特表2018-532367(P2018-532367A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-532367ロータアセンブリおよびロータアセンブリを有するステッピングモータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-532367(P2018-532367A)
(43)【公表日】2018年11月1日
(54)【発明の名称】ロータアセンブリおよびロータアセンブリを有するステッピングモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 37/24 20060101AFI20181005BHJP
   H02K 37/14 20060101ALI20181005BHJP
   H02K 7/06 20060101ALI20181005BHJP
【FI】
   H02K37/24 Q
   H02K37/14 535K
   H02K7/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-521630(P2018-521630)
(86)(22)【出願日】2016年10月27日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月26日
(86)【国際出願番号】EP2016075924
(87)【国際公開番号】WO2017072228
(87)【国際公開日】20170504
(31)【優先権主張番号】201510724814.4
(32)【優先日】2015年10月30日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201520851094.3
(32)【優先日】2015年10月30日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クン チェン
(72)【発明者】
【氏名】タオ チョン
【テーマコード(参考)】
5H607
【Fターム(参考)】
5H607BB01
5H607BB10
5H607BB14
5H607CC03
5H607DD03
5H607EE53
(57)【要約】
この装置は、ロータケーシング(1)と、ロータケーシング(1)内に取り付けられた、雄ねじ山を有するロータ軸(2)と、ロータケーシング(1)の外側に取り付けられた磁石(3)と、伸縮軸(4)とを備え、伸縮軸(4)は、伸縮軸の内面における雌ねじ山を介してロータ軸(2)の雄ねじ山に取り付けられている、ロータアセンブリに関する。この装置によるロータアセンブリは、長く少ない構成部材を有しており、製造コストが低く、線形精度が高いという利点を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータケーシング(1)と、
前記ロータケーシング(1)内に取り付けられた、雄ねじ山を有するロータ軸(2)と、
前記ロータケーシング(1)の外側に取り付けられた磁石(3)と、
雌ねじ山を有する中空の管である伸縮軸(4)であって、該伸縮軸の内面における雌ねじ山を介して前記ロータ軸(2)の前記雄ねじ山に取り付けられている、伸縮軸(4)と、
を備えることを特徴とする、ロータアセンブリ。
【請求項2】
前記ロータアセンブリは、さらに、前記ロータケーシング(1)の外周に取り付けられた軸受(5)を有することを特徴とする、請求項1記載のロータアセンブリ。
【請求項3】
前記ロータケーシング(1)の内部は中空構造であり、前記ロータ軸(2)の前記雄ねじ山は、少なくとも部分的に前記ロータケーシング(1)の内部中空構造に配置されていることを特徴とする、請求項1記載のロータアセンブリ。
【請求項4】
前記ロータ軸(2)の雄ねじ山との協働により、前記伸縮軸(4)を、部分的にまたは完全に前記ロータケーシング(1)の前記内部中空構造内へ回転させることができることを特徴とする、請求項3記載のロータアセンブリ。
【請求項5】
前記磁石(3)は、環状磁石であり、前記ロータケーシング(1)の円筒状の外面の周囲に嵌め合わされかつ固定されていることを特徴とする、請求項1記載のロータアセンブリ。
【請求項6】
前記伸縮軸(4)の前記外面に、案内溝または案内突出部が設けられていることを特徴とする、請求項1記載のロータアセンブリ。
【請求項7】
前記案内溝または前記案内突出部は、前記伸縮軸(4)の一方の端部から前記伸縮軸(4)の軸方向に延びているが、前記伸縮軸(4)の他方の端部までは貫通していないことを特徴とする、請求項6記載のロータアセンブリ。
【請求項8】
2つの前記案内溝または前記案内突出部が設けられており、前記伸縮軸(4)の前記外面に対称的に分配されていることを特徴とする、請求項6記載のロータアセンブリ。
【請求項9】
前記ロータケーシング(1)および前記ロータ軸(2)は、射出成形によって互いに嵌め合わされており、射出成形後の前記ロータ軸(2)の露出した端部(21)は、前記ロータケーシング(1)の閉鎖端部の外側に配置されていることを特徴とする、請求項3記載のロータアセンブリ。
【請求項10】
前記ロータ軸(2)と前記ロータケーシング(1)との接合部の外周にジグザグ構造(22)が形成されていることを特徴とする、請求項1記載のロータアセンブリ。
【請求項11】
外側に巻き付けられたコイルを有するステータ(6)と、
前記ステータ(6)の内側に取り付けられたロータアセンブリと、
前記ステータ(6)の外周を包囲する磁気案内リング(10)と、
前記ステッピングモータに電力を供給するための電気コネクタ(8)と、を備えるステッピングモータであって、
前記ロータアセンブリは、さらに、ロータケーシング(1)と、該ロータケーシング(1)の内側に取り付けられた、雄ねじ山を有するロータ軸(2)と、前記ロータケーシング(1)の外側に取り付けられた磁石(3)と、雌ねじ山を有する中空の管である伸縮軸(4)であって、伸縮軸の内面における雌ねじ山を介して前記ロータ軸(2)の雄ねじ山に嵌め合い形式で取り付けられている伸縮軸(4)と、前記ロータケーシング(1)の外周に取り付けられた軸受(5)と、を有することを特徴とする、ステッピングモータ。
【請求項12】
前記磁石(3)は、環状磁石でありかつ前記ステータ(6)の内側に配置されており、前記環状磁石の外側リングは、前記ステータ(6)と隙間嵌めされていることを特徴とする、請求項11記載のステッピングモータ。
【請求項13】
前記軸受(5)の外側リングは、前記ステータ(6)内にプレス嵌めされていることを特徴とする、請求項11記載のステッピングモータ。
【請求項14】
前記ロータケーシング(1)の内部は中空構造であり、前記ロータ軸(2)の前記雄ねじ山は、少なくとも部分的に前記ロータケーシング(1)の内部中空構造に配置されていることを特徴とする、請求項11記載のステッピングモータ。
【請求項15】
前記ロータ軸(2)の雄ねじ山との協働により、前記伸縮軸(4)を、部分的にまたは完全に前記ロータケーシング(1)の前記内部中空構造内へ回転させることができることを特徴とする、請求項14記載のステッピングモータ。
【請求項16】
前記伸縮軸(4)の外面には、案内溝が設けられており、該案内溝は、前記伸縮軸(4)の一方の端部から前記伸縮軸(4)の軸方向に延びているが、前記伸縮軸(4)の他方の端部までは貫通していないことを特徴とする、請求項11記載のステッピングモータ。
【請求項17】
前記ステッピングモータは、さらに、前記磁気案内リング(10)にプレス嵌めされかつ突出構造が設けられた前側端部カバー(9)を有しており、前記突出構造は、少なくとも部分的に前記伸縮軸(4)における前記案内溝内に配置されており、これにより、前記伸縮軸(4)の回転を防止し、前記伸縮軸(4)を軸方向に案内することを特徴とする、請求項16記載のステッピングモータ。
【請求項18】
前記伸縮軸(4)の外面には、案内突出部が設けられており、該案内突出部は、前記伸縮軸(4)の一方の端部から前記伸縮軸(4)の軸方向に延びているが、前記伸縮軸(4)の他方の端部までは貫通していないことを特徴とする、請求項11記載のステッピングモータ。
【請求項19】
前記ステッピングモータは、さらに、前記磁気案内リング(10)にプレス嵌めされかつ溝構造が設けられた前側端部カバー(9)を有しており、前記溝構造は、少なくとも部分的に前記伸縮軸(4)における前記案内突出部を包囲しており、これにより、前記伸縮軸(4)の回転を防止し、前記伸縮軸(4)を軸方向に案内することを特徴とする、請求項18記載のステッピングモータ。
【請求項20】
前記ロータケーシング(1)および前記ロータ軸(2)は、射出成形によって互いに嵌め合わされており、射出成形後の前記ロータ軸(2)の露出した端部(21)は、前記ロータケーシング(1)の閉鎖端部の外側に配置されていることを特徴とする、請求項11記載のステッピングモータ。
【請求項21】
前記ステータ(6)に、位置決め穴(61)が形成されており、前記ロータ軸(2)の露出した端部(21)は、少なくとも部分的に前記位置決め穴(61)に配置されていることを特徴とする、請求項20記載のステッピングモータ。
【請求項22】
前記ステッピングモータは、さらに、前記伸縮軸(4)の出力端部に取り付けられたカップリングボール(7)を有することを特徴とする、請求項11記載のステッピングモータ。
【請求項23】
前記ステッピングモータは、さらに、Oリング(11)を有し、該Oリング(11)は、包囲する形式で前記前側端部カバー(9)に配置されていることを特徴とする、請求項17または19記載のステッピングモータ。
【請求項24】
前記ステッピングモータは、さらに、後側端部カバー(12)を有し、該後側端部カバー(12)は、前記電気コネクタ(8)にプレス嵌めされていることを特徴とする、請求項11記載のステッピングモータ。
【請求項25】
前記ロータ軸(2)と前記ロータケーシング(1)との接合部の外周にジグザグ構造(22)が形成されていることを特徴とする、請求項11記載のロータアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この装置は、自動車部品の分野に関し、特に、自動車の適応可能なステアリングヘッドライトに適用されるロータアセンブリおよび当該ロータアセンブリを有するステッピングモータに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の運転操作の安全性を高めるために、当該産業において、車両ライトの照明方向を適応可能に制御するためのシステムが提供されている。このシステムは、左、右、上および下方向への回転を行うためにハンドルの操作角度および車両サスペンションシステムのピッチ角度に従い、したがって、車両ライト(特に、ヘッドランプ)の照明方向が、走行方向に直線で向くのみならず、運転手が操作する方向にも向くことができ、システムは、自動車の走行安全性を高める点で重要な役割を果たす。
【0003】
車両ライトを制御するための上記システムでは、ステッピングモータ(リニアステッピングモータなど)が、当該産業において現在は駆動装置として使用されているが、中国実用新案第201674378号明細書および中国実用新案第202300660号明細書の公開番号を有する中国の許可された特許に示されているように、駆動装置として機能するステッピングモータに設けられたロータおよび出力軸の構造は以下の欠点を有している。つまり、ロータに挿入された軸は、ロータの外側に配置された滑らかな案内部分と、ロータの内側に配置されかつロータと嵌め合わされるねじ山付き部分と、を有する。この構造では、所定の移動を達成するために、軸の長さは、移動する長さの二倍よりも大きくなければならないので、軸の製造コストが大きく、線形精度を保証することが困難であり、電気モータの全体的サイズが長すぎる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
この装置の目的は、ヘッドライト操作システムに適用されたステッピングモータおよびステッピングモータに設けられたロータアセンブリを提供することであり、これにより、電気モータの全体的サイズが一定である場合に出力軸の移動をどのように増大させるかという問題を解決する。
【0005】
この装置によって提供されるロータアセンブリは、ロータケーシング1と、ロータケーシング1内に取り付けられた、雄ねじ山を有するロータ軸2と、ロータケーシング1の外側に取り付けられた磁石3と、雌ねじ山を有する中空の管である伸縮軸4であって、伸縮軸の内面における雌ねじ山を介してロータ軸2の雄ねじ山に取り付けられている伸縮軸4と、を有している。
【0006】
好適には、ロータアセンブリは、さらに、ロータケーシング1の外周に取り付けられた軸受5を有している。
【0007】
好適には、ロータケーシング1の内部は中空構造であり、ロータ軸2の雄ねじ山は、少なくとも部分的にロータケーシング1の内部中空構造に配置されている。
【0008】
好適には、ロータ軸2の雄ねじ山との協働により、伸縮軸4を、部分的にまたは完全にロータケーシング1の内部中空構造内へ回転させることができる。
【0009】
好適には、磁石3は環状磁石であり、ロータケーシング1の円筒状外面の周囲に嵌め合わされかつ固定されている。
【0010】
好適には、伸縮軸4の外面には案内溝が設けられており、案内溝は、伸縮軸4の一方の端部から伸縮軸4の軸方向に延びているが、伸縮軸4の他方の端部までは貫通しておらず、伸縮軸4の外面に対称的に分配された2つの案内溝が存在する。
【0011】
好適には、ロータケーシング1およびロータ軸2は、射出成形によって互いに嵌め合わされ、射出成形後のロータ軸2の露出した端部21は、ロータケーシング1の閉鎖端部の外側に配置されている。
【0012】
好適には、ロータ軸2とロータケーシング1との接合部の外周にジグザグ構造22が形成されている。
【0013】
この装置は、さらに、ステッピングモータであって、外側に巻き付けられたコイルを有するステータ6と、ステータ6の内側に取り付けられたロータアセンブリと、ステータ6の外周を包囲する磁気案内リング10と、ステッピングモータに電力を供給するための電気コネクタ8とを、を有し、ロータアセンブリは、さらに、ロータケーシング1と、ロータケーシング1の内側に取り付けられた、雄ねじ山を有するロータ軸2と、ロータケーシング1の外側に取り付けられた磁石3と、雌ねじ山を有する中空の管である伸縮軸4であって、伸縮軸の内面における雌ねじ山を介してロータ軸2の雄ねじ山に嵌め合い形式で取り付けられている伸縮軸4と、ロータケーシング1の外周に取り付けられた軸受5とを有している、ステッピングモータを提供する。
【0014】
好適には、磁石3は、環状磁石であり、ステータ6内に配置されており、その外側リングは、ステータ6と隙間嵌めを形成している。
【0015】
好適には、軸受5の外側リングは、ステータ6に押し込まれている。
【0016】
好適には、ロータケーシング1の内部は中空構造であり、ロータ軸2の雄ねじ山は、少なくとも部分的にロータケーシング1の内部中空構造に配置されている。
【0017】
好適には、ロータ軸2の雄ねじ山との協働により、伸縮軸4を、部分的にまたは完全にロータケーシング1の内部中空構造内へ回転させることができる。
【0018】
好適には、伸縮軸4の外面には、案内溝が設けられており、案内溝は、伸縮軸4の一方の端部から伸縮軸4の軸方向に延びているが、伸縮軸4の他方の端部までは貫通していない。
【0019】
好適には、ステッピングモータは、さらに、磁気案内リング10にプレス嵌めされかつ突出構造が設けられた前側端部カバー9を有しており、突出構造は、少なくとも部分的に伸縮軸4における案内溝内に配置されており、これにより、伸縮軸4の回転を防止し、伸縮軸4を軸方向に案内する。
【0020】
好適には、ロータケーシング1およびロータ軸2は、射出成形によって互いに嵌め合わされ、射出成形後のロータ軸2の露出した端部21は、ロータケーシング1の閉鎖端部の外側に配置されている。
【0021】
好適には、位置決め穴61がステータ6に形成されており、ロータ軸2の露出した端部21は、少なくとも部分的に位置決め穴61に配置されている。
【0022】
好適には、ステッピングモータは、さらに、伸縮軸4の出力端部に取り付けられたカップリングボール7と、包囲する形式で前側端部カバー9に配置されたOリング11と、電気コネクタ8にプレス嵌めされた後側端部カバー12とを有している。
【0023】
好適には、ロータ軸2とロータケーシング1との接合部の外周にジグザグ構造22が形成されている。
【0024】
従来技術と比較して、この装置は、ロータアセンブリおよびステッピングモータの新規の構造的設計を使用するので、電気モータの全体的な外側サイズが一定である場合に、伸縮軸(出力軸)が、より長い移動を提供することができると同時に、製造コストが減少し、線形精度が保証される。
【0025】
本発明の一部を構成する図面は、この装置のさらなる理解を提供するために使用される。この装置の概略的な実施の形態および例示は、この装置を説明するために使用されており、この装置の不適切な定義を形成しない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】この装置のロータアセンブリの様々な部分の分解図である。
図2】組立て後の、図1に示されたロータアセンブリの断面図である。
図3A図1に示された伸縮軸の概略的な斜視図である。
図3B図3Aに示された伸縮軸の正面図である。
図3C図3Bの左側の図である。
図3D図3Bの断面図である。
図4図1に示されたロータアセンブリを有するステッピングモータの断面図である。
図5A図4に示された前側端部カバーの概略的な斜視図である。
図5B図5Aに示された前側端部カバーの平面図である。
図6】組立て後の、図4に示されたステッピングモータの概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
この装置のロータアセンブリおよびロータアセンブリを有するステッピングモータを以下に添付の図面および実施の形態に関連して説明する。
【0028】
実施の形態1
図1は、この装置のロータアセンブリの様々な部分の分解図であり、図2は、組立て後の、図1に示されたロータアセンブリの断面図である。図1および図2に示すように、ロータアセンブリは、特に、以下の部分、すなわち、ロータケーシング1と、ロータケーシング1内に取り付けられた、雄ねじ山を有するロータ軸2と、ロータケーシング1の外側に取り付けられた磁石3と、雌ねじ山を有する中空の管である伸縮軸4であって、伸縮軸の内面における雌ねじ山を介してロータ軸2の雄ねじ山に取り付けられている伸縮軸4と、から成る。
【0029】
好適には、ロータケーシング1は、中空の円筒状のティーカップに類似の構造を有している。ロータケーシング1の材料は、実用上の要求に従って任意に選択することができ、この実施の形態では、ロータアセンブリの重量を減じるために、ロータケーシング1の材料は、好適にはプラスチックである。ロータ軸2およびロータケーシング1は、射出成形によって互いに固定的に嵌め合わされており、ロータ軸2の雄ねじ山を、完全にまたは部分的にロータケーシング1の内部中空構造に配置することができる。射出成形後のロータ軸2の露出した端部21は、ロータケーシング1の閉鎖端部の外側に配置されており(ロータ軸2は、ティーカップの閉鎖端部と類似のロータケーシング1の底部内へ延び、これを貫通している)、さらに、図2に示したように、射出成形後にロータケーシング1とロータ軸2との間の接続力を保証するために、ジグザグ構造22が、ロータ軸2とロータケーシング1との接合部の外周に設計および形成されている。
【0030】
好適には、磁石3は、締り嵌めまたは射出成形によってロータケーシング1の円筒状の外面に固定的に取り付けられた環状磁石である。
【0031】
好適には、伸縮軸4は、雌ねじ山を有する中空の管状プラスチック構造であり、伸縮軸4の内面における雌ねじ山を介してロータ軸2の雄ねじ山に取り付けられており、これにより、ロータ軸2の回転運動を伸縮軸4の線形運動に変換することができる。さらに、ロータ軸2の雄ねじ山との協働により、伸縮軸4を、部分的にまたは完全にロータケーシング1の内部中空構造内へ回転させることができる。
【0032】
好適には、図3A図3Dに示すように、伸縮軸4の外面には、案内溝または案内突出部が設けられており(図面は、案内突出部の例を提供していない)、案内溝または案内突出部は、伸縮軸4の一方の端部から伸縮軸4の軸方向に延びているが、伸縮軸4の他方の端部まで貫通していない。案内溝または案内突出部の数は規定されておらず、この実施の形態では、2つの案内溝または案内突出部が設けられており(図面における構造41,42は案内溝である)、2つの案内溝または案内突出部は、伸縮軸4の外面において対称的に分配されている。
【0033】
好適には、図1および図2に示したように、上述のロータアセンブリがモータにより良く固定的に取り付けられることを可能にするために、ロータアセンブリは、ロータケーシング1の外周に取り付けられた軸受5も有しており、軸受5を、射出成形、冷間圧縮または締まり嵌めによってロータケーシング1の外周に固定的に取り付けることができる。
【0034】
上述のロータアセンブリ構造は、主に、ステッピングモータに適用され、自動車ステアリングヘッドライトシステムまたは吸気/排気システムなどのシステムを制御するためにステータおよびコイルなどの他の構成部材と協働する。
【0035】
実施の形態2
この実施の形態では、コンパクトな構造および長い移動を有するステッピングモータを説明するが、ステッピングモータは、実施の形態1において説明されたロータアセンブリを有している。
【0036】
図4は、図1および図2に示したロータアセンブリを有するステッピングモータの断面図である。図4に示すように、この実施の形態において説明されるステッピングモータは、以下の構造、すなわち、外側に巻き付けられたコイルを有するステータ6と、ステータ6の内側に取り付けられたロータアセンブリと、ステータ6の外周を包囲する磁気案内リング10と、ステッピングモータに電力を供給するための電気コネクタ8とを、を有している。ロータアセンブリは、さらに、ロータケーシング1と、ロータケーシング1の内側に取り付けられた、雄ねじ山を有するロータ軸2と、ロータケーシング1の外側に取り付けられた磁石3と、雌ねじ山を有する中空の管である伸縮軸4であって、伸縮軸の内面における雌ねじ山を介してロータ軸2の雄ねじ山に嵌め合い形式で取り付けられている伸縮軸4と、ロータケーシング1の外周に取り付けられた軸受5とを有しており、軸受5を、射出成形、冷間圧縮または締り嵌めによってロータケーシング1の外周において固定的に取り付けることができる。
【0037】
好適には、磁石3は、ステータ6内に配置された環状磁石であり、環状磁石の外側リングは、ステータ6と隙間嵌めを形成している。
【0038】
好適には、軸受5の外側リングは、上述のロータアセンブリを支持するためにステータ6内にプレス嵌め(例えば、締め代のあるプレス嵌め)されている。
【0039】
好適には、ロータケーシング1は、中空の円筒状のティーカップに類似の構造を有している。ロータケーシング1の材料は、実用上の要求に従って任意に選択することができ、この実施の形態では、ロータアセンブリの重量を減じるために、ロータケーシング1の材料は、好適にはプラスチックである。ロータ軸2およびロータケーシング1は、射出成形によって互いに固定的に嵌め合わされており、ロータ軸2の雄ねじ山を、完全にまたは部分的にロータケーシング1の内部中空構造に配置することができる。
【0040】
好適には、伸縮軸4は、雌ねじ山を有する中空の管状プラスチック構造であり、伸縮軸の内面における雌ねじ山を介してロータ軸2の雄ねじ山に取り付けられており、これにより、ロータ軸2の回転運動を伸縮軸4の線形運動に変換することができる。さらに、ロータ軸2の雄ねじ山との協働により、伸縮軸4を、部分的にまたは完全にロータケーシング1の内部中空構造内へ回転させることができる。
【0041】
好適には、図3A図3Dに示したように、伸縮軸4の外面には、案内溝が設けられており、案内溝は、伸縮軸4の一方の端部から伸縮軸4の軸方向に延びているが、伸縮軸4の他方の端部までは貫通していない。案内溝の数は規定されておらず、この実施の形態では、好適には2つの案内溝(図面に示された構造41,42)が設けられており、2つの案内溝は、伸縮軸4の外面において対称的に分配されている。代替的に、伸縮軸4の外面に案内溝が形成されていないならば、案内突出部(図面は例を提供していない)が案内機能を実現することができ、案内突出部も、伸縮軸4の一方の端部から伸縮軸4の軸方向に延びているが、伸縮軸4の他方の端部まで貫通していない。案内突出部の数は規定されていないが、好適には2つであり、2つの案内突出部は、伸縮軸4の外面に対称的に分配されている。
【0042】
好適には、図5Aおよび図5Bに示すように、ステッピングモータは、磁気伝導性のリング10内にプレス嵌めされかつ突出構造が設けられた、前側端部カバー9も有している。突出構造は、伸縮軸4が回転することを防止し、伸縮軸4を軸方向で案内するために、伸縮軸4における案内溝に少なくとも部分的に配置されている。この実施の形態では、対称的に分配された2つの突出構造(91および92)は、前側端部カバー9に設けられており、伸縮軸4の位置決めを軸方向で案内しかつ制限するために、案内溝41,42に配置されている。代替的に、伸縮軸4における案内構造が案内突出部である場合、案内するために案内突出部と協働するために、溝構造が、前側端部カバー9に形成されている(図面は例を提供していない)。溝構造は、伸縮軸4が回転することを防止し、伸縮軸4を軸方向で案内するために、伸縮軸4における案内突出部を少なくとも部分的に包囲する。同様に、前側端部カバー9における突出部の数は2つであってもよく、突出部は、前側端部カバー9において対称的に分配されている。
【0043】
さらに、前側端部カバー9は、モータ全体を有効に固定およびロックするために、磁気伝導性のリング10と隙間嵌めされている。磁気伝導性のリング10には、複数のジョーピース構造が設けられており、これらのジョーピース構造は、曲げられ、次いで、前側端部カバー9に押し込まれる。
【0044】
好適には、図4に示したように、ロータケーシング1およびロータ軸2は、射出成形によって互いに嵌め合わされている。射出成形後のロータ軸2の露出した端部21は、ロータケーシング1の閉鎖端部の外側に配置されており(ロータ軸2は、ティーカップの閉鎖端部と類似のロータケーシング1の底部に挿入され、この底部を貫通している)、さらに、射出成形後のロータケーシング1とロータ軸2との間の接続力を保証するために、ジグザグ構造22が、ロータ軸2とロータケーシング1との接合部の外周に設計および形成されている。
【0045】
好適には、図4に示したように、位置決め穴61がステータ6に形成されており、ロータ軸2の露出した端部21は、少なくとも部分的に位置決め穴61に配置されている。これにより、位置決め穴61は、ロータ軸2を支持するための従来の後側軸受に置き換わることができ、両端部においてロータ軸2を支持するために軸受5と協働することができる。加えて、露出した端部21と位置決め穴61との間の摩擦を減じるために、露出した端部21または位置決め穴61にグリースを塗布することができる。
【0046】
好適には、図4および図6に示すように、ステッピングモータは、伸縮軸4の出力端部に取り付けられたカップリングボール7も有しており、カップリングボール7を、ホットリベッティング、接着剤ディスペンシングまたはピンを横方向に挿入することによって伸縮軸4に固定的に取り付けることができる。
【0047】
好適には、図6に示すように、ステッピングモータは、Oリング11も有している。Oリング11は、包囲する形式で前側端部カバー9に設けられており、ステッピングモータがカスタマーインターフェースに取り付けられたとき、Oリング11は、取付けのためのプリテンション力を提供するために押し付けられかつ変形させられる。
【0048】
好適には、図6に示したように、ステッピングモータは、後側端部カバー12も有し、後側端部カバー12は、電気コネクタ8にプレス嵌めされている。
【0049】
上述のステッピングモータの作動形式および原理は以下の通りである。コイルが巻き付けられたステータ6が、ピンコネクタ8を介して電力を供給すると、磁界ループが、ステータ6と、磁気伝導性のリング10と、環状磁石3との間に形成される。これにより、ロータケーシング1を駆動して回転させるトルクを発生し、ロータ軸2を駆動して回転させ、ねじ山の協働により、伸縮軸4は、回転運動を線形運動に変換し、カップリングボール7を駆動して、伸縮軸4の軸方向に沿って前後に移動させる。
【0050】
この装置は、上記で好適な実施の形態に関して開示されているが、この装置は、これに限定されない。この装置の思想および範囲から逸脱することなく当業者によってなされるあらゆる変更および改変は、この装置の保護範囲に含まれるべきであり、したがって、この装置の保護範囲は、請求項に規定された範囲である。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図6
【国際調査報告】