(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容される塩およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容される塩を含む固形経口剤形が提供される。
50mgの式Iの化合物をその薬学的に許容される塩として含み、25mgのテノホビルアラフェナミドをその薬学的に許容される塩として含み、かつ200mgのエムトリシタビンを含む、請求項1に記載の固形経口剤形。
(a)式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む第1の層、(b)テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容される塩を含む第2の層を含み、(c)エムトリシタビンまたはその薬学的に許容される塩をさらに含む、請求項16または17に記載の錠剤。
(a)前記第1の層が、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容される塩を実質的に含まず、かつ/または(b)前記第2の層が、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を実質的に含まない、請求項18に記載の錠剤。
(a)前記第1の層が、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含み、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容される塩を実質的に含まず、(b)前記第2の層が、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容される塩およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容される塩を含み、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を実質的に含まない、請求項18または19に記載の錠剤。
式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する層が、ラクトース、クロスポビドンおよび/またはフマル酸ステアリルナトリウムを含有しない、請求項16から20のいずれか1項に記載の錠剤。
式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する層が、クロスカルメロースナトリウムおよび/またはステアリン酸マグネシウムを含む、請求項16から20のいずれか1項に記載の錠剤。
式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する層が、クロスカルメロースナトリウムおよび/またはステアリン酸マグネシウムおよび/または微結晶セルロースを含む、請求項16から20のいずれか1項に記載の錠剤。
6.5〜11.0質量/質量%の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、3.0〜4.5質量/質量%のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容される塩、および25〜30質量/質量%のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容される塩を含み、質量百分率が錠剤全体の比率を表す、請求項16から20のいずれか1項に記載の錠剤。
7.0〜11.0質量/質量%の式Iの化合物のナトリウム塩、3.5〜4.1質量/質量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、および25〜30質量/質量%のエムトリシタビンを含み、質量百分率が錠剤全体の比率を表す、請求項16から20のいずれか1項に記載の錠剤。
前記錠剤が、333mLの絶食時模擬腸液、pH6.5、37℃および100rpmのパドル速度において、USP装置IIを使用して測定すると、約20分間で、少なくとも約50%の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を放出する、先行する請求項のいずれか1項に記載の固形経口剤形または錠剤。
前記錠剤が、約60分間で、少なくとも約70%の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を放出する、先行する請求項のいずれか1項に記載の固形経口剤形または錠剤。
先行する請求項のいずれか1項に記載の錠剤を製造する方法であって、(a)第1の層として式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を圧縮する工程、ならびに(b)第2の層としてテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容される塩およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容される塩を圧縮する工程を含むことを特徴とする、方法。
(a)式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容される塩、およびエムトリシタビンまたはその薬学的に許容される塩を含む錠剤、ならびに(b)乾燥剤を含むキット。
約40mg〜約60mgの式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、約200mg〜約400mgの微結晶セルロース、約1mg〜約40mgのクロスカルメロースナトリウムを含む組成物。
第2の層をさらに含み、前記第2の層が、約150mg〜約250mgのエムトリシタビンまたはその薬学的に許容される塩、約20mg〜約35mgのテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容される塩、約90mg〜約130mgの微結晶セルロース、約20mg〜約35mgのクロスカルメロースナトリウム、および約1mg〜約7mgのステアリン酸マグネシウムを含む、請求項41に記載の組成物。
約6.4質量/質量%〜約8.5質量/質量%の式IIの化合物、約25質量/質量%〜約32質量/質量%のエムトリシタビン、約3.5質量/質量%〜約4.5質量/質量%のテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、約46質量/質量%〜約57質量/質量%の微結晶セルロース、約5.9質量/質量%〜約8.5質量/質量%のクロスカルメロースナトリウム、および約1.0〜2.0質量/質量%のステアリン酸マグネシウムを含む錠剤組成物。
50mgの式Iの化合物(例えば、式IIの化合物)、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、単回用量の投与後の平均AUClastが、式Iの化合物について約81700時・ng/mL〜約140000時・ng/mLであり、エムトリシタビンについて約8100時・ng/mL〜約13600時・ng/mLであり、テノホビルアラフェナミドについて約165時・ng/mL〜約400時・ng/mLであることを特徴とする、組成物。
50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUClastが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUClastの約60%内である、組成物。
50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUCinfが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUCinfの約60%以内であることを特徴とする、組成物。
【発明を実施するための形態】
【0014】
通常、本明細書において開示されている経口剤形は、以下の3つの活性医薬成分:式Iの化合物(または薬学的に許容されるその塩)、テノホビルアラフェナミド(または薬学的に許容されるその塩)およびエムトリシタビン(または薬学的に許容されるその塩)を含む。
(2R,5S,13aR)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−N−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサアゼピン−10−カルボキサミド
(2R,5S,13aR)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−N−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサアゼピン−10−カルボキサミド(式I)は、野生型HIV−1に対してインビトロ活性を有する強力なHIVインテグラーゼ阻害剤である。それは、以下の式を有する(WO2014/100323を参照されたい):
【化3】
【0015】
そのIUPAC名は、(2R,5S,13aR)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−N−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサアゼピン−10−カルボキサミドである。そのCAS名は、2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサアゼピン−10−カルボキサミド、2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−N−[(2,4,6−トリフルオロフェニル)メチル]−、(2R,5S,13aR)である。式Iの化合物は、pKa8.6を有する弱酸である。式Iの化合物の遊離酸の水溶解度は、pH依存性であり、溶解度は、pHの向上に伴って向上し、pH10.5において最大となる。式Iの化合物の化学的安定性もpH依存性であり、pH4において安定性は最大となる。式Iの化合物は、溶解度が低く、浸透性が高いBCSクラス2の化合物と考えられる。
【0016】
本明細書に開示されている固形経口剤形は、通常、薬学的に許容される塩の形態の式Iの化合物を含む。式Iの化合物は、溶媒和物形態または非溶媒和物形態の経口剤形内に存在することができ、「式I」と言う場合、これらの形態をどちらも含む。通常、式Iの化合物は、以下の式を有する、式IIの化合物の形態にある:
【化4】
ある種の特定の実施形態では、例えば、約52mgの式IIの化合物として、50mgの式Iの化合物を含有する固形経口剤形が提供される。
ある種の特定の実施形態では、例えば、約78mgの式IIの化合物として、75mgの式Iの化合物を含有する固形経口剤形が提供される。
【0017】
本明細書で使用する場合、ならびに式Iの化合物の特定の薬学的に許容される塩および/または溶媒和物(例えば、式II)を具体的に言及しない場合、例えば、ミリグラムで、または質量%として表されているかどうかにかかわらず、いずれの投与量も、式Iの化合物の遊離酸の量、すなわち以下:
【化5】
の量を指すものとして見なされるべきである。
【0018】
したがって、例えば、「50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩および/もしくは溶媒和物」と言う場合、式Iの化合物の遊離酸50mgと同じ量の式Iの化合物をもたらす、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩および/もしくは溶媒和物の量を意味する。
したがって、例えば、「75mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩および/もしくは溶媒和物」と言う場合、式Iの化合物の遊離酸75mgと同じ量の式Iの化合物をもたらす、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩および/もしくは溶媒和物の量を意味する。
【0019】
テノホビルアラフェナミド
テノホビルアラフェナミド(TAF)は、以下の式を有するヌクレオチド逆転写酵素阻害剤である(WO02/08241A2を参照されたい):
【化6】
【0020】
そのIUPAC名は、(S)−イソプロピル−2−(((S)−((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)プロパン−2−イル)オキシ)メチル)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートである。それはまた、{9−[(R)−2−[[(S)−[[(S)−1−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]−メトキシ]プロピル]アデニン}とも呼ばれる。テノホビルアラフェナミドは、pKa3.9を有する弱塩基である。その溶解度は、pHの向上に伴って向上し、約pH3において溶解度が最大となる。テノホビルアラフェナミドは、平衡溶解度が高く、見かけ浸透性が低いBCSクラス3の化合物と考えられる。
【0021】
本明細書に開示されている固形経口剤形は、通常、薬学的に許容される塩の形態のテノホビルアラフェナミドを含む。テノホビルアラフェナミドは、溶媒和物形態または非溶媒和物形態の経口剤形内に存在することができ、「テノホビルアラフェナミド」と言う場合、これらの形態をどちらも含む。特に、テノホビルアラフェナミドは、一フマル酸塩またはヘミフマル酸塩などのフマル酸塩を伴うことがある。通常、テノホビルアラフェナミドは、以下の式を有するテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の形態にある(WO2013/025788A1を参照されたい):
【化7】
【0022】
本明細書で使用する場合、ならびにテノホビルアラフェナミドの特定の薬学的に許容される塩および/または溶媒和物を具体的に言及しない場合、例えば、ミリグラムで、または質量%として表されているかどうかにかかわらず、いずれの投与量も、テノホビルアラフェナミドの量、すなわち以下:
【化8】
の量を指すものとして見なされるべきである。
【0023】
したがって、例えば、「25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩および/もしくは溶媒和物」と言う場合、テノホビルアラフェナミド遊離塩基25mgと同じ量のテノホビルアラフェナミドをもたらす、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩および/もしくは溶媒和物の量を意味する。
本明細書において提供されている固形経口剤形中のテノホビルアラフェナミドの量は、一般に、10mg〜30mgの間、例えば、20mg〜30mgの範囲、より典型的には24mg〜28mgの間である。ある種の特定の実施形態では、例えば、約28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩として、25mgのテノホビルアラフェナミドを含有する固形経口剤形が提供される。
【0024】
エムトリシタビン
エムトリシタビン(FTC)は、以下の式を有するヌクレオシド逆転写酵素阻害剤である:
【化9】
【0025】
そのIUPAC名は、4−アミノ−5−フルオロ−1−[(2R,5S)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル]−1,2−ジヒドロピリミジン−2−オンである。それはまた、5−フルオロ−1−[(2R,5S)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル]シトシンとも呼ばれる。それは、EMTRIVA(登録商標)(エムトリシタビン200mg)、TRUVADA(登録商標)(エムトリシタビン200mg、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩300mg)、ATRIPLA(登録商標)(エムトリシタビン200mg、エファビレンズ600mg、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩300mg)およびSTRIBILD(登録商標)(エムトリシタビン200mg、コビシスタット150mg、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩300mg、エルビテグラビル150mg)およびCOMPLERA(登録商標)/EVIPLERA(登録商標)(リルピビリン25mg、エムトリシタビン200mg、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩300mg)の一部として現在、承認されている。
エムトリシタビンは、pKa2.65を示す、遊離塩基である。溶解度は、酸性条件下で向上する。それは、溶解度が高く、浸透性が高いBCSクラス1の化合物と考えられる。
【0026】
本明細書に開示されている固形経口剤形は、エムトリシタビンを含み、薬学的に許容される塩として含んでもよい。エムトリシタビンは、溶媒和物形態または非溶媒和物形態の経口剤形内に存在することができ、「エムトリシタビン」と言う場合、これらの形態をどちらも含む。通常、エムトリシタビンは、遊離塩基として存在する。
【0027】
本明細書で使用する場合、ならびにエムトリシタビンの特定の薬学的に許容される塩および/または溶媒和物を具体的に言及しない場合、例えば、ミリグラムで、または質量%として表されているかどうかにかかわらず、いずれの投与量も、エムトリシタビンの量、すなわち以下:
【化10】
の量を指すものとして見なされるべきである。
したがって、例えば、「200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩および/もしくは溶媒和物」と言う場合、エムトリシタビン遊離塩基200mgと同じ量のエムトリシタビンをもたらす、エムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩および/もしくは溶媒和物の量を意味する。
本明細書において提供されている固形経口剤形中のエムトリシタビンの量は、一般に、180mg〜220mgの間、例えば190mg〜210mgの間、より典型的には195mg〜205mgの間である。ある種の特定の実施形態では、200mgのエムトリシタビンを含有する固形経口剤形が提供される。
【0028】
固形経口剤形
本発明者らは、薬理学的に有効かつ物理的に許容可能な、安定な単一剤形中に、式Iの化合物、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを製剤化することに成功した。本明細書に開示されている固形経口剤形は、ヒト対象における医薬品使用を意図している。したがって、それらは、治療的に有効であることに加えて、ヒトへの経口投与に適したサイズおよび質量(例えば、それらは、約1.5g未満、例えば約1.0g未満の総質量を有するべきである)でなければならない。
【0029】
ある種の実施形態では、約1.0g未満、例えば、約800mg未満、または約750mg未満にさえなる、または700mg未満にさえなる総質量を有する固形経口剤形中の3つの活性成分からなる製剤が提供される。これは、TRIUMEQ(登録商標)(600mgのアバカビルに等しいアバカビル硫酸塩、50mgのドルテグラビルに等しいドルテグラビルナトリウム、および300mgのラミブジン)が、各錠剤中の活性成分の質量に対して(薬学的に許容される錠剤を生成するために必要な賦形剤の量による)、約1000mgを超える総質量を有することを考慮すると、有利である。比較的小さな剤形(特に、錠剤)の供給は、患者が飲み込むのに一層の負荷となるより大きな剤形と比べて、患者の利便性、すなわちコンプライアンスを向上することを予期することができるので、臨床的な利点を示す。具体的な実施形態では、本明細書に開示されている固形経口剤形は、700〜750mgの間の総質量を有する。ある種の実施形態では、本明細書に開示されている固形経口剤形は、700〜725mgの間、または約700mgの総質量を有する。具体的な実施形態では、本明細書に開示されている固形経口剤形は、約50〜約750mgの間、約100〜約750mgの間、約200〜約750mgの間、または約250〜約750mgの間の総質量を有する。現在開示されている剤形は、500mg未満の賦形剤、または450mg未満の賦形剤などの、600mg未満の賦形剤を含むことができる。例えば、本明細書に開示されている固形経口剤形は、300〜600mgの間の賦形剤、または350mg〜500mgの間の賦形剤、または400mg〜500mgの間の賦形剤を含むことができる。最も典型的には、本明細書に開示されている固形経口剤形は、425mg〜450mgの間の賦形剤を含む。このような実施形態では、本剤形は、活性成分として、(a)50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、(b)25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩、および(c)200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を含む。ある種の実施形態では、本剤形は、活性成分として、(a)52mgの式IIの化合物、(b)28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、および(c)200mgのエムトリシタビンを含む。一部の実施形態では、本剤形は、活性成分として、(a)75mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、(b)25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩、および(c)200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を含む。ある種の実施形態では、本剤形は、活性成分として、(a)78mgの式IIの化合物、(b)28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、および(c)200mgのエムトリシタビンを含む。
【0030】
本明細書に開示されている固形経口剤形は、通常、固定用量配合錠の形態にあるであろう。これは、本発明者らが、固定用量配合錠の使用は、曲線下面積(ACU)およびC
maxによって測定される、活性成分の薬物動態特性、特に式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩の全曝露を最適化する一助となり得ることを見出したことによる。特定の実施形態では、本明細書に開示されている固形経口剤形は、多層錠剤の形態にある。ある種の実施形態では、固定用量組合せ物、例えば多層錠剤の使用は、剤形内の1つまたは複数の活性成分の溶出プロファイルに影響を及ぼすことがあり、したがって、該剤形のインビボでの薬物動態に影響を及ぼす可能性が高い。特に、式Iの化合物(例えば、式IIとして)の溶出は、該錠剤が、テノホビルアラフェナミドおよびエムトリシタビンを含む固定用量組合せ製剤中に存在しているかどうか、ならびに/または該錠剤が、単層もしくは多層錠剤であるかどうかに応じて様々になることが観察されている。多層錠剤製剤中のある種の賦形剤の存在(または、他のものが存在していない)により、該剤形中の1つまたは複数の活性成分の溶出プロファイルが影響を受けることも観察されている。特定の薬物動態パラメータ、例えば薬物動態パラメータを有する錠剤の供給は、本開示によりもたらされる特定の利点である。
【0031】
一実施形態では、(a)式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、(b)テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩、および(c)エムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を含む多層錠剤が提供される。通常、層はそれぞれ、(a)、(b)および(c)のうちの少なくとも1つを含有する。例えば、ある種の実施形態では、本錠剤は、(a)式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を含む第1の層、および(b)テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含む第2の層を含み、(c)エムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩をさらに含む。このような実施形態では、通常、第1の層は、テノホビルアラフェナミドもしくは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まず、かつ/または第2の層は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まない。一実施形態では、第1の層は、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まず(例えば、第1の層は、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を1質量%未満しか含有しない)、第2の層は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を実質的に含まない(例えば、第2の層は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を1質量%未満しか含有しない)。
【0032】
特定の実施形態は、第1の層が式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩(例えば、式II)を含み、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まず(例えば、第1の層は、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を1質量%未満しか含有しない)、第2の層が、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を含み、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を実質的に含まない(例えば、第2の層は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を1質量%未満しか含有しない)錠剤を提供する。特定の実施形態では、第1の層が、52mgの式IIの化合物を含み、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まず(例えば、第1の層は、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を1質量%未満しか含有しない)、第2の層が、28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩および200mgのエムトリシタビンを含み、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を実質的に含まない(例えば、第2の層は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を1質量%未満しか含有しない)錠剤であって、第1の層が、約325mgなど約400mg未満の総質量を有し、第2の層が、約380mgなど約450mg未満の総質量を有する、錠剤が提供される。一実施形態では、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する層は、ラクトースおよび/またはデンプンを含有しない。一実施形態では、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を含有する層は、ラクトース、クロスポビドンおよび/またはフマル酸ステアリルナトリウムを含有しない。
【0033】
特定の実施形態は、第1の層が式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩(例えば、式II)を含み、エムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まず(例えば、第1の層は、エムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を1質量%未満しか含有しない)、(b)第2の層が、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を含み、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を実質的に含まない(例えば、第2の層は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を1質量%未満しか含有しない)錠剤を提供する。特定の実施形態では、(a)第1の層が、52mgの式IIの化合物を含み、エムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まず(例えば、第1の層は、エムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を1質量%未満しか含有しない)、(b)第2の層が、28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩および200mgのエムトリシタビンを含み、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を実質的に含まない(例えば、第2の層は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を1質量%未満しか含有しない)錠剤であって、第1の層が、約325mgなど約400mg未満の総質量を有し、第2の層が、約380mgなど約450mg未満の総質量を有する、錠剤が提供される。一実施形態では、エムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を含有する層は、ラクトースおよび/またはデンプンを含有しない。一実施形態では、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を含有する層は、ラクトース、クロスポビドンおよび/またはフマル酸ステアリルナトリウムを含有しない。
【0034】
特定の実施形態は、第1の層が式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩(例えば、式II)を含み、テノホビルアラフェナミドおよびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるそれらの塩を実質的に含まず(例えば、第1の層は、テノホビルアラフェナミドおよびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるそれらの塩をそれぞれ1質量%未満しか含有しない)、(b)第2の層が、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を含み、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を実質的に含まない(例えば、第2の層は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を1質量%未満しか含有しない)錠剤を提供する。特定の実施形態では、(a)第1の層が、52mgの式IIの化合物を含み、テノホビルアラフェナミドおよびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるそれらの塩を実質的に含まず(例えば、第1の層は、テノホビルアラフェナミドおよびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるそれらの塩を1質量%未満しか含有しない)、(b)第2の層が、28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩および200mgのエムトリシタビンを含み、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を実質的に含まない(例えば、第2の層は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を1質量%未満しか含有しない)錠剤であって、第1の層が、約325mgなど約400mg未満の総質量を有し、第2の層が、約380mgなど約450mg未満の総質量を有する、錠剤が提供される。一実施形態では、テノホビルアラフェナミドおよびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるそれらの塩を含有する層は、ラクトースおよび/またはデンプンを含有しない。一実施形態では、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を含有する層は、ラクトース、クロスポビドンおよび/またはフマル酸ステアリルナトリウムを含有しない。
【0035】
特定の実施形態では、(a)第1の層が、78mgの式IIの化合物を含み、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まず(例えば、第1の層は、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を1質量%未満しか含有しない)、(b)第2の層が、28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩および200mgのエムトリシタビンを含み、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を実質的に含まない(例えば、第2の層は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を1質量%未満しか含有しない)錠剤であって、第1の層が、約355mgなど約400mg未満の総質量を有し、第2の層が、約380mgなど約450mg未満の総質量を有する、錠剤が提供される。一実施形態では、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する層は、ラクトースおよび/またはデンプンを含有しない。
【0036】
別段の指定がない限り、用語「第1の層」、「第2の層」、「第3の層」などは、本明細書に開示されている多層錠剤製剤の特定の順序または方向を指定するものではない。むしろ、これらの用語は、互いに組成物の区域を区別し、各区域または区画の特徴または構成成分を指定するために使用される。例として、一実施形態では、第1の層が、52mgの式IIの化合物を含み、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まず(例えば、第1の層は、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を1質量%未満しか含有しない)、(b)第2の層が、28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩および200mgのエムトリシタビンを含み、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を実質的に含まない(例えば、第2の層は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を1質量%未満しか含有しない)錠剤であって、第1の層が、約325mgなど約400mg未満の総質量を有し、第2の層が、約380mgなど約450mg未満の総質量を有する、錠剤が提供される。第1の層は、最初に合成されてもよく、または2番目に合成されてもよい。第1の層は、下部に存在していてもよく、または上部に存在していてもよく、または側面に存在していてもよい。用語「第1の層」は、順序および方向に関して限定するものではない。
【0037】
本明細書に開示されている錠剤は、通常、即時放出錠剤である。一実施形態では、333mLの絶食時模擬腸液中、pH6.5、37℃および100rpmのパドル速度でUSP装置IIを使用して測定すると、約20分間で、少なくとも50%の式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を放出する錠剤が提供される。ある種の実施形態では、本明細書に開示されている錠剤は、333mLの50mM絶食時模擬腸液中、37℃および100rpmのパドル速度で、USP装置IIを使用して測定すると、20分間で、少なくとも60%の式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を放出する。一部の実施形態では、333mLの絶食時模擬腸液中、37℃および100rpmのパドル速度で、USP装置IIを使用して測定すると、60分間で、少なくとも70%の式Iの化合物を放出する錠剤が提供される。
【0038】
本明細書に開示されている錠剤は、一般に、14〜20kPの範囲の硬度を有し、ある種の特定の実施形態では、17kPの硬度を有するであろう。硬度は、USP<1217>(例えば、TBH220、ERWEKA GmbH、Heusenstamm(ドイツ)硬度試験器を使用)に従って操作して、錠剤が割れるまで、一定の負荷速度でアンビル(anvil)を駆動して錠剤を圧縮することにより都合よく評価することができる。
本明細書に開示されている錠剤は、一般に、<1質量%の摩損度を有するであろう。摩損度は、USP<1216>に準拠して評価することができる。
本明細書において提供されている錠剤のコアは、14〜20kPの間の硬度および<1質量%の摩損度を有することができる。
【0039】
錠剤は、通常、1つまたは複数の賦形剤を含むであろう。賦形剤は、製剤の他の成分と適合し、かつそのレシピエントに生理的に無害であるべきである。好適な賦形剤の例は、錠剤製剤の当業者に周知であり、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients (eds. Rowe, Sheskey & Quinn), 6th edition 2009に見出すことができる。本明細書で使用する場合、用語「賦形剤」は、とりわけ、塩基化剤、可溶化剤、流動促進剤、充填剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、保存剤、表面活性剤、分散剤などを指すことが意図されている。この用語はまた、甘味剤、着香剤、着色剤、保存剤およびコーティング剤などの作用剤を含む。このような構成成分は、一般に、錠剤内の混合物中に存在することになろう。
【0040】
可溶化剤の例には、以下に限定されないが、ラウリル硫酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、ポリソルベート(ポリソルベート20または80など)、ポロキサマー(ポロキサマー188または207など)およびマクロゴールなどのイオン性界面活性剤(イオン性および非イオン性界面活性剤のどちらも含む)が含まれる。特定の実施形態では、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を含む錠剤は、ポリソルベート、特に、ポリソルベート20を含む。ある種の特定の実施形態では、本明細書において開示されている錠剤中のポリソルベート20の量は、約1mg未満または約0.5mg未満など、約5mg未満である。
【0041】
滑沢剤、流動促進剤および流動助剤の例には、以下に限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、水素化植物油、パルミトステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、フマル酸ステアリルナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素およびタルクが含まれる。錠剤中の滑沢剤の量は、一般に、約0.5〜5質量%の間である。ある種の実施形態では、錠剤中の滑沢剤の量は、約1.5質量%である。ある種の特定の実施形態では、本明細書に開示されている錠剤は、ステアリン酸マグネシウムを含む。ある種の他の実施形態では、本明細書に開示されている錠剤は、フマル酸ステアリルナトリウムを含まない。ある種の実施形態では、本錠剤は、約10mg未満のステアリン酸マグネシウム、または約7.5mg未満のステアリン酸マグネシウムを含む。ある種の実施形態では、本錠剤は、約9mg未満のステアリン酸マグネシウム、または約8.75mg未満のステアリン酸マグネシウムを含む。ある種の実施形態では、錠剤は、約5mg〜約10mgのステアリン酸マグネシウム、または約6mg〜約9mgのステアリン酸マグネシウム、または約7mg〜約9mgのステアリン酸マグネシウム、または約8mg〜約9mgのステアリン酸マグネシウム、または約8.1mg、約8.2mg、約8.3mg、約8.4mg、約8.5mg、約8.6mg、約8.7mg、約8.8mg、または約8.9mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0042】
崩壊剤の例には、以下に限定されないが、デンプン、セルロース、架橋PVP(クロスポビドン)、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムなどが含まれる。ある種の実施形態では、本明細書に開示されている錠剤は、クロスカルメロースナトリウムを含む。ある種の他の実施形態では、本明細書に開示されている錠剤は、クロスポビドンを含まない。ある種の実施形態では、本錠剤は、約50mg未満のクロスカルメロースナトリウム、または約25mg未満のクロスカルメロースナトリウムを含む。ある種の実施形態では、本錠剤は、約30mg〜約60mgのクロスカルメロースナトリウム、または約40mg〜約60mgのクロスカルメロースナトリウム、または約45mg〜約55mgのクロスカルメロースナトリウム、または約45mg、約46mg、約47mg、約48mg、約49mg、約50mg、約51mg、約52mg、または約53mg、または約54mg、または約55mgのクロスカルメロースナトリウムを含む。
【0043】
充填剤(増量剤(bulking agent)または希釈剤としても知られている)の例には、以下に限定されないが、デンプン、マルトデキストリン、ポリオール(ラクトースなどの)およびセルロースが含まれる。ある種の実施形態では、本明細書において提供されている錠剤は、微結晶セルロースとすることができる。ある種の他の実施形態では、本明細書において提供されている錠剤は、ラクトースを含有しない。ある種の実施形態では、本明細書において提供されている錠剤は、約300mg未満の微結晶セルロース、特に約250mg未満の微結晶セルロース、および/または約225mg未満の微結晶セルロースを含む。ある種の実施形態では、本明細書において提供されている錠剤は、約500mg未満の微結晶セルロース、または約450mg未満の微結晶セルロース、または約400mg未満の微結晶セルロース、または約375mg未満の微結晶セルロースを含む。ある種の実施形態では、本明細書において提供されている錠剤は、約250mg〜約500mgの微結晶セルロース、または約300mg〜約450mgの微結晶セルロース、または約300mg〜約400mgの微結晶セルロース、または約325mg〜約375mgの微結晶セルロース、または約350mg〜約370mgの微結晶セルロースを含む。ある種の実施形態では、本明細書において提供されている錠剤は、約300mg、または約310mg、または約320mg、または約330mg、または約340mg、または約350mg、または約360mg、または約370mg、または約380mg、または約390mg、または約400mgの微結晶セルロースを含む。
結合剤の例には、以下に限定されないが、架橋PVP、HPMC、スクロース、デンプンなどが含まれる。
【0044】
ある種の実施形態では、本明細書において提供されている錠剤は、コーティングされていない。ある種の他の実施形態では、本明細書において提供されている錠剤は、コーティングされている(この場合、この錠剤はコーティング剤を含む)。コーティングされていない錠剤を使用してもよいが、臨床現場では、コーティング錠剤を供給することがより普通のことであり、この場合、従来の非腸溶コーティング剤が使用されてもよい。フィルムコーティング剤は、当分野において公知であり、親水性ポリマー物質、以下に限定されないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリ(ビニルアルコール−co−エチレングリコール)および他の水溶性ポリマーなどの多糖物質から構成することができる。ある種の実施形態では、本明細書において開示されている実施形態のフィルムコーティング剤中に含まれる水溶性物質は、単一のポリマー物質を含むが、ある種の他の実施形態では、1種超のポリマーの混合物を使用して形成される。ある種の実施形態では、コーティング剤は、黄色または茶色である。好適なコーティング剤には、以下に限定されないが、ポリビニルアルコール、例えば、「Opadry(登録商標)II」(これは、部分加水分解されているPVA、二酸化チタン、マクロゴール3350(PEG)およびタルクを含み、酸化鉄(例えば、酸化鉄レッドまたは酸化鉄ブラック)またはインジゴカルミンまたは酸化鉄イエローまたはFD&Cイエロー#6などの着色剤を含んでもよい)を含むものなどの、ポリマーフィルムコーティング剤が含まれる。コーティング剤の量は、一般に、コア質量の約2〜4%の間、およびある種の特定の実施形態では、約3%である。特に具体的に明記しない限り、本剤形がコーティングされている場合、錠剤の質量%を言う場合、全錠剤(すなわち、コーティング剤を含む)の質量%を意味することを理解されたい。
【0045】
薬物動態
ある種の実施形態では、本明細書に開示されている医薬組成物は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩に関して、全身曝露(AUC
inf、C
max)が増加する。特定の実施形態では、本明細書に開示されている多層錠剤製剤は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩の単剤錠剤製剤と比べて、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩に関して、全身曝露が増加する。ある種の実施形態では、本多層錠剤製剤は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩の単剤錠剤製剤と比べて、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩の全身曝露が少なくとも約20%増加する。一部の実施形態では、全身曝露の増加は、少なくとも約25%または少なくとも約30%である。一部の実施形態では、全身曝露の増加は、約30%である。
【0046】
C
max
C
maxは、観察される、薬物の血漿/血清中濃度の最大値である。
特定の実施形態では、75mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、絶食患者において、約5300〜約8900ng/mL、例えば、約7100ng/mLの式Iの化合物の血漿中C
maxをもたらす。
ある種の特定の実施形態では、75mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、絶食患者において、約1700〜約2800ng/mL、例えば、約2300ng/mLのエムトリシタビンの血漿中C
maxをもたらす。
【0047】
ある種の特定の実施形態では、75mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、絶食患者において、約190〜約320ng/mL、例えば、約250ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿中C
maxをもたらす。
ある種の特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、対象が摂食していたかまたは絶食していたかどうかに関わりなく、約4200ng/mL〜約8000ng/mLの式Iの化合物の血漿中C
maxをもたらす。
【0048】
特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、絶食患者において、約4200ng/mL〜約6500ng/mL、または約4700ng/mL〜約5300ng/mL、または約4700ng/mL〜約5800ng/mL、または約5000ng/mL〜約5500ng/mLの式Iの化合物の血漿中C
maxをもたらす。
【0049】
特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、摂食患者において、約4500ng/mL〜約8000ng/mL、または約4800ng/mL〜約7900ng/mL、または約5300ng/mL〜約6900ng/mL、または約5600ng/mL〜約6600ng/mLの式Iの化合物の血漿中C
maxをもたらす。
ある種の特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、対象が摂食していたかまたは絶食していたかどうかに関わりなく、約1770ng/mL〜約2800ng/mLのエムトリシタビンの血漿中C
maxをもたらす。
ある種の特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、絶食患者において、約1770ng/mL〜約2800ng/mL、または約2000ng/mL〜約2600ng/mL、または約2000ng/mL〜約2500ng/mL、または約2100ng/mL〜約2400ng/mLのエムトリシタビンの血漿中C
maxをもたらす。
【0050】
特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、摂食患者において、約1000ng/mL〜約3000ng/mL、または約1500ng/mL〜約2000ng/m、約1700ng/mL〜約2200ng/mL L、または約1800ng/mL〜約2100ng/mLのエムトリシタビンの血漿中C
maxをもたらす。
ある種の特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、対象が摂食していたかまたは絶食していたかどうかに関わりなく、約185ng/mL〜約315ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿中C
maxをもたらす。
【0051】
ある種の特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、絶食患者において、約185ng/mL〜約315ng/mL、または約200ng/mL〜約300ng/mL、または約210ng/mL〜約290ng/mL、または約220ng/mL〜約275ng/mL、または約230ng/mL〜約265ng/mL、または約240ng/mL〜約260ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿中C
maxをもたらす。
【0052】
特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、摂食患者において、約150ng/mL〜約350ng/mL、または約185ng/mL〜約300ng/m、約210ng/mL〜約280ng/mL L、または約250ng/mL〜約265ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿中C
maxをもたらす。
【0053】
AUC
inf
AUC
infは、AUC
0-last+(C
last/λ
z)として計算される、無限時間に外挿した、血漿/血清中濃度対時間曲線下面積である。
ある種の特定の実施形態では、75mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、摂食患者において、約117000〜約196000時・ng/mL、例えば約157000時・ng/mLの式Iの化合物の血漿中AUC
infをもたらす。
ある種の特定の実施形態では、75mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、摂食患者において、約8700〜約14500時・ng/mL、例えば、約2300時・ng/mLのエムトリシタビンの血漿中AUC
infをもたらす。
【0054】
ある種の特定の実施形態では、75mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、摂食患者において、約150〜260時・ng/mL、例えば、約210時・ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿中AUC
infをもたらす。
ある種の特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、対象が摂食していたかまたは絶食していたかどうかに関わりなく、約84450時・ng/mL〜約141000時・ng/mLの式Iの化合物の血漿中AUC
infをもたらす。
【0055】
ある種の特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、絶食患者において、約84450時・ng/mL〜約141000時・ng/mL、または約90000時・ng/mL〜約135000時・ng/mL、または約95000時・ng/mL〜約130000時・ng/mL、または約100000時・ng/mL〜約125000時・ng/mL、または約110000時・ng/mL〜約120000時・ng/mLの式Iの化合物の血漿中AUC
infをもたらす。
【0056】
特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、摂食患者において、約100000時・ng/mL〜約200000ng/mL、または約112000時・ng/mL〜約175000ng/mL、または約126000時・ng/mL〜約155000ng/mL、または約133000時・ng/mL〜約147000ng/mLの式Iの化合物の血漿中AUC
infをもたらす。
ある種の特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、対象が摂食していたかまたは絶食していたかどうかに関わりなく、約8100時・ng/mL〜約13600時・ng/mLのエムトリシタビンの血漿中AUC
infをもたらす。
【0057】
ある種の特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、絶食患者において、約8100時・ng/mL〜約13600時・ng/mL、または約8700時・ng/mL〜約13000時・ng/mL、または約92000時・ng/mL〜約12500時・ng/mL、または約9700時・ng/mL〜約12000時・ng/mL、または約10000時・ng/mL〜約11400時・ng/mLのエムトリシタビンの血漿中AUC
infをもたらす。
特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、摂食患者において、約7500時・ng/mL〜約15000ng/mL、または約8300時・ng/mL〜約14000ng/mL、または約9500時・ng/mL〜約12000ng/mL、または約9900時・ng/mL〜約11600ng/mLのエムトリシタビンの血漿中AUC
infをもたらす。
【0058】
ある種の特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、対象が摂食していたかまたは絶食していたかどうかに関わりなく、約200時・ng/mL〜約500時・ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿中AUC
infをもたらす。
ある種の特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、絶食患者において、約200時・ng/mL〜約265時・ng/mL、または約200時・ng/mL〜約300時・ng/mL、または約210時・ng/mL〜約290時・ng/mL、または約220時・ng/mL〜約270時・ng/mL、または約230時・ng/mL〜約265時・ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿中AUC
infをもたらす。
【0059】
特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、摂食患者において、約200時・ng/mL〜約500ng/mL、または約230時・ng/mL〜約400ng/mL、または約260時・ng/mL〜約350ng/mL、または約275時・ng/mL〜約370ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿中AUC
infをもたらす。
【0060】
AUC
last
AUC
lastは、時間0から最後の定量可能な濃度までの血漿/血清中濃度対時間曲線下面積である。
ある種の特定の実施形態では、75mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、摂食患者において、約114000〜約190000時・ng/mL、例えば、約152000時・ng/mLの式Iの化合物の血漿中AUC
lastをもたらす。
ある種の特定の実施形態では、75mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、摂食患者において、約8600〜約14000時・ng/mL、例えば、約11000時・ng/mLのエムトリシタビンの血漿中AUC
lastをもたらす。
ある種の特定の実施形態では、75mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、摂食患者において、約150〜260時・ng/mL、例えば、約210時・ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿中AUC
lastをもたらす。
【0061】
ある種の特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、対象が摂食していたかまたは絶食していたかどうかに関わりなく、約81700時・ng/mL〜約140000時・ng/mLの式Iの化合物の血漿中AUC
lastをもたらす。
【0062】
ある種の特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、絶食患者において、約81700時・ng/mL〜約140000時・ng/mL、約87000時・ng/mL〜約131000時・ng/mL、約92000時・ng/mL〜約130000時・ng/mL、約98100時・ng/mL〜約120000時・ng/mL、約104000時・ng/mL〜約115000時・ng/mLの式Iの化合物の血漿中AUC
lastをもたらす。
特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、摂食患者において、約100000時・ng/mL〜約200000ng/mL、または約108000時・ng/mL〜約170000ng/mL、または約122000時・ng/mL〜約150000ng/mL、または約128000時・ng/mL〜約142000ng/mLの式Iの化合物の血漿中AUC
lastをもたらす。
【0063】
ある種の特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、対象が摂食していたかまたは絶食していたかどうかに関わりなく、約7500時・ng/mL〜約15000時・ng/mLのエムトリシタビンの血漿中AUC
lastをもたらす。
ある種の特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、絶食患者において、約8000時・ng/mL〜約13400時・ng/mL、約8500時・ng/mL〜約12800時・ng/mL、約9000時・ng/mL〜約12300時・ng/mL、約9500時・ng/mL〜約11000時・ng/mL、約10000時・ng/mL〜約11200時・ng/mLのエムトリシタビンの血漿中AUC
lastをもたらす。
【0064】
特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、摂食患者において、約7500時・ng/mL〜約15000ng/mL、または約8000時・ng/mL〜約14000ng/mL、または約9000時・ng/mL〜約12000ng/mL、または約9700時・ng/mL〜約11300ng/mLのエムトリシタビンの血漿中AUC
lastをもたらす。
【0065】
ある種の特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、対象が摂食していたかまたは絶食していたかどうかに関わりなく、約165時・ng/mL〜約400時・ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿中AUC
lastをもたらす。
ある種の特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、絶食患者において、約165時・ng/mL〜約390時・ng/mL、約186時・ng/mL〜約227時・ng/mL、約196時・ng/mL〜約217時・ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿中AUC
lastをもたらす。
【0066】
特定の実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩、および25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する錠剤を含む医薬組成物は、摂食患者において、約200時・ng/mL〜約400ng/mL、または約230時・ng/mL〜約390ng/mL、または約260時・ng/mL〜約345ng/mL、または約275時・ng/mL〜約330ng/mLのテノホビルアラフェナミドの血漿中AUC
lastをもたらす。
【0067】
C
last
C
lastは、最後に観察される、定量可能な薬物の血漿/血清中濃度である。
C
max、C
last、AUC
infおよびAUC
lastは、手作業により、または非コンパートメントモデルを使用する、Pharsight WinNonlinパッケージなどの、当分野において周知のモデリングソフトウェアを使用することによって推定可能な、標準薬物動態パラメータである。これらの量の計算に関する一般的な基礎は、周知である(例えば、Rowland & Tozer (2010) Clinical Pharmacokinetics and Pharmacodynamics:Concepts and Applications ISBN 978-0781750097、またはJambhekar & Breen (2012) Basic Pharmacokinetics ISBN 978-0853699804を参照されたい)。通常、これらのパラメータは、少なくとも12名(および、通常、24〜36名の間)の健常な成人ヒトの群内からの平均(例えば、幾何平均または相加平均)として評価されよう。パラメータは、FDA、EMA、MHLWまたはWHOなどの医薬品規制機関に許容される、基準および慣行に準拠して測定されるべきである。これらの値は、すべての時間、または錠剤の服用の1、3、5、7、9、11、13、15、20および24時間後などの、少しずつ設けたサンプリング間隔などの、服用時間後の適切な間隔で採られた測定値に基づくことができる。それらの値は、薬物の単回用量後、または定常状態のどちらか一方で評価することができるが、通常、単回用量後に評価されよう。
【0068】
生体利用率および生物学的同等性の技術において、任意の特定の錠剤が、生体利用率同等性および薬物動態の生物学的同等性に対する規制要件を満足するかどうかを決定する方法は周知であり、例えば、Niazi (2014) Handbook of Bioequivalence Testing, 2nd Edition, ISBN 978-1482226379;Guidance for Industry Bioavailability and Bioequivalence Studies for Orally Administered Drug Products General Considerations FDA March 2003;およびGuideline On The Investigation Of Bioequivalence, EMEA 2010 CPMP/EWP/QWP/1401/98 Rev.1/ Corr **を参照されたい。統計的検出力を確実とするため、C
max、AUC
lastおよびAUC
infの値を測定するための試験は、複数の対象において、例えば、少なくとも12名(および、通常、24〜36名の間)の健常な成人ヒトの群で行われるであろう。
【0069】
C
max、AUC
lastおよびAUC
inf値の決定は必然的に破壊的であるので、これらのパラメータは、対象とする剤形(特に、錠剤)に対して直接的に決定されるのではなく、同一の構成成分を用いる同一の製造プロセスによって作製される剤形に対して決定されよう。したがって、剤形(例えば錠剤)のバッチは、特定のプロセスによって作製することができ、C
max、AUC
lastおよびAUC
infの90%信頼区間は、そうした錠剤の試料に対して評価されよう。これらの値が、上記の80〜125%の要件を満足している場合、対象とする製造プロセスによって作製される錠剤が、本発明の錠剤である。
(a)式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩(例えば、式II)、(b)テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩、および(c)エムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を含む固定用量配合錠が提供される。
一実施形態では、(a)式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩(例えば、式II)、(b)テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩、および(c)エムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を含む多層錠剤が提供される。
【0070】
一実施形態では、本明細書において開示されている多層錠剤は、(a)式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を含む第1の層、(b)テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を含有する第2の層を含み、(c)エムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩をさらに含む。
本明細書において開示されている多層錠剤の一実施形態では、(a)第1の層は、テノホビルアラフェナミドもしくは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まず、かつ/または(b)第2の層は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まない。
本明細書において開示されている多層錠剤の一実施形態では、(a)第1の層は、エムトリシタビンもしくは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まず、かつ/または(b)第2の層は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まない。
本明細書において開示されている多層錠剤の一実施形態では、(a)第1の層は、エムトリシタビンもしくは薬学的に許容されるその塩およびテノホビルアラフェナミドもしくは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まず、かつ/または(b)第2の層は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まない。
【0071】
一実施形態では、本明細書において開示されている多層錠剤は、(a)式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を含む第1の層、(b)エムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を含有する第2の層を含み、(c)テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩をさらに含む。
本明細書において開示されている多層錠剤の一実施形態では、(a)第1の層は、エムトリシタビンもしくは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まず、かつ/または(b)第2の層は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まない。
【0072】
本明細書において開示されている多層錠剤の一実施形態では、(a)第1の層は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を含み、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩を実質的に含まず、(b)第2の層は、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を含み、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を実質的に含まない。
本明細書において開示されている多層錠剤の一実施形態では、第1の層はエムトリシタビンを実質に含まない。
一実施形態では、本明細書において開示されている多層錠剤は、50±6mgの式Iの化合物を含む。一実施形態では、本明細書において開示されている多層錠剤は、200±20mgのエムトリシタビンを含む。一実施形態では、本明細書において開示されている多層錠剤は、25±3mgのテノホビルアラフェナミドを含む。
【0073】
一実施形態では、本明細書において開示されている多層錠剤は、75±6mgの式Iの化合物を含む。一実施形態では、本明細書において開示されている多層錠剤は、200±20mgのエムトリシタビンを含む。一実施形態では、本明細書において開示されている多層錠剤は、25±3mgのテノホビルアラフェナミドを含む。
一実施形態では、本明細書において開示されている多層錠剤は、52±6mgの式IIの化合物を含む。一実施形態では、本明細書において開示されている多層錠剤は、200±20mgのエムトリシタビンを含む。一実施形態では、本明細書において開示されている多層錠剤は、28±3mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含む。
【0074】
一実施形態では、本明細書において開示されている多層錠剤は、78±6mgの式IIの化合物を含む。一実施形態では、本明細書において開示されている多層錠剤は、200±20mgのエムトリシタビンを含む。一実施形態では、本明細書において開示されている多層錠剤は、28±3mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含む。
一実施形態では、本明細書において開示されている多層錠剤の第1の層は、1つまたは複数の賦形剤、例えば、1つまたは複数の希釈剤、崩壊剤、結合剤または滑沢剤を含む。
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、クロスカルメロースナトリウムを含む。一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、クロスカルメロースナトリウム、微結晶セルロースおよびステアリン酸マグネシウムを含む。
【0075】
一実施形態では、第1の層の約25質量%未満が式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩である、錠剤が提供される。一実施形態では、第1の層の約20質量%未満が式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩である、錠剤が提供される。一実施形態では、第1の層の約16質量%未満が式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩である、錠剤が提供される。一実施形態では、第1の層の約5〜約20質量%、または約10〜約18質量%、または約14〜約18質量%が式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩である、錠剤が提供される。一実施形態では、第1の層の約16質量%が式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩である、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が52±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約290mgである、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が52±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約300mgである、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が52±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約310mgである、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が52±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約320mgである、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が52±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約330mgである、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が52±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約340mgである、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が52±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約350mgである、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が52±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約360mgである、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が52±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約290mgであり、かつ約360mg未満である、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が52±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約300mgであり、かつ約350mg未満である、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が52±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約310mgであり、かつ約330mg未満である、錠剤が提供される。
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、323±75mg、または323±25mg、または323±10mg、または323mgの総質量を有する。
【0076】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下を含む:
【表1】
【0077】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下を含む:
【表2】
【0078】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下を含む:
【表3】
【0079】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下からなる:
【表4】
【0080】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下からなる:
【表5】
【0081】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下からなる:
【表6】
【0082】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下を含む:
【表7】
【0083】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下を含む:
【表8】
【0084】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下からなる:
【表9】
【0085】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下を含む:
【表10】
【0086】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下を含む:
【表11】
【0087】
一実施形態では、第1の層の約30質量%未満が式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩である、錠剤が提供される。一実施形態では、第1の層の約25質量%未満が式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩である、錠剤が提供される。一実施形態では、第1の層の約22質量%未満が式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩である、錠剤が提供される。一実施形態では、第1の層の約15〜約27質量%、または約17〜約25質量%、または約19〜約23質量%が式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩である、錠剤が提供される。一実施形態では、第1の層の約21質量%が式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩である、錠剤が提供される。
【0088】
一実施形態では、第1の層が78±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約320mgである、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が78±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約330mgである、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が78±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約340mgである、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が78±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約350mgである、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が78±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約360mgである、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が78±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約370mgである、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が78±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約380mgである、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が78±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約390mgである、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が78±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約320mgであり、かつ約390mg未満である、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が78±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約330mgであり、かつ約380mg未満である、錠剤が提供される。
一実施形態では、第1の層が78±2.8mgの式IIの化合物を含み、第1の層の総質量が少なくとも約350mgであり、かつ約360mg未満である、錠剤が提供される。
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、353±75mg、または353±25mg、または353±10mg、または353mgの総質量を有する。
【0089】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下を含む:
【表12】
【0090】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下を含む:
【表13】
【0091】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下を含む:
【表14】
【0092】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下からなる:
【表15】
【0093】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下からなる:
【表16】
【0094】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下からなる:
【表17】
【0095】
一実施形態では、多層錠剤の第1の層は、以下からなる:
【表18】
【0096】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層はラクトースを含まない。一実施形態では、多層錠剤の第2の層はデンプンを含まない。一実施形態では、多層錠剤の第2の層はラクトースもデンプンも含まない。
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、1つまたは複数の賦形剤、例えば、1つまたは複数の希釈剤、崩壊剤、結合剤または滑沢剤を含む。
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、微結晶セルロースおよびクロスカルメロースナトリウムを含む。
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを含む。
【0097】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、20〜40mgのクロスカルメロースナトリウムを含む。一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、105〜125mgの微結晶セルロースを含む。一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、1〜8mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
一実施形態では、多層錠剤の第2の層はラクトースを含まない。一実施形態では、多層錠剤の第2の層はデンプンを含まない。一実施形態では、多層錠剤の第2の層はラクトースもデンプンも含まない。
【0098】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、600mg未満、または500mg未満、または400mg未満、または380mg未満の総質量を有する。一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、377mg±50mg、または377mg±25mg、または377mg±5mg、または377mgの総質量を有する。
【0099】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層の50質量%超が、エムトリシタビンまたはその塩、およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の55質量%超が、エムトリシタビンまたはその塩、およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の60質量%超が、エムトリシタビンまたはその塩、およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の約55質量%〜約65質量%が、エムトリシタビンまたはその塩、およびテノホビルアラフェナミドまたはその塩である。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の60質量%超が、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の約55質量%〜約65質量%が、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、250mg未満、例えば200mg未満または150mg未満の賦形剤を含有する。
一実施形態では、多層錠剤の第2の層の少なくとも50質量%が、エムトリシタビンである。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の少なくとも53質量%が、エムトリシタビンである。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の約45質量%〜約65質量%が、エムトリシタビンである。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の約50質量%〜約60質量%が、エムトリシタビンである。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の約51質量%〜約53質量%が、エムトリシタビンである。
【0100】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層の少なくとも4質量%が、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の少なくとも6質量%が、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の少なくとも7質量%が、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の約5質量%〜約10質量%が、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の約6質量%〜約9質量%が、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の約7質量%〜約8質量%が、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の約7質量%が、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩である。
【0101】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層の20質量%未満が、クロスカルメロースナトリウムである。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の10質量%未満が、クロスカルメロースナトリウムである。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の約5質量%〜約10質量%が、クロスカルメロースナトリウムである。ある種の実施形態では、第2の層の約5〜7質量%(例えば、約6質量%)のクロスカルメロースナトリウムの使用により、他の崩壊剤、例えばポリビニルピロリドン(クロスポビドン)に比べて、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩の溶出の増強を実現することができる。ある種の実施形態では、第2の層の約5〜10質量%のクロスカルメロースナトリウムの使用により、他の崩壊剤、例えばポリビニルピロリドン(クロスポビドン)に比べて、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩の溶出を増強することができる。
一実施形態では、多層錠剤の第2の層の50質量%未満が、微結晶セルロースである。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の40質量%未満が、微結晶セルロースである。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の31質量%未満が、微結晶セルロースである。
【0102】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層の5質量%未満が、ステアリン酸マグネシウムである。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の3質量%未満が、ステアリン酸マグネシウムである。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の2質量%未満が、ステアリン酸マグネシウムである。一実施形態では、多層錠剤の第2の層の約0.5質量%〜約1.5質量%が、ステアリン酸マグネシウムである。ある種の実施形態では、第2の層の約1質量%〜約2質量%(例えば、約1.5質量%)のステアリン酸マグネシウムの使用により、他の滑沢剤、例えばフマル酸ステアリルナトリウムに比べて、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩の溶出の増強を実現することができる。
一実施形態では、第2の層の総質量は、第1の層の総質量の150%未満である。一実施形態では、第2の層の総質量は、第1の層の総質量の125%未満である。一実施形態では、第2の層の総質量は、第1の層の総質量の116%未満である。一実施形態では、第2の層の総質量は、第1の層の総質量の106%未満である。
【0103】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、以下を含む:
【表19】
【0104】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、以下を含む:
【表20】
【0105】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、以下からなる:
【表21】
【0106】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、以下からなる:
【表22】
【0107】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、以下からなる:
【表23】
【0108】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、以下からなる:
【表24】
【0109】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、以下を含む:
【表25】
【0110】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、以下を含む:
【表26】
【0111】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、以下を含む:
【表27】
【0112】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、以下を含む:
【表28】
【0113】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、以下を含む:
【表29】
【0114】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、以下を含む:
【表30】
【0115】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、以下を含む:
【表31】
【0116】
一実施形態では、多層錠剤の第2の層は、以下を含む:
【表32】
【0117】
本明細書に開示されている多層錠剤製剤の一実施形態では、第1の層は第2の層に接している。
一実施形態では、第1の層が最初に、次いで第2の層が生成される。すなわち、一実施形態では、第1の層が調製されて、第1の層へと押し圧され、次いで第2の層が調製されて第1の層と共に、多層錠剤に押し圧される。一実施形態では、第2の層が最初に、次いで第1の層が生成される。すなわち、一実施形態では、第2の層が調製されて、第2の層へと押し圧され、次いで第1の層が調製されて第2の層と共に、多層錠剤に押し圧される。
本明細書で使用する場合、本明細書に開示されている多層錠剤を記載する場合、用語「第1の層」および「第2の層」は、錠剤が生成される方法によって、特に、層が得られる順番によって示されることを意図するものではない。
【0118】
ある種の実施形態では、多層錠剤は、追加の層をさらに含む。ある種の実施形態では、追加の層(単数または複数)は、第1の層と第2の層との間に位置している。ある種の実施形態では、追加の層(単数または複数)は、第1の層および/または第2の層のどちらか一方の側に位置し、その結果、これらの追加の層は、錠剤の外層となる、ならびに/または、第1の層および/もしくは第2の層とコーティング層との間に配置される。一部の実施形態では、追加の層(単数または複数)は、第1の層および第2の層を封入する。
一実施形態では、多層錠剤は、第1の層と第2の層との間に存在しこれらの層を分離する第3の層をさらに含む。一実施形態では、多層錠剤の第3の層は、ラクトース一水和物もしくは微結晶セルロース、またはそれらの混合物を含む。
【0119】
一実施形態では、本多層錠剤は、フィルムコーティング剤をさらに含む。一実施形態では、本多層錠剤は、約14mg〜約28mgのフィルムコーティング剤をさらに含む。一実施形態では、本多層錠剤は、約19mg〜約23mgのフィルムコーティング剤をさらに含む。一実施形態では、本多層錠剤は、約21mgのフィルムコーティング剤をさらに含む。一実施形態では、フィルムコーティング剤は、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、タルク、二酸化チタンおよび黒色酸化鉄を含む。一実施形態では、フィルムコーティング剤は、21±7mgのOpadry IIブラウン85F165072からなる。一実施形態では、フィルムコーティング剤は、21±7mgのOpadry IIイエロー85F92259からなる。
【0120】
一実施形態では、本多層錠剤は、フィルムコーティング剤をさらに含む。一実施形態では、本多層錠剤は、約1.9質量/質量%〜約3.9質量/質量%のフィルムコーティング剤をさらに含む。一実施形態では、本多層錠剤は、約2.5質量/質量%〜約3.5質量/質量%のフィルムコーティング剤をさらに含む。一実施形態では、多層錠剤は、約3%のフィルムコーティング剤をさらに含む。一実施形態では、フィルムコーティング剤は、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、タルク、二酸化チタン、酸化鉄レッドおよび黒色酸化鉄を含む。一実施形態では、フィルムコーティング剤は、36%〜40%のポリビニルアルコール、18%〜22%のポリエチレングリコール、13%〜16%のタルク、20%〜24%の二酸化チタン、2%〜3%の酸化鉄レッドおよび0.5%〜0.7%の黒色酸化鉄を含む。
【0121】
一実施形態では、約6.4〜8.5質量/質量%の式IIの化合物、約25〜32質量/質量%mgのエムトリシタビン、約3.5〜4.5質量/質量%mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、約46〜57質量/質量%mgの微結晶セルロース、約5.9〜8.5質量/質量%mgのクロスカルメロースナトリウム、および約1.0〜2.0質量/質量%mgのステアリン酸マグネシウムを含む錠剤が提供される。
一実施形態では、52±6mgの式IIの化合物、200±20mgのエムトリシタビン、28±3mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、360±30mgの微結晶セルロース、50±8mgのクロスカルメロースナトリウム、および10.5±3mgのステアリン酸マグネシウムを含む錠剤が提供され、該錠剤の総質量は、少なくとも約685mgである。
【0122】
一実施形態では、52±6mgの式IIの化合物、200±10mgのエムトリシタビン、28±1.5mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、360±15mgの微結晶セルロース、50±4mgのクロスカルメロースナトリウム、および10.5±1.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む錠剤が提供され、該錠剤の総質量は、少なくとも約685mgであり、約715mg未満である。
一実施形態では、52±6mgの式IIの化合物、200±20mgのエムトリシタビン、28±3mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、360±30mgの微結晶セルロース、50±8mgのクロスカルメロースナトリウム、および8.6±3mgのステアリン酸マグネシウムを含む錠剤が提供され、該錠剤の総質量は、少なくとも約685mgである。
一実施形態では、52±6mgの式IIの化合物、200±10mgのエムトリシタビン、28±1.5mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、360±15mgの微結晶セルロース、50±4mgのクロスカルメロースナトリウム、および8.6±1.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む錠剤が提供され、該錠剤の総質量は、少なくとも約685mgであり、約715mg未満である。
【0123】
一実施形態では、錠剤は、700±75mg、または700±25mg、または700±10mg、または700mgの総質量を有する。一実施形態では、錠剤はコーティングされておらず、約700±75mg、または約700±25mg、または約700±10mg、または約700mgの総質量を有する。一実施形態では、錠剤は、約720±75mg、または約720±25mg、または約720±10mg、または約720mg、または約721mg、または約722mg、または約723mg、または約724mg、または約725mg、または約726mg、または約727mg、または約728mg、または約729mg、または約730mgの総質量を有する。
一実施形態では、80±6mgの式IIの化合物、200±20mgのエムトリシタビン、28±3mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、360±30mgの微結晶セルロース、50±8mgのクロスカルメロースナトリウム、および11±3mgのステアリン酸マグネシウムを含む錠剤が提供され、該錠剤の総質量は、少なくとも約715mgである。
【0124】
一実施形態では、78±2.3mgの式IIの化合物、200±10mgのエムトリシタビン、28±1.5mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、361±15mgの微結晶セルロース、51±4mgのクロスカルメロースナトリウム、および11±1.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む錠剤が提供され、該錠剤の総質量は、少なくとも約715mgであり、約745mg未満である。
【0125】
一実施形態では、本錠剤は、730±75mg、または730±25mg、または730±10mg、または730mgの総質量を有する。一実施形態では、本錠剤は、約750±75mg、または約750±25mg、または約750±10mg、または約750mg、または約751mg、または約752mg、または約753mg、または約754mg、または約755mgの総質量を有する。
【0126】
一実施形態では、以下を含む錠剤が提供される:
【表33】
【0127】
一実施形態では、以下を含む錠剤が提供される:
【表34】
【0128】
一実施形態では、以下を含む錠剤が提供される:
【表35】
【0129】
一実施形態では、以下を含む錠剤が提供される:
【表36】
【0130】
一実施形態では、以下を含む錠剤が提供される:
【表37】
【0131】
一実施形態では、以下を含む錠剤が提供される:
【表38】
【0132】
一実施形態では、以下を含む錠剤が提供される:
【表39】
【0133】
一実施形態では、以下からなる第1の層:
【表40】
および以下からなる第2の層:
【表41】
を含む錠剤が提供される。
【0134】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表42】
および以下を含む第2の層:
【表43】
を含む錠剤が提供される。
【0135】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表44】
および以下を含む第2の層:
【表45】
を含む錠剤が提供される。
【0136】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表46】
および以下を含む第2の層:
【表47】
を含む錠剤が提供される。
【0137】
一実施形態では、以下からなる第1の層:
【表48】
および以下からなる第2の層:
【表49】
を含む錠剤が提供される。
【0138】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表50】
および以下を含む第2の層:
【表51】
を含む錠剤が提供される。
【0139】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表52】
および以下を含む第2の層:
【0140】
【表53】
を含む錠剤が提供される。
【0141】
一実施形態では、以下を含む錠剤が提供される:
【表54】
【0142】
一実施形態では、以下を含む錠剤が提供される:
【表55】
【0143】
一実施形態では、以下からなる第1の層:
【表56】
および以下からなる第2の層:
【表57】
を含む錠剤が提供される。
【0144】
一実施形態では、以下からなる第1の層:
【表58】
および以下からなる第2の層:
【表59】
を含む錠剤が提供される。
【0145】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表60】
および以下を含む第2の層:
【表61】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0146】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表62】
および以下を含む第2の層:
【表63】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0147】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表64】
および以下を含む第2の層:
【表65】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0148】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表66】
および以下を含む第2の層:
【表67】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0149】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表68】
および以下を含む第2の層:
【表69】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0150】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表70】
および以下を含む第2の層:
【表71】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0151】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表72】
および以下を含む第2の層:
【表73】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0152】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表74】
および以下を含む第2の層:
【表75】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0153】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表76】
および以下を含む第2の層:
【表77】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0154】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表78】
および以下を含む第2の層:
【表79】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0155】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表80】
および以下を含む第2の層:
【表81】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0156】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表82】
および以下を含む第2の層:
【表83】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0157】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表84】
および以下を含む第2の層:
【表85】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0158】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表86】
および以下を含む第2の層:
【表87】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0159】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表88】
および以下を含む第2の層:
【表89】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0160】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表90】
および以下を含む第2の層:
【表91】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0161】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表92】
および以下を含む第2の層:
【表93】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0162】
一実施形態では、以下からなる第1の層:
【表94】
および以下からなる第2の層:
【表95】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0163】
一実施形態では、以下からなる第1の層:
【表96】
および以下からなる第2の層:
【表97】
を含み、任意でフィルムコーティングを含む錠剤が提供される。
【0164】
一実施形態では、以下からなる第1の層:
【表98】
および以下からなる第2の層:
【表99】
および21mgのOpadry IIブラウン85F165072(ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、タルク、二酸化チタン、酸化鉄レッドおよび酸化鉄ブラックの組合せ)からなるフィルムコーティング剤を含む錠剤が提供される。
【0165】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表100】
および以下を含む第2の層:
【表101】
および21mgのOpadry IIブラウン85F165072(ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、タルク、二酸化チタン、酸化鉄レッドおよび酸化鉄ブラックの組合せ)からなるフィルムコーティング剤を含む錠剤が提供される。
【0166】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表102】
および以下を含む第2の層:
【表103】
を含み、任意でフィルムコーティング剤(例えば、Opadry IIブラウン85F165072(ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、タルク、二酸化チタン、酸化鉄レッドおよび酸化鉄ブラックの組合せ))を含む錠剤が提供される。
【0167】
一実施形態では、以下を含む第1の層:
【表104】
および以下を含む第2の層:
【表105】
を含み、任意でフィルムコーティング剤(例えば、Opadry IIブラウン85F165072(ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、タルク、二酸化チタン、酸化鉄レッドおよび酸化鉄ブラックの組合せ))を含む錠剤が提供される。
【0168】
一実施形態では、以下からなる第1の層:
【表106】
および以下からなる第2の層:
【表107】
および21.9mgのOpadry IIイエロー85F92259(ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、タルク、二酸化チタンおよび鉄イエローの組合せ)からなるフィルムコーティング剤を含む錠剤が提供される。
【0169】
一実施形態では、約75mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩(例えば、式IIの化合物)、約25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩、および約200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を含む組成物であって、ヒトへの単回用量の投与後、それぞれの構成成分の平均AUC
lastが、式Iの化合物については約81700時・ng/mL〜約140000時・ng/mL、エムトリシタビンについては約7500時・ng/mL〜約15000時・ng/mL、およびテノホビルアラフェナミドについては約165時・ng/mL〜約400時・ng/mLである、組成物が提供される。ある種の実施形態では、本組成物は、絶食状態中のヒトに投与される。ある種の実施形態では、本組成物は錠剤である。ある種の実施形態では、本錠剤は二層錠剤である。ある種の実施形態では、本錠剤は、1つの層中に式Iの化合物ならびにもう一方の層中にエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含む二層錠剤である。
【0170】
一実施形態では、50mgの式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩(例えば、式IIの化合物)、25mgのテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩、および200mgのエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を含む組成物であって、単回用量後、それぞれの構成成分の平均AUC
lastが、式Iの化合物について約87,000時・ng/mL〜約131,000時・ng/mL、エムトリシタビンについて約8500時・ng/mL〜約12,800時・ng/mL、およびテノホビルアラフェナミドについて約186時・ng/mL〜約227時・ng/mLである、組成物が提供される。ある種の実施形態では、本組成物は、絶食状態中のヒトに投与される。ある種の実施形態では、本組成物は錠剤である。ある種の実施形態では、本錠剤は二層錠剤である。ある種の実施形態では、本錠剤は、1つの層中に式Iの化合物ならびにもう一方の層中にエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含む二層錠剤である。ある種の実施形態では、対象は絶食している。他の実施形態では、対象は摂食している。
【0171】
一実施形態では、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩(例えば、式IIの化合物)、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩、およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を含む組成物であって、ヒトへの単回用量の投与後、それぞれの構成成分の平均AUC
infが、式Iの化合物について約84450時・ng/mL〜約141000時・ng/mL、エムトリシタビンについて約8100時・ng/mL〜約136000時・ng/mL、およびテノホビルアラフェナミドについて約200時・ng/mL〜約500時・ng/mLである、組成物が提供される。ある種の実施形態では、本組成物は、絶食状態中のヒトに投与される。ある種の実施形態では、本組成物は錠剤である。ある種の実施形態では、本錠剤は二層錠剤である。ある種の実施形態では、本錠剤は、1つの層中に式Iの化合物ならびにもう一方の層中にエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含む二層錠剤である。ある種の実施形態では、対象は絶食している。他の実施形態では、対象は摂食している。
【0172】
一実施形態では、式Iの化合物(例えば、式IIの化合物)、テノホビルアラフェナミドおよびエムトリシタビンを含む組成物であって、単回用量後、それぞれの構成成分の平均C
maxが、式Iの化合物について約90,000時・ng/mL〜約135,000時・ng/mL、エムトリシタビンについて約8,700時・ng/mL〜約13,000時・ng/mL、およびテノホビルアラフェナミドについて約200時・ng/mL〜約300時・ng/mLである、組成物が提供される。ある種の実施形態では、本組成物は、絶食状態中のヒトに投与される。ある種の実施形態では、本組成物は錠剤である。ある種の実施形態では、本錠剤は二層錠剤である。ある種の実施形態では、本錠剤は、1つの層中に式Iの化合物ならびにもう一方の層中にエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含む二層錠剤である。ある種の実施形態では、対象は絶食している。他の実施形態では、対象は摂食している。
一実施形態では、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩(例えば、式IIの化合物)、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を含む組成物であって、ヒトへの単回用量の投与後、それぞれの構成成分の平均C
maxが、式Iの化合物について約4200ng/mL〜約8000mg/mL、エムトリシタビンについて約1770ng/mL〜約2800ng/mL、およびテノホビルアラフェナミドについて約185ng/mL〜約315ng/mLである、組成物が提供される。ある種の実施形態では、本組成物は、絶食状態中のヒトに投与される。ある種の実施形態では、本組成物は錠剤である。ある種の実施形態では、本錠剤は二層錠剤である。ある種の実施形態では、本錠剤は、1つの層中に式Iの化合物ならびにもう一方の層中にエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含む二層錠剤である。ある種の実施形態では、対象は絶食している。他の実施形態では、対象は摂食している。
【0173】
一実施形態では、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩(例えば、式IIの化合物)、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を含む組成物であって、単回用量後、それぞれの構成成分の平均C
maxが、式Iの化合物について約4700ng/mL〜約5300mg/mL、エムトリシタビンについて約2000ng/mL〜約2600ng/mL、およびテノホビルアラフェナミドについて約200ng/mL〜約300ng/mLである、組成物が提供される。ある種の実施形態では、本組成物は、絶食状態中のヒトに投与される。ある種の実施形態では、本組成物は錠剤である。ある種の実施形態では、本錠剤は二層錠剤である。ある種の実施形態では、本錠剤は、1つの層中に式Iの化合物ならびにもう一方の層中にエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含む二層錠剤である。ある種の実施形態では、対象は絶食している。他の実施形態では、対象は摂食している。
【0174】
一実施形態では、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩(例えば、式IIの化合物)、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を含む組成物であって、摂食状態のヒトへの単回用量の投与後、それぞれの構成成分の平均AUC
last、AUC
infおよび/またはC
maxが、絶食状態のヒトへの単回用量の投与後のそれぞれの構成成分の平均AUC
last、AUC
infおよび/またはC
maxの80〜125%、80〜120%、85〜115%、90〜110%または95〜105%である、組成物が提供される。ある種の実施形態では、本組成物は錠剤である。ある種の実施形態では、本錠剤は二層錠剤である。ある種の実施形態では、本錠剤は、1つの層中に式Iの化合物ならびにもう一方の層中にエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含む二層錠剤である。ある種の実施形態では、対象は絶食している。他の実施形態では、対象は摂食している。
ある種の実施形態では、本明細書に記載されている組成物の薬物動態プロファイルは、対象が投薬を受ける前に食事を摂っているかどうかに関わりなく、許容可能な範囲内にある。したがって、ある種の実施形態では、本明細書に記載されている組成物は、対象による摂食を考慮せずに服用することができる。ある種の実施形態では、摂食は、低脂肪、中脂肪または高脂肪食である。
【0175】
一実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUC
lastが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUC
lastの約100%〜約160%内である、組成物が提供される。別の実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUC
lastが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUC
lastの約100%〜約145%内である、組成物が提供される。さらなる実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUC
lastが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUC
lastの約100%〜約135%内である、組成物が提供される。別の実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUC
lastが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUC
lastの約100%〜約125%内である、組成物が提供される。
【0176】
ある種の実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUC
lastが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUC
lastの60%内である、組成物が提供される。別の実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUC
lastが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUC
lastの45%内である、組成物が提供される。さらなる実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUC
lastが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUC
lastの35%内である、組成物が提供される。別の実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUC
lastが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUC
lastの25%内である、組成物が提供される。
【0177】
一実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUC
infが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUC
infの約100%〜約160%内である、組成物が提供される。別の実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUC
infが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUC
infの約100%〜約150%内である、組成物が提供される。さらなる実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUC
infが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUC
infの約100%〜約135%内である、組成物が提供される。別の実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUC
infが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUC
infの約100%〜約125%内である、組成物が提供される。
【0178】
ある種の実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUC
infが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUC
infの60%内である、組成物が提供される。別の実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUC
infが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUC
infの50%内である、組成物が提供される。さらなる実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUC
infが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUC
infの35%内である、組成物が提供される。別の実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均AUC
infが、絶食患者への投与後の単回用量の平均AUC
infの25%内である、組成物が提供される。
一実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均C
maxが、絶食患者への投与後の単回用量の平均C
maxの約100%〜約160%内である、組成物が提供される。別の実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均C
maxが、絶食患者への投与後の単回用量の平均C
maxの約100%〜約130%内である、組成物が提供される。さらなる実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均C
maxが、絶食患者への投与後の単回用量の平均C
maxの約100%〜約120%内である、組成物が提供される。別の実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均C
maxが、絶食患者への投与後の単回用量の平均C
maxの約100%〜約115%内である、組成物が提供される。
【0179】
ある種の実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均C
maxが、絶食患者への投与後の単回用量の平均C
maxの60%内である、組成物が提供される。別の実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均C
maxが、絶食患者への投与後の単回用量の平均C
maxの30%内である、組成物が提供される。さらなる実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均C
maxが、絶食患者への投与後の単回用量の平均C
maxの20%内である、組成物が提供される。別の実施形態では、50mgの式Iの化合物、25mgのテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンを含む組成物であって、摂食患者への投与後の単回用量の平均C
maxが、絶食患者への投与後の単回用量の平均C
maxの15%内である、組成物が提供される。
【0180】
製造方法
本明細書において開示されている組成物および剤形(特に、錠剤)を製造する方法も提供されている。一部の実施形態では、本方法は、(a)第1の層として式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を圧縮するステップ、ならびに(b)第2の層としてテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を圧縮するステップを含む。例えば、一部の実施形態では、本方法は、(a)第1の層として式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を圧縮するステップ、その後に、(b)第2の層としてテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を圧縮するステップを含む。他の実施形態では、本方法は、(a)テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を圧縮するステップ、その後に(b)別の層として式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を圧縮するステップを含む。他の実施形態では、本方法は、(a)1つの層として、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を圧縮するステップ、次いで(b)別の層としてテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を圧縮するステップを含む。第1の層および第2の層は、個別に圧縮され、続いて一緒にされてもよい。しかしより典型的には、第1の層は圧縮により形成され、続いて、第2の層は第1の層の上に圧縮される。ある種の実施形態では、多層錠剤の錠剤化の層順序の選択は、該錠剤の特性(例えば、錠剤内の層の接着)に影響を及ぼすことがある。
【0181】
一部の実施形態では、第1の層が、(a)第1の層として式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を圧縮し、(b)第2の層としてテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を圧縮する方法によって得られる、錠剤が提供される。他の実施形態では、第2の層が、(a)第1の層として式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を圧縮し、(b)第1の層としてテノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩を圧縮する方法によって得られる、錠剤が提供される。
ある種の実施形態では、本方法は、圧縮後の錠剤コアを、例えば、上記のフィルムコーティング剤によりコーティングするステップを含むであろう。
一般に、錠剤化方法は、製薬分野において周知である。技法および製剤は、一般に、その全体が参照により明細書に組み込まれている、Remington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Co., Easton, PA)に見出される。
錠剤は、圧縮または成形することにより作製することができ、1種または複数の賦形剤を用いてもよい。圧縮錠剤は、賦形剤と混合してもよい、粉末または顆粒などの流動形態にある活性成分を、好適な機械で圧縮することにより調製することができる。
【0182】
治療方法
本明細書において開示されている固形経口剤形(特に、錠剤)は、HIV感染(例えば、HIV−1感染)の処置に使用される。ある種の実施形態では、本明細書において開示されている固形経口剤形(特に、錠剤)は、性的に獲得したHIV−1のリスクを低減するため、曝露前の予防(PrEP)に使用される。
したがって、対象に本明細書に開示されている固形経口剤形(特に、錠剤)を投与するステップを含む、HIVに感染した対象を処置するための方法が提供される。同様に、固形経口剤形(特に、錠剤)は、このような処置方法に使用するために提供される。同様に、HIV感染を処置するための本明細書において開示されている経口剤形(特に、錠剤)の製造における、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩の使用が提供される。一部の実施形態では、本発明は、HIV感染を処置するための本明細書において開示されている経口剤形(特に、錠剤)の製造における、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0183】
ある種の実施形態では、本明細書において開示されている固形経口剤形(特に、錠剤)は、性的に獲得したHIV−1のリスクを低減するため、曝露前の予防(PrEP)に使用される。したがって、対象に本明細書に開示されている固形経口剤形(特に、錠剤)を投与するステップを含む、HIVに感染するリスクのある対象における、感染を予防するための方法が提供される。同様に、本明細書に開示されている固形経口剤形(特に、錠剤)は、このような処置方法に使用するために提供される。本発明はまた、感染に対してリスクのある対象におけるHIV感染を予防するための本明細書において開示されている経口剤形(特に、錠剤)の製造における、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。一部の実施形態では、本発明は、HIV感染を予防するための本明細書において開示されている経口剤形(特に、錠剤)の製造における、テノホビルアラフェナミドまたは薬学的に許容されるその塩およびエムトリシタビンまたは薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0184】
ある種の実施形態では、本明細書において開示されている組成物により、HIVを有する対象を処置する方法であって、該患者における薬物−薬物相互作用のリスクを向上させない、方法が提供される。ある種の実施形態では、本明細書において開示されている組成物により、HIVを有する対象を処置する方法であって、該患者における薬物−薬物相互作用のリスクを低下させる、方法が提供される。例示的な薬物−薬物相互作用は、式Iの化合物、テノホビルアラフェナミドまたはエムトリシタビンと、リファンピン、メトホルミン、1つもしくは複数のホルモン避妊剤またはHCV抗ウイルス剤(例えば、ソホスブビル、レジパスビル、ベルパタスビル、ボクシラプレビル、グラゾプレビル、ボセプレビル、エルバスビル、ダサブビル、オムビタスビル、パリタプレビル、ABT−530およびABT−493のうちの1つまたは複数)との間の相互作用を含む。ある種の実施形態では、HIVを有する対象を処置する方法であって、該対象は本明細書に開示されているものまたは組成物が投与され、該対象はまた、リファンピン、メトホルミン、またはHCV抗ウイルス剤(例えば、ソホスブビル、レジパスビル、ベルパタスビル、ボクシラプレビル、グラゾプレビル、ボセプレビル、エルバスビル、ダサブビル、オムビタスビル、パリタプレビル、ABT−530およびABT−493のうちの1つまたは複数)によって処置されている、方法が提供される。
本方法は、本明細書において開示されている経口剤形(特に、錠剤)を対象、通常、ヒトに対象に投与するステップを含み、一般に、繰り返し投与、通常、1日1回の投与を含むであろう。処置は、予防的または治療的処置とすることができる。
【0185】
一般
ヒト対象への固形経口剤形の投与に関する用語「摂食した」とは、摂食条件下(中脂肪食)での剤形の経口投与、例えば、ヒトが約300〜600カロリーおよび約10〜約15グラムの脂肪の標準食を摂取した約30分以内の投与を意味する。一部の実施形態では、「摂食した」とは、ヒトが高脂肪食を摂取した約30分内の投与を指す。
例えば、組成物内の所与の構成成分の存在に関連する、用語「実質的に含まない」とは、所与の構成成分が該組成物の5質量%未満(例えば、該組成物の1質量%未満)であることを意味する。句「実質的に」は、「完全に」を除外するのではなく、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まなくてもよい。必要な場合、句「実質的に」は、本発明の定義から省略されてもよい。
【0186】
錠剤内のある種の構成成分(例えば、AおよびB)に関して使用される用語「分離されている」とは、一方の構成成分(例えば、A)の存在が、それが分離されている他の構成成分(例えば、B)の保管中の安定性に実質的に影響を及ぼさないよう、それらの構成成分が物理的に別々にされていることを意味する。通常、構成成分が、錠剤中で分離されている場合、それらの構成成分は、多層錠剤中の個別の層中に存在するであろう。例として、構成成分AおよびBは、多層錠剤中の個別の層中に存在していてもよく、この場合、(a)構成成分Aを含有している層は、構成成分Bを実質的に含まず、(b)構成成分Bを含有している層は、構成成分Aを実質的に含まない。これらの個別の層は、互いに接していてもよく、または例えば、1つまたは複数の追加の層によって分離されていてもよい。
用語「含む(comprise)」、ならびに「含む(comprises)」および「含んでいる(comprising)」などのその派生語は、オープンな包括的な意味で、すなわち「を含むが、それらに限定されない」として解釈されるべきである。
2つの値を参照した用語「の間」は、それらの2つの値を含み、例えば、10mgと20mgと「の間」の範囲は、例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および20mgを包含する。
量に関連して使用される用語「約」は、明記した値を含み、文脈により指示されている意味を有する(例えば、特定の量の測定に伴う誤差の程度を含む)。例えば、ある種の非限定例では、数値xに関連する用語「約」は、x±10%、x±5%またはx±1%を指す。
「質量/質量%」は、例えば、構成成分が存在している層または剤形の総質量の割合としての構成成分の質量を意味する。例えば、「5質量/質量%のX」を含む組成物は、構成成分Xの質量が、該組成物の総質量の5%となる組成物を指す。
【0187】
本明細書全体を通して、「一実施形態」または「実施形態」と言う場合、この実施形態に関連して記載されている、特定の特性、構造または特徴が、本発明において提供されている少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して、様々な位置において「一実施形態では」または「実施形態では」という言い回しが出現しても、必ずしも、すべてが同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特性、構造または特徴が、1つまたは複数の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わされてもよい。
【0188】
物質に関する用語「薬学的に許容される」とは、一般に、安全なものとして、および過度の毒性、刺激、アレルギー応答などがなく使用するのに好適で、妥当な利益/リスク比に見合う物質を指す。賦形剤に関して「薬学的に許容される」には、非限定的に、米国食品医薬品局により、ヒトまたは家畜における使用が許容されているものとして承認されている、任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、保存剤、色素/着色剤、フレーバー増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、安定剤、等張剤、溶媒または乳化剤が含まれる。
【0189】
「薬学的に許容される塩」とは、薬学的に許容されており、かつ親化合物の所望の薬理学的活性を有する(または、それを有する形態に変換することができる)化合物の塩を指す。そのような塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸と形成される酸付加塩;または酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、オレイン酸、パルミチン酸、プロピオン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸などの有機酸と形成される酸付加塩、および親化合物中に存在している酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンもしくはアルミニウムイオンのいずれかにより置き換えられているか、またはジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基と配位している場合に形成される塩を含む。同様に、この定義には、アンモニウム、および置換されているかまたは四級化されているアンモニウム塩も含まれる。薬学的に許容される塩の代表的な非限定的リストは、それらのどちらも、参照により本明細書に組み込まれている、S. M. Berge et al., J. Pharma Sci., 66(1), 1-19 (1977)、およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy, R. Hendrickson, ed., 21st edition, Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia, PA, (2005), at p.732, Table 38-5に見出すことができる。
本明細書で使用する場合、用語「塩」は共結晶を含む。用語「共結晶」とは、2つ以上の分子の構成成分を含む結晶性化合物を指し、例えば、この場合、分子の構成成分間のプロトン移動が部分的であるか、または不完全である。
用語「溶媒和物」は、化合物、および1つまたは複数の薬学的に許容される溶媒分子を含む分子複合体を意味する。溶媒分子の例には、水およびC
1-6アルコール、例えばエタノールが含まれる。溶媒和物が水である場合、用語「水和物」が使用されてもよい。
【0190】
疾患の「処置(treating)」および「処置(treatment)」は、以下を含む:
(1)疾患を発症するリスク、すなわち、疾患に曝露され得るかまたは疾患に罹りやすい恐れがあるが、該疾患の症状をまだ経験していないかまたは示していない対象において、発症していない疾患の臨床症状を引き起こすリスクを予防または低減すること、
(2)疾患を阻害する、すなわち該疾患またはその臨床症状の発症を抑止または低減すること、
(3)疾患を緩和すること、すなわち該疾患またはその臨床症状の後退を引き起こすこと。
【0191】
用語「有効量」とは、疾患を処置するために対象に投与した場合、疾患のこうした処置を行うのに十分な化合物の量を含む、所望の生物学的応答または医療的応答を引き起こすのに有効となり得る量を指す。有効量は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに処置される対象の年齢、体重などに応じて様々になろう。有効量は、ある範囲の量を含むことができる。
【実施例】
【0192】
以下の実施例は、例示目的で提示されており、限定目的ではない。
(実施例1)式IIの化合物の単剤錠剤
式IIの化合物の製剤(錠剤F1)は、乾式造粒によって調製した。
図5は、この製剤の調製を例示するフロー図である。単剤製剤の組成は、以下の表に示されている:
【表108】
【0193】
実施例3の薬物動態試験では、製剤F1の錠剤は、12mgのOpadry IIイエロー85F92259によりフィルムコーティングした。フィルムコーティング錠剤の総質量は、312mgであった。
【0194】
式IIの化合物は、粒間賦形剤(ラクトース、微結晶セルロースおよびクロスポビドン)とブレンドし、粒間の部分のフマル酸ステアリルナトリウムとさらにブレンドし、ローラーコンパクションし、ミル粉砕し、フマル酸ステアリルナトリウムと最後にブレンドして、圧縮用の最終粉末ブレンドを得た。この最終粉末ブレンドは、347μmの平均粒子サイズを有しており、21%の圧縮性指数であった。この最終粉末ブレンドを錠剤コアに圧縮し、このコアを4%の目標質量増加まで、上記の通り、フィルムコーティングした。
【0195】
(実施例2)式IIの化合物/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドの二層錠剤
式IIの化合物、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩からなる二層製剤(錠剤F2)を、実施例8に記載されている方法を使用して調製した。
図6は、二層錠剤の調製を例示するフロー図である。製剤の組成は、以下の表にまとめられている:
【表109】
【0196】
実施例3の薬物動態試験では、製剤F2の錠剤は、21.9mgのOpadry IIイエロー85F92259によりフィルムコーティングした(3%の質量増加を示した)。フィルムコーティング錠剤の総質量は、752mgであった。
【0197】
錠剤は、ローラーコンパクションプロセスによる乾式造粒を使用して製造した。エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドの最終粉末ブレンドは、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドと賦形剤(微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、粒間のステアリン酸マグネシウム)とを乾式造粒し、次いで、粒外滑沢剤(粒外用ステアリン酸マグネシウム)とブレンドすることにより製造した。式Iの化合物の最終粉末ブレンドは、活性な構成成分と賦形剤(微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、粒間のステアリン酸マグネシウム)とを乾式造粒し、次いで、粒外充填剤および滑沢剤(微結晶セルロースおよび粒外ステアリン酸マグネシウム)とブレンドすることにより製造した。この試験では、エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドの最終粉末ブレンドは、層1として圧縮し、式Iの化合物の最終粉末ブレンドは層2として圧縮し、最終の二層錠剤コアを得た。このコアは、上記の通りフィルムコーティングした。
【0198】
(実施例2A)エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド錠剤
後の試験において使用したエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド(F/TAF)固定用量配合錠の組成は、以下の表に示されている:
【表110】
【0199】
エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩は、微結晶セルロースおよびクロスカルメロースナトリウムと共ブレンドし、次いで、ステアリン酸マグネシウムにより滑沢化した。次に、このローラーコンパクション用事前ブレンドをローラーコンパクションし、振動ミルを使用してミル粉砕した。得られた顆粒をステアリン酸マグネシウムにより滑沢化し、350mgの錠剤コアに圧縮して、続いて、このコアをフィルムコーティングした。
【0200】
(実施例3)薬物動態試験
実施例1、2および2Aの製剤F1、F2およびF3の薬物動態プロファイルを評価するために試験を実施した。エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含有する固定用量配合錠(錠剤製剤F3)と同時に共投与した単剤錠剤製剤F1の相対生体利用率と比べた、二層錠剤製剤F2の相対生体利用率を評価するため、無作為化、非盲検の、多期間の固定シークエンスのクロスオーバー試験を行った。生体利用率は、健常な対象で評価した。
【0201】
試験設計および処置期間
以下の錠剤製剤の3種の単回用量を最大で21日の全試験期間の間に経口投与した:
(a)絶食条件下での、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含有する固定用量配合錠(200/25mg−錠剤F3)、ならびに同時に投与される、式Iの化合物を含有する単剤錠剤(75mg−錠剤F1)(1日目に投与、2〜8日目にウォッシュアウト);
(b)絶食条件下で投与される、式Iの化合物、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含有する固定用量配合錠(75/200/25mg−錠剤F2)(9日目に投与、10〜16日目にウォッシュアウト);ならびに
(c)高脂肪食による摂食条件下で投与した、式Iの化合物、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含有する固定用量配合錠(75/200/25mg−錠剤F2)(17日目に投与、21日目に終了)。
【0202】
評価の基準
次の血漿中薬物動態パラメータ:C
max、AUC
lastおよびAUC
infを算出した。
統計的方法
薬物動態:血漿中濃度およびPKパラメータを列挙し、記述統計を使用して分析物および処置群によってまとめた。さらに、クロスオーバー設計に適した混合効果モデルを使用して、分散のパラメトリック分析を、PKパラメータ(AUC
inf、AUC
lastおよびC
max)の自然対数変換に適合した。式Iの化合物、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドに対する各PKパラメータの幾何最小二乗平均(GLSM)の比に関して、両側90%信頼区間(CI)を構築した。
【0203】
結果
対象の傾向および人口統計学
合計で28名の対象を無作為化し、少なくとも1用量の試験薬物を投与した。
臨床試験の最初のコホートに関する結果が、以下の表にまとめられている。この表は、絶食条件下で、二層錠剤製剤F2、またはエムトリシタビンとテノホビルアラフェナミドとの固定用量組合せ物と共投与した単剤錠剤製剤F1の投与後の、各活性成分に関する、平均(%CV)値、幾何最小二乗平均(GLSM)比、ならびに血漿PKパラメータであるAUC
last、AUC
infおよびC
maxの90%CI値を表している。
【表111】
【0204】
絶食条件下において、式Iの化合物の全曝露は、2つの追加の治療剤(TAFおよびFTC)を含有する二層錠剤製剤F2中に含めて投与した場合、TAFおよびFTCを含有する固定用量配合錠(F3)と一緒に共投与した単剤錠剤製剤F1に比べると、約30%高かった。絶食条件下では、式Iの化合物のAUC
infおよびC
maxは、F/TAF固定用量組合せ物(F3、200/25mg)との単剤錠剤製剤F1の投与後よりも、二層錠剤製剤F2の投与後の方が、それぞれ27%および31%高かった。エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミド曝露は、二層錠剤製剤F2または単剤錠剤製剤F1の投与後、F/TAF FDC(F3、200/25mg)と同様であった。
この試験からのデータに基づいて、式Iの化合物、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドの新しい固定用量製剤を開発した。
【0205】
非無作為化、非盲検クロスオーバーの2期間の固定シークエンス、および8名の固有の対象からなる単回用量コホートにおいて、式Iの化合物の薬物動態に及ぼす食事の影響も試験した。この試験では、式Iの化合物の単回用量を、それぞれ絶食条件および摂食条件下で、固定シークエンスを含む2つの期間で投与した。少なくとも5回の半減期のウォッシュアウトが、絶食シークエンスと摂食シークエンスとの間に必要であった。
【0206】
式Iの化合物は、実施例1の錠剤製剤の質量パーセント、式Iの化合物100mgに等価な用量、および調節された賦形剤の量に従って調製し、設計した質量百分率(100mg/錠剤)に到達した。1日目に、一晩絶食した後(少なくとも10時間、食事、または水を除く飲料はなし)、式Iの化合物(100mg/錠剤)を含有する単一錠剤を約240mLの水と一緒に投与した。投与後4時間まで、または投与の4時間後の血液試料を採取するまで、対象は絶食を継続した。9日目に、式Iの化合物(100mg/錠剤)を含有する単一錠剤を、一晩の絶食後(少なくとも10時間、食事、または水を除く飲料はなし)、および対象が標準的な高脂肪食の朝食(脂肪に由来するカロリー50%を含む約800カロリー)を終えた5分以内に、水240mLと一緒に投与した。
【0207】
式Iの化合物に及ぼす食事の影響の評価は、摂食条件および絶食条件下で、1日目および9日目に、AUC
inf、AUC
0-lastおよびC
maxを比較することによって得た。固定効果としての食事、および無作為効果としての対象を使用する混合効果モデルを使用して、自然対数変換PKパラメータ(すなわち、AUC
inf、AUC
0-lastおよびC
max)を評価した。絶食対摂食に関する幾何最小二乗平均(GLSM)比に対する90%CIを構築した。摂食状態および絶食状態における、この錠剤製剤の単回用量投与後の、式1の化合物の薬物動態パラメータの統計比較が、以下の表に示されている。
【表112】
【0208】
上の表は式Iの化合物の主要血漿PKパラメータに関する、試験品(摂食)対参照品(絶食)処置に対する、GLSM比および関連する90%信頼区間(CI)を表している。食事(高カロリー/高脂肪朝食)と共に式Iの化合物100mgである単回用量を投与すると、C
maxおよびAUC
infのGLSM値が、それぞれ、101%(GLSM比の90%CIは、165.93%〜242.74%)および84%(GLSM比の90%CIは、152.05%〜222.59%)向上した。食事と一緒に投与した後に、クリアランスおよびt
1/2に明らかな変化はなく、食事は、式Iの化合物の溶解度および/または吸収を改善することによって、その生体利用率を高めたことを示している。
【0209】
上記の臨床試験(二層錠剤製剤F2と、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含有する固定用量配合錠(錠剤製剤F3)と同時に共投与した単剤錠剤製剤F1を比較した、28名の対象を含む、無作為化、非盲検の、多期間の固定シークエンスのクロスオーバー試験)において、錠剤製剤F2である錠剤として投与した場合の、式Iの化合物、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドのPKに及ぼす食事の影響を評価した。
【0210】
絶食条件下、または高脂肪食と一緒に錠剤製剤F1を投与した後の、式Iの化合物、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドのPKパラメータであるAUC
last、AUC
infおよびC
maxに関する、血漿の平均(%CV)値、GLSM比および90%CI値が以下の表に示されている。
【表113】
【0211】
投与絶食条件下での投与と比較すると、高脂肪食と一緒に錠剤製剤F2を投与すると、式Iの化合物に関して、46%高いAUC
infおよび27%高いC
maxがもたらされた。エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミド曝露に及ぼす食事の影響は、以前に観察されたものと同様であった。
【0212】
上の2つの表に示されているデータはまた、二層錠剤製剤F2では、式Iの化合物の全曝露に及ぼす食事の影響は、単剤錠剤製剤F1に比べて低下することを実証している。単剤錠剤製剤F1における式Iの化合物のAUC
infの幾何平均比は1.84である一方、二層錠剤製剤F2における式Iの化合物のAUC
infの幾何平均比は1.46であった。それに比べて、エムトリシタビンのAUC
infの幾何平均比は、各製剤において、それぞれ、エムトリシタビンの場合0.91および1.00であり、テノホビルアラフェナミドの場合、1.75および1.58であった(錠剤製剤F2のエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミド曝露と、錠剤製剤F3と共投与した錠剤製剤F1の上記曝露を比較)。単剤錠剤製剤F1のC
maxの幾何平均比は2.01である一方、二層錠剤製剤F2のC
maxの幾何平均比は1.27であった。それに比べて、錠剤製剤F1およびF2におけるエムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドのC
maxの幾何平均比は、それぞれ0.85および0.83であった。これらのデータは、式Iの化合物、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドの固定用量配合錠製剤は、食事を考慮することなく摂取することができることを示している。
【0213】
(実施例4)溶出試験
錠剤F1、F2およびF3−Aの溶出プロファイルを評価するために試験を実施した。250mLの絶食時模擬腸液(FaSSIF)(pH6.5)中、37℃および100rpmのパドル速度で、USP装置IIを使用して、式IIの化合物の溶出を測定した。FaSSIFは、約4.48g/Lのリン酸緩衝液(pH6.5)に模擬腸液(SIF)粉末(Biorelevant.com)を添加することにより調製した。粉末が一旦、溶解すると、得られた溶液の体積は2倍になった。単剤錠剤製剤F1の場合には、式IIの化合物の溶出は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含有する、実施例2Aの固定用量配合錠製剤F3の存在下で測定した。結果は、
図1に示されている。これらのデータは、二層製剤(錠剤F2)は、単剤製剤(F3と共投与した錠剤F1)と比べて、式IIの化合物の溶出の増強を示したことを示している。錠剤製剤F3−Aは、以下の表に従う実施例1に記載されているプロセスに従って、単剤製剤として調製した。
【0214】
【表114】
【0215】
上に示されている通り、錠剤F3−Aは、実施例2の式IIの化合物の層の組成(賦形剤の選択および量)(F2)を使用した。
図1は、錠剤製剤F2は、錠剤製剤F1およびF3−Aと比べて、式IIの化合物の溶出の増強を示したことをさらに実証している。製剤F1およびF3−Aから溶出した式IIの化合物の全割合は、約60%と同等であった。製剤F2から溶出した式IIの化合物の総量は、約10%高かった。
【0216】
第2の試験では、溶出メディウムとして、摂食時模擬腸液(FeSSIF)を使用して、式IIの化合物の溶出を測定した。FeSSIFは、約22.405g/Lのリン酸緩衝液(pH5.0)に模擬腸液(SIF)粉末(Biorelevant.com)を添加することにより調製した。粉末が一旦、溶解すると、得られた溶液の体積は2倍になった。この試験では、250mLの摂食時模擬腸液(pH5.5)中、37℃および100rpmのパドル速度で、USP装置IIを使用して、式IIの化合物の溶出を測定した。絶食時模擬腸液を使用した前の試験と同様に、単剤錠剤製剤F1を、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含有する第2の錠剤製剤(錠剤F3)の存在下で試験した。結果は、
図2に示されている。これらのデータもやはり、二層製剤(錠剤F2)は、単剤製剤(錠剤F1)と比べて、式IIの化合物の溶出の増強を示したことを示している。
【0217】
(実施例5)賦形剤試験
式Iの化合物の溶出に及ぼす特定の賦形剤の影響をさらに評価するため、3つのさらなる二層錠剤F4、F5およびF6を調製した。クロスカルメロースナトリウムをクロスポビドンに置き換えた錠剤製剤F4は、錠剤製剤F2に類似している。同様に、ステアリン酸マグネシウムをフマル酸ステアリルナトリウムに置き換えた錠剤製剤F5は、錠剤製剤F2に類似している。最後に、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムの両方をそれぞれ、クロスポビドンおよびフマル酸ステアリルナトリウムに置き換えた錠剤製剤F6は、錠剤製剤F2に類似している。錠剤F4、F5およびF6は、実施例8に記載されている方法を使用して調製した。
【0218】
【表115】
【0219】
図3は、錠剤製剤F4、F5およびF6、ならびに錠剤製剤F1およびF2に対して行った溶出試験の結果を示している。これらのデータは、各賦形剤を置換すると、式Iの化合物の溶出が増強されることを実証している。
【0220】
(実施例6)式Iの化合物/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドの二層錠剤−50mgの用量
薬物動態試験において観察された式Iの化合物の、インビボでの一層高い曝露の結果として、式Iの化合物をより少ない用量で組み込んだ、式IIの化合物、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩からなる二層製剤(錠剤F7)を調製した。以前に記載されている通り、すなわち実施例8に記載されている方法を使用して、錠剤製剤F7を調製した。製剤の組成は、以下の表にまとめられている:
【0221】
【表116】
【0222】
(実施例7)式Iの化合物の単剤錠剤(50mg)
50mgの用量の二層錠剤F7と50mgの単剤錠剤とを比較した、溶出試験を行った。
【0223】
式IIの化合物の50mgの製剤(錠剤F8)を、実施例1の錠剤製剤F1と同様に調製した。単剤製剤の組成は、以下の表に示されている:
【表117】
【0224】
図4は、50mgの二層錠剤製剤(固定用量組合せ物)F7および50mgの単剤錠剤製剤F8の溶出を示している。333mLのFaSSIF(pH6.5)中、37℃および100rpmのパドル速度で、USP装置IIを使用して、式IIの化合物の溶出を測定した。各錠剤製剤の2種の錠剤であるF7およびF8を試験した。実施例3と同様に、単剤錠剤製剤F8の場合には、式IIの化合物の溶出は、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩を含有する、実施例2Aの固定用量配合錠製剤の存在下で測定した。これらのデータは、50mgの二層製剤(錠剤F7)は、単剤製剤(錠剤F8)と比べて、式IIの化合物の溶出の増強を示したことを示している。
【0225】
(実施例8)製造プロセス
式IIの化合物/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩錠剤の製造/包装手順は、以下の5つの単位プロセスに分割される:
1.式IIの化合物である薬物物質と粒間用賦形剤との混合、ローラーコンパクションまたは強打、ミル粉砕、および粒外用賦形剤とのブレンドにより、式IIの化合物の最終粉末ブレンドを得る
2.エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩薬物物質と粒間用賦形剤との混合、乾式造粒、ミル粉砕、ならびに粒外用賦形剤とのブレンドによりエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の最終粉末ブレンドを得る
3.錠剤に圧縮して二層錠剤コアを得る
4.錠剤をフィルムコーティングして、フィルムコーティング錠剤を得る
5.包装する。
【0226】
最終薬物製品を生成するための製造プロセス工程は、以下に詳述されている。
式IIの化合物の最終粉末ブレンド(調剤、ブレンド、乾式造粒、ミル粉砕、最終ブレンド)
1.式IIの化合物および賦形剤(微結晶セルロースおよびクロスカルメロースナトリウム)を秤量する。微結晶セルロースの質量の低下を伴う場合、薬物含量率(DCF)に基づいて、式IIの化合物の質量を補正する。
2.タンブルブレンダーに粒間の部分のステアリン酸マグネシウムを入れブレンドする。
3.ローラーコンパクション機を使用して得られたブレンドを乾式造粒するか、または得られたブレンドを強打してミル粉砕する。
4.粒外用微結晶セルロースおよびステアリン酸マグネシウムを加え、ブレンドする。
エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の最終粉末ブレンド(調剤、ブレンド、乾式造粒、ミル粉砕、最終ブレンド)
5.エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩薬物物質、ならびに賦形剤(微結晶セルロースおよびクロスカルメロースナトリウム)を秤量する。微結晶セルロースの質量を同時に調節しながら、対応するDCFに基づいて、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩薬物物質の質量を調節する。
6.タンブルブレンダーに、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩薬物物質、微結晶セルロースならびにクロスカルメロースナトリウムを入れブレンドする。
7.タンブルブレンダーに粒間の部分のステアリン酸マグネシウムを入れブレンドする。
8.ローラーコンパクション機を使用して得られたブレンドを乾式造粒するか、または得られたブレンドを強打してミル粉砕する。
9.粒外の部分のステアリン酸マグネシウムをブレンドする。
錠剤化
10.17kP(範囲:14〜20kP)の目標硬度を達成するのに適切な主圧縮力を用いて、第1の層として、式IIの化合物の最終粉末ブレンド、および第2の層としてエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩の最終粉末ブレンドを圧縮する。50mgの式IIの化合物を含有する錠剤製剤の場合、合計で700mgの目標錠剤質量を使用して、323mgの目標層質量まで最終粉末ブレンドを圧縮する。75mgの式IIの化合物を含有する錠剤製剤の場合、合計で730mgの目標錠剤質量を使用して、353mgの目標層質量まで最終粉末ブレンドを圧縮する。
フィルムコーティング
11.Opadry(登録商標)IIブラウン85F165072(50mgの式Iの化合物を含有する錠剤の場合)またはOpadry(登録商標)IIイエロー85F92259(75mgの式Iの化合物を含有する錠剤の場合)の懸濁液を調製する。錠剤コアをフィルムコーティングして、3%(範囲2〜4%)の目標錠剤質量増加を達成する。冷却および取り出し前に、フィルムコーティング錠剤を乾燥する。
【0227】
(実施例9)薬物動態試験−コホート2
製剤F2の薬物動態プロファイルと比較して、実施例7の製剤F7の薬物動態プロファイルを評価するために、実施例3の薬物動態試験を第2の処置群(コホート)で継続した。
【0228】
試験設計および処置期間
以下の錠剤製剤の4種の単回用量を36日間の全試験期間の間、1日1回、経口投与した:
(a)絶食条件下での、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含有する固定用量配合錠(200/25mg−錠剤F3)、ならびに同時に投与される、式Iの化合物を含有する単剤錠剤(75mg−錠剤F1)(処置A)(1日目に投与、2〜8日目にウォッシュアウト);
(b)絶食条件下で投与される、式Iの化合物、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含有する固定用量配合錠(50/200/25mg−錠剤F2)(処置D)(9日目に投与、10〜16日目にウォッシュアウト);ならびに
(b)高脂肪食による摂食条件下で投与される、式Iの化合物、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含有する固定用量配合錠(50/200/25mg−錠剤F2)(処置E)(17日目に投与;18〜24日目にウォッシュアウト);
(c)中脂肪食による摂食条件下で投与される、式Iの化合物、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含有する固定用量配合錠(50/200/25mg−錠剤F2)(処置F)(25日目に投与;29日目に終了)。
【0229】
評価の基準
次の血漿中薬物動態パラメータ:AUC
last、AUC
inf、%AUC
exp、C
max、C
last、T
max、T
last、CL/F、V
z/Fおよびt
1/2を算出した。
統計的方法
薬物動態:各分析物(式1の化合物、FTCおよびTAF)の個々の対象の濃度データおよび個々の対象のPKパラメータを列挙し、処置群(コホート)および処置によって記述統計を使用してまとめた。時間点、コホートおよび処置による個々の対象の濃度データと、コホートおよび処置による個々の対象のPKパラメータの両方について、要約統計を決定した。同様に、幾何平均、95%信頼区間(CI)および平均、ならびに自然対数変換値の標準偏差(SD)を個々の対象のPKパラメータデータについて表した。各時間点に関する標本サイズは、その時間点における既知の(nonmissing)濃度データを用いて、対象の数に基づいた。定量レベル未満(below the level of quantitation:BLQ)の濃度を有する対象の数を各時間点について表した。
【0230】
目的の各分析物および処置比較に関する、自然対数変換PKパラメータの統計学的比較を行った。統計学的モデル化は、評価中の分析物に関するPK分析設定に基づいた。各分析物に関すると、評価中のPKパラメータに対して利用可能なデータを有する対象すべてが、モデル化に含まれた。参照として処置Aを使用する統計学的比較は、実施例3の初期のコホートに由来するのではなく、このコホートに由来するデータのみを使用した(すなわち、処置Aをプールしなかった)。各分析物および各PKパラメータに関すると、パラメトリック(正規理論)混合効果ANOVAモデルを、評価中のPKパラメータの自然対数変換値に当てはめた。この統計学的モデルは、固定効果としての処置および変量効果としての対象を含んだ。
合計27名の対象は、本試験の第2の処置群を完了した。
【0231】
結果
各分析物の血漿中薬物動態パラメータを以下に示す。この表は、絶食条件下で、F/TAF製剤F3と共投与した、二層錠剤製剤F7および単層錠剤製剤F1の投与後の、各活性成分に関する、平均(%CV)値、幾何最小二乗平均(GLSM)比、ならびに血漿PKパラメータであるAUC
last、AUC
infおよびC
maxの90%CI値を表している。
【表118】
【0232】
特に、これらのデータにより、製剤F7における式Iの化合物の曝露は、製剤F2において観察されるものよりも相対的に低いこと、および修正した用量に対する推定曝露と一致することが確認された。これらのデータは、初期の臨床データのモデル化と一致し、これらの曝露により抗HIV抗ウイルス有効性が実現されたことが確認された。FTCおよびTAF曝露は、F3と共投与した製剤F7と製剤F2との間で類似していた。TAF C
maxは、F2およびF3の共投与の場合よりも、製剤F7の場合の方が、わずかに低いものであった(約16%)。
製剤F7中に含めて投与した場合の式Iの化合物、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドの薬物動態に及ぼす食事の影響も、上記の臨床試験のさらなる処置群において試験した。
【0233】
絶食条件下、または高脂肪食および中脂肪食と一緒に錠剤製剤F7を投与した後の、式Iの化合物、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドのPKパラメータであるAUC
last、AUC
infおよびC
maxに関する、血漿の平均(%CV)値、GLSM比および90%CI値が以下の表に示されている。
【0234】
【表119-1】
【表119-2】
【0235】
絶食条件下での投与と比較すると、高脂肪食と一緒に錠剤製剤F7を投与すると、式Iの化合物に関して、24%高いAUC
infおよび13%高いC
maxをもたらした。中脂肪食を投与すると、式Iの化合物に関して、24%高いAUC
infおよび20%高いC
maxをもたらした。エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミド曝露に及ぼす食事の影響は、以前に観察されたものと同様であった。
これらのデータにより、式Iの化合物、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドの固定用量配合錠製剤は、食事を考慮することなく摂取することができることが確認された。
【0236】
(実施例10)圧縮試験
組成物の特性をさらに調査するために、以下の試験は、ブレンドの圧縮性および層の接着性を調査した。
第1に、様々なレベルの粒間または粒外用ラクトースを用いて調製した式Iの化合物(ナトリウム塩、すなわち式IIの化合物として)を含む様々な最終ブレンド組成物が、以下の表に示されている。
【0237】
【表120】
【0238】
次に、0.75%〜0.5%の範囲の様々な量のステアリン酸マグネシウムを含む式IIの化合物の最終ブレンド組成物を以下の表に示されている通り調製した。
【表121】
【0239】
最後に、0.75%〜0.5%の範囲の様々な量のステアリン酸マグネシウムを用いて、エムトリシタビンおよびテノホビルアラフェナミドを含有する最終ブレンド組成物を以下の表に示されている通り調製した:
【表122】
【0240】
ステアリン酸マグネシウム含有量を変更して試験を行い、式Iの化合物およびエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドのブレンドの圧縮性および層の接着性に及ぼす影響を評価した。パンチフィルム化(punch filming)および付着に関して、製剤のモニタリングも行った。
上の表に記載されている最終粉末ブレンドの14種の組合せ物を、以下の表にまとめている通り調製した。14種のすべての組合せ物について、臨界タンプ力を決定した。
【0241】
【表123】
【0242】
組合せAは、他の組成物を比較するために、ベースラインとして使用される層の順番および組成を表している。各層の錠剤製剤は、錠剤製剤F7の対応する層に相当する。目的の1つは、組合せAに関して観察された臨界タンプ力1.0kNの改善が可能かどうかを調査することであった。
組合せB〜Gは、層の接着性を調査して評価するために、ラクトースが式Iの化合物を含む層中に含まれている、試験を表す。組合せGは、粒間の部分に20%のラクトースを含み、粒外の部分にはなにもなかった。ラクトースと微結晶セルロースとの比は、組合せC、DおよびEにおいて、それぞれ、1:1、3:1、1:3の範囲であった。組合せGは、粒間の部分中に20mgのラクトースを含んだ。1.5kNの層間剥離が組合せB〜Gに観察された。したがって、一層低いタンプ力をさらに調査しなかった。層の順序が逆になった場合(組合せH)、組合せAの層組成物を使用すると、1.0kNでは層間剥離は起こらなかったが、1.5kNでは観察された。
【0243】
組合せI〜Nでは、各層中のステアリン酸マグネシウムの量を変えた調査を行い、圧縮性および層の接着性に及ぼす影響を決定した。粒間のステアリン酸マグネシウムは、組合せI、JおよびKの式Iの化合物の層中に、それぞれ0.75%、0.70%および0.60%であった。組合せI、JおよびKのそれぞれのF/TAF層中の全ステアリン酸マグネシウム含有率は、それぞれ、1.0%、1.4%および1.2%であった。粒間のステアリン酸マグネシウムは、組合せLおよびMの式Iの化合物の層中に、それぞれ0.6%および0.5%であった(各層中、粒外に0.75%のステアリン酸マグネシウムを含んだ)。組合せNは、両方の層中に、総合的に最低のレベルのステアリン酸マグネシウムを有する(各層中に1.0%)。
【0244】
粒間および粒外部分のエムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド層のそれぞれにおいて、0.75%から0.5%にステアリン酸マグネシウムを低減すると、臨界タンプ力が2.0kNまで向上すること(組合せI)を見出した。臨界タンプ力は、ステアリン酸マグネシウムを式Iの化合物を含有する層において、粒外および/または粒間で0.5%まで低減すると、2.5kNにさらに改善することができた(組合せMおよびN)。しかし、臨界タンプ力の向上が得られたにもかかわらず、式1の化合物を含有する粉末ブレンドの構成成分のそれぞれにおいて、ステアリン酸マグネシウムを0.5%まで低減すると、付着に対して負の影響を及ぼした。ステアリン酸マグネシウムの中程度の変化(組合せJ〜L)は、組合せIほど、さらに改善することはなかった。そこで、ステアリン酸マグネシウムレベルを、エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド層のみ(製剤組合せI)において低下させた。1377Nの臨界層1のタンプ力を最後に決定した。以下の表は、製剤Iの組成をまとめたものである。
【0245】
したがって、式Iの化合物を含有する層に粒間用または粒外用のラクトースを添加しても、層の接着性にほとんどまたは全く影響しなかった。最終粉末ブレンドのそれぞれからステアリン酸マグネシウムを低減すると、圧縮性が改善された。
【表124】
【0246】
すべての刊行物、特許および特許出願は、あたかも個々に参照により組み込まれているかのごとく、その全体が参照により組み込まれている。本発明は、様々な特定の実施形態および好ましい実施形態および技法を参照して記載されている。しかし、本発明の趣旨および範囲内に維持しながら、多数の変更および修正を行うことができると理解すべきである。
50mgの式Iの化合物をその薬学的に許容される塩として含み、25mgのテノホビルアラフェナミドをその薬学的に許容される塩として含み、かつ200mgのエムトリシタビンを含む、請求項1に記載の錠剤。
すべての刊行物、特許および特許出願は、あたかも個々に参照により組み込まれているかのごとく、その全体が参照により組み込まれている。本発明は、様々な特定の実施形態および好ましい実施形態および技法を参照して記載されている。しかし、本発明の趣旨および範囲内に維持しながら、多数の変更および修正を行うことができると理解すべきである。