(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-532681(P2018-532681A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(54)【発明の名称】ナノコンポジット膜を含む透明基体、およびソラリゼーションを低減する方法
(51)【国際特許分類】
C03C 17/25 20060101AFI20181012BHJP
B82Y 30/00 20110101ALI20181012BHJP
【FI】
C03C17/25 A
B82Y30/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-519949(P2018-519949)
(86)(22)【出願日】2016年10月19日
(85)【翻訳文提出日】2018年6月12日
(86)【国際出願番号】US2016057581
(87)【国際公開番号】WO2017070136
(87)【国際公開日】20170427
(31)【優先権主張番号】62/243,908
(32)【優先日】2015年10月20日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ボレッリ,ニコラス フランシス
(72)【発明者】
【氏名】セナラトネ,ワギーシャ
【テーマコード(参考)】
4G059
【Fターム(参考)】
4G059AA01
4G059AC07
4G059EA01
4G059EA02
4G059EA04
4G059EA18
4G059EB05
4G059EB06
(57)【要約】
本明細書において、ガラス基体のソラリゼーションを低減する方法であって、ガラス基体の表面の少なくとも一部分上にナノコンポジット層を付着させる工程を含み、ナノコンポジット層が、金属酸化物ナノ粒子と少なくとも1種のケイ素含有成分との混合物を含み、金属酸化物ナノ粒子が、約3eV〜約4eVの範囲のバンドギャップを有する少なくとも1種の金属酸化物を含む、方法が開示される。本明細書において、表面と、この表面の少なくとも一部分上にあるナノコンポジットコーティングとを含むガラス基体であって、ナノコンポジットコーティングが、金属酸化物ナノ粒子と少なくとも1種のケイ素含有成分との混合物を含む、ガラス基体も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面と、該表面の少なくとも一部分上にあるナノコンポジット層とを含むガラス基体であって、前記ナノコンポジット層が、金属酸化物ナノ粒子と少なくとも1種のケイ素含有成分との混合物を含み、前記金属酸化物ナノ粒子が、約3eV〜約4eVの範囲のバンドギャップを有する少なくとも1種の金属酸化物を含むことを特徴とするガラス基体。
【請求項2】
前記少なくとも1種の金属酸化物が、ZnO、TiO2、SnO2、およびそれらの組合せから選択される、請求項1記載のガラス基体。
【請求項3】
前記少なくとも1種の金属酸化物が、室温において励起子吸収を有する、または約1meV〜約60meVの範囲の励起子結合エネルギーを有する、請求項1〜2のいずれか一項記載のガラス基体。
【請求項4】
前記金属酸化物ナノ粒子が、Mg、Al、アルカリ金属、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1種の更なる金属でドーピングされ、前記金属酸化物ナノ粒子が、約0.1重量%〜約5重量%の前記少なくとも1種の更なる金属を含む、請求項1〜3のいずれか一項記載のガラス基体。
【請求項5】
前記金属酸化物ナノ粒子が、約1nm〜約200nmの範囲の平均粒径を有する、請求項1〜4のいずれか一項記載のガラス基体。
【請求項6】
前記金属酸化物ナノ粒子に対する前記少なくとも1種のケイ素含有成分の重量比が約0.01:1〜約1.5:1の範囲である、請求項1〜5のいずれか一項記載のガラス基体。
【請求項7】
前記ナノコンポジット層が、約40重量%〜約98重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、請求項1〜6のいずれか一項記載のガラス基体。
【請求項8】
前記ナノコンポジット層が約50nm〜約1μmの範囲の平均厚さを有する、請求項1〜7のいずれか一項記載のガラス基体。
【請求項9】
表面と、該表面の少なくとも一部分上にあるナノコンポジット層とを含むガラス基体であって、前記ナノコンポジット層が、金属酸化物ナノ粒子と少なくとも1種のケイ素含有成分との混合物を含み、前記金属酸化物ナノ粒子に対する前記少なくとも1種のケイ素含有成分の重量比が約0.01:1〜約1.5:1の範囲であることを特徴とするガラス基体。
【請求項10】
前記金属酸化物ナノ粒子が、ZnO、TiO2、SnO2、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1種の金属酸化物を含む、請求項9記載のガラス基体。
【請求項11】
前記金属酸化物ナノ粒子が、室温において励起子吸収を有する、請求項9〜10のいずれか一項記載のガラス基体。
【請求項12】
前記金属酸化物ナノ粒子が、Mg、Al、アルカリ金属、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1種の更なる金属でドーピングされ、前記金属酸化物ナノ粒子が、約0.1重量%〜約5重量%の前記少なくとも1種の更なる金属を含む、請求項9〜11のいずれか一項記載のガラス基体。
【請求項13】
前記金属酸化物ナノ粒子が、約1nm〜約200nmの範囲の平均粒径を有する、請求項9〜12のいずれか一項記載のガラス基体。
【請求項14】
前記ナノコンポジット層が、約40重量%〜約98重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、請求項9〜13のいずれか一項記載のガラス基体。
【請求項15】
前記ナノコンポジット層が約50nm〜約1μmの範囲の平均厚さを有する、請求項9〜14のいずれか一項記載のガラス基体。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は、合衆国法典第35巻第119条に基づき、2015年10月20日に出願された米国仮特許出願第62/243,908号による優先権を主張するものであり、その内容に依拠すると共に、その全体を参照して本明細書に組み込む。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般的に、ナノコンポジット膜を含む透明基体に関し、より具体的には、金属酸化物ナノコンポジット膜を含むガラス基体、およびガラス基体のソラリゼーションを低減する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ガラス基体は、内部コンポーネントおよび外部コンポーネントとして多くの用途に用いられ得る。例えば、電子機器用途(例えば、テレビ、コンピュータ、携帯型装置等)では、ガラス基体は、外部のガラス面として、および1以上の内部コンポーネント(例えば、配線基体、導光板、およびレンズ)としての役割をし得る。ガラス基体は、多くの自動車用途にも有用であり、更に、様々な建築的構造物、および家電製品を含むインテンリアの調度において用いられ得る。そのようなガラスコンポーネントは、しばしば、容易にユーザから見えるものであり、ガラスの経時的な望ましくない変色を防止するのが望ましい場合がある。或いは、ユーザから見えないガラスであっても、それらの機能性を経時的に保つために、そのような内部コンポーネントの変色を防止するのが望ましいまたは必要な場合がある。
【0004】
従って、ガラスのソラリゼーションの低減または防止は、最近、幾つかの業界において重要になっている。「ソラリゼーション」という用語は、長期にわたる光(例えば、紫外線(UV)波長)の照射に起因するガラスの着色を記述するために用いられる。最近の研究では、スペクトルのUV部分(>4eV、<400nm)が、ガラスのソラリゼーションを生じることに関係する励起を生じさせ得ることが示されている。そのようなソラリゼーションは、例えば、ガラス上のコーティング(例えば、ポリマーコーティング等)を硬化させるためにUV光が用いられる場合、ガラス基体を罫書き、切断、または封止するためにUV波長で動作するレーザが用いられる場合、電子コンポーネントがUV光を発する場合、ガラスのクリーニングにUV光が用いられる場合、または、他のガラス処理方法(例えばプラズマ処理または付着プロセス)の最中にUV波長が放出される場合に、定期的にUV光に晒される装置または他のガラスコンポーネントに対する負の影響を有し得る。
【0005】
ソラリゼーション現象は、ガラスの「バンドギャップ」との関係において分析され得る。バンドギャップとは、固体内における無電子状態が存在し得るエネルギー範囲を指す。換言すれば、バンドギャップは、(電子が充満した)価電子帯の一番上と(電子が空の)伝導帯の一番下との間のエネルギーの差(単位は電子ボルト(eV))である。比較すると、導体材料および半導体材料についてはバンドギャップが比較的小さく、絶縁性材料(例えば、ガラス等)についてはバンドギャップが比較的大きいことが多い。従って、比較的高いエネルギー(例えば、>4eV、<300nm)を有する光は、ガラスのバンドギャップを超え得るので、ガラス内に自由電子を生じる能力がある電離放射線を生じ得る。
【0006】
バンドギャップは、一般的に、通常は電子が空の状態である「禁止」帯として理解される。しかし、この帯には、他の局所的な状態(例えば、ガラス製造プロセス中に遭遇する多価不純物、または光の照射によって生じた欠陥中心等)が存在し得る。これらの不純物および/または欠陥は禁止帯の範囲に含まれるエネルギー準位を有し得るものであり、電離放射線によって生じたいかなる電子も閉じ込め得る。その結果、そのような電子は、ガラス基体内に望ましくない色中心を生じ得る。
【0007】
ガラスのソラリゼーションを低減するための現行の方法は、ガラス組成物中に、電離放射線を吸収する能力がある1以上の成分を含ませることを含み得る。例えば、ガラス組成物のバッチ材料中に、1以上の酸化物(例えば、ZnO、TiO
2、SrO
2、SnO、Sb
2O
3、およびNb
2O
5)が含まれ得る。これらの酸化物中の金属イオンは、ガラス中に電子が生じないように電離放射線を吸収可能であって、それにより、ガラスの着色を抑制する、ガラス網目構造変性剤を構成し得る。しかし、そのような吸収剤は、可視スペクトル部分における吸収が生じる濃度の上限を有し得るものであり、そのことが、そのようなガラスの光学的な目的での用途を制限し得る。従って、現実的に考慮した場合には、吸収剤の最大濃度は、ソラリゼーション効果に完全に対抗するには十分ではない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ガラス組成物自体に吸収性の酸化物をドーピングする代わりに、ガラス基体に膜コーティングを施してもよい。そのようなコーティングは、電離放射線を生じる波長をフィルタリングして除去し得る。例えば、コーティングは、約3eV〜約4eVの範囲のバンドギャップを有する1以上の成分(例えば、SnO
2、TiO
2、ZnO、ドーピングされたZnO等)を含み得る。しかし、そのようなコーティングも、例えば、コーティング厚さに関して、様々な限界を有し得る。電離放射線の吸収を最大にするには、より厚い(例えば、>200nm)コーティングが望ましい場合があるが、そのような厚さは、干渉および有意に知覚される着色を生じ得る。従って、ソラリゼーション耐性を有すると共に、可視スペクトル部分における最小の着色および/または吸収を示す、ガラス基体を提供するのが有利である。また、ソラリゼーション現象を低減するために、ガラス基体自体の化学的組成を変えることなく、任意のガラス基体に施すことができるコーティングまたは膜を提供するのが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、様々な実施形態において、ガラス基体のソラリゼーションを低減する方法に関し、この方法は、ガラス基体の表面の少なくとも一部分上にナノコンポジット層を付着させる工程を含み、ナノコンポジット層は、金属酸化物ナノ粒子と少なくとも1種のケイ素含有成分との混合物を含み、金属酸化物ナノ粒子は、約3eV〜約4eVの範囲のバンドギャップを有する少なくとも1種の金属酸化物を含む。また、本明細書において、表面と、該表面の少なくとも一部分上にあるナノコンポジット層とを含むガラス基体であって、ナノコンポジット層が、金属酸化物ナノ粒子と少なくとも1種のケイ素含有成分との混合物を含み、金属酸化物ナノ粒子が、約3eV〜約4eVの範囲のバンドギャップを有する少なくとも1種の金属酸化物を含む、ガラス基体も開示される。更に、本明細書において、表面と、該表面の少なくとも一部分上にあるナノコンポジット層とを含むガラス基体であって、ナノコンポジット層が、金属酸化物ナノ粒子と少なくとも1種のケイ素含有成分との混合物を含み、金属酸化物ナノ粒子に対する少なくとも1種のケイ素含有成分の重量比が約0.01:1〜約1.5:1の範囲である、ガラス基体が開示される。
【0010】
様々な実施形態によれば、少なくとも1種の金属酸化物は、ZnO、TiO
2、SnO
2、およびそれらの組合せから選択され得る。更なる実施形態では、金属酸化物ナノ粒子は、例えば、高々約5重量%までの少なくとも1種の更なる金属でドーピングされ得る。特定の実施形態では、ドーピングされたまたはドーピングされていない金属酸化物は、室温において励起子吸収を有し得るものであり、例えば、約1meV〜約60meVの範囲の励起子結合エネルギーを有する。様々な実施形態において、ナノ粒子の平均粒径は約1nm〜約200nmの範囲であり得る。更なる実施形態では、ナノコンポジット層は、約40重量%〜約98重量%の金属酸化物ナノ粒子と、約2重量%〜約60重量%の少なくとも1種のケイ素含有成分とを含み得る。更なる実施形態によれば、金属酸化物ナノ粒子に対する少なくとも1種のケイ素含有成分の重量比は約0.01:1〜約1.5:1の範囲であり得る。更に別の実施形態では、ナノコンポジット層の平均厚さは約50nm〜約1μmの範囲であり得る。
【0011】
本開示の更なる特徴および長所は、以下の詳細な説明で述べられると共に、部分的にはその説明から当業者に自明であり、または、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、および添付の図面を含む本明細書に記載されるように方法を実施することによって認識される。
【0012】
上記の概要説明および以下の詳細説明は、本開示の様々な実施形態を示すものであり、特許請求の範囲の性質および特徴を理解するための概観または枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。添付の図面は、本開示の更なる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれてその一部をなすものである。図面は本開示の様々な実施形態を示しており、明細書と共に、本開示の原理および作用を説明する役割をするものである。
【0013】
以下の詳細な説明は、以下の図面と共に読めば、更に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の様々な実施形態によるナノコンポジット層がコーティングされた例示的なガラス基体を示す
【
図2A】ZnO膜がスパッタコーティングされたガラス基体についての、UVレーザ放射の照射前および照射後の吸収スペクトル
【
図2B】ZnO膜がスパッタコーティングされたガラス基体についての、UVレーザ放射の照射前および照射後の吸収スペクトル
【
図3A】ZnOナノコンポジット層がスピンコーティングされたガラス基体についての、UVレーザ放射の照射前および照射後の吸収スペクトル
【
図3B】コーティングされていないガラス基体についての、UVレーザ放射の照射前および照射後の吸収スペクトル
【
図4A】ZnOおよびシリコンポリマーを含むナノコンポジット層がスピンコーティングされUVレーザ照射前に300℃まで加熱されたガラス基体についての、UVレーザ放射の照射前および照射後の吸収スペクトル
【
図4B】ZnOおよびシリコンポリマーを含むナノコンポジット層がスピンコーティングされUVレーザ照射前に300℃まで加熱されたガラス基体についての、UVレーザ放射の照射前および照射後の吸収スペクトル
【
図5A】ZnOおよびシリコンポリマーを含むナノコンポジット層がスピンコーティングされUVレーザ照射前に420℃まで加熱されたガラス基体についての、UVレーザ放射の照射前および照射後の吸収スペクトル
【
図5B】ZnOおよびシリコンポリマーを含むナノコンポジット層がスピンコーティングされUVレーザ照射前に420℃まで加熱されたガラス基体についての、UVレーザ放射の照射前および照射後の吸収スペクトル
【
図6】UVレーザ放射の照射後のコーティングされたガラス基体およびコーティングされていないガラス基体を示す
【
図7A】コーティングされていないガラス基体についての、UVO放射源による照射前および照射後の透過スペクトルを示す
【
図7B】ZnOナノコンポジット層がスピンコーティングされたガラス基体についての、UVO放射源による照射前および照射後の透過スペクトルを示す
【
図8】
図7A〜
図7Bのコーティングされたガラス基体およびコーティングされていないガラス基体についての、UVO放射源による照射前および照射後の色点データを示す
【発明を実施するための形態】
【0015】
方法
本明細書において、ガラス基体のソラリゼーションを低減する方法が開示され、この方法は、ガラス基体の表面の少なくとも一部分上にナノコンポジット層を付着させる工程を含み、ナノコンポジット層は、金属酸化物ナノ粒子と少なくとも1種のケイ素含有成分との混合物を含み、金属酸化物粒子は、約3eV〜約4eVの範囲のバンドギャップを有する少なくとも1種の金属酸化物を含む。
【0016】
本明細書において用いられる「ナノコンポジット」という用語は、2以上の成分を含む多相固体材料であって、2以上の成分のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの寸法が約200nm未満であるナノ粒子を含む、多相固体材料を指すことが意図される。例えば、ナノコンポジットは、例えば、200nm未満の平均粒径または直径を有し、少なくとも1種の別の成分(例えば、ケイ素含有成分等)と組み合わされ得る、1以上のタイプのナノ粒子の混合物を含み得る。当然ながら、ナノコンポジットは、球形のナノ粒子を含むものに限定されず、任意の粒子形状が本開示の範囲内であるとして想定されることを理解されたい。更に、ナノコンポジットは、施される間は固体の形態でなくてもよいが(例えば、溶液、懸濁液等)、施されている間またはその後に固化してナノコンポジット膜を形成可能なものであることを理解されたい。本明細書において、「膜」、「層」、および「コーティング」という用語は、ナノ粒子によってガラス表面上に形成されるコンポジット構造を指すために区別なく用いられる。
【0017】
本開示の限定するものではない実施形態によるナノコンポジット層を含む例示的なガラス基体を示す
図1を参照して、本明細書において開示される方法および基体の概要を述べる。以下の概要説明は、特許請求される方法および基体の概観を提供することを意図したものである。限定するものではない実施形態を参照して、本開示を通して様々な態様がより具体的に述べられるが、これらの実施形態は、本開示の文脈の範囲内で互いに交換可能である。
【0018】
様々な実施形態によれば、ナノコンポジット膜は、ガラス基体の表面の少なくとも一部分上に付着され得る。
図1を参照すると、ガラス基体101は、ナノコンポジット層105が上に形成され得る少なくとも1つの表面103を含み得る。特定の実施形態では、ナノコンポジット層は、1以上の金属酸化物ナノ粒子105aと少なくとも1種のケイ素含有成分105bとの組合せを含み得る。
【0019】
図1は、ケイ素含有成分105b中に分散された金属酸化物ナノ粒子105aを示しているが、2以上のタイプの金属酸化物ナノ粒子が用いられてもよく、例えば、ケイ素含有成分は、2以上のタイプの金属酸化物ナノ粒子等と混合されてもよいことを理解されたい。更に、図示されている金属酸化物ナノ粒子105aは、ケイ素含有成分105b中に分散されているが、ナノコンポジット層105は、任意の形態のこれらの成分の混合物または組合せを含み得る。例えば、ナノコンポジット層105は、ケイ素含有成分105bのマトリックス(例えば、ケイ素含有ポリマー)中に分散されたナノ粒子105a、またはケイ素含有成分105b(例えば、シリカナノ粒子)との混合物、またはそれらの任意の組合せを含み得る。更に、更なる実施形態によれば、ナノコンポジット層105は、閉じ込められた気泡(図示せず)を更に含み得る。更に、
図1は、表面103全体を覆うナノコンポジット層105を示しているが、表面の一部分のみ(例えば、中心部分、周辺部分、1以上の縁部、並びに、複数のストリップ状、スポット状、正方形状、および他のパターン)がコーティングされてもよいことを理解されたい。
【0020】
ナノコンポジット層105は、当該技術分野において知られている任意の適切な方法を用いて、ガラス表面103に付着されるかまたは別様で施され得る。例えば、ナノ粒子の溶液または懸濁液が、例えば、スピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、ブラシコーティング、スロットコーティング、ローラコーティング、インクジェットプリント法、スクリーンプリント法、またはディスペンスプリント法によって、ガラス表面に施され得る。溶液または懸濁液の場合には、1以上の水性溶媒または有機溶媒(例えば、水、脱イオン水、アルコール、揮発性炭化水素、およびそれらの組合せ等)がナノ粒子と組み合わされ得る。例えば、溶媒としては、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、メトキシプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールメチルアセテート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ピリジン、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン、キシレン、ヘキサン、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0021】
一部の実施形態では、ナノコンポジット層105は、約50nm〜約1μmの範囲(例えば、約100nm〜約750nm、約150nm〜約500nm、約200nm〜約400nm、または約250nm〜約300nm等(全ての範囲およびそれらの間の部分的な範囲を含む))の平均厚さを有し得る。他の実施形態では、ナノコンポジット層は、表面に沿って変化する厚さを有してもよく(例えば、第1の領域にはより厚いコーティングを有し、第2の領域にはより薄いコーティングを有し、および/または第3の領域にはコーティングが存在しない)、或いは、表面の1以上の寸法に沿って厚さ勾配が生じてもよい。ナノコンポジットコーティングの厚さおよび/または配置は、例えば、特定の領域について予測されるUV照射の量に基づいて決定され得る。
【0022】
様々な実施形態によれば、ナノコンポジット層105は、少なくとも1種のケイ素含有成分105bと組み合わされた少なくとも1つのタイプの金属酸化物ナノ粒子105aを含み得る。一部の実施形態では、ナノコンポジット層105は、2以上(例えば、3以上、4以上、5以上、6以上等)のタイプのナノ粒子を含み得る。ナノ粒子105aの少なくとも1つの寸法は、約200nm以下(例えば、約180nm未満、約160nm未満、約140nm未満、約120nm未満、約100nm未満、約80nm未満、約70nm未満、約60nm未満、約50nm未満、約40nm未満、約30nm未満、約20nm未満、約10nm未満、または約5nm未満、例えば、約1nm〜約200nmの範囲等)であり得る。ナノ粒子は、任意の規則的または不規則的形状(例えば、球状、卵形、血小板状、および他の形状等)を有し得る。従って、少なくとも1つの寸法は、直径、長さ、幅、高さ、または他の任意の適切な寸法に対応し得る。
【0023】
ナノ粒子105aは、少なくとも1種の金属酸化物を含み得る、または少なくとも1種の金属酸化物から実質的になる。例示的な金属酸化物としては、例えば、ZnO、TiO
2(例えば、ルチルまたはアナターゼ)、SnO
2、およびそれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態では、金属酸化物は、約3eV〜約4eVの範囲(例えば、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、または4eV)のバンドギャップを有するものから選択され得る。更なる実施形態では、金属酸化物は、室温において励起子吸収を示し得る。例えば、金属酸化物は、室温において、高々60meV(例えば、約1meV〜約50meV、約2meV〜約40meV、約3meV〜約30meV、約4meV〜約25meV、約5meV〜約20meV、または約10meV〜約15meVの範囲等(全ての範囲およびそれらの間の部分的な範囲を含む))の励起子結合エネルギーを有し得る。限定するものではない実施形態によれば、ナノコンポジット層は、少なくとも約40重量%(例えば、約50%〜約98%、約60%〜約95%、約70%〜約90%、または約75%〜約80%等(全ての範囲およびそれらの間の部分的な範囲を含む))の金属酸化物ナノ粒子を含み得る。
【0024】
様々な実施形態において、金属酸化物ナノ粒子は、少なくとも1種の更なる金属でドーピングされ得る。例えば、ドーパントは、所望であれば、金属酸化物のバンドギャップおよび/または励起子吸収を変更するために用いられ得る。適切なドーパントは、限定するものではない例として、比較的高いバンドギャップを有する金属酸化物を生成し得る金属を含み得る。一部の実施形態によれば、更なる金属酸化物は、約4eVを超える(例えば、約4eV〜約10eV、約5eV〜約8eV、または約6eV〜約7eVの範囲等(全ての範囲およびそれらの間の部分的な範囲を含む)の)バンドギャップを有し得る。更なる実施形態では、更なる金属酸化物は、約3eV未満(例えば約1eV〜約2eVの範囲等(全ての範囲およびそれらの間の部分的な範囲を含む))のバンドギャップを有し得る。限定するものではない例示的なドーパントとしては、例えば、Mg、Al、アルカリ金属、およびそれらの組合せが挙げられる。様々な実施形態において、金属酸化物ナノ粒子は、高々約5重量%まで(例えば、約0.1%〜約5%、約0.2%〜約4%、約0.3%〜約3%、約0.4%〜約2%、約0.5%〜約1%、約0.6%〜約0.9%、または約0.7%〜約0.8%の範囲(全ての範囲およびそれらの間の部分的な範囲を含む))の少なくとも1種の更なる金属でドーピングされ得る。
【0025】
ナノコンポジット層105は、少なくとも1種のケイ素含有成分105bも含み得る。例えば、ケイ素含有成分は、例えばシロキサン樹脂等のケイ素含有ポリマー、メチルまたはフェニルシロキサン、メチルまたはフェニルシルセスキオキサン、かご型シルセスキオキサン(POSS)、ゾル−ゲル混合物、シリケート、シリカ、シリカナノ粒子、およびそれらの混合物から選択され得る。特定の実施形態では、少なくとも1種のケイ素含有成分は、加熱後に少なくとも部分的にシリカ粒子またはナノ粒子に変換され得るまたは変換されないポリマーであり得る。限定するものではない実施形態によれば、ナノコンポジット層は、少なくとも約2重量%(例えば、約2%〜約60%、約5%〜約50%、約10%〜約40%、または約20%〜約30%等(全ての範囲およびそれらの間の部分的な範囲を含む))の少なくとも1種のケイ素含有成分を含み得る。様々な実施形態において、ナノコンポジット層中の金属酸化物ナノ粒子に対する少なくとも1種のケイ素含有成分の重量比は、約0.01:1〜約1.5:1の範囲(例えば、約0.02:1〜約1:1、または約0.05:1〜約0.5:1等(全ての範囲およびそれらの間の部分的な範囲を含む))であり得る。
【0026】
一部の実施形態では、ナノコンポジット層の付着は、ナノ粒子の溶液または懸濁液をガラス基体の表面の少なくとも一部分に施すことを含み得る。例えば、ケイ素含有成分がナノ粒子の溶液または懸濁液に加えられてもよく、もしくはその逆であってもよく、または、2以上の溶液または懸濁液が組み合わされて混合物を構成してもよい。そのような実施形態では、本明細書において開示される方法は、例えば、溶媒を除去するための乾燥または加熱工程を更に含み得る。乾燥は、周囲圧力および周囲温度で行われてもよく、または高い温度および/または低い圧力が用いられてもよい。例えば、溶媒を除去するために、ガラス基体は少なくとも部分的に加熱されてもよく、および/または、真空中に配置されてもよい。一部の例では、溶媒はナノコンポジット層から完全にまたは実質的に除去される。例示的な熱処理温度は、例えば、約50℃〜約600℃、約100℃〜約500℃、約150℃〜約450℃、約200℃〜約400℃、または約250℃〜約350℃の範囲(全ての範囲およびそれらの間の部分的な範囲を含む)であり得る。
【0027】
特定の実施形態では、金属酸化物ナノ粒子は、製造されるかまたは別様で設けられ得る(例えば、購入され得る)。ナノ粒子を製造するための例示的な方法としては、様々なプラズマ法および/または気相法(例えば化学蒸着(CVD)、プラズマCVD(PECVD)、またはスパッタリング等)が挙げられる。例えば、CVDまたはPECVDの場合には、金属酸化物ナノ粒子を製造するために、1以上のプレカーサが気化および酸化され得る。例えば、酸化亜鉛(ZnO)の場合には、プレカーサは、Znを含む任意の液体成分、気体成分、または蒸気成分(例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、および亜鉛アセチルアセトネート等)を含み得る。TiO
2ナノ粒子およびSnO
2ナノ粒子を製造するには、類似のプレカーサが選択され得る。所与の用途に適したタイプおよび量のプレカーサを選択することは、当業者の能力の範囲内である。酸化剤は、酸素を含む任意の液体成分、気体成分、または蒸気成分(例えば、空気、O
2ガス、H
2O、H
2O
2等)を含み得る。
【0028】
スパッタリング技術は、反応性および非反応性スパッタリング(例えば、DCおよび/またはRFマグネトロンスパッタリング、並びにイオンビームスパッタリング等)を含み得る。非反応性スパッタリングの場合には、スパッタリングターゲットは、金属酸化物およびシリカターゲットを含み得るものであり、スパッタリングは不活性環境において行われ得る。一方、反応性スパッタリングは、純粋な金属のターゲット(例えば、Zn、Ti、Sn、Mg等)または金属含有ターゲットを用い得るものであり、スパッタリングは酸化性環境において行われ得る。例えば、ZnOナノ粒子は、アルゴンガスまたは窒素ガスを含む不活性環境においてZnOターゲットをスパッタリングすることによって、または、酸化性環境(例えば、O
2ガス等であり、必要に応じて、例えばアルゴン等の不活性ガスと混合され得る)においてZnターゲットをスパッタリングすることによって形成され得る。例えば、更なるスパッタリングターゲット(例えば、金属酸化物または金属ターゲット(例えば、MgOまたはMgターゲット)等)を含むことにより、ドーピングされたナノ粒子が生成され得る。
【0029】
様々な実施形態によれば、本明細書において開示される方法は、基体上へのナノコンポジット膜の付着前および/または付着後に行われ得る、必要に応じて設けられる更なる工程を含み得る。例えば、付着前に、基体は必要に応じて、例えば、水および/または酸性もしくは塩基性溶液を用いてクリーニングされ得る。一部の実施形態では、基体は、水、H
2SO
4および/もしくはH
2O
2の溶液、並びに/またはNH
4OHおよび/もしくはH
2O
2の溶液を用いてクリーニングされ得る。基体は、例えば、約1分間〜約10分間の範囲(例えば、約2分間〜約8分間、約3分間〜約6分間、または約4分間〜約5分間等(全ての範囲およびそれらの間の部分的な範囲を含む))の期間にわたって、溶液を用いてすすがれるかまたは洗浄され得る。一部の実施形態では、クリーニング工程中に超音波エネルギーが照射され得る。クリーニング工程は、周囲温度または高い温度(例えば、約25℃〜約150℃の範囲(例えば、約50℃〜約125℃、約65℃〜約100℃、または約75℃〜約95℃等(全ての範囲およびそれらの間の部分的な範囲を含む)の温度)で行われ得る。他の必要に応じて設けられる更なる工程としては、例えば、基体の切断、研磨、研削、および/または縁部の仕上げが含まれ得る。
【0030】
基体
本明細書において、表面と、該表面の少なくとも一部分上にあるナノコンポジット層とを含むガラス基体であって、ナノコンポジット層が、金属酸化物ナノ粒子と少なくとも1種のケイ素含有成分との混合物を含み、金属酸化物ナノ粒子が、約3eV〜約4eVの範囲のバンドギャップを有する少なくとも1種の金属酸化物を含む、ガラス基体が開示される。また、本明細書において、表面と、該表面の少なくとも一部分上にあるナノコンポジット層とを含むガラス基体であって、ナノコンポジット層が、金属酸化物ナノ粒子と少なくとも1種のケイ素含有成分との混合物を含み、ナノコンポジット層中の金属酸化物ナノ粒子に対する少なくとも1種のケイ素含有成分の重量比が約0.01:1〜約1.5:1の範囲である、ガラス基体が開示される。
【0031】
例示的なガラス基体は、例えば、アルミノシリケートガラス、アルカリアルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、アルカリボロシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、アルカリアルミノボロシリケートガラス、ソーダライムシリケートガラス、および他の適切なガラスを含むがそれらに限定されない、グラフェン成長および/またはディスプレイ装置に適した当該技術分野において知られている任意のガラスを含み得る。特定の実施形態では、基体は、約3mm以下(例えば、約0.1mm〜約2.5mm、約0.3mm〜約2mm、約0.7mm〜約1.5mm、または約1mm〜約1.2mmの範囲(全ての範囲およびそれらの間の部分的な範囲を含む))の厚さを有し得る。光フィルタとしての使用に適した市販のガラスの限定するものではない例としては、例えば、コーニング社の「EAGLE XG」(登録商標)ガラス、「Iris」(商標)ガラス、「Lotus」(商標)ガラス、「Willow」(登録商標)ガラス、「Gorilla」(登録商標)ガラス、「HPFS」(登録商標)ガラス、および「ULE」(登録商標)ガラスが挙げられる。適切なガラスは、例えば、米国特許第4,483,700号明細書、同5,674,790号明細書、および同7,666,511号明細書に開示されており、それらの全体を参照して本明細書に組み込む。
【0032】
様々な実施形態において、ナノコンポジット層のコーティング前および/またはコーティング後のガラス基体は、透明または略透明であり得る。本明細書において用いられる「透明」という用語は、約1mmの厚さの基体が、可視スペクトル領域(例えば、400〜700nm)内において約80%を超える透過率を有することを意味することが意図される。例えば、例示的なガラス基体またはコーティングされたガラス基体は、可視光範囲内において、約85%を超える透過率(例えば、約90%を超える、または約92%を超える透過率等(全ての範囲およびそれらの間の部分的な範囲を含む))を有し得る。略透明な基体は、可視領域内の波長の約50%超を透過させ得る。特定の実施形態では、コーティング前および/またはコーティング後のガラス基体は、紫外線(UV)領域(例えば、100〜400nm)内の波長を吸収し得る。例えば、例示的なガラス基体またはコーティングされたガラス基体は、UVスペクトルにおける約50%を超える吸収率(例えば、約55%を超える、約60%を超える、約65%を超える、約70%を超える、約75%を超える、約80%を超える、約85%を超える、約90%を超える、約95%を超える、または約99%を超える吸収率等(全ての範囲およびそれらの間の部分的な範囲を含む))を有し得る。
【0033】
基体は、第1の表面と、その反対側の第2の表面とを有するガラスシートを含み得る。特定の実施形態では、表面は平面状または略平面状(例えば、略平坦および/または平ら)であり得る。また、一部の実施形態では、基体は少なくとも1つの曲率半径について湾曲していてもよい(例えば、三次元基体(例えば、凸面状または凹面状の基体等)であってもよい)。様々な実施形態において、第1の表面と第2の表面とは平行または略平行であり得る。基体は、少なくとも1つの縁部(例えば、少なくとも2つの縁部、少なくとも3つの縁部、または少なくとも4つの縁部)を更に含み得る。限定するものではない例として、基体は、4つの縁部を有する長方形または正方形のシートを含み得るが、他の形状および構成も想定され、本開示の範囲内であることが意図される。
【0034】
本明細書において用いられる「コーティングされた基体」とは、一方の表面の少なくとも一部分上にあるナノコンポジット層を含むガラス基体を指すことが意図される。一部の実施形態では、ガラス基体の第1の表面および/またはその反対側の第2の表面の少なくとも一部分に、ナノコンポジット層がコーティングされ得る。上述のように、任意の所望の効果を生じるために、1以上の表面はナノコンポジット層で完全にコーティングされてもよく、部分的にコーティングされてもよく、またはナノコンポジットのパターンを有してもよい。
【0035】
ナノコンポジット層は、UV放射に対する吸収剤としての役割をするために、任意のガラス基体に施され得る。金属酸化物ナノ粒子は、得られた膜がUV吸収に効果的なバンドギャップ(例えば、約3〜4eV)を有するように選択され得る。更に、金属酸化物ナノ粒子は、ナノコンポジット層がUV領域内では吸収性を示すが、可視スペクトル領域内では吸収性を示さないような、シャープな吸収カットオフを提供し得る励起子吸収を示し得る。例えば、吸収のカットオフは400nm前後またはそれ以下(例えば約390nm、約380nm、約370nm、約360nm、約350nm、約340nm、約330nm、約320nm、約310nm、または約300nm、例えば、約300nm〜約400nmの範囲等)であり得る。
【0036】
理論によって縛られることは望まないが、金属酸化物ナノ粒子を少なくとも1種のケイ素含有成分と組み合わせることで、別様では金属酸化物ナノ粒子(例えば、ZnO、TiO
2、SnO
2)を単独で含む膜(特に、より厚い膜(例えば、>200nm))から生じる干渉が低減され得ると考えられる。例えば、ナノコンポジット層中のケイ素の存在は、層の実効屈折率を低減し得る、および/または、層全体の干渉効果が低減されるようにコーティング内における屈折率の変動を生じ得る。ナノコンポジット層による干渉の低減は、コーティングされたガラス基体の着色を低減し得る。ナノコンポジット層中におけるケイ素含有成分(例えば、ケイ素含有ポリマー等)の存在は、更に、ガラス基体に対する層の接着を改善し得る。そのような膜は、ガラス組成自体を変える必要なしに、任意のガラス基体に施すことができる。更に、このコーティングは、簡単な方法および/または安価な材料を用いて施すことができるので、このコーティングは、製造コストおよび/または製造時間に対して負の影響を与えないか、または実質的に与えない。当然ながら、コーティングされたガラス基体は、上述の長所のうちの1つまたは全てを有しない場合もあり、それでも依然として本開示の範囲内であることが意図される。
【0037】
なお、開示された様々な開示された実施形態は、その特定の実施形態に関して説明された特定の特徴、要素、または工程を含み得る。また、或る特定の実施形態に関して説明された特定の特徴、要素、または工程は、示されていない様々な組合せまたは順列で、別の実施形態と交換されてもよく、または組み合わされてもよい。
【0038】
また、本明細書において用いられる「the」、「a」、または「an」という用語は「少なくとも1つ」を意味し、特に明記しない限り、「1つのみ」に限定されるべきではないことを理解されたい。従って、例えば、「a layer」と言った場合には、特に明記しない限り、2以上のそのような層を有する例を含む。同様に、「複数」は「2つ以上」を示すことが意図される。従って、「複数の層」は、2つ以上のそのような層(例えば3つ以上のそのような層等)を含む。
【0039】
本明細書において、範囲は、「約」或る特定の値から、および/または、「約」別の特定の値までと表現され得る。そのような範囲が表現された場合には、例は、その或る特定の値から、および/または、別の特定の値までを含む。同様に、値が「約」という語を用いて概算として表現された場合には、その特定の値が、別の態様を構成することを理解されたい。更に、各範囲の終点は、他方の終点との関係において、および他方の終点から独立して、有意であることを理解されたい。
【0040】
本明細書において用いられる「略」、「実質的に」、およびそれらの変形の用語は、記載された特徴が、或る値または記載に等しいまたはほぼ等しいことを意味することが意図される。例えば、「略平面状の」表面は、平面状またはほぼ平面状の表面を意味することが意図される。更に、上記に定義したように、「実質的に類似」とは、2つの値が等しいまたはほぼ等しいことを意味することが意図される。一部の実施形態では、「実質的に類似」とは、互いの10%以内(例えば、互いの約5%以内、または互いの約2%以内等)である値を示し得る。
【0041】
特に明記しない限り、本明細書において述べられたいずれの方法も、その工程が特定の順序で行われることを要することは意図しない。従って、方法の請求項が、その工程が辿るべき順序を実際に記載していない場合、または、特許請求の範囲もしくは説明において、その工程が特定の順序に限定されることが具体的に述べられていない場合には、どのような特定の順序も推論されることは意図しない。
【0042】
特定の実施形態の様々な特徴、要素、または工程は、「〜を含む/有する」という移行句を用いて開示され得るが、それらの特徴、要素、または工程を含む、「〜からなる」または「〜から実質的になる」という移行句を用いて記載され得る別の実施形態も暗示されることを理解されたい。従って、例えばA+B+Cを含む方法に対して暗示される別の実施形態は、方法がA+B+Cからなる実施形態、および方法がA+B+Cから実質的になる実施形態を含む。
【0043】
本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本開示に対して様々な変形および変更が行われ得ることが、当業者には自明であろう。当業者は、本開示の精神および本質を組み込んだ本開示の実施形態の変形、組合せ、部分的な組合せ、および変更を想到し得るものであるから、本開示は、添付の特許請求の範囲内のあらゆるもの、およびそれらの等価物を含むものと解釈されるべきである。
【実施例】
【0044】
以下の実施例は、限定する意図はなく、説明のみを意図したものであり、本発明の範囲は特許請求の範囲によって定められる。
【0045】
比較例1
ガラス基体(コーニング社の「EAGLE XG」)をスパッタコーティングして、一方の面にZnO膜(200nm)を設けた。次に、ガラス基体のコーティングされた表面およびコーティングされていない表面にUVレーザ放射を照射した(248nmエキシマレーザ、200mW/cm
2、10Hz、10分間、12J/cm
2)。
図2Aは、試料のレーザ照射前(A1)およびレーザ照射後(B1:コーティングされた面、C1:コーティングされていない面)の吸収スペクトルを示す。スパッタリングされたZnO膜は、360nm前後においてシャープな吸収カットオフを提供するのに十分な励起子吸収を顕著に示した。
図2Aのスペクトルの拡大された一部分である
図2Bを参照すると、(波長<400nmにおける)吸収スペクトルA1とB1とは実質的に重なっていることがわかる。それとは対照的に、吸収スペクトルC1はスペクトルA1およびB1と比較して顕著にシフトした。吸収スペクトルA1とB1との重なりは、コーティングされた基体においてはレーザ照射に起因する誘起吸収が生じなかったことを示す。しかし、ZnO膜によって生じた干渉によって僅かな色の様相が生じたことが目に見えて観察された。実際のところ、この僅かな着色は、コーティングされた基体を、一部の用途には適さないものにし得る。
【0046】
実施例2
ガラス基体(コーニング社の「Iris」WS−1)にケイ素含有ポリマーおよびZnOナノ粒子の溶液をスピンコーティングし、得られた膜を300℃で1時間にわたって加熱することによって、一方の面にZnOナノコンポジット膜(<500nm)がコーティングされたガラス基体を調製した。次に、コーティングされたガラス基体にUVレーザ放射を照射し(248nmエキシマレーザ、200mW/cm
2、10Hz、10分間、12J/cm
2)、コーティングされていない(剥き出しの)ガラス基体と比較した。
図3Aは、コーティングされた試料のレーザ照射前(A2)およびレーザ照射後(B2:コーティングされた面)の吸収スペクトルを示す。比較例1のZnO膜と同様に、ZnOナノコンポジット膜は、360nm前後においてシャープな吸収カットオフを提供するのに十分な励起子吸収を示した。(波長<400nmにおける)吸収スペクトルA2とB2とは実質的に重なっており、これは、コーティングされた基体においてはレーザ照射に起因する誘起吸収が生じなかったことを示す。スペクトルA2とB2との間の吸収の差は400nmにおいて0.0009a.u.であり、500nmにおいて0.004a.u.であった。それとは対照的に、
図3Bからは、コーティングされていない基体についてのレーザ照射前の吸収スペクトル(X)とレーザ照射後の吸収スペクトル(Y)とは重なっていないことがわかる。比較例1のZnO膜とは異なり、ナノコンポジットコーティングされた基体における干渉は抑制され、目に見える基体の着色は観察されなかった。
【0047】
図6は、コーティングされた(上)「Iris」ガラス基体およびコーティングされていない(下)「Iris」ガラス基体のレーザ照射後の写真である。コーティングされた(上)基体については、黒い点によって区切られている照射された領域は、ソラリゼーションのいかなる有意な形跡も示さなかった。それとは対照的に、コーティングされていない(下)基体の黒い点によって区切られている照射された領域は、ソラリゼーションを示す有意な着色を示した。コーティングされていない基体には、有意な着色を有する第2の照射された領域(区切られていない)も見られる。
【0048】
実施例3
ガラス基体(コーニング社の4318ガラス)にケイ素含有ポリマーおよびZnOナノ粒子の溶液を3000rpmでスピンコーティングし、得られた膜を300℃または420℃で1時間にわたって加熱することによって、一方の面にZnOナノコンポジット膜(<500nm)がコーティングされたガラス基体を調製した。次に、ガラス基体のコーティングされた表面およびコーティングされていない表面にUVレーザ放射を照射した(248nmエキシマレーザ、200mW/cm
2、10Hz、10分間、12J/cm
2)。
図4Aは、300℃で加熱された試料のレーザ照射前(A3)およびレーザ照射後(B3:コーティングされた面、C3:コーティングされていない面)の吸収スペクトルを示しており、
図4Bは、
図4Aのスペクトルの拡大された一部分である。
図5Aは、420℃で加熱された試料のレーザ照射前(A4)およびレーザ照射後(B4:コーティングされた面、C4:コーティングされていない面)の吸収スペクトルを示しており、
図5Bは、
図5Aのスペクトルの拡大された一部分である。実施例2において製造されたナノコンポジット膜と同様に、コーティングされた基体においては誘起吸収および干渉は観察されなかった。360nm前後に、励起子吸収に起因するシャープな吸収カットオフが観察された。
【0049】
実施例4
ガラス基体(コーニング社の「Gorilla」ガラス4、600nm)にケイ素含有ポリマーおよびZnOナノ粒子の溶液をスピンコーティングし、得られた膜を熱処理することによって、一方の面にZnOナノコンポジット膜(>500nm)がコーティングされたガラス基体を調製した。次に、コーティングされたガラス基体に、15分間を超える時間にわたってUV/O
3(UVO)放射源による照射を行った。
図7Aは、剥き出しの(コーティングされていない)ガラスのUVO放射の照射前および照射後の透過スペクトルを示す。
図7Bは、コーティングされた試料のUVO放射の照射前および照射後の透過スペクトルを示す。実施例2〜3において製造されたナノコンポジット膜と同様に、コーティングされた基体においては誘起吸収および干渉は観察されなかった。360nm前後に、励起子吸収に起因するシャープな吸収カットオフが観察された。それとは対照的に、剥き出しのガラスの放射の照射後の透過スペクトルは、照射されていない剥き出しのガラスのスペクトルと比較して顕著にシフトした。
【0050】
図8は、実施例4の照射されたおよび照射されていない剥き出しのおよびコーティングされた「Gorilla」ガラス4基体についての色点データ(CIE標準照度D65)を示す。このプロットからわかるように、剥き出しのガラスについては色の大きい違いが観察されたが、コーティングされたガラス基体について観察された色の変化は非常に小さい。理論によって縛られることは望まないが、実施例2〜4のコーティングされた基体における干渉の低減、およびそれに従って低減された基体の着色は、膜の準連続構造に起因し得るものであり、実効屈折率の低減は、ナノ粒子コンポジット層の形成に起因し得るものであると考えられる。
【0051】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0052】
実施形態1
表面と、該表面の少なくとも一部分上にあるナノコンポジット層とを含むガラス基体であって、前記ナノコンポジット層が、金属酸化物ナノ粒子と少なくとも1種のケイ素含有成分との混合物を含み、前記金属酸化物ナノ粒子が、約3eV〜約4eVの範囲のバンドギャップを有する少なくとも1種の金属酸化物を含むことを特徴とするガラス基体。
【0053】
実施形態2
前記少なくとも1種の金属酸化物が、ZnO、TiO
2、SnO
2、およびそれらの組合せから選択される、実施形態1記載のガラス基体。
【0054】
実施形態3
前記少なくとも1種の金属酸化物が、室温において励起子吸収を有する、実施形態1〜2のいずれか1つに記載のガラス基体。
【0055】
実施形態4
前記少なくとも1種の金属酸化物が、約1meV〜約60meVの範囲の励起子結合エネルギーを有する、実施形態1〜3のいずれか1つに記載のガラス基体。
【0056】
実施形態5
前記金属酸化物ナノ粒子が、Mg、Al、アルカリ金属、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1種の更なる金属でドーピングされる、実施形態1〜4のいずれか1つに記載のガラス基体。
【0057】
実施形態6
前記金属酸化物ナノ粒子が、約0.1重量%〜約5重量%の前記少なくとも1種の更なる金属を含む、実施形態5記載のガラス基体。
【0058】
実施形態7
前記金属酸化物ナノ粒子が、約1nm〜約200nmの範囲の平均粒径を有する、実施形態1〜6のいずれか1つに記載のガラス基体。
【0059】
実施形態8
前記金属酸化物ナノ粒子に対する前記少なくとも1種のケイ素含有成分の重量比が約0.01:1〜約1.5:1の範囲である、実施形態1記載のガラス基体。
【0060】
実施形態9
前記ナノコンポジット層が、約40重量%〜約98重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、実施形態1記載のガラス基体。
【0061】
実施形態10
前記ナノコンポジット層が約50nm〜約1μmの範囲の平均厚さを有する、実施形態1〜9のいずれか1つに記載のガラス基体。
【0062】
実施形態11
前記ガラス基体が略透明である、実施形態1〜10のいずれか1つに記載のガラス基体。
【0063】
実施形態12
前記ガラス基体が約300nm〜約400nmの間に吸収のカットオフを有する、実施形態1〜11のいずれか1つに記載のガラス基体。
【0064】
実施形態13
ガラス基体のソラリゼーションを低減する方法であって、前記ガラス基体の表面の少なくとも一部分上にナノコンポジット層を付着させる工程を含み、前記ナノコンポジット層が、金属酸化物ナノ粒子と少なくとも1種のケイ素含有成分との混合物を含み、前記金属酸化物ナノ粒子が、約3eV〜約4eVの範囲のバンドギャップを有する少なくとも1種の金属酸化物を含むことを特徴とする方法。
【0065】
実施形態14
前記ナノコンポジット層を付着させる前記工程が、スピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、スロットコーティング、インクジェットプリント法、スクリーンプリント法、およびディスペンスプリント法のうちの少なくとも1つを含む、実施形態13記載の方法。
【0066】
実施形態15
前記ナノコンポジット層を付着させる前記工程が、前記ナノコンポジット層を約150℃〜約450℃の範囲の温度に加熱することを更に含む、実施形態13〜14のいずれか1つに記載の方法。
【0067】
実施形態16
前記少なくとも1種の金属酸化物が、ZnO、TiO
2、SnO
2、およびそれらの組合せから選択される、実施形態13〜15のいずれか1つに記載の方法。
【0068】
実施形態17
前記金属酸化物ナノ粒子が、Mg、Al、アルカリ金属、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1種の更なる金属でドーピングされる、実施形態13〜16のいずれか1つに記載の方法。
【0069】
実施形態18
前記金属酸化物ナノ粒子が、約1nm〜約200nmの範囲の平均粒径を有する、実施形態13〜17のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
実施形態19
前記金属酸化物ナノ粒子に対する前記少なくとも1種のケイ素含有成分の重量比が約0.01:1〜約1.5:1の範囲である、実施形態13〜18のいずれか1つに記載の方法。
【0071】
実施形態20
前記ナノコンポジット層が約50nm〜約1μmの範囲の平均厚さを有する、実施形態の13〜19いずれか1つに記載の方法。
【0072】
実施形態21
表面と、該表面の少なくとも一部分上にあるナノコンポジット層とを含むガラス基体であって、前記ナノコンポジット層が金属酸化物ナノ粒子と少なくとも1種のケイ素含有成分との混合物を含み、前記金属酸化物ナノ粒子に対する前記少なくとも1種のケイ素含有成分の重量比が約0.01:1〜約1.5:1の範囲であることを特徴とするガラス基体。
【0073】
実施形態22
前記金属酸化物ナノ粒子が、ZnO、TiO
2、SnO
2、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1種の金属酸化物を含む、実施形態21記載のガラス基体。
【0074】
実施形態23
前記金属酸化物ナノ粒子が、室温において励起子吸収を有する、実施形態21〜22のいずれか1つに記載のガラス基体。
【0075】
実施形態24
前記金属酸化物ナノ粒子が、Mg、Al、アルカリ金属、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1種の更なる金属でドーピングされる、実施形態21〜23のいずれか1つに記載のガラス基体。
【0076】
実施形態25
前記金属酸化物ナノ粒子が、約0.1重量%〜約5重量%の前記少なくとも1種の更なる金属を含む、実施形態24記載のガラス基体。
【0077】
実施形態26
前記金属酸化物ナノ粒子が、約1nm〜約200nmの範囲の平均粒径を有する、実施形態21〜25のいずれか1つに記載のガラス基体。
【0078】
実施形態27
前記ナノコンポジット層が、約40重量%〜約98重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、実施形態21記載のガラス基体。
【0079】
実施形態28
前記ナノコンポジット層が約50nm〜約1μmの範囲の平均厚さを有する、実施形態21〜27のいずれか1つに記載のガラス基体。
【0080】
実施形態29
前記ガラス基体が略透明である、実施形態21〜28のいずれか1つに記載のガラス基体。
【0081】
実施形態30
前記ガラス基体が約300nm〜約400nmの間に吸収のカットオフを有する、実施形態21〜29のいずれか1つに記載のガラス基体。
【符号の説明】
【0082】
101 ガラス基体
103 ガラス表面
105 ナノコンポジット層
105a 金属酸化物ナノ粒子
105b ケイ素含有成分
【国際調査報告】