特表2018-532720(P2018-532720A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-532720線維症の治療のためのセニクリビロック併用療法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-532720(P2018-532720A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(54)【発明の名称】線維症の治療のためのセニクリビロック併用療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4178 20060101AFI20181012BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20181012BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/381 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/235 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/426 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/575 20060101ALI20181012BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20181012BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/495 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/351 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/7052 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/40 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/403 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/522 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/69 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/4745 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/137 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20181012BHJP
   A61K 31/4535 20060101ALI20181012BHJP
   G01N 33/68 20060101ALI20181012BHJP
   C07D 403/12 20060101ALN20181012BHJP
   C07D 409/10 20060101ALN20181012BHJP
   C07D 487/04 20060101ALN20181012BHJP
   C07D 277/34 20060101ALN20181012BHJP
   C07J 9/00 20060101ALN20181012BHJP
   C07D 241/04 20060101ALN20181012BHJP
   C07D 309/10 20060101ALN20181012BHJP
   C07H 17/02 20060101ALN20181012BHJP
   C07D 407/12 20060101ALN20181012BHJP
   C07D 207/16 20060101ALN20181012BHJP
   C07D 209/52 20060101ALN20181012BHJP
   C07D 473/06 20060101ALN20181012BHJP
   C07D 401/04 20060101ALN20181012BHJP
   C07D 417/14 20060101ALN20181012BHJP
   C07D 471/04 20060101ALN20181012BHJP
   C07D 455/03 20060101ALN20181012BHJP
   C07D 223/28 20060101ALN20181012BHJP
   C07D 409/04 20060101ALN20181012BHJP
【FI】
   A61K31/4178
   A61K45/00
   A61P43/00 121
   A61K38/16
   A61K31/381
   A61K31/519
   A61K31/235
   A61K39/395 N
   A61K31/426
   A61K31/575
   A61P1/16
   A61P13/12
   A61K47/12
   A61K9/20
   A61K31/495
   A61K31/351
   A61K31/7052
   A61K31/4985
   A61K31/40
   A61K31/403
   A61K31/522
   A61K31/506
   A61K31/496
   A61K31/69
   A61K31/4745
   A61K31/437
   A61K31/137
   A61K31/55
   A61K31/4535
   G01N33/68
   C07D403/12
   C07D409/10
   C07D487/04 141
   C07D277/34
   C07J9/00
   C07D241/04
   C07D309/10
   C07H17/02
   C07D407/12
   C07D487/04 140
   C07D207/16
   C07D209/52
   C07D473/06
   C07D401/04
   C07D417/14
   C07D471/04 117Z
   C07D455/03
   C07D471/04 106A
   C07D223/28
   C07D409/04
   C07D487/04 150
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】100
(21)【出願番号】特願2018-513847(P2018-513847)
(86)(22)【出願日】2016年3月16日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月18日
(86)【国際出願番号】US2016022639
(87)【国際公開番号】WO2017048322
(87)【国際公開日】20170323
(31)【優先権主張番号】62/219,356
(32)【優先日】2015年9月16日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515212633
【氏名又は名称】トビラ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ルフェーヴル, エリック
【テーマコード(参考)】
2G045
4C033
4C034
4C050
4C057
4C062
4C063
4C064
4C065
4C069
4C076
4C084
4C085
4C086
4C091
4C204
4C206
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045BB24
2G045CA26
2G045CB03
2G045CB07
2G045CB09
2G045CB11
2G045CB12
2G045CB14
2G045CB30
2G045DA14
2G045DA31
2G045DA36
2G045DA70
2G045FA16
2G045FB02
2G045FB03
4C033AD01
4C033AD03
4C033AD20
4C034DU11
4C034DU20
4C050AA01
4C050AA07
4C050AA08
4C050BB05
4C050BB06
4C050BB07
4C050BB08
4C050CC07
4C050CC08
4C050CC10
4C050DD07
4C050DD10
4C050EE01
4C050EE02
4C050EE03
4C050EE04
4C050FF01
4C050FF02
4C050FF03
4C050GG01
4C050GG03
4C050HH01
4C050HH04
4C057BB02
4C057DD03
4C057KK01
4C062AA18
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB02
4C063BB03
4C063BB04
4C063BB06
4C063BB07
4C063BB08
4C063CC25
4C063CC29
4C063CC62
4C063CC78
4C063CC92
4C063CC94
4C063DD03
4C063DD10
4C063DD12
4C063DD20
4C063DD73
4C063DD78
4C063EE01
4C064AA14
4C064CC02
4C064DD01
4C064EE03
4C064FF01
4C064GG01
4C065AA03
4C065AA05
4C065BB05
4C065BB11
4C065CC01
4C065DD02
4C065DD03
4C065EE02
4C065HH01
4C065HH09
4C065JJ01
4C065KK02
4C065KK03
4C065KK04
4C065LL01
4C065PP01
4C065PP13
4C069AA17
4C069BB02
4C069BB34
4C069BD09
4C076AA36
4C076BB01
4C076BB13
4C076BB14
4C076BB15
4C076BB16
4C076BB21
4C076CC16
4C076CC17
4C076DD27
4C076DD38
4C076DD41
4C076DD42
4C076DD42Q
4C076DD43
4C076DD55
4C076EE31
4C076EE32
4C076FF32
4C076FF34
4C076FF36
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA19
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA19
4C084BA23
4C084MA35
4C084MA52
4C084MA65
4C084MA70
4C084NA03
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA75
4C084ZA81
4C084ZC75
4C085AA14
4C085EE03
4C085GG02
4C085GG03
4C085GG04
4C085GG08
4C085GG10
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA07
4C086BB02
4C086BC07
4C086BC10
4C086BC21
4C086BC38
4C086BC42
4C086BC50
4C086BC82
4C086CB05
4C086CB07
4C086CB09
4C086CB11
4C086CB22
4C086DA11
4C086DA27
4C086DA43
4C086EA04
4C086GA02
4C086GA04
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA10
4C086GA12
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA52
4C086MA65
4C086MA70
4C086NA03
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZC75
4C091AA01
4C091BB01
4C091CC01
4C091DD01
4C091EE04
4C091FF04
4C091FF06
4C091GG02
4C091GG13
4C091HH01
4C091JJ03
4C091KK01
4C091LL01
4C091MM03
4C091NN01
4C091PA02
4C091PA05
4C091PB04
4C091QQ01
4C204BB01
4C204CB08
4C204DB27
4C204EB02
4C204FB01
4C204FB20
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA07
4C206JA76
4C206MA02
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA05
4C206MA55
4C206MA72
4C206MA85
4C206MA90
4C206NA03
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA75
4C206ZA81
4C206ZC75
(57)【要約】
セニクリビロック(CVC)は、C−Cケモカイン受容体5型(CCR5)及びC−Cケモカイン受容体2型(CCR2)に結合するリガンドの経口活性アンタゴニストである。CVCは、CCR5へのRANTES、MIP−1α、及びMIP−1βの結合、ならびにCCR2へのMCP−1/CCL2の結合を遮断する。ケモカインアンタゴニスト、FXRアゴニスト、高投与量ビタミンE(>400iU/d)、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α(PPAR−α)アゴニスト、PPAR−γアゴニスト、及び/またはPPAR−δアゴニストとのCVCの共投与を含む線維症及び関連病態の治療方法を本明細書で提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要としている被検者における線維症または線維性疾患もしくは病態もしくは病態の治療方法であって、治療有効量のセニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物;及び1つ以上の追加の活性剤を前記被検者に共投与することを含む前記方法。
【請求項2】
前記追加の活性剤が、GLP−1受容体アゴニスト、SGLT2阻害剤、DPP−4阻害剤、Toll様受容体4シグナル伝達の阻害剤、抗TGFβ抗体、チアゾリジンジオン、PPARサブタイプα及びγアゴニスト、ファルネソイドX受容体アゴニスト、ならびに経口インスリン増感剤からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記追加の活性剤が、リラグルチド、カナグリフロジン、アナグリプチン、TAK−242、1D11、MSDC−0602、ピオグリタゾン、オベチコール酸(OCA)、及びロシグリタゾンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記線維症または線維性疾患もしくは病態が肝線維症または腎線維症である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記セニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物が、セニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物及びフマル酸を含む医薬組成物として製剤化される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記肝線維症が非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に関連する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記肝線維症が非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に関連する、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記肝線維症が新規発生肝硬変に関連する、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記肝線維症が非肝硬変性肝線維症を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記被検者がヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記被検者が、アルコール性肝疾患、HIV及びHCV共感染症、ウイルス性肝炎(例えばHBVまたはHCV感染症など)、2型真性糖尿病(T2DM)、代謝症候群(MS)、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される疾患または病態を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
必要としている被検者におけるNASHの治療方法であって、治療有効量のセニクリビロック、またはその塩もしくは溶媒和物;及び1つ以上の追加の活性剤を前記被検者に共投与することを含み、前記NASHが2型真性糖尿病(T2DM)に関連する前記方法。
【請求項13】
必要としている被検者におけるNASHの治療方法であって、治療有効量のセニクリビロック、またはその塩もしくは溶媒和物;及び1つ以上の追加の活性剤を前記被検者に共投与することを含み、前記NASHが代謝症候群(MS)に関連する前記方法。
【請求項14】
必要としている被検者におけるNASHの治療方法であって、治療有効量のセニクリビロック、またはその塩もしくは溶媒和物;及び1つ以上の追加の活性剤を前記被検者に共投与することを含み、前記NASHがHIV及びHCV共感染症に関連する前記方法。
【請求項15】
前記追加の活性剤が、GLP−1受容体アゴニスト、SGLT2阻害剤、DPP−4阻害剤、Toll様受容体4シグナル伝達の阻害剤、抗TGFβ抗体、チアゾリジンジオン、PPARサブタイプα及びγアゴニスト、ファルネソイドX受容体アゴニスト、ならびに経口インスリン増感剤からなる群から選択される、請求項12、13、または14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記追加の活性剤が、リラグルチド、カナグリフロジン、アナグリプチン、TAK−242、1D11、MSDC−0602、ピオグリタゾン、オベチコール酸(OCA)、及びロシグリタゾンからなる群から選択される、請求項12、13、または14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記セニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物が経口組成物として製剤化される、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記セニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物が1日1回または1日2回投与される、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記共投与が、同時投与、逐次的投与、重複投与、インターバル投与、連続投与、またはこれらの組合せを含む、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記共投与が1治療サイクル以上の間行われる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記共投与が1〜24治療サイクルの間行われる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記治療サイクルのそれぞれが約7日以上を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記治療サイクルのそれぞれが約28日以上を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記共投与が、経口投与、腸管外投与、またはこれらの組合せを含む、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記腸管外投与が、静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、骨内投与、髄腔内投与、またはこれらの組合せを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
セニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物が経口投与され、前記追加の活性剤が経口または腸管外投与される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記共投与が1治療サイクル以上を含み、各治療サイクルが約28日を含む、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記共投与が同時投与を含む、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
セニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物及び前記追加の活性剤が約28日以上の間同時に共投与される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
線維症または前記線維性疾患もしくは病態もしくは病態を治療されている前記被検者における1つ以上の生体分子のレベルを検出すること、及び1つ以上の生体分子の前記レベルの増加または減少に基づいて治療レジメンを決定することを含み、前記生体分子が、リポ多糖(LPS)、LPs結合タンパク質(LBP)、16S rDNA、sCD14、腸管型脂肪酸結合タンパク質(I−FABP)、ゾヌリン−1、コラーゲン1a1及び3a1、TGF−β、フィブロネクチン−1、hs−CRP、IL−1β、IL−6、IL−33、フィブリノーゲン、MCP−1、MIP−1α及び−1β、RANTES、sCD163、TGF−β、TNF−α、肝細胞アポトーシスのバイオマーカー、例えばCK−18(カスパーゼ切断及び全長)など、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
線維症または前記線維性疾患もしくは病態もしくは病態を治療されている前記被検者における1つ以上の生体分子のレベルを検出することを含み、所定の標準レベルと比較した1つ以上の生体分子の前記レベルの増加または減少が、線維症または前記線維性疾患もしくは病態の治療効果を予測するものであり、前記生体分子が、リポ多糖(LPS)、LPs結合タンパク質(LBP)、16S rDNA、sCD14、腸管型脂肪酸結合タンパク質(I−FABP)、ゾヌリン−1、コラーゲン1a1及び3a1、TGF−β、フィブロネクチン−1、hs−CRP、IL−1β、IL−6、IL−33、フィブリノーゲン、MCP−1、MIP−1α及び−1β、RANTES、sCD163、TGF−β、TNF−α、肝細胞アポトーシスのバイオマーカー、例えばCK−18(カスパーゼ切断及び全長)など、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記1つ以上の生体分子が、線維症または前記線維性疾患もしくは病態を治療されている被検者由来の生体サンプル中で測定される、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
前記生体サンプルが、血液、皮膚、毛包、唾液、口腔粘液、膣粘液、汗、涙、上皮組織、尿、精液、精液、精漿、前立腺液、前射精液(カウパー液)、排泄物、生検、腹水、脳脊髄液、リンパ、脳、及び組織抽出サンプルまたは生検サンプルから選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項34】
治療有効量のセニクリビロック、またはその塩もしくは溶媒和物;及び1つ以上の追加の活性剤を含む医薬組成物。
【請求項35】
1つ以上の医薬品として許容可能な添加物をさらに含む、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項36】
前記医薬品として許容可能な添加物がフマル酸を含む、請求項35に記載の医薬組成物。
【請求項37】
(a)少なくとも1つの個別の投与量のセニクリビロック、またはその塩もしくは溶媒和物;及び
(b)少なくとも1つの個別の投与量の1つ以上の追加の活性剤
を含む併用パッケージ。
【請求項38】
(a)及び(b)を共投与するためのプロトコールを提供する指示書をさらに含む、請求項37に記載の併用パッケージ。
【請求項39】
セニクリビロック、またはその塩もしくは溶媒和物を含む所定量の第1医薬組成物を、少なくとも1つ以上の活性剤を含む所定量の第2医薬組成物と併せて被検者に送達することを含む抗線維化剤の送達方法。
【請求項40】
セニクリビロック、またはその塩もしくは溶媒和物を含む所定量の第1医薬組成物を、少なくとも1つ以上の活性剤を含む所定量の第2医薬組成物と共に前記第1医薬組成物を投与する指示と併せて被検者に送達することを含む抗線維化剤の送達方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、セニクリビロックを含有する医薬組成物、その調製方法、ならびに炎症及び結合組織疾患及び障害、例えばNASHをはじめとする線維症などの治療のための併用療法におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
セニクリビロック(CVCとしても知られる)は、(S,E)−8−(4−(2−ブトキシエトキシ)フェニル)−1−(2−メチルプロピル)−N−(4−(((1−プロピル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル)スルフィニル)フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロベンゾ[b]アゾシン−5−カルボキサミドの一般的な名称である。セニクリビロックメシル酸塩の化学構造を図1に示す。セニクリビロックは、C−Cケモカイン受容体2型(CCR2)及びC−Cケモカイン受容体5型(CCR5)受容体に結合して、その活性を阻害する(24)。これらの受容体は、細胞内へのウイルス、例えばヒト免疫不全ウイルス(HIV)などの侵入の一因となるだけでなく、損傷部位への免疫細胞のリクルートメントにも重要である。この受容体の活性の阻害は抗炎症効果を有し得る。より最近では、線維症の発症において炎症が果たす役割が調査されている[30]。C−Cケモカイン受容体2型(CCR2)及びCCR5が肝線維症の一因になり得ると示されている[3、4、5、31、32]。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態において、本発明は、必要としている被検者における線維症または線維性疾患もしくは病態もしくは病態の治療方法であって、治療有効量のセニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物;及び1つ以上の追加の活性剤を被検者に共投与することを含む方法を提供する。さらなる実施形態において、追加の活性剤は、GLP−1受容体アゴニスト、SGLT2阻害剤、DPP−4阻害剤、Toll様受容体4シグナル伝達の阻害剤、抗TGFβ抗体、チアゾリジンジオン、PPARサブタイプα及びγアゴニスト、ならびに経口インスリン増感剤からなる群から選択される。別のさらなる実施形態において、追加の活性剤は、リラグルチド、カナグリフロジン、アナグリプチン、TAK−242、1D11、MSDC−0602、ピオグリタゾン、及びロシグリタゾンからなる群から選択される。
【0004】
一実施形態において、線維症または線維性疾患もしくは病態は肝線維症または腎線維症である。さらなる実施形態において、肝線維症は非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に関連する。別の実施形態において、肝線維症は非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に関連する。さらなる実施形態において、肝線維症は新規発生肝硬変に関連する。別のさらなる実施形態において、肝線維症は非肝硬変性肝線維症を含む。一実施形態において、被検者はヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している。別の実施形態において、被検者は、アルコール性肝疾患、HIV及びHCV共感染症、ウイルス性肝炎(例えばHBVまたはHCV感染症など)、2型真性糖尿病(T2DM)、代謝症候群(MS)、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される疾患または病態を有する。
【0005】
一実施形態において、本発明は、必要としている被検者におけるNASHの治療方法であって、治療有効量のセニクリビロック、またはその塩もしくは溶媒和物;及び1つ以上の追加の活性剤を被検者に共投与することを含み、NASHが2型真性糖尿病(T2DM)に関連する方法を提供する。
【0006】
一実施形態において、本発明は、必要としている被検者におけるNASHの治療方法であって、治療有効量のセニクリビロック、またはその塩もしくは溶媒和物;及び1つ以上の追加の活性剤を被検者に共投与することを含み、NASHが代謝症候群(MS)に関連する方法を提供する。
【0007】
一実施形態において、本発明は、必要としている被検者におけるNASHの治療方法であって、治療有効量のセニクリビロック、またはその塩もしくは溶媒和物;及び1つ以上の追加の活性剤を被検者に共投与することを含み、NASHがHIV及びHCV共感染症に関連する方法を提供する。
【0008】
一実施形態において、追加の活性剤は、GLP−1受容体アゴニスト、SGLT2阻害剤、DPP−4阻害剤、Toll様受容体4シグナル伝達の阻害剤、抗TGFβ抗体、チアゾリジンジオン、PPARサブタイプα及びγアゴニスト、ならびに経口インスリン増感剤からなる群から選択される。さらなる実施形態において、追加の活性剤は、リラグルチド、カナグリフロジン、アナグリプチン、TAK−242、1D11、MSDC−0602、ピオグリタゾン、及びロシグリタゾンからなる群から選択される。
【0009】
一実施形態において、セニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物は、セニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物及びフマル酸を含む医薬組成物として製剤化される。一実施形態において、セニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物は経口組成物として製剤化される。一実施形態において、セニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物は1日1回または1日2回投与される。別の実施形態において、共投与は、同時投与、逐次的投与、重複投与、インターバル投与、連続投与、またはこれらの組合せを含む。さらなる実施形態において、共投与は1治療サイクル以上の間行われる。別の実施形態において、共投与は1〜24治療サイクルの間行われる。さらなる実施形態において、治療サイクルのそれぞれは約7日以上を含む。またさらなる実施形態において、治療サイクルのそれぞれは約28日以上を含む。別の実施形態において、共投与は1治療サイクル以上を含み、各治療サイクルは約28日を含む。
【0010】
一実施形態において、共投与は、経口投与、腸管外投与、またはこれらの組合せを含む。さらなる実施形態において、腸管外投与は、静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、骨内投与、髄腔内投与、またはこれらの組合せを含む。一実施形態において、セニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物は経口投与され、追加の活性剤は経口または腸管外投与される。
【0011】
一実施形態において、共投与は同時投与を含む。さらなる実施形態において、セニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物及び追加の活性剤は約28日以上の間同時に共投与される。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、線維症または線維性疾患もしくは病態もしくは病態を治療されている被検者における1つ以上の生体分子のレベルを検出すること、及び1つ以上の生体分子のレベルの増加または減少に基づいて治療レジメンを決定することをさらに含み、生体分子が、リポ多糖(LPS)、LPs結合タンパク質(LBP)、16S rDNA、sCD14、腸管型脂肪酸結合タンパク質(I−FABP)、ゾヌリン−1、コラーゲン1a1及び3a1、TGF−β、フィブロネクチン−1、hs−CRP、IL−1β、IL−6、IL−33、フィブリノーゲン、MCP−1、MIP−1α及び−1β、RANTES、sCD163、TGF−β、TNF−α、肝細胞アポトーシスのバイオマーカー、例えばCK−18(カスパーゼ切断及び全長)など、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される方法を提供する。
【0013】
別の実施形態において、この方法はさらに、線維症または線維性疾患もしくは病態もしくは病態を治療されている被検者における1つ以上の生体分子のレベルを検出することを含み、所定の標準レベルと比較した1つ以上の生体分子のレベルの増加または減少は、線維症または線維性疾患もしくは病態の治療効果を予測するものであり、生体分子は、リポ多糖(LPS)、LPS結合タンパク質(LBP)、16S rDNA、sCD14、腸管型脂肪酸結合タンパク質(I−FABP)、ゾヌリン−1、コラーゲン1a1及び3a1、TGF−β、フィブロネクチン−1、hs−CRP、IL−1β、IL−6、IL−33、フィブリノーゲン、MCP−1、MIP−1α及び−1β、RANTES、sCD163、TGF−β、TNF−α、肝細胞アポトーシスのバイオマーカー、例えばCK−18(カスパーゼ切断及び全長)など、α2−マクログロブリン、アポリポタンパク質A1、ハプトグロビン、ヒアルロン酸、ヒドロキシプロリン、コラーゲンIII型のN末端プロペプチド、メタロプロテイナーゼの組織阻害剤、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上の生体分子は、線維症または線維性疾患もしくは病態を治療されている被検者由来の生体サンプル中で測定される。別の実施形態において、生体サンプルは、血液、皮膚、毛包、唾液、口腔粘液、膣粘液、汗、涙、上皮組織、尿、精液、精液、精漿、前立腺液、前射精液(カウパー液)、排泄物、生検、腹水、脳脊髄液、リンパ、脳、及び組織抽出サンプルまたは生検サンプルから選択される。
【0014】
本発明は、治療有効量のセニクリビロック、またはその塩もしくは溶媒和物;及び1つ以上の追加の活性剤を含む医薬組成物も提供する。一実施形態において、医薬組成物は1つ以上の医薬品として許容可能な添加物をさらに含む。さらなる実施形態において、医薬品として許容可能な添加物はフマル酸を含む。
【0015】
一実施形態において、本発明は、
(a)少なくとも1つの個別の投与量のセニクリビロック、またはその塩もしくは溶媒和物;及び
(b)少なくとも1つの個別の投与量の1つ以上の追加の活性剤
を含む併用パッケージを提供する。
別の実施形態において、併用パッケージは、(a)及び(b)を共投与するためのプロトコールを提供する指示書をさらに含む。
【0016】
一実施形態において、本発明は、セニクリビロック、またはその塩もしくは溶媒和物を含む所定量の第1医薬組成物を、少なくとも1つ以上の活性剤を含む所定量の第2医薬組成物と併せて被検者に送達することを含む抗線維化剤の送達方法を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、セニクリビロック、またはその塩もしくは溶媒和物を含む所定量の第1医薬組成物を、少なくとも1つ以上の活性剤を含む所定量の第2医薬組成物と共に第1医薬組成物を投与する指示と併せて被検者に送達することを含む抗線維化剤の送達方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】セニクリビロックメシル酸塩の化学式である。
図2】ビーグル犬における、経口液剤として配合されたセニクリビロックメシル酸塩の絶対生物学的利用能を、湿式造粒によって調製され、かつ様々な酸性可溶化剤添加物と混合されたセニクリビロックメシル酸塩のものと比較しているグラフである。
図3】乾燥剤と共に包装した場合の、40℃及び相対湿度75%で加速安定性試験を行った異なるセニクリビロック製剤の全不純物及び分解物含有率のグラフである。
図4】異なるセニクリビロック製剤の動的水蒸気吸着等温線である。
図5】腎線維症のマウスUUOモデルにおけるCVCの評価の研究概略図を示す。溶媒対照及びCVCはBID投与;抗TGF−β1抗体、化合物1D11(陽性対照)はQD(1日1回)i.p.投与;CVC、セニクリビロック;ip、腹腔内;PBS、リン酸緩衝生理食塩水;QD、1日1回;TGF、トランスフォーミング増殖因子;UUO、片側尿管閉塞。
図6】腎線維症のマウスUUOモデルの各治療群における体重の変化(5日目)を示す。
図7】腎線維症のマウスUUOモデルの各治療群におけるコラーゲン体積分率(CVF;%面積)スコアを示す。提示したデータは、CVC20mg/kg/日の群における動物からの異常値を1つ除外しており、それはその群のどの他の動物よりも高い>2標準偏差のCVF値を有していた。
図8A】偽手術の腎臓皮質組織からのmRNA発現を示す。
図8B】偽手術の腎臓皮質組織からのmRNA発現を示す。
図9】セニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物における9週目までの体重の変化を示す。
図10A図10A〜Cは、セニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物における9週目までの肝臓重量及び体重の変化を示す。パネルAは体重の変化を示し、パネルBは肝臓重量の変化を示し、パネルCは肝臓重量対体重比の変化を示す。
図10B図10A〜Cは、セニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物における9週目までの肝臓重量及び体重の変化を示す。パネルAは体重の変化を示し、パネルBは肝臓重量の変化を示し、パネルCは肝臓重量対体重比の変化を示す。
図10C図10A〜Cは、セニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物における9週目までの肝臓重量及び体重の変化を示す。パネルAは体重の変化を示し、パネルBは肝臓重量の変化を示し、パネルCは肝臓重量対体重比の変化を示す。
図11-1】図11A〜Fは、9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の全血及び生化学を示す。パネルAは全血グルコースを示し、パネルBは血漿ALTを示し、パネルCは血漿MCP−1を示し、パネルDは血漿MIP−1βを示し、パネルEは肝臓トリグリセリドを示し、パネルFは肝臓ヒドロキシプロリンを示す。
図11-2】図11A〜Fは、9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の全血及び生化学を示す。パネルAは全血グルコースを示し、パネルBは血漿ALTを示し、パネルCは血漿MCP−1を示し、パネルDは血漿MIP−1βを示し、パネルEは肝臓トリグリセリドを示し、パネルFは肝臓ヒドロキシプロリンを示す。
図12】9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物のHE染色肝臓切片を示す。
図13】9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物のNAFLD活性スコアを示す。
図14】9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物のシリウスレッド染色肝臓切片の代表的な顕微鏡写真を示す。
図15】9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物のF4/80免疫染色肝臓切片の代表的な顕微鏡写真を示す。
図16】9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の炎症面積のパーセンテージを示す。
図17】9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物のF4/80及びCD206二重免疫染色肝臓切片の代表的な顕微鏡写真を示す。
図18】9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物のF4/80陽性細胞に対するF4/80及びCD206二重陽性細胞のパーセンテージを示す。
図19】9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物のF4/80及びCD16/32二重免疫染色肝臓切片の代表的な顕微鏡写真を示す。
図20】9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物のF4/80陽性細胞に対するF4/80及びCD16/32二重陽性細胞のパーセンテージを示す。
図21】9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物のM1/M2比を示す。
図22】9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物のオイルレッド染色肝臓切片の代表的な顕微鏡写真を示す。
図23】9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の脂肪沈着面積のパーセンテージを示す。
図24】9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の肝臓中のTUNEL陽性細胞の代表的な顕微鏡写真を示す。
図25】9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物のTUNEL陽性細胞のパーセンテージを示す。
図26-1】9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の定量RT−PCRを示す。TNF−α、MCP−1、コラーゲン1型、及びTIMP−1のレベルを測定した。
図26-2】9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の定量RT−PCRを示す。TNF−α、MCP−1、コラーゲン1型、及びTIMP−1のレベルを測定した。
図27A図27A〜Fは、9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の定量RT−PCRの生データを示す。パネルAは36B4のレベルを示し、パネルBはTNF−αのレベルを示し、パネルCはTIMP−1のレベルを示し、パネルDはコラーゲン1型のレベルを示し、パネルEは36B4のレベルを示し、パネルfはMCP−1のレベルを示す。
図27B図27A〜Fは、9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の定量RT−PCRの生データを示す。パネルAは36B4のレベルを示し、パネルBはTNF−αのレベルを示し、パネルCはTIMP−1のレベルを示し、パネルDはコラーゲン1型のレベルを示し、パネルEは36B4のレベルを示し、パネルfはMCP−1のレベルを示す。
図27C図27A〜Fは、9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の定量RT−PCRの生データを示す。パネルAは36B4のレベルを示し、パネルBはTNF−αのレベルを示し、パネルCはTIMP−1のレベルを示し、パネルDはコラーゲン1型のレベルを示し、パネルEは36B4のレベルを示し、パネルfはMCP−1のレベルを示す。
図27D図27A〜Fは、9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の定量RT−PCRの生データを示す。パネルAは36B4のレベルを示し、パネルBはTNF−αのレベルを示し、パネルCはTIMP−1のレベルを示し、パネルDはコラーゲン1型のレベルを示し、パネルEは36B4のレベルを示し、パネルfはMCP−1のレベルを示す。
図27E図27A〜Fは、9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の定量RT−PCRの生データを示す。パネルAは36B4のレベルを示し、パネルBはTNF−αのレベルを示し、パネルCはTIMP−1のレベルを示し、パネルDはコラーゲン1型のレベルを示し、パネルEは36B4のレベルを示し、パネルfはMCP−1のレベルを示す。
図27F図27A〜Fは、9週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の定量RT−PCRの生データを示す。パネルAは36B4のレベルを示し、パネルBはTNF−αのレベルを示し、パネルCはTIMP−1のレベルを示し、パネルDはコラーゲン1型のレベルを示し、パネルEは36B4のレベルを示し、パネルfはMCP−1のレベルを示す。
図28】6〜18週のセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の体重変化を示す。
図29】6〜18週のセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の生存曲線を示す。
図30-1】図30A〜Cは、18週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の体重及び肝臓重量を示す。パネルAは体重を示し、パネルBは肝臓重量を示し、パネルCは肝臓重量対体重比を示す。
図30-2】図30A〜Cは、18週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の体重及び肝臓重量を示す。パネルAは体重を示し、パネルBは肝臓重量を示し、パネルCは肝臓重量対体重比を示す。
図31A図31A〜Cは、18週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の肝臓の肉眼での外観を示す。パネルAは溶媒のみで治療した動物の肝臓を示し、パネルBは低投与量のセニクリビロックで治療した動物の肝臓を示し、パネルCは高投与量のセニクリビロックで治療した動物の肝臓を示す。
図31B図31A〜Cは、18週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の肝臓の肉眼での外観を示す。パネルAは溶媒のみで治療した動物の肝臓を示し、パネルBは低投与量のセニクリビロックで治療した動物の肝臓を示し、パネルCは高投与量のセニクリビロックで治療した動物の肝臓を示す。
図31C図31A〜Cは、18週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の肝臓の肉眼での外観を示す。パネルAは溶媒のみで治療した動物の肝臓を示し、パネルBは低投与量のセニクリビロックで治療した動物の肝臓を示し、パネルCは高投与量のセニクリビロックで治療した動物の肝臓を示す。
図32】18週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の視認可能な腫瘍結節の数を示す。
図33】18週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物の視認可能な腫瘍結節の最大直径を示す。
図34】18週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物のHE染色肝臓切片の代表的な顕微鏡写真を示す。
図35】18週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物のGS免疫染色肝臓切片の代表的な顕微鏡写真を示す。
図36】18週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物のCD31免疫染色肝臓切片の代表的な顕微鏡写真を示す。
図37】18週目におけるセニクリビロック(低または高投与量)で治療した動物のCD31陽性面積のパーセンテージを示す。
図38】48週目までの経時的なHIV−1 RNA<50コピー/mLの被検者の割合である(Snapshot Algorithm−ITT−Study 202)。
図39】48週目までの経時的なsCD14レベルのベースライン(106pg/mL)からのLS平均変化を示す(ITT)。
図40】ベースライン、24週目、及び48週目における、APRI及びFIB−4線維化指数スコアに従ってグループ化したCVC(プールデータ)及びEFV治療被検者を示す。
図41】48週目におけるベースラインAPRIからの変化対ベースラインsCD14からの変化の散布図を示す(ITT)。
図42】48週目におけるベースラインFIB−4からの変化対ベースラインsCD14からの変化の散布図を示す(ITT)。
図43】CVC及び追加の治療薬を含む併用治療を研究するための研究デザインを示す。
図44】CDAA NASHモデルにおける前臨床併用研究プロトコールを示す。予防的介入では、動物は、CDAA食及びCVCまたは標準的な固形飼料及びCVCを22週間与えられる。治療的介入では、動物は、CVCを単独でまたはOCAもしくはGFT505との併用で与えられる。
図45】CDAA NASHモデルにおける別の前臨床併用研究プロトコールを示す。動物は、CDAA食のみ、治療的介入(例えば、リラグルチド、イプラグリフロジンもしくはカナグリフロジン、アログリプチン、もしくは化合物1D11)、または治療的介入と併せたCVCを与えられる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
「a」、「an」、及び「the」などの単数形が本出願を通して便宜的に用いられるが、文脈または明示的な記載で別途示される場合を除いて、単数形は複数形を含むことが意図されていると理解されるべきである。さらに、本明細書において言及するすべての雑誌論文、特許、特許出願、刊行物などは、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に援用されると理解されるべきである。すべての数値範囲は、その数値範囲内のありとあらゆる数値点を含むと理解されるべきであり、ありとあらゆる数値点を個々に列挙しているものと解釈されるべきである。同じ成分または特性に関するすべての範囲の終点は包含されており、独立して組み合わせ可能であることが意図されている。
【0019】
定義:
下記で説明する用語を除いて、本出願において用いる用語はすべて、本発明の時点で当業者がその用語で認識するであろう意味を有することが意図される。
【0020】
「約」は、参照値と実質的に同じ効果を有するか、または実質的に同じ結果をもたらすすべての値を含む。したがって、用語「約」に包含される範囲は、この用語が用いられている文脈、例えば、参照値が関連するパラメータに応じて変化することになる。したがって、文脈に応じて、「約」は、例えば、±15%、±10%、±5%、±4%、±3%、±2%、±1%、または±1%未満を意味し得る。重要なことに、用語「約」が前に付く参照値の列挙はすべて、参照値単独の列挙であることも意図されている。上記にも関わらず、本出願において、用語「約」は、薬物動態パラメータ、例えば、曲線下面積(AUC、AUC、及びAUCを含む)、Cmax、Tmaxなどに関連して特別な意味を有する。薬物動態パラメータの値に関して用いる場合、用語「約」は、参照パラメータの80%〜125%を意味する。
【0021】
「セニクリビロック」は、化合物(S)−8−[4−(2−ブトキシエトキシ)フェニル]−1−イソブチル−N−(4−{[(1−プロピル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]スルフィニル}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ベンゾアゾシン−5−カルボキサミド(以下に示す構造)のことをいう。セニクリビロックの組成物の詳細は、米国特許出願公開第2012/0232028号に開示されており、あらゆる目的のためにその全体を参照によりここに援用する。関連製剤の詳細は、米国出願第61/823,766号に開示されており、あらゆる目的のためにその全体を参照によりここに援用する。
【化1】
【0022】
「本発明の化合物」または「本化合物」は、セニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物のことをいう。
【0023】
「実質的に同様」は、組成物または製剤の素性及び量の両方がかなりの程度まで参照組成物または製剤と類似している組成物または製剤を意味する。
【0024】
「医薬品として許容可能」は、例えば、被検者への投与において、獣医学的目的を含め、医薬品または調剤に用いることのできる材料または方法のことをいう。
【0025】
「塩」及び「医薬品として許容可能な塩」には、酸及び塩基付加塩の両方が含まれる。「酸付加塩」は、遊離塩基の生物学的有効性及び特性を保持する塩のことをいい、生物学的または別様に望ましくないものではなく、無機酸及び有機酸と共に形成される。「塩基付加塩」は、遊離酸の生物学的有効性及び特性を保持する塩のことをいい、生物学的または別様に望ましくないものではなく、遊離酸への無機塩基及び有機塩基の付加から調製される。医薬品として許容可能な塩の例としては、限定はしないが、アミンなどの塩基性残基の無機もしくは有機酸付加塩;酸性残基のアルカリもしくは有機付加塩など、または上述の塩の1つ以上を含む組合せが挙げられる。医薬品として許容可能な塩には、活性剤の塩及び四級アンモニウム塩が含まれる。例えば、酸性塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸に由来するものが挙げられ;他の許容可能な無機塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩などの金属塩;及びカルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、または上述の塩の1つ以上を含む組合せが挙げられる。医薬品として許容可能な有機塩としては、有機酸から調製される塩、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、メシル酸、エシル酸、ベシル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、HOOC−(CH−COOH(ここで、nは0〜4である)など;有機アミン塩、例えば、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩など;及びアミノ酸塩、例えば、アルギニン酸塩、アスパルギネート(asparginate)、グルタミン酸塩など;または上述の塩の1つ以上を含む組合せが挙げられる。
【0026】
一実施形態において、セニクリビロックの酸付加塩はセニクリビロックメシル酸塩、例えば、(S)−8−[4−(2−ブトキシエトキシ)フェニル]−1−イソブチル−N−(4−{[(1−プロピル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]スルフィニル}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ベンゾアゾシン−5−カルボキサミドモノメタンスルホノエート(monomethanesulfonoate)である。一実施形態において、セニクリビロックメシル酸塩は、結晶性物質、例えば、淡緑黄色の結晶性粉末などである。一実施形態において、セニクリビロックメシル酸塩は、氷酢酸、メタノール、ベンジルアルコール、ジメチルスルホキシド、及びN,N−ジメチルホルムアミド中に易可溶性であり;ピリジン及び無水酢酸中に可溶性であり;かつ99.5%エタノール中にやや溶けにくく;アセトニトリル、1−オクタノール、及びテトラヒドロフラン中にわずかに可溶性であり;酢酸エチル及びジエチルエーテル中に実質的に不溶性である。一実施形態において、セニクリビロックメシル酸塩は、pH1〜2の水溶液中に易可溶性であり;pH3ではやや溶けにくく、pH4〜13及び水中には実質的に不溶性である。
【0027】
「溶媒和物」は、溶媒和によって形成される複合体(溶媒分子と本発明の活性剤の分子またはイオンとの組合せ)、または1つ以上の溶媒分子を伴う溶質イオンもしくは分子(本発明の活性剤)からなる凝集体を意味する。本発明において、好ましい溶媒和物は水和物である。
【0028】
「医薬組成物」は、本開示の化合物、及び哺乳類、例えば、ヒトへの生物活性化合物の送達について当該技術分野で一般に許容される媒体の製剤のことをいう。そのような媒体としては、そのためのすべての医薬品として許容可能な担体、希釈剤、または添加物が挙げられる。
【0029】
「治療」は、疾患もしくは病態の症例、または疾患もしくは病態の症状の寛解、緩和、及び低減を含む。
【0030】
「投与」は、任意の投与様式、例えば、経口、皮下、舌下、経粘膜、腸管外、静脈内、動脈内、頬側、舌下、外用、膣、直腸、眼、耳、鼻、吸入、筋肉内、骨内、髄腔内、及び経皮、またはこれらの組合せなどを含む。「投与」は、特定の化合物を含む剤形の処方または処方箋の調剤も含むことができる。「投与」は、特定の化合物またはその化合物を含む剤形に関連する方法を実施するための指示を提供することも含むことができる。
【0031】
「治療有効量」は、疾患、障害、または他の望ましくない医学的状態を治療するために被検者に投与した場合に、その疾患、障害、または病態に関して有益な効果を及ぼすのに十分である活性物質の量を意味する。治療有効量は、活性物質の化学的素性及び製剤形態、疾患または病態及びその重症度、ならびに治療される患者の年齢、体重、及び他の関連特性に応じて変化することになる。所与の活性物質の治療有効量の決定は、当該技術分野の通常の技能の範囲内であり、典型的には、定型的な実験以上のものを必要としない。
【0032】
線維症:
線維症は、修復または反応プロセスにある器官または組織における過剰な線維性結合組織の形成である。これは、反応性、良性、または病理学的状態であり得る。器官及び/または組織における結合組織の沈着は、その下にある器官または組織の構造及び機能を消滅させ得る。線維症は、線維組織の過剰沈着、及び治癒中の結合組織沈着のプロセスのこうした病理学的状態である。
【0033】
線維症は、瘢痕化のプロセスに類似しており、両方とも、コラーゲン及びグリコサミノグリカンを含む結合組織を蓄積する刺激された細胞が関与する。多くの免疫及び炎症反応を媒介するサイトカインが線維症の発症の一因となる。脂肪蓄積、ウイルス性作用物質、過剰なアルコール消費、ヘパトトキシンなどの要因に起因する肝細胞損傷が、炎症性免疫応答を必然的に誘発する。肝臓におけるサイトカイン及びケモカインの産生の増加は、炎症誘発性単球(前駆細胞)のリクルートメントにつながり、その後、これが炎症誘発性マクロファージに成熟する。炎症誘発性マクロファージは、本質的に線維形成促進性であり、最終的に、細胞外マトリックス(ECM)の沈着を主に担う肝星細胞(HSC)の活性化をもたらす。
【0034】
様々な免疫細胞集団の浸潤は、炎症をもたらし、急性及び慢性肝損傷の後の中心的な病原特徴である。慢性肝炎症は、線維症、肝硬変、ESLD、及びHCCにつながり得る連続的な肝細胞損傷をもたらす。肝臓内免疫細胞の間の相互作用は、クッパー細胞及びHSCの活性化及び遊走の増加につながり、肝線維症の発症に決定的な現象である。加えて、肝線維症の病因におけるCCR2及びCCR5の役割についての証拠が増えつつある[1〜7、9、31]。C−Cケモカインファミリーのこれらのメンバーは、炎症誘発性単球及びマクロファージ、クッパー細胞、ならびにHSCをはじめとする線維形成促進性細胞によって発現される[1〜4]。CCR2シグナル伝達は、骨髄由来線維芽細胞の調節を介して腎線維症の病因において重要な役割を果たす[8]。CCR2及びCCR5陽性単球、ならびにCCR5陽性Tリンパ球は、局所放出されたMCP−1及びRANTESに誘引され、腎臓における慢性間質性炎症に寄与し得る[10、11]。げっ歯類において、CVCは、腸肝軸とも記載される肝臓、腸間膜リンパ節、及び腸において高い分布を有する。腸管微生物相の破壊及び腸肝軸に対するその下流作用は両方とも、肥満、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などの代謝障害において重要な役割を果たす[16、23]。
【0035】
表1に肝細胞によって発現されるケモカインを記載する[30]。
【表1】
【0036】
肝星細胞(HSC)の活性化は、肝線維症の病因において重要な役割を果たす。肝損傷の後に、肝星細胞(HSC)は活性化され、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)及びそれらの特異的組織阻害剤(TIMP)の組合せを発現する[32]。肝損傷の初期段階において、HSCはMMP−3、MMP−13、及びウロプラスミノーゲン活性化因子(uPA)を一過性発現し、マトリックス分解表現型を示す。細胞外マトリックスの分解はCCR2またはCCR5依存的ではないように思われる。
【0037】
活性化HSCは、単核及び多形核白血球の浸潤を誘導することによって炎症反応を増幅することができる。浸潤する単球及びマクロファージは、サイトカイン分泌の増加及び酸化ストレス関連生成物の生成をはじめとする複数の機序を介して線維症の発症に関与する。活性化HSCは、CCR2及びCCR5を発現し、MCP−1、MIP−1α、MIP−1β、及びRANTESを含むケモカインを産生することができる。CCR2はHSC走化性及び肝線維症の発症を促進する。ヒト肝疾患において、MCP−1の増加は、マクロファージのリクルートメントならびに肝線維症及び原発性胆汁性肝硬変の重症度に関連する。CCR5はHSCの遊走及び増殖を刺激する。
【0038】
肝損傷及びHSC活性化の後期段階では、パターンが変化し、細胞は、正常な肝臓マトリックスを分解する能力を有するMMPの組合せを発現すると同時に、肝線維症において蓄積する線維性コラーゲンの分解を阻害する。このパターンは、プロ−MMP−2及び膜1型(MT1)−MMP発現の組合せによって特徴づけられ、それらは、活性MMP−2の細胞周囲での生成及び正常な肝臓マトリックスの局所分解を誘導する。加えて、間質性コラゲナーゼ(MMP−1/MMP−13)による線維性肝臓コラーゲンの分解のより全体的な阻害をもたらすTIMP−1の発現が顕著に増加する。慢性アルコール性肝疾患に関連する肝損傷において、TNF−α、IL−1、IL−6、及びケモカインIL−8/CXCL8の産生が増加する。TNF−αも非アルコール性脂肪性肝疾患の重要な媒介物質である。これらの経路は肝線維症の進行において重要な役割を果たす。HSCの活性化の阻害及び活性化HSCのクリアランスの促進は、肝線維症の回復ための有効な戦略であり得る。
【0039】
ケモカインファミリーは炎症において重要な調節的役割を果たす。このファミリーのメンバーとしては、限定はしないが、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、CXCR6、CXCR7、CXCR8、CXCR9、CXCR10、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、及びCXCL17をはじめとするCXC受容体及びリガンド;限定はしないが、CCL1、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9、CCL10、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14、CCL15、CCL16、CCL17、CCL18、CCL19、CCL20、CCL21、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、及びCCR10をはじめとするCCケモカイン及び受容体;限定はしないが、XCL1、XCL2、及びXCR1をはじめとするCケモカイン;ならびに限定はしないが、CS3CL1及びCX3CR1をはじめとするCX3Cケモカインが挙げられるが、これらに限定されない。これらの分子は線維性器官または組織において上方調節され得る。さらなる実施形態において、これらの分子は線維性器官または組織において下方調節され得る。さらなる実施形態において、これらのケモカインのシグナル伝達経路における分子は、線維性器官または組織において上方調節され得る。さらなる実施形態において、これらのケモカインのシグナル伝達経路における分子は、線維性器官または組織において下方調節され得る。
【0040】
線維症は、限定はしないが、肺、肝臓、骨髄、関節、皮膚、消化管、リンパ節、血管、または心臓をはじめとする体内の多くの組織で生じる可能性があり、典型的には炎症または損傷の結果である。線維症、または線維性疾患及び/または病態の非限定例としては、肺線維症、特発性肺線維症、嚢胞性線維症、肝硬変、心内膜心筋線維症、心筋梗塞、心房線維症、縦隔線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、進行性塊状線維症、塵肺症の合併症、腎性全身性線維症、クローン病、ケロイド、強皮症/全身性硬化症、関節線維症、ペイロニー病、デュピュイトラン拘縮、アテローム硬化症に関連する線維症、リンパ節線維症、新規発生肝硬変、非肝硬変性肝線維症、腎線維症、及び癒着性関節包炎が挙げられる。
【0041】
治療的有用性の実施形態:
本発明は、線維症及び/または線維性疾患及び/または病態を治療するための併用療法を提供する。動物研究におけるCVCの抗線維症効果は、肝損傷の発症時(TAA)またはその直後(TAA;HFD)にCVC治療が開始された場合には観察されたが、肝硬変が確立されると観察されなかった(TAA)。これは、肝線維症が確立され、疾患進行の大きなリスクにある集団において、CVCの抗線維症効果がより明白であり得ることを示唆している。これらには以下が含まれる:2型真性糖尿病(T2DM)及び代謝症候群(MS)に関連する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、HIV及びHCV共感染症、またはHCV感染症、アルコール性肝疾患、ウイルス性肝炎(例えばHBVまたはHCV感染症など)、新規発生肝硬変、非肝硬変性肝線維症、ならびにこれらの組合せ。
【0042】
NASH
本明細書において開示する併用療法は、米国人の2〜5パーセントが罹患する一般的な肝疾患である非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に起因する肝線維症を治療するために用いられ得る。NASHによる肝損傷はアルコール性肝疾患の特徴のいくつかを有するが、アルコールをほとんどまたは全く飲まない人々において生じる。NASHの主な特徴は、炎症及び肝細胞損傷(風船化)を伴う肝臓内の脂肪である。NASHは、重度の場合があり、肝硬変につながる可能性もあり、その場合、肝臓は恒久的に損傷されて瘢痕化し、それ以上適切に機能することができなくなる。非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、肥満関連障害、例えば2型糖尿病及び代謝症候群などに関連する一般的な、多くの場合、「沈黙」の、肝疾患であり、アルコールをほとんどまたは全く飲まない人々において生じ、肝臓内における脂肪の蓄積によって特徴づけられ、他に明らかな原因はない[32〜43]。NAFLDスペクトラムの初めは単純な脂肪症であり、肝臓内での脂肪の蓄積によって特徴づけられる。炎症を伴わない肝脂肪症は一般に良性であり、進行が遅いか、または非進行性である。NASHは、脂肪症に肝細胞損傷及び炎症が併発しているNAFLDのより進行した重度のサブタイプであり、線維症を伴う場合もあれば伴わない場合もある。
【0043】
肥満関連障害の有病率の上昇はNASHの有病率の急速な増加の一因になっている。NAFLDを有する被検者のおよそ10%〜20%がNASHに進行する[44]。
【0044】
NAFLDは慢性肝疾患の最も一般的な原因である[45]。ほとんどの米国の研究は10%〜35%のNAFLDの有病率を報告しているが、これらの割合は、研究集団及び診断の方法で変動する[46]。米国の人口のおよそ3分の1が肥満と考えられるので、米国の人口におけるNAFLDの有病率はおそらく約30%である[46]。ある研究では、NAFLDは米国人のおよそ27%〜34%、または推定86〜108百万人の患者が罹患していることが分かっている[44]。NAFLDは米国に特有のものではない。ブラジル、中国、インド、イスラエル、イタリア、日本、韓国、スリランカ、及び台湾をはじめとする世界の他の国からの報告で、有病率は6%〜35%(20%の中央値)の範囲であることが示されている[46]。オーストラリア消化器病学会/オーストラリア肝臓学会による研究で、NAFLDは推定5.5百万人のオーストラリア人が罹患し、そのうち全成人の40%は50歳以上であることが分かっている[47]。オーストラリアでの重度の肥満患者の研究で、これらの患者の25%がNASHを有することが分かった[48]。
【0045】
NASHの確定診断を行うために肝臓生検が必要とされる。米国での中年者の研究において、組織学的に確認されたNASHの有病率は12.2%であった[49]。現在、NASH有病率は、米国でおよそ9〜15百万人(米国の人口の3%〜5%)と推定されており、EU及び中国での有病率も同様である[46、50]。肥満集団におけるNASHの有病率は、10%〜56%(33%の中央値)の範囲である[46]。カナダ出身の痩身者の一連の剖検において、脂肪性肝炎及び線維症の有病率はそれぞれ3%及び7%であった[46]。NASHの有病率は、発展途上地域においても増加しており、これは、これらの地域の人々が、体を動かすことのより少ないライフスタイルならびに脂肪及び糖/フルクトースの含有量が高い加工食品からなる西洋化した食事[51]を取り入れ始めたことに起因する[52]。
【0046】
NASHは、肝細胞損傷を伴う肝脂肪症及び炎症の存在によって定義される深刻な慢性肝疾患であり、線維症を伴う場合もあれば伴わない場合もある[34]。慢性肝炎症は線維症の前兆であり、これは肝硬変、末期肝疾患及び肝細胞癌へと進行し得る。インスリン抵抗性に加えて、異常な脂質蓄積及び代謝、肝臓内でのコレステロールの蓄積、肝損傷の増加をもたらす酸化ストレス、ならびに腸内細菌叢の破壊(高フルクトース含有食に関連)に次ぐバクテリアルトランスロケーション[34、53〜56]はすべて、NASHの進行に寄与する重要な補助因子として関係があるとされている[57〜60]。肥満及び糖尿病の流行が拡大しているために、NASHは、進行性肝疾患の最も一般的な原因及び肝移植の最も一般的な適応症になると予想されている[46、61〜63]。NASHの負荷は、承認された治療的介入が一切ないことと相まって、アンメットメディカルニーズを代表する。
【0047】
さらなる実施形態において、肝線維症は新規発生肝硬変に関連する。いくつかの実施形態において、肝硬変はアルコール損傷に関連する。さらなる実施形態において、肝硬変は、限定はしないが、B型肝炎及びC型肝炎感染症、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性硬化性胆管炎、HIV感染症、または脂肪性肝疾患をはじめとする肝炎感染症に関連する。いくつかの実施形態において、本発明は、肝線維症または肝硬変を発症するリスクにある被検者の治療方法を提供する。
【0048】
別の実施形態において、線維症は非肝硬変性肝線維症を含む。別のさらなる実施形態において、被検者はヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している。またさらなる実施形態において、被検者は、限定はしないがHCV(C型肝炎ウイルス)をはじめとする肝炎ウイルスに感染している。さらなる実施形態において、被検者は糖尿病を有する。さらなる実施形態において、被検者は2型糖尿病を有する。さらなる実施形態において、被検者は1型糖尿病を有する。さらなる実施形態において、被検者は代謝症候群(MS)を有する。さらなる実施形態において、被検者はアルコール性肝疾患を有する。さらなる実施形態において、被検者はウイルス性肝炎を有する。一実施形態において、ウイルス性肝炎はHBV感染症に起因する。別の実施形態において、ウイルス性肝炎はHCV感染症に起因する。さらなる実施形態において、被検者はこれらの疾患または障害の1つ以上を有する。さらなる実施形態において、被検者はこれらの疾患の1つ以上を発症するリスクにある。さらなる実施形態において、被検者はインスリン抵抗性を有する。さらなる実施形態において、被検者は、血糖濃度が増加しているか、高血圧であるか、コレステロールレベルが上昇しているか、トリグリセリドレベルが上昇しているか、または肥満である。さらなる実施形態において、被検者は多嚢胞性卵巣症候群を有する。
【0049】
一実施形態において、本発明は、セニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物が1つ以上の追加の活性剤と共投与される治療方法を提供する。さらなる実施形態において、追加の活性剤は抗炎症剤である。さらなる実施形態において、追加の活性剤はケモカイン受容体アンタゴニストである。さらなる実施形態において、追加の活性剤はケモカイン受容体へのケモカインの結合を阻害する。さらなる実施形態において、追加の活性剤はCCR1へのリガンドの結合を阻害する。さらなる実施形態において、追加の活性剤はCCR1へのCCR5リガンドの結合を阻害する。さらなる実施形態において、1つ以上の追加の治療薬は、肝アポリポタンパク質CIII発現を抑制する、コレステロール7α−ヒドロキシラーゼ(CYP7A1)発現を抑制する、高密度リポタンパク質媒介経肝コレステロール流出を誘発する、胆汁うっ滞性肝損傷から保護する、肝炎症及び/または線維症を減衰させる、肝脂質蓄積を減少させる、及び/または炎症誘発性及び/または線維化促進性遺伝子発現を阻害することができる。一実施形態において、1つ以上の追加の治療薬は、限定はしないが、ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α(PPAR−α)アゴニスト、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、高投与量ビタミンE(>400iU/d)、GLP−1受容体アゴニスト、SGLT2阻害剤、DPP−4阻害剤、Toll様受容体4シグナル伝達の阻害剤、抗TGFβ抗体、チアゾリジンジオン、PPARサブタイプα及びγアゴニスト、及び経口インスリン増感剤、オベチコール酸、3−[2−[2−クロロ−4−[[3−(2,6−ジクロロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−4−イソオキサゾリル]メトキシ]フェニル]エテニル]安息香酸(GW4064)、2−メチル−2−[[4−[2−[[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル](4−シクロヘキシルブチル)アミノ]エチル]フェニル]チオ]−プロパン酸(GW7647)、及び2−[2,6ジメチル−4−[3−[4−(メチルチオ)フェニル]−3−オキソ−1(E)−プロペニル]フェノキシル]−2−メチルプロパン酸(GFT505)、3−(3,4−ジフルオロベンゾイル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−1,1−ジメチルアゼピノ[4,5−b]インドール−5−カルボン酸1−メチルエチルエステル(WAY−36245)、胆汁酸誘導体(例えば、INT−767、INT−777)、アゼピノ[4,5−b]インドール、1−[(4−クロロフェニル)メチル]−3−[(1,1−ジメチルエチル)チオ]−α,α−ジメチル−5−(1−メチルエチル)−1H−インドール−2−プロパン酸(MK886)、N−((2S)−2−(((1Z)−1−メチル−3−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパ−1−エニル)アミノ)−3−(4−(2−(5−メチル−2−フェニル−1,3−オキサゾール−4−イル)エトキシ)フェニル)プロピル)プロパンアミド(GW6471)、2−[2,6ジメチル−4−[3−[4−(メチルチオ)フェニル]−3−オキソ−1(E)−プロペニル]フェノキシル]−2−メチルプロパン酸(GFT505)、リラグルチド、カナグリフロジン、アナグリプチン、TAK−242、1D11、MSDC−0602、ピオグリタゾン、及びロシグリタゾン、またはこれらの組合せを含む群から選択される。
【0050】
ある実施形態は、本明細書に記載の本治療の治療効果を監視及び/または予測する方法を含む。そのような方法は、線維症または線維性疾患もしくは病態を治療されている被検者(または被検者からの生体サンプル)における1つ以上の生体分子、例えば、バイオマーカーなどのレベルを検出することを含み、所定の標準レベルと比較した1つ以上の生体分子のレベルの増加または減少が、本治療の治療効果を示す、または予測する。
【0051】
一実施形態において、本発明は、線維症または線維性疾患もしくは病態を治療されている被検者における1つ以上の生体分子のレベルを検出すること、及び1つ以上の生体分子のレベルの増加または減少に基づいて治療レジメンを決定することを含み、生体分子が、リポ多糖(LPS)、LPS結合タンパク質(LBP)、16S rDNA、sCD14、腸管型脂肪酸結合タンパク質(I−FABP)、ゾヌリン−1、コラーゲン1a1及び3a1、TGF−β、フィブロネクチン−1、hs−CRP、IL−1β、IL−6、IL−33、フィブリノーゲン、MCP−1、MIP−1α及び−1β、RANTES、sCD163、TGF−β、TNF−α、肝細胞アポトーシスのバイオマーカー、例えばCK−18(カスパーゼ切断及び全長)など、もしくはバクテリアルトランスロケーションのバイオマーカー、例えばLPS、LBP、sCD14、及びI−FABPなど、α2−マクログロブリン、アポリポタンパク質A1、ハプトグロビン、ヒアルロン酸、ヒドロキシプロリン、コラーゲンIII型のN末端プロペプチド、メタロプロテイナーゼの組織阻害剤、またはこれらの組合せからなる群から選択される治療方法を提供する。
【0052】
一実施形態において、本発明は、線維症または線維性疾患もしくは病態を治療されている被検者における1つ以上の生体分子のレベルを検出することを含み、所定の標準レベルと比較した1つ以上の生体分子のレベルの増加または減少によって、線維症または線維性疾患もしくは病態の治療効果が予測される治療方法を提供する。
【0053】
さらなる実施形態において、1つ以上の生体分子は、線維症または線維性疾患もしくは病態を治療されている被検者由来の生体サンプル中で測定される。またさらなる実施形態において、生体サンプルは、血液、皮膚、毛包、唾液、口腔粘液、膣粘液、汗、涙、上皮組織、尿、精液、精液、精漿、前立腺液、前射精液(カウパー液)、排泄物、生検、腹水、脳脊髄液、リンパ、脳、及び組織抽出サンプルまたは生検サンプルから選択される。
【0054】
NASHのCDAAマウスモデル
コリン欠乏アミノ酸置換(CDAA)食は、NASHのげっ歯類モデルとして用いられており、脂肪症、炎症細胞浸潤及び線維症によって特徴づけられる(Nakae et al. (1995) Toxic. Pathol. 23(5):583−590)。NASHは肝細胞における脂肪酸酸化の阻害によって生じ得る。CDAA食を与えられたマウスは、体重が増加しないか、または末梢インスリン感受性が変化しない(Kodama et al (2009) Gastroenterology 137(4):1467−1477)。CDAAモデルは、MCDモデルと同様に、NASHスペクトラムの炎症及び線維症要素を研究するために用いることができる。
【0055】
併用療法:
本発明の化合物は、単独でまたは1つ以上の追加の活性剤と併用で投与され得る。1つ以上の追加の活性剤は、必要としている被検者に治療効果を及ぼすことのできる任意の化合物、分子、または物質であり得る。1つ以上の追加の活性剤は、別々の医薬組成物として、または単一の医薬組成物中に混合して、被検者に「共投与」、すなわち、協調する形で一緒に投与され得る。「共投与」では、1つ以上の追加の活性剤は、本化合物と同時に投与される場合もあれば、異なる時点及び異なる頻度を含め、本化合物とは別々に投与される場合もある。1つ以上の追加の活性剤は任意の公知の経路、例えば経口、静脈内、皮下、筋肉内、経鼻などによって投与されてよく、治療薬も任意の従来の経路によって投与されてよい。多くの実施形態において、1つ以上の追加の活性剤の少なくとも1つ及び任意により両方は経口投与され得る。
【0056】
こうした1つ以上の追加の活性剤としては、限定はしないが、肝アポリポタンパク質CIII発現を抑制する、コレステロール7α−ヒドロキシラーゼ(CYP7A1)発現を抑制する、高密度リポタンパク質媒介経肝コレステロール流出を誘発する、胆汁うっ滞性肝損傷から保護する、肝炎症及び/または線維症を減衰させる、肝脂質蓄積を減少させる、炎症誘発性及び/または線維化促進性遺伝子発現を阻害する薬剤、ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト、及び/またはペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α(PPAR−α及びδ)アゴニスト、抗炎症剤、ケモカイン受容体アンタゴニスト、またはこれらの組合せが挙げられる。2つ以上の医薬品が併用される場合、各医薬品の投与量は一般に、その医薬品が独立して用いられる場合の投与量と同一であるが、ある医薬品が他の医薬品の代謝に干渉する場合、各医薬品の投与量は適切に調節される。各医薬品は同時にまたは12時間未満の時間間隔で別々に投与され得る。本明細書に記載の剤形、例えばカプセルなどは適切な間隔で投与することができる。例えば、1日1回、1日2回、1日3回など。特に、その剤形は1日1回または2回投与される。さらにより具体的には、その剤形は1日1回投与される。また、より具体的には、その剤形は1日2回投与される。
【0057】
一実施形態において、1つ以上の追加の治療薬としては、ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト、高投与量ビタミンE(>400iU/d)、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α(PPAR−α)アゴニスト、PPAR−γアゴニスト、及びPPAR−δアゴニスト、オベチコール酸、ピオグリタゾン、3−[2−[2−クロロ−4−[[3−(2,6−ジクロロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−4−イソオキサゾリル]メトキシ]フェニル]エテニル]安息香酸(GW4064)、2−メチル−2−[[4−[2−[[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル](4−シクロヘキシルブチル)アミノ]エチル]フェニル]チオ]−プロパン酸(GW7647)、及び2−[2,6ジメチル−4−[3−[4−(メチルチオ)フェニル]−3−オキソ−1(E)−プロペニル]フェノキシル]−2−メチルプロパン酸(GFT505)、3−(3,4−ジフルオロベンゾイル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−1,1−ジメチルアゼピノ[4,5−b]インドール−5−カルボン酸1−メチルエチルエステル(WAY−36245)、胆汁酸誘導体(例えば、INT−767、INT−777)、アゼピノ[4,5−b]インドール、1−[(4−クロロフェニル)メチル]−3−[(1,1−ジメチルエチル)チオ]−α,α−ジメチル−5−(1−メチルエチル)−1H−インドール−2−プロパン酸(MK886)、N−((2S)−2−(((1Z)−1−メチル−3−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパ−1−エニル)アミノ)−3−(4−(2−(5−メチル−2−フェニル−1,3−オキサゾール−4−イル)エトキシ)フェニル)プロピル)プロパンアミド(GW6471)、2−[2,6ジメチル−4−[3−[4−(メチルチオ)フェニル]−3−オキソ−1(E)−プロペニル]フェノキシル]−2−メチルプロパン酸(GFT505)、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
一実施形態において、追加の治療薬としては抗炎症剤が挙げられる。さらなる実施形態において、追加の活性剤はケモカイン受容体アンタゴニストである。さらなる実施形態において、追加の活性剤はケモカイン受容体へのケモカインリガンドの結合を阻害する。さらなる実施形態において、追加の活性剤はCCR1へのリガンドの結合を阻害する。さらなる実施形態において、追加の活性剤はCCR1へのCCR5リガンドの結合を阻害する。一実施形態において、ケモカインリガンドとしては、MCP−1(CCL2)、MIP−1α(CCL3)、RANTES(CCL5)、MIP−3β(CCL19)、SLC(CCL21)、Mig(CXCL9)、IP−10(CXCL10)、CSCL16、LEC(CCL16)、IL−8(CXCL8)、エオタキシン(CCL11)、MIP−1β(CCL4)、CXCL1、KC(CXCL1)、MIP−2(CXCL2)、MIP−3α(CCL20)、CXCL16、TECK(CCL25)、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9、CCL10、CCL12、CCL13、CCL14、CCL15、CCL17、及びCCL18またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、ケモカイン受容体としては、限定はしないが、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、及びCCR10が挙げられ;Cケモカインは、限定はしないが、XCL1、XCL2、及びXCR1が挙げられ;CX3Cケモカインは、限定はしないが、CS3CL1及びCX3CR1、またはこれらの組合せが挙げられる。一例示的実施形態において、追加の治療薬は、CCR1へのCCR5リガンド(例えば、MIP−1α、RANTES)の結合を阻害する。一実施形態において、追加の治療薬は、アプラビロック、ビクリビロック、マラビロック、ケモカインペプチド誘導体、小分子阻害剤、抗体、Met−RANTES、AOP−RANTES、RANTES(3−68)、エオタキシン(3−74)、Met−Ckβ7、I−Tac/E0H1、CPWYFWPCペプチド、化合物J113863から誘導される小分子、化合物J113863の小分子トランス異性体、SB−328437(Glaxo−SmithKline)、RO116−9132−238(Roche Bioscience)、化合物25(Merck)、A−122058(Abbott Laboratories)、DPCA37818、DPC168、化合物115(Bristol−Myers Squibb)、ピペリジンアンタゴニスト、CP−481,715(Pfizer)、MLN3897(Millennium/Sanofi Aventis)、BX471(構造を以下に示す、Berlex/Scherring AG)、AZD−4818(Astra−Zeneca)、BMS−817399(Bristol−Myers Squibb)、CAM−3001(Medimmune)、CCX354−C(Chemo−Centryx)、CCx915/MK−0812、INCB8696(InCyte)、RO5234444、GW766994、JC1、BKT140、プロパゲルマニウム、シコニン、BX471、及び/またはYM−344031である。
【化2】
【0059】
一実施形態において、追加の治療薬としてはGLP−1受容体アゴニストが挙げられる。一実施形態において、GLP−1受容体アゴニストとしては、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、アルビグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、OG217SC、及び/またはタスポグルチドまたはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一例示的実施形態において、追加の治療薬はリラグルチドである。
【0060】
一実施形態において、追加の治療薬としてはSGLT2阻害剤が挙げられる。一実施形態において、SGLT2阻害剤としては、イプラグリフロジン、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、レモグリフロジン、及び/またはエンパグリフロジン、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一例示的実施形態において、追加の治療薬はイプラグリフロジンである。一例示的実施形態において、追加の治療薬はカナグリフロジンである。
【0061】
一実施形態において、追加の治療薬としてはDPP−4阻害剤が挙げられる。一実施形態において、DPP−4阻害剤としては、シタグリプチン、アログリプチン、ビルダグリプチン、サキサグリプチン、リナグリプチン、アナグリプチン、テネリグリプチン、ゲミグリプチン、デュトグリプチン、ベルベリン、トレラグリプチン、及び/またはルペオール、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一例示的実施形態において、追加の治療薬はアナグリプチンである。
【0062】
一実施形態において、追加の治療薬としてはToll様受容体4シグナル伝達の阻害剤が挙げられる。一実施形態において、追加の治療薬はToll様受容体4シグナル伝達の小分子阻害剤である。一実施形態において、Toll様受容体4シグナル伝達の阻害剤としては、TAK−242、エリトラン、アミトリプチリン、シクロベンザプリン、イブジラスト、イミプラミン、ケトチフェン、ミアンセリン、ナロキソン、ナルトレキソン、プロペントフィリン、及び/またはLPS−RS、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一例示的実施形態において、追加の治療薬はTAK−242である。
【0063】
一実施形態において、追加の治療薬としてはTGF−β阻害剤が挙げられる。一実施形態において、追加の治療薬としては抗TGFβモノクローナル抗体が挙げられる。一実施形態において、抗TGFβモノクローナル抗体としては、1D11、CAT−192、フレソリムマブ(GC1008)またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一例示的実施形態において、追加の治療薬は1D11である。
【0064】
一実施形態において、追加の治療薬としてはチアゾリジンジオンが挙げられる。一実施形態において、チアゾリジンジオンはPPAR(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体)を活性化する。一実施形態において、チアゾリジンジオンとしては、ピオグリタゾン及び/またはロシグリタゾン(rohsiglitazone)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
一実施形態において、追加の治療薬としてはPPARサブタイプα及びγアゴニストが挙げられる。一実施形態において、PPARサブタイプα及びγアゴニストとしては、サログリタザル、ロベグリタゾン、テサグリタザル、アレグリタザル、及び/またはムラグリタザルまたはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
一実施形態において、追加の治療薬としては経口インスリン増感剤が挙げられる。一実施形態において、経口インスリン増感剤はMSDC−0602である。
【0067】
一実施形態において、追加の治療薬としてはPPARαサブタイプアゴニストが挙げられる。一実施形態において、PPARαサブタイプアゴニストとしては、フィブラート薬、両親媒性カルボン酸、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、シプロフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラート、及び/またはK877、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一例示的実施形態において、追加の治療薬はK877である。
【0068】
一実施形態において、追加の治療薬としてはMetAP2阻害剤が挙げられる。一実施形態において、MetAP2阻害剤としては、ベロラニブ、ZGN−839、XMT1107、フマギリン、及び/またはTNP−470、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な実施形態において、MetAP2阻害剤は、ベロラニブ、ZGN−839、及び/またはXMT1107である。
【0069】
一実施形態において、追加の治療薬としてはメチル化キサンチン誘導体が挙げられる。一実施形態において、メチル化キサンチン誘導体としては、カフェイン、アミノフィリン、IBMX、パラキサンチン、ペントキシフィリン、テオブロミン、及び/またはテオフィリン、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一例示的実施形態において、メチル化キサンチン誘導体はペントキシフィリンである。
【0070】
一実施形態において、追加の治療薬としてはペントラキシンファミリーのタンパク質のメンバーが挙げられる。一例示的実施形態において、ペントラキシンタンパク質はペントラキシン−2である。
【0071】
一実施形態において、追加の治療薬としてはNADPHオキシダーゼ阻害剤が挙げられる。一実施形態において、NADPHオキシダーゼ阻害剤としては、GKT136901、GKT137831、GKT−901、ピラゾロピリジン、トリアゾロピリミジン誘導体、VAS2870、及び/またはVAS3947、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な実施形態において、NADPHオキシダーゼ阻害剤はGKT137831及び/またはGKT−901である。
【0072】
一実施形態において、追加の治療薬としてはカスパーゼ阻害剤が挙げられる。一実施形態において、カスパーゼ阻害剤は小分子カスパーゼ阻害剤である。一実施形態において、カスパーゼ阻害剤は汎カスパーゼ阻害剤である。一実施形態において、カスパーゼ阻害剤としては、VX−765、GS−9450、エムリカサン、プラルナカサン、スルホンアミド、キノン、エポキシキノン、エポキシキノール、及び/または一酸化窒素(NO)ドナーまたはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一例示的実施形態において、カスパーゼ阻害剤はエムリカサンである。一例示的実施形態において、カスパーゼ阻害剤はGS−9450である。
【0073】
一実施形態において、追加の治療薬としてはASK−1阻害剤が挙げられる。一実施形態において、ASK−1阻害剤としては、チオレドキシン、GS−4997、TC ASK 10、3H−ナフト[1,2,3−de]キノリン−2,7−ジオン、及び/または5−(5−フェニル−フラン−2−イルメチレン)−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オンまたはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一例示的実施形態において、ASK−1阻害剤はGS−4997である。
【0074】
一実施形態において、追加の治療薬としてはリシルオキシダーゼ様2(LOXL−2)阻害剤が挙げられる。一実施形態において、リシルオキシダーゼ様2(LOXL−2)阻害剤としては、抗LOXL−2モノクローナル抗体、シムツズマブ、β−アミノプロプリオニトリル(aminoproprionitrile)、小分子阻害剤、及び/またはPXS−4728Aまたはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一例示的実施形態において、リシルオキシダーゼ様2(LOXL−2)阻害剤はシムツズマブである。
【0075】
一実施形態において、追加の治療薬としては、セミカルバジド感受性アミンオキシダーゼ(SSAO)/血管接着タンパク質1(VAP−1)阻害剤が挙げられる。一実施形態において、セミカルバジド感受性アミンオキシダーゼ(SSAO)/血管接着タンパク質1(VAP−1)阻害剤としては、PXS4728A、PXS−4681A、SSAO/VAP−1の小分子阻害剤、及び/またはPXS−4159Aまたはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一例示的実施形態において、SSAO/VAP−1阻害剤はPXS4728Aである。
【0076】
一実施形態において、追加の治療薬としては回腸胆汁酸トランスポーターが挙げられる。一実施形態において、回腸胆汁酸トランスポーターとしては、A3309、A4250、及び/またはエリオビキシバット(eliobixibat)またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な実施形態において、回腸胆汁酸トランスポーターはA4250またはエリオビキシバット(eliobixibat)である。
【0077】
一実施形態において、追加の治療薬としては頂端側ナトリウム依存性胆汁酸トランスポーターが挙げられる。一実施形態において、頂端側ナトリウム依存性胆汁酸トランスポーターとしては、SHP626、GSK−2330672、264W94、A4250、ベンゾチエピンアナログ、SC−435、及び/またはSC−635またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な実施形態において、頂端側ナトリウム依存性胆汁酸トランスポーターはSHP626及び/またはGSK−2330672である。
【0078】
一実施形態において、追加の治療薬としてはチアゾリジンジオンのミトコンドリア標的(mToT)調節剤が挙げられる。一実施形態において、チアゾリジンジオンのミトコンドリア標的(mToT)の調節剤としては、mToT、MSDC−0160、及び/またはMSDC−0602またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一例示的実施形態において、mToT調節剤はmToTである。
【0079】
一実施形態において、追加の治療薬としてはシステアミン酒石酸塩が挙げられる。一実施形態において、システアミン酒石酸塩としては、システアミン、RP103、及び/またはプロシスビまたはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。例示的実施形態において、システアミン酒石酸塩はシステアミンである。
【0080】
一実施形態において、追加の治療薬としてはToll様受容体4アゴニストが挙げられる。一実施形態において、Toll様受容体4アゴニストとしては、LPS、PAMP、JKB−121、及び/またはVB201またはこれらの組合せを模倣する合成ペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な実施形態において、Toll様受容体4アゴニストはJKB−121及び/またはVB201である。
【0081】
一実施形態において、追加の治療薬としてはアセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤が挙げられる。一実施形態において、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤としては、ソラフェンA、小分子ACC阻害剤、5−(テトラデシクロキシ(tetradecycloxy))−2−フロ酸(TOFA)、アンドリミド、及び/またはNDI−010976またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。例示的実施形態において、ACC阻害剤はNDI−010976である。
【0082】
一実施形態において、追加の治療薬としては線維芽細胞成長因子(FGF)19ホルモンが挙げられる。一実施形態において、FGF19ホルモンは組換えヒトFGF19ホルモンである。例示的実施形態において、FGF19ホルモンはNGM282である。
【0083】
一実施形態において、追加の治療薬としては脂肪酸−胆汁酸コンジュゲート(FABAC)が挙げられる。一実施形態において、脂肪酸−胆汁酸コンジュゲートとしては、アラムコール及び/またはEBHU18またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。例示的実施形態において、脂肪酸−胆汁酸コンジュゲートはアラムコールである。
【0084】
一実施形態において、追加の治療薬としてはジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1阻害剤(DGAT−1)が挙げられる。一実施形態において、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1阻害剤としては、AZD7687、プラジガスタット、XP620、及び/またはP7435またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な実施形態において、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1阻害剤は、プラジガスタット、及び/またはP7435である。
【0085】
一実施形態において、追加の治療薬としてはジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−2阻害剤(DGAT−2)が挙げられる。一実施形態において、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−2阻害剤としては、H2−003、H2−005、ISIS−DGAT2Rx、及び/またはPF−06424439またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な実施形態において、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−2阻害剤はISIS−DGAT2Rx、及び/またはPF−06424439である。
【0086】
一実施形態において、追加の治療薬としてはP2Y13受容体アゴニストが挙げられる。一実施形態において、P2Y13受容体アゴニストとしては、AR−C69931MX、2MeSADP、ApA及び/またはCER−209またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な実施形態において、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−2阻害剤はCER−209である。
【0087】
一実施形態において、追加の治療薬としては抗炎症サイトカインが挙げられる。一実施形態において、抗炎症サイトカインとしては、IL−10、IL−4、IL−13、IL−35、TGF−β、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一例示的実施形態において、追加の治療薬はIL−10である。
【0088】
一実施形態において、追加の治療薬としては、炎症性サイトカインを阻害する分子が挙げられる。一実施形態において、阻害することのできる炎症性サイトカインとしては、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−8、IFNγ、TGF−β、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、追加の治療薬はTNF−α阻害剤である。一実施形態において、TNF−α阻害剤は、ペントキシフィリン、サリドマイド、ピルフェニドン、抗TNF−α抗体、またはこれらの組合せである。一例示的実施形態において、追加の治療薬はペントキシフィリンである。別の例示的実施形態において、追加の治療薬はエタネルセプトである。
【0089】
一実施形態において、追加の治療薬としては抗ウイルス薬が挙げられる。一実施形態において、抗ウイルス薬としては、インターフェロン、IFN−α2b、ペグ化インターフェロン、PEG−IFN−α2b、IFN−γ1b、IFN−α2a、PEG−IFNα2a、IFN−αまたはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一例示的実施形態において、追加の治療薬はIL−10である。
【0090】
一実施形態において、追加の治療薬としてはアンジオテンシンII受容体アンタゴニストが挙げられる。一実施形態において、アンジオテンシンII受容体アンタゴニストとしては、ロサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、アジルサルタン、オルメサルタン、バルサルタン、フィマサルタン、カンデサルタン、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一例示的実施形態において、追加の治療薬はロサルタンである。別の例示的実施形態において、追加の治療薬はカンデサルタンである。
【0091】
一実施形態において、追加の治療薬としてはモノクローナル抗体が挙げられる。一実施形態において、モノクローナル抗体としては、抗LOXL2、GS−6624、抗CTGF、GF−3019、抗MCP1、抗CCL2、抗MCP1/CCL2、CNT0888、抗IL−13、QAX576、抗IL−4、抗Il−4/13、SAR156597、抗αVβ6、STX−100、抗IL−17A、抗IL−17R、フレソリムマブ、FG−3019、セクキヌマブ、イクセキズマブ、ブロダルマブ、RG4934、NI−1401、SCH 900117、ABT−122、MDS−1338、抗CXCR4、抗Mir21、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
一実施形態において、追加の治療薬としては栄養サプリメントが挙げられる。一実施形態において、栄養サプリメントとしては、トコフェロール、viusid、
【化3】
、グリチルリチン酸、ビタミンE、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンD3、オメガ3脂肪酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、diamel、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
一実施形態において、追加の治療薬としては抗レトロウイルス療法が挙げられる。一実施形態において、抗レトロウイルス療法としては、HIV抗レトロウイルス療法、侵入阻害剤、NRTI、NtRTI、NNRTI、インテグラーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、ラルテグラビル、リトナビルブーストプロテアーゼ阻害剤、ラミブジン、アデホビルジピボキシル、テノホビルジスプロキシルフメート(disproxil fumate)、エンテカビルまたはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
一実施形態において、追加の治療薬としては抗酸化剤が挙げられる。一実施形態において、抗酸化剤としては、サルビアノリン酸B、NAC、α−リポ酸、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
一実施形態において、追加の治療薬としては抗増殖剤が挙げられる。一実施形態において、抗増殖剤としては、オルチプラズ、テトラチオモリブデン酸塩、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)、アザチオプリン、シロリムス、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
一実施形態において、追加の治療薬としてはET1アンタゴニストが挙げられる。一実施形態において、ET1アンタゴニストとしては、ETIRアンタゴニスト、ET1Rアンタゴニスト、二重ET1R及びET1Rアンタゴニスト、ボセンタン、アンブリセンタン、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
一実施形態において、追加の治療薬としてはキナーゼ阻害剤が挙げられる。一実施形態において、キナーゼ阻害剤としては、イマチニブ、アファチニブ、アキシチニブ、ボスチニブ、セツキシマブ、クリゾチニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、フォスタマチニブ、ゲフィチニブ、イブルチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、レンバチニブ、ムブリチニブ、ニテンダニブ(nitendanib)、ニロチニブ、パゾパニブ、ペガプタニブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、SU6656、バンデタニブ、ベムラフェニブ、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
一実施形態において、追加の治療薬としてはソマトスタチン模倣物が挙げられる。一実施形態において、ソマトスタチン模倣物としては、オクトレオチド、ランレオチド(INN)、ランレオチド酢酸塩、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
一実施形態において、追加の治療薬としてはJNK阻害剤が挙げられる。一例示的実施形態において、追加の治療薬はCC−930である。
【0100】
一実施形態において、追加の治療薬としてはCXCR2アンタゴニストが挙げられる。一実施形態において、CXCR2アンタゴニストとしては、SB656933、レパリキシン、DF2162、AZ−10397767、SB332235、SB468477、SCH572123、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
一実施形態において、追加の治療薬としてはHMGR阻害剤が挙げられる。一実施形態において、HMGR阻害剤としては、シムバスタチン、ロバスタチン、コンパクチン(メバスタチン)、プレバスタチン(prevastatin)、セリバスタチン、ロスバスタチン、スタチン、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0102】
一実施形態において、追加の治療薬としてはmTOR阻害剤が挙げられる。一実施形態において、mTOR阻害剤としては、エベロリムス、ラパマイシン、テムシロリムス、リダフォロリムス、デフォロリムス、ATP競合性mTORキナーゼ阻害剤、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
一実施形態において、追加の治療薬としてはコルチコステロイドが挙げられる。一実施形態において、コルチコステロイドとしては、ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、ピバル酸チキソコルトール、ペドニゾロン(pednisolone)、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンアルコール、モメタゾン、アムシノニド、ブデソニド、デソニド、フルオシノニンド(fluocinoninde)、フルシノロン(flucinolone)アセトニド、ハルシノニド、ベタメタゾム(betamethasome)、リン酸ベタメタゾンナトリウム、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、フルコルトロン(flucortolone)、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0104】
一実施形態において、追加の治療薬としては免疫抑制剤が挙げられる。一実施形態において、免疫抑制剤としては、シクロスポリンA、ミコフェノール酸、アザチオプリン、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0105】
一実施形態において、追加の治療薬としてはリパーゼ阻害剤が挙げられる。一実施形態において、リパーゼ阻害剤としては、オルリスタット、Xenical(登録商標)、Alli(登録商標)、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0106】
一実施形態において、追加の治療薬としてはレプチンアナログが挙げられる。一例示的実施形態において、追加の治療薬はメトレレプチンである。
【0107】
一実施形態において、追加の治療薬としては糖尿病治療薬が挙げられる。一例示的実施形態において、糖尿病治療薬としては、メトホルミン、スルホニルウレア、メグリチニド、チアゾリジンジオン、DPP−4阻害剤、GLP−1受容体アゴニスト、SGLT2阻害剤、インスリン療法、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0108】
一実施形態において、追加の治療薬としては神経化学受容体アンタゴニストが挙げられる。一実施形態において、神経化学受容体アンタゴニストとしては、CBR1アンタゴニスト、LH−21、オピオイド受容体アンタゴニスト、ナルトレキソン、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0109】
一実施形態において、追加の治療薬としては神経化学受容体アゴニストが挙げられる。例示的な実施形態において、追加の治療薬はCB2Rアゴニストである。
【0110】
一実施形態において、追加の治療薬としてはHhまたはHh(R)(SMO)アンタゴニストが挙げられる。一実施形態において、HhまたはHh(R)(SMO)アンタゴニストとしては、ビスモデギブ、GDC−0449、Hh(R)遮断剤、LY2940680、SMOアンタゴニスト、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0111】
一実施形態において、追加の治療薬としてはCCR5アンタゴニストが挙げられる。一実施形態において、CCR5アンタゴニストとしては、TBR−652、ビクリビロック、アプラビロック、マラビロック、INCB009471、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
一実施形態において、追加の治療薬としてはCXCR4アンタゴニストが挙げられる。一実施形態において、CXCR4アンタゴニストとしては、小分子阻害剤、モノクローナル抗体阻害剤、BKT140、TG−0054、プレリキサフォル、POL6326、MDX−1338、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0113】
一実施形態において、追加の治療薬としてはCXCR3アンタゴニストが挙げられる。一実施形態において、CXCR3アンタゴニストとしては、小分子阻害剤、モノクローナル抗体阻害剤、SCH 546738、AMG487、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
一実施形態において、追加の治療薬としてはNOX阻害剤が挙げられる。一実施形態において、NOX阻害剤としては、小分子阻害剤、モノクローナル抗体阻害剤、GKT137831、VAS2870、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
一実施形態において、追加の治療薬としては免疫調節剤が挙げられる。例示的な実施形態において、追加の治療薬はコパキソンである。
【0116】
一実施形態において、追加の治療薬としてはNOX阻害剤が挙げられる。一実施形態において、NOX阻害剤としては、小分子阻害剤、モノクローナル抗体阻害剤、GKT137831、VAS2870、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0117】
一実施形態において、追加の治療薬としてはAMPKアゴニストが挙げられる。一実施形態において、AMPKアゴニストとしては、メトホルミン、フェンホルミン、5−アミノイミダゾール−4−カルボキサミドリボヌクレオチド(AICAR)、2−デオキシ−D−グルコース(2DG)、サリチル酸塩、A−769662、アディポネクチン、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0118】
一実施形態において、追加の治療薬としてはTGF−β経路阻害剤が挙げられる。一実施形態において、TGF−β経路阻害剤としては、アンチセンスオリゴヌクレオチド、AP−12009、AP−11014、NovaRx、大分子阻害剤、レルデリムマブ、メテリムマブ、GC−1008、1D11、SR−2F、2G7、小分子阻害剤、LY−550410、Ly−580276、LY−364947、LY−2109761、LY−2157299、LY−573636、SB−431542、SD−208、SD−093、Ki−26894、Sm16、NPC−30345、A−83−01、SX−007、IN−1130、Trx−xFoxH1b、Trx−Lef1、アンチセンス形質移入腫瘍細胞、可溶性TGFβRII:Fc、lucanix、ベータグリカン/TGFβRIII、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
一実施形態において、追加の治療薬としては筋線維芽細胞リクルートメント阻害剤が挙げられる。一実施形態において、追加の治療薬はAM152である。
【0120】
一実施形態において、追加の治療薬としては抗Th17 MMP誘発剤が挙げられる。一実施形態において、追加の治療薬はハロフギノンである。
【0121】
一実施形態において、追加の治療薬としてはアデノシン受容体A2Aアンタゴニストが挙げられる。一実施形態において、追加の治療薬はZM241385である。
【0122】
一実施形態において、追加の治療薬としてはプレ−マイクロRNAが挙げられる。一実施形態において、プレ−マイクロRNAはmiR−29ファミリーのメンバーである。一実施形態において、追加の治療薬はAM152である。
【0123】
一実施形態において、追加の治療薬としては、マイクロRNAを阻害する薬剤が挙げられる。一実施形態において、マイクロRNAを阻害する薬剤はmiR−122を阻害する。例示的な実施形態において、追加の治療薬はミラビルセンである。
【0124】
一実施形態において、追加の治療薬としてはカンナビノイド受容体1アンタゴニストが挙げられる。一実施形態において、カンナビノイド受容体1アンタゴニストとしては、リモナバンもしくはそのアナログ、ジアリールピラゾール誘導体、スリナバン、AM251、イビピナバン、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0125】
一実施形態において、追加の治療薬としては、Schuppan and Kim (2013) J. Clin. Invest. 123(5):1887−1901に列挙されているものが挙げられ、あらゆる目的のためにその内容全体を参照により援用する。一実施形態において、そこに列挙されている追加の治療薬の併用の1つ以上を、本出願に記載するような線維症または線維性疾患もしくは病態を治療するためにCVCと併せて用いることができる。
【0126】
一実施形態において、追加の治療薬としてはファルネソイドX受容体(FXR)アゴニストが挙げられる。一実施形態において、ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニストとしては、カフェストール、ケノデオキシコール酸、オベチコール酸(OCA)、及び/またはフェキサラミンまたはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一例示的実施形態において、追加の治療薬はオベチコール酸(OCA)である。
【0127】
共投与の方法
一態様において、本発明は、必要としている患者における線維症または線維性疾患もしくは病態の治療方法を提供する。この方法は、必要としている患者に、治療有効量の上で開示した少なくとも1つの追加の治療薬;ならびに上記のような少なくとも1つのCVCの化合物、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを共投与することを含む。用語「患者」または「被検者」にはヒト及び動物、好ましくは哺乳類が含まれる。
【0128】
一実施形態において、この方法は、追加の治療薬を共投与することをさらに含む。すなわち、この方法は、必要としている患者に、治療有効量の少なくとも1つの追加の治療薬;ならびに上記のような少なくとも1つのCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを共投与することを含む。追加の活性剤は、生物活性または治療効果を有する任意の化合物、薬剤、分子、組成物、または医薬品とすることができる。追加の活性剤は、(1)ファルネソイドX受容体(FXR)を作動させ得る;(2)ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α(PPAR−α)を作動させ得る;(3)肝アポリポタンパク質CIII発現を抑制し得る;(4)コレステロール7α−ヒドロキシラーゼ(CYP7A1)発現を抑制し得る;(5)高密度リポタンパク質媒介経肝コレステロール流出を誘発し得る;(6)胆汁うっ滞性肝損傷から保護し得る;(7)肝炎症及び/または線維症を減衰させ得る;(8)肝脂質蓄積を減少させ得る;(9)炎症誘発性及び/または線維化促進性遺伝子発現を阻害し得る;(10)抗炎症剤として機能し得る;及び/または(11)ケモカイン結合を阻害し得る。好ましくは、追加の活性剤は、ファルネソイドX受容体(FXR)、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α(PPAR−α)アゴニスト、またはケモカインアンタゴニストである。本明細書で用いる場合、用語「ファルネソイドX受容体(FXR)」アゴニストは、ファルネソイドX受容体(FXR)を活性化する薬物または分子である。本明細書で用いる場合、用語「ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α(PPAR−α)」は、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α(PPAR−α)を活性化する薬物または分子である。本明細書で用いる場合、用語「ケモカインアンタゴニスト」は、ケモカインのそのコグネイト受容体の1つ以上への結合を阻害、減少、抑止、または遮断する薬物または分子である。FXR及びPPAR−αアゴニストの例としては、Px−102、フェキサラミン、ファルグリタザール、オベチコール酸、3−[2−[2−クロロ−4−[[3−(2,6−ジクロロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−4−イソオキサゾリル]メトキシ]フェニル]エテニル]安息香酸(GW4064)、2−メチル−2−[[4−[2−[[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル](4−シクロヘキシルブチル)アミノ]エチル]フェニル]チオ]−プロパン酸(GW7647)、及び2−[2,6ジメチル−4−[3−[4−(メチルチオ)フェニル]−3−オキソ−1(E)−プロペニル]フェノキシル]−2−メチルプロパン酸(GFT505)、3−(3,4−ジフルオロベンゾイル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−1,1−ジメチルアゼピノ[4,5−b]インドール−5−カルボン酸1−メチルエチルエステル(WAY−36245)、胆汁酸誘導体(例えば、INT−767、INT−777)、アゼピノ[4,5−b]インドール、1−[(4−クロロフェニル)メチル]−3−[(1,1−ジメチルエチル)チオ]−α,α−ジメチル−5−(1−メチルエチル)−1H−インドール−2−プロパン酸(MK886)、N−((2S)−2−(((1Z)−1−メチル−3−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパ−1−エニル)アミノ)−3−(4−(2−(5−メチル−2−フェニル−1,3−オキサゾール−4−イル)エトキシ)フェニル)プロピル)プロパンアミド(GW6471)、2−[2,6ジメチル−4−[3−[4−(メチルチオ)フェニル]−3−オキソ−1(E)−プロペニル]フェノキシル]−2−メチルプロパン酸(GFT505)、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。ケモカインアンタゴニストの例としては、アプラビロック、ビクリビロック、マラビロック、Met−RANTES、AOP−RANTES、RANTES(3−68)、エオタキシン(3−74)、Met−Ckβ7、I−Tac/E0H1、CPWYFWPCペプチド、化合物J113863から誘導される小分子、化合物J113863の小分子トランス異性体、SB−328437(Glaxo−SmithKline)、RO116−9132−238(Roche Bioscience)、化合物25(Merck)、A−122058(Abbott Laboratories)、DPCA37818、DPC168、化合物115(Bristol−Myers Squibb)、ピペリジンアンタゴニスト、CP−481,715(Pfizer)、MLN3897(Millennium/Sanofi Aventis)、BX471(Berlex/Scherring AG)、AZD−4818(Astra−Zeneca)、BMS−817399(Bristol−Myers Squibb)、CAM−3001(Medimmune)、CCX354−C(Chemo−Centryx)、CCx915/MK−0812、INCB8696(InCyte)、RO5234444、GW766994、JC1、BKT140、プロパゲルマニウム、シコニン、BX471、及び/またはYM−344031が挙げられるが、これらに限定されない。
【0129】
用語「治療有効量」は、本明細書で用いる場合、患者において1つ以上の意図した生物学的効果、例えば、被検者における線維症及び/または線維性疾患もしくは病態の状態、症状、及び/または作用の寛解、軽減、改善、または回復などをもたらすことのできる量を表す。この量は、(a)追加の治療薬ならびに(b)CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグの併せて与えられる量のことをいう。用語「治療有効量」は、(a)追加の治療薬、ならびに(b)CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグの併せて与えられる量のことをいう場合もある。治療有効量は、個々の患者の状態に応じて患者ごとに異なり得ることが当業者には理解されている。
【0130】
一実施形態において、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは、約30mg/日〜約500mg/日の投与量で投与される。一実施形態において、追加の治療薬は、約5mg/m2〜約3g/m2の投与量で投与される。
【0131】
投与される投与量は、mg/m2/日の単位で表され得るが、ここで、患者の身長及び体重を用いた様々な利用可能な公式を用いて、患者の体表面積(BSA)がm2で計算され得る。投与される投与量は、代替としてmg/日の単位で表され得るが、これは患者のBSAを考慮に入れない。患者の身長及び体重が与えられれば、一方の単位からもう一方への変換は容易である。
【0132】
用語「co−administration(共投与)」または「coadministration(共投与)」は、(a)追加の治療薬ならびに(b)CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを併せた協調する形での投与のことをいう。例えば、共投与は、同時投与、逐次的投与、重複投与、インターバル投与、連続投与、またはこれらの組合せとすることができる。
【0133】
一実施形態において、共投与は1治療サイクル以上の間行われる。「治療サイクル」とは、追加の治療薬ならびにCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを共投与する所定の期間を意味する。典型的には、本併用療法の効果を評価するために、患者は各治療サイクルの最後に検査される。一実施形態において、共投与は1〜48治療サイクルの間行われる。別の実施形態において、共投与は1〜36治療サイクルの間行われる。別の実施形態において、共投与は1〜24治療サイクルの間行われる。
【0134】
一実施形態において、治療サイクルのそれぞれは約3日以上を有する。別の実施形態において、治療サイクルのそれぞれは約3日〜約60日を有する。別の実施形態において、治療サイクルのそれぞれは約5日〜約50日を有する。別の実施形態において、治療サイクルのそれぞれは約7日〜約28日を有する。別の実施形態において、治療サイクルのそれぞれは約28日を有する。一実施形態において、治療サイクルは約29日を有する。別の実施形態において、治療サイクルは約30日を有する。別の実施形態において、治療サイクルは約31日を有する。別の実施形態において、治療サイクルは約1か月の治療サイクルを有する。別の実施形態において、治療サイクルは3週間〜6週間の任意の長さの期間である。別の実施形態において、治療サイクルは4週間〜6週間の任意の長さの期間である。さらに別の実施形態において、治療サイクルは4週間である。別の実施形態において、治療サイクルは1か月である。別の実施形態において、治療サイクルは5週間である。別の実施形態において、治療サイクルは6週間である。
【0135】
患者の状態及び意図する治療効果に応じて、追加の治療薬ならびにCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグのそれぞれの投与頻度は、1日1回〜1日6回で変化し得る。すなわち、投与頻度は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、または1日6回であり得る。
【0136】
治療サイクルに1日以上の休薬日がある場合もある。「休薬日」とは、追加の治療薬もCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグも投与しない日を意味する。言い換えれば、休薬日には追加の治療薬ならびにCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグのいずれも投与されない。どの治療サイクルも少なくとも1日の非休薬日を有していなければならない。「非休薬日」とは、追加の治療薬ならびにCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグの少なくとも1つが投与される日を意味する。
【0137】
「同時投与」とは、追加の治療薬ならびにCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグが同じ日に投与されることを意味する。同時投与では、追加の治療薬ならびにCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを同時にまたは1つずつ投与することができる。
【0138】
同時投与の一実施形態において、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは1日1〜4回で7〜28日間投与され、追加の治療薬は1日1〜4回で7〜28日間投与される。同時投与の別の実施形態において、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは1日1回で28日間投与され、追加の治療薬は1日1回で28日間投与される。
【0139】
「逐次的投与」とは、休薬日がない2日以上の連続的な共投与の期間中、任意の所与の日に追加の治療薬ならびにCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグの1つのみが投与されることを意味する。
【0140】
逐次的投与の一実施形態において、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは1日1〜4回で7〜21日間投与され、追加の治療薬は1日1〜4回で7〜21日間投与される。逐次的投与の別の実施形態において、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは1日1〜4回で14日間投与され、追加の治療薬は1日1〜4回で14日間投与される。
【0141】
逐次的投与の1つの具体的な実施形態において、本方法は1つ以上の治療サイクルを含み、治療サイクルのそれぞれは28日を有し、追加の治療薬は1日1回で7日間投与され、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは1日1回で21日間投与される。追加の治療薬を投与する7日間、ならびにCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを投与する21日間は、独立して連続的であるか、または非連続的である。例えば、連続的な投与において、追加の治療薬を投与する7日間は治療サイクル中の1日目〜7日目とすることができ、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを投与する21日間は治療サイクル中の8日目〜28日目とすることができる。
【0142】
「重複投与」とは、休薬日がない2日以上の連続的な共投与の期間中、同時投与の日が少なくとも1日あり、追加の治療薬ならびにCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグの一方のみが投与される日が少なくとも1日あることを意味する。
【0143】
重複投与の一実施形態において、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは1日1〜4回で28日間投与され、追加の治療薬は1日1〜4回で7〜14日間投与される。
【0144】
重複投与の1つの具体的な実施形態において、本方法は1つ以上の治療サイクルを含み、治療サイクルのそれぞれは28日を有し、追加の治療薬は1日1回で7日間投与され、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは1日1回で28日間投与される。追加の治療薬を投与する7日間は連続的または非連続的とすることができる。例えば、連続的な投与において、追加の治療薬を投与する7日間は治療サイクル中の1日目〜7日目とすることができる。
【0145】
「インターバル投与」とは、休薬日が少なくとも1日ある共投与の期間を意味する。「連続投与」とは、休薬日がない共投与の期間を意味する。連続投与は、上記のような同時、逐次的、または重複であり得る。
【0146】
インターバル投与の一実施形態において、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは1日1〜4回で7〜21日間投与され、追加の治療薬は1日1〜4回で7〜21日間投与され、治療サイクル中に1〜14日間の休薬日がある。
【0147】
インターバル投与の1つの具体的な実施形態において、本方法は1つ以上の治療サイクルを含み、治療サイクルのそれぞれは28日を有し、追加の治療薬は1日1回で7日間投与され、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは1日1回で7〜14日間投与され、治療サイクル中に7〜14日間の休薬日がある。例えば、追加の治療薬は1日1回で1日目から7日目まで投与され、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは1日1回で15日目から28日目まで投与され、治療サイクル中の7日目から14日目は休薬日である。
【0148】
本方法において、共投与は、経口投与、腸管外投与、またはこれらの組合せを含む。腸管外投与の例としては、限定はしないが、静脈内(IV)投与、動脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、骨内投与、髄腔内投与、またはこれらの組合せが挙げられる。追加の治療薬ならびにCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは、独立して経口または腸管外投与することができる。一実施形態において、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは経口投与され、追加の治療薬は腸管外投与される。腸管外投与は注入または点滴を介して行われ得る。
【0149】
本方法の一実施形態において、併用療法はCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含み、追加の治療薬はファルネソイドX受容体(FXR)アゴニストを含む。本方法の一実施形態において、併用療法はCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含み、追加の治療薬は高投与量ビタミンE(>400iU/d)を含む。本方法の一実施形態において、併用療法はCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含み、追加の治療薬はペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α(PPAR−α)アゴニストを含む。本方法の一実施形態において、併用療法はCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含み、追加の治療薬はPPAR−γアゴニストを含む。本方法の一実施形態において、併用療法はCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含み、追加の治療薬はPPAR−δアゴニストを含む。本方法の一実施形態において、併用療法はCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含み、追加の治療薬は3−[2−[2−クロロ−4−[[3−(2,6−ジクロロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−4−イソオキサゾリル]メトキシ]フェニル]エテニル]安息香酸(GW4064)を含む。本方法の一実施形態において、併用療法はCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含み、追加の治療薬は2−メチル−2−[[4−[2−[[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル](4−シクロヘキシルブチル)アミノ]エチル]フェニル]チオ]−プロパン酸(GW7647)を含む。本方法の一実施形態において、併用療法はCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含み、追加の治療薬はピオグリタゾンを含む。本方法の一実施形態において、併用療法はCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含み、追加の治療薬はケモカインアンタゴニストを含む。
【0150】
一実施形態において、1治療サイクル中、追加の治療薬は連続する7日間に投与され、その後、連続する14日間でCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグが投与される。別の実施形態において、1治療サイクル中、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは連続する14日間に投与され、その後、連続する7日間で追加の治療薬が投与される。さらに別の実施形態において、1治療サイクル中、追加の治療薬は最初の連続する7日間に投与され、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは最初の連続する14日間に投与される。さらに別の実施形態において、1治療サイクル中、追加の治療薬は最初の連続する7日間に投与され、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは最初の連続する28日間に投与される。さらに別の実施形態において、1治療サイクル中、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは連続する28日間に投与され、追加の治療薬は、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグの投与と重複する連続する7日間に投与される。別の実施形態において、追加の治療薬は、治療サイクルの1日目〜7日目に投与され、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは1日目〜14日目に投与される。別の実施形態において、追加の治療薬は、治療サイクルの1日目〜7日目に投与され、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは1日目〜28日目に投与される。別の実施形態において、追加の治療薬は、治療サイクルの1日目〜7日目に投与され、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは8日目〜21日目に投与される。さらに別の実施形態において、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは、治療サイクルの1日目〜14日目に投与され、追加の治療薬は15日目〜21日目に投与される。別の実施形態において、治療サイクルは28日間、29日間、30日間または31日間である。別の実施形態において、治療サイクルは4週間〜6週間の任意の長さの期間である。
【0151】
一実施形態において、追加の治療薬は24時間連続点滴によって毎日投与される。別の実施形態において、追加の治療薬は1〜2時間にわたる静脈内点滴によって12時間ごとに投与される。別の実施形態において、追加の治療薬は1日2回皮下投与される。別の実施形態において、1治療サイクル中、追加の治療薬は合計3日間の投与の間で1日おきに投与される。別の実施形態において、1治療サイクル中、追加の治療薬は合計4日間の投与の間で1日おきに投与される。別の実施形態において、1治療サイクル中、追加の治療薬は1、3及び5日目に投与される。さらに別の実施形態において、1治療サイクル中、追加の治療薬は1、3、5及び7日目に投与される。
【0152】
別の実施形態において、1治療サイクル中、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは最初の連続する14日間に投与され、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグの投与の完了後の連続する7日間に、第1の追加の治療薬が投与され、第1の追加の治療用化合物の投与と重複する3日間に、第2の追加の治療薬が投与される。別の実施形態において、1治療サイクル中、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは最初の連続する28日間に投与され、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグの投与が14日間完了した後の連続する7日間に、第1の追加の治療薬が投与され、第1の追加の治療薬の投与と重複する3日間に、第2の追加の治療薬が投与される。
【0153】
別の実施形態において、1治療サイクル中、第1の追加の治療薬が最初の連続する7日間に投与され、第1の追加の治療薬の投与と重複する連続した3日間に、第2の追加の治療薬が投与され、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは最初の連続する28日間に投与される。別の実施形態において、1治療サイクル中、第1の追加の治療薬が最初の連続する7日間に投与され、第1の追加の治療薬の投与と重複する連続した3日間に、第2の追加の治療薬が投与され、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは最初の連続する14日間に投与される。別の実施形態において、1治療サイクル中、第1の追加の治療薬が1日目〜7日目に投与され、第2の追加の治療薬が1日目〜3日目に投与され、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは1日目〜14日目に投与される。別の実施形態において、1治療サイクル中、第1の追加の治療薬が1日目〜7日目に投与され、第2の追加の治療薬が1日目〜3日目に投与され、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは1日目〜28日目に投与される。別の実施形態において、第1の追加の治療薬が1日目〜7日目に投与され、第2の追加の治療薬が1日目〜3日目に投与され、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは1日目〜7日目及び15日目〜21日目に投与される。
【0154】
別の実施形態において、1治療サイクル中、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは200mg/日で1日目〜14日目に経口投与され、第1の追加の治療薬が100mg/m/日で1日目〜7日目に静脈内投与され、第2の追加の治療薬が60mg/m/日で1日目〜3日目に静脈内投与される。さらに別の実施形態において、1治療サイクル中、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは200mg/日で1日目〜7日目及び15日目〜21日目に経口投与され、第1の追加の治療薬が100mg/m/日で1日目〜7日目に静脈内投与され、第2の追加の治療薬が60mg/m/日で1日目〜3日目に静脈内投与される。別の実施形態において、1治療サイクル中、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは60mg/日で1日目〜14日目に経口投与され、第1の追加の治療薬が100mg/m/日で1日目〜7日目に静脈内投与され、第2の追加の治療薬が60mg/m/日で1日目〜3日目に静脈内投与される。別の実施形態において、1治療サイクル中、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは60mg/日で1日目〜28日目に経口投与され、第1の追加の治療薬が100mg/m/日で1日目〜7日目に静脈内投与され、第2の追加の治療薬が60mg/m/日で1日目〜3日目に静脈内投与される。さらに別の実施形態において、1治療サイクル中、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは60mg/日で1日目〜7日目及び15日目〜21日目に経口投与され、第1の追加の治療薬が100mg/m2/日で1日目〜7日目に静脈内投与され、第2の追加の治療薬が60mg/m/日で1日目〜3日目に静脈内投与される。
【0155】
1つの具体的な実施形態において、1治療サイクル中、第1の追加の治療薬が100mg/m/日で1日目〜7日目に静脈内投与され、第2の追加の治療薬が60mg/m/日で1日目〜3日目に静脈内投与され、CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグは200mg/日で8日目〜21日目に経口投与される。
【0156】
さらに別の実施形態において、併用レジメンはファーストライン療法として施される(例えば、肝または腎線維症の標準治療に適合しない患者に対する)。別の実施形態において、併用レジメンはセカンドライン療法として施される(例えば、既往療法を受けた後の肝または腎線維症を有する患者に対する)。
【0157】
医薬組成物、投与量及び投与:
一態様において、本発明は、線維症及び/または線維性疾患もしくは病態を治療するのに有用である医薬組成物及び併用パッケージを提供する。
【0158】
組成物は、限定はしないが経口、腸管外、経直腸、外用及び局所をはじめとする好適な経路で投与されることが意図されている。経口投与のために、カプセル及び錠剤を製剤化することができる。組成物は、液体、半液体または固体形態であり、各投与経路に適するように製剤化される。
【0159】
一実施形態において、医薬組成物は、治療有効量の(a)追加の治療薬;ならびに(b)CVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含む。成分(a)及び(b)は薬学的活性成分である。医薬組成物は(a)及び(b)の他に追加の活性成分を含み得る。例えば、医薬組成物は上記のような追加の活性剤を含み得る。一実施形態において、追加の活性剤はFXRまたはPPAR−αアゴニストである。一実施形態において、追加の活性剤はケモカインアンタゴニストである。
【0160】
1つの具体的な実施形態において、医薬組成物は、FXRアゴニストならびにCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含む。別の具体的な実施形態において、医薬組成物は、PPAR−αアゴニストならびにCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含む。1つの具体的な実施形態において、医薬組成物は、ケモカインアンタゴニストならびにCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含む。
【0161】
特定の被検者の投与量は、被検者の年齢、体重、全身健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄速度ならびにこれらの及び他の要因を考慮に入れて治療される特定の病状の程度に応じて決定することができる。
【0162】
本発明は、セニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物が経口組成物として製剤化される治療方法を提供する。
【0163】
本発明は、セニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物が、例えば、1日1回または1日2回投与される治療方法を提供する。剤形は、線維性疾患または病態を治療するのに十分な時間の間投与することができる。
【0164】
経口投与の場合、1日投与量は、体重50kgの成人当たり活性成分として(すなわち、本発明の化合物として)約5〜1000mg、好ましくは約10〜600mg、より好ましくは約10〜300mg、最も好ましくは約15〜200mgの範囲であり、医薬品は、例えば1日1回、または2〜3回に分けて投与され得る。
【0165】
セニクリビロックまたはその塩もしくは溶媒和物は経口または注入投与に適した任意の剤形に製剤化され得る。化合物が経口投与される場合、経口投与用の固体剤形、例えば、錠剤、カプセル、丸薬、顆粒などに製剤化することができる。経口投与用の液体剤形、例えば、経口液剤、経口懸濁液、シロップなどに製剤化することもできる。用語「錠剤」は、本明細書で用いる場合、経口投与用の一般的な錠剤では主に、円形または不規則形のトローチへと、化合物及び好適な補助材料を均一に混合して加圧することによって調製される固体調製物のことをいい、バッカル錠、舌下錠、バッカルウエハ、咀嚼錠、分散錠、可溶錠、発泡錠、徐放錠、制御放出錠、腸溶性コーティング錠なども含まれる。用語「カプセル」は、本明細書で用いる場合、化合物を、または化合物を好適な補助材料と一緒に、中空カプセル内に充填するか、または軟カプセル材内に密封することによって調製される固体調製物のことをいう。溶解性及び放出特性に応じて、カプセルは、硬カプセル(通常のカプセル)、軟カプセル(ソフトシェルカプセル)、徐放カプセル、制御放出カプセル、腸溶性コーティングカプセルなどに分類することができる。用語「丸薬」は、本明細書で用いる場合、好適な方法で化合物及び好適な補助材料を混合することによって調製される球状またはほぼ球状の固体調製物のことをいい、滴下丸薬、ドラジェ、小丸薬などが含まれる。用語「顆粒」は、本明細書で用いる場合、化合物及び好適な補助材料を混合することによって調製され、特定の粒径を有する乾燥顆粒状調製物のことをいう。顆粒は、可溶性顆粒(一般に顆粒と呼ばれる)、懸濁顆粒、発泡顆粒、腸溶性コーティング顆粒、徐放顆粒、制御放出顆粒などに分類することができる。用語「経口液剤」は、本明細書で用いる場合、化合物を経口投与用の好適な溶媒に溶解することによって調製される安定した液体調製物のことをいう。用語「経口懸濁液」は、本明細書で用いる場合、不溶性化合物を液体賦形剤中に分散させることによって調製される経口投与用の懸濁液のことをいい、乾燥懸濁液または濃縮懸濁液も含まれる。用語「シロップ」は、本明細書で用いる場合、化合物を含有する濃縮スクロース水溶液のことをいう。注入用剤形は、製剤分野の従来の方法によって製造することができ、水性溶媒または非水性溶媒が選択され得る。最も一般的に用いられる水性溶媒は、注射用水、及び0.9%塩化ナトリウム溶液または他の好適な水溶液である。一般的に用いられる非水性溶媒は、注入用の植物油、主に大豆油、及びアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの他の水溶液である。
【0166】
一実施形態において、セニクリビロックまたはその塩及びフマル酸を含む医薬組成物を提供する。ある実施形態において、セニクリビロックまたはその塩はセニクリビロックメシル酸塩である。
【0167】
さらなる実施形態において、セニクリビロックまたはその塩対フマル酸の重量比は約7:10〜約10:7、例えば、約8:10〜約10:8、約9:10〜約10:9、または約95:100〜約100:95などである。他のさらなる実施形態において、フマル酸は、組成物の重量基準で約15%〜約40%、例えば、約20%〜約30%、または約25%などの量で存在する。他のさらなる実施形態において、セニクリビロックまたはその塩は、組成物の重量基準で約15%〜約40%、例えば、約20%〜約30%、または約25%などの量で存在する。
【0168】
他のさらなる実施形態において、セニクリビロックまたはその塩及びフマル酸の組成物は1つ以上の増量剤をさらに含む。より具体的な実施形態において、1つ以上の増量剤は、微結晶セルロース、第二リン酸カルシウム、セルロース、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、及び炭酸カルシウムから選択される。例えば、ある実施形態において、1つ以上の増量剤は微結晶セルロースである。特定の実施形態において、1つ以上の増量剤対セニクリビロックまたはその塩の重量比は、約25:10〜約10:8、例えば、約20:10〜約10:10、または約15:10などである。他の特定の実施形態において、1つ以上の増量剤は、組成物の重量基準で約25%〜約55%、例えば、約30%〜約50%または約40%などの量で存在する。他のさらなる実施形態において、組成物は1つ以上の崩壊剤をさらに含む。より具体的な実施形態において、1つ以上の崩壊剤は、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びデンプングリコール酸ナトリウムから選択される。例えば、ある実施形態において、1つ以上の崩壊剤は架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムである。特定の実施形態において、1つ以上の崩壊剤対セニクリビロックまたはその塩の重量比は約10:10〜約30:100、例えば約25:100などである。他の特定の実施形態において、1つ以上の崩壊剤は、組成物の重量基準で約2%〜約10%、例えば、約4%〜約8%、または約6%などの量で存在する。他のさらなる実施形態において、組成物は1つ以上の滑沢剤をさらに含む。より具体的な実施形態において、1つ以上の滑沢剤は、タルク、シリカ、ステアリン、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸から選択される。例えば、ある実施形態において、1つ以上の滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。特定の実施形態において、1つ以上の滑沢剤は、組成物の重量基準で約0.25%〜約5%、例えば、約0.75%〜約3%、または約1.25%などの量で存在する。
【0169】
他のさらなる実施形態において、セニクリビロックまたはその塩及びフマル酸の組成物は表2のものと実質的に類似する。他のさらなる実施形態において、セニクリビロックまたはその塩及びフマル酸の組成物は表3及び4のものと実質的に類似する。他のさらなる実施形態において、セニクリビロックまたはその塩及びフマル酸の組成物のいずれかが、乾式造粒を伴うプロセスによって製造される。他のさらなる実施形態において、セニクリビロックまたはその塩及びフマル酸の組成物のいずれかは、乾燥剤と共に包装した場合で、約40℃、約75%の相対湿度への6週間の曝露後に、約4重量%以下、例えば2重量%以下などの含水率を有する。他のさらなる実施形態において、上述の組成物のいずれかは、乾燥剤と共に包装した場合で、約40℃、75%の相対湿度への12週間の曝露後に、約2.5重量%以下、例えば1.5重量%以下などの全不純物レベルを有する。他のさらなる実施形態において、上述の組成物のいずれかのセニクリビロックまたはその塩は、経口投与後の溶液中のセニクリビロックまたはその塩の生物学的利用能と実質的に類似する経口投与後の平均絶対生物学的利用能を有する。またさらなる実施形態において、セニクリビロックまたはその塩は、ビーグル犬において、約10%〜約50%、例えば約27%などの絶対生物学的利用能を有する。
【0170】
別の実施形態において、セニクリビロックまたはその塩及びフマル酸の組成物を含む医薬製剤を提供する。さらなる実施形態において、製剤中の組成物は顆粒の形態とすることができる。他のさらなる実施形態において、製剤中の組成物はカプセルシェル内に入れられる。他のさらなる実施形態において、製剤の組成物はサッシェ内に入れられる。他のさらなる実施形態において、製剤の組成物は錠剤または錠剤の成分である。また他のさらなる実施形態において、製剤の組成物は多層錠剤の1層以上である。他のさらなる実施形態において、製剤は1つ以上の追加の薬学的不活性成分を含む。他のさらなる実施形態において、製剤は表9のものと実質的に類似する。他のさらなる実施形態において、表9のものと実質的に類似する組成物を有する錠剤を提供する。他のさらなる実施形態において、上記の実施形態のいずれかはコーティング基材である。別の実施形態において、上述の実施形態のいずれかの調製方法を提供する。さらなる実施形態において、この方法は、セニクリビロックまたはその塩及びフマル酸を混合して混合物を形成すること、ならびにその混合物を乾式造粒することを含む。他のさらなる実施形態において、この方法は、1つ以上の増量剤をセニクリビロックまたはその塩及びフマル酸と混合して混合物を形成することをさらに含む。他のさらなる実施形態において、この方法は、1つ以上の崩壊剤をセニクリビロックまたはその塩及びフマル酸と混合して混合物を形成することをさらに含む。他のさらなる実施形態において、この方法は、1つ以上の滑沢剤をセニクリビロックまたはその塩及びフマル酸と混合して混合物を形成することをさらに含む。他のさらなる実施形態において、この方法は、乾式造粒した混合物を錠剤に圧縮することをさらに含む。他のさらなる実施形態において、この方法は、乾式造粒した混合物をカプセルに充填することを含む。
【0171】
さらに、本発明の化合物は、輸血用の血液または血液誘導体に含めるか、または併せて用いることができる。一実施形態において、本発明の化合物は、潜伏HIVリザーバーを一掃する1つ以上の薬剤に含めるか、または併せて用いることができ、輸血用の血液または血液誘導体に添加することができる。通常、輸血用の血液または血液誘導体は、複数人から得られた血液を混合することによって製造され、場合によっては、HIVウイルスに感染した細胞が非感染細胞に混入する。そのような場合、非感染細胞はHIVウイルスに感染する可能性が高い。潜伏HIVリザーバーを一掃する1つ以上の薬剤と共に本発明の化合物が輸血用の血液または血液誘導体に添加される場合、ウイルスの感染及び増殖を防止または制御することができる。特に、血液誘導体が保存される場合、ウイルスの感染及び増殖は、本発明の化合物の添加によって効果的に防止または制御される。さらに、HIVウイルスが混入した輸血用の血液または血液誘導体が人間に投与される場合、潜伏HIVリザーバーを一掃する1つ以上の薬剤と併せて本発明の化合物を血液または血液誘導体に添加することによって、その人間の体内でのウイルスの感染及び増殖を防止することができる。例えば、通常、経口投与による血液または血液誘導体使用時のHIV感染症の予防のために、投与量は、体重約60kgの成人当たりCCR5/CCR2アンタゴニストとして約0.02〜50mg/kg、好ましくは約0.05〜30mg/kg、より好ましくは約0.1〜10mg/kgの範囲であり、医薬品は1日1回または2〜3回投与され得る。当然のことながら、上記のように、1日投与量を分割するのに必要な単位投与量に基づいて、投与量範囲を制御することができるが、特定の被検者の投与量は、被検者の年齢、体重、全身健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄速度ならびにこれらの及び他の要因を考慮に入れて治療される特定の病状の程度に応じて決定することができる。この場合、投与経路も適切に選択され、本発明のHIV感染症を予防する医薬品は、輸血または血液誘導体の使用の前に輸血用の血液または血液誘導体に直接添加され得る。そのような場合、望ましくは、本発明の医薬品は、輸血または血液誘導体の使用の直前〜24時間前、好ましくは直前〜12時間前、より好ましくは直前〜6時間前に血液または血液誘導体と混合される。
【0172】
輸血用の血液または血液誘導体の他に、本発明の組成物が輸血用の血液もしくは血液誘導体及び/または他の活性剤と一緒に投与される場合、医薬品は輸血または血液誘導体の使用と同時〜その1時間前に投与されることが好ましい。より好ましくは、例えば、医薬品は1日1回〜3回投与され、投与は4週間継続される。
【0173】
別の実施形態において、医薬組成物は医薬品として許容可能な添加物をさらに含む。医薬品として許容可能な添加物は、活性成分の投与の賦形剤、担体、または媒体として医薬組成物の調製に用いられる任意の不活性またはわずかに活性な物質とすることができる。一実施形態において、医薬品として許容可能な添加物は放出速度制御成分である。「放出速度制御成分」とは、活性成分の放出速度を制御することのできる成分を意味する。医薬品として許容可能な添加物を活性成分と共に用いて、好適な医薬調製物、例えば、経口投与用の、または腸管外投与用の滅菌溶液もしくは懸濁液、さらには経皮パッチ調製物及び乾燥粉末吸入器における、溶液、懸濁液、錠剤、分散錠、丸薬、カプセル、粉末、持続放出製剤またはエリキシルなどを製剤化することができる。典型的に、上記の活性成分は、当該技術分野において公知の技術及び手順を用いて医薬組成物に製剤化される。
【0174】
一実施形態において、併用パッケージは、(a)少なくとも1つの個別の投与量の追加の治療薬、ならびに(b)少なくとも1つの個別の投与量のCVCまたはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含む。別の実施形態において、併用パッケージは、(a)及び(b)を共投与するためのプロトコールを提供する指示書をさらに含む。
【0175】
典型的に、組成物は単回投与用に製剤化される。組成物を製剤化するために、(a)及び(b)の重量分画は、治療される病態が軽減または寛解するような有効濃度で、選択された賦形剤中に溶解、懸濁、分散または別様に混合される。本明細書で提供する(a)及び(b)の投与に適した医薬担体、賦形剤、または他の媒体としては、特定の投与様式に適していると当業者にとって公知の任意の担体が挙げられる。
【0176】
さらに、(a)及び(b)は、組成物中の唯一の薬学的活性成分として製剤化され得るか、または他の活性成分と組み合わされ得る。組織標的リポソーム、例えば腫瘍標的リポソームなどをはじめとするリポソーム懸濁液も医薬品として許容可能な担体として好適であり得る。これらは当業者に公知の方法に従って調製され得る。例えば、リポソーム製剤が当該技術分野において公知のように調製され得る。簡潔に述べると、フラスコの内側で卵ホスファチジルコリン及び脳ホスファチジルセリン(7:3モル比)を乾燥させることによって、多重膜ベシクル(MLV)などのリポソームが形成され得る。二価カチオンを欠くリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の本明細書で提供する化合物の溶液を添加し、脂質膜が分散するまでフラスコを振とうする。得られたベシクルを洗浄して未カプセル化化合物を除去し、遠心分離によってペレットにし、その後、PBS中に再懸濁する。
【0177】
活性成分は、治療される患者に対する望ましくない副作用が最小限または全くなく、治療的に有用な効果を発揮するのに十分な量で、医薬品として許容可能な添加物中に含まれる。医薬組成物中の活性成分の濃度は、活性化合物の吸収、不活性化及び排泄速度、化合物の物理化学的特性、投与スケジュール、ならびに投与量、加えて当業者にとって公知の他の要因に依存することになる。
【0178】
典型的に、治療有効投与量は、活性成分の血清濃度が約0.1ng/mlから約50〜約100μg/mlまでとなるものにすべきである。医薬組成物は、典型的に、1日に体重1キログラム当たり化合物約0.001mg〜約2000mgの投与量となるべきである。医薬品投与単位形態は、必須活性成分または必須活性成分の組合せが投与単位形態当たり約1mg〜約1000mg、ある実施形態において、約10mg〜約500mg、約20mg〜約250mg、または約25mg〜約100mgとなるように調製される。ある実施形態において、医薬品投与単位形態は、必須活性成分が約1mg、20mg、25mg、50mg、100mg、250mg、500mg、1000mgまたは2000mgとなるように調製される。ある実施形態において、医薬品投与単位形態は、必須活性成分が約50mgとなるように調製される。
【0179】
活性成分は一度に投与され得るか、または時間の間隔をあけて投与されるように複数のより少ない投与量に分割され得る。正確な投与量及び治療の期間は治療されている疾患に応じて変化し、公知の試験プロトコールを用いて実験的に、またはインビボもしくはインビトロ試験データからの外挿によって決定され得ることが理解される。濃度及び投与量の値は、軽減しようとする病態の重症度、及び/または患者の年齢、体重、及び他の健康問題でも変化し得ることに留意すべきである。さらに、いかなる特定の患者に対しても、具体的な投与レジメンは、個々の要求及び組成物の投与を行っているか、または監督している者による専門家としての判断に従って、経時的に調節されるべきであり、本明細書に記載の濃度範囲は例示にすぎず、特許請求する組成物の範囲または実施を限定することを意図していないことが理解されるべきである。
【0180】
したがって、有効濃度または有効量の本明細書に記載の活性成分または医薬品として許容可能なその誘導体は、全身、外用または局所投与に適した医薬品担体、賦形剤、または他の媒体と混合されて医薬組成物が形成される。化合物は、線維症及び/または線維性疾患もしくは病態の1つ以上の症状を寛解させるのに、または線維症及び/または線維性疾患もしくは病態を治療もしくは予防するのに有効な量で含まれる。組成物中の活性化合物の濃度は、活性化合物の吸収、不活性化、排泄速度、投与スケジュール、投与量、特定の製剤、及び当業者にとって公知の他の要因に依存することになる。
【0181】
腸管外、皮内、皮下、または外用適用に用いられる溶液または懸濁液は、以下の成分のいずれかを含むことができる:滅菌希釈剤、例えば注射用水、生理食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジメチルアセトアミドまたは他の合成溶媒など;抗菌剤、例えばベンジルアルコール及びメチルパラベンなど;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸及び亜硫酸水素ナトリウムなど;キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)など;バッファー、例えば酢酸塩、クエン酸塩及びリン酸塩など;ならびに張度の調節のための薬剤、例えば塩化ナトリウムまたはデキストロースなど。腸管外用調製物は、ガラス、プラスチックまたは他の好適な材料でできたアンプル、使い捨てシリンジまたは単回もしくは複数回投与バイアル中に封入することができる。
【0182】
活性成分が不十分な溶解性を示す場合、化合物を可溶化させる方法が用いられ得る。そのような方法は当業者にとって公知であり、共溶媒、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)などの使用、界面活性剤、例えばTWEEN(登録商標)などの使用、または炭酸水素ナトリウム水溶液中への溶解が挙げられるが、これらに限定されない。
【0183】
活性成分を混合または添加して得られる混合物は溶液、懸濁液、乳濁液などであり得る。得られる混合物の形態は、意図する投与様式及び選択された担体または賦形剤中の化合物の溶解性をはじめとする複数の要因に依存する。一実施形態において、有効濃度は、治療される疾患、障害または病態の症状を寛解させるのに十分であり、実験的に決定され得る。
【0184】
医薬組成物は、単位剤形、例えば、好適な量の化合物または医薬品として許容可能なその誘導体を含有する錠剤、カプセル、丸薬、粉末、滅菌腸管外用溶液または懸濁液、及び経口液剤または懸濁液、ならびに油−水乳濁液などで、ヒト及び動物への投与のために提供される。医薬品として治療上活性な化合物及びその誘導体は、典型的に単位剤形または複数回剤形で製剤化されて投与される。単位剤形は、本明細書で用いる場合、ヒト及び動物被検者に適しており、当該技術分野において公知のように個別に包装された物理的に別個の単位のことをいう。各単位投与量は、必要とされる医薬品担体、賦形剤、分散媒または希釈剤と併せて、所望の治療効果をもたらすのに十分な所定の量の治療活性化合物を含む。単位剤形の例としては、アンプル及びシリンジならびに個々に包装された錠剤またはカプセルが挙げられる。単位剤形は分割して、またはその複数が投与され得る。複数回剤形は単一の容器内に入った複数の同一の単位剤形であり、単位剤形に分けて投与される。複数回剤形の例としては、錠剤もしくはカプセルのバイアル、ボトルまたはパイントもしくはガロンのボトルが挙げられる。したがって、複数回剤形は、包装されている状態で分けられていない複数の単位投与量である。
【0185】
制御放出調製物も調製することができる。制御放出調製物の好適な例としては、本明細書で提供する活性成分を含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスが挙げられ、このマトリックスは成形された物品、例えばフィルム、またはマイクロカプセルの形態である。制御放出マトリックスとしては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド、L−グルタミン酸及びL−グルタミン酸エチルのコポリマー、非分解性エチレン−ビニルアセテート、分解性乳酸−グリコール酸コポリマー、例えばLUPRON DEPOT(商標)(乳酸−グリコール酸コポリマー及びロイプロリドアセテートで構成される注入用マイクロスフィア)など、及びポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が挙げられる。エチレン−ビニルアセテート及び乳酸−グリコール酸などのポリマーは100日を超えて分子の放出を可能とするが、特定のヒドロゲルはより短い期間でタンパク質を放出する。カプセル化活性成分が体内に長時間残留する場合、37℃の水分への曝露の結果として変性または凝集し、その結果、生物活性の喪失及び構造の変化が起こり得る。関与している作用の機序に応じて、安定化のために合理的な戦略を考案することができる。例えば、凝集機序がチオ−ジスルフィド交換を介した分子間S−S結合形成であると分かれば、スルフヒドリル残基の修飾、酸性溶液からの凍結乾燥、含水率の制御、適切な添加剤の使用、及び特定のポリマーマトリックス組成物の開発によって安定化が達成され得る。制御放出調製物の他の例としてはコーティングされた組成物が挙げられる。例えば、コーティングは、活性成分の放出速度を減少させるバリアとして機能し得るか、またはコーティングは、腸溶性、すなわち、酸性環境中では事実上不溶性であり、そのため、pH環境が中性または塩基性である下部胃腸管に組成物が到達するまで活性成分の放出を遅らせる。
【0186】
0.005%〜100%の範囲で活性成分を含有し、残りは非毒性添加物が占める剤形または組成物が調製され得る。経口投与では、医薬品として許容可能な非毒性組成物は、通常用いられる添加物、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルカム、セルロース誘導体、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムまたはサッカリンナトリウムなどのいずれかの導入によって形成される。そのような組成物としては、溶液、懸濁液、錠剤、カプセル、粉末及び持続放出製剤、例えば、限定はしないが、インプラント及びマイクロカプセル化送達システム、ならびに生分解性生体適合性ポリマー、例えば、コラーゲン、エチレンビニルアセテート、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリオルトエステル、ポリ乳酸及び他のものなどが挙げられる。これらの組成物の調製方法は当業者にとって公知である。企図する組成物は、活性成分を約0.001%〜100%、ある実施形態において、約0.1〜85%、典型的には約75〜95%含有し得る。
【0187】
活性成分または医薬品として許容可能な誘導体は、徐放製剤またはコーティングなどのように、活性成分を体内からの急速な排泄から保護する担体で調製され得る。組成物は、特性の所望の組合せを得るために他の活性化合物を含み得る。本明細書で提供する活性成分、または本明細書に記載の医薬品として許容可能なその誘導体はまた、上述した疾患または医学的状態、例えば線維症及び/または線維性疾患もしくは病態などの1つ以上の治療に有益であると全般的な技術分野において知られている別の薬剤と一緒に、治療または予防目的で有利に投与され得る。そのような併用療法は、本明細書で提供する組成物及び治療方法のさらなる態様となることを理解すべきである。
【0188】
経口投与用の組成物
経口医薬品剤形は、固体、ゲルまたは液体のいずれかである。固体剤形は、錠剤、カプセル、顆粒、及びバルク粉末である。経口錠剤の種類としては、圧縮咀嚼ロゼンジ、及び腸溶性コーティング、糖コーティングまたはフィルムコーティングされ得る錠剤が挙げられる。カプセルは硬または軟ゼラチンカプセルであり得る一方で、顆粒及び粉末は、当業者にとって公知の他の成分と組み合わせて非発泡性または発泡性形態で提供され得る。
【0189】
ある実施形態において、製剤は固体剤形、例えばカプセルまたは錠剤などである。錠剤、丸薬、カプセル、トローチなどは、以下の成分、または類似した性質の化合物のいずれかを含有することができる:結合剤;希釈剤;崩壊剤;滑沢剤;流動化剤;甘味剤;及び着香剤。
【0190】
結合剤の例としては、微結晶セルロース、トラガカントゴム、グルコース溶液、アラビアゴム漿、ゼラチン溶液、スクロース及びデンプンペーストが挙げられる。滑沢剤としては、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウム、石松子及びステアリン酸が挙げられる。希釈剤としては、例えば、ラクトース、スクロース、デンプン、カオリン、塩、マンニトール及びリン酸二カルシウムが挙げられる。流動化剤としては、コロイド状二酸化ケイ素が挙げられるが、これに限定されない。崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、ベントナイト、メチルセルロース、寒天及びカルボキシメチルセルロースが挙げられる。着色剤としては、例えば、承認された認定水溶性FD&C色素、その混合物;及びアルミナ水和物上で懸濁させた非水溶性FD&C色素のいずれかが挙げられる。甘味剤としては、スクロース、ラクトース、マンニトール及び人工甘味剤、例えばサッカリンなど、ならびに任意の数の噴霧乾燥香料が挙げられる。着香剤としては、植物、例えば果実などから抽出された天然香料、ならびに快感をもたらす化合物、例えば、限定はしないが、ペパーミント及びサリチル酸メチルなどの合成ブレンドが挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート及びポリオキシエチレンラウラル(laural)エーテルが挙げられる。腸陽性コーティングとしては、脂肪酸、脂肪、ワックス、シェラック、アンモニア化シェラック及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。フィルムコーティングとしては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。
【0191】
経口投与が所望される場合、活性成分は、胃の酸性環境から活性成分を保護する組成物中で提供され得る。例えば、組成物は、胃の中で完全性を維持し、腸の中で活性化合物を放出する腸溶性コーティング中に製剤化することができる。この組成物は、制酸剤または他の類似の成分と組み合わせて調合してもよい。
【0192】
投与単位形態がカプセルである場合、上記の種類の材料に加えて、液体担体、例えば脂肪油などを含有することができる。さらに、投与単位形態は、投与単位の物理的形態を改変する様々な他の材料、例えば、糖及び他の腸溶性剤のコーティングを含有することができる。活性成分は、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハ、スプリンクル、チューインガムなどの成分として投与することもできる。シロップは、活性化合物に加えて、甘味剤としてのスクロースならびに特定の保存剤、色素及び着色剤ならびに香料を含有し得る。活性成分は、所望の作用を損なわない他の活性材料と、または所望の作用を補う材料、例えば、制酸剤、H2ブロッカー、及び利尿剤などと混合することもできる。
【0193】
錠剤に含まれる医薬品として許容可能な添加物は、結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、着香剤、及び湿潤剤である。腸溶性コーティング錠は、腸溶性コーティングのため、胃酸の作用に耐え、中性またはアルカリ性の腸内で溶解または崩壊する。糖コーティング錠は、医薬品として許容可能な物質の異なる層が施される圧縮錠剤である。フィルムコーティング錠は、ポリマーまたは他の好適なコーティングで被覆された圧縮錠剤である。多重圧縮錠剤は、前述した医薬品として許容可能な物質を利用した2回以上の圧縮サイクルによって製造された圧縮錠剤である。着色剤も上記の剤形に用いられ得る。着香剤及び甘味剤が、圧縮錠剤、糖コーティング錠、多重圧縮錠剤及び咀嚼錠に用いられる。着香剤及び甘味剤は、咀嚼錠及びロゼンジの形成に特に有用である。液体経口剤形としては、水溶液、乳濁液、懸濁液、非発泡性顆粒から再構成された溶液及び/または懸濁液ならびに発泡性顆粒から再構成された発泡性調製物が挙げられる。水溶液としては、例えば、エリキシル及びシロップが挙げられる。乳濁液は水中油型または油中水型のいずれかである。
【0194】
エリキシルは透明な、甘味を付けたヒドロアルコール性調製物である。エリキシルに用いられる医薬品として許容可能な添加物としては、溶媒が挙げられる。シロップは糖、例えばスクロースの濃縮水溶液であり、保存剤を含有し得る。乳濁液は、一方の液体がもう一方の液体の全体にわたって小滴の形態で分散している二相系である。乳濁液に用いられる医薬品として許容可能な添加物は、非水性液体、乳化剤及び保存剤である。懸濁液は医薬品として許容可能な懸濁化剤及び保存剤を用いる。液体経口剤形へと再構成される非発泡性顆粒に用いられる医薬品として許容可能な物質としては、希釈剤、甘味剤及び湿潤剤が挙げられる。液体経口剤形へと再構成される発泡性顆粒に用いられる医薬品として許容可能な物質としては、有機酸及び二酸化炭素源が挙げられる。上記の剤形のすべてにおいて着色剤及び着香剤が用いられる。溶媒としては、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール及びシロップが挙げられる。
【0195】
保存剤の例としては、グリセリン、メチル及びプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウムならびにアルコールが挙げられる。乳濁液に用いられる非水性液体の例としては、鉱油及び綿実油が挙げられる。乳化剤の例としては、ゼラチン、アラビアゴム、トラガカント、ベントナイト、及び界面活性剤、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどが挙げられる。懸濁化剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、ビーガム及びアラビアゴムが挙げられる。希釈剤としては、ラクトース及びスクロースが挙げられる。甘味剤としては、スクロース、シロップ、グリセリン及び人工甘味剤、例えばサッカリンなどが挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート及びポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。有機酸としては、クエン酸及び酒石酸が挙げられる。二酸化炭素源としては、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムが挙げられる。着色剤としては、承認された認定水溶性FD&C色素、及びその混合物のいずれかが挙げられる。着香剤としては、植物、例えば果実などから抽出された天然香料、及び快適な味覚をもたらす化合物の合成ブレンドが挙げられる。
【0196】
固体剤形では、例えば、プロピレンカーボネート、植物油、トリグリセリド中の溶液または懸濁液がゼラチンカプセル中にカプセル化される。液体剤形では、例えば、ポリエチレングリコール中の溶液が、投与のために容易に測定されるように、十分な量の医薬品として許容可能な液体担体、例えば水で希釈され得る。
【0197】
あるいは、植物油、グリコール、トリグリセリド、プロピレングリコールエステル(例えば、プロピレンカーボネート)及び他のそのような担体中に活性化合物または塩を溶解または分散させ、これらの溶液または懸濁液を硬または軟ゼラチンカプセルシェル中にカプセル化することによって、液体または半固体経口製剤が調製され得る。他の有用な製剤としては、本明細書で提供する化合物、限定はしないが、1,2−ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール−350−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−550−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−750−ジメチルエーテル(ここで、350、550及び750はポリエチレングリコールのおよその平均分子量を表す)をはじめとするジアルキル化モノ−またはポリ−アルキレングリコール、ならびに1つ以上の抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、ケファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、チオジプロピオン酸及びそのエステル、ならびにジチオカルバメートなどを含有するものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0198】
他の製剤としては、医薬品として許容可能なアセタールを含めた水性アルコール溶液が挙げられるが、これに限定されない。こうした製剤に用いられるアルコールは、1つ以上のヒドロキシル基を有する任意の医薬品として許容可能な水混和性溶媒であり、プロピレングリコール及びエタノールが挙げられるがこれらに限定されない。アセタールとしては、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール、例えばアセトアルデヒドジエチルアセタールなどが挙げられるが、これに限定されない。
【0199】
すべての実施形態において、錠剤及びカプセル製剤は、活性成分の溶出を調整または維持するために、当業者に公知のようにコーティングされ得る。したがって、例えば、従来の腸内で消化可能なコーティング、例えば、サリチル酸フェニル、ワックス及び酢酸フタル酸セルロースなどでコーティングされ得る。
【0200】
注入液、溶液及び乳濁液
一般に皮下、筋肉内または静脈内のいずれかでの注入によって特徴づけられる腸管外投与も本明細書で企図する。注入液は、溶液もしくは懸濁液、注入前に液体に入れて溶液もしくは懸濁液とするのに適した固体形態、または乳濁液のいずれかとして、従来の形態で調製することができる。好適な添加物は、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロールまたはエタノールである。さらに、所望であれば、投与される医薬組成物は、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解促進剤、及び他のこうした薬剤などの少量の非毒性補助物質、例えば、酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート及びシクロデキストリンなども含有し得る。一実施形態において、組成物は、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPBCD)を添加物として有する水溶液として投与される。一実施形態において、水溶液は約1%〜約50%のHPBCDを含有する。一実施形態において、水溶液は約1%、3%、5%、10%または約20%のHPBCDを含有する。
【0201】
一定レベルの投与量が維持されるような徐放または持続放出システムの埋め込みも本明細書で企図する。簡潔に述べると、本明細書で提供する化合物は、体液に不溶性である外側高分子膜、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレンとの塩化ビニルコポリマー、アイオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、及びエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーに包まれている固体内部マトリックス、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化または非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、親水性ポリマー、例えばアクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール及び架橋部分加水分解ポリ酢酸ビニルなどに分散される。化合物は放出律速段階で外側高分子膜を通って拡散する。そのような腸管外用組成物に含有される活性化合物の割合は、その具体的な性質、ならびに化合物の活性及び被検者の要求に大きく依存する。
【0202】
組成物の腸管外投与としては、静脈内、皮下及び筋肉内投与が挙げられる。腸管外投与用の調製物としては、即注入可能な滅菌溶液、皮下用錠剤をはじめとする使用直前に溶媒と即混合可能な滅菌乾燥可溶性製品、例えば、凍結乾燥粉末など、即注入可能な滅菌懸濁液、使用直前に賦形剤と即混合可能な滅菌乾燥不溶性製品及び滅菌乳濁液が挙げられる。溶液は水性または非水性のいずれかであり得る。
【0203】
静脈内投与される場合、好適な担体としては、生理食塩水またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、ならびに粘稠化剤及び可溶化剤、例えば、グルコース、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール及びこれらの混合物などを含有する溶液が挙げられる。
【0204】
腸管外用調製物に用いられる医薬品として許容可能な添加物としては、水性賦形剤、非水性賦形剤、抗菌剤、等張化剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁化剤及び分散化剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤またはキレート剤ならびに他の医薬品として許容可能な物質が挙げられる。
【0205】
水性賦形剤の例としては、塩化ナトリウム注入液、リンガー注入液、等張デキストロース注入液、滅菌水注入液、デキストロース及び乳酸加リンガー注入液が挙げられる。非水性腸管外用賦形剤としては、植物起源の不揮発性油、綿実油、コーン油、ゴマ油及びピーナッツ油が挙げられる。複数回投与容器に入れられる腸管外用調製物には、静細菌性または静真菌性濃度の抗菌剤が添加されなければならず、フェノールまたはクレゾフ(cresof)、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチル及びプロピルp−ヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、塩化ベンザルコニウムならびに塩化ベンゼトニウムが挙げられる。等張化剤としては、塩化ナトリウム及びデキストロースが挙げられる。緩衝剤としては、リン酸塩及びクエン酸塩が挙げられる。抗酸化剤としては、硫酸水素ナトリウムが挙げられる。局所麻酔剤としては、プロカイン塩酸塩が挙げられる。懸濁化剤及び分散化剤としては、カルボキシメチルセルオース(carboxymethylcelluose)ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドンが挙げられる。乳化剤としては、ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)が挙げられる。金属イオンの封鎖剤またはキレート剤としては、EDTAが挙げられる。医薬品担体としては、水混和性賦形剤用のエチルアルコール、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールならびにpH調整用の水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸または乳酸も挙げられる。薬学的活性化合物の濃度は、注入で所望の薬理学的効果をもたらす有効量となるように調節される。正確な投与量は、当該技術分野において公知のように、患者または動物の年齢、体重及び病態に依存する。単位投与量の腸管外用調製物は、アンプル、バイアルまたは針付シリンジに入れられる。すべての腸管外投与用の調製物は、当該技術分野において公知かつ実施されているように、滅菌されていなければならない。
【0206】
例示として、活性化合物を含有する滅菌水溶液の静脈内または動脈内点滴が有効な投与様式である。別の実施形態は、所望の薬理学的効果をもたらすために必要に応じて注入される、活性物質を含有する滅菌された水性または油性の溶液または懸濁液である。
【0207】
注入液は局所及び全身投与のために設計される。典型的には、治療有効投与量が、治療される組織(複数可)に対して少なくとも約0.1%w/wから最大約90%w/wまたはこれより高い、例えば1%w/w超などの活性化合物の濃度を含有するように製剤化される。活性成分は一度に投与され得るか、または時間の間隔をあけて投与されるように複数のより少ない投与量に分割され得る。正確な投与量及び治療の期間は治療されている組織に応じて変化し、公知の試験プロトコールを用いて実験的に、またはインビボもしくはインビトロ試験データからの外挿によって決定され得ることが理解される。濃度及び投与量の値は治療される個体の年齢でも変化し得ることに留意すべきである。さらに、いかなる特定の患者に対しても、具体的な投与レジメンは、個々の要求及び製剤の投与を行っているか、または監督している者による専門家としての判断に従って、経時的に調節されるべきであり、本明細書に記載の濃度範囲は例示にすぎず、特許請求する製剤の範囲または実施を限定することを意図していないことが理解されるべきである。
【0208】
化合物は微紛化または他の好適な形態で懸濁され得るか、またはより可溶性の高い活性生成物を生成するか、もしくはプロドラッグを生成するために誘導体化され得る。得られる混合物の形態は、意図する投与様式及び選択された担体または賦形剤中の化合物の溶解性をはじめとする複数の要因に依存する。有効濃度は、病態の症状を寛解させるのに十分であり、実験的に決定され得る。
【0209】
徐放組成物
本明細書で提供する活性成分は、当業者にとって公知の制御放出手段または送達デバイスによって投与することができる。例としては、限定はしないが、米国特許第3,845,770号;3,916,899号;3,536,809号;3,598,123号;ならびに4,008,719号、5,674,533号、5,059,595号、5,591,767号、5,120,548号、5,073,543号、5,639,476号、5,354,556号、5,639,480号、5,733,566号、5,739,108号、5,891,474号、5,922,356号、5,972,891号、5,980,945号、5,993,855号、6,045,830号、6,087,324号、6,113,943号、6,197,350号、6,248,363号、6,264,970号、6,267,981号、6,376,461号、6,419,961号、6,589,548号、6,613,358号、6,699,500号及び6,740,634号に記載されているものが挙げられ、それぞれ参照により本明細書に援用する。1つ以上の活性成分の徐放または制御放出をもたらすためにそのような剤形を用いることができ、所望の放出プロファイルを様々な比率で得るために、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過膜、浸透システム、多層コーティング、マイクロ粒子、リポソーム、マイクロスフィア、またはこれらの組合せが用いられる。本明細書で提供する活性成分での使用のために、本明細書に記載のものを含め、当業者にとって公知の好適な制御放出製剤を容易に選択することができる。
【0210】
すべての制御放出医薬製品は、その非制御対応物によって達成されるものよりも薬物療法を改善するという共通の目的を有する。理想的には、医療における最適に設計された制御放出調製物の使用は、病態を最小限の時間で治療または制御するために用いられている最小限の原薬によって特徴づけられる。制御放出製剤の利点としては、薬物の活性の延長、投与頻度の減少、及び患者コンプライアンスの増加が挙げられる。さらに、制御放出製剤は、作用が発現する時間または他の特徴、例えば薬物の血中レベルなどに影響を及ぼすために用いることができ、ひいては、副作用(例えば、有害作用)の発生に影響を及ぼすことができる。
【0211】
ほとんどの制御放出製剤は、最初に直ちに所望の治療効果をもたらす量の薬物(活性成分)を放出し、長時間にわたってこの治療または予防効果のレベルを維持するために、徐々にかつ継続的に他の量の薬物を放出するように設計される。体内で薬物のこの一定レベルを維持するために、代謝されて体から排泄されている薬物の量に取って代わる速度で薬物が剤形から放出されなければならない。活性成分の制御放出は、限定はしないが、pH、温度、酵素、水、または他の生理的条件もしくは化合物をはじめとする様々な条件によって刺激することができる。
【0212】
ある実施形態において、薬剤は、静脈内点滴、埋め込み可能浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソーム、または他の投与様式を用いて投与され得る。一実施形態において、ポンプが用いられ得る。別の実施形態において、高分子材料を用いることができる。さらに別の実施形態において、制御放出システムは治療標的の近くに配置することができる、すなわち、そのため全身投与量の一部のみしか必要としない。いくつかの実施形態において、被検者の不適切な免疫活性化の部位または腫瘍の近くに制御放出デバイスが導入される。活性成分は、体液に不溶性である外側高分子膜、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレンとの塩化ビニルコポリマー、アイオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、及びエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーに包まれている固体内部マトリックス、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化または非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、親水性ポリマー、例えばアクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール及び架橋部分加水分解ポリ酢酸ビニルなどに分散させることができる。そして、活性成分は放出律速段階で外側高分子膜を通って拡散する。そのような腸管外用組成物に含有される活性成分の割合は、その具体的な性質、及び被検者の要求に大きく依存する。
【0213】
標的製剤
本明細書で提供する活性成分、または医薬品として許容可能なその誘導体は、特定の組織、受容体、または治療される被検者の体の他の領域に標的化するようにも製剤化され得る。多くのそのような標的化方法が当業者にとって公知である。すべてのそのような標的化方法を本組成物の使用について企図する。標的化方法の非限定例については、例えば、米国特許第6,316,652号、6,274,552号、6,271,359号、6,253,872号、6,139,865号、6,131,570号、6,120,751号、6,071,495号、6,060,082号、6,048,736号、6,039,975号、6,004,534号、5,985,307号、5,972,366号、5,900,252号、5,840,674号、5,759,542号及び5,709,874号を参照。
【0214】
一実施形態において、組織標的リポソーム、例えば腫瘍標的リポソームなどをはじめとするリポソーム懸濁液も医薬品として許容可能な担体として好適であり得る。これらは当業者に公知の方法に従って調製され得る。簡潔に述べると、フラスコの内側で卵ホスファチジルコリン及び脳ホスファチジルセリン(7:3モル比)を乾燥させることによって、多重膜ベシクル(MLV)などのリポソームが形成され得る。二価カチオンを欠くリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の本明細書で提供する化合物の溶液を添加し、脂質膜が分散するまでフラスコを振とうする。得られたベシクルを洗浄して未カプセル化化合物を除去し、遠心分離によってペレットにし、その後、PBS中に再懸濁する。
【0215】
送達方法
一態様において、本発明は抗線維化剤の送達方法を提供する。用語「抗線維化剤」は、疾患、特に線維症及び/または線維性疾患もしくは病態を治療または制御するための化学薬剤を意味する。
【0216】
一実施形態において、この方法は、所定量の第2医薬組成物と併せて所定量の第1医薬組成物を被検者に送達することを含む。第1医薬組成物はCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含み、第2医薬組成物は追加の治療薬を含む。1つの具体的な実施形態において、第1医薬組成物はCVCまたはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含み、第2医薬組成物はFXRアゴニストを含む。別の具体的な実施形態において、第1医薬組成物はCVCまたはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含み、第2医薬組成物はPPAR−αアゴニストを含む。1つの具体的な実施形態において、第1医薬組成物はCVCまたはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含み、第2医薬組成物はケモカインアンタゴニストを含む。用語「抗線維化剤」は、疾患、特に線維症及び/または線維性疾患もしくは病態を治療または制御するための化学薬剤を意味する。別の実施形態において、この方法は、第1及び第2医薬組成物と併せて所定量の第3医薬組成物を送達することを含む。第3医薬組成物は前述したような追加の治療薬を含む。
【0217】
別の実施形態において、この方法は、所定量の第1医薬組成物を、所定量の第2医薬組成物と共に第1医薬組成物を投与する指示と併せて被検者に送達することを含む。別の実施形態において、この方法は、所定量の第1医薬組成物を、所定量の第2医薬組成物及び所定量の第3医薬組成物と共に第1医薬組成物を投与する指示と併せて被検者に送達することを含む。例えば、第1医薬組成物はCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含み、第2医薬組成物はFXRアゴニストを含むか、または代替として、第1医薬組成物はFXRアゴニストを含み、第2医薬組成物はCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含む。第3医薬組成物は前述したような第2の追加の治療薬を含む。一実施形態において、第2の追加の治療薬は別のFXRアゴニストである。一実施形態において、第2の追加の治療薬はPPAR−αアゴニストである。別の例では、第1医薬組成物はCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含み、第2医薬組成物はPPAR−αアゴニストを含むか、または代替として、第1医薬組成物はPPAR−αアゴニストを含み、第2医薬組成物はCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含む。第3医薬組成物は前述したような第2の追加の治療薬を含む。一実施形態において、第2の追加の治療薬は別のPPAR−αアゴニストである。一実施形態において、第2の追加の治療薬はFXRアゴニストである。別の例では、第1医薬組成物はCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含み、第2医薬組成物はケモカインアンタゴニストを含むか、または代替として、第1医薬組成物はケモカインアンタゴニストを含み、第2医薬組成物はCVC、またはその塩、溶媒和物、エステル及び/またはプロドラッグを含む。第3医薬組成物は前述したような第2の追加の治療薬を含む。
【0218】
以下の実施例は、本発明をさらに詳細に例示するが、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0219】
実施例1−セニクリビロックメシル酸塩組成物
酸性可溶化剤の素性以外は同一の一連のセニクリビロックメシル酸塩組成物をKey 1Lボウル造粒機内での湿式造粒によって調製し、その後、トレイ乾燥、ふるい分け、混合を行い、Carverプレスで錠剤へと圧縮した。製剤の組成を表2に示す。
表2
【表2】
【0220】
錠剤をビーグル犬に投与した。対照として経口液剤も投与した。製剤及び経口液剤の絶対生物学的利用能を求めており、図2に示してある。結果は、フマル酸を伴うセニクリビロックメシル酸塩が他の試験した可溶化剤のどれよりも有意に高い生物学的利用能を有することを示す。
【0221】
実施例2:セニクリビロックメシル酸塩組成物
セニクリビロックメシル酸塩、フマル酸、微結晶セルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムを混合し、乾式造粒、粉砕して、顆粒外在性の微結晶セルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムとブレンドし、10kPを超える硬度及び0.8%w/w未満の摩損度を有する錠剤へと圧縮した。得られた錠剤は表3に示す組成を有していた。
表3.
【表3】
【0222】
例示として、実施例2b(すなわち、Ex.2b)中の成分の濃度パーセンテージ及び錠剤当たりの質量を表4に示す。
表4
【表4】
【0223】
実施例3:セニクリビロックメシル酸塩組成物
セニクリビロックメシル酸塩、微結晶セルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムを混合し、乾式造粒、乾燥、粉砕して、顆粒外在性の微結晶セルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、フマル酸、コロイド状二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムとブレンドし、10kPを超える硬度及び0.8%w/w未満の摩損度を有する錠剤へと圧縮した。得られた錠剤は表5に示す組成を有していた。
表5
【表5】
【0224】
特に、表5の製剤は表3bのものと同じ成分比を有し、それぞれの錠剤に用いられる成分の総量のみ異なる。したがって、表4は150mgのセニクリビロック(遊離塩基ベース)を有する錠剤を示し、一方で、表CC−1は、表4に示す実施例2bの150mg錠剤と同じ成分比で25mgのセニクリビロック(遊離塩基ベース)を有する錠剤を示す。
【0225】
実施例4−参照
表6のクエン酸ベースの製剤を以下のように調製した。セニクリビロック、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、及び架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムを混合し、湿式造粒、乾燥、粉砕して、微結晶セルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、及びステアリン酸マグネシウムとブレンドした。得られたブレンドを圧縮して、10kPを超える硬度及び0.8%w/w未満の摩損度を有する錠剤とした。ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール8000、二酸化チタン、及び黄色酸化鉄で錠剤をコーティングした。このように製造したコーティング錠は、米国特許出願公開第2008/031942号に開示のもの(例えば、表3を参照)と実質的に同一であった。
表6
【表6】
【0226】
実施例5−参照
セニクリビロック及びヒプロメロースアセテートスクシネートをメタノール中に溶解させ、重量基準で25%のセニクリビロック(セニクリビロック遊離塩基の重量基準)を含有する微細粉末へと噴霧乾燥した。コロイド状二酸化ケイ素、微結晶セルロース、マンニトール、ラウリル硫酸ナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムと粉末を混合した。混合物を圧縮して、10kPを超える硬度及び0.8%w/w未満の摩損度を有する錠剤とした。錠剤の最終組成を表7に示す。
表7
【表7】
【0227】
実施例6:CVC製剤の生物学的利用能
ビーグル犬における実施例3の錠剤の絶対生物学的利用能を、実施例4及び5の錠剤のものと、さらにはセニクリビロックメシル酸塩の経口液剤及びセニクリビロックメシル酸塩粉末を含有するゼラチンカプセルの両方と比較した。結果を表8に示す。
表8
【表8】
【0228】
この実施例は、フマル酸を有する乾式造粒錠剤におけるセニクリビロック(Ex.3)の生物学的利用能が、経口液剤のものと実質的に類似しており、フマル酸(Ex.1b)またはクエン酸(Ex.4)を有する湿式造粒錠剤におけるセニクリビロックの生物学的利用能よりも有意に高く、HPMC−ASを有する噴霧乾燥分散体中の非晶質セニクリビロックを有する錠剤(Ex.5)におけるセニクリビロックのものの2倍を超えることを実証する。これらの結果は驚くべきものであるが、なぜなら、結晶性APIの乾式造粒では、湿式造粒及び非晶質噴霧乾燥分散体よりも生物学的利用能が優位に増加すると推測する理由がなかったためである。これは、非晶質噴霧乾燥分散体は水溶性が乏しい薬物の生物学的利用能を増加させるために用いられることが多いので特にそうである。これらの結果は、フマル酸はクエン酸よりも遅い溶出時間を有し、より低い酸対CVC APIの質量比(クエン酸:APIでは3:1、対して、フマル酸:APIでは1.06:1)で用いたことからも驚くべきものである。したがって、フマル酸がクエン酸よりもCVCにとって有効な可溶化剤であると判明したことはそれゆえに驚くべきことであった。
【0229】
実施例7:CVC製剤の加速安定性
75%相対湿度、40℃の環境への曝露によって、実施例2bの錠剤の加速安定性を実施例1b、4、及び5の錠剤のものと比較した。研究の間、すべての錠剤は乾燥剤と共に包装した。図3に示すように、実施例2bの錠剤は、他の湿式造粒錠剤よりも驚くほどはるかに安定であり、噴霧乾燥分散体錠剤と同等の安定性であった。この実施例2b及び実施例4の錠剤の間の安定性の差は、これらの2つの間の唯一の有意な差が製剤の製造方法である(乾式造粒対湿式造粒)ので特に驚くべきものである。これらの結果は、造粒方法がセニクリビロックの生物学的利用能及び安定性の両方に影響を及ぼし得るとはこれまで知られていなかったことからも驚くべきものである。
【0230】
実施例8:CVC製剤の安定性
錠剤を75%相対湿度、40℃の環境に6週間曝露することによって、実施例2及び3の錠剤の安定性を試験した。研究の間、すべての錠剤は乾燥剤と共に包装した。結果を表9に示すが、これは、こうした条件下で錠剤が非常に安定であることを示している。
表9
【表9】
【0231】
実施例9:CVC製剤の安定性
25℃での動的水蒸気吸着等温線は、実施例3及び4の錠剤の安定性とセニクリビロックメシル酸塩のものとの相関関係を示す。収着は0%相対湿度から90%相対湿度まで5%間隔で実施した。各間隔で、10分間以上30分間以下で各サンプルを平衡化した。平衡化は、質量増加速度が1分当たり0.03%w/w以下となったとき、または30分後のどちらか短い方で中止した。結果は、図4に示してあるが、実施例2bの錠剤が実施例4のものよりも有意に安定であることを示す。この結果は、実施例3が実施例4よりも吸湿性が有意に低いことと一致している。実施例2bと比較した実施例4の吸湿性の増加は、可動性の水の含有量がより高いことと関連する可能性があり、これがひいては、実施例4の部分的なゲル化及びその後の安定性の低下の原因であり得る。
【0232】
実施例10:NASHのマウスモデルにおける二重CCR2及びCCR5アンタゴニストセニクリビロックの抗線維症及び抗炎症活性
背景:非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、脂肪蓄積、慢性炎症(炎症誘発性単球及びマクロファージを含む)によって特徴づけられ、線維症が存在する場合、肝硬変または肝細胞癌につながり得る。現在のところ、NASHに対する承認療法はない。C−Cケモカイン受容体(CCR)2型及びその主なリガンドである単球走化性タンパク質−1が肝臓における炎症誘発性単球リクルートメントに寄与すると証拠で示されている。セニクリビロック(CVC)は、143人のHIV−1感染成人における48週間の第2b相研究において好ましい安全性及び忍容性を示した、経口の強力な二重CCR2/CCR5アンタゴニストである(NCT01338883)。肝細胞癌につながる食餌誘発性NASHのマウスモデルにおいてCVCを評価したが、モデルの最初の線維症段階からのデータを提示する。
【0233】
方法:雄マウスにおいて、出生2日後の200μgストレプトゾトシンの単回注入(グルコース制御障害を引き起こす)、その後、4週齢からの高脂肪食によってNASHを誘発した。6〜9週齢の3群の動物(n=6/群)に、0(溶媒)、20(低投与量)または100(高投与量)mg/kg/日の投与量で1日2回の強制経口投与によってCVCを投与した。9週齢で動物を屠殺し、肝臓の生化学的、遺伝子発現、及び組織学的評価を行った。
【0234】
結果:CVC治療は、体重もしくは肝臓重量、全血グルコース、または肝臓トリグリセリドに影響を及ぼさなかった。平均(±SD)アラニンアミノトランスフェラーゼレベルは対照と比較して両方のCVC治療群で有意に減少し(低投与量、高投与量及び溶媒でそれぞれ、58±12、51±13及び133±80U/L;p<0.05)、肝臓ヒドロキシプロリンは治療群で減少する傾向にあった。リアルタイムRT−PCRによると、CVC治療で全肝臓ライセート中のコラーゲン1型mRNAは27〜37%減少した。線維症面積(シリウスレッド染色による)のパーセンテージは、対照と比較してCVC治療によって有意に減少した(p<0.01):血管周囲腔を含めた場合、20mg/kg/日、100mg/kg/日及び対照のそれぞれで、0.66%±0.16、0.64%±0.19及び1.10%±0.31;血管周囲腔を引いた場合、それぞれ、0.29%±0.14、0.20%±0.06、及び0.61%±0.23。重要なことに、組織学的非アルコール性脂肪性肝疾患活性スコア(このモデルにおける未治療マウスでスコアが0)は、主に炎症及び風船化スコアの減少に起因して、CVC治療で有意に減少した(低投与量、高投与量及び溶媒でそれぞれ、4.0±0.6、3.7±0.8及び5.3±0.5;p<0.05)。以前にヒトで示されたように、血漿単球走化性タンパク質−1レベルのCVC投与量に関連した代償性増加がマウスにおいて観察され(低及び高投与量でそれぞれ、1.1及び1.5倍増加)、これはCCR2の拮抗作用と整合性がある。
【0235】
結論:これらのデータは、現在HIV−1に対するヒト治験における治験薬であるCVCが、NASHのマウスモデルにおいて抗線維症及び抗炎症活性を有することを示しており、臨床調査を保証する。これらの知見は、CCR2/単球走化性タンパク質−1軸の破壊がNASHに対する新規治療アプローチとなり得るというさらなる証拠をもたらす。
【0236】
実施例11:チオアセトアミド誘発性肝線維症及び肝硬変のラットモデルにおける、二重CCR2/CCR5アンタゴニストであるセニクリビロックの有意な抗線維症活性
背景:C−Cケモカイン受容体(CCR)2及び5型は、炎症誘発性単球及びマクロファージ、クッパー細胞及び肝星細胞(HSC)上に発現し、これらは肝臓における炎症及び線維形成の一因となる。セニクリビロック(CVC;新規の強力な経口二重CCR2/CCR5アンタゴニスト)は、143人のHIV−1感染成人における48週間の第2b相研究において好ましい安全性/忍容性を有していた(NCT01338883)。この研究では、チオアセトアミド(TAA)誘発性損傷による新規発生肝線維症を有するラットにおいて、CVCのインビボ抗線維症効果、及び疾患発症に対する治療介入のタイミングを評価する。
【0237】
方法:8週間にわたる3回/週でのTAA 150mg/kgの腹腔内投与によって、雄スプラーグ−ドーリーラットにおいて線維症を誘発した。ラット(n=4〜8/群)は、最初の8週間にTAAと同時に(1群;早期介入)、4〜8週目の間に(2群;新規発生肝線維症)、またはTAA投与の完了後の8〜12週目の間に(3群;肝硬変回復)、CVC 30mg/kg/日(a)、CVC 100mg/kg/日(b)または溶媒対照(c)を受けた。肝臓の生化学的、遺伝子発現、及び組織学的評価を行った。
【0238】
結果:TAAと同時に開始した場合(1群)、コラーゲン形態計測によって評価したところ、30mg(1a群)及び100mg(1b群)のCVCは線維症を有意に軽減した(それぞれ49%及び38%;p<0.001)。コラーゲン1型のタンパク質レベルは1a群及び1b群でそれぞれ30%及び12%減少し、一方で、α−SMAはそれぞれ17%及び22%減少した。TAA誘発性損傷の4週間後に治療を開始した場合(2群)、CVC 30mgでは統計的に有意な抗線維症効果が観察されたが(2a群、コラーゲンの36%の減少;p<0.001)、CVC 100mg(2b群)では観察されなかった。治療を8週目(肝硬変あり)に開始して4週間継続した場合(3群)、線維形成遺伝子発現または線維症に対するCVCの有意な効果はなかった。
【0239】
結論:CVCは、TAAに起因する非肝硬変性肝線維症における強力な抗線維化剤である。この薬物は、早期介入(1群)及び新規発生線維症(2a群)においては有効であったが、肝硬変がすでに確立された場合には有効でなかった(3群)。
【0240】
実施例12:腎線維症のマウスモデルにおける二重CCR5/CCR2アンタゴニストセニクリビロックの抗線維症活性
背景:セニクリビロック(CVC)は、第2b相HIV開発を完了した新規な経口1日1回用の二重CCR5/CCR2アンタゴニストである(研究202;NCT01338883)。CVCは、48週間にわたってCVCで治療された115人のHIV−1感染成人を含めた、少なくとも1回の投与で治療された555人の被検者で好ましい安全性プロファイルを有する。最近、CVCは、食餌誘発性非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)のマウスモデル及びチオアセトアミド誘発性線維症のラットモデルにおいて有意な抗線維症活性を実証した。ここでは、本発明者らは、片側尿管閉塞(UUO)によって誘発された腎線維症の十分に確立されたマウスモデルにおいてCVCを評価した。
【0241】
方法:外科手術の前日(−1日目)に、試験動物を体重一致治療群に割り当てた。無菌開腹によって、雄CD−1マウス(N=51;7〜8週齢)に偽手術または右尿管の完全結紮、すなわち、UUOのいずれかを施した(図5)。0〜5日目:偽手術を受けたマウスに、1日2回の強制経口投与によって溶媒対照(0.5%メチルセルロース+1%Tween−80)を与え、永久UUOを有するマウスに、1日2回の強制経口投与によって溶媒対照、CVC 7mg/kg/日またはCVC 20mg/kg/日のいずれかを与えた。別の群に、−1〜4日目に3mg/kg/日で1日1回腹腔内注入によって抗トランスフォーミング増殖因子TGF−β1抗体、化合物1D11(陽性対照)を、及び0〜5日目に溶媒対照を与えた。当初はCVC 100mg/kg/日の群(N=9)が研究に含まれていたが、瀕死のため早期に終了した(5日目に達した動物がいなかったので、分析は行わなかった)。外科手術を伴わないマウス毒性研究において、最大2000mg/kg/日までのCVC投与量で忍容性が良好であった。5日目に、動物に麻酔をかけ、屠殺前に血液及び組織を収集した。
【0242】
研究エンドポイント:研究エンドポイントには以下が含まれていた:a)体重及び腎臓重量;b)ピクロシリウスレッド染色の組織学的定量画像解析によって評価され(腎臓皮質面積の60〜70%のサンプリングを可能にするために、10画像/深さ/腎臓を得て、光学顕微鏡[200倍]を用いて盲検で評価した)、かつ、閉塞腎臓からの3つの解剖学的に異なる(200〜250μM離れた)組織切片、または深さにわたる平均陽性染色として表される複合コラーゲン体積分率(CVF[%全画像化面積])スコアによって定量化される閉塞腎臓における線維症;c)生化学分析によって評価した凍結腎臓皮質組織生検のヒドロキシプロリン含有率;d)HPRT(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ)に対して正規化した相対発現でのLuminex(登録商標)(Life Technologies(商標), Carlsbad, CA, USA)アッセイによって評価した、線維化促進性及び炎症性バイオマーカー(MCP−1、コラーゲン1a1、コラーゲン3a1、TGF−β1、フィブロネクチン−1、α−平滑筋アクチン(α−SMA)及び結合組織成長因子−1(CTGF−1)を含む)のmRNA発現。
【0243】
統計解析:データは平均±平均の標準誤差(SEM)として表す。統計解析は、GraphPad Prism(登録商標)(GraphPad Software, Inc., San Diego, CA, USA)を用いて実施した。偽手術+溶媒対照群とUUO+溶媒対照群との間、及びUUO+溶媒対照群とUUO+化合物1D11(陽性対照)群との間の治療の差を独立t検定によって解析した。UUO+溶媒対照群とCVC投与群との間の治療の差をダネット検定(事後)での一元配置ANOVA(分散分析)によって解析した。
【0244】
方法:CVCは、腎線維症の十分に確立されたマウスUUOモデルにおいて、コラーゲン体積分率またはCVF(組織学的閉塞腎臓切片におけるコラーゲンの陽性染色面積%)の減少によって定義される、有意な抗線維症効果を実証した。閉塞腎臓において、コラーゲン1a1、コラーゲン3a1、TGF−β1、及びフィブロネクチン−1のmRNA発現が減少する傾向が観察されたが、これらは統計的有意性に達しなかった。まとめると、CVCの作用機序、動物モデルにおける抗線維症活性(腎臓及び肝臓)、ならびに広範な安全性データベースが、線維性疾患におけるさらなる評価を裏付けている。NASH及び肝線維症を有する非HIV感染患者における概念実証研究が計画されている。ガイドライン推奨の第3の薬剤と共投与される場合の、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩/エムトリシタビン(TDF/FTC)に対する新規の「バックボーン」としてのCVC/ラミブジン(3TC)の多剤混合薬を評価するために、HIV−1感染患者における第III相治験も計画されている。
【0245】
結果:体重及び閉塞腎臓重量:CVC 7mg/kg/日及び化合物1D11(陽性対照)は体重に影響を及ぼさなかったが、CVC 20mg/kg/日は、5日目でUUO+溶媒対照群のものと比較して、僅かであるが有意な体重の減少(5%)をもたらした(p<0.05)(図6;体重の変化をグラム[g]で示す)。UUO+溶媒対照群と比較して、閉塞側または反対側の腎臓重量または腎臓重量指数に、有意な治療効果(CVCまたは化合物1D11[陽性対照])は観察されなかった(データは図示せず)。組織学的検査:CVFの複合尺度(3つの深さで平均した面積%[±SEM])は、偽手術群のものと比較して、UUO+溶媒対照群で有意に高かった(11.4±1.0倍;p<0.05)(図7)。CVC 7及び20mg/kg/日ならびに化合物1D11(陽性対照)は、UUO+溶媒対照群のものと比較して、CVFの複合尺度(3つの深さでの平均[±SEM])のUUO誘発性増加を有意に減衰させた(それぞれ、28.6±8.8%、31.8±6.8%及び50.3±7.3%減少;p<0.05)。
【0246】
ヒドロキシプロリン含有率:UUO+溶媒対照群からの閉塞腎臓におけるヒドロキシプロリン含有率(タンパク質に対する%)は、偽手術群と比較して有意に増加した(0.72%対0.27%;p<0.05)(データは図示せず)。試験したCVCのいずれの投与量も、UUO+溶媒対照群と比較して、閉塞腎臓ヒドロキシプロリン含有率のUUO誘発性増加に影響を及ぼさなかったが、化合物1D11(陽性対照)群は、有意に低いレベルを有していた(0.55%対0.72%;p<0.05)(データは図示せず)。
【0247】
線維化促進性及び炎症性バイオマーカーmRNA発現:評価したバイオマーカー(MCP−1、コラーゲン1a1、コラーゲン3a1、TGF−β1、フィブロネクチン−1、α−SMA、及びCTGF−1)のそれぞれで、UUO+溶媒対照群におけるmRNAの発現は、偽手術群のものと比較して有意に増加した(p<0.05)(図8)。CVC 7及び20mg/kg/日は、コラーゲン1a1、コラーゲン3a1、TGF−β1及びフィブロネクチン−1のmRNA発現のUUO誘発性増加を減衰した。しかし、これらの減少は、UUO+溶媒対照群と比較して統計的有意性に達しなかった。化合物1D11(陽性対照)は、UUO+溶媒対照群と比較して、コラーゲン1a1、コラーゲン3a1、TGF−β1及びフィブロネクチン−1のmRNA発現のUUO誘発性増加を有意に減少させた(p<0.05)。CVC 7及び20mg/kg/日ならびに化合物1D11(陽性対照)は、UUO+溶媒対照群と比較して、閉塞腎臓皮質MCP−1、α−SMA及びCTGF−1のmRNA発現のUUO誘発性増加に有意な影響を及ぼさなかった(α−SMA及びCTGF−1のmRNAについてのデータは図示せず)。
【0248】
結論:CVCは、腎線維症の十分に確立されたマウスUUOモデルにおいて、コラーゲン体積分率またはCVF(組織学的閉塞腎臓切片におけるコラーゲンの陽性染色面積%)の減少によって定義される、有意な抗線維症効果を実証した。閉塞腎臓において、コラーゲン1a1、コラーゲン3a1、TGF−β1、及びフィブロネクチン−1のmRNA発現が減少する傾向が観察されたが、これらは統計的有意性に達しなかった。まとめると、CVCの作用機序、動物モデルにおける抗線維症活性(腎臓及び肝臓)、ならびに広範な安全性データベースが、線維性疾患におけるさらなる評価を裏付けている。NASH及び肝線維症を有する非HIV感染患者における概念実証研究が計画されている。ガイドライン推奨の第3の薬剤と共投与される場合の、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩/エムトリシタビン(TDF/FTC)に対する新規の「バックボーン」としてのCVC/ラミブジン(3TC)の多剤混合薬を評価するために、HIV−1感染患者における第III相治験も計画されている。
【0249】
実施例13:48週間にわたってセニクリビロックを受けたHIV−1感染成人において、APRI及びFIB−4線維症スコアの改善はsCD14の減少と相関がある
背景及び目的:新規な経口1日1回用のCCR2/CCR5アンタゴニストであるセニクリビロック(CVC)は、臨床試験において好ましい安全性及び抗HIV活性を実証している。CVCは肝疾患の2つの動物モデルにおいて抗線維症活性を実証した。研究202(NCT01338883)におけるAPRI及びFIB−4スコアで事後分析を行った。
【0250】
方法:CCR5指向性HIV−1を有し、BMI≦35kg/m2であり、顕性肝疾患を有しない(すなわち、ALT/ASTグレード≦2、総ビリルビン≦ULNであり、HBV、HCV、活動性もしくは慢性肝疾患、または肝硬変がない)143人の成人をCVCまたはエファビレンツ(EFV)に4:1でランダム化した。APRI及びFIB−4スコアを計算した。データの不足がない患者において、ベースライン(BL)から24及び48週目までのスコアカテゴリーの変化を評価した。APRI及びFIB−4スコアのBLからの変化とMCP−1(CCR2リガンド)及びsCD14(炎症性バイオマーカー)レベルとの間の相関関係を評価した。
【0251】
結果:BLでは、EFVよりもCVCでより多くの患者がAPRI≧0.5及びFIB−4≧1.45を有しており、これらの閾値を超えるCVC患者の割合は、24及び48週目で減少した(表10)。24週目に、APRIスコアの変化とMCP−1レベルとの間(p=0.014)、及びFIB−4スコアとsCD14レベルとの間(p=0.011)で、ならびに48週目に、APRI(p=0.028)及びFIB−4スコア(p=0.007)の変化とsCD14レベルとの間で、有意な相関関係が観察された。(表10)。
表10
【表10】
【0252】
結論:顕性肝疾患を有しないこの集団において、CVC治療は、APRI及びFIB−4スコアの改善と関連があり、48週目にAPRI及びFIB−4スコアの変化とsCD14レベルとの間に相関関係が観察された。実証されたCCR2/CCR5拮抗作用、動物モデルにおける抗線維症効果、及び広範な臨床安全性データはすべて、肝線維症におけるCVCの臨床研究を裏付けている。
【0253】
実施例14:非アルコール性脂肪性肝炎のSTAMモデルにおけるセニクリビロックのインビボ有効性研究
このインビボ有効性研究は、非アルコール性脂肪性肝炎のSTAM(商標)マウスモデルにおけるセニクリビロックの効果を調べるために実施した。
【0254】
材料及び方法
実験設計及び治療
研究群
1群−溶媒:18匹のNASHマウスに、6週齢から1日2回(9:00及び19:00)、10mL/kgの量で溶媒を経口投与した。
【0255】
2群−セニクリビロック20mg/kg(CVC−低):18匹のNASHマウスに、6週齢から1日2回(9:00及び19:00)、10mg/kgの投与量(20mg/kg/日)でセニクリビロックを補添した溶媒を経口投与した。
【0256】
3群−セニクリビロック100mg/kg(CVC−高):18匹のNASHマウスに、6週齢から1日2回(9:00及び19:00)、50mg/kgの投与量(100mg/kg/日)でセニクリビロックを補添した溶媒を経口投与した。
【0257】
表11に治療スケジュールをまとめる。
表11
【表11】
【0258】
結果
第1部:CVCの抗NASH/線維症効果を評価するための研究
9週目までの体重変化及び全身状態(図9
【0259】
体重は治療期間中に徐々に増加した。治療期間中、溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間で平均体重に有意差はなかった。本研究において、治療期間全体を通して全身状態の悪化を示した動物はいなかった。
【0260】
9週目の屠殺日における体重(図10A及び表12)
【0261】
溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間で平均体重に有意差はなかった(溶媒:18.9±3.3g、CVC−低:19.5±2.0g、CVC−高:18.7±0.9g)。
表12:9週目の体重及び肝臓重量
【表12】
【0262】
9週目の肝臓重量及び肝臓重量対体重比(図10B及びCならびに表12)
【0263】
溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間で平均肝臓重量に有意差はなかった(溶媒:1270±326mg、CVC−低:1334±99mg、CVC−高:1307±119mg)。
【0264】
溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間で平均肝臓重量対体重比に有意差はなかった(溶媒:6.6±0.8%、CVC−低:6.9±1.0%、CVC−高:7.0±0.8%)。
【0265】
9週目の全血及び生化学
全血グルコースデータを図11A〜D及び表13に示す。
【0266】
溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間で血中グルコースレベルに有意差はなかった(溶媒:590±108mg/dL、CVC−低:585±91mg/dL、CVC−高:585±91mg/dL)。4.4.2.血漿ALT(図11B、表14)。CVC−低及びCVC−高群は、溶媒群と比較して血漿ALTレベルの有意な減少を示した(溶媒:133±80U/L、CVC−低:58±12U/L、CVC−高:52±13U/L)。
表13:9週目の血液及び肝臓生化学
【表13】
【0267】
血漿MCP−1データを図11C及び表13に示す。CVC−高群は、溶媒群と比較して血漿MCP−1レベルの有意な増加を示した。溶媒群とCVC−低群との間で血漿MCP−1レベルに有意差はなかった(溶媒:60±4pg/mL、CVC−低:68±16pg/mL、CVC−高:91±14pg/mL)。
【0268】
血漿MIP−1βデータを図11D、表13に示す。溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間で血漿MIP−1βレベルに有意差はなかった(溶媒:18±5pg/mL、CVC−低:18±2pg/mL、CVC−高:20±4pg/mL)。
【0269】
9週目の肝臓生化学
肝臓トリグリセリド含有量データを図11D及び表13に示す。溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間で肝臓トリグリセリド含有量に有意差はなかった(溶媒:40.8±20.4mg/g肝臓、CVC−低:48.5±16.1mg/g肝臓、CVC−高:51.7±14.1mg/g肝臓)。
【0270】
肝臓ヒドロキシプロリン含有量データを図11E及び表13に示す。肝臓ヒドロキシプロリン含有量は、溶媒群と比較してCVC−低及びCVC−高群において減少する傾向にあった(溶媒:0.75±0.18μg/mg、CVC−低:0.63±0.05μg/mg、CVC−高:0.62±0.09μg/mg)。
【0271】
9週目の組織学的解析
HE染色及びNAFLD活性スコアデータを図12及び13、ならびに表15に示す。溶媒群からの肝臓切片は、重度の小滴性及び大滴性脂肪沈着、肝細胞風船化ならびに炎症性細胞浸潤を示していた。CVC−低及びCVC−高群は、炎症性細胞浸潤及び肝細胞風船化の中程度の改善を示し、溶媒群と比較してNASが有意に減少した(溶媒:5.3±0.5、CVC−低:4.0±0.6、CVC−高:3.7±0.8)。HE染色切片の代表的な顕微鏡写真を図12に示す。
表14:9週目のNAFLD活性スコア
【表14】
【0272】
シリウスレッド染色データを図14、15、及び16、ならびに表15に示す。溶媒群からの肝臓切片は、肝小葉の中心周囲領域におけるコラーゲン沈着を示した。溶媒群と比較して、中心周囲領域におけるコラーゲン沈着は、CVC−低及びCVC−高群において顕著に減少した。線維症面積(シリウスレッド陽性面積)は、溶媒群と比較してCVC−低及びCVC−高群において有意に減少した(溶媒:1.10±0.31%、CVC−低:0.66±0.16%、CVC−高:0.64±0.19%)。修正線維症面積も、溶媒群と比較してCVC−低及びCVC−高群において有意に減少した(溶媒:0.61±0.23%、CVC−低:0.29±0.14%、CVC−高:0.20±0.06%)。
表15:9週目の組織学的解析
【表15-1】
【表15-2】
【0273】
肝臓のシリウスレッド染色切片の代表的な顕微鏡写真を図14に示す。
【0274】
F4/80免疫組織化学データを図15及び16、ならびに表15に示す。溶媒群からの肝臓切片のF4/80免疫染色は、肝小葉におけるF4/80+細胞の蓄積を実証した。溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間で、F4/80+細胞の数及びサイズ、ならびに炎症面積(F4/80陽性陽性)のパーセンテージにおいて有意差はなかった(溶媒:4.99±1.10%、CVC−低:4.77±1.02%、CVC−高:4.96±0.60%)。
【0275】
F4/80免疫染色切片の代表的な顕微鏡写真を図15に示す。
【0276】
F4/80+CD206+及びF4/80+CD16/32+免疫組織化学データを図17〜21、及び表15に示す。溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間で、マクロファージ中のF4/80+CD206+細胞のパーセンテージに有意差はなかった(溶媒:34.3±4.2%、CVC−低:34.7±6.3%、CVC−高:33.1±3.0%)。溶媒群とCVC−低群との間で、マクロファージ中のF4/80+CD16/32+細胞のパーセンテージに有意差はなかった。F4/80+CD16/32+細胞のパーセンテージは、溶媒と比較してCVC−高群において増加する傾向にあった(溶媒:33.5±3.7%、CVC−低:38.7±7.6%、CVC−高:41.5±8.2%)。溶媒群とCVC−低群との間でM1/M2比に有意差はなかった。CVC−高群において、M1/M2比は溶媒と比較して増加する傾向にあった(溶媒:99.6±20.2%、CVC−低:112.3±17.0%、CVC−高:125.1±21.9%)。
【0277】
F4/80及びCD206、F4/80及びCD16/32二重免疫染色切片の代表的な顕微鏡写真を図17及び19に示す。
【0278】
オイルレッド染色データを図22、23、及び表15に示す。溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間で、脂肪沈着、及び脂肪沈着面積(オイル陽性面積)のパーセンテージに有意差はなかった(溶媒:9.66±5.02%、CVC−低:6.51±3.88%、CVC−高:7.23±3.59%)。
【0279】
オイルレッド染色切片の代表的な顕微鏡写真を図22に示す。
【0280】
TUNEL染色データを図23、25及び表15に示す。TUNEL陽性細胞のパーセンテージは、溶媒群と比較してCVC−低群において有意に増加した。溶媒群とCVC−高群との間でTUNEL陽性細胞のパーセンテージに有意差はなかった(溶媒:36.0±3.7%、CVC−低:43.3±2.9%、CVC−高:39.0±5.3%)。
【0281】
肝臓におけるTUNEL陽性細胞の代表的な顕微鏡写真を図24に示す。
【0282】
9週目の遺伝子発現解析データを図26及び表16〜17に示す。
表16:9週目の遺伝子発現解析
【表16】
表17:9週目のP値
【表17】
【0283】
TNFα
溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間でTNFαのmRNA発現レベルに有意差はなかった(溶媒:1.00±0.24、CVC−低:1.16±0.39、CVC−高:1.09±0.23)。
【0284】
MCP−1
溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間でMCP−1のmRNAに有意差はなかった(溶媒:1.00±0.31、CVC−低:1.05±0.50、CVC−高:1.00±0.53)。
【0285】
コラーゲン1型
コラーゲン1型のmRNA発現レベルは、溶媒群と比較してCVC−低群において有意に下方調節された。コラーゲン1型のmRNA発現レベルは、溶媒群と比較してCVC−高群において下方調節される傾向にあった。(溶媒:1.00±0.42、CVC−低:0.63±0.10、CVC−高:0.73±0.04)。
【0286】
TIMP−1
溶媒群とCVC−低及びCVC−高群のいずれかとの間でTIMP−1のmRNA発現レベルに有意差はなかった(溶媒:1.00±0.46、CVC−低:0.75±0.32、CVC−高:0.80±0.20)。
【0287】
第2部:CVCの抗HCC効果を評価するための研究
18週までの体重変化(図28
体重は治療期間中に徐々に増加した。治療期間中、溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間で平均体重に有意差はなかった。
【0288】
生存分析データを図29に示す。溶媒群において、12匹のマウスのうちの4匹が59日目(ID112)、75日目(ID113、115)、及び84日目(ID116)に死亡した(最初の投与日を0日目と定めた)。CVC−低群において、12匹のマウスのうちの6匹が62日目(ID209)、64日目(ID217)、75日目(ID212)、76日目(ID213)、84日目(ID215)及び86日目(ID208)に死亡した。CVC−高群において、12匹のマウスのうちの5匹が62日目(ID317)、65日目(ID312)、70日目(ID316)、78日目(ID314)及び85日目(ID309)に死亡した。死亡した動物には、NASHの典型的な肝病変以外に異常な剖検所見はなかった。溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間で生存率に有意差はなかった。委託者の指示により、残りの動物は、予定より早く18週齢で屠殺した(20週齢での屠殺を予定していた)。
【0289】
18週目の屠殺日における体重のデータを図30A及び表18に示す。体重は、溶媒群と比較してCVC−高群において減少する傾向にある。溶媒群とCVC−低群との間で平均体重に有意差はなかった(溶媒:23.0±2.3g、CVC−低:22.9±3.5g、CVC−高:20.8±2.7g)。
表18:18週目の体重及び肝臓重量
【表18】
【0290】
18週目の肝臓重量及び肝臓重量対体重比のデータを図30B及びCならびに表18に示す。溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間で平均肝臓重量に有意差はなかった(溶媒:1782±558mg、CVC−低:1837±410mg、CVC−高:1817±446mg)。溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間で平均肝臓重量対体重比に有意差はなかった(溶媒:7.7±2.2%、CVC−低:8.3±2.8%、CVC−高:8.8±2.3%)。
【0291】
18週目の肝臓の肉眼解析
肝臓の肉眼での外観を図31A〜Cに示す。
【0292】
肝臓表面上に形成された視認可能な腫瘍結節の数を図32及び表29に示す。溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間で、個々のマウス当たりの肝腫瘍結節の数に有意差はなかった(溶媒:2.4±4.1、CVC−低:1.5±1.9、CVC−高:3.6±2.5)。
表19:18週目の肝臓の肉眼解析
【表19】
【0293】
肝臓表面上に形成された視認可能な腫瘍結節の最大直径を図33及び表19に示す。溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間で、腫瘍の最大直径に有意差はなかった(溶媒:4.0±4.7mm、CVC−低:4.8±5.4mm、CVC−高:5.3±5.1mm)。
【0294】
18週目の組織学的解析
HE染色データを図34に示す。HE染色によって、溶媒における炎症性細胞の浸潤、大滴性及び小滴性脂肪沈着、肝細胞風船化、変性病巣ならびに結節性病変が明らかとなった。溶媒群中の8匹のマウスのうち6匹がHCC病変を示した。CVC−低群中の6匹のマウスのうち5匹及びCVC−高群中の7匹のマウスのうち6匹でHCC病変が検出された。溶媒群とCVC−低またはCVC−高群のいずれかとの間で明らかな差は見られなかった。
【0295】
HE染色切片の代表的な顕微鏡写真を図34に示す。
【0296】
GS免疫組織化学データを図35に示す。溶媒群中の8匹のマウスのうち6匹、CVC−低群中の6匹のマウスのうち5匹、及びCVC−高群中の7匹のマウスのうち7匹でそれぞれ、切片中のGS陽性結節が検出された。
【0297】
GS染色切片の代表的な顕微鏡写真を図35に示す。
【0298】
CD31免疫組織化学データを図36及び37ならびに表20に示す。CD31陽性面積は、溶媒群と比較してCVC−低群において減少する傾向にある。CD31陽性面積は、溶媒群と比較してCVC−高群において増加する傾向にある(溶媒:2.71±1.36%、CVC−低:1.47±1.10%、CVC−高:3.68±1.37%)。
【0299】
CD31染色切片の代表的な顕微鏡写真を図36に示す。
表20:18週目の組織学的解析
【表20】
表21:18週目のP値
【表21】
【0300】
総括及び考察
9週目の解析において、低及び高投与量のCVCでの治療は、線維症面積を投与量依存的に有意に減少させ、本研究におけるCVCの抗線維症効果を実証した。低及び高投与量のCVCでの治療は、コラーゲン1型のmRNA発現レベル及び肝臓ヒドロキシプロリン含有量も減少させ、その抗線維症特性を裏付けた。CVC治療群では、溶媒群と比較して血漿ALTレベル及びNASが投与量依存的に有意に減少した。NASの改善は小葉炎症及び肝細胞風船化の低減に起因した。肝細胞風船化は、酸化ストレス誘発性肝細胞損傷に由来し、NASHの疾患進行に関連するので[26;27]、CVCは、肝細胞損傷及び風船化を阻害することによってNASHの病状を改善したことが強く示唆される。総合して、CVCは、この研究において潜在的な抗NASH及び肝保護効果を有する。
【0301】
ヒトで示されたように、本研究において、CVCでの治療によって血漿MCP−1レベルが増加し、CVCによるCCR2の投与量依存的な拮抗作用を示したが、血漿MIP−1βレベルは、治療によっていかなる有意な変化も示さなかった。CVCの作用機序を調査するために、本発明者らはマクロファージの集団に対するCVCの影響を評価した。予備的結果は、CVCが溶媒群と比較して高いM1/M2比の傾向を示すことを実証しており、CVCが炎症を起こした肝臓中のマクロファージ部分集団のバランスを調節することによって線維形成を阻害した可能性があることを示唆していた。これは将来さらに調査される。
【0302】
18週目の解析において、CVC治療群でNASH由来HCCに対する影響は観察されなかった。結論として、CVCは本研究において抗NASH、肝保護及び抗線維症効果を示した。
【0303】
実施例15:HIV−1感染成人被検者における長期有効性データ
研究202の有効性結果
研究デザイン及び目的
米国出願第61/968,829号及び62/024,713号(両方とも、あらゆる目的のためにその全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているように、CVC 100mg及びCVC 200mgの有効性及び安全性を、承認済みの抗レトロウイルス剤エファビレンツ(EFV、Sustiva(登録商標))と比較して評価しているランダム化二重盲検ダブルダミー48週間比較研究(研究202)の解析によって、CVC投与が抗線維症効果を有すると示された。
【0304】
炎症のバイオマーカー
探索的解析として、炎症バイオマーカーMCP−1、sCD14、高感度C反応性タンパク質[hs−CRP]、インターロイキン−6[IL−6]、Dダイマー、及びフィブリノーゲン)のレベルを測定した。MCP−1、sCD14、hs−CRP、IL−6、Dダイマー、及びフィブリノーゲンのベースライン値ならびに24週目及び48週目のベースラインからの変化を表22にまとめる。
表22
【表22-1】
【表22-2】
【0305】
CVCでは、CCR2のリガンドであるMCP−1の経時的な増加において投与量反応が観察されたが、EFVアームでは、MCP−1はベースライン値のままであった(図38を参照)。24週目及び48週目において、EFV治療アームとCVC 100mg及びCVC 200mg治療アームとの間の血漿MCP−1のベースラインからの変化の差は統計的に有意であった(p<0.001)(表22を参照)。
【0306】
さらに、両方のCVC治療アームにおいて、sCD14(反復sCD14解析の線形混合モデル解析、下記参照)について、48週間の治療にわたって減少が観察されたが、同じ観察期間中にEFVアームではsCD14について増加が観察された(図39を参照)。可溶性CD14は、単球活性化のバイオマーカーであり、HIV感染患者における大規模長期コホート研究において、罹患率及び死亡率に、ならびに慢性ウイルス性肝炎を有する患者及び重度の肝線維症を有する患者における悪い臨床アウトカムに独立して関連している。
【0307】
sCD14サンプルは元々2つの別々のバッチで解析した:バッチ1は、24週目の一次解析までのサンプルを含み、バッチ2は、32週目及び48週目(研究の終了)のサンプルを含んでいた。ベースラインからのsCD14の変化についての2バッチ解析からの結果を表22に示す。すべて1バッチで解析したアーカイブサンプルの反復解析を、一貫性のために全時点にわたる解析において行った。共変量の影響を調整するために、sCD14のベースラインからの変化に対して線形混合モデル反復測定解析を行った(2013年9月付の解析)。CVC 200mgアームにおけるベースラインから32週目までの変化を除いて、48週間の治療にわたって両方の投与量(100及び200mg)のCVCで観察されたsCD14レベルの減少(LS平均)は、EFVで観察された増加と比較して統計的に有意であった(p<0.05)(表23及び図39を参照)。
表23
【表23】
【0308】
炎症の他のバイオマーカー(hs−CRP、IL−6、Dダイマー)の変化はCVC及びEFV治療群で類似していた。
【0309】
APRI及びFIB−4スコア
さらに、厳格な適格基準(HIV−1感染あり、ALT/ASTグレード≧2、総ビリルビン>ULN、HBV及び/もしくはHCV、活動性もしくは慢性肝疾患、肝硬変またはBMI>35kg/m2なし)に従って顕性肝疾患を有しない被検者を登録したこの研究からのデータの事後解析では、すべてのCVC治療被検者(CVC 100mg及び200mgについてのプールデータ)の≧10%において、AST対血小板比指数(APRI)ならびに標準的な生化学値、血小板、ALT、AST、及び年齢を組み合わせた非侵襲的肝線維化指数スコア(FIB−4)でスコアの改善が経時的に観察された(図40)。EFVアームにおいて、24週目に被検者の5%で、及び48週目に被検者の6%で、APRIスコアがベースラインから1カテゴリー低下した;EFVで治療した被検者にFIB−4スコアが1カテゴリー低下した者はおらず、すべての被検者はベースラインで<1.45のスコアを有していた。
【0310】
上述のように、この研究において、CVCは単球活性化の重要なマーカーであるsCD14に対しても有意な影響を及ぼした。上記と同じ事後解析において、24週目のCVC治療被検者におけるFIB−4スコアの変化とsCD14レベルとの間、ならびに48週目のAPRI及びFIB−4スコアの変化とsCD14レベルとの間に統計的に有意な相関関係が観察された。48週目の結果を図41及び図42に示す。
【0311】
長期(3及び9か月)サル毒性研究における血漿MCP−1レベルが対照よりも約5倍高い1000mg/kg/日の高投与量での顕微鏡評価では、臨床病理パラメータ、または肝臓を含めたいかなる組織においても炎症の指標は見られなかった。
【0312】
実際に、NASHのマウスモデルにおいて観察された100mg/kg/日の投与量でのCVCの抗線維症効果が血漿MCP−1レベルの有意な増加と共に見られた。さらに、有意かつ持続したMCP−1上昇にもかかわらず、48週間にわたってCVC治療被検者で観察されたAPRI及びFIB−4線維化指数スコアの改善が生じた。この研究においても、CVCは、最大48週間CVC 100mg及び200mgで治療された115人の被検者で概して忍容性が良好であった。
【0313】
1及び2年目のNAS及び肝線維症ステージ(NASH CRNシステム及びIshak)の変化が組織学的検査によって評価されることになる。肝臓生検でのコラーゲンの形態計測定量的評価の変化も評価されることになる。CVC治療で観察される長期MCP−1増加が、NASHに起因する肝線維症を有する被検者において潜在的なリスクをもたらすか否かを判定するために、有効性エンドポイントとMCP−1血漿レベルとの間の相関関係が評価されることになる。
【0314】
実施例16:炎症及び免疫機能のバイオマーカー
単球上に見られるケモカイン受容体であるCCR2のリガンドMCP−1の経時的な増加において、CVCでは投与量反応が観察されたが、一方で、EFVアームではMCP−1はベースライン値のままであった。24週目及び48週目において、EFV治療アームとCVC 100mg及びCVC 200mg治療アームとの間の血漿MCP−1のベースラインからの変化の差は統計的に有意であり(p<0.001)、CVCによる強力かつ投与量依存的なCCR2遮断を示唆していた。さらに、両方のCVC治療アームにおいて、単球活性化のバイオマーカーであり、かつ、HIV感染における死亡の独立予測因子であるsCD14について、最初の24週間にわたる減少が観察されたが、一方で、同じ観察期間中にEFVアームではsCD14について増加が観察された。CVC治療被検者では、sCD14レベルは24〜48週目にベースライン値に戻ったが、EFV治療被検者では上昇し続けた。CVCアームとEFVアームとの間のベースラインからの変化の差は、24週目及び48週目において、ならびに反復解析での48週目においても統計的に有意であった(p<0.001)。これらの結果は単球活性化の減少に対するCVCの潜在的な効果を示している。
【0315】
他の炎症バイオマーカー(hs−CRP、フィブリノーゲン、IL−6、及びDダイマー)ならびに免疫機能のバイオマーカー(CD4+T細胞またはCD8+T細胞上の全CD38+発現及び全HLA DR+発現)において、ベースラインからの変化に治療アーム間の有意差は観察されなかった。
【0316】
実施例17:NASHにおける肝臓組織学的改善を評価するためのCVCの研究
CVCが抗炎症及び抗線維症活性を有し、かつ、一般に忍容性が良好であることを示す非臨床及び臨床データに基づいて、Tobiraは、NASHに起因する肝線維症を有する被検者における第2相研究においてCVCを調査することを計画している。この第2相研究では、2型真性糖尿病(T2DM)、全米コレステロール教育プログラム(NCEP)によって定義される代謝症候群(MS)の少なくとも1つの基準を伴う高いボディマス指数(BMI)(>25kg/m2)、架橋線維症、及び/または確定NASH(NAS≧5)をはじめとする、少なくとも1つの寄与因子の存在による疾患進行のリスクにある肝線維症を有する成人被検者において、NASHの治療に対するCVCの有効性を評価することになる。
【0317】
第2相研究は、この重度の病態を治療するCVCの可能性を評価するように、及びNASHに起因する肝線維症を有する患者の重要なアンメットメディカルニーズに対処するように設計される。この研究は、NASHに起因する肝線維症を有する被検者において、プラセボと比較した場合のCVC 150mgの有効性及び安全性を評価するように設計されたランダム化二重盲検プラセボ対照研究である。研究母集団は、疾患進行のリスクにあるNASH(NAS≧4)に起因する肝線維症(NASH臨床研究ネットワーク[CRN]ステージ1〜3)を有する被検者からなる。
【0318】
以下の考慮すべき問題に基づいて、研究652−2−203において、CVC 150mg(DP7製剤)の投与量が、肝線維症を有する被検者におけるNASHの治療について評価されることになる:
【0319】
CVCは、CCR2及びCCR5共受容体のその拮抗作用、ならびに結果として生じる、肝損傷の部位への炎症誘発性単球のリクルートメント、遊走及び浸潤に対する効果に主に起因して、抗炎症及び抗線維症活性の両方をもたらすと予測される。したがって、この研究において用いる投与量を選択するための主な考慮すべき問題は、CCR2及びCCR5のほぼ最大の拮抗作用をもたらすのに十分なCVC血漿曝露を確保することである。
【0320】
CVCによるCCR2及びCCR5拮抗作用は、インビトロ及びエクスビボ研究において、ならびにHIV−1感染症の治療におけるCVCの2つの臨床研究(第2a相研究652−2−201及び第2b相研究652−2−202)において評価されている。それぞれの場合において、CCR2及びCCR5の強力かつ濃度依存的な拮抗作用が観察された。これらの2つの第2相研究において、それぞれ、血漿MCP−1(CCR2のリガンド)濃度のベースラインからの変化、及び血漿HIV−RNA(HIV侵入に必要とされるCCR5共受容体)の変化を測定することによって、CCR2及びCCR5拮抗作用の臨床的証拠が確立された。
【0321】
研究652−2−202において、CVC 100mg及びCVC 200mg(DP6製剤)の投与量が、115人のHIV−1感染被検者で最大48週間(CVC摂取の平均[SE]期間:41.1[1.33]週間)評価され、HIV感染症の治療において有効であり、かつ、忍容性が良好であると判明した。CVC血漿濃度の増加がウイルス学的アウトカムの改善と相関することが示された曝露−反応分析に基づいて、CVC 200mgが、第3相研究におけるHIV感染症の治療に向けた抗ウイルス剤としてのCVCのさらなる評価に適した投与量と考えられた。
【0322】
しかし、CVCを同じ投与条件の下で投与した場合、CVC血漿曝露は、HIV感染被検者と比較してHIVに感染していない健康なボランティア被検者の方が高いようである(研究652−1−111、652−1−110、652−2−202)。研究652 2 203では、肝線維症を有する被検者におけるNASHの治療について、CVC 150mgの投与量が評価されることになる。参照した利用可能なデータに基づくと、この投与量は、治療的に意味のある範囲内にあると考えられ、NASH及び肝線維症を有する被検者において、研究652−2−202において評価されて強力なCCR2及びCCR5拮抗作用をもたらすことが判明したCVC 200mgのものに相当する曝露をもたらすと予測される。
【0323】
合計250人の被検者(治療アーム当たり125人の被検者)が計画されており、全研究治療期間は2年となる。研究母集団には、以下の1寄与因子(複数可)の1つ以上の存在による疾患進行の高いリスクにある、NASH(NAS≧4)及び肝線維症(ステージ1〜3[NASH CRNシステム])を有する被検者が含まれることになる:
【0324】
2型真性糖尿病の文書証拠
【0325】
NCEPによって定義される以下の代謝症候群基準の少なくとも1つを伴う高BMI(>25kg/m2):
【0326】
中心性肥満:ウエスト周囲径≧102cmもしくは40インチ(男性)、≧88cmもしくは35インチ(女性)
【0327】
脂質異常症:TG≧1.7mmol/L(150mg/dL)
【0328】
脂質異常症:HDL−コレステロール<40mg/dL(男性)、<50mg/dL(女性)
【0329】
血圧≧130/85mmHg(もしくは高血圧を治療されている)
【0330】
空腹時血漿グルコース≧6.1mmol/L(110mg/dL);または
【0331】
架橋線維症(NASH CRNステージ3)及び/または確定NASH(NAS≧5)。
【0332】
治療期間は2つある。治療期間1は、1年間の二重盲検ランダム化治療(CVC 150mgまたは対応するプラセボ)からなる。期間1の間、被検者及び調査者は治療の割り付けに対して盲検化されたままとなる。治療期間2の間、最初にCVC 150mgにランダム化された被検者はもう1年間その治療を受け続けることになり、最初にプラセボにランダム化された被検者はプラセボからCVC 150mgにクロスオーバーすることになる。
【0333】
被検者は治験薬を1日1回(QD)2年間受けることになる。研究は2つの治療期間を含む:治療期間1(1年目)及び治療期間2(2年目)。治療の1年目(治療期間1)の間、CVC(n=126)または対応するプラセボ(n=126)を受けるように適格な被検者が割り付けられることになる。治療期間2の間、プラセボ治療被検者の半数(ベースラインでランダム化)はCVCにクロスオーバーし、もう半数は治療の2年目の間プラセボのままとなる。ベースライン(1日目)で、スクリーニング評価に従い、スクリーニングでNAS(4または≧5)及び線維症ステージ(≦2または>2)によって層別された置換ブロックランダム化を用いて、適格な被検者が治療アームに割り付けられることになる。図24に示すように、適格な被検者が2:1:1の比で次の3つの治療アームの1つにランダム化されることになる。
表24
【表24】
【0334】
CVC及び対応するプラセボが二重盲検治験薬として投与されることになる。治験薬(CVC/対応するプラセボ)は毎朝食事と共に服用されるべきである。
【0335】
治療期間2を開始する前に、治療期間1の終了前1か月以内に主要エンドポイント(1年目)生検が実施されなければならない。治験薬での治療の終了前1か月以内に最終(2年目)生検が実施されなければならない。
【0336】
ランダム化及び治療された被検者が20人になり、安全性データがデータモニタリング委員会(DMC)によって審査されるまでは、限られた数の場所で登録に着手することになる。最初のDMC審査は、最初の被検者が登録されてから3か月以内、またはランダム化された被検者が20人になり、かつ、少なくとも10人の被検者が1か月間治療を受けた時のいずれか早い方で行われる。DMCがこれらの最初の10〜20人の被検者の安全性データを評価して、研究が継続可能であると判定したら、研究被検者の残りの登録が引き続き行われる。
【0337】
治療期間1の間、すべての被検者は1か月目の2週目及び4週目に安全性評価を受ける。さらに、最初の20人の被検者は1か月目の1週目及び3週目に安全性評価を受ける。すべての被検者は、2か月目の間には2週間ごとの研究来診評価、3〜6か月目の間、ならびに8、10、及び12か月目には月1回の来診を受ける。治療期間2の間、被検者は、13〜15か月目の間、ならびに18、21及び24か月目に月1回の来診を受ける。
【0338】
主要な評価
研究中:
【0339】
主要エンドポイント(1年目:治療期間1の終了前1か月以内、かつ、治療期間2の開始前)、及び2年目(治療の終了前1か月以内)に、スクリーニングで肝臓生検を採取する。
【0340】
炎症誘発性サイトカイン、炎症のバイオマーカー、肝細胞アポトーシスのバイオマーカー、バクテリアルトランスロケーションのバイオマーカー、空腹時代謝パラメータ、腎臓パラメータ、及びeGFRが、ベースラインならびに3、6、12、15、18、及び24か月目に測定される。
【0341】
利用可能な場所では、非侵襲的肝臓イメージング(例えば、超音波トランジェントエラストグラフィー[TE]、二次元磁気共鳴エラストグラフィー[MRE]、音響放射力インパルス[ARFI])の評価がベースラインならびに6、12、18、及び24か月目に実施される。
【0342】
ベースライン(治療開始直前の投与前サンプル)、0.5、3及び15か月目(投与前及び投与後少なくとも1時間)、ならびに6、12、18及び24か月目(投与前)に、CVCについての薬物動態サンプルを収集する。
【0343】
ベースラインならびに3、6、12、15、18、及び24か月目に、体重、ウエスト周囲径、ヒップ周囲径、腕周囲径、及び上腕三頭筋皮下脂肪厚測定を実施する。スクリーニング及び12か月目に身長測定を実施する。
【0344】
各来診で身体検査及び実験室解析を実施する。ベースラインならびに3、6、12、15、18、及び24か月目にECGを実施する。
【0345】
各来診で有害事象及び併用薬を評価する。
【0346】
スクリーニング来診時に、インフォームドコンセント、ならびにNASH、肝線維症、及び肝臓生検手技についての患者教材を復習する。
【0347】
治験薬を調剤すると同時に、各被検者に治験薬日誌を提供する。日誌は治療中の来診すべて及び早期中止来診時に精査される。
【0348】
研究フォローアップ評価の終了のために、被検者は最後の治療を受けた1か月後に診療所を再訪する。
【0349】
研究の主要有効性目的は、スクリーニング生検に対する1年目の非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)活性スコア(NAS)の肝臓組織学的改善を評価することであり、これは、2カテゴリー以上で少なくとも1ポイント改善され、同時に線維症ステージが悪化していないNASの最低2ポイントの改善によって定義される(悪化は架橋線維症または肝硬変への進行として定義される)。
【0350】
副次的有効性目的には、2年目における同時に線維症ステージが悪化していないNASHの回復の評価(悪化は架橋線維症または肝硬変への進行として定義される);1年目における同時に線維症ステージが悪化していないNASHの回復(悪化は架橋線維症または肝硬変への進行として定義される);肝線維症を有する成人被検者におけるNASHの1年間及び2年間の治療にわたるCVCの安全性及び忍容性;母集団PK解析におけるCVCの血漿PKの特徴;2カテゴリー以上で少なくとも1ポイント改善され、同時に線維症ステージが悪化していないNASの最低2ポイントの改善によって定義される(悪化は架橋線維症または肝硬変への進行として定義される)、2年目におけるNASの肝臓組織学的改善の評価;1年目及び2年目の、肝臓生検上の形態計測定量的コラーゲンの変化によって判定される、肝線維症を有する成人被検者におけるプラセボに対するCVCの有効性の評価;1年目及び2年目の組織学的線維症ステージ(非アルコール性脂肪性肝炎臨床研究ネットワーク[NASH CRN]システム及びIshak)の変化の評価;1年目及び2年目の肝組織線維形成タンパク質(α−平滑筋アクチン[α−SMA])の変化の評価;3、6、12、15、18、及び24か月目における非侵襲的肝線維症マーカー(APRI、FIB−4、ヒアルロン酸、フィブロテスト(FibroSure)、NAFLD線維症スコア[NFS]及び増強肝線維症検査[ELF])のベースラインからの変化の評価;1年目及び2年目における肝細胞アポトーシスのバイオマーカーのベースラインからの変化の評価;3、6、12、15、18、及び24か月目における肝臓パラメータ及び空腹時代謝パラメータのベースラインからの変化の評価;3、6、12、15、18、及び24か月目における体重、BMI、ウエスト周囲径、ウエスト−ヒップ比、腕周囲径、及び上腕三頭筋皮下脂肪厚のベースラインからの変化の評価が含まれる。
【0351】
三次目的には、6、12、18、及び24か月目における非侵襲的肝臓イメージング法(例えば、超音波トランジェントエラストグラフィー[TE]、二次元磁気共鳴エラストグラフィー[MRE]、音響放射力インパルス[ARFI])のベースラインからの変化(利用可能な場所);3、6、12、15、18、及び24か月目における炎症誘発性サイトカイン及び炎症のバイオマーカーのバイオマーカーからの変化;3、6、12、15、18、及び24か月目における推定糸球体濾過量(eGFR)及び腎臓パラメータのベースラインからの変化;ならびに3、6、12、15、18、及び24か月目におけるバクテリアルトランスロケーションに関連するバイオマーカーのベースラインからの変化の評価が含まれる。
【0352】
実施例18:線維症の治療におけるCVC併用療法の評価
この非臨床研究は、線維症の治療における、CVC単独での、またはFXRアゴニストもしくはPPAR−α及びδアゴニストと併用した治療を評価することを目的とする。簡潔に述べると、CVCを単独(22週間、8週間、及び4週間)、またはFXRアゴニストもしくはPPAR−αアゴニストのいずれかと同時に4週間併用のいずれかで投与する。この研究はNASHのCDAAマウスモデルで実施される。図43はこの研究で用いられることになる異なる治療群を示す。
【0353】
主要目的は、溶媒対照またはCVCでの野生型マウスの治療をCCR2−/−マウスと比較することである(標準的な固形飼料対CDAA食、22週間にわたって投与)。
【0354】
副次的目的はCDAA食のみを与えられたマウスにおいて研究される。本発明者らは、CVCの22週間の治療を8週間の治療(14〜22週目)及び4週間の治療(18〜22週目)と比較することになる。さらに、本発明者らは、CVCのみ対FXRアゴニストのみ対PPAR−α及びδのみ対CVC及びFXRアゴニスト(GW4064)対CVC及びPPAR−αアゴニスト(GW7647)で4週間(18〜22週目)の治療を比較することになる。
【0355】
本明細書の詳細な説明は、本発明の様々な態様及び実施形態について記載しているが、特に明記しない限り、それらのいずれも限定することを意図したものではない。実際に、本開示を読んだ当業者であれば、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく行うことのできる変形、変更、及び調整を想定し、特に明記しない限り、それらはすべて本発明の一部であるとみなされるべきである。したがって、本出願人は、添付の特許請求の範囲によってのみ本明細書に記載の発明が限定されることになると想定する。
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【国際調査報告】