(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-533838(P2018-533838A)
(43)【公表日】2018年11月15日
(54)【発明の名称】キャパシタ堆積装置及びこれを用いた誘電体膜の堆積方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20181019BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20181019BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20181019BHJP
H01L 21/8242 20060101ALI20181019BHJP
H01L 27/108 20060101ALI20181019BHJP
H01L 21/314 20060101ALI20181019BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L27/04 C
H01L27/108 651
H01L21/314 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-504180(P2018-504180)
(86)(22)【出願日】2016年7月18日
(85)【翻訳文提出日】2018年3月2日
(86)【国際出願番号】KR2016007783
(87)【国際公開番号】WO2017018706
(87)【国際公開日】20170202
(31)【優先権主張番号】10-2015-0106099
(32)【優先日】2015年7月27日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0155265
(32)【優先日】2015年11月5日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】504210651
【氏名又は名称】ジュスン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】ソ ドンウォン
(72)【発明者】
【氏名】クワ ジェチャン
(72)【発明者】
【氏名】チョ ビョンハ
【テーマコード(参考)】
5F038
5F045
5F058
5F083
【Fターム(参考)】
5F038AC05
5F038AC16
5F038AC18
5F038EZ11
5F038EZ14
5F038EZ17
5F038EZ20
5F045AB31
5F045AB32
5F045AB37
5F045AD07
5F045AD08
5F045AE01
5F045AF10
5F045BB16
5F045DC52
5F045DQ17
5F045EH01
5F045HA24
5F045HA25
5F058BA11
5F058BA20
5F058BB10
5F058BD02
5F058BD04
5F058BD05
5F058BE10
5F058BJ10
5F083AD21
5F083AD60
5F083GA27
5F083JA02
5F083JA06
5F083JA14
5F083JA40
5F083PR00
5F083PR33
(57)【要約】
高誘電率を有するキャパシタの製造方法に関し、該方法は、誘電体層の表面が、真空破壊により劣化するのを防止し、かつ、半導体基板のロード、アンロード時に発生する物理的ストレスにより、誘電体層の品質が劣化するのを防止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1誘電体層、第2誘電体層及び第3誘電体層を、上に電極が形成された基板上に形成する第1チャンバ、
前記第3誘電体層上に金属層を形成する第2チャンバ、及び
前記第1チャンバ及び前記第2チャンバを真空状態に接続する第3チャンバからなる、キャパシタ堆積装置。
【請求項2】
第1誘電体層を、上に電極が形成された基板上に形成し、
第2誘電体層を、前記第1誘電体層上に形成し、
第3誘電体層を、前記第2誘電体層上に形成し、
前記第1誘電体層の形成、前記第2誘電体層の形成、前記第3誘電体層の形成を同一のチャンバで実行することを特徴とする、誘電体層を堆積させる方法。
【請求項3】
第1誘電体層を、上に電極が形成された基板上に形成し、
第2誘電体層を、前記第1誘電体層上に形成し、
第3誘電体層を、前記第2誘電体層上に形成し、
金属層を、前記第3誘電体層上に形成し、
前記第1〜第3誘電体層及び前記金属層を、空気に晒さずに形成することを特徴とする、誘電体層を堆積させる方法。
【請求項4】
前記第1誘電体層の形成、前記第2誘電体層の形成及び前記第3誘電体層の形成を繰り返し実行することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記第1誘電体層及び前記第3誘電体層は、同一の材料で形成することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記第1誘電体層及び前記第2誘電体層は、同一の材料で形成することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項7】
前記第2誘電体層及び前記第3誘電体層は、同一の材料で形成することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項8】
前記第1〜第3誘電体層はそれぞれ、熱処理工程、第1プラズマ処理工程、及び該第1プラズマ処理工程のプラズマ出力より高いプラズマ出力でプラズマ処理を行う第2プラズマ処理工程のうちの1つを介して形成することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項9】
第1〜第3誘電体層のそれぞれを、酸化物堆積工程及び窒化物堆積工程のいずれかを介して形成することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項10】
前記第1誘電体層の形成及び前記第2誘電体層の形成の間に、前記第1誘電体層にプラズマ処理を実行することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項11】
前記第2誘電体層の形成及び前記第3誘電体層の形成の間に、前記第2誘電体層にプラズマ処理を実行することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項12】
前記第1誘電体層の形成及び該第1誘電体層に対するプラズマ処理の実行を繰り返すことを特徴とする、請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記第2誘電体層の形成及び該第2誘電体層に対するプラズマ処理の実行を繰り返すことを特徴とする、請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記第1〜第3誘電体層は、異なる結晶性構造を有することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項15】
1以上の前記第1〜第3誘電体層を繰り返し堆積することを特徴とする、請求項14記載の方法。
【請求項16】
誘電体層堆積処理及びプラズマ処理工程を前記第1チャンバ内で実行することを特徴とする、請求項1記載のキャパシタ堆積装置。
【請求項17】
前記第1〜第3誘電体層のそれぞれは、SiO2, Al2O3, GeO2, SrO, HfSiOx, Y2O3, ZrO2, Ta2O5, CeO2, La2O3, LaAlO3, NMD, TiO2及びSTOの内の1つであることを特徴とする、請求項2又は請求項3記載の方法。
【請求項18】
前記第3誘電体層の形成及び前記金属層の形成の間に、前記第3誘電体層にプラズマ処理を実行することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項19】
前記第3誘電体層の形成及び、前記第3誘電体層に対するプラズマ処理の実行を繰り返すことを特徴とする、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記第1誘電体層の形成及び前記第3誘電体層の形成は、同一のチャンバ内で実行することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項21】
第1誘電体層及び第3誘電体層を、上に電極が形成された基板上に形成する第1チャンバ、
第1誘電体層及び第3誘電体層間に第2誘電体層を形成する第2チャンバ、
金属層を、前記第3誘電体層上に形成する第3チャンバ、及び
前記第1〜第3チャンバを真空状態に連結する第4チャンバからなることを特徴とする、キャパシタ堆積装置。
【請求項22】
前記第1チャンバの処理温度と、前記第2チャンバの処理温度とは異なることを特徴とする、請求項21記載のキャパシタ堆積装置。
【請求項23】
前記第1チャンバの処理温度は、350℃であり、前記第2チャンバの処理温度は410℃であることを特徴とする、請求項22記載のキャパシタ堆積装置。
【請求項24】
前記第1〜第3誘電体層及び前記金属層は、空気に晒さずに形成することを特徴とする、請求項21記載のキャパシタ堆積装置。
【請求項25】
誘電体層堆積工程及びプラズマ処理工程は、前記第1チャンバ及び前記第2チャンバのそれぞれで実行することを特徴とする、請求項21記載のキャパシタ堆積装置。
【請求項26】
前記第1〜第3誘電体層のそれぞれは、SiO2, Al2O3, GeO2, SrO, HfSiOx, Y2O3, ZrO2, Ta2O5, CeO2, La2O3, LaAlO3, NMD, TiO2及びSTOの内の1つであることを特徴とする、請求項1又は請求項21記載のキャパシタ堆積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャパシタ堆積装置及び、該装置を用いた誘電体層堆積方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の集積度が進歩的に増加するにつれ、装置が占有する面積は進歩的に減少している。半導体メモリ装置、例えば、ダイナミック・ランダム・アクセスメモリ(DRAM)においては、装置面積は減少しているが、基本的に必要なキャパシタ容量は確保すべきである。それ故、装置の面積の減少によるキャパシタの容量を補完すべく、各種方法が研究されている。
キャパシタの容量は、次の式で表現定義される。
【0003】
【数1】
ここで、εは、誘電体層の誘電率、Aは、電極の面積、またtは、誘電体層の厚さを示す。キャパシタの容量を増加させるためには、誘電体層として、誘電率の高い材料を使うか、誘電体層を薄く形成するか、又は電極の面積を増やすかである。しかしながら、上述したように半導体装置の集積度が増加していることにより、装置の面積は最近減少しているので、電極の面積を大きくすることは困難である。この理由により、誘電体層を薄く形成するか、高い誘電体率を有する誘電体層を使用するかによって、キャパシタの容量を増やすことになる。
【0004】
キャパシタは、下側電極である第1電極、上側電極である第2電極、及び第1及び第2電極の間に形成された誘電体層を有する。第1電極、誘電体層及び第2電極は、それぞれ異なるチャンバで形成される。このため、誘電体層を形成した後、第2電極を形成するまでに、真空破壊が起きる。この場合、誘電体層は、真空破壊されている間、空気に晒されることになり、これにより誘電層の酸化又は劣化が起きてしまう。
【0005】
更に、半導体基板のアンロード及びロードを繰り返す回数が増すと、半導体基板に印加する物理的ストレスが増加し、誘電体層の質の劣化が起きる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第1の観点は、キャパシタ堆積装置及び、該装置を用いた誘電体層堆積方法を提供し、これにより、真空破壊による誘電体層の表面が劣化するのを防止する。
【0007】
本発明の第2の観点は、キャパシタ堆積装置及び、該装置を用いた誘電体層堆積方法を提供し、これにより、半導体基板をロードし、アンロードする際に発生する物理的ストレスにより、誘電体層の質の低下を防止する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の観点では、第1誘電体層、第2誘電体層及び第3誘電体層を、上に電極が形成された基板上に形成する第1チャンバ、
前記第3誘電体層上に金属層を形成する第2チャンバ、及び
前記第1チャンバ及び前記第2チャンバを真空状態に接続する第3チャンバからなる、キャパシタ堆積装置が提供される。
【0009】
本発明の別の観点では、第1誘電体層を、上に電極が形成された基板上に形成し、
第2誘電体層を、前記第1誘電体層上に形成し、
第3誘電体層を、前記第2誘電体層上に形成し、
前記第1誘電体層の形成、前記第2誘電体層の形成、前記第3誘電体層の形成を同一のチャンバで実行することを特徴とする、誘電体層を堆積させる方法が提供される。
【0010】
本発明の更に別の観点では、第1誘電体層を、上に電極が形成された基板上に形成し、
第2誘電体層を、前記第1誘電体層上に形成し、
第3誘電体層を、前記第2誘電体層上に形成し、
金属層を、前記第3誘電体層上に形成し、
前記第1〜第3誘電体層及び前記金属層を、空気に晒さずに形成することを特徴とする、誘電体層を堆積させる方法が提供される。
【0011】
前記第1誘電体層の形成、前記第2誘電体層の形成及び前記第3誘電体層の形成を繰り返し実行する。
【0012】
前記第1誘電体層及び前記第3誘電体層は、同一の材料で形成する。
【0013】
前記第1誘電体層及び前記第2誘電体層は、同一の材料で形成する。
【0014】
前記第2誘電体層及び前記第3誘電体層は、同一の材料で形成する。
【0015】
前記第1〜第3誘電体層は、熱処理工程、第1プラズマ処理工程、及び該第1プラズマ処理工程のプラズマ出力より高いプラズマ出力でプラズマ処理を行う第2プラズマ処理工程のうちの1つを介して形成する。
【0016】
前記第1〜第3誘電体層のそれぞれを、酸化物堆積工程及び窒化物堆積工程のいずれかを介して形成する。
【0017】
該方法は、更に、前記第1誘電体層の形成及び前記第2誘電体層の形成の間に、前記第1誘電体層にプラズマ処理を実行する。
【0018】
該方法は、更に、前記第2誘電体層の形成及び前記第3誘電体層の形成の間に、前記第2誘電体層にプラズマ処理を実行する。
【0019】
該方法は、更に、前記第1誘電体層の形成及び該第1誘電体層に対するプラズマ処理の実行を繰り返す。
【0020】
該方法は、更に、前記第2誘電体層の形成及び該第2誘電体層に対するプラズマ処理の実行を繰り返す。
【0021】
前記第1〜第3誘電体層は、異なる結晶構造を有する。
【0022】
1以上の前記第1〜第3誘電体層を繰り返し堆積する。
【0023】
誘電体層堆積工程及びプラズマ処理工程を前記第1チャンバ内で実行する。
【0024】
前記第1〜第3誘電体層のそれぞれは、SiO
2, Al
2O
3, GeO
2, SrO, HfSiOx, Y
2O
3, ZrO
2, Ta
2O
5, CeO
2, La
2O
3, LaAlO
3, NMD, TiO
2及びSTOの内の1つである。
【0025】
該方法は、更に、前記第3誘電体層の形成及び前記金属層の形成の間に、前記第3誘電体層にプラズマ処理を実行する。
【0026】
該方法は、更に、前記第3誘電体層の形成及び前記第3誘電体層に対するプラズマ処理の実行を繰り返す。
【0027】
前記第1誘電体層の形成及び前記第3誘電体層の形成は、同一のチャンバ内で実行する。
【0028】
本発明の別の観点は、第1誘電体層及び第3誘電体層を、上に電極が形成された基板上に形成する第1チャンバ、
前記第1誘電体層及び前記第3誘電体層間に第2誘電体層を形成する第2チャンバ、
金属層を、前記第3誘電体層上に形成する第3チャンバ、及び
前記第1〜第3チャンバを真空状態に連結する第4チャンバからなることを特徴とする、キャパシタ堆積装置が提供される。
【0029】
前記第1チャンバの処理温度と、前記第2チャンバの処理温度とは異なる。
【0030】
前記第1チャンバの処理温度は、350℃であり、前記第2チャンバの処理温度は410℃である。
【0031】
前記第1〜第3誘電体層及び前記金属層は、空気に晒さずに形成する。
【0032】
誘電体層堆積工程及びプラズマ処理工程は、前記第1チャンバ及び前記第2チャンバのそれぞれで実行する。
【0033】
前記第1〜第3誘電体層のそれぞれは、SiO
2, Al
2O
3, GeO
2, SrO, HfSiOx, Y
2O
3, ZrO
2, Ta
2O
5, CeO
2, La
2O
3, LaAlO
3, NMD, TiO
2及びSTOの内の1つである。
【発明の効果】
【0034】
本発明の実施例によると、真空状態から逸れた状態に対応した真空破壊は、第3誘電帯体層の形成処理及び第2電極の形成処理の間では発生し得ない。その結果、真空破壊により誘電体層の表面の劣化を防止することが出来る。従って、第3誘電体層と第2電極間の界面特性が減じるのを防止出来、これによりキャパシタの容量の減少を防止することが出来る。
【0035】
更に、本発明の実施例によると、真空状態から逸れた状態に対応した真空破壊は、第1誘電帯体層の形成処理、第2誘電帯体層の形成処理、第3誘電帯体層の形成処理、及び第2電極の形成処理の間では発生し得ない。その結果、真空破壊により第1〜第3誘電体層のそれぞれの表面の劣化を防止することが出来る。従って、第1誘電体層と第2誘電体層間、第2誘電体層と第3誘電体層間、第3誘電体層と第2電極間の界面特性が減じるのを防止出来、これによりキャパシタの容量の減少を防止することが出来る。
【0036】
更に、本発明の実施例によると、第1〜第3誘電帯体層を同一のチャンバで形成するため、第1〜第3誘電体層をそれぞれ異なるチャンバ内で形成する場合と比べて、半導体基板のロード及びアンロードを繰り返す回数を減らすことが出来る。従って、半導体基板のロード及びアンロード時に発生する物理的ストレスにより、誘電体層の質の劣化を防止することが出来る。
【0037】
更に、本発明の実施例によると、第1〜第3誘電帯体層を同一のチャンバで形成し、この場合、第2誘電帯体層を第2温度ではなく、第1温度で形成することが出来る。また、第2温度で第2誘電体層を形成する方が好ましいが、第2誘電体層を第1温度で形成するため、第1温度と第2温度間の差に対応する温度エネルギを補償するためには、第2誘電体層にプラズマ処理を実行することが出来る。特に、第2誘電体層には酸素を供給し、第2誘電体層にプラズマ処理を実行するため、温度エネルギが補償され、第2誘電体層の界面は固くなる。
【0038】
更に、本発明の実施例によると、半導体基板上に形成した第1電極の表面に、N
2プラズマ処理を実行することができる。従って、第1電極の表面の界面は向上し、これにより、第1電極と第1誘電体層間の界面特性を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例による半導体装置のキャパシタを図示した断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例による高誘電率を有するキャパシタの製造方法を説明するフローチャートである。
【
図3】
図3は、本発明の一実施例による高誘電率を有するキャパシタの製造方法に適用する堆積装置を示す模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の他の実施例による高誘電率を有するキャパシタの製造方法を説明するフローチャートである。
【
図5】本発明の他の実施例による高誘電率を有するキャパシタの製造方法に適用する堆積装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の例示実施例を、添付の図面で説明しつつ、詳細に言及する。可能な限り、同一又は同様な部分には、同一の符号を、図面を通して使用することにする。
【0041】
本発明の利点や特徴、及び本発明の実行方法を、以下に示す実施例を介して、添付図面に言及しつつ明らかにする。しかしながら、本発明は異なる形態で具現化されることがあり、ここに示す実施例に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、開示したものが完全完璧なものであり、当該技術に精通した者に本発明の範囲が十分に伝達されるよう、実施例が提供される。更に、本発明は、クレームの範囲によってのみ定義される。
【0042】
本発明の実施例を説明するために図面に開示した、形、大きさ、比率、角度及び数字は、単たる例示であり、よって、本発明は、説明した詳細に限定されない。全体を通して、同様の符号は同様の要素を示している。以下、関連する公知の機能や公知の形態の詳細な説明は、本発明の重要点をむだに不明確にするものであり、その詳細な説明は省略する。本明細書において、「から構成される」、「有する」、「含む」なる語は、「〜だけ」の語が使われない限り、別の部分が存在する場合がある。単数形の語は、そうでないとの記載がない限り、複数形を含む場合がある。
【0043】
要素等を解釈するに当たり、該要素等は、明確な記述がない限り、エラー範囲を含むものと解釈される。
【0044】
位置関係を記述する際、例えば、「の上に」、「から上に」、「の下に」、「の次に」の2つの部分間の位置関係の記述は、「ちょうど」や「向けて」が使われない限り、1以上の部分が、2つの部分の間に配置される場合がある。
【0045】
時間関係を記述する際、例えば、時間的順序を、「の後に」、「に続いて」、「の前に」と記述した際は、「ちょうど」、「直接」を使用しない限り、連続的でないケースを含むことがある。
【0046】
各種要素を記述するために、「第1の」、「第2の」等の記述を用いても、これら要素がこの言葉により制限されるわけではない。これらの記述は、1つの要素を他の要素と区別するためだけに使用するものである。例えば、第1要素は、本発明の範囲から逸脱しない限り、第2要素であり得る。同様に、第2要素は、第1要素であり得る。
【0047】
本発明の各種実施例の特徴は、部分的に、又は全体に亘り互いに連結し得る。また、それらは互いに作用することもあり、更に、それら特徴をその技術の熟練者に十分に理解することが技術的にできるようになる。本発明の実施例は、互いに独立して実行でき、或いは、共同依存的な関係をもって共に実行することが出来る。
【0048】
以下、本発明の例示的実施例を、添付の図面を参照して詳細に記述する。
【0049】
図1は、本発明の実施例による半導体装置のキャパシタ100を示す断面図である。
図1では、本発明の実施例による半導体装置のキャパシタ100は、第1電極110、第2電極120及び誘電体層130を有する。
【0050】
第1電極110は、下側電極であり、第2電極120は、上側電極である。第1及び第2電極110、120のそれぞれは、ある特定のパターンでパターン化される電極である。第1及び第2電極110、120は、窒化チタン(TiN)で形成されるが、これに限定されない。
【0051】
誘電体層130は、複数の高K誘電体層を有している。例えば、
図1に示すように、誘電体層130は、第1〜第3誘電体層131−133を有する。
【0052】
第1及び第3誘電体層131及び133が同一の高−K A材料で形成されており、第2誘電体層132は、高−K B材料で形成されている例に言及しているが、本実施例はこれに限定されない。他の実施例では、第1及び第2誘電体層131及び132が同一の高−K A材料で形成されており、第3誘電体層133は、高−K B材料で形成されている。更に他の実施例では、第2及び第3誘電体層132及び133が同一の高−K A材料で形成されており、第1誘電体層131は、高−K B材料で形成されている。
【0053】
高−K A材料及び高−K B材料はそれぞれ、SiO
2, Al
2O
3, GeO
2, SrO, HfSiOx, Y
2O
3, ZrO
2, Ta
2O
5, CeO
2, La
2O
3, LaAlO
3, NMD, TiO
2及びSTOの内の1つである。即ち、第1〜第3誘電体層131〜133は、酸化物堆積工程又は窒化物堆積工程を介して形成することが出来る。
【0054】
第1誘電体層131は、第1電極110上に形成することが出来る。第1誘電体層131は、厚さが約60Åであり、四角形の結晶性層として形成することが出来る。
【0055】
第2誘電体層132は、第1誘電体層131上に形成することが出来る。第2誘電体層132は、厚さが約5Å〜8Åである。
【0056】
第3誘電体層133は、第誘電体層132上に形成することが出来る。第3誘電体層133は、厚さが約20Å〜30Åであり、非晶質層として形成することが出来る。
【0057】
誘電体層130が、本発明の1実施例として、四角形の結晶性層を有する第1誘電体層131、第2誘電体層132、非晶質層を有する第3誘電体層133からなる3層構造から形成されるとすれば、キャパシタ100は、等式(1)に示すように高誘電率を有し、これによりキャパシタ100の容量を増やすことが出来る。
【0058】
第1誘電体層131は、ある温度で実行する熱処理を介して形成することが出来、第2誘電体層132は、ある温度で実行する第1プラズマ処理を介して形成することが出来、第3誘電体層133は、ある温度で実行する第2プラズマ処理を介して形成することが出来る。或いは、第1誘電体層131は、ある温度で実行する熱処理を介して形成することが出来、第2誘電体層132は、ある温度で実行する第2プラズマ処理を介して形成することが出来、第3誘電体層133は、ある温度で実行する第1プラズマ処理を介して形成することが出来る。第2プラズマ処理は、第1プラズマ処理よりも高いプラズマ出力で実行することが出来る。プラズマ出力に基づいて、誘電体層の密度を変化させることが出来るし、不純物の含有量を変化させることも出来る。不純物の含有量に基づく結晶化の差や、誘電体層の密度の差により、誘電体層の漏れ電流特性に差が生じる。
【0059】
更に、第1〜第3誘電体層131〜133を、繰り返し堆積させることが出来る。或いは、これら第1〜第3誘電体層131〜133の内のいずれかを繰り返し堆積させることが出来る。
【0060】
図2は、本発明の一実施例による高誘電率を有するキャパシタの製造方法を説明するフローチャートである。
図3は、本発明の一実施例による高誘電率を有するキャパシタの製造方法に適用する堆積装置を示す模式図である。
【0061】
図3において、第2堆積装置200は、第1及び第2チャンバ210、220、搬送チャンバに対応する第3チャンバ(搬送チャンバ)240及び第4チャンバ230を有する。第1チャンバ210は、第1及び第3誘電体層131、133を形成するためのチャンバである。第1及び第3誘電体層131、133は同一の物質で形成されているので、これら第1及び第3誘電体層131、133は同一のチャンバ、即ち、第1チャンバで形成することが出来る。第2チャンバ220は、第2誘電体層132を形成するためのチャンバである。第1及び第2チャンバ210、220は、誘電体層堆積工程及びプラズマ処理工程を実行することができるチャンバである。第3チャンバ(搬送チャンバ)240は、半導体基板を、第1、第2及び第4チャンバ210、220、230に搬送し、第1、第2及び第4チャンバ210、220、230を真空状態に連結するためのチャンバである。第4チャンバ230は、第2電極120を形成するためのチャンバである。第1〜第4チャンバ210、220、240、230は、真空状態にある。ここで、説明の便宜上、第3チャンバ240を搬送チャンバと呼ぶことにする。
【0062】
更に、本発明の実施例による高誘電率を有するキャパシタの製造方法を、
図2及び
図3を用いて説明する。説明の便宜上、第1及び第3誘電体層131及び133が同一の高−K A材料で形成されており、第2誘電体層132は、高−K B材料で形成されている例で説明する。
【0063】
第1に、
図2に示すように、第1電極110を、第1堆積装置を用いて、真空状態で半導体基板上に形成する。第1電極110はTiNで形成されているが、これに限定されない。
【0064】
第1電極110は、ある形状にパターン化されたパターン電極であり、上に第1電極110が形成された半導体基板は、微粒子及び/又はそれと同様な異物を排除するためにウエット洗浄されている。また、その上に第1電極が形成された半導体基板がウエット洗浄された後、第1電極110の表面の界面を向上させるために、N
2プラズマ処理を行うことが出来る。N
2プラズマ処理を実行することで第1電極110の表面の界面を向上させる際、第1電極110と第1誘電体層131間の界面特性が向上する(
図2のS101)。
【0065】
第2に、上に第1電極110が形成された半導体基板を、
図3に示すように、第1誘電体層131を形成するために、第2堆積装置200の第1チャンバ210に搬送する。
図2に示すように、第1誘電体層131は、真空状態にある第1チャンバ210内で第1電極110上に形成する。第1誘電体層131は、厚さが約60Åで、四角形の結晶性層であるが、これに限定されない。
【0066】
第1誘電体層131は、第1温度、例えば、約350℃の高温で形成することが出来る。第1誘電体層131を繰り返し堆積させることが出来る。
【0067】
第1誘電体層131を堆積させている間に、又は第1誘電体層131を堆積させた後に、プラズマ処理を実行する第1プラズマ処理は、処理S102とS103の間に実行することができる。この場合、第1誘電体層131を堆積する処理を繰り返し、第1誘電体層131にプラズマ処理を実行することで第1誘電体層131を形成することが出来る(
図2のS102)。
【0068】
第3に、上に第1誘電体層131が形成されている半導体基板を、第2誘電体層132を形成するために、
図3に示すように、第1チャンバ210から第2チャンバ220へ搬送する。詳述すると、上に第1誘電体層131が形成されている半導体基板を、搬送チャンバ240を介して、第1チャンバ210から第2チャンバ220へ搬送する。ここで、搬送チャンバ240は真空状態にあるので、真空状態から逸れた状態に対応した真空破壊を被らずに、上に第1誘電体層131が形成された半導体基板を、第1チャンバ210から第2チャンバ220へ搬送することが出来る。
【0069】
図2に示すように、真空状態にある第2チャンバ220内で、第2誘電体層132を第1誘電体層131上に形成する。第2誘電体層132の厚さは、約5Å〜8Åである。第2誘電体層132は、第1温度よりも高い第2温度(例えば、約450℃)で形成することが出来る。第2誘電体層132を繰り返し堆積させることが出来る。
【0070】
或いは、第2誘電体層132を第1温度で形成することが出来る。第2誘電体層132を第2温度(例えば、約450℃)で形成することが出来る。第2誘電体層132を第1温度で形成する場合、第1及び第2温度の差に対応した温度エネルギを補償する必要がある。第1及び第2温度の差に対応した温度エネルギを補償するためには、第2誘電体層132を堆積させている間に、又は第2誘電体層132を堆積させた後に、プラズマ処理を実行する第2プラズマ処理は、処理S103とS104の間に実行することができる。関連技術においては、第2誘電体層132を形成する工程と、プラズマ処理とは、異なるチャンバ内で行う。しかしながら、本発明の実施例では、第2誘電体層132を形成する工程と、プラズマ処理工程とは全て第1チャンバ310内で行うことが出来る。例えば、第1チャンバ内310は、第2誘電体層132を形成する際、20秒から300秒、1kwの無線周波数(RF)出力でプラズマ処理を実行することが出来、これにより温度エネルギを補償することが出来る。温度エネルギは、RF出力を調整することで補償することが出来る。この場合、第2誘電体層132を堆積させる処理を繰り返し、第2誘電体層132にプラズマ処理を実行することで、第2誘電体層132を形成することが出来る(
図2のS103)。
【0071】
第4に、上に第2誘電体層132が形成されている半導体基板を、第3誘電体層133を形成するために、
図3に示すように、第2チャンバ220から第1チャンバ210へ再度搬送する。詳述すると、上に第2誘電体層132が形成されている半導体基板を、搬送チャンバ240を介して、第2チャンバ220から第1チャンバ210へ搬送する。ここで、搬送チャンバ240は真空状態にあるので、真空状態から逸れた状態に対応した真空破壊を被らずに、上に第2誘電体層132が形成された半導体基板を、第2チャンバ220から第1チャンバ210へ搬送することが出来る。
【0072】
図2に示すように、真空状態にある第1チャンバ210内で、第3誘電体層133を第2誘電体層132上に形成する。第3誘電体層133の厚さは、約20Å〜30Åであり、非晶質層であるが、これに限定されない。
【0073】
第3誘電体層133は、第1温度、例えば、約350℃の高温で形成することが出来る。第3誘電体層133を繰り返し堆積させることが出来る。
【0074】
第3誘電体層133を堆積させている間に、又は第3誘電体層133を堆積させた後に、プラズマ処理を実行する第3プラズマ処理は、処理S104とS105の間に実行することができる。この場合、第3誘電体層133を堆積させる処理を繰り返し、第3誘電体層133にプラズマ処理を実行することで第3誘電体層133を形成することが出来る(
図2のS104)。
【0075】
第5に、上に第3誘電体層133が形成されている半導体基板を、第2誘電体層132を形成するために、
図3に示すように、第1チャンバ210から第4チャンバ230へ搬送する。詳述すると、上に第3誘電体層133が形成されている半導体基板を、搬送チャンバ240を介して、第1チャンバ210から第4チャンバ230へ搬送する。ここで、搬送チャンバ240は真空状態にあるので、真空状態から逸れた状態に対応した真空破壊を被らずに、上に第3誘電体層133が形成された半導体基板を、第1チャンバ210から第4チャンバ230へ搬送することが出来る。
【0076】
図2に示すように、真空状態にある第4チャンバ230内で、第2電極120を第3誘電体層133上に形成する。第2電極120はTiNで形成されているが、これに限定されない。上に第2電極120が形成された半導体基板を、
図3に示すように第4チャンバ230から搬送装置に搬送させる(
図2のS105)。
【0077】
上述したように、本発明の実施例において、第1〜第3誘電体層131〜133及び第2電極120を、真空状態にある第1、第2、第4チャンバ210、220、230及び第3チャンバ(搬送チャンバ)240を有する第2堆積装置200で形成することが出来る。このため、本発明の実施例において、第1〜第3誘電体層131〜133及び第2電極120を形成する際、真空状態から逸れた状態に対応する真空破壊は存在しない。即ち、第1〜第3誘電体層131〜133は、製造過程において空気に晒されずに形成することが出来る。それ故、本発明の実施例においては、第1〜第3誘電体層131〜133は、空気に晒されず、劣化しない。これにより、第1〜第3誘電体層131〜133間の界面特性が減じるのを防止することが出来る。
【0078】
特に、関連技術においては、第1〜第3誘電体層131〜133のそれぞれは、第1〜第3誘電体層131〜133間の界面特性の減少を防ぐため、厚く設定され、このため、上述した式(1)に示すように、キャパシタ100の容量は減少する。一方、本発明の実施例においては、第1〜第3誘電体層131〜133間の界面特性の劣化が防止され、第1〜第3誘電体層131〜133のそれぞれの厚さは、関連技術よりも薄く設定され、これによりキャパシタ100の容量が減少する問題を解消することが出来る。
【0079】
図4は、本発明の他の実施例による高誘電率を有するキャパシタの製造方法を説明するフローチャートである。また、
図5は、本発明の他の実施例による高誘電率を有するキャパシタの製造方法に適用する堆積装置を示す模式図である。
【0080】
図5において、第2堆積装置300は、第1チャンバ310、第2チャンバ320、第3チャンバ(搬送チャンバ)340を有している。第1チャンバ310は、第1及び第3誘電体層131、133及び第2誘電体層132を形成するためのチャンバである。即ち、第1及び第3誘電体層131、133及び第2誘電体層132は、同一のチャンバ、即ち第1チャンバ310内で形成することが出来る。第1チャンバ310は、誘電体層堆積工程及びプラズマ処理工程を実行することができるチャンバである。第2チャンバ320は、第2電極120を形成するためのチャンバである。第3チャンバ(搬送チャンバ)340は、半導体基板を、第1、第2チャンバ310、320に搬送し、第1、第2チャンバ310、320を真空状態に連結するためのチャンバである。第1〜第3チャンバ310、320、230は、真空状態にある。これからは、説明の便宜上、第3チャンバ340を搬送チャンバと呼ぶことにする。
【0081】
更に、本発明の他の実施例による高誘電率を有するキャパシタの製造方法を、
図4及び
図5を用いて説明する。説明の便宜上、第1及び第3誘電体層131及び133が同一の高−K A材料で形成されており、第2誘電体層132は、高−K B材料で形成されている例で説明する。
【0082】
第1に、
図4に示すように、第1電極110を、第1堆積装置を用いて真空状態で半導体基板上に形成する。第1電極110はTiNで形成されているが、これに限定されない。
【0083】
第1電極110は、ある形状にパターン化されたパターン電極であり、その上に第1電極110が形成された半導体基板は、微粒子及び/又はそれと同様な異物を排除するためにウエット洗浄されている。また、その上に第1電極110が形成された半導体基板がウエット洗浄された後、第1電極110の表面の界面を向上させるために、N
2プラズマ処理を行うことが出来る。第1電極110の表面の界面にN
2プラズマ処理を実行することで向上させる際、第1電極110と第1誘電体層131間の界面特性が向上する(
図4のS201)。
【0084】
第2に、上に第1電極110が形成された半導体基板を、
図5に示すように、第1誘電体層131を形成するために第2堆積装置300の第1チャンバ310に搬送する。
図4に示すように、第1誘電体層131、第2誘電体層132、第3誘電体層133は、真空状態にある第1チャンバ310内で、第1電極110上に順番に形成する。このため、第1〜第3誘電体層131〜133を、製造工程において空気に晒さずに形成することが出来る。
【0085】
まず、第1誘電体層131を第1電極110上に形成する。第1誘電体層131の厚さは、約60Åであり、四角形の水晶性層であるが、これに限定されない。第1誘電体層131は、第1温度、例えば、約300℃の高温で形成することが出来る。第1誘電体層131を繰り返し堆積させることが出来る。
【0086】
第1誘電体層131を堆積させている間に、又は第1誘電体層131を堆積させた後に、プラズマ処理を実行することができる。この場合、第1誘電体層131を堆積させる処理を繰り返し、第1誘電体層131にプラズマ処理を実行することで第1誘電体層131を形成することが出来る。
【0087】
引き続き、第2誘電体層132を第1誘電体層131上に形成する。第2誘電体層131の厚さは、約5Å〜8Åであるが、これに限定されない。
図5に示すように、第2誘電体層132を、第1誘電体層131を形成したチャンバと同一の第1チャンバ310内で形成する場合は、第2誘電体層132を第1温度で形成することが出来る(例えば、約300℃の高温)。
【0088】
第2誘電体層132を第2温度(例えば、約400℃)で形成することが出来る。よって、第2誘電体層132を第1温度で形成する場合、第1及び第2温度の差に対応した温度エネルギを補償する必要がある。第1及び第2温度の差に対応した温度エネルギを補償するためには、本実施例においては、第2誘電体層132を第1チャンバ310内で形成した後、これに酸素(O
2)含有ガスを供給し、第2誘電体層132にプラズマ処理を実行する。
関連技術においては、第2誘電体層132を形成する工程と、プラズマ処理とは、異なるチャンバ内で行う。しかしながら、本発明の実施例では、第2誘電体層132を形成する工程と、プラズマ処理工程とは全て第1チャンバ310内で行うことが出来る。例えば、第1チャンバ内310は、第2誘電体層132を形成する際、20秒から300秒、1kwの無線周波数(RF)出力でプラズマ処理を実行することが出来、これにより、温度エネルギを補償することが出来る。温度エネルギは、無線周波数(RF)出力を調整することにより補償することが出来る。
【0089】
第2誘電体層132を繰り返し堆積することが出来る。例えば、第2誘電体層132を、第1温度で堆積する処理を繰り返し、第2誘電体層132にプラズマ処理を実行することで、第2誘電体層132を形成することが出来る。
【0090】
続いて、第2誘電体層132上に、第3誘電体層133を形成する。第3誘電体層133は、厚さが約20Å〜30Åで、非晶質層であるが、これに限定されない。第3誘電体層133を繰り返し堆積することが出来る。
【0091】
第3誘電体層133を堆積させている間に、又は第3誘電体層133を堆積させた後に、プラズマ処理を実行することが出来る。この場合、第3誘電体層133を体積させる処理を繰り返し、第3誘電体層133にプラズマ処理を実行することで第3誘電体層133を形成することが出来る(
図4のS202)。
【0092】
第3に、上に第1〜第3誘電体層131〜133が形成されている半導体基板を、第2電極120を形成するために、
図5に示すように、第1チャンバ310から第2チャンバ320へ搬送する。詳述すると、上に第1〜第3誘電体層131〜133が形成されている半導体基板を、搬送チャンバ340を介して、第1チャンバ310から第2チャンバ320へ搬送する。ここで、搬送チャンバ340は真空状態にあるので、真空状態から逸れた状態に対応した真空破壊を被らずに、上に第1〜第3誘電体層131〜133が形成された半導体基板を、第1チャンバ310から第2チャンバ320へ搬送することが出来る。
【0093】
図4に示すように、真空状態にある第2チャンバ320内で、第2電極120を第3誘電体層133上に形成する。第2電極120はTiNで形成されているが、これに限定されない。上に第2電極120が形成された半導体基板を、
図5に示すように第2チャンバ320から搬送装置に搬送させる(
図4のS203)。
【0094】
上述したように、本発明の実施例において、第1〜第3誘電体層131〜133及び第2電極120を、真空状態にある第1、第2チャンバ310、320及び第3チャンバ(搬送チャンバ)340を有する第2堆積装置300で形成することが出来る。このため、本発明の実施例において、第1〜第3誘電体層131〜133及び第2電極120を形成する際、真空状態から逸れた状態に対応する真空破壊は存在しない。即ち、第1〜第3誘電体層131〜133を、製造過程において空気に晒されずに形成することが出来る。それ故、本発明の実施例においては、第1〜第3誘電体層131〜133は、空気に晒されず、劣化しない。これにより、第1〜第3誘電体層131〜133間の界面特性が減じるのを防止することが出来る。
【0095】
特に、関連技術においては、第1〜第3誘電体層131〜133のそれぞれは、第1〜第3誘電体層131〜133間の界面特性が減じるのを防止するために厚く設定される。このため、上述した式(1)に示すように、キャパシタ100の容量は減少する。一方、本発明の実施例においては、第1〜第3誘電体層131〜133間の界面特性の劣化が防止され、第1〜第3誘電体層131〜133のそれぞれは、関連技術よりも薄く設定され、これによりキャパシタ100の容量が減少する問題を解消することが出来る。
【0096】
更に、本実施例によると、第1〜第3誘電体層131〜133は、同一のチャンバ(即ち第1チャンバ310)内で形成するため、半導体基板のアンロード及びロードを繰り返す回数を、第1〜第3誘電体層131〜133をそれぞれ異なるチャンバ内で形成する場合と比べて、減らすことが出来る。従って、半導体基板のアンロード及びロード時に発生する物理的ストレスにより、誘電体層の質の劣化を防止することが出来る。
【0097】
本発明の真意及び範囲を逸脱しない限り、本発明の中で、種々の変形、修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。よって、本発明は、添付のクレームの範囲及びこれと同等の範囲内で、本発明の変形修正をカバーしている。
【手続補正書】
【提出日】2018年10月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1誘電体層を、上に電極が形成された基板上に形成し、
第2誘電体層を、前記第1誘電体層上に形成し、
第3誘電体層を、前記第2誘電体層上に形成し、
金属層を、前記第3誘電体層上に形成し、
前記第1〜第3誘電体層及び前記金属層を、空気に晒さずに形成することを特徴とする、誘電体層を堆積させる方法。
【請求項2】
前記第1誘電体層の形成、前記第2誘電体層の形成及び前記第3誘電体層の形成を繰り返し実行することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1誘電体層及び前記第3誘電体層は、同一の材料で形成することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第1誘電体層及び前記第2誘電体層は、同一の材料で形成することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記第2誘電体層及び前記第3誘電体層は、同一の材料で形成することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記第1〜第3誘電体層はそれぞれ、熱処理工程、第1プラズマ処理工程、及び該第1プラズマ処理工程のプラズマ出力より高いプラズマ出力でプラズマ処理を行う第2プラズマ処理工程のうちの1つを介して形成することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項7】
第1〜第3誘電体層のそれぞれを、酸化物堆積工程及び窒化物堆積工程のいずれかを介して形成することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記第1誘電体層の形成及び前記第2誘電体層の形成の間に、前記第1誘電体層にプラズマ処理を実行することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記第2誘電体層の形成及び前記第3誘電体層の形成の間に、前記第2誘電体層にプラズマ処理を実行することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記第1誘電体層の形成及び該第1誘電体層に対するプラズマ処理の実行を繰り返すことを特徴とする、請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記第2誘電体層の形成及び該第2誘電体層に対するプラズマ処理の実行を繰り返すことを特徴とする、請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記第1〜第3誘電体層は、異なる結晶性構造を有することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項13】
1以上の前記第1〜第3誘電体層を繰り返し堆積することを特徴とする、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記第1〜第3誘電体層のそれぞれは、SiO2, Al2O3, GeO2, SrO, HfSiOx, Y2O3, ZrO2, Ta2O5, CeO2, La2O3, LaAlO3, NMD, TiO2及びSTOの内の1つであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記第3誘電体層の形成及び前記金属層の形成の間に、前記第3誘電体層にプラズマ処理を実行することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記第3誘電体層の形成及び、前記第3誘電体層に対するプラズマ処理の実行を繰り返すことを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記第1誘電体層の形成及び前記第3誘電体層の形成は、同一のチャンバ内で実行することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項18】
第1誘電体層及び第3誘電体層を、上に電極が形成された基板上に形成する第1チャンバ、
第1誘電体層及び第3誘電体層間に第2誘電体層を形成する第2チャンバ、
金属層を、前記第3誘電体層上に形成する第3チャンバ、及び
前記第1〜第3チャンバを真空状態に連結する第4チャンバからなることを特徴とする、キャパシタ堆積装置。
【請求項19】
前記第1チャンバの処理温度と、前記第2チャンバの処理温度とは異なることを特徴とする、請求項18記載のキャパシタ堆積装置。
【請求項20】
前記第1チャンバの処理温度は、350℃であり、前記第2チャンバの処理温度は410℃であることを特徴とする、請求項19記載のキャパシタ堆積装置。
【請求項21】
前記第1〜第3誘電体層及び前記金属層は、空気に晒さずに形成することを特徴とする、請求項18記載のキャパシタ堆積装置。
【請求項22】
誘電体層堆積工程及びプラズマ処理工程は、前記第1チャンバ及び前記第2チャンバのそれぞれで実行することを特徴とする、請求項18記載のキャパシタ堆積装置。
【請求項23】
前記第1〜第3誘電体層のそれぞれは、SiO2, Al2O3, GeO2, SrO, HfSiOx, Y2O3, ZrO2, Ta2O5, CeO2, La2O3, LaAlO3, NMD, TiO2及びSTOの内の1つであることを特徴とする、請求項18記載のキャパシタ堆積装置。
【国際調査報告】