュータ又はサーバ上で実行してもよい。
【国際調査報告】