(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-532911(P2018-532911A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(54)【発明の名称】駐車場を駆動する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
E04H 6/18 20060101AFI20181012BHJP
E04H 6/06 20060101ALN20181012BHJP
【FI】
E04H6/18 601B
E04H6/18 602
E04H6/06 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-512936(P2018-512936)
(86)(22)【出願日】2016年7月20日
(85)【翻訳文提出日】2018年3月9日
(86)【国際出願番号】EP2016067276
(87)【国際公開番号】WO2017041948
(87)【国際公開日】20170316
(31)【優先権主張番号】102015217174.4
(32)【優先日】2015年9月9日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ノアトブルフ
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ ニコデムス
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル マイアー
(57)【要約】
本発明は、駐車場を駆動する方法に関する。駐車場は、リフト装置によって高さ調整可能な、自動車を駐車するための第1の駐車面部分を有する。第1の駐車面部分は、リフト装置により、自動車が第1の駐車面部分上へ走行可能な第1の位置から第2の位置へ、移動可能である。第1の駐車面部分が第2の位置にある場合、第1の駐車面部分の下方に、自動車を駐車するための第2の駐車面部分が露出する。この方法は、
・駐車場内に駐車しようとしている自動車のための自動駐車過程を実行するステップと、
・リフト装置の駆動を自動駐車過程の実行に依存して制御するステップと、
を含む。本発明はさらに、駐車場を駆動する装置、駐車場及びコンピュータプログラムに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場(301)を駆動する方法であって、
前記駐車場(301)は、リフト装置(319)によって高さ調整可能な、自動車(323)を駐車するための第1の駐車面部分(303)を有しており、
前記第1の駐車面部分(303)は、前記リフト装置(319)により、自動車(323)が前記第1の駐車面部分(303)上へ走行可能な第1の位置から第2の位置へ、移動可能であり、
前記第1の駐車面部分(303)が前記第2の位置にある場合、前記第1の駐車面部分(303)の下方に、自動車(323)を駐車するための第2の駐車面部分(311)が露出する、方法において、
・前記駐車場(301)内に駐車しようとしている自動車(323)のための自動駐車過程を実行するステップ(101)と、
・前記リフト装置(319)の駆動を前記自動駐車過程の実行に依存して制御するステップ(103)と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記リフト装置(319)の周囲を前記駐車場(301)の周囲センサ装置により検出して、検出された周囲に対応する周囲データを特定し、
当該周囲データに基づき、交通加入者が前記検出された周囲内に存在するか否か、及び、存在する場合には前記リフト装置(319)に対してどれだけの距離にあるかを特定し、
前記制御するステップは、特定された前記距離が予め定められた最小距離より大きい又は最小距離以上である場合にのみ、前記リフト装置(319)を駆動することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記自動駐車過程を実行するステップは、駐車しようとしている前記自動車(323)を2つの駐車面部分の一方まで運転者の関与なしに自動で操縦して当該一方の駐車面部分に停止させるステップを含み、
前記リフト装置(319)が高さ調整可能な駐車面部分を対応する位置へ移動させるように当該リフト装置(319)を制御し、これにより、当該移動後、前記自動車(323)が前記一方の駐車面部分へ運転者の関与なしに自動で走行する、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記自動駐車過程を実行するステップは、駐車しようとしている前記自動車(323)を前記第1の駐車面部分(303)まで運転者の関与なしに自動で操縦して当該第1の駐車面部分に自動で停止させるステップを含み、
前記第2の駐車面部分(311)が別の自動車(321)によって占有されている場合、当該別の自動車(321)を運転者の関与なしに自動で前記第2の駐車面部分(311)から降下走行させて前記第2の駐車面部分(311)を空け、
前記リフト装置(319)が高さ調整可能な前記第1の駐車面部分(303)を前記第1の位置へ移動させるように当該リフト装置(319)を制御し、これにより、前記自動車(323)が前記第1の駐車面部分(303)まで運転者の関与なしに自動で走行してそこに自動で停止し、
前記自動車(323)が前記第1の駐車面部分(303)に自動で停止した後、前記リフト装置(319)が高さ調整可能な前記第1の駐車面部分(303)を前記第2の位置へ移動させるように当該リフト装置(319)を制御し、これにより、前記別の自動車(321)が前記第2の駐車面部分(311)まで運転者の関与なしに自動で走行してそこに停止する、
請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
駐車しようとしている前記自動車(323)が前記第2の位置にある前記第1の駐車面部分(303)に駐車されており、別の自動車(321)が前記第2の駐車面部分(311)に駐車されている場合、前記自動駐車過程を実行するステップは、先ず前記別の自動車(321)を運転者の関与なしに自動で前記第2の駐車面部分(311)から降下走行させて前記第2の駐車面部分(311)を空けることにより、前記第1の駐車面部分(303)に駐車されている前記自動車(323)を自動で出庫させて、運転者の関与なしに自動で目的位置まで操縦するステップを含み、
ここで、前記リフト装置(319)が高さ調整可能な前記第1の駐車面部分(303)を前記第1の位置へ移動させるように当該リフト装置(319)を制御し、これにより、駐車されている前記自動車(323)が運転者の関与なしに自動で前記第1の駐車面部分(303)から走行して自動で前記目的位置まで操縦され、
前記自動車(323)が前記第1の駐車面部分(303)から自動で降下走行した後、前記リフト装置(319)が高さ調整可能な前記第1の駐車面部分(303)を前記第2の位置へ移動させるように当該リフト装置(319)を制御し、これにより、前記別の自動車(321)が運転者の関与なしに自動で前記第2の駐車面部分(311)へ走行してそこに停止する、又は、前記自動車(323)の自動での降下走行後に前記別の自動車(321)が運転者の関与なしに自動で前記第1の駐車面部分(303)へ操縦される、
請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記自動車(323)を、前記第1の駐車面部分(303)に駐車するための、乃至、前記第1の駐車面部分(303)から降下走行させるための前記リフト装置(319)の移動の間、前記別の自動車(321)を第3の駐車面部分に自動で一時駐車させ、前記第2の駐車面部分(311)前に延在する走路を空ける、
請求項5又は4に記載の方法。
【請求項7】
1つ又は複数の前記方法ステップをドキュメント化する、
請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の駐車面部分(311)は、前記リフト装置(319)によって高さ調整可能なように構成されており、ここで、前記第2の駐車面部分(311)は、前記リフト装置(319)により、自動車(323)が第2の駐車面部分(311)上へ走行可能な第1の位置から第2の位置へ、移動可能であって、前記第2の駐車面部分(311)が前記第2の位置にある場合、前記第2の駐車面部分(311)の下方に、自動車(321)を駐車するための少なくとも1つの第3の駐車面部分を露出させるように構成されている、
請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
駐車場(301)を駆動する装置(201)であって、
前記駐車場(301)は、リフト装置(319)によって高さ調整可能な、自動車(323)を駐車するための第1の駐車面部分(303)を有しており、
前記第1の駐車面部分(303)は、前記リフト装置(319)により、自動車(323)が前記第1の駐車面部分(303)上へ走行可能な第1の位置から第2の位置へ、移動可能であり、
前記第1の駐車面部分(303)が前記第2の位置にある場合、前記第1の駐車面部分(303)の下方には、自動車(323)を駐車するための第2の駐車面部分(311)が露出する、装置(201)において、
・前記駐車場(301)内に駐車しようとしている自動車(323)のための自動駐車過程を実行する実行装置(203)と、
・前記リフト装置(319)の駆動を前記自動駐車過程の実行に依存して制御する制御装置(205)と、
を含む、装置(201)。
【請求項10】
周囲センサ装置により検出された前記リフト装置(319)の周囲に対応する周囲データに基づき、交通加入者が前記検出された周囲内に存在するか否か、及び、存在する場合には前記リフト装置(319)に対してどれだけの距離にあるかを特定するように構成された計算装置が設けられており、
前記制御装置(205)は、特定された前記距離が予め定められた最小距離より大きい又は最小距離以上である場合にのみ、前記リフト装置(319)を駆動するように構成されている、
請求項9に記載の装置(201)。
【請求項11】
前記実行装置(203)は、駐車しようとしている前記自動車(323)を2つの駐車面部分の一方まで運転者の関与なしに自動で操縦して、当該自動車(323)を当該一方の駐車面部分に自動で停止させるように構成されており、
前記制御装置(205)は、前記リフト装置(319)を制御して、高さ調整可能な第1の駐車面部分(303)を対応する位置へ移動させるように構成されており、
前記実行装置(203)は、当該移動後、前記自動車(323)を前記一方の駐車面部分へ運転者の関与なしに自動で走行させるように構成されている、
請求項9又は10に記載の装置(201)。
【請求項12】
前記実行装置(203)は、駐車しようとしている前記自動車(323)を前記第1の駐車面部分(303)まで運転者の関与なしに自動で操縦して、当該自動車を前記第1の駐車面部分に自動で停止させるように構成されており、
前記実行装置(203)は、前記第2の駐車面部分(311)が別の自動車(321)によって占有されている場合、当該別の自動車(321)を運転者の関与なしに自動で前記第2の駐車面部分(311)から降下走行させて前記第2の駐車面部分(311)を空けるように構成されており、
前記制御装置(205)は、前記リフト装置(319)を制御して、高さ調整可能な前記第1の駐車面部分(303)を前記第1の位置へ移動させるように構成されており、
前記実行装置(203)は、前記第1の駐車面部分(303)が前記第1の位置へ移動した後、前記自動車(323)を前記第1の駐車面部分(303)まで運転者の関与なしに自動で走行させてそこに自動で停止させるように構成されており、
前記制御装置(205)は、前記自動車(323)が前記第1の駐車面部分(303)に自動で停止した後、前記リフト装置(319)を制御して、高さ調整可能な前記第1の駐車面部分(303)を前記第2の位置へ移動させるように構成されており、
前記実行装置(203)は、前記第1の駐車面部分(303)が前記第2の位置へ移動した後、前記別の自動車(321)を前記第2の駐車面部分(311)まで運転者の関与なしに自動で走行させてそこに自動で停止させるように構成されている、
請求項9から11までのいずれか1項に記載の装置(201)。
【請求項13】
駐車しようとしている前記自動車(323)が前記第2の位置にある前記第1の駐車面部分(303)に駐車されており、別の自動車(321)が前記第2の駐車面部分(311)に駐車されている場合、前記実行装置(203)は、前記第1の駐車面部分(303)に駐車されている前記自動車(323)を自動で出庫させて、運転者の関与なしに自動で目的位置まで操縦するように構成されており、その際に、前記実行装置(203)は、先ず前記別の自動車(321)を運転者の関与なしに自動で前記第2の駐車面部分(311)から降下走行させて前記第2の駐車面部分(311)を空けるように構成されており、
前記制御装置(205)は、前記リフト装置(319)を制御して、高さ調整可能な前記第1の駐車面部分(303)を前記第1の位置へ移動させるように構成されており、
前記実行装置(203)は、駐車されている前記自動車(323)を運転者の関与なしに自動で前記第1の駐車面部分(303)から走行させて自動で前記目的位置まで操縦するように構成されており、
前記制御装置(205)は、前記自動車(323)が前記第1の駐車面部分(303)から自動で降下走行した後、前記リフト装置(319)を制御して、高さ調整可能な前記第1の駐車面部分(303)を前記第2の位置へ移動させるように構成されており、
前記実行装置(203)は、前記別の自動車(321)を前記第2の駐車面部分(311)まで運転者の関与なしに自動で走行させてそこで停止させるように構成されており、
前記実行装置(203)は、前記自動車(323)の自動での降下走行後に前記別の自動車(321)を運転者の関与なしに自動で前記第1の駐車面部分(303)へ操縦するように構成されている、
請求項9から12までのいずれか1項に記載の装置(201)。
【請求項14】
前記実行装置(203)は、前記自動車(323)を、前記第1の駐車面部分(303)に駐車するための、乃至、前記第1の駐車面部分(303)から降下走行させるための前記リフト装置(319)の移動の間、前記別の自動車(321)を第3の駐車面部分に自動で一時駐車させ、前記第2の駐車面部分(311)前に延在する走路を空けるように構成されている、
請求項12又は13に記載の装置(201)。
【請求項15】
1つ又は複数の前記方法ステップをドキュメント化するドキュメント化装置が設けられている、
請求項9から14までのいずれか1項に記載の装置(201)。
【請求項16】
前記第2の駐車面部分(311)は、前記リフト装置(319)によって高さ調整可能なように構成されており、ここで、前記第2の駐車面部分(311)は、前記リフト装置(319)により、自動車(323)が前記第2の駐車面部分(311)上へ走行可能な第1の位置から第2の位置へ、移動可能であって、前記第2の駐車面部分(311)が前記第2の位置にある場合、前記第2の駐車面部分(311)の下方に、自動車(321)を駐車するための少なくとも1つの第3の駐車面部分を露出させるように構成されている、
請求項9から15までのいずれか1項に記載の装置(201)。
【請求項17】
自動車(323)用の駐車場(301)であって、
当該駐車場は、リフト装置(319)によって高さ調整可能な、自動車(323)を駐車するための第1の駐車面部分(303)を有しており、
前記第1の駐車面部分(303)は、前記リフト装置(319)により、自動車(323)が前記第1の駐車面部分(303)上へ走行可能な第1の位置から第2の位置へ、移動可能であり、
前記第1の駐車面部分(303)が前記第2の位置にある場合、前記第1の駐車面部分(303)の下方に、自動車(323)を駐車するための第2の駐車面部分(311)が露出する、駐車場(301)において、
当該駐車場は、請求項9から16までのいずれか1項に記載の装置(201)を含む、
駐車場(301)。
【請求項18】
コンピュータ上で実行されるときに、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法を実行するためのプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場を駆動する方法及び装置に関する。本発明はさらに、駐車場及びコンピュータプログラムにも関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術
公報:独国特許出願公開第102012222562号明細書(DE102012222562A1)には、車両を起点位置から目的位置まで移動させる管理駐車場システムが示されている。
【0003】
自動駐車過程の分野においては、通常、車両が駐車場内で運転者側での手動の操縦なしに自動で駐車されるように構成されている。
【0004】
また、2台の自動車を上下に駐車可能ないわゆる多段式駐車場も公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102012222562号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の開示
本発明の基礎とする課題は、駐車場の効率的な駆動のための効率的な構想を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、独立請求項の各対象により解決される。本発明の有利な各構成は、各従属請求項の対象となっている。
【0008】
一態様によれば、駐車場を駆動する方法が提供される。駐車場は、リフト装置によって高さ調整可能な、自動車を駐車するための第1の駐車面部分を有しており、第1の駐車面部分は、リフト装置により、自動車がこの第1の駐車面部分上へ走行可能な第1の位置から第2の位置へ、移動可能である。ここで、第1の駐車面部分が第2の位置にある場合、第1の駐車面部分の下方に、自動車を駐車するための第2の駐車面部分が露出する。当該方法は、
・駐車場内に駐車しようとしている自動車のための自動駐車過程を実行するステップと、
・リフト装置の駆動を自動駐車過程の実行に依存して制御するステップと、
を含む。
【0009】
別の態様によれば、駐車場を駆動する装置が提供される。当該駐車場は、リフト装置によって高さ調整可能な、自動車を駐車するための第1の駐車面部分を有しており、第1の駐車面部分は、リフト装置により、自動車がこの第1の駐車面部分上へ走行可能な第1の位置から第2の位置へ、移動可能である。ここで、第1の駐車面部分が第2の位置にある場合、第1の駐車面部分の下方に、自動車を駐車するための第2の駐車面部分が露出する。当該装置は、
・駐車場内に駐車しようとしている自動車のための自動駐車過程を実行する実行装置と、
・リフト装置の駆動を自動駐車過程の実行に依存して制御する制御装置と、
を含む。
【0010】
別の態様によれば、自動車用の駐車場が提供される。駐車場は、リフト装置によって高さ調整可能な、自動車を駐車するための第1の駐車面部分を有しており、第1の駐車面部分は、リフト装置により、自動車がこの第1の駐車面部分上へ走行可能な第1の位置から第2の位置へ、移動可能である。ここで、第1の駐車面部分が第2の位置にある場合、第1の駐車面部分の下方に、自動車を駐車するための第2の駐車面部分が露出する。当該駐車場は、本発明に係る装置を含む。
【0011】
別の態様によれば、コンピュータプログラムが提供される。コンピュータプログラムは、コンピュータ上で実行されるときに、本発明に係る方法を実行するためのプログラムコードを含む。
【0012】
本発明は、特に就中、自動駐車過程の実行から得られる利点と、リフト装置によって高さ調整可能な第1の駐車面部分を設けることから得られる利点とを相互に結合するというアイデアを含む。なぜなら、駐車場内に駐車しようとしている自動車の駐車過程が自動で実行されれば、有利に、駐車場を効率的に駆動することができるからである。なぜなら、自動車を駐車場内で手動駐車する場合のヒューマンエラーに起因して生じ得るエラーを回避することができるからである。こうしたエラーは、例えば、駐車場の駆動に障害をもたらすことがある。例えば、駐車しようとしている自動車が別の自動車をその駐車過程においてブロック又は妨害するようなエラーが生じ得る。
【0013】
リフト装置によって第1の位置から第2の位置へ上述したように移動させることができる高さ調整可能な第1の駐車面部分を設けることにより、特に、3次元空間において2台の自動車を上下に駐車することができ、駐車場を一貫して効率的に利用することができるという技術的利点が得られる。一方においては、自動車を第1の駐車面部分上に駐車することができる。他方においては、第1の駐車面部分が第1の位置に移動された場合に、別の自動車を第2の駐車面部分に駐車させることができる。これにより、有利には、駐車しようとしている自動車に関する駐車場のキャパシティを有利に高めることができる。
【0014】
本発明に従って、リフト装置が自動駐車過程の実行に依存して駆動されるように構成されていることにより、リフト装置を特に効率的に自動駐車過程に適応させて駆動することができるという相互作用的な利点が得られる。このため、例えば、リフト装置は、駐車しようとしている自動車が到来時に直接的に即ちダイレクトに、第1の駐車面部分へ走行することができるよう、この駐車面部分を第2の位置から第1の位置へ移動させるように構成可能である。即ち、運転者が彼の車両を手動で第1の駐車面部分へ走行させ、第1の駐車面部分を第1の位置へ移動させるべくリフト装置を手動操作するためにそこでいったん自動車から降りなければならないケースに比べて、時間損失が生じない。
【0015】
従って、一般的にも特にも、駐車場を効率的に駆動することができるという技術的利点が広く得られる。
【0016】
本発明における車両とは、自動車である。
【0017】
「乃至」なる表現は、特に「及び/又は」の表現を含む。
【0018】
一実施形態においては、装置乃至駐車場は、リフト装置を含む。
【0019】
一実施形態によれば、運転者の関与なしの自動の操縦又は走行は、自動車の自律走行を含む。
【0020】
一実施形態によれば、運転者の関与なしの自動の操縦は、自動車の遠隔制御を含む。
【0021】
一実施形態によれば、運転者の関与なしの自動の操縦又は走行は、自動車が或る部分区間においては遠隔制御され、別の部分区間においては自律走行することを含む。
【0022】
一実施形態によれば、自動車の運転者の関与なしの自動の操縦又は走行は、通信網を介して走行データを自動車へ送信し、この走行データに基づいて自動車が自律走行可能であることを含む。こうした走行データは、例えば次のデータ、即ち、自動車が辿るべき目標トラジェクトリの目標トラジェクトリデータ、自動車が走行すべき目的位置の目的位置データ、目標トラジェクトリに再び到達するために自動車が走行すべき補正トラジェクトリの補正トラジェクトリデータを含む。
【0023】
運転者の関与しない操縦とは、即ち、一実施形態によれば、自動車の遠隔操作を含む。自動車の遠隔制御は、一実施形態によれば、遠隔制御命令が通信網を介して自動車へ送信されることを含む。
【0024】
通信網は、一実施形態によれば、WLAN通信網及び/又は移動無線通信網及び/又はLoRa通信網を含む。“LoRa”とは、"Low Power Wide-Range Communication"の略である。即ち、LoRa通信網とは、LoRa規格に準拠した通信網をいう。
【0025】
一実施形態によれば、通信は、通信網を介して、暗号化される乃至暗号化されている。
【0026】
よって、運転者の関与なしの操縦又は運転者の関与なしの走行は、特に、自動車を走行させる乃至操縦する人間の運転者が自動車内にいる必要がないことを特徴としている。
【0027】
自動車の操縦とは、特に、自動車の横方向操舵及び/又は長手方向操舵の調整又は制御を含む。
【0028】
本発明の意味における駐車場は、自動車の駐車スペースとして用いられる。ここで、駐車場とは、複数の駐車スペース(私有地の駐車スペース)又は複数の駐車台(公共地の駐車スペース)を有する複数の面の組み合わせを形成している。即ち、駐車台又は駐車スペースが駐車面であり、これを簡単化のために駐車位置とも称する。駐車場は、一実施形態によれば、立体駐車場として構成される。駐車場は、別の一実施形態によれば、車庫として構成される。
【0029】
別の一実施形態においては、リフト装置の周囲が駐車場の周囲センサ装置により検出され、検出された周囲に対応する周囲データが特定され、ここで、周囲データに基づき、交通加入者が検出された周囲内に存在するか否か、及び、存在する場合にはリフト装置に対してどれだけの距離にあるかが特定される。この場合、制御は、特定された距離が予め定められた最小距離より大きい又は最小距離以上である場合にのみ、リフト装置を駆動することを含む。
【0030】
これにより特に、交通加入者の安全性を効率的に高めることができるという技術的利点が得られる。なぜなら、このようにすれば、リフト装置が駆動される際に、リフト装置から交通加入者までの最小距離を常に保持することができるからである。
【0031】
即ち、これは、特定された距離が予め定められた最小距離と比較され、この比較に基づいてリフト装置が駆動されることを意味する。
【0032】
別の実施形態によれば、自動駐車過程を実行するステップが、駐車しようとしている自動車を2つの駐車面部分の一方まで運転者の関与なしに自動で操縦して当該一方の駐車面部分に停止させるステップを含むように構成される。ここで、リフト装置は、高さ調整可能な駐車面部分を対応する位置へ移動させるように制御され、これにより、この移動後、自動車は、当該一方の駐車面部分へ運転者の関与なしに自動で走行する。
【0033】
これにより特に、2つの駐車面部分の一方へ自動車を効率的に駐車することができるという技術的利点が得られる。特には、リフト装置が高さ調整可能な駐車面部分を既に対応する位置へ移動させており、この移動後、自動車の到来時にこの自動車が直ちに2つの駐車面部分の一方へ運転者の関与なしに走行されるよう、自動駐車過程とリフト装置の駆動とが相互調整されるように構成される。
【0034】
例えば、上記の構成は、高さ調整可能な第1の駐車面部分を対応する位置へ移動させるのに充分な時間がリフト装置に生じるように、駐車しようとしている自動車の車速を適応化することにより得られる。
【0035】
例えば、上記の構成は、リフト装置が移動を開始する時点を、駐車しようとしている自動車の車速に適応化することによって行われる。
【0036】
一実施形態によれば、自動駐車過程を実行するステップは、駐車しようとしている自動車を第1の駐車面部分まで運転者の関与なしに自動で操縦してこの第1の駐車面部分に自動で停止させるステップを含み、第2の駐車面部分が別の自動車によって占有されている場合、この別の自動車を運転者の関与なしに自動で第2の駐車面部分から降下走行させて第2の駐車面部分を空けるように構成される。ここで、リフト装置は、高さ調整可能な第1の駐車面部分を第1の位置へ移動させるように制御され、これにより、自動車は、第1の駐車面部分まで運転者の関与なしに自動で走行して、そこに自動で停止する。自動車が第1の駐車面部分に自動で停止した後、リフト装置は、高さ調整可能な第1の駐車面部分を第2の位置へ移動させるように制御され、これにより、別の自動車は、第2の駐車面部分まで運転者の関与なしに自動で走行してそこに停止する。
【0037】
これにより、特には、下方に位置する第2の駐車面部分が既に占有されている場合にも、第1の駐車面部分を効率的に駐車に利用することができるという技術的利点が得られる。自動車を手動で操縦しなければならない場合、先ず駐車場人員が第2の駐車面部分に駐車されている自動車のところへ赴き、これを第2の駐車面部分から手動で降下走行させなければならない。その後ではじめて、駐車場人員は、リフト装置により、第1の駐車面部分を第2の位置から第1の位置へ移動させ、さらに、駐車しようとしている自動車を第1の駐車面部分へ走行させることができるようになる。この場合、駐車場人員は続いて、自動車から降り、リフト装置により第1の駐車面部分を第2の位置へ元のように移動させ、続いて出庫させた自動車を再び手動で走行させて第2の駐車面部分へ戻さなければならない。こうした手動の過程には時間がかかり、通常、非効率的である。しかし、本発明の構想によれば、この欠点が効率的に克服されるので有利であり、よって、駐車場の効率的な動作を有利に保証することができる。
【0038】
別の実施形態においては、駐車しようとしている自動車が第2の位置にある第1の駐車面部分に駐車されており、別の自動車が第2の駐車面部分に駐車されている場合、自動駐車過程を実行するステップが、先ず別の自動車を運転者の関与なしに自動で第2の駐車面部分から降下走行させて第2の駐車面部分を空けることにより、第1の駐車面部分に駐車されている自動車を自動で出庫させて運転者の関与なしに自動で目的位置まで操縦するステップを含むように構成される。ここで、リフト装置は、高さ調整可能な第1の駐車面部分を第1の位置へ移動させるように制御され、これにより、駐車されている自動車は、運転者の関与なしに自動で第1の駐車面部分から走行して自動で目的位置まで操縦される。自動車が第1の駐車面部分から自動で降下走行した後、リフト装置は、高さ調整可能な第1の駐車面部分を第2の位置へ移動させるように制御され、これにより、別の自動車が、運転者の関与なしに自動で第2の駐車面部分へ走行してそこで停止し、又は、自動車の自動での降下走行後に別の自動車が運転者の関与なしに自動で第1の駐車面部分へ操縦される。
【0039】
これにより、特には、自動車の効率的な出庫を実行することができるという技術的利点が得られる。これは特に、自動車の下方の第2の駐車面部分に別の自動車が駐車されているケースにおいても該当する。この場合にも、手動であれば、駐車場人員は、上述したように、時間のかかる非効率的な過程を行わなければならない。よって、このようにすれば特段の技術的利点が得られ、駐車場の効率的な動作を保証することができる。
【0040】
別の一実施形態によれば、自動車を、第1の駐車面部分に駐車するための、乃至、第1の駐車面部分から降下走行させるためのリフト装置の移動の間、別の自動車を第3の駐車面部分に自動で一時駐車し、第2の駐車面部分の前に延在する走路を空けるように構成される。
【0041】
これにより特に、別の自動車が、第1の駐車面部分乃至第2の駐車面部分へ再び戻す操縦が行われるまで待機する場合に、この別の自動車が走路をブロックしたり又は走路での車両交通が妨害されたりすることがないという技術的利点が得られる。
【0042】
一実施形態においては、1つ又は複数の上述した方法ステップがドキュメント化されるように構成される。
【0043】
これにより特に、後の時点においても、上述した方法の実行を少なくとも部分的に、特には完全に、後付けすることができるという技術的利点が得られる。
【0044】
一実施形態によれば、駐車場を駆動する装置は、駐車場を駆動する方法を遂行又は実行するように構成又は配置されている。装置の技術的機能は方法の技術的機能に類似しており、逆も同様である。
【0045】
一実施形態によれば、周囲センサ装置により検出されたリフト装置の周囲に対応する周囲データに基づき、交通加入者が検出された周囲内に存在するか否か、及び、存在する場合にはリフト装置に対してどれだけの距離にあるかを特定するように構成された計算装置が設けられ、制御装置は、特定された距離が予め定められた最小距離より大きい又は最小距離以上である場合にのみ、リフト装置を駆動するように構成される。
【0046】
別の実施形態においては、実行装置は、駐車しようとしている自動車を、2つの駐車面部分の一方まで運転者の関与なしに自動で操縦して当該一方の駐車面部分に自動で停止させるように構成され、制御装置は、リフト装置を制御して、高さ調整可能な第1の駐車面部分を対応する位置へ移動させるように構成され、実行装置は、移動後、自動車を当該一方の駐車面部分へ運転者の関与なしに自動で走行させるように構成される。
【0047】
一実施形態によれば、実行装置は、駐車しようとしている自動車を第1の駐車面部分まで運転者の関与なしに自動で操縦して第1の駐車面部分に自動で停止させるように構成され、実行装置は、第2の駐車面部分が別の自動車によって占有されている場合、この別の自動車を運転者の関与なしに自動で第2の駐車面部分から降下走行させて第2の駐車面部分を空けるように構成され、制御装置は、リフト装置を制御して、高さ調整可能な第1の駐車面部分を第1の位置へ移動させるように構成され、実行装置は、第1の駐車面部分が第1の位置へ移動した後、自動車を、第1の駐車面部分まで運転者の関与なしに自動で走行させてそこに自動で停止させるように構成され、制御装置は、自動車が第1の駐車面部分に自動で停止した後、リフト装置を制御して、高さ調整可能な第1の駐車面部分を第2の位置へ移動させるように構成され、実行装置は、第1の駐車面部分が第2の位置へ移動した後、別の自動車を第2の駐車面部分まで運転者の関与なしに自動で走行させてそこに自動で停止させるように構成される。
【0048】
一実施形態によれば、駐車しようとしている自動車が第2の位置にある第1の駐車面部分に駐車されており、別の自動車が第2の駐車面部分に駐車されている場合、実行装置は、第1の駐車面部分に駐車されている自動車を自動で出庫させて、運転者の関与なしに自動で目的位置まで操縦するように構成され、その際に、実行装置は、先ず別の自動車を運転者の関与なしに自動で第2の駐車面部分から降下走行させて第2の駐車面部分を空けるように構成され、制御装置は、リフト装置を制御して、高さ調整可能な第1の駐車面部分を第1の位置へ移動させるように構成され、実行装置は、駐車されている自動車を運転者の関与なしに自動で第1の駐車面部分から走行させて自動で目的位置まで操縦するように構成され、制御装置は、自動車が第1の駐車面部分から自動で降下走行した後、リフト装置を制御して、高さ調整可能な第1の駐車面部分を第2の位置へ移動させるように構成され、実行装置は、別の自動車を第2の駐車面部分まで運転者の関与なしに自動で走行させてそこに停止させるように構成され、実行装置は、自動車の自動での降下走行後に別の自動車を運転者の関与なしに自動で第1の駐車面部分へ操縦するように、構成される。
【0049】
別の実施形態においては、実行装置は、自動車を、第1の駐車面部分に駐車するための、乃至、第1の駐車面部分から降下走行させるためのリフト装置の移動の間、別の自動車を第3の駐車面部分に自動で一時駐車させ、第2の駐車面部分の前に延在する走路を空けるように構成される。
【0050】
別の実施形態においては、1つ又は複数の上述した方法ステップをドキュメント化するドキュメント化装置が設けられる。
【0051】
一実施形態によれば、駐車場を駆動する方法は、駐車場を駆動する装置によって遂行又は実行されるように構成される。
【0052】
一実施形態によれば、リフト装置は液圧式リフト装置である。
【0053】
一実施形態によれば、周囲センサ装置は、リフト装置の周囲を検出するために設けられる。
【0054】
一実施形態によれば、周囲センサ装置は1つ又は複数の周囲センサを含む。周囲センサは例えば、赤外線センサ、超音波センサ、レーザーセンサ、LIDARセンサ、磁気センサ、レーダーセンサ及びビデオセンサのうちいずれかである。
【0055】
自動車乃至別の自動車の走行又は操縦は、常に、運転者の関与なしの走行乃至運転者の関与なしの操縦である。
【0056】
別の実施形態によれば、通信網を介してリフト装置へ制御命令を伝送するように構成された通信インタフェースが設けられる。
【0057】
別の実施形態によれば、制御装置は、リフト装置に対する制御命令を特定するように構成される。
【0058】
別の実施形態においては、実行装置は、自動車を遠隔制御する遠隔制御装置を含む。
【0059】
一実施形態によれば、実行装置は、上述した方式で走行データを特定するように構成される。
【0060】
一実施形態によれば、通信インタフェースは、特定された走行データを、通信網を介して自動車へ送信するように構成される。
【0061】
一実施形態においては、第2の駐車面部分がリフト装置によって高さ調整可能なように構成され、ここで、第2の駐車面部分は、リフト装置により、自動車が第2の駐車面部分上へ走行可能な第1の位置から第2の位置へ、移動可能であって、この第2の駐車面部分が第2の位置にある場合、第2の駐車面部分の下方に、自動車を駐車するための少なくとも1つの第3の駐車面部分が露出するように、構成される。
【0062】
これにより、特に、駐車場のキャパシティをさらに高めることができるという技術的利点が得られる。こうして、自動車の駐車に利用可能な面積を有利に効率的に利用することができる。
【0063】
「少なくとも1つの第3の駐車面部分」なる語は、さらなる実施形態、即ち、第1及び第2の駐車面部分と類似した第3の駐車面部分をリフト装置によって高さ調整可能とし、この第3の駐車面部分が第2の位置に位置する場合に、第3の駐車面部分の下方に自動車を駐車するための第4の駐車面部分が現れる形態を表す。
【0064】
この方式は任意に連続させることができるので、一実施形態においては、リフト装置によって高さ調整可能な、上下に並んだ複数の駐車面部分が設けられる。この方式での限界は、通常、利用可能な設置空間によって定められる。
【0065】
高さ調整可能な駐車面部分は、一実施形態によれば、リフト装置による自動駐車過程の実行に依存して高さ調整される。
【0066】
本発明を以下に好ましい実施形態に即して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】駐車場を駆動する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1には、駐車場を駆動する方法のフローチャートが示されている。駐車場は、リフト装置によって高さ調整可能な、自動車を駐車するための第1の駐車面部分を有しており、第1の駐車面部分は、リフト装置により、自動車がこの第1の駐車面部分上へ走行可能な第1の位置から第2の位置へ、移動可能である。ここで、第1の駐車面部分が第2の位置にある場合、第1の駐車面部分の下方に、自動車を駐車するための第2の駐車面部分が露出する。
【0069】
この方法は、
・駐車場内に駐車しようとしている自動車のための自動駐車過程を実行するステップ101と、
・リフト装置の駆動を自動駐車過程の実行に依存して制御するステップ103と、
を含む。
【0070】
自動駐車過程の実行は、例えば、駐車しようとしている自動車の運転者が彼の車両を自動駐車過程の実行のために停止させた引き渡し位置から第1の駐車面部分又は第2の駐車面部分へ、運転者の関与なしに自動で操縦させることを含む。自動駐車過程は、例えば、駐車しようとしている自動車を第1の駐車面部分乃至第2の駐車面部分に停止させることを含む。自動駐車過程は、特に、第1の駐車面部分乃至第2の駐車面部分に駐車されている自動車を各駐車面部分から所定の目的位置まで運転者の関与なしに自動で操縦することを含む。目的位置とは、例えば、人員が自動車を受け取り可能な受け取り位置である。即ち、自動車は目的位置で運転者の関与なしに自動で停止される。
【0071】
目的位置は、例えば、引き渡し位置と同一であってよく、又は、例えば、異なっていてもよい。
【0072】
図2には、駐車場を駆動する装置201が示されている。駐車場は、リフト装置によって高さ調整可能な、自動車を駐車するための第1の駐車面部分を有しており、第1の駐車面部分は、リフト装置により、自動車がこの第1の駐車面部分上へ走行可能な第1の位置から第2の位置へ、移動可能である。ここで、第1の駐車面部分が第2の位置にある場合、第1の駐車面部分の下方に、自動車を駐車するための第2の駐車面部分が露出する。
【0073】
装置201は、
・駐車場内に駐車しようとしている自動車のための自動駐車過程を実行する実行装置203と、
・リフト装置の駆動を自動駐車過程の実行に依存して制御する制御装置205と、
を含む。
【0074】
一実施形態によれば、装置201は、自動車を運転者の関与なしに操縦するために、通信網を介して自動車へ走行データ乃至制御命令を送信するように構成された通信インタフェースを含む。
【0075】
一実施形態によれば、装置201は、リフト装置の駆動を制御するための制御命令を、通信網を介してリフト装置へ送信するように構成された通信インタフェースを含む。
【0076】
一実施形態によれば、第1の駐車面部分乃至第2の駐車面部分は、それぞれ1つずつ駐車占有センサを含む。駐車占有センサは、特に、各駐車面部分の占有状態を検出するように構成されている。
【0077】
一実施形態によれば、検出された占有状態に基づいて自動駐車過程が実行されるように構成されている。
【0078】
一実施形態によれば、駐車占有センサは、以下の周囲センサのいずれか、即ち、レーダーセンサ、LIDARセンサ、レーザーセンサ、超音波センサ、磁気センサ、ビデオセンサ又は赤外線センサのいずれかである。
【0079】
一実施形態においては、装置201はリフト装置である。
【0080】
図3には、自動車用の駐車場301が示されている。
【0081】
駐車場301は、
図2の装置201を含む。
【0082】
駐車場301はさらに、4つの高さ調整可能な第1の駐車面部分303,305,307,309を含む。4つの高さ調整可能な第1の駐車面部分303,305,307,309は、それぞれ1つずつのリフト装置319によって、特に第1の位置から第2の位置へ、乃至、第2の位置から第1の位置へ、高さ調整可能である。
【0083】
図3の図示によれば、4つの第1の駐車面部分303,305,307,309は第2の位置に移動されている。
【0084】
4つの第1の駐車面部分303,305,307,309の下方には、それぞれ1つずつ、第2の駐車面部分311,313,315,317が形成されている。これらの第2の駐車面部分311,313,315,317は、対応する第1の駐車面部分303,305,307,309が第2の位置にあるため、現在、露出している。
【0085】
4つの第1の駐車面部分303,305,307,309の第1の位置は、自動車がこれらの駐車面部分303,305,307,309へ走行可能な位置である。通常、これらは地面と同レベルの位置である。
【0086】
4つの第1の駐車面部分303,305,307,309には、自動車323,325,327,329が駐車されている。
【0087】
第2の駐車面部分311,315,317には、自動車321,331,333が駐車されている。
【0088】
従って、第2の駐車面部分313は占有されていない。
【0089】
例えば、人員が、第1の駐車面部分303に駐車されている自動車323を受け取ろうとすることが、自動駐車過程の範囲に含まれる。この人員は、例えば、通信装置を介して、彼の自動車323を、駐車場301の駐車場管理システムに要求する。駐車場管理システムは、この場合、ユーザが彼の自動車323を再び受け取ることができるように、装置201により、自動車323の対応する返却を調整乃至制御する。例えば、自動車323は、第1の駐車面部分303から受け取り位置へ運転者の関与なしに操縦され、この受け取り位置で人員が自動車323を受け取ることができる。
【0090】
このために、先ず、第1の駐車面部分303の下方に位置する第2の駐車面部分311に駐車されている自動車321が出庫され、例えば運転者の関与なしに自動で第2の駐車面部分313まで操縦されて、そこに停止される。即ち、この出庫過程により第2の駐車面部分311が空けられたので、リフト装置319は、第1の駐車面部分303を第1の位置へ移動させることができる。これにより、有利には、自動車323を第1の駐車面部分303から走行させることができる。
【0091】
自動車323を出庫させて受け取り位置の方向へ発進させた後、例えば、第2の駐車面部分313に一時駐車されていた自動車321は、操縦されて第2の駐車面部分311へ戻される、又は、第2の駐車面部分313に停止されたままとされる。
【0092】
第2の駐車面部分313も占有されている場合には、一実施形態によれば、自動車321を駐車面部分の前の走路に駐車して、そこで自動車323の出庫過程が終了するまで待機させるように構成されている。これにより、出庫過程の終了後、自動車321を再び駐車面部分311へ戻すこと、又は、駐車面部分303へ走行させることができる。
【0093】
一実施形態によれば、第1の駐車面部分乃至第2の駐車面部分が空いているか又は占有されているかの検査が行われる。
【0094】
一実施形態によれば、高さ調整可能な第1の駐車面部分を対応して移動させるために、リフト装置の駆動制御が行われる。
【0095】
別の実施形態においては、リフト装置の検査は、連続的に、リフト装置がその時点でどの位置にあるか、即ち、第1の駐車面部分が第1の位置にあるか又は第2の位置にあるかが判別されるように行われる。
【0096】
一実施形態によれば、入庫過程乃至出庫過程乃至入れ替え過程の駆動制御は、複数の自動車のうち1台について行われる。当該駆動制御は、特に、自動駐車過程の範囲に含まれる。
【0097】
一実施形態によれば、安全上の理由から、全ステップがチェック乃至検査され、例えば記録される。
【0098】
上述した各ステップは、例えば駐車場管理システムによって実行される。
【0099】
一実施形態によれば、交通加入者、特に人間がリフト装置の直接近傍に位置しない場合にのみ、1つ乃至複数乃至全ての方法ステップ、特にリフト装置の運動、特に自動車の走行過程が行われる。即ち、交通加入者とリフト装置との間の予め定められた最小距離が保持されるかが検査される。このことは特に、インフラストラクチャ監視部によって、例えば周囲センサ装置によって行うことができる。このことは、特に、駐車場管理システムにより制御可能である。
【0100】
一実施形態によればさらに、全過程が、安全上の理由から、特に保証責任の目的でドキュメント化される。
【0101】
従って、本発明は、特に就中、「自動バレーパーキング」と「多段式駐車」との2つのシステムアプローチを有利に相互に組み合わせて、各システムアプローチに発生し得る欠点を消去又は少なくとも補償することができるようにするという効率的な技術構想を提供する。「自動バレーパーキング」は「自動駐車過程」を表し、「AVP」と略称されることもある。「多段式駐車」は、設定されている各駐車面に空間的に上下方向に2台の自動車を駐車可能にするため、上述したようなリフト装置と第1の駐車面部分及び第2の駐車面部分とが存在することを表す。
【0102】
このために特に、リフト装置の遠隔制御が行われる、乃至、リフト装置が遠隔制御されるように構成されている。リフト装置は、例えば、通信網を介して遠隔制御命令を受信する通信インタフェースを含む。
【0103】
一実施形態によれば、通信網はインタネットを含む。
【0104】
特に、駐車面部分、例えば第1の駐車面部分乃至第2の駐車面部分が空いているか又は占有されているかの自動識別が行われる。これは、例えば駐車占有センサによって行われる。
【0105】
特に、一実施形態によれば、第1の駐車面部分が第1の位置にあるか又は第2の位置にあるかが自動識別される。即ち、リフト装置が下方(第1の位置)にあるか又は上方(第2の位置)にあるか又は移動中であるかが、自動識別される。
【0106】
一実施形態によれば、例えば駐車場インフラストラクチャによってトリガ可能な入れ替え動作が行われる。
【0107】
一実施形態によれば、第1の駐車面部分乃至第2の駐車面部分の高さ乃至幅が考慮される。これらは例えばディジタル化された駐車場マップに基づいて特定される。
【国際調査報告】